JP2012034620A - 1,2−ジクロロエタンをエチレンに無毒化するジオバクター属細菌 - Google Patents
1,2−ジクロロエタンをエチレンに無毒化するジオバクター属細菌 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012034620A JP2012034620A JP2010177483A JP2010177483A JP2012034620A JP 2012034620 A JP2012034620 A JP 2012034620A JP 2010177483 A JP2010177483 A JP 2010177483A JP 2010177483 A JP2010177483 A JP 2010177483A JP 2012034620 A JP2012034620 A JP 2012034620A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bacterium
- geobacter
- dechlorination
- dechlorinase
- amino acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
【解決手段】嫌気的脱塩素化反応により1,2-ジクロロエタンをエチレンに分解できるジオバクター属細菌が提供される。当該細菌は1,2-ジクロロエタンを電子受容体として利用できる。
【選択図】図1
Description
[1]以下の特性を備える、ジオバクター属細菌:
(1)嫌気的脱塩素化反応により1,2-ジクロロエタンをエチレンに分解する;
(2)1,2-ジクロロエタンを電子受容体として利用できる;
[2]以下の特性を更に備える、[1]に記載のジオバクター属細菌:
(3)テトラクロロエチレン、1,1,2-トリクロロエタン、2,4,6-トリクロロフェノール及びヘキサクロロベンゼンを分解しない。
[3]16SリボソームRNA遺伝子の配列に関して、ジオバクター・ラブイSZ株との間で99.7%の相同性を示す、[1]に記載のジオバクター属細菌。
[4]16SリボソームRNA遺伝子の配列が、配列番号1に示す配列である、[1]に記載のジオバクター属細菌。
[5]受託番号がFERM P−21949である、[1]に記載のジオバクター属細菌。
[6][1]〜[5]のいずれか一項に記載のジオバクター属細菌を含有する、浄化剤。
[7]塩素化エチレンに対する脱塩素化能を有する細菌を更に含有する、[6]に記載の浄化剤。
[8]前記細菌として、塩化ビニルに対する脱塩素化能を有する細菌が用いられる、[7]に記載の浄化剤。
[9]前記細菌として、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン又はシス1,2-ジクロロエチレンに対する脱塩素化能を有する細菌と、塩化ビニルに対する脱塩素化能を有する細菌が併用される、[7]に記載の浄化剤。
[10]1,2-ジクロロエタンを含有する汚染物に対して[1]〜[5]のいずれか一項に記載のジオバクター属細菌を作用させることを特徴とする、浄化方法。
[11]塩素化エチレンに対する脱塩素化能を有する細菌を併用することを特徴とする、[10]に記載の浄化方法。
[12]前記細菌として、塩化ビニルに対する脱塩素化能を有する細菌が用いられる、[11]に記載の浄化方法。
[13]前記細菌として、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン又はシス1,2-ジクロロエチレンに対する脱塩素化能を有する細菌と、塩化ビニルに対する脱塩素化能を有する細菌が併用される、[11]に記載の浄化方法。
[14]配列番号4に示すアミノ酸配列、又は該アミノ酸配列と等価なアミノ酸配列を有する脱塩素化酵素。
[15]等価なアミノ酸配列が、配列番号4に示すアミノ酸配列と90%以上同一のアミノ酸配列である、[14]に記載の脱塩素化酵素。
[16][14]又は[15]に記載の脱塩素化酵素を有効成分とする酵素剤。
[17]以下の(A)〜(C)からなる群より選択されるいずれかのDNAからなる脱塩素化酵素遺伝子:
(A)配列番号4に示すアミノ酸配列をコードするDNA;
(B)配列番号3に示す塩基配列からなるDNA;
(C)配列番号3に示す塩基配列と等価な塩基配列を有し、且つ脱塩素化活性を有するタンパク質をコードするDNA。
[18][17]に記載の脱塩素化酵素遺伝子を含有する組換えベクター。
[19][17]に記載の脱塩素化酵素遺伝子が導入されている形質転換体。
[20]以下のステップ(1)及び(2)、又はステップ(i)及び(ii)を含んでなる、脱塩素化酵素の製造法:
(1)嫌気的脱塩素化反応によって1,2-ジクロロエタンをエチレンに無毒化する脱塩素化酵素を発現するジオバクター属細菌を培養するステップ;
(2)培養後の培養液及び/又は菌体より、脱塩素化酵素を回収するステップ;
(i)[17]に記載の形質転換体を、前記遺伝子がコードするタンパク質が産生される条件下で培養するステップ;
(ii)産生された前記タンパク質を回収するステップ。
[21]前記ジオバクター属細菌が、受託番号FERM P−21949で特定される菌株である、[20]に記載の製造法。
(1)嫌気的脱塩素化反応により1,2-ジクロロエタン(1,2-DCA)をエチレンに分解する。
(2)1,2-ジクロロエタン(1,2-DCA)を電子受容体として利用できる。
寄託機関:独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(〒305-8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番1号 中央第6)
