JP2012159110A - 外力検出が可能な防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】入力荷重の高精度な検出を、充分な耐久性および実用性をもって実現することが可能とされた、新規な構造の外力検出が可能な防振装置を提供することにある。
【解決手段】誘電性の弾性材からなる誘電体層34の両面に対して導電性の弾性材からなる一対の電極膜36a,36bを設けた静電容量型センサ32を用い、静電容量型センサ32の一方の端部を第1の取付部材12に固定すると共に他方の端部を第2の取付部材14に固定して、外力作用による本体ゴム弾性体16の弾性変形に際して静電容量型センサ32に本体ゴム弾性体16から独立した引張変形が生ぜしめられるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車のサスペンションブッシュ等に適用される防振装置に係り、特に入力された外力の検出を可能とされた防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装されて、それら部材を相互に防振連結する防振装置が知られており、サスペンションブッシュやメンバマウント等に適用されている。この防振装置は、一般的に、第1の取付部材と第2の取付部材を本体ゴム弾性体で弾性連結した構造を有しており、例えば、第1の取付部材が車両ボデーに取り付けられると共に、第2の取付部材がサスペンションアームやサブフレームに取り付けられることによって、サスペンションアームやサブフレームを車両ボデーに防振連結するようになっている。
ところで、昨今では、車両の走行状態をセンシングして、そのセンシング結果を車両の制御に利用することで、走行時の横滑り防止や加速時の適切なトルクコントロール、効率的なブレーキング等の実現に役立てる研究がなされており、防振装置に走行状態をセンシングするためのセンサを取り付けることも提案されている。例えば、特許第4347784号公報(特許文献1)には、インナ軸部材とアウタ筒部材の少なくとも一方に歪み検出手段を設ける構造が開示されている。また、特許第4415390号公報(特許文献2)には、複数のゴムセンサをリング状の固定部材を介して装着した筒形防振装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1の構造では、他部材への取付部であるインナ軸部材とアウタ筒部材の何れかの歪みを検出するようになっており、それらインナ軸部材とアウタ筒部材が耐荷重性に優れた高剛性の部材とされていることから、微小な入力では充分な歪みが生じ難く、高精度な検出は難しかった。一方、特許文献2の構造では、インナ軸部材に取り付けられる電極とアウタ筒部材に取り付けられる電極の間にある程度以上の厚みを有するゴムセンサを配設する必要があって、ゴムセンサの配設スペースを大きく確保する必要があると共に、センサ自体も大きくなり易く、防振装置の大型化が問題になるおそれがあった。
特許第4347784号公報 特許第4415390号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、入力荷重の高精度な検出を、充分な耐久性および実用性をもって実現することが可能とされた、新規な構造の外力検出が可能な防振装置を提供することにある。
すなわち、本発明の第1の態様は、第1の取付部材と第2の取付部材が本体ゴム弾性体で連結された外力検出が可能な防振装置において、誘電性の弾性材からなる誘電体層の両面に対して導電性の弾性材からなる一対の電極膜を設けた静電容量型センサを用い、該静電容量型センサの一方の端部を前記第1の取付部材に固定すると共に他方の端部を前記第2の取付部材に固定して、外力作用による前記本体ゴム弾性体の弾性変形に際して該静電容量型センサに該本体ゴム弾性体から独立した引張変形が生ぜしめられるようにしたことを特徴とする。
このような第1の態様に従う構造とされた防振装置では、静電容量型センサの誘電体層および電極膜が何れも弾性材で形成されていることによって、外力の作用時に本体ゴム弾性体の弾性変形に伴って静電容量型センサの誘電体層および電極膜が弾性的に伸び変形する。その結果、伸び変形に伴う誘電体層の厚さ変化及び電極膜の面積変化に応じて、静電容量型センサの静電容量の変化(ΔC)が惹起される。この静電容量の変化量は、本体ゴム弾性体の弾性変形量に対応することから、本体ゴム弾性体の弾性変形特性に基づいて、かかる静電容量の変化量から本体ゴム弾性体に作用する外力を求めることができる。
特に、本発明では、静電容量型センサを構成する誘電体層と電極膜とが何れも弾性材で形成されており、且つ、静電容量型センサが本体ゴム弾性体に固着されることなく第1の取付部材と第2の取付部材に固定されている。それ故、静電容量型センサに対して本体ゴム弾性体による拘束力や不規則な変形力等が及ぼされるのを防止することができて、目的とする引っ張り方向の弾性変形が精度良く生じることにより、外力の検出を高い精度で行うことが可能とされている。
しかも、静電容量型センサが弾性を有することから、静電容量型センサが第1の取付部材と第2の取付部材に固定されていても、それら第1の取付部材と第2の取付部材の相対変位が制限されることはなく、防振特性への悪影響が回避される。
また、静電容量型センサが第1の取付部材および第2の取付部材に固定されることから、本体ゴム弾性体において静電容量型センサを取り付けるための形状変更は必要とされない。それ故、静電容量型センサを取り付けることによる防振特性や耐久性への悪影響が回避されると共に、本体ゴム弾性体の変形によるセンサの脱落(剥離)も防止される。
