JP2012093482A - 近赤外反射フィルム及び近赤外反射体 - Google Patents

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【課題】近赤外反射率及び可視光透過率が高く、膜面均一性、耐久性に優れた近赤外反射フィルム及びそれを設けた近赤外反射体を提供する。
【解決手段】基材上に、高屈折率層と低屈折率層から構成されるユニットを有し、該高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が0.1以上であり、該高屈折層及び低屈折率層の少なくとも1層が、A)アミノカルボン酸類、アミノポリカルボン酸、ピリジン誘導体及びコラーゲンペプチド類から選ばれる少なくとも1種の化合物Aで表面を被覆した金属酸化物粒子、B)水溶性高分子、及びC)アセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤、4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤及びフッ素系カチオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含有することを特徴とする近赤外反射フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、近赤外反射性、可視光透過性及び耐久性に優れた近赤外反射フィルムと、近赤外反射フィルムを設けた近赤外反射体に関するものである。
近年、省エネルギー対策への関心の高まりから、冷房設備にかかる負荷を減らす観点から、建物や車両の窓ガラスに装着させて、太陽光の熱線の透過を遮断する近赤外反射フィルムの要望が高まってきている。
近赤外反射フィルムの形成方法としては、主には、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層させた構成からなる積層膜を、蒸着法、スパッタ法などのドライ製膜法を用いて形成する方法が提案されている。しかし、ドライ製膜法は、形成に用いる真空装置等が大型になり、製造コストが高く、大面積化が困難であり、しかも、基材として耐熱性素材に限定される等の課題を抱えている。
上記のような課題を有しているドライ製膜法に代えて、湿式塗布法を用いて近赤外反射フィルムを形成する方法が知られている。
例えば、金属酸化物や金属化合物微粒子を含む熱硬化型シリコーン樹脂や紫外線硬化型アクリル樹脂を有機溶媒中に分散させた屈折率層塗布液を、バーコーターを用いた湿式塗布方式により基材上に塗布して透明積層体を形成する方法(例えば、特許文献1参照。)や、ルチル型の酸化チタン、複素環系窒素化合物(例えば、ピリジン)、紫外線硬化型バインダー及び有機溶剤から構成される屈折率塗膜形成用組成物を、バーコーターを用いた湿式塗布方式により基材上に塗布して透明積層体を形成する方法(例えば、特許文献2参照。)が開示されている。
また、産業分野は異なるが、A)天然水溶性増粘多糖類(例えば、キサンタンガム、ガラクトマンナン等)、b)親水性金属酸化物粒子(例えば、シリカ粒子等)、C)各種界面活性剤(例えば、非イオン系、カチオン系、両性イオン系、フッ素系等)及びD)溶剤から構成され、窓ガラス等の結露を防止する親水性コーティング組成物が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開平8−110401号公報 特開2004−123766号公報 特開2004−143443号公報
しかしながら、上記特許文献1、2で開示されている方法では、屈折率層形成用塗布液は、主には、有機溶剤を主媒体として調製されているため、屈折率層塗布液調製時、塗布時及び乾燥時に、多量の有機溶剤を飛散させることになり、環境上、安全上の課題を抱えている。
有機溶剤を含む塗布液が抱えている上記環境問題に対し、水系塗布液を適用する方法が考えられるが、水系塗布液では使用する金属酸化物粒子同士が凝集を起こしやすく、例えば、単に界面活性剤等を添加しただけでは、容易にこの金属酸化物粒子の凝集を解消することができない。
また、特許文献2に記載のように、金属酸化物粒子の表面を含窒素複素環化合物で被覆しても、塗布性の向上を目的として界面活性剤を使用する場合には、その界面活性剤の種類によっては、粒子表面電荷を消失させ、金属酸化物粒子の凝集を引き起こし、形成した塗膜表面が不均一になり、ヘイズ(曇り)の上昇を招く結果となる。また、この様な不安定な方法で形成した塗膜を長期間にわたり保存した際には、更なるヘイズの上昇と、屈折率変動を起こしやすいという課題を抱えている。
一方、特許文献3に記載されている親水性コーティング組成物は、結露を防止するために、ガラス基材表面に親水性を付与することを目的とするものであるが、組成物中での天然水溶性増粘多糖類の濃度が非常に低く、また親水性金属酸化物粒子に対するバインダーの比率が低いため、ガラス基材表面に親水性金属酸化物粒子が突出し、単層として形成する場合にはヘイズ値は低く抑えることはできるが、本発明のような屈折率が異なる層を交互に積層させるような構成では、層間の界面が乱れ、均一性の高い膜を形成することができない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、水系の屈折率形成用塗布液を用い、近赤外反射率及び可視光透過率が高く、膜面均一性、耐久性(ヘイズ耐性、耐着色性)に優れた近赤外反射フィルム及び近赤外反射フィルムを設けた近赤外反射体を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.基材上に、高屈折率層と低屈折率層から構成されるユニットを少なくとも1つ有し、該高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が0.1以上である近赤外反射フィルムにおいて、該高屈折層及び低屈折率層の少なくとも1層が、A)アミノカルボン酸類、アミノポリカルボン酸、ピリジン誘導体及びコラーゲンペプチド類から選ばれる少なくとも1種の化合物Aで表面を被覆した金属酸化物粒子、B)水溶性高分子、及びC)アセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤、4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤及びフッ素系カチオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含有することを特徴とする近赤外反射フィルム。
2.前記化合物Aが、下記一般式(1)または(2)で表される部分構造を有することを特徴とする前記1に記載の近赤外反射フィルム。
Figure 2012093482
3.前記化合物Aが、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする前記1または2に記載の近赤外反射フィルム。
Figure 2012093482
〔式中、Zは炭素原子、炭素原子と共に5員環または6員環を形成するのに必要な原子群を表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウム基を表し、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルカルボンアミド基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、スルホニル基、アミノ基、ヒドロキシ基または複素環基を表す。nは0〜4の整数を表す。〕
4.前記B)水溶性高分子が、反応性官能基を有するポリマー、無機ポリマー、増粘多糖類及びゼラチンから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする前記1から3のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルム。
5.前記界面活性剤が、アセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤であることを特徴とする前記1から4のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルム。
6.基体の少なくとも一方の面側に、前記1から5のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルムを有することを特徴とする近赤外反射体。
本発明により、水系の屈折率形成用塗布液を用い、近赤外反射率及び可視光透過率が高く、膜面均一性、耐久性(ヘイズ耐性、耐着色性)に優れた近赤外反射フィルム及び近赤外反射フィルムを設けた近赤外反射体を提供することができた。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、基材上に、高屈折率層と低屈折率層から構成されるユニットを少なくとも1つ有し、該高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が0.1以上である近赤外反射フィルムにおいて、該高屈折層及び低屈折率層の少なくとも1層が、A)アミノカルボン酸類、アミノポリカルボン酸、ピリジン誘導体及びコラーゲンペプチド類から選ばれる少なくとも1種の化合物Aで表面を被覆した金属酸化物粒子、B)水溶性高分子、及びC)アセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤、4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤及びフッ素系カチオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含有することを特徴とする近赤外反射フィルムにより、水系の屈折率形成用塗布液を用い、近赤外反射率及び可視光透過率が高く、膜面均一性、耐久性(ヘイズ耐性、耐着色性)に優れた近赤外反射フィルム及び近赤外反射フィルムを設けた近赤外反射体を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
すなわち、主には表面電荷として正に帯電している金属酸化物粒子を安定に分散した状態で水系塗布液中に存在させる観点から、第1の方法としては、金属酸化物粒子表面を、アミノ基を有する化合物やコラーゲンペプチド等で被覆して安定化させると共に、金属酸化物粒子の表面電荷を相殺しないようなカチオン性あるいはノニオン性(非イオン性)の界面活性剤を用いて安定に分散させることにより、金属酸化物粒子の表面保護性が高まり、水溶性の塗布液においても、金属酸化物粒子が凝集を起こすことなく、金属酸化物粒子が均質に分散したい状態で存在している屈折率層を形成することができ、その結果、それを用いて作製した近赤外反射フィルムを太陽光下で長期間にわたり保存した際でも、ヘイズ(濁り)や着色を生じることが無く、耐久性に優れた近赤外反射フィルムを得ることができた。
以下、本発明の近赤外反射フィルムの構成要素、及び本発明を実施するための形態等について詳細な説明をする。
《近赤外反射フィルム》
