図1は、投稿システム10のハードウェア構成図である。
電子掲示板サーバ100は、インターネット12を介してクライアント端末200aやクライアント端末200bなどの複数の端末(以下、単に「クライアント端末200」という)と接続される。電子掲示板サーバ100は、各クライアント端末200から投稿データを受信し、電子掲載する装置である。例えば、クライアント端末200bがある投稿データを電子掲示板サーバ100に送信したとする。電子掲示板サーバ100は、送信された投稿データのサブジェクト等、投稿データの一部をWebページとして提供する。電子掲示板サーバ100は、クライアント端末200aからこの投稿データに対する閲覧要求を受信すると、投稿データをクライアント端末200aに送信する。クライアント端末200aにてクライアント端末200bによる投稿データを確認できる。このようにして、複数のクライアント端末200間で投稿データの情報が共有される。
図2は、投稿システム10の処理概要を説明するための模式図である。
電子掲示板サーバ100内には随時更新可能な多数の投稿データが保持され、それらの投稿データは、閲覧するユーザにとって必要な情報を検索できるよう、カテゴリに分類されている。ここでは投稿データα1、対比投稿データα2、対比投稿データα3、投稿データβ、投稿データγが電子掲示板サーバ100に保持され、これらの投稿データはカテゴリIに分類されているとする。例えば投稿データα1がつるかめ算、投稿データβが旅人算、投稿データγが植木算に関する話題であれば、カテゴリIは「算数」や「計算方法」というカテゴリであれば適切である。
対比投稿データは、投稿データにて示される考えに対して対抗する考えを示すデータである。例えば投稿データα1がつるかめ算の解法を提示したものであり、その内容を見たユーザはよりわかりやすい解法を知っている場合がある。そのような場合、そのユーザは投稿データα1に示される解法とは別の解法を対比投稿データα2として投稿できる。こうした処理により電子掲示板サーバ100は、ユーザにとってより理解しやすいまたは賛同しやすい解法を提示できる。つまり対比投稿データは、投稿データに示される考え、意見および解法などに対して異なる考え、意見および解法などを別の観点から提示するデータである。
ユーザAはクライアント端末200を通じて電子掲示板サーバ100に接続し、興味のある投稿データを閲覧する。ユーザAは、閲覧した投稿データに対してその評価を入力できる。ここでは、ユーザAが投稿データβに興味を持ったため投稿データβに対して肯定的な評価を入力したとする。
その後、ユーザAが別の投稿データを検索するため電子掲示板サーバ100内のカテゴリの一覧情報を要求する。電子掲示板サーバ100は、カテゴリの一覧情報と共にカテゴリI内に含まれる投稿データの総数や、カテゴリI内に含まれる投稿データのうち更新された投稿データの総数などの情報をユーザAに送信する。ここでカテゴリIが選ばれている理由は、ユーザAが、過去にカテゴリIに属する投稿データβを評価しているためである。このことから、ユーザAは、投稿データβを含むカテゴリI内の情報に興味があると推測している。
また、ユーザは対比投稿データを送信できる。例えば投稿データα1がつるかめ算の解法1に関する情報であれば、対比投稿データα2として解法1とは異なる解法2、対比投稿データα3として解法3に関する情報を送信できる。ユーザは対比投稿データに対しても評価を入力できる。
あるユーザはつるかめ算の問題を解くため、算数に関するカテゴリIを見つけ、カテゴリI内の投稿データの一覧情報を要求する。電子掲示板サーバ100は、カテゴリI内の投稿データを対象とする対比投稿データが複数存在する場合は、全ての対比投稿データを表示させず、対比投稿データに対する評価に基づいて対比投稿データを選択して表示させる。
この処理を図2を用いて説明する。対比投稿データα2の評価が対比投稿データα3の評価より低い場合、電子掲示板サーバ100は、投稿データの一覧情報と共に対比投稿データα3の情報のみを送信する。電子掲示板サーバ100は、評価が低い方の対比投稿データα2を送信しない。対比投稿データα3の解法の方が説明が丁寧であるために好ましい評価を受けている場合、ユーザは有益な情報である対比投稿データα3を素早く見つけることができる。
図3は、電子掲示板サーバ100の機能ブロック図である。
ここに示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現される。ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。よって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。ここでは、主として各機能ブロックの発揮すべき機能について述べ、その具体的な作用については、後述する。
電子掲示板サーバ100は、通信処理部300、データ処理部400およびデータ保持部500を含む。通信処理部300は、ユーザからの入力処理やユーザに対する情報表示のようなユーザインタフェース全般に関する処理を担当する。データ処理部400は、通信処理部300やデータ保持部500から取得されたデータを元にして各種のデータ処理を実行する。データ処理部400は、通信処理部300とデータ保持部500の間のインタフェースの役割も果たす。データ保持部500は、あらかじめ用意された各種の設定データや、通信処理部300やデータ処理部400から受け取ったデータを格納する。
通信処理部300は、受信部310および送信部330を含む。受信部310は、クライアント端末200からのデータ受信に関する通信処理を担当する。送信部330は、クライアント端末200へのデータ送信に関する通信処理を担当する。
受信部310は、評価データ受信部312、要求受信部314、対比データ受信部316、所感データ受信部318および文章データ受信部320を含む。評価データ受信部312は、投稿データの内容に対する評価を示すための評価データをクライアント端末200から受信する。評価データは、その評価対象である投稿データが分類されているカテゴリと対応付けられて評価データ保持部510に保持される。要求受信部314は、状況に応じて様々な要求をクライアント端末200から受信する。
例えば要求受信部314は、カテゴリの一覧を示すカテゴリデータの閲覧要求を受信する。電子掲示板サーバ100ではユーザが必要な情報を検索しやすくするために各投稿データはカテゴリに分類されている。最も上位に位置するカテゴリは、そのカテゴリに示される分野が細分された別のカテゴリを含む。その別のカテゴリが更に細分されたカテゴリを含むこともあり、カテゴリの細分には制限がない。電子掲示板サーバ100内のカテゴリはこのように階層構造により構成されている。カテゴリデータは、あるカテゴリに含まれるカテゴリの一覧を示すデータであり、含まれるカテゴリの名称、含まれるカテゴリに更に含まれるカテゴリや投稿データなどを表示させるためのハイパーリンク等のデータを含む。
