本発明による間接活線工事用絶縁保護カバーの実施の形態を図を参照して説明する。
(第1実施の形態)
本発明の間接活線工事絶縁保護カバーの第1実施の形態を、活線工事にあたり、電柱上の配電線関連機器である腕金及び腕金に取り付けられるピン碍子のスカート部分を絶縁被覆する絶縁保護カバーを例に図1乃至図6を参照して説明する。
図1は腕金及びピン碍子と絶縁保護カバーの展開状態を示す説明図、図2は図1における絶縁保護カバーのII矢視図、図3は図1のIII−III線断面図、図4は絶縁保護カバーの装着状態を示す斜視図、図5及び図6は絶縁保護カバーの取付手順の説明図である。
絶縁保護カバー10の説明に先立ち、絶縁保護カバー10により絶縁被覆する腕金1及びピン碍子6の概要を図1を参照して説明する。
電柱に取り付けられる腕金1は、上面2、この上面2の両縁にそれぞれ沿って下方に延在する第1側面3及び第2側面4、両側面3、4の下端縁間を連結する下面5を有して略水平方向に延在する幅W、高さHの角形中空状鋼材によって形成される。腕金1の碍子取付部に対応して上面2及び下面5に図示しないピン挿通穴が穿孔される。
一方、ピン碍子6は、6号ピン碍子と呼称されるもので、碍子本体7及び支持ピン8によって構成される。碍子本体7はキャップ部分7aとスカート部7bとその間に位置して配電線を係留させるネック部7cとからなる。この碍子本体7の基部に碍子本体7と同軸に支持ピン8が突設される。支持ピン8の先端部に腕金1のピン挿通穴に挿入可能なボルト部8aが形成され、かつボルト部8aの基端側に環状のストッパ8bが形成される。
このピン碍子6は、その支持ピン8のボルト部8aを腕金1の上面2に開口するピン挿通穴から挿入し、下面5のピン挿通穴を貫通させてストッパ8bが上面2に当接した状態でボルト部8aにナット9を締結して腕金1に固定される。
絶縁保護カバー10は、図1に展開状態を示し、図4に取り付け状態を示すように剛性を有する合成樹脂で形成された第1カバー本体11、第2カバー本体21、第1カバー本体11と第2カバー本体21を互いに揺動可能に連結する一対の連結部である下面カバー部37、38によって構成される。
第1カバー本体11は、予め設定された腕金1の被覆幅に亘って第1側面3を被覆可能なように上縁12aから下縁12bの寸法が腕金1の高さHより若干大きな矩形平板状の第1側面カバー部12と、この第1側面カバー部12の上縁12aに沿ってL字状に折曲して腕金1の上面2の一部、本実施の形態では上面2の約1/2の幅に亘って範被覆可能な上縁12aから端縁13a、14aまでの幅を有する矩形平板状の第1上面カバー部13、14を有し、第1上部カバー部13の内方端と第1カバー部14の内方端の離間距離が碍子本体7の径より若干大きな寸法に設定される。
この第1上面カバー部13の内方端と第1上面カバー部14の内方端に連続して互いに対峙する矩形平板状の側壁部16、17及び第1側面カバー部12に連続して側壁部16、17間に掛け渡される矩形平板状の側壁部18からなる半割筒状の第1碍子保持部15が一体形成される。この第1碍子保持部15は、側壁部16、17、18の上端側から側壁部16、17の端縁16a、17a側に連続して開放する開放部が形成される。第1上面カバー部13、14の下面13b、14bから側壁部16、17、18の上端までの高さは、腕金1の上面2から碍子6のスカート部7bの中間高さに設定される。更に、側壁部18の外面にリブ状に突出する把持部19が形成される。
各第1上面カバー部13、14の下面13b、14b及び側壁部16、17の端縁16a、17aに永久磁石13M、14M、16M、17Mが設けられる。また、各第1上面カバー部13、14の上面13c、14cにそれぞれ帯状の面ファスナ13F、14Fが貼着される。
第2カバー本体21は、第1カバー本体11とほぼ同形状で、予め設定された腕金1の被覆幅に亘って第2側面4を被覆可能な上縁22aから下縁22bの寸法が腕金1の高さHより若干大きな矩形平板状の第2側面カバー部22と、この第2側面カバー部22の上縁22aに沿ってL字状に折曲されて腕金1の上面2の一部、本実施の形態では上面2の約1/2の幅に亘って範被覆可能な上縁22aから端縁23a、24aまでの幅を有する矩形平板状の第2上面カバー部23、24を有する。
この第2上面カバー部23の内方端と第2上面カバー部24の内方端に連続して互いに対峙する矩形平板状の側壁部26、27及び第2側面カバー部22に連続して側壁部26、27間に掛け渡される矩形平板状の側壁部28からなる半割筒状の第2碍子保持部25が一体形成される。第2上面カバー部23、24の下面23b、24bから側壁部26、27、28の上端までの高さは、腕金1の上面2から碍子6のスカート部7bの中間高さに設定される。更に、側壁部28の外面にリブ状に突出する把持部29が形成される。
第2碍子保持部25の各側壁部26、27の端縁26a、27aに第1碍子保持部15の各側壁部16、17に設けられた永久磁石16M、17Mと吸着可能な永久磁石26M、27Mが設けられる。
