JP2012046829A - 金属微粒子分散液の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 白金微粒子の粒径分布が狭く、且つ製造工程が簡単で環境衛生面でも優れた金属微粒子分散液の製造方法を提供する。
【解決手段】 4−デシルアニリンおよびH2PtCl6をターピネオールに分散させて、そのH2PtCl6を還元すると、白金ナノ微粒子が生成されると同時に4−デシルアニリンで保護された状態でターピネオール中に分散させられた白金ナノ微粒子分散液が単一ステップで得られる。このとき、4−デシルアニリンは、生成された白金ナノ微粒子を覆ってこれを保護するだけでなく、H2PtCl6を還元する作用をも有することから、好適にH2PtCl6が還元され且つ生成された白金ナノ微粒子が速やかに保護されるため、凝集等が生ずることなく微細且つ粒径分布の狭い白金ナノ微粒子が生成され、分散液が得られる。また、沸点が100(℃)以上のターピネオールは分散液の製造過程や使用中に揮発し難いため、環境衛生面でも好ましい。
【選択図】図3

Description

本発明は、有機溶媒中に金属微粒子が分散した分散液の製造方法に関する。
例えば、金属(合金を含む)微粒子は、光学材料、電子材料、感圧材料、磁性材料、非線形光電子材料、触媒材料、無機材料原料、インクの色材、ガラス着色剤、ワニスの添加剤等の様々な分野で用いられている(例えば、特許文献1〜4を参照。)。例えば、触媒材料としては白金微粒子やパラジウム微粒子、白金−パラジウム合金微粒子等が広く用いられている。また、インクの色材としては金、銀、白金、銅、アルミニウム等を用いることが提案されている。中でも、粒子の大きさがナノメートルオーダまで小さくされたナノ微粒子は、高活性であることから上記用途に特に好適である。
従来から、上記のような金属微粒子を製造する方法が種々提案されている。例えば、白金ナノ微粒子の製造方法としては、塩化白金酸(H2PtCl6)等の白金塩を水溶液中において高pH下でメタノール、エタノール、ホルムアルデヒドなどによって還元する方法が知られている(例えば、非特許文献1を参照。)。
また、ナノ微粒子の合成方法として、アルカンチオールの存在下において水素化硼素ナトリウムによるAuCl4 -の2相(水−トルエン)還元を利用することによって、チオール表面被膜を帯びる金ナノ微粒子の溶液を調製する方法や、水素テトラクロロ金(III)酸塩およびp-メルカプトフェノールをメタノールに溶解し、酢酸および水素化ホウ素ナトリウムを添加して、メルカプトフェノールで保護された金微粒子を合成する方法も知られている(例えば、非特許文献2,3を参照。)。
なお、気相成長を用いたナノ微粒子の製造方法も報告されているが、ナノ微粒子の収量が非常に低いため、工業的に利用できる段階には至っていない(例えば、非特許文献7を参照。)。
ところで、上記のような金属微粒子は、一般に、有機溶媒中に分散させた分散液に調製して用いられる。そのため、上記のような合成方法では、金属微粒子を合成した後、濾過および乾燥処理を施し、所定の有機溶媒に分散させることが行われる。塩化物の還元により分散液を得るまでの工程の一例を図1に示す。このように、これらの合成方法では、金属微粉末分散液を得るための工程が多段階に亘ることから、工程が煩雑になって工業的に不利であると共に、合成に用いた有機溶剤が溶剤除去工程(8)において除去されて廃棄される点で環境上好ましくないところがある。なお、上記乾燥処理は、得られるナノ微粒子の平均粒径や粒径分布を決定づけるもので、これら平均粒径および粒径分布は、ナノ微粒子の凝集や低温焼結に影響を及ぼすことが知られている。
これに対して、単一ステップでナノ微粒子を合成する方法が種々提案されている。例えば、HAuCl4溶液をテトラキスホスホニウム塩化物で還元し、トルエンのドデカンチオール溶液を添加してチオール表面被膜を形成する方法(例えば、非特許文献4を参照。)、クロロホルムおよびテトラクロロ金(III)酸水溶液中でヘキサデシルアニリン(HDA)を含む二相混合物を強く攪拌することにより、そのテトラクロロ金(III)酸を還元してHDAで被覆された金ナノ微粒子を合成する方法(例えば、非特許文献5を参照。)、PtCl6 2-イオン水溶液をヘキサデシルアニリンの存在下で還元して、同様にHDA被覆された白金ナノ微粒子を合成する方法(例えば、非特許文献6を参照。)等が挙げられる。図2に単一ステップによる合成工程の一例を示す。
