JP2012104799A - セラミック基板 - Google Patents

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Tetsuo Kanamori
哲雄 金森
Yoichi Moriya
要一 守屋
Takahiro Takada
隆裕 高田
Junzo Fukuda
順三 福田
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Abstract

【課題】内周面の平滑性が高い側壁部を有するキャビティを備えるセラミック基板を提供する。
【解決手段】セラミック基板は、底壁部と、底壁部に積層され、底壁部と併せてキャビティを形成する側壁部とを備え、側壁部の内周面は、キャビティの開口側に向けて拡大するように傾斜している。側壁部は第1のセラミック層と第2のセラミック層とが積層されてなり、第1のセラミック層と第2のセラミック層の少なくとも一方が、端部が前記内周面に露出せず、側壁部の内部に存在する。第2のセラミック層は、第1のセラミック層の収縮終了温度以下では収縮しないものであり、例えば、第1のセラミック層よりも、1000℃以下で焼結しない難焼結性セラミック粉末を多く含んでいる。
【選択図】 図1

Description

本発明はセラミック基板に関するもので、特に、発光素子を搭載するためのキャビティを備えるセラミック基板に関するものである。
近年、照明やディスプレイのバックライト等に、LED等の発光デバイスが使用されている。
発光デバイスは、発光素子と、発光素子を搭載するパッケージ基板とを備えている。パッケージ基板の材料としては、樹脂やセラミック等が用いられている。その中でもセラミックは耐熱性に優れるため、セラミック基板は発光デバイスのパッケージ基板として好ましい。
発光デバイスのパッケージ基板として用いるセラミック基板には、発光素子を搭載するためのキャビティが設けられている。キャビティは、発光素子を搭載するとともに発光素子が発する光を前方に反射させる役割を担っており、効率よく光を反射させるために、キャビティの側壁を構成する側壁部の内周面はキャビティの開口側に向かって拡大するように傾斜している。このパッケージ基板の反射効率は、発光デバイスの発光効率に大きく影響するため、パッケージ基板の反射効率を高めるために内周面の傾斜をいかに平滑に形成できるかが重要となる。この点について従来から様々な技術が開発されている。
例えば、特開2007−95973号公報(特許文献1)には、斜面の傾斜角度に対応している金型を用いて、セラミックグリーンシートにプレス加工を施して、セラミックグリーンシートの貫通穴に金型の凸部を圧入せしめることで、平滑な内周面を所望の角度に形成することが可能な電子部品用のパッケージの製造方法が開示されている。
特開2007−95973号公報
ところが、特許文献1の方法では、焼成前のセラミックグリーンシートの状態では平滑な斜面を形成できるものの、焼成後も内周面の平滑性を維持することが難しい。なぜなら、セラミックグリーンシートは焼成過程において収縮するため、焼成収縮により内周面が変形するおそれがあるからである。
そこで、本発明は、上述の課題を解決し、内周面の平滑性が高い側壁部を有するキャビティを備えるセラミック基板を提供することを目的とする。
本発明に係るセラミック基板は、底壁部と、底壁部に積層され、底壁部と併せてキャビティを形成する側壁部とを備えている。また、側壁部の内周面は、キャビティの開口側に向けて拡大するように傾斜している。
そして、上述の課題を解決するために、本発明に係る第1のセラミック基板は、側壁部が、第1のセラミック層と、第1のセラミック層の収縮終了温度以下では収縮しない第2のセラミック層とを積層してなることを特徴としている。また、第1のセラミック層と第2のセラミック層の少なくとも一方が、端部が内周面に露出せず、側壁部の内部に存在することを特徴としている。
ここで、第1のセラミック層の収縮終了温度以下では収縮しない第2のセラミック層は、第2のセラミック層の収縮開始温度が第1のセラミック層の収縮終了温度より高いことが好ましく、さらには、焼成過程において第2のセラミック層が収縮開始温度に達しないことが好ましい。
