JP2012161894A - 成形品の打抜装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂製シートSに対して真空成形や圧空成形を行って成形された成形品Mの輪郭Rに対応した大きさ及び形状の打抜刃22が立設された基板21と、該基板21を上載する底材23を備え、樹脂製シートSを下方側に押圧して打抜刃22によって樹脂製シートSから成形品Mを打抜く成形品Mの打抜装置20において、基板21の下面又は底材23の上面に表面から突出した複数のフリーベアリング24を設けて、基板21を底材23に対して水平方向に遊動自在にし、成形品Mの外形の勾配に応じた傾斜部25a,25bが形成されたガイド部材25を、基板21における打抜刃22の内側全周に設けた。
【選択図】図1
Description
このように食品トレー等の成形品を打抜装置で打抜く場合、打抜かれた成形品を所望の形状とするには、打抜装置に設けられた打抜刃の水平方向の位置と成形品の輪郭を一致させなければならない。
この打抜装置10は図13に示すように、打抜刃12が立設された基板11が底材13に上載され、基板11と底材13とはボルト14によって固定されている。
基板11には、ボルト14を挿通するために挿通孔15が形成されており、その挿通孔15はボルト14の径よりも大きいので、ボルト14との遊び分だけ基板11の水平位置を微調整できる。
しかし、そのような基板11の位置調整には時間が掛かり、作業が煩わしいという問題がある。
また、打抜作業を繰り返すうちに、ボルト14が緩んで基板11の位置がずれてしまう。このような位置ずれは直ちには判明しないので、そのまま打抜作業を続けてしまうと不良品が大量に生じてしまうという問題もある。
この打抜装置10は図14に示すように、ガイド部材16が枢軸17によって基板11と連結されており、打抜刃12が底材13に対して水平方向に遊動自在となっている。
これによると、成形品Mが上向きに凸形状のガイド部材16に被さることで、打抜刃12が成形品Mの輪郭に一致するように水平方向に動く。つまり、打抜きの度に打抜刃12が成形品Mの輪郭に一致するように動くので、事前の基板11の位置調整が不要であり、しかも打抜作業を繰り返しても打抜刃12が所望の位置で成形品Mを打抜き、不良品が生じ難い。
また、ガイド部材16に成形品Mを被せるので、ガイド部材16の形状はその樹脂成形品Mに合わせて特注しなければならない。
したがって、連続運転しても打抜装置に不具合が生じ難いので、打抜刃を簡易かつ迅速に成形品の輪郭に正確に一致させることができ、成形品が不良になり難い。
一方、樹脂製シート又は紙製シートを下方側に押圧するときには、その押圧力によって球体が表面から突出しないように収納部内に収まるので、収納部の手前側の端面が基板の下面又は底材の上面と接触して摩擦抵抗が上がり、樹脂製シート又は紙製シートから成形品を打抜く際には底材に対して基板が固定される。
このように、打抜刃を簡易かつ迅速に成形品の輪郭に正確に一致させることができるとともに、成形品の輪郭に正確に一致した打抜刃がその位置からずれ難いので、安定して迅速に樹脂製シート又は紙製シートから成形品を打抜くことができる。
また、フリーベアリングが、基板を遊動させる手段と基板を固定する手段とを兼ねているので、打抜刃を成形品の輪郭に正確に一致させることと、安定して打抜くことの両方を容易に実現できる。
しかも、ガイド部材を打抜刃の内側全周に設け、成形品の外形と擦れ合うことで基板の位置を案内するので、ガイド部材の形状を成形品に完全一致させて形成する必要はない。つまり、ガイド部材が成形品の内形と擦れ合い成形品がガイド部材に被さるものの場合には、ガイド部材の形状を成形品に完全一致させなければならないが、ガイド部材が成形品の外形と擦れ合う場合には、ガイド部材には傾斜部が形成されているだけでよく、他の成形品で用いたガイド部材を使い回すこともできるので、簡易でありコストが低廉である。
また、基板が枠板で囲まれた領域内で遊動自在となるので、基板は遊動自在にもかかわらず、その遊動の範囲が制限することができる。よって、基板の水平方向の位置が成形品に対して大きくずれてしまい難い。
したがって、連続運転しても打抜装置に不具合が生じ難いので、打抜刃を簡易かつ迅速に成形品の輪郭に正確に一致させることができ、成形品が不良になり難い。
よって、成形品の輪郭に正確に一致した打抜刃がその位置からずれ難いので、安定して樹脂製シート又は紙製シートから成形品を打抜くことができる。
