JP2012112842A - 電流センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 磁性体コア22と、ホール素子23と、増幅器24と、帰還コイル22aと、帰還電流検出手段25と、マイクロコンピュータ27と、を一体に具備した磁気平衡式の電流センサであって、マイクロコンピュータ27を用いて消磁用交流減衰信号を生成し、該消磁用交流減衰信号を前記帰還コイル22aに供給するようにした。
【選択図】図3
Description
このような磁気平衡式電流センサは、磁性体コア内部の磁気が常にゼロになるように回路を動作させるようにしているため、ホール素子の出力電圧を被測定導体の電流値として直接的に読み取るようにした所謂磁気比例式電流センサと比較して、被測定導体の電流値が比較的大きい場合でも磁気飽和せず測定レンジを広く確保でき、高精度でリニアな特性を得ることができる。
ところで、このような磁気平衡式電流センサであっても、回路の動作範囲を逸脱するような過大な電流が流れた場合等には、磁性体コアの残留磁気の影響により動作点が変化して測定誤差を生じるおそれがある。
そこで、特許文献1に記載される従来技術では、増幅回路の入力側に消磁用交流減衰信号を印加して、磁性体コアの残留磁気を消磁するようにしている。
一体に具備したマイクロコンピュータにより消磁用交流減衰信号を生成するようにしているため、大がかりな交流電源回路等を別途準備することなく、残留磁気の影響による測定誤差の増加を防ぐことができる。
しかも、検出データの処理にマイクロコンピュータを用いているため、例えば、真の実効値、瞬時値、ピーク値等を算出したり、シリアル通信を可能にしたり等も容易に行うことができる。
よって、簡素な一体構造でもって高精度な検出を行うことができる上、多くの機能を付加した電流センサを提供することができる。
電流センサ1は、図1に示すように、ケース本体10に設けられた略筒状の挿通部11に電線等の被測定導体pを挿通させて、被測定導体pに流れる直流又は交流の電流を検出し、その検出信号に基づいて処理された電気信号を、電線32及びコネクター33等を介して外部へ出力する磁気平衡式の電流センサである。
より詳細に説明すれば、前記増幅器26aの非反転入力端子には帰還電流検出手段25の出力信号が入力され、同増幅器26aの出力端子と反転入力端子との間に負帰還抵抗R2が接続され、同増幅器26aの反転入力端子とアースとの間に入力抵抗R3及びスイッチ手段26bが直列に接続される。スイッチ手段26bは、マイクロコンピュータ27からの指令に応じて開閉(ON/OFF)する素子であり、所謂アナログスイッチ等のICが用いられる。
この波形変換回路31は、矩形波であるPWM減衰擬似正弦波を正弦波に変換する積分回路(抵抗R5及びコンデンサC1)と、この積分回路から交流成分を注出する回路(コンデンサC2及び抵抗R6)とからなる。
先ず、電流センサ1の挿通部11に被測定導体pが挿通され、電流センサ1に対し電線32及びコネクター33を介して電源が供給される。すると、マイクロコンピュータ27が、所定の記憶領域に記憶された各種の変数及びデータ等を初期状態にする(ステップ1)。具体的には、後述する測定レンジを初期状態としてA(増幅率小)にする処理や、過負荷入力があったことを示す変数を0にする処理等を行う。
前記消磁動作によれば、被測定導体pが非通電状態(例えば、被測定導体p側の機器に電源が投入されていない状態)の場合に、磁性体コア22の残留磁気が前記消磁用交流減衰信号によって消磁されることになる。なお、被測定導体pが最初から通電状態であった場合には、帰還コイル22aに前記消磁用交流減衰信号が供給されても、磁性体コア22の消磁は行われない。
ここで、現在の測定レンジがAであるかBであるかは、マイクロコンピュータ27の記憶領域に所定の変数として記憶され、初期状態では測定レンジAとなるように予め設定されている。
ここで、閾値yは、閾値xよりも大きな電流値を示すように設定された閾値である。
ステップ11aでは、マイクロコンピュータ27の出力によりオンオフ信号出力手段30をON状態にする。
ステップ11bでは、マイクロコンピュータ27の前記出力を停止することによりオンオフ信号出力手段30をOFF状態にする。
その具定例について詳細に説明すれば、図4に示すように、前記測定値信号により被測定導体pの電流が順方向電流であると判断した場合には、一方のLED1を点灯(又は点滅)する。
前記測定値信号により被測定導体pの電流が逆方向電流であると判断した場合には、他方のLED2を点灯(又は点滅)する。
前記測定値信号により被測定導体pの電流が交流であると判断した場合には、双方のLED1,2を点灯(又は点滅)する。
前記測定値信号により被測定導体pの電流が比較的小電流(より具体的は所定値よりも小さい電流)であると判断した場合には、LED1,2の一方又は双方を比較的ゆっくり点滅する。
前記測定値信号により被測定導体pの電流が比較的大電流(より具体的は所定値よりも大きい電流)であると判断した場合には、LED1,2の一方又は双方を比較的速く点滅する。
前記測定値信号により被測定導体pの電流が前記大電流よりも更に大きい過電流(より具体的は所定の過負荷閾値よりも大きい電流)であると判断した場合には、LED1,2の一方又は双方を点灯(又は交互に点灯)する。
この際の送信データの一例としては、前記ステップ9の過負荷アラームや、前記測定値信号に基づき算出された電流値、真の実効値、瞬時値、ピーク値等を示す信号、測定電流が直流か交流かを示す信号、測定電流が直流である場合にその方向を示す信号等、が挙げられる。
また、この際の受信データの一例としては、前記ステップ7aによる過負荷測定値の記録をクリアする指令、強制的な消磁動作を行う指令、前記ステップ9による過負荷アラームをクリアする指令、各種閾値(例えば、ステップ5a,5bにおける閾値x,yや、ステップ7の過負荷閾値、ステップ10のON/OFF出力用閾値、後述するステップ18の消磁閾値など)のデータ、これら閾値を変更する指令等、が挙げられる。
すなわち、測定電流値がある程度小さい場合には、被測定導体pの電流によって発生する磁性体コア22の磁束の影響を受けないので、効果的な消磁動作を行うことができる。ステップ19は、このような場合に消磁動作を行うステップである。
また、一体に具備するマイクロコンピュータ27によって測定値を演算処理し出力するようにしているため、真の実効値や、瞬時値、ピーク値、過負荷アラーム等、多種類のデータを送信したり、各種設定値を受信して演算処理に反映したり等、多くの機能を具備することができ、これによって、別途のコンピュータや制御回路を準備する等のユーザーの負担を軽減することができる。
さらに、マイクロコンピュータ27の指令によって増幅率を変える可変増幅手段26を具備しているため、簡素な回路構成によって測定レンジを自動的に変更でき、ひいては高精度な電流測定を行うことができる。
また、被測定導体pの電流に基づく入力信号に応じて表示手段29及びオンオフ信号出力手段30を作動させるようにしたため、当該電流センサ1の動作状況の把握が容易であり、特にLED1,2の点滅/点灯パターンによって、電流の方向や大小等を即時に把握することができる。
例えば、より簡素な態様として、図示例の波形変換回路31から積分回路(抵抗R5及びコンデンサC1)を省いて、前記PWM減衰擬似正弦波の交流成分を消磁用交流減衰信号として直接用いるようにしてもよい。
20:電気回路基板 22:磁性体コア
22a:帰還コイル 23:ホール素子
24:増幅器 25:帰還電流検出手段
26:可変増幅手段 27:マイクロコンピュータ
28:インターフェース装置 29:表示手段
30:オンオフ信号出力手段 31:波形変換回路
p:被測定導体
Claims (8)
- 被測定導体を挿入可能な磁性体コアと、該磁性体コアに発生する磁束を検出するホール素子と、該ホール素子の出力信号を増幅する増幅器と、該増幅器から電力供給されるとともに被測定導体の電流によって前記磁性体コアに生じる磁束を打ち消すように逆方向の磁束を発生する帰還コイルと、該帰還コイルに流れる電流を検出する帰還電流検出手段と、該帰還電流検出手段の出力信号を演算処理して被測定導体の電流値を算出するマイクロコンピュータと、を一体に具備した磁気平衡式の電流センサであって、
前記マイクロコンピュータを用いて消磁用交流減衰信号を生成し、該消磁用交流減衰信号を前記帰還コイルに供給するようにしたことを特徴とする電流センサ。 - 前記消磁用交流減衰信号は、前記マイクロコンピュータによって徐々に出力を減衰するPWM減衰擬似正弦波を生成し、このPWM減衰擬似正弦波を波形変換回路により交流減衰正弦波に変換してなることを特徴とする請求項1記載の電流センサ。
- 前記マイクロコンピュータが電源の投入直後に前記消磁用交流減衰信号を出力するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電流センサ。
- 前記マイクロコンピュータが、被測定導体の電流値が所定の閾値以下となったことを条件に、前記消磁用交流減衰信号を出力するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の電流センサ。
- 前記マイクロコンピュータが、被測定導体の電流値が所定の閾値を超えたことを条件に、所定の処理を行うようにしたことを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の電流センサ。
- 前記帰還電流検出手段の出力信号を増幅して前記マイクロコンピュータに入力するとともに前記マイクロコンピュータからの指令により増幅率を変化可能な可変増幅手段を備え、
前記マイクロコンピュータが、算出した被測定導体の電流値に応じて前記可変増幅手段の増幅率を変化させる指令を発するようにしたことを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載の電流センサ。 - 前記可変増幅手段は、前記帰還電流検出手段の出力信号を非反転入力端子に入力するとともに出力信号を前記マイクロコンピュータに入力する増幅器と、該増幅器の出力端子と同増幅器の反転入力端子の間に設けられた負帰還抵抗と、前記反転入力端子とアースとの間に直列に設けられた入力抵抗及びスイッチ手段とを備え、前記スイッチ手段を、前記マイクロコンピュータからの指令に応じてオンオフするようにしたことを特徴とする請求項6記載の電流センサ。
- 点灯及び/又は点滅により動作表示する表示手段を一体に備え、
前記マイクロコンピュータが、被測定導体の電流に基づく入力信号に応じて前記表示手段を制御するようにしたことを特徴とする請求項1乃至7何れか1項記載の電流センサ。
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