JP2012074762A - 光学機器 - Google Patents

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昌紀 楠山
Tadashi Otani
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Abstract

【課題】レンズ駆動音等が好適に除去された環境音を取得できる光学機器を提供する。
【解決手段】
撮影時に駆動されるモータ(46)と、撮影時の音による圧力変化を電気信号に変換するマイク(14)と、前記マイクのマイク出力を第1の増幅率(α)で増幅する第1アンプ(18)と、前記モータの駆動音に関するモータ音成分(58)を記憶する記憶部(40)と、前記モータ音成分を第2の増幅率(β)で増幅する第2アンプ(34)と、前記第1アンプによって増幅された前記マイク出力(54)から、前記第2アンプによって増幅された前記モータ音成分(58)を除去する除去部(19)と、を有し、前記第2の増幅率は、前記マイク出力が第1の値より小さい時は、前記第1の増幅率より大きく、前記第2の増幅率は、前記マイク出力が前記第1の値以上である第2の値より大きい時は、前記第1の増幅率より小さい光学機器。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学機器に関する。
カメラや、カメラに取り付けられるレンズ鏡筒等の中には、静止画または動画撮影時における環境音を録音する機能を有するものがある。このようなカメラやレンズ鏡筒では、撮影時において、オートフォーカスレンズの駆動音等が発生し、このような駆動音が、環境音に混じって録音される場合がある。
このような問題に対する従来技術としては、カメラの駆動音を予め記憶しておき、取得された音から、カメラの駆動音を除去するカメラが提案されている(特許文献1等参照)。しかしながら、従来技術では、取得された音からカメラの駆動音を十分に除去しきれない場合や、除去動作によって本来記録すべき環境音が劣化してしまう場合があり、問題となっている。
特開平11−327063号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、レンズ駆動音等が好適に除去された環境音を取得できる光学機器に関する。
上記目的を達成するために、本発明に係る光学機器は、撮影時に駆動されるモータ(46)と、
撮影時の音による圧力変化を電気信号に変換するマイク(14)と、
前記マイクのマイク出力を第1の増幅率(α)で増幅する第1アンプ(18)と、
前記モータの駆動音に関するモータ音成分(58)を記憶する記憶部(40)と、
前記モータ音成分を第2の増幅率(β)で増幅する第2アンプ(34)と、
前記第1アンプによって増幅された前記マイク出力(54)から、前記第2アンプによって増幅された前記モータ音成分(58)を除去する除去部(19)と、を有し
前記第2の増幅率は、前記マイク出力が第1の値より小さい時は、前記第1の増幅率より大きく、
前記第2の増幅率は、前記マイク出力が前記第1の値以上である第2の値より大きい時は、前記第1の増幅率より小さい。
また、例えば、前記第1の増幅率は一定であってもよい。
また、例えば、本発明に係る光学機器は、前記第1の増幅率を変更する増幅率変更部(16)を有してもよい。
また、例えば、前記モータは、超音波モータであってもよい。
また、例えば、本発明に係る光学機器は、前記モータをPWM制御するPWM制御部(45)を有していても良い。
また、例えば、前記除去部は、前記第1アンプによって増幅された前記マイク出力をフーリエ変換したマイク音成分(56)を生成するフーリエ変換部(22)と、
前記マイク音成分から前記モータ音成分を減算した補正音成分(62)を生成する減算部(24)と、
前記補正音成分を逆フーリエ変換した補正出力(64)を生成する逆フーリエ変換部(26)と、を有していてもよい。
また、例えば、前記記憶部が記憶する前記モータ音成分は、前記モータを第1の回転数帯で駆動した時の駆動音に関する第1モータ音成分と、前記モータを第2の回転数帯で駆動した時の駆動音に関する第2モータ音成分と、を有してもよい。
