JP2012041018A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】容易に製造でき、操舵開始時に生じる引っ掛かり感を低減することができるステアリング装置を提供する
【解決手段】ステアリング装置は、エンドハウジング27(ラックハウジング21)とラック軸5との間に介装されて該ラック軸5を摺動可能に支持するラックブッシュ23を備えた。ラックブッシュ23を、エンドハウジング27内に軸方向へ移動可能に設けた。また、エンドハウジング27の内周面にハウジング側凹部35を形成するとともに、ラックブッシュ23に貫通孔47を形成した。そして、ハウジング側凹部35及び貫通孔47の双方に係合する弾性部材31を備えた。
【選択図】図3
【解決手段】ステアリング装置は、エンドハウジング27(ラックハウジング21)とラック軸5との間に介装されて該ラック軸5を摺動可能に支持するラックブッシュ23を備えた。ラックブッシュ23を、エンドハウジング27内に軸方向へ移動可能に設けた。また、エンドハウジング27の内周面にハウジング側凹部35を形成するとともに、ラックブッシュ23に貫通孔47を形成した。そして、ハウジング側凹部35及び貫通孔47の双方に係合する弾性部材31を備えた。
【選択図】図3
Description
本発明は、ラックアンドピニオン式のステアリング装置に関する。
従来、ラックアンドピニオン式のステアリング装置において、ハウジングに挿通されたラック軸は、ラックガイド(サポートヨーク)によりピニオン軸に噛合するように押し付けられた状態で支持されるとともに、同ハウジングとの間に介装された1又は2以上のラックブッシュにより支持されている(例えば特許文献1参照)。
ところで、ラック軸は、ラックブッシュにより軸方向に沿って摺動可能に支持されているため、操舵開始時(ラック軸の移動開始時)においては、ラック軸とラックブッシュとの間に作用する摩擦力(静止摩擦力)を超える操舵力で操舵しなければならず、これが所謂引っ掛かり感となって操舵フィーリングの悪化を招いていた。特に、車両の進行方向を僅かに変更したい場合においては、上記引っ掛かりが原因となってラック軸を僅かに移動させるような微妙な操舵がしづらいことがあった。
そこで、操舵開始時において、所定範囲内でラック軸とラックブッシュとが一体で軸方向移動するように構成することで、上記引っ掛かり感を低減することが提案されている。例えば非特許文献1には、ラックブッシュの外周面に環状の突起部を有する弾性材をコーティングするとともに、ハウジングの内周面に突起部が係合する環状溝を形成し、ラックブッシュを所定範囲内で軸方向に移動可能となるようにハウジング内に設けたステアリング装置が開示されている。
非特許文献1のステアリング装置では、操舵開始時において、弾性材が弾性変形することにより、ラック軸とラックブッシュとが一体で軸方向移動するようになっており、引っ掛かり感を低減して良好な操舵フィーリングを実現できる。また、弾性材の弾性変形を伴ってラック軸とラックブッシュとが一体で軸方向移動するため、ラックブッシュの移動が規制され、ラック軸がラックブッシュに対して摺動するようになると、弾性材の復元力によりラックブッシュが移動前の位置に戻される。これにより、ラックブッシュが軸方向に移動可能な状態が維持されるため、一方向に操舵した後、ステアリングを戻さずに再度、同一方向に操舵する場合であっても確実に上記引っ掛かり感を低減できる。
発明協会公開技報公技番号2010−502085号
ところが、上記非特許文献1に記載の構成では、弾性材をラックブッシュの外周にコーティングすることにより同ラックブッシュと一体的に構成するとともに、突起部をハウジングの環状溝に係合させることで、操舵開始時に、弾性材がラックブッシュ及びハウジングに対して摺動せずに弾性変形するようにしている。従って、ステアリングの製造に際しては、弾性材をコーティングするための設備が必要になるとともに、弾性材のコーティング作業が必要となるため、その製造が煩雑になるという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、容易に製造でき、操舵開始時に生じる引っ掛かり感を低減することができるステアリング装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ハウジング内において軸方向に往復動可能に設けられるラック軸と、前記ハウジングと前記ラック軸との間に介装されて該ラック軸を摺動可能に支持するラックブッシュとを備えたステアリング装置において、前記ラックブッシュは、前記ハウジング内に軸方向へ移動可能に設けられ、前記ハウジングの内周面にはハウジング側凹部が形成されるとともに、前記ラックブッシュの外周面にはブッシュ側凹部が形成され、前記ハウジング側凹部及び前記ブッシュ側凹部の双方に係合する弾性部材を備えたことを要旨とする。
上記構成によれば、弾性部材がハウジング側凹部及びブッシュ側凹部の双方に係合するため、ラックブッシュがラック軸と一体で移動する際に、ラックブッシュ及びハウジングに対して摺動せず、弾性変形するようになる。そして、操舵開始時において、弾性部材の弾性変形を伴ってラック軸とラックブッシュとが一体で軸方向に移動することにより、引っ掛かり感を低減して良好な操舵フィーリングを実現することができる。従って、上記構成では、別途設けられる弾性部材をハウジング側凹部及びブッシュ側凹部の双方に係合するように各部材を組み付ければよいため、非特許文献1のように弾性材をラックブッシュにコーティングすることにより形成する場合に比べ、ステアリング装置を容易に製造することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のステアリング装置において、前記ラックブッシュは、前記ラック軸を摺動可能に支持する筒状の内側半体と、前記内側半体の径方向外側に配置される筒状の外側半体とに分割して形成され、前記内側半体は、薄肉部と、該薄肉部よりも大きな外径を有する厚肉部と、前記薄肉部と前記厚肉部とを接続する接続部と、を有し、前記外側半体は、径方向に貫通する前記ブッシュ側凹部としての貫通孔を有し、前記貫通孔と前記厚肉部とが対向した状態で、前記外側半体と前記内側半体とが互いに軸方向に相対移動することを規制する規制手段を備えたことを要旨とする。
