JP2012206601A - 車両用内装材 - Google Patents

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Abstract

【課題】射出成形法により、基体の表面に特定の形状のクリップ保持部が形成された車両用内装材を提供する。
【解決手段】基体1と、その表面に設けられるとともに、クリップを保持するためのクリップ保持部2と、を備え、クリップ保持部は、基体の表面に射出成形法により形成されており、クリップ保持部には、基体の表面に接合された座部21と、座部と一体形成され、クリップを嵌めるための嵌め込み部22と、が備えられ、嵌め込み部は、座部よりも基体の表面から離隔する側に突出した形態とされ、座部を、嵌め込み部を避けながら、基体の表面と直交する平面により仮想的に切断したときの座部断面が、端に向かうにつれて漸次薄くなった部分を有し、座部断面の外周線のうちの、基体の表面に接合されている線分の長さが、外周線の全長さから線分の長さを差し引いた長さよりも短い。
【選択図】図1

Description

本発明は車両用内装材に関する。更に詳しくは、本発明は、内装材基体の表面に射出成形法により設けられたクリップ保持部の形状を特定することにより、成形後の冷却過程におけるクリップ保持部の熱収縮に起因する反りの発生、及び成形時の熱による車室側の意匠面における凹みの発生が抑えられる車両用内装材に関する。
車両用内装材には、車室側とは反対側となる面に、内装材を車両パネルに取り付けるためのリテーナ、サイドクリップ等の保持具が設けられている。この保持具は、従来、予め成形された部品を内装材表面に接着剤等により接合し、固定していたが、接着剤等を必要とし、接着剤の塗布などに相当な手間と時間を必要としていた。そのため、内装材表面に樹脂を直接射出して保持具を成形するとともに、内装材表面に接合させ、固定させる方法が提案されている。
例えば、繊維ボード等の基体上に熱可塑性樹脂材料により成形体を接合してなり、接合部が、基体の接合面上に延びる線状部と、この線状部から接合面上に突出した枝部とによって形成された成形構造体が知られており、基体を変形させることなく、十分な接合力で成形体が接合されると説明されている(例えば、特許文献1参照。)。更に、特定のキャビティを有する成形型を使用し、樹脂成形体を成形するとともに、被成形物上に溶融樹脂の一部を導出させて接着させる樹脂成形体の成形方法が知られており、射出圧等に基づくキャビティ内圧を低下させ、被成形物の損傷、塑性変形等を防止することができるなどと説明されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2006−212824号公報 特開2006−142746号公報
前述のように、内装材表面に樹脂を直接射出し、保持具を成形する方法、例えば、特許文献1、2に記載された方法であれば、工程を簡略化することができるとともに、保持具を十分な強度で接合させることができる。しかし、特に、ルーフトリムのように多層であり、各種の内装材のうちでも比較的剛性が小さい内装材では、成形後の冷却過程における保持具の熱収縮により、保持具及びその周縁が保持具が成形された面側に反ってしまうことがある(反りを生じた車両用内装材101の一部の断面の模式図である図7参照)。
また、内装材の基材層として用いられることが多い不織布には、熱膨張性マイクロカプセルが配合され、内装材の軽量化が図られることがあり、この場合、射出成形時の熱により気泡を形成している樹脂が溶融し、破泡して、車室側の意匠面に凹みが生じることがある(意匠面に凹み1aが生じた車両用内装材102の一部の断面の模式図である図9参照)。更に、不織布には、通常、バインダとして配合された熱可塑性樹脂が含有されているが、成形時の熱により樹脂が溶融して結着構造が乱れ、これによっても意匠面に凹みが生じることがある。
本発明は、前述の従来技術の状況に鑑みてなされたものであり、内装材基体の表面に射出成形法により設けられたクリップ保持部の形状を特定することにより、成形後の冷却過程におけるクリップ保持部の熱収縮に起因する反りの発生、及び成形時の熱による車室側の意匠面における凹みの発生が抑えられる車両用内装材を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.基体と、前記基体の表面に設けられるとともに、クリップを保持するためのクリップ保持部と、を備える車両用内装材であって、
