JP2012088657A - 光源装置、プロジェクター、および発光素子 - Google Patents

光源装置、プロジェクター、および発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザー光源と蛍光体を含む発光素子とを備え、レーザー光の偏光方向の乱れを低減し、偏光の乱れに伴う問題を解決し得る光源装置を実現する。
【解決手段】本発明の光源装置100は、励起光が照射された際に励起光と異なる波長域の光を蛍光発光し、所定の結晶軸を有する結晶性材料からなり、所定の回転軸を中心として回転可能とされた蛍光体ホイール30(発光素子)と、蛍光体ホイールに励起光を照射するレーザー光源10(励起光用光源)と、を備え、蛍光体ホイール30が互いの結晶軸の配置が最適化された複数のセグメントで構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光源装置、プロジェクター、および発光素子に関する。
プロジェクターの分野では、従来から、光源として超高圧水銀ランプ等の放電ランプが主に用いられてきた。これに対して、近年、発光ダイオード(Light Emitting Diode, 以下、LEDと略記する)、レーザー等の固体光源からの光を励起光として蛍光体を蛍光発光させ、その光を利用する光源装置が提案されている(例えば下記の特許文献1参照)。
特許文献1の光源装置は、LED、レーザー発光器等からなる励起光源と、赤色蛍光体形成領域、緑色蛍光体形成領域および拡散層形成領域の3つの領域を有する回転可能な蛍光ホイールと、を備えている。この光源装置においては、励起光源から青色の波長帯域光を励起光として射出し、その励起光を蛍光ホイールに照射すると同時に蛍光ホイールを回転させると、励起光が赤色蛍光体形成領域に照射されている期間では赤色光が蛍光発光し、励起光が緑色蛍光体形成領域に照射されている期間では緑色光が蛍光発光し、励起光が拡散層形成領域に照射されている期間では励起光である青色光が拡散して射出される。特許文献1には、本発明によれば、紫外光よりもエネルギーの低い可視光を励起光として照射するため、励起光が照射される光学部品の経年劣化を抑制し、長期間にわたって性能を維持できる、と記載されている。
特開2009−277516号公報
特許文献1の光源装置において、蛍光体に照射されるレーザー光がたとえ紫外光よりもエネルギーの低い可視光領域のレーザー光であっても、レーザー光の強度が高ければ、蛍光体での変換損失の一部が熱に変わるため、蛍光体ホイールが発熱する。一方、蛍光ホイールを回転させつつレーザー発光器から蛍光ホイールの所定の位置に光を照射する構成とすることで、蛍光ホイールをある程度冷却することができる。なぜならば、レーザー光の照射面積に対して蛍光ホイールの面積が十分に大きいことで熱が拡散する効果と、蛍光ホイールが回転することで照射位置が連続的に変化し一箇所当たりにレーザー光が照射される時間が短くなる効果と、蛍光ホイールが回転することでホイール全体が冷却される効果の3つが期待できるからである。
ここで、光源装置の出力を向上させようとすると、レーザー光の照射量をさらに増やす必要があり、その場合、さらなる冷却性能の向上が望まれる。そこで、蛍光ホイールの基材として、一般の光学ガラス(熱伝導率:約0.9〜1.1W/m・K)よりも熱伝導率に優れた水晶(熱伝導率:約5〜9W/m・K)等の結晶性材料を用いる方法が考えられる。ところが、この種の結晶性材料は結晶軸を有しているため、これを用いた蛍光ホイールを回転させると、レーザー光の偏光方向と蛍光ホイールの結晶軸方向との関係が常に変化し、レーザー光の偏光方向が乱れることになる。
このようなレーザー光の偏光方向の乱れは、後段の光学系に悪影響を及ぼす。例えば、プロジェクターの光利用効率を向上させる目的で偏光変換素子を用いた場合、レーザー光の偏光方向が一定ならば、偏光変換素子に付帯する位相差板の光軸方向に対してレーザー光の偏光方向を最適に設定することで、位相差板に入射する光量を低減することができる。しかし、結晶性材料からなる蛍光ホイールを回転させることによってレーザー光の偏光方向が乱れると、偏光変換素子に付帯する位相差板に多くの光が入射し、位相差板の寿命が低下するという問題がある。あるいは、偏光変換素子の偏光分離膜や位相差板の性能が不十分な場合には、偏光変換時の光損失が生じ、プロジェクターの光利用効率が低下するという問題がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、レーザー光源と蛍光体を含む発光素子とを備えた光源装置において、レーザー光の偏光方向の乱れを低減することによって、位相差板の寿命の低下が低減された光源装置を実現することを目的とする。また、上記の光源装置を用いたプロジェクター、および上記の光源装置に用いる発光素子の実現を目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の光源装置は、光照射面に設けられた蛍光体と結晶軸を有する複数の結晶性部材とを含み、前記光照射面と交差する所定の回転軸を中心として回転可能とされた発光素子と、前記発光素子の前記光照射面上の所定の位置に励起光を照射する励起光用光源と、を備え、前記発光素子が、前記発光素子の回転時における前記光照射面上の前記励起光の照射スポットの軌跡からなる円と交差する方向に分割された複数のセグメントで構成され、前記複数のセグメントのうち第1のセグメントには、前記複数の結晶性部材のうち第1の結晶性部材が設けられ、前記第1のセグメントを前記光照射面の法線方向から見た平面形状を、前記第1のセグメントの光照射面上での前記励起光の照射スポットの軌跡を円弧としたときの、前記円弧の両端のうち一端と前記回転軸とを結ぶ第1の線分と前記円弧の両端のうち他端と前記回転軸とを結ぶ第2の線分と前記円弧とで囲まれる扇形とみなしたとき、前記発光素子を前記光照射面の法線方向から見て、前記扇形の中心角をαとし、前記中心角の2等分線と前記第1の結晶性部材が有する結晶軸とのなす角をβとし、前記回転軸と前記照射スポットの中心とを結ぶ線分と前記照射スポットにおける前記励起光の偏光軸とのなす角をγとし、nを整数としたとき、下記の(1)ないし(4)のうちのいずれか一つを満足することを特徴とする。
(1)0°<α<90°、かつ、−22.5°+n×90°+γ<β<22.5°+n×90°+γ
(2)90°<α<180°、かつ、22.5°+n×90°+γ<β<67.5°+n×90°+γ
(3)180°<α<270°、かつ、−22.5°+n×90°+γ<β<22.5°+n×90°+γ
(4)270°<α<360°、かつ、22.5°+n×90°+γ<β<67.5°+n×90°+γ
励起光を受けて蛍光発光を生じる発光素子を、所定の結晶軸を有する結晶性部材で構成した場合、励起光の偏光軸の方向は一方向に固定されているのに対し、発光素子の回転に伴って結晶軸も回転するため、励起光の偏光軸と発光素子の結晶軸とのなす角は逐次変化する。このとき、励起光の偏光軸と発光素子の結晶軸とのなす角が0°または90°であるときは偏光の乱れが生じないが、励起光の偏光軸と発光素子の結晶軸とのなす角が0°または90°からずれるに従って偏光の乱れが大きくなり、45°で偏光の乱れが最大になる。このように、励起光の偏光軸と発光素子の結晶軸とのなす角が周期的に変化すると、偏光の乱れの程度も周期的に変化する。具体的には、発光素子を一体の結晶性材料で形成すると、発光素子が1回転する間に偏光の乱れが最小(偏光の乱れがない)のときが4回、最大のときが4回現れる。
これに対して、上述した本発明の構成のように、発光素子を複数のセグメントで構成し、各セグメントの形状を扇形と見なしたときの扇形の中心角、および各セグメント間の結晶軸の配置を最適化すれば、偏光の乱れが最小もしくは最小に近い状態を増やしたり、偏光の乱れが最大もしくは最大に近い状態を減らしたりすることが可能である。これにより、レーザー光の偏光方向の乱れを低減し、偏光方向の乱れに伴う諸問題を解決し得る光源装置を実現することができる。なお、上記の種々の角度の具体的な数値については、後の[発明を実施するための形態]の項で図面を用いて詳細に説明する。
本発明の光源装置において、前記発光素子を、前記円と交差する方向に分割された5個以上のセグメントで構成することができる。
後述するように、本実施形態の発光素子の一つのセグメントの中心角は90°より小さいことが望ましい。その点、発光素子を5個以上のセグメントで構成すれば、中心角が90°より小さいセグメントが必ず2個は存在する。また、発光素子を5個以上のセグメントで構成することによって、蛍光体ホイール上に偏光状態が最悪の領域が全く存在しないようにすることができる。
