JP2012033835A - 光電子素子の駆動方法及び該駆動方法で駆動される光電子装置 - Google Patents

光電子素子の駆動方法及び該駆動方法で駆動される光電子装置 Download PDF

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Abstract

【課題】情報保持期間が長く、任意の基板上に容易に作製できるTFTを、光メモリ素子として動作させるための駆動方法と、該駆動方法で駆動される光電子装置を提供する。
【解決手段】チャネル層と、ゲート電極と、ゲート絶縁層と、ソース電極・ドレイン電極と、を有する光電子素子の駆動方法であって、チャネル層に外部から所定の波長を有する光を照射する第1の工程と、ゲート電極とソース電極との間に所定の符号の電圧を印加する第2の工程と、を含み、第1の工程と、第2の工程とにより光電子素子の電流−電圧特性が変化し、その変化の符号が互いに逆になるように駆動することを特徴とする光電子素子の駆動方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体を用いた光電子素子の駆動方法及び該駆動方法で駆動される光電子装置に関する。
プラスチックシート等のフレキシブル基板上に、有機EL素子や液晶素子等の電気光学素子と、薄膜トランジスタ(TFT)と、をアレイ状に配置した大面積・フレキシブルな表示装置が盛んに研究開発されている。TFTのチャネル層の材料としては、水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)や低温ポリシリコン(LTPS)だけでなく、酸化物半導体や有機半導体等が検討されている。
このような表示装置に組み合わせる入力装置として、基板上に作製できる光センサアレイの必要性が高まっている。光センサアレイの画素回路は通常、TFT・受光素子・蓄積容量等を有する。このため、光センサアレイの画素回路の最小レイアウト面積や最大画素開口率は、TFT・受光素子・蓄積容量等のレイアウト面積によって決まる。
また、光センサアレイの画素回路が光照射量情報を保持する期間は通常、光センサアレイが光照射を受ける期間(露光期間)と同程度である。光照射量情報をそれよりも長期間保持するためには、DRAM等の外部記憶装置が必要であるが、その代わりに受光素子自体が光照射量情報を保持し、その情報を電気的に読み出すことができる光メモリ素子が提案されている。特許文献1にはワイドギャップ半導体ショットキー型メモリ素子が開示されており、非特許文献1には高分子半導体ショットキー型メモリ素子が開示されている。
特開2000−252433号公報
Ujimomo et al.,Thin Solid Films,499,313(2006).
特許文献1ではメモリ素子の情報保持期間は140時間以上であるが、素子の材質はGaN等の結晶性半導体に限られ、大面積なフレキシブル基板の上に素子を多数作製又は実装することは困難である。また、非特許文献1ではメモリ素子を低温プロセスで作製できるが、高分子半導体の浅いトラップ準位を利用するため、情報保持期間は数百秒と短い。このように、光照射量情報が保持できる期間の長さと、任意の基板上への作製の容易さとの間には背反関係がある。
そこで、本発明は、画素集積度や開口率を向上させると共に、情報保持期間が長く、かつ任意の基板上に容易に作製できるTFTを、受光素子及びメモリとして機能する光メモリ素子として動作させるための駆動方法を提供することを目的とする。また、該駆動方法で駆動される光電子装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、n型酸化物半導体を含むチャネル層と、ゲート電極と、該チャネル層と該ゲート電極を隔てるゲート絶縁層と、該チャネル層に接するソース電極・ドレイン電極と、を有する光電子素子の駆動方法であって、
該チャネル層に外部から所定の波長を有する光を照射する第1の工程と、
該ゲート電極と該ソース電極との間に所定の符号の電圧を印加する第2の工程と、を含み、
該第1の工程と、該第2の工程とにより前記光電子素子の電流−電圧特性が変化し、その変化の符号が互いに逆になるように駆動することを特徴とする光電子素子の駆動方法を提供するものである。
また、本発明は、n型酸化物半導体を含むチャネル層と、第1のゲート電極と、該チャネル層と該第1のゲート電極を隔てる第1のゲート絶縁層と、第2のゲート電極と、該チャネル層と該第2のゲート電極を隔てる第2のゲート絶縁層と、該チャネル層に接するソース電極・ドレイン電極を有する光電子素子の駆動方法であって、
該チャネル層に外部から所定の波長を有する光を照射する第1の工程と、
該第1のゲート電極と該ソース電極との間、又は該第2のゲート電極と該ソース電極との間、若しくはそれらの両方に、所定の符号の電圧を印加する第2の工程と、を含み、
該第1の工程と、該第2の工程とにより前記光電子素子の電流−電圧特性が変化し、その変化の符号が互いに逆になるように駆動することを特徴とする光電子素子の駆動方法を提供するものである。
本発明によれば、任意の基板上に容易に作製できるTFTを光メモリ素子として動作させることができる。これにより、光センサアレイにおいてTFTとは別に受光素子を設ける必要がなくなり、画素集積度や開口率を向上させることが可能となる。更に、外部記憶装置を用いることなくTFTに光照射量情報を長期間保持できる。