さらに、静電容量型センサの配設位置や配設方向等は、本体ゴム弾性体の具体的な形状による制限を受けることがなく、大きな自由度で設定可能である。それ故、検出したい外力の作用時に静電容量センサが効率的に伸長変形するように、適切なセンサの配設態様が実現可能となって、高い検出精度を得ることが可能となる。
また、静電容量型センサは、薄肉の膜状乃至は帯状とすることが可能であり、センサの取り付けによる防振装置の大型化を抑えることができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載された外力検出が可能な防振装置において、前記第1の取付部材に固定される第1の固定部材と前記第2の取付部材に固定される第2の固定部材が設けられており、該第1の固定部材に前記静電容量型センサの一端が固定されていると共に、該第2の固定部材に該静電容量型センサの他端が固定されているものである。
第2の態様によれば、静電容量型センサが第1の取付部材および第2の取付部材に対して固定部材を介して取り付けられることから、固定部材の構造を工夫することによって、各種構造の第1の取付部材および第2の取付部材に対して静電容量型センサを容易に取り付けることが可能となる。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載された外力検出が可能な防振装置において、前記第1の取付部材としてのインナ軸部材に前記第2の取付部材としてのアウタ筒部材が外挿されており、それらインナ軸部材とアウタ筒部材の間に前記本体ゴム弾性体が配設されていると共に、該本体ゴム弾性体を軸方向外方に外れた位置でそれらインナ軸部材とアウタ筒部材の間に跨がって前記静電容量型センサが配設されているものである。
第3の態様によれば、軸直角方向,軸方向,こじり方向,ねじり方向の何れの方向で外力が入力した場合であっても、インナ軸部材とアウタ筒部材の間には特定方向で引張力が作用する。それ故、インナ軸部材とアウタ筒部材の間における静電容量型センサの配設方向を適切に設定することにより、目的とする方向の外力を静電容量型センサの静電容量の変化量として検出することができる。
本発明の第4の態様は、第2又は第3の態様に記載された外力検出が可能な防振装置であって、前記本体ゴム弾性体の軸方向両側において、前記インナ軸部材を径方向に挟んで配置された一対の前記静電容量型センサと、該インナ軸部材を他の径方向で挟んで配置された他の一対の該静電容量型センサとが、配設されているものである。
第4の態様によれば、筒形防振装置において、少ないセンサ数で効率的に外力を検出することができる。
本発明の第5の態様は、第2〜第4の何れか1つの態様に記載された外力検出が可能な防振装置であって、前記本体ゴム弾性体の軸方向両側において、それぞれ、こじり方向の外力の入力に伴う引張変形側と圧縮変形側とで対となるように前記静電容量型センサが配設されているものである。
第5の態様によれば、筒形防振装置において、検出すべき外力がこじり方向の場合に対応(検出)できる。なお、検出すべきこじり方向で対向位置するように、対となる静電容量型センサを配することが望ましく、検出精度の向上が図られる。また、対となる静電容量型センサを軸方向で出来るだけ大きく離隔させて配することが、検出精度の向上に好適である。
本発明の第6の態様は、第2〜第5の何れか1つの態様に記載された外力検出が可能な防振装置において、前記インナ軸部材の中心軸をとおる径方向線に対して周方向一方の側に傾斜した方向で該インナ軸部材と前記アウタ筒部材とを連結する第1のねじり方向の前記静電容量型センサと、周方向他方の側に傾斜した方向で該インナ軸部材と該アウタ筒部材とを連結する第2のねじり方向の前記静電容量センサとが、配設されているものである。
第6の態様によれば、筒形防振装置において、検出すべき外力がねじり方向の場合に対応(検出)できる。即ち、外力が作用する周方向の向きに応じて、対となるねじり方向の静電容量型センサにおいて静電容量の変化量に差が生じることから、ねじり方向の外力の向きを特定することができる。
しかも、このようなねじり方向の外力の向きの特定は、静電容量型センサの配置を工夫するだけで実現されることから、構造の複雑化や部品点数の増加、大型化等が回避される。
本発明の第7の態様は、第1〜第6の何れか1つの態様に記載された外力検出が可能な防振装置において、前記静電容量型センサには、前記電極膜を被覆する保護層が絶縁性の弾性材で形成されているものである。
第7の態様によれば、電極膜の外部への露出を防いで、電極膜の侵食や他部材の接触等に起因する静電容量型センサの損傷を防止することができる。なお、保護層は、例えば、絶縁性のゴム弾性体や樹脂エラストマによって形成される。
本発明の第8の態様は、第1〜第7の何れか1つの態様に記載された外力検出が可能な防振装置において、前記一対の電極膜がゴム系導電インクによって形成されているものである。
第8の態様によれば、本体ゴム弾性体の大変形に追従し得る弾性的な電極膜を簡単に実現することが可能である。しかも、薄肉の電極膜を容易に形成することができて、小型且つ軽量の静電容量型センサが実現される。
本発明の第9の態様は、第1〜第8の何れか1つの態様に記載された外力検出が可能な防振装置において、前記誘電体層と前記一対の電極膜が何れも10%以上の伸縮変形を許容される弾性材によって形成されているものである。
第9の態様によれば、誘電体層と一対の電極膜が、何れも、外力の非作用時に対して10%以上という充分に大きな伸縮性を有していることから、本体ゴム弾性体の大変形に追従し得る伸縮性に優れた静電容量型センサが実現される。