本発明の光源装置において、前記発光素子の後段に、前記蛍光体で発光した光が入射され、その入射光に含まれる偏光方向が異なる2つの光を分離する偏光分離素子と、前記偏光方向が異なる2つの光のうちの一方の光の偏光方向を他方の光の偏光方向に変換する位相差板と、を有する偏光変換素子を備えた構成としても良い。
この構成によれば、発光素子から射出された偏光方向の乱れの少ない光が偏光変換素子に入射するため、位相差板に照射される光が減り、位相差板の寿命を長くすることができる。
本発明のプロジェクターは、上記本発明の光源装置と、前記光源装置から射出される光を変調する光変調素子と、前記光変調素子により変調された光を被投射面上に投射する投射光学系と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、上記本発明の光源装置を備えているため、信頼性が高く、表示品質に優れたプロジェクターを実現することができる。
本発明の発光素子は、励起光用光源から射出される励起光が光照射面上の所定の位置に照射される発光素子であって、前記光照射面に設けられた蛍光体と結晶軸を有する複数の結晶性部材を含み、前記光照射面と交差する所定の回転軸を中心として回転可能とされ、回転時における前記光照射面上の前記励起光の照射スポットの軌跡からなる円と交差する方向に分割された複数のセグメントで構成され、前記複数のセグメントのうち第1のセグメントには、前記複数の結晶性部材のうち第1の結晶性部材が設けられ、前記複数のセグメントのうち前記第1のセグメントに隣り合う第2のセグメントには、前記複数の結晶性部材のうち第2の結晶性部材が設けられ、前記第1のセグメントを前記光照射面の法線方向から見た平面形状を、前記第1のセグメントの光照射面上での前記励起光の照射スポットの軌跡を円弧としたときの、前記円弧の両端のうち一端と前記回転軸とを結ぶ第1の線分と前記円弧の両端のうち他端と前記回転軸とを結ぶ第2の線分と前記円弧とで囲まれる第1の扇形とみなし、前記第2のセグメントを前記光照射面の法線方向から見た平面形状を、前記第2のセグメントの光照射面上での前記励起光の照射スポットの軌跡を円弧としたときの、前記円弧の両端のうち一端と前記回転軸とを結ぶ第3の線分と前記円弧の両端のうち他端と前記回転軸とを結ぶ第4の線分と前記円弧とで囲まれる第2の扇形とみなし、前記光照射面の法線方向から見たときの前記第1の扇形の中心角をα1とし、前記光照射面の法線方向から見たときの前記第2の扇形の中心角をα2とし、nを0乃至3のうちのいずれかの整数としたとき、前記第1のセグメントの中心角α1が、0°+n×90°<α1<0°+(n+1)×90°であり、かつ、前記第2のセグメントの中心角α2が、0°+n×90°<α2<0°+(n+1)×90°であり、前記第1のセグメントの結晶軸と前記第2のセグメントの結晶軸とのなす角σが、0°<σ<90°または90°<σ<180°であることを特徴とする。
本発明の発光素子によれば、互いに隣接する第1のセグメントと第2のセグメントとを少なくとも有し、各セグメントの中心角と、第1のセグメントの結晶軸と第2のセグメントの結晶軸とのなす角と、が最適化されているため、励起光用光源と組み合わせることで、レーザー光の偏光方向の乱れを低減し、偏光方向の乱れに伴う諸問題を解決し得る光源装置を構成することができる。
本発明の一実施形態のプロジェクターの概略構成図である。 蛍光体ホイールを構成する結晶板の中心角αが0°<α<90°である場合の例を示す図である。 図2の結晶板を用いた蛍光体ホイールを示す図である。 図3の蛍光体ホイールにおける、励起光の偏光軸と結晶軸とのなす角の蛍光体ホイールの回転角依存性と、偏光状態の蛍光体ホイールの回転角依存性とを示すグラフである。 蛍光体ホイールを構成する結晶板の中心角αが90°<α<180°である場合の例を示す図である。 図5の結晶板を用いた蛍光体ホイール、およびこの蛍光体ホイールにおける、レーザー光の偏光軸と結晶軸とのなす角の蛍光体ホイールの回転角依存性と、偏光状態の蛍光体ホイールの回転角依存性とを示すグラフである。 蛍光体ホイールを構成する結晶板の中心角αがα=195°である場合の、レーザー光の偏光軸と結晶軸とのなす角の蛍光体ホイールの回転角依存性と、偏光状態の蛍光体ホイールの回転角依存性とを示すグラフである。 蛍光体ホイールを構成する結晶板の中心角αがα=255°である場合の、レーザー光の偏光軸と結晶軸とのなす角の蛍光体ホイールの回転角依存性と、偏光状態の蛍光体ホイールの回転角依存性とを示すグラフである。 蛍光体ホイールを構成する結晶板の中心角αがα=285°である場合の、レーザー光の偏光軸と結晶軸とのなす角の蛍光体ホイールの回転角依存性と、偏光状態の蛍光体ホイールの回転角依存性とを示すグラフである。 蛍光体ホイールを構成する結晶板の中心角αがα=345°である場合の、レーザー光の偏光軸と結晶軸とのなす角の蛍光体ホイールの回転角依存性と、偏光状態の蛍光体ホイールの回転角依存性とを示すグラフである。 結晶板を5つに分割することが好ましい理由を説明するための図である。 レーザー光の偏光軸を傾けたときの偏光軸と結晶軸とのなす角の変化を説明するための図である。 レーザー光の偏光軸を傾けたときの、レーザー光の偏光軸と結晶軸とのなす角の蛍光体ホイールの回転角依存性と、偏光状態の蛍光体ホイールの回転角依存性とを示すグラフである。 実施例1の蛍光体ホイールを示す図である。 実施例2の蛍光体ホイールを示す図である。 複数の結晶板を用いても1枚の結晶板を用いたときと差異が生じない構成例を示す図である。 従来の蛍光体ホイールにおいてレーザー光の偏光軸と結晶軸とのなす角の変化を説明するための図である。 図17の蛍光体ホイールを1回転させたときの、レーザー光の偏光軸と結晶軸とのなす角の蛍光体ホイールの回転角依存性と、偏光状態の蛍光体ホイールの回転角依存性とを示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る発光素子、光源装置、およびプロジェクターについて説明する。
なお、以下の全ての図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法や比率などを適宜異ならせてある。
図1は、本実施形態の光源装置100およびプロジェクターPJを示す概略構成図である。プロジェクターPJは、図1に示すように、光源装置100、色分離光学系200、液晶ライトバルブ(光変調素子)400R,液晶ライトバルブ400G,液晶ライトバルブ400B、ダイクロイックプリズム(色合成素子)500、投写光学系600を有している。
プロジェクターPJは、概略すると以下のように動作する。光源装置100から射出された光は、色分離光学系200により異なる色の複数の色光に分離される。色分離光学系200により分離された複数の色光は、それぞれ対応する液晶ライトバルブ400R,液晶ライトバルブ400G,液晶ライトバルブ400Bに入射して変調される。液晶ライトバルブ400R,液晶ライトバルブ400G,液晶ライトバルブ400Bにより変調された後の複数の色光は、ダイクロイックプリズム500に入射して合成される。ダイクロイックプリズム500により合成された光は、投写光学系600によりスクリーンSCRに拡大投写され、フルカラーの投写画像が表示される。
以下、プロジェクターPJの各構成要素について説明する。
光源装置100は、レーザー光源10(励起光用光源)、集光レンズ22、蛍光体ホイール30(発光素子)、コリメート光学系60、レンズアレイ120,レンズアレイ130、偏光変換素子140、重畳レンズ150がこの順に配置された構成になっている。
レーザー光源10は、後述する蛍光体ホイール30に備えられた蛍光体層を励起させる励起光として、発光強度のピークが例えば445nmの青色のレーザー光を射出する青色レーザー光源である。ここでは、レーザー光源10として、単一のレーザー光源を備えているが、複数備えても良い。また、後述する蛍光体層を励起させることができる波長の光であれば、445nm以外のピーク波長を有する色光を射出するレーザー光源であっても構わない。
集光レンズ22は、凸レンズで構成されている。レーザー光源10が複数備えられている場合には、集光レンズを各レーザー光源10に対応させて一つずつ配置し、その後段に全てのレーザー光源に共通の凸レンズを一つ配置した構成としても良い。集光レンズ22は、レーザー光源10から射出されるレーザー光の光軸上に配置され、レーザー光源10から射出された励起光を集光する。
蛍光体ホイール30は、レーザー光源10から射出される励起光(青色レーザー光)の一部を透過させるとともに、残りを蛍光体が吸収して発光強度のピークが例えば約550nmの黄色の蛍光に変換する機能を有している。したがって、蛍光体ホイール30からは、元々の励起光である青色光と蛍光体から発光する黄色光とが合成された結果として白色光が射出されることになる。
