JP2012126834A - 硬化性オルガノポリシロキサン組成物、光学素子封止材及び光学素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】従来の硬化性オルガノポリシロキサン組成物に、特定のエステル結合とアルコキシシリル基を有する化合物を配合する。
【選択図】図1
Description
〔請求項1〕
(A)下記平均組成式(1):
R1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基であり、R1中の少なくとも1個がアリール基であり、全R1の0.1〜40モル%がアルケニル基であり、aは1≦a≦3を満たす正数である。)
で表される、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
(B)下記平均組成式(2):
R2 bHcSiO(4-b-c)/2 (2)
(式中、R2は脂肪族不飽和基以外の互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基、又はアルコキシ基であり、b及びcは、0.7≦b≦2.1、0.001≦c≦1.0、かつ0.8≦b+c≦3.0を満足する正数である。)
で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)白金族金属を含むヒドロシリル化触媒、
(D)下記一般式(3)で表される化合物:
(式中、R3,R4,R5はそれぞれ互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基であり、dは0、1又は2である。)
を含む硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
〔請求項2〕
(B)成分が、1分子中に少なくとも1個のケイ素原子結合アリール基を有する請求項1記載の硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
〔請求項3〕
(D)成分の添加量が、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0.1〜10質量部である請求項1又は2記載の硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
〔請求項4〕
請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物からなる光学素子封止材。
〔請求項5〕
請求項4記載の封止材の硬化物で封止された光学素子。
[(A)成分]
(A)成分は、下記平均組成式(1)で表されるオルガノポリシロキサンである。
R1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基であり、R1中の少なくとも1個がアリール基であり、全R1の0.1〜40モル%がアルケニル基であり、aは1≦a≦3を満たす正数である。)
(A)成分中のアルケニル基の含有量は、ケイ素原子に結合した1価の有機基(即ち、上記平均組成式(1)において、R1で示される非置換又は置換の1価炭化水素基)中、0.1〜40モル%、特に0.2〜20モル%であることが好ましい。
(A)成分中のアリール基の含有量は、ケイ素原子に結合した1価の有機基(即ち、上記平均組成式(1)において、R1で示される非置換又は置換の1価炭化水素基)中、少なくとも5モル%であることが好ましい。ケイ素原子に結合した1価の有機基中、アリール基が5モル%未満である場合、硬化した被覆保護材の耐熱性や低温特性が悪くなり、熱衝撃試験による信頼性の低下を招く場合があるため、少なくとも5モル%、特に30モル%以上がアリール基であることが好ましい。その上限は特に規定されるものではないが、ケイ素原子に結合した1価の有機基中、80モル%以下、特には70モル%以下であることが好ましい。
また、aは1〜3を満たす正数であり、本成分の分子構造は、鎖状又は分岐状であり、直鎖状、分岐状のいずれであってもよい。
(B)成分は、下記平均組成式(2)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、(A)成分とヒドロシリル化付加反応し、架橋剤として作用する。
R2 bHcSiO(4-b-c)/2 (2)
(式中、R2は脂肪族不飽和基以外の互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基、又はアルコキシ基であり、b及びcは、0.7≦b≦2.1、0.001≦c≦1.0、かつ0.8≦b+c≦3.0を満足する正数、好ましくは1.0≦b≦2.0、0.01≦c≦1.0、かつ1.5≦b+c≦2.5を満足する正数である。)