ラックブッシュがラック軸と一体で移動する際に、弾性部材がハウジング側凹部及びブッシュ側凹部から抜け出ることを防ぎ、これら各凹部の双方に対して係合した状態を確実に維持するためには、弾性部材が各凹部内に挿入される量(以下、係合量という)を大きくする必要がある。また、一般に、ステアリング装置の製造に際しては、弾性部材が設けられたラックブッシュをハウジングに組み付ける。従って、弾性部材のブッシュ側凹部への係合量は容易に大きくできるものの、弾性部材は圧縮された状態でハウジング内に挿入(圧入)されることになるため、弾性部材のハウジング側凹部への係合量を大きくしようとすると、弾性部材を大きく圧縮させなければならず、ラックブッシュの組み付けが困難になる。
この点、上記構成によれば、内側半体と外側半体との相対位置に応じて、貫通孔内に配置された弾性部材が外側半体から突出する量、つまりハウジング側凹部への係合量が変化する。具体的には、薄肉部の外径は厚肉部の外径よりも小さく形成されるため、弾性部材が薄肉部上に配置される状態(貫通孔と薄肉部とが対向する状態)での弾性部材の突出量は、弾性部材が厚肉部上に配置される状態(貫通孔と厚肉部とが対向する状態)での突出量よりも小さくなる。また、上記構成では、規制手段により、貫通孔と厚肉部とが対向した状態で外側半体と内側半体との相対移動が規制されるため、弾性部材が厚肉部上に配置されてラックブッシュから大きく突出した状態を保持できる。そして、薄肉部と厚肉部とが接続部により接続されるため、内側半体を外側半体に対して相対移動させることにより、弾性部材の軸方向位置を変化させずに、同弾性部材が薄肉部上に配置された状態から厚肉部に配置された状態とし、その突出量を大きくすることが可能となる。
従って、上記構成では、貫通孔と薄肉部とが対向する状態でラックブッシュをハウジング内に挿入した後に、貫通孔と厚肉部とが対向するように内側半体を外側半体に対して相対移動させることにより、弾性部材のハウジング側凹部への係合量を大きくしつつ、容易にラックブッシュを組み付けることが可能になる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のステアリング装置において、前記外側半体には、複数の前記貫通孔が形成され、前記弾性部材は、環状に形成された環状部と、前記環状部から径方向外側に延出されて前記貫通孔及び前記ハウジング側凹部の双方に係合する複数の凸部と、を有することを要旨とする。
上記構成によれば、ハウジング側凹部及び各貫通孔にそれぞれ係合する複数の弾性部材を用いる場合に比べ、部品点数を削減することができる。また、凸部の径方向内側端部が環状部に連結されているため、凸部(弾性部材)が貫通孔から抜け出ることを確実に防止できる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のステアリング装置において、前記規制手段は、前記内側半体及び前記外側半体のいずれか一方に形成された係合突部と、いずれか他方に形成されて前記係合突部に係合する係合凹部と、を有することを要旨とする。
上記構成によれば、係合突部に係合凹部が係合することで内側半体と外側半体の相対移動を規制することができるため、規制手段を簡易な構成とすることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のステアリング装置において、前記ハウジングは、前記ラックブッシュを収容する収容部と、前記収容部に隣接するとともに該収容部の内径よりも大きな内径を有する拡径部と、を有し、前記収容部との間に軸方向の隙間が形成されるように前記拡径部に設けられる凹部形成部材を備え、前記ハウジングは、前記凹部形成部材を前記拡径部における前記収容部と反対側の端部から挿入可能に形成され、前記ハウジング側凹部は、前記収容部と前記凹部形成部材とにより構成されることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のステアリング装置において、前記ハウジングは、前記ラックブッシュを収容する収容部と、前記収容部に隣接するとともに該収容部の内径よりも大きな内径を有する拡径部と、を有し、前記収容部との間に軸方向の隙間が形成されるように前記拡径部に設けられる凹部形成部材を備え、前記ハウジングは、前記凹部形成部材を前記拡径部における前記収容部と反対側の端部から挿入可能に形成され、前記ハウジング側凹部は、前記収容部と前記凹部形成部材とにより構成されることを要旨とする。
上記構成によれば、ハウジングは拡径部側の端部から凹部形成部材を挿入可能に形成されており、ハウジング側凹部は収容部と凹部形成部材とにより構成されるため、凹部形成部材をハウジングに挿入する前の状態では、弾性部材のハウジング側凹部への係合量を大きくしても、容易にラックブッシュをハウジング内に挿入できる。従って、弾性部材が設けられたラックブッシュをハウジング内に挿入した後、凹部形成部材を固定することで、ハウジング側凹部への係合量を大きくしつつ、容易に組み付けることができる。