また、図3に図1のIII−III線断面図を示すように、第2上面カバー部23の上面23cに可撓性の帯状体30の基端が取り付けられ、この帯状体30の基端部上に帯状の面ファスナ23Fが貼着される。更に、帯状体30の先端部の両面にそれぞれ帯状の面ファスナ31F、32Fが貼設されている。図3に示すように帯状体30を2つ折りにして面ファスナ31Fを面ファスナ23Fに接合することにより帯状体30が第2上面カバー部23の上面23cに折り畳まれた状態に保持される。同様に、第2上面カバー部24の上面24cに可撓性の帯状体33の基端部が取り付けられ、この帯状体33の基端部の上面に帯状の面ファスナ24Fが貼着され、帯状体33の先端部の両面にそれぞれ帯状の面ファスナ34F、35Fが貼設される。
第1カバー本体11の第1側面カバー部12の下縁12bにヒンジ36a、37aを介在して平行配置される一対の下面カバー部36、37の一端が揺動可能に連結され、下面カバー部36、37の他端がそれぞれヒンジ36b、37bを介在して第2カバー本体21の第2側面カバー部22の下端22bに揺動可能に連結される。このヒンジ36a、37a、及びヒンジ36b、37bを介在して第1側面カバー部12の下縁12bと第2側面カバー部22の下縁22bに架設される下面カバー部36、37は、それぞれ腕金1の下面5から突出する支持ピン8のボルト部8a及びナット9との当接を回避するようにナット9の径より大きく離間して平行配置され、下面カバー部36、37のヒンジ36a、37aからヒンジ36b、37bの寸法は腕金1の下面5の幅Wと同様或いは若干大きく設定される。
次に、絶縁保護カバー10の取り付け方法について、図5及び図6に示す取付手順に基づいて説明する。
絶縁保護カバー10の取り付けに先立って、第2上面カバー部23の上面23cに取り付けられた帯状体30を2つ折りにして面ファスナ31Fを面ファスナ23Fに接合して帯状体30が第2上面カバー部23の上面23cに折り畳まれた状態で保持し、同様に第2上面カバー部24の上面24cに取り付けられた帯状体33を2つ折りにして面ファスナ34Fを面ファスナ23Fに接合して帯状体33を第2上面カバー部24に折り畳まれた状態に保持して準備する。
次に、図1及び図5(a)に示すように、第1カバー本体11を上方にして順に下面カバー部36、37、及び第2カバー本体21が垂下した状態で第1カバー本体11の把持部19を絶縁作業工具、例えば絶縁ヤットコ100によって把持し、絶縁ヤットコ100の操作により絶縁保護カバー10の取付部となる腕金1の碍子取付部に誘導し、第1カバー本体11の第1碍子保持部15の開放部をピン碍子6の碍子本体7と対向せしめる。
そして、第1碍子保持部15の側壁部16の端縁16a及び側壁部17の端縁17aをそれぞれ碍子本体7のスカート部7bに沿って誘導して第1碍子保持部15内に碍子本体7を収容して嵌合する一方、各第1上面カバー部13、14を腕金1の上面2に沿って移動して第1側面カバー部12を腕金1の第1側面3に当接させて腕金1及びピン碍子6に対する絶縁保護カバー10の位置決めをする。
この状態から第1カバー本体11を下降移動し、図5(b)に示すように第1上面カバー部13、14を腕金1の上面2に係止する。これにより、第1上面カバー部13、14の下面13d、14dに設けられた永久磁石13M、14Mが腕金1の上面2に吸着して第1カバー本体11が腕金1に固定される。この絶縁保護カバー10の腕金1及びピン碍子6に対する位置決め及び腕金1への取り付けは、第1碍子保持部15の側壁部16、17の端縁16a、17aをそれぞれ碍子本体7のスカート部7bに沿って誘導して嵌合する簡単な作業で容易に行える。
この第1カバー本体11の第1碍子保持部15が碍子本体7に嵌合し、第1上面カバー部13、14が腕金1の上面2に係合すると共に第1側面カバー部12が第1側面2を被覆して腕金1に取り付けられた状態で、図5(b)に示すように第2カバー本体21の把持部29を絶縁ヤットコ100で把持し、絶縁ヤットコ100の操作により、図5(c)に示すように、ヒンジ36a、37aを中心に下面カバー部36、37を上方に揺動して腕金1の下面5に当接させる。ここで、永久磁石13M、14Mによって腕金1に安定的に固定保持された第1カバー本体11の下縁12bにヒンジ36a、37aを介して下面カバー部36、37が支持されることから、ヒンジ36a、37aを中心とする下面カバー部36、37の揺動が容易にかつ確実に行える。
この下面カバー部36、37が腕金1の下面5に当接した状態で、更に第2カバー本体21を押し上げるようにヒンジ36b、37bを中心に上方に揺動操作する。この第2カバー本体21の揺動により、図5(d)のように第2カバー本体21の第2側面カバー部22が腕金1の第2側面4を被覆し、かつ第2上面カバー部23、24が腕金1の上面2を被覆し、第2上面カバー部23、24の端縁23a、24aが第1上面カバー部13、14の端縁13a、14aと対向する。更に第2碍子保持部25の側壁部26の端縁26a及び側壁部27の端縁27aをそれぞれ碍子本体7のスカート部7bに沿って誘導して第2碍子保持部25が碍子本体7に嵌合すると共に側壁部26、27の端縁26a、27aが第1碍子保持部15の側壁部16、17の端縁16a、17aに当接して互いの永久磁石16Mと26M、永久磁石17Mと27Mが吸着して第1カバー本体11と第2カバー本体21が仮固定される。