対比データ受信部316は、対比投稿データをクライアント端末200から受信する。所感データ受信部318は、所感データをクライアント端末200から受信する。所感データは、投稿データまたは対比投稿データに対する閲覧者の所感を示すデータである。閲覧者は、複数の選択肢の中から1つ以上の選択肢を選ぶことにより投稿データの内容に対する要望、懸念などの情報を閲覧者の所感として簡易に入力できる。閲覧者は、選択肢を選ばないことも可能である。文章データ受信部320は、文章データをクライアント端末200から受信する。文章データは、投稿データまたは対比投稿データに対する閲覧者の所感を自由文章形式で示すデータである。所感データが選択肢から選ぶことができる情報に限られるのに対して、文章データでは閲覧者は投稿データに対する見解や所感を自由に表現できる。
送信部330は、カテゴリデータ送信部332、総数データ送信部334、投稿一覧データ送信部336、対比特定データ送信部338、所感データ送信部340、投稿・対比データ送信部342、ID・文章送信部344および評価割合送信部346を含む。カテゴリデータ送信部332は、クライアント端末200にカテゴリデータを送信する。総数データ送信部334は、クライアント端末200に総数データを送信する。総数データは、あるカテゴリに分類されている投稿データの総数と、そのカテゴリに分類されている投稿データのうちそのカテゴリと対応する評価データの受信後に更新された投稿データの総数を含むデータである。
投稿一覧データ送信部336は、投稿一覧データをクライアント端末200に送信する。投稿一覧データは、あるカテゴリに含まれる投稿データの一覧を示し、投稿データの名称、ユーザにより付与された投稿データに対する主題、投稿データ全体を表示させるためのハイパーリンク等のデータを含む。対比特定データ送信部338は、対比投稿データを示すデータ(以下、単に「対比特定データ」という)をクライアント端末200に送信する。対比特定データは、対比投稿データの名称、ユーザにより付与された対比投稿データに対する主題、対比投稿データ全体を表示させるためのハイパーリンク等を含む。所感データ送信部340は、所定の条件に適合する所感データをクライアント端末200に送信する。
投稿・対比データ送信部342は、投稿データまたは対比投稿データの閲覧要求を受信した際、要求のあった投稿データまたは対比投稿データをクライアント端末200に送信する。ID・文章送信部344は、文章データを入力したユーザを特定するためのユーザIDとその文章データとをクライアント端末200に送信する。ユーザIDは、ユーザがクライアント端末200から電子掲示板サーバ100に接続する際、そのユーザが接続を許可されている正規ユーザか否かを確認するためのIDである。
評価割合送信部346は、投稿データと対比投稿データとのそれぞれに対する評価選択肢の割合を示すデータをクライアント端末200に送信する。評価データは、複数の選択肢のうちのいずれかを選択することにより投稿データまたは対比投稿データに対する評価を示すデータである。評価選択肢は、ユーザが評価データを入力する際に提示されるそれぞれの選択肢のことをいう。評価選択肢の割合は、ある投稿データまたは対比投稿データに対して評価データとして選択された選択肢の総数に対するそれぞれの評価選択肢の割合を示す。
例えば評価選択肢の種類が「おすすめ!」、「がんばって」、「うーん?」の3種類であり、投稿データαに対してユーザから「おすすめ!」が6回、「がんばって」が3回、「うーん?」が1回入力されたとする。ユーザにより選ばれた選択肢ののべ総数は10であり、「おすすめ!」評価選択肢の割合は0.6、「がんばって」評価選択肢の割合は0.3、「うーん?」評価選択肢の割合は0.1となる。
データ処理部400は、総数算出部410、評価算出部420、所感割合算出部430および評価割合算出部440を含む。
総数算出部410は、評価データ保持部510を参照して評価データに対応するカテゴリを抽出し、そのカテゴリに分類されている投稿データの総数と、そのカテゴリに分類されている投稿データのうちそのカテゴリと対応する評価データの受信後に更新された投稿データの総数と、を総数データとして算出する。評価算出部420は、それぞれの対比投稿データに対して受信された評価データから対比投稿データごとに総合評価度を算出する。総合評価度は評価選択肢を参照して算出される値である。例えば、それぞれの評価選択肢と得点とを対応させ、ユーザにより選ばれた評価選択肢の合計得点を総合評価度として用いることができる。
所感割合算出部430は、投稿データおよび対比投稿データごとに、所感データとして選ばれた選択肢の総数に対するそれぞれの選択肢の割合を算出する。選択肢の割合は、ある投稿データまたは対比投稿データの所感データとしてユーザにより選ばれた選択肢の総数に対するそれぞれの選択肢の割合をいう。選択肢の割合の算出方法は、上述した評価選択肢の割合と同様である。評価割合算出部440は、投稿データおよび対比投稿データごとに、評価データにより選択された選択肢の総数に対するそれぞれの評価選択肢の割合を算出する。
データ保持部500は、評価データ保持部510、対比データ保持部520および所感割合保持部530を含む。
評価データ保持部510は、評価データと、その評価データの対象である投稿データの分類されているカテゴリと、を対応付けて保持する。対比データ保持部520は、投稿データと、その投稿データを対象とする対比投稿データと、その対比投稿データに対する総合評価度と、を対応付けて保持する。対比データ保持部520のデータ構造については図10(a)に関連して詳述する。所感割合保持部530は、所感データと、その所感データの対象である投稿データまたはその所感データの対象である対比投稿データと、その投稿データまたは対比投稿データに対して算出された選択肢の割合と、を対応付けて保持する。所感割合保持部530のデータ構造については図10(b)に関連して詳述する。
以下、電子掲示板サーバ100の処理に基づいて本発明を説明する。
図4は、カテゴリの一覧を示すカテゴリデータがクライアント端末200に表示されている画面の画面図20である。画面図20は、小学生であるユーザが算数の宿題を片付けるため電子掲示板サーバ100を使用する状況を示している。
同図の領域22では、表示されているカテゴリの一覧が電子掲示板サーバ100内のどのカテゴリに含まれているのかが示されている。同図に示されるカテゴリの一覧は「小学校」というカテゴリに含まれていることがわかる。また、「小学校」というカテゴリは、更に「お勉強」というカテゴリに含まれていることがわかる。同図の領域24には、それぞれのカテゴリに関する情報が示されている。左側にはカテゴリのそれぞれのタイトル(名称)が示されている。同図では上から「算数」、「国語」、「理科」、「社会」の4つのカテゴリが示されている。