また、摺動体が、基板を遊動させる手段と基板を固定する手段とを兼ねているので、打抜刃を成形品の輪郭に正確に一致させることと、安定して打抜くことの両方を容易に実現できる。
図1乃至図7を参照して、本発明の第一実施形態に係る成形品Mの打抜装置20を説明する。
この打抜装置20は、真空成形や圧空成形を行い、複数(ここでは九つ)の成形品(樹脂成形品)Mが成形された樹脂製シートSを下方側に押圧して、打抜刃22によって樹脂製シートSから成形品Mを打抜くためのものである。そして、基板21と、底材23と、フリーベアリング24と、ガイド部材25と、押さえ板27と、反発材28と、を備える。
基板21は、矩形状の板材であり、打抜刃22とフリーベアリング24とガイド部材25とを備える。
打抜刃22は、それぞれが直線状の刃物であり、四つの打抜刃22が刃先を上方に向けた状態で全体として平面矩形状に立設されている。
この打抜刃22の配置は、樹脂製シートSに成形された成形品Mの輪郭Rに対応した大きさ及び形状となっている。本実施形態で求められる成形品Mの形状は、真空成形等で形成された凹部(下向きに凸形状のもの)に加えて凹部の縁全周に鍔部Maがあるものなので、ここでいう成形品Mの輪郭Rとは、凹部の縁ではなく、鍔部Maの外周の線をいう。
このフリーベアリング24はそれぞれ、球体24aと、収納部24bと、バネ24cを備える。
球体24aは、外部に露出するメインボール(図示しない)と、そのメインボールを円滑に回転させるためのメインボールよりも小さい複数のサブボール(図示しない)からなる。
収納部24bは、下方に開口部24dが形成されるとともに上方に奥壁24eが設けられた円筒であって、球体24a(メインボール)を全方向に回転自在の状態で格納する。また、収納部24bの下端には内側に縁部24fが形成されており、収納部24bの下面は、基板21の下面と面一にしている。
また、収納部24bの奥壁24e側にはバネ24cが設けられ、そのバネ24cは球体24aの一部を表面(下面)から突出させるように下方に付勢している。なお、開口部24dの径は球体24aの径よりも小さくしているので、バネ24cによって付勢されても、球体24aが収納部24bから落下してしまうことはない。
一方、樹脂製シートSを下方側に押圧するときには、その押圧力によって球体24aを収納部24bの下面から突出しないように収納部24b内に収めるようにバネ24cは収縮する。
なお、このフリーベアリング24として、株式会社フリーベアコーポレーションのC−3Sを用いた。
また、ガイド部材25の厚さ(図3に示すガイド部材25においては左右方向の長さ)は、対面するガイド部材25との間隔によって決定される。つまり、図4に示すように打抜刃22が成形品Mの輪郭Rに一致し樹脂製シートSに触れたときに、左側のガイド部材25の第二傾斜部25bと右側のガイド部材25の第二傾斜部25bの両方に成形品Mが当接するように、左右のガイド部材25は選択及び配置されている。これと同時に成形品Mは、奥側のガイド部材25の第二傾斜部25bと手前側のガイド部材25の第二傾斜部25bにも当接するようになっている。このように、成形品Mが全てのガイド部材25に当接することよって、成形品Mに対する基板21(打抜刃22)の位置は一意的に決定される。
枠板23Aは、基板21の外形よりも一回り大きく切り抜かれた板材である。つまり、本実施形態では基板21が九つあるので、枠板23Aは矩形状に九カ所切り抜かれている。枠板23Aの厚さは、基板21の厚さに球体24aの基板21表面からの突出量を加えたものよりも若干厚い。
底板23Bは、枠板23Aを上載するとともに枠板23Aを下方から皿ネジNで固定する平面状の板材である。そして、基板21は枠板23Aの切り抜かれた箇所の底板23B部分に上載され、基板21は枠板23Aで囲まれた領域内(切り抜き部分)で水平方向(水平面における全周方向)に遊動自在となる。
まず、ダイカッター(図示しない)の押圧部の下面に、成形品Mが形成された樹脂製シートSをセットする。このとき、図3に示すように、このまま樹脂製シートSを下げると成形品Mの輪郭Rに打抜刃22が一致すると思われる程度に、成形品Mの水平方向の位置を合わせている。
そして、さらに樹脂製シートSを下方側に押圧して、図5に示すように、樹脂製シートSから成形品Mを打抜く。このとき、その押圧力によって、フリーベアリング24のバネ24cが収縮し、球体24aが収納部24bの下面から突出しない状態となっている。そして、収納部24bの下面及び基板21の下面が底板23Bの上面と面接触している。