なお上述の説明では、本発明をわかりやすく説明するために実施形態を示す図面の符号に対応づけて説明したが、本発明は、これに限定されるものでない。後述の実施形態の構成を適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替させてもよい。さらに、その配置について特に限定のない構成要件は、実施形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るレンズ鏡筒の概略ブロック図である。 図2は、図1に示すレンズ鏡筒において行われる環境音の取得動作の一例を表すフローチャートである。 図3は、図2における原音の増幅過程を説明した概念図である。 図4は、図2における原音のフーリエ変換工程を説明した概念図である。 図5は、図2におけるモータスペクトルの増幅過程を説明した概念図である。 図6は、図2におけるスペクトルの減算過程を説明した概念図である。 図7は、図2における逆フーリエ変換過程を説明した概念図である。 図8は、図2における波形の結合過程を説明した概念図である。 図9は、本発明の第2実施形態に係るレンズ鏡筒の概略ブロック図である。 図10は、図9に示すPWM制御回路が出力する駆動制御波形を説明した概念図である。 図11は、第2アンプの増幅率βと第1アンプの増幅率αとの比を、マイクの出力に対してプロットしたグラフである。
第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係るレンズ鏡筒10の概略ブロック図である。レンズ鏡筒10は、通常、カメラ本体部(不図示)に取り付けられて使用され、カメラ本体部に内蔵される固体撮像素子に、撮影光を導く。なお、本実施形態においては、レンズ鏡筒10を例に挙げて説明をおこなうが、本発明に係る光学機器としてはこれに限定されず、レンズを有するカメラや、ビデオカメラ、カメラ付き携帯電話等であっても良い。
図1に示すように、レンズ鏡筒10は、環境音を取得するための音声取得部12と、光学系を移動させるためのモータ46およびモータ46によって移動させられるAFレンズ48を駆動する駆動部42と、を含む。図1には示していないが、レンズ鏡筒10は、AFレンズ48以外の光学系や、光学系を通過する撮影光の量を調整する絞り等、その他の構成を有していても良い。
音声取得部12は、音による圧力変化を電気信号に変換するマイク14を有する。マイク14は、撮影時の音に関する原音波形52(図3参照)を生成し、第1アンプ18に出力する。また、マイク14は、原音波形52の振幅など、原音波形52に関する情報を、第1アンプ増幅率変更部16および第2アンプ増幅率変更部32に出力する。
第1アンプ増幅率変更部16は、第1アンプ18の増幅率α(図2等参照)を決定もしくは変更する。例えば、第1アンプ増幅率変更部16は、マイク14からの出力が小さい場合には、第1アンプ18の増幅率αを大きくし、マイク14からの出力が大きい場合には、第1アンプ18の増幅率αを小さくすることができる。第1アンプ増幅率変更部16は、マイク14の出力の大きさに応じて第1アンプ18の増幅率αを調整し、AGC(オートゲインコントロール)を行うが、第1アンプ増幅率変更部16としてはこれに限定されず、例えば使用者の設定に応じて第1アンプ18の増幅率αを変更するものであってもよい。
第1アンプ18は、マイク14から出力された原音波形52を増幅し、増幅後の原音波形54(図3参照)を生成した後、増幅後の原音波形54を分割回路20に出力する。ここで、第1アンプ18において行われる増幅には、マイク14の出力を大きくすること(狭義の増幅)だけでなく、マイク14の出力を小さくすること(減幅)も含まれる。また、第1アンプ18は、原音波形52を増幅した際の増幅率αに関する情報を、第2アンプ増幅率変更部32に出力する。
分割回路20は、第1アンプ18から出力された増幅後の原音波形54を、所定の時間毎に分割し、分割後の原音波形54a(図3および図4参照)を生成する。分割回路20で行われる分割の間隔である分割間隔は、特に限定されないが、例えば10msec程度とすることができる。分割回路20は、分割後の原音波形54aを、フーリエ変換部22に出力する。
フーリエ変換部22は、分割後の原音波形54aをフーリエ変換し、原音の情報が周波数ごとのスペクトルによって表された原音スペクトル56(図4参照)を生成する。フーリエ変換部22は、原音スペクトル56を、減算回路24に出力する。