本発明によれば、容易に製造でき、操舵開始時に生じる引っ掛かり感を低減することが可能なステアリング装置を提供することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、ステアリング装置1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されている。これにより、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。なお、ステアリングシャフト3は、コラム軸8、中間軸9、及びピニオン軸10を連結してなる。また、ラック軸5の両端には、ボールジョイント12を介してタイロッド13がそれぞれ回動自在に連結されている。タイロッド13の先端は、転舵輪14が組み付けられた図示しないナックルに連結されている。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド13を介してナックルに伝達されることにより、転舵輪14の舵角、即ち車両の進行方向が変更される。
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、ステアリング装置1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されている。これにより、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。なお、ステアリングシャフト3は、コラム軸8、中間軸9、及びピニオン軸10を連結してなる。また、ラック軸5の両端には、ボールジョイント12を介してタイロッド13がそれぞれ回動自在に連結されている。タイロッド13の先端は、転舵輪14が組み付けられた図示しないナックルに連結されている。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド13を介してナックルに伝達されることにより、転舵輪14の舵角、即ち車両の進行方向が変更される。
次に、ラック軸の支持構造について説明する。
図2に示すように、ラックアンドピニオン機構4を構成するラック軸5は、ラックハウジング21内において、ラックガイド(サポートヨーク)22によりピニオン軸10に噛合するように押し付けられた状態で支持されるとともに、同ラックハウジング21との間に介装されたラックブッシュ23に対して摺動可能に支持されている。
図2に示すように、ラックアンドピニオン機構4を構成するラック軸5は、ラックハウジング21内において、ラックガイド(サポートヨーク)22によりピニオン軸10に噛合するように押し付けられた状態で支持されるとともに、同ラックハウジング21との間に介装されたラックブッシュ23に対して摺動可能に支持されている。
ラックハウジング21は、ラックチューブ25と、同ラックチューブ25の基端側に設けられるギアハウジング26と、同ギアハウジング26の先端側に設けられるエンドハウジング27とにより構成されている。ギアハウジング26内には、ラック軸5に噛合されたピニオン軸10が収容されるとともに、ラック軸5をピニオン軸10に押し付けた状態で支持するラックガイド22が設けられている。また、エンドハウジング27内には、ラック軸5を摺動可能な状態で径方向に支持する筒状のラックブッシュ23が同ラック軸5と同軸上に設けられている。
(ラックブッシュによるラック軸支持構造)
次に、本実施形態のラックブッシュによるラック軸支持構造について詳細に説明する。
図2及び図3に示すように、ラックブッシュ23は、ハウジングとしてのエンドハウジング27内において弾性部材31により弾性支持されており、操舵開始時において、同弾性部材31の弾性変形を伴ってラック軸5と一体で軸方向に移動するように設けられている。
次に、本実施形態のラックブッシュによるラック軸支持構造について詳細に説明する。
図2及び図3に示すように、ラックブッシュ23は、ハウジングとしてのエンドハウジング27内において弾性部材31により弾性支持されており、操舵開始時において、同弾性部材31の弾性変形を伴ってラック軸5と一体で軸方向に移動するように設けられている。
詳述すると、円筒状に形成されたエンドハウジング27は、ラック軸5が挿通される小径部32と、小径部32の軸方向一端側(図3における右側)に設けられて小径部32よりも大きな内径を有する収容部33と、収容部33の軸方向一端側に設けられて収容部33の内径よりも大きな内径を有する開口端部34とを有している。
図3に示すように、収容部33の内周面には、弾性部材31が係合するハウジング側凹部35が形成されている。本実施形態のハウジング側凹部35は、エンドハウジング27の周方向に延びる円環溝状に形成されるとともに、断面コ字状に形成されている。小径部32の内径は、ラックブッシュ23の外径よりも小さく形成されるとともに、開口端部34には、ラックブッシュ23の外径よりも小さな内径を有する環状のストッパ部材37が固定されている。そして、小径部32とストッパ部材37との間隔は、ラックブッシュ23の軸方向長さよりも大きくなるように形成されており、ラックブッシュ23は、小径部32及びストッパ部材37との間にそれぞれ軸方向の隙間が形成されるようにエンドハウジング27の収容部33内に設けられている。これにより、ラックブッシュ23は、各隙間が形成された所定範囲内で軸方向に移動可能に設けられている。
ラックブッシュ23は、樹脂材料により構成されるとともに、ラック軸5を摺動可能に支持する略円筒状の内側半体41と、内側半体41の径方向外側に配置される略円筒状の外側半体42とに分割して形成されている。