本発明の近赤外反射フィルムは、基材上に、高屈折率層と低屈折率層から構成されるユニットを少なくとも1つ有し、該高屈折層及び低屈折率層の少なくとも1層が、A)アミノカルボン酸類、アミノポリカルボン酸、ピリジン誘導体及びコラーゲンペプチド類から選ばれる少なくとも1種の化合物Aで表面を被覆した金属酸化物粒子、B)水溶性高分子、及びC)アセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤、4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤及びフッ素系カチオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含有することを特徴とする近赤外反射フィルムであるが、近赤外反射フィルムの基本光学特性としては、該高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が0.1以上であることを特徴とする。また、JIS R3106−1998で示される可視光領域の透過率としては、50%以上で、かつ、波長900nm〜1400nmの領域に反射率50%を超える領域を有することが好ましい。
一般に、近赤外反射フィルムにおいては、高屈折率層と低屈折率層の屈折率の差は大きいほど、少ない層数で赤外反射率を高くすることができる観点で好ましいが、本発明では、高屈折率層と低屈折率層から構成されるユニットの少なくとも1つが、隣接する該高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が0.1以上であることを特徴とし、好ましくは0.3以上であり、特に好ましくは0.4以上である。
特定波長領域の反射率は、隣接する2層の屈折率差と積層数で決まり、屈折率の差が大きいほど、少ない層数で同じ反射率を得られる。この屈折率差と必要な層数については、市販の光学設計ソフトを用いて計算することができる。例えば、赤外反射率90%以上を得るためには、屈折率差が0.1より小さいと、100層を越える層数が必要となり、生産性が低下するだけでなく、積層界面での散乱が大きくなり、透明性が低下し、また故障なく製造することも非常に困難になる。反射率の向上と層数を少なくする観点からは、屈折率差に上限はないが、実質的には1.40程度が限界である。
《近赤外反射フィルムの構成》
次いで、本発明の近赤外反射フィルムにおける高屈折率層と低屈折率層の基本的な構成概要について説明する。
本発明の近赤外反射フィルムにおいては、基材上に、高屈折率層と低屈折率層から構成され、該高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が0.1以上であるユニットを少なくとも1つ積層した構成であればよいが、好ましい高屈折率層と低屈折率層の層数としては、上記の観点から、総層数の範囲としては、100層以下、すなわち50ユニット以下であり、より好ましくは40層(20ユニット)以下であり、さらに好ましくは20層(10ユニット)以下である。
また、本発明の近赤外反射フィルムにおいては、高屈折率層の好ましい屈折率としては1.80〜2.50であり、より好ましくは1.90〜2.20である。また、低屈折率層の好ましい屈折率としては1.10〜1.60であり、より好ましくは1.30〜1.50である。
本発明の近赤外反射フィルムにおいては、基材に隣接する層が、酸化珪素を含む低屈折率層で、最表層も酸化珪素を含む低屈折率層である層構成が好ましい。
本発明において、高屈折率層、低屈折率層の屈折率は、下記の方法に従って求めることができる。
基材上に屈折率を測定する各屈折率層を単層で塗設したサンプルを作製し、このサンプルを10cm×10cmに断裁した後、下記の方法に従って屈折率を求める。分光光度計として、U−4000型(日立製作所社製)を用いて、各サンプルの測定側の裏面を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5度正反射の条件にて可視光領域(400nm〜700nm)の反射率を25点測定して平均値を求め、その測定結果より平均屈折率を求める。
《近赤外反射フィルムの構成要素》
本発明においては、基材上に、高屈折率層と低屈折率層から構成されるユニットを少なくとも1つ有し、高屈折層及び低屈折率層の少なくとも1層が、A)アミノカルボン酸類、アミノポリカルボン酸、ピリジン誘導体及びコラーゲンペプチド類から選ばれる少なくとも1種の化合物Aで表面を被覆した金属酸化物粒子、B)水溶性高分子、及びC)アセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤、4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤及びフッ素系カチオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含有することを特徴とする。
以下、本発明の近赤外反射フィルムの各構成要素の詳細に付いて説明する。
〔基材〕
本発明の近赤外反射フィルムに適用する基材としては、フィルム支持体であることが好ましく、フィルム支持体は、透明であっても不透明であってもよく、種々の樹脂フィルムを用いることができ、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、3酢酸セルロース等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルムである。ポリエステルフィルム(以降ポリエステルと称す)としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
本発明に係るフィルム支持体の厚みは、10〜300μmであることが好ましく、より好ましくは20〜150μmである。また、本発明のフィルム支持体は、2枚を重ねたものであっても良く、この場合、その種類が同じでも異なってもよい。
〔金属酸化物粒子〕
本発明に係る高屈折層及び低屈折率層の少なくとも1層が、A)アミノカルボン酸類、アミノポリカルボン酸、ピリジン誘導体及びコラーゲンペプチド類から選ばれる少なくとも1種の化合物Aで表面を被覆した金属酸化物粒子を含有することを特徴とするが、好ましくは、高屈折層及び低屈折率層の全ての層が金属酸化物粒子を含有することが好ましい態様である。
本発明に係る金属酸化物としては、例えば、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、チタン酸鉛、鉛丹、黄鉛、亜鉛黄、酸化クロム、酸化第二鉄、鉄黒、酸化銅、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ニオブ、酸化ユーロピウム、酸化ランタン、ジルコン、酸化スズを挙げることができる。
金属酸化物の含有量は、50質量%以上、95質量%以下が好ましく、60質量%以上90質量%以下がより好ましい。金属酸化物の含有量を50質量%以上とすることにより、高屈折率層と低屈折率層の屈折率差を大きくすることが容易となり、金属酸化物の含有量を95質量%以下とすることにより、膜の柔軟性が得られ、近赤外反射フィルムを形成することの容易となる。
また、各屈折率層において、金属酸化物粒子(F)と各層を構成するバインダーである水溶性高分子(B)との質量比(F/B)としては、0.5〜20の範囲であることが好ましく、より好ましくは1.0〜10である。
本発明に係る高屈折率層で用いる金属酸化物としては、TiO、ZnO、ZrOが好ましく、高屈折率層を形成するための後述の金属酸化物粒子含有組成物の安定性の観点ではTiO(二酸化チタンゾル)がより好ましい。また、TiOの中でもルチル型が、触媒活性が低いために高屈折率層や隣接した層の耐候性が高くなり、さらに屈折率が高いことから好ましい。
本発明で用いることのできる二酸化チタンゾルの調製方法としては、例えば、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報等参照にすることができる。
また、その他の二酸化チタンゾルの調製方法としては、例えば、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報等参照にすることができる。
二酸化チタン微粒子の好ましい一次粒子径は、4nm〜50nmであり、より好ましくは4nm〜30nmである。
本発明に係る低屈折率層においては、金属酸化物粒子としては、二酸化ケイ素粒子を用いることが好ましく、酸性のコロイダルシリカゾルを用いることが特に好ましい。
本発明に係る二酸化ケイ素粒子は、その平均粒径が100nm以下であることが好ましい。一次粒子の状態で分散された二酸化ケイ素の一次粒子の平均粒径(塗設前の分散液状態での粒径)は、20nm以下のものが好ましく、より好ましくは10nm以下である。また二次粒子の平均粒径としては、30nm以下であることが、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。
本発明に係る酸化チタン粒子の体積平均粒径とは、粒子そのものをレーザー回折散乱法、動的光散乱法、あるいは電子顕微鏡を用いて観察する方法や、屈折率層の断面や表面に現れた粒子像を電子顕微鏡で観察する方法により、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、それぞれd、d・・・d・・・dの粒径を持つ粒子がそれぞれn、n・・・n・・・n個存在する酸化チタン粒子の集団において、粒子1個当りの体積をvとした場合に、体積平均粒径m={Σ(v・d)}/{Σ(v)}で表される体積で重み付けされた平均粒径である。
〔化合物A〕
本発明においては、高屈折層及び低屈折率層の少なくとも1層が、アミノカルボン酸類、アミノポリカルボン酸、ピリジン誘導体及びコラーゲンペプチド類から選ばれる少なくとも1種の化合物Aにより表面を被覆した金属酸化物粒子を含有することを特徴とする。
また、本発明に係る化合物Aは、上記化合物群を構成単位とする重合体であってもよい。
本発明においては、本発明に係る化合物Aが、下記一般式(1)または(2)で表される部分構造を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2012093482
更には、本発明に係る化合物Aが、下記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2012093482
上記一般式(3)において、Zは炭素原子、炭素原子と共に5員環または6員環を形成するのに必要な原子群を表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウム基を表し、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルカルボンアミド基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、スルホニル基、アミノ基、ヒドロキシ基または複素環基を表す。nは0〜4の整数を表す。
以下に、本発明に係る化合物(A)の代表的な化合物の具体例を示す。