第2アンプ増幅率変更部32は、第2アンプ34の増幅率β(図2等参照)を、決定もしくは変更する。第2アンプ増幅率変更部32は、マイク14からの出力の大きさや、第1アンプ18もしくは第1アンプ増幅率変更部16から出力された増幅率αに関する情報から、第2アンプ34の増幅率βを決定することができる。
例えば、第2アンプ増幅率変更部32は、マイク14の出力が第1の値より小さく、原音の大きさが所定の値より小さいと判断した場合、第2アンプ34の増幅率βを、第1アンプ18の増幅率αより大きい値とすることができる。また、例えば、第2アンプ増幅率変更部32は、マイク14の出力が第1の値以上である第2の値より大きく、原音の大きさが所定の値より大きいと判断した場合は、第2アンプ34の増幅率βを、第1アンプ18の増幅率αより小さい値とすることができる。
また、例えば、第2アンプ増幅率変更部32は、マイク14の出力が第1の値以上であって第2の値以下である場合には、第2アンプ34の増幅率βを、第1アンプ18の増幅率αと同じ値とすることができる。このように、本実施形態に係る第2アンプ増幅率変更部32は、原音の大きさに対応するマイク14の出力の大きさに応じて、第2アンプ34の増幅率βを、第1アンプ18の増幅率αに対して異なる値としたり、同じ値としたりすることができる。
第2アンプ34は、モータスペクトル選択部36から出力されたモータスペクトル58(図5参照)を増幅し、増幅後のモータスペクトル60(図5参照)を生成した後、増幅後のモータスペクトル60を減算回路24に出力する。ここでモータスペクトル58は、AFレンズ48をモータ46によって駆動する際に発生する駆動音の波形をフーリエ変換し、周波数毎のスペクトルの形にしたものである。
記憶部40には、AFレンズ48をモータ46によって駆動する際に発生する駆動音に関する複数のモータスペクトル58が、モータ46の各回転数帯に対応して格納されている。モータスペクトル選択部36は、回転数計測回路38から出力されるモータ46の回転数に関する情報を用いて、第2アンプ34に出力すべきモータスペクトル58を選択する。そして、モータスペクトル選択部36は、モータ46の回転数に対応するモータスペクトル58を記憶部40から読み出し、読み出したモータスペクトル58を第2アンプ34に出力する。なお、記憶部40に記憶されるモータスペクトル58は、第1アンプ18の増幅率αが等倍であるという条件(第1アンプ18が増減幅を行わないという条件)において、マイク14がモータ46の駆動音のみを取得し、これをフーリエ変換して得られる原音スペクトル56と等しくなるように、その大きさを設定してある。
減算回路24は、原音スペクトル56(図6参照)から、第2アンプ34で増幅された増幅後のモータスペクトル60を減算し、原音スペクトル56からモータスペクトル58を減算した補正音スペクトル62を生成する。すなわち、減算回路24は、原音を録音した時におけるモータ46の回転数に対応する駆動音に関するモータスペクトル58であって、第2アンプ34で増幅されたものを、原音スペクトル56から減算する。これにより、マイク14の出力に含まれると考えられるモータ46の駆動音に対応するスペクトルが、原音スペクトル56から除去される。
減算回路24は、算出した補正音スペクトル62を、逆フーリエ変換部26に出力する。図7に示すように、逆フーリエ変換部26は、補正音スペクトル62を逆フーリエ変換し、部分補正音波形64aを算出する。部分補正音波形64aは、音声取得部12における一連の処理により、分割前の原音波形54a(図4参照)から、分割前の原音波形54aに含まれるモータ46の駆動音に関する成分が、除去もしくは低減された波形となっている。
逆フーリエ変換部26は、生成した部分補正音波形64aを、結合回路28に出力する。結合回路28は、逆フーリエ変換部26から出力された複数の部分補正音波形64aを結合し、補正音波形64(図8参照)を生成する。結合回路28は、補正音波形64を、音声記憶部(不図示)等に出力する。補正音波形64は、撮影画像(静止画または動画等)に関連づけされた状態で、音声記憶部に保存される。なお、音声記憶部は、レンズ鏡筒10の内部にあっても良いが、カメラ本体の内部にあっても良い。