内側半体41は、薄肉部43と、同薄肉部43よりも大きな外径を有する厚肉部44と、薄肉部43と厚肉部44とを接続する接続部45を有している。薄肉部43及び厚肉部44は、それぞれ外径が軸方向に沿って一定となるように形成されるとともに、接続部45は、外径が厚肉部44側から薄肉部43側に向かうにつれて縮径するテーパ状に形成されている。なお、内側半体41の内径は、ラック軸5の外径よりも僅かに小さく形成されており、ラック軸5が軽圧入されて滑らかに摺動可能となっている。
外側半体42の軸方向中央付近には、径方向に貫通するブッシュ側凹部としての貫通孔47が形成されている。本実施形態では、貫通孔47は、ラック軸5の軸方向に沿った長さがハウジング側凹部35と略同一となる断面四角形状に形成されるとともに、周方向に等角度間隔で複数(本実施形態では、8つ)形成されている。外側半体42は、その内径が内側半体41の厚肉部44の外径よりも小さく形成されており、薄肉部43、厚肉部44及び接続部45との間に隙間が形成されるようになっている。
図3及び図4に示すように、弾性部材31は、ゴム等の弾性材料により構成されるとともに、円環状に形成されて内側半体41に外嵌される環状部51と、環状部51から径方向外側に延出されて貫通孔47に挿通される複数の凸部52とを有している。
環状部51は、内側半体41の厚肉部44と外側半体42との間に形成される隙間よりも肉薄に形成されるとともに、その内径が内側半体41における薄肉部43の外径と略等しく形成されている。そして、環状部51は、拡径した状態で厚肉部44の外周に配置されている。
凸部52は、貫通孔47の形状に対応した略直方体状に形成されており、同凸部52の軸方向両側の側面が貫通孔47の内周面、及びハウジング側凹部35の側面に当接する。つまり、弾性部材31の凸部52は、エンドハウジング27のハウジング側凹部35及び外側半体42(ラックブッシュ23)の貫通孔47の双方に係合している。そして、凸部52は、環状部51が厚肉部44上に配置された状態で、その先端がハウジング側凹部35の底面に当接するような大きさに形成されており、ラックブッシュ23を径方向に支持している。なお、本実施形態では、凸部52は、環状部51が薄肉部43上に配置された状態で僅かにハウジング側凹部35内に挿入されるように形成されている(図6参照)。
図3に示すように、内側半体41の軸方向一端部には、径方向外側に突出する係合突部48が形成されるとともに、外側半体42の軸方向一端部には、係合突部が係合する係合凹部49が形成されている。そして、内側半体41の係合突部48が外側半体42の係合凹部49に係合することにより、外側半体42と内側半体41とが互いに軸方向に相対移動することが規制されている。すなわち、本実施形態では、係合突部48及び係合凹部49により規制手段が構成されている。これにより、弾性部材31が厚肉部44上に配置されて凸部52がハウジング側凹部35の底面に当接した状態が保持される構成となっている。
このように構成されたステアリング装置1では、弾性部材31の凸部52がハウジング側凹部35及び貫通孔47の双方に係合しているため、図5に示すように、ラックブッシュ23がラック軸5と一体で移動する際に、弾性部材31がラックブッシュ23及びエンドハウジング27に対して摺動せず、弾性変形するようになる。なお、図5では、ラックブッシュ23が軸方向一端側に移動する状態を示したが、ラックブッシュ23が軸方向他端側へ移動する際にも、同様に弾性部材31はラックブッシュ23及びエンドハウジング27に対して摺動せず、弾性変形するようになる。そして、操舵開始時において、弾性部材31の弾性変形を伴ってラック軸5とラックブッシュ23とが一体で軸方向に移動することにより、ラック軸5がラックブッシュ23に対して摺動せずに軸方向に移動可能となり、操舵開始時に生じる引っ掛かり感が低減される。
また、弾性部材31の弾性変形を伴ってラックブッシュ23とラック軸5とが一体で移動するため、ラックブッシュ23が小径部32又はストッパ部材37に当接し、ラック軸5がラックブッシュ23に対して摺動し始めるときに、ラックブッシュ23は弾性部材31の復元力により移動前の位置に近づく。詳しくは、ラック軸5がラックブッシュ23に対して摺動し始めるときに、静止摩擦から動摩擦が作用するようになるため、これらの間の摺動抵抗に比べて相対的に弾性部材31の復元力が大きくなることで、弾性部材31の形状が元に戻るとともに、ラックブッシュ23が移動前の位置に近づくように移動する。これにより、ラックブッシュ23の軸方向両側に隙間が形成された状態が維持されるため、一方向に操舵した後、ステアリング2を戻さずに再度、同一方向に操舵する場合でも、引っ掛かり感が低減される。
次に、ラックブッシュ23の組み付けについて説明する。
ラックブッシュ23が移動する際に、弾性部材31がハウジング側凹部35及び貫通孔47から抜け出ることを防ぎ、これらハウジング側凹部35及び貫通孔47の双方に対して係合した状態を確実に維持するためには、弾性部材31がハウジング側凹部35及び貫通孔47に挿入される量(以下、係合量という)を大きくする必要がある。ここで、弾性部材31が設けられたラックブッシュ23をエンドハウジング27内に挿入する場合には、弾性部材31を圧縮させた状態でラックブッシュ23をエンドハウジング27内に挿入することになる。そのため、弾性部材31の貫通孔47への係合量α1は容易に大きくできるものの、弾性部材31のハウジング側凹部35への係合量α2を大きくしようとすると、ラックブッシュ23の組み付けが困難になる。