本発明によれば、本体ゴム弾性体の弾性変形特性に基づいて、静電容量の変化量(ΔC)から本体ゴム弾性体に作用する外力を求めることができる。しかも、静電容量型センサを構成する誘電体層と電極膜とが何れも弾性材で形成されて、本体ゴム弾性体に固着されていることから、防振装置の大型化が回避されると共に、静電容量型センサの耐久性が確保される。加えて、静電容量型センサが第1の取付部材および第2の取付部材に固定されていることから、本体ゴム弾性体による拘束や本体ゴム弾性体の変形による剥離等が防止されると共に、防振特性への悪影響も回避される。
本発明の一実施形態としてのサスペンションブッシュを示す正面図。 図1に示されたサスペンションブッシュの背面図。 図1に示されたサスペンションブッシュの左側面図。 図1のIV−IV断面図。 図1に示されたサスペンションブッシュを構成する静電容量型センサの正面図。 図5に示された静電容量型センサの背面図。 図5のVII−VII断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜図4には、本発明に従う構造とされた外力検出が可能な防振装置の一実施形態として、サスペンションブッシュ10が示されている。サスペンションブッシュ10は、筒形防振装置であって、第1の取付部材としてのインナ軸部材12と、第2の取付部材としてのアウタ筒部材14が、本体ゴム弾性体16によって弾性連結された構造のブッシュ本体18を有している。そして、サスペンションブッシュ10は、インナ軸部材12が図示しない車両ボデーにボルト固定されると共に、アウタ筒部材14が同じく図示しないサスペンションアームのアームアイに圧入固定されることにより、サスペンションアームを車両ボデーに対して防振連結するようになっている。
より詳細には、インナ軸部材12は、鉄やアルミニウム合金等で形成された高剛性の部材であって、厚肉小径で直線的に延びる略円筒形状を有している。一方、アウタ筒部材14は、薄肉大径の略円筒形状を有しており、インナ軸部材12と同様の材料で形成された高剛性の部材とされている。
そして、インナ軸部材12とアウタ筒部材14は、径方向に所定の距離を隔てた内外挿状態で配設されており、それらインナ軸部材12とアウタ筒部材14の間に本体ゴム弾性体16が配設されている。本体ゴム弾性体16は、厚肉大径の略円筒形状を有しており、内周面がインナ軸部材12の外周面に加硫接着されていると共に、外周面がアウタ筒部材14の内周面に加硫接着されている。これにより、ブッシュ本体18が、インナ軸部材12とアウタ筒部材14を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品として形成されている。
また、ブッシュ本体18には、第1の固定部材20が取り付けられている。第1の固定部材20は、インナ軸部材12と略同一の直径を有する略円筒形状の延長筒部材22と、延長筒部材22の軸方向端部に外嵌固定された板状のインナ側支持片24とを有している。そして、延長筒部材22がインナ軸部材12の軸方向端部に嵌着されることにより、第1の固定部材20がインナ軸部材12の軸方向両側に取り付けられている。
また、ブッシュ本体18には、第2の固定部材26が取り付けられている。第2の固定部材26は、大径の略円筒形状を有するブラケット部材28と、ブラケット部材28の周上の一部において軸方向端部から内周側に向かって径方向で延び出したアウタ側支持片30とを有している。更に、ブラケット部材28の軸方向両端には、周上の別の一部において軸方向外側に突出する支持突部31が一体形成されている。そして、ブラケット部材28がアウタ筒部材14に対して外嵌固定されることにより、一対の第2の固定部材26,26がアウタ筒部材14に取り付けられている。これにより、各第2の固定部材26のアウタ側支持片30がアウタ筒部材14の軸方向両側に配置されて、本体ゴム弾性体16よりも軸方向外側においてそれぞれインナ側支持片24と軸方向で対向している。
また、第1の固定部材20と第2の固定部材26の間には、複数の静電容量型センサ32が配設されており、各静電容量型センサ32の一方の端部が第1の固定部材20に固定されていると共に、各静電容量型センサ32の他方の端部が第2の固定部材26に固定されている。静電容量型センサ32は、図5〜図7に示されているように、誘電体層34の両面に電極膜36a,36bが固着された構造を有している。なお、サスペンションブッシュ10の静電容量型センサ32としては、特開2010−43880号公報に記載されたものが、好適に採用される。
すなわち、誘電体層34は、ゴムや熱可塑性エラストマといった誘電性の弾性材によって形成されており、略矩形膜状の電極固着部38と、電極固着部38から延び出す電線支持部40とを一体的に備えた帯状とされている。なお、誘電体層34の形成材料は、誘電性の弾性材であれば特に限定されるものではないが、静電容量型センサ32のキャパシタンスを大きくするために、比誘電率が高いものが望ましく、例えば、常温での比誘電率が3以上、より好適には5以上のものが採用される。
誘電体層34の形成材料としては、例えば、エステル基,カルボキシル基,水酸基,ハロゲン基,アミド基,スルホン基,ウレタン基,ニトリル基等の極性官能基を有するエラストマや、これらの極性官能基を有する極性低分子量化合物を添加したエラストマが好適に採用される。更に、エラストマのヤング率を小さく設定することで、微小な外力を検出し得る静電容量型センサ32を実現する等、求められる検出感度や検出レンジに応じて、エラストマのヤング率は適当に設定される。