第1の実施形態のTFTの一例を示す断面図である。 TFTの伝達特性の変化を説明する図である。 第2の実施形態のTFTの一例を示す断面図である。 実施例1の光センサアレイの回路図である。 実施例1の画素回路を示す図である。 実施例1の画素回路の断面図である。 実施例3の画素回路を示す図である。 実施例3の画素回路の断面図である。 実施例6の画素回路を示す図である。
以下、本発明の光電子素子として適用されるTFT、及びTFTの駆動方法について説明する。但し、本発明は下記2つの実施形態に限定されるわけではない。
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態における3端子を有するTFT300の一例の断面構造である。基板400上にチャネル層330とゲート電極312がゲート絶縁層311を挟んで対向しており、ソース電極321とドレイン電極322がチャネル層330と接している。チャネル層330を構成する半導体はn型半導体であるアモルファスIn−Ga−Zn−O(IGZO)をスパッタ成膜した薄膜である。ソース電極321とドレイン電極322はチャネル層330に対して基板400に近い側にあってもその反対側にあっても良い。また、TFT300はトップゲート型・ボトムゲート型のいずれであっても良い。
以下、説明を簡単にするために、チャネル層330は禁制帯内に深いドナー型トラップ準位を有するとし、トラップ準位は初期状態では中性であるとする。また、トラップ準位のエネルギーは価電子帯上端のエネルギーから離れており、価電子帯からトラップ準位への電子の熱励起は無視できることとする。
TFT300の電流−電圧特性は任意に定義できる。例えば、一定のドレイン電極−ソース電極間電圧(Vds)を印加した状態でゲート電極−ソース電極間電圧(Vgs)を掃引しながらドレイン電極−ソース電極間電流(Ids)を測定すると、図2の(1)の伝達特性(Ids−Vgs特性)が得られる。大きな負のVgsを印加している間はチャネル層330が全層厚にわたって完全空乏化するため、ドレイン電極−ソース電極間は高抵抗であるが、この状態からVgsを増加していくと、あるVgsで完全空乏化が解け、Idsが増加し始める。このときのVgs(図2の(1)〜(5)においてIdsが減少から増加に転じるときの電圧Von)を立ち上がり電圧と定義する。立ち上がり電圧はTFTの伝達特性の指標となる量の1つであり、チャネル層330の見かけのドナー密度によって変化する。見かけのドナー密度とは、真のドナー密度に、イオン化したトラップ準位による正の空間電荷密度を加えたものである。
TFT300の外部からチャネル層330に所定の波長の光210を照射し、トラップ準位の少なくとも一部をイオン化すると、チャネル層330の見かけのドナー密度が変化するため、TFT300の電流−電圧特性が変化する。変化した電流−電圧特性は後述のように一定期間保持される。よって、このTFT300を、電流−電圧特性(例えば伝達特性における立ち上がり電圧の値)によって光照射量情報を保持するアナログメモリとみることができる。
本実施形態では下記4つの工程のうち、第1の工程及び第2の工程を含む2つ乃至4つの工程を目的に応じて任意の順番で繰り返す。
(第1の工程=書込工程)
本工程では、チャネル層330に外部から所定の波長を有する光210を照射することによりTFT300の電流−電圧特性を変化させる。光照射量(フォトン密度、照射期間)を増加していくと、トラップ準位の少なくとも一部がイオン化されイオン化率が徐々に高くなる。このため、イオン化が可能な全てのトラップ準位をイオン化するまでTFT300の電流−電圧特性を連続的に変化させることができる。光照射を止めるとTFT300はそのときの電流−電圧特性を一定期間保持する。例えば、TFT300の伝達特性は光照射により図2の(1)から(2)→(3)→(4)のように連続的に変化する。伝達特性が図2の(2)、(3)、(4)となった各時点において光照射を止めると、TFT300はそのときの伝達特性を一定期間保持する。伝達特性が光照射前の図2の(1)の状態に戻るまでには室温で数時間から数十時間程度を要する。これはチャネル層330での伝導帯の電子とトラップ準位において何らかの原因により熱平衡状態が成立しておらず、イオン化したトラップ準位が再び電子を捕獲するまでに上記時間が掛かるためと考えられる。即ち、TFT300への光照射を止めても電流−電圧特性が変化した状態は上記期間の間保持されるため、TFT300は光照射量情報を保持するメモリとして機能する。
(第2の工程=消去工程)
本工程では、ゲート電極312とソース電極321との間に、所定の符号(正又は負)の電圧を印加することによりTFT300の電流−電圧特性を変化させる。例えば、イオン化したトラップ準位が全て中性化する前に、十分に大きな正のVgsを印加する。このとき、ゲート絶縁層311近傍のチャネル層330において伝導帯の電子密度が増加し、その電子の一部はトラップ準位に捕獲されてトラップ準位を中性化するため、TFT300の電流−電圧特性は初期状態に近づく。上記第1の工程ではTFT300の電流−電圧特性が、Vgsが小さくなる方向に変化する例を示した。この場合の変化の符号を負とすると、本工程におけるTFT300の電流−電圧特性はVgsが大きくなる方向に変化し、変化の符号は正となる。即ち、上記第1の工程と本工程とでTFT300の電流−電圧特性の変化の符号が互いに逆である。ゲート電極312とソース電極321との間に、例えば十分に大きな正のVgsを印加すると、伝達特性は図2の(4)から(5)のようになり、正のVgsの印加期間を十分にとれば伝達特性は図2の(1)と一致すると考えられる。Vgsをより大きくすれば伝達特性はより速やかに図2の(1)に近づく。
(第3の工程=保持工程)