また、本発明に係る第2のセラミック基板は、上述の課題を解決するために、第1のセラミック層が1000℃以下で焼結するガラスセラミックからなり、第2のセラミック層が、第1のセラミック層よりも、1000℃以下で焼結しない難焼結性セラミック粉末を多く含んでいることを特徴としている。また、第2のセラミック層の端部が内周面に露出せず、側壁部の内部に存在することを特徴としている。
難焼結性セラミック粉末としては、例えばアルミナ粉末やジルコニア粉末が挙げられる。
また、本発明に係るセラミック基板では、第1のセラミック層または第2のセラミック層の、側壁部の内部に存在する端部から内周面までの最短距離が140μm以上220μm以下であることが好ましい。
また、本発明に係るセラミック基板では、キャビティが、発光素子を搭載するためのものであることが好ましい。
また、本発明に係るセラミック基板では、内周面の全面が同一のセラミック材料で構成されていることが好ましい。
さらに、本発明に係るセラミック基板は、側壁部の内部に、内周面に沿って平行に電極が形成されていることが好ましく、特に、電極が銀を含むことが好ましい。
本発明に係る第1のセラミック基板によれば、側壁部が、第1のセラミック層と、第1のセラミック層の収縮終了温度以下では収縮しない第2のセラミック層とを積層してなるため、側壁部の寸法精度を高くすることができる。また、第1のセラミック層と第2のセラミック層の少なくとも一方は、端部が内周面に露出せず、側壁部の内部に存在するため、収縮挙動の異なるセラミック層の界面に応力が集中して内周面に角が生じるのを抑制することができる。そのため、本発明に係るセラミック基板は、キャビティを構成する側壁部の内周面の平滑性が高い。
また、本発明に係る第2のセラミック基板によれば、第1のセラミック層が1000℃以下で焼結するガラスセラミックからなり、第2のセラミック層が、第1のセラミック層よりも、1000℃以下で焼結しない難焼結性セラミック粉末を多く含んでいるため、焼成後の側壁部の寸法精度を高くすることができる。また、第2のセラミック層の端部が内周面に露出せず、側壁部の内部に存在するため、収縮挙動の異なるセラミック層の界面に応力が集中して内周面に角が生じるのを抑制することができる。そのため、本発明に係るセラミック基板は、キャビティを構成する側壁部の内周面の平滑性が高い。
また、第1のセラミック層または第2のセラミック層の、側壁部の内部に存在する端部から内周面までの最短距離が140μm以上220μm以下であると内周面の平滑性をさらに高めることができる。
また、キャビティが、発光素子を搭載するためのものであると、平滑性の高い内周面によって、発光素子から発する光の反射効率を向上させることができる。
さらに、内周面の全面が同一のセラミック材料で構成されていると、場所によって反射ばらつきが生じないため、反射効率をさらに高めることができる。
また、側壁部の内部に、内周面に沿って平行に電極が形成されていると、電極が反射層として機能し、光の反射効率をさらに向上させることができる。特に、電極が銀を含む場合には、電極が側壁部の内部に形成されており、基板表面に露出していないため、空気中の硫黄ガス等の影響によって銀が硫化されて反射効率が低下するのを防止することができる。
本発明の実施例1に係るセラミック基板の断面図である。 本発明の実施例1に係るセラミック基板の製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の実施例1に係るセラミック基板の製造方法の一工程を示し、図2に示す工程の後の工程を示す断面図である。 本発明の実施例3に係るセラミック基板の断面図である。
以下、本発明の実施例について説明する。
図1は、本発明の実施例1に係るセラミック基板1の断面図である。
セラミック基板1は、底壁部3と、底壁部4に積層された側壁部4とを備えている。側壁部4は積層方向に貫通する貫通穴を有しており、底壁部3と側壁部4によってキャビティ2が形成されている。側壁部4の内周面5は、キャビティ2の開口側に向けて拡大するように傾斜している。底壁部3と側壁部4は、それぞれ第1のセラミック層6と第2のセラミック層7とが積層されてなる。
キャビティ2は、例えば、底面に発光素子を搭載するとともに、側面によって発光素子の発する光を前方に反射するために用いられる。