このとき、樹脂製シートS(成形品M)は基板21に対して左側にずれており、成形品Mの外形のうち左側の先端が、左側のガイド部材25の第二傾斜部25bに当たっている。しかし、この状態のまま、さらに樹脂製シートSを下方側に押圧することで、成形品Mの外形と第二傾斜部25bが擦れ合って、基板21が自動的に左側に動く。
そして、図7に示すように、打抜刃22の刃先が樹脂製シートSに触れるときには、打抜刃22と成形品Mの輪郭Rが一致するまで左側に動いている。その位置でフリーベアリング24のバネ24cが収縮し、球体24aが収納されるとともに、成形品Mを打抜く。
もちろん、樹脂製シートSが基板21に対して右側にずれたときは、基板21は上述したものとは左右対称に動く。また、樹脂製シートSが基板21に対して左側かつ前側にずれることもあり、そのときもそれぞれの方向に対して基板21の位置が修正される。
したがって、連続運転しても打抜装置20に不具合が生じ難いので、成形品Mも不良になり難い。
一方、樹脂製シートSを下方側に押圧するときには、その押圧力によって球体24aが表面から突出しないように収納部24b内に収まるので、収納部24bの下面が底材23の上面と接触して摩擦抵抗が上がり、樹脂製シートSから成形品Mを打抜く際には底材23に対して基板21が固定される。
このように、打抜刃22を簡易かつ迅速に成形品Mの輪郭Rに正確に一致させることができるとともに、成形品Mの輪郭Rに正確に一致した打抜刃22がその位置からずれ難いので、安定して迅速に樹脂製シートSから成形品Mを打抜くことができる。
また、フリーベアリング24が、基板21を遊動させる手段と基板21を固定する手段とを兼ねているので、打抜刃22を成形品Mの輪郭Rに正確に一致させることと、安定して打抜くことの両方を容易に実現できる。
しかも、ガイド部材25を打抜刃22の内側全周に設け、成形品Mの外形(外側)と擦れ合うことで基板21の位置を案内するので、ガイド部材25の形状を成形品Mに完全一致させて形成する必要はない。つまり、従来例に係る打抜装置10のように、ガイド部材16が成形品Mの内形(内側)と擦れ合い成形品Mがガイド部材16に被さるものの場合には、ガイド部材16の形状を成形品Mに完全一致させなければならないが、本実施形態に係る打抜装置20のように、ガイド部材25が成形品Mの外形と擦れ合う場合には、ガイド部材25には傾斜部25a,25bが形成されているだけでよく、他の成形品で用いたガイド部材を使い回すこともできるので、簡易でありコストが低廉である。
また、第一傾斜部25aの勾配を緩くしたので、成形品Mが第一傾斜部25aに当たると、ガイド部材25(基板21)は水平方向に大きく動く。すなわち、成形品Mの水平方向の位置が大きくずれていても、勾配の緩い第一傾斜部25aによって打抜刃22を容易かつ迅速に成形品Mの輪郭Rに一致させることができる。
また、基板21が枠板23Aで囲まれた領域内で遊動自在となるので、基板21は遊動自在にもかかわらず、その遊動の範囲が制限することができる。したがって、ガイド部材25が基板21を案内可能な範囲内に、基板21を配置しておくことができる。
次に図8を参照して、本発明の第二実施形態に係る成形品Mの打抜装置20を説明する。なお、第一実施形態と同一部分には同一符号を付した。
本実施形態の第一実施形態との違いは、フリーベアリング24の設けられた位置であり、その他の構成要素に関しては第一実施形態と同一である。
このようにしても、底板23Bと基板21とはフリーベアリング24によって点で接触しているので、両者21,23B間の摩擦抵抗は小さく、基板21は底板23Bに対して遊動自在である。
次に図9及び図10を参照して、本発明の第三実施形態に係る成形品Mの打抜装置20を説明する。なお、第一実施形態と同一部分には同一符号を付した。
本実施形態の第一実施形態との違いは、フリーベアリング24の代わりに楕円形の摺動体26を用いた点であり、その他の構成要素に関しては第一実施形態と同一である。
このような摺動体26を備える基板21が底板23B上に置かれると、摺動体26の先端のみが底材23の上面に接触する。このように単に基板21を置いたときには、基板21の自重によって倒れない硬度の摺動体26を選択している。
ここで、樹脂製シートSが下方側に押圧されると、図10における破線で示すように、その押圧力により摺動体26が倒れ、摺動体26の側面が底材23の上面と面接触する。
よって、成形品Mの輪郭Rに正確に一致した打抜刃22がその位置からずれ難いので、安定して樹脂製シートSから成形品Mを打抜くことができる。
しかも、摺動体26が、基板21を遊動させる手段と基板21を固定する手段とを兼ねているので、打抜刃22を成形品Mの輪郭Rに正確に一致させることと、安定して打抜くことの両方を容易に実現できる。