寄託日(受領日):平成22年4月5日
受託番号:FERM P−21949
デスルフォモナイル・ティージェイDCB-1株: PCE、TCE
デハロスピリラム・マルチボランス: PCE、TCE
デハロバクター・レストリクタスPER-K23株: PCE、TCE
デハロバクター・レストリクタスTEA株: PCE、TCE
デサルフィトバクテリウム・デハロゲナンス: PCE、TCE
デサルフィトバクテリウム sp. PCE1株: PCE、TCE
デサルフィトバクテリウムsp. PCE-S株: PCE、TCE
デサルフィトバクテリウム・フラピエリTCE1株: PCE、TCE
デサルフィトバクテリウムsp. Y51株: PCE、TCE
デスルフォモナス・クロロエテニカTT4B株: PCE、TCE
クロストリジウム・バイファーメンタンスDPH-1株: PCE、TCE
デハロコッコイデス・エタノジェネス195株: 1,2-DCA、PCE、TCE、シス-DCE
デハロコッコイデス sp. GT株: VC
デハロコッコイデス sp. VS株: VC
本発明の脱塩素化酵素は配列番号4のアミノ酸配列を有するタンパク質からなるという特徴を備える。ここで、一般に、あるタンパク質のアミノ酸配列の一部に改変を施した場合において改変後のタンパク質が改変前のタンパク質と同等の機能を有することがある。即ちアミノ酸配列の改変がタンパク質の機能に対して実質的な影響を与えず、タンパク質の機能が改変前後において維持されることがある。そこで本発明は他の態様として、配列番号4に示すアミノ酸配列と等価なアミノ酸配列からなり、脱塩素化活性を有するタンパク質(以下、「等価タンパク質」ともいう)を提供する。ここでの「等価なアミノ酸配列」とは、配列番号4に示すアミノ酸配列と一部で相違するが、当該相違がタンパク質の機能(ここでは脱塩素化活性)に実質的な影響を与えていないアミノ酸配列のことをいう。等価タンパク質の脱塩素化活性の程度は、脱塩素化酵素としての機能を発揮できる限り特に限定されない。但し、配列番号4に示すアミノ酸配列からなるタンパク質と同程度又はそれよりも高いことが好ましい。
更なる局面として、本発明の酵素をコードする遺伝子、即ち新規な脱塩素化酵素遺伝子が提供される。一態様において本発明の遺伝子は、配列番号4のアミノ酸配列をコードするDNAからなる。当該態様の具体例は、配列番号3に示す塩基配列からなるDNAである。尚、本発明における「DNA」は2本鎖DNAに限らず、それを構成する1本鎖DNA(センス鎖及びアンチセンス鎖)を含む意味で用いられる。また、本発明のDNAにはコドンの縮重を考慮した任意の塩基配列を有するDNAが包含される。さらにはその形態も限定されず、cDNA、ゲノムDNA、合成DNAが含有される。
本発明のさらなる局面は本発明の遺伝子を含有する組換えベクターに関する。本明細書において用語「ベクター」は、それに挿入された核酸分子を細胞等のターゲット内へと輸送することができる核酸性分子をいい、その種類、形態は特に限定されるものではない。従って、本発明のベクターはプラスミドベクター、コスミドベクター、ファージベクター、ウイルスベクター(アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター等)の形態をとり得る。
rdhB遺伝子のDNA配列:配列番号5
rdhB遺伝子がコードするタンパク質のアミノ酸配列:配列番号6
rdhC遺伝子のDNA配列:配列番号7
rdhC遺伝子がコードするタンパク質のアミノ酸配列:配列番号8
rdhT遺伝子のDNA配列:配列番号9
rdhT遺伝子がコードするタンパク質のアミノ酸配列:配列番号10
本発明は更に、本発明の遺伝子が導入された形質転換体に関する。本発明の形質転換体では、本発明の遺伝子が外来性の分子として存在することになる。本発明の形質転換体は、好ましくは、上記本発明のベクターを用いたトランスフェクション乃至はトランスフォーメーションによって調製される。トランスフェクション、トランスフォーメーションはリン酸カルシウム共沈降法、エレクトロポーレーション(Potter, H. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 81, 7161-7165(1984))、リポフェクション(Felgner, P.L. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 84,7413-7417(1984))、マイクロインジェクション(Graessmann, M. & Graessmann,A., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 73,366-370(1976))、Hanahanの方法(Hanahan, D., J. Mol. Biol. 166, 557-580(1983))、酢酸リチウム法(Schiestl, R.H. et al., Curr. Genet. 16, 339-346(1989))、プロトプラスト−ポリエチレングリコール法(Yelton, M.M. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 81, 1470-1474(1984))等によって実施することができる。