本実施形態に係るレンズ鏡筒10において、マイク14の出力からモータ46の駆動音に関する成分を除去する除去部19は、フーリエ変換部22および逆フーリエ変換部26を有しているが、除去部19の構成としてはこれに限定されない。除去部19は、図1に示す構成と同様の機能を有する他の構成によって、マイク14の出力からモータ46の駆動音に関する成分を除去するものであってもよい。
駆動部42は、AFレンズ48を移動させるためのモータ46と、モータ46の駆動を制御するためのモータ制御回路44を有する。モータ制御回路44は、撮影時等においてモータ46の駆動を制御し、モータ46によってAFレンズ48を移動させることによって、オートフォーカス動作を制御する。
回転数計測回路38としては、光学式センサ等によってモータ46の回転数を検出するものや、モータ制御回路44からモータ46の制御に関する情報を得て、モータ46の回転数を検知するものなどが挙げられるが、特に限定されない。なお、音声取得部12は、原音スペクトル56に関する駆動音を取得したタイミングと、モータスペクトル58に関するモータ46の回転数を検出したタイミングとが、減算回路24において引かれる原音スペクトル56と、減算回路24において引く増幅後のモータスペクトル60との関係において一致するように、タイミングを同期させる同期回路を有していても良い。
以下に、図2〜図8を用いて、レンズ鏡筒10において行われる音声取得動作の一例を説明する。図2は、図1に示すレンズ鏡筒10において行われる環境音の取得動作の一例を表すフローチャートである。
図2に示すステップS001では、レンズ鏡筒10による環境音の取得動作が開始される。レンズ鏡筒10における音声取得部12は、例えば動画撮影を開始する旨の信号を受けた場合等に、環境音の取得を開始する。
ステップS002では、図1におけるマイク14が、マイク14に伝わる音による圧力変化を電気信号に変換し、マイク14の周辺の音に関する原音波形52を取得する。図3には、ステップS002においてマイク14が取得する原音波形52の一例が、点線で示されている。
図2に示すステップS003では、第1アンプ増幅率変更部16が、第1アンプ18の増幅率αを決定する。さらにステップS004では、第1アンプ18が、第1アンプ増幅率変更部16が定めた増幅率αで、原音波形52を増幅する。図3には、ステップS004において第1アンプ18が生成する増幅後の原音波形54が、実線で示されている。図3に示す例においては、第1アンプ18は、原音波形52を、1(等倍)より小さい増幅率αで、増幅(減幅)している。
図2に示すステップS005では、図1に示す分割回路20が、増幅後の原音波形54(図3)を所定の時間で分割し、分割後の原音波形54aを生成する(図4)。図4に示す分割後の原音波形54aは、図3に示す増幅後の原音波形54のうち、時間t1から時間t2の間の部分を分割して取り出したものである。なお、分割回路20が増幅後の原音波形54を分割する際における分割時間(t2−t1)は、図3に示す例では10msecであるが、特に限定されない。
図6に示すステップS006では、図1に示すフーリエ変換部22が、分割後の原音波形54aをフーリエ変換し、原音スペクトル56を生成する。図4は、フーリエ変換部22で変換される前の波形(分割後の原音波形54a)と、フーリエ変換部22で変換された後のスペクトル(原音スペクトル56)を表した概念図である。フーリエ変換部22における処理によって、分割後の原音波形54aは、周波数ごとのスペクトルによって表された原音スペクトル56に変換される。
図2に示すように、ステップS003〜ステップS006と平行して、音声取得部12では、ステップS007およびステップS008が実施される。図2に示すステップS007では、第2アンプ増幅率変更部32が、第2アンプ34の増幅率βを決定する。第2アンプ増幅率変更部32は、マイク14からの出力の大きさや、第1アンプ18もしくは第1アンプ増幅率変更部16から出力された第1アンプ18の増幅率αに関する情報から、第2アンプ34の増幅率βを決定する。