前記クリップ保持部は、前記基体の前記表面に射出成形法により形成されており、前記クリップ保持部には、前記基体の前記表面に接合された座部と、前記座部と一体形成され、前記クリップを嵌めるための嵌め込み部と、が備えられ、
前記嵌め込み部は、前記座部よりも前記基体の前記表面から離隔する側に突出した形態とされており、前記座部を、前記嵌め込み部を避けながら、前記基体の前記表面と直交する平面により仮想的に切断したときの座部断面が、端に向かうにつれて漸次薄くなった部分を有し、前記座部断面の外周線のうちの、前記基体の前記表面に接合されている線分の長さが、前記外周線の全長さから前記線分の長さを差し引いた長さよりも短いことを特徴とする車両用内装材。
2.前記座部断面の外周線のうちの、前記基体の前記表面に接合されている線分の長さをAとし、前記外周線の全長さから前記線分の長さを差し引いた長さをBとした場合に、AとBとが下記式を満たす前記1.に記載の車両用内装材。
A×1.005<B<A×1.025
本発明の車両用内装材では、樹脂原料を基体の表面に射出することにより、特定の形状を有するクリップ保持部が設けられているため、成形後の冷却過程におけるクリップ保持部の熱収縮による反りが抑制され、クリップ保持部が設けられた面側への内装材の反りが抑えられる。また、成形後の冷却に要する時間を短くすることができるため、車室側の意匠面における凹みの発生も抑えられる。更に、予め成形した部品を基体表面に接合し、固定する方法と比べて、成形に要する時間を短縮することができる。また、冷却時間を短くすることができるため、成形サイクルタイムを短くすることができ、生産性を向上させることができる。
また、座部断面の外周線のうちの、基体の表面に接合されている線分の長さをAとし、外周線の全長さから前記線分の長さを差し引いた長さをBとした場合に、AとBとが前記式を満たすときは、クリップ保持部が設けられた面側への反り、及び車室側の意匠面における凹みの発生が十分に抑えられ、生産性もより向上する。
座部の表面が傾斜面となったクリップ保持部を備える車両用内装材の一部の断面の模式図である。 図1のクリップ保持部の模式的な斜視図である。 (A)は、反りを抑えるため、座部の表面が傾斜面となったクリップ保持部の座部断面(図2の破線aを含む平面Pにより仮想的に切断したときの断面である。)の模式的な断面図である。(B)は、(A)のL1、L2を説明するための模式図である。 反りを抑えるため、座部の表面が凹状の曲面を有するクリップ保持部の座部断面の模式的な断面図である。 反りを抑えるため、座部の表面が凸状の曲面を有するクリップ保持部の座部断面の模式的な断面図である。 従来の形状の座部を有するクリップ保持部を備える車両用内装材の一部の断面の模式図である。 クリップ保持部の熱収縮により、クリップ保持部が設けられた面側に反ってしまった車両用内装材の一部の断面の模式図である。 厚さが長さ方向に略同じである従来のクリップ保持部の座部断面の模式図である。 クリップ保持部を成形するときの熱により、基材層の気泡を形成している樹脂が溶融し、破泡して、車室側の意匠面に凹みが生じた車両用内装材の一部の断面の模式図である。
以下、本発明を図も参照しながら詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
本発明の車両用内装材100は、基体1と、その表面に設けられるとともに、クリップを保持するためのクリップ保持部2と、を備える(図1参照)。クリップ保持部2は、基体1の表面に射出成形法により形成されており、クリップ保持部2には、基体1の表面(車両パネル側の面)に接合された座部21と、座部21と一体形成され、クリップを嵌めるための嵌め込み部22と、が備えられる。嵌め込み部22は、座部21よりも基体1の表面から離隔する側に突出した形態とされており(図1参照)、座部21を、嵌め込み部22を避けながら、基体1の表面と直交する平面により仮想的に切断したときの座部断面が、端に向かうにつれて漸次薄くなった部分を有する(図1〜5参照)。これにより、座部断面の外周線のうちの、基体1の表面に接合されている線分の長さが、外周線の全長さから前記線分の長さを差し引いた長さよりも短くなる。