また、金属塩とアミンを溶媒中に溶解した溶液を還元して表面がアミンで保護された金属微粒子を形成し、チオールまたはチオール水溶液を添加して、アミンをチオールに置換して表面がチオールで保護された金属微粒子を得るものがある(例えば、特許文献1を参照。)。この合成方法によれば、チオール等の保護ポリマーの存在下で金属塩を還元する場合に、チオールが金属塩と反応して安定化することが抑制されるため、所望する超微粒子を得ることができる。
また、金属化合物および高分子分散剤を溶媒に溶解して、その金属化合物を化学的に或いは光照射によって還元することによって溶媒体に分散している金属微粒子を得るものがある(例えば、特許文献3を参照。)。
また、メチル基、エチル基、フェニル基等を有する2種以上の金属錯体および有機高分子を有機溶媒中に分散させ、水素と接触させて還元させることにより、合金微粒子を合成するものがある(例えば、特許文献4を参照)。
特開平10−195505号公報 特開2003−282078号公報 特開2003−292836号公報 特開2004−084047号公報
しかしながら、非特許文献4〜6に記載されている方法では、非特許文献1等に記載されている方法に比較して工程が簡単になっているものの、得られるナノ微粒子の粒径分布が、例えば平均粒径の1/2〜2倍程度まで広くなる問題があった。例えば、平均粒径が2(nm)程度の微粒子を合成すると、1〜4(nm)程度に粒径分布が広がるのである。しかも、トルエン、クロロホルム、アセトンのような有機溶媒が使用されているため、環境衛生上や安全性の面でも好ましくない問題があった。
また、前記特許文献1〜4等に記載されている金属微粒子分散液の調製方法では、(a)アルコールその他の溶媒が用いられているが最終的にスラリーを構成するベヒクルではないため処理の終わりに除去する必要がある、(b)使用され且つ廃棄される溶媒が環境安全性および産業廃棄物の点から好ましくない、(c)処理が直接的ではなく多段階である、(d)硫黄その他の有害な元素が最終生成物であるスラリーに含まれる、(e)最終生成物であるスラリーを作成する段階で溶媒を交換して乾燥および再分散処理が必要な場合には、そのスラリーの特性は、得られたナノ微粒子の特性を必ずしも反映しない、という問題があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的は、金属微粒子の粒径分布が狭く、且つ製造工程が簡単で環境衛生面でも優れた金属微粒子分散液の製造方法を提供することにある。
斯かる目的を達成するため、本発明の要旨とするところは、保護ポリマーで被覆された白金微粒子が所定の溶媒中に分散した金属微粒子分散液を製造する方法であって、(a)4−デシルアニリンまたは4−ヘキサデシルアニリンから成る有機高分子と、白金塩とを、ターピネオールから成る有機溶媒中に分散させる分散工程と、(b)前記有機溶媒中において前記白金塩を還元する還元工程とを、含むことにある。
このようにすれば、分散工程において、4−デシルアニリンまたは4−ヘキサデシルアニリンから成る有機高分子および白金塩をターピネオールから成る有機溶媒中に分散させて、還元工程において、その白金塩を還元すると、その白金塩から白金微粒子が生成されると同時に、生成された白金微粒子が有機高分子で保護された状態で有機溶媒中に分散させられた金属微粒子分散液が得られる。すなわち、単一ステップの簡単な製造工程で白金微粒子分散液が得られる。このとき、4−デシルアニリンまたは4−ヘキサデシルアニリンは、生成された白金微粒子を覆ってこれを保護する(すなわち保護ポリマーとして働く)だけでなく、白金塩を還元する作用をも有することから、好適に白金塩が還元され且つ生成された微粒子が速やかに保護されるため、凝集等が生ずることなく例えばナノメートルオーダの微細且つ粒径分布の狭い白金微粒子が高い収率で生成され、白金微粒子が分散した分散液が得られる。また、ターピネオールは沸点が100(℃)以上であることから金属微粒子分散液の製造過程や使用中に揮発し難いため、環境衛生面でも好ましい。しかも、4−デシルアニリンまたは4−ヘキサデシルアニリンはターピネオール中で好適に分散させられると共に、これらの組合せによれば有機溶媒量が比較的少なくともよいので、高濃度の分散液を容易に得られる利点もある。更に、ターピネオールは水と相溶性が低いことから、分散工程において攪拌した後に静置すると、有機溶媒と水とが層状に分離させられるので、その水だけを選択的に除去することが容易である。以上により、白金微粒子の粒径分布が狭く、且つ製造工程が簡単で環境衛生面でも優れた金属微粒子分散液が得られる。