ここで、永久磁石13M、14Mによって腕金1に安定的に固定保持された第1カバー本体11にヒンジ36a、37aを介して支持された下面カバー部36、37が腕金1の下面5に当設して下面カバー部36、37が安定した状態で保持され、この下面カバー部36、37にヒンジを36b、37bを介して第2カバー本体21の下縁21bが支持されることから、ヒンジ36b、37bを中心とする第2カバー本体21の揺動が容易にかつ確実に行える。
この仮固定状態において、腕金1の上面2が第1カバー本体11の第1上面カバー部13、14、第2カバー本体21の第2上面カバー部23、24によって被覆され、第1側面3が第1カバー本体1の第1側面カバー部12によって被覆され、第2側面4が第2カバー本体1の第2側面カバー部22によって被覆され、下面5が下面カバー部36、37によって被覆され、更に碍子本体7のキャップ部分7a、ネック部7cが露出した状態でスカート部7bが第1碍子保持部15及び第2碍子保持部25によって被覆される。
この永久磁石16Mと26M、17Mと27Mの吸着によって第1カバー本体11と第2カバー本体21が仮固定され状態で、図6(a)に示すように第2上面カバー部23の上面23cにおいて先端面に貼設された面ファスナ31Fを面ファスナ23Fに接合することで2つ折り状態に保持された帯状体30の先端に図示しない絶縁作業棒の先端に形成されたフックを係止して、図6(b)に示すように面ファスナ23Fから面ファスナ31Fを引き離し、即ち剥離し、更に基端部が第2上面カバー部23に固定された帯状体30を反転する。そして図6(c)に示すように帯状体30の先端部に貼設された面ファスナ32Fを第1上面カバー部13上の面ファスナ13Fに接合する。これにより基端部が第2上面カバー23に固定された帯状体30の先端部が互いに接合する面ファスナ32Fと面ファスナ13Fによって第1上面カバー部13に連結されて第1上面カバー部13と第2上面カバー部23が強固に連結される。
同様に、第2上面カバー部24の上面24cにおいて帯状体33の先端部に貼設された面ファスナ34Fを面ファスナ24Fから剥離し、帯状体33の先端部に貼設された面ファスナ35Fを第1上面カバー部14上の面ファスナ14Fに接合する。これにより基端部が第2上面カバー24に固定された帯状体33の先端部が互いに接合する面ファスナ35Fと面ファスナ14Fによって第1上面カバー部14に連結されて第1上面カバー部14と第2上面カバー部24が強固に連結される。
これにより、腕金1の上面2が予め設定された被覆幅に亘って第1上面カバー部13、14及び第2上面カバー部23、24によって絶縁被覆され、第1側面3が第1カバー本体11の第1側面カバー部12によって、第2側面4が第2カバー本体21の第2側面カバー部22によって、更に下面5が下面カバー部36、37によってそれぞれ絶縁被覆され、予め設定された被覆幅に亘って腕金1の全周が絶縁被覆される。更に、第1碍子保持部15及び第2碍子保持部25によってキャップ部7a及びネック部7cが突出した状態で碍子本体7のスカート部7bが絶縁被覆され、碍子6のネック部7cに配電線を係留させる等の活線状態で配線工事等をする際、良好に地絡・短絡を防止して安全化を図ることができる。更に、碍子本体7に第1碍子保持部15及び第2碍子保持部25が嵌合して配電工事中に絶縁保護カバー10が腕金1の碍子取付部1Aからずれ落ちることが防止できる。
一方、絶縁保護カバー10を取り外す作業は、取り付け手順とは逆に、絶縁ヤットコ100等によって、面ファスナ13Fから面ファスナ32Fを剥離して第1上面カバー部13と第2上面カバー部23との帯状体30及び面ファスナ14F、32Fによる連結を解除し、同様に面ファスナ14Fから面ファスナ35Fを剥離して第1上面カバー部14と第2上面カバー部24との帯状体33及び面ファスナ14F、35Fによる連結を解除する。
そして、第2カバー本体21の把持部29を絶縁ヤットコ100で把持し、永久磁石16Mと26M、17Mと27Mの吸着に抗して第1碍子保持部15から第2碍子保持部25を引き離し、かつ下方に揺動して、図5(b)に示すように第1カバー本体11から下面カバー部36、37及び第2カバー本体21を垂下させる。この状態で、第1カバー本体11の把持部19を絶縁ヤットコ100で把持し、永久磁石13M、14Mの吸着に抗して腕金1から第1カバー本体11を引き離すことによって絶縁保護カバー10が腕金1から取り外される。
従って、本実施の形態による絶縁保護カバー10によると、絶縁ヤットコ100等の操作により第1カバー本体11の把持部19を把持して、第1碍子保持部15を碍子本体7に嵌合させて腕金10に上面カバー部13、14を腕金1の上面2に係止することで、永久磁石13M、14Mが腕金1に吸着して第1カバー本体11が腕金1に位置決めされた状態で固定された状態で第2カバー本体21の把持部29を絶縁ヤットコ100で把持し、ヒンジ36a、37aを中心に下面カバー部36、37を揺動して腕金1の下面5に当接させた後、第2カバー本体21を上方に揺動することで永久磁石16Mと26M、永久磁石17Mと27Mが吸着して第1カバー本体11と第2カバー本体21が仮固定される。この仮固定された状態で帯状体30の先端部の面ファスナ32Fを第1上面カバー部13の面ファスナ13Fに接合し、帯状体33の先端部の面ファスナ35Fを第1上面カバー部14に貼設されている面ファスナ14Fに接合する簡単な作業により絶縁保護カバー10を強固に所定位置に取り付けることができる。