ラックブッシュ23が移動する際に、弾性部材31がハウジング側凹部35及び貫通孔47から抜け出ることを防ぎ、これらハウジング側凹部35及び貫通孔47の双方に対して係合した状態を確実に維持するためには、弾性部材31がハウジング側凹部35及び貫通孔47に挿入される量(以下、係合量という)を大きくする必要がある。ここで、弾性部材31が設けられたラックブッシュ23をエンドハウジング27内に挿入する場合には、弾性部材31を圧縮させた状態でラックブッシュ23をエンドハウジング27内に挿入することになる。そのため、弾性部材31の貫通孔47への係合量α1は容易に大きくできるものの、弾性部材31のハウジング側凹部35への係合量α2を大きくしようとすると、ラックブッシュ23の組み付けが困難になる。
ここで、上記のように内側半体41は、外径の異なる薄肉部43及び厚肉部44を有するため、内側半体41と外側半体42との相対位置に応じて、貫通孔47内に配置された凸部52が外側半体42から突出する量、つまりハウジング側凹部35への係合量α2が変化する。具体的には、薄肉部43の外径は厚肉部44の外径よりも小さく形成されるため、図6に示すように、弾性部材31が薄肉部43上に配置される状態(貫通孔47と薄肉部43とが対向する状態)での係合量α2(突出量)は、弾性部材31が厚肉部44上に配置される状態(貫通孔47と厚肉部44とが対向する状態)での係合量α2(突出量)よりも小さくなる(図3参照)。また、接続部45は、テーパ状に形成されるため、内側半体41を外側半体42に対して相対移動させることにより、弾性部材31の軸方向位置を変化させずに、同弾性部材31が薄肉部43上に配置された状態から厚肉部44に配置された状態とし、その突出量を大きくすることが可能である。
この点を踏まえ、本実施形態のステアリング装置1の組み付けに際しては、弾性部材31が薄肉部43上に配置された状態のラックブッシュ23を、エンドハウジング27内に挿入し、弾性部材31の凸部52をエンドハウジング27のハウジング側凹部35に係合させる。続いて、内側半体41を軸方向他端側に押圧することにより、貫通孔47と厚肉部44とが対向するように同内側半体41を外側半体42に対して相対移動させる。これにより、弾性部材31のハウジング側凹部35への係合量α2が大きくなる。そして、内側半体41の係合突部48が外側半体42の係合凹部49に係合することにより、これら内側半体41と外側半体42との相対移動することが規制され、ラックブッシュ23が組み付けられる。なお、内側半体41を押圧する際に、内側半体41と弾性部材31との間に作用する摺動抵抗により外側半体42が軸方向他端側に移動しても、弾性部材31が薄肉部43上に配置された状態で凸部52がハウジング側凹部35に係合しているため、凸部52はハウジング側凹部35から抜け出ず、内側半体41の移動に伴って同ハウジング側凹部35に挿入される。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)ステアリング装置1は、エンドハウジング27(ラックハウジング21)とラック軸5との間に介装されて該ラック軸5を摺動可能に支持するラックブッシュ23を備えた。ラックブッシュ23を、エンドハウジング27内に軸方向へ移動可能に設けた。また、エンドハウジング27の内周面にハウジング側凹部35を形成するとともに、ラックブッシュ23に貫通孔47を形成した。そして、ハウジング側凹部35及び貫通孔47の双方に係合する弾性部材31を備えた。
(1)ステアリング装置1は、エンドハウジング27(ラックハウジング21)とラック軸5との間に介装されて該ラック軸5を摺動可能に支持するラックブッシュ23を備えた。ラックブッシュ23を、エンドハウジング27内に軸方向へ移動可能に設けた。また、エンドハウジング27の内周面にハウジング側凹部35を形成するとともに、ラックブッシュ23に貫通孔47を形成した。そして、ハウジング側凹部35及び貫通孔47の双方に係合する弾性部材31を備えた。
上記構成によれば、弾性部材31は、ハウジング側凹部35及び貫通孔47の双方に係合するため、ラックブッシュ23がラック軸5と一体で移動する際に、ラックブッシュ23及びエンドハウジング27に対して摺動せず、弾性変形するようになる。そして、操舵開始時において、弾性部材31の弾性変形を伴ってラック軸5とラックブッシュ23とが一体で軸方向に移動することにより、引っ掛かり感を低減して良好な操舵フィーリングを実現することができる。また、弾性部材31の弾性変形を伴ってラックブッシュ23とラック軸5とが一体で移動するため、ラック軸5が摺動し始めるときに、弾性部材31の復元力によりラックブッシュ23の位置を移動前の位置に近づけることができ、確実に引っ掛かり感を低減できる。従って、上記構成では、別途設けられる弾性部材31をハウジング側凹部35及び貫通孔47の双方に係合するように各部材を組み付ければよいため、非特許文献1のように弾性材をラックブッシュにコーティングすることにより形成する場合に比べ、ステアリング装置1を容易に製造することができるようになる。
(2)ラックブッシュ23を、ラック軸5を摺動可能に支持する筒状の内側半体41と、内側半体41の径方向外側に配置される筒状の外側半体42とに分割して形成した。内側半体は、薄肉部43と、該薄肉部43よりも大きな外径を有する厚肉部44と、薄肉部43と厚肉部44とを接続する接続部45と、を有し、外側半体42は、径方向に貫通する貫通孔47を有する。そして、貫通孔47と厚肉部44とが対向した状態で外側半体42と内側半体41とが互いに軸方向に相対移動することが規制されるようにした。上記構成では、弾性部材31が薄肉部43上に配置される状態でラックブッシュ23をエンドハウジング27内に挿入した後に、弾性部材31が厚肉部44上に配置されるように内側半体41を外側半体42に対して相対移動させることで、弾性部材31が設けられたラックブッシュ23をエンドハウジング27に組み付ける場合においても、ハウジング側凹部35への係合量α2を大きくしつつ、容易にラックブッシュ23を組み付けることができる。