図11は、第2アンプ増幅率変更部32で決定される第2アンプ34の増幅率βと第1アンプ18の増幅率αとの比を、マイク14の出力に対してプロットしたグラフである。図11に示すように、ステップS007において、第2アンプ増幅率変更部32は、マイク14の出力が第1の値Aより小さく、原音の大きさが所定の値より小さいと判断した場合、第2アンプ34の増幅率βを、第1アンプ18の増幅率αより大きい値とする(β/α>1)。また、第2アンプ増幅率変更部32は、マイク14の出力が第1の値A以上である第2の値Bより大きく、原音の大きさが所定の値より大きいと判断した場合は、第2アンプ34の増幅率βを、第1アンプ18の増幅率αより小さい値とする(β/α<1)。また、第2アンプ増幅率変更部32は、マイク14の出力が第1の値A以上であって第2の値B以下である場合には、第2アンプ34の増幅率βを、第1アンプ18の増幅率αと同じ値とする(β/α=1)。
図2に示すステップS008において、第2アンプ34は、第2アンプ増幅率変更部32が定めた増幅率βで、モータスペクトル58を増幅する。図5は、第2アンプ34において増幅される前のモータスペクトル58と、第2アンプ34において増幅率βで増幅された後のモータスペクトルである増幅後のモータスペクトル60を表している。
ここで、第2アンプ34が増幅するモータスペクトル58は、モータスペクトル選択部36によって記憶部40から読み出され、モータスペクトル選択部36によって第2アンプ34に出力される。モータスペクトル選択部36は、マイク14が減算回路24において引かれる原音スペクトル56に対応する音を取得したタイミングと同じタイミングにおけるモータ46の回転数を、回転数計測回路38から取得し、その回転数に対応するモータスペクトル58を、記憶部40から読み出す。
図2に示すステップS009において、減算回路24は、フーリエ変換部22で生成された原音スペクトル56から、第2アンプ34で増幅された増幅後のモータスペクトル60を減算する。図6は、減算回路24において引かれる原音スペクトル56と、減算回路24において引く増幅後のモータスペクトル60と、減算回路24において原音スペクトル56と増幅後のモータスペクトル60の差として生成される補正音スペクトル62を表したものである。
図2に示すステップS010では、逆フーリエ変換部26が、補正音スペクトル62を逆フーリエ変換し、部分補正音波形64aを算出する。図7は、逆フーリエ変換部26において変換される前の補正音スペクトル62と、逆フーリエ変換部26において補正音スペクトル62を逆フーリエ変換して生成される部分補正音波形64aを表したものである。
図2に示すステップS011では、結合回路28が、逆フーリエ変換部26から出力された複数の部分補正音波形64aを結合し、補正音波形64を生成する。図8は、結合回路28によって生成された補正音波形64を表す概念図である。補正音波形64は、ステップS005からステップS011までの一連の処理により、増幅後の原音波形54から、増幅後の原音波形54に含まれるモータ46の駆動音に関する成分が、除去もしくは低減された波形となっている。
図2に示すステップS012では、結合回路28が、補正音波形64を出力する。結合回路28は、音声記憶部(不図示)等に対して、補正音波形64を出力する。図1に示す音声取得部12は、動画撮影が行われている間ステップS002からステップS012までの処理を繰り返し、動画撮影を終了する旨の信号を受けると、ステップS012からステップS013へ進み、環境音の取得動作を終了する。
ここで、図2におけるステップS008において第2アンプ34がモータスペクトル58を増幅する増幅率βは、ステップS004において第1アンプ18が原音波形52を増幅する増幅率αを基準として決定される。
すなわち、記憶部40が記憶するモータスペクトル58は、第1アンプ18の増幅率αが等倍であるという条件(第1アンプ18が増減幅を行わないという条件)において、マイク14がモータ46の駆動音のみを取得し、これをフーリエ変換して得られる原音スペクトル56と等しくなるように、その大きさを設定してある。したがって、撮影時におけるモータ46の駆動によって、記憶部40に記憶される原音スペクトル56によって表される駆動音と同一の駆動音が、常に発生するのであれば、増幅率βは増幅率αと同一とすることが望ましい。