本工程では、ゲート電極312とソース電極321との間に、上記第2の工程で印加する電圧とは逆符号の電圧かつチャネル層330の電子を空乏化させる電圧を印加することにより該逆符号の電圧印加前のTFT300の電流−電圧特性を変化させずに保持する。例えば、TFT300に負のVgsを印加することで、TFT300の電流−電圧特性が変化した状態の保持期間を延ばすことができる。これは以下の原理による。チャネル層330のイオン化したトラップ準位の中性化は伝導帯の自由電子との再結合によってのみ起こり、トラップ準位近傍における伝導帯の電子密度により律速される。よって、負のVgsを印加してチャネル層330の電子を空乏化させると、電流−電圧特性が変化しないため、電流−電圧特性が変化した状態の保持期間を更に延ばすことができる。ゲート電極312とソース電極321との間に、負のVgsを印加すると、伝達特性は図2の(1)〜(5)の各時点で保持される。但し、チャネル層330のトラップ準位がほとんどイオン化していない状態でゲート電極312とソース電極321との間に上記電圧を同様に印加しても電流−電圧特性は変化しない。よって、任意の電流−電圧特性を示すTFTに負のVgsを印加しておくことができる。
(第4の工程=読出工程)
本工程では、ゲート電極312とソース電極321との間に、所定の電圧を印加することによりTFT300の電流−電圧特性を測定(評価)する。上記各工程の実施後における電流−電圧特性は種々の電気的測定によって測定(評価)できる。任意のVds・VgsにおけるIdsの大きさを測定しても良いし、伝達特性や出力特性(Ids−Vds特性)を測定しても良い。
上記4つの工程のうち、第1の工程及び第2の工程を含む2つ乃至4つの工程を、目的に応じて任意の順番で繰り返すことにより、本実施形態ではTFT300における光照射量情報を所望の期間だけ保持したり、光照射量情報を消去したりすることができる。但し、本実施形態では光照射による書き込み1回に対して、読み出しが可能な回数に限りがある。チャネル層330のトラップ準位の少なくとも一部がイオン化した状態で、読み出しのためにVgsに正の電圧を印加すると、ゲート絶縁層311界面近傍に蓄積した電子がチャネル層330内部へと拡散しトラップ準位を中性化してしまう。即ち、読み出しによりTFT300の電流−電圧特性が初期状態に徐々に戻ってしまう。例えば、読み出しを多数回行うと伝達特性は図2の(2)〜(4)の状態から(1)の状態に近づいてしまう。第2の実施形態はこの点を改善しうる形態である。
<第2の実施形態>
図3は、本実施形態における4端子を有するTFT300の一例の断面構造である。基板400上に第1のゲート電極315と第2のゲート電極316がチャネル層330を挟んで対向しており、第1のゲート絶縁層313と第2のゲート絶縁層314はそれぞれに対応するゲート電極とチャネル層330とを隔てている。更に、ソース電極321とドレイン電極322がチャネル層330と接している。チャネル層330を構成する半導体は第1の実施形態と同じアモルファスIGZO薄膜である。ソース電極321とドレイン電極322はチャネル層330に対して基板400に近い側にあってもその反対側にあっても良い。また、図3と逆に、基板400から遠い側を第1のゲート電極、第1のゲート絶縁層としても良い。以下、第1のゲート電極−ソース電極間電圧をVg1s、第2のゲート電極−ソース電極間電圧をVg2sとする。
TFT300の電流−電圧特性は第1の実施形態と同様に任意に定義できる。例えば、伝達特性は以下の3つが考えられ、それぞれに対応して立ち上がり電圧を定義できる。1つ目はVg2sを任意の一定値に保ちながらVg1sを掃引したときの伝達特性(Ids−Vg1s特性)、2つ目はVg1sを任意の一定値に保ちながらVg2sを掃引したときの伝達特性(Ids−Vg2s特性)である。3つ目は両ゲート電極の電圧を常に等しくしながら(Vg1s=Vg2s)掃引したときの伝達特性である。
本実施形態では下記4つの工程のうち、第1の工程及び第2の工程を含む2つ乃至4つの工程を目的に応じて任意の順番で繰り返す。
(第1の工程=書込工程)
本工程では、チャネル層330に外部から所定の波長を有する光210を照射することによりTFT300の電流−電圧特性を変化させる。光照射によりTFT300の電流−電圧特性が連続的に変化し、伝達特性における立ち上がり電圧は減少する。光照射を止めるとTFT300はそのときの電流−電圧特性を一定期間保持する。電流−電圧特性が変化する原理、及び電流−電圧特性が変化した状態を保持する原理については第1の実施形態で説明したとおりであるため説明を省略する。
(第2の工程=消去工程)
本工程では、第1のゲート電極−ソース電極間、又は第2のゲート電極−ソース電極間、若しくはそれらの両方に、所定の符号(正又は負)の電圧を印加することによりTFT300の電流−電圧特性を変化させる。例えば、Vg1s、Vg2sのうちの一方又は両方に十分に大きな正の電圧を印加すると、第1のゲート絶縁層313近傍のチャネル層330側から一部のトラップ準位の中性化が起こり、TFT300の電流−電圧特性は初期状態に近づく。その結果、伝達特性における立ち上がり電圧は増加する。第1の実施形態と同様に、上記第1の工程と本工程とでTFT300の電流−電圧特性の変化の符号が互いに逆である。正の電圧を印加する対象がVg1s、Vg2sのうちの一方である場合、他方に印加する電圧は任意の一定値(0V等)で良い。正の電圧を印加する対象がVg1s、Vg2sの両方である場合、チャネル層330全体のポテンシャルをより効果的に押し上げ、電流−電圧特性の回復を加速することができる。電流−電圧特性が変化する原理については第1の実施形態で説明したとおりであるため説明を省略する。