同図の右側には「注目情報」としてそれぞれのカテゴリに関する情報が示される。同図ではカテゴリ:「算数」について「投稿データ総数」、「投稿データ更新総数」、「対比投稿データ更新総数」の情報が示されている。ユーザはカテゴリ:「算数」内の投稿データまたは対比投稿データに対して評価データを送信しているため、カテゴリ:「算数」についての注目情報が表示されている。カテゴリ:「国語」、「理科」、「社会」に含まれる投稿データに対してユーザは評価データを送信していないため、それぞれのカテゴリの注目情報は表示されていない。注目情報について詳細は図7で説明する。
同図に表示されるカテゴリのタイトルには、そのカテゴリに含まれる投稿データの一覧を表示させるためのハイパーリンクが付与されている。ユーザは、タイトルに付与されたハイパーリンクをマウスなどの入力装置を用いて選択し、興味のあるカテゴリに含まれる投稿データの一覧を見ることができる。
図5は、図4における「算数」のカテゴリをユーザが選択したときにクライアント端末に表示される画面の画面図30である。領域32では、図4の領域22と同様、表示されている投稿データの一覧が電子掲示板サーバ100内のどのカテゴリに含まれているのかが示されている。
カテゴリ:「算数」には「つるかめ算の解き方」と「台形の公式」との2つの投稿データが含まれている。同図の領域34、領域40にはそれぞれの投稿データの名称が表示されている。同図の領域36では、その投稿データに対して選ばれたそれぞれの評価選択肢が示されている。評価選択肢は左から「(*^-^)b」、「(^o^)」、「(- -;)」の順で示され、左ほど評価がよいことを示している。
その下に表示される棒グラフは、それぞれの評価選択肢の割合を示している。評価選択肢の割合に応じて長さが調整される。棒グラフは3つの領域を含む。左側の領域が「(*^-^)b」と、中央の領域が「(^o^)」と、右側の領域が「(- -;)」と対応する。
顔文字および棒グラフを使用することでその投稿データが閲覧者からどのように評価されているかを視覚的かつ直感的にユーザは知ることができる。3つの領域に異なる色やテクスチャを表示させてもよい。同図の領域36に示される「投稿データ」の表示には、その投稿データの全体を表示させるためのハイパーリンクが付与されている。
更に棒グラフの下には「初心者向けも期待しています」と表示されている。これは、所感データとしてユーザにより選ばれた選択肢の中から所定の条件に適合する選択肢が示されている。所定の条件などの詳細は図11にて説明する。
同図の領域38では、投稿データ:「つるかめ算の解き方」に対して送信された対比投稿データに関する情報が示されている。一つの投稿データに対して多数の対比投稿データが存在する場合であっても、同図の領域38に表示される対比投稿データは一つのみである。対比投稿データが複数存在する場合、電子掲示板サーバ100はそれぞれの対比投稿データに対して送信された評価データを参照して総合評価度を算出する。算出方法の詳細は図11にて説明する。
投稿データと同様、対比投稿データについても評価選択肢の割合を示す棒グラフおよび選択肢の割合がもっと高い所感データが表示されている。カテゴリ:「台形の公式」についても同様に表示される。また、画面図30の中央にはそれぞれの投稿データを投稿した投稿者の名称が表示されている。投稿者として表示される内容は、ユーザが電子掲示板サーバ100に接続する際に使用するユーザIDであってもよいし、ユーザIDとは異なるハンドルネーム等であってもよい。更に対比投稿データの投稿者名を表示してもよい。
投稿者名称の右側にはそれぞれの投稿データの「おすすめ度」が表示されている。「おすすめ度」は、評価選択肢に対応付けられているポイントを合計することによって算出される。カテゴリ:「算数」には2つの投稿データが含まれるが、画面図30では、これらの投稿データを表示する順序がおすすめ度によって決定されている。そのため、より評価の高い投稿データが画面の上部に表示されるため、ユーザは有効な情報を取得しやすくなる。
図6は、図5における「つるかめ算の解き方」の投稿データをユーザが選択したときにクライアント端末200に表示される画面の画面図50である。領域52では、図5の領域32と同様、表示されている投稿データが電子掲示板サーバ100内のどのカテゴリに含まれているのかが示されている。
同図の領域54では投稿データ:「つるかめ算の解き方」の本文が示されている。同図の領域56では投稿データ:「つるかめ算の解き方」に対してユーザから送信された評価データおよび所感データのそれぞれの選択肢の総数が示されている。評価データでは「(- -;)」の総数が「5」であり、「(*^-^)b」や「(^o^)」の総数に比べ圧倒的に少ない。投稿データ:「つるかめ算の解き方」の内容はユーザから肯定的に評価をされているといえる。ただし、所感データで最も総数が多い選択肢は「初心者向けも期待しています。」となっている。この投稿データは内容を評価されてはいるが、よりわかりやすく書いて欲しいということをユーザから望まれているのかもしれない。
同図の領域56は、ユーザから既に入力された評価データおよび所感データの結果を示している。これから投稿データに対して評価データおよび所感データを入力する際には、ユーザは入力ボタン58をクリックする。これによりクライアント端末200の表示画面には評価データ及び所感データを入力するための画面が表示される。その画面において、図6の領域56に示される評価選択肢または所感データの選択肢をユーザは選択できる。更に、ユーザは、投稿データに対する評価や所感を自由文章形式で入力できる。画面図50に示されている投稿データに対して文章データが入力されていないため、同図には文章データが表示されていない。ユーザから文章データが入力された場合、電子掲示板サーバ100は、入力された文章データを同図の領域56の下側に表示できる。
以下に、電子掲示板サーバ100の処理を詳細に説明する。電子掲示板サーバ100は、複数のクライアント端末200と通信ネットワークを介して接続され、クライアント端末から受信した随時更新可能な投稿データを複数のカテゴリに分類し、他のクライアント端末200に対して電子的に公開する。図7は、ユーザからカテゴリデータの要求を受信したときの処理過程を示すシーケンス図である。
電子掲示板サーバ100の要求受信部314は、ユーザが使用するクライアント端末200から投稿データの閲覧要求を受信する(S10)。投稿・対比データ送信部342は要求のあった投稿データをデータ保持部500から抽出し、要求元のクライアント端末200に送信する(S12)。クライアント端末200は送信された投稿データを受信し、表示する。ユーザは投稿データを閲覧し、その投稿データの内容に対するそのユーザの評価を示すための評価データをクライアント端末200に入力する(S14)。クライアント端末200は、電子掲示板サーバ100に評価データを送信する(S16)。