蛍光体ホイール30は、平面形状が円形の基板40と、基板40上において周方向に沿って設けられた蛍光体層42とを有している。蛍光体ホイール30は、基板40の2つの主面のうち、蛍光体層42が形成されていない側の主面が集光レンズ22側に面するように配置され、また、集光レンズ22により集光される励起光の焦点位置が蛍光体層42の位置と一致するように配置されている。例えば、円形の蛍光体ホイール30の直径は50mmであり、平面視で蛍光体ホイール30の中心から約22.5mm離れた位置に励起光が入射するように蛍光体ホイール30が設けられている。
基板40は、結晶軸を有する結晶板を含んでいる。具体的には、結晶板としては、励起光である青色光を透過する水晶やサファイア等の結晶性部材を用いることができる。本実施形態では水晶を用いた。本実施形態においては、後述するように、基板40は、蛍光体ホイール30を回転させつつ蛍光体ホイール30にレーザー光を照射した際に光照射面上のレーザー光の照射スポットによって描かれる円形の軌跡と交差する方向に分割された複数のセグメントを有している。一つのセグメントには一つの結晶板が備えられている。言い換えれば、蛍光体ホイール30は、互いに結晶軸(光学軸)の方向が異なる少なくとも2つのセグメントを備えている。本明細書では簡単のために、蛍光体ホイール30が備えている結晶板の結晶軸のことを、蛍光体ホイール30の結晶軸と呼ぶ。
蛍光体層42は、上述したように、レーザー光源10から射出される励起光(青色レーザー光)の一部を透過させるとともに、残りを吸収して黄色(発光強度のピーク:約550nm)の蛍光を発光する。蛍光体層42から射出される光は、青色の励起光と黄色の蛍光とが混色することで白色光を形成している。さらに、蛍光体層42は、光透過性を有する基材と、蛍光を発する複数の蛍光体粒子と、光透過性を有する粒子状の物質である複数のフィラー粒子と、を有している。基材の内部には、複数の蛍光体粒子および複数のフィラー粒子が含まれている。基材の形成材料としては、光透過性を有する樹脂材料を用いることができ、例えば高い耐熱性を有するシリコーン樹脂(屈折率:約1.4)を好適に用いることができる。
蛍光体粒子は、図1に示すレーザー光源10から射出される励起光を吸収し、蛍光を発する粒子状の蛍光物質である。例えば、蛍光体粒子には、波長が約445nmの青色レーザー光によって励起されて蛍光を発する物質が含まれており、レーザー光源10が射出する励起光の一部を、赤色の波長帯域から緑色の波長帯域までを含む光、すなわち黄色光に変換して射出する。このような蛍光体粒子として、平均粒径が1μmから数十μm程度のものが高い発光効率を示すことが知られている。蛍光体粒子としては、公知のYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体を用いることができる。例えば、平均粒径が10μmの(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ceで示される組成のYAG系蛍光体(屈折率:約1.8)を用いることができる。なお、蛍光体粒子の構成材料は、1種類であっても良いし、2種類以上の構成材料からなる粒子を混合したものを蛍光体粒子として用いても良い。
フィラー粒子は、蛍光体層42に入射する励起光および蛍光体粒子から発せられる蛍光を拡散させる機能を有している。フィラー粒子の構成材料としては、光透過性を有する粒子状物質であれば、樹脂材料や無機材料など広範な種類の材料を用いることができる。中でも、高い耐熱性を有する無機材料を好適に用いることができ、例えば平均粒径が10μmのAl(屈折率:約1.8)を用いることができる。
図1に示すように、蛍光体ホイール30は、基板40の中心にモーター50が接続され、基板40の中心を通る法線を回転軸として回転可能に設けられている。モーター50は、蛍光体ホイール30を例えば7500rpmで回転させる。この場合、蛍光体ホイール30上の励起光の照射領域(ビームスポット)は、約18m/秒で移動する。すなわち、モーター50は、蛍光体ホイール30上におけるビームスポットの位置を変位させる位置変位手段として機能する。これにより、励起光が蛍光体ホイール30上の同一の位置を照射し続けないため、照射位置の熱劣化を防止し、装置を長寿命化することができる。
コリメート光学系60は、蛍光体ホイール30からの光の広がりを抑える第1レンズ62と、第1レンズ62から入射される光を略平行化する第2レンズ64とを備え、全体として蛍光体ホイール30から射出された光を平行化するものである。第1レンズ62と第2レンズ64とは凸レンズで構成されている。
レンズアレイ120およびレンズアレイ130は、コリメート光学系60から射出された光の輝度分布を均一化するものである。レンズアレイ120は、複数の第1マイクロレンズ122を含んでおり、レンズアレイ130は複数の第2マイクロレンズ132を含んでいる。第1マイクロレンズ122は、第2マイクロレンズ132と1対1で対応している。コリメート光学系60から射出された光は、複数の第1マイクロレンズ122に空間的に分かれて入射する。第1マイクロレンズ122は、入射した光を対応する第2マイクロレンズ132に結像させる。これにより、複数の第2マイクロレンズ132の各々に、二次光源像が形成される。なお、第1マイクロレンズ122、第2マイクロレンズ132の外形形状は、液晶ライトバルブ400R,液晶ライトバルブ400G,液晶ライトバルブ400B各々の画像形成領域の外形形状と略相似形となっている。
偏光変換素子140は、レンズアレイ120およびレンズアレイ130から射出された光Lの偏光状態を揃えるものである。偏光変換素子140は、蛍光体ホイール30からの光が入射され、その入射光に含まれる偏光方向が互いに異なる2つの光、例えばP偏光とS偏光とを分離する偏光分離素子と、偏光方向が互いに異なる2つの光のうちの一方の光の偏光方向を他方の光の偏光方向に変換する位相差板と、を有している。さらに、偏光分離素子は、レンズアレイの各第2マイクロレンズ132からの光の入射位置に応じて偏光分離膜(以下、PBS膜と称する)とミラーとを有している。各入射領域に入射した光は、PBS膜によりP偏光(PBS膜に対するP偏光)とS偏光(PBS膜に対するP偏光)とに分離される。P偏光、S偏光のうち一方の偏光(例えばS偏光)は、ミラーで反射した後、位相差板に入射する。位相差板に入射したS偏光は、位相差板により偏光状態が他方の偏光(ここではP偏光)の偏光状態に変換されてP偏光になり、射出される。
重畳レンズ150は、偏光変換素子140から射出された光を液晶ライトバルブ(被照明領域)400R,400G,400Bにて重畳させるものである。光源装置100から射出された光は、空間的に分割された後、重畳されることにより輝度分布が均一化されて光線軸100ax周りの軸対称性が高められる。
色分離光学系200は、ダイクロイックミラー210、ダイクロイックミラー220、ミラー230、ミラー240、ミラー250、フィールドレンズ300R、フィールドレンズ300G,フィールドレンズ300B、リレーレンズ260、リレーレンズ270を含んでいる。ダイクロイックミラー210、ダイクロイックミラー220は、例えばガラス表面に誘電体多層膜を積層したものである。ダイクロイックミラー210、ダイクロイックミラー220は、所定の波長帯域の色光を選択的に反射させ、それ以外の波長帯域の色光を透過させる特性を有している。ここでは、ダイクロイックミラー210は、緑色光と青色光とを反射させ、赤色光を透過させる特性を有している。ダイクロイックミラー220は、ダイクロイックミラー210を透過した緑色光と青色光のうち、緑色光を反射させ、青色光を透過させる特性を有している。
光源装置100から射出された光Lは、ダイクロイックミラー210に入射する。光Lのうちの赤色光Rは、ダイクロイックミラー210を通ってミラー230に入射し、ミラー230で反射してフィールドレンズ300Rに入射する。赤色光Rは、フィールドレンズ300Rにより平行化された後に、赤色光変調用の液晶ライトバルブ400Rに入射する。
光Lのうちの緑色光Gと青色光Bとは、ダイクロイックミラー210で反射して、ダイクロイックミラー220に入射する。緑色光Gは、ダイクロイックミラー220で反射してフィールドレンズ300Gに入射する。緑色光Gは、フィールドレンズ300Gにより平行化された後に、緑色光変調用の液晶ライトバルブ400Gに入射する。
ダイクロイックミラー220を通った青色光Bは、リレーレンズ260を通りミラー240で反射した後、リレーレンズ270を通りミラー250で反射してフィールドレンズ300Bに入射する。青色光Bは、フィールドレンズ300Bにより平行化された後に、青色光変調用の液晶ライトバルブ400Bに入射する。