因みに、金属塩を還元処理して金属微粒子を合成するに際して、従来は、金属塩および還元剤を分散させる有機溶媒として、沸点が50〜60(℃)程度の低沸点溶剤が用いられていた。ここで、低沸点溶剤が用いられるのは、後工程において乾燥処理を施して溶剤を除去し、金属微粒子分散液を構成するための所望の有機溶媒に置き換えるためである。すなわち、容易に除去し得るように低沸点溶剤が選択されていた。本発明においては、還元処理時の溶媒を除去することを前提としておらず、金属微粒子分散液を構成するための有機溶媒中に金属塩を直接分散させることから、沸点が100(℃)以上の有機溶媒を用いることができる。この結果、低沸点溶剤を除去するための乾燥処理が無用になるため、金属微粒子の平均粒径や粒径分布に対する乾燥処理の影響が問題にならない利点もある。
ここで、好適には、前記分散工程は、有機高分子/白金のモル比が0.2〜200の範囲内となるように前記有機高分子および前記白金塩を前記有機溶媒中に分散させるものである。白金微粒子の収率を十分に高くするためには、有機高分子/白金モル比が0.2以上であることが好ましい。また、白金微粒子の凝集を抑制するためにも保護ポリマーとして働く有機高分子が十分に多いことが望ましい。一方、金属微粒子分散液を使用するに際しては、有機高分子は焼失除去させられる成分であるため、資源の有効利用や製造コスト低減のためには、有機高分子/白金モル比が200以下であることが好ましい。したがって、これらを共に満足するためには、有機高分子/白金モル比を0.2〜200の範囲にすることが好ましい。
有機高分子/白金モル比は、一層好適には0.5〜50の範囲内であり、更に好適には、0.8〜5の範囲内である。
また、好適には、前記分散工程は、有機溶媒/白金のモル比が0.1〜2500の範囲内となるように前記白金塩を前記有機溶媒中に分散させるものである。有機溶媒の量が少なくなるほど白金塩および有機高分子を分散させるのが困難になるため、有機溶媒/白金モル比は0.1以上が好ましい。また、有機溶媒量が多くなるほど分散液が薄くなって、使用時に所望の金属厚みを得ることが困難になり或いは印刷が著しく困難になると共に、乾燥或いは焼成過程で除去される溶媒量が多くなるため、資源の有効利用や製造コスト低減のためには有機溶媒/白金モル比が2000以下であることが好ましい。したがって、これらを共に満足するためには、有機溶媒/白金モル比が0.1〜2500の範囲が好ましい。
有機溶媒/白金モル比は、一層好適には、0.5〜200の範囲内であり、更に好適には、1〜100の範囲内である。
なお、前記白金塩は特に限定されない。例えば、塩化白金酸溶液、白金(IV)塩化物、白金(II)ヘキサフルオロアセチルアセトナト錯体、白金(II)アセチルアセトナト錯体、白金(II)臭化物、白金(II)ヨウ化物、白金(IV)硫化物、テトラクロロ白金(II)酸カリウム、テトラクロロ白金(II)酸アンモニウム、ヘキサクロロ白金(IV)酸ナトリウム6水和物等が挙げられるが、これらに限られず、一層複雑な塩も利用できる。
また、上記白金塩は、例えば、白金インゴットを王水等の適当な酸で溶解したものを用い得る。
また、好適には、前記分散工程は、前記白金塩の水溶液を、前記有機高分子と共に前記有機溶媒中に分散させるものである。すなわち、分散工程では適量の水が混合されることが好ましいが、この水の混合は、予め白金塩の水溶液を調製し、これを有機溶媒に分散させることで同時に為されることが好ましい。このようにすれば、白金塩の凝集を抑制して有機溶媒中に好適に分散させることが容易になる。白金塩の水溶液は、適当な液性、例えば酸性に調製されるが、これは、例えば前述したようにインゴットを酸で溶解するに際して水を混合することで容易に得ることができる。
また、好適には、前記分散工程において水が混合される場合において、前記金属微粒子分散液の製造方法は、分散工程および還元工程の後に、混合された水を除去する水除去工程を含むものである。このようにすれば、水を殆ど或いは全く含まない金属微粒子分散液を得ることができる。
また、前記分散工程は、白金塩、有機高分子、および有機溶媒の混合液を、例えば600〜1100rpm程度の回転速度で攪拌するものである。このようにすれば、十分に分散させられた混合液が好適に得られる。
また、前記分散工程において、前記白金塩および有機高分子を分散させるに際しては、適当な方法で攪拌処理が施される。この攪拌は、適宜の方法および装置を用いて行うことができる。例えば、少量の分散液を調製する場合には、磁気スターラや超音波攪拌機等を用いることができ、大量に処理する場合には、振動式或いは回転羽根式の攪拌機等を用いることができる。