より具体的には、誘電体層34の形成材料として、例えば、シリコーンゴム,アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム,アクリルゴム,エピクロロヒドリンゴム,クロロスルホン化ポリエチレン,塩素化ポリエチレン,ウレタンゴム等が好適に採用される。本実施形態の誘電体層34は、ウレタンゴムによって形成されている。
さらに、誘電体層34の厚さは、特に限定されるものではないが、静電容量型センサ32の小型化と検出感度の向上を実現するために薄肉であることが望ましく、好適には1μm以上且つ5000μm以下、より好適には20μm以上且つ500μm以下とされる。なお、誘電体層34が薄過ぎると、製造が困難になると共に、リーク電流が大きくなって検出精度が低下することから、誘電体層34の厚さが上記の範囲に設定されることが望ましい。
また、膜状とされた誘電体層34の電極固着部38には、一対の電極膜36,22が重ね合わされている。電極膜36は、導電性フィラーを充填されたエラストマ等の導電性を有する弾性材によって形成されており、平面視で長方形を呈する薄膜とされている。更に、電極膜36は、誘電体層34と同一のエラストマによって形成されていることが望ましく、これによって誘電体層34の変形に対する追従性が向上すると共に、誘電体層34に対する密着性の向上によって、繰返し変形しても誘電体層34からの剥離が回避されて信頼性の向上が図られ得る。
この電極膜36は、製造の容易さ,誘電体層34の変形に対する追従性および静電容量型センサ32全体の小型化等を考慮して、1μm以上且つ100μm以下の厚さで形成されることが望ましい。更に、誘電体層34の変形に対する優れた追従性を実現するために、好適には、電極膜36のヤング率が0.1MPa以上且つ200MPa以下とされている。加えて、電極膜36は、弾性変形時に10%以上の長さの変化を許容し得るだけの伸縮率を有することが望ましく、より好適には電極膜36の引張り試験(JIS K6251)における切断時伸びが30%以上とされることによって、充分な変形追従性が確保される。
また、電極膜36の電気抵抗は、厚さ方向および面方向において、100kΩ以下であることが望ましく、より好適には10kΩ以下とされる。更に、電極膜36は、伸縮変形による導電性の変化が小さいことが望ましい。
電極膜36を形成するエラストマ組成物としては、エラストマと導電性フィラーの混合物を調製した場合に、パーコレーションカーブにおける臨界体積分率(φc)が25vol%以下となるものを用いることが望ましい。これによれば、導電性フィラーの配合量が比較的に少ない場合にも、導電性の高い電極膜を得ることができる。
また、電極膜36を形成するエラストマは特に限定されるものではないが、例えば、シリコーンゴム,エチレン−プロピレン共重合ゴム,天然ゴム,スチレン−ブタジエン共重合ゴム,アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム,アクリルゴム,エピクロロヒドリンゴム,クロロスルホン化ポリエチレン,塩素化ポリエチレン,ウレタンゴム等が好適に採用される。
上記エラストマに混合される導電性フィラーとしては、導電性を有する粒子であれば良く、炭素材料や金属等の微粒子が、単体で或いは複数種類の微粒子を混合した混合物の状態で採用される。例えば、導電性フィラーとしては、比較的に安価で且つ導電パスの形成が容易であるといった理由から、炭素材料が好適に用いられ、特に粒子径が小さく凝集性に優れたケッチェンブラック等のカーボンブラックが、優れた導電性を実現するために好適に採用される。
また、導電性フィラーの微粒子形状は、球状や錐状,柱状等の各種形状が任意に採用され得るものであって、特に限定されるものではない。尤も、少量で効率的に導電性を確保すると共に、電極膜36の変形による導電性の変化を抑えるために、導電性フィラーのアスペクト比(短辺の長さに対する長辺の長さの比)は大きいことが望ましく、好適にはアスペクト比が1以上に設定される。
また、導電性フィラーの平均粒子径は、0.01μm以上且つ0.5μm以下であることが望ましく、より好適には、0.03μm以上且つ0.1μm以下とされる。蓋し、導電性フィラーの平均粒子径が小さすぎると、粒子の凝集性が高くなりすぎて、電極膜36を構成するエラストマ中に均一に分散させることが難しくなる。一方、導電性フィラーの平均粒子径が大きすぎると、粒子の凝集性が低くなりすぎて、導電ネットワークの形成が不十分になり易いからである。
また、導電性フィラーのエラストマへの混合のし易さを考慮すると、電極膜36の体積に対する導電性フィラーの体積比は、30vol%以下であることが望ましく、電極膜36において優れた導電性と伸縮性を確保するためには、25vol%以下であることがより好適で、更に望ましくは15vol%以下とされる。なお、導電性フィラーは、電極膜36において電気抵抗が急激に低下して絶縁体−導電体転移が生じる体積比率(臨界体積分率)以上の割合で配合されている。
なお、電極膜36は、上述の如きエラストマに導電性フィラーを混合して形成されるが、それらに加えて各種の添加剤が混合されていても良い。添加剤としては、例えば、架橋剤や加硫促進剤,加硫助剤,老化防止剤,可塑剤,軟化剤,着色剤等が挙げられる。
そして、電極膜36は、誘電体層34の電極固着部38に対して厚さ方向の両面に固着されている。なお、電極膜36は、予め薄膜状に成形されて、誘電体層34の表面に固着されても良いが、本実施形態では、導電性フィラーを液状のゴム材料に混合したゴム系導電インクが、例えば、スクリーン印刷やインクジェット印刷,フレキソ印刷,グラビア印刷,パッド印刷,リソグラフィー等の方法で、誘電体層34の表面に対して印刷されることによって形成されている。