Figure 2012093482
Figure 2012093482
また、上記例示した化合物の他に、3−(4−ビニルベンジルオキシ)ピコリン酸を含む共重合物またはグラフト重合物を挙げることができる。
本発明においては、上記例示した化合物の中でも、LI−22(ピコリン酸)が特に好ましい。
これらの化合物Aは、試薬品として購入、あるいはバイルシュタイン・ハンドブーフ・デァ・オーガニッシェン・ヘミー(Beilstein Handbuch der Organischen Chemie)、アンナーレン・デァ・ヘミー(Ann.Chem.)、ケミカル・アブストラクツ(Chem.Abstr.)、ジャーナル・オフケ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイアティ(J.Am.Chem.Soc.)、モナッシェフテ・ヒュール・ヘミー(Monatsh.Chem.)、ジュルナール・デァ・ルッシシェン・フィジカリッシュ−ヘミッシェン・ゲゼルシャフト(Journal der Russischen Physikalish−Chemischen Gesellschaft)等の抄録誌、報文献に数多く報告されており、これらに記載された方法に従って合成することができる。
また、本発明に係る化合物Aの1つは、コラーゲンペプチド類である。
本発明に係るコラーゲンペプチド類は、ゼラチンに低分子化処理を施して、ゾルゲル変化を発現させなくしたタンパク質である。
一般に、ゼラチンとしては、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチンの他に、ゼラチンの製造過程で酵素処理をする酵素処理ゼラチン及びゼラチン誘導体、すなわち分子中に官能基としてのアミノ基、イミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基を持ち、それと反応して得る基を持った試薬で処理し改質したものでもよい。ゼラチンの一般的製造法に関しては良く知られており、例えばT.H.James:The Theory of Photographic Process 4th. ed. 1977(Macmillan)55項、科学写真便覧(上)72〜75項(丸善)、写真工学の基礎−銀塩写真編119〜124(コロナ社)等の記載を参考にすることができる。
本発明に係るコラーゲンペプチド(低分子量ゼラチン)は、通常用いられる平均分子量10万程度の上記ゼラチン水溶液にゼラチン分解酵素を加えて酵素分解したり、酸またはアルカリを加えて加熱し加水分解したり、大気圧下または加圧下での加熱により熱分解したり、超音波照射して分解したり、それらの方法を併用して、低分子化することにより得ることができる。
コラーゲンペプチドの分子量としては、平均分子量として500以上、1万以下のものが好ましく、より好ましくは700以上、7,000以下であり、特に好ましくは1,000以上、5,000以下である。コラーゲンペプチドの平均分子量は、例えば、ゲル濾過クロマトグラフィーで測定することができる。
〔水溶性高分子〕
本発明の近赤外反射フィルムにおいては、構成要素B)である水溶性高分子が、反応性官能基を有するポリマー、無機ポリマー、増粘多糖類及びゼラチンから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明に係る水溶性高分子でいう水溶性とは、水媒体に対し1.0質量%以上溶解する高分子化合物であり、好ましくは3.0質量%以上である。
本発明に係る高屈折層形成用塗布液及び低屈折率層形成用塗布液における水溶性高分子の濃度としては、0.3〜3.0質量%であることが好ましく、0.35〜2.0質量%の範囲であることがより好ましい。
以下、各水溶性高分子の詳細について説明する。
(反応性官能基を有するポリマー)
本発明に係る水溶性高分子の1つとしては、反応性官能基を有するポリマーを用いることが好ましい。
本発明に適用可能な水溶性高分子としては反応性官能基を有するポリマーが挙げられ、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート−スチレンスルホン酸カリウム共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。これらの中で、特に好ましい例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン類及びそれを含有する共重合体が挙げられる。
水溶性高分子の重量平均分子量は、1,000以上200,000以下が好ましい。更には、3,000以上40,000以下がより好ましい。
本発明で好ましく用いられるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が1,000以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1,500〜5,000のものが好ましく用いられる。また、ケン化度は、70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号に記載されているような、第一〜三級アミノ基や第四級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1−206088号に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号および同63−307979号に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7−285265号に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類違いなど二種類以上を併用することもできる。
本発明においては、反応性官能基を有するポリマーを使用する場合には、硬化剤を使用してもよい。反応性官能基を有するポリマーがポリビニルアルコールの場合には、後述するホウ酸及びその塩やエポキシ系硬化剤が好ましい。
(無機ポリマー)
本発明に係る水溶性高分子の1つとしては、ジルコニウム原子含有化合物あるいはアルミニウム原子含有化合物等の無機ポリマーを用いることが好ましい。
本発明に適用可能なジルコニウム原子を含む化合物は、酸化ジルコニウムを除くものであるが、その具体例としては、二フッ化ジルコニウム、三フッ化ジルコニウム、四フッ化ジルコニウム、ヘキサフルオロジルコニウム酸塩(例えば、カリウム塩)、ヘプタフルオロジルコニウム酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩やアンモニウム塩)、オクタフルオロジルコニウム酸塩(例えば、リチウム塩)、フッ化酸化ジルコニウム、二塩化ジルコニウム、三塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウム、ヘキサクロロジルコニウム酸塩(例えば、ナトリウム塩やカリウム塩)、酸塩化ジルコニウム(塩化ジルコニル)、二臭化ジルコニウム、三臭化ジルコニウム、四臭化ジルコニウム、臭化酸化ジルコニウム、三ヨウ化ジルコニウム、四ヨウ化ジルコニウム、過酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、硫化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、p−トルエンスルホン酸ジルコニウム、硫酸ジルコニル、硫酸ジルコニルナトリウム、酸性硫酸ジルコニル三水和物、硫酸ジルコニウムカリウム、セレン酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硝酸ジルコニル、リン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニル、酢酸ジルコニルアンモニウム、乳酸ジルコニル、クエン酸ジルコニル、ステアリン酸ジルコニル、リン酸ジルコニル、シュウ酸ジルコニウム、ジルコニウムイソプロピレート、ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセチルアセトネート、アセチルアセトンジルコニウムブチレート、ステアリン酸ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセテート、ビス(アセチルアセトナト)ジクロロジルコニウム、トリス(アセチルアセトナト)クロロジルコニウム等が挙げられる。
これらの化合物の中でも、塩化ジルコニル、硫酸ジルコニル、硫酸ジルコニルナトリウム、酸性硫酸ジルコニル三水和物、硝酸ジルコニル、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニル、酢酸ジルコニルアンモニウム、ステアリン酸ジルコニルが好ましく、更に好ましくは、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、塩化ジルコニルであり、特に好ましくは、炭酸ジルコニルアンモニウム、塩化ジルコニル、酢酸ジルコニルである。上記化合物の具体的商品名としては、第一稀元素化学工業製のジルコゾールZA−20(酢酸ジルコニル)、第一稀元素化学工業製のジルコゾールZC−2(塩化ジルコニル)、第一稀元素化学工業製のジルコゾールZN(硝酸ジルコニル)等が挙げられる。
上記ジルコニル原子を含む無機ポリマーの内の代表的な化合物の構造式を下記に示す。
Figure 2012093482
ただし、s、tは1以上の整数を表す。
ジルコニル原子を含む無機ポリマーは、単独で用いても良いし、異なる2種類以上の化合物を併用してもよい。
ジルコニウム原子を含む化合物は、単独で用いても良いし、異なる2種類以上の化合物を併用してもよい。
また、本発明で用いることのできる分子内にアルミニウム原子を含む化合物には、酸化アルミニウムは含まず、その具体例としては、フッ化アルミニウム、ヘキサフルオロアルミン酸(例えば、カリウム塩)、塩化アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム(例えば、ポリ塩化アルミニウム)、テトラクロロアルミン酸塩(例えば、ナトリウム塩)、臭化アルミニウム、テトラブロモアルミン酸塩(例えば、カリウム塩)、ヨウ化アルミニウム、アルミン酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩)、塩素酸アルミニウム、過塩素酸アルミニウム、チオシアン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)、硫酸アンモニウムアルミニウム(アンモニウムミョウバン)、硫酸ナトリウムアルミニウム、燐酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、燐酸水素アルミニウム、炭酸アルミニウム、ポリ硫酸珪酸アルミニウム、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムブチレート、エチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセトネート)等を挙げることができる。