底壁部3は、キャビティ2の底面を構成するためのものである。底壁部3は、1種類のセラミック層から構成されていてもよい。底壁部3と側壁部4とを同時焼成する場合には、第1のセラミック層6と第2のセラミック層7とが積層されていることが好ましい。底壁部2と側壁部3との収縮率を近似させることにより、基板全体の反りや、底壁部2と側壁部3との界面でデラミネーションやクラックが発生することを抑制することができるからである。
側壁部4は、キャビティ2の側面を構成するためのものである。側壁部4は、第1のセラミック層6と第2のセラミック層7とが積層されていなければならない。
また、側壁部4における第2のセラミック層7の端部8は、側壁部4の内周面5に露出せず、側壁部4の内部に存在している。内周面5に収縮挙動の異なるセラミック層の界面が存在すると、応力集中により角が生じるからである。
内周面5は、発光素子が発する光を前方に反射させるために、キャビティ2の開口側に向けて拡大するように傾斜している。
内周面5は、全面が同一のセラミック材料で構成されていることが好ましい。材料が異なれば反射率も異なるため、内周面5を構成する材料が場所によって異なると、反射ばらつきが生じて反射効率が低下するからである。本実施例では、図1に示すように、内周面5は全面が第1のセラミック層6で構成されている。なお、内周面5は、第1のセラミック層6と第2のセラミック層7とも異なる第3のセラミック層で構成されていてもよい。
第1のセラミック層6は、例えば1000℃以下で焼結可能なガラスセラミックからなる。この場合、底壁部3や側壁部4の内部にAg等の低抵抗金属からなる配線導体を形成することが可能になる。特に、発光素子の直下に放熱用のサーマルビアを形成すれば、放熱性に優れるセラミック基板を得ることができる点で好ましい。
第2のセラミック層7は、第1のセラミック層6の収縮終了温度では収縮しない材料からなる。本実施例では、第2のセラミック層7が焼成過程で収縮しないようにするため、1000℃以下で焼結しない難焼結性セラミック粉末を第1のセラミック層6よりも多く含むセラミック材料を用いた。難焼結性セラミック粉末としては、アルミナ粉末やジルコニア粉末を用いることができる。また、本実施例における第2のセラミック層7は、単独では焼結しないため、第1のセラミック層6に含まれるガラス成分が流動することによって緻密化される必要がある。そのため、第2のセラミック層7は第1のセラミック層6よりも薄い。
次いで、本発明の実施例に係るセラミック基板1の製造方法について、図2および図3を参照しながら説明する。
まず、第1のセラミックグリーンシート6aを準備する。
本実施例では、CaO−Al23−SiO2−B23からなるガラスフリットと平均粒径2μmからなるアルミナ粉末をボールミルで混合粉砕し、ガラスセラミック原料を作製した。そして、このガラスセラミック原料に、有機バインダー、可塑剤、溶剤をボールミルで混合して第1のセラミックスラリーを作製し、PETフィルム上にドクターブレード法で厚さ200μmの第1のセラミックグリーンシート6aを作製した。
次に、第2のセラミックグリーンシート7aを準備する。
本実施例では、平均粒径1μmからなるジルコニア粉末に有機バインダーと溶剤をボールミルで混合し第2のセラミックスラリーを作製し、PETフィルム上にドクターブレード法で厚さ10μmの第2のセラミックグリーンシート7aを作製した。本実施例で用いたセラミック材料は難焼結性セラミック材料であるジルコニア粉末のみを用いたため、第2のセラミックグリーンシート7aは単独では焼結しない。
また、本実施例では、第2のセラミックグリーンシート7aの厚みを10μmと薄くしたため、ハンドリング等の作業性の観点から、第1のセラミックグリーンシート6aと第2のセラミックグリーンシート7aからなる複合シートを作製した。具体的には、第1のセラミックグリーンシート6aと第2のセラミックグリーンシート7aを金型にいれて、ホットプレートで加熱した後、1軸油圧プレス機にて10回連続プレスして第1のセラミックグリーンシート6aと第2のセラミックグリーンシート7aを接着し、複合シートを作製した。接着後、第1のセラミックグリーンシート6a側のキャリアフィルムを剥がした。
そして、この複合シートを5枚積層し、圧着して底壁部用積層体を作製した。
