JP2012084371A - 有機el装置の製造方法、有機el装置、及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機EL素子の劣化あるいは発光ムラを抑制した有機EL装置、有機EL装置の製造方法、および電子機器を提供すること。
【解決手段】本適用例の有機EL装置1の製造方法は、基体200上に画素電極20を形成する画素電極形成工程S2と、画素電極20に対応した開口部25が設けられるように隔壁層30を形成する隔壁層形成工程S3と、開口部25および隔壁層30を覆うように発光層40を形成する発光層形成工程S4と、隔壁層30と発光層40とが平面的に重なる第1の領域において、発光層40a上に導電層50を形成する導電層形成工程S5と、発光層40および導電層50を覆うように共通電極60を形成する共通電極形成工程S7と、を備え、導電層形成工程S5と共通電極形成工程S7との間には、第1の領域に形成された発光層40aの少なくとも一部を加熱する発光層加熱工程S6を有している。
【選択図】図3
【解決手段】本適用例の有機EL装置1の製造方法は、基体200上に画素電極20を形成する画素電極形成工程S2と、画素電極20に対応した開口部25が設けられるように隔壁層30を形成する隔壁層形成工程S3と、開口部25および隔壁層30を覆うように発光層40を形成する発光層形成工程S4と、隔壁層30と発光層40とが平面的に重なる第1の領域において、発光層40a上に導電層50を形成する導電層形成工程S5と、発光層40および導電層50を覆うように共通電極60を形成する共通電極形成工程S7と、を備え、導電層形成工程S5と共通電極形成工程S7との間には、第1の領域に形成された発光層40aの少なくとも一部を加熱する発光層加熱工程S6を有している。
【選択図】図3
Description
本発明は、有機EL装置の製造方法、有機EL装置、及び電子機器に関する。
近年提案されている、有機エレクトロルミネッセンス(以下「有機EL」)素子を備えた有機EL装置には、有機EL素子が放つ光を該素子が形成された基板側とは反対側(陰極側)から取り出すいわゆるトップエミッション方式の発光方式がある。トップエミッション方式の有機EL装置では、有機EL素子の発光効率をより高めるという観点から、光を取り出す側に設けられる電極は光透過性を有するように形成するのが望ましい。具体的には、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)等の透明導電材料を用いる、もしくは、銀やアルミニウム等の金属材料を用いた場合には光透過性を有するほどの薄膜とする、といった方法で光透過性を有する電極を形成する。
しかしながら、光透過性を有するように形成される電極は、形成材料自体の物性や、膜厚が薄いことにより、電極全体として抵抗値が高くなる。そのため、電極内で電圧降下が生じ、表示画面に発光ムラや輝度ムラ等の表示ムラが発生する課題があった。
このような問題を解決する方法として、例えば、特許文献1には、光を取り出す側の陰極上に補助電極を隔壁部の上面と平面的に重なるように設けることにより、陰極全体としての電気抵抗を低減させる有機EL装置の製造方法が提案されている。隔壁上に補助配線を形成する際には、通常マスク蒸着法を用いることが知られている。
しかしながら、上述の有機EL装置の製造方法では、陰極とマスクとが接触してしまい、接触した陰極の一部がマスクに付着し、そのままマスクを陰極から離すと、マスクに付着した陰極の一部が剥離してしまう虞があった。陰極の一部が剥離した状態のまま、陰極上に封止層を成膜すると、陰極の剥離した部分においては封止層の成膜性が悪くなってしまい、酸素や水分の浸入が容易になり、有機EL素子が劣化してしまう問題が生じる。さらに、陰極の一部が剥離してしまうので、有機EL素子に均一に電流を供給できず、発光ムラが生じてしまうといった問題が生じる虞があった。
また、隔壁を覆うように複数の有機EL素子に連続して発光層を設け、該発光層上に補助電極を設けた場合にも、発光層と補助電極形成用のマスクとが接触してしまい、接触部した発光層の一部がマスクに付着し、そのままマスクを発光層から離すと、発光層の一部が剥離してしまう虞があった。発光層の一部が剥離した状態のまま、発光層上に陰極を成膜すると、発光層の剥離した部分部分においては陰極の成膜性が悪くなり、有機EL素子に均一に電流を供給できず、発光ムラが生じる虞があった。さらに、陰極上に封止層を形成した場合、発光層の剥離した部分を覆う封止層の成膜性も悪くなるので、酸素や水分の浸入が容易になり、有機EL素子が劣化してしまう問題が生じる虞があった。
本発明は、少なくとも上述の課題の一つを解決するように、下記の形態または適用例として実現することが可能である。
〔適用例1〕本適用例による有機EL装置の製造方法は、基体上に第1の電極を形成する第1の電極形成工程と、前記第1の電極に対応した開口部が設けられるように隔壁を形成する隔壁形成工程と、前記開口部および前記隔壁を覆うように発光層を形成する発光層形成工程と、前記隔壁と前記発光層とが平面的に重なる第1の領域において、前記発光層上に導電層を形成する導電層形成工程と、前記発光層および前記導電層を覆うように第2の電極を形成する第2の電極形成工程と、を備え、前記導電層形成工程と前記第2の電極形成工程との間には、前記第1の領域における前記発光層の少なくとも一部を加熱する発光層加熱工程を有していることを特徴とする。
上述の適用例によれば、導電層形成工程と第2の電極形成工程との間に発光層加熱工程を有することによって、導電層形成工程において隔壁層を覆う発光層に、例えば部分的な発光層の剥離などによって凹凸が生じた場合でも、隔壁層を覆う発光層の表面の少なくとも一部を加熱して溶融させる発光層加熱工程を行うことで、発光層の表面に発生した凹凸を略平坦にすることができる。したがって、隔壁層を覆う発光層の表面が略平坦になっているので、該発光層を覆うように設けられる第2の電極の成膜性の低下を抑制することができる。
〔適用例2〕上述の適用例において、前記第1の領域は、前記導電層が形成される第2の領域と、前記導電層が形成されていない第3の領域と、を含み、前記発光層加熱工程において、前記第3の領域における前記発光層の少なくとも一部を加熱することを特徴とする。
上述の適用例によれば、導電層形成工程においては、導電層形成時に使用する蒸着マスクと第3の領域における発光層とが接触し、第3の領域における発光層の少なくとも一部が剥離した場合、発光層加熱工程において、第3の領域における発光層の少なくも一部を選択的に加熱するので、第3の領域以外の部分に加熱による悪影響を与えることがなく、効果的に発光層の表面の凹凸を略平坦にすることができる。
〔適用例3〕上述の適用例において、前記発光層加熱工程は、エネルギー線を照射することにより前記発光層を加熱することを特徴とする。
上述の適用例によれば、エネルギー線を用いて発光層を加熱するので、発光層を局所的に加熱することができる。すなわち、照射した部分のみの発光層の温度を瞬間的に上昇させて、溶融、蒸発、あるいは昇華させるので、他の領域の発光層、あるいは有機EL装置全体に損傷を与えることがなく、発光層の剥離部のみを確実に、かつ容易に加熱して、剥離部における発光層の表面の凹凸を略平坦にすることが可能となる。