車両用内装材100の基体1は、車両に取り付けられたときに、車両パネル側となる面と、車室側となる面とを有し、クリップ保持部2は、車両パネル側となる面に設けられている(図1参照)。そして、クリップの一端側がクリップ保持部2に保持され、クリップの他端側が車両パネルに設けられた取付孔等に取り付けられ、車両用内装材100が車両パネルに固定される。
[1]クリップ保持部
前記「クリップ保持部2」は、車両用内装材100の基体1の表面に接合された前記「座部21」と、座部21と一体形成され、クリップを嵌めるための前記「嵌め込み部22」とを備える(図1、2参照)。また、嵌め込み部22は、座部21よりも基体1の表面から離隔する側に突出した形態で形成される(図1参照)。
クリップ保持部2は、基体1の表面に、樹脂原料を用いて射出成形法により形成される。即ち、樹脂原料が、基体1の表面に直接射出され、冷却されて、クリップ保持部2が形成される。このような方法では、通常、三次元方向への移動が制御された射出成形機から、射出成形機と基体表面との間に設けられたキャビティ内へ樹脂原料が射出され、基体表面の所定箇所に所要個数のクリップ保持部2が連続的に形成される。
本発明では、クリップ保持部2の座部21を、嵌め込み部22を避けながら、基体1の表面S(図1参照)と直交する平面[例えば、図2における仮想線(二点鎖線a)を含む平面P参照]により仮想的に切断したときの座部断面が、端に向かうにつれて漸次薄くなった部分を有し、座部断面の外周線のうちの、基体1の表面に接合されている線分の長さL1が、この線分の長さを外周線の全長さから差し引いた長さL2よりも短い[図3(B)は、L1、L2を説明するための図であり、実線はL1を、破線はL2を表す。]。
前述の「嵌め込み部22を避けながら切断」とは、座部21を仮想的に切断するときに、基体1の表面Sと直交する平面Pが、座部21と嵌め込み部22との境界線と接して、又は境界線より外方側で、座部21を、基体1の表面と直交する方向に切断するという意味である。この切断の位置は、嵌め込み部22が避けられている限り、特に限定されないが、平面Pが座部21と嵌め込み部22との境界線に接している位置であることが好ましく、具体的には、
(1)座部21の平面形状が長方形である場合は、座部21と嵌め込み部22との境界線に接し、且つ長辺と平行な仮想線(図2の二点鎖線a参照)を含む平面P(図2の平面P参照)により切断する。
(2)座部21の平面形状が正方形である場合は、座部21と嵌め込み部22との境界線に接し、且つ一辺と平行な仮想線aを含む平面Pにより切断する。
(3)座部21の平面形状が楕円形である場合は、座部21と嵌め込み部22との境界線に接し、且つ長径と平行な仮想線aを含む平面Pにより切断する。
(4)座部21の平面形状が円形である場合は、座部21と嵌め込み部22との境界線に接し、且つ切断面の径方向の長さが最長となる仮想線aを含む平面Pにより切断する。
(5)座部21の平面形状が上記(1)〜(4)以外の形状である場合は、座部21と嵌め込み部22との境界線に接し、且つ切断面の幅方向(座部21の厚さ方向と直交する方向)の長さが最長となる仮想線aを含む平面Pによって切断する、ものとする。
尚、本発明では、座部断面は、上記(1)〜(5)のようにして座部21を仮想的に切断したときの断面であるとする。
座部21を仮想的に切断したときの前記「座部断面」は、端に向かうにつれて漸次薄くなった部分を有している。この座部断面は、座部断面全体が端に向かうにつれて漸次薄くなっている形態でもよく(図3のC1参照)、漸次薄くなった部分と、漸次厚くなる部分とが連設された形態でもよく、更に厚薄が繰り返される形態でもよい。座部断面は、成形型の構造を簡易なものとする、及び成形のし易さ等の観点で、座部断面全体が端に向かうにつれて漸次薄くなっている形態であることが好ましく、例えば、座部21の表面が傾斜面となったクリップ保持部2とすることができる(図1乃至3参照)。また、座部21の表面に凹状の曲面R1を有する(図4参照)クリップ保持部2とすることもでき、座部21の表面に凸状の曲面R2を有する(図5参照)クリップ保持部2とすることもできる。