本発明の更なる局面は脱塩素化酵素の製造法を提供する。本発明の製造法の一態様では、嫌気的脱塩素化反応によって1,2-ジクロロエタンをエチレンに無毒化する脱塩素化酵素を発現するジオバクター属細菌を培養するステップ(ステップ(1))及び培養後の培養液及び/又は菌体より、脱塩素化酵素を回収するステップ(ステップ(2))が行われる。ステップ(1)におけるジオバクター属細菌として例えば上記のAY株を用いることができる。培養法及び培養条件は、目的の酵素が生産されるものである限り特に限定されない。即ち、本発明の酵素が生産されることを条件として、使用する微生物の培養に適合した方法や培養条件を適宜設定できる。培養法としては液体培養、固体培養のいずれでも良いが、好ましくは液体培養が利用される。具体的な培養条件の設定にあたっては後述の実施例における培養条件が参考になる。
本発明の酵素は例えば酵素剤の形態で提供される。酵素剤は、有効成分(本発明の酵素)の他、賦形剤、緩衝剤、懸濁剤、安定剤、保存剤、防腐剤、生理食塩水などを含有していてもよい。賦形剤としては乳糖、ソルビトール、D-マンニトール、白糖等を用いることができる。緩衝剤としてはリン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩等を用いることができる。安定剤としてはプロピレングリコール、アスコルビン酸等を用いることができる。保存剤としてはフェノール、塩化ベンザルコニウム、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチルパラベン等を用いることができる。防腐剤としては塩化ベンザルコニウム、パラオキシ安息香酸、クロロブタノール等と用いることができる。
本発明の脱塩素化酵素又は酵素剤は、本発明のジオバクター属細菌の場合と同様に、1,2-DCAで汚染された(即ち、1,2-DCAを含有する)河川水、地下水、排水、土壌等の汚染物を浄化することに利用可能である。即ち、上記の浄化剤又はその有効成分として利用可能である。尚、塩素化エチレンに対する脱塩素化能を有する他の成分の併用も可能である。
1.方法
(1)1,2-DCA脱塩素化細菌の集積方法
1,2-DCAを含む埋設廃棄物場付近の河川堆積物を採取し、5mm孔径のふるいにかけた後、水分含量を65%に調製し、22℃で数週間保管した。湿重量10 gの堆積物を60 mL容量のガラスバイアル瓶に投入し、10 mLの蒸留水で満たした。この堆積物懸濁液について、窒素ガスで15分間曝気した後、塩酸希釈液でpHを7.0に調製し、さらに15分間窒素ガスで曝気した。これを、テフロン(登録商標)コーティングされたブチルゴム栓で密閉した後0.2 μm口径のフィルター滅菌した20 mM 乳酸ナトリウム、1 mg L-1レサズリンおよび1mM 1,2-ジクロロエタン(1,2-DCA)を滅菌済みのシリンジで添加し、30℃で培養を開始した。10日間の培養の後、1 mlの培養物を20mLの窒素置換した滅菌済みのAY-M培地(表1)に1mM 1,2-DCA、5mM 酢酸ナトリウムおよび10% 水素(気相、v/v)を加えたガラスバイアル瓶に植え継ぎ30℃で培養し、培養物気相の1,2-DCAが消失したら、再び新しいバイアル瓶に同様に植え継ぐことを10回以上繰り返した。
1,2-DCA脱塩素化細菌の分離は、アガーシェイク法により行った。1 mLの集積物を、AY-A培地(表2)を用いて10-4〜10-8希釈し、0.5%アガーを含むAY培地に混釈し固化した。30℃で4週間培養した後、アガー中に形成されたコロニーをAY培地に移し、再び培養し、1,2-DCAを脱塩素化するかどうか確認した。1,2-DCA脱塩素化能を確認できたコロニー培養物は、さらに5mM 酢酸ナトリウム、0.5 % 酵母エキス、10mM ピルビン酸ナトリウム、および10% 水素(気相、v/v)を添加したAY寒天培地を用いてさらに培養し、形成したコロニーを採取し単離した。
分離した1,2-DCA脱塩素化細菌株について、電子供与体および電子受容体の利用性を試験するため、0.01%酵母エキスを添加したAY-Mを基礎培地として用い、電子供与体および電子受容体の利用性を試験した。電子供与体の利用性試験は、lmM 1,2-DCAを電子受容体とした場合に、10%水素(気相、v/v)、5mM 酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、酪酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、フマル酸ナトリウム、ピルビン酸ナトリウム、グルコース、スクロース、フルクトース、エタノール、メタノールまたはブタノールを添加した場合に、1,2-DCAの脱塩素化が生じるか否かを試験した。電子受容体の利用性試験は、5mM 酢酸ナトリウムを電子供与体として添加した場合に、5mM 硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、フマル酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、鉄(III)が還元されるか否かを試験した。
培養物中の1,2-DCAおよび脱塩素化産物は、培養物気相のガスをガスクロマトグラフィー分析することにより検出・定量した。ガスクロマトグラフィー分析は、FID検出器およびBPX5キャピラリーカラム(SGE, Austin, TX, USA)を接続したAuto System XL(Perkinelmer, Wellesley, MA, USA)を用い、流速 1.0 ml min-1の窒素ガスをキャリヤーとして、カラム温度を80℃、インジェクターおよびディテクター温度を250℃に保ち、分析を行った。
培養物を、0.20μm孔径のフィルターでろ過滅菌したPBSE緩衝液で希釈し、この希釈液を0.22μm孔径のポリカボーネト黒色メンブレンフィルター(ミリポア社)上にろ過採取した。フィルター上に採取された細胞は、ProLong(登録商標)Gold Antifade Reagent with DAPI Special Packaging(インビトロジェン社)を用いて染色し、蛍光顕微鏡(オリンパス株式会社)下で観察し、蛍光画像をDP7 デジタルカメラ(オリンパス株式会社)で取り込んだ。1試料につき10視野以上1,000細胞以上をWinROOF program(株式会社フローベル)を用いてカウントし、1試料あたりの細胞数を算出した。