〔適用例4〕上述の適用例において、前記エネルギーは、レーザー光であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、レーザー光を用いて発光層を加熱するので、容易かつ局所的に発光層を加熱することができる。また、レーザーを用いれば、複雑な装置を必要とせずに安定的にエネルギー線を出力できるので、従来の有機EL装置の製造装置を複雑化させることなく、隔壁を覆う発光層の表面をより均一に平坦化することができる。
〔適用例5〕上述の適用例において、前記発光層加熱工程は、前記第1の領域における前記発光層の少なくとも一部が剥離した第1の剥離部を検出する工程を含み、前記発光層加熱工程は、前記第1の剥離部を加熱することを特徴とする。
上述の適用例によれば、隔壁層を覆う発光層の剥離部分のみにエネルギー線を商社させることができ、発光層の剥離部のみを確実に、かつ容易に加熱して、剥離部における発光層の表面の凹凸を略平坦にすることが可能となる。
〔適用例6〕本適用例による有機EL装置の製造方法は、基体上に第1の電極を形成する第1の電極形成工程と、前記第1の電極に対応した開口部が設けられるように隔壁を形成する隔壁形成工程と、前記第1の電極および前記隔壁を覆うように発光層を形成する発光層形成工程と、前記発光層を覆うように第2の電極を形成する第2の電極形成工程と、前記隔壁と前記第2の電極とが平面的に重なる第4の領域において、前記第2の電極上に導電層を形成する導電層形成工程と、前記第2の電極および前記導電層を覆うように封止層を形成する封止層形成工程と、を備え、前記導電層形成工程と前記封止層形成工程との間には、前記第4の領域における前記第2の電極の少なくとも一部を加熱する電極加熱工程を有していることを特徴とする。
上述の適用例によれば、導電層形成工程と封止層形成工程との間に電極加熱工程を有することによって、導電層形成工程において隔壁層を覆う第2の電極に、例えば部分的な第2電極の剥離などによって凹凸が生じた場合でも、隔壁層を覆う第2の電極の表面の少なくとも一部を加熱して溶融させる電極加熱工程を行うことで、第2の電極の表面に発生した凹凸を略平坦にすることができる。したがって、隔壁層を覆う第2の電極の表面が略平坦になっているので、該第2の電極を覆うように設けられる封止層の成膜性の低下を抑制することができる。
〔適用例7〕上述の適用例において、前記第4の領域における前記第2の電極は、前記導電層が形成される第5の領域と、前記導電層が形成されていない第6の領域と、を含み、前記電極加熱工程において、前記第6の領域における前記第2の電極の少なくとも一部を加熱することを特徴とする。
上述の適用例によれば、導電層形成工程においては、導電層形成時に使用する蒸着マスクと第5の領域における第2の電極とが接触し、第5の領域における第2の電極の少なくとも一部が剥離した場合、電極加熱工程において、第5の領域における第2の電極の少なくも一部を選択的に加熱するので、第5の領域以外の部分に加熱による悪影響を与えることがなく、効果的に第2の電極の表面の凹凸を略平坦にすることができる。
〔適用例8〕上述の適用例において、前記電極加熱工程は、エネルギー線を照射することにより前記第2の電極を加熱することを特徴とする。
上述の適用例によれば、エネルギー線を用いて第2の電極を加熱するので、第2の電極を局所的に加熱することができる。すなわち、照射した部分のみの第2の電極の温度を瞬間的に上昇させて、溶融、蒸発、あるいは昇華させるので、他の領域の第2の電極、あるいは有機EL装置全体に損傷を与えることがなく、第2の電極の剥離部のみを確実に、かつ容易に加熱して、剥離部における第2の電極の表面の凹凸を略平坦にすることが可能となる。
〔適用例9〕上述の適用例において、前記エネルギーは、レーザー光であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、レーザー光を用いて第2の電極を加熱するので、容易かつ局所的に第2の電極を加熱することができる。また、レーザーを用いれば、複雑な装置を必要とせずに安定的にエネルギー線を出力できるので、従来の有機EL装置の製造装置を複雑化させることなく、隔壁を覆う第2の電極の表面をより均一に平坦化することができる。
〔適用例10〕上述の適用例において、前記電極加熱工程は、前記第4の領域における前記第2電極の少なくとも一部が剥離した第2の剥離部を検出する工程を含み、前記電極加熱工程は、前記第2の剥離部を加熱することを特徴とする。
上述の適用例によれば、隔壁層を覆う第2の電極の剥離部分のみにエネルギー線を照射させることができ、第2の電極の剥離部のみを確実に、かつ容易に加熱して、剥離部における第2の電極の表面の凹凸を略平坦にすることが可能となる。
〔適用例11〕本適用例にかかる有機EL装置は、上述の有機EL装置の製造方法によって製造される。
上述の適用例によれば、有機EL素子の劣化あるいは発光ムラを抑制した有機EL装置が得られる。
〔適用例12〕本適用例にかかる電子機器は、上述の有機EL装置を備えることを特徴とする。
上述の適用例によれば、有機EL素子の劣化あるいは発光ムラを抑制した有機EL装置を備えた電子機器が得られる。
以下、本発明の実施形態にかかる有機EL装置の構成および製造方法等について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部位を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部位の縮尺を実際とは異ならせてある。
(第1実施形態)
<有機EL装置>
図1は、本実施形態の有機EL装置1の回路構成を示す模式図である。有機EL装置1は、スイッチング素子として薄膜トランジスター(Thin Film Transistor:以下、TFT)を用いたアクティブマトリクス方式の有機EL装置であり、X方向に延在する複数の走査線101と、各走査線101に対して直角に交差するようにY方向に延在する複数の信号線102と、各信号線102に並列に延びる複数の電源線103とからなる配線構成を有し、走査線101と信号線102との各交点付近に画素5を形成したものである。
<有機EL装置>
図1は、本実施形態の有機EL装置1の回路構成を示す模式図である。有機EL装置1は、スイッチング素子として薄膜トランジスター(Thin Film Transistor:以下、TFT)を用いたアクティブマトリクス方式の有機EL装置であり、X方向に延在する複数の走査線101と、各走査線101に対して直角に交差するようにY方向に延在する複数の信号線102と、各信号線102に並列に延びる複数の電源線103とからなる配線構成を有し、走査線101と信号線102との各交点付近に画素5を形成したものである。
画素5の各々には、走査線101を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT112と、このスイッチング用TFT112を介して信号線102から供給される画素信号を保持する保持容量113と、保持容量113によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用TFT114と、駆動用TFT114を介して電源線103に電気的に接続したときに電源線103から駆動電流が流れ込む有機EL素子100と、を備えている。有機EL素子100は、第1電極としての画素電極(陽極)20と、画素電極20と対向するように設けられた共通電極(陰極)60と、画素電極20と共通電極60との間に設けられる後述する図示しない発光層と、を備えている。