前述のように、座部断面が、端に向かうにつれて漸次薄くなった部分を有しているため、座部断面の外周線のうちの、基体1の表面に接合されている線分の長さL1は、この線分の長さL1を外周線の全長さから差し引いた長さL2よりも短くなる。言い換えれば、座部断面の外周線のうちの、基体1の表面に接合されている面とは反対面、即ち、座部の表面側の長さL2が、基体1の表面に接合されている線分の長さL1より長くなる。このような構成とすることにより、クリップ保持部2を成形後、冷却過程において、自由収縮が可能な座部21の表面側が収縮し、基体1の表面に接合され、自由収縮できない接合面側が殆ど収縮しなかったとしても、クリップ保持部2が表面側に反ってしまい、これにより、クリップ保持部2の周縁の内装材全体が反ってしまうことが抑えられる。
座部断面の外周線のうちの、基体1の表面に接合されている線分の長さL1と、座部断面の表面側の長さL2との相関は、座部断面の表面側の線分が長ければよいが、基体1の表面に接合されている線分の長さをA(L1に相当する)とし、外周線の全長さからAを差し引いた長さをB(L2に相当する)とした場合に、AとBとが前記式(A×1.005<B<A×1.025)を満たすことが好ましい。このAとBとの相関は、クリップ保持部2の形状、寸法、及び成形に用いる樹脂の種類等によって定まる収縮率に基づいて設定することが好ましい[例えば、後述の比較例1におけるクリップ保持部2の場合、冷却後の座部2の長辺方向の寸法が、冷却前の座部2の寸法の15/1000収縮する。従って、A=1.015Bとすれば、冷却後の反りを実質的に防止することができる。]。このようにしてAとBとの相関を設定すれば、クリップ保持部2の形状、寸法、材質等によらず、クリップ保持部2の反り、及びこの反りに伴うクリップ保持部2の周縁の内装材全体の反りを十分に抑えることができる。
また、座部断面が、端に向かうにつれて漸次薄くなった部分を有している、例えば、図3(A)乃至5のような座部断面を有するクリップ保持部2であれば、座部断面の厚さが長さ方向に略同じであるとき(図8参照)と比べて、クリップ保持部2の熱容量を小さくすることができる。そのため、形成後、より速やかに降温させることができ、基材層11に伝わる熱量を低減させることができる。その結果、車室側の意匠面における凹み(図9の凹み1a参照)の発生を十分に抑えることができる。
クリップ保持部2の成形に用いる樹脂原料は、特に限定されず、各種の熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂は特に限定されず、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のポリアクリル系樹脂などの各種の熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、射出成形が容易であり、十分な強度等を有するクリップ保持部2とすることができるポリオレフィン系樹脂、特にプロピレン単独重合体、エチレン/プロピレンブロック共重合体等のポリプロピレン系樹脂が好ましい。また、熱可塑性樹脂には、通常、各種の酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、顔料、充填剤、難燃剤、及び難燃助剤等が配合され、含有される。これらの他の成分は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[2]基体
前記「基体1」は、車室側となり意匠面を形成する表皮層12、内装材の形状を保持し、強度を付与するための基材層11、表皮層12と基材層11とを接合するとともに、通気性を有し、吸音層として機能する接着性フィルム層13を備える。また、通常、基材層11の表皮層12とは反対側の面に積層され、通気止めをし、意匠面である表皮層12の表面に埃等が付着するのを抑えるための通気止めフィルム層14、通気止めフィルム層14の基材層11とは反対側の面に積層され、基体1の加熱、加圧成形時等に取り扱い易くするための不織布層15を併せて備える(図1参照)。