また、永久磁石16M、26M及び永久磁石17M、27Mは第1碍子保持部15と第2碍子保持部25を仮固定するに十分な吸着力が確保できる比較的小さな吸引力でよく、絶縁保護カバー10の取り付け及び取り外しの作業性に優れる。
なお、碍子本体7を収容可能な断面円弧状に形成することもできる。また、平行配置された下面カバー部36、37を、中央部にナット9等の収容を可能にする孔を備えた単一の板状部材によって形成することもできる。
(第2実施の形態)
本発明の間接活線工事絶縁保護カバーの第2実施の形態を、図7乃至図9を参照して説明する。なお、図7乃至図9において上記図1乃至図6と対応する部分に同一符号を付することで該部の詳細な説明を省略する。
図7は腕金及びピン碍子と絶縁保護カバーの展開状態を示す説明図、図8は絶縁保護カバーの装着状態を示す斜視図、図9は絶縁保護カバーの取付手順の説明図である。
絶縁保護カバー40は、図7に展開状態を示し、図8に取り付け状態を示すように合成樹脂で形成された第1カバー本体41、第2カバー本体45によって構成される。
第1カバー本体41は、予め設定された腕金1の被覆幅に亘って第1側面3を被覆可能な矩形平板状の第1側面カバー部12と、この第1側面カバー部12の上縁12aに沿ってL字状に折曲して腕金1の上面2の一部、本実施の形態では上面2の約1/2の幅に亘って被覆可能な矩形平板状の第1上面カバー部13、14及び側壁部16、17、18によって形成される半割筒状の第1碍子保持部15を有する。
第1側面カバー部12の下縁12bに沿って腕金1の下面5の約1/2の幅に亘って被覆可能で下縁12bから先端縁42aに移行するに従って第1上面カバー部13、14から離間するように第1側面カバー部12に対して傾斜して延在する矩形板状の第1連結部42が一体形成される。更に、第1側面カバー部12の外面にリブ状に突出する把持部19が形成される。
各第1上面カバー部13、14の下面13b、14b及び第1碍子保持部15の側壁部16、17の端縁16a、17aに永久磁石13M、14M、16M、17Mが設けられる。また、各第1上面カバー部13、14の上面13c、14cにそれぞれ帯状の面ファスナ13F、14Fが貼着される。
第2カバー本体45は、第1カバー本体41とほぼ同形状で、予め設定された腕金1の被覆幅に亘って第2側面4を被覆可能な矩形平板状の第2側面カバー部22と、この第2側面カバー部22の上縁22aに沿ってL字状に折曲して腕金1の上面2をその一部、例えば約1/2の幅に亘って被覆可能な矩形平板状の第2上面カバー部23、24及び側壁部26、27、28によって形成される半割筒状の第2碍子保持部25を有する。
第2側面カバー部22の下縁22bに沿って腕金1の下面5の約1/2の幅に亘って被覆可能で下縁22bから先端縁46aに移行するに従って第2上面カバー部23、24から離間するように第2側面カバー部22に対して傾斜して延在する矩形板状の第2連結部46が一体形成される。更に、第2側面カバー部22の外面にリブ状に突出する把持部29が形成される。
第2碍子保持部25の各側壁部26、27の端縁26a、27aに第1碍子保持部15の各側壁部16、17に設けられた永久磁石16M、17Mと吸着可能な永久磁石26M、27Mが設けられる。
また、第2上面カバー部23の上面23cに可撓性の帯状体30の基端部が取り付けられる。この帯状体30の基端部上に帯状の面ファスナ23Fが貼着され、先端部の両面にそれぞれ帯状の面ファスナ31F、32Fが貼設されている。同様に、第2上面カバー部24の上面24cに可撓性の帯状体33の基端部が取り付けられ、この帯状体33の基端部上に帯状の面ファスナ24Fが貼着され、帯状体33の先端部の両面に面ファスナ34F及び35F(図示省略)が貼設される。
これら第1カバー本体41の第1連結部42の先端42aと第2カバー本体45の第2連結部46の先端46aは互いに先端42a及び46aに沿って延在するヒンジ47を介して揺動可能に連結される。
次に、絶縁保護カバー40の取り付け方法について、図9に示す取付手順に基づいて説明する。
絶縁保護カバー40の取り付けに先立って、第2上面カバー部23の上面23cに取り付けられた帯状体30を2つ折りにして面ファスナ31Fを面ファスナ23Fに接合して帯状体30が第2上面カバー部23の上面23cに折り畳まれた状態で保持し、同様に第2上面カバー部24の上面24cに取り付けられた帯状体33を2つ折りにして面ファスナ34Fを面ファスナ23Fに接合して帯状体33を第2上面カバー部24に保持して準備する。
次に、図7及び図9(a)に示すように、第1カバー本体41を上方にしてヒンジ47を介して第2カバー本体45が垂下した状態で第1カバー本体41の把持部19を絶縁作業工具、例えば絶縁ヤットコ100によって把持し、絶縁ヤットコ100の操作により絶縁保護カバー40の取付部となる腕金1の碍子取付部1Aに誘導し、第1カバー本体41の第1碍子保持部15をピン碍子6の碍子本体7と対向せしめる。