分離した1,2-DCA脱塩素化細菌を同定する目的で、大腸菌(E.coli)の16S rRNA遺伝子位置で8-1492に相当する部位を27f(配列番号11)および1492r(配列番号12)プライマーを用いてPCR増幅した。PCRは、培養物から遠心により集菌した細胞をプロテアーゼ処理により溶菌後、ボイルした溶菌液を鋳型とし、exTaq(タカラバイオ株式会社)を用いて行った。PCRサーマルサイクルプログラムには、95℃で2分の熱変性の後、95℃で1分、50℃で30秒、72℃で1分30秒を1サイクルとして30サイクル繰り返し、最後に72℃で2分保温するプログラムを用いた。得られたPCA産物は、QIAquick PCR purification kit (キアゲン社)を用いて精製し、さらにBigDye(登録商標)Terminator v3.1 Cycle Sequencing Kit (アプライドバイオシステムズ社)を用いてシーケンス反応を行い、反応物をABI PRISM(登録商標) 3100-genetic analyzer (アプライドバイオシステムズ社)で泳動し、塩基配列を決定した。塩基配列データはGENETYX(登録商標) ver 7.0 program (株式会社ゼネティックス)を用いて解析し、オンラインBLAST解析ツール(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/)を用いて、データベースと照合することで同定した。
(1)1,2-DCA脱塩素化細菌の集積・分離
1,2-DCAを含む有機塩素化合物で汚染された河川堆積物に1,2-DCAを添加し嫌気的に10日間培養した結果、培養物気相中の1,2-DCAは消失し、脱塩素化産物としてエチレンが検出された。そこで、さらなる集積を目的として、AY-A培地に植え継ぎ、再び10日間培養したところ、1,2-DCAのエチレンへの脱塩素化活性が維持された。本培養物について、培養物気相の1,2-DCAが消失したら、新しいバイアル瓶に同様に植え継ぐことを10回以上繰り返した。この集積培養物から1,2-DCA脱塩素化細菌を単離する目的で、集積物を10-4〜10-7に希釈しアガーシェイク培養を行った結果、採取した20コロニーのうち1コロニーが1,2-DCAをエチレンに脱塩素化した。このコロニー培養物をさらに純化する目的で、5mM 酢酸ナトリウム、0.5 % 酵母エキス、10mM ピルビン酸ナトリウム、および10% 水素(気相、v/v)を添加したAY寒天培地を用いてさらに培養したところ、単一の赤色コロニーが形成され、このコロニーを採取した培養物では、すべて1,2-DCAのエチレンへの脱塩素化が観察された。これより、本培養物は単一の1,2-DCA脱塩素化細菌からなる純粋培養物とみなし、AY株とした。図1に、AY株による1,2-DCA脱塩素化の様子を示す。
AY株の位相差顕微鏡写真および電子顕微鏡写真を図2および図3に示す。AY株は、直径約0.6μm、長さ約2.0μmのグラム陰性の桿菌であり、単鞭毛を持ち、運動性を有する。
分離したAY株の16S rRNA遺伝子を解析した結果、デルタプロテオバクテリアのジオバクター(Geobacter)属に属し、ジオバクター・ラブイ(Geobacter lovelyi)に最類縁であり、99.7%の相同性を示した。AY株の系統学的位置を示す系統樹を図4に示す。ジオバクター・ラブイは、テトラクロロエチレンを1,2-cisジクロロエチレンに脱塩素化することが知られているが、1,2-DCAを脱塩素化しないことが報告されている。これより、AY株は、ジオバクター・ラブイとは系統学的にも、脱塩素化機能からも異なる新奇な脱塩素化細菌であることが示された。
AY株は、1,2-DCA脱塩素化の電子供与体として、水素、酢酸、およびピルビン酸が利用可能で、酢酸を電子供与体として添加した場合に、1,2-DCA、硝酸、フマル酸、鉄(III)を電子受容体として生育した。テトラクロロエチレン、1,1,2-トリクロロエタン、2,4,6-トリクロロフェノール、ヘキサクロロベンゼンは脱塩素化せず、AY株の脱塩素化能は、1,2-DCAに極めて特異的であることが示唆された。
1.方法
分離した1,2-DCA脱塩素化細菌について、抽出DNAを断片化後、一本鎖DNAを調製し、エマルジョンPCRを行った後、Genome Sequencer FLX System (ロシュ・ダイアグノスティクス社)を用いた高速シーケンス解析を行った。解析データは、GS De Novo Assembler ver. 2.0 (ロシュ・ダイアグノスティクス社)を用いてアセンブルし、100bp以上の塩基配列長を有するコンティグについて、CRITICA(http://www.ttaxus.com/software.html)およびGlimmer2 ver. 2.10 (http://www.cbcb.umd.edu/software/glimmer/)を用いたORFのアノテーション作業を行った。