これらの中でも、塩化アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、塩基性硫酸珪酸アルミニウムが好ましく、塩基性塩化アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウムが最も好ましい。上記化合物の具体的商品名としては、多木化学製のポリ塩化アルミニウム(PAC)であるタキバイン#1500、浅田化学(株)製のポリ水酸化アルミニウム(Paho)、(株)理研グリーン製のピュラケムWTが挙げられ、各種グレードのものが入手することができる。
下記に、タキバイン#1500の構造式を示す。
Figure 2012093482
ただし、s、t、uは1以上の整数を表す。
前記無機ポリマーの添加量は、無機酸化物粒子100質量部に対して1〜100質量部が好ましく、2〜50質量部が更に好ましい。
(増粘多糖類)
本発明においては、水溶性高分子として、増粘多糖類を用いることが好ましい。
本発明で用いることのできる増粘多糖類としては、特に制限はなく、例えば、一般に知られている天然単純多糖類、天然複合多糖類、合成単純多糖類及び合成複合多糖類に挙げることができ、これら多糖類の詳細については、「生化学事典(第2版),東京化学同人出版」、「食品工業」第31巻(1988)21頁等を参照することができる。
本発明でいう増粘多糖類とは、糖類の重合体であり、低温時の粘度と高温時との粘度差を助長する特性を備えている。さらに、本発明に係る増粘多糖類を、金属酸化物微粒子を含む塗布液に添加することにより、粘度上昇を起こすものであり、その粘度上昇幅は、添加により15℃における粘度が1.0mPa・s以上の上昇を生じる多糖類であり、好ましくは5.0mPa・s以上であり、更に好ましくは10.0mPa・s以上の粘度上昇能を備えた多糖類である。
本発明に適用可能な増粘多糖類としては、例えば、β1−4グルカン(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等)、ガラクタン(例えば、アガロース、アガロペクチン等)、ガラクトマンノグリカン(例えば、ローカストビーンガム、グアラン等)、キシログルカン(例えば、タマリンドガム等)、グルコマンノグリカン(例えば、蒟蒻マンナン、木材由来グルコマンナン、キサンタンガム等)、ガラクトグルコマンノグリカン(例えば、針葉樹材由来グリカン)、アラビノガラクトグリカン(例えば、大豆由来グリカン、微生物由来グリカン等)、グルコラムノグリカン(例えば、ジェランガム等)、グリコサミノグリカン(例えば、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸等)、アルギン酸及びアルギン酸塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、ファーセレラン等の紅藻類に由来する天然高分子多糖類等が挙げられ、塗布液中に共存する金属酸化微粒子の分散安定性を低下させない観点から、好ましくは、その構成単位がカルボン酸基やスルホン酸基を有しないものが好ましい。その様な多糖類としては、例えば、L−アラビトース、D−リボース、2−デオキシリボース、D−キシロースなどのペントース、D−グルコース、D−フルクトース、D−マンノース、D−ガラクトースなどのヘキソースのみからなる多糖類であることが好ましい。具体的には、主鎖がグルコースであり、側鎖もグルコースであるキシログルカンとして知られるタマリンドシードガムや、主鎖がマンノースで側鎖がグルコースであるガラクトマンナンとして知られるグアーガム、カチオン化グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、ローカストビーンガム、タラガムや、主鎖がガラクトースで側鎖がアラビノースであるアラビノガラクタンを好ましく使用することができる。本発明においては、特には、タマリンド、グアーガム、カチオン化グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガムが好ましい。
本発明においては、更には、二種類以上の増粘多糖類を併用することが好ましい。
増粘多糖類の含有量としては、5質量%以上、50質量%以下が好ましく、10質量%以上、40質量%以下がより好ましい。但し、その他の水溶性高分子やエマルジョン樹脂等と併用する場合には、3質量%以上含有すればよい。増粘多糖類が少ないと塗膜乾燥時に膜面が乱れて透明性が劣化する傾向が大きくなる。一方、含有量が50質量%以下であれば、相対的な金属酸化物の含有量が適切となり、高屈折率層と低屈折率層の屈折率差を大きくすることが容易になる。
〈ゼラチン〉
本発明に係る各屈折率層においては、ゼラチンを含有することもできる。
本発明に係るゼラチンとしては、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチンの他に、ゼラチンの製造過程で酵素処理をする酵素処理ゼラチン及びゼラチン誘導体、すなわち分子中に官能基としてのアミノ基、イミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基を持ち、それと反応して得る基を持った試薬で処理し改質したものでもよい。ゼラチンの一般的製造法に関しては良く知られており、例えばT.H.James:The Theory of Photographic Process 4th. ed. 1977(Macmillan)55項、科学写真便覧(上)72〜75項(丸善)、写真工学の基礎−銀塩写真編119〜124(コロナ社)等の記載を参考にすることができる。
(硬化剤)
本発明においては、バインダーである水溶性高分子を硬化させるため、硬化剤を使用することが好ましい。
本発明に適用可能なる硬化剤としては、水溶性高分子と硬化反応を起こすものであれば特に制限はないが、水溶性高分子がポリビニルアルコールである場合には、ホウ酸及びその塩が好ましいが、その他にも公知のものが使用でき、一般的には水溶性高分子と反応し得る基を有する化合物あるいは水溶性高分子が有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、水溶性高分子の種類に応じて適宜選択して用いられる。硬化剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬化剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬等が挙げられる。
ホウ酸またはその塩とは、硼素原子を中心原子とする酸素酸およびその塩のことをいい、具体的には、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸および八ホウ酸およびそれらの塩が挙げられる。
硬化剤としてのホウ素原子を有するホウ酸およびその塩は、単独の水溶液でも、また、2種以上を混合して使用しても良い。特に好ましいのはホウ酸とホウ砂の混合水溶液である。
ホウ酸とホウ砂の水溶液は、それぞれ比較的希薄水溶液でしか添加することが出来ないが両者を混合することで濃厚な水溶液にすることが出来、塗布液を濃縮化することができる。また、添加する水溶液のpHを比較的自由にコントロールすることができる利点がある。
上記硬化剤の総使用量は、上記水溶性高分子1g当たり1〜600mgが好ましい。
〔界面活性剤〕
本発明の近赤外反射フィルムを構成する高屈折層及び低屈折率層の少なくとも1層が、界面活性剤として、アセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤、4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤及びフッ素系カチオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含有することを特徴とする。
(アセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤)
本発明に適用可能なアセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤としては、特に制限はないが、下記一般式(S)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2012093482
上記一般式(S)において、R〜Rは各々、水素原子、炭素数1〜8の直鎖、分岐又は環状の置換もしくは無置換のアルキル基、または炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリール基を表し、EOは置換されてもよいエチレンオキシ基を表し、m及びnは各々、0〜50の整数を表す。
〜Rで表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、シクロヘキシル等が挙げられ、アリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。m及びnは、各々0〜4の整数であることが好ましい。
これらの中でも、R及びRが各々メチル基であり、R及びRが各々i−ブチル基であり、m及びnが、いずれも0であるものが好ましい。
以下に、一般式(S)で表されるアセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤の具体例を挙げる。
Figure 2012093482
また、本発明に係るアセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤は、市販品として入手することもでき、例えば、代表例としては、日信化学社製のオルフィンE1004(アセチレンジオールのエチレンオキサイド(4モル)付加物)、同オレフィE1010(アセチレンジオールのエチレンオキサイド(10モル)付加物)等を挙げることができる。
(4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤)
本発明に適用可能な4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤としては、特に制限はないが、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラオクチルアンモニウムブロマイド(TOAB)、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド、オレイルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ラウロイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ラウロイルアミノプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパークロレート、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等を挙げることができる。