そして、第1碍子保持部15の側壁部16の端縁16a及び側壁部17の端縁17aをそれぞれ碍子本体7のスカート部7bに沿って誘導して碍子本体7を収容する一方、各第1上面カバー部13、14を腕金1の上面2に沿って移動させ、第1側面カバー部12が腕金1の第1側面3に当接させて腕金1及びピン碍子6に対する絶縁保護カバー40の位置決めをする。この状態から第1カバー本体11を下降移動して図9(b)に示すように第1上面カバー部13、14を腕金1の上面2に係止する。これにより、第1上面カバー部13、14の下面13b、14bに設けられた永久磁石13M、14Mが腕金1の上面2に吸着して第1カバー本体41が腕金1に固定される。
この第1カバー本体41の第1碍子保持部15が碍子本体7に嵌合し、第1上面カバー部13、14が腕金1の上面2に係合すると共に第1側面カバー部12が第1側面2を被覆して腕金1に保持された状態で、図9(b)に示すように第2カバー本体45の把持部29を絶縁ヤットコ100で把持する。
そして、絶縁ヤットコ100の操作により、図9(c)に示すようにヒンジ47を中心に第2カバー本体45を上方に揺動して第2カバー本体45の第2側面カバー部22が腕金1の第2側面4を被覆し、かつ第2上面カバー部23、24が腕金1の上面2を被覆し、第2上面カバー部23、24の端縁23b、24bを第1上面カバー部13、14の端縁13a、14aに対向させると共に、第2碍子保持部25の側壁部26の端縁26a及び側壁部27の端縁27aをそれぞれ碍子本体7のスカート部7bに沿って誘導して開放部25A内に碍子本体7を収容して第2碍子保持部26が碍子本体7に嵌合すると共に側壁部26、27の端縁26a、27aが第1碍子保持部15の側壁部16、17の端縁16a、17aに当接して互いの永久磁石16Mと26M、永久磁石17Mと27Mが吸着して第1カバー本体41と第2カバー本体45が仮固定される。ここで、永久磁石13M、14Mによって腕金1に安定的に固定保持された第1カバー本体41の第1連結部42の先端縁42aにヒンジ47を介して第2カバー本体45の第2連結部46が支持されることから、ヒンジ47を中心とする第2カバー本体45の揺動が容易にかつ確実に行うことができる。
この仮固定状態において、腕金1の上面2が第1カバー本体41の第1上面カバー部13、14、第2カバー本体45の第2上面カバー部23、24によって被覆され、第1側面3が第1カバー本体41の第1側面カバー部12によって被覆され、第2側面4が第2カバー本体45の第2側面カバー部22によって被覆され、下面5が第1カバー本体41の第1連結部42及び第2カバー本体45の第2連結部46によって被覆され、更に碍子本体7のキャップ部分7a、ネック部7cが露出した状態でスカート部7bが第1碍子保持部15及び第2碍子保持部25によって被覆される。
この永久磁石16Mと26M、永久磁石17Mと27Mの吸着によって第1カバー本体11と第2カバー本体21が仮固定され状態で、図9(d)及び図8に示すように第2上面カバー部23の上面23cにおいて先端部に貼設された面ファスナ31Fを面ファスナ23Fから剥離し、面ファスナ32Fを第1上面カバー部13に貼設されている面ファスナ13Fに接合する。これにより基端が第2上面カバー23に固定された帯状体30の先端部が互いに接合する面ファスナ32Fと面ファスナ13Fによって第1上面カバー部13に連結されて第1上面カバー部13と第2上面カバー部23が連結される。同様に、第2上面カバー部24の上面24dにおいて帯状体33の先端面に貼設された面ファスナ34Fを面ファスナ24Fから剥離し、帯状体33の先端部に貼設された面ファスナ35Fを第1上面カバー部14に貼設されている面ファスナ14Fに接合する。これにより基端が第2上面カバー24に固定された帯状体33の先端部が互いに接合する面ファスナ35Fと面ファスナ14Fによって第1上面カバー部14に連結されて第1上面カバー部14と第2上面カバー部24が連結される。
これにより、腕金1の上面2が予め設定された被覆幅に亘って第1上面カバー部13、14及び第2上面カバー部23、24によって絶縁被覆され、第1側面3が第1カバー本体41の第1側面カバー部12によって、第2側面4が第2カバー本体45の第2側面カバー部22によって絶縁被覆される。更に下面5が第1カバー本体41の第1連結部42及び第2カバー本体45の第2連結部46によって絶縁被覆される。更に、第1碍子保持部15及び第2碍子保持部25によってキャップ部7a及びネック部7cが突出した状態で碍子本体7のスカート部7bが絶縁被覆され、碍子6のネック部7cに配電線を係留させる等の活線状態で配線工事等をする際、良好に地絡・短絡を防止して安全化を図ることができる。更に、碍子本体7に第1碍子保持部15及び第2碍子保持部25が嵌合して配電工事中に絶縁保護カバー40が腕金1の碍子取付部からずれ落ちることが防止できる。
一方、絶縁保護カバー40を取り外す作業は、取り付け手順とは逆に、絶縁ヤットコ100等によって、面ファスナ13Fから面ファスナ32Fを剥離して第1上面カバー部13と第2上面カバー部23との帯状体30及び面ファスナ14F、32Fによる連結を解除し、同様に面ファスナ14Fから面ファスナ35を剥離して第1上面カバー部14と第2上面カバー部24との帯状体33及び面ファスナ14F、35Fによる連結を解除する。