(第3の工程=保持工程)
本工程では、第1のゲート電極−ソース電極間、又は第2のゲート電極−ソース電極間、若しくはそれらの両方に、上記第2の工程で印加する電圧とは逆符号の電圧かつチャネル層330の電子を空乏化させる電圧を印加する。こうすることにより、該逆符号の電圧印加前のTFT300の電流−電圧特性を変化させずに保持する。例えば、Vg1s、Vg2sのうちの一方又は両方に負の電圧を印加すると、TFT300の電流−電圧特性が変化した状態の保持期間を延ばすことができる。電流−電圧特性が変化した状態の保持期間を延ばす原理については第1の実施形態で説明したとおりであるため説明を省略する。
(第4の工程=読出工程)
本工程では、第1のゲート電極−ソース電極間、又は第2のゲート電極−ソース電極間、若しくはそれらの両方に、所定の電圧を印加することによりTFT300の電流−電圧特性を測定(評価)する。上記各工程の実施後における電流−電圧特性は種々の電気的測定によって測定(評価)できる。任意のVg1s、Vg2s、VdsにおけるIdsを測定しても良いし、前記のいずれかの伝達特性を測定しても良い。
上記4つの工程のうち、第1の工程及び第2の工程を含む2つ乃至4つの工程を、目的に応じて任意の順番で繰り返すことにより、本実施形態ではTFT300における光照射量情報を所望の期間だけ保持したり、光照射量情報を消去したりすることができる。
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、例えばVg1s、Vg2sのうちの一方に正の電圧を印加してIdsを測定する間、他方に負の電圧を印加できることである。即ち、上記第4の工程では、第1のゲート電極−ソース電極間に所定の電圧を印加することによりTFT300の電流−電圧特性を測定する間、第2のゲート電極−ソース電極間に上記第2の工程で印加する電圧とは逆符号の電圧を印加することができる。これにより、読み出しによってチャネル層330のトラップ準位の中性化が起こりうる領域を、正の電圧を印加した方のゲート絶縁層−チャネル層330界面近傍に限定することができる。即ち、上記第4の工程によるTFT300の電流−電圧特性の変化を抑制できる。
上記2つの実施形態のアンプTFTにおいては、第1の工程と第2の工程とでTFTの電流−電圧特性が変化する速度が異なるのが一般的である。このため、1つのアンプTFTにおいて第1の工程と第2の工程を同じ回数繰り返しても電流−電圧特性が初期値に戻らないことがある。これを避けるためには、第1の工程における電流−電圧特性の変化を第2の工程によって打ち消すように、第2の工程の強度(印加電圧の大きさ及び印加期間の長さ)を適宜調節するのが好ましい。上記調節は第2の工程のたびに行っても良いし、第1の工程と第2の工程を何度か繰り返した後の第2の工程において必要に応じて行っても良い。いずれの場合においても、アンプTFTの電流−電圧特性を測定しながら第2の工程を行うと、第2の工程における強度の調節の精度が向上し効果的である。また、第2の工程における電流−電圧特性の変化を第1の工程によって打ち消すように、第1の工程の強度(光照射量)を適宜調節しても良い。つまり、第1の工程と第2の工程をいずれかを先に順に実施する場合においては、後に実施する工程の実施後の電流−電圧特性が、先に実施する工程の実施前の電流−電圧特性と同じになるように駆動すれば、電流−電圧特性の変化が打ち消される点で好ましい。
次に、本発明に適用するTFTのチャネル層について説明する。
本発明のチャネル層に適用できる半導体は、光照射により半導体中の固定電荷密度が増加し、かつ光照射を止めてから熱平衡状態に戻るまでに長期間を要する半導体である。このような半導体の特徴は、暗伝導度が光照射の後で増加し、それが初期値に回復するまでに数秒以上を要することである。更に、この回復までの期間はTFTをメモリとして利用しうる程度に長いことが必要である。その上、任意の基板上への成膜が可能であることが好ましい。本発明に適用できるアモルファスIGZO薄膜は、暗伝導度が初期状態に回復するまでに室温で数時間から数十時間を要し、任意の基板上に成膜が可能である。チャネル層の少なくとも一部がアモルファスであれば良い。他のチャネル層材料としては、酸化物半導体であるIn23、Ga23、ZnO、SnO、SnO2、Al23、NiO等や、これらの多結晶及びアモルファス固溶体等が利用できる。
また、本発明はTFTのチャネル層がp型半導体である場合にも適用できる。具体的には、NiO・Cu2O・SnO等に対して本発明を適用できる。この場合、上記において電子とホール・伝導帯と価電子帯・正のVgsと負のVgs、を読み替えれば良い。
更に、上記2つの実施形態では、空間電荷はドナー型トラップ準位によるものであるとしたが、トラップ準位がアクセプタ型であっても同様の効果が得られる。この場合、上記においてアクセプタ型とドナー型・イオン化と中性化を読み替えれば良い。
また、以下のように価電子帯におけるホールの寿命が長ければ、トラップ準位を利用しなくとも同様の効果が得られる。n型酸化物半導体においてバンドギャップエネルギ以上の光照射(後述)等により価電子帯にホールを励起する場合を考える。一般に、n型酸化物半導体で用いられる電極(モリブデン、アルミニウム、銅等の金属、ITO、IZO、IGZO等の酸化物等)では、ホールに対するオーミック接触の形成が困難である。このため、励起されたホールはこれらの材料からなるソース電極・ドレイン電極に注入されることなく価電子帯に留まる。ホールはバンド間再結合又は再結合中心を介した再結合によってやがて消滅するが、いずれの再結合速度も小さい場合、半導体中におけるホールの寿命が長い。この再結合描像に基づくと、TiO2やZnO等の酸化物半導体に光を照射した場合の暗伝導度の回復時定数に対応するホール寿命は数100秒から1000秒程度となる。これは通常の元素半導体や化合物半導体における少数キャリア寿命(数μ秒から数秒程度)に対して非常に長い。