表皮層12は、各種の織布、皮革、編布、不織布、熱可塑性エラストマーシート、塩化ビニルレザー等を用いて形成することができる。この表皮層12の厚さは特に限定されないが、例えば、0.5〜3.0mm、特に1.0〜2.0mm程度とすることができる。また、車両用内装材100は、通常、表皮層12が車室側を向くようにして配置され、表皮層12の外表面が車両用内装材100の意匠面となる。
基材層11は、表皮層12等の他の層を支持する層であり、この基材層11により車両用内装材100は十分な強度及び緩衝性等を有するものとなる。基材層11は、車両用内装材全体を支持するための十分な剛性等を有しておればよく、材質等は特に限定されないが、基材層11の形成には、成形性、物性等の観点で、不織布又は樹脂フォームが用いられることが多い。基材層11の厚さも特に限定されないが、1.0〜7.0mm、特に2.0〜4.0mm、更に2.0〜3.0mmとすることができる。厚さが1.0〜7.0mm、特に2.0〜3.0mmであれば、表皮層12等の他の層を十分に支持し得る基材層11とすることができる。また、基材層11の目付も特に限定されないが、200〜800g/m、特に300〜600g/m、更に400〜600g/mとすることができる。基材層11の目付が200〜800g/m、特に400〜600g/mであれば、十分な強度を有するとともに、軽量な車両用内装材100とすることができる。
基材層11が不織布からなる場合、この不織布は特に限定されないが、例えば、無機繊維及び/又は天然繊維と、これらの繊維の交絡点の少なくとも一部を結着する熱可塑性樹脂とを有する不織布を用いることができる。
無機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等が挙げられる。これらのうちガラス繊維及び/又は炭素繊維が好ましい。無機繊維は1種のみでもよいし、2種以上でもよい。また、天然繊維としては、ケナフ、麻、綿、しゅろ繊維、ここやし繊維等の植物繊維、及び絹、羊毛等の動物繊維が挙げられる。これらのうち麻が好ましい。天然繊維は1種のみでもよいし、2種以上でもよい。更に、無機繊維と天然繊維とを併用することもできる。この無機繊維及び天然繊維は、通常、解繊された長繊維である。
熱可塑性樹脂は、無機繊維及び/又は天然繊維に、繊維、粉末等の形態で混合され、形成されるウェブが加熱加圧されるときに溶融し、溶融した熱可塑性樹脂により、無機繊維及び/又は天然繊維の交絡点が結着される。この熱可塑性樹脂は特に限定されず、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−66等のポリアミド系樹脂、及びポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂などが挙げられる。これらのうちでは、ポリオレフィン系樹脂、特にポリプロピレン単独重合体等のポリプロピレン系樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂は1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。この熱可塑性樹脂には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤等の通常この種の樹脂に用いられる添加剤を必要に応じて配合することができる。
基材層11となる不織布には、熱膨張性マイクロカプセルを配合することができる。この場合、車両用内装材100の基体1の成形工程における加熱、加圧時に、熱膨張性マイクロカプセルを膨張させることにより、より軽量な車両用内装材100とすることができる。熱膨張性マイクロカプセルは、通常、外殻中に、ブタン、イソブタン等の揮発性炭化水素を内包し、外殻は、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリルニトリル等により構成されている。
熱膨張性マイクロカプセルは、通常、直径が10〜100μm、特に20〜80μm程度の略球形であり、熱膨張開始温度を超える温度範囲に加熱することにより4〜30倍に体膨張する。体膨張後の直径は、体膨張前の直径及び膨張倍率によるが、例えば、40〜600μm、特に60〜400μmになる。このような熱膨張性マイクロカプセルを用いることにより、基材層11を軽量化することができるとともに、多孔構造となるため十分な吸音性等を併せて有する車両用内装材100とすることができる。