液晶ライトバルブ400R,液晶ライトバルブ400G,液晶ライトバルブ400Bは、例えば透過型の液晶ライトバルブ等の光変調装置により構成されている。液晶ライトバルブ400R,液晶ライトバルブ400G,液晶ライトバルブ400Bは、画像情報を含んだ画像信号を供給するPC等の信号源(図示略)と電気的に接続されている。液晶ライトバルブ400R,液晶ライトバルブ400G,液晶ライトバルブ400Bは、供給された画像信号に基づいて、入射光を画素毎に変調して画像を形成する。液晶ライトバルブ400R、液晶ライトバルブ400G、液晶ライトバルブ400Bは、それぞれ赤色画像、緑色画像、青色画像を形成する。液晶ライトバルブ400R,液晶ライトバルブ400G,液晶ライトバルブ400Bにより変調された光(形成された画像)は、ダイクロイックプリズム500に入射する。
ダイクロイックプリズム500は、4つの三角柱プリズムが互いに貼り合わされた構造になっている。三角柱プリズムにおいて貼り合わされる面は、ダイクロイックプリズムの内面になる。ダイクロイックプリズム500の内面に、赤色光が反射し緑色光が透過するミラー面と、青色光が反射し緑色光が透過するミラー面とが互いに直交して形成されている。ダイクロイックプリズム500に入射した緑色光は、ミラー面を通ってそのまま射出される。ダイクロイックプリズム500に入射した赤色光、青色光は、ミラー面で選択的に反射あるいは透過して、緑色光の射出方向と同じ方向に射出される。このようにして3つの色光(画像)が重ね合わされて合成され、合成された色光が投写光学系600によってスクリーンSCRに拡大投写される。
光源装置100においては、レーザー光源10の位置およびレーザー光源10から射出されるレーザー光の偏光軸の方向は固定されている。以下の説明では、蛍光体ホイール30の面とレーザー光とが交差する点、すなわち蛍光体ホイール30上におけるレーザー光の照射スポットの中心と蛍光体ホイール30の回転軸とを結ぶ直線をX軸とする。蛍光体層42にレーザー光が照射されている間、蛍光体ホイール30は回転軸Oのまわりに常時回転している。そのため、蛍光体ホイール30の回転に伴って、蛍光体層42上のレーザー光の照射スポットは蛍光体ホイール30の回転軸の周りを移動し、蛍光体層42上のレーザー光の照射スポットにおける蛍光体ホイール30の結晶軸も回転する。そのため、レーザー光の偏光軸と蛍光体層42上のレーザー光の照射スポットにおける蛍光体ホイール30の結晶軸とのなす角は逐次変化する。
1枚の結晶板からなる従来の蛍光体ホイール700を例にとって、蛍光体ホイール700の回転に伴う、レーザー光の偏光軸とレーザー光の照射スポットにおける蛍光体ホイールの結晶軸とのなす角の変化について説明する。図17に示すように、レーザー光の偏光軸Pと蛍光体層42上におけるレーザー光の照射スポットLSにおける蛍光体ホイール700の結晶軸Kとのなす角をθとし、蛍光体ホイール700がレーザー光源10側から見て時計回りに回転したとすると、レーザー光の偏光軸Pと蛍光体ホイール700の結晶軸Kとのなす角θは、図17(A):θ=0°→図17(B):θ=45°→図17(C):θ=90°→図17(D):θ=45°(135°)→図17(E):θ=0°(180°)の順に変化する。すなわち、レーザー光の偏光軸Pと蛍光体ホイール700の結晶軸Kとのなす角θは、θ=0°→45°→90°→45°→0°→…というように周期的に変化する。なお、レーザー光の偏光軸Pおよび蛍光体ホイール700の結晶軸Kは向きを持たないので、θ=135°はθ=45°と等価とみなし、θ=180°はθ=0°と等価とみなすことができる。
このとき、レーザー光の偏光軸Pと蛍光体ホイール700の結晶軸Kとのなす角θが0°または90°であるとき(図17(A)、(C)、(E)の状態)、結晶板は結晶板(蛍光体ホイール)に入射するレーザー光の偏光状態に全く影響を与えないので、偏光の乱れが生じない。ところが、レーザー光の偏光軸Pと蛍光体ホイール700の結晶軸Kとのなす角θが0°または90°からずれるに従って偏光の乱れが大きくなっていき、45°で偏光の乱れが最大になる(図17(B)、(D)の状態)。以降、結晶板(蛍光体ホイール)に入射するレーザー光の偏光状態が結晶板から受ける影響が最小である状態を偏光状態が最適な状態と呼び、結晶板(蛍光体ホイール)に入射するレーザー光の偏光状態が結晶板から受ける影響が最大である状態を偏光状態が最悪な状態と呼ぶことにする。
図18は、図17に示した蛍光体ホイール700を1回転させた際の、蛍光体層42上のレーザー光の照射スポットにおける蛍光体ホイールの結晶軸Kとレーザー光の偏光軸Pとのなす角θの変化、および偏光状態の変化を示すグラフである。グラフの横軸が蛍光体ホイールの回転角[°]、左側の縦軸がレーザー光の偏光軸と蛍光体ホイールの結晶軸とのなす角θ[°]、右側の縦軸が偏光状態を示している。このように、レーザー光の偏光軸Pと蛍光体ホイール700の結晶軸Kとのなす角θの90°を1周期として、偏光状態は、例えば0°(最適状態)→45°(最悪状態)→90°(最適状態)→…、もしくは45°(最悪状態)→0°(最適状態)→45°(最悪状態)→…というように周期的に変化する。したがって、蛍光体ホイール700が1回転(360°回転)する間に最適状態が4回、最悪状態が4回現れる。
次に、蛍光体ホイールを1枚の結晶板(結晶性材料)で構成するのではなく、扇形に分割した複数の結晶板を組み合わせて円形にしたもので構成することを考える。
このとき、上記の周期性から考えると、90°の倍数の中心角を持つ扇形の複数の結晶板のみで構成された蛍光体ホイールでは、蛍光体ホイールに入射するレーザー光の偏光の乱れを低減するという観点においては、蛍光体ホイールを1枚の結晶板で構成したものとほとんど差異が生じない。すなわち、偏光状態の変化の周期が90°であるから、扇形の中心角を90°とした場合、どの位置(回転中のどのタイミング)で現れるかは別として、蛍光体ホイールの回転に伴って当該結晶板がレーザー光によって走査される間に、偏光状態が最適の状態が必ず1回現れ、偏光状態が最悪の状態が必ず1回現れる。また、扇形の中心角を180°とした場合、蛍光体ホイールの回転に伴って当該結晶板がレーザー光によって走査される間に、偏光状態が最適の状態が必ず2回、偏光状態が最悪の状態が必ず2回現れる。このように、蛍光体ホイールが1回転する間に偏光状態が最適の状態が現れる回数と偏光状態が最悪の状態が現れる回数とを、1枚の結晶板で蛍光体ホイールを構成した場合と90°の倍数の中心角を持つ扇形の複数の結晶板のみで蛍光体ホイールを構成した場合とで比較すると、それらの間で差がないことがわかる。
このように、複数の結晶板を用いても1枚の結晶板からなる蛍光体ホイールと差異が生じない構成の例として、図16(A)に示すように、中心角180°の結晶板701および中心角180°の結晶板702を用いた構成、図16(B)に示すように、中心角90°の結晶板703と中心角270°の結晶板704を用いた構成、図16(C)に示すように、中心角90°の結晶板705と中心角90°の結晶板706と中心角180°の結晶板707を用いた構成、図16(D)に示すように、各々の中心角が90°の結晶板708,結晶板709,結晶板710,結晶板711を用いた構成、が考えられる。なお、各結晶板701〜711の結晶軸の方向は任意で良く、どのような結晶軸の配置を採用しても結果は同じである。
以上のことから、レーザー光の偏光方向の乱れを低減するためには、蛍光体ホイールは90°の倍数の中心角を持たない結晶板を少なくとも1枚備えていなければならない。
以下、本実施形態の特徴である蛍光体ホイール30について説明する。前述したように、本実施形態による光源装置100で用いられる蛍光体ホイール30は、互いに結晶軸(光軸)の方向が異なる少なくとも2つの領域を有している。そこで、複数の結晶板を組み合わせて蛍光体ホイール30を形成するとして、蛍光体ホイール30について説明する。レーザー光の偏光軸PはX軸と平行である。
(1)結晶板の中心角αが0°<α<90°である場合
中心角αが0°<α<90°である結晶板、たとえば中心角αが80°の結晶板を用いる場合について説明する。結晶板は1枚の母結晶板から切り出される。図2(A)、(B)に示すように、母結晶板の結晶軸Kの方向をX軸と一致させ、切り出す角度範囲を、X軸を基準としてφで表す。また、切り出された扇形の結晶板の中心角の2等分線Cと結晶軸Kとのなす角をβで表す。以下、βを結晶板の中心の方位と称する。