続いて、本発明における光照射について説明する。
励起光エネルギーhν[eV]は、伝導帯に対するトラップ深さEc−Et[eV]より大きければ良い。ここで、hはプランク定数[J・s]、νは振動数(s−1)、νは光速c、波長λに対してν=c/λである。また、hνはバンドギャップEc−Ev(>Ec−Et)より大きくても良い。この場合、価電子帯にホールが励起される。n型酸化物半導体では一般にホールの移動度が小さく、また価電子帯へのオーミック接触が確保できない。従って、価電子帯のホールはソース電極・ドレイン電極に注入されることなく価電子帯に留まり、伝導帯の自由電子との再結合によってのみ消滅すると考えられる。よって価電子帯に励起されたホールは、上記2つの実施形態におけるドナー型トラップ準位と同様に空間電荷となり、TFTの電流−電圧特性を変化させる。この場合、必ずしもチャネル層中にトラップ準位が存在する必要はない。
光照射には任意の手段を用いることができる。個別のTFTに対して光を照射できる集光・走査光学系を設けても良い。その代わりに、多数のTFTに同時に光を照射した後で個別のTFTに異なる強度の消去工程を実施し、実質的に個別のTFTの電流−電圧特性を変化させても良い。
また、TFTの外部から光照射が行えるためには、外部からチャネル層に至るまでの各部材が十分な光透過率を有することが必須である。ゲート電極・ソース電極・ドレイン電極の少なくともいずれかが透明であることが望ましい。具体的には、これらの電極をITOやIZO等の透明導電材料で形成することが好ましい。同様に、基板としてガラスや各種プラスチックフィルム(ポリイミドやポリエチレンナフタレート等)を利用することができる。ゲート電極とチャネル層とを隔てるゲート絶縁層や、ゲート電極とその他の電極とを隔てる層間絶縁層としては、CVD法やスパッタ法等で形成されたSiOx、SiNx、SiOxy薄膜等を利用することができる。
上述した光電子素子の駆動方法は、例えば光電子素子と、光照射手段と、電圧源と、光電子素子の電流−電圧特性を測定する手段と、を有する光電子装置の駆動に用いることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
本実施例の光電子装置は光センサアレイ・電圧源・読出回路・光照射手段からなる。
図4は、光センサアレイの回路図の一部である。光センサアレイは基板400上に画素回路999が2次元アレイ配置されている。画素回路999は3端子を有するTFT2つ(アンプTFT350・選択TFT340)と、電源線VDD・信号線SIG・選択線SEL・制御線CTRLと、を有する。各列のアンプTFTのドレイン電極353は同一の電源線に接続され、各列の選択TFTのソース電極342は同一の信号線に接続されている。アンプTFTのソース電極352は選択TFTのドレイン電極343に接続されている。各行のアンプTFTのゲート電極351は同一の制御線に接続され、各行の選択TFTのゲート電極341は同一の選択線に接続されている。図5は、画素回路999に対応する回路図である。
図6は、画素回路999における2つのTFTの断面図である。各チャネル層344、354はともにアモルファスIGZOである。アンプTFTのゲート電極351はITOで、選択TFTのゲート電極341は金属でそれぞれ形成されている。ゲート電極351をITOで形成する代わりに金属で形成し、ドレイン電極353の一部をITOとしても良い。図6では外部光の一部がアンプTFTのゲート電極351を透過してチャネル層354に到達する構造となっており、アンプTFT350は通常の光センサアレイにおけるフォトダイオードの機能を兼ねる。ゲート絶縁層311はスパッタ法により形成されたSiOx薄膜である。
電源線・選択線・制御線にはそれぞれ不図示の電圧源が接続されている。電源線・選択線・制御線の初期状態の電位はVDD=+10V、SEL=−20V、CTRL=0Vとした。上記SELの値は本実施例の動作電圧範囲において選択TFT340が十分に高抵抗となるように選ばれており、上記VDDの値は読出工程におけるアンプTFT350のIdsが十分大きく、読み出しに十分となるように選ばれている。
各信号線には不図示の読出回路が接続され、アンプTFT350の電流−電圧特性の測定(評価)手段となる。選択線を高電位とすると、選択線を共有する行の各画素回路のアンプTFTのソース電極352は対応する読出回路に接続される。
光照射手段(不図示)は画素回路999の2次元アレイ配置領域に向けて光を照射したり遮断したりする光学系である。
本実施例では消去工程、書込(露光)工程、読出工程をこの順に実施して光電子装置を駆動した。これらの工程はこの順に任意の回数繰り返しても良い。詳細を以下に示す。
(消去工程)
全画素においてSEL=+20V、CTRL=+10Vとした。これにより全てのアンプTFT350においてVgs=+10Vとなり、アンプTFT350の立ち上がり電圧は初期値となった。
(書込工程)
上記消去工程終了後、全画素においてSEL=−20V、CTRL=0Vとした。アンプTFT350のVgsが0Vとなり、アンプTFT350はほぼフラットバンド状態に近くなった。この状態でセンサアレイを光学系からの光に曝露した(露光)。これにより光はアンプTFT350のチャネル層354に到達し、光照射量に応じてアンプTFT350の伝達特性の立ち上がり電圧が減少した。露光終了後(光照射を止めた後)、積極的な保持動作は行わないが、立ち上がり電圧は数時間の間保たれた。