また、側壁部用積層体4aを以下のようにして作製した。
まず、上述の複合シートに、レーザーパンチャーにて貫通孔を形成する。そして、図2に示すように、貫通孔を有する複合シートを貫通孔の小さい順に積層して圧着した後、静水圧プレス用の金型サイズにカットして階段状の貫通孔を有する中間積層体9を作製する。本実施例では、孔径が異なる9種類の複合シートを用意し、貫通孔の孔径が小さい順に1枚ずつ、合計9枚積層した。
次に、中間積層体9にカバー用セラミックグリーンシート10を積層することで、カバー用セラミックグリーンシート10によって中間積層体9の階段状の段差を吸収させるとともに、第2のセラミックグリーンシート7aの端部8が内周面5に露出しないようにする。
具体的には、図2に示すように、底と壁のあるU字型の静水圧プレス用の金型11の開口部に、PETフィルム12、中間積層体9、カバー用セラミックグリーンシート10、PPフィルム13、発砲ゴム14を順に嵌め込んでセットする。セットした金型11の両面に金型11の開口部より一回り大きいシリコンゴム15で覆い、これを真空パック袋に挿入し、真空パック機でパッキングする。パックした試料を静水圧プレス機に投入して全体から圧力を加えると、図3に示すように、金型11の内部には矢印の方向から圧力がかかり、中間積層体9がカバー用セラミックグリーンシート10によって覆われる。最後に、最下層の第1のセラミックグリーンシート6aの貫通穴の内側に沿ってカバー用セラミックグリーンシート10を打ち抜いて、貫通穴を有する側壁部用積層体4aを作製する。本実施例では、カバー用セラミックグリーンシート10として第1のセラミックグリーンシート6aを用いた。
そして、底壁部用積層体に、側壁部用積層体を積層し、圧着して未焼成のセラミック積層体を作製する。
最後に、未焼成のセラミック積層体を焼成して、セラミック基板1を作製する。本実施例では、トップ温度900℃で焼成した。以上の工程を経て、セラミック基板1が得られる。
なお、底壁部3や側壁部4の内部に配線導体が形成されていると、配線パターンの位置によって焼成工程における収縮率は大きく影響されるため、焼成後の内周面5には凹凸が生じやすい。本発明の構成によれば、側壁部3や側壁部4の内部に配線導体を形成したとしても、内周面5の平滑性を高くすることができる。また、焼成過程において第1のセラミックグリーンシート6aは平面方向に収縮しない分、積層方向に50%程度収縮するため、未焼成の積層体の状態からキャビティの平面方向の大きさを変えずに内周面の傾斜角度を緩やかにすることが可能となる。そのため、本発明によれば、内周面の傾斜角度の調整が容易である。
実施例2では、第2のセラミック層7の端部8から内周面5までの最短距離が、内周面5の平滑性に与える影響を確認するため、内周面5を形成するカバー用セラミックグリーンシート10の厚みを100μm、200μm、250μm、300μm、400μmの5種類用意し、その他の条件は実施例1と同様にしてセラミック基板1を作製した。焼成後の第2のセラミック層7の端部8から内周面5までの最短距離は、それぞれ70μm、140μm、180μm、220μm、280μmであった。
これらの試料をマイクロスコープVHX−600(キーエンス製)を用い、倍率200倍にして確認した。
その結果、第2のセラミック層7の端部8から内周面5までの最短距離が70μmの試料では、内周面5に微小な角が発生していることが確認できた。これは、カバー用セラミックグリーンシート10の厚みが薄いため、中間積層体9の階段状の段差を吸収できなかったことと、第1のセラミックグリーンシート6aと第2のセラミックグリーンシート7aとの界面に生じる応力がカバー用セラミックグリーンシート10の収縮に影響したものと推察される。
また、第2のセラミック層7の端部8から内周面5までの最短距離が280μmの試料では,内周面5に微小な角は発生していなかったが、内周面5全体が盛り上がるような、うねりが生じていることが確認できた。これは、第2のセラミックグリーンシート7aから内周面5までの距離が遠いため、第2のセラミックグリーンシート7aによるカバー用セラミックグリーンシート10の収縮抑制効果が弱かったためであると推察される。
一方、第2のセラミック層7の端部8から内周面5までの最短距離が140μm、180μm、220μmの試料では、内周面5に微小な角やうねりは生じていなかった。