また、電極膜36の表面が絶縁性のエラストマで形成された保護層としての絶縁被膜42によって被覆されており、電極膜36の外部への露出が防止されている。これにより、電極膜36の侵食が防止されると共に、他部材の干渉(接触)による電極膜36の損傷が回避されて、静電容量型センサ32の耐久性の向上が図られている。
また、電極膜36には、電線44が接続されている。電線44は、伸縮可能とされていることが望ましく、例えば、エラストマに導電性フィラーを分散させた導電体等が採用され得る。そして、電線44は、誘電体層34の電線支持部40の両面に電極膜36と同様の印刷や接着によって固着されており、一対の電線44,44が誘電体層34によって相互に絶縁されている。電線44を形成するエラストマおよび導電性フィラーとしては、電極膜36と同様のものを採用することが可能であるが、電極膜36とは異なる材料で形成されていても良い。本実施形態では、電線44が電極膜36と同じ材料で一体的に形成されており、電極膜36と共に絶縁被膜42で覆われて保護されている。なお、図1〜図6では、静電容量型センサ32の構造を容易に理解できるように、絶縁被膜42が透視された状態で図示されており、符号が省略されている。更に、電線44は、図1〜図4に示された静電容量型センサ32のサスペンションブッシュ10への装着状態において、見易さのために図示が省略されているが、電線44を備えた電線支持部40の形状は、サスペンションブッシュ10の構造に合わせて任意に変更される。
このような構造とされた静電容量型センサ32は、本体ゴム弾性体16よりも軸方向外側において、第1の固定部材20と第2の固定部材26の間に跨って複数が配設されている。より詳細には、軸方向一方の側に配設された第1の固定部材20aと第2の固定部材26aの間に6つの静電容量型センサ32a〜32fが配設されていると共に、軸方向他方の側に配設された第1の固定部材20bと第2の固定部材26bの間に6つの静電容量型センサ32g〜32lが配設されている。
静電容量型センサ32a〜32dは、第1の固定部材20aの延長筒部材22aと第2の固定部材26aのブラケット部材28aの径方向間に略放射状に配設されており、静電容量型センサ32aと静電容量型センサ32cが径方向一方向で延長筒部材22aを挟んだ両側に配置されていると共に、静電容量型センサ32bと静電容量型センサ32dが別の径方向一方向で延長筒部材22aを挟んだ両側に配置されている。これにより、静電容量型センサ32a〜32dは、インナ軸部材12がアウタ筒部材14に対して軸直角方向で相対変位することによって伸長変形するようになっている。なお、静電容量型センサ32aと静電容量型センサ32cの対向方向と、静電容量型センサ32aと静電容量型センサ32cの対向方向は、互いに略直交する径方向とされている。
また、静電容量型センサ32eは、第1の固定部材20aのインナ側支持片24aと第2の固定部材26aのアウタ側支持片30aの対向面間に配設されて、軸方向に延びている。これにより、静電容量型センサ32eは、インナ軸部材12がアウタ筒部材14に対して軸方向一方の側(図4中、右方)に相対変位することによって伸長変形するようになっている。
また、静電容量型センサ32fは、第1の固定部材20aの延長筒部材22aと第2の固定部材26aのブラケット部材28aの支持突部31aとの間に配設されており、インナ軸部材12がアウタ筒部材14に対して周方向一方の側(図1中の右回り)に相対回転することによって伸長変形するようになっている。換言すれば、インナ軸部材12の径方向線に対して周方向一方の側に傾斜した方向で第1の固定部材20aと第2の固定部材26aを連結するように、第1のねじり方向の静電容量型センサ32fが配設されている。
一方、静電容量型センサ32g〜32jは、第1の固定部材20bの延長筒部材22bと第2の固定部材26bのブラケット部材28bの径方向間に略放射状に配設されており、静電容量型センサ32gと静電容量型センサ32iが径方向一方向で延長筒部材22bを挟んだ両側に配置されていると共に、静電容量型センサ32hと静電容量型センサ32jが別の径方向一方向で延長筒部材22bを挟んだ両側に配置されている。これにより、静電容量型センサ32g〜32jは、インナ軸部材12がアウタ筒部材14に対して軸直角方向で相対変位することによって伸長変形するようになっている。なお、静電容量型センサ32gと静電容量型センサ32iの対向方向と、静電容量型センサ32hと静電容量型センサ32jの対向方向は、互いに略直交する径方向とされている。これにより、静電容量型センサ32gは静電容量型センサ32aと、静電容量型センサ32hは静電容量型センサ32bと、静電容量型センサ32iは静電容量型センサ32cと、静電容量型センサ32jは静電容量型センサ32dと、それぞれ軸方向で対向して配設されている。
また、静電容量型センサ32kは、第1の固定部材20bのインナ側支持片24bと第2の固定部材26bのアウタ側支持片30bの対向面間に配設されて、軸方向に延びている。これにより、静電容量型センサ32kは、インナ軸部材12がアウタ筒部材14に対して軸方向他方の側(図4中、左方)に相対変位することによって伸長変形するようになっている。
また、静電容量型センサ32lは、第1の固定部材20bの延長筒部材22bと第2の固定部材26bのブラケット部材28bの支持突部31bとの間に配設されており、インナ軸部材12がアウタ筒部材14に対して周方向他方の側(図1中の左回り)に相対回転することによって伸長変形するようになっている。換言すれば、インナ軸部材12の径方向線に対して周方向他方の側に傾斜した方向で第1の固定部材20bと第2の固定部材26bを連結するように、第2のねじり方向の静電容量型センサ32lが配設されている。