(B)成分中のアリール基の含有量は、ケイ素原子に結合した1価の有機基(即ち、上記平均組成式(2)において、R2で示される脂肪族不飽和基以外の非置換又は置換の1価炭化水素基)中、少なくとも5モル%であることが好ましい。ケイ素原子に結合した1価の有機基中、アリール基を5モル%以上含有すると、硬化した被覆保護材の耐熱性や低温特性がより優れたものとなり、熱衝撃試験による信頼性もより優れたものとなる。そのため、少なくとも5モル%、特に20モル%以上がアリール基であることが好ましい。その上限は特に規定されるものではないが、80モル%以下、特には60モル%以下であることが好ましい。
あるいは、上記平均組成式(2)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、式:HSiO1.5で示されるシロキサン単位と、式:R2HSiOで示されるシロキサン単位及び/又は式:R2 2HSiO0.5で示されるシロキサン単位とを含むものであってもよい。更に、該オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、SiH基を含まないモノオルガノシロキサン単位、ジオルガノシロキサン単位、トリオルガノシロキサン単位及び/又はSiO4/2単位を含んでいてもよい。上記式中のR2は前記のとおりである。
(B)成分の配合量は、(C)成分のヒドロシリル化触媒の存在下に本組成物を硬化させるに十分な量であり、通常、(A)成分中の脂肪族不飽和基に対する(B)成分中のSiH基のモル比が好ましくは0.2〜5、より好ましくは0.4〜2となる量である。上記モル比が小さすぎても大きすぎても硬化不足となることがあり、硬度、耐熱性、耐クラック性などの封止材料としての特性を満足できない場合がある。
(C)成分の白金族金属系ヒドロシリル化触媒としては、(A)成分中のケイ素原子結合脂肪族不飽和基と(B)成分中のSiH基とのヒドロシリル化付加反応を促進するものであればいかなる触媒を使用してもよい。(C)成分としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の白金族金属や、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との配位化合物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の白金族金属化合物が挙げられるが、特に好ましくは白金化合物である。
(C)成分の配合量は、ヒドロシリル化触媒としての有効量でよく、好ましくは(A)成分と(B)成分の合計質量に対して白金族金属元素の質量換算で0.1〜1,000ppmの範囲であり、より好ましくは1〜500ppmの範囲である。
(D)成分は、下記一般式(3)で表されるエステル結合とアルコキシシリル基を有する化合物であり、(D)成分を添加することにより吸湿リフロー試験において樹脂のクラックやパッケージからの剥離が抑制されるという効果が得られる。
(式中、R3,R4,R5はそれぞれ互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基であり、dは0、1又は2であり、好ましくは0又は1である。)
(D)成分の含有量は、硬化阻害や硬化後にタックが生じない程度の量でよく、好ましくは(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0.1〜10質量部の範囲であり、より好ましくは0.5〜5質量部の範囲である。0.1質量部未満では吸湿リフローに対する効果が得られないおそれがあり、10質量部を超えると硬化阻害や硬化後のタックやブリードアウトといった問題が発生する場合がある。
本発明の組成物には、前記(A)〜(D)成分以外にも、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の任意の成分を配合することができる。その具体例としては、以下のものが挙げられる。これらのその他の成分は、各々、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物には、(A)成分以外にも、封止材料の基材との接着性を向上させる目的で、(B)成分と付加反応する脂肪族不飽和基含有化合物を配合してもよい。(A)成分以外のこのような脂肪族不飽和基含有化合物としては、硬化物の形成に関与するものが好ましく、1分子あたり少なくとも1個の脂肪族不飽和基を有する(A)成分以外のオルガノポリシロキサンが挙げられる。その分子構造は、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状等、いずれでもよい。具体例としては、N−アリル−N’,N”−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、N−アリル−N’,N”−ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
ポットライフを確保するために、付加反応制御剤を本発明組成物に配合することができる。付加反応制御剤は、上記(C)成分のヒドロシリル化触媒に対して硬化抑制効果を有する化合物であれば特に限定されず、従来から公知のものを用いることができる。その具体例としては、トリフェニルホスフィンなどのリン含有化合物;トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾールなどの窒素含有化合物;硫黄含有化合物;アセチレンアルコール類(例えば、1−エチニルシクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ドデシン−3−オール)等のアセチレン系化合物;アルケニル基を2個以上含む化合物;ハイドロパーオキシ化合物;マレイン酸誘導体などが挙げられる。
付加反応制御剤による硬化抑制効果の度合は、その付加反応制御剤の化学構造によって異なる。よって、使用する付加反応制御剤の各々について、その添加量を最適な量に調整することが好ましいが、通常、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0.0001〜5質量部程度である。最適な量の付加反応制御剤を添加することにより、組成物は室温での長期貯蔵安定性及び加熱硬化性に優れたものとなる。
硬化物の着色、白濁、酸化劣化等の発生を抑えるために、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等の従来公知の酸化防止剤を本発明組成物に配合することができる。また、光劣化に対する抵抗性を付与するために、ヒンダードアミン系安定剤等の光安定剤を本発明組成物に配合することもできる。更に、本発明組成物から得られる硬化物の透明性に影響を与えない範囲で、強度を向上させるためにヒュームドシリカ等の無機質充填剤を本発明組成物に配合してもよいし、必要に応じて、染料、顔料、難燃剤等を本発明組成物に配合してもよい。
本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、公知の硬化条件下で公知の硬化方法により硬化させることができる。具体的には、通常、80〜200℃、好ましくは100〜160℃で加熱することにより、該組成物を硬化させることができる。加熱時間は、0.5分〜5時間程度、特に1分〜3時間程度でよいが、LED封止用等精度が要求される場合は、硬化時間を長めにすることが好ましい。得られる硬化物の形態は特に制限されず、例えば、ゲル硬化物、エラストマー硬化物及び樹脂硬化物のいずれであってもよい。該硬化物を光学素子封止用として用いる場合は、無色透明かつ高屈折率(屈折率1.54以上、特に1.54〜1.65)であるものを用いることが好ましい。
本発明組成物の硬化物は、通常の硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物と同様に耐熱性、耐寒性、電気絶縁性に優れ、更に耐吸湿リフロー性にも優れる。本発明の組成物からなる封止材によって封止される光学素子としては、例えば、LED、半導体レーザー、フォトダイオード、フォトトランジスタ、太陽電池、CCD等が挙げられる。このような光学素子は、該光学素子に本発明の組成物からなる封止材を塗布し、塗布された封止材を公知の硬化条件下で公知の硬化方法により、具体的には上記したとおりに硬化させることによって封止することができる。
なお、下記の例で、粘度は回転粘度計を用いて25℃で測定した値である。屈折率はATAGO製デジタル屈折計RX−5000を用いて589nmの屈折率を25℃で測定し、硬度はJIS−K6249に準じて測定した。また、下記例において、部は質量部を示す。
MH:(CH3)2HSiO1/2
MVi:(CH2=CH)(CH3)2SiO1/2
MΦVi:(CH2=CH)(C6H5)(CH3)SiO1/2
D:(CH3)2SiO2/2
DVi:(CH2=CH)(CH3)SiO2/2
DΦ:(C6H5)2SiO2/2
TΦ:(C6H5)SiO3/2
六塩化白金酸とsym−テトラメチルジビニルジシロキサンとの反応生成物を、白金含量が1.0質量%となるように、粘度0.7Pa・s、平均組成式:MVi 2D19DΦ 9のシリコーンオイルで希釈して、本実施例及び比較例で使用する白金触媒(触媒A)を調製した。
10Lのフラスコに、水4,380g及びキシレン1,800gを入れ、そこへトリクロロフェニルシラン1,903g、クロロジメチルビニルシラン361.5g、キシレン360gの混合溶液を内温が60℃を超えないように滴下し、その後60℃〜65℃で2時間撹拌を続けた。室温に冷却した後、水相を分離した。有機相を芒硝水で洗浄し、その後水酸化カリウム4.3gを加え、130℃〜140℃で12時間攪拌を続けた。キシレンを700g除去した後、50℃〜60℃に冷却し、更にクロロトリメチルシラン21.8g、酢酸カリウム19.9gを加え、50℃〜60℃で2時間攪拌を続けた。室温に冷却した後にろ過し、無色透明の平均組成式:MVi 1TΦ 3のシリコーンレジンのキシレン溶液を得た(不揮発分約50質量%)。
10Lのフラスコに水4,500g、及びトルエン1,605gを入れ、そこへトリクロロフェニルシラン1,862g、ジクロロメチルビニルシラン310g、トルエン384gの混合溶液を内温が60℃を超えないように滴下し、その後60℃〜65℃で2時間撹拌を続けた。室温に冷却した後、水相を分離した。有機相を重曹水で洗浄し、その後50質量%水酸化カリウム水溶液0.5gを加え、100℃〜110℃で2時間攪拌を続けた。40℃〜45℃に冷却した後、クロロトリメチルシラン1.45g、酢酸カリウム5.05gを加え、40℃〜45℃で2時間攪拌を続けた。その後、減圧濃縮により不揮発分が約50質量%となるようにトルエンを除去した。室温に冷却した後にろ過し、無色透明の平均組成式:DVi 1TΦ 4のシリコーンレジンのトルエン溶液を得た(不揮発分約50質量%)。
500mLのフラスコに水200g、及びトルエン117gを入れ、75℃に加温し、そこへジクロロジフェニルシラン100gを滴下し、80℃で3時間撹拌を続けた。室温に冷却した後、水相を分離した。有機相を無水硫酸ナトリウム10gで乾燥、ろ別し、ジクロロジフェニルシラン加水分解オリゴマーのトルエン溶液を得た。減圧濃縮によりトルエンを除去し、ジメチルジフェニルジビニルジシロキサン30.6gを加え混合した。更に濃硫酸5.0gを添加し、50℃/15mmHgの条件下、5時間縮合反応を行った。トルエン100g、10質量%芒硝水100gを加えて混合した後、水相を分離した。有機相を重曹水洗浄及び水洗浄し、その後減圧濃縮によりトルエンを除去した。得られた白濁液体をろ過し、無色透明で25℃における粘度が約2,000mPa・sの平均組成式:MΦVi 2DΦ 3.6のシリコーンオイルを得た。
平均組成式:MΦVi 2DΦ 3.6のシリコーンオイル22部、平均組成式:MVi 1TΦ 3のシリコーンレジン53部、平均組成式:MH 2DΦ 1のオルガノハイドロジェンポリシロキサン22部、及び下記式(4)で表されるエステル結合とメトキシシリル基を有する化合物(添加剤A)1部の混合物を、制御剤としての3−メチル−1−ドデシン−3−オール0.0056部及び触媒A0.05部と混合してオルガノポリシロキサン組成物を得た。この組成物を100℃で2時間、更に150℃で4時間加熱して硬化させたところ、得られたエラストマー(A)の硬度はShore Dで27であった。更に吸湿リフローの試験の結果を表1に示す。
添加剤Aの替わりに、下記式(5)で表されるエステル結合とメトキシシリル基を有する化合物(添加剤B)1部を使用した以外は実施例1に従って組成物を調製した。このオルガノポリシロキサン組成物を100℃で2時間、更に150℃で4時間加熱して硬化させたところ、得られたエラストマー(B)の硬さはShore Dで25であった。更に吸湿リフローの試験の結果を表1に示す。
添加剤Aの替わりに、N−アリル−N’,N”−ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(添加剤C)1部を使用した以外は実施例1に従って組成物を調製した。このオルガノポリシロキサン組成物を100℃で2時間、更に150℃で4時間加熱して硬化させたところ、得られたエラストマー(C)の硬さはShore Dで40であった。更に吸湿リフローの試験の結果を表1に示す。
添加剤Aの替わりに、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製 KBM−403)1部を使用した以外は実施例1に従って組成物を調製した。このオルガノポリシロキサン組成物を100℃で2時間、更に150℃で4時間加熱して硬化させたところ、得られたエラストマー(D)の硬さはShore Dで30であった。更に吸湿リフローの試験の結果を表1に示す。
添加剤Aの替わりに、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製 KBM−503)1部を使用した以外は実施例1に従って組成物を調製した。このオルガノポリシロキサン組成物を100℃で2時間、更に150℃で4時間加熱して硬化させたところ、得られたエラストマー(E)の硬さはShore Dで28であった。更に吸湿リフローの試験の結果を表1に示す。
平均組成式:MΦVi 2DΦ 3.6のシリコーンオイル55.1部、平均組成式:DVi 1TΦ 4のシリコーンレジン45部、平均組成式:MH 2DΦ 1のオルガノハイドロジェンポリシロキサン28.6部、及び上記式(4)で表されるエステル結合とメトキシシリル基を有する化合物(添加剤A)1部の混合物を、制御剤としての3−メチル−1−ドデシン−3−オール0.2部及び触媒A0.3部と混合してオルガノポリシロキサン組成物を得た。この組成物を100℃で2時間、更に150℃で4時間加熱して硬化させたところ、得られたエラストマー(F)の硬度はShore Dで32であった。更に吸湿リフローの試験の結果を表2に示す。
