JP2012031963A

JP2012031963A - 減速機の油噴出防止構造

Info

Publication number: JP2012031963A
Application number: JP2010173450A
Authority: JP
Inventors: Masayuki Nakatani; 真之中谷
Original assignee: Tsubaki Emerson Co
Current assignee: Tsubakimoto Chain Co
Priority date: 2010-08-02
Filing date: 2010-08-02
Publication date: 2012-02-16
Anticipated expiration: 2030-08-02
Also published as: JP5912236B2

Abstract

【課題】減速機の高さを抑えつつ、取付自由度の高い、減速機の油噴出防止構造を提供すること。
【解決手段】減速機１０のハウジング１２の上壁部１２ａには、連通孔１６ａ、１６ｂが設けられている。ハウジング１２の上壁部１２ａには、フランジ２０ａを有するカバー２０がボルトで固定される。カバー２０は、上部中央に、ハウジング１２の内部と外気を連通させる、空気排出孔２２を有する。空気排出孔２２には、周知のエアブリーザ３０が取付けられる。連通孔１６ａ、１６ｂは、それぞれ、ギア１４に近い箇所と離れた箇所に複数設けられる。空気排出孔２２に直接油がかかり、エアブリーザ３０から油が噴出するのを防ぐため、連通孔１６ａ、１６ｂは、空気排出孔２２の直下ではない場所に設ける。
【選択図】図１

Description

本発明は、減速機のエアブリーザから油が噴出するのを防止する、減速機の油噴出防止構造に関する。

ハウジング内に所定量の潤滑油等の液体が封入される減速機のハウジングには、ハウジングの内部と外気を連通させて、その内部の圧力が運転中に高くなるのを防止する、孔が設けられている。そして、通常、この孔には、エアブリーザが取付けられる。

しかし、図３（ａ）及び（ｂ）に示すように、入力軸とハウジングの間の空間Ｋは狭く、減速機内部の軸やギアの回転により内部の液体が矢印方向に跳ね飛ばされ、その飛沫が孔５２にかかり続けた結果、液体がエアブリーザから噴出する恐れがある。
従来は、ブリーザ管５０を長くすることで、液体噴出防止効果の向上を図っていたが、ブリーザ管５０を長くすれば、その分、減速機の高さが増す、という問題がある。また、孔５２が１つしか設けられていないため、油により孔５２が塞がれた場合、ハウジングの内部と外気を連通させることができなくなる、という問題もあった。
そこで、特許文献１のものがある。

特開２０００−２６６１６７号公報

特許文献１の発明は、シートパッキンに遮蔽部を設け、ハウジングの空気抜き孔から油が噴出しないようにしている。このようにすれば、回転機械の高さを変えずに、ハウジングの空気抜き孔から油が噴出するのを防止することが可能となる。

しかし、特許文献１の発明は、点検カバーを塞ぐシートパッキンに遮蔽部を設けたものであり、点検カバーの取付箇所に限定された油噴出し防止構造である。従って、点検カバーのない回転機械に適用することができず、取付自由度が低い。
また、機械内部を点検する場合は、点検カバーを取外すことになるため、シートパッキンと点検カバーの間をシール剤で固定できず、シートパッキンと