また、4−デシルアニリンおよび4−ヘキサデシルアニリンは、前述したように保護ポリマーとして働くだけでなく、還元剤としても機能するものであるが、本発明においても、従来と同様に還元剤および保護ポリマーを別々の化合物で構成してもよい。
また、好適には、前記金属微粒子分散液は、平均粒径がナノメートルオーダ〜十数ナノメートルオーダの金属微粒子が有機溶媒中に分散させられたものである。本発明は、このような平均粒径が極めて微細な金属微粒子分散液の調製に好適に適用される。
なお、本発明の金属微粒子分散液は、例えば、触媒、センサー、電気接点、その他の電子或いは光電子アプリケーション、医学およびバイオ医学アプリケーション等に好適に用いられる。
従来の金属微粒子分散液の調製方法の一例を説明する工程図である。 従来の金属微粒子分散液の調製方法の他の例を説明する工程図である。 本発明の金属微粒子分散液の調製方法の一例を説明する工程図である。 他の調製方法で作成した白金ナノ微粒子のXRDチャートである。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図3は、本発明の一実施例の白金ナノ粒子分散液の製造方法を説明するための工程図である。図3において、金属塩溶解工程1では、例えば耐酸性を有する適当な容器内で、例えば、H2PtCl6等の白金塩を王水に溶解すると共に、これに適量の蒸留水を加える。
次いで、混合工程2においては、4−デシルアニリン等のアミン基を有する有機高分子から成る還元剤兼保護ポリマー(C)を、ターピネオール等の沸点が100(℃)以上の有機溶媒(Y)に溶解して溶液を用意し、白金塩を溶解した溶液にこれを混合する。なお、上記還元剤兼保護ポリマー(C)に代えて、これらの機能をそれぞれ有する還元剤(A)および保護ポリマー(B)を混合してもよい。
次いで、攪拌工程3では、混合液を適当な攪拌装置を用いて攪拌する。これにより、白金塩が有機溶媒中に分散され、還元剤の作用によって白金塩が還元されて白金微粒子が生ずると同時に、生成した白金ナノ微粒子が保護ポリマーで覆われて保護される。本実施例においては、この攪拌工程3において、分散工程および還元工程が同時に実施されることになる。このようにして、工程4に示されるように白金分散液が生成されるが、この白金分散液は、攪拌を停止して僅かな時間、例えば1〜2分だけ静置すると、白金微粒子を含む溶剤層と、水層の2層に分離する。
次いで、水分離工程5においては、上記のように2層に分離している白金分散液から水を除去する。この水の分離は、例えば、良く知られた分液漏斗等を用いて行えばよい。これにより、溶剤層のみを回収し、工程6に示されるように白金分散スラリーが得られる。この白金分散スラリーは、保護ポリマーで保護された平均粒径が5(nm)以下、好適には3(nm)程度の白金ナノ粒子が有機溶媒に分散したものである。すなわち、4−デシルアニリン等によって保護された白金ナノ微粒子がターピネオール等に分散した分散液である。
本実施例によれば、分散工程において、4−デシルアニリンおよびH2PtCl6をターピネオールに分散させて、還元工程において、そのH2PtCl6を還元すると、そのH2PtCl6から白金ナノ微粒子が生成されると同時に、生成された白金ナノ微粒子が4−デシルアニリンで保護された状態でターピネオール中に分散させられた白金ナノ微粒子分散液が単一ステップで得られる。このとき、4−デシルアニリンは、生成された白金ナノ微粒子を覆ってこれを保護するだけでなく、H2PtCl6を還元する作用をも有することから、好適にH2PtCl6が還元され且つ生成された白金ナノ微粒子が速やかに保護されるため、凝集等が生ずることなく微細且つ粒径分布の狭い白金ナノ微粒子が生成され、分散液が得られる。また、沸点が100(℃)以上のターピネオールは分散液の製造過程や使用中に揮発し難いため、環境衛生面でも好ましい。
以下、更に具体的な実施例について説明する。下記の表1は、白金ナノ微粒子分散液を調製するに際して、用いる材料、割合、調製方法等を種々変更して実験した結果をまとめたものである。
下記表1の実験結果において、Pt欄は、混合した白金塩すなわちH2PtCl6中の白金の量を表している。また、有機高分子欄は、還元剤兼保護ポリマーとして混合した有機高分子の種類と量を表している。また、H2O欄は、白金塩溶液に混合した蒸留水の量を表している。また、溶剤欄は、白金塩溶液に混合した有機溶媒の量を表している。有機溶媒は全てターピネオールとした。これらの量の単位は、全てモル(mmolまたはmol)である。