ここで、例えば結晶板の中心の方位βを0°±n×90°として結晶板を切り出すことを考える。nは整数である。図2(A)に示すように、結晶板の中心の方位βが90°の場合、切り出す角度範囲をφ=50°〜130°と設定することで、中心角αが80°の結晶板32を切り出すことができる。この結晶板32と、結晶板の中心の方位βが90°であり且つ中心角αが90°の図示していない比較例の結晶板とを比較する。比較例の結晶板の切り出し角度範囲はφ=45°〜135°である。結晶板32がレーザー光によって走査される領域SCの長さは、比較例の結晶板がレーザー光によって走査される領域SCの長さよりも短い。比較例の結晶板がレーザー光によって走査される領域SCの両端には、偏光状態が最悪の2つの領域(θ=45°とθ=135°)が含まれているが、結晶板32がレーザー光によって走査される領域SCの両端には、偏光状態が最悪の2つの領域(θ=45°とθ=135°)は含まれない。比較例の結晶板と比較すると、結晶板32のレーザー光によって走査される領域SCにおいては、偏光状態が比較的悪い領域が減少しているため、レーザー光の偏光方向の乱れを低減することができる。結晶板の中心の方位βが0°±n×90°であれば、結晶板の中心の方位βが90°の場合と同じ結果が得られる。
次に、例えば結晶板の中心の方位βを45°±n×90°として結晶板を切り出すことを考える。nは整数である。図2(B)に示すように、結晶板の中心の方位βが45°の場合、切り出す角度範囲をφ=5°〜85°と設定することで、中心角αが80°の結晶板31を切り出すことができる。この結晶板31と、結晶板の中心の方位βが45°であり且つ中心角αが90°の図示していない比較例の結晶板とを比較する。比較例の結晶板の切り出し角度範囲はφ=0°〜90°である。結晶板31がレーザー光によって走査される領域SCの長さは、比較例の結晶板がレーザー光によって走査される領域SCの長さよりも短い。比較例の結晶板がレーザー光によって走査される領域SCの両端には、偏光状態が最適の2つの領域(θ=0°とθ=90°)が含まれているが、結晶板31がレーザー光によって走査される領域SCの両端には、偏光状態が最適の2つの領域(θ=0°とθ=90°)は含まれない。比較例の結晶板と比較すると、結晶板31のレーザー光によって走査される領域SCにおいては、偏光状態が比較的良い領域が減少しているため、結晶板の中心の方位βを45°±n×90°とすることは好ましくない。結晶板の中心の方位βが45°±n×90°であれば、結晶板の中心の方位βが45°の場合と同じ結果が得られる。
すなわち、中心角αが0°<α<90°である結晶板を用いる場合には、結晶板の中心の方位βを偏光状態が最適となるθ(0°±n×90°)と一致させることが好ましい。β=0°±n×90°とすれば、偏光状態を悪化させる領域を減らすことができる。
逆に、結晶板の中心の方位βを偏光状態が最悪となるθ(45°±n×90°)と一致させれば、比較的良い偏光状態が得られる領域が減ることになるため、好ましくない。
これを図面で示すと、最適条件は、例えば図2(A)の符号32で示すように、φ=90°±(α/2)°の範囲の結晶板(結晶板の中心の方位βが90°)を用いること、あるいは、符号33で示すように、φ=0°±(α/2)°の範囲の結晶板(結晶板の中心の方位βが0°)、を用いることである。逆に、最悪条件は、たとえば図2(B)の符号31で示すように、φ=45°±(α/2)°の範囲の結晶板(結晶板の中心の方位βが45°)を用いることである。
図3(A)に示した蛍光体ホイール331は、図2(A)に示した扇形の結晶板33を備えた蛍光体ホイールの一例である。結晶板33の中心の方位βは0°であり、中心角αは75°である。結晶板33が有する結晶軸の方向Kが、蛍光体ホイール331の回転の中心Oとレーザー光の照射スポットLSの中心とを結ぶ直線(X軸)と平行な状態を、蛍光体ホイール331の回転角が0°の状態として定義している。また、レーザー光の偏光軸PはX軸と平行である。したがって、蛍光体ホイール331の回転角が−37.5°から37.5°の時、この結晶板33にレーザー光が照射され、蛍光体ホイール331の回転角が−37.5°から37.5°の間における、レーザー光の偏光軸Pと蛍光体ホイールの結晶軸Kとのなす角θ、および偏光状態は、図4の符号Aに示された範囲で変化する。図4の符号Aで示したように、蛍光体ホイール331の回転に伴って、蛍光体ホイール331の回転角が−37.5°から37.5°の間に、偏光状態が最適となる状態が1回現れるが、偏光状態が最悪となる状態は現れない。そして、中心角αが90°よりも減少した分、偏光状態が比較的悪い領域Wが排除されている。以上の特性は、結晶板の中心の方位βが0°±n×90°であれば得ることができる。
結晶板の中心の方位βは、最適条件に対して22.5°未満のずれが許容される。その理由について図3および図4を用いて説明する。
図3(B)に示した蛍光体ホイール331bは、扇形の結晶板33bを備えた蛍光体ホイールの一例である。結晶板33bの中心角αは75°であり、結晶板の中心の方位βは最適条件である0°から−22.5°ずれている。そして、結晶板33bの結晶軸Kは、結晶板33bの中心角の2等分線Cに対して22.5°回転している。したがって、蛍光体ホイール331bの回転角が−15°から60°の時、この結晶板33bにレーザー光が照射され、蛍光体ホイール331bの回転角が−15°から60°の間における、レーザー光の偏光軸Pと蛍光体ホイールの結晶軸Kとのなす角θ、および偏光状態は、図4の符号Bに示された範囲で変化する。
図3(C)に示した蛍光体ホイール331cは、扇形の結晶板33cを備えた蛍光体ホイールの一例である。結晶板33cの中心角αは75°であり、結晶板の中心の方位βは最適条件である0°から22.5°ずれている。そして、結晶板33cの結晶軸Kは、結晶板33cの中心角の2等分線Cに対して−22.5°回転している。したがって、蛍光体ホイール331cの回転角が−60°から15°の時、結晶板33cにレーザー光が照射される。そのため、蛍光体ホイール331cの回転角が−60°から15°の間における、レーザー光の偏光軸Pと蛍光体ホイールの結晶軸Kとのなす角θ、および偏光状態は、図4の符号Cに示された範囲で変化する。
図4を参照すれば、結晶板の中心の方位βを最適条件からξだけずらした場合、蛍光体ホイールの回転に伴って結晶板がレーザー光によって走査されるような蛍光体ホイールの回転角度の範囲(たとえばB)は、ξ=0°の場合に結晶板がレーザー光によって走査されるような蛍光体ホイールの回転角度の範囲(A)を−ξだけ横軸方向にずらすことによって得られることが分かる。したがって、結晶板の中心の方位βを最適条件からξだけずらした場合、蛍光体ホイールの回転に伴って結晶板がレーザー光によって走査される間の、レーザー光の偏光軸Pと蛍光体ホイールの結晶軸Kとのなす角θ、および偏光状態の取り得る範囲は、ξ=0°の場合に取り得る範囲から容易に類推できる。
図4より、蛍光体ホイールの回転に伴って結晶板がレーザー光によって走査される領域において、結晶板の中心の方位βが±22.5°の場合(ξ=±22.5°)には偏光状態が比較的良い状態が得られる領域と偏光状態が比較的悪い状態が得られる領域との割合が1:1であるが、−22.5°<β(ξ)<+22.5°の場合には、偏光状態が比較的良い状態が得られる領域の割合が、偏光状態が比較的悪い状態が得られる領域の割合よりも大きいこともわかる。したがって、結晶板の中心の方位βは、最適条件に対して22.5°未満のずれが許容される。
(2)結晶板の中心角αが90°<α<180°である場合
中心角αが90°<α<180°である結晶板を使用する場合の第1の例として、中心角αが100°の結晶板を用いる場合について説明する。前述の第1の例と同様に、図5に示すように、結晶板は1枚の母結晶板から切り出される。
ここで、図5(A)に示すように、例えば結晶板の中心の方位βを45°±n×90°として結晶板を切り出すことを考える。結晶板の中心の方位βが−45°の場合、切り出す角度範囲をφ=−95°〜5°と設定することで、中心角αが100°の結晶板36を切り出すことができる。この結晶板36と、結晶板の中心の方位βが−45°であり且つ中心角αが90°の図示していない比較例の結晶板とを比較する。比較例の結晶板の切り出し角度範囲はφ=−90°〜0°である。結晶板36がレーザー光によって走査される領域SCの長さは、比較例の結晶板がレーザー光によって走査される領域SCの長さよりも長い。結晶板36がレーザー光によって走査される領域SCには、偏光状態が最適の2つの領域(θ=0°とθ=90°)が含まれるため、比較例の結晶板と比較すると、結晶板36のレーザー光によって走査される領域SCにおいては偏光状態が比較的良い領域が増加している。従って、比較例の結晶板を使用する場合よりもレーザー光の偏光方向の乱れを低減することができる。結晶板の中心の方位βが45°±n×90°であれば、結晶板の中心の方位βが−45°の場合と同じ結果が得られる。