評価データ受信部312は、送信された評価データを受信する。評価データ保持部510は、受信された評価データと、その評価データの対象である投稿データが分類されているカテゴリと、を対応付けて保持する。総数算出部410は、評価データ保持部510を参照して評価データと対応付けられているカテゴリを抽出する。総数算出部410は、抽出したカテゴリに分類されている投稿データの総数と、そのカテゴリに分類されている投稿データのうちそのカテゴリと対応付けられている評価データの受信後に更新された投稿データの総数と、を総数データとして算出する(S18)。
ユーザは、カテゴリの一覧を示すカテゴリデータの閲覧要求を送信する(S20)。要求受信部314はその要求を受信する。データ処理部400は、データ保持部500内のいずれかの投稿データに対する評価データをその要求元のクライアント端末200から既に受信されているか否かを調査する(S22)。クライアント端末200から未だ評価データを受信していない場合(S22のN)、データ処理部400は要求のあったカテゴリデータをデータ保持部500から抽出し、カテゴリデータ送信部332に送信する。カテゴリデータ送信部332は受信したカテゴリデータを要求元のクライアント端末200に送信する(S26)。
クライアント端末200から既に評価データを受信している場合(S22のY)、データ処理部400は要求のあったカテゴリデータをデータ保持部500から抽出し、カテゴリデータ送信部332に送信する。更にデータ処理部400は、その評価データと対応付けられているカテゴリの総数データをデータ保持部500から抽出し、総数データ送信部334に送信する。カテゴリデータ送信部332は、要求元のクライアント端末200に受信したカテゴリデータを送信し(S24)、総数データ送信部334は、要求元のクライアント端末200に受信した総数データを送信する(S26)。
以上の処理を図4と図5を用いて具体的に説明する。ユーザAが閲覧要求した投稿データは図5に示される「つるかめ算の解き方」であるとする。ユーザAはこの投稿データに対して評価データを送信する。評価データ保持部510は、受信された評価データを投稿データ:「つるかめ算の解き方」が分類されているカテゴリ:「算数」と対応付けて保持する。総数算出部410は総数データを算出する。総数データの1つは、カテゴリ:「算数」に分類、つまり含まれている投稿データ総数である。図5に示されるようにカテゴリ:「算数」に含まれている投稿データは「つるかめ算の解き方」と「台形の公式」の2つである。
総数データの別の1つは、カテゴリ:「算数」に分類されている投稿データのうちカテゴリ:「算数」と対応付けられている評価データの受信後に更新された投稿データの総数である。評価データの受信後、投稿データ:「つるかめ算の解き方」だけが更新されているとすると更新された投稿データの総数は1となる。
既に評価データを送信したユーザAからカテゴリデータの要求が受信されると、データ処理部400は、その評価データと対応付けられているカテゴリの総数データをデータ保持部500から抽出する。ユーザAが送信した評価データと対応付けられているカテゴリは「算数」である。カテゴリ:「算数」の総数データは上述したように、カテゴリ:「算数」に含まれている投稿データの総数「2」と、更新された投稿データの総数「1」である。
ユーザAからのカテゴリデータの閲覧要求に対して、総数データ送信部334はこの総数データを、カテゴリデータ送信部332はカテゴリデータをユーザAのクライアント端末200に送信する。クライアント端末200の画面には図4で示される画面図20が表示される。なお、総数データ送信部334は、図4で示されるように対比投稿データの更新総数を送信してもよいし、図示されていないが対比投稿データの総数を送信してもよい。その場合、対比投稿データの総数や更新総数も投稿データの場合と同様の処理により抽出され、送信される。ユーザが評価データを送信していない場合には、電子掲示板サーバ100はカテゴリデータのみをクライアント端末200に送信する。
図7で示される処理によれば、電子掲示板サーバ100は、ユーザの興味・関心に近い情報を提供しやすい。なぜなら、ユーザは、評価データの対象である投稿データに関心がある可能性が高い。そのため、その投稿データが分類されているカテゴリにも関心がある可能性が高い。電子掲示板サーバ100がカテゴリに関する情報をユーザに提供することにより、新しく更新された情報などを知ることができ、ユーザは有益な情報を取得しやすくなる。また、この有益な情報を取得するために、ユーザが行う作業は評価データを送信するのみである。そのためユーザにとって利便性が高い。
図8は、総数データを表示させるカテゴリをユーザが決定するときの処理過程を示すシーケンス図である。図7の処理では、電子掲示板サーバ100は、評価データと対応付けられているカテゴリの総数データをクライアント端末200に送信する。しかし、総数データが表示されるカテゴリをユーザが決定したい場合もある。図8ではそのような場合の処理を示す。
ユーザは投稿データを閲覧し、その投稿データに対する評価データをクライアント端末200に入力する(S28)。クライアント端末200は、電子掲示板サーバ100に評価データを送信する(S30)。評価データ受信部312は、送信された評価データを受信する。
評価データを送信したユーザは、対応カテゴリデータの要求をクライアント端末200から送信する(S32)。対応カテゴリデータは、そのユーザが送信した評価データと対応付けられているカテゴリの一覧を示すデータであり、カテゴリの名称などのデータを含む。要求受信部314は、対応カテゴリデータの要求をクライアント端末200から受信する。カテゴリデータ送信部332は、対応カテゴリデータをクライアント端末200に送信する(S34)。クライアント端末200には、対応付けられているカテゴリの名称などの情報が一覧として表示される。
ユーザは、クライアント端末200に表示されたカテゴリの中から総数データの表示を要求するカテゴリを指定し(S36)、クライアント端末200に入力する。クライアント端末200は、ユーザにより入力されたカテゴリを指定するデータ(以下、単に「カテゴリ指定データ」という)を電子掲示板サーバ100に送信する(S38)。要求受信部314はそのデータを受信し、データ保持部500に保持する。
カテゴリを指定したユーザは、カテゴリデータの要求をクライアント端末200から送信する(S40)。データ処理部400は、その要求を送信したクライアント端末200からカテゴリ指定データを受信しているか否かを調査する(S42)。クライアント端末200から未だカテゴリ指定データを受信していない場合(S42のN)、データ処理部400は要求のあったカテゴリデータをデータ保持部500から抽出し、カテゴリデータ送信部332に送信する。カテゴリデータ送信部332は受信したカテゴリデータを要求元のクライアント端末200に送信する(S46)。