(読出工程)
上記書込工程終了後、画素の第1行においてSEL=+20Vとし、その行の選択TFT340を全て導通させた。その後、各信号線に接続された不図示の読出回路により各アンプTFT350のIdsを測定した。具体的には第1行のCTRL=+5Vとし、各信号線SIGからの出力電流を測定した。各出力電流は、各アンプTFT350の立ち上がり電圧変化を反映している。Idsの測定後、画素の第1行においてSEL=−20Vに戻し、第1行の読み出しを終了した。これを行数分繰り返した。
以上より、アンプTFT350における光照射量情報を所望の期間だけ保持したり、光照射量情報を消去したりすることができた。
[実施例2]
本実施例の光電子装置の構成は実施例1と同じである。光電子装置の駆動方法については読出工程が異なること、及び書込工程と読出工程の間に保持工程を実施することを除き、実施例1と同じである。保持工程、読出工程の詳細を以下に示す。
(保持工程)
書込工程における露光終了後、全画素においてCTRL=−10Vとした。これによりアンプTFT350においてVgs=−10Vとなり、露光終了後の各アンプTFT350が立ち上がり電圧を保持する期間は実施例1よりも長くなった。
(読出工程)
上記保持工程終了後、実施例1と同様にアンプTFT350のIdsを測定した。測定前に全ての画素でCTRL=0Vに戻しても良いし、第n行の読み出しが完了するまで第(n+1)行以降ではCTRL=−10Vのままとしても良い。後者の場合、各アンプTFT350が立ち上がり電圧を保持する期間を更に延長することができる。
以上より、本実施例においても、アンプTFT350における光照射量情報を所望の期間だけ保持したり、光照射量情報を消去したりすることができた。
[実施例3]
本実施例の光電子装置は光センサアレイ・電圧源・読み出し回路・光照射手段からなる。
本実施例における光センサアレイの回路図は、図4のアンプTFT350及び選択TFT340をそれぞれ4端子TFTに置き換え、第2制御線VGGを追加した構成である。図7は、画素回路999に対応する回路図であり、4端子TFTの第1のゲート電極及び第2のゲート電極はそれぞれ4端子MOSFET回路記号におけるゲート端子及びバルク端子で表している。光センサアレイは実施例1と同様に基板400上に画素回路999が2次元アレイ配置されている。画素回路999はアンプTFT350・選択TFT340・電源線VDD・信号線SIG・選択線SEL・制御線CTRL・第2制御線VGGを有する。実施例1との違いは、アンプTFT350が第1のゲート電極355と第2のゲート電極356を有することである。選択TFT340も第1のゲート電極345と第2のゲート電極346を有するとしたが、選択TFT340は実施例1と同様の3端子TFTで置き換えることも可能である。アンプTFTの第1のゲート電極355は制御線に接続されており、アンプTFTの第2のゲート電極356は第2制御線に接続されている。選択TFTの第1のゲート電極345は選択線に接続されており、選択TFTの第2のゲート電極346は接地してある。各TFTのソース及びドレイン電極の接続は実施例1と同様である。選択線を高電位とすると、選択線を共有する行の画素回路にあるアンプTFTのソース電極352は、各列の信号線に接続された不図示の読出回路に接続される。
図8は、画素回路999における2つのTFTの断面図である。各チャネル層344、354はともにアモルファスIGZOである。アンプTFTの第2のゲート電極356はITOで、選択TFTの第2のゲート電極346は金属でそれぞれ形成されている。第2のゲート電極356をITOで形成する代わりに金属で形成し、ドレイン電極353の一部又は第1のゲート電極355の一部をITOとしても良い。図8では外部光の一部がアンプTFTの第2のゲート電極356を透過してチャネル層354に到達する構造となっており、アンプTFT350は通常の光センサアレイにおけるフォトダイオードの機能を兼ねる。第2のゲート絶縁層314はスパッタ法により形成されたSiOx薄膜である。
電源線・選択線・制御線にはそれぞれ不図示の電圧源が接続されている。電源線・選択線・制御線の初期状態の電位はVDD=+10V、SEL=−20V、CTRL=0V、VGG=0Vとした。上記SELの値は本実施例の動作電圧範囲において選択TFT340が十分に高抵抗となるように選ばれており、上記VDDの値は読出工程におけるアンプTFT350のIdsが十分大きく、読み出しに十分となるように選ばれている。
各信号線には不図示の読出回路が接続され、アンプTFT350の電流−電圧特性の測定(評価)手段となる。選択線を高電位とすると、選択線を共有する行の各画素回路のアンプTFTのソース電極352は対応する読出回路に接続される。
光照射手段(不図示)は画素回路999の2次元アレイ配置領域に向けて光を照射したり遮断したりする光学系である。
本実施例では消去工程、書込(露光)工程、読出工程をこの順に実施して光電子装置を駆動した。これらの工程はこの順に任意の回数繰り返しても良い。詳細を以下に示す。
(消去工程)
全画素においてSEL=+20V、CTRL=+10V、VGG=0Vとした。これにより全てのアンプTFT350においてVg1s=+10Vとなり、アンプTFT350の伝達特性の立ち上がり電圧は初期値となった。本工程においては、CTRL=+10V、VGG=0Vとする代わりに、CTRL=0V、VGG=+10Vとしても同様の効果が得られる。或いはCTRL=VGG=+10Vとすることも可能であり、この場合、CTRL又はVGGのいずれか一方のみに正電圧を印加する場合よりも消去速度が大きい。