AY株のドラフトゲノム解析を行った結果、478コンティグ、計209,837 bpの部分配列を獲得した。得られたORFすべてのアノテーションを行い、脱塩素化酵素関連遺伝子のスクリーニングを行った結果、2つのコンティグ(以下、コンティグ1、コンティグ2とする)が脱塩素化酵素関連遺伝子を含んでいた(図5)。コンティグ1は、脱塩素化酵素(RDHA(配列番号4))をコードする遺伝子(rdhA(配列番号3))及び脱塩素化酵素の膜結合タンパク(RDHB(配列番号6))をコードする遺伝子(rdhB(配列番号5))を含み、コンティグ2は、rdhAの転写調節因子(RDHC(配列番号8))をコードする遺伝子(rdhC(配列番号7))及びリボソーム結合型シャペロンであるトリガー因子(RDHT(配列番号10))をコードする遺伝子(rdhT(配列番号9))を含んでいた。また、この2つのコンティグの他に脱塩素化関連遺伝子は検出されなかった。AY株のrdhAは、551アミノ酸残基(配列番号4)をコードしており、ペリプラズムへのタンパク質輸送システムとして知られるTat(twin arginine translocation)システム依存型タンパク質のシグナル配列の保存配列(RRXFXK(配列番号13))および4Fe4S型鉄硫黄クラスター結合モチーフの保存配列(CXXCXXCXXXCP(配列番号14))を有することから、鉄-硫黄中心を有するタンパク質で細胞膜に局在することが示唆された。これより、AY株による1,2-DCA脱塩素化は、RDHBにより細胞膜上に結合したRDHAにより行われ、rdhAはRDHCにより転写制御され、また、翻訳されたRDHAはRDHTによりフォールディングされることが示唆された。AY株のrdhAについてアミノ酸配列に基づく系統解析を行った結果、既知単離株ではFirmicutes門のDehalobacter restrictus PER-K23のテトラクロロエチレン脱塩素化酵素(配列番号15)に最も類縁で90.74%の相同性を有し、またコンソーシアとして獲得されているDehalobacter sp. WL株の1,2-DCA脱塩素化酵素(配列番号16)に96.92%の相同性を示した(図6)。一方で、16SrRNA遺伝子配列で最も高い相同性を示した脱塩素化細菌であるGeobacter lovlyei SZ株のテトラクロロエチレン脱塩素化酵素遺伝子とは38.25%の相同性を示した。以上より、AY株の1,2-DCA脱塩素化酵素遺伝子は、既知の1,2-DCA脱塩素化酵素遺伝子とはアミノ酸レベルで異なる配列を有する新規な酵素遺伝子であり、16SrRNA遺伝子の系統関係を反映していないことから、門レベルで異なる系統グループにまたがって水平伝播していることが示唆された。
本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
配列番号12工配列の説明:1492rプライマー
Claims (21)
- 以下の特性を備える、ジオバクター属細菌:
(1)嫌気的脱塩素化反応により1,2-ジクロロエタンをエチレンに分解する;
(2)1,2-ジクロロエタンを電子受容体として利用できる; - 以下の特性を更に備える、請求項1に記載のジオバクター属細菌:
(3)テトラクロロエチレン、1,1,2-トリクロロエタン、2,4,6-トリクロロフェノール及びヘキサクロロベンゼンを分解しない。 - 16SリボソームRNA遺伝子の配列に関して、ジオバクター・ラブイSZ株との間で99.7%の相同性を示す、請求項1に記載のジオバクター属細菌。
- 16SリボソームRNA遺伝子の配列が、配列番号1に示す配列である、請求項1に記載のジオバクター属細菌。
- 受託番号がFERM P−21949である、請求項1に記載のジオバクター属細菌。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のジオバクター属細菌を含有する、浄化剤。
- 塩素化エチレンに対する脱塩素化能を有する細菌を更に含有する、請求項6に記載の浄化剤。
- 前記細菌として、塩化ビニルに対する脱塩素化能を有する細菌が用いられる、請求項7に記載の浄化剤。
- 前記細菌として、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン又はシス1,2-ジクロロエチレンに対する脱塩素化能を有する細菌と、塩化ビニルに対する脱塩素化能を有する細菌が併用される、請求項7に記載の浄化剤。
- 1,2-ジクロロエタンを含有する汚染物に対して請求項1〜5のいずれか一項に記載のジオバクター属細菌を作用させることを特徴とする、浄化方法。
- 塩素化エチレンに対する脱塩素化能を有する細菌を併用することを特徴とする、請求項10に記載の浄化方法。
- 前記細菌として、塩化ビニルに対する脱塩素化能を有する細菌が用いられる、請求項11に記載の浄化方法。
- 前記細菌として、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン又はシス1,2-ジクロロエチレンに対する脱塩素化能を有する細菌と、塩化ビニルに対する脱塩素化能を有する細菌が併用される、請求項11に記載の浄化方法。
- 配列番号4に示すアミノ酸配列、又は該アミノ酸配列と等価なアミノ酸配列を有する脱塩素化酵素。
- 等価なアミノ酸配列が、配列番号4に示すアミノ酸配列と90%以上同一のアミノ酸配列である、請求項14に記載の脱塩素化酵素。
- 請求項14又は15に記載の脱塩素化酵素を有効成分とする酵素剤。
- 以下の(A)〜(C)からなる群より選択されるいずれかのDNAからなる脱塩素化酵素遺伝子:
(A)配列番号4に示すアミノ酸配列をコードするDNA;
(B)配列番号3に示す塩基配列からなるDNA;
(C)配列番号3に示す塩基配列と等価な塩基配列を有し、且つ脱塩素化活性を有するタンパク質をコードするDNA。 - 請求項17に記載の脱塩素化酵素遺伝子を含有する組換えベクター。
- 請求項17に記載の脱塩素化酵素遺伝子が導入されている形質転換体。
- 以下のステップ(1)及び(2)、又はステップ(i)及び(ii)を含んでなる、脱塩素化酵素の製造法:
(1)嫌気的脱塩素化反応によって1,2-ジクロロエタンをエチレンに無毒化する脱塩素化酵素を発現するジオバクター属細菌を培養するステップ;