有機EL装置1によれば、走査線101が駆動されてスイッチング用TFT112がオン状態になると、そのときの信号線102の電位が保持容量113に保持され、該保持容量113の状態に応じて、駆動用TFT114のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用TFT114を介して、電源線103から画素電極20に電流が流れ、さらに発光層を介して共通電極60に電流が流れる。発光層は、これを流れる電流量に応じて発光して、画素信号に基づいた表示が行われる。
図2は、有機EL装置1の構成を模式的に示す平面図である。図2に示す通り、有機EL装置1は、基板10と、基板10上の画素領域300(図2中の一点鎖線枠内)と、を備えている。画素領域300は、複数の画素5がマトリクス状に配置された発光領域310(図2中の二点鎖線枠内)と、発光領域310の周囲に配置されたダミー領域320(一点鎖線枠と二点鎖線枠との間の領域)と、に区画されている。ダミー領域320は、画素5の構成のうち少なくとも一部を備える領域であって、実際の発光には寄与しない。
発光領域310に設けられた各々の画素5は、発光することで赤色(以下、Rと称す)、緑色(以下、G)または青色(以下、B)のいずれかの光を取り出すことが可能となっている。発光領域310においては、画素5が本実施形態ではマトリクス状に配置されており、このように、発光領域310で、R、G、Bの光を射出するマトリクス状に配置された画素5を用いてフルカラー表示を行うことが可能となっている。なお、例えば、画素5はX方向に同一色の画素5がいわゆるストライプ状に配置されていてもよいし、ストライプ配置に限定されず、デルタ配置や千鳥配置のように画素5を配置してもよい。
画素領域300の周辺には、走査線駆動回路104、及び信号線駆動回路105が設けられている。走査線駆動回路104は、図1に示す走査線101に、図示しない外部回路より供給される各種信号に応じた走査信号を供給し、信号線駆動回路105は、図1に示す信号線102に画像信号を供給する。さらに、走査線駆動回路104および信号線駆動回路105の周辺には、電源線103および共通電極用配線107が設けられている。電源線103には図示しない外部回路から駆動電流が供給される。共通電極用配線107は、共通電極60と電気的に接続されている。走査線駆動回路104および信号線駆動回路105は、画素領域300の周辺に限定されず、ダミー領域320に設けられていてもよい。
さらに、画素領域300の周辺には図示しない検査回路が配置されている。検査回路は、有機EL装置1の作動状況を検査するための回路であって、例えば検査結果を外部に出力する検査情報出力手段(図示せず)を備え、製造途中や出荷時における有機EL装置1の品質検査を行うことができるように構成されている。なお、検査回路はダミー領域320に設けられていてもよい。
図3は、図2に示す有機EL装置1のA−A’断面の模式断面図である。
図3に示すように、有機EL装置1は、基体200上に、画素電極20と発光層40と共通電極60とを備えた有機EL素子100を複数設けて、さらに有機EL素子100を覆って、封止層70が形成されている構成である。
図3に示すように、有機EL装置1は、基体200上に、画素電極20と発光層40と共通電極60とを備えた有機EL素子100を複数設けて、さらに有機EL素子100を覆って、封止層70が形成されている構成である。
基板10は、トップエミッション型の有機EL表示装置の場合、基板10の対向側である封止層70側から発光光を取り出す構成となるので、透明基板及び不透明基板のいずれも用いることができる。透明基板としては、例えばガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等が挙げられ、特にガラスが好適に用いられる。不透明基板としては、例えばアルミナ等のセラミックス、ステンレススチール等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、また熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、さらにはそのフィルム(プラスチックフィルム)などが挙げられる。本実施形態の有機EL表示装置1では、封止層70側から発光光を取り出すトップエミッション型としており、上述の透明基板もしくは不透明基板の内、例えばガラス基板が用いられている。
基板10上には、画素電極20と電気的に接続された駆動用TFT114などを含む配線層120が形成され、基体200が構成される。なお、本明細書中においては、基板10と、基板10上に形成される図1に示した、スイッチング用TFT112、駆動用TFT114などのTFTや保持容量113、走査線駆動回路104、信号線駆動回路105などの各種回路、層間絶縁膜124、及び平坦化絶縁膜125などが設けられた配線層120と、を含めて基体200と称している。
また、本明細書中では、駆動用TFT114など配線層120の構成は従来公知の構成であるので、詳細な説明は省略する。
また、本明細書中では、駆動用TFT114など配線層120の構成は従来公知の構成であるので、詳細な説明は省略する。
さらに、配線層120上には、画素電極20およびダミー画素電極20’が設けられている。画素電極20は、仕事関数が5eV以上の正孔注入性の高い材料が望ましく、ITOなどの金属酸化物が用いられる。なお、本実施形態ではトップエミッション型であることから透明である必要はなく、発光層40から基板10側へ発せられる光を基板10と反対側の共通電極60側に射出させるために、光反射性を有する、例えば金属材料を用いてもよい。
また、光透過性を有する画素電極20を用いた場合には、画素電極20と配線層120との間に反射層(図示しない)を設けることが望ましい。反射層としては、例えば光反射性を有する金属材料が用いられる。さらに、画素電極20と反射層との間には、無機絶縁層(図示しない)を介在させるような多層構造としてもよい。例えば、反射層はアルミニウム合金などが用いられ、珪素窒化物などの無機絶縁層を介して、ITOなどの金属酸化物導電膜が透明電極に用いられる。なお、ダミー画素電極20’は、画素電極20と同様の材料により形成することが望ましいが、形成しなくてもよい。
配線層120(基体200)および画素電極20上には、隔壁層30が設けられている。具体的には、画素電極20あるいはダミー画素電極20’の形成位置に対応する開口部25が設けられるように、格子状に隔壁層(画素隔壁)30が形成されている。隔壁層30は、例えばアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性のある有機材料から形成されている。なお隔壁層30は、画素電極20あるいはダミー画素電極20’の端部と隔壁層30の一部が重なるように形成されており、言い換えれば、隔壁層30の一部が画素電極20あるいはダミー画素電極20’の端部に乗り上げるように形成されている。また、隔壁層30により、単一の有機EL素子100を区画している。
さらに、開口部25および隔壁層30上には、開口部25および隔壁層30を覆うように発光層40が設けられている。すなわち複数の有機EL素子100に跨るように共通して発光層40が設けられている。なお、本実施形態では、発光層40から発せられる光は白色光としており、射出された白色光は、R、G、Bに対応する所定の波長範囲の光を透過させ他の波長範囲の光を遮光するカラーフィルター80を介して各色の光に変換させて、有機EL装置1のフルカラー表示を行う。