そして、第2カバー本体41の把持部29を絶縁ヤットコ100で把持し、永久磁石16Mと26M及び永久磁石17Mと27Mの吸着に抗して第1碍子保持部15から第2碍子保持部25を引き離し、かつ下方に揺動して、図9(b)に示すように第1カバー本体41から第2カバー本体45を垂下させる。この状態で、第1カバー本体41の把持部19を絶縁ヤットコ100で把持し、永久磁石13M、14Mの吸着に抗して腕金1から第1カバー本体41を引き離すことによって絶縁保護カバー10が腕金1及びピン碍子6から取り外される。
従って、本実施の形態による絶縁保護カバー40によると、絶縁ヤットコ100等の操作により第1カバー本体41の把持部19を把持して、第1碍子保持部15を碍子本体7に嵌合させて腕金1に上面カバー部13、14を腕金1の上面2に係止することで、永久磁石13M、14Mが腕金1に吸着して第1カバー本体11が腕金1に位置決めされた状態で固定され、この第1カバー本体41が腕金1に固定された状態で第2カバー本体21の把持部29を絶縁ヤットコ100で把持し、ヒンジ47を中心に第2カバー本体45を上方に揺動することで永久磁石16Mと26M、永久磁石17Mと27Mが吸着して第1カバー本体41と第2カバー本体45が仮固定される。この仮固定された状態で帯状体30の先端部の面ファスナ32Fを第1上面カバー部13の面ファスナ13Fに接合し、帯状体33の先端部の面ファスナ35Fを第1上面カバー部14に貼設されている面ファスナ14Fに接合する簡単な作業により絶縁保護カバー40を強固に所定位置に取り付けることができる。
(第3実施の形態)
本発明の間接活線工事絶縁保護カバーの第3実施の形態を、図10乃至図16を参照して説明する。なお、図10乃至図16において上記図1乃至図6と対応する部分に同一符号を付することで説明の簡素化を図るため該部の詳細な説明を省略する。
図10は絶縁保護カバー50の展開状態を示す説明図、図11はホルダの側面図、図12は絶縁保護カバーの絶縁保護カバーの装着状態を示す斜視図、図13は図12のXIII矢視図である。
絶縁保護カバー50は、図10に展開状態を示し、図12及び図13に取り付け状態を示すように合成樹脂で形成された第1カバー本体51、第2カバー本体55及び第1カバー本体51と第2カバー本体55を連結するホルダ60によって構成される。
第1カバー本体51は、予め設定された腕金1の被覆幅に亘って第1側面3を被覆可能な矩形平板状の第1側面カバー部12と、この第1側面カバー部12の上縁12aに沿って折曲して腕金1の上面2の一部、本実施の形態では上面2の約1/2の幅に亘って被覆可能な矩形平板状の第1上面カバー部13、14及び側壁部16、17、18によって形成される半割筒状の第1碍子保持部15を有する。
第1側面カバー部12の下縁12bに、下縁12bから先端縁52aに移行するに従って第1上面カバー部13、14から離間するように第1側面カバー部12に対して傾斜すると共に、次第に狭くなる台形板状の第1連結部52が一体形成される。更に、第1側面カバー部12の外面にリブ状に突出する把持部19が形成される。
第1碍子保持部15の側壁部16、17の端縁16a、17aに永久磁石16M、17Mが設けられる。また、各第1上面カバー部13、14の上面13c、14cにそれぞれ帯状の面ファスナ13F、14Fが貼着される。
第2カバー本体55は、第1カバー本体51とほぼ同形状で、腕金1の第2側面4を被覆可能な矩形平板状の第2側面カバー部22と、この第2側面カバー部22の上縁22aに沿って折曲して腕金1の上面2の一部、本実施の形態では上面2の約1/2の幅に亘って被覆可能な矩形平板状の第2上面カバー部23、24及び半割筒状の第2碍子保持部25を有する。
第2側面カバー部22の下縁22bに、下縁22bから先端縁56aに移行するに従って第2上面カバー部23、24から離間するように第2側面カバー部22に対して傾斜すると共に次第に狭くなる台形板状の第2連結部56が一体形成される。更に、第2側面カバー部22の外面にリブ状に突出する把持部29が形成される。
第2碍子保持部25の各側壁部26、27の端縁26a、27aに第1碍子保持部15の各側壁部16、17に設けられた永久磁石16M、17Mと吸着可能な永久磁石26M、27Mが設けられる。
また、第2上面カバー部23の上面23cに可撓性の帯状体30の基端部が取り付けられ、この帯状体30の基端部上に帯状の面ファスナ23Fが貼着され、帯状体30の先端部の両面に帯状の面ファスナ31F、32Fが貼設されている。同様に、第2上面カバー部24の上面24cに可撓性の帯状体33の基端部が取り付けられ、この帯状体33の基端部上に面ファスナ24Fが貼着され、帯状体33の先端部の両面に面ファスナ34F、35Fが貼設される。