クライアント端末200から既にカテゴリ指定データを受信している場合(S42のY)、データ処理部400は要求のあったカテゴリデータをデータ保持部500から抽出し、カテゴリデータ送信部332に送信する。更にデータ処理部400は、カテゴリ指定データにより指定されたカテゴリのみの総数データをデータ保持部500から抽出し、総数データ送信部334に送信する。カテゴリデータ送信部332は受信したカテゴリデータを(S44)、総数データ送信部334は受信した総数データを要求元のクライアント端末200に送信する(S46)。
図8で示される処理は、カテゴリの一覧をクライアント端末200に表示させる際、ユーザが自ら指定したカテゴリのみの総数データを表示させる。そのため、評価データに基づいてカテゴリの総数データを自動的に表示させる場合と比べ、電子掲示板サーバ100は、本当に関心のあるカテゴリの総数データのみをユーザに対して表示させることができる。ユーザは、有益な情報をより効率的に取得できる。
図9は、ユーザAから対比投稿データ、ユーザBから評価データおよび所感データを送信されたときのを処理過程を示すシーケンス図である。
要求受信部314は、ユーザAのクライアント端末200から投稿データαの閲覧要求を受信する(S48)。投稿・対比データ送信部342は投稿データαを要求元のクライアント端末200に送信する(S50)。ユーザは投稿データを閲覧し、その投稿データにて示される考えに対して対抗する考えを示す対比投稿データβをクライアント端末200に入力する(S52)。クライアント端末200は、電子掲示板サーバ100に対比投稿データβを送信する(S54)。対比データ受信部316は、対比投稿データβを受信する。
要求受信部314は、ユーザBのクライアント端末200から対比投稿データβの閲覧要求を受信する(S56)。投稿・対比データ送信部342は対比投稿データβを要求元のクライアント端末200に送信する(S58)。ユーザBは対比投稿データβを閲覧し、対比投稿データβに対するユーザBの評価を示す評価データをクライアント端末200に入力する(S60)。クライアント端末200は、電子掲示板サーバ100に評価データを送信する(S62)。評価データ受信部312は、その評価データを受信する。
評価算出部420は、対比投稿データβに対して送信された複数の評価データを用いて総合評価度を算出する(S64)。本実施の形態における評価データは、図6の領域56で示されるように「(*^-^)b」、「(^o^)」、「(- -;)」の3種の評価選択肢のいずれかをユーザが選択することにより決定される。総合評価度は、これらの評価選択肢をポイントと対応させることにより算出される。仮に、電子掲示板サーバ100で「(*^-^)b」:5点、「(^o^)」:3点、「(- -;)」:1点と設定されているとする。対比投稿データが図6の領域56に示されるように評価をされていたとすれば、対比投稿データの総合評価度は
35×5点+60×3点+5×1点=360点
となる。評価算出部420は、同様の方法により対比投稿データβ以外の全ての対比投稿データの総合評価度を算出する。
対比データ保持部520は、算出された総合評価度と、総合評価度を算出した対比投稿データと、対比投稿データの対象となる投稿データと、を対応付けて保持する。図10(a)は対比データ保持部520のデータ構造図である。行60には投稿データの名称が示される。行62には同列に示される投稿データと対応する対比投稿データの名称が示される。行64には同列に示される対比投稿データの総合評価度が示される。
投稿データαに対して2つの対比投稿データβ、γが存在するため、投稿データαの列が2つ存在する。1つの投稿データに対して送信できる対比投稿データの数に制限はない。図10(a)に例示した3つの対比投稿データの総合評価度は、対比投稿データβの値が一番高く、対比投稿データγの値が一番低い。3つの対比投稿データの中では対比投稿データβがユーザから最も評価され、対比投稿データγが最も評価されていないことがわかる。
図9に戻り説明を続ける。要求受信部314は、ユーザBのクライアント端末200から投稿データαの閲覧要求を受信する(S66)。投稿・対比データ送信部342は投稿データαを要求元のクライアント端末200に送信する(S68)。ユーザBは投稿データを閲覧し、所感データをクライアント端末200に入力する(S70)。クライアント端末200は、電子掲示板サーバ100にその所感データを送信する(S72)。所感データ受信部318はその所感データを受信する。
所感割合算出部430は、投稿データαに対して送信される複数の所感データを参照して選択肢の割合を算出する(S74)。本実施の形態における所感データは、図6の領域56で示されるように「同種のシリーズ化を期待しています。」、「初心者向けも期待しています。」、「内容には一部誤りがあるのでは?」、「今では情報がちょっと古いかも?」の4種の選択肢からユーザが選択することにより決定される。所感データは評価データと異なり、複数の選択肢を同時に選択できる。
算出される選択肢の割合は、4種の選択肢の選ばれた総数に対するそれぞれの選択肢の割合である。それぞれの選択肢の選ばれた総数が図6の領域56で示される状態となっていれば、それぞれの選択肢の割合は、
「同種のシリーズ化を期待しています。」 :0.08(=2/25)
「初心者向けも期待しています。」 :0.88(=22/25)
「内容には一部誤りがあるのでは?」 :0.04(=1/25)
「今では情報がちょっと古いかも?」 :0(=0/25)
となる。所感割合算出部430は、同様の方法により投稿データα以外の全ての投稿データおよび全ての対比投稿データの選択肢の割合を算出する。
所感割合保持部530は、算出された選択肢の割合と、選択肢の割合が算出された投稿データまたは対比投稿データと、所感データと、を対応付けて保持する。図10(b)は所感割合保持部530のデータ構造図である。行66には投稿データの名称が示される。行68には対比投稿データの名称が示される。行70には同列の投稿データまたは対比投稿データに対する所感データ:「同種のシリーズ化を期待しています。」の選択肢の割合が示される。同様に、行72には所感データ:「初心者向けも期待しています。」、行74には所感データ:「内容には一部誤りがあるのでは?」、行76には所感データ:「今では情報がちょっと古いかも?」の選択肢の割合が示される。
行70、72、74、76に示される選択肢の割合は1つの投稿データまたは1つの対比投稿データに対して示されるため、同列には投稿データと対比投稿データとが同時に存在しない。投稿データαの列には上記算出された値が入力されている。対比投稿データβは「内容には一部誤りがあるのでは?」の割合が高い。多数のユーザからこの所感データを選択されていると考えられるため内容に間違いがあるのかもしれない。一方、投稿データθは「今では情報がちょっと古いかも?」の割合が高い。過去の基準で考えると内容は間違っていないが、現在の状況では内容に少し問題があるのかもしれない。
