JP2012156649A - 低音増強処理装置、楽器用スピーカ装置、および音響効果装置 - Google Patents

低音増強処理装置、楽器用スピーカ装置、および音響効果装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低音域の音を発音可能な楽器の演奏による低音を好適に増強して出力できる低音増強処理装置、楽器用スピーカ装置、および音響効果装置を提供すること。
【解決手段】本発明によれば、低音域に属する少なくとも1つの周波数帯域の楽音信号が、圧縮手段と増強手段とを有する低音増強処理手段によって増強される。低音増強処理手段は、所定レベル以上の楽音信号が圧縮手段により圧縮され、後段に位置するパワーアンプへの低音域の入力レベルが大きくなり過ぎない一方で、小さいレベルの楽音信号についても、増強手段による増強がされているので十分な音圧で出力できる。また、低音増強処理手段に入力される楽音信号の入力レベルに基づき、当該低音増強処理手段による入出力レベル比が決定されるように、制御手段による制御が行われるので、入力レベルが大きい場合であっても、出力レベルが入力レベルより小さくなる不都合を防ぐことができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、低音増強処理装置、楽器用スピーカ装置、および音響効果装置に関し、特に、低音域の音を発音可能な楽器の演奏による低音を入力信号のレベルの大小によることなく好適に増強して出力できる低音増強処理装置、楽器用スピーカ装置、および音響効果装置に関する。
従来、低音域の音を発音可能な弦楽器(例えば、ベース)に接続されるアンプにおいては、その低音域の音を十分な音圧で出力することが要求される。この要求に対し、スピーカの口径を大きくしたり、イコライザなどで低音域の信号のレベルを上げたりすることにより、低音域の音の音圧を上げていた。あるいは、低音域の音の音圧を上げるために、バスレフ構造のキャビネットを有するスピーカ装置を用いていた(例えば、特許文献1)。
特開2006−129199号公報
しかしながら、大口径のスピーカを用いる場合には、コスト増加に伴って価格が高価になると共に、そのスピーカを取り付けるキャビネットが大型化するために取り扱い(運搬など)が不便となる。
また、スピーカの振動板の振幅幅は低域である程大きいので、イコライザなどで低音域の信号のレベルを上げ過ぎてしまうと、振動板の振動がスピーカの許容範囲を超えて異音が発生することがある。一方、パワーアンプには許容最大入力レベル(許容される最大の入力レベル)があり、パワーアンプに入力される信号のレベルが許容最大入力レベルを超えると、パワーアンプからの出力に歪みが生じる。さらに、バスレフ構造のスピーカ装置は、キャビネットの開口部(ポート)を出入りする空気によって風切り音が出ることがあり、この風切り音は、スピーカの振動板の振幅がある程度大きくなった場合に急激に増える傾向がある。これらの事情から、パワーアンプに入力される又はスピーカから出力される低音域の信号レベルに制限が生じる。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、低音域の音を発音可能な楽器(例えば、ベース)の演奏による低音を好適に増強して出力できる低音増強処理装置、楽器用スピーカ装置、および音響効果装置を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段および発明の効果
この目的を達成するために、請求項1記載の低音増強処理装置によれば、低音域の音を発音可能な弦楽器(例えば、ベース)の演奏に基づく楽音信号が入力手段から入力された場合に、その楽音信号(即ち、入力信号)又はその楽音信号に対して所定の効果付与処理を施した後の楽音信号を帯域分割手段によって複数の周波数帯域に分割し、分割された周波数帯域の中で、低音域に属する少なくとも1つの周波数帯域の楽音信号が低音増強処理手段によって増強される。この低音増強処理手段は、所定レベル以上の楽音信号を所定の圧縮特性で圧縮する圧縮手段と、その圧縮手段より前段及び/又はその圧縮手段より後段に設けられて、入力された楽音信号を増強して出力する増強手段とを有しており、上記圧縮手段による圧縮と、上記増強手段による増強とにより、当該低音増強処理手段に入力された楽音信号を増強して出力する。つまり、所定レベル以上の楽音信号が圧縮手段により圧縮されているために、低音増強処理装置より後段に位置するパワーアンプへの低音域の入力レベルが大きくなり過ぎない一方で、小さいレベルの楽音信号についても、増強手段による増強がされているので十分な音圧で出力することができる。
その一方で、上記低音増強処理手段が備える圧縮手段は、所定レベル以上の楽音信号が圧縮されて出力されるという構成上、入力レベルが大きくなった場合に、低音増強処理手段からの出力レベルが入力レベルより却って小さくなるという不都合が生じ得る。入力レベルより却って小さいレベルの信号が低音増強手段から出力されると、低音域の音圧に不足が生じる。また、入力手段からの入力される楽音信号のレベルが小さく、低音増強手段に入力される楽音信号のレベルが常に所定レベルより小さければ、低音域が過度に増強されてしまうという不都合が生じ得る。しかしながら、請求項1に係る低音増強処理装置によれば、低音増強処理手段に入力される楽音信号の入力レベルに基づき、当該低音増強処理手段による入出力レベル比が決定されるように、制御手段により、圧縮手段による圧縮及び/又は増強手段による増強が制御されるので、入力レベルに応じた出力レベルでの出力が可能となり、上述した不都合を解消することができる。
従って、請求項1記載の低音増強処理装置によれば、低音域の音を発音可能な楽器の演奏による低音を入力信号のレベルの大小によることなく好適に増強して出力できるという効果がある。
請求項2記載の低音増強処理装置によれば、請求項1が奏する効果に加えて、次の効果を奏する。低音増強処理手段に入力される楽音信号の入力レベルの上昇に伴って当該低音増強処理手段による入出力レベル比が大きくなる(即ち、増強される)ように、制御手段により、圧縮手段による圧縮及び/又は増強手段による増強が制御される。これにより、低音増強処理手段に入力される所定レベル以上の楽音信号が圧縮されて出力される構成であっても、入力された楽音信号をその入力レベルに依ることなく増強して出力することができる。例えば、演奏者によっては、演奏上の意図として、入力手段から入力された楽音信号の入力レベルが大きくなるように調整することにより、音を歪ませることがあるが、そのような場合であっても、低音増強処理手段からの出力レベルが入力レベルより却って小さくなることを防ぐことができ、低音域を十分な音圧で出力することができる。よって、請求項2記載の低音増強処理装置によれば、低音域の音を発音可能な楽器の演奏による低音を演奏者の意図に応じて好適に増強して出力できるという効果がある。
請求項3記載の低音増強処理装置によれば、請求項1又は2が奏する効果に加えて、次の効果を奏する。低音増強処理手段に入力される楽音信号の入力レベルに基づき当該低音増強処理手段による入出力レベル比が大きくなるように、制御手段により、圧縮手段において閾値が、低音増強処理手段に入力される楽音信号の入力レベルの上昇に伴って、連続的又は段階的に、所定レベルより大きいレベルとされる。これにより、低音増強処理手段に入力される所定レベル(閾値)以上の楽音信号が圧縮されて出力される構成であっても、入力された楽音信号をその入力レベルに依ることなく増強して出力することができる上に、圧縮手段による圧縮を行う閾値の変更によるものであるので、その際の音質の劣化を防ぐことができる。よって、請求項3記載の低音増強処理装置によれば、低音域の音を発音可能な楽器の演奏による低音を好適に増強して出力できるという効果がある。
請求項4記載の低音増強処理装置によれば、請求項1から3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。ゲイン設定手段が操作されたことにより設定されたゲインの値に基づき、低音増強処理手段に入力される楽音信号の入力レベルが入力レベル調整手段により調整される。ゲイン設定手段により設定されたゲインの値に基づき、低音増強処理手段に入力される楽音信号の入力レベルの上昇に伴って当該低音増強処理手段による入出力レベル比が連続的又は段階的に大きくなるように、制御手段により、圧縮手段による圧縮及び/又は増強手段による増強が制御される。よって、演奏者が、例えば、演奏上の意図として出力音を歪ませるためにゲイン調整手段を操作した場合であっても、低音増強処理手段からの出力レベルが入力レベルより却って小さくなることを防ぐことができ、演奏意図に応じた出力が可能となるので、低音域の音を発音可能な楽器の演奏による低音を演奏者の意図に応じて好適に増強して出力できるという効果がある。
請求項5記載の低音増強処理装置によれば、請求項1から3のいずれかが奏する効果に加えて、次の効果を奏する。低音増強処理手段に入力される楽音信号の入力レベルの経時変化が監視手段により監視されており、その監視による入力レベルの経時変化に基づき、低音増強処理手段に入力される楽音信号の入力レベルの上昇に伴って当該低音増強処理手段による入出力レベル比が連続的又は段階的に大きくなるように、制御手段により、圧縮手段による圧縮及び/又は増強手段による増強が制御される。よって、低音域の音を発音可能な楽器の演奏による低音を入力信号のレベルの大小によることなく好適に増強して出力できるという効果がある。