(2)培養後の培養液及び/又は菌体より、脱塩素化酵素を回収するステップ;
(i)請求項17に記載の形質転換体を、前記遺伝子がコードするタンパク質が産生される条件下で培養するステップ;
(ii)産生された前記タンパク質を回収するステップ。 - 前記ジオバクター属細菌が、受託番号FERM P−21949で特定される菌株である、請求項20に記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010177483A JP5764880B2 (ja) | 2010-08-06 | 2010-08-06 | 1,2−ジクロロエタンをエチレンに無毒化するジオバクター属細菌 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010177483A JP5764880B2 (ja) | 2010-08-06 | 2010-08-06 | 1,2−ジクロロエタンをエチレンに無毒化するジオバクター属細菌 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012034620A true JP2012034620A (ja) | 2012-02-23 |
JP5764880B2 JP5764880B2 (ja) | 2015-08-19 |
Family
ID=45847353
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010177483A Expired - Fee Related JP5764880B2 (ja) | 2010-08-06 | 2010-08-06 | 1,2−ジクロロエタンをエチレンに無毒化するジオバクター属細菌 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5764880B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013212468A (ja) * | 2012-04-03 | 2013-10-17 | Toyohashi Univ Of Technology | 酢酸資化性の細胞外電子伝達微生物を用いた浄化剤及び浄化方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
IT201700008808A1 (it) * | 2017-01-27 | 2018-07-27 | Syndial S P A | Consorzio di microorganismi e metodo per il trattamento di corpi d’acqua contaminati da 1,2-dicloroetano |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001269175A (ja) * | 2000-03-27 | 2001-10-02 | Japan Science & Technology Corp | 新規なテトラクロロエチレン脱塩素化酵素遺伝子 |
JP2005211004A (ja) * | 2004-01-30 | 2005-08-11 | Kurita Water Ind Ltd | 塩素化エタン分解菌検出用核酸断片、検出方法および塩素化エタン分解方法 |
JP2005218322A (ja) * | 2004-02-03 | 2005-08-18 | Kurita Water Ind Ltd | 塩素化エタン分解菌検出用核酸断片、検出方法および塩素化エタン分解方法 |
-
2010
- 2010-08-06 JP JP2010177483A patent/JP5764880B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001269175A (ja) * | 2000-03-27 | 2001-10-02 | Japan Science & Technology Corp | 新規なテトラクロロエチレン脱塩素化酵素遺伝子 |
JP2005211004A (ja) * | 2004-01-30 | 2005-08-11 | Kurita Water Ind Ltd | 塩素化エタン分解菌検出用核酸断片、検出方法および塩素化エタン分解方法 |
JP2005218322A (ja) * | 2004-02-03 | 2005-08-18 | Kurita Water Ind Ltd | 塩素化エタン分解菌検出用核酸断片、検出方法および塩素化エタン分解方法 |
Non-Patent Citations (13)
Title |
---|
JPN6014051282; Appl. Environ. Microbiol., 2009, Vol.75, p.2684-2693 * |
JPN6014051285; Appl. Environ. Microbiol., 2007, Vol.73, p.2990-2999 * |
JPN6014051288; Microbial Cell Factories., FEB-2010, 9:12 * |
JPN6014051290; MASSIMO MM et al., Database UniProt[online], Accession No.C7BUV7, <http://www.uniprot.org/uniprot/C7 * |
JPN6014051291; MASSIMO MM et al., Database UniProt[online], Accession No.C7BUV5, <http://www.uniprot.org/uniprot/C7 * |