図9の処理を踏まえた上で図11について説明する。図11は、ユーザが投稿一覧データの要求を送信したときの処理過程を示すシーケンス図である。
要求受信部314は、ユーザCのクライアント端末200からカテゴリIに分類されている投稿データの一覧を示す投稿一覧データの閲覧要求を受信する(S76)。データ処理部400は、カテゴリIに含まれる投稿データを対象とする対比投稿データについて調査する。データ処理部400は、1つの投稿データに複数の対比投稿データが存在するかを調査する(S78)。
いずれの投稿データにも対比投稿データが2つ以上存在しない場合(S78のN)、データ処理部400はデータ保持部500から投稿一覧データを抽出し、投稿一覧データ送信部336に送信する。更にデータ処理部400はカテゴリIに含まれている投稿データを対象とする対比特定データをデータ保持部500から抽出し、対比特定データ送信部338に送信する。
投稿一覧データ送信部336は、要求元のクライアント端末200に投稿一覧データを送信する(S84)。対比特定データ送信部338は、カテゴリIに含まれている投稿データを対象とする対比特定データをそのクライアント端末200に送信する(S82)。
一方、いずれかの投稿データに対比投稿データが2つ以上存在する場合(S78のY)、対比特定データ送信部338は、対比データ保持部520を参照し、2つ以上の対比投稿データそれぞれの総合評価度を調査する。対比特定データ送信部338は、調査対象の対比投稿データの中から最も総合評価度の高い対比投稿データを判定する(S80)。対比特定データ送信部338は、対比投稿データが2つ以上存在するそれぞれの投稿データに対してこの処理を行う。
対比特定データ送信部338は、判定した対比投稿データと判定の必要がなかった対比投稿データとを示すデータをユーザCのクライアント端末200に送信する(S82)。更に投稿一覧データ送信部336は、要求元のクライアント端末200に投稿一覧データを送信する(S84)。
所感データ送信部340は、クライアント端末200に送信される投稿一覧データに示される投稿データと、クライアント端末200に送信される対比特定データに示される対比投稿データとについて、所感割合保持部530を参照し、それぞれの選択肢の割合について調査する。所感データ送信部340は、調査対象の投稿データと対比投稿データとのそれぞれについて最も選択肢の割合が大きい所感データを判定する(S86)。所感データ送信部340は、最も選択肢の割合が大きいそれぞれの所感データをユーザCのクライアント端末200に送信する(S88)。所感データ送信部340は、送信する所感データがどの投稿データまたは対比投稿データと対応付けられているかを示す情報も送信する。
図11の処理を図5を用いて具体的に説明する。ユーザCはカテゴリ:「算数」の投稿一覧データの閲覧要求を送信する。データ処理部400は、1つの投稿データに複数の対比投稿データが存在するかを調査する。最初に複数の対比投稿データが存在しない場合について説明する。投稿一覧データ送信部336は、カテゴリ:「算数」の投稿一覧データをユーザCのクライアント端末200に送信する。送信された投稿一覧データは、図5の領域34の「つるかめ算の解き方」、領域36の「投稿データ」、領域40の「台形の公式」、領域41の「投稿データ」として示されるデータである。
カテゴリ:「算数」には対比投稿データが1つしか存在しない。投稿データ:「つるかめ算の解き方」を対象とする対比投稿データのみである。対比特定データ送信部338は、この対比特定データをユーザCのクライアント端末200に送信する。送信された対比特定データは図5の領域38の「対比投稿データ」として示されるデータである。
次に複数の対比投稿データが存在する場合について説明する。投稿データ;「つるかめ算の解き方」に2つの対比投稿データが存在するとする。対比特定データ送信部338は、対比データ保持部520を参照し、2つの対比投稿データの中から最も総合評価度の高い対比投稿データを判定する。この処理を、図10(a)を参照して説明する。投稿データαが投稿データ:「つるかめ算の解き方」に該当する。2つの対比投稿データは、対比投稿データβとγである。対比投稿データβの総合評価度が360であり、対比投稿データγの総合評価度は126であるため、対比特定データ送信部338は対比投稿データβを選択する。
対比特定データ送信部338は、対比投稿データβを示すデータをユーザCに送信する。送信された対比投稿データβを示すデータは、図5の領域38の「対比投稿データ」として示されるデータである。更に投稿一覧データ送信部336は、ユーザCに投稿一覧データを送信する。投稿一覧データとして送信される内容は、複数の対比投稿データが存在しない場合と同様である。なお、投稿データ:「台形の公式」には対比投稿データは存在しない。
所感データ送信部340は、投稿一覧データに示される投稿データと、対比特定データに示される対比投稿データとについて、所感割合保持部530を参照し、投稿データと対比投稿データのそれぞれについて最も選択肢の割合が大きい所感データを判定する。この処理を、図10(b)を参照して説明する。投稿データαが投稿データ:「つるかめ算の解き方」に該当し、対比投稿データβが投稿データ:「つるかめ算の解き方」を対象とする対比投稿データに該当する。投稿データθが投稿データ:「台形の公式」に該当する。
投稿データαでは最も選択肢の割合が大きい所感データは「初心者向けも期待しています。」である。対比投稿データβでは「内容に一部誤りがあるのでは?」が、投稿データθでは「今では情報がちょっと古いかも?」が最も選択肢の割合が大きい。所感データ送信部340は、最も選択肢の割合が大きいそれぞれの所感データをユーザCに送信する。図5の領域36、38、41に送信されたそれぞれの所感データが表示される。
こうした処理によれば、投稿一覧データが示される画面において1つの投稿データに対して複数の対比投稿データが表示されないため、カテゴリに含まれる投稿データ全体を把握しやすくなる。投稿データおよび対比投稿データのそれぞれに所感データが表示されることにより、閲覧の際の判断材料をユーザに提供できる。ユーザは有効な情報をより迅速に取得できる。
受信した投稿データを電子的に公開するシステム(特にKMS)では、より多くのユーザから多様な投稿データを収集することによりその価値が高まる。投稿データの内容が多様であればあるほど、より共感・賛同しやすい情報が得られる可能性が高いからである。しかし、このようなシステムでは投稿データを頻繁に投稿するユーザとほとんど投稿しないユーザ(以下、単に「消極的ユーザ」という)とが明確に分かれる傾向があった。