また、本発明に係る4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤は、市販品として入手することもでき、例えば、代表例としては、花王社製のコータミン24P(C1225(CH Cl)、同コータミン86P(C1837(CH Cl)、日油社製のニッサンカチオン2−ABT(C18371837(CH Cl)、同ニッサンカチオン2−OLR(C18351835(CH Cl)、日光ケミカルズ社製のNIKKOL CA3475V(C18371837(CH Cl)等を挙げることができる。
(フッ素系カチオン性界面活性剤)
本発明に適用可能なフッ素系カチオン性界面活性剤としては、特に制限はないが、下記一般式(FK)で表される化合物が好ましい。
一般式(FK)
Rf′−L−X
上記一般式(FK)において、Rf′は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、少なくとも一つの水素原子はフッ素原子で置換されている。Lは化学結合手または2価基を表す。Xはカチオン、Zはカウンターアニオンを表す。
Rf′の例としては、−Ck+11(k=1〜20、特に3〜12が好ましい)、−C2m−1(m=2〜20、特に3〜12が好ましい)等を挙げることができる。
Lの例としては、−SON(R)(CH−、−CON(R)(CH−、−OASON(R)(CH−、−OACON(R)(CH−、−OAO(CH−、−OA(CH−、−O(CHCHO)(CH−、−O(CH)p−、−N(R)(CH−、−SON(R)(CHO(CH−、−CON(R)(CHO(CH−、−OASON(R)(CHROA−、−(CH(CHOH)(CH−等を挙げることができる。Aはアルキレン基又はアリーレン基を表す。
の例としては、−N(R、−N(CHCHOCH−NO(R)、−N(R)(R)(CHCHOCH)、−N、−N(R)(R)(CH、−N(R)(R)(R)等を挙げることができる。ここでR及びRは各々、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基(置換基を有してもよい)を表し、p、r、sは各々0〜6、qは1〜20である。
の例としては、I、Cl、Br、CHSO 、CH−C−SO 等を挙げることができる。
以下に、本発明に好ましく用いられるフッ素系カチオン性界面活性剤の具体例を挙げるが、これらに限定されない。
Figure 2012093482
Figure 2012093482
本発明に係るフッ素系カチオン性界面活性剤は、例えば、米国特許2,559,751号、同2,567,011号、同2,732,398号、同2,764,602号、同2,806,866号、同2,809,998号、同2,915,376号、同2,915,528号、同2,918,501号、同2,934,450号、同2,937,098号、同2,957,031号、同3,472,894号、同3,555,089号、英国特許1,143,927号、同1,130,822号、特公昭45−37304号、特開昭47−9613号、同49−134614号、同50−117705号、同50−117727号、同50−121243号、同52−41182号、同51−12392号の、英国化学会誌(J.Chem.Soc.)1950年2789頁、同1957年2574頁及び2640頁、米国化学会誌(J.Amer.Chem.Soc.)79巻2549頁(1957年)、油化学(J.Japan Oil Chemists Soc.)12巻653頁、有機化学会誌(J.Org.Chem.)30巻3524頁(1965年)等に記載された方法によって合成することができる。
また、本発明に係るフッ素系カチオン性界面活性剤は、市販品として入手することもでき、例えば、AGCセイミケミカル社製のサーフロンS221等を挙げることができる。
本発明に係る高屈折層形成用塗布液及び低屈折率層形成用塗布液における上記各界面活性剤の添加量としては、それぞれの塗布液を100質量%としたとき、固形分として0.005〜0.30質量%の範囲であることが好ましく、更には0.01〜0.10質量%であることが好ましい。
本発明においては、上記各界面活性剤の中では、アセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤及びフッ素系カチオン性界面活性剤が好ましく、特に好ましくは、アセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤である。
具体的な界面活性剤としては、アセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤としては日信化学社製のオルフィンE1004、オレフィE1010、フッ素系カチオン性界面活性剤としては、AGCセイミケミカル社製のサーフロンS221が好ましく、特に好ましくは、日信化学社製のオルフィンE1004、オレフィE1010である。
〔その他の添加剤〕
次いで、各屈折率層に適用可能なその他の添加剤について説明する。
(アミノ酸)
本発明においては、更に、アミノ酸を添加することができる。
本発明でいうアミノ酸とは、同一分子内にアミノ基とカルボキシル基を有する化合物であり、α−、β−、γ−などいずれのタイプのアミノ酸でもよいが、等電点が6.5以下のアミノ酸であることが好ましい。アミノ酸には光学異性体が存在するものもあるが、本発明においては光学異性体による効果の差はなく、等電点が6.5以下のいずれの異性体も単独であるいはラセミ体で使用することができる。
本発明に適用可能なアミノ酸に関する詳しい解説は、化学大辞典1 縮刷版(共立出版;昭和35年発行)268頁〜270頁の記載を参照することができる。
本発明において、好ましいアミノ酸として、グリシン、アラニン、バリン、α−アミノ酪酸、γ−アミノ酪酸、β−アラニン、セリン、ε−アミノ−n−カプロン酸、ロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニン、トレオニン、アスパラギン、アスパラギン酸、ヒスチジン、リジン、グルタミン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン等を挙げることができ、水溶液として使用するためには、等電点における溶解度が、水100に対し、3g以上が好ましく、たとえば、グリシン、アラニン、セリン、ヒスチジン、リジン、グルタミン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリンなどが好ましく用いられ、金属酸化物粒子が、バインダーと緩やかな水素結合を有する観点から、水酸基を有する、セリン、ヒドロキシプロリンを用いることがさらに好ましい。
〔リチウム化合物〕
本発明においては、高屈折層及び低屈折率層の少なくとも1層が、金属酸化物粒子及び水溶性高分子と共に、リチウム化合物を含有することができる。
本発明に適用可能なリチウム化合物としては、特に制限はなく、例えば、炭酸リチウム、硫酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム、オロト酸リチウム、クエン酸リチウム、モリブデン酸リチウム、塩化リチウム、水素化リチウム、水酸化リチウム、臭化リチウム、フッ化リチウム、ヨウ化リチウム、ステアリン酸リチウム、リン酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸リチウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化トリエチルホウ酸リチウム、水素化トリエトキシアルミニウムリチウム、タンタル酸リチウム、次亜塩素酸リチウム、酸化リチウム、炭化リチウム、窒化リチウム、ニオブ酸リチウム、硫化リチウム、ホウ酸リチウム、LiBF、LiClO、LiPF、LiCFSO等が挙げられ、その中でも水酸化リチウムが、本願発明の効果を十分に発揮できる観点から好ましい。
本発明において、リチウム化合物の添加量としては、屈折率層に存在する金属酸化物粒子1g当たり、0.005〜0.05gの範囲が好ましく、より好ましくは0.01〜0.03gである。
(エマルジョン樹脂)
本発明においては、本発明に係る高屈折率層または低屈折率層には、エマルジョン樹脂を含有することができる。
本発明でいうエマルジョン樹脂とは、油溶性のモノマーを、分散剤を含む水溶液中でエマルジョン状態に保ち、重合開始剤を用いて乳化重合させた樹脂微粒子である。
エマルジョンの重合時に使用される分散剤としては、一般的には、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジエチルアミン、エチレンジアミン、4級アンモニウム塩のような低分子の分散剤の他に、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエキシエチレンラウリル酸エーテル、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドンのような高分子分散剤が挙げられる。
本発明に係るエマルジョン樹脂とは、水系媒体中に微細な(平均粒径0.01〜2μm)樹脂粒子がエマルジョン状態で分散されている樹脂で、油溶性のモノマーを、水酸基を有する高分子分散剤を用いてエマルジョン重合して得られる。用いる分散剤の種類によって、得られるエマルジョン樹脂のポリマー成分に基本的な違いは見られないが、水酸基を有する高分子分散剤を用いてエマルジョン重合すると、微細な微粒子の少なくとも表面に水酸基の存在が推定され、他の分散剤を用いて重合したエマルジョン樹脂とはエマルジョンの化学的、物理的性質が異なる。
水酸基を含む高分子分散剤とは、重量平均分子量が10000以上の高分子の分散剤で、側鎖または末端に水酸基が置換されたものであり、例えばポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミドのようなアクリル系の高分子で2−エチルヘキシルアクリレートが共重合されたもの、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールのようなポリエーテル、ポリビニルアルコールなどが挙げられ、特にポリビニルアルコールが好ましい。
高分子分散剤として使用されるポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、カチオン変性したポリビニルアルコールやカルボキシル基のようなアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール、シリル基を有するシリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。ポリビニルアルコールは、平均重合度は高い方がインク吸収層を形成する際のクラックの発生を抑制する効果が大きいが、平均重合度が5000以内であると、エマルジョン樹脂の粘度が高くなく、製造時に取り扱いやすい。したがって、平均重合度は300〜5000のものが好ましく、1500〜5000のものがより好ましく、3000〜4500のものが特に好ましい。ポリビニルアルコールのケン化度は70〜100モル%のものが好ましく、80〜99.5モル%のものがより好ましい。