JPN6014051293; MASSIMO MM et al., Database UniProt[online], Accession No.C7BUV6, <http://www.uniprot.org/uniprot/C7 * |
JPN6014051294; MASSIMO MM et al., Database GenBank[online], Accession No.FM204931, <http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuc * |
JPN6014051296; MASSIMO MM et al., Database GenBank[online], Accession No.FM204933, <http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuc * |
JPN6014051297; MASSIMO MM et al., Database GenBank[online], Accession No.FM204932, <http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuc * |
JPN6014051300; WAEL ES et al., Database GenBank[online], Accession No.AB301952, <http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccor * |
JPN6014051303; SUYAMA A et al., Database GenBank[online], Accession No.AB070709, <http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nucco * |
JPN6014051305; WAEL ES et al., Database UniProt[online], Accession No.A4UZ02, <http://www.uniprot.org/uniprot/A4UZ0 * |
JPN6014051308; MILLER E et al., Database GenBank[online], Accession No.AY216592, <http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nucco * |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013212468A (ja) * | 2012-04-03 | 2013-10-17 | Toyohashi Univ Of Technology | 酢酸資化性の細胞外電子伝達微生物を用いた浄化剤及び浄化方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5764880B2 (ja) | 2015-08-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Cai et al. | Genes involved in arsenic transformation and resistance associated with different levels of arsenic-contaminated soils | |
Wu et al. | Identification of a bacterium that specifically catalyzes the reductive dechlorination of polychlorinated biphenyls with doubly flanked chlorines | |
Wu et al. | Corynebacterium humireducens sp. nov., an alkaliphilic, humic acid-reducing bacterium isolated from a microbial fuel cell | |
Hennessee et al. | Polycyclic aromatic hydrocarbon-degrading species isolated from Hawaiian soils: Mycobacterium crocinum sp. nov., Mycobacterium pallens sp. nov., Mycobacterium rutilum sp. nov., Mycobacterium rufum sp. nov. and Mycobacterium aromaticivorans sp. nov. | |
Key et al. | Dehalogenimonas formicexedens sp. nov., a chlorinated alkane-respiring bacterium isolated from contaminated groundwater | |
Lee et al. | Henriciella litoralis sp. nov., isolated from a tidal flat, transfer of Maribaculum marinum Lai et al. 2009 to the genus Henriciella as Henriciella aquimarina nom. nov. and emended description of the genus Henriciella | |
