JP2012107149A - 液状封止樹脂組成物および半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フリップチップ方式の半導体装置のアンダーフィル材においてセルフフィレット性に優れ、且つ耐ブリード性に優れる液状封止樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】フリップチップ方式の半導体装置に用いる液状封止樹脂組成物において、(A)液状エポキシ樹脂、(B)芳香族アミン、(C)無機充填剤、(D)ポリエーテル基を有する液状シリコーン化合物、及び(E)アミノ基を有する液状シリコーン化合物を含有することを特徴とする液状封止樹脂組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、液状封止樹脂組成物および半導体装置に関するものである。
フリップチップ方式の半導体装置では、半導体チップと基板とを半田バンプで電気的に接続している。このフリップチップ方式の半導体装置は、接続信頼性を向上するために半導体チップと基板との間および半導体チップ側面にアンダーフィル材と呼ばれる液状封止樹脂組成物を充填して半田バンプの周辺を補強している(特許文献1、特許文献2参照)。そしてアンダーフィル材において半導体チップ側面を封止している部分はフィレットと呼ばれている。フィレットは半導体チップ外周に均一な幅で形成されることが半導体装置の外観上および信頼性の観点から望ましい。半導体チップの外周にアンダーフィル材を塗布するためのスペースが充分に確保されている場合は、アンダーフィル材が半導体チップと基板の間隙に充填された後に、半導体チップ外周部にアンダーフィル材を均一に塗布することによって、均一な幅のフィレットを形成することが出来る。しかし半導体チップ外周部の一部分にしかアンダーフィル材を塗布するためのスペースが確保されていない場合は、その一部分に塗布されたアンダーフィル材が自己的に半導体チップ外周部に濡れ広がっていき、均一な幅のフィレットを形成する能力がアンダーフィル材に要求される。この能力をセルフフィレット性という。このセルフフィレット性は、アンダーフィル材の基材に対する濡れ性を向上させることによって改善される。そこでアンダーフィル材塗布前の半導体装置にプラズマ処理を行い、アンダーフィル材が接する場所を洗浄及び濡れ性改善させる方法が一般的に行われている。
特許第3351974号公報 特許第4492326号公報
しかしながら、このようなプラズマ処理によりアンダーフィル材が接するあらゆる場所の濡れ性が向上するために、アンダーフィル材の半導体チップ裏面への這い上がり現象や基板のソルダーレジスト上へのブリード現象が発生する恐れがある。前者の現象が起こると、熱放散性を高めるために半導体チップ裏面に設置するヒートシンクの接続に支障をきたすという問題、または単純に外観不良を起こすという問題が生じる。後者の現象が起こると、基板上の半導体チップ周辺にコンデンサ等の電子部品を後工程で半田接続する際に、基板上の接続部位までブリードが伸展し、該電子部品が搭載できないといった問題が生じる。
本発明の目的は、フリップチップ方式の半導体装置のアンダーフィル材においてセルフフィレット性に優れ、且つ耐ブリード性に優れる液状封止樹脂組成物を提供することである。
このような目的は、下記(1)〜(5)に記載の本発明により達成される。
(1)フリップチップ方式の半導体装置に用いる液状封止樹脂組成物において、(A)液状エポキシ樹脂、(B)芳香族アミン、(C)無機充填剤、(D)ポリエーテル基を有する液状シリコーン化合物、及び(E)アミノ基を有する液状シリコーン化合物を含有することを特徴とする液状封止樹脂組成物。
(2)(C)無機充填剤の含有量が10重量%以上80重量%以下であり、平均粒径が0.1μm以上3μm以下で、最大粒径は30μm以下である(1)に記載の液状封止樹脂組成物。
(3)(D)ポリエーテル基を有する液状シリコーン化合物の含有量が0.008重量%以上2.000重量%以下である(1)又は(2)に記載の液状封止樹脂組成物。
(4)(E)アミノ基を有する液状シリコーン化合物の含有量が0.001重量%以上0.600重量%以下である(1)から(3)のいずれかに記載の液状封止樹脂組成物。
(5)(1)から(4)のいずれかに記載の液状封止樹脂組成物を用いて封止した半導体装置。
本発明によれば、フリップチップ方式の半導体装置のアンダーフィル材においてセルフフィレット性に優れ、且つ耐ブリード性に優れる液状封止樹脂組成物を提供することができる。