上記の高分子分散剤で乳化重合される樹脂としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニル系化合物、スチレン系化合物といったエチレン系単量体、ブタジエン、イソプレンといったジエン系化合物の単独重合体または共重合体が挙げられ、例えばアクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂等が挙げられる。
(屈折率層のその他の添加剤)
本発明に係る高屈折率層と低屈折率層に適用可能な各種の添加剤を以下に列挙する。例えば、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報及び同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報及び同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
〔近赤外反射フィルムの製造方法〕
本発明の近赤外反射フィルムは、基材上に高屈折率層と低屈折率層から構成されユニットを積層して構成されるが、具体的には水系の高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液とを交互に湿式塗布、乾燥して積層体を形成することが好ましい。
塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,761,419号、同第2,761,791号公報に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
同時重層塗布を行う際の高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液の粘度としては、スライドビード塗布方式を用いる場合には、5〜100mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜50mPa・sの範囲である。また、カーテン塗布方式を用いる場合には、5〜1200mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは25〜500mPa・sの範囲である。
また、塗布液の15℃における粘度としては、100mPa・s以上が好ましく、100〜30,000mPa・sがより好ましく、さらに好ましくは3,000〜30,000mPa・sであり、最も好ましいのは10,000〜30,000mPa・sである。
塗布および乾燥方法としては、水系の高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液を30℃以上に加温して、塗布を行った後、形成した塗膜の温度を1〜15℃に一旦冷却し、10℃以上で乾燥することが好ましく、より好ましくは、乾燥条件として、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜50℃の範囲の条件で行うことである。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜均一性の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。
〔近赤外反射フィルムの応用〕
本発明の近赤外反射フィルムは、幅広い分野に応用することができる。例えば、建物の屋外の窓や自動車窓等長期間太陽光に晒らされる設備に貼り合せ、熱線反射効果を付与する熱線反射フィルム等の窓貼用フィルム、農業用ビニールハウス用フィルム等として、主として耐候性を高める目的で用いられる。
特に、本発明に係る近赤外反射フィルムが直接もしくは接着剤を介してガラスもしくはガラス代替樹脂基材に貼合されている部材には好適である。
接着剤は、窓ガラスなどに貼り合わせたとき、近赤外反射フィルムが日光(熱線)入射面側にあるように設置する。また近赤外反射フィルムを窓ガラスと基材との間に挟持すると、水分等周囲ガスから封止でき耐久性に好ましい。本発明の近赤外反射フィルムを屋外や車の外側(外貼り用)に設置しても環境耐久性があって好ましい。
本発明に適用可能な接着剤としては、光硬化性もしくは熱硬化性の樹脂を主成分とする接着剤を用いることができる。
接着剤は紫外線に対して耐久性を有するものが好ましく、アクリル系粘着剤またはシリコーン系粘着剤が好ましい。更に粘着特性やコストの観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。特に剥離強さの制御が容易なことから、アクリル系粘着剤において、溶剤系及びエマルジョン系の中で溶剤系が好ましい。アクリル溶剤系粘着剤として溶液重合ポリマーを使用する場合、そのモノマーとしては公知のものを使用できる。
また、合わせガラスの中間層として用いられるポリビニルブチラール系樹脂、あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂を用いてもよい。具体的には可塑性ポリビニルブチラール(積水化学工業社製、三菱モンサント社製等)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(デュポン社製、武田薬品工業社製、デュラミン)、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー社製、メルセンG)等である。なお、接着層には紫外線吸収剤、抗酸化剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色、接着調整剤等を適宜添加配合してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《近赤外反射フィルムの作製》
〔試料1の作製〕
(高屈折率層用塗布液1の調製)
純水の10.3部に、増粘多糖類として1.0質量%のタマリンドシードガムを130部と、ポリビニルアルコール(PVA217、クラレ社製)の5.0質量%溶液の10.3部と、14.8質量%のピコリン酸(例示化合物LI−22)水溶液を17.3部と、ホウ酸の5.5質量%水溶液の2.58部とを、それぞれ添加、混合した後、下記酸化チタン分散液1の38.2部を添加、混合して、更にフッ素系カチオン性界面活性剤として、サーフロンS221(AGCセイミケミカル社製)を0.067部添加し、最後に純水で223部に仕上げて、高屈折率層用塗布液1を調製した。なお、高屈折率層用塗布液1における界面活性剤であるサーフロンS221の含有量は、0.03質量%である。
〈酸化チタン分散液1の調製〉
体積平均粒径が35nmのルチル型酸化チタン微粒子を含む20.0質量%酸化チタンゾルの28.9部と、14.8質量%のピコリン酸(例示化合物LI−22)水溶液を5.41部と、水酸化リチウムの2.1質量%水溶液の3.92部とを、混合、分散して酸化チタン分散液を調製した。
(低屈折率層用塗布液1の調製)
ポリ塩化アルミニウム(多木化学製、タキバイン#1500、表1にはPACと略記)の23.5質量%水溶液を9.18部と、コロイダルシリカ(日産化学社製、スノーテックスOS)の10質量%水溶液を510部と、ホウ酸の5.5質量%水溶液の103.4部と、水酸化リチウムの2.1質量%水溶液の4.75部とを、混合、分散し、純水で1000部に仕上げて、酸化ケイ素分散液1を調製した。
次いで、17.6部の純水に、1.0質量%のタマリンドシードガム水溶液の26.2部と、ポリビニルアルコール(PVA217、クラレ社製)の5.0質量%溶液の3.43部と、2.1質量%のピコリン酸(例示化合物LI−22)水溶液を0.06部とを添加、混合した後、上記酸化ケイ素分散液1の96.5部を添加、混合し、更にフッ素系カチオン性界面活性剤として、サーフロンS221(AGCセイミケミカル社製)を0.045部添加し、最後に純水で150部に仕上げて、低屈折率層用塗布液1を調製した。なお、低屈折率層用塗布液1における界面活性剤であるサーフロンS221の含有量は、0.03質量%である。
(低屈折率層1の形成)
上記調製した低屈折率層用塗布液1を45℃に保温しながら、45℃に加温した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥膜厚が175nmとなる条件で、ワイヤーバーを用いて塗布し、次いで、膜面が15℃以下となる条件で冷風を1分間吹き付けてセットさせた後、80℃の温風を吹き付けて乾燥させて、低屈折率層1を形成した。
(高屈折率層1の形成)
次いで、高屈折率層用塗布液1を45℃に保温しながら、45℃に加温した上記ポリエチレンテレフタレートフィルムに形成した低屈折率層1上に、乾燥膜厚が135nmとなる条件で、ワイヤーバーを用いて塗布し、次いで、膜面が15℃以下となる条件で冷風を1分間吹き付けてセットさせた後、80℃の温風を吹き付けて乾燥させて、高屈折率層1を形成した。
(積層体の形成)
上記形成した高屈折率層1上に、同様にして低屈折率層1/高屈折率層1から構成されるユニットを更に5ユニット積層し、それぞれ6層の高屈折率層及び低屈折率層(合計12層)から構成された積層体を形成した後、最上層として低屈折率層1を形成して、13層からなる近赤外反射フィルムである試料1を作製した。
〔試料2の作製〕
上記試料1の作製において、高屈折率層用塗布液1及び低屈折率層用塗布液1で用いたフッ素系カチオン性界面活性剤である「サーフロンS221(AGCセイミケミカル社製)」を、同量の4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤であるコータミン24P(花王社製)に変更した高屈折率層用塗布液2及び低屈折率層用塗布液2を用いた以外は同様にして、試料2を作製した。
〔試料3の作製〕
前記試料1の作製において、高屈折率層用塗布液1及び低屈折率層用塗布液1で用いたフッ素系カチオン性界面活性剤である「サーフロンS221(AGCセイミケミカル社製)」を、同量の4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤であるニッサンカチオン2−ABT(日油社製)に変更した高屈折率層用塗布液3及び低屈折率層用塗布液3を用いた以外は同様にして、試料3を作製した。
〔試料4の作製〕
前記試料1の作製において、高屈折率層用塗布液1及び低屈折率層用塗布液1で用いたフッ素系カチオン性界面活性剤である「サーフロンS221(AGCセイミケミカル社製)」を、同量のアセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤であるオルフィンE1004(日信化学社製)に変更した高屈折率層用塗布液4及び低屈折率層用塗布液4を用いた以外は同様にして、試料4を作製した。
〔試料5〜10の作製〕
前記試料4の高屈折率層用塗布液4及び低屈折率層用塗布液4の調製に用いたアセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤であるオルフィンE1004(日信化学社製)の各塗布液全質量に対する添加量(0.03質量%)を、それぞれ0.003質量%(高屈折率層用塗布液5及び低屈折率層用塗布液5)、0.005質量%(高屈折率層用塗布液6及び低屈折率層用塗布液6)、0.01質量%(高屈折率層用塗布液7及び低屈折率層用塗布液7)、0.1質量%(高屈折率層用塗布液8及び低屈折率層用塗布液8)、0.3質量%(高屈折率層用塗布液9及び低屈折率層用塗布液9)、0.32質量%(高屈折率層用塗布液10及び低屈折率層用塗布液10)に変更した以外は同様にして、試料5〜10を作製した。
〔試料11の作製〕
前記試料4の作製において、高屈折率層用塗布液4に代えて、下記高屈折率層用塗布液11を用いた以外は同様にして、試料11を作製した。
(高屈折率層用塗布液11の調製)
前記高屈折率層用塗布液4の調製において、ルチル型酸化チタン微粒子に代えて、同量の酸化ジルコニウム微粒子を用いた以外は同様にして、高屈折率層用塗布液11を調製した。
〔試料12の作製〕
前記試料4の作製において、高屈折率層用塗布液4に代えて、下記高屈折率層用塗布液12を用いた以外は同様にして、試料12を作製した。
(高屈折率層用塗布液12の調製)
前記高屈折率層用塗布液4の調製において、ポリビニルアルコール(PVA217、クラレ社製)の5.0質量%溶液の10.3部(固形分量=0.515g)に代えて、ポリ塩化アルミニウム(多木化学製、タキバイン#1500、表1にはPACと略記)の23.5質量%水溶液を2.19部(固形分量=0.515g)用い、純水で総量を223部に仕上げた以外は同様にして、高屈折率層用塗布液12を調製した。
〔試料13の作製〕
前記試料2の作製において、高屈折率層用塗布液2、低屈折率層用塗布液2に代えて、下記高屈折率層用塗布液13、低屈折率層用塗布液13を用いた以外は同様にして、試料13を作製した。
(高屈折率層用塗布液13の調製)
前記高屈折率層用塗布液2の調製において、ポリビニルアルコール(PVA217、クラレ社製)及び増粘多糖類であるタマリンドシードガムに代えて、同量の酸処理ゼラチン(等電点:9.5、平均分子量:2万)を用いた以外は同様にして高屈折率層用塗布液13を調製した。
(低屈折率層用塗布液13の調製)
前記低屈折率層用塗布液2の調製において、ポリビニルアルコール(PVA217、クラレ社製)、増粘多糖類であるタマリンドシードガム及びポリ塩化アルミニウム(多木化学製、タキバイン#1500)に代えて、同量の酸処理ゼラチン(等電点:9.5、平均分子量:2万)を用いた以外は同様にして低屈折率層用塗布液13を調製した。
〔試料14の作製〕
前記試料4の作製において、高屈折率層用塗布液4、低屈折率層用塗布液4に代えて、下記高屈折率層用塗布液14、低屈折率層用塗布液14を用いた以外は同様にして、試料14を作製した。
(高屈折率層用塗布液14の調製)
前記高屈折率層用塗布液4の調製において、増粘多糖類であるタマリンドシードガムに代えて、同量のポリビニルアルコール(PVA203、クラレ社製)を用いた以外は同様にして高屈折率層用塗布液14を調製した。
(低屈折率層用塗布液14の調製)
前記低屈折率層用塗布液4の調製において、増粘多糖類であるタマリンドシードガム及びポリ塩化アルミニウム(多木化学製、タキバイン#1500)に代えて、同量のポリビニルアルコール(PVA203、クラレ社製)を用いた以外は同様にして低屈折率層用塗布液14を調製した。
〔試料15の作製〕
前記試料4の作製において、高屈折率層用塗布液4、低屈折率層用塗布液4に代えて、下記高屈折率層用塗布液15、低屈折率層用塗布液15を用いた以外は同様にして、試料15を作製した。
(高屈折率層用塗布液15の調製)
前記高屈折率層用塗布液4の調製において、ピコリン酸(例示化合物LI−22)を、同量の例示化合物LI−1に変更した以外は同様にして、高屈折率層用塗布液15を調製した。
(低屈折率層用塗布液15の調製)
前記低屈折率層用塗布液4の調製において、ピコリン酸(例示化合物LI−22)を、同量の例示化合物LI−1に変更した以外は同様にして、低屈折率層用塗布液15を調製した。
〔試料16の作製〕
前記試料4の作製において、高屈折率層用塗布液4、低屈折率層用塗布液4に代えて、下記高屈折率層用塗布液16、低屈折率層用塗布液16を用いた以外は同様にして、試料16を作製した。
(高屈折率層用塗布液16の調製)
前記高屈折率層用塗布液4の調製において、ピコリン酸(例示化合物LI−22)を、同量のピペコリン酸(例示化合物LI−27)に変更した以外は同様にして、高屈折率層用塗布液15を調製した。
(低屈折率層用塗布液16の調製)
前記低屈折率層用塗布液4の調製において、ピコリン酸(例示化合物LI−22)を、同量のピペコリン酸(例示化合物LI−27)に変更した以外は同様にして、低屈折率層用塗布液16を調製した。
〔試料17の作製〕
前記試料4の作製において、高屈折率層用塗布液4、低屈折率層用塗布液4に代えて、下記高屈折率層用塗布液17、低屈折率層用塗布液17を用いた以外は同様にして、試料17を作製した。
(高屈折率層用塗布液17の調製)
前記高屈折率層用塗布液4の調製において、ピコリン酸(例示化合物LI−22)を、同量のコラーゲンペプチド(酸処理ゼラチンをゼラチン分解酵素により低分子化。平均分子量:3000)に変更した以外は同様にして、高屈折率層用塗布液17を調製した。
(低屈折率層用塗布液17の調製)
前記低屈折率層用塗布液4の調製において、ピコリン酸(例示化合物LI−22)を、同量のコラーゲンペプチド(酸処理ゼラチンをゼラチン分解酵素により低分子化。平均分子量:3000)に変更した以外は同様にして、低屈折率層用塗布液17を調製した。
〔試料18の作製〕
前記試料4の作製において、高屈折率層用塗布液4、低屈折率層用塗布液4に代えて、下記高屈折率層用塗布液18、低屈折率層用塗布液18及び最表層用塗布液18を用い、下記の積層体の形成方法に従って、13層同時重層塗布を行って、試料18を作製した。
(高屈折率層用塗布液18の調製)
前記高屈折率層用塗布液4の調製において、アセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤であるオルフィンE1004(日信化学社製)を除いた以外は同様にして、高屈折率層用塗布液18を調製した。
(低屈折率層用塗布液18の調製)
前記低屈折率層用塗布液4の調製において、アセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤であるオルフィンE1004(日信化学社製)を除いた以外は同様にして、低屈折率層用塗布液18を調製した。
(最表層用塗布液18の調製)
前記低屈折率層用塗布液4の調製において、アセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤であるオルフィンE1004(日信化学社製)の塗布液全質量に対する添加量(0.03質量%)を、0.06質量%に変更した以外は同様にして、最表層用塗布液18を調製した。
(積層体の形成方法)
13層同時塗布可能なスライドホッパー塗布装置を用い、層構成として上記調製した低屈折率層用塗布液18及び高屈折率層用塗布液18をそれぞれ交互に6層ずつ計12層積層し、その上に上記最表層用塗布液18を積層した計13層を45℃に保温しながら、45℃に加温した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、同時重層塗布を行った後、膜面が15℃以下となる条件で冷風を1分間吹き付けてセットさせた後、80℃の温風を吹き付けて乾燥させて、試料18を作製した。
〔試料19の作製〕
前記試料4の作製において、高屈折率層用塗布液4、低屈折率層用塗布液4に代えて、試料18の作製で用いた高屈折率層用塗布液18(界面活性剤フリー)、低屈折率層用塗布液18(界面活性剤フリー)を用いた以外は同様にして、試料19を作製した。
〔試料20の作製〕
前記試料4の作製において、高屈折率層用塗布液4及び低屈折率層用塗布液4で用いたアセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤であるオルフィンE1004(塗布液全質量に対する添加量:0.03質量%)を、シリコン系ノニオン性界面活性剤であるBYK345(ビックケミージャパン社製、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、塗布液全質量に対する添加量:0.10質量%)に変更した高屈折率層用塗布液20及び低屈折率層用塗布液20を用いた以外は同様にして、試料20を作製した。
〔試料21の作製〕
前記試料4の作製において、高屈折率層用塗布液4及び低屈折率層用塗布液4から、それぞれピコリン酸(例示化合物LI−22)を除いた高屈折率層用塗布液21及び低屈折率層用塗布液21を用いた以外は同様にして、試料21を作製した。
〔試料22の作製〕
下記の方法に従って、試料22を作製した。
(高屈折率層用塗布液22の調製)
酸化チタン粒子(体積平均粒径:15nm)の40部と、ジオクチルスルホサクネート(界面活性剤)の2部と、トルエンの58部とを混合した後、ボールミルを用いて、48時間分散して、酸化チタンゾルを調製した。
次いで、上記調製した酸化チタンゾルに、熱硬化性アクリル樹脂を酸化チタンの1.5倍量添加して、高屈折率層用塗布液22を調製した。
(積層体の形成)
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、屈折率1.47の熱硬化性アクリル樹脂(低屈折率層塗布液22)を135nmの膜厚で塗布、乾燥、硬化して低屈折率層を形成した後、該低屈折率層上に上記高屈折率層用塗布液22を乾燥膜厚175nmになるように塗布し、90℃で20分間熱硬化させた。高屈折率層上に、同様にして低屈折率層/高屈折率層から構成されるユニットを更に3ユニット積層し、それぞれ4層の高屈折率層及び低屈折率層(合計8層)から構成された近赤外反射フィルムである試料22を作製した。
〔試料23の作製〕
(基材)
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポン製、テイジンテトロンフィルム 高透明グレード)を用いた。表面はスラリーの濡れ性をよくするためにコロナ放電処理を施した。屈折率は1.62であった。
(高屈折率層23の形成)
イソプロピルアルコール(和光純薬、試薬特級)を100質量部、ピリジン(和光純薬、試薬特級)を3質量部、エチルシリケート溶液(コルコート社製、HAS−1、有効成分30質量%)を5質量部、ルチル型酸化チタン微粒子(石原産業社製、TTO−55)を10質量部、それぞれ配合した後、ボールミルにて4時間分散させ、分散粒子径がD50で20nmに達したのを確認した後、紫外線硬化バインダー(信越化学工業製 X−12−2400、有効成分30質量%)を1.5質量部、触媒(信越化学工業製DX−2400)を0.15質量部配合し、ボールミルにて1時間分散させ、分散粒子径がD50で16nmに達したのを確認し、これを高屈折率塗布液23とした。これを厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルムともいう)に、バーコーターNo.08を用いて、乾燥後の膜厚が100nmになるように塗布し、100℃で乾燥した後、紫外線を照射(照度200〜450mW/cm)して硬化させ、高屈折率層23を形成した。高屈折率層23の屈折率は、2.17であった。
(低屈折率層23の形成)
粒子径が10〜20nm(平均粒子径15nm)のシリカゾル(日産化学工業製「IPA−ST」)1質量部、溶媒としてイソプロピルアルコール(和光純薬製 試薬特級)を10質量部、バインダーとして紫外線硬化バインダー(信越化学工業製 X−12−2400)を5質量部、触媒(信越化学工業製 DX−2400)0.6部を配合し、スターラーで攪拌して低屈折率層塗布液23を得た。シリカゾル(屈折率1.45)の一次粒子径はほぼ揃っており、また分散粒子径D50が45nmのスラリーを得た。
ついで、PETフィルム上に高屈折率層23を形成した試料の高屈折率層23上に、上記調製した低屈折率層塗布液23をバーコーターNo.08を用いて、乾燥後の膜厚が100nmになるように塗布し、100℃で乾燥した後、紫外線を照射(照度200〜450mW/cm)して硬化させ、低屈折率層23を形成した。形成した低屈折率層23の屈折率は1.35であった。
(積層体の形成)
更に、高屈折率層23と低屈折率層23を交互に3層ずつ積層し、合計が8層の試料23を作製した。
〔試料24の作製〕
(基材)
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポン製、テイジンテトロンフィルム 高透明グレード)を用いた。表面は濡れ性をよくするためにコロナ放電処理を施した。
(低屈折率層24の形成)
上記基材上に下記低屈折率層用塗布液24を45℃に保温しながら、45℃に加温した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥膜厚が175nmとなる条件で、ワイヤーバーを用いて塗布し、次いで、膜面が15℃以下となる条件で冷風を1分間吹き付けてセットさせた後、80℃の温風を吹き付けて乾燥させて、低屈折率層24を形成した。
〈低屈折率層用塗布液24〉
下記の各構成素材を添加、混合して低屈折率層用塗布液24を調製した。
コロイダルシリカ(日産化学社製、スノーテックスOS) 3.0部
増粘多糖類:キサンタンガム 0.02部
界面活性剤:ポリオキシエチレンアルキルエーテル 0.10部
エタノール 20部
上記各構成素材を混合し、最後に純水で100部に仕上げた。
(高屈折率層24の形成)
上記形成した低屈折率層24上に、下記高屈折率層用塗布液24を45℃に保温しながら、45℃に加温した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥膜厚が135nmとなる条件で、ワイヤーバーを用いて塗布し、次いで、膜面が15℃以下となる条件で冷風を1分間吹き付けてセットさせた後、80℃の温風を吹き付けて乾燥させて、高屈折率層24を形成した。
〈高屈折率層用塗布液24〉
上記低屈折率層用塗布液24の調製において、金属酸化物粒子であるコロイダルシリカを、同量の体積平均粒径が35nmのルチル型酸化チタン微粒子に変更した以外は同様にして、高屈折率層用塗布液24を調製した。
(積層体の形成)
更に、低屈折率層24と高屈折率層24を交互に5層ずつ積層し、合計が12層の試料24を作製した。
以上作製した近赤外反射フィルムである試料1〜24の主要構成を、表1に示す。
Figure 2012093482
なお、表1に略称で記載した水溶性高分子の詳細は以下の通りである。
〈高分子化合物〉
ポリマー1:ポリビニルアルコールPVA217(クラレ社製)+タマリンドシードガム(増粘多糖類)
ポリマー2:タマリンドシードガム(増粘多糖類)+ポリ塩化アルミニウム(多木化学製、タキバイン#1500、無機ポリマー)
ポリマー3:ポリビニルアルコールPVA203(クラレ社製)+ポリビニルアルコールPVA217(クラレ社製)
ポリマー4:ポリビニルアルコールPVA217(クラレ社製)+タマリンドシードガム(増粘多糖類)+ポリ塩化アルミニウム(多木化学製、タキバイン#1500、無機ポリマー)
*1:熱硬化性樹脂
*2:紫外線硬化型樹脂
〈化合物A〉
LI−1:例示化合物LI−1
LI−22:例示化合物LI−22(ピコリン酸)
LI−27:例示化合物LI−27(ピペコリン酸)
CP:コラーゲンペプチド
〈界面活性剤種〉
S1:サーフロンS221(フッ素系カチオン性界面活性剤、サーフロンS221、AGCセイミケミカル社製)
S2:コータミン24P(4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤、コータミン24P、花王社製)
S3:ニッサンカチオン2−ABT(4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤、ニッサンカチオン2−ABT、日油社製)
S4:オルフィン1004(アセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤、オルフィンE1004、日信化学社製)
S5:BYK345(シリコン系ノニオン性界面活性剤、ビックケミージャパン社製、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)
S6:ジオクチルスルホサクネート
S7:ポリオキシエチレンアルキルエーテル
*3:界面活性剤の添加量は、最表層用塗布液18における添加量で表示。高屈折率層用塗布液18及び低屈折率層用塗布液18は、界面活性剤未添加。
《近赤外反射フィルムの評価》
上記作製した各近赤外反射フィルムについて、下記の特性値の測定及び性能評価を行った。
(各層の屈折率の測定)
基材上に屈折率を測定する対象層(高屈折率層、低屈折率層)をそれぞれ単層で塗設したサンプルを作製し、下記の方法に従って、各高屈折率層及び低屈折率層の屈折率を求めた。
分光光度計として、U−4000型(日立製作所社製)を用いて、各サンプルの測定側の裏面を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5度正反射の条件にて可視光領域(400nm〜700nm)の反射率の測定結果より、屈折率を求めた。
(近赤外反射率の測定)
上記分光光度計(積分球使用、日立製作所社製、U−4000型)を用い、各近赤外反射フィルムの800nm〜1400nmの領域における反射率を測定し、その平均値を求め、これを近赤外反射率とした。
(耐久性の評価)
作製した各近赤外反射フィルムについて、メタルハライドランプ式耐候性試験機(スガ試験機製 M6T)により、放射照度1kW/mの光を100時間照射し、照射後におけるヘイズ値と、着色状態を評価した。
〈ヘイズ値の測定〉
光照射後のヘイズ値は、ヘイズメーター(日本電色工業社製、NDH2000)により測定した。
〈耐着色性の評価〉
光照射後の着色は、各試料を目視観察し、下記の基準に従って、耐着色性を評価した。
◎:着色が全く認められない
○:ほぼ着色が認められない
△:わずかに着色が認められる
×:明らかな着色が認められる
以上により得られた測定結果及び評価結果を、表2に示す。なお、試料20は、形成に用いた高屈折率層用塗布液20及び低屈折率層用塗布液20のいずれもが、金属酸化物粒子の凝集体が発生し、塗布液の白濁を生じたため、評価可能な試料を得ることができず、評価を行わなかった。また、*4で表示した試料は、試料作製後の膜面状態が悪かったため、耐久性(ヘイズ値の測定及び耐着色性の評価)の評価は行わなかった。
Figure 2012093482
表2に記載の結果より明らかなように、本発明の近赤外反射フィルムは、環境に優しい水系塗布液を用いて作製することができ、近赤外反射率に優れ、かつ長期間にわたり光照射を受けた後でも、ヘイズの上昇が無く低ヘイズを維持し、かつ着色も見られず、耐久性に優れていることが分かる。
実施例2
〔近赤外反射体の作製〕
実施例1で作製した試料1〜18の近赤外反射フィルムを用いて近赤外反射体1〜18を作製した。厚さ5mm、20cm×20cmの透明アクリル樹脂板上に、試料1〜18の近赤外反射フィルムをそれぞれアクリル接着剤で接着して、近赤外反射体1〜18を作製した。
〔評価〕
上記作製した近赤外反射体1〜18は、近赤外反射体のサイズが大きいにもかかわらず、容易に利用可能であり、また、本発明の近赤外反射フィルムを利用することで、優れた近赤外反射性及び耐久性を確認することができた。

Claims (6)

  1. 基材上に、高屈折率層と低屈折率層から構成されるユニットを少なくとも1つ有し、該高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が0.1以上である近赤外反射フィルムにおいて、該高屈折層及び低屈折率層の少なくとも1層が、A)アミノカルボン酸類、アミノポリカルボン酸、ピリジン誘導体及びコラーゲンペプチド類から選ばれる少なくとも1種の化合物Aで表面を被覆した金属酸化物粒子、B)水溶性高分子、及びC)アセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤、4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤及びフッ素系カチオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含有することを特徴とする近赤外反射フィルム。
  2. 前記化合物Aが、下記一般式(1)または(2)で表される部分構造を有することを特徴とする請求項1に記載の近赤外反射フィルム。
    Figure 2012093482
  3. 前記化合物Aが、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の近赤外反射フィルム。
    Figure 2012093482
    〔式中、Zは炭素原子、炭素原子と共に5員環または6員環を形成するのに必要な原子群を表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウム基を表し、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルカルボンアミド基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、スルホニル基、アミノ基、ヒドロキシ基または複素環基を表す。nは0〜4の整数を表す。〕
  4. 前記B)水溶性高分子が、反応性官能基を有するポリマー、無機ポリマー、増粘多糖類及びゼラチンから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルム。
  5. 前記界面活性剤が、アセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルム。
  6. 基体の少なくとも一方の面側に、請求項1から5のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルムを有することを特徴とする近赤外反射体。
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