ここで、摺動体26を、図9の二点鎖線で示すように、第一及び第二実施形態におけるフリーベアリング24の位置と同じような箇所に、円形のものを三つ設けてもよい。
この場合も、フリーベアリング24のおかげで基板21と底材23との摩擦抵抗が小さく、成形品Mを打抜くまでは基板21がスムーズに遊動し続けるとともに、実際に打抜くときにはフリーベアリング24の球体24aが収納部24bに収まり、安定して打抜作業を行うことができる。
また、ガイド部材25の傾斜部25a,25bは二段階の勾配を持つ必要はなく、成形品Mの外形の勾配と略等しい勾配を有していればよい。
また、この傾斜部25a,25bは断面直線状としたが、これに限られるものではなく、例えば断面が上に凸形状であってもよい。このような傾斜部であっても、成形品M(特にその隅部)と擦れ合うことで、基板21(打抜刃22)を所望の位置に案内できる。
また、樹脂製シートSに形成された樹脂成形品Mを打抜いたが、これに限られるものではなく、紙製シート(厚紙等)に対して真空成形や圧空成形を行って成形された成形品を紙製シートから打抜く場合も本実施形態に係る成形品Mの打抜装置20を使用することができる。
11 基板
12 打抜刃
13 底材
14 ボルト
15 挿通孔
16 ガイド部材
17 枢軸
20 打抜装置
21 基板
22 打抜刃
23 底材
23A 枠板
23B 底板
24 フリーベアリング
24a 球体
24b 収納部
24c バネ
24d 開口部
24e 奥壁
24f 縁部
25 ガイド部材
25a 第一傾斜部(傾斜部)
25b 第二傾斜部(傾斜部)
26 摺動体
27 押さえ板
28 反発材
M 成形品(樹脂成形品、紙成形品)
Ma 鍔部
N 皿ネジ
R 輪郭
S 樹脂製シート(紙製シート)
Claims (7)
- 樹脂製シート又は紙製シートに対して真空成形や圧空成形を行って成形された成形品の輪郭に対応した大きさ及び形状の打抜刃が立設された基板と、該基板を上載する底材を備え、前記樹脂製シート又は紙製シートを下方側に押圧して前記打抜刃によって前記樹脂製シート又は紙製シートから前記成形品を打抜く成形品の打抜装置において、
前記基板の下面又は前記底材の上面に表面から突出した複数のフリーベアリングを設けて、前記基板を前記底材に対して水平方向に遊動自在にしたことを特徴とする成形品の打抜装置。 - 前記複数のフリーベアリングはそれぞれ、球体と、該球体を回転自在の状態で格納する収納部と、該収納部の奥壁側に設けられ前記球体を前記表面から突出するように付勢するとともに、前記樹脂製シート又は紙製シートを下方側に押圧するときにはその押圧力によって前記球体を前記表面から突出しないように前記収納部内に収めるように収縮するバネを備えることを特徴とする請求項1に記載の成形品の打抜装置。
- 前記複数のフリーベアリングは、前記基板の下面に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形品の打抜装置。
- 前記成形品の外形の勾配に応じた傾斜部が形成されたガイド部材を、前記基板における前記打抜刃の内側全周に設けたことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の成形品の打抜装置。
- 前記底材は、前記基板の外形よりも大きく切り抜かれた枠板と、前記枠板を上載するとともに固定する平面状の底板からなり、前記基板を前記枠板で囲まれた領域内で遊動自在にすることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の成形品の打抜装置。
- 樹脂製シート又は紙製シートに対して真空成形や圧空成形を行って成形された成形品の輪郭に対応した大きさ及び形状の打抜刃が立設された基板と、該基板を上載する底材を備え、前記樹脂製シート又は紙製シートを下方側に押圧して前記打抜刃によって前記樹脂製シート又は紙製シートから前記成形品を打抜く成形品の打抜装置において、
前記基板の下面又は前記底材の上面に、前記基板を水平方向に遊動自在にさせる摺動体を設けたことを特徴とする成形品の打抜装置。 - 前記摺動体は、前記基板の下面から突設されるとともに先端が前記底材の上面に接触し、前記樹脂製シート又は紙製シートを下方側に押圧するときにはその押圧力により前記摺動体が倒れることで、前記摺動体の側面が前記底材の上面に面接触することを特徴とする請求項6に記載の成形品の打抜装置。
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