発光層40は、スチリルアミン系発光材料,アントラセン系ドーパミント、或いはスチリルアミン系発光材料,ルプレン系ドーパミントを用い、白色発光させる。
発光層40としては、発光層40の他に、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層などのキャリア注入層またはキャリア輸送層を備えるもの、さらには、正孔阻止層(ホールブロッキング層)、電子阻止層(エレクトロン阻止層)の少なくともいずれかを一つを備えていてもよい。なお、本明細書中において、発光層40の他に上記のいずれかの層を備えた場合についても、発光層40と称す。いずれの層もそれぞれ公知の材料を用いることができ、例えば、発光層40の下層或いは上層に、トリアリールアミン(ATP)多量体正孔注入層、TDP(トリフェニルジアミン)系正孔輸送層、アルミニウムキノリノール(Alq3)層(電子輸送層)、LiF(電子注入バッファー層)を成膜する。
また、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料を用いて、単色発光をさせてもよい。具体的には、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などが好適に用いられる。これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。なお、上述した高分子材料に代えて、従来公知の低分子材料を用いることもできる。
また、発光層40は、赤色発光層と青色発光層と緑色発光層とを積層して、白色発光させてもよい。具体的には、正孔注入層、正孔輸送層、赤色発光層、青色発光層、緑色発光層、電子輸送層、電子注入層をこの順に積層させて、白色発光させる。なお、赤色発光層と青色発光層、青色発光層と緑色発光層、との間にそれぞれ電子および正孔の移動を制限する中間層を設けてもよい。いずれの発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、中間層も上述の従来公知の発光材料を用いることができる。
隔壁層30と発光層40とが平面視において重なる領域に形成されている発光層40a上には、導電層50が形成されている。導電層50は、後述のように共通電極60と直接接触させて電気的に接続し、共通電極60の補助配線として機能させる。なお、導電層50の具体的な構成については、後述する。
導電層50の形成材料としては、共通電極60で用いられる材料よりも電気抵抗の小さい金属材料、例えば金、銀、銅、アルミニウム、クロムなどを用いることが好ましい。導電層50は、スパッタリングや蒸着法等の既知の方法を用いてパターニングされる。
発光層40、導電層50、開口部25および隔壁層30を覆い、複数の有機EL素子100に跨るように共通して、共通電極60が形成されている。さらにいえば、発光領域310およびダミー領域320の総面積より広い面積を備えて、発光層40と隔壁層30の上面、さらには隔壁層30の外側部を形成する壁面を覆った状態で基体200上に形成される。共通電極60は、導電層50に直接接触するように覆うので、導電層50は、共通電極60の補助配線として機能する。
さらに共通電極60は、隔壁層30の外側で基体200の外周部に形成された共通電極用配線107に接続される。この共通電極用配線107は、基体200の外周部に接合されたフレキシブル基板210上に設けられた図示しない配線と電気的に接続されており、これによって共通電極60は、共通電極用配線107を介してフレキシブル基板210(図2参照)上の図示しない配線を介して図示しない外部回路に接続される。
本実施形態はトップエミッション型であり、共通電極60側から光を取り出す構成であることから、共通電極60を形成するための材料としては、光透過性を有する必要がある。例えば、透明導電材料が用いられ、ITOが好適とされるが、これ以外にも、例えば酸化インジウム・酸化亜鉛系アモルファス透明導電膜(Indium Zinc Oxide:IZO(登録商標)/アイ・ゼット・オー)等を用いることができる。また、共通電極60として、電子注入効果の大きい(仕事関数が4eV以下)材料が好適に用いられる。例えば、カルシウムやマグネシウム、ナトリウム、リチウム、又はこれらの化合物が用いられ、化合物としては、フッ化カルシウム等の金属フッ化物や酸化リチウム等の金属酸化物、アセチルアセトナトカルシウム等の有機金属錯体が該当する。また、ITOや酸化錫などの透明な金属酸化物導電層との積層体と組み合わせて用いてもよい。なお、本実施形態では、フッ化リチウムとマグネシウム−銀合金を、透明性が得られる膜厚に調整して用いている。
共通電極60の上には、隔壁層30が形成されている領域よりも広い範囲で、かつ共通電極60の全面を覆うように封止層70が形成される。封止層70は、酸素や水分が浸入するのを防止するための保護膜であって、これにより酸素や水分による共通電極60や発光層40の劣化を抑えることができる。封止層70は、共通電極60の外縁部より外側まで形成され、基体200と接触していることが望ましい。また、封止層70は、本実施形態はトップエミッション型であるので透明性、ガスバリア性、耐水性を考慮して、例えば珪素化合物など光透過性を有する無機化合物、好ましくは窒素を含む珪素化合物、すなわち珪素の窒化物や珪素の酸窒化物が望ましい。また、エポキシ系樹脂の光透過性を有する有機材料を用いてもよい。
さらに、封止層70は、無機材料と有機材料との積層体であってもよい。例えば、無機化合物層/樹脂層/無機化合物層の積層体で構成してもよい。珪素化合物などの無機化合物層は、樹脂層よりもガスバリア性および耐水性に優れているが、隔壁等により発生する段差部において、剥離やクラックが発生しやすい。無機化合物層の積層間に樹脂層を積層することにより、隔壁等による段差部を略平坦にして、かつ下層の無機化合物層に発生したクラックを埋めることができるので、より封止性の高い封止層が得られる。
封止層70の上には、接着層75を介して、保護基板90が配置されることが好ましい。接着層75は、封止層70上に保護基板90を固定させ、かつ外部からの機械的衝撃に対する緩衝機能を有しており、発光層40や封止層70の保護をする。接着層75は、例えばウレタン系、アクリル系、エポキシ系、ポリオレフィン系などの樹脂で、保護基板90より柔軟である接着剤によって形成されたものである。また、透明樹脂材料が好ましい。なお、このような接着層75には、シランカップリング剤を添加しておくのが好ましく、このようにすれば、接着層75と封止層70との接着性、すなわち密着性がより良好になり、機械的衝撃に対する緩衝機能が高くなる。特に封止層70が珪素化合物で形成されている場合などでは、シランカップリング剤によってこの封止層70との密着性を向上させることができ、したがって封止層70のガスバリア性をより高めることができる。
保護基板90は、耐圧性や耐摩耗性、ガスバリア性を有している材料が好ましく、ガラス、透明プラスチック、透明プラスチックフィルムが採用される。ここで、プラスチック材料としては、例えば、PET、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィン等が採用される。また、保護基板90には、紫外線遮断/吸収層や光反射防止層、放熱層、レンズ等が設けられていてもよい。なお、有機EL装置1はトップエミッション型であるため、保護基板90、接着層75を共に光透過性を有するものとしている。