Xu et al. | Geomonas oryzae gen. nov., sp. nov., Geomonas edaphica sp. nov., Geomonas ferrireducens sp. nov., Geomonas terrae sp. nov., Four Ferric-Reducing Bacteria Isolated From Paddy Soil, and Reclassification of Three Species of the Genus Geobacter as Members of the Genus Geomonas gen. nov. | |
Phelan et al. | Diversity and bioactive potential of endospore‐forming bacteria cultured from the marine sponge Haliclona simulans | |
Liu et al. | A new isolate of Pseudomonas stutzeri that degrades 2-chloronitrobenzene | |
WO2021183867A1 (en) | Methods for enzymatic and microbial degradation of polyethylene | |
Ismaeil et al. | Bacteroides sedimenti sp. nov., isolated from a chloroethenes-dechlorinating consortium enriched from river sediment | |
Wen et al. | Heterologous expression of the tetracycline resistance gene tetX to enhance degradability and safety in doxycycline degradation | |
Williamson et al. | Complete genome sequence of Halomonas sp. R5-57 | |
Ngo et al. | Luteimonas terrae sp. nov., isolated from rhizosphere soil of Radix ophiopogonis | |
Sheu et al. | Thalassotalea euphylliae sp. nov., isolated from the torch coral Euphyllia glabrescens | |
Lee et al. | Spirosoma luteolum sp. nov. isolated from water | |
Huy et al. | Sphingomonas daechungensis sp. nov., isolated from sediment of a eutrophic reservoir | |
Yan et al. | Halomonas piezotolerans sp. nov., a multiple-stress-tolerant bacterium isolated from a deep-sea sediment sample of the New Britain Trench | |
JP5764880B2 (ja) | 1,2−ジクロロエタンをエチレンに無毒化するジオバクター属細菌 | |
Smidt et al. | Random transposition by Tn 916 in Desulfitobacterium dehalogenans allows for isolation and characterization of halorespiration-deficient mutants | |
CN108070605B (zh) | 多菌灵降解酶CbmA及其编码基因和应用 | |
Son et al. | Dyella kyungheensis sp. nov., isolated from soil of a cornus fruit field | |
Moe et al. | The genus Dehalogenimonas | |
Ngo et al. | Lysobacter terrae sp. nov. isolated from Aglaia odorata rhizosphere soil | |
Lee et al. | Pseudomonas taeanensis sp. nov., isolated from a crude oil-contaminated seashore |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130726 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20141202 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150116 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150507 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150601 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5764880 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |