JP2012117056A - 電子材料用リンス液 - Google Patents
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Abstract
【課題】 砥粒や研磨屑に対するリンス性が非常に高い電子材料用リンス液を提供することを目的とする。
【解決手段】 還元剤および水を必須成分として含有するリンス液を用いる。
【選択図】 なし
【解決手段】 還元剤および水を必須成分として含有するリンス液を用いる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、電子材料用リンス液、および電子材料の製造方法に関する。
さらに詳しくは、電子材料の製造において、その表面の研磨の前処理及び又は後処理に好適なリンス液及び該リンス液を使用した電子材料の製造方法に関する。
さらに詳しくは、電子材料の製造において、その表面の研磨の前処理及び又は後処理に好適なリンス液及び該リンス液を使用した電子材料の製造方法に関する。
電子材料、とりわけ磁気ディスクは、年々小型化、高容量化の一途をたどっており、磁気ヘッドの浮上量もますます小さくなってきている。
そのため、磁気ディスク基板の製造工程で、砥粒や研磨屑等の残留のない基板が求められている。また、表面粗さ、微少うねりの低減、及びスクラッチ、ピット等の表面欠陥の低減も求められている。
そのため、磁気ディスク基板の製造工程で、砥粒や研磨屑等の残留のない基板が求められている。また、表面粗さ、微少うねりの低減、及びスクラッチ、ピット等の表面欠陥の低減も求められている。
磁気ディスク製造工程には、平坦化した基板を作成する工程であるサブストレート工程(1)と、磁性層を基板にスパッタする工程であるメディア工程(2)を含む。
このうち、サブストレート工程(1)では、基板の平坦化のために砥粒を含むスラリーによる研磨を行い、その後、スラリーおよび発生した研磨屑等のパーティクルをリンスして洗い流し、さらに、リンスで取り除けなかったパーティクルを後工程の洗浄工程で洗浄して完全に除去する。
このうち、サブストレート工程(1)では、基板の平坦化のために砥粒を含むスラリーによる研磨を行い、その後、スラリーおよび発生した研磨屑等のパーティクルをリンスして洗い流し、さらに、リンスで取り除けなかったパーティクルを後工程の洗浄工程で洗浄して完全に除去する。
ところで、磁気ディスクの近年の高記録密度化につれて、2段階以上の研磨プロセスを用いた検討がなされてきている。すなわち、1段階目の研磨においては基板表面の比較的大きなうねり、大きなピット及びその他の表面欠陥を除去することが主たる目的で研磨がなされ、2段階目の研磨により、目的の表面粗さとしながら、細かなスクラッチ、ピットを除去する方式を採っている。
1段階目の研磨で得られた基板の表面に、その研磨工程で使用した砥粒や研磨屑が残留していると、それらの大部分は2段階目の研磨工程において除去されるが、取りきれずに残留してしまったものは欠陥となる。また、1段階目の残留砥粒や研磨屑は、2段階目の研磨工程中にスクラッチの原因となり悪影響をおよぼす。
これらの問題点を解決するには、各段階で行われる研磨工程の終了時に砥粒や研磨屑が除去されていること、また2段階目の研磨工程前の基板にそのような残留物が付着されていないことが必要であり、このような残留物除去のために、研磨工程後、洗浄工程前のリンス処理が必要となってきている。
これらの問題点を解決するには、各段階で行われる研磨工程の終了時に砥粒や研磨屑が除去されていること、また2段階目の研磨工程前の基板にそのような残留物が付着されていないことが必要であり、このような残留物除去のために、研磨工程後、洗浄工程前のリンス処理が必要となってきている。
一方、メディア工程(2)では、基板上に磁性層を均一にスパッタリングするために、サーフェイスコンディショニングが行われることがある。サーフェイスコンディショニングは、研磨後のサブストレートに筋目をつけるいわゆるテクスチャー加工を行い、その後にスラリーや研磨屑を洗い流すリンスをして、その後、流しきれなかったスラリー、研磨屑を洗浄する工程である。このサーフェイスコンディショニングにおいても、切削屑や、スラリー中の研磨粒子の付着の問題があり、研磨後に洗浄に先だってリンス処理が必要となってきている。
従来、これら目的のために、硝酸アルミニウムを使用したリンス用組成物(特許文献1)が提案され、さらにポリスチレンスルホン酸のような界面活性剤を無機酸、有機酸またはそれらの塩と組み合わせたリンス用組成物(特許文献2)が提案されてきた。
しかしながら、上記のリンス液では未だ、砥粒や研磨屑の除去性が近年のますます高記録密度化に対応できていないのが現状である。磁気ディスクの高記録密度化を達成するためには、研磨後、洗浄に先立って、除去が困難な砥粒・研磨屑に対する高いリンス性が求められる。
そこで、砥粒や研磨屑に対するリンス性が非常に優れた電子材料用リンス液を提供することを目的とする。
そこで、砥粒や研磨屑に対するリンス性が非常に優れた電子材料用リンス液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、還元剤(A)および水を必須成分として含むことを特徴とする電子材料用リンス液;研磨工程後、洗浄工程の前にリンス工程を行う電子材料の製造方法で、該リンス工程でこの電子材料用リンス液を用いて電子材料をリンスすることを特徴とする電子材料の製造方法である。
すなわち、本発明は、還元剤(A)および水を必須成分として含むことを特徴とする電子材料用リンス液;研磨工程後、洗浄工程の前にリンス工程を行う電子材料の製造方法で、該リンス工程でこの電子材料用リンス液を用いて電子材料をリンスすることを特徴とする電子材料の製造方法である。
本発明の電子材料用リンス液および電子材料の製造方法は、砥粒や研磨屑に対するリンス性に優れ、高記録密度化で要求される清浄度の高い電子材料を提供することができる。
本発明の電子材料用リンス液は、還元剤(A)および水を必須成分として含有することを特徴とする電子材料用リンス液である。
本発明において、電子材料とは特に限定されるものではなく、磁気ディスク基板(ガラス基板、アルミニウム基板及びNi−Pメッキが施されたアルミニウム基板)、フラットパネルディスプレイ基板(液晶パネル用のガラス基板、カラーフィルター基板、アレイ基板、プラズマディスプレイ用基板及び有機EL用基板等)、半導体基板(半導体素子及びシリコンウェハ等)、化合物半導体基板(SiC基板、GaAs基板、GaN基板、AlGaAs基板等)、サファイヤ基板(LED等)、フォトマスク用基板、太陽電池用基板(シリコン基板及び薄膜型太陽電池用ガラス基板等)、光学レンズ、プリント配線基板、光通信用ケーブル、微小電気機械システム(MEMS)並びに水晶振動子等が挙げられ、リンス性の観点で磁気ディスク基板および半導体基板が好ましくい。
特に本発明の電子材料用リンス液は、磁気ディスク用のガラス基板やアルミニウム基板のリンス液として有用である。
特に本発明の電子材料用リンス液は、磁気ディスク用のガラス基板やアルミニウム基板のリンス液として有用である。
本発明において、還元剤(A)とは、酸化還元反応において、他の化学種を還元する化合物のことを指す。
還元剤(A)としては、有機還元剤(A1)および無機還元剤(A2)が挙げられる。
有機還元剤(A1)としては、還元性のレダクトン類(A11)およびそのエステルまたは塩、還元性のフェノール化合物(A12)、還元性の有機酸類(A13)およびそのエステルまたは塩、還元性のアルデヒド類(A14)、還元性の糖アルコール(A15)、還元性のアミン(A16)、およびこれらの塩が挙げられ、以下のものが例示できる。
有機還元剤(A1)としては、還元性のレダクトン類(A11)およびそのエステルまたは塩、還元性のフェノール化合物(A12)、還元性の有機酸類(A13)およびそのエステルまたは塩、還元性のアルデヒド類(A14)、還元性の糖アルコール(A15)、還元性のアミン(A16)、およびこれらの塩が挙げられ、以下のものが例示できる。
還元性のレダクトン類(A11)としては、分子内に下記一般式(1)で表されるケトエンジオール基を有する化合物(レダクトン類)のうち、還元性を有する化合物である。
これらのうち、好ましいのは、L−アスコルビン酸およびL−アスコルビン酸の塩である。
還元性のフェノール化合物(A12)としては、一価フェノールおよびポリフェノールのうち、還元性を有する化合物が挙げられる。
このような還元性の一価フェノールとしては、3−ヒドロキシフラボン及びトコフェロール(α−、β−、γ−、δ−、ε−又はη−トコフェロール等)等が挙げられる。
また、還元性のポリフェノールとしては、没食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)、ピロカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ナフトレゾルシノール、ピロガロール、フロログルシノール等が挙げられる。
これらのうち、好ましいのは没食子酸である。
このような還元性の一価フェノールとしては、3−ヒドロキシフラボン及びトコフェロール(α−、β−、γ−、δ−、ε−又はη−トコフェロール等)等が挙げられる。
また、還元性のポリフェノールとしては、没食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)、ピロカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ナフトレゾルシノール、ピロガロール、フロログルシノール等が挙げられる。
これらのうち、好ましいのは没食子酸である。
還元性の有機酸類(A13)およびこれらの塩としては、ケトグルタル酸、酒石酸、グルコン酸、ケトグロン酸、ギ酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酪酸、マレイン酸、2−オキソプロパン酸、マロン酸およびこれらの塩が挙げられる。
還元性のアルデヒド類(A14)としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド及びビニルアルデヒド、ベンズアルデヒド及びシンナムアルデヒド等が挙げられる。
還元性の糖アルコール(A15)としては、アラビトール、アドニトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール及びズルシトール等が挙げられる。
還元性のアミン(A16)としては、アルキルアミン、アルカノールアミン、アルキレンジアミン、環状アミン、芳香族アミン、アミジン化合物、ポリ(n=2〜5)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜6)アミン等が挙げられる。
無機還元剤(A2)としては、亜硫酸、二亜硫酸、亜ジチオン酸、チオ硫酸、ジチオン酸、ポリチオン酸などの硫黄のオキソ酸類、およびこれらの塩;亜リン酸、亜リン酸水素酸、次亜リン酸などのリンのオキソ酸類、およびこれらの塩;硫酸第1鉄、塩化第2スズ、水酸化シアノホウ素ナトリウム、水酸化ホウ素ナトリウムなどのその他の無機還元剤が挙げられる。
これらの還元剤(A)のうち、砥粒、研磨屑のリンス性の観点で、還元性のレダクトン類(A11)、還元性のフェノール化合物(A12)、還元性の有機酸(A13)および還元性の糖アルコール(A15)が好ましく、さらに好ましくは(A11)および(A12)であり、特に好ましくは(A11)である。
還元剤(A)の具体例としては、L−アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、没食子酸、酒石酸、ケトグルタル酸、ケトグロン酸、ギ酸、アラビトール、およびこれらの塩等が挙げられ、アスコルビン酸、没食子酸、酒石酸、ケトグルタル酸が好ましい。
(A)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(A)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、還元性のレダクトン類(A11)の塩としては、最初からL−アスコルビン酸のナトリウム塩を配合してもよいし、系内のL−アスコルビン酸と例えば水酸化ナトリウムがリンス液中で塩を形成してもよい。
なお、本発明のリンス液中の還元剤(A)は、保管中に空気中の酸素やリンス液中の溶存酸素で、その一部が酸化されてもよい。例えば、アスコルビン酸はアルカリ条件下では徐々に酸化され、デヒドロアスコルビン酸に変化するが、完全に酸化されない限り差しつかえない。
本発明の電子材料用リンス液における還元剤(A)の使用時の含有量は、0.001〜5重量%であり、リンス性の観点から好ましくは0.01〜1重量%である。
本発明の電子材料用リンス液のもう1つの必須成分である水は、超純水、イオン交換水、RO水、蒸留水が挙げられ、清浄度の観点から超純水が好ましい。
本発明の電子材料用リンス液における水の使用時の含有量は、95〜99.99重量%であり、リンス性の観点から好ましくは98〜99.95重量%である。
本発明の電子材料用リンス液には、リンス性を向上させるために、さらに酸(無機酸および有機酸)もしくはアルカリ(無機アルカリおよびアミン)を配合することができる。
本発明の電子材料用リンス液の使用時のpHは通常1〜12である。
本発明の電子材料用リンス液には、リンス性を向上させるために、界面活性剤、キレート剤を配合することができる。
この目的で配合する界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤およびアニオン性界面活性剤が挙げられる。
この目的で配合する界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤およびアニオン性界面活性剤が挙げられる。
キレート剤としては、アミノポリカルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、ホスホン酸および縮合リン酸等が挙げられる。
本発明の電子材料用リンス液には、ハイドロトープ剤、増粘剤等を配合してもよい。
洗浄液の安定性の目的で配合するハイドロトープ剤としては、トルエンスルホン酸、安息香酸、クメンスルホン酸およびサリチル酸等が挙げられる。
また、増粘剤(F)としては、多糖類が挙げられる。
洗浄液の安定性の目的で配合するハイドロトープ剤としては、トルエンスルホン酸、安息香酸、クメンスルホン酸およびサリチル酸等が挙げられる。
また、増粘剤(F)としては、多糖類が挙げられる。
本発明の別の実施態様は、上記の電子材料用リンス液を用いて電子材料をリンスする工程を含む電子材料の製造方法であり、特に磁気ディスク基板の製造方法に特に適している。
しかし、磁気ディスク基板に限定されるものではなく、洗浄工程に先立って砥粒のスラリーや研磨屑の大部分を予め除去する必要がある電子材料の製造であれば、広く電子材料の製造に有用である。
しかし、磁気ディスク基板に限定されるものではなく、洗浄工程に先立って砥粒のスラリーや研磨屑の大部分を予め除去する必要がある電子材料の製造であれば、広く電子材料の製造に有用である。
本発明の電子材料用リンス液を磁気ディスク基板の製造に用いる場合、サブストレート工程の1段階目の研磨後や2段階目の研磨後、あるいはメディア工程で用いることができる。
本発明のリンス液を用いた磁気ディスク基板の製造工程(サブストレート工程の一部)の一例を、ハードディスク用ガラス基板を例にとり、以下に述べる。
(1)ガラス基板をラッピング後、流水ですすいでガラス基板を作成する。
(2)基板を研磨装置にセットし、酸化セリウムを含む研磨スラリーで基板を研磨する。
(3)研磨後の基板に本発明のリンス液を注いですすいだ後に基板を研磨装置から取り出し、洗浄剤でディップ洗浄した後再度流水ですすぐ。
(4)再び基板を研磨装置にセットし、コロイダルシリカを含む研磨スラリーで基板を研磨する。
(5)研磨後の基板に本発明のリンス液を注いですすいだ後に基板を研磨装置から取り出し、洗浄剤でスクラブ洗浄した後再度流水ですすぐ。
(1)ガラス基板をラッピング後、流水ですすいでガラス基板を作成する。
(2)基板を研磨装置にセットし、酸化セリウムを含む研磨スラリーで基板を研磨する。
(3)研磨後の基板に本発明のリンス液を注いですすいだ後に基板を研磨装置から取り出し、洗浄剤でディップ洗浄した後再度流水ですすぐ。
(4)再び基板を研磨装置にセットし、コロイダルシリカを含む研磨スラリーで基板を研磨する。
(5)研磨後の基板に本発明のリンス液を注いですすいだ後に基板を研磨装置から取り出し、洗浄剤でスクラブ洗浄した後再度流水ですすぐ。
また、ハードディスク用アルミ基板の場合は、上記の(2)の工程で、酸化セリウムの代わりに一般にアルミナが使用される。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
実施例1〜9、および比較例1〜4
表1に記載の組成となるように、各成分を配合し、25℃、マグネチックスターラーで40rpm、20分間攪拌して、本発明のリンス液および比較のためのリンス液を得た。
表1に記載の組成となるように、各成分を配合し、25℃、マグネチックスターラーで40rpm、20分間攪拌して、本発明のリンス液および比較のためのリンス液を得た。
砥粒と基板材質の異なる組み合わせで性能評価試験を下記の方法で行った。
<リンス性評価−1>
研磨剤として市販のコロイダルシリカスラリー(フジミインコーポレイテッド製「COMPOL20」粒径約15nm)を用いて3.5インチのNi−Pメッキされた磁気ディスク用アルミ基板を以下条件で研磨した。
研磨装置:ナノファクター製「NFD−4BL」
スラリー供給速度:50mL/分
荷重:30g重/cm2
回転数:定盤30rpm、ギア20rpm
研磨時間:5分
基板を研磨した後、実施例1〜9、比較例1〜4のリンス液で基板表面を3000mL/分の流速で1分間リンスした後、窒素でブローすることにより、評価基板を作成した。なお、超純水のみの比較例1のサンプルをブランクとした。
本評価は大気からの汚染を防ぐため、クラス1,000(FED−STD−209D、米国連邦規格、1988年)のクリーンルーム内で実施した。
<リンス性評価−1>
研磨剤として市販のコロイダルシリカスラリー(フジミインコーポレイテッド製「COMPOL20」粒径約15nm)を用いて3.5インチのNi−Pメッキされた磁気ディスク用アルミ基板を以下条件で研磨した。
研磨装置:ナノファクター製「NFD−4BL」
スラリー供給速度:50mL/分
荷重:30g重/cm2
回転数:定盤30rpm、ギア20rpm
研磨時間:5分
基板を研磨した後、実施例1〜9、比較例1〜4のリンス液で基板表面を3000mL/分の流速で1分間リンスした後、窒素でブローすることにより、評価基板を作成した。なお、超純水のみの比較例1のサンプルをブランクとした。
本評価は大気からの汚染を防ぐため、クラス1,000(FED−STD−209D、米国連邦規格、1988年)のクリーンルーム内で実施した。
基板表面を表面検査装置(ビジョンサイテック社製、MicroMax VMX−6100SK)で観察し、画像解析ソフト「Sigmascan」を用いてパーティクル数を数えた。なお、ブランクの基板表面に残存したパーティクル数は725個だった。
基板表面のリンス性を、ブランクのパーティクル数と比較して、下記の判断基準に従い判定した。
5:パーティクル数がブランクの10%未満
4:10〜20%
3:20〜50%
2:50〜80%
1:80%以上
基板表面のリンス性を、ブランクのパーティクル数と比較して、下記の判断基準に従い判定した。
5:パーティクル数がブランクの10%未満
4:10〜20%
3:20〜50%
2:50〜80%
1:80%以上
<リンス性評価−2>
研磨剤として市販のアルミナスラリー(フジミインコーポレイテッド製「WA#20000」、粒径約0.4μm)を用いた以外は、リンス性評価−1と同様の操作と判断基準で評価した。なお、ブランクのパーティクル数は650個だった。
研磨剤として市販のアルミナスラリー(フジミインコーポレイテッド製「WA#20000」、粒径約0.4μm)を用いた以外は、リンス性評価−1と同様の操作と判断基準で評価した。なお、ブランクのパーティクル数は650個だった。
<リンス性評価−3>
研磨剤として市販のダイヤモンドスラリー(ナノファクター製「1/10PCS−WB2」、粒径約100)を用いた以外は、リンス性評価−1と同様の操作と判断基準で評価した。なお、ブランクのパーティクル数は480個だった。
研磨剤として市販のダイヤモンドスラリー(ナノファクター製「1/10PCS−WB2」、粒径約100)を用いた以外は、リンス性評価−1と同様の操作と判断基準で評価した。なお、ブランクのパーティクル数は480個だった。
<リンス性評価−4>
3.5インチのNi−Pメッキされた磁気ディスク用アルミ基板の代わりに、2.5インチの市販ガラス基板を用いた以外は、リンス性評価−1と同様の操作と判断基準で評価した。なお、ブランクのパーティクル数は560個だった。
3.5インチのNi−Pメッキされた磁気ディスク用アルミ基板の代わりに、2.5インチの市販ガラス基板を用いた以外は、リンス性評価−1と同様の操作と判断基準で評価した。なお、ブランクのパーティクル数は560個だった。
<リンス性評価−5>
市販のコロイダルシリカスラリーの代わりに市販のセリアスラリー(AGCセイミケミカル製「CES−303」、粒径約0.4μm)を用いた以外は、リンス性評価−4と同様の操作と判断基準で評価した。なお、ブランクのパーティクル数は830個だった。
市販のコロイダルシリカスラリーの代わりに市販のセリアスラリー(AGCセイミケミカル製「CES−303」、粒径約0.4μm)を用いた以外は、リンス性評価−4と同様の操作と判断基準で評価した。なお、ブランクのパーティクル数は830個だった。
<リンス性評価−6>
市販のコロイダルシリカスラリーの代わりに市販のダイヤモンドスラリー(ナノファクター製「1/10PCS−WB2」、粒径約100)を用いた以外は、リンス性評価−4と同様の操作と判断基準で評価した。なお、ブランクのパーティクル数は705個だった。
市販のコロイダルシリカスラリーの代わりに市販のダイヤモンドスラリー(ナノファクター製「1/10PCS−WB2」、粒径約100)を用いた以外は、リンス性評価−4と同様の操作と判断基準で評価した。なお、ブランクのパーティクル数は705個だった。
表1より、実施例1〜9のリンス液は、アルミ基板およびガラス基板上の砥粒のリンス性が良い。とりわけアスコルビン酸や没食子酸を含む実施例1〜5のリンス液は、リンス性が特に高いことがわかる。
一方、アルカリを用いた比較例2のリンス液は、ガラス基板の場合はブランクよりは多少向上する場合があるが、アルミ基板の場合はほとんど効果がない。また、還元性がない有機酸を用いた比較例3のリンス性能はブランクと変わらない。ポリスチレンスルホン酸ナトリウムと硝酸アルミニウムを用いた比較例4のリンス液は、ブランクと比較して多少向上するが、近年の求められるレベルに十分耐えられるものではない。
以上のことから、還元剤を含むリンス液を使用したときのみ、リンス性能が向上することがわかる。
一方、アルカリを用いた比較例2のリンス液は、ガラス基板の場合はブランクよりは多少向上する場合があるが、アルミ基板の場合はほとんど効果がない。また、還元性がない有機酸を用いた比較例3のリンス性能はブランクと変わらない。ポリスチレンスルホン酸ナトリウムと硝酸アルミニウムを用いた比較例4のリンス液は、ブランクと比較して多少向上するが、近年の求められるレベルに十分耐えられるものではない。
以上のことから、還元剤を含むリンス液を使用したときのみ、リンス性能が向上することがわかる。
本発明の電子材料用リンス液は、パーティクルのリンス性を従来のリンス液より大幅に低減することができるため、特にハードディスク等の磁気ディスク基板用リンス液として使用することができる。また、本発明の電子材料の製造方法は、残存パーティクルに対して特に高い洗浄レベルが要求されるハードディスク等の磁気ディスク用基板や、半導体用基板に使用することができる。
Claims (7)
- 還元剤(A)および水を必須成分として含むことを特徴とする電子材料用リンス液。
- 該還元剤(A)が還元性のレダクトン類である請求項1記載の電子材料用リンス液。
- 該還元剤(A)が還元性のフェノール化合物、還元性の有機酸類、および還元性の糖アルコールからなる群より選ばれる1種以上である請求項1記載の電子材料用リンス液。
- 該還元剤(A)がL−アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、没食子酸、酒石酸、ケトグルタル酸、ケトグロン酸、ギ酸、アラビトール、およびこれらの塩からなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれか記載の電子材料用リンス液。
- 該電子材料が磁気ディスク基板である請求項1〜4のいずれか記載の電子材料用リンス液。
- 研磨工程後にリンス工程を行う電子材料の製造方法で、該リンス工程で請求項1〜5のいずれかに記載の電子材料用リンス液を用いて電子材料をリンスすることを特徴とする電子材料の製造方法。
- 該電子材料が磁気ディスク基板である請求項6記載の電子材料の製造方法。
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JP2012252773A (ja) * | 2011-05-12 | 2012-12-20 | Sanyo Chem Ind Ltd | 電子材料製造工程用パーティクル固着防止液 |
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