次に、図5(A)に示すように、例えば結晶板の中心の方位βを0°±n×90°として結晶板を切り出すことを考える。結晶板の中心の方位βが90°の場合、切り出す角度範囲をφ=40°〜140°と設定することで、中心角αが100°の結晶板35を切り出すことができる。この結晶板35と、結晶板の中心の方位βが90°であり且つ中心角αが90°の図示していない比較例の結晶板とを比較する。比較例の結晶板の切り出し角度範囲はφ=45°〜135°である。結晶板35がレーザー光によって走査される領域SCの長さは、比較例の結晶板がレーザー光によって走査される領域SCの長さよりも長い。結晶板35がレーザー光によって走査される領域SCには、偏光状態が最悪の2つの領域(θ=45°とθ=135°)が含まれるため、比較例の結晶板と比較すると、結晶板35のレーザー光によって走査される領域SCにおいては偏光状態が比較的悪い領域が増加している。そのため、結晶板の中心の方位βを0°±n×90°とすることは好ましくない。結晶板の中心の方位βが0°±n×90°であれば、結晶板の中心の方位βが90°の場合と同じ結果が得られる。
次に、中心角αが90°<α<180°である結晶板を使用する場合の第2の例として、中心角αが165°の結晶板を用いる場合について説明する。
図5(B)に示した結晶板37の中心角αは165°であり、中心の方位βは−45°である。この結晶板37と、結晶板の中心の方位βが−45°であり且つ中心角αが180°の図示していない比較例の結晶板とを比較する。結晶板37がレーザー光によって走査される領域SCの長さは、比較例の結晶板がレーザー光によって走査される領域SCの長さよりも短い。比較例の結晶板がレーザー光によって走査される領域SCの両端には、偏光状態が最悪の2つの領域(θ=45°とθ=135°)が含まれているが、結晶板37がレーザー光によって走査される領域SCの両端には、偏光状態が最悪の2つの領域(θ=45°とθ=135°)は含まれない。そのため、比較例の結晶板と比較すると、結晶板37のレーザー光によって走査される領域SCにおいては、偏光状態が比較的悪い領域が減少するため、レーザー光の偏光方向の乱れを低減することができる。
図5(C)に示した結晶板38の中心角αは165°であり、中心の方位βは0°である。この結晶板38と、結晶板の中心の方位βが0°であり且つ中心角αが180°の図示していない比較例の結晶板とを比較する。結晶板38がレーザー光によって走査される領域SCの長さは、比較例の結晶板がレーザー光によって走査される領域SCの長さよりも短い。比較例の結晶板がレーザー光によって走査される領域SCの両端には、偏光状態が最適の2つの領域(θ=90°)が含まれているが、結晶板38がレーザー光によって走査される領域SCの両端には、偏光状態が最適の2つの領域(θ=90°)は含まれない。そのため、比較例の結晶板と比較すると、結晶板38のレーザー光によって走査される領域SCにおいては、偏光状態が比較的良い領域が減少しているため、結晶板の中心の方位βを0°±n×90°とすることは好ましくない。
すなわち、中心角αが90°<α<180°である結晶板を用いる場合には、結晶板の中心の方位βを偏光状態が最悪となるθ(45°±n×90°)と一致させることが好ましい。中心角αが90°に近い場合には、中心角αが90°である結晶板を用いる場合と比較して、比較的良い偏光状態が得られる領域を増やすことができる。また、中心角αが180°に近い場合には、中心角αが180°である結晶板を用いる場合と比較して、比較的悪い偏光状態が得られる領域を減らすことができる。
逆に、結晶板の中心の方位βを偏光状態が最適となるθ(0°±n×90°)と一致させることは好ましくない。中心角αが90°に近い場合には、中心角αが90°である結晶板を用いる場合と比較して、比較的悪い偏光状態が得られる領域が増加し、中心角αが180°に近い場合には、比較的良い偏光状態が得られる領域が減少するからである。
これを図面で示すと、最適条件は、たとえば図5(A)の符号36や図5(B)の符号37で示すように、φ=−45°±(α/2)°の範囲の結晶板(結晶板の中心の方位βが−45°)を用いることである。逆に、最悪条件は、たとえば図5(A)の符号35で示すように、φ=90°±(α/2)°の範囲の結晶板(結晶板の中心の方位βが90°)を用いること、あるいは図5(C)の符号38で示すように、φ=0°±(α/2)°の範囲の結晶板(結晶板の中心の方位βが0°)を用いることである。
図6(A)に示した蛍光体ホイール371は、図5(B)に示した扇形の結晶板37を備えた蛍光体ホイールの一例である。結晶板37の中心の方位βは−45°であり、中心角αは165°である。結晶板37が有する結晶軸の方向Kが、蛍光体ホイール371の回転の中心Oとレーザー光の照射スポットLSの中心とを結ぶ直線(X軸)と平行な状態を、蛍光体ホイール371の回転角が0°の状態として定義している。また、レーザー光の偏光軸PはX軸と平行である。したがって、蛍光体ホイール371の回転角が−37.5°から127.5°の時、この結晶板37にレーザー光が照射され、蛍光体ホイール371の回転角が−37.5°から127.5°の間における、レーザー光の偏光軸Pと蛍光体ホイールの結晶軸Kとのなす角θ、および偏光状態は、図6(B)の符号Aに示された範囲で変化する。図6(B)の符号Aで示したように、蛍光体ホイール371の回転に伴って、蛍光体ホイール371の回転角が−37.5°から127.5°の間に、偏光状態が最適となる状態が2回現れるが、偏光状態が最悪となる状態は1回しか現れない。そして、中心角αが180°よりも減少している分、偏光状態が比較的悪い領域Wが排除されている。以上の特性は、結晶板の中心の方位βが45°±n×90°であれば得ることができる。
図6(A)に示した蛍光体ホイール371において、結晶板37の代わりに中心角が105°の結晶板を用いた場合には、蛍光体ホイール371の回転角が−7.5°から97.5°の時、この結晶板にレーザー光が照射され、蛍光体ホイール371の回転角が−7.5°から97.5°の間における、レーザー光の偏光軸Pと蛍光体ホイールの結晶軸Kとのなす角θ、および偏光状態は、図6(B)の符号A’に示された範囲で変化する。図6(B)の符号A’で示したように、蛍光体ホイール371の回転に伴って、蛍光体ホイール371の回転角が−7.5°から97.5°の間に、偏光状態が最適となる状態が2回現れるが、偏光状態が最悪となる状態は1回しか現れない。そして、中心角αが90°よりも増加している分、偏光状態が比較的良い領域Vが増加している。以上の特性は、結晶板の中心の方位βが45°±n×90°であれば得ることができる。
結晶板の中心角αが0°<α<90°である場合と同様に、結晶板の中心の方位βは、最適条件に対して22.5°未満のずれが許容される。すでに説明したように、結晶板の中心の方位βを最適条件からξだけずらした場合の偏光状態の取り得る範囲は、ξ=0°の場合に取り得る範囲から容易に類推できる。そこで、その理由について図6を用いて説明する。
図6(A)に示した蛍光体ホイール371が備えている扇形の結晶板37の中心の方位βを最適条件から−22.5°だけずらした場合、結晶板37がレーザー光によって走査される間のレーザー光の偏光軸Pと蛍光体ホイールの結晶軸Kとのなす角θ、および偏光状態は、図6(B)の符号Bに示された範囲で変化する。また、結晶板37の中心の方位βを最適条件から22.5°だけずらした場合、結晶板37がレーザー光によって走査される間のレーザー光の偏光軸Pと蛍光体ホイールの結晶軸Kとのなす角θ、および偏光状態は、図6(B)の符号Cに示された範囲で変化する。
範囲Aと範囲Bと範囲Cを比較することにより、蛍光体ホイールの回転に伴って結晶板がレーザー光によって走査される領域において、ξ=±22.5°の場合には、偏光状態が比較的良い状態が得られる領域と偏光状態が比較的悪い状態が得られる領域との割合が1:1であるが、−22.5°<ξ<+22.5°の場合には、偏光状態が比較的良い状態が得られる領域の割合が、偏光状態が比較的悪い状態が得られる領域の割合よりも大きいことがわかる。したがって、結晶板の中心の方位βは、最適条件に対して22.5°未満のずれが許容される。
(3)結晶板の中心角αが180°<α<270°である場合
結晶板の中心角αが90°<α<180°である場合と同様な考察により、結晶板の中心角αが180°<α<270°である場合における結晶板の中心の方位βの最適条件は0°±n×90°である。また、結晶板の中心の方位βは、最適条件に対して22.5°未満のずれが許容される。
結晶板の扇形の中心角αをα=195°として、結晶板の中心の方位βをβ=0°としたときに取り得る偏光状態の範囲は図7の符号Aで示された範囲である。また、結晶板の中心の方位βを−22.5°ずらしたときに取り得る状態の範囲は図7の符号Bで示された範囲である。また、結晶板の中心の方位βを22.5°ずらしたときに取り得る状態の範囲は図7の符号Cで示された範囲である。