しかしながら、モータ46の駆動によって発生する駆動音は、レンズ鏡筒10等の保持のされ方など、検出することが難しい種々の状況に応じて変化する。そのため、増幅率βを増幅率αと同一としても、補正後の補正音波形64にモータ46の駆動音が残存し、補正音波形64の再生時における環境音の聞き取りを阻害する場合がある。あるいは、増幅率βを増幅率αと同一としても、モータ46の駆動音以外の環境音を、補正によって劣化させてしまう場合がある。
そこで、本実施形態に係るレンズ鏡筒10において、増幅率βは、第2アンプ増幅率変更部32によって、以下のように決定される。
すなわち、図11における左側の領域に示すように、第2アンプ増幅率変更部32は、マイク14の出力が第1の値Aより小さく、原音の大きさが所定の値より小さいと判断した場合、第2アンプ34の増幅率βを、第1アンプ18の増幅率αより大きい値とする(β/α>1)。これにより、レンズ鏡筒10は、原音の大きさが小さいときは、ステップS005〜ステップS011に示す処理によって行われるモータ駆動音の除去処理が、過小補正となることを防止することができる。先ほども述べたように、原音の大きさが小さい場合には、補正後の補正音波形64にモータ46の駆動音が残存してしまうと、補正音波形64の再生時において、モータ46の駆動音が非常に耳障りとなる場合がある。このため、レンズ鏡筒10は、原音の大きさが小さいときは、第2アンプ34の増幅率βを、第1アンプ18の増幅率αより大きい値とすることによって、原音波形52に含まれるモータ46の駆動音を、確実に除去することができる。
また、図11における右側の領域に示すように、第2アンプ増幅率変更部32は、マイク14の出力が第1の値A以上である第2の値Bより大きく、原音の大きさが所定の値より大きいと判断した場合は、第2アンプ34の増幅率βを、第1アンプ18の増幅率αより小さい値とする(β/α<1)。これにより、レンズ鏡筒10は、原音の大きさが大きいときは、ステップS005〜ステップS011に示す処理によって行われるモータ駆動音の除去処理が、過剰補正となることを防止することができる。原音の大きさが大きい場合には、補正後の補正音波形64にモータ46の駆動音が残存したとしても、補正音波形64の再生時においてモータ46の駆動音は、あまり気にならないことが多い。このため、レンズ鏡筒10は、原音の大きさが大きいときは、第2アンプ34の増幅率βを、第1アンプ18の増幅率αより小さい値とすることによって、モータ46の駆動音以外の環境音を、補正によって劣化させてしまうことを防止できる。
また、レンズ鏡筒10は、マイク14の出力の大きさに応じて第1アンプ18の増幅率αを調整し、AGC(オートゲインコントロール)を行うため、音声取得部12によって出力される補正音波形64の出力を、適切な範囲内に調整することができる。ただし、レンズ鏡筒10において、第1アンプ18の増幅率αは一定であってもよい。
さらに、レンズ鏡筒10は、モータ46として、ステッピングモータ、DCモータおよび超音波モータ等のいずれのモータを採用した場合にでも、モータ駆動音の除去処理を好適に行うことができる。ただし、レンズ鏡筒10は、モータ46を超音波モータとすることによって、AFレンズ48の合焦動作に要する時間を短縮しつつも、超音波モータの駆動による駆動音が、環境音の好適な取得を妨害してしまうことを防止できる。
また、記憶部40には、モータ46を第1の回転数帯で駆動した時の駆動音に関する第1モータスペクトルや、モータ46を第1の回転数帯とは異なる第2の回転数帯で駆動した時の駆動音に関する第2モータスペクトルなど、複数のモータスペクトル58が、モータ46の各回転数帯に対応して格納されている。したがって、モータスペクトル選択部36が、これらのモータスペクトル58の中から、適切なモータスペクトル58を選択して補正に使用することによって、レンズ鏡筒10は、モータ46の各回転数帯に応じて異なる駆動音が生じる場合にでも、原音波形52に含まれるモータ46の駆動音を、好適に除去することができる。
第2実施形態
図9は、本発明の第2実施形態に係るレンズ鏡筒10aの概略ブロック図である。レンズ鏡筒10aは、駆動部42aがPWM制御回路45を有し、音声取得部12aが回転数計測回路およびモータスペクトル選択部を有さず、モータスペクトル転送部37を有する点で、第1実施形態に係るレンズ鏡筒10と異なるが、その他の点は、レンズ鏡筒10と同様である。