さらに、本実施形態の有機EL装置1は、白色に発光する発光層40を複数の有機EL素子100に共通で設けるため、保護基板90上には、カラーフィルター80を形成して、カラー表示を行う。カラーフィルター80は、赤色着色層80R、緑色着色層80G、青色着色層80B、およびブラックマトリックスBMを備えている。そして、赤色着色層80R、緑色着色層80G、青色着色層80B、およびブラックマトリクスBMの形成面が接着層75を介して基体200に向けて対向配置されている。つまり、着色層80R、80G、80Bの各々は画素電極20上の発光層40に対向して配置されている。これにより、発光層40の発光光が、着色層80R、80G、80Bの各々を透過し、赤色光、緑色光、青色光の各色光として観察者側に出射するようになっている。
<導電層の構成>
次に、導電層50の具体的な構成を、図4および5を参照して説明する。図4は、図3に示す有機EL装置1における複数の有機EL素子100の平面的な態様を示した模式平面図である。図4(a)は、発光領域310における複数の有機EL素子100の平面的な態様を示している。図4(b)は、発光領域310とダミー領域320との境界部における複数の有機EL素子100の平面的な態様を示している。図5は、図4に示す複数の有機EL素子100のB−B’断面の模式断面図である。
次に、導電層50の具体的な構成を、図4および5を参照して説明する。図4は、図3に示す有機EL装置1における複数の有機EL素子100の平面的な態様を示した模式平面図である。図4(a)は、発光領域310における複数の有機EL素子100の平面的な態様を示している。図4(b)は、発光領域310とダミー領域320との境界部における複数の有機EL素子100の平面的な態様を示している。図5は、図4に示す複数の有機EL素子100のB−B’断面の模式断面図である。
図4(a)のように、発光領域310においては、導電層50は、隔壁層30と同様に格子状に形成され、平面視において、隔壁層30よりも狭い幅で形成されている。好ましくは、導電層50は、隔壁層30と同一パターンで形成されることが好適である。すなわち、隔壁層30と同一パターンで形成すれば、開口部25における発光層40からの光の射出を妨げることがなく、かつ導電層50の面積を十分に確保することができるので、共通電極60の補助配線としての機能を十分に発揮することができる。
さらに、図4(b)および図5のように、平面視における隔壁層30上、すなわち発光層40a上において、導電層50は、発光領域310には形成され、ダミー領域320においては形成されていない。
後述するように、有機EL素子100は、図1に示す画素領域300の外側に配置される共通電極用配線107から共通陰極60に電流が供給される。すなわち、平面視において、共通電極用配線107から離れている発光領域310内の中心部に位置する有機EL素子100ほど、共通電極60に電圧降下が大きくなりやすい。よって、導電層50は、少なくとも共通電極用配線107から離れた発光領域310の中央部に形成されていればよい。本実施形態においては、発光領域310におけるすべての発光層40a上に格子状に導電層50は形成されている。
なお、導電層50は、上述の構成に限定されず、図2のX方向に沿ってストライプ状に配置してもよいし、ドット状に配置してもよい。いずれの場合においても、平面視において隔壁層30上、すなわち発光層40a上の少なくとも一部に導電層50を設けない構成、言い換えれば、隔壁層30と同一パターンで形成しない構成において、導電層50は、少なくとも共通電極60の電圧降下が大きくなりやすい発光領域310の中央部に形成されていればよい。
また、図5に示すように、本明細書では、上述の発光層40aのうち、導電層が形成され得る領域に形成されている発光層を発光層40b、導電層50が形成されない領域に形成されている発光層を発光層40cと定義している。
<有機EL装置の製造方法>
次に、本実施形態に係る有機EL装置1の製造方法について、図6、図7(a)〜(d)および図8(e)〜(g)、図9(h)〜(j)を参照して説明する。図6は有機EL装置1の製造方法を示すフローチャート、図7(a)〜(d)、図8(e)〜(g)および図9(h)〜(j)は有機EL装置1の製造方法を示す概略断面図である。なお、図7(a)〜(d)、図8(e)〜(g)および図9(h)〜(j)に示す各断面図は、図5に対応した断面図である。
次に、本実施形態に係る有機EL装置1の製造方法について、図6、図7(a)〜(d)および図8(e)〜(g)、図9(h)〜(j)を参照して説明する。図6は有機EL装置1の製造方法を示すフローチャート、図7(a)〜(d)、図8(e)〜(g)および図9(h)〜(j)は有機EL装置1の製造方法を示す概略断面図である。なお、図7(a)〜(d)、図8(e)〜(g)および図9(h)〜(j)に示す各断面図は、図5に対応した断面図である。
図6に示すように、本実施形態の有機EL装置1の製造方法は、配線層形成工程(ステップS1)と、画素電極形成工程(ステップS2)と、隔壁層形成工程(ステップS3)と、発光層形成工程(ステップS4)と、導電層形成工程(ステップS5)と、発光層加熱工程(ステップS6)と、共通電極形成工程(ステップS7)と、封止層形成工程(ステップS8)と、保護基板接着工程(ステップS9)と、を含む。
ステップS1の配線層形成工程では、図7(a)に示すように、基板10上に、配線層120を形成して、基体200を形成する。配線層120は、従来公知の方法を用いて形成することができる。なお、配線層120の主たる構成がわかるように表示し、詳細な構成は図示を省略している。
例えば、配線層120には、共通電極用配線107などの配線、駆動用TFT114などの回路、および平坦化絶縁膜125などを含む絶縁膜が含まれ、各々の配線やTFTなどは、フォトリソグラフィやエッチング等を用いて各々パターニングし、絶縁膜は、有機材料もしくは無機材料を用い、蒸着法、CVD法、スパッタ法などの成膜法により形成する。なお、配線層120のうち、画素電極20が形成され得る面、すなわち、基板10上に設けられた配線層120の最も上層には、上面を略平坦にした平坦化絶縁膜125が形成されており、例えばアクリル系の高分子有機絶縁材料をスピンコート法などにより塗布して乾燥させることにより形成する。平坦化絶縁膜125は、配線層120内に設けられる配線などによる凹凸をなくすことができるので、上層に設ける有機EL素子100を形成するのに適した平坦な面を実現することが可能となる。
また、後に形成される画素電極20と配線層120に含まれる駆動用TFT114とを電気的に接続するためのコンタクトホールHは、平坦化絶縁膜125をエッチングすることにより形成する。また、コンタクトホールHは、平坦化絶縁膜125として感光性樹脂材料を用い、塗布された感光性樹脂膜を露光・現像することによって形成してもよい。なお、駆動用TFT114に対応する位置にコンタクトホールHを設ける構成に限定されず、駆動用TFT114と電気的に接続された配線に対応する位置にコンタクトホールHを形成してもよい。すなわち、駆動用TFT114と画素電極とが電気的に接続されている構成であればよい。さらに、後に形成される共通電極60と共通電極用配線107とを電気的に接続するためのコンタクトホールH’もコンタクトホールHの形成時に同時に設ける。そして、画素電極形成工程(ステップS2)へ進む。