基材層11は、樹脂フォーム、特にポリウレタンフォームにより形成することもできる。基材層11となるポリウレタンフォーム層は、ポリオール、ポリイソシアネート、架橋剤、触媒、発泡剤、整泡剤等を含有するフォーム原料を使用し、常法により発泡させ、成形したスラブフォームから所定寸法となるように切り出す等の方法により作製することができる。また、フォーム原料には、前述の各種の成分の他、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、内部離型剤、難燃剤等の各種の添加剤を、必要に応じて配合することができる。
尚、基材層11に用いられるポリウレタンフォームは熱硬化性であり、通常、クリップ保持部2形成時の熱により基体1の表面に凹みが生じることはない。
更に、この基体1では、基材層11の表皮層12が接合される面とは反対面に通気止めフィルム層14を設けることができる(図1参照)。この通気止めフィルム層14は特に限定されないが、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の各種の合成樹脂を用いてなるフィルム、及び積層フィルム、例えば、ポリオレフィン樹脂フィルムとポリアミド樹脂フィルムとの積層フィルムなどにより形成することができる。これにより、車両用内装材100の厚さ方向の全体に渡る通気が遮断され、又は少なくとも抑えられ、表皮層12の表面に付着する埃等が低減され、より優れた意匠性が維持される車両用内装材100とすることができる。
また、通気止めフィルム層14の基材層11と接合される面とは反対面に不織布層15を設けることもできる(図1参照)。この不織布層15も特に限定されないが、無機繊維、天然繊維等に熱可塑性樹脂繊維又は粉末を配合し、ニードリング等により混繊させ、加熱、加圧して、無機繊維、天然繊維等の交絡点が熱可塑性樹脂により結着されてなる不織布等の一般的な不織布を用いて形成することができる。これにより、基体1の加熱加圧成形時等、及びクリップ保持部2を設けるときなどに取り扱い易い基体1とすることができ、作業性を向上させることができる。
本発明の車両用内装材100の製造方法は特に限定されず、真空成形法等の通常の方法により製造することができる。この真空成形法としては、例えば、予め所望の形状に予備成形しておいた基材(例えば、加熱圧縮された不織布からなる繊維ボード等であり、基材層11となる。)に、加熱された表皮材(表皮層12となる。)と接着性フィルム(接着性フィルム層14となる。)との複層シートを、真空成形と同時に貼り合わせる方法が挙げられる。
更に、真空成形法としては、凸型引き真空成形法、凹型引き真空成形法、これらの両法を用いた真空成形法、凸型引き真空成形と同時にプラグアシスト等により成形する方法、及び上下金型でプレスすると同時に真空引きする真空成形方法、等の各種の方法が挙げられる。また、基材層11となる前述の繊維ボード等に、通気止めフィルムと不織布とを予め積層させた予備成形シートを用いて真空成形することもできる。これにより、前述の各層に加えて、通気止めフィルム層14及び不織布層15を併せて有する車両用内装材100を製造することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する(図1乃至3及び6乃至9参照)。
実施例1
三次元方向への移動が制御された射出成形機を用いて、常法により作製した厚さ5.0mmの基体1の不織布層15の面の所定箇所に、ポリプロピレン(プライムポリマー社製、商品名「LA880」)を200℃の温度(成形機のシリンダーの設定温度)で順次射出した。その後、自然冷却させて室温(25〜30℃)にまで降温させ、基体1の表面にクリップ保持部2を形成し、車両用内装材100を製造した。クリップ保持部2の平面形状は長方形であり、座部21は長辺66mm、短辺22mmであり、一方の長辺側の中央部に、長辺方向の平面寸法が18.5mmであり、平面形状が略円形である嵌め込み部22を備える(図2参照)。また、座部断面(図2の二点鎖線aを含む平面Pにより仮想的に切断したときの断面)は、図3(A)のように、嵌め込み部22との境界部から端に向かって漸次薄くなった傾斜面を有し、境界部での厚さは2mmである。