(3)外側半体42に複数の貫通孔47を形成した。そして、弾性部材31を、環状に形成された環状部51と、環状部51から径方向外側に延出されてハウジング側凹部35及び貫通孔47の双方に係合する複数の凸部52とから構成した。上記構成によれば、ハウジング側凹部35及び各貫通孔47にそれぞれ係合する複数の弾性部材31を用いる場合に比べ、部品点数を削減することができる。また、凸部52の径方向内側端部が環状部51に連結されているため、凸部52(弾性部材31)が貫通孔47から抜け出ることを確実に防止できる。
(4)内側半体41に係合突部48を形成するとともに、外側半体42に係合突部48に係合する係合凹部49を形成した。これにより、簡易な構成で内側半体41と外側半体42との相対移動を規制することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。なお、説明の便宜上、同一の構成については上記第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。なお、説明の便宜上、同一の構成については上記第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図7に示すように、エンドハウジング27は、収容部33と開口端部34との間に、収容部33の内径よりも大きく、且つ開口端部34の内径よりも小さな内径の拡径部61を有している。一方、ストッパ部材37には、収容部33の内径と略等しい内径を有する円筒状の凹部形成部62が軸方向他端側に延出されている。凹部形成部62は、拡径部61の軸方向長さよりも短く形成されており、収容部33との間に軸方向に間隔を空けて拡径部61内に設けられている。これにより、収容部33と凹部形成部62との間に軸方向の隙間が形成されるようになっており、収容部33の軸方向一端部と凹部形成部62の軸方向他端部とにより、エンドハウジング27の周方向に延びる断面略四角形の溝状に形成されたハウジング側凹部63が構成されている。従って、本実施形態では、ストッパ部材37により凹部形成部材が構成されている。
また、拡径部61の軸方向一端側には、同拡径部61よりも内径が大きな開口端部34のみが形成されており、エンドハウジング27は、ストッパ部材37を拡径部61における収容部33と反対側(エンドハウジング27の軸方向一端側)の端部から挿入可能に形成されている。
ラックブッシュ64は、円筒状に形成されるとともに、ラックブッシュ64の外周面には、ブッシュ側凹部65が形成されている。本実施形態のブッシュ側凹部65は、ラックブッシュ64の周方向に延びる円環状に形成されるとともに、断面コ字状に形成されている。そして、ラックブッシュ64は、小径部32及びストッパ部材37との間にそれぞれ軸方向の隙間が形成されるように収容部33及び凹部形成部62内に設けられている。これにより、ラックブッシュ64は、各隙間が形成された所定範囲内で軸方向に移動可能に設けられている。
弾性部材66は、円環状に形成されるとともに、ハウジング側凹部63の側面(小径部32及び凹部形成部62の軸方向端面)及びブッシュ側凹部65の側面に当接するような断面略円形状に形成されている。つまり、ハウジング側凹部63及びブッシュ側凹部65の双方に係合している。また、弾性部材66は、エンドハウジング27におけるハウジング側凹部63の底面(拡径部61の内周面)に当接するとともに、ラックブッシュ64におけるブッシュ側凹部65の底面に当接するように形成されており、ラックブッシュ64を径方向に支持している。
このように構成されたステアリング装置1では、上記第1実施形態と同様に、弾性部材66がハウジング側凹部63及びブッシュ側凹部65の双方に係合しているため、ラックブッシュ64がラック軸5と一体で移動する際に、弾性部材66がラックブッシュ64及びエンドハウジング27に対して摺動せず、弾性変形する。
次に、ラックブッシュ64の組み付けについて説明する。
図8に示すように、ストッパ部材37をエンドハウジング27に挿入する前の状態では、収容部33よりも大きな内径を有し、ハウジング側凹部63の底面を構成する拡径部61内に弾性部材66を挿入することになる。そのため、弾性部材66のラックブッシュ64からの突出量、つまりハウジング側凹部63への係合量α2を大きくしても、弾性部材66を大きく圧縮させずに、ラックブッシュ64をエンドハウジング27内に挿入可能となる。この点を踏まえ、本実施形態では、弾性部材66が装着された状態のラックブッシュ64をエンドハウジング27内に挿入した後、ストッパ部材37を開口端部34に固定することで、ラックブッシュ64がエンドハウジング27に組み付けられる。
図8に示すように、ストッパ部材37をエンドハウジング27に挿入する前の状態では、収容部33よりも大きな内径を有し、ハウジング側凹部63の底面を構成する拡径部61内に弾性部材66を挿入することになる。そのため、弾性部材66のラックブッシュ64からの突出量、つまりハウジング側凹部63への係合量α2を大きくしても、弾性部材66を大きく圧縮させずに、ラックブッシュ64をエンドハウジング27内に挿入可能となる。この点を踏まえ、本実施形態では、弾性部材66が装着された状態のラックブッシュ64をエンドハウジング27内に挿入した後、ストッパ部材37を開口端部34に固定することで、ラックブッシュ64がエンドハウジング27に組み付けられる。
以上記述したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態の(1)の作用効果に加え、以下の作用効果を奏することができる。