また、攪拌方法欄は、白金塩溶液、有機高分子、およびターピネオールを混合して攪拌したときの攪拌の方法を表しており、「スターラ」は、磁気スターラ(例えばデジタルホットプレートスターラ アズワン(株)製 DP-1M)を用いたもの、「超音波」は超音波攪拌機(例えば、ウルトラソニックホモジナイザー SM1カンパニー製 UH−50)を用いたもの、「振動」は振動式攪拌機(例えば、ラブシェイカー アズワン(株)製 SR−1)を用いたもの、「回転羽根」は、回転羽根式攪拌機(例えば、スターラ IKAラボラトリーテクノロジー製 RW20DZMn)を用いたものである。また、回転数欄は、その回転数を表している。但し、超音波攪拌機および振動式攪拌機の場合には、回転が無いため回転数を記載していない。また、攪拌時間は、十分な分散状態に至るまでの時間を表している。
また、結果欄は、ナノ微粒子が得られ、且つ収率が90(%)以上のものを「○」、収率が90(%)に満たないものを「△」とした。実験した全範囲でナノ微粒子が得られている。また、ポリマー/Ptモル比、溶媒/Ptモル比は、それぞれ有機高分子とPt、溶剤とPtとのモル比である。
Figure 2012046829
上記の実験結果に示すように、有機高分子として4−デシルアニリンを用いることにより、何れの実施例においても、1日未満の十分に短い攪拌時間で良好な分散状態が得られ、90(%)以上の高い収率を以て白金ナノ微粒子が得られた。得られたナノ微粒子の平均粒径は、2.5〜3.5(nm)程度、粒径分布の範囲は、5(nm)程度であった。なお、上記各実験例は、殆どのものが5〜6時間程度の攪拌時間で足りるものと考えられるが、実験の都合上、攪拌開始の翌日に攪拌を停止したので、必要時間としては1日未満と記した。
一方、アニリンまたはドデシルアミンを有機高分子として用いたNo.27,28は、十分な分散状態を得るためには、8日間に亘って攪拌処理を施すことが必要であった。また、収率も90(%)未満に留まった。これらはナノ微粒子分散液の調製に用い得ないものではないが、最適ではない。
また、4−ヘキサデシルアニリンを有機高分子として用いたNo.33は、良好な分散状態が得られるまでに5日間の攪拌時間を要した。すなわち、90(%)以上の収率でナノ微粒子を得ることができたことから、ナノ微粒子分散液の調製に好適に用い得るものではあるが、4−デシルアニリンを用いる場合に比較すると、効率面で不利である。
また、上記各実験例に示すように、ポリマー/Ptモル比は0.78〜181.82の範囲で、溶媒/Ptモル比は5.07〜2294.04の範囲で、何れも良好な結果を得ることができた。
また、攪拌方法や回転数についても種々条件を変更したが、何れも特に差異はなく、良好な結果を得ることができた。これらは、処理対象の規模に応じて適宜条件を定めればよい。
なお、処理温度を制御することによって、結晶構造と粒子サイズを制御することが可能である。例えば、150(℃)において、4−デシルアニリンを1.9(g)、ターピネオールを6.23(g)、H2PtCl6をPt当量で0.93(g)、水を1700(mg)の割合で混合して、ナノ微粒子分散液を合成した。その結果、90(%)を超える収率で、平均粒径が13(nm)の白金ナノ微粒子分散液が得られた。なお、XRDチャートを図4に示す。
以上、本発明を図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施でき、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。

Claims (3)

  1. 保護ポリマーで被覆された白金微粒子が所定の溶媒中に分散した金属微粒子分散液を製造する方法であって、
    4−デシルアニリンまたは4−ヘキサデシルアニリンから成る有機高分子と、白金塩とを、ターピネオールから成る有機溶媒中に分散させる分散工程と、
    前記有機溶媒中において前記白金塩を還元する還元工程と
    を、含むことを特徴とする金属微粒子分散液の製造方法。
  2. 前記分散工程は、有機高分子/白金のモル比が0.2〜200の範囲内となるように前記有機高分子および前記白金塩を前記有機溶媒中に分散させるものである請求項1の金属微粒子分散液の製造方法。
  3. 前記分散工程は、有機溶媒/白金のモル比が0.1〜2500の範囲内となるように前記白金塩を前記有機溶媒中に分散させるものである請求項1または請求項2の金属微粒子分散液の製造方法。
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