比較例1
図6の従来の形状の座部21を有するクリップ保持部2を形成した他は、実施例1と同様にして車両用内装材100を製造し、同様にして評価した。クリップ保持部2の平面形状は実施例1と同様であるが、座部21の厚さは、図6、8のように、座部21と嵌め込み部22との境界部から端までの全体が2mm程度であり、略同じ厚さである。
[1]車両用内装材の評価
射出成形時の、冷却後の反り及び凹みの程度を評価した。
(1)反り
反りは、基体1から剥離させた平面形状が長方形のクリップ保持部2の基体との接合面であった側を、平面上に、長辺方向の中央部が接するように、且つ長辺方向の両端部の下面と平面との間が等距離となるように置いたときの、長辺方向の両端部の下面と平面との距離により評価した。
(2)凹み
凹みは、車両用内装材100をクリップ保持部2が設けられた位置で横断面方向に切断し、切断面を光学顕微鏡によって観察したときの、車室側の意匠面となる表皮層12の側において生じた凹みの深さの、最大深さで評価した。
[2]評価結果
前述のようにして評価した結果、反りは、比較例1が約2.0mmであったのに対して、実施例1では0.5mm以下(実施例1と同様にして4個の車両用内装材100を製造したところ、反りは最大で0.5mm、最小で0.0mm)であった。このように、座部を特定の形状とすることで反りが大幅に低減されることが分かる。これは、クリップ保持部の表面側が収縮しても、クリップ保持部が変形しないためである。また、凹みは、比較例1が0.1〜0.3mm(比較例1と同様にして4個の車両用内装材100を製造したところ、凹みは最大で0.3mm、最小で0.1mm)であったのに対して、実施例1では凹みは実質的に観察されなかった。これは、クリップ保持部の体積の減少により、成形後、速やかに降温し、基体内部に伝わる熱量が低減されるためであると推察される。
尚、
本発明の車両用内装材は車両の各種の内装材の技術分野において利用することができる。この車両用内装材としては、例えば、ルーフトリム、フロアトリム及びドアトリム等が挙げられる。本発明の車両用内装材は、特に、比較的大型の成形品であり、他の内装材と比べて剛性が低いルーフトリムの技術分野において有用である。
100;車両用内装材、101;クリップ保持部を中心として反ってしまった車両用内装材、102;車室側の意匠面に凹みが生じた車両用内装材、1;基体、11;基材層、12;表皮層、13;接着性フィルム層、14;通気止めフィルム層、15;不織布層、1a;車室側の意匠面に生じた凹み、2;クリップ保持部、21;座部、22;嵌め込み部。

Claims (2)

  1. 基体と、
    前記基体の表面に設けられるとともに、クリップを保持するためのクリップ保持部と、を備える車両用内装材であって、
    前記クリップ保持部は、前記基体の前記表面に射出成形法により形成されており、
    前記クリップ保持部には、
    前記基体の前記表面に接合された座部と、
    前記座部と一体形成され、前記クリップを嵌めるための嵌め込み部と、が備えられ、
    前記嵌め込み部は、前記座部よりも前記基体の前記表面から離隔する側に突出した形態とされており、
    前記座部を、前記嵌め込み部を避けながら、前記基体の前記表面と直交する平面により仮想的に切断したときの座部断面が、端に向かうにつれて漸次薄くなった部分を有し、
    前記座部断面の外周線のうちの、前記基体の前記表面に接合されている線分の長さが、前記外周線の全長さから前記線分の長さを差し引いた長さよりも短いことを特徴とする車両用内装材。
  2. 前記座部断面の外周線のうちの、前記基体の前記表面に接合されている線分の長さをAとし、前記外周線の全長さから前記線分の長さを差し引いた長さをBとした場合に、AとBとが下記式を満たす請求項1に記載の車両用内装材。
    A×1.005<B<A×1.025
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