JP2012051460A - 車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】後輪が操舵輪である車両において、旋回時の操縦性の低下を抑制する。
【解決手段】車両は、後輪の転舵により旋回させられるが、旋回方向は後輪の転舵方向とは逆向きになる。また、後輪の転舵に伴ってヨーレイトが生じるが、車両の重心に作用する横加速度は遅れる。横加速度が、過渡的に、逆向きに作用することがあるのである。それに対して、ヨーレイトγtgtに基づいてリーン角の目標値φrefが決定され、リーンアクチュエータが制御されるようにすれば、キャンバスラストが作用するため、その分、横加速度のヨーレイトに対する遅れを小さくすることができ、操縦性の低下を抑制することができる。
【選択図】図6
【解決手段】車両は、後輪の転舵により旋回させられるが、旋回方向は後輪の転舵方向とは逆向きになる。また、後輪の転舵に伴ってヨーレイトが生じるが、車両の重心に作用する横加速度は遅れる。横加速度が、過渡的に、逆向きに作用することがあるのである。それに対して、ヨーレイトγtgtに基づいてリーン角の目標値φrefが決定され、リーンアクチュエータが制御されるようにすれば、キャンバスラストが作用するため、その分、横加速度のヨーレイトに対する遅れを小さくすることができ、操縦性の低下を抑制することができる。
【選択図】図6
Description
本発明は、旋回時に、車輪および車体を旋回内側に傾斜させる横方向傾斜装置を備えた車両に関するものである。
特許文献1には、2輪車において、車輪および車体の横方向の傾斜角度に基づいてブレーキが制御されることが記載されている。それによって、2輪車の転倒を防止することができる。
特許文献2,3には、前1輪と、後2輪とを備えた車両において、旋回時に、車輪及び車体を旋回内側に傾斜させることが記載されている。この車両においては、前輪が操舵輪である。また、車輪及び車体の横方向の傾斜角度(リーン角)は、車両の重心に作用する横加速度が大きい場合は小さい場合より大きくされる。また、操舵部材の操作量が大きい場合は小さい場合より大きくされ、車速が大きい場合は小さい場合より小さくされる。それによって、車両の旋回性を向上させることができる。
特許文献2,3には、前1輪と、後2輪とを備えた車両において、旋回時に、車輪及び車体を旋回内側に傾斜させることが記載されている。この車両においては、前輪が操舵輪である。また、車輪及び車体の横方向の傾斜角度(リーン角)は、車両の重心に作用する横加速度が大きい場合は小さい場合より大きくされる。また、操舵部材の操作量が大きい場合は小さい場合より大きくされ、車速が大きい場合は小さい場合より小さくされる。それによって、車両の旋回性を向上させることができる。
本発明の課題は、後輪が操舵輪である車両において、旋回時に、車両を適切に旋回内側に傾斜させることである。
本発明に係る車両においては、後輪が操舵輪であり、旋回時に、車両がヨーレイトに基づいて旋回内側に傾けられる。
車両は、後輪の転舵により旋回させられる。
車両は、後輪の転舵の向きとは逆向きに旋回させられるのであり、車両の後部は旋回方向と逆向きに動く。車両において、後輪の転舵に伴って、直ちに、ヨーレイトが生じるが、車両の重心に作用する横加速度は遅れるのであり、過渡的に、逆向きに作用する。その後、前輪、後輪にスリップ角がつき、バランスがとれた状態で定常旋回する。
この状況は、定常旋回中に後輪を切り増した場合にも同様に生じる。後輪舵角が大きくされることで、ヨーレイトは大きくなるが、過渡的に、スリップ角が小さくなるため、後輪に作用する横力が小さくなり、車両の重心に作用する横加速度が小さくなるのである。
このように、後輪が操舵輪である車両において、後輪が転舵等された際に、過渡的に、横加速度がヨーレイトに対して遅れるため、操縦性が低下する等の問題がある。この横加速度のヨーレイトに対する遅れは、車両の走行速度が大きい場合は大きくなり、問題である。
それに対して、本発明に係る車両においては、ヨーレイトに基づいて横方向の傾斜角度が制御されるのであり、ヨーレイトの発生に伴って車輪および車体が旋回内側に傾斜させられる。その結果、ヨーレイトに合わせてキャンバスラストを作用させることが可能となり、その分、横加速度の遅れを抑制することができる。また、車両の操縦性の低下を抑制することができる。
車両は、後輪の転舵により旋回させられる。
車両は、後輪の転舵の向きとは逆向きに旋回させられるのであり、車両の後部は旋回方向と逆向きに動く。車両において、後輪の転舵に伴って、直ちに、ヨーレイトが生じるが、車両の重心に作用する横加速度は遅れるのであり、過渡的に、逆向きに作用する。その後、前輪、後輪にスリップ角がつき、バランスがとれた状態で定常旋回する。
この状況は、定常旋回中に後輪を切り増した場合にも同様に生じる。後輪舵角が大きくされることで、ヨーレイトは大きくなるが、過渡的に、スリップ角が小さくなるため、後輪に作用する横力が小さくなり、車両の重心に作用する横加速度が小さくなるのである。
このように、後輪が操舵輪である車両において、後輪が転舵等された際に、過渡的に、横加速度がヨーレイトに対して遅れるため、操縦性が低下する等の問題がある。この横加速度のヨーレイトに対する遅れは、車両の走行速度が大きい場合は大きくなり、問題である。
それに対して、本発明に係る車両においては、ヨーレイトに基づいて横方向の傾斜角度が制御されるのであり、ヨーレイトの発生に伴って車輪および車体が旋回内側に傾斜させられる。その結果、ヨーレイトに合わせてキャンバスラストを作用させることが可能となり、その分、横加速度の遅れを抑制することができる。また、車両の操縦性の低下を抑制することができる。
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組を、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
(1)左右2つの前輪と少なくとも1つの後輪とを備えた車両であって、
前記少なくとも1つの後輪を転舵することにより、前記車両を旋回させる転舵装置と、
前記車両が旋回する場合に、その車両を旋回内側に傾斜させる横方向傾斜装置と、
前記車両が旋回する場合に、その車両に発生させられるヨーレイトに基づいて決まる傾斜角度だけ、前記車両が旋回内側に傾斜するように、前記横方向傾斜装置を制御する傾斜角度制御装置と
を含むことを特徴とする車両。
車輪および車体の旋回内側への傾斜角度(横方向への傾斜角度の絶対値)は、ヨーレイトの絶対値が大きい場合は小さい場合より大きい値とされる。
また、車両に発生させられるヨーレイトはヨーレイト取得装置によって取得される。ヨーレイト取得装置は、実際のヨーレイトを検出するヨーレイト検出装置を含むものであっても、操舵部材の操作状態および車速等に基づいて推定するヨーレイト推定装置を含むものであっても、ヨーレイトの目標値を演算により求める目標ヨーレイト演算装置を含むものであってもよい。
さらに、車両に含まれる後輪は1つであっても2つであってもよい。
(2)左右2つの前輪と少なくとも1つの後輪とを備えた車両であって、
前記少なくとも1つの後輪を転舵することにより、前記車両を旋回させる転舵装置と、
前記車両が旋回する場合に、その車両を旋回内側に傾斜させる横方向傾斜装置と、
運転者によって操作可能な操舵部材の操作状態を検出する操作状態検出装置と、
その操作状態検出装置によって検出された前記操舵部材の操作状態に基づいて決まる転舵角度だけ、前記少なくとも1つの後輪が転舵するように、前記転舵装置を制御する転舵装置制御装置と、
前記操作状態検出装置によって検出された前記操舵部材の操作状態に基づいて決まる傾斜角度だけ、前記車両が旋回内側に傾斜するように、前記横方向傾斜装置を制御する傾斜角度制御装置と
を含むことを特徴とする車両。
車両の転舵装置が操舵部材の操作状態に基づいて制御されるとともに、横方向傾斜装置が操舵部材の操作状態に基づいて制御される。このように、横方向傾斜装置も転舵装置も、操舵部材の操作状態に基づいて制御されるため、キャンバスラストを早期に発生させることができ、横加速度の遅れを抑制することができる。
「操作状態に基づいて制御すること」には、操舵部材の操作の向き、操作量に基づいて転舵装置、横方向傾斜装置を制御することに限らず、操舵部材の操作の向き、操作量に対応する物理量(例えば、後輪舵角、ヨーレイト等)の向き、大きさ(絶対値)に基づいて転舵装置や横方向傾斜装置を制御すること等も含まれる。
(3)前記傾斜角度制御装置が、前記操作状態検出装置によって検出された前記操舵部材の操作状態と、前記車両の走行速度とに基づいて前記車両のヨーレイトを取得し、その取得したヨーレイトの絶対値が大きい場合は小さい場合により、前記傾斜角度を大きい値に決定する傾斜角度決定部を含む(2)項に記載の車両。
ヨーレイトが、少なくとも、操舵部材の操作状態と車速とに基づいて取得され、その取得されたヨーレイトの絶対値が大きい場合は小さい場合より、傾斜角度の絶対値が大きくされる。
(4)左右2つの前輪と少なくとも1つの後輪とを備えた車両であって、
前記少なくとも1つの後輪を転舵することにより、前記車両を旋回させる転舵装置と、
前記車両が旋回する場合に、その車両を旋回内側に傾斜させる横方向傾斜装置と、
前記車両が旋回する場合に、前記後輪の転舵に伴う遅れが車両の重心に作用する横加速度より小さい物理量に基づいて決まる傾斜角度だけ、前記車両が旋回内側に傾斜するように、前記横方向傾斜装置を制御する傾斜角度制御装置と
を含むことを特徴とする車両。
車両が後輪転舵に伴って旋回する場合において、車両の重心に作用する横加速度より遅れが小さい物理量を使用して横方向の傾斜角度が制御される。
車両の重心に作用する横加速度より遅れが小さい物理量には、例えば、ヨーレイトが該当するが、広義には、後輪舵角、操舵部材の操舵量等も該当すると考えることも可能である。
本項に記載の車両には、(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
(5)左右2つの前輪と少なくとも1つの後輪とを備えた車両であって、
前記少なくとも1つの後輪を転舵することにより、前記車両を旋回させる転舵装置と、
前記車両が旋回する場合に、その車両を旋回内側に傾斜させる横方向傾斜装置と、
前記車両に生じるヨーレイトを取得するヨーレイト取得装置と、
そのヨーレイト取得装置によって取得された前記ヨーレイトに基づいて前記転舵装置を制御する転舵装置制御装置と、
その転舵装置制御装置による前記転舵装置の制御に伴って、前記ヨーレイト取得装置によって取得された前記ヨーレイトに基づいて前記横方向傾斜装置を制御する傾斜角度制御装置と
を含むことを特徴とする車両。
転舵装置の制御に伴って横方向傾斜装置の制御が行われるため、後輪転舵に伴って、(すなわち、ヨーレイトに伴って)車輪および車体を旋回内側に傾斜させることができる。
本項に記載の車両には、(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
(6)左右2つの前輪と少なくとも1つの後輪とを備えた車両であって、
前記少なくとも1つの後輪を転舵することにより、前記車両を旋回させる転舵装置と、
前記車両が旋回する場合に、その車両を旋回内側に傾斜させる横方向傾斜装置と、
運転者によって操作可能な操舵部材の操作状態を検出する操作状態検出装置と、
その操作状態検出装置によって検出された前記操舵部材の操作状態に基づいて前記転舵装置を制御する転舵装置制御装置と、
その転舵装置制御装置による前記転舵装置の制御に伴って、前記操作状態検出装置によって検出された前記操舵部材の操作状態に基づいて前記横方向傾斜装置を制御する傾斜角度制御装置と
を含むことを特徴とする車両。
本項に記載の車両には、(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
前記少なくとも1つの後輪を転舵することにより、前記車両を旋回させる転舵装置と、
前記車両が旋回する場合に、その車両を旋回内側に傾斜させる横方向傾斜装置と、
前記車両が旋回する場合に、その車両に発生させられるヨーレイトに基づいて決まる傾斜角度だけ、前記車両が旋回内側に傾斜するように、前記横方向傾斜装置を制御する傾斜角度制御装置と
を含むことを特徴とする車両。
車輪および車体の旋回内側への傾斜角度(横方向への傾斜角度の絶対値)は、ヨーレイトの絶対値が大きい場合は小さい場合より大きい値とされる。
また、車両に発生させられるヨーレイトはヨーレイト取得装置によって取得される。ヨーレイト取得装置は、実際のヨーレイトを検出するヨーレイト検出装置を含むものであっても、操舵部材の操作状態および車速等に基づいて推定するヨーレイト推定装置を含むものであっても、ヨーレイトの目標値を演算により求める目標ヨーレイト演算装置を含むものであってもよい。
さらに、車両に含まれる後輪は1つであっても2つであってもよい。
(2)左右2つの前輪と少なくとも1つの後輪とを備えた車両であって、
前記少なくとも1つの後輪を転舵することにより、前記車両を旋回させる転舵装置と、
前記車両が旋回する場合に、その車両を旋回内側に傾斜させる横方向傾斜装置と、
運転者によって操作可能な操舵部材の操作状態を検出する操作状態検出装置と、
その操作状態検出装置によって検出された前記操舵部材の操作状態に基づいて決まる転舵角度だけ、前記少なくとも1つの後輪が転舵するように、前記転舵装置を制御する転舵装置制御装置と、
前記操作状態検出装置によって検出された前記操舵部材の操作状態に基づいて決まる傾斜角度だけ、前記車両が旋回内側に傾斜するように、前記横方向傾斜装置を制御する傾斜角度制御装置と
を含むことを特徴とする車両。
車両の転舵装置が操舵部材の操作状態に基づいて制御されるとともに、横方向傾斜装置が操舵部材の操作状態に基づいて制御される。このように、横方向傾斜装置も転舵装置も、操舵部材の操作状態に基づいて制御されるため、キャンバスラストを早期に発生させることができ、横加速度の遅れを抑制することができる。
「操作状態に基づいて制御すること」には、操舵部材の操作の向き、操作量に基づいて転舵装置、横方向傾斜装置を制御することに限らず、操舵部材の操作の向き、操作量に対応する物理量(例えば、後輪舵角、ヨーレイト等)の向き、大きさ(絶対値)に基づいて転舵装置や横方向傾斜装置を制御すること等も含まれる。
(3)前記傾斜角度制御装置が、前記操作状態検出装置によって検出された前記操舵部材の操作状態と、前記車両の走行速度とに基づいて前記車両のヨーレイトを取得し、その取得したヨーレイトの絶対値が大きい場合は小さい場合により、前記傾斜角度を大きい値に決定する傾斜角度決定部を含む(2)項に記載の車両。
ヨーレイトが、少なくとも、操舵部材の操作状態と車速とに基づいて取得され、その取得されたヨーレイトの絶対値が大きい場合は小さい場合より、傾斜角度の絶対値が大きくされる。
(4)左右2つの前輪と少なくとも1つの後輪とを備えた車両であって、
前記少なくとも1つの後輪を転舵することにより、前記車両を旋回させる転舵装置と、
前記車両が旋回する場合に、その車両を旋回内側に傾斜させる横方向傾斜装置と、
前記車両が旋回する場合に、前記後輪の転舵に伴う遅れが車両の重心に作用する横加速度より小さい物理量に基づいて決まる傾斜角度だけ、前記車両が旋回内側に傾斜するように、前記横方向傾斜装置を制御する傾斜角度制御装置と
を含むことを特徴とする車両。
車両が後輪転舵に伴って旋回する場合において、車両の重心に作用する横加速度より遅れが小さい物理量を使用して横方向の傾斜角度が制御される。
車両の重心に作用する横加速度より遅れが小さい物理量には、例えば、ヨーレイトが該当するが、広義には、後輪舵角、操舵部材の操舵量等も該当すると考えることも可能である。
本項に記載の車両には、(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
(5)左右2つの前輪と少なくとも1つの後輪とを備えた車両であって、
前記少なくとも1つの後輪を転舵することにより、前記車両を旋回させる転舵装置と、
前記車両が旋回する場合に、その車両を旋回内側に傾斜させる横方向傾斜装置と、
前記車両に生じるヨーレイトを取得するヨーレイト取得装置と、
そのヨーレイト取得装置によって取得された前記ヨーレイトに基づいて前記転舵装置を制御する転舵装置制御装置と、
その転舵装置制御装置による前記転舵装置の制御に伴って、前記ヨーレイト取得装置によって取得された前記ヨーレイトに基づいて前記横方向傾斜装置を制御する傾斜角度制御装置と
を含むことを特徴とする車両。
転舵装置の制御に伴って横方向傾斜装置の制御が行われるため、後輪転舵に伴って、(すなわち、ヨーレイトに伴って)車輪および車体を旋回内側に傾斜させることができる。
本項に記載の車両には、(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
(6)左右2つの前輪と少なくとも1つの後輪とを備えた車両であって、
前記少なくとも1つの後輪を転舵することにより、前記車両を旋回させる転舵装置と、
前記車両が旋回する場合に、その車両を旋回内側に傾斜させる横方向傾斜装置と、
運転者によって操作可能な操舵部材の操作状態を検出する操作状態検出装置と、
その操作状態検出装置によって検出された前記操舵部材の操作状態に基づいて前記転舵装置を制御する転舵装置制御装置と、
その転舵装置制御装置による前記転舵装置の制御に伴って、前記操作状態検出装置によって検出された前記操舵部材の操作状態に基づいて前記横方向傾斜装置を制御する傾斜角度制御装置と
を含むことを特徴とする車両。
本項に記載の車両には、(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態である車両について説明する。
図1に示すように、本実施例に係る車両は、3輪車両であり、左右前輪14,16と1つの後輪18とを含む。後輪18は、左右前輪14,16の回転軸線の幅方向の中点同士を結ぶ左右線L1の中点において直交し、車両の前後方向に伸びる前後線L2上に位置する。
また、図2に示すように、後輪18が操舵輪であり、後輪18には、後輪18を転舵する転舵装置20が設けられる。転舵装置20は、後輪18を両側から保持するキングピン22を回転させることにより、後輪18を転舵するものである。転舵装置20は、電動モータを含む転舵アクチュエータ24を含み、転舵アクチュエータ24は、運転者によって操作可能な操舵部材28の操作量に応じて作動させられる。操舵部材28の操作方向および操作量は、操作量センサ30によって検出される。
なお、図2の符号36は車体であり、車体36が横方向に傾斜させられると、それに応じて後輪18も傾斜させられるようになっている。
図1に示すように、本実施例に係る車両は、3輪車両であり、左右前輪14,16と1つの後輪18とを含む。後輪18は、左右前輪14,16の回転軸線の幅方向の中点同士を結ぶ左右線L1の中点において直交し、車両の前後方向に伸びる前後線L2上に位置する。
また、図2に示すように、後輪18が操舵輪であり、後輪18には、後輪18を転舵する転舵装置20が設けられる。転舵装置20は、後輪18を両側から保持するキングピン22を回転させることにより、後輪18を転舵するものである。転舵装置20は、電動モータを含む転舵アクチュエータ24を含み、転舵アクチュエータ24は、運転者によって操作可能な操舵部材28の操作量に応じて作動させられる。操舵部材28の操作方向および操作量は、操作量センサ30によって検出される。
なお、図2の符号36は車体であり、車体36が横方向に傾斜させられると、それに応じて後輪18も傾斜させられるようになっている。
左右前輪14,16には、図1,3に示すように、横方向傾斜装置40が設けられる。横方向傾斜装置40は、左右前輪14,16および車体36を横方向に傾斜させるものであり、左右前輪14,16の各々と車体36との間の相対位置関係を互いに異ならせることにより、左右前輪14,16と車体36とを横方向に傾斜させるものである。
例えば、左右前輪14,16の各々と車体36との間の車高をそれぞれ調節する車高調節装置を含むものとしたり、左右前輪14,16を保持する部材と車体36とを相対回転させる装置を含むものとしたりすること等ができる。
また、横方向傾斜装置40は、電動モータ等を備えたリーンアクチュエータ42を含む。横方向の傾斜角度であるリーン角φは、図3に示すように、車両が水平な姿勢にある場合に、車体36の上下方向に延びる線YB,車輪14,16の上下方向に延びる線(回転面上の線)YWと、路面に対する法線Zとの成す角度で表される。本実施例においては、リーンアクチュエータ42の制御によりリーン角が制御される。
例えば、左右前輪14,16の各々と車体36との間の車高をそれぞれ調節する車高調節装置を含むものとしたり、左右前輪14,16を保持する部材と車体36とを相対回転させる装置を含むものとしたりすること等ができる。
また、横方向傾斜装置40は、電動モータ等を備えたリーンアクチュエータ42を含む。横方向の傾斜角度であるリーン角φは、図3に示すように、車両が水平な姿勢にある場合に、車体36の上下方向に延びる線YB,車輪14,16の上下方向に延びる線(回転面上の線)YWと、路面に対する法線Zとの成す角度で表される。本実施例においては、リーンアクチュエータ42の制御によりリーン角が制御される。
車両挙動ECU44は、コンピュータを主体とするものであり、実行部,記憶部,入出力部等を含み、入出力部には、前述の操舵量センサ30、車両の走行速度を検出する車速センサ46等が接続されるとともに、転舵アクチュエータ24,リーンアクチュエータ42等が接続される。記憶部には、リーン角等制御プログラム等の種々のプログラム、図示しないテーブル等が記憶される。
図5(a)に基づいて、車両の挙動(平面運動)を2自由度のモデルを用いて説明する。図5(a)には、一般的な(前輪および後輪が操舵輪である車両)についてのモデルを示す。
車両に作用する横方向の力について、式(1)が成立する。
m・Gy=2Fyf+Fyr+FL・・・(1)
前輪14,16,後輪18の各々と路面との間には横方向の力Fyf、Fyr(コーナリングフォース)が作用するとともに、キャンバスラストFLが作用するが、これらの力の和は、慣性力{車両質量mと横加速度Gyとの積(m・Gy)}と釣り合う。
コーナリングフォースは、それぞれ、式
Fyf=Kf・αf
Fyr=Kr・αr
に従って求めることができる。Kf、Krは、コーナリングパワーであり、αf、αrは、前輪14,16および後輪18の横すべり角である。
前輪14,16および後輪18の横すべり角αf、αrは、それぞれ、前輪舵角δf、後輪舵角δrおよび前輪、後輪のそれぞれの位置における車体横すべり角βf、βrとした場合に、式
αf=δf−βf
αr=δr−βr
で表すことができる。また、前輪14,16、後輪18のそれぞれの位置における車体横すべり角βf、βrは、それぞれ、車両の重心Gにおける横すべり角β、ヨーレイトγとした場合に、
βf=β+Lf・γ/V
βr=β−Lr・γ/V
で表すことができる。また、前輪14,16の転舵角δfは0であることから、前輪、後輪コーナリングフォースFyf,Fyrは、それぞれ、
Fyf=2Kf・{−(β+Lf・γ/V)}・・・(2)
Fyr=Kr・{δr−(β−Lr・γ/V)}・・・(3)
で表すことができる。Vは車速である。
車両に作用する横方向の力について、式(1)が成立する。
m・Gy=2Fyf+Fyr+FL・・・(1)
前輪14,16,後輪18の各々と路面との間には横方向の力Fyf、Fyr(コーナリングフォース)が作用するとともに、キャンバスラストFLが作用するが、これらの力の和は、慣性力{車両質量mと横加速度Gyとの積(m・Gy)}と釣り合う。
コーナリングフォースは、それぞれ、式
Fyf=Kf・αf
Fyr=Kr・αr
に従って求めることができる。Kf、Krは、コーナリングパワーであり、αf、αrは、前輪14,16および後輪18の横すべり角である。
前輪14,16および後輪18の横すべり角αf、αrは、それぞれ、前輪舵角δf、後輪舵角δrおよび前輪、後輪のそれぞれの位置における車体横すべり角βf、βrとした場合に、式
αf=δf−βf
αr=δr−βr
で表すことができる。また、前輪14,16、後輪18のそれぞれの位置における車体横すべり角βf、βrは、それぞれ、車両の重心Gにおける横すべり角β、ヨーレイトγとした場合に、
βf=β+Lf・γ/V
βr=β−Lr・γ/V
で表すことができる。また、前輪14,16の転舵角δfは0であることから、前輪、後輪コーナリングフォースFyf,Fyrは、それぞれ、
Fyf=2Kf・{−(β+Lf・γ/V)}・・・(2)
Fyr=Kr・{δr−(β−Lr・γ/V)}・・・(3)
で表すことができる。Vは車速である。
一方、前輪14,16および後輪18が横方向に傾斜させられることにより、キャンバスラストFLが作用する。前輪14,16についての対地キャンバ角はリーン角φであるが、後輪18については対地キャンバ角は(φ+δr)となる。後輪は転舵されているため、対地キャンバ角は、式
arcsin( cosφ・sinδr+cosδr・sinφ)→(φ+δr)
から求められる値となる。
キャンバスラストFLは、対地キャンバ角にキャンバスラスト係数Kcf 、Kcrを掛けた値となり、式
FL=2・Kcf・φ+Kcr・(φ+δr)・・・(4)
で表すことができる。
上記(2)式〜(4)式を(1)式に代入することにより、表1の(5)式が得られる。
arcsin( cosφ・sinδr+cosδr・sinφ)→(φ+δr)
から求められる値となる。
キャンバスラストFLは、対地キャンバ角にキャンバスラスト係数Kcf 、Kcrを掛けた値となり、式
FL=2・Kcf・φ+Kcr・(φ+δr)・・・(4)
で表すことができる。
上記(2)式〜(4)式を(1)式に代入することにより、表1の(5)式が得られる。
一方、車両の重心Gの周りのヨーモーメントの釣り合いについて式
Iz・(dγ/dt)=Fyf・Lf−Fyr・Lr+{2・Kcf・φ・Lf−Kcr・(φ+δr)・Lr}・・・(6)
が成立する。Izは、車両のヨー慣性モーメントである。
(6)式において、前輪、後輪のコーナリングフォースFyf,Fyrに上述の値を代入すると、表1に示す(7)式が得られる。
なお、横加速度Gyは、式
Gy=V・{(dβ/dt)+γ}・・・(8)
で表すことができる。
また、操舵量θと後輪舵角δrとの間には、式
δr=−Ks・θ・・・(9)
が成立する。Ksは、ステアリングオーバギヤ比である。後輪舵角δrと操舵角度θとは、逆向きになるため、符号が逆になり、「−」の符号が付されることになる。
さらに、リーン角φとヨーレイトγとの間には、式
φ=KLEAN・V・γ/az・・・(10)
が成立する。KLEANはゲインであり、azは、路面の法線方向と平行な方向に車両の重心に作用する加速度である(図3参照)。
(5),(7),(8),(10)式をラプラス変換して整理すれば、転舵角度δrに対するヨーレイトγの伝達関数が得られる{表1の(11)式}。この(11)式に(9)式を代入すれば、操作量に対するヨーレイドγの伝達関数が得られる。(11)式において、sはラプラス演算子である。
なお、後輪18が操舵輪である場合であっても、上述の各式は同様に成立するが、図5(b)に示すように、後輪舵角δr、車体横すべり角βの向きが逆になる。
Iz・(dγ/dt)=Fyf・Lf−Fyr・Lr+{2・Kcf・φ・Lf−Kcr・(φ+δr)・Lr}・・・(6)
が成立する。Izは、車両のヨー慣性モーメントである。
(6)式において、前輪、後輪のコーナリングフォースFyf,Fyrに上述の値を代入すると、表1に示す(7)式が得られる。
なお、横加速度Gyは、式
Gy=V・{(dβ/dt)+γ}・・・(8)
で表すことができる。
また、操舵量θと後輪舵角δrとの間には、式
δr=−Ks・θ・・・(9)
が成立する。Ksは、ステアリングオーバギヤ比である。後輪舵角δrと操舵角度θとは、逆向きになるため、符号が逆になり、「−」の符号が付されることになる。
さらに、リーン角φとヨーレイトγとの間には、式
φ=KLEAN・V・γ/az・・・(10)
が成立する。KLEANはゲインであり、azは、路面の法線方向と平行な方向に車両の重心に作用する加速度である(図3参照)。
(5),(7),(8),(10)式をラプラス変換して整理すれば、転舵角度δrに対するヨーレイトγの伝達関数が得られる{表1の(11)式}。この(11)式に(9)式を代入すれば、操作量に対するヨーレイドγの伝達関数が得られる。(11)式において、sはラプラス演算子である。
なお、後輪18が操舵輪である場合であっても、上述の各式は同様に成立するが、図5(b)に示すように、後輪舵角δr、車体横すべり角βの向きが逆になる。
転舵アクチュエータ24,リーンアクチュエータ42は、図4のフローチャートで表されるリーン角等制御プログラムの実行に従って制御される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、操舵量センサ30の検出値である操舵量θ、車速センサ46の検出値である車速Vが読み込まれ、S2において、操舵量θ、車速V、(9)式、(11)式に基づいて目標ヨーレイトγtgtが取得される。S3において、(10)式に従って目標ヨーレイトγtgtから目標リーン角φrefが取得され、S4において、目標リーン角φrefが実現されるように、リーンアクチュエータ42が制御されるとともに、目標ヨーレイトγtgtに基づいて転舵アクチュエータ24が制御される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、操舵量センサ30の検出値である操舵量θ、車速センサ46の検出値である車速Vが読み込まれ、S2において、操舵量θ、車速V、(9)式、(11)式に基づいて目標ヨーレイトγtgtが取得される。S3において、(10)式に従って目標ヨーレイトγtgtから目標リーン角φrefが取得され、S4において、目標リーン角φrefが実現されるように、リーンアクチュエータ42が制御されるとともに、目標ヨーレイトγtgtに基づいて転舵アクチュエータ24が制御される。
一方、車両は、後輪18の転舵により旋回させられる。車両において、後輪18の転舵に伴って、直ちに、ヨーレイトが生じるが、車両の重心に作用する横加速度Gyは遅れる。車両は、後輪18の転舵の向きとは逆向きに旋回させられるが、過渡的に、横加速度が逆向きに生じるのである。
それに対して、本実施例においては、操舵量θに基づいてヨーレイトの目標値γtgtが取得され、ヨーレイトの目標値γtgtに基づいて転舵アクチュエータ42が制御されるとともに、リーンアクチュエータ42が制御される。その結果、ヨーレイトの発生に伴ってキャンバスラストを作用させることが可能となり、その分、車両の重心に作用する横加速度Gyの遅れを抑制することができ、操縦性の低下を抑制することができる。
なお、ヨーレイトの変化とリーン角の変化とが対応していることは、運転者の運転感覚にあったものであり、望ましいことである。
それに対して、本実施例においては、操舵量θに基づいてヨーレイトの目標値γtgtが取得され、ヨーレイトの目標値γtgtに基づいて転舵アクチュエータ42が制御されるとともに、リーンアクチュエータ42が制御される。その結果、ヨーレイトの発生に伴ってキャンバスラストを作用させることが可能となり、その分、車両の重心に作用する横加速度Gyの遅れを抑制することができ、操縦性の低下を抑制することができる。
なお、ヨーレイトの変化とリーン角の変化とが対応していることは、運転者の運転感覚にあったものであり、望ましいことである。
図6に、入力(操作量θ)に対するリーン角の目標値φref、ヨーレイトγ、横加速度Gyの応答(ステップ応答)を示す。
図6(a)、(b)、(c)に示すように、リーン角の目標値φref、ヨーレイトγ、横加速度Gyは、入力に対して遅れて定常値に達するが、図6(a),(b)に示すように、リーン角の目標値φref、ヨーレイトγの遅れは小さい。しかし、図6(c)の破線で示すように、リーン角の制御が行われなかった場合の横加速度Gyの遅れは大きいことが明らかである。
それに対して、図6(c)の破線と実線とを比較すると、ヨーレイトγの変化に基づくリーン角φの制御が行われた場合(実線)には、リーン角の制御が行われない場合(破線)より、応答を速くすることができ、遅れが小さくなることが明らかである。
図6(a)、(b)、(c)に示すように、リーン角の目標値φref、ヨーレイトγ、横加速度Gyは、入力に対して遅れて定常値に達するが、図6(a),(b)に示すように、リーン角の目標値φref、ヨーレイトγの遅れは小さい。しかし、図6(c)の破線で示すように、リーン角の制御が行われなかった場合の横加速度Gyの遅れは大きいことが明らかである。
それに対して、図6(c)の破線と実線とを比較すると、ヨーレイトγの変化に基づくリーン角φの制御が行われた場合(実線)には、リーン角の制御が行われない場合(破線)より、応答を速くすることができ、遅れが小さくなることが明らかである。
以上のように、本実施例においては、車両挙動ECU44のリーン角等制御プログラムを記憶する部分、実行する部分等によって転舵装置制御装置、傾斜角度制御装置が構成される。そのうちの、S1,2を記憶する部分、実行する部分等によりヨーレイト取得装置が構成される。
本実施例においては、操舵部材28の操舵量θに基づいて目標リーン角φrefが取得され、目標リーン角refから目標ヨーレイトγtgtが取得される。そして、目標リーン角φref、目標ヨーレイトγtgtが実現されるように、それぞれ、リーンアクチュエータ42,転舵アクチュエータ24が制御される。
その場合の一例を図7のフローチャートに示す。
S1において操舵量θ、車速Vが検出され、S21において、目標リーン角φrefが、式
φref=Kφ・Fφ・θ・・・(13)
に従って取得される。Kφは、ゲインであり、Fφは、ローパスフィルタ(LPF)であり、伝達関数の式
Fφ=ω2/(s2+2ζωs+ω2)
で表される。ωは角速度、ζは減衰衰比である。ω=2π、ζ=0.7である場合の伝達関数Fφを、図8に示す。図8に示すように、目標リーン角φrefは操作量に対して緩やかに変化して定常値に達する。このように、ローパスフィルタを設けることにより、目標リーン角φrefの急激な変化を抑制することができる。車体36に作用する慣性モーメント、前輪14,16と車体36との間のサスペンション等に起因して、車輪14,16および車体36を速やかに傾斜させることができない場合があるのである。そのため、目標リーン角φrefは緩やかに変化するようにすることが望ましい。
その場合の一例を図7のフローチャートに示す。
S1において操舵量θ、車速Vが検出され、S21において、目標リーン角φrefが、式
φref=Kφ・Fφ・θ・・・(13)
に従って取得される。Kφは、ゲインであり、Fφは、ローパスフィルタ(LPF)であり、伝達関数の式
Fφ=ω2/(s2+2ζωs+ω2)
で表される。ωは角速度、ζは減衰衰比である。ω=2π、ζ=0.7である場合の伝達関数Fφを、図8に示す。図8に示すように、目標リーン角φrefは操作量に対して緩やかに変化して定常値に達する。このように、ローパスフィルタを設けることにより、目標リーン角φrefの急激な変化を抑制することができる。車体36に作用する慣性モーメント、前輪14,16と車体36との間のサスペンション等に起因して、車輪14,16および車体36を速やかに傾斜させることができない場合があるのである。そのため、目標リーン角φrefは緩やかに変化するようにすることが望ましい。
次に、S31において、目標リーン角φrefを用いて目標ヨーレイトγtgtが式
γtgt=(φref・az)/(KLEAN・V)・・・(14)
を用いて取得される。
S4において、目標リーン角φrefに基づいてリーンアクチュエータ42が制御され、目標ヨーレイトγtgtに基づいて転舵アクチュエータ24が制御される。
なお、(14)式において、車速Vが分母にあるため、車速Vが0に近い場合(車両がほぼ停止状態にある場合)に問題がある。
一方、リーン角の制御は、車速が0に近い設定値以下の場合に行う必要性は低い。そのため、車速が設定値以下である場合には、目標リーン角の制御が行われないようにすることができる(φref=0とする)。
それに対して、転舵アクチュエータ42の制御は行われるようにすることが望ましいため、車速Vが設定値以下である場合には、実施例1の式(11)から目標ヨーレイトγtgtが取得され、それに基づいて転舵アクチュエータ42が制御されるようにすることができる。
このように、実施例2においても、操舵量θに基づいて目標リーン角φrefが決定され、リーンアクチュエータ42が制御されるため、横加速度の遅れを抑制することができ、操縦性の低下を抑制することができる。
γtgt=(φref・az)/(KLEAN・V)・・・(14)
を用いて取得される。
S4において、目標リーン角φrefに基づいてリーンアクチュエータ42が制御され、目標ヨーレイトγtgtに基づいて転舵アクチュエータ24が制御される。
なお、(14)式において、車速Vが分母にあるため、車速Vが0に近い場合(車両がほぼ停止状態にある場合)に問題がある。
一方、リーン角の制御は、車速が0に近い設定値以下の場合に行う必要性は低い。そのため、車速が設定値以下である場合には、目標リーン角の制御が行われないようにすることができる(φref=0とする)。
それに対して、転舵アクチュエータ42の制御は行われるようにすることが望ましいため、車速Vが設定値以下である場合には、実施例1の式(11)から目標ヨーレイトγtgtが取得され、それに基づいて転舵アクチュエータ42が制御されるようにすることができる。
このように、実施例2においても、操舵量θに基づいて目標リーン角φrefが決定され、リーンアクチュエータ42が制御されるため、横加速度の遅れを抑制することができ、操縦性の低下を抑制することができる。
なお、横方向傾斜装置40の構造によっては、車体36の傾斜角度と車輪14,16の傾斜角度とが異なる場合があるが、その場合には、車輪14,16の傾斜角度が本実施例におけるリーン角に対応する。
その他、前輪が操舵輪である車両にも適用できる等、本発明は、上述に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
その他、前輪が操舵輪である車両にも適用できる等、本発明は、上述に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
10:車両 14,16:前輪 18:後輪 24:転舵アクチュエータ 30:操舵量センサ 42:リーンアクチュエータ 44:車両挙動ECU
Claims (3)
- 左右2つの前輪と少なくとも1つの後輪とを備えた車両であって、
前記少なくとも1つの後輪を転舵することにより、前記車両を旋回させる転舵装置と、
前記車両が旋回する場合に、その車両を旋回内側に傾斜させる横方向傾斜装置と、
前記車両が旋回する場合に、その車両に発生させられるヨーレイトに基づいて決まる傾斜角度だけ、前記車両が旋回内側に傾斜するように、前記横方向傾斜装置を制御する傾斜角度制御装置と
を含むことを特徴とする車両。 - 左右2つの前輪と少なくとも1つの後輪とを備えた車両であって、
前記少なくとも1つの後輪を転舵することにより、前記車両を旋回させる転舵装置と、
前記車両が旋回する場合に、その車両を旋回内側に傾斜させる横方向傾斜装置と、
運転者によって操作可能な操舵部材の操作状態を検出する操作状態検出装置と、
その操作状態検出装置によって検出された前記操舵部材の操作状態に基づいて決まる転舵角度だけ、前記少なくとも1つの後輪が転舵するように、前記転舵装置を制御する転舵装置制御装置と、
前記操作状態検出装置によって検出された前記操舵部材の操作状態に基づいて決まる傾斜角度だけ、前記車両が旋回内側に傾斜するように、前記横方向傾斜装置を制御する傾斜角度制御装置と
を含むことを特徴とする車両。 - 前記傾斜角度制御装置が、前記操作状態検出装置によって検出された前記操舵部材の操作状態と、前記車両の走行速度とに基づいて前記車両のヨーレイトを取得し、その取得したヨーレイトの絶対値が大きい場合は小さい場合により、前記傾斜角度を大きい値に決定する傾斜角度決定部を含む請求項2に記載の車両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010195401A JP2012051460A (ja) | 2010-09-01 | 2010-09-01 | 車両 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017086403A1 (ja) * | 2015-11-20 | 2017-05-26 | ヤマハ発動機株式会社 | 車両 |
JP2018154258A (ja) * | 2017-03-17 | 2018-10-04 | トヨタ自動車株式会社 | 自動傾斜車両 |
JPWO2017164342A1 (ja) * | 2016-03-23 | 2019-03-07 | ヤマハ発動機株式会社 | 左右傾斜輪付リーン車両用リーン姿勢制御装置および左右傾斜輪付リーン車両 |
WO2019131618A1 (ja) * | 2017-12-28 | 2019-07-04 | 株式会社エクォス・リサーチ | 車両 |
-
2010
- 2010-09-01 JP JP2010195401A patent/JP2012051460A/ja not_active Withdrawn
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10625771B2 (en) | 2015-11-20 | 2020-04-21 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Vehicle with lean control |
JPWO2017164342A1 (ja) * | 2016-03-23 | 2019-03-07 | ヤマハ発動機株式会社 | 左右傾斜輪付リーン車両用リーン姿勢制御装置および左右傾斜輪付リーン車両 |
EP3421341A4 (en) * | 2016-03-23 | 2019-03-13 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | DEVICE FOR CONTROLLING TILTING POSITION FOR TILTING VEHICLE WITH LEFT-MOUNTED LEFT AND RIGHT-HANDED WHEELS AND TILTING VEHICLE WITH LEFT-MOUNTED LEFT AND RIGHT-APPROVED WHEELS |
US11046305B2 (en) | 2016-03-23 | 2021-06-29 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Leaning posture control device for leaning vehicle having left and right inclined wheels mounted thereon and leaning vehicle having left and right inclined wheels mounted thereon |
JP2018154258A (ja) * | 2017-03-17 | 2018-10-04 | トヨタ自動車株式会社 | 自動傾斜車両 |
WO2019131618A1 (ja) * | 2017-12-28 | 2019-07-04 | 株式会社エクォス・リサーチ | 車両 |
JP2019119276A (ja) * | 2017-12-28 | 2019-07-22 | 株式会社エクォス・リサーチ | 車両 |
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