ステップS2の画素電極形成工程では、図7(b)に示すように、基体200のうち最も上層にある、コンタクトホールHを含む平坦化絶縁膜125上に、ITOからなる薄膜を形成し、当該薄膜をパターニングすることにより、コンタクトホールHを介して駆動用TFT114と電気的に導通する画素電極20と、駆動用TFT114とは電気的に接続しないダミー画素電極20’を形成する。なお、ダミー画素電極20’は形成しなくてもよい。また、上述のコンタクトホールH’を設けた場合には、後に行われる共通電極形成工程(ステップS7)まで共通電極用配線107が露出することになるので、コンタクトホールH’内を含む共通電極用配線107上にITOからなる薄膜を形成することが望ましい。そして、隔壁層形成工程(ステップS3)へ進む。
ステップS3の隔壁層形成工程では、図7(c)に示すように、平坦化絶縁膜125、画素電極20及びダミー画素電極20’上に隔壁層30を形成する。具体的には、平坦化絶縁膜125、画素電極20およびダミー画素電極20’を覆うように、例えばアクリル樹脂、ポリイミド樹脂などのレジストを溶媒に溶解した有機質溶液を、スピンコート法、ディップコート法などの塗布方法により塗布し、有機質層をフォトリソグラフィ技術、エッチング技術を用いてパターニングし、有機質層に開口部25を形成して、開口部25に壁面を有した隔壁層30を形成する。なお、有機質溶液の構成材料は、後の発光層形成工程において用いられる溶媒に溶解せず、パターニングしやすく絶縁性を有するものであれば何でもよい。なお、開口部25は、画素電極20およびダミー画素電極20’の端部に有機質層が乗り上げるようにパターニングして、隔壁層30を形成する。そして、発光層形成工程(ステップS4)へ進む。
ステップS4の発光層形成工程では、図7(d)に示すように、開口部25における画素電極20およびダミー画素電極20’上、および隔壁層30を覆うように発光層40を形成する。具体的には、スピンコート法や蒸着法などの方法を用いて、例えばスチリルアミン系発光材料、アントラセン系ドーパミント、或いはスチリルアミン系発光材料、ルプレン系ドーパミントを、およそ100〜300nmの膜厚となるように発光層40を形成する。なお、発光層40の下層あるいは上層に、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層を順に積層してもよい。この場合も、各々の層は、発光層40と同様な方法により形成する。そして、導電層形成工程(ステップS5)へ進む。
ステップS5の導電層形成工程では、図8(e)に示すように、導電層形成領域に対応する開口部を備えた蒸着マスクM1を用いて、隔壁層30を覆う領域における発光層40a上に導電層50を真空蒸着法により形成する。この際、発光層40からの光の射出を妨げないように、すなわち導電層50が開口部25と平面的に重ならないように導電層50を高精度で成膜するため、蒸着マスクM1と発光層40aとを密着させて、導電層50の形成材料として、例えばアルミニウムを蒸着する。
導電層50を形成した後、図8(f)に示すように、蒸着マスクM1を発光層40aから離す。その際、発光層40aの少なくとも一部が蒸着マスクM1に付着してしまい、発光層40aの少なくとも一部が剥離して表面に凹凸ができる、いわゆる欠陥部40dが生じる場合がある。具体的には、発光層40aのうち、導電層50が形成されない発光層40cの表面と蒸着マスクM1の端部M1’を含む蒸着マスクM1とが固着して、マスクM1の除去により、欠陥部40dが発生する。
さらに、蒸着マスクM1を発光層40aから離した後、欠陥部40dを、顕微鏡による目視検査や異物検査装置等を用いて、検出する。そして、発光層過熱工程(ステップS6)へ進む。
ステップS6の発光層加熱工程では、図8(g)に示すように、上述の検査によって検出された欠陥部40dにレーザーLを照射して、欠陥部40dを加熱する。加熱とは、発光層の少なくとも一部が変形、溶融、蒸発、あるいは昇華させることであり、レーザー照射により、欠陥部40dが有る発光層40cの少なくとも一部を変形、溶融、蒸発、あるいは昇華させる。すなわち、発光層40aの表面の凹凸が平坦になり、欠陥部40dが解消する。具体的には、発光層40の形成材料の有するガラス転移温度以上となるように欠陥部40dを加熱すればよい。
レーザーLは、YAGレーザー等のレーザービームを用い、例えば波長1064nmのYAGレーザーを用いることが好ましい。さらに、照射時間は1〜100msec、照射面積は1μm2〜10000μm2とし、欠陥部40dの面積よりも大きい面積を照射することが好ましい。YAGレーザーは、出力安定性がよく、高出力を得ることができるため、発光層40aの表面をより平坦にして欠陥部40dを解消することができる。レーザーLは、上述の条件のほか、出力、スポット径、走査速度等も、発光層40aの少なくとも一部が変形、溶融、蒸発、あるいは昇華し、かつ発光素子に何らかの悪影響を及ぼさないような条件に最適化すればよい。そして、共通電極形成工程(ステップS7)へ進む。
ステップS7の共通電極形成工程では、図9(h)に示すように、隔壁層30、発光層40および導電層50上に、隔壁層30、発光層40および導電層50の全面を覆うように、共通電極60を真空蒸着法により形成する。具体的には、画素領域300よりも外周側に配置された共通電極用配線107の形成領域よりも広い範囲を覆うような開口部を有するマスクを用いて、マグネシウムおよび銀を共蒸着することにより共通電極60を形成し、共通電極用配線107と電気的に導通させる。導電層50は、共通電極60が直接積層されることにより、導電層50と共通電極60は電気的に接続され、導電層50は共通電極60の補助配線として機能する。そして、封止層形成工程(ステップS8)へ進む。
ステップS8の封止層形成工程では、図9(i)に示すように、共通電極60上に、隔壁層30よりも広い範囲で、かつ共通電極60の全面を覆うように封止層70を形成する。具体的には、スパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマCVD法などにより、窒化珪素または酸窒化珪素を形成する。封止層70は、単層であっても複数層であってもよい。複数層形成する場合にも、上述の方法により形成する。そして、保護基板接着工程(ステップS9)へ進む。
ステップS9の保護基板接着工程では、図9(j)に示すように、封止層70上に、接着層75として、エポキシ樹脂をスクリーン印刷法やスリットコート法などを用いて、封止層70上に略均一に塗布し、ガラスからなる保護基板90を貼り合わせる。
以上のようにして、有機EL装置1が形成される。
以上のようにして、有機EL装置1が形成される。
以上に述べたような製造方法により製造された有機EL装置1によれば、発光層40aとマスクM1とが接触し、発光層40aの少なくとも一部が剥離して欠陥部40dが発生した場合でも、レーザーLを照射して欠陥部40dを加熱することにより欠陥部40dを解消することができる。すなわち、発光層40aの表面を略平坦にすることができるので、発光層40を覆うように設けられる共通電極60の成膜性の低下を抑制することができる。よって、有機EL素子100に均一に電流を供給することができ、発光ムラが抑制された有機EL装置1を提供することができる。さらに、共通電極60を覆うように設けられる封止層70の成膜性の低下も抑制することができる。よって、封止性能に優れた有機EL装置1を提供することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る有機EL装置2について説明する。