また、他の例として、結晶板の扇形の中心角αをα=255°として、結晶板の中心の方位βをβ=0°としたときに取り得る偏光状態の範囲は図8の符号Aで示された範囲である。また、結晶板の中心の方位βを−22.5°ずらしたときに取り得る状態の範囲は図8の符号Bで示された範囲である。また、結晶板の中心の方位βを22.5°ずらしたときに取り得る状態の範囲は図8の符号Cで示された範囲である。
いずれの例においても、結晶板の中心の方位βの最適条件からのずれξが±22.5°の場合には、偏光状態が良い状態と悪い状態との割合が1:1であるが、−22.5°<ξ<+22.5°の場合には、偏光状態が良い状態の割合が悪い状態の割合よりも大きくなる。
(4)結晶板の中心角αが270°<α<360°である場合
結晶板の中心角αが90°<α<180°である場合と同様な考察により、結晶板の中心角αが270°<α<360°である場合における結晶板の中心の方位βの最適条件は45°±n×90°である。また、結晶板の中心の方位βは、最適条件に対して22.5°未満のずれが許容される。
結晶板の扇形の中心角αをα=285°として、結晶板の中心の方位βをβ=45°としたときに取り得る偏光状態の範囲は図9の符号Aで示された範囲である。また、結晶板の中心の方位βを−22.5°ずらしたときに取り得る状態の範囲は図9の符号Bで示された範囲である。また、結晶板の中心の方位βを22.5°ずらしたときに取り得る状態の範囲は図9の符号Cで示された範囲である。
また、他の例として、結晶板の扇形の中心角αをα=345°として、結晶板の中心の方位βをβ=45°としたときに取り得る偏光状態の範囲は図10の符号Aで示された範囲である。また、結晶板の中心の方位βを−22.5°ずらしたときに取り得る状態の範囲は図10の符号Bで示された範囲である。また、結晶板の中心の方位βを22.5°ずらしたときに取り得る状態の範囲は図10の符号Cで示された範囲である。
いずれの例においても、結晶板の中心の方位βの最適条件からのずれξが±22.5°の場合には、偏光状態が良い状態と悪い状態との割合が1:1であるが、−22.5°<ξ<+22.5°の場合には、偏光状態が良い状態の割合が悪い状態の割合よりも大きくなる。
図17(A)〜(E)に示したように、レーザー光の照射スポットLSの中心と蛍光体ホイール800の回転軸Oとを結ぶ直線をX軸として、レーザー光の偏光軸PをX軸に一致させて配置した場合、レーザー光の偏光軸Pと蛍光体ホイール700の結晶軸Kとのなす角θ、および偏光状態は90°の周期で周期的に変化した。しかしながら、レーザー光の偏光軸PをX軸に対して傾けて配置したとしても、レーザー光の偏光軸Pと蛍光体ホイールの結晶軸Kとのなす角θ、および偏光状態が90°の周期で周期的に変化するという特性自体は変わらない。
すなわち、図12(A)〜(E)に示すように、レーザー光の偏光軸PがX軸に対してたとえば45°の角度をなすように傾けて配置した場合でも、レーザー光の偏光軸Pと蛍光体ホイール800の結晶軸Kとのなす角θは、図12(A):θ=45°→図12(B):θ=90°→図12(C):θ=45°(135°)→図12(D):θ=0°(180°)→図12(E):θ=45°(225°)の順に変化する。
図13(C)は、図13(B)に示すように、レーザー光の偏光軸Pを図13(A)に示す状態から時計回りにX軸から角度γだけ回転させた場合の、レーザー光の偏光軸Pと蛍光体ホイールの結晶軸Kとのなす角θ、および偏光状態の変化を示すグラフである。ただし、γは45°である。図18に示したグラフは、図13(A)に示したγ=0°の場合に相当する。図13(C)と図18からわかるように、レーザー光の偏光軸PをX軸から時計回りに角度γだけ回転させると、レーザー光の偏光軸Pと蛍光体ホイールの結晶軸Kとのなす角θ、および偏光状態の変化の様子を示すグラフは、図18に示したγが0°の場合のグラフをホイールの回転角の正方向に角度γだけ平行移動させたものとなる。
また、本実施形態の蛍光体ホイールにおいて、互いに隣り合う2枚の結晶板の結晶軸Kは、平行、垂直以外の配置とする必要がある。隣接する2枚の結晶板の結晶軸Kが平行もしくは垂直であると、その2枚の結晶板は物理的には分割されていても、光学的には分割した効果が得られないからである。
(実施例1)
図11(A)に示すように、母結晶板を中心角αが90°の結晶板に分割しようとすると、4個の結晶板43〜46しか取れない。これに対して、図11(B)に示すように、蛍光体ホイールを5個以上の結晶板に分割しようとすると、中心角が90°よりも小さい結晶板53,54が必ず存在することになる。その理由は、仮に結晶板の中心角αを90°とすると、4個の結晶板しか取れず、5個目の結晶板の中心角が0°になってしまうからである。したがって、蛍光体ホイールを5個以上の結晶板51〜55に分割すれば、少なくとも2個の結晶板53,54の中心角は90°よりも小さくなる。
また、既に説明したように、中心角αが90°の結晶板のみから構成された蛍光体ホイールは、1枚の結晶板から構成された蛍光体ホイールと実質的に差がない。そこで、たとえばセグメントの数が4個の場合、少なくとも1つのセグメントが備える結晶板の中心角αを90°と異なる値に設定すると、図14(B)に示すように、少なくとも一つのセグメント48が備える結晶板の中心角αは90°以上になる。セグメントの数が3個以下の場合も、少なくとも一つのセグメントが備える結晶板の中心角αは90°以上になる。中心角αが90°以上の結晶板においては偏光状態が最悪の領域が必ず存在する。
実施例1にかかる蛍光体ホイール471を図14(A)に示す。蛍光体ホイール471は、中心角が72°である結晶板47を5枚備えている。いずれの結晶板47も、結晶板の中心の方位βは最適値である0°に設定されている。ここで、本明細書においては、扇形の結晶板の中心角の2等分線と当該結晶板が有する結晶軸とのなす角をβとしていることに注意されたい。互いに隣り合う2つの結晶板が有する結晶軸は、互いに72°の角をなしている。
図4からわかるように、中心角が90°未満の結晶板においては、偏光状態が最悪の領域が存在しない。したがって、実施例1にかかる蛍光体ホイール471を用いることにより、レーザー光の偏光方向の乱れを大きく低減することができるため、位相差板の寿命の低下が低減された光源装置を実現することが可能となる。このように、蛍光体ホイールが備えるセグメントの数を5個以上とし、各々のセグメントが備える結晶板の中心角αを90°未満とすることによって、蛍光体ホイール上に偏光状態が最悪の領域が全く存在しないようにすることができる。したがって、蛍光体ホイールが備えるセグメントの数を5個以上とすることが好ましい。
(実施例2)
実施例2にかかる蛍光体ホイール391を図15に示す。図15に示した蛍光体ホイール391では、第1のセグメントには図5(B)に示した中心角αが165°の扇形の結晶板37が備えられ、第2のセグメントには中心角αaが195°の扇形の結晶板37aが備えられている。結晶板37の結晶板の中心の方位βは、最適値である−45°に設定されている。一方、結晶板37aの中心角αaは195°であるため、結晶板の中心の方位βaは最適値である0°に設定されている。そのため、蛍光体ホイール391の上では、結晶板37の結晶軸Kの方向と結晶板37aの結晶軸Kaの方向とは、互いに45°の角をなしている。
結晶板37においては、中心角αが180°の場合と比較して、偏光状態が比較的悪い領域が減少している。また、結晶板37aにおいては、中心角αaが180°の場合と比較して、偏光状態が比較的良い領域が増加している。したがって、実施例2にかかる蛍光体ホイール391を用いることにより、レーザー光の偏光方向の乱れを低減することができるため、位相差板の寿命の低下が低減された光源装置を実現することが可能となる。
上記の説明をまとめると、以下のようになる。
(1)結晶板の中心角αが0°<α<90°である場合
結晶板の中心角の2等分線と当該結晶板が有する結晶軸とのなす角βの最適条件は、偏光状態が90°の周期で周期的に変化する、という点を考慮して、β=0°±n×90°である。また、βの最適条件からのずれの許容範囲、およびレーザー光の偏光軸の角度ずれ(γ)を考慮すると、好ましい条件は、
−22.5°+n×90°+γ<β<22.5°+n×90°+γ ……(1)
(ただし、nは整数)
となる。
(2)結晶板の中心角αが90°<α<180°である場合
最適条件はβ=45°±n×90°である。また、βの最適条件からのずれの許容範囲、およびレーザー光の偏光軸の角度ずれ(γ)を考慮すると、好ましい条件は、
22.5°+n×90°+γ<β<67.5°+n×90°+γ ……(2)
(ただし、nは整数)
となる。
(3)結晶板の中心角αが180°<α<270°である場合
最適条件はβ=0°±n×90°である。また、βの最適条件からのずれの許容範囲、およびレーザー光の偏光軸の角度ずれ(γ)を考慮すると、好ましい条件は、
−22.5°+n×90°+γ<β<22.5°+n×90°+γ ……(3)