(5)エンドハウジング27は、ラックブッシュ64を収容する収容部33と、収容部33に隣接するとともに該収容部33の内径よりも大きな内径を有する拡径部61と、を有し、収容部33との間に軸方向の隙間が形成されるように拡径部61に設けられる凹部形成部62を有するストッパ部材37を備えた。そして、エンドハウジング27を、拡径部61における収容部33と反対側の端部からストッパ部材37の凹部形成部62を挿入可能に形成し、収容部33と凹部形成部62とによりハウジング側凹部63を構成した。上記構成によれば、弾性部材66が装着された状態のラックブッシュ64をエンドハウジング27内に挿入した後、ストッパ部材37を固定することで、弾性部材66が設けられたラックブッシュ64をエンドハウジング27に組み付ける場合においても、ハウジング側凹部63への係合量α2を大きくしつつ、容易に組み付けることができる。
(5)エンドハウジング27は、ラックブッシュ64を収容する収容部33と、収容部33に隣接するとともに該収容部33の内径よりも大きな内径を有する拡径部61と、を有し、収容部33との間に軸方向の隙間が形成されるように拡径部61に設けられる凹部形成部62を有するストッパ部材37を備えた。そして、エンドハウジング27を、拡径部61における収容部33と反対側の端部からストッパ部材37の凹部形成部62を挿入可能に形成し、収容部33と凹部形成部62とによりハウジング側凹部63を構成した。上記構成によれば、弾性部材66が装着された状態のラックブッシュ64をエンドハウジング27内に挿入した後、ストッパ部材37を固定することで、弾性部材66が設けられたラックブッシュ64をエンドハウジング27に組み付ける場合においても、ハウジング側凹部63への係合量α2を大きくしつつ、容易に組み付けることができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記第1実施形態では、凸部52を、環状部51が内側半体41の薄肉部43上に配置された状態で外側半体42の外周面よりも僅かに突出するように形成した。しかし、これに限らず、内側半体41を外側半体42に対して相対移動させる際に(図6参照)、治具等により外側半体42の移動を規制する場合には、凸部52が外側半体42の外周面から突出しないように弾性部材31を形成してもよい。
・上記第1実施形態では、凸部52を、環状部51が内側半体41の薄肉部43上に配置された状態で外側半体42の外周面よりも僅かに突出するように形成した。しかし、これに限らず、内側半体41を外側半体42に対して相対移動させる際に(図6参照)、治具等により外側半体42の移動を規制する場合には、凸部52が外側半体42の外周面から突出しないように弾性部材31を形成してもよい。
・上記第1実施形態では、接続部45を、その外径が厚肉部44側から薄肉部43側に向かうにつれて連続的に縮径するテーパ状に形成した。しかし、これに限らず、内側半体41を外側半体42に対して相対移動させることにより、弾性部材31が薄肉部43上に配置された状態から厚肉部44に配置された状態とすることができれば、例えば接続部45の外径がステップ状(階段状)に変化するようにしてもよい。
・上記第1実施形態では、外側半体42に係合突部48を形成するとともに、内側半体41に係合凹部49を形成したが、内側半体41に係合突部48を形成するとともに、外側半体42に係合凹部49を形成してもよい。また、係合突部48及び係合凹部49に限らず、内側半体41と外側半体42との相対移動を規制できればよく、例えばネジ等により内側半体41と外側半体42とを締結してもよい。
・上記第1実施形態では、弾性部材31を環状部51と、環状部51から径方向外側に延出されて各貫通孔47に挿入される複数の凸部52とから構成した。しかし、これに限らず、例えば弾性部材31を直方体状に形成するとともに、複数の弾性部材31を各貫通孔47にそれぞれ挿入するようにしてもよい。また、貫通孔47を1つのみ形成するようにしてもよい。
・上記第1実施形態では、ハウジング側凹部35をエンドハウジング27の周方向に延びる溝状に形成するとともに貫通孔47を断面四角形状に形成したが、これに限らず、弾性部材31の凸部52が係合すれば、ハウジング側凹部35及び貫通孔47はどのような形状でもよい。同様に、上記第2実施形態において、弾性部材66が係合すれば、ハウジング側凹部63及びブッシュ側凹部65はどのような形状でもよい。
・上記第1実施形態では、凸部52を直方体状に形成したが、これに限らず、ハウジング側凹部35及び貫通孔47(ブッシュ側凹部)の双方に係合すれば、例えば円柱状等の他の形状でもよい。同様に、上記第2実施形態において、弾性部材66を断面四角形状等の他の形状にしてもよい。
・上記第2実施形態では、ストッパ部材37に凹部形成部62を一体形成したが、これに限らず、ストッパ部材37とは別体で、溝形成部材を設けるようにしてもよい。
・上記第各実施形態では、ラックブッシュ23,64が小径部32又はストッパ部材37に当接することで、その移動が規制されるようにした。しかし、これに限らず、エンドハウジング27が小径部32を有さない構成とするとともにストッパ部材37を設けず、ラックブッシュ23,64が小径部32又はストッパ部材37に当接しない構成としてもよい。なお、この場合には、弾性部材31が弾性変形可能な範囲でラックブッシュ23,64が移動可能になる。
・上記第各実施形態では、ラックブッシュ23,64が小径部32又はストッパ部材37に当接することで、その移動が規制されるようにした。しかし、これに限らず、エンドハウジング27が小径部32を有さない構成とするとともにストッパ部材37を設けず、ラックブッシュ23,64が小径部32又はストッパ部材37に当接しない構成としてもよい。なお、この場合には、弾性部材31が弾性変形可能な範囲でラックブッシュ23,64が移動可能になる。