請求項6記載の低音増強処理装置によれば、請求項1から5のいずれかが奏する効果に加えて、入力手段に楽音信号を入力する弦楽器(低音域の音を発音可能な弦楽器)がベースであるので、ベース演奏による演奏音を好適に増強して出力できるという効果がある。
請求項7記載のスピーカ装置によれば、請求項1から6のいずれかの低音増強処理装置を備えているので、請求項1から6が奏する上述した効果を奏することができる。つまり、請求項1から6のいずれかの低音増強処理装置により好適に増強された低音を、パワーアンプを介してスピーカから放音することができる。
請求項8記載のスピーカ装置によれば、請求項7記載が奏する効果に加えて、次の効果を奏する。このスピーカ装置は、筐体の内部空間と外部とを連通するバスレフ用の開口部を有するバスレフ構造のスピーカとして構成されており、低音増強処理手段により処理される周波数帯域が、バスレフ用の開口部による共振周波数を含む帯域であるので、この周波数帯域の信号レベルを抑制でき、風切り音の発生を抑制できるという効果がある。
請求項9記載の楽器用スピーカ装置によれば、請求項7又は8が奏する効果に加え、低音増強処理装置より前段に設けられ、1よりも大きな通過ゲインを有し得、楽音信号に効果を付与する1又は複数の効果装置を備えており、1よりも大きな通過ゲインとすることによる効果が楽音信号に付与された場合においても、低音増強処理装置により好適に増強された低音をスピーカから放音できるという効果がある。
請求項10記載の音響効果装置によれば、請求項1から6のいずれかの低音増強処理装置を備えているので、請求項1から6が奏する上述した効果を奏することができる。また、低音増強処理装置より前段に設けられ、1よりも大きな通過ゲインを有し得、楽音信号に効果を付与する1又は複数の効果装置を備えているので、1よりも大きな通過ゲインとすることによる効果が楽音信号に付与された場合においても、低音増強処理装置により好適に増強された低音を出力できるという効果がある。
(a)は、本発明の一実施形態である低音増強処理装置であるスピーカ装置の模式的な正面図であり、(b)は、図1(a)のIb−Ib線におけるスピーカ装置の模式的な側断面図である。 操作パネルの正面図である。 (a)は、スピーカ装置に搭載される制御装置の電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、DSPで実行される処理の流れを、機能ブロックを用いて模式的に示した図である。 (a)は、Low_Boostブロックで実行される処理の流れを模式的に示す機能ブロック図であり、(b)は、チャンネルデバイダ141の周波数特性の一例を示すグラフである。 低音増強部で実行される処理の流れを模式的に示す機能ブロック図である。 (a)は、コンプレッサの入出力特性を示すグラフであり、(b)は、通常設定時における低音増強部150の入出力特性を示すグラフであり、(c)は、高ゲイン設定時における低音増強部150の入出力特性を示すグラフである。 CPUが実行するパラメータ設定処理を示すフローチャートである。 第2実施形態の低音増強部で実行される処理の流れを模式的に示す機能ブロック図である。 (a)〜(c)は、変形例における低音増強部の入出力特性を示すグラフである。 第2実施形態の変形例において低音増強処理部で実行される処理の流れを模式的に示す機能ブロック図である。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1(a)は、本発明の一実施形態である低音増強処理装置である制御装置105を搭載するスピーカ装置1の模式的な正面図であり、図1(b)は、図1(a)のIb−Ib線におけるスピーカ装置1の模式的な側断面図である。なお、図1(b)では、図3を参照して後述する制御装置105及びパワーアンプ106や、配線ケーブルなどの一部構成の図示を省略している。
本実施形態のスピーカ装置1は、ベース用のスピーカ装置として構成される。詳細は後述するが、スピーカ装置1は、制御装置105がLow_Boostブロック14c(図3参照)の機能を搭載することにより、低音域(例えば、100Hz以下の音域)の音を好適に増強して放音することができるように構成されている。
スピーカ装置1は、キャビネット100と、スピーカ101と、3つのバスレフポート102と、シャーシ103と、操作パネル104とを有する。つまり、本実施形態のスピーカ装置1は、バスレフポート102を有する所謂バスレフ構造のスピーカ装置(バスレフ型スピーカ)である。
キャビネット100は、スピーカ101からの放音面(前面)となる前板100aと、上面となる上板100bと、底面となる底板100cと、両側面となる2枚の側板100dと、背面となる後板100eと、上板100bにおける後板100e側に段差を形成するための仕切板100fとから構成され、これらの板100a〜100fに囲まれることによって内部空間Sが形成される。なお、前板100aの前面側に網状のカバーを備えていてもよい。
バスレフポート102は、前板100aにおけるスピーカ101の下方に設けられた開口部であり、本実施形態では、前板100aに設けた開口に取り付けられ、前板100a側の先端が拡がる筒状部材として構成される。なお、先端の広がらない管状部材をバスレフポートとしてもよい。また、筒状部材を用いることなく、前板100aに設けた開口をバスレフポートとしてもよい。
シャーシ103は、パワーアンプ106ならびに制御装置105(図3参照)が搭載される基板を保持するための部材であり、キャビネット100における仕切板100fにより形成される段差部分に、底板100cに略平行な面と前板100aに略平行な面とが形成されるように設けられている。
操作パネル104は、スピーカ装置1に電源を投入するための電源ボタンや、ユーザが音を調整するために操作する操作子群などが搭載されたパネルであり、シャーシ103上に設けられる。
図2は、上述した操作パネル104の正面図である。図2に示すように、操作パネル104には、スピーカ装置1の電源投入と電源断とを切り換えるための電源ボタン(POWER)104aと、ベースの出力端子が挿入される入力端子(INPUT)104bと、ドライブ操作子(DRIVE)104cと、ゲイン操作子(GAIN)104dと、イコライザ操作子(EQ)104eと、コーラス操作子(CHORUS)104fと、リバーブ操作子(REVERB)104gと、ボリューム操作子(VOLUME)104hとが設けられている。
ドライブ操作子104cは、アナログアンプにおいてプリアンプに高レベルの信号が入力された場合に歪みが発生する現象を模擬する効果(以下、この効果を「オーバードライブ効果」と称する)の掛かり具合を調整(設定)するためのつまみ操作子である。ドライブ操作子104cがこれ以上反時計回りに回すことのできない位置にある場合には、後述するOver_Driveブロック14a(図3(b)参照)のゲイン値が1に設定され、オーバードライブ効果の量(かかり具合)がゼロとされる(即ち、オーバードライブ効果がかからない)。ドライブ操作子104cを時計回りに回す程、Over_Driveブロック14aのゲイン値が大きく(例えば、1以上に)設定され、オーバードライブ効果を強く掛けることができる。
ゲイン操作子104dは、アナログアンプにおいてプリアンプのゲインを調整した場合の現象を模擬するためのつまみ操作子であり、時計回りに回される程、後述するGainブロック14b(図3(b)参照)のゲイン値を大きくすることができる。なお、本実施形態のスピーカ装置1は、ゲイン操作子104dが所定位置(例えば、回転範囲の中央)に位置する場合を基準(ゲイン値=1)として、その所定位置より反時計回りに回すことによりGainブロック14bのゲイン値を小さくするともに、前記所定位置より時計回りに回すことによりGainブロック14bのゲイン値を大きくするように構成されている。
なお、詳細は後述するが、本実施形態のスピーカ装置1は、ドライブ操作子104cの操作位置に対応するゲイン値と、ゲイン操作子104dの操作位置に対応するゲイン値とに応じて、Low_Boostブロック14c(図3参照)の中で行われる信号の圧縮処理の内容を変更し、それによって、各操作子104c,104dにより設定されたゲイン値の積が1以下に設定された場合と、これらのゲイン値の積が1より大きく設定された場合とで、各場合に適した低音域の増強を行うことができるように構成されている。
イコライザ操作子104eは、各音域の信号レベルを設定するためのつまみ操作子である。本実施形態のイコライザ操作子104eは、低音域用つまみ(BASS)104e1と、中音域用つまみ(MIDDLE)104e2と、高音域用つまみ(TREBLE)104e3とから構成され、それぞれのつまみを回転させることにより、各音域の出力レベルを調整することができる。
コーラス操作子104fは、コーラス効果の掛かり具合を調整するためのつまみ操作子である。コーラス操作子104fがこれ以上反時計回りに回すことのできない位置にある場合には、コーラス効果の量(かかり具合)をゼロにすることができ、コーラス操作子104fが時計回りに回される程、コーラス効果を強く掛けることができる。