よって、第2のセラミック層7の端部8から内周面5までの最短距離が140μm以上220μm以下であれば内周面5の平滑性を、特に、高くすることができる。
なお、実施例2では、第2のセラミック層7の端部8から内周面5までの最短距離が140μm以上220μm以下であれば特に良い効果が得られることを確認したのであって、上述の最短距離が140μm未満や220μmを超えるものについても、従来のセラミック基板に比べると内周面は高い平滑性を有しており、本発明の範囲内であることは言うまでもない。
図4は、本発明の実施例3に係るセラミック基板21の断面図である。
実施例3に係るセラミック基板21は、側壁部24の内部に、内周面25に沿って平行に電極20が形成されていることが特徴である。その他の点については実施例1に係るセラミック基板1と同様であるため省略する。
電極20は、発光素子の発する光を前方に反射するための反射層として機能する。
電極20の材料が銀を含む場合には、特に反射効率を高くすることができる。また、銀電極が内周面25に露出していると、空気中に含まれる硫黄ガス等によって電極が硫化されて反射効率が低下してしまうが、本実施例のセラミック基板21は、内周面25が第1のセラミック層26で構成されており、電極20が側壁部24の内部に形成されているため、電極の硫化による反射効率の低下を防止することができる。さらに、電極20は、内周面25に沿って平行に形成されているため、内周面25が吸収する光を効率的に反射させることができる。
次いで、実施例3に係るセラミック基板21の製造方法について、実施例1と異なる点のみを説明する。
実施例3では、中間積層体にカバー用セラミックグリーンシートを積層する際に、カバー用セラミックグリーンシートの上に導電性ペーストを塗布して導電膜を形成し、さらに導電膜の上から別のカバー用セラミックグリーンシートを積層した。こうすることで、2層のカバー用セラミックグリーンシートの内部に導電膜を存在させることができる。なお、導電性ペーストとしては、種々の公知のものを用いることができるが、実施例3では、平均粒径3μmの銀粉末と、有機バインダーとしてのエチルセルロース、溶剤としてのテルピネオールを3本ロールで混合して作製した。
そして、この導電膜を内在させたカバー用セラミックグリーンシートを中間積層体に積層する。その後の工程は、実施例1と同様である。
この製造方法によれば、側壁部24の内周面25に沿って平行に電極20を形成することができる。特に、側壁部24の内周面25は光の反射効率において重要となるため、実施例3のセラミック基板21によれば、光の反射効率をさらに向上させることができる。
実施例3の効果を確認するために、電極を側壁部の内部に形成した場合、側壁部の表面に形成した場合、電極を形成しなかった場合の3つの試料について焼成直後の光反射率を測定したところ、それぞれ89%、81%、84%となり、電極を側壁部の内部に形成した場合が最も光反射率が高くなることが確認できた。なお、測定機は島津製作所社製UV−VIS2500PCを用い、測定波長550nmで全反射値を測定した。
また、各試料を25℃の0.01%硫化ナトリウム水溶液に1時間浸漬する硫化試験後に、光反射率を測定したところ、電極を側壁部の内部に形成した場合の光反射率が88%、側壁部の表面に形成した場合の光反射率が28%、電極を形成しなかった場合の光反射率が83%であった。よって、電極を側壁部の表面に形成した場合は硫化試験後に光反射率が大きく低下したのに対し、電極を側壁部の内部に形成した場合は硫化試験後も高い光反射率を維持できることが確認できた。
したがって、電極を側壁部の内部に形成した実施例3のセラミック基板21では、焼成直後の光反射率が高く、また、硫化試験後にも光反射率を維持できる。
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
例えば、第2のセラミック層は、必ずしも単独で焼結しないものである必要はない。具体的には、第1のセラミック層の収縮終了後に収縮が開始するように、第1のセラミック層とはガラス転移点が異なるガラスセラミックを用いてもよい。この場合、第1のセラミック層が収縮しようとする温度領域では、第2のセラミック層が第1のセラミック層の平面方向への収縮を抑制し、第2のセラミック層が収縮しようとする温度領域では、焼結済の第1のセラミック層が第2のセラミック層の平面方向への収縮を抑制するため、全体として収縮率が小さく、寸法精度を高くすることができる。