図9に示すPWM制御回路45は、モータ制御回路44aからの制御信号に基づき、図10に示すようなパルス状の駆動制御波形66を所定の周期で生成し、駆動制御波形66をモータ46に出力することによって、モータ46を駆動する。駆動制御波形66は、加速部66aおよび定速部66bによって構成されており、PWM制御回路45は、定速部66bの長さを調整することによって、モータ46の駆動量および駆動速度を調整する。
図9に示すモータスペクトル転送部37は、PWM制御回路45の駆動制御波形66によるモータ46の駆動周期と同期して、記憶部40からモータスペクトル58を読み出し、第2アンプ34に出力することができる。第2実施形態に係るレンズ鏡筒10aは、PWM制御回路45によってモータ46を制御しているため、モータ46の駆動時に発生する駆動音の波形も、PWM制御回路45の制御周期と同様の周期を有する傾向がある。
したがって、レンズ鏡筒10aは、例えば、加速部66aおよび定速部66bにおけるモータ46の駆動音に対応するモータスペクトル58を、記憶部40に格納しておき、これをモータ46の駆動周期と同期させて第2アンプ34に出力することによって、モータ46の回転数を検出しなくても、原音波形52に含まれるモータ46の駆動音を、好適に除去することができる。また、第2実施形態に係るレンズ鏡筒10aは、第1実施形態に係るレンズ鏡筒10と同様の効果を奏する。
10,10a… レンズ鏡筒
14… マイク
16… 第1アンプ増幅率変更部
18… 第1アンプ
19… 除去部
20… 分割回路
22… フーリエ変換部
24… 減算回路
26… 逆フーリエ変換部
28… 結合回路
32… 第2アンプ増幅率変更部
34… 第2アンプ
38… 回転数計測回路
40… 記憶部
45… PWM制御回路
46… モータ
48… AFレンズ
52… 原音波形
54… 増幅後の原音波形
54a… 分割後の原音波形
56… 原音スペクトル
58… モータスペクトル
60… 増幅後のモータスペクトル
62… 補正音スペクトル
64… 補正音波形

Claims (7)

  1. 撮影時に駆動されるモータと、
    撮影時の音による圧力変化を電気信号に変換するマイクと、
    前記マイクのマイク出力を第1の増幅率で増幅する第1アンプと、
    前記モータの駆動音に関するモータ音成分を記憶する記憶部と、
    前記モータ音成分を第2の増幅率で増幅する第2アンプと、
    前記第1アンプによって増幅された前記マイク出力から、前記第2アンプによって増幅されたモータ音成分を除去する除去部と、を有し
    前記第2の増幅率は、前記マイク出力が第1の値より小さい時は、前記第1の増幅率より大きく、
    前記第2の増幅率は、前記マイク出力が前記第1の値以上である第2の値より大きい時は、前記第1の増幅率より小さいことを特徴とする光学機器。
  2. 請求項1に記載された光学機器であって、
    前記第1の増幅率は一定であることを特徴とする光学機器。
  3. 請求項1に記載された光学機器であって、
    前記第1の増幅率を変更する増幅率変更部を有することを特徴とする光学機器。
  4. 請求項1から請求項3までの何れか1項に記載された光学機器であって、
    前記モータは超音波モータであることを特徴とする光学機器。
  5. 請求項4に記載された光学機器であって、
    前記モータをPWM制御するPWM制御部を有することを特徴とする光学機器。
  6. 請求項1から請求項5までの何れか1項に記載された光学機器であって、
    前記除去部は、
    前記第1アンプによって増幅された前記マイク出力をフーリエ変換したマイク音成分を生成するフーリエ変換部と、
    前記マイク音成分から前記モータ音成分を減算した補正音成分を生成する減算部と、
    前記補正音成分を逆フーリエ変換した補正出力を生成する逆フーリエ変換部と、を有することを特徴とする光学機器。
  7. 請求項1から請求項6までの何れか1項に記載された光学機器であって、
    前記記憶部が記憶する前記モータ音成分は、前記モータを第1の回転数帯で駆動した時の駆動音に関する第1モータ音成分と、前記モータを第2の回転数帯で駆動した時の駆動音に関する第2モータ音成分と、を有することを特徴とする光学機器。
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