例えば自己主張の強い特定のユーザが様々なカテゴリに対して大量の投稿を行うことで、消極的ユーザは「今更自分が投稿しても・・・」と躊躇してしまいがちである。また、消極的ユーザは既に投稿された内容を閲覧し、「この投稿者は自分よりも専門的な知識を有している」と感じると、投稿しようと考えていた内容に自信が持てず気軽に投稿できない場合も考えらえる。
本実施の形態に係る電子掲示板サーバ100では、ユーザは投稿データおよび対比投稿データに対して所感データまたは評価データを入力できる。消極的ユーザが投稿した場合であっても、その内容は多数のユーザにより客観的に評価される。内容に問題があれば、消極的ユーザは、評価データや所感データを通じてどのような修正を行うべきか知ることができる。自己主張が延々と展開される投稿データよりも、他のユーザの意見を取り入れながら内容が修正される投稿データの方がより多くのユーザから評価されるであろう。そのため、消極的ユーザであっても当初から気負うことなく気軽に投稿データを投稿できる。
上述のように、受信した投稿データを電子的に公開するシステム(特にKMS)では、多様な投稿データが必要とされる。しかし、多様な投稿データが大量に収集されるだけではそれぞれの内容の品質や信頼性が担保されない。このような問題のある投稿データが大量に存在すると、本来有益であるはずの情報をユーザが発見できない虞がある。このような状況が継続されるとサービスのユーザ離れという深刻な事態が生じることも考えられる。サービス提供者が投稿データの内容を確認する方法では、コストがかかりすぎるという問題もある。
本実施の形態に係る電子掲示板サーバ100では、ユーザは投稿データおよび対比投稿データに対して所感データまたは評価データを入力できる。投稿された内容は多数のユーザにより客観的に評価される。ユーザは、他のユーザによる評価データや所感データを参照することにより、投稿データの品質や信頼性に対する客観的な情報を知ることができる。ユーザは、投稿データの内容が有益であるか否かの判断を迅速にできるため、必要な情報を取得しやすくなる。投稿データの内容が有益でないと判断される場合であっても、ユーザはあらかじめそのことを知った上で投稿データを閲覧できるため、ユーザからのクレームが発生しにくい。また、ユーザ同士により投稿データの内容が判断されるため、電子掲示板サーバ100の運営者のコスト負担が軽減される。
また、投稿データの品質や信頼性は時間の経過と共に変化することがある。時間の経過により品質や信頼性に問題が生じると、ユーザから入力される評価データおよび所感データは否定的な評価が多くなる。ある投稿データに対して所感データ:「初心者向けも期待しています。」が当初表示されていたとする。しかし、時間の経過と共に投稿データの情報が古くなり、所感データ:「今では情報がちょっと古いかも?」を選択するユーザが増加する。所感データ:「今では情報がちょっと古いかも?」の割合が最も高くなると、その後は所感データ:「今では情報がちょっと古いかも?」が投稿データと共に表示される。時間が経過しても所感データまたは評価データを参照することで、ユーザは品質や信頼性に対する客観的な情報を知ることができる。
一方、その投稿データを投稿したユーザは、表示される所感データや評価データの変化により内容を修正する必要があることを知ることができる。投稿データの内容が修正されることでその品質や信頼性がより担保され、電子掲示板サーバ100を使用するユーザの満足度が向上する。なお、所感データの選択肢の割合は、対象となる投稿データの投稿時から現在までの期間に得られた所感データを用いて算出される。しかし、所感データの変化をより細かく捉えるために上記期間とは異なる期間が用いられてもよい。例えば、投稿データの最新更新後から現在までの期間、1ヶ月ごとまたは2週間ごとの期間などが考えられる。
図5の投稿データ:「つるかめ算の解き方」を例にとり説明する。対比投稿データは、投稿データにて示される考えに対して対抗する考えを示すデータである。つまり、投稿データと対比投稿データとの双方がそれぞれ異なる「つるかめ算」の解法を提供していると考えられる。ユーザは、投稿データおよび対比投稿データに対して示されるそれぞれの所感データを確認する。投稿データの所感データは「初心者向けも期待しています。」であり、対比投稿データの所感データは「内容に一部誤りがあるのでは?」である。この二つの表示からユーザは、投稿データに開示されている内容の方が信頼性が高いと判断できる。ユーザは対比投稿データの中身を確認することなく、より有効な情報を取得できる。
次に説明する処理を実行する電子掲示板サーバ100は、クライアント端末200からの接続要求をユーザIDと共に受信し、ユーザIDが電子掲示板サーバに登録されていることを条件として要求元のクライアント端末200からの接続を許可する。図12は、文章データが入力された投稿データをユーザが閲覧するときのを処理過程を示すシーケンス図である。
ユーザAはユーザIDとそのユーザIDに対応するパスワードとを用いて、クライアント端末200から電子掲示板サーバ100に既に接続している。要求受信部314は、ユーザAのクライアント端末200から投稿データαの閲覧要求を受信する(S90)。投稿・対比データ送信部342は要求のあった投稿データαを要求元のクライアント端末200に送信する(S92)。ユーザAは投稿データαを閲覧し、投稿データαに対するユーザAの所感を自由文章形式で示す文章データをクライアント端末200に入力する(S94)。クライアント端末200は、電子掲示板サーバ100に文章データを送信する(S96)。文章データ受信部320は、その文章データを受信する。データ保持部500は、受信された文章データと、投稿データαと、ユーザAのユーザIDとを対応付けて保持する。
同様にユーザBも、クライアント端末200から電子掲示板サーバ100に既に接続している。要求受信部314は、ユーザAのクライアント端末200から投稿データαの閲覧要求を受信する(S98)。投稿・対比データ送信部342は投稿データαをユーザBのクライアント端末200に送信する(S100)。データ処理部400はデータ保持部500を参照し、投稿データαと対応付けられている文章データとユーザIDとを抽出する。ID・文章送信部344は、抽出された文章データとユーザIDとをユーザBのクライアント端末200に送信する(S102、S104)。
なお、ユーザから投稿データの閲覧要求が受信された際、その投稿データと対応付けられている文章データが存在しない場合には、ID・文章送信部344は文章データとユーザIDを送信しない。図12では、投稿データを例にとり説明したが、入力される文章データの対象が対比投稿データであっても同様の処理が行われる。
図6の領域56に示されるように、投稿データまたは対比投稿データを閲覧したユーザは選択肢を選ぶことにより評価データや所感データを入力できる。これらのデータは選択された合計の値が表示されるのみで、選択肢を選んだユーザを特定するための情報が表示されることはない。しかし、文章データは自由文章形式で入力できるため、電子掲示板サーバ100の運営者は無責任な書き込みや嫌がらせなどを防止する必要がある。文章データとともにユーザIDを表示させることにより、文章データの内容に対する責任をユーザに意識させることができる。そのため、嫌がらせなどのユーザの問題行動を防止できる。
ユーザIDは、文章データを入力したユーザを特定するために用いられており、ユーザを特定できるのであれば、電子掲示板サーバ100への接続時のユーザIDと異なってもよい。例えば、ハンドルネーム、ユーザのクライアント端末200のIPアドレスなどであってもよい。
図13は、評価データにおける評価選択肢の割合をクライアント端末に送信するときの処理過程を示すシーケンス図である。
要求受信部314は、ユーザAのクライアント端末200から投稿データの閲覧要求を受信する(S106)。投稿・対比データ送信部342は要求のあった投稿データをユーザAのクライアント端末200に送信する(S108)。ユーザは投稿データを閲覧し、その投稿データに対する評価データをクライアント端末200に入力する(S110)。クライアント端末200は、電子掲示板サーバ100に評価データを送信する(S112)。こうした処理により電子掲示板サーバ100は、多数のユーザにより入力された評価データを保持している。
評価割合算出部440は、データ保持部500を参照し、それぞれの投稿データごとに、評価データにより選択された選択肢の総数に対するそれぞれの評価選択肢の割合を算出する(S114)。上述したように評価データは、顔文字で示される3種の評価選択肢からユーザにより選ばれた評価選択肢を示すデータである。評価データは所感データと異なり、いずれか1つのみを選択でき複数の評価選択肢を同時に選択できない。
算出される評価選択肢の割合は、3種それぞれの評価選択肢の選ばれた総数の合計に対するそれぞれの評価選択肢の割合である。それぞれの評価選択肢の選ばれた総数が図6の領域56で示される状態となっていれば、それぞれの評価選択肢の割合は、
「(*^-^)b」 :0.35(=35/100)
「(^o^)」 :0.60(=60/100)
「(- -;)」 :0.05(=5/100)
となる。評価割合算出部440は、同様の方法により全ての投稿データの評価選択肢の割合を算出する。データ保持部500は、算出された評価選択肢の割合と、評価選択肢の割合を算出した投稿データと、を対応付けて保持する。
要求受信部314は、ユーザBのクライアント端末200からあるカテゴリに分類されている投稿一覧データの要求を受信する(S116)。図11の処理で説明したように、投稿一覧データ送信部336は投稿一覧データを(S118)、対比特定データ送信部338は対比特定データを(S120)、所感データ送信部340は所感データを(S122)ユーザBのクライアント端末200に送信する。
更に評価割合送信部346は、算出されたそれぞれの評価選択肢の割合をユーザBのクライアント端末200に送信する(S124)。なお、図13では評価の対象が投稿データである場合について説明したが、ユーザは対比投稿データに対する評価も可能である。評価の対象が対比投稿データである場合の処理は、図13に示される処理と同様である。送信されたそれぞれの評価選択肢の割合は、図5の領域36、38、41にて棒グラフとして示される。
図13に示される処理によれば、ユーザは評価選択肢の割合を視覚的に理解することができる。そのため、投稿一覧データとして表示される中から評価の高い投稿データまたは対比投稿データを迅速に取得できる。また、それぞれの投稿データおよび対比投稿データには所感データも示されるため、評価選択肢の割合と所感データとを閲覧の際の判断材料とすることでユーザは有益な情報をより正確に判断できる。なお、図6では棒グラフを用いて評価選択肢の割合が示されているが、棒グラフとは異なるグラフによる表示、数値による表示、イラストによる表示などであってもよい。
図7の処理では、カテゴリに関する情報として投稿データの更新総数が表示されることについて説明した。ここでに、個々の投稿データに関する更新履歴情報をユーザが閲覧するときの処理について説明する。
ユーザAは、投稿データαに対する所感データを入力し、その所感データが電子掲示板サーバ100に送信される。投稿データαの投稿者は送信された所感データを参照し、投稿データαの内容を更新する。その後、ユーザAは投稿データαが更新されていることを知る。
図6の画面図50には示されていないが、画面図50内には更新履歴情報を表示させるための履歴表示ボタンが付されている。ユーザAは履歴表示ボタンをクリックする。電子掲示板サーバ100は、ユーザAが所感データを入力した際の投稿データαの内容と更新後の投稿データαの内容とを比較し、その差分にあたるデータ(以下、単に「差分データ」という)をユーザAに送信する。新たな情報を追加することにより投稿データαの更新が行われるのであれば、追加される情報が差分データに該当する。ユーザAのクライアント端末200には、差分データが表示される。
こうした処理によれば、ユーザAは所感データの入力後に更新された内容を直ちに把握できる。投稿データαに示される内容が多量であっても、ユーザAはその内容を既に閲覧しているため、差分データの内容を確認するだけででよい。また、更新された内容がユーザAの所感データに対応している場合、投稿者と共に投稿データαをより充実した内容に仕上げることができたいう一体感がユーザAに生じる。投稿者にも、ユーザAの助けを借りて投稿データαが素晴らしい内容に仕上がったという満足感や充実感が生じる。そのため、閲覧者は積極的に所感データを入力し、所感データに対応して投稿者は積極的に更新するという双方にとって利点のあるサイクルが形成される。このサイクルにより、電子掲示板サーバ100には充実した投稿データが増加し、より多くのユーザが電子掲示板サーバ100のシステムを使用することになる。
また更新履歴情報として、更新後の投稿データに対して選ばれた所感データの各選択肢の総数を表示してもよい。投稿者はこの情報を閲覧することにより、更新した内容がユーザにとって有益な情報であったか否かを確認できる。仮に所感データが否定的な内容であれば、投稿者は、どのように更新すれば改善されるかについての糸口をその内容から知ることができる。以上、更新履歴情報の表示について投稿データを例として説明した。しかし、所感データの対象は投稿データであってもよく、対比投稿データの更新履歴情報が表示されても同様の効果が得られる。また、所感データの代わりに評価データが参照されることにより、更新履歴情報が表示されてもよい。
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。なお本発明はこの実施の形態に限定されることなく、そのさまざまな変形例もまた、本発明の態様として有効である。