(書込工程)
上記消去工程終了後、全画素においてSEL=−20V、CTRL=VGG=0Vとした。アンプTFT350のVg2s=0Vとなり、アンプTFT350はほぼフラットバンド状態に近くなった。この状態でセンサアレイを光照射手段からの光に曝露した(露光)。これにより光はアンプTFT350のチャネル層354に到達し、光照射量に応じてアンプTFT350の伝達特性の立ち上がり電圧が減少した。露光終了後、積極的な保持動作は行わないが、立ち上がり電圧は数時間の間保たれた。
(読出工程)
上記書込工程終了後、画素の第1行のSEL=+20Vとし、その行の選択TFTを全て導通させた。その後、信号線に接続された不図示の読出回路により、各アンプTFT350のIdsを測定した。具体的には第1行のVGGを0Vとし、第1行のCTRLを−10Vから+10Vまで掃引し、各信号線SIGからの出力電流を測定した。各出力電流から各アンプTFT350の伝達特性を評価でき、各アンプTFT350の立ち上がり電圧を測定することができる。本工程の間、VGG=0Vのままでも良いが、VGGに正の電位を印加することでアンプTFT350のIdsを増加させて信号雑音比や読み出し速度を向上させることができる。Idsの測定後、画素の第1行においてSEL=−20Vに戻し、第1行の読み出しを終了した。これを行数分繰り返した。
以上より、本実施例においても、アンプTFT350における光照射量情報を所望の期間だけ保持したり、光照射量情報を消去したりすることができた。
[実施例4]
本実施例の光電子装置の構成は実施例3と同じである。光電子装置の駆動方法については読出工程が異なること、及び書込工程と読出工程の間に保持工程を実施することを除き、実施例3と同じである。保持工程、読出工程の詳細を以下に示す。
(保持工程)
書込工程における露光終了後、全画素においてCTRL=0V、VGG=−10Vとした。これによりアンプTFT350においてVg2s=−10Vとなり、露光終了後の各アンプTFT350が伝達特性の立ち上がり電圧を保持する期間は実施例3よりも長くなった。本工程においては、CTRL=0V、VGG=−10Vとする代わりにCTRL=−10V、VGG=0Vとしても同様の効果が得られる。或いはCTRL=VGG=−10Vとすることも可能であり、この場合、CTRL又はVGGのいずれか一方のみに負電圧を印加する場合よりも保持効果が高い。
(読出工程)
上記保持工程終了後、全ての画素でCTRL=VGG=0Vに戻し、アンプTFT350においてVg1s=Vg2s=0Vに戻した。その後、各信号線に接続された不図示の読出回路により実施例3と同様に各アンプTFT350のIdsを測定した。各行における出力電流測定においては、VGGを0VとしCTRLを−10Vから+10Vまで掃引する代わりに、CTRLを0VとしVGGを−10Vから+10Vまで掃引しても同様の効果が得られる。或いはCTRLとVGGとを常に等しくしながら掃引することも可能であり、この場合、アンプTFT350の駆動力が見かけ上増加するため、CTRL又はVGGのいずれか一方のみを掃引した場合と比較して信号雑音比の増加が期待できる。実施例2と同様に、各アンプTFT350が立ち上がり電圧を保持できる期間を更に延長するために、CTRLやVGGの電位を保持工程での値と等しく保つ期間を延長しても良い。
以上より、本実施例においても、アンプTFT350における光照射量情報を所望の期間だけ保持したり、光照射量情報を消去したりすることができた。
[実施例5]
本実施例の光電子装置の構成は実施例4と同じである。光電子装置の駆動方法については読出工程が異なることを除き、実施例4と同じである。読出工程の詳細を以下に示す。
(読出工程)
保持工程終了後、全画素においてVGG=−10Vとしたまま、各行のCTRLを−10Vから+10Vまで掃引し、各信号線に接続された不図示の読出回路により実施例4と同様に各アンプTFTのIdsを測定した。本工程の間、各アンプTFTにおいてVg2s=−10Vのままであり、CTRLに正の電位を印加する場合でも各アンプTFTの読み出しによる伝達特性の立ち上がり電圧の変化を抑制することができた。よって、書込工程1回に対して読出工程を行える回数は実施例4よりも多かった。
以上より、本実施例においても、アンプTFT350における光照射量情報を所望の期間だけ保持したり、光照射量情報を消去したりすることができた。
[実施例6]
本実施例の光電子装置の構成は実施例3と類似しているが、図9に示すように第2制御線が廃され、第1のゲート電極と第2のゲート電極が相互に接続されている点が実施例3の光電子装置の構成と異なる。本実施例の光電子装置を実施例1又は2の駆動方法で実施したところ、本実施例においても、アンプTFT350における光照射量情報を所望の期間だけ保持したり、光照射量情報を消去したりすることができた。本実施例では、消去工程や保持工程において第1のゲート電極と第2のゲート電極との両方の電位を同時に制御できるため、消去効果・保持効果が高い。読出工程においても、アンプTFTの駆動力が見かけ上増加するため実施例5よりも信号雑音比の増加が期待できる。しかし、実施例5の光電子装置の駆動方法と比較すると、読出工程による立ち上がり電圧の変化を抑制する効果は小さい。