リバーブ操作子104gは、リバーブ効果の掛かり具合を調整するためのつまみ操作子である。リバーブ操作子104gがこれ以上反時計回りに回すことのできない位置にある場合には、リバーブ効果の量(かかり具合)をゼロにすることができ、リバーブ操作子104gが時計回りに回される程、リバーブ効果を強く掛けることができる。
ボリューム操作子104hは、スピーカ101から放音される音のレベルを調整するためのつまみ操作子である。ボリューム操作子104hがこれ以上反時計回りに回すことのできない位置にある場合には、スピーカ101からの放音レベルをゼロにすることができ、ボリューム操作子104hが時計回りに回される程、放音レベルを大きくすることができる。
次に、上述したスピーカ装置1を動作させるための制御装置105の詳細構成について説明する。図3(a)は、スピーカ装置1に搭載される制御装置105の電気的構成を示すブロック図である。
制御装置105は、CPU11と、ROM12と、RAM13と、DSP14と、アナログデジタルコンバータ(ADC)15と、デジタルアナログコンバータ(DAC)16とを有しており、ADC15とDAC16とを除く各部11〜14は、バスライン17を介して接続されている。ADC16及びDAC17は、それぞれ、DSP14に接続されている。また、バスライン17には、上述した操作子104c〜104hが接続されており、各操作子104c〜104hによる設定が制御装置105に入力される。
入力端子104bから入力されるベースの演奏音(楽音信号)は、入力信号としてADC15に入力される。DAC17は、パワーアンプ106に接続されており、制御装置105による処理後の信号をパワーアンプ106へ出力し、パワーアンプ106により増幅された後、スピーカ101から放音される。
CPU11は、ROM12やRAM13に記憶される固定値データや制御プログラムに従う制御を実行する中央制御装置である。ROM12は、書き替え不能なメモリであって、CPU11やDSP14に各処理を実行させるための制御プログラムや、この制御プログラム12aが実行される際にCPU11により参照される固定値データなどが記憶される。
RAM13は、書き替え可能なメモリであり、CPU11が制御プログラムを実行するにあたり、各種のデータを一時的に記憶するためのワークエリア(図示せず)を有している。
DSP14は、デジタル信号を処理するための演算装置である。DSP14は、例えば、入力端子104bから入力されてADC15によりデジタル化されたベースの演奏音(入力信号)における低音域を増強する制御を実行する。
図3(b)は、DSP14で実行される処理の流れを模式的に示す機能ブロック図である。入力信号(楽音信号)は、まず、Over_Driveブロック14aに供給される。
Over_Driveブロック14aは、通過する信号に対する入出力レベル比(利得、ゲイン)を上げるとともに歪みを発生させることにより、通過する信号にオーバードライブ効果を付与するブロックである。Over_Driveブロック14aは、ドライブ操作子104cの操作量に応じたオーバードライブ効果を付与する。具体的に、Over_Driveブロック14aは、ドライブ操作子104cの回転操作量が多い程、より大きなオーバードライブ効果を付与する。Over_Driveブロック14aを通過した(Over_Driveブロック14aから出力された)信号は、後段のGainブロック14bに供給される。
Gainブロック14bは、アナログアンプにおいてプリアンプ部の入力感度(ゲイン)を調整した場合の現象を模擬するブロックであり、通過する信号をゲイン操作子104dによる設定値(ゲイン値)に応じた入出力レベル比で出力する。また、Gainブロック14bは、ゲイン操作子104dによるゲイン値が1より大きい値である場合に、通過する信号に対する入出力レベル比を上げるとともに歪みを発生させる。Gainブロック14bを通過した信号は、Low_Boostブロック14cに供給される。
Low_Boostブロック14cは、詳細については後述するが、通過する信号における低音域の信号を増強するブロックである。Low_Boostブロック14cを通過した信号は、後段のEQブロック14dに供給される。
EQブロック14dは、通過する信号における各音域(低音域、中音域、高音域)の信号レベルを、対応するイコライザ操作子104e(104e1〜104e3)の位置に応じて上げたり下げたりするブロックである。EQブロック14dを通過した信号は、後段のChorusブロック14eに供給される。
Chorusブロック14eは、通過する信号にコーラス効果を付与するブロックであり、コーラス操作子104fの操作量に応じたコーラス効果を付与する。Chorusブロック14eを通過した信号は、後段のReverbブロック14fに供給される。
Reverbブロック14fは、通過する信号にリバーブ効果を付与するブロックであり、リバーブ操作子104gの操作量に応じたリバーブ効果を付与する。Reverbブロック14fを通過した信号は、後段のVolumeブロック14gに入力される。
Volumeブロック14gは、通過する信号のレベルをボリューム操作子104hの位置に応じて制御することで、スピーカ101からの放音レベル(音量)を調整して出力する。Volumeブロック14gを通過した信号は、パワーアンプ106へ供給され、スピーカ101から放音される。
図4(a)は、上述したLow_Boostブロック14cで実行される処理の流れを模式的に示す機能ブロック図である。Low_Boostブロック14cに入力された入力信号は、チャンネルデバイダ141に供給される。チャンネルデバイダ141は、ハイパスフィルタ(HPF)141aと、ローパスフィルタ(LPF)141bとから構成され、入力信号を、ハイパスフィルタ141aを通過する信号(High)と、ローパスフィルタ141bを通過する信号(Low)との2チャンネルに分割する。
図4(b)は、チャンネルデバイダ141の周波数特性の一例を示すグラフである。このグラフの横軸は周波数を示し、縦軸はチャンネルデバイダ141を通過するゲインを示す。このグラフにおいて、点線で示す線201は、ハイパスフィルタ141aを通過する信号の周波数特性であり、実線で示す線202は、ローパスフィルタ 141bを通過する信号の周波数特性である。各フィルタ141a,141bのカットオフ周波数fcは独立して設定可能であり、設計時に所定の値に設定される。図4(b)に示すように、各フィルタ141a,141bのカットオフ周波数fcを同じ値に設定することより、入力信号を、カットオフ周波数fc以上の信号と、カットオフ周波数fc以下の信号とに分割することができる。本実施形態では、チャンネルデバイダ141における各フィルタ141a,141bのカットオフ周波数fcは、ローパスフィルタ141bを通過する信号が低音域の信号となる周波数に設定されている。本実施形態では、カットオフ周波数fcを100Hzとしている。
図4(a)に戻って説明する。チャンネルデバイダ141において、ハイパスフィルタ141aを通過した信号は、乗算器142に供給される。乗算器142は、入力された信号(ハイパスフィルタ141aを通過した信号)に、CPU11により設定されたゲイン値を乗算することにより、信号のレベル調整を行う。なお、乗算器142に設定されるゲイン値は、設計時に決められたゲイン値であり、高域を増強するなどの特段の意図がない場合には1とされている。乗算器142によりレベル調整された信号は、後段の加算器145に供給される。
一方で、チャンネルデバイダ141において、ローパスフィルタ141bを通過した低音域の信号は、コンプレッサ143に供給される。コンプレッサ143は、所定レベル(所定のエンベロープレベル)以上の信号を圧縮して出力するものであり、その詳細構成については、図5を参照しつつ後述する。コンプレッサ143を通過した信号は、乗算器144に供給される。乗算器144は、CPU11により設定されたゲイン値により、コンプレッサ143から入力された信号のレベル調整を行う。なお、乗算器144に設定されるゲイン値は、設計時に決められたゲイン値であり、低域を増強するように1よりも大きい値が設定されている。乗算器144によりレベル調整された信号は、後段の加算器145に供給される。
低音増強部150は、上述したコンプレッサ143と乗算器144とから構成される。詳細は後述するが、本実施形態の低音増強部150は、その入出力レベル比(利得、ゲイン)が、ドライブ操作子104cの操作により設定されたOver_Driveブロック14aのゲイン値と、ゲイン操作子104の操作により設定されたGainブロック14aのゲイン値との積に応じて変更されるように構成されている。
図5は、上述した低音増強部150で実行される処理の流れを模式的に示す機能ブロック図である。低音増強部150に入力された信号は、コンプレッサ143を通過した後、乗算器144を通過して出力される。
コンプレッサ143に入力された信号は、エンベロープレベル検出部143aと乗算器143cとに供給される。エンベロープレベル検出部143aは、信号のエンベロープレベルの検出を行う。具体的に、エンベロープレベル検出部143aは、まず、入力信号の瞬時値の絶対値を求め、次いで、求めた絶対値が、RAM13に記憶されている前回のエンベロープレベルより大きい場合には、求めた絶対値を今回のエンベロープレベルの値としてRAM13に記憶する(書き換える)。一方で、求めた絶対値がRAM13に記憶されている前回のエンベロープレベル以下である場合には、その前回のエンベロープレベルを所定の時定数で減衰させた値を今回のエンベロープレベルとしてRAM13に記憶する。エンベロープレベル検出部143aにより検出された(今回の)エンベロープレベルは、制御信号生成部143bに供給される。
制御信号生成部143bは、エンベロープレベル検出部143aから入力されたエンベロープレベルと、CPU11により設定されたスレッショルドの値及びレシオの値とに基づき、レベル制御用の制御信号を生成する。
「スレッショルド」は、コンプレッサ143が入力信号の圧縮を行うか否かの閾値であり、入力信号のレベル(入力レベル)がスレッショルド以上である場合に、信号の圧縮が行われる。本実施形態では、スレッショルドの値は、ドライブ操作子104cの操作位置に対応するゲイン値と、ゲイン操作子104dの操作位置に対応するゲイン値との積に応じた値が、CPU11により設定される。具体的に、各操作子104c,104dにより設定されたゲイン値の積が1以下である場合には、設計時に決められたスレッショルドの値(以下、「標準スレッショルド値」と称する)が設定され、両ゲイン値の積が1より大きい場合には、(標準スレッショルド値)×(各操作子104c,104dにより設定されたゲイン値の積)が設定される。一方、「レシオ」は、コンプレッサ143が入力信号の圧縮を行う場合の圧縮率である。レシオの値としては、設計時に決められた値が設定される。
制御信号生成部143bにおいて生成されたレベル制御用の制御信号は、乗算器143cに供給される。乗算器143cは、制御信号生成部143bから供給されたレベル制御用の制御信号により、入力信号のレベルを制御して出力する。乗算器143cから出力された信号(即ち、コンプレッサ143から出力された信号)は、後段の乗算器144に供給される。上述した通り、コンプレッサ143から出力され乗算器144に入力された信号は、設計時に決められたゲイン値を乗算することによりレベル調整され出力される。
ここで、図6(a)を参照し、上述したコンプレッサ143の入出力特性について説明する。図6(a)は、本実施形態のコンプレッサ143の入出力特性を示すグラフである。このグラフの横軸はコンプレッサ143に入力される信号の入力レベルを対数で示し、縦軸はコンプレッサ143から出力される信号(即ち、図5におけるP1点の信号)の出力レベルを対数で示す。なお、以下の説明で用いる「レベル」は、瞬時値のレベルではなく、エンベロープ(包絡線)のレベルである。また、点線Lは、入出力レベル比が1であることを示す直線であり、点線Lより上の領域は入出力レベル比が1より大きく、下の領域は入出力レベル比が1より小さいことを示す。
コンプレッサ143の特性は、実線で示す折れ線Aにより表される。即ち、入力レベルがスレッショルドの値(TH)以下である場合には、入出力レベル比が1である実線A1によって表される特性を示し、入力レベルがTHを超えると、レベルが圧縮されて実線A2によって表される特性を示す。なお、実線A2の傾きがレシオの値に相当する。
次に、図6(b)を参照し、上述したコンプレッサ143と、その後段の乗算器144とから構成される低音増強部150の入出力特性について説明する。図6(b)は、通常設定時における低音増強部150の入出力特性を示すグラフである。なお、この「通常設定時」とは、スピーカ装置1が一般的なゲインの設定値で使用される場合、本実施形態では、ドライブ操作子104c及びゲイン操作子104dによりそれぞれ設定されたゲイン値の積(即ち、両ゲイン値の積)が1以下である場合に相当する。
このグラフにおいて、横軸は低音増強部150に入力される信号(即ち、コンプレッサ143に入力される信号)の入力レベルを対数で示し、縦軸は低音増強部150から出力される信号(即ち、図5におけるP2点の信号)の出力レベルを対数で示す。
通常設定時における低音増強部150の入出力特性は、実線B1及び実線B2とから構成される折れ線Bにより表される。一方、二点鎖線で示す折れ線Aは、コンプレッサ143からの出力レベル(即ち、P1点の信号レベル)を示し、図6(a)において実線で示した折れ線Aと同じ折れ線である。つまり、低音増強部150の入出力特性は、コンプレッサ143からの出力レベルに乗算器144に入力されたゲイン値が加味された特性となる。つまり、低音増強部150の入出力特性は、入力レベルがスレッショルドの値(TH)以下である場合には、実線B1によって表される特性を示し、入力レベルがTHを超えると、実線B2によって表される特性を示す。
図6(b)のグラフにおいて、横軸(入力レベル)の「1」は、低音増強部150(即ち、Low_Boostブロック14c)に対してOver_Driveブロック14a、Gainブロック14bにおけるゲイン値の積が1以下の場合に想定される入力信号の最大レベルを示している。図6(b)のグラフにおいて、縦軸(出力レベル)の「CLIP」は、パワーアンプ106で歪みが生じる低音増強部150(Low_Boostブロック14c)の臨界出力レベルを示している。低音増強部150からの出力レベルがこのレベルを超える場合にはパワーアンプ106で歪みが生じる。なお、一点鎖線Cは、コンプレッサ143を無くした場合の入出力特性を示す直線であり、イコライザで低音域の信号レベルを上げる従来技術に相当する。
図6(b)によれば、実線B2は、入力レベルが「1」、即ち、想定される入力信号の最大レベルにおいて、入出力レベル比が1である点Qよりも上を通るが、パワーアンプ106で歪みが生じる臨界出力レベル(CLIP)よりは下を通る。つまり、通常設定時(即ち、スピーカ装置1が一般的なゲインの設定値で使用される場合)には、低音増強部150に入力される「想定される入力信号の最大レベル」以下の信号は、入力信号のレベルが上げられるが、低音増強部150の出力レベルはパワーアンプ106で歪みが生じる臨界出力レベルを超えることはない。そのため、パワーアンプ106からの出力が歪むなどの不都合が生じることなく、低音域の音を増強することができる。一方、一点鎖線Cで示すように、従来のようにイコライザで低音域の信号レベルを上げた場合には、レベルの大きな信号が入力されたときに出力レベルが、パワーアンプ106で歪みが生じる臨界出力レベル(CLIP)を超える場合があるため、低音域の音を増強できたとしても、パワーアンプ106で歪みが生じ得る。
また、ベースのような弦楽器は、信号レベルの高い期間が短く、減衰によって信号レベルが低くなる期間が比較的長いので、図6(b)に示すように、信号レベル(入力レベル)が高い場合の増強度(即ち、実線B2が示す入出力レベル比)を小さくし、信号レベルが低い場合の増強度(即ち、実線B1が示す入出力レベル比)を大きくすることにより、比較的期間の長い信号レベルの低い部分が強調され、それにより、全体的に低域が増強されたような聴感を与えることができる。
上述した通り、通常設定時における低音増強部150の入出力特性は、想定される入力信号の最大レベルにおいて点線Lよりも上を通る(図6(b)参照)ので、パワーアンプ106からの出力が歪むことなく低音域の音を増強することができる。しかし、その一方で、想定される入力信号の最大レベルを超える信号については、出力レベルが入力レベルより却って小さくなってしまう場合がある。本実施形態のスピーカ装置1は、低音増強部150を含むLow_Boostブロック14cの前段には、ゲイン値を1以上に設定できるOver_Driveブロック14a及びGainブロック14bが配置されている。よって、これらのブロック14a,14bに設定されるゲイン値によっては、低音増強部150から出力される低音域の信号の音圧に不足が生じることがある。
これに対し、本実施形態のスピーカ装置1は、Over_Driveブロック14a又はGainブロック14bに大きなゲイン値が設定された場合には、コンプレッサ143に設定するスレッショルドの値を変更することにより、低音域の音圧を好適に増強できるように構成されている。
図6(c)は、高ゲイン設定時における低音増強部150の入出力特性を示すグラフである。なお、この「高ゲイン設定時」とは、上述した「通常設定時」に対し、Over_Driveブロック14a又はGainブロック14bに大きなゲイン値が設定された場合、即ち、ブロック14a,14bの入出力レベル比(ゲイン,利得)が大きく設定されている場合に相当する。本実施形態では、ドライブ操作子104c及びゲイン操作子104dによりそれぞれ設定されたゲイン値の積が1より大きい場合が「高ゲイン設定時」に相当する。スピーカ装置1が高ゲイン設定にされる一例は、ユーザ(演奏者)が意図的に音を歪ませるために、ドライブ操作子104cやゲイン操作子104dが操作された場合である。なお、図6(c)のグラフにおいて、横軸は低音増強部150に入力される信号の入力レベルを対数で示し、縦軸は低音増強部150から出力される信号の出力レベルを対数で示す。
上述した通り、各操作子104c,104dにより設定されたゲイン値の積が1より大きい場合には、制御信号生成部143bに入力されるスレッショルドの値は、(標準スレッショルド値)×(ドライブ操作子104c及びゲイン操作子104dによりそれぞれ設定されたゲイン値の積)により算出される。即ち、高ゲイン設定時おけるスレッショルドの値は、TH(即ち、標準スレッショルド値)より大きな値であるTH’となる。スレッショルドの値がTHからTH’に変更されたことにより、THを閾値とする2本の線(実線B1,二点鎖線B2)から構成される折れ線Bから、TH’を閾値とする2本の線(実線B1,実線B3)から構成される折れ線Bに変更される。
従って、高ゲイン設定時における低音増強部150の入出力特性は、入力レベルがTH’以下である場合には実線B1によって表される特性を示し、入力レベルがTH’を超えると実線B3によって表される特性を示す。これにより、想定される入力信号の最大レベルより大きなレベルについても、少なくとも実線B3と点線Lとが交わる入力レベルまでは、入力信号のレベルを増強して(大きくして)出力することができる。よって、本実施形態のスピーカ装置1によれば、Over_Driveブロック14a又はGainブロック14bに大きなゲイン値が設定される場合(高ゲイン設定時)であっても、低音域の信号を十分な音圧で低音増強部150から(即ち、Low_Boostブロック14cから)出力することができる。また、実線B3と点線Lとの交点は、臨界出力レベル(CLIP)より下であるので、低音増強部150により増強された低音域の音が、パワーアンプ106において歪むこともない。従って、例えば、ユーザが意図的に音を歪ませる目的で、スピーカ装置1を「高ゲイン設定」に設定した場合であっても、低音域の音を好適に増強してスピーカ101から放音することができる。
次に、図7を参照して、スピーカ装置1に搭載される制御装置105のCPU11が、ドライブ操作子104c及びゲイン操作子104dの操作位置(即ち、これらの操作子104c,104dにより設定された各ゲイン値)に応じてスレッショルド値を制御する処理について説明する。図7は、CPU11が実行するパラメータ設定処理を示すフローチャートである。CPU11は、操作パネル104に設けられた各操作子104c〜104hの状態を監視し、これらの操作子104c〜104hのいずれかが操作された場合にパラメータ設定処理を実行する。
CPU11は、まず、操作された操作子がドライブ操作子104cであるか否かを判定する(S1)。S1による判定が、ドライブ操作子104cが操作されたことを示すものである場合には(S1:Yes)、CPU11は、ドライブ操作子104cの操作位置に対応するOver_Driveブロック14aのゲイン値を求め、求めたゲイン値をRAM13に記憶すると共に、DSP14に設定し(S2)、処理をS3に移行する。なお、RAM13に記憶したゲイン値は、次回S2よって更新されるまで保持される。
一方で、S1による判定が、ドライブ操作子104cが操作されていないことを示すものである場合には(S1:No)、操作された操作子がゲイン操作子104dであるか否かを判定する(S6)。S6による判定が、ゲイン操作子104dが操作されたことを示すものである場合には(S6:Yes)、CPU11は、ゲイン操作子104dの操作位置に対応するGainブロック14bのゲイン値を求め、求めたゲイン値をRAM13に記憶すると共に、DSP14に設定し(S7)、処理をS3に移行する。なお、RAM13に記憶したゲイン値は、次回S7よって更新されるまで保持される。
S3では、CPU11は、S2においてRAM13に記憶されたゲイン値(ドライブ操作子104cの操作に対応するゲイン値)と、S6においてRAM13に記憶されたゲイン値(ゲイン操作子104dの操作に対応するゲイン値)との積が、1以下であるかを判定する(S3)。S3による判定が、両ゲイン値の積が1以下であることを示すものであれば(S3:Yes)、スピーカ装置1が一般的なゲインの設定値で使用される場合(即ち、通常設定時)であり、かかる場合には、CPU11は、スレッショルド値として、標準スレッショルド値(設計時に決められたOver_Driveブロック14a、Gainブロック14bでの設定ゲイン値に応じて低音域の増強度合いが好適となるように設計時に決められたスレッショルドの値)を設定し(S4)、処理をS5へ移行する。
一方で、S3による判定が、両ゲイン値の積が1より大きいことを示すものであれば(S3:No)、高ゲイン設定時であるので、かかる場合には、CPU11は、両ゲイン値の積を標準スレッショルド値に乗算した値を、スレッショルド値として設定し(S8)、処理をS5へ移行する。
S5では、CPU11は、S4又はS8において設定したスレッショルド値をDSP14に設定し(S5)、パラメータ設定処理を終了する。また、S6による判定が、ゲイン操作子104dが操作されていないことを示すものである場合には(S6:No)、ドライブ操作子104c又はゲイン操作子104d以外の操作子104e〜104hが操作されているので、CPU11は、操作された操作子に応じた処理(各処理)を実行し(S9)、パラメータ設定処理を終了する。
以上説明した通り、本実施形態のスピーカ装置1によれば、一般的なゲインの設定値で使用される場合(通常設定時)であっても、意図的に音を歪ませる場合などの目的でゲイン値が大きく設定される場合(高ゲイン設定時)であっても、低音域の音圧を、ユーザの目的に応じて好適に増強することができ、低音域の音圧が不足することを防止できる。また、コンプレッサ143のスレッショルド値を変更することにより、高ゲイン設定時において低音域の音圧が不足することを防ぐ構成であるので、音質の劣化もない。
また、本実施形態のスピーカ装置1は、Over_Driveブロック14a及びGainブロック14bといった大きな入出力レベル比(利得、ゲイン)を有するブロックを、Low_Boostブロック14cより前段に配置しているので、Low_Boostブロック14cから発生し得るノイズが、これらのブロック14a,14bにより増幅されてしまうこと抑制できる。
また、ベースの種類によってベースから出力される信号のレベル(出力レベル)が異なるのに対し、本実施形態のLow_Boostブロック14cは、上述した通り、このブロック14cに入力される信号レベルの大小に応じて低音域の増強の程度(強調具合)が変化する。しかしながら、一般的に、ユーザは、ベースからの信号の出力レベルに合わせてゲイン操作子104dを調整するので、Gainブロック14bより後段にLow_Boostブロック14cを配置することにより、Low_Boostブロック14cに入力される信号のレベルが、ベースからの信号の出力レベルに依存することなく一定となることが期待できる。
なお、本実施形態のスピーカ装置1のように、バスレフ構造のスピーカ装置である場合には、低音増強部150を通過させてレベルを増強させる周波数帯域を、バスレフポート102の共振周波数を含む周波数帯域とすることが好ましい。低音増強部150において処理を施す周波数帯域を、バスレフポート102の共振周波数を含む周波数帯域とすることにより、レベルの大きな信号が入力された場合に、この周波数帯域の信号レベルが抑制されるので、風切り音の発生を抑制することができる。
次に、図8を参照して、第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、コンプレッサ143(制御信号設定部143b)に設定するスレッショルドの値を、ドライブ操作子104c及びゲイン操作子104dの操作位置に基づいて変更する(上げる)構成により、想定される入力信号の最大レベルの信号を超える場合であっても低音域を十分な音圧で出力できるものであった。これに対し、第2実施形態では、低音増強処理部150に入力される信号のレベルを監視し、入力レベルに応じて動的にスレッショルド値を制御する。なお、第2実施形態において、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8は、第2実施形態の低音増強部151で実行される処理の流れを模式的に示す機能ブロック図である。第2実施形態の低音増強部151は、第1実施形態の低音増強部150(図5参照)と同様に、前段のコンプレッサ143と、その後段の乗算器144とから構成されるが、コンプレッサ143が、第1実施形態の低音増強部150が有していた各機能143a〜143cに加え、時間平均部143dと、スレッショルド補正部143eとを有する。
図8に示すように、コンプレッサ143に入力された信号は、エンベロープレベル検出部143aと乗算器143cとに供給される。エンベロープレベル検出部143aは、第1実施形態と同様に、信号のエンベロープレベルの検出を行う。エンベロープレベル検出部143aにより検出された(今回の)エンベロープレベルは、制御信号生成部143bと、時間平均部143dとに供給される。
時間平均部143dは、直近の所定期間(例えば、5秒間)のエンベロープレベルの平均を算出することにより、時間平均されたエンベロープレベルを算出する。時間平均部143dにおいて算出された、時間平均されたエンベロープレベルは、スレッショルド補正部143eに供給される。
スレッショルド補正部143eは、時間平均部143dから入力されたエンベロープレベル(時間平均されたエンベロープレベル)に基づき、標準スレッショルド値(設計時に決められたスレッショルドの値)を補正し、補正スレッショルド値を算出する。具体的には、時間平均部143dから入力されたエンベロープレベルを所定レベルで除算した商を、標準スレッショルド値に乗算することにより、補正スレッショルド値を算出する。スレッショルド補正部143eにおいて算出された補正スレッショルド値は、制御信号生成部143bに供給される。
制御信号生成部143bは、エンベロープレベル検出部143aから入力されたエンベロープレベルと、スレッショルド補正部143eから入力された補正スレッショルド値と、CPU11により設定されたレシオの値とに基づき、レベル制御用の制御信号を生成する。このレベル制御用の制御信号は乗算器143cに供給され、乗算器143cは、制御信号生成部143bから供給されたレベル制御用の制御信号により、入力信号のレベルを制御して出力し、出力された信号(レベル制御された入力信号)は、後段の乗算器144に供給される。
以上説明した通り、第2実施形態の低音増強部151を有するLow_Boostブロック14cによれば、低音増強部151に入力された低音域の信号のレベルがある期間にわたって所定レベルより大きい場合には、補正スレッショルド値は標準スレッショルド値よりも大きく、そのレベル差が大きい程、補正スレッショルド値がより大きい値となる。よって、低音増強部151に入力された信号のレベルが大きい場合(例えば、想定される入力信号の最大レベルより大きい場合)に、低音増強部151からの出力レベルが入力レベルより小さくなることを防止することができ、それにより、低音域の音圧が不足することを防止できる。つまり、低音増強部151に入力された信号のレベルが大きい場合であっても、低音域を十分な音圧で出力できる。
加えて、低音増強部151に入力された低音域の信号のレベルがある期間にわたって所定レベルより小さい場合には、補正スレッショルド値は標準スレッショルド値よりも小さく、そのレベル差が大きい程、補正スレッショルド値がより小さい値となる。ベースから出力された信号(入力端子104bに入力される信号)のレベルが小さいこと等が原因で、低音増強部151に入力される信号の入力レベルが、常に、スレッショルド値より小さい状態になると、低音域の音が過度に増強されてしまうことがある。しかしながら、第2実施形態によれば、時間平均されたエンベロープレベルが所定レベルより小さい場合に、スレッショルド値を下げることができるので、上述した低音域の過度な増強を防止することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記第1実施形態は、ドライブ操作子104c及びゲイン操作子104dによりそれぞれ設定されたゲイン値の積が1以下である場合、CPU11は、標準スレッショルド値をDPS14(コンプレッサ143の制御信号生成部143b)に設定する構成であった。即ち、上記第1実施形態では、各操作子104c,104dにより設定されたゲイン値の積が1以下である場合には、コンプレッサ143のスレッショルド値は一定であった。これに換えて、ドライブ操作子104c及びゲイン操作子104dにより設定されたゲイン値の積が1未満である場合に、CPU11がコンプレッサ143のスレッショルド値を制御し、上記第2実施形態と同様に、スレッショルド値を標準スレッショルド値より小さくする構成であってもよい。
かかる構成の場合、例えば、図7に示したパラメータ設定処理において、S3及びS4の処理を省略し、CPU11は、S2又はS7の処理を行った後、S8の処理を実行するように構成すればよい。これにより、ドライブ操作子104cにより設定されたゲイン値とゲイン操作子104dにより設定されたゲイン値との積が、1より大きい場合(第1形態)だけでなく、1未満の場合においても、スレッショルド値が(標準スレッショルド値)×(両ゲイン値の積)から算出されるので、コンプレッサ143のスレッショルド値を、標準スレッショルド値より小さい値に設定することができる。
なお、この例示では、両ゲイン値の積が1である場合に、スレッショルド値を標準スレッショルド値とし、両ゲイン値の積が1未満である場合に、スレッショルド値を標準スレッショルド値より小さい値としたが、スレッショルド値を下げる場合の閾値を1以外の値とすることにより、標準スレッショルド値を用いる範囲を広げてもよい。即ち、例えば、スレッショルド値を下げる場合の閾値を0.8とし、両ゲイン値の積が0.8から1までの範囲である場合に、スレッショルド値を標準スレッショルド値とし、両ゲイン値の積が0.8未満である場合に、スレッショルド値を標準スレッショルド値より小さい値にする、等の構成であってもよい。
図9(a)は、コンプレッサ143のスレッショルド値を下げた場合における低音増強部150の入出力特性を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は低音増強部150に入力される信号の入力レベルを対数で示し、縦軸は低音増強部150から出力される信号の出力レベルを対数で示す。
ドライブ操作子104c及びゲイン操作子104dによりそれぞれ設定されたゲイン値の積(即ち、両ゲイン値の積)が1未満である場合、コンプレッサ143のスレッショルド値は、TH(標準スレッショルド値)からTH’に下げられる。スレッショルドの値がTHからTH’に変更されたことにより、THを閾値とする2本の線(実線又は二点鎖線のB1,二点鎖線B2)から構成される折れ線Bから、TH’を閾値とする2本の線(実線B1,実線B4)から構成される折れ線Bに変更される。上述した通り、低音増強部150に入力される信号の入力レベルがコンプレッサ143のスレッショルド値より常に小さい場合には、低音域の音が過度に増強されてしまう不都合が生じ得るが、各操作子104c,104dにより設定されたゲイン値の積に応じてスレッショルド値を下げることにより、上記不都合の発生を防止できる。なお、スレッショルド値の変更を、第1実施形態のように上げる方を省略して、両ゲイン値の積が所定値未満である場合に下げる方だけ実行する構成としてもよい。
また、上記第1実施形態では、コンプレッサ143のスレッショルド値を、各操作子104c,104dにより設定されたゲイン値の積に応じて変更し、スレッショルド値を変更する閾値を「(両ゲイン値の積=)1」としたが、この閾値は「1」に限らず、スピーカ装置1の設計に応じた値を適宜採用してよい。例えば、図7に示したパラメータ設定処理において、S3の処理において、CPU11が、両ゲイン値の積が1.2以下であるか否かを判定する構成としてもよい。なお、上記第2実施形態についても同様に、スレッショルド補正部143eにおいて、時間平均されたエンベロープレベルを除するための除数(即ち、所定レベルの値)を適宜変更することにより、スレッショルド値が変更される閾値を変更することができる。
また、上述した変形例のように、スレッショルド値を上げることも下げることもできる構成とした場合には、スレッショルド値を上げる場合の閾値(両ゲイン値の積)と、スレッショルド値を下げる場合の閾値とを異なる値としてもよい。例えば、スレッショルド値を上げる場合の閾値を1.0とし、スレッショルド値を下げる場合の閾値を0.8としてもよい。この例の場合には、両ゲイン値の積が1以上である場合に、コンプレッサ143のスレッショルド値は、標準スレッショルド値より大きくなり、両ゲイン値の積が0.8から1までの範囲である場合に、スレッショルド値は、標準スレッショルド値に等しくなり、両ゲイン値の積が0.8未満である場合に、スレッショルド値は、標準スレッショルド値より小さい値となる。
また、上記第1実施形態では、各操作子104c,104dにより設定されたゲイン値との積に応じて、スレッショルド値を(標準スレッショルド値)×(両ゲイン値の積)から算出する構成としたが、スレッショルド値の算出式としては、上記式に限らず、例えば、(両ゲイン値の積)を2乗した値を、標準スレッショルド値に乗算して算出したり、等、種々の算出式を適宜採用できる。また、各操作子104c,104dにより設定されたゲイン値との積についても、各ゲイン値を2乗した値の積、等としてもよい。
また、上記第1実施形態では、各操作子104c,104dにより設定されたゲイン値との積に応じて、スレッショルド値を演算により求める構成としたが、(両ゲイン値の積)とスレッショルド値との関係を定めたテーブルや、入力レベルとスレッショルド値との関係を定めたテーブルを予め用意し、このテーブルを、両ゲイン値の積に基づき参照してスレッショルド値を決定する構成としてもよい。この場合には、上記第1実施形態のように、スレッショルドを両ゲイン値の積の所定値に応じて基準のスレッショルドから変更するのではなく、スレッショルドを、各操作子104c,104dにより設定された両ゲイン値や、入力レベルに応じて絶対的に決定することも可能となる。例えば、入力レベルが大きくなるに連れてより大きな値のスレッショルドが設定され、入力レベルが小さくなるに連れてより小さな値のスレッショルドを設定されるようなテーブルを用意することにより、スレッショルドを入力レベルに応じて絶対的に決定することができる。なお、(両ゲイン値の積)又は入力レベルとスレッショルド値との関係を定めたテーブルとしては、(両ゲイン値の積)又は入力レベルの増加に対して、スレッショルド値が連続的に増加するものであってもよいし、段階的に増加するものであってもよい。
また、上記第2実施形態では、時間平均されたエンベロープレベルを所定レベルで除算した商が1未満である場合には、その商を標準スレッショルド値に乗算することなく、標準スレッショルド値を、制御信号生成部143bに供給する補正スレッショルド値とする構成としてもよい。これにより、時間平均されたエンベロープレベルが所定レベルより大きい場合にのみ、スレッショルド値を上げることができる。逆に、上記商が1より大きい場合に、その商を標準スレッショルド値に乗算することなく、標準スレッショルド値を補正スレッショルド値とし、それにより、時間平均されたエンベロープレベルが所定レベルより小さい場合にのみ、スレッショルド値を下げる構成としてもよい。また、補正スレッショルド値を算出する式としては、(時間平均されたエンベロープレベルを所定レベルで除算した商)を2乗した値を、標準スレッショルド値に乗算して算出したり、等、種々の算出式を適宜採用できる。また、時間平均されたエンベロープレベルを除するための適用した除数を、所定レベルを2乗した値、等としてもよい。
また、上記第1実施形態では、高ゲイン設定時(各操作子104c,104dにより設定されたゲイン値との積が1より大きい場合)には、コンプレッサ143のスレッショルド値を標準スレッショルド値より大きくすることにより、低音増強部150に入力される信号のレベルが大きい場合であっても低音域の音圧が不足することを防ぐ構成であった(図6(c)参照)。これに換えて、高ゲイン設定時に、スレッショルド値以上の入力レベルに対する入出力レベル比(利得、ゲイン)を標準設定時より大きくする構成としてもよい。例えば、高ゲイン設定時に、制御信号生成部143bにおいて生成するレベル制御用の制御信号を、標準設定時の値に入出力レベル比を上げるための所定のゲイン値を乗算したものとする。あるいは、乗算器144又は乗算器144とは異なる乗算器に設定するゲイン値を、通常ゲイン設定時には1とし高ゲイン設定時には1よりも大きな値とする構成であってもよい。この場合、乗算器144とは異なる乗算器は、コンプレッサ143の前段に設けても後段に設けてもよい。
図9(b)は、この変形例における低音増強部150の入出力特性を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は低音増強部150に入力される信号の入力レベルを対数で示し、縦軸は低音増強部150から出力される信号の出力レベルを対数で示す。TH以下の二点鎖線B1と、TH以上の二点鎖線B2とから構成される折れ線Bは、各操作子104c,104dにより設定されたゲイン値の積が1以下である場合(通常設定時)の入出力特性である。各操作子104c,104dにより設定されたゲイン値の積が1より大きい場合(高ゲイン設定時)に、入出力レベル比を標準設定時より大きくすることにより、入出力特性は、二点鎖線B1およびB2から構成される折れ線Bから、実線B5およびB6から構成される折れ線Bに変更される。この変更により、想定される入力信号の最大レベルより大きいレベルにおいて、実線B6と点線Lとが交わるようになるので、スレッショルド値を変更する場合(第1実施形態)と同様に、想定される入力信号の最大レベルより大きなレベルについても、入力信号のレベルを増強して出力することができる。
あるいは、高ゲイン設定時に、スレッショルド値以上の入力レベルについてコンプレッサ143(制御信号生成部143b)のレシオを、入出力特性の傾きが標準設定時より大きくなるように設定する構成としてもよい。
図9(c)は、この変形例における低音増強部150の入出力特性を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は低音増強部150に入力される信号の入力レベルを対数で示し、縦軸は低音増強部150から出力される信号の出力レベルを対数で示す。TH以下の実線B1と、TH以上の二点鎖線B2とから構成される折れ線Bは、通常設定時の入出力特性である。高ゲイン設定時に、コンプレッサ143のレシオを、入出力特性の傾きが標準設定時より大きくなるように設定することにより、折れ線BにおけるTH以上の二点鎖線B2が、この線B2より傾きの大きい実線B7に変更される。この変更により、想定される入力信号の最大レベルより大きいレベルにおいて、実線B7と点線Lとが交わるようになるので、スレッショルド値を変更する場合(第1実施形態)と同様に、想定される入力信号の最大レベルより大きなレベルについても、入力信号のレベルを増強して出力することができる。
また、上記第2実施形態では、図8に示したように、エンベロープレベル検出部143aにおいて検出されたエンベロープレベルを、時間平均部143dにおいて時間平均されたエンベロープレベルに基づき、標準スレッショルド値を補正する構成としたが、標準スレッショルド値を補正する方法としては、これに限らず、他の方法を採用してもよい。例えば、図10に示すように、エンベロープレベル検出部143aとは別にエンベロープレベル検出部を設け、この別途設けたエンベロープレベル検出部において検出されたエンベロープレベルに基づき、標準スレッショルド値を補正する構成としてもよい。
図10は、第2実施形態の変形例において低音増強処理部151で実行される処理の流れを模式的に示す機能ブロック図である。なお、図10において、上述した第2実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。この変形例での低音増強部151は、上述した第2実施形態の低音増強部151が有していた時間平均部143dに換えて、第2エンベロープレベル検出部143fが設けられている。
図10に示すように、コンプレッサ143に入力された信号は、エンベロープレベル検出部143aと、第2エンベロープレベル検出部143fと、乗算器143cとに供給される。
第2エンベロープレベル検出部143fは、まず、入力信号の瞬時値の絶対値を求め、次いで、求めた絶対値が、RAM13に記憶されている前回のエンベロープレベル(前回に第2エンベロープレベル検出部143fにおいて検出された値)より大きい場合には、求めた絶対値を目標値として、前回のエンベロープレベルを所定の第1の時定数で漸近させた値を、今回のエンベロープレベルの値としてRAM13に記憶する(書き換える)。一方で、求めた絶対値がRAM13に記憶されている前回のエンベロープレベル以下である場合には、その前回のエンベロープレベルを所定の第2の時定数で減衰させた値を今回のエンベロープレベルとしてRAM13に記憶する。なお、第2の時定数は、第1の時定数より遅く設定されているとともに、エンベロープレベル検出部143aにおいてエンベロープレベルを減衰させる際に用いた時定数より遅く設定されている。第2エンベロープレベル検出部143fにおいて上記処理を実行することにより、時間平均的なエンベロープレベルを検出することができる。
第2エンベロープレベル検出部143fにより検出された(今回の)時間平均的なエンベロープレベルは、スレッショルド補正部143eに供給される。スレッショルド補正部143eは、第2エンベロープレベル検出部143fから入力されたエンベロープレベル(時間平均的なエンベロープレベル)に基づき、標準スレッショルド値を補正し、補正スレッショルド値を算出する。具体的には、第2エンベロープレベル検出部143fから入力されたエンベロープレベルを所定レベルで除算した商を、標準スレッショルド値に乗算することにより、補正スレッショルド値を算出する。スレッショルド補正部143eにおいて算出された補正スレッショルド値は、制御信号生成部143bに供給される。
上記第2実施形態(図8参照)や、その変形例(図10参照)において、時間平均化された(又は、時間平均的な)エンベロープレベルを算出する際に、ヒステリシス特性を持たせるようにしてもよい。例えば、エンベロープレベル検出部143aにおいて今回検出されたエンベロープレベルの、前回に検出されたエンベロープレベルに対する変化方向が、それまでのエンベロープレベルの変化方向とは逆方向であった場合に、エンベロープレベルの変化量が所定未満である場合には、補正スレッショルド値として前回と同じ値を設定する。これにより、エンベロープレベルの経時的な変動をスレッショルドに反映させ難くすることができ、音質をより好適なものにすることができる。
また、上記第2実施形態において、時間平均化されたエンベロープレベルに基づいて、図9(b)に示したような入出力レベル比の変更や、図9(c)に示したようなレシオの変更を行う構成としてもよい。また、第1実施形態(各操作子104c,104dの操作位置に基づく入出力特性の変更)及び第2実施形態(入力信号のレベルに基づく入出力特性の動的な変更)において、高ゲイン設定時に、上述したスレッショルド値の変更、入出力レベル比の変更、及びレシオの変更を、適宜組み合わせてもよい。
また、上記各実施形態では、Low_Boostブロック14cにおいて、低音増強部150に入力して増強する信号の周波数を、100Hz以下の信号としたが、例えば、200Hz以下の信号であってもよい。
また、上記各実施形態では、チャンネルデバイダ141が、入力信号を2チャンネルに分割する構成としたが、少なくとも1チャンネルが低音域であれば、分割する周波数帯域は2チャンネル以上であってもよい。
なお、チャンネルデバイダ141により入力信号が3チャンネル以上に分割され、そのうちの2チャンネル以上が低音域に属する周波数帯域である場合には、それらの低音域の周波数帯域の全てに対して低音増強部150による増強を行う必要はなく、必要に応じた少なくとも1つの周波数帯域に対して低音増強部150による増強を行えばよい。
例えば、チャンネルデバイダ141により、入力信号が、高音域と、第1低音域と、第1低音域よりも低い音域である第2低音域との3チャンネルに分割される場合に、低音域に属する2つの帯域(第1低音域、第2低音域)のうち、第1低音域あるいは第2低音域だけを低音増強部150に入力して増強するように構成してもよい。
また、例えば、上記のように3チャンネルに分割された場合に、第1低音域と第2低音域とのそれぞれに対して低音増強部150を設け、各帯域の信号をそれぞれの低音増強部150に入力して増強する構成であってもよい。このとき、各周波数帯域に対応する低音増強部150での増強具合(例えば、スレッショルド値やレシオの値など)は、周波数帯域毎に異なる構成であってもよい。