本実施形態に係る有機EL装置2の構成および製造方法について、図10、図11、図12(a)〜(d)を参照して説明する。図10は、図2に示す有機EL装置のA−A’断面を表す、本発明の第2実施形態に係る有機EL装置2の断面構造を示す図である。図11は有機EL装置2の製造方法を示すフローチャート、図12(a)〜(d)は有機EL装置2の発光領域310とダミー領域320との境界部における製造方法を示す概略断面図である。
次に、本発明の第2実施形態に係る有機EL装置2について説明する。
本実施形態に係る有機EL装置2の構成および製造方法について、図10、図11、図12(a)〜(d)を参照して説明する。図10は、図2に示す有機EL装置のA−A’断面を表す、本発明の第2実施形態に係る有機EL装置2の断面構造を示す図である。図11は有機EL装置2の製造方法を示すフローチャート、図12(a)〜(d)は有機EL装置2の発光領域310とダミー領域320との境界部における製造方法を示す概略断面図である。
なお、図10に示すように、有機EL装置2は、導電層52を共通電極62上に形成する構成および製造方法が、図3に示す第1実施形態の有機EL装置1と相違しており、回路構成および平面的な構成は略同一である。そこで、上述の図1、2、4および5に相当する図面は省略して、模式断面図のみを図示する。また、第1実施形態の有機EL装置1の構成と共通する構成については同一符号を付し、説明を省略する。
図11に示すように、本実施形態の有機EL装置2の製造方法は、有機EL素子形成工程(ステップS21)と、導電層形成工程(ステップS22)と、電極加熱工程(ステップS23)と、封止層形成工程(ステップS24)と、を備えている。
図12(a)に示すように、ステップS21の有機EL素子形成工程では、まず、第1実施形態と同様に、基体200上に、画素電極20、ダミー画素電極20’、隔壁層30および発光層40を形成する。次に、共通電極62を発光層40および隔壁層30を覆うように形成する。なお、本実施形態において、発光層40は、有機EL素子100に共通して形成せずに、開口部25において露出する画素電極20およびダミー画素電極20’上にのみ発光層40を蒸着法やインクジェット法により形成する構成としてもよい。開口部25において露出する画素電極20およびダミー画素電極20’上にのみ発光層40を形成する場合には、それぞれ所望の発光(R、G、B)を有する発光材料を有機EL素子100ごとに塗り分けて図示しない発光層40R、40G、40Bを形成する。なお、この場合にはカラーフィルター80は設けなくてもよい。
共通電極62は、隔壁層30および発光層40の全面を覆うように、基体200、隔壁層30および発光層40上に、共通電極62を真空蒸着法により形成する。共通電極62は、第1実施形態と同様な材料を用いて形成する。具体的には、画素領域300よりも外周側に配置された共通電極用配線107の形成領域よりも広い範囲を覆うような開口部を有するマスク(図示しない)を用いて、マグネシウムおよび銀を共蒸着することにより共通電極62を形成し、共通電極用配線107と電気的に導通させる。そして、導電層形成工程(ステップS22)へ進む。
ステップS22の導電層形成工程では、図12(b)に示すように、蒸着マスクM2を用いて隔壁層30を覆う領域における共通電極62a上に導電層52を真空蒸着法により形成する。なお、導電層52は、共通電極62上に形成すること以外は、第1実施形態の導電層50と同じであり、第1実施形態と同様の方法により形成する。そして本明細書中において、共通電極62aのうち、導電層52が形成され得る領域に形成されている共通電極を共通電極62b、導電層52が形成されない領域に形成されている共通電極を共通電極62cと定義しており、本実施形態においては、共通電極62cはダミー領域320(図10参照)に位置する。第1実施形態と同様に、導電層52は、共通電極62が直接積層されることにより、導電層52と共通電極62は電気的に接続され、導電層52は共通電極62の補助配線として機能する。
具体的には、図12(b)に示すように、導電層形成領域に対応する開口部を備えた蒸着マスクM2を用いて隔壁層30を覆う領域における共通電極62a上に導電層52を真空蒸着法により形成する。この際、発光層40からの光の射出を妨げないように、すなわち導電層52が開口部25と平面的に重ならないように導電層52を高精度で成膜するため、蒸着マスクM2と共通電極62aとを密着させて、導電層52の形成材料として、例えばアルミニウムを蒸着する。
導電層52を形成した後、図12(c)に示すように、蒸着マスクM2を共通電極62aから離す。その際、共通電極62aの少なくとも一部が蒸着マスクM2に付着してしまい、共通電極62aの少なくとも一部が剥離して表面に凹凸ができ、いわゆる欠陥部62dが生じる場合がある。具体的には、共通電極62aのうち、導電層52が形成され得ない共通電極62cの表面と蒸着マスクM2の端部M2’を含む蒸着マスクM2とが接触して欠陥部62dが発生する。
さらに、蒸着マスクM2を共通電極62aから離した後、欠陥部62dを、顕微鏡による目視検査や異物検査装置等により、検出する。そして、電極加熱工程(ステップS23)へ進む。
ステップS23の電極加熱工程では、図13(d)に示すように、欠陥部62dにレーザーL2を照射して、欠陥部62dを加熱する。加熱とは、共通電極の少なくとも一部が変形、溶融、蒸発、あるいは昇華させることであり、レーザー照射により、欠陥部62dがある共通電極62cの少なくとも一部を変形、溶融、蒸発、あるいは昇華させる。すなわち、共通電極62aの表面の凹凸が平坦になり、欠陥部62dが解消する。具体的には、共通電極62の形成材料の有するガラス転移温度以上となるように欠陥部62dを加熱すればよい。
レーザーL2は、第1実施例と同様なレーザーを用いて、出力、スポット径、走査速度等も、共通電極62aの少なくとも一部が変形、溶融、蒸発、あるいは昇華し、かつ発光素子に何らかの悪影響を及ぼさないような条件に最適化すればよい。例えば、レーザーL2は、YAGレーザー等のレーザービームを用い、例えば波長1064nmのYAGレーザーを用いることが好ましい。さらに、照射時間は1〜100msec、照射面積は1μm2〜10000μm2とし、欠陥部62dの面積よりも大きい面積を照射することが好ましい。そして、封止層形成工程(ステップS24)へ進む。
ステップS24の封止層形成工程では、レーザーL2を照射した後、図13(e)に示すように、共通電極62および導電層52の全面を覆うように、封止層70、接着層75および保護基板90を第1実施形態と同様な材料および方法により形成する。
以上のようにして、有機EL装置2が形成される。
以上のようにして、有機EL装置2が形成される。
以上に述べたような製造方法により製造された有機EL装置2によれば、共通電極62aとマスクM2とが接触し、共通電極62aの少なくとも一部が剥離して欠陥部62dが発生した場合でも、レーザーL2により欠陥部62dを加熱することにより欠陥部62dを解消することができる。すなわち、共通電極62aの表面を略平坦にすることができるので、共通電極62を覆うように設けられる封止層70の成膜性の低下を抑制することができる。よって、封止層70の成膜性の低下を抑制することができるので、封止性能に優れた有機EL装置2を提供することができる。