かくの如き静電容量型センサ32a〜32lは、一対の第1の固定部材20a,20bおよび一対の第2の固定部材26a,26bと共にブッシュ本体18に取り付けられている。なお、静電容量型センサ32a〜32fが何れも本体ゴム弾性体16に対して軸方向一方の側に離隔して配設されていると共に、静電容量型センサ32g〜32lが何れも本体ゴム弾性体16に対して軸方向他方の側に離隔して配設されている。これにより、静電容量型センサ32a〜32lは、外力の作用時にインナ軸部材12とアウタ筒部材14の相対変位によって本体ゴム弾性体16から独立して引張変形されるようになっている。更に、静電容量型センサ32a〜32lは互いに離隔して配設されており、相互に干渉して変形が拘束されることのないようにされている。
また、静電容量型センサ32a〜32lの電線44は、それぞれ外部の図示しない処理装置に接続されている。これにより、外力の入力によって本体ゴム弾性体16が弾性変形させられると、静電容量型センサ32の静電容量の変化に基づいた出力信号が、電線44を通じて処理装置に入力されるようになっている。そして、処理装置では、静電容量型センサ32から送信された信号に基づいて、インナ軸部材12とアウタ筒部材14の間に入力された外力の大きさと作用方向を検出することが可能とされている。
すなわち、外力が軸直角方向に作用すると、静電容量型センサ32a〜32dおよび静電容量型センサ32g〜32jの伸縮変形による静電容量の変化に基づいて、外力の大きさと作用方向が検出される。軸直角方向の入力に対しては、静電容量型センサ32aと静電容量型センサ32g,静電容量型センサ32bと静電容量型センサ32h,静電容量型センサ32cと静電容量型センサ32i,静電容量型センサ32dと静電容量型センサ32jが、それぞれ互いに略同じ変形量となることから、静電容量の変化量も略等しくなる。
なお、軸直角方向の外力は、図1中に一点鎖線で示されたx軸の方向に作用する分力が静電容量型センサ32a,32c,32g,32iの静電容量の変化に基づいて検出されると共に、図1中に一点鎖線で示されたy軸の方向に作用する分力が静電容量型センサ32b,32d,32h,32jの静電容量の変化に基づいて検出されて、それらの分力を合成することによって入力された外力の大きさと向きを特定することができる。尤も、x軸方向の分力とy軸方向の分力をそれぞれ独立して車両制御の参照信号等として利用することも可能である。
さらに、こじり方向の外力が作用すると、静電容量型センサ32a〜32dおよび静電容量型センサ32g〜32jの伸縮変形による静電容量の変化に基づいて、外力の大きさと作用方向が検出される。こじり方向の入力に対しては、静電容量型センサ32aと静電容量型センサ32i,静電容量型センサ32bと静電容量型センサ32j,静電容量型センサ32cと静電容量型センサ32g,静電容量型センサ32dと静電容量型センサ32hが、それぞれ互いに略同じ変形量となることから、静電容量の変化量も略等しくなる。換言すれば、本体ゴム弾性体16の軸方向一方の側において、静電容量型センサ32aと静電容量型センサ32c,静電容量型センサ32bと静電容量型センサ32dが、引張側と圧縮側で互いに対となるように配置されていると共に、本体ゴム弾性体16の軸方向他方の側において、静電容量型センサ32gと静電容量型センサ32i,静電容量型センサ32hと静電容量型センサ32jが、引張側と圧縮側で互いに対となるように配置されている。なお、こじり方向の入力に対しても、軸直角方向の外力と同様に、2方向の分力を静電容量型センサ32a〜32dおよび静電容量型センサ32g〜32jの検出結果に基づいて求めて、それらの分力を合成することによって入力された外力の大きさと向きを特定することができる。
また、外力が軸方向(図4に一点鎖線で示されたz軸の方向)に作用すると、静電容量型センサ32eと静電容量型センサ32kの何れか一方が伸長変形することから、静電容量の変化に基づいて外力の大きさと作用方向が検出される。なお、外力の作用方向(向き)は、静電容量型センサ32eと静電容量型センサ32kの何れにおいて静電容量の変化が生じたのかに基づいて検出することができる。
また、外力がねじり方向に作用すると、静電容量型センサ32fと静電容量型センサ32lの何れか一方が伸長変形することから、静電容量の変化に基づいて外力の大きさと作用方向が検出される。なお、外力の作用方向(向き)は、静電容量型センサ32fと静電容量型センサ32lの何れにおいて静電容量の変化が生じたのかに基づいて検出することができる。
このように、本実施形態に従う構造とされたサスペンションブッシュ10では、静電容量型センサ32a〜32lの静電容量の変化量を測定すると共に、静電容量の変化が生じた静電容量型センサ32を特定することにより、及ぼされた外力の大きさと向きが特定されるようになっている。
なお、軸方向一方の側においてx軸方向で対を成す静電容量型センサ32aと静電容量型センサ32cの静電容量の変化量の差:ΔCacが検出されるようにすれば、検出値の正負に基づいて入力の向きが特定されると共に、入力の大きさをより高精度に把握することができる。同様に、軸方向一方の側においてy軸方向で対を成す静電容量型センサ32b,32dと、軸方向他方の側においてx軸方向で対を成す静電容量型センサ32g,32iと、軸方向他方の側においてy軸方向で対を成す静電容量型センサ32h,32jと、z軸方向で対を成す静電容量型センサ32e,32kと、周方向の入力に対して対を成す静電容量型センサ32f,32lにおいても、静電容量の変化量の差をそれぞれ検出することによって、外力の作用方向と外力の大きさを特定することができる。このような静電容量値の差を利用すれば、実質的に6つの検出値(静電容量の変化量):ΔCac,ΔCbd,ΔCgi,ΔChj,ΔCek,ΔCflに基づいて、x〜zの3つの軸方向と、こじり方向と、ねじり方向の各外力を検出することが可能となることから、検出値から外力を特定するための演算処理を簡略化することができる。しかも、センサの配置を考慮すれば、ΔCacとΔCgi,ΔCbdとΔChjは検出値の絶対値が等しくなることから、外力を特定するための演算処理をより簡略化することができる。
また、外力を検出するための静電容量型センサ32が、弾性材で形成された誘電体層34と電極膜36を備えている。これにより、静電容量型センサ32は、外力の入力による本体ゴム弾性体16の大変形に対しても充分に追従して変形し、静電容量の変化に基づく外力の検出が安定して実現されると共に、耐久性の向上が図られる。特に、電極膜36がゴム系導電インクで形成されていることから、10%以上の伸縮変形を許容された柔軟な静電容量型センサ32が容易に実現される。
また、弾性材で形成された静電容量型センサ32が、インナ軸部材12とアウタ筒部材14に固定されており、本体ゴム弾性体16には直接には接触することなく配設されている。それ故、静電容量型センサ32に対して本体ゴム弾性体16から拘束力や不規則な変形力が及ぼされるのを防ぐことができて、目的とする方向での伸長変形が精度良く及ぼされることにより、外力の検出を高精度に行うことができる。更に、本体ゴム弾性体16の変形による静電容量型センサ32の脱落等も回避されることから、優れた信頼性が実現される。
しかも、静電容量型センサ32がインナ軸部材12およびアウタ筒部材14に固定されていることから、静電容量型センサ32を取り付けるために本体ゴム弾性体16の形状を変更する必要もない。それ故、防振特性や耐久性に悪影響を及ぼすことなく静電容量型センサ32を取り付けることができる。
さらに、静電容量型センサ32が容易に変形を許容される柔軟なものとされていることにより、インナ軸部材12とアウタ筒部材14の相対変位が静電容量型センサ32によって制限されるのを防ぐことができる。それ故、防振特性への悪影響が回避されて、目的とする防振性能を得ることができる。
また、静電容量型センサ32がインナ軸部材12およびアウタ筒部材14に対して第1,第2の固定部材20,26を介して間接的に取り付けられていることから、第1,第2の固定部材20,26の構造を工夫することによって、インナ軸部材12とアウタ筒部材14の構造に関わらず、静電容量型センサ32を容易に配設することができる。
また、静電容量型センサ32a〜32dと静電容量型センサ32g〜32jが、それぞれ十文字に配設されていると共に、静電容量型センサ32a〜32dと静電容量型センサ32g〜32jが軸方向で対向するように配設されている。これにより、静電容量型センサ32a〜32dおよび静電容量型センサ32g〜32jの検出結果に基づいて、軸直角方向およびこじり方向で作用する外力の大きさと作用方向を特定することができる。
また、静電容量型センサ32eと静電容量型センサ32kがインナ軸部材12の軸方向各一方の側に配設されており、インナ軸部材12とアウタ筒部材14の軸方向での相対変位に際して何れか一方に引張力が及ぼされて伸長変形されるようになっている。これにより、軸方向の外力が作用する際に、静電容量型センサ32eと静電容量型センサ32kの静電容量の変化量が異なることから、より変化量の大きいセンサの検出結果に基づいて、及ぼされた軸方向外力の大きさと向きを特定することができる。特に、静電容量型センサ32eと静電容量型センサ32kが本体ゴム弾性体16よりも軸方向外側に配設されていることによって、こじり方向の外力が引張力として効率的に及ぼされることから、こじり方向の外力を高精度に検出することができる。
また、静電容量型センサ32fと静電容量型センサ32lが、インナ軸部材12に対して径方向両側に固定されており、インナ軸部材12とアウタ筒部材14の相対的な回転によってそれら静電容量型センサ32f,32l何れか一方に引張力が及ぼされて伸長変形するようになっている。これにより、周方向(ねじり方向)の外力が作用する際に、静電容量型センサ32fと静電容量型センサ32lの静電容量の変化量が異なることから、より静電容量の変化量が大きいセンサの検出結果に基づいて、及ぼされた周方向外力の大きさと向きを特定することができる。このように、周方向の外力は、静電容量型センサ32fと静電容量型センサ32lを互いに異なる方向に傾斜するように配置を工夫することで検出されるようになっており、構造の複雑化や部品点数の増加,サスペンションブッシュ10の大型化が何れも抑えられている。
このような静電容量型センサ32の配置を採用することにより、軸直角方向,軸方向,こじり方向,ねじり方向の外力を、効率的に検出することが可能とされている。それ故、静電容量型センサ32の配設数を抑えつつ、外力の検出を高精度に行うことができる。特に、本実施形態では、筒形防振装置であるサスペンションブッシュ10に適用されていることから、軸直角方向,軸方向,こじり方向,ねじり方向の何れの方向に外力が入力された場合であっても、何れかの静電容量型センサ32に対して引張力が及ぼされて、静電容量の変化に基づく外力の検出が可能とされている。
また、各静電容量型センサ32は、薄肉の膜状乃至は帯状とされており、センサ自体が小型であると共に、配設スペースを小さくすることも可能である。それ故、外力の検出が可能なサスペンションブッシュ10を軽量且つコンパクトに実現することができる。しかも、静電容量型センサ32は、簡易な構造であることから製造が容易である。更に、外力の検出に静電容量の変化量を利用することによって、インナ軸部材12とアウタ筒部材14の微小な変位を高精度に検出することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、前記実施形態では、作用する外力が、2つの軸直角方向と、軸方向と、2つのこじり方向と、ねじり方向の6つの方向の分力を12個の静電容量型センサ32によって検出することで特定されるようになっていたが、必要に応じて検出可能な分力の数を変化させることも可能であり、その場合には、必要な分力を検出できるように静電容量型センサの数や配置の位置および方向を変更すれば良い。
また、静電容量型センサ32は、必ずしも第1,第2の固定部材20,26を介して第1の取付部材および第2の取付部材に固定されていなくても良く、接着等の手段によって第1の取付部材および第2の取付部材に直接固定されていても良い。
さらに、静電容量型センサ32を支持する第1の固定部材20および第2の固定部材26の構造は、あくまでも例示であって、特定すべき外力の入力方向や第1の取付部材および第2の取付部材の具体的な構造等に応じて、適宜に変更され得るものである。
また、本発明は、円筒形の防振装置にのみ適用されるものではなく、例えば、略円錐台形状の本体ゴム弾性体の小径側端部に第1の取付部材が固着されていると共に、大径側端部に第2の取付部材が固着された構造を有するお椀形の防振装置も適用可能である。特に、本発明では、静電容量型センサ32が本体ゴム弾性体ではなく第1の取付部材および第2の取付部材に固定されることから、本体ゴム弾性体の形状や変形態様が異なる防振装置に対しても、容易に適用可能である。加えて、第1,第2の固定部材を介して静電容量型センサ32を装着すれば、第1,第2の固定部材の構造を工夫することにより、既存の第1の取付部材および第2の取付部材の構造を大きく変更することなく静電容量型センサ32の取付けが可能となる。
また、前記実施形態では、本発明をサスペンションブッシュに適用した例が示されているが、本発明は、エンジンマウントやボデーマウント,サブフレームマウント等にも適用可能である。また、本発明の適用範囲は、自動車用の防振装置に限定されるものではなく、自動二輪車や鉄道用車両,産業用車両等に用いられる防振装置にも好適に適用され得る。
10:サスペンションブッシュ(外力検出が可能な防振装置)、12:インナ軸部材(第1の取付部材)、14:アウタ筒部材(第2の取付部材)、16:本体ゴム弾性体、20:第1の固定部材、26:第2の固定部材、32:静電容量型センサ、34:誘電体層、36:電極膜、42:絶縁被膜(保護層)

Claims (9)

  1. 第1の取付部材と第2の取付部材が本体ゴム弾性体で連結された防振装置において、
    誘電性の弾性材からなる誘電体層の両面に対して導電性の弾性材からなる一対の電極膜を設けた静電容量型センサを用い、該静電容量型センサの一方の端部を前記第1の取付部材に固定すると共に他方の端部を前記第2の取付部材に固定して、外力作用による前記本体ゴム弾性体の弾性変形に際して該静電容量型センサに該本体ゴム弾性体から独立した引張変形が生ぜしめられるようにしたことを特徴とする外力検出が可能な防振装置。
  2. 前記第1の取付部材に固定される第1の固定部材と前記第2の取付部材に固定される第2の固定部材が設けられており、該第1の固定部材に前記静電容量型センサの一端が固定されていると共に、該第2の固定部材に該静電容量型センサの他端が固定されている請求項1に記載の外力検出が可能な防振装置。
  3. 前記第1の取付部材としてのインナ軸部材に前記第2の取付部材としてのアウタ筒部材が外挿されており、それらインナ軸部材とアウタ筒部材の間に前記本体ゴム弾性体が配設されていると共に、該本体ゴム弾性体を軸方向外方に外れた位置でそれらインナ軸部材とアウタ筒部材の間に跨がって前記静電容量型センサが配設されている請求項1又は2に記載の外力検出が可能な防振装置。
  4. 前記本体ゴム弾性体の軸方向両側において、前記インナ軸部材を径方向に挟んで配置された一対の前記静電容量型センサと、該インナ軸部材を他の径方向で挟んで配置された他の一対の該静電容量型センサとが、配設されている請求項2又は3に記載の外力検出が可能な防振装置。
  5. 前記本体ゴム弾性体の軸方向両側において、それぞれ、こじり方向の外力の入力に伴う引張変形側と圧縮変形側とで対となるように前記静電容量型センサが配設されている請求項2〜4の何れか1項に記載の外力検出が可能な防振装置。
  6. 前記インナ軸部材の中心軸をとおる径方向線に対して周方向一方の側に傾斜した方向で該インナ軸部材と前記アウタ筒部材とを連結する第1のねじり方向の前記静電容量型センサと、周方向他方の側に傾斜した方向で該インナ軸部材と該アウタ筒部材とを連結する第2のねじり方向の前記静電容量センサとが、配設されている請求項2〜5の何れか1項に記載の外力検出が可能な防振装置。
  7. 前記静電容量型センサには、前記電極膜を被覆する保護層が絶縁性の弾性材で形成されている請求項1〜6の何れか1項に記載の外力検出が可能な防振装置。
  8. 前記一対の電極膜がゴム系導電インクによって形成されている請求項1〜7の何れか1項に記載の外力検出が可能な防振装置。
  9. 前記誘電体層と前記一対の電極膜が何れも10%以上の伸縮変形を許容される弾性材によって形成されている請求項1〜8の何れか1項に記載の外力検出が可能な防振装置。
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