ホルダ60は、図10に示すと共に図11(a)に図10のXI矢視拡大図及び図11(b)に側面図を示すように、腕金1の下面5から突出する支持ピン6のボルト部8aに装着可能な装着部となる内孔62を有する外形が矩形の筒状のホルダ本体61を有し、ホルダ本体61の外周に側面視ホルダ本体61の延在方向と直交すると共に平行位置された揺動中心軸線63a及び64aを有して第1連結部52の先端縁52aを揺動自在に連結する第1ヒンジ63及び第2連結部56の先端縁56aを揺動自在に連結する第2ヒンジ64が形成される。装着部となるホルダ61の内孔62に円筒状で内周に軸方向延在する複数の突条65aが放射状に形成されたゴム等の弾性材からなるブッシュ65が装着される。
これにより、ホルダ本体61に第1ヒンジ63及び第2ヒンジ64を介在して第1カバー本体51及び第2カバー本体55が揺動可能に連結し、ホルダ本体61の内孔62とピン碍子5の支持ピン8のボルト部8aを嵌合することでボルト部8aがブッシュ65によって弾性保持され、ホルダ60がボルト部8aに保持される。
また、腕金1の下面5から突出する支持ピン6のボルト部8aにホルダ60を嵌合保持した状態で、第1ヒンジ63を中心に第1カバー本体51を揺動することで第1側面カバー部12及び第1上面カバー部23,24がそれぞれ腕金20の第1側面3及び上面2を被覆可能な状態に移動し、かつ、第2ヒンジ64を中心に第2カバー本体55を揺動することで第2側面4及び上面2を被覆可能な状態となるよう設定される。
次に、絶縁保護カバー50の取り付け方法について、図14に示す取付手順に基づいて説明する。
絶縁保護カバー50の取り付けに先立って、第2上面カバー部23の上面23cに取り付けられた帯状体30を2つ折りにして面ファスナ31Fを面ファスナ23Fに接合して帯状体30が第2上面カバー部23の上面23cに保持し、同様に第2上面カバー部24の上面24cに取り付けられた帯状体33を2つ折りにして面ファスナ34Fを面ファスナ23Fに接合して帯状体33を第2上面カバー部24に保持して準備する。
次に、図10或いは図14(a)に示すように、第1カバー本体51及び第2カバー本体55が離れた展開された状態で、第1カバー本体51の把持部19,第2カバー本体55の把持部29或いはホルダ60、本実施の形態では把持部19を絶縁作業工具、例えば絶縁ヤットコ100によって把持し、絶縁ヤットコ100の操作によりホルダ60を腕金1の下面5から突出する支持ピン8のボルト部8aと対向させる。
腕金1の下面5から突出する支持ピン8のボルト部8aに向けてホルダ60を上昇させて、図14(b)に示すように支持ピン8のボルト部8aに嵌合させる。これにより、ブッシュ65が弾性変形してホルダ60が支持ピン8のボルト部8aに固定保持されて展開状態の絶縁保護カバー50が腕金1に取り付けられる。
次に、絶縁ヤットコ100により第1カバー本体51の把持部19を把持し、絶縁ヤットコ100の操作により第1ヒンジ63を揺動中心として第1カバー本体51を上方に揺動する。この第1カバー本体51の揺動により、図14(c)に示すように第1碍子保持部15の側壁部16の端縁16b及び側壁部17の端縁17bをそれぞれ碍子本体7のスカート部7bに沿って誘導して碍子本体7を第1碍子保持部15が収容する一方、各第1上面カバー部13、14が腕金1の上面2に沿って移動して第1側面カバー部12が腕金1の第1側面3に当接し、腕金1及びピン碍子6に対する絶縁保護カバー40の位置決めがなされる。ここで 、支持ピン8によって腕金1に安定的に固定保持されたホルダ60の第1ヒンジ63を介して、第1カバー本体51の第1連結部52の先端縁52aが支持されることから、第1ヒンジ63を中心とする第1カバー本体51の揺動が容易にかつ確実に行うことができる。
同様に、この第1カバー本体61の第1碍子保持部15が碍子本体7に嵌合し、第1上面カバー部13、14が腕金1の上面2に係合すると共に第1側面カバー部12が第1側面2を被覆して腕金1に保持された状態で、第2カバー本体55の把持部29を絶縁ヤットコ100で把持する。
そして、絶縁ヤットコ100の操作により、図14(d)に示すように第2ヒンジ64を中心に第2カバー本体55を上方に揺動して第2カバー本体45の第2側面カバー部22が腕金1の第2側面4を被覆し、かつ第2上面カバー部23、24が腕金1の上面2を被覆し、第2上面カバー部23、24の端縁23a、24aを第1上面カバー部13、14の端縁13a、14aに対向させると共に、第2碍子保持部25の側壁部26の端縁26a及び側壁部27の端縁27aをそれぞれ碍子本体7のスカート部7bに沿って誘導して第2碍子保持部26が碍子本体7に嵌合すると共に側壁部26、27の端縁26a、27aが第1碍子保持部15の側壁部16、17の端縁16a、17aに当接して互いの永久磁石16Mと26M、永久磁石17Mと27Mが吸着して第1カバー本体41と第2カバー本体45が仮固定される。ここで 、支持ピン8によって腕金1に安定的に固定保持されたホルダ60の第2ヒンジ64を介して、第2カバー本体55の第2連結部56の先端縁56aが支持されることから、第2ヒンジ64を中心とする第2カバー本体55の揺動が容易にかつ確実に行うことができる。
