JP2012208380A - ピアノの鍵 - Google Patents

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Abstract

【課題】 埋設孔に取り付けられる鉛などから成る重りを廃止または抑制し、鍵の強度を高めるとともに、鍵の慣性モーメントを低減することによって、演奏性を向上させることができるピアノの鍵を提供する。
【解決手段】 本願発明は、前後方向に延び、中央部においてバランスピン17を中心として揺動自在に支持され、演奏時、バランスピン17よりも前側の部分が押鍵されることによって回動するピアノの鍵1であって、木質材で構成され、矩形の断面を有する鍵本体2と、鍵本体2よりも比重の大きな材料で構成され、鍵本体2に一体に設けられるとともに、バランスピン17に係合するバランスピン孔11を有する中座板3と、を備え、中座板3は、バランスピン17の後ろ側に位置する後部3bと、バランスピン17の前側に位置し、後部3bよりも重量の大きな前部3aと、を有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、中央部においてバランスピンに回動自在に支持され、演奏時に押鍵に伴って回動するピアノの鍵に関する。
従来のピアノの鍵として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この鍵は、アップライトピアノなどのアコースティックピアノ用のものであり、前後方向に延びる鍵本体と、鍵本体の上面の中央部に固定された中座板を備えている。鍵本体は、スプルスなどの比較的軽量で、ねばり強く、弾力性に富む木質材で構成されている。一方、中座板は、鍵本体の強度および剛性を補強するためのものであり、芯用単板と、その上下面にそれぞれ積層・接着された化粧単板で構成されている。
また、鍵本体から中座板にわたり、上下方向に貫通するバランスピン孔が形成されており、このバランスピン孔が筬に立設されたバランスピンに係合することによって、鍵がバランスピンを中心として回動自在に支持されている。中座板のバランスピン孔は、中座板の中心よりも前寄りに偏倚して配置されており、それにより、中座板のバランスピンよりも前側の部分は、後ろ側の部分よりも短くなっている。
また、アコースティックピアノの鍵では一般に、鍵のタッチ重さ(静的荷重)を調整するために、鍵本体に重りが取り付けられている。この重りは、従来一般に、円柱状の鉛で構成されており、鍵本体に側方に貫通するように形成された埋設孔に、かしめによって取り付けられている。また、グランドピアノの場合、重りは、バランスピンの後ろ側に配置されたアクションの重さに抗するために、鍵本体のバランスピンよりも前側に配置されており、その中でも、鍵本体の前端部に重点的に配置されている。これは、重りをバランスピン(支点)から遠い位置に配置することによって、重りによる力のモーメントを効果的に得るとともに、鍵の強打時に大きな荷重が作用する部位である鍵本体のバランスピン付近の強度が減少するのを回避するためである。
特開平10−49140号公報
しかし、上述した従来の鍵では、重りが鍵本体の前端部に重点的に配置されていて、支点から重りまでの距離(うでの長さ)が大きいので、所望の力のモーメント(静的荷重)が得られたとしても、慣性モーメントはより大きくなる。その結果、演奏の際、鍵を押して動かそうとするときの指先への反力が大きくなるため、鍵が重く、弾きにくいと演奏者が感じるなど、演奏性を低下させる原因になる。また、従来、重りとして用いられている鉛は、環境にやさしくないため、できるだけ使用しないことが望ましい。さらに、重りを取り付けるための埋設孔を鍵本体に形成することが必要であるため、その加工コストの増大や鍵本体の強度の低下を招く。
また、特許文献1の鍵では、中座板が木質材である芯用単板および化粧単板で構成されているため、鍵本体の強度および剛性を十分に補強することができない。このため、強度の不足により、強打時に鍵が破損するおそれがあり、また、剛性の不足により、押鍵エネルギがアクションに良好に伝達されないことで、十分な音量が得られないなどの不具合が生じるおそれがある。さらに、中座板が木質材で構成されているため、乾湿の影響によってバランスピン孔の寸法が変化しやすく、バランスピンとの間の適度な摩擦を保つための調整作業が煩雑になる。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、埋設孔に取り付けられる鉛などから成る重りを廃止または抑制し、鍵の強度を高めるとともに、鍵の慣性モーメントを低減することによって、演奏性を向上させることができるピアノの鍵を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本願の請求項1に係る発明は、前後方向に延び、中央部においてバランスピンを中心として揺動自在に支持され、演奏時、バランスピンよりも前側の部分が押鍵されることによって回動するピアノの鍵であって、木質材で構成され、矩形の断面を有する鍵本体と、鍵本体よりも比重の大きな材料で構成され、鍵本体に一体に設けられるとともに、バランスピンに係合するバランスピン孔を有する重り部材と、を備え、重り部材は、バランスピンの後ろ側に位置する後部と、バランスピンの前側に位置し、後部よりも重量の大きな前部と、を有することを特徴とする。
このピアノの鍵は、中央部においてバランスピンを中心として揺動自在に支持されており、演奏時、バランスピンの前側の部分が押鍵されることによって回動する。また、この鍵は、木質材で構成された鍵本体と、鍵本体に一体に設けられた重り部材を備えており、重り部材に形成されたバランスピン孔を介してバランスピンに係合した状態で、支持されている。
また、この重り部材は、全体として、鍵本体よりも比重の大きな材料で構成されるとともに、バランスピンの後ろ側に位置する後部と、バランスピンの前側に位置し、後部よりも重量の大きな前部と、を有する。このような前部と後部との重量差によって、鍵のバランスピンよりも前側の部分に下向きの力のモーメントを付与し、静的荷重の調整に用いることができる。その結果、従来、この機能を得るために鍵本体に設けられていた鉛などから成る重りを、廃止または抑制することができる。また、重りの取付けのために鍵本体に形成されていた従来の埋設孔も省略または削減できるので、その加工コストを削減するとともに、鍵の強度を高めることができる。
さらに、重り部材がバランスピンの付近に配置されているので、重り部材による慣性モーメントを、重りが鍵の前端部に設けられていた従来の場合よりも軽減でき、したがって、指先への反力が小さくなり、鍵が軽く、弾きやすくなることで、演奏性を向上させることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のピアノの鍵において、鍵本体は、鍵の前後方向の全体にわたって延びるとともに、バランスピンに係合する鍵側バランスピン孔を有し、重り部材は、鍵本体を補強するために鍵本体の上面に固定され、鍵側バランスピン孔に連なるバランスピン孔と、後部および前部を有する中座板で構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、重り部材は、鍵本体を補強するために鍵本体の上面に固定された中座板で構成されている。前述したように、このような中座板は、ピアノに一般的に設けられるものである。また、この中座板は、鍵本体よりも比重の大きな材料で構成されるとともに、バランスピンの前側に位置する前部の重量が後ろ側に位置する後部よりも大きくなっており、それにより、鍵のバランスピンよりも前側の部分に下向きの力のモーメントが付与される。したがって、鍵本体を補強するという中座板の本来の機能を維持しながら、鍵の大きな設計変更を必要とすることなく、請求項1の鍵を容易に実現でき、請求項1による前述した作用を得ることができる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のピアノの鍵において、中座板は、繊維強化材を含有する合成樹脂の成形品で構成され、中座板の前部にはさらに金属粉が含有されていることを特徴とする。
この構成によれば、中座板の前部に金属粉が含有されていることで、中座板の前部の重量が後部よりも大きくなっている。これにより、鍵のバランスピンよりも前側の部分に下向きの力のモーメントが付与されるので、請求項1の鍵が実現され、請求項1による前述した作用を得ることができる。
また、中座板が、合成樹脂の成形品で構成されるとともに、全体的に含有された繊維強化材で補強されているので、従来の木製の中座板と比較し、鍵の強度および剛性をより効果的に補強することができる。その結果、十分な強度が確保されることで、強打時の鍵の破損などを有効に防止できるとともに、十分な剛性が確保され、押鍵エネルギがアクションに良好に伝達されることで、十分な音量が得られるなど、演奏性をさらに向上させることができる。
さらに、中座板が合成樹脂の成形品で構成されているので、その成形精度が高いとともに、乾湿の影響によるバランスピン孔の寸法変化が小さいことによって、バランスピンとの間に適度な摩擦を保つための調整作業を簡素化することができる。
請求項4に係る発明は、請求項2に記載のピアノの鍵において、中座板の前部は、後部よりも、比重および前後方向の寸法が大きいことを特徴とする。
この構成によれば、中座板の前部の比重および前後方向の寸法が、後部よりも大きいことで、中座板の前部は、後部と比較して、重量が大きいとともに、バランスピンからのうでの長さも大きくなっている。これにより、鍵のバランスピンよりも前側の部分に下向きの力のモーメントが付与されるので、請求項1の鍵が実現され、請求項1による前述した作用を得ることができる。
請求項5に係る発明は、請求項1に記載のピアノの鍵において、鍵本体は、互いに別体の前部材および後部材を有し、重り部材は、鍵本体の前部材と後部材の間に接合されるとともに、バランスピンに係合するバランスピン孔と、後部および前部を有する中間材で構成されており、中間材の前部は、後部よりも前後方向の寸法が大きいことを特徴とする。
この構成によれば、鍵本体が互いに別体の前部材および後部材を有し、重り部材は、これらの前部材と後部材の間に接合された中間材で構成されている。そして、中間材の前部の前後方向の寸法が後部よりも大きいことで、中間材の前部は、後部と比較して、重量が大きいとともに、バランスピンからのうでの長さも大きくなっている。これにより、鍵のバランスピンよりも前側の部分に下向きの力のモーメントが付与されるので、請求項1の鍵が実現され、請求項1による作用を得ることができる。
また、この中間材は、鍵本体よりも比重の大きな材料で構成されているので、鍵の強度および剛性を補強できる。その結果、強打時の鍵の破損などを有効に防止できるとともに、押鍵エネルギがアクションに良好に伝達されることで、演奏性をさらに向上させることができる。
さらに、この中間材は、前部材と後部材の間に大きな体積をもって配置されるので、重り部材が中座板で構成される場合と比較して、前部と後部との重量およびうでの長さの差による力のモーメントの付与および慣性モーメントの軽減と、鍵の強度および剛性の補強を、より効果的に行うことができる。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載のピアノの鍵において、前部材および後部材は、前後方向に直線状に延び、中間材は、前後方向に屈曲した状態で延びており、鍵は所定の屈曲した平面形状を有することを特徴とする。
この構成によれば、直線状の前部材および後部材を用いて、屈曲した平面形状を有する鍵を形成できるので、木質材から成る前部材および後部材の加工が容易になり、それにより、鍵の製造コストを削減することができる。
本発明の第1実施形態によるグランドピアノの鍵を含む鍵盤装置を示す斜視図である。 図1の鍵の中座板およびその付近の構成を示す部分拡大側面図である。 第2実施形態による鍵を示す、図2と同様の部分拡大側面図である。 第3実施形態による鍵を示す側面図である。 第3実施形態の変形例による鍵を示す平面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態によるグランドピアノの鍵1(白鍵)を含む鍵盤装置を示している。同図に示すように、この鍵1は、鍵本体2と、鍵本体2の上面の中央部に接着された中座板3と、鍵本体2の上面の前部から前面にわたって接着された、アクリルなどから成る白鍵カバー4を備えている。
鍵本体2の上面にはさらに、中座板3の後ろ側に、キャプスタン5を取り付けたキャプスタン座板6が、後端部に、バックチェック7を取り付けた先座板8が、最後端部にトップフェルト9が、それぞれ取り付けられている。
鍵本体2は、スプルスや松などの比較的軽量で、粘り強く、弾力性に富む針葉樹で構成され、矩形の断面を有し、前後方向に延びている。鍵本体2の前部には、フロントピン孔(図示せず)が、下面に開口するように形成されている。
本発明に係る中座板3は、鍵本体2を補強するとともに、鍵1に力のモーメント(以下、単に「モーメント」という)を付与するためのものである。中座板3は、鍵本体2と同じ幅を有し、前後方向に延びており、図2に示すように、後述するバランスピン17の前側に位置する前部3aと後ろ側に位置する後部3bは、互いにほぼ同じ長さになっている。
また、中座板3は、多数の繊維強化材を含有する合成樹脂の成形品で構成されており、木質材から成る鍵本体2よりも大きな比重を有する。基材となる合成樹脂は、例えば、フェノール樹脂やベークライトなどで構成されている。繊維強化材は、中座板3を補強するためのものでり、例えば、ガラス繊維や、炭素繊維、ボロン鋼繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維などで構成されている。
また、中座板3の前部3aにはさらに、金属粉10が含有されている。この金属粉10は、比重の高い金属、例えば、タングステンや鉄などで構成されている。このように金属粉10が含有されている分、中座板3の前部3aは後部3bより重量が大きくなっている。
鍵本体2から中座板3にわたっては、これらを上下方向に貫通するようにバランスピン孔11が形成されている。このバランスピン孔11は、鍵本体2の下端部の丸孔部11aと、丸孔部11aの上側に連続するガイド長孔部11bで構成されている。ガイド長孔部11bは、中座板3の上面に開口するとともに、前後方向に延びている。
中座板3のガイド長孔部11bの各内側面から上面にわたっては、左右のブッシングクロス12、12(図1参照)が貼り付けられている。これらのブッシングクロス12、12は、バランスピン17に適度な摩擦をもって接し、鍵1が回動する際のノイズを防止するものである。
一方、鍵1を支持する筬13は、前側から順に、筬前14、筬中15および筬後16を有しており、これらはいずれも左右方向に延びている。筬中15には、鍵1に相当する位置に、多数のバランスピン17が立設されている。
鍵1は、そのバランスピン孔11がバランスピン17に係合した状態で、筬中15に揺動自在に支持されており、演奏時、白鍵カバー4の部分が押鍵されることによって、バランスピン17を中心として回動する。これにより、鍵1の後部が上方に回動し、キャプスタン5を介してウイッペンを突き上げることによって、アクション(いずれも図示せず)が作動する。また、筬前14の鍵1に相当する位置には、多数のフロントピン(図示せず)が立設されており、このフロントピンに鍵1のフロントピン孔が係合していることによって、回動する鍵1の左右の振れが防止される。
以上のように、本実施形態によれば、中座板3の比重が木質材から成る鍵本体2よりも大きいとともに、中座板3の前部3aに金属粉10が含有されていることで、前部3aが後部3bよりも重くなっている。このような前部3aと後部3bとの重量差によって、鍵1のバランスピン17よりも前側の部分に下向きのモーメントを付与し、静的荷重の調整に用いることができる。
その結果、従来、この機能を得るために鍵本体に設けられていた鉛などから成る重りを、廃止または抑制することができる。また、重りの取付けのために鍵本体に形成されていた従来の埋設孔も省略または削減できるので、その加工コストを削減するとともに、鍵の強度を高めることができる。
さらに、中座板3がバランスピン17の付近に配置されているので、中座板3による慣性モーメントを、重りが鍵の前端部に設けられていた従来の場合よりも軽減でき、したがって、指先への反力が小さくなり、鍵が軽く、弾きやすくなることで、演奏性を向上させることができる。また、中座板3は、グランドピアノの鍵を補強するために、一般的に設けられるものであるので、中座板3の構成を変更するだけで、鍵1全体の大きな設計変更を必要とすることなく、上記の効果を得ることができる。
また、中座板3が、合成樹脂の成形品で構成されるとともに、含有された繊維強化材で補強されているので、従来の木製の中座板と比較し、鍵1の強度および剛性をより効果的に補強することができる。その結果、十分な強度が確保されることで、強打時の鍵1の破損などを有効に防止できるとともに、十分な剛性が確保され、押鍵エネルギがアクションに良好に伝達されることで、十分な音量が得られるなど、演奏性をさらに向上させることができる。
さらに、中座板3が合成樹脂の成形品で構成されているので、その成形精度が高いとともに、乾湿の影響によるバランスピン孔11の寸法変化が小さいことによって、バランスピン17との間に適度な摩擦を保つためのブッシングクロス12の調整作業を簡素化することができる。
図3は、本発明の第2実施形態による鍵21を示す。この鍵21は、前述した第1実施形態の鍵1と比較し、中座板の構成のみが異なる。なお、第1実施形態と同じ構成を有する要素については、同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。このことは、後述する第3実施形態などについても同様である。
この中座板23は、鍵本体2と同じ幅を有し、前後方向に延びており、バランスピン17の前側に位置する前部23aの長さは、後ろ側に位置する後部23bよりも大きい。また、前部23aが一定の厚さを有するのに対し、後部23bの後ろ側の部分はより薄くなっている。
また、中座板23の前部23aは、比較的高い比重を有する金属、例えば鉄や銅、タングステンで構成され、後部23bは、より低い比重を有する金属、例えばアルミニウムで構成されている。中座板23は、例えばこれらの2種類の金属の二色成形によって、一体に形成されている。
以上のように、中座板23の前部23aは、後部23bと比較して、比重、前後方向の長さおよび厚さがいずれも大きく、それにより、重量およびバランスピン17からのうでの長さが大きくなっている。したがって、本実施形態によれば、このような中座板23の前部23aと後部23bとの重量およびうでの長さの差によって、鍵1のバランスピン17よりも前側の部分に下向きのモーメントが付与されるので、第1実施形態による前述した効果を同様に得ることができる。
図4は、本発明の第3実施形態による鍵31を示す。この鍵31は、鍵本体としての前部材32aおよび後部材32bと、両部材32a、32bの間に接合された、重り部材おしての中間材33を備え、中座板は廃止されている。
前部材32aおよび後部材32bは、前述した実施形態の鍵本体2と同様、スプルスなどの木質材で構成され、矩形の断面を有し、前後方向に直線的に延びている。
中間材33は、前部材32aおよび後部材32bを補強するとともに、鍵31にモーメントを付与するためのものであり、比較的高い比重を有する金属、例えば鉄や銅、タングステンなどの成形品で構成されている。
中間材33は、前部材32aおよび後部材32bとほぼ同じ幅を有し、前後方向に直線的に延びている。中間材33には、バランスピン17に係合するバランスピン孔(図示せず)が形成されており、バランスピン17の前側に位置する前部33aの長さは、後ろ側に位置する後部33bよりも大きくなっている。また、中間材33の高さは、前後の両端部を除き、前部材32aおよび後部材32bよりも大きい。
また、中間材33の端部には、断面が「ロ」字状の接合部33c、33dが形成されている。これらの接合部33c、33dに、前部材32aの後端部および後部材32bの前端部がそれぞれはめ込まれ、ねじ35で固定されることによって、鍵31は、平面的に見て直線状に形成されている。
以上の構成によれば、中間材33の前部33aと後部33bとの重量差およびバランスピン17からのうでの長さの差によって、鍵31のバランスピン17よりも前側の部分に下向きのモーメントが付与されるので、第1および第2実施形態による前述した効果を同様に得ることができる。
また、この中間材33は、前部材32aと後部材32bの間に大きな体積をもって配置されるので、第1および第2実施形態の中座板の場合と比較して、前部33aと後部33bとの重量およびうでの長さの差によるモーメントの付与および慣性モーメントの軽減と、鍵の強度および剛性の補強を、より効果的に行うことができる。
図5は、第3実施形態の変形例による鍵41を示す。同図に示すように、この鍵41は、フレーム(図示せず)との間のレイアウトなどの関係から、平面的に見て屈曲した形状を有している。この鍵41では、中間材43の前側の接合部43cは、中間材43の長さ方向に対して所定の角度で屈曲しており、この接合部43cおよび後ろ側の接合部43dに直線状の前部材32aおよび後部材32bを接合することによって、鍵41が所定の屈曲形状に形成されている。
以上のように、直線状の前部材32aおよび後部材32bを用いて、屈曲した平面形状を有する鍵41を形成できるので、木質材から成る両部材32a、32bの加工が容易になり、それにより、鍵41の製造コストを削減することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、第2実施形態では、中座板23の前部23aおよび後部23bを、互いに異なる比重を有する金属で構成しているが、これに限らず、例えば木質材で構成してもよい。例えば、中座板23の後部23bを鍵本体21と同等またはそれよりも大きな比重を有する木質材(例えばスプルス)で構成し、前部23aを後部23bよりも比重の大きな木質材(例えば黒檀)で構成してもよい。
このことは、第3実施形態の中間材33についても同様であり、例示した金属に代えて、スプルスなどから成る前部材32aおよび後部材32bよりも比重の大きな木質材、例えば黒檀などを用いてもよい。
さらに、実施形態は、本発明をグランドピアノに適用した例であるが、鍵のバランスピンよりも前側にモーメントを付与し、静的荷重を調整することが必要な鍵である限り、他のタイプのピアノ、例えばアップライトピアノに適用してもよい。その他、細部の構成を、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することが可能である。
1 鍵
2 鍵本体
3 中座板(重り部材)
3a 中座板の前部
3b 中座板の後部
10 金属粉
11 バランスピン孔
11a バランスピン孔の丸孔部(鍵側バランスピン孔)
11b バランスピン孔のガイド長孔部(鍵側バランスピン孔、バランスピン孔)
17 バランスピン
21 鍵
23 中座板(重り部材)
23a 中座板の前部
23b 中座板の後部
31 鍵
32a 前部材
32b 後部材
33 中間材(重り部材)
33a 中間材の前部
33b 中間材の後部
41 鍵

Claims (6)

  1. 前後方向に延び、中央部においてバランスピンを中心として揺動自在に支持され、演奏時、当該バランスピンの前側の部分が押鍵されることによって回動するピアノの鍵であって、
    木質材で構成され、矩形の断面を有する鍵本体と、
    当該鍵本体よりも比重の大きな材料で構成され、前記鍵本体に一体に設けられるとともに、前記バランスピンに係合するバランスピン孔を有する重り部材と、を備え、
    当該重り部材は、前記バランスピンの後ろ側に位置する後部と、前記バランスピンの前側に位置し、前記後部よりも重量の大きな前部と、を有することを特徴とするピアノの鍵。
  2. 前記鍵本体は、当該鍵の前後方向の全体にわたって延びるとともに、前記バランスピンに係合する鍵側バランスピン孔を有し、
    前記重り部材は、前記鍵本体を補強するために当該鍵本体の上面に固定され、前記鍵側バランスピン孔に連なる前記バランスピン孔と、前記後部および前記前部を有する中座板で構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のピアノの鍵。
  3. 前記中座板は、繊維強化材を含有する合成樹脂の成形品で構成され、当該中座板の前記前部にはさらに金属粉が含有されていることを特徴とする、請求項2に記載のピアノの鍵。
  4. 前記中座板の前記前部は、前記後部よりも、比重および前後方向の寸法が大きいことを特徴とする、請求項2に記載のピアノの鍵。
  5. 前記鍵本体は、互いに別体の前部材および後部材を有し、
    前記重り部材は、前記鍵本体の前記前部材と前記後部材の間に接合されるとともに、前記バランスピンに係合する前記バランスピン孔と、前記後部および前記前部を有する中間材で構成されており、当該中間材の前記前部は、前記後部よりも前後方向の寸法が大きいことを特徴とする、請求項1に記載のピアノの鍵。
  6. 前記前部材および前記後部材は、前後方向に直線状に延び、前記中間材は、前後方向に屈曲した状態て延びており、当該鍵は所定の屈曲した平面形状を有することを特徴とする、請求項5に記載のピアノの鍵。
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