ただし、この場合、第1のセラミック層と第2のセラミック層がお互いに収縮を抑制し合うため、第2のセラミック層が第1のセラミック層の収縮を抑制する実施例1の構成に比べて、第1のセラミック層と第2のセラミック層の界面により強い応力が発生しやすい。そのため、内周面の平滑性を向上させるためには、実施例1の構成が好ましい。
上記の変形例のように、第2のセラミック層が単独で焼結するものである場合、第2のセラミック層が内周面を構成していてもよい。実施例1の場合、第2のセラミック層は、単独では焼結せず、第1のセラミック層に含まれるガラス材料が流動することによって緻密化される必要があるため、カバー用セラミックグリーンシートとして第2のセラミックグリーンシートを用いた場合、第2のセラミック層を緻密化させることが難しい。これに対し、上述の変形例の場合は、第1のセラミック層と第2のセラミック層も単独で焼結するものであるため、どちらが内周面を構成してもよい。
また、指向性の高い発光デバイスとするために、セラミック基板の内周面にAg等の電極を形成してもよい。なお、本発明に係るセラミック基板の構造は、内周面に電極を形成する場合にも有効な構造である。すなわち、内周面に第1のセラミック層と第2のセラミック層の両方が露出していると、両者の材料の違いから、場所によってAgの拡散量が異なり、結果的にAg電極の表面に色むらが生じてしまう。しかし、本発明に係るセラミック基板の構造によれば、Ag電極の表面に色むらの発生を抑制し、反射効率を向上させることができる。
1 セラミック基板
2 キャビティ
3 底壁部
4 側壁部
5 内周面
6 第1のセラミック層
7 第2のセラミック層
8 端部
9 中間積層体
10 カバー用セラミックグリーンシート
20 電極

Claims (7)

  1. 底壁部と、前記底壁部に積層され、前記底壁部と併せてキャビティを形成する側壁部とを備えるセラミック基板であって、
    前記側壁部の内周面は、キャビティの開口側に向けて拡大するように傾斜しており、
    前記側壁部は、第1のセラミック層と、前記第1のセラミック層の収縮終了温度以下では収縮しない第2のセラミック層とを積層してなり、
    前記第1のセラミック層と前記第2のセラミック層の少なくとも一方は、端部が前記内周面に露出せず、側壁部の内部に存在する、セラミック基板。
  2. 底壁部と、前記底壁部に積層され、前記底壁部と併せてキャビティを形成する側壁部とを備えるセラミック基板であって、
    前記側壁部の内周面は、キャビティの開口側に向けて拡大するように傾斜しており、
    前記側壁部は、第1のセラミック層と、前記第2のセラミック層とを積層してなり、
    前記第1のセラミック層はガラスセラミックからなり、
    前記第2のセラミック層は、前記第1のセラミック層よりも、1000℃以下で焼結しない難焼結性セラミック粉末を多く含み、
    前記第2のセラミック層は、端部が前記内周面に露出せず、側壁部の内部に存在する、セラミック基板。
  3. 前記第1のセラミック層または前記第2のセラミック層の、側壁部の内部に存在する端部から前記内周面までの最短距離が140μ以上220μm以下である、請求項1または2に記載のセラミック基板。
  4. 前記キャビティは、発光素子を搭載するためのものである、請求項1ないし3のいずれかに記載のセラミック基板。
  5. 前記内周面は、全面が同一のセラミック材料で構成されている、請求項1ないし4のいずれかに記載のセラミック基板。
  6. 前記側壁部は、その内部に、内周面に沿って平行に電極が形成されている、請求項1ないし5のいずれかに記載のセラミック基板。
  7. 前記電極は、銀を含む、請求項6に記載のセラミック基板。
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Citations (4)

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