本発明における駆動方法は、酸化物半導体を含む活性層を有するさまざまな電子素子の駆動に適用できる。例えば、酸化物半導体を含むチャネル層を有するTFTや、酸化物半導体を活性層に有する種々の電界効果トランジスタ・バイポーラトランジスタ等に用いることができる。また、本発明における光電子装置は種々の接触型・結像型撮像素子や放射線検出器、またタッチセンサ等のコンピュータ入力機器に適用できる。
300:TFT、311:ゲート絶縁層、312:ゲート電極、313:第1のゲート絶縁層、314:第2のゲート絶縁層、315:第1のゲート電極、316:第2のゲート電極、321:ソース電極、322:ドレイン電極、330:チャネル層、999:画素回路

Claims (12)

  1. n型酸化物半導体を含むチャネル層と、ゲート電極と、該チャネル層と該ゲート電極を隔てるゲート絶縁層と、該チャネル層に接するソース電極・ドレイン電極と、を有する光電子素子の駆動方法であって、
    該チャネル層に外部から所定の波長を有する光を照射する第1の工程と、
    該ゲート電極と該ソース電極との間に所定の符号の電圧を印加する第2の工程と、を含み、
    該第1の工程と、該第2の工程とにより前記光電子素子の電流−電圧特性が変化し、その変化の符号が互いに逆になるように駆動することを特徴とする光電子素子の駆動方法。
  2. 前記駆動方法はさらに、前記ゲート電極と前記ソース電極との間に前記第2の工程で印加する電圧とは逆符号の電圧かつチャネル層の電子を空乏化させる電圧を印加することにより、該逆符号の電圧印加前の前記光電子素子の電流−電圧特性を保持する第3の工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の光電子素子の駆動方法。
  3. 前記駆動方法はさらに、前記ゲート電極と前記ソース電極との間に所定の電圧を印加することにより前記光電子素子の電流−電圧特性を測定する第4の工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の光電子素子の駆動方法。
  4. 前記ゲート電極、前記ソース電極、前記ドレイン電極のうち少なくとも1つが透明導電材料であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光電子素子の駆動方法。
  5. n型酸化物半導体を含むチャネル層と、第1のゲート電極と、該チャネル層と該第1のゲート電極を隔てる第1のゲート絶縁層と、第2のゲート電極と、該チャネル層と該第2のゲート電極を隔てる第2のゲート絶縁層と、該チャネル層に接するソース電極・ドレイン電極を有する光電子素子の駆動方法であって、
    該チャネル層に外部から所定の波長を有する光を照射する第1の工程と、
    該第1のゲート電極と該ソース電極との間、又は該第2のゲート電極と該ソース電極との間、若しくはそれらの両方に、所定の符号の電圧を印加する第2の工程と、を含み、
    該第1の工程と、該第2の工程とにより前記光電子素子の電流−電圧特性が変化し、その変化の符号が互いに逆になるように駆動することを特徴とする光電子素子の駆動方法。
  6. 前記駆動方法はさらに、前記第1のゲート電極と前記ソース電極との間、又は前記第2のゲート電極と前記ソース電極との間、若しくはそれらの両方に、前記第2の工程で印加する電圧とは逆符号の電圧かつチャネル層の電子を空乏化させる電圧を印加することにより、該逆符号の電圧印加前の前記光電子素子の電流−電圧特性を保持する第3の工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の光電子素子の駆動方法。
  7. 前記駆動方法はさらに、前記第1のゲート電極と前記ソース電極との間、又は前記第2のゲート電極と前記ソース電極との間、若しくはそれらの両方に、所定の電圧を印加することにより前記光電子素子の電流−電圧特性を測定する第4の工程を含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の光電子素子の駆動方法。
  8. 前記第4の工程は、前記第1のゲート電極と前記ソース電極との間に所定の電圧を印加することにより前記光電子素子の電流−電圧特性を測定する間、前記第2のゲート電極と前記ソース電極との間に前記第2の工程で印加する電圧とは逆符号の電圧を印加することを特徴とする請求項7に記載の光電子素子の駆動方法。
  9. 前記第1のゲート電極、前記第2のゲート電極、前記ソース電極、前記ドレイン電極のうち少なくとも1つが透明導電材料であることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の光電子素子の駆動方法。
  10. 前記第1の工程と前記第2の工程を、いずれかを先に順に実施することにより、後に実施する工程の実施後の前記光電子素子の電流−電圧特性が、先に実施する工程の実施前の前記光電子素子の電流−電圧特性と同じになるように駆動することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光電子素子の駆動方法。
  11. 前記チャネル層の少なくとも一部がアモルファスであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光電子素子の駆動方法。
  12. 前記光電子素子と、光照射手段と、電圧源と、前記光電子素子の電流−電圧特性を測定する手段と、を有し、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の光電子素子の駆動方法により駆動されることを特徴とする光電子装置。
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