本発明のフリップチップ方式の半導体装置の一例を示す断面概略図。 本発明のセルフフィレット性に優れる液状封止樹脂組成物で封止されたフリップチップ方式の半導体装置の一例を示す断面及び外観概略図。 セルフフィレット性の劣る液状封止樹脂組成物で封止されたフリップチップ方式の半導体装置の一例を示す断面及び外観概略図。 ソルダーレジスト上に塗布した液状封止樹脂組成物の液滴の周りに発生したブリードを示す外観概略図。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、フリップチップ方式の半導体装置に用いる液状封止樹脂組成物において、(A)液状エポキシ樹脂、(B)アミン硬化剤、(C)無機充填剤、(D)ポリエーテル基を有する液状シリコーン化合物、及び(E)アミノ基を有する液状シリコーン化合物を含有することを特徴とする液状封止樹脂組成物である。
本発明に用いる(A)液状エポキシ樹脂としては、一分子中にエポキシ基を2個以上有するものであれば特に分子量や構造は限定されるものではない。
例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、ジアミノジフェニルメタン型グリシジルアミン、アミノフェノール型グリシジルアミンなどの芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリフェノールプロパン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂などのアラルキル型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ジシクロペンタジエンオキシド、アリサイクリックジエポキシ−アジペイドなどの脂環式エポキシなどの脂肪族エポキシ樹脂が挙げられる。
さらに本発明の場合、芳香族環にグリシジル構造またはグリシジルアミン構造が結合した構造を含むエポキシ樹脂が耐熱性、機械特性、耐湿性が高くなる点からより好ましく、脂肪族または脂環式エポキシ樹脂は信頼性、特に接着性が低くなる点から使用する量を制限するほうがさらに好ましい。これらは単独でも2種以上混合して使用してもよい。
本発明の液状封止樹脂組成物は、室温で液状であるので、(A)エポキシ樹脂として、1種の(A)エポキシ樹脂のみを含む場合は、その1種の(A)エポキシ樹脂は、室温で液状であり、また、2種以上の(A)エポキシ樹脂を含む場合は、それら2種以上の(A)エポキシ樹脂全部の混合物が、室温で液状である。そのため、(A)エポキシ樹脂が、2種以上の(A)エポキシ樹脂の組合せの場合、(A)エポキシ樹脂は、全てが室温で液状のエポキシ樹脂の組合せであってもよく、あるいは、一部が室温で固形のエポキシ樹脂あっても他の室温で液状のエポキシ樹脂と混合することにより、混合物が室温で液状となるのであれば、室温で液状のエポキシ樹脂と室温で固形のエポキシ樹脂との組合せであってもよい。なお、(A)エポキシ樹脂が、2種以上のエポキシ樹脂が組合せの場合、必ずしも、使用する全てのエポキシ樹脂を混合してから、他の成分と混合して、液状封止樹脂組成物を製造する必要はなく、使用するエポキシ樹脂を別々に混合して、液状封止樹脂組成物を製造してもよい。本発明で、(A)エポキシ樹脂が、室温で液状であるとは、エポキシ樹脂成分(A)として使用する全てのエポキシ樹脂を混合した場合に、その混合物が室温で液状になるということである。
本発明において、室温とは25℃を指し、また、液状とは樹脂組成物が流動性を有していることを指す。
前記(A)エポキシ樹脂の含有量は、特に限定されないが、本発明の液状封止樹脂組成物全体の5重量%以上60重量%以下が好ましく、特に5重量%以上50重量%以下が好ましい。含有量が前記範囲内であると、反応性や組成物の耐熱性や機械的強度、封止時の流動特性に優れる。
本発明に用いる(B)アミン硬化剤とは、エポキシ樹脂を硬化し得るものであれば特に構造は限定されない。前記アミン硬化剤としては、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタミン、m−キシレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン脂肪族ポリアミン、イソフォロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ノルボルネンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサンなどの脂環式ポリアミン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジンなどのピペラジン型のポリアミン、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジエチルトルエンジアミン、トリメチレンビス(4−アミノベンゾエート)、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−P−アミノベンゾエートなどの芳香族ポリアミン類などが挙げられる。
これらのアミン硬化剤は、1種単独で用いても、2種以上の組合せでも良く、さらに半導体装置の封止用途を考慮すると、耐熱性、電気的特性、機械的特性、密着性、耐湿性が高くなる点から芳香族ポリアミン型硬化剤が一層好ましい。さらに本発明の液状封止樹脂組成物がアンダーフィルとして用いられることを踏まえると、室温(25℃)で液状を呈するものがより好ましい。
(B)アミン硬化剤の含有量は、特に限定されないが、液状封止樹脂組成物全体の5〜30重量%が好ましく、特に5〜20重量%が好ましい。含有量が前記範囲内であると、反応性や組成物の機械的特性や耐熱性などに優れる。
(A)エポキシ樹脂のエポキシ当量に対する(B)アミン硬化剤の活性水素当量の比は0.6〜1.4が好ましく、特に0.7〜1.3が好ましい。(B)アミン硬化剤の活性水素当量が前記範囲内であると、反応性や樹脂組成物の耐熱性が特に向上する。
本発明に用いる無機充填材(C)の材質としては、例えばタルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラスなどのケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ粉末、溶融シリカ(溶融球状シリカ、溶融破砕シリカ)、合成シリカ、結晶シリカなどのシリカ粉末などの酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトなどの炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウムなどの硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムなどのホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素などの窒化物などを用いることができる。
無機充填材(C)としては、平均粒径が0.1μmから3μmで、最大粒径が30μm以下であることが好ましい。
無機充填材(C)の平均粒径を測定する方法としては、例えばレーザー回折光散乱法によって求めた粒度分布から算術計算によって得られた数値などを用いることができる。 また最大粒径を測定する方法は、前述のような粒度分布計測によって得られた累積分布において累積値99%に達する粒径値、あるいは湿式篩法によって所定サイズの目開きの篩いで篩った際の篩い上残渣の割合が0.1%以下となる粒径値などを用いることができるが、後者のほうが実質的に過大な粒径の無機充填材を含まないので、詰まり防止の観点からいっそう好ましい。
本願の実施例では、平均粒径はレーザー回折光散乱法によって測定し、最大粒径は湿式篩法によって測定した。
これらの無機充填材は、単独でも混合して使用してもよい。これらの中でも樹脂組成物の耐熱性、耐湿性、強度などを向上できることから溶融シリカ、結晶シリカ、又は合成シリカ粉末が好ましい。無機充填材の形状は、平均粒径と最大粒径の範囲を逸脱しない限り特に限定されないが、粘度や流動特性の観点から形状は球状であることが好ましい。無機充填材の含有量は、前記液状封止樹脂組成物全体の10重量%以上80重量%以下が好ましく、特に20重量%以上78重量%以下が好ましい。含有量が前記下限値以上であると半導体装置の信頼性を向上させる効果が高くなり、前記上限値以下であると半導体装置の隙間に流動する際の詰まりを抑制する効果が高くなる。
液状封止樹脂組成物の濡れ性を向上させるために、本発明の液状封止樹脂化合物は界面活性剤として(D)ポリエーテル基を有する液状シリコーン化合物を含む。ポリエーテル基を有する液状シリコーン化合物とは1分子中にポリエーテル基を1つ以上有する液状シリコーン化合物であれば、特に分子量や構造は限定されるものではない。この場合、効果が大きいことからジメチルシロキサン結合を有する構造が望ましい。また官能基の位置はシリコーン化合物の末端及びまたは側鎖に存在してもよい。ポリエーテル基およびシリコーン骨格による表面張力の低下により濡れ性が向上する。濡れ性が向上することにより、液状封止樹脂組成物のセルフフィレット性も向上する。これらのポリエーテル基を有する液状シリコーン化合物は、例えば、市販品としてBYK−307、BYK−331、BYK−333、BYK−378(ビックケミー・ジャパン製商品名)、ポリフローKL−401、ポリフローKL−402(共栄社化学製商品名)等が入手可能である。
(D)ポリエーテル基を有する液状シリコーン化合物の含有量は、特に限定されないが、液状封止樹脂組成物全体の0.008〜2.000重量%が好ましい。含有量が前記下限値以上であると濡れ性を向上する効果が高くなり、含有量が前記上限値以下であると硬化後の樹脂組成物の密着性の低下を抑制できる。
フリップチップ方式の半導体装置において、液状封止樹脂組成物の半導体チップ裏面への這い上がり現象や基板のソルダーレジスト上へのブリード現象を防ぐために、本発明の液状封止樹脂化合物は界面活性剤として(E)アミノ基を有する液状シリコーン化合物を含む。アミノ基を有する液状シリコーン化合物とは1分子中にアミノ基を1つ以上有する液状シリコーン化合物であれば、特に分子量や構造は限定されるものではない。この場合、効果が大きいことからジメチルシロキサン結合を有する構造が望ましい。また官能基の位置はシリコーン化合物の末端及びまたは側鎖に存在してもよい。液状封止樹脂組成物がフリップチップ方式の半導体装置に塗布される際に、アミノ基を有する液状シリコーン化合物が液状封止樹脂組成物の表面へ移動し局在化することによってブリード現象等を防止する。これらのアミノ基を有する液状シリコーン化合物は、例えば、市販品としてKF−8010、KF−8012、X―22―161A、X―22―161B(信越化学工業製商品名)等が入手可能である。
(E)アミノ基を有する液状シリコーン化合物の含有量は、特に限定されないが、液状封止樹脂組成物全体の0.001〜0.600重量%が好ましい。含有量が前記下限値以上であるとブリード現象を防止する効果が高くなり、含有量が前記上限値以下であると硬化後の樹脂組成物の密着性の低下を抑制できる。
さらに(D)ポリエーテル基を有する液状シリコーン化合物及び(E)アミノ基を有する液状シリコーン化合物を併用することにより、液状封止樹脂組成物は良好な濡れ性を維持したまま、耐ブリード性を大幅に向上させることができる。耐ブリード性が大幅に向上する理由としては、アミノ基を有する液状シリコーン化合物が液状封止樹脂組成物の表面へ移動し局在化することによってブリードを防止する状態において、ポリエーテルを有する液状シリコーン化合物が液状封止樹脂組成物中の液状成分と固形成分の相溶性を高めることにより更にブリードを防止するという相乗効果によるものであり、(D)ポリエーテル基を有する液状シリコーン化合物と(E)アミノ基を有する液状シリコーン化合物を各々単独に配合した場合から想定される耐ブリード性よりも飛躍的な効果が得られる。
本発明の液状封止樹脂組成物には、(A)液状エポキシ樹脂、(B)硬化剤などの上述した各成分以外に、必要に応じてカップリング剤、低応力剤、希釈剤、顔料、難燃剤、レベリング剤、消泡剤などの添加剤を用いることができる。
本発明の液状封止樹脂組成物は、上述した各成分、添加剤などをプラネタリーミキサー、三本ロール、二本熱ロール、ライカイ機などの装置を用いて分散混練したのち、真空下で脱泡処理して製造することができる。
本発明の半導体装置は、本発明の液状封止樹脂組成物を用いて製造される。
具体的にはフリップチップ型半導体装置が挙げられる。フリップチップ型半導体装置とは、半導体チップに突起電極(バンプ)を形成して、このバンプによって配線基板と一括接合するフリップチップ接続と呼ばれる実装方法が採用した半導体装置である。チップオンチップ(COC)と呼ばれる半導体チップを多段に集積する方式の半導体装置においてもフリップチップ接続が適用され始めている。COCではチップと基板の間のみでなく、チップとチップの間の接続にもフリップチップ接続が用いられるようになってきた。
次に、半導体チップと基板とのギャップもしくは半導体チップと半導体チップとのギャップに本発明の液状封止樹脂組成物を充填する。充填する方法としては、毛細管現象を利用する方法が一般的である。具体的には、半導体チップの1辺に本発明の液状封止樹脂組成物を塗布した後、半導体チップと基板とのギャップもしくは半導体チップと半導体チップとのギャップに毛細管現象で流し込む方法、半導体チップの2辺に前記液状封止樹脂組成物を塗布した後、半導体チップと基板とのギャップもしくは半導体チップと半導体チップとのギャップに毛細管現象で流し込む方法、半導体チップの中央部にスルーホールを開けておき、半導体チップの周囲に本発明の液状封止樹脂組成物を塗布した後、半導体チップと基板とのギャップもしくは半導体チップと半導体チップとのギャップに毛細管現象で流し込む方法などが挙げられる。また、一度に全量を塗布するのではなく、2度に分けて塗布する方法なども行われる。また、ポッテッィング、印刷などの方法を用いることもできる。なお、半導体チップを搭載した基板に対して、液状封止樹脂組成物を充填する前に、プラズマ処理を行っても良い。プラズマ処理を行うことにより、半導体チップ及び基板の表面粗化が行われ、液状封止樹脂組成物の濡れ性や接着性が向上する。
次に、充填した本発明の液状封止樹脂組成物を硬化させる。硬化条件は、特に限定されないが、例えば100℃〜180℃の温度範囲で1〜12時間加熱を行うことにより硬化できる。さらに、例えば100℃で1時間加熱した後、引き続き150℃で2時間加熱するような、段階的に温度を変化させながら加熱硬化を行ってもよい。
このようにして、本発明の液状封止樹脂組成物の硬化物で封止されている半導体装置を得ることができる。
このようなフリップチップ型半導体装置には、BGA(Ball Grid Array)、POP(Package on Package)、COC(Chip on Chip)、CSP(Chip Scale Package)などの半導体装置が挙げられる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
1.液状封止樹脂組成物の製造
液状エポキシ樹脂(A)として、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を27.714重量%、アミン硬化剤(B)として、芳香族1級アミン型硬化剤を10.664重量%、無機充填剤(C)として平均粒径0.5μm、最大粒径24μmの球状シリカを60.000重量%、ポリエーテル基を有する液状シリコーン化合物(D)を0.139重量%、アミノ基を有する液状シリコーン化合物(E)を0.014重量%、シランカップリング剤としてエポキシシランカップリング剤を1.386重量%、着色剤を0.083重量%、を最終の配合量比となるように配合し、プラネタリーミキサーと3本ロールを用いて混合し、真空脱泡処理することにより液状封止樹脂組成物を得た。
2.半導体装置の製造
得られた液状封止樹脂組成物を用いて半導体装置を作成した。
得られた半導体装置の構造を図1に示す。予め基板1と半導体チップ2が半田バンプ3によってフリップチップ接続されている基板を用いた。半導体チップのサイズは10mm×10mm×0.2mmtで、基板のサイズは20mm×20mm×0.4mmtであった。半導体チップと基板とは、176個の半田バンプによりペリフェラル(外周部のみにバンプがある形状)に接合されており、半田バンプの高さは0.08mmであった。半導体チップの回路保護膜4には窒化珪素(SiN)が用いられ、基板上のソルダーレジスト5には太陽インキ社製のAUS308が用いられた。半田バンプの組成はSn/Ag/Cuであった。
上述の半導体チップが搭載された基板に液状封止樹脂組成物を充填する前にプラズマ処理を行った。プラズマ装置としては、March Plasma Systems社製AP−1000を用い、ガス種:Ar、ガス流量:50sccm、処理強さ:350W、処理時間:420s、ダイレクトプラズマモードの条件で処理を行った。
その後、上述の半導体チップが搭載された基板を110℃の熱板上で加熱し、半導体チップの一辺に液状封止樹脂組成物を12mgディスペンスし、ギャップ内を充填させ、150℃のオーブンで120分間液状封止樹脂組成物6を加熱硬化し、半導体装置を得た。
3.評価項目
得られた液状封止樹脂組成物および半導体装置について、以下の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(a)フィレット均一性
上記の半導体装置の液状封止樹脂組成物をディスペンスした辺のフィレット6aの幅に対するディスペンスした辺と対辺となるフィレット6bの幅の比を測定し、フィレット均一性の評価を行った。フィレット6aの幅、フィレット6bの幅は、それぞれの辺の中央部の部分のフィレットの幅を測定した。
各符号は、以下の通りである。
○:フィレット幅の比が50%以上
×:フィレット幅の比が50%未満
(b)接触角
上記液状封止樹脂組成物の硬化温度(150℃)における接触角(θ)を測定した。接触角(θ)は、θ/2法(液滴法)JIS R3257に準拠し、ソルダーレジスト(AUS308)表面に対する接触角を求めた。ソルダーレジストは液状封止樹脂組成物を塗布する前にプラズマ処理を行った。プラズマ装置としては、March Plasma Systems社製AP−1000を用い、ガス種:Ar、ガス流量:50sccm、処理強さ:350W、処理時間:420s、ダイレクトプラズマモードの条件で処理を行った。
(c)耐ブリード性
上記接触角測定の際に液状封止樹脂組成物の液滴の周りに発生したブリードの距離の最大値を測定し、耐ブリード性の評価を行った。各符号は、以下の通りである。
◎:ブリード距離が0.15mm未満
○:ブリード距離が0.15mm以上、0.25mm未満
×:ブリード距離が0.25mm以上
(d)リフロー試験
リフロー試験の試験方法としては、上記の半導体装置をJEDECレベル3の吸湿処理(30℃相対湿度60%で168時間処理)を行った後、IRリフロー処理(ピーク温度260℃)を3回行い、超音波探傷装置にて半導体装置内部での液状封止樹脂組成物の剥離の有無を確認した。
(e)温度サイクル試験
温度サイクル試験としては、上記のリフロー試験を行った半導体装置に(−55℃/30分)と(125℃/30分)の冷熱サイクル処理を施し、250サイクル毎に超音波探傷装置にて半導体装置内部の半導体チップと液状封止樹脂組成物界面の剥離の有無を確認した。上記温度サイクル試験は最終的に1000サイクルまで実施した。
[実施例2]
液状封止樹脂組成物の配合を変えた以外は、実施例1と同様にした。液状封止樹脂組成物の詳細な配合および評価結果を表1にまとめた。
[比較例1〜2]
液状封止樹脂組成物の配合を変えた以外は、実施例1と同様にした。液状封止樹脂組成物の詳細な配合および評価結果を表1にまとめた。比較例は、作製した半導体装置の外観に問題があったため、リフロー試験と温度サイクル試験を実施しなかった。
実施例および比較例では、以下の材料を使用した。
・ビスフェノールF型エポキシ樹脂:日本化薬(株)製、RE−403S、ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂、エポキシ当量165
・芳香族1級アミン型硬化剤:日本化薬(株)製、カヤハード−AA、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、アミン当量63.5
・無機充填材(合成球状シリカ):(株)アドマテックス製、アドマファインSO−E2/24C、合成球状シリカ、平均粒径0.5μm、最大粒径24μm
・ポリエーテル基を有する液状シリコーン化合物:ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−307
・アミノ基を有する液状シリコーン化合物:信越化学工業(株)製、KF−8010
・カップリング剤: 信越化学工業(株)製、KBM−403E、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
・着色剤:三菱化学(株)製、MA−600、カーボンブラック
Figure 2012107149
本発明において、実施例1、2は液状封止樹脂組成物が基板に対する濡れ性が良好で、セルフィフィレット性に優れるために半導体装置はフィレット均一性に優れ、なおかつ耐ブリード性にも優れ、信頼性も良好であった。
比較例1は液状封止樹脂組成物のセルフフィレット性が悪かった。比較例2は液状封止樹脂組成物の耐ブリード性が悪かった。
1 基板
2 半導体チップ
3 半田バンプ
4 回路保護膜(窒化珪素)
5 ソルダーレジスト
6 液状封止樹脂組成物
6a 液状封止樹脂組成物をディスペンスした辺のフィレット
6b ディスペンスした辺と対辺となるフィレット
7 ブリード

Claims (5)

  1. フリップチップ方式の半導体装置に用いる液状封止樹脂組成物において、(A)液状エポキシ樹脂、(B)芳香族アミン、(C)無機充填剤、(D)ポリエーテル基を有する液状シリコーン化合物、及び(E)アミノ基を有する液状シリコーン化合物を含有することを特徴とする液状封止樹脂組成物。
  2. (C)無機充填剤の含有量が10重量%以上80重量%以下であり、平均粒径が0.1μm以上3μm以下で、最大粒径は30μm以下である請求項1に記載の液状封止樹脂組成物。
  3. (D)ポリエーテル基を有する液状シリコーン化合物の含有量が0.008重量%以上2.000重量%以下である請求項1又は2に記載の液状封止樹脂組成物。
  4. (E)アミノ基を有する液状シリコーン化合物の含有量が0.001重量%以上0.600重量%以下である請求項1から3のいずれか一項に記載の液状封止樹脂組成物。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の液状封止樹脂組成物を用いて封止した半導体装置。

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