また、上記各実施形態では、Low_Boostブロック14cにおいて、コンプレッサ143の後段に乗算器144を設ける構成としたが、乗算器144を前段とし、その後段にコンプレッサ143を設けたり、コンプレッサ143の前後に乗算器を設ける構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、Low_Boostブロック14cの前段に、Over_Driveブロック14aとGainブロック14bとを設ける構成としたが、Gainブロック14bだけの構成であってもよい。かかる場合には、ゲイン操作子104dにより設定されたゲイン値に応じてスレッショルド値を変更する構成とすればよい。例えば、スレッショルド値を(標準スレッショルド値)×(ゲイン操作子104dにより設定されたゲイン値)から算出するようにすればよい。
あるいは、Over_Driveブロック14a及びGainブロック14bに加えて、Low_Boostブロック14cに入力される信号のレベルを大きくする別のブロックが1以上設けられていてもよい。かかる場合には、例えば、スレッショルド値を(標準スレッショルド値)×(各ブロックに設定されるゲイン値の積)から算出するようにすればよい。
また、上記各実施形態では、Gainブロック14bは、ゲイン操作子104dにより設定されるゲイン値が1より大きい場合に、通過する信号に対する入出力レベル比を上げるとともに歪みを発生させる構成としたが、歪みを発生させず、通過する信号に対する入出力レベル比を上げるだけの構成であってもよい。
また、上記各実施形態では、スピーカ装置1をバスレフ構造のスピーカ装置として説明したが、密閉式のスピーカ装置に、Low_Boostブロック14c(低音増強部150)の機能を搭載する構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、Low_Boostブロック14cの機能を、パワーアンプ106を有するスピーカ装置1の制御装置105に搭載する構成としたが、パワーアンプや、パワーアンプを備えたスピーカ装置に接続される別体の機器に、Low_Boostブロック14cの機能を搭載する構成としてもよい。この、Low_Boostブロック14cの機能が搭載された別体の機器には、Over_Driveブロック14aや、Chorusブロック14eや、Reverbブロック14fなどの、効果を付与する機能を有していてもよい。この場合も、上記各実施形態と同様に、Over_Driveブロック14aは、Low_Boostブロック14cより前段に配置することが好ましい。
また、上記各実施形態では、スピーカ装置1の入力端子104bに接続される端子を、ベースの出力端子としたが、ベースに接続されたエフェクタの出力が入力端子104bに入力される構成であってもよい。
また、上記各実施形態では、スピーカ装置1に接続される弦楽器として、ベースを例示したが、ベースに限らず、低音域を出力可能な弦楽器であれば、Low_Boostブロック14c(低音増強部150)による低音域の好適な増強を享受できる。
また、上記各実施形態では、各ブロック14a〜14gの機能をDSP14によるデジタル処理により実現する構成としたが、アナログ回路により実現する構成としてもよい。
1 スピーカ装置(スピーカ装置)
11 CPU(制御手段)
14 DSP(制御手段)
14a Over_Driveブロック(入力レベル調整手段、効果装置)
14b Gainブロック(入力レベル調整手段)
14c Low_Boostブロック
14e Chorusブロック(効果装置)
14f Reverbブロック(効果装置)
101 スピーカ
102 バスレフポート(バスレフ用の開口部)
104c ドライブ操作子(ゲイン設定手段)
104d ゲイン操作子(ゲイン設定手段)
105 制御装置(低音増強処理装置)
106 パワーアンプ
141 チャンネルデバイダ(帯域分割手段)
143 コンプレッサ(圧縮手段)
143e スレッショルド補正部(監視手段、制御手段)
144 乗算器(増強手段)
150 低音増強部(低音増強処理手段)
151 低音増強部(低音増強処理手段)
S2,S7 入力レベル調整手段
S3,S4,S8 制御手段

Claims (10)

  1. 低音域の音を発音可能な弦楽器の演奏に基づく楽音信号を入力する入力手段と、前記入力手段から入力された楽音信号又は前記入力された楽音信号に対して所定の効果付与処理を施した後の楽音信号を複数の周波数帯域に分割する帯域分割手段と、前記帯域分割手段により分割された周波数帯域のうち、低音域に属する少なくとも1つの周波数帯域の楽音信号を増強して出力する低音増強処理手段とを備え、パワーアンプより前段に設けられる低音増強処理装置であって、
    前記低音増強処理手段は、
    所定レベル以上の楽音信号を所定の圧縮特性で圧縮する圧縮手段と、
    前記圧縮手段より前段及び/又は後段に設けられ、入力された楽音信号を増強して出力する増強手段とを備え、
    前記圧縮手段による圧縮と前記増強手段による増強とにより、前記低音増強処理手段に入力された楽音信号を増強して出力するものであり、
    前記低音増強処理装置は、さらに、
    前記低音増強処理手段に入力される楽音信号の入力レベルに基づき、前記低音増強処理手段による入出力レベル比を決めるように、前記圧縮手段による圧縮及び/又は前記増強手段による増強を制御する制御手段を備えていることを特徴とする低音増強処理装置。
  2. 前記制御手段は、前記低音増強処理手段に入力される楽音信号の入力レベルの上昇に伴って前記低音増強処理手段による入出力レベル比が大きくなるように、前記圧縮手段による圧縮及び/又は前記増強手段による増強を制御するものであることを特徴とする請求項1記載の低音増強処理装置。
  3. 前記圧縮手段は、前記所定レベルを閾値として、前記所定レベルより大きい楽音信号を、前記所定レベル以下の楽音信号より大きく圧縮するような圧縮特性で楽音信号の圧縮を行うものであり、
    前記制御手段は、前記低音増強処理手段に入力される楽音信号の入力レベルに基づき、前記入力レベルの上昇に伴って前記圧縮手段において閾値とされる前記所定レベルを連続的又は段階的に大きくすることにより、前記低音増強処理手段による入出力レベル比が大きくなるように制御するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の低音増強処理装置。
  4. ゲインの値を設定するために操作されるゲイン設定手段と、
    前記ゲイン設定手段により設定されたゲインの値に基づき、前記低音増強処理手段に入力される楽音信号の入力レベルを調整する入力レベル調整手段とを備え、
    前記制御手段は、前記ゲイン設定手段により設定されたゲインの値に基づき、前記低音増強処理手段に入力される楽音信号の入力レベルの上昇に伴って前記低音増強処理手段による入出力レベル比が連続的又は段階的に大きくなるように、前記圧縮手段による圧縮及び/又は前記増強手段による増強を制御するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の低音増強処理装置。
  5. 前記低音増強処理手段に入力される楽音信号の入力レベルの経時変化を監視する監視手段を備え、
    前記制御手段は、前記監視手段により監視される前記入力レベルの経時変化に基づき、前記低音増強処理手段に入力される楽音信号の入力レベルの上昇に伴って前記低音増強処理手段による入出力レベル比が連続的又は段階的に大きくなるように、前記圧縮手段による圧縮及び/又は前記増強手段による増強を制御するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の低音増強処理装置。
  6. 前記弦楽器はベースであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の低音増強処理装置。
  7. 前記請求項1から6のいずれかに記載の低音増強処理装置と、
    前記低音増強処理装置より後段に設けられるパワーアンプと、
    前記パワーアンプからの出力を放音するスピーカとを備えていることを特徴とする楽器用スピーカ装置。
  8. 内部空間を有し、前記低音増強処理装置と、前記パワーアンプと、前記スピーカとが搭載される筐体と、
    前記筐体の内部空間と前記筐体の外部とを連通するバスレフ用の開口部とを備え、
    前記低音増強処理手段により処理される周波数帯域が、前記バスレフ用の開口部による共振周波数を含む帯域であることを特徴とする請求項7記載の楽器用スピーカ装置。
  9. 前記低音増強処理装置より前段に設けられ、1よりも大きな通過ゲインを有し得、楽音信号に効果を付与する1又は複数の効果装置を備えていることを特徴とする請求項7又は8に記載の楽器用スピーカ装置。
  10. 前記請求項1から6のいずれかに記載の低音増強処理装置と、
    前記低音増強処理装置より前段に設けられ、1よりも大きな通過ゲインを有し得、楽音信号に効果を付与する1又は複数の効果装置とを備えていることを特徴とする音響効果装置。
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