この仮固定状態において、腕金1の上面2が第1カバー本体51の第1上面カバー部13、14、第2カバー本体55の第2上面カバー部23、24によって被覆され、第1側面3が第1カバー本体51の第1側面カバー部12によって被覆され、第2側面4が第2カバー本体55の第2側面カバー部22によって被覆され、下面5が第1カバー本体51の第1連結部52及び第2カバー本体55の第2連結部56によって被覆され、更に碍子本体7のキャップ部分7a、ネック部7cが露出した状態でスカート部7bが第1碍子保持部15及び第2碍子保持部25によって被覆される。
この永久磁石16Mと26M、永久磁石17Mと27Mの吸着によって第1カバー本体51と第2カバー本体55が仮固定され状態で、図14(e)及び図13に示すように第2上面カバー部23の上面23cにおいて先端部に貼設された面ファスナ31Fを面ファスナ23Fから剥離し、面ファスナ32Fを第1上面カバー部13に貼設されている面ファスナ13Fに接合する。これにより基端が第2上面カバー23に固定された帯状体30の先端部が互いに接合する面ファスナ32Fと面ファスナ13Fによって第1上面カバー部13に連結されて第1上面カバー部13と第2上面カバー部23が連結される。同様に、第2上面カバー部24の上面24cにおいて帯状体33の先端面に貼設された面ファスナ34Fを面ファスナ24Fから剥離し、帯状体33の先端に貼設された面ファスナ35Fを第1上面カバー部14に貼設されている面ファスナ14Fに接合する。これにより基端が第2上面カバー24に固定された帯状体33の先端部が互いに接合する面ファスナ35Fと面ファスナ14Fによって第1上面カバー部14に連結されて第1上面カバー部14と第2上面カバー部24が連結される。
これにより、腕金1の上面2が予め設定された被覆幅に亘って第1上面カバー部13、14及び第2上面カバー部23、24によって絶縁被覆され、第1側面3が第1カバー本体51の第1側面カバー部12によって、第2側面4が第2カバー本体55の第2側面カバー部22によって絶縁被覆さ、下面5が第1カバー本体51の第1連結部52及び第2カバー本体55の第2連結部56によって絶縁被覆される。更に、第1碍子保持部15及び第2碍子保持部25によってキャップ部7a及びネック部7cが突出した状態で碍子本体7のスカート部7bが絶縁被覆され、碍子6のネック部7cに配電線を係留させる等の活線状態で配線工事等をする際、良好に地絡・短絡を防止して安全化を図ることができる。更に、碍子本体7に第1碍子保持部15及び第2碍子保持部25が嵌合して配電工事中に絶縁保護カバー40が腕金1の碍子取付部からずれ落ちることが防止できる。
一方、絶縁保護カバー50を取り外す作業は、取り付け手順とは逆に、絶縁ヤットコ100等によって、面ファスナ13Fから面ファスナ32Fを剥離して第1上面カバー部13と第2上面カバー部23との帯状体30及び面ファスナ13F、32Fによる連結を解除し、同様に面ファスナ14Fから面ファスナ35Fを剥離して第1上面カバー部14と第2上面カバー部24との帯状体33及び面ファスナ14F、35Fによる連結を解除する。
そして、第1カバー本体51の把持部19を絶縁ヤットコ100で把持し、永久磁石16Mと26M及び永久磁石17Mと27Mの吸着に抗して第1碍子保持部15を第2碍子保持部25から引き離しかつ第1ヒンジ63を中心に下方に揺動し、同様に第2カバー本体55の把持部29を絶縁ヤットコ100で把持して第2ヒンジ64を中心に下方に揺動して図14(b)に示すように、第1カバー本体51及び第2カバー本体55が離れた展開された状態でホルダ60が腕金1の下面5から突出する支持ピン8のボルト部8aに支持される。そして、絶縁ヤットコ100の操作によりホルダ60を腕金1の下面5から突出する支持ピン8のボルト部8aから引き離し絶縁保護カバー50を回収する。
従って、本実施の形態による絶縁保護カバー50によると、絶縁ヤットコ100等の操作によりホルダ60を腕金1に設けられた支持ピン8のボルト部8aに取り付け、第1ヒンジ63を中心に第1カバー本体51を揺動して第1碍子保持部15を碍子本体7に嵌合させて上面カバー部13、14で腕金1の上面2を被覆し、第2ヒンジ64を中心に第2カバー本体45を上方に揺動することで永久磁石16Mと26M、永久磁石17Mと27Mが吸着して第1カバー本体51と第2カバー本体55が仮固定される。この仮固定された状態で帯状体30の先端部の面ファスナ32Fを第1上面カバー部13の面ファスナ13Fに接合し、帯状体33の先端部の面ファスナ35Fを第1上面カバー部14に貼設されている面ファスナ14Fに接合する簡単な作業により絶縁保護カバー40を強固に所定位置に取り付けることができる。
なお、上記実施の形態では、装着部となるホルダ61の内孔62に円筒状で内周に軸方向延在する複数の突条65aが放射状に形成されたゴム等の弾性材からなるブッシュ65を装着したが、ブッシュ65に代えて、図15(a)に平面図を示し、図15(b)に側面図を示すように、内孔62に沿って軸方向に延在する溝状の凹部62aを形成し、この凹部62a内に支持ピン8に吸着する永久磁石62Mを配設して構成することもできる。更に図16(a)に平面図を示しかつ図16(b)に側面図を示すように内孔62に沿って軸方向に延在する溝状の凹部62aに永久磁石62Mは配設すると共に、内孔62に複数の突条65aが放射状に形成されたゴム等の弾性材からなるブッシュ65を装着することもできる。