・上記各実施形態では、ステアリング装置1は、ラックブッシュ23,64を1つのみ備える構成としたが、これに限らず、2以上のラックブッシュ23,64を備える構成としてもよい。この場合、例えばラックハウジング21の両端、すなわちエンドハウジング27とギアハウジング26の各外方端近傍に、計2つのラックブッシュ23,64を設けるようにできる。
・上記各実施形態では、本発明をラックチューブ25、ギアハウジング26及びエンドハウジング27によりラックハウジング21が構成されたステアリング装置1に具体化した。しかし、これに限らず、これらラックチューブ25、ギアハウジング26及びエンドハウジング27が一体で形成された一体式のラックハウジングを有するステアリング装置に具体化してもよい。また、ステアリング装置1は、マニュアル式のものに限らずパワーステアリング装置に具体化してもよく、その形式は、油圧式でも電動式であってもよい。
次に、上記各実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(イ)ハウジングとラック軸との間に介装されて該ラック軸を摺動可能に支持するラックブッシュにおいて、前記ラック軸を摺動可能に支持する筒状の内側半体と、前記内側半体の径方向外側に配置される筒状の外側半体とを備え、前記内側半体は、薄肉部と、該薄肉部よりも大きな外径を有する厚肉部と、前記薄肉部と前記厚肉部とを接続する接続部とを有し、前記外側半体は、径方向に貫通するとともに前記ハウジングの内周面に形成されたハウジング側凹部に係合する弾性部材が挿入される貫通孔を有し、前記貫通孔と前記厚肉部とが対向した状態で前記外側半体と前記内側半体とが互いに軸方向に相対移動することを規制する規制手段を備えたことを特徴とするラックブッシュ。上記構成によれば、請求項2と同様の作用効果を奏することができる。
(イ)ハウジングとラック軸との間に介装されて該ラック軸を摺動可能に支持するラックブッシュにおいて、前記ラック軸を摺動可能に支持する筒状の内側半体と、前記内側半体の径方向外側に配置される筒状の外側半体とを備え、前記内側半体は、薄肉部と、該薄肉部よりも大きな外径を有する厚肉部と、前記薄肉部と前記厚肉部とを接続する接続部とを有し、前記外側半体は、径方向に貫通するとともに前記ハウジングの内周面に形成されたハウジング側凹部に係合する弾性部材が挿入される貫通孔を有し、前記貫通孔と前記厚肉部とが対向した状態で前記外側半体と前記内側半体とが互いに軸方向に相対移動することを規制する規制手段を備えたことを特徴とするラックブッシュ。上記構成によれば、請求項2と同様の作用効果を奏することができる。
1…ステアリング装置、5…ラック軸、21…ラックハウジング、27…エンドハウジング、23,64…ラックブッシュ、31,66…弾性部材、32…小径部、33…収容部、34…開口端部、35,63…ハウジング側凹部35…ストッパ部材、41…内側半体、42…外側半体、43…薄肉部、44…厚肉部、45…接続部、47…貫通孔、48…係合突部、49…係合凹部、51…環状部、52…凸部、61…拡径部、62…凹部形成部、65…ブッシュ側凹部、α1,α2…係合量。
Claims (5)
- ハウジング内において軸方向に往復動可能に設けられるラック軸と、前記ハウジングと前記ラック軸との間に介装されて該ラック軸を摺動可能に支持するラックブッシュとを備えたステアリング装置において、
前記ラックブッシュは、前記ハウジング内に軸方向へ移動可能に設けられ、
前記ハウジングの内周面にはハウジング側凹部が形成されるとともに、前記ラックブッシュの外周面にはブッシュ側凹部が形成され、
前記ハウジング側凹部及び前記ブッシュ側凹部の双方に係合する弾性部材を備えたことを特徴とするステアリング装置。 - 請求項1に記載のステアリング装置において、
前記ラックブッシュは、前記ラック軸を摺動可能に支持する筒状の内側半体と、前記内側半体の径方向外側に配置される筒状の外側半体とに分割して形成され、
前記内側半体は、薄肉部と、該薄肉部よりも大きな外径を有する厚肉部と、前記薄肉部と前記厚肉部とを接続する接続部と、を有し、
前記外側半体は、径方向に貫通する前記ブッシュ側凹部としての貫通孔を有し、
前記貫通孔と前記厚肉部とが対向した状態で、前記外側半体と前記内側半体とが互いに軸方向に相対移動することを規制する規制手段を備えたことを特徴とするステアリング装置。 - 請求項2に記載のステアリング装置において、
前記外側半体には、複数の前記貫通孔が形成され、
前記弾性部材は、環状に形成された環状部と、前記環状部から径方向外側に延出されて前記貫通孔及び前記ハウジング側凹部の双方に係合する複数の凸部と、を有することを特徴とするステアリング装置。 - 請求項2又は3に記載のステアリング装置において、
前記規制手段は、前記内側半体及び前記外側半体のいずれか一方に形成された係合突部と、いずれか他方に形成されて前記係合突部に係合する係合凹部と、を有することを特徴とするステアリング装置。 - 請求項1に記載のステアリング装置において、
前記ハウジングは、前記ラックブッシュを収容する収容部と、前記収容部に隣接するとともに該収容部の内径よりも大きな内径を有する拡径部と、を有し、
前記収容部との間に軸方向の隙間が形成されるように前記拡径部に設けられる凹部形成部材を備え、
前記ハウジングは、前記凹部形成部材を前記拡径部における前記収容部と反対側の端部から挿入可能に形成され、
前記ハウジング側凹部は、前記収容部と前記凹部形成部材とにより構成されることを特徴とするステアリング装置。
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