添加剤Aの替わりに、上記式(5)で表されるエステル結合とメトキシシリル基を有する化合物(添加剤B)1部を使用した以外は実施例3に従って組成物を調製した。このオルガノポリシロキサン組成物を100℃で2時間、更に150℃で4時間加熱して硬化させたところ、得られたエラストマー(G)の硬さはShore Dで31であった。更に吸湿リフローの試験の結果を表2に示す。
添加剤Aの替わりに、N−アリル−N’,N”−ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(添加剤C)1部を使用した以外は実施例3に従って組成物を調製した。このオルガノポリシロキサン組成物を100℃で2時間、更に150℃で4時間加熱して硬化させたところ、得られたエラストマー(H)の硬さはShore Dで50であった。更に吸湿リフローの試験の結果を表2に示す。
添加剤Aの替わりに、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製 KBM−403)1部を使用した以外は実施例3に従って組成物を調製した。このオルガノポリシロキサン組成物を100℃で2時間、更に150℃で4時間加熱して硬化させたところ、得られたエラストマー(I)の硬さはShore Dで30であった。更に吸湿リフローの試験の結果を表2に示す。
添加剤Aの替わりに、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製 KBM−503)1部を使用した以外は実施例3に従って組成物を調製した。このオルガノポリシロキサン組成物を100℃で2時間、更に150℃で4時間加熱して硬化させたところ、得られたエラストマー(J)の硬さはShore Dで33であった。更に吸湿リフローの試験の結果を表2に示す。
吸湿リフロー試験用パッケージ
吸湿リフロー試験用のテストパッケージとして、LEDチップを搭載していない図1に示すような簡易パッケージを使用した。ここで、1が筐体、2,3がリード電極、4が封止樹脂(実施例及び比較例で得られたオルガノポリシロキサン組成物の硬化物)である。前記オルガノポリシロキサン組成物の硬化条件は100℃で2時間、更に150℃で4時間である。
作製したテストパッケージ10個を、85℃、85%RHの恒温恒湿槽に24時間入れた後、赤外線リフロー装置(260℃)を1回通し、外観の変化を観察した。結果を表1,2に示す。なお、樹脂のクラックやLEDパッケージからの剥離が確認されたものをNGとしてカウントした。
2、3 リード電極
4 封止樹脂
Claims (5)
- (A)下記平均組成式(1):
R1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基であり、R1中の少なくとも1個がアリール基であり、全R1の0.1〜40モル%がアルケニル基であり、aは1≦a≦3を満たす正数である。)
で表される、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
(B)下記平均組成式(2):
R2 bHcSiO(4-b-c)/2 (2)
(式中、R2は脂肪族不飽和基以外の互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基、又はアルコキシ基であり、b及びcは、0.7≦b≦2.1、0.001≦c≦1.0、かつ0.8≦b+c≦3.0を満足する正数である。)
で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)白金族金属を含むヒドロシリル化触媒、
(D)下記一般式(3)で表される化合物:
(式中、R3,R4,R5はそれぞれ互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基であり、dは0、1又は2である。)
を含む硬化性オルガノポリシロキサン組成物。 - (B)成分が、1分子中に少なくとも1個のケイ素原子結合アリール基を有する請求項1記載の硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- (D)成分の添加量が、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0.1〜10質量部である請求項1又は2記載の硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物からなる光学素子封止材。
- 請求項4記載の封止材の硬化物で封止された光学素子。
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