(電子機器)
次に、本発明の電子機器について説明する。
電子機器は、上述した有機EL装置1もしくは2を表示部として用いたものであり、具体的には図6に示すものが挙げられる。
図14(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図14(a)において、携帯電話1000は、上述した有機EL装置1もしくは2を用いた表示部1001を備える。
図14(b)は、ヘッドマウントディスプレイの一例を示した斜視図である。図14(b)において、ヘッドマウントディスプレイ2000は、上述した有機EL装置1もしくは2を用いた表示部2001を備える。
なお、携帯電話およびヘッドマウントディスプレイのほかに、パソコンなどの情報処理装置やテレビなどの電子機器の表示部に、上述の有機EL装置1もしくは2を用いてもよい。
次に、本発明の電子機器について説明する。
電子機器は、上述した有機EL装置1もしくは2を表示部として用いたものであり、具体的には図6に示すものが挙げられる。
図14(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図14(a)において、携帯電話1000は、上述した有機EL装置1もしくは2を用いた表示部1001を備える。
図14(b)は、ヘッドマウントディスプレイの一例を示した斜視図である。図14(b)において、ヘッドマウントディスプレイ2000は、上述した有機EL装置1もしくは2を用いた表示部2001を備える。
なお、携帯電話およびヘッドマウントディスプレイのほかに、パソコンなどの情報処理装置やテレビなどの電子機器の表示部に、上述の有機EL装置1もしくは2を用いてもよい。
図14(a)および(b)に示すそれぞれの電子機器は、上述したEL表示装置1もしくは2を有した表示部1001、2001を備えているので、表示部の発光ムラが抑制されかつ封止性能の優れた電子機器となる。
また、有機EL装置1もしくは2を表示部として備える場合に限らず、発光部として備える電子機器であってもよい。例えば、有機EL装置1もしくは2を露光ヘッド(ラインヘッド)として備えるページプリンター(画像形成装置)や、有機EL装置1もしくは2を発光部として備える照明装置であってもよい。
上述の実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)
上記第1および第2実施形態の有機EL装置1および2における封止層70、接着層75、保護基板90の構成は、これに限定されない。例えば、封止層70上には接着層75を介さずに、有機EL素子100が形成されている領域に掘り込み部を設けた保護基板90を基体200に接合して中空構造とする、いわゆる缶封止構造としてもよい。
上記第1および第2実施形態の有機EL装置1および2における封止層70、接着層75、保護基板90の構成は、これに限定されない。例えば、封止層70上には接着層75を介さずに、有機EL素子100が形成されている領域に掘り込み部を設けた保護基板90を基体200に接合して中空構造とする、いわゆる缶封止構造としてもよい。
1,2…有機EL装置、5…画素、10…基板、20…画素電極、20’…ダミー画素電極、25…開口部、30…隔壁層、40…発光層、50,52…導電層、60,62…共通電極、70…封止層、75…接着層、80…カラーフィルター、90…保護基板、100…有機EL素子、107…共通電極用配線、114…駆動用TFT、120…配線層。
Claims (12)
- 基体上に第1の電極を形成する第1の電極形成工程と、
前記第1の電極に対応した開口部が設けられるように隔壁を形成する隔壁形成工程と、
前記開口部および前記隔壁を覆うように発光層を形成する発光層形成工程と、
前記隔壁と前記発光層とが平面的に重なる第1の領域において、前記発光層上に導電層を形成する導電層形成工程と、
前記発光層および前記導電層を覆うように第2の電極を形成する第2の電極形成工程と、を備え、
前記導電層形成工程と前記第2の電極形成工程との間には、前記第1の領域における前記発光層の少なくとも一部を加熱する発光層加熱工程を有している、
ことを特徴とする有機EL装置の製造方法。 - 前記第1の領域は、前記導電層が形成される第2の領域と、前記導電層が形成されていない第3の領域と、を含み、
前記発光層加熱工程において、前記第3の領域における前記発光層の少なくとも一部を加熱することを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置の製造方法。 - 前記発光層加熱工程は、エネルギー線を照射し加熱することを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL装置の製造方法。
- 前記エネルギー線は、レーザー光であることを特徴とする請求項3に記載の有機EL装置の製造方法。
- 前記発光層加熱工程は、前記第1の領域における前記発光層の少なくとも一部が剥離した第1の剥離部を検出する工程を含み、
前記発光層加熱工程は、前記第1の剥離部を加熱することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の有機EL装置の製造方法。 - 基体上に第1の電極を形成する第1の電極形成工程と、
前記第1の電極に対応した開口部が設けられるように隔壁を形成する隔壁形成工程と、
前記第1の電極および前記隔壁を覆うように発光層を形成する発光層形成工程と、
前記発光層を覆うように第2の電極を形成する第2の電極形成工程と、
前記隔壁と前記第2の電極とが平面的に重なる第4の領域において、前記第2の電極上に導電層を形成する導電層形成工程と、
前記第2の電極および前記導電層を覆うように封止層を形成する封止層形成工程と、を備え、
前記導電層形成工程と前記封止層形成工程との間には、前記第4の領域における前記第2の電極の少なくとも一部を加熱する電極加熱工程を有していることを特徴とする有機EL装置の製造方法。 - 前記第4の領域における前記第2の電極は、前記導電層が形成される第5の領域と、前記導電層が形成されていない第6の領域と、を含み、
前記電極加熱工程において、前記第6の領域における前記第2の電極の少なくとも一部を加熱することを特徴とする請求項6に記載の有機EL装置の製造方法。 - 前記電極加熱工程は、エネルギー線を照射し加熱することを特徴とする請求項6または7に記載の有機EL装置の製造方法。
- 前記エネルギーは、レーザー光であることを特徴とする請求項8に記載の有機EL装置の製造方法。
- 前記電極加熱工程は、前記第4の領域における前記第2電極の少なくとも一部が剥離した第2の剥離部を検出する工程を含み、
前記電極加熱工程は、前記第2の剥離部を加熱することを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の有機EL装置の製造方法。 - 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の有機EL装置の製造方法によって製造された有機EL装置。
- 請求項11に記載の有機EL装置を備えた電子機器。
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