(ただし、nは整数)
となる。
(4)結晶板の中心角αが270°<α<360°である場合
最適条件はβ=45°±n×90°である。また、βの最適条件からのずれの許容範囲、およびレーザー光の偏光軸の角度ずれ(γ)を考慮すると、好ましい条件は、
22.5°+n×90°+γ<β<67.5°+n×90°+γ ……(4)
(ただし、nは整数)
となる。
[本実施形態の効果]
レーザー光は偏光状態が比較的揃っているため、その偏光状態を維持することで、プロジェクターにおける偏光変換素子の位相差板に照射されるレーザー光の光量を低減することができる。偏光変換素子では、偏光状態が異なる2つの偏光のうち、一方の偏光(第1偏光という)のみが位相差板を透過し、他方の偏光(第2偏光という)は位相差板を透過しない。そこで、レーザー光の偏光状態を、第2偏光に揃えることによって、位相差板に照射されるレーザー光の光量を低減することができる。蛍光体ホイールの蛍光体層はいわば散乱素子であるため、レーザー光が蛍光体層を透過する際に多少の第1偏光が発生するが、その量は第2偏光に比べて極めて小さい。例えば粒径10〜20μm、屈折率1.8の蛍光体粒子を体積比で約30%含んだ屈折率1.4の樹脂層からなる蛍光体層をレーザー光が透過した結果、偏光の維持率は80%程度である。このように、位相差板を透過するレーザー光が低減できるため、位相差板の寿命を向上することができる。有機フィルムからなる位相差板は短波長側の光でより劣化しやすいため、青色レーザー光源に適用すると、寿命向上の効果が顕著である。
その点、本実施形態の光源装置100においては、レーザー光源10からの励起光を受けて蛍光発光を生じる蛍光体ホイール30として、結晶性材料からなる複数の結晶板で構成され、各結晶板の結晶軸配置が最適化されたものが用いられている。これにより、1枚の結晶板で構成された蛍光体ホイールを用いた場合と比べて、透過するレーザー光の偏光状態の乱れを低減することができる。その結果、偏光方向の乱れに伴う偏光変換素子の寿命低下の問題、光利用効率の低下の問題等、諸問題を解決し得る光源装置を実現することができる。また、本実施形態のプロジェクターPJによれば、上記の光源装置100を備えているため、信頼性が高く、表示品質に優れたプロジェクターを実現することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば蛍光体ホイールとして、基板上に蛍光体層を形成する例を示したが、基板中に蛍光体を分散させる構成としても良い。また、基材に使用する結晶性材料としては、水晶に限らず、サファイアなどを用いても良い。また、回転ホイールの形状は円形に限らず、四角形や多角形などを用いても良い。回転ホイールとして多角形を用いた場合でもレーザー照射位置が回転ホイールの内側であれば、レーザー照射スポットの軌跡は円となる。したがって、回転ホイールとして多角形を用いた場合でも、レーザー照射スポットの軌跡を用いることで、結晶板を扇形とみなすことができる。かくして、中心角αと結晶板の中心の方位βを定義することができる。
また、各結晶板に必ずしも同一の蛍光体層を形成する必要はなく、結晶板毎に蛍光体種類、蛍光体層の厚み、蛍光体層のありなしを選択し、時分割で発光色が変化する回転ホイールを製造することもできる。また、プロジェクターの各光学要素の具体的な構成、配置、形状、数等については、上記実施形態に限ることなく、適宜変更が可能である。光源から射出される光の波長域と蛍光体材料との組み合わせについても、適宜変更が可能である。
10…レーザー光源(励起光用光源)、30…蛍光体ホイール(発光素子)、31〜36,43〜46,51〜55…結晶板、100…光源装置、140…偏光変換素子、400R,400G,400B…液晶ライトバルブ(光変調素子)、600…投射光学系、PJ…プロジェクター。

Claims (5)

  1. 光照射面に設けられた蛍光体と結晶軸を有する複数の結晶性部材とを含み、前記光照射面と交差する所定の回転軸を中心として回転可能とされた発光素子と、
    前記発光素子の前記光照射面上の所定の位置に励起光を照射する励起光用光源と、を備え、
    前記発光素子が、前記発光素子の回転時における前記光照射面上の前記励起光の照射スポットの軌跡からなる円と交差する方向に分割された複数のセグメントで構成され、
    前記複数のセグメントのうち第1のセグメントには、前記複数の結晶性部材のうち第1の結晶性部材が設けられ、
    前記第1のセグメントを前記光照射面の法線方向から見た平面形状を、前記第1のセグメントの光照射面上での前記励起光の照射スポットの軌跡を円弧としたときの、前記円弧の両端のうち一端と前記回転軸とを結ぶ第1の線分と前記円弧の両端のうち他端と前記回転軸とを結ぶ第2の線分と前記円弧とで囲まれる扇形とみなしたとき、
    前記発光素子を前記光照射面の法線方向から見て、前記扇形の中心角をαとし、前記中心角の2等分線と前記第1の結晶性部材が有する結晶軸とのなす角をβとし、前記回転軸と前記照射スポットの中心とを結ぶ線分と前記照射スポットにおける前記励起光の偏光軸とのなす角をγとし、nを整数としたとき、下記の(1)ないし(4)のうちのいずれか一つを満足することを特徴とする光源装置。
    (1)0°<α<90°、かつ、−22.5°+n×90°+γ<β<22.5°+n×90°+γ
    (2)90°<α<180°、かつ、22.5°+n×90°+γ<β<67.5°+n×90°+γ
    (3)180°<α<270°、かつ、−22.5°+n×90°+γ<β<22.5°+n×90°+γ
    (4)270°<α<360°、かつ、22.5°+n×90°+γ<β<67.5°+n×90°+γ
  2. 前記発光素子が、前記円と交差する方向に分割された5個以上のセグメントで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  3. 前記発光素子の後段に、前記蛍光体で発光した光が入射され、その入射光に含まれる偏光方向が異なる2つの光を分離する偏光分離素子と、前記偏光方向が異なる2つの光のうちの一方の光の偏光方向を他方の光の偏光方向に変換する位相差板と、を有する偏光変換素子を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の光源装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の光源装置と、
    前記光源装置から射出される光を変調する光変調素子と、
    前記光変調素子により変調された光を被投射面上に投射する投射光学系と、を備えたことを特徴とするプロジェクター。
  5. 励起光用光源から射出される励起光が光照射面上の所定の位置に照射される発光素子であって、
    前記光照射面に設けられた蛍光体と結晶軸を有する複数の結晶性部材を含み、前記光照射面と交差する所定の回転軸を中心として回転可能とされ、
    回転時における前記光照射面上の前記励起光の照射スポットの軌跡からなる円と交差する方向に分割された複数のセグメントで構成され、
    前記複数のセグメントのうち第1のセグメントには、前記複数の結晶性部材のうち第1の結晶性部材が設けられ、
    前記複数のセグメントのうち前記第1のセグメントに隣り合う第2のセグメントには、前記複数の結晶性部材のうち第2の結晶性部材が設けられ、
    前記第1のセグメントを前記光照射面の法線方向から見た平面形状を、前記第1のセグメントの光照射面上での前記励起光の照射スポットの軌跡を円弧としたときの、前記円弧の両端のうち一端と前記回転軸とを結ぶ第1の線分と前記円弧の両端のうち他端と前記回転軸とを結ぶ第2の線分と前記円弧とで囲まれる第1の扇形とみなし、前記第2のセグメントを前記光照射面の法線方向から見た平面形状を、前記第2のセグメントの光照射面上での前記励起光の照射スポットの軌跡を円弧としたときの、前記円弧の両端のうち一端と前記回転軸とを結ぶ第3の線分と前記円弧の両端のうち他端と前記回転軸とを結ぶ第4の線分と前記円弧とで囲まれる第2の扇形とみなし、前記光照射面の法線方向から見たときの前記第1の扇形の中心角をα1とし、前記光照射面の法線方向から見たときの前記第2の扇形の中心角をα2とし、nを0乃至3のうちのいずれかの整数としたとき、
    前記第1のセグメントの中心角α1が、0°+n×90°<α1<0°+(n+1)×90°であり、かつ、
    前記第2のセグメントの中心角α2が、0°+n×90°<α2<0°+(n+1)×90°であり、
    前記第1のセグメントの結晶軸と前記第2のセグメントの結晶軸とのなす角σが、0°<σ<90°または90°<σ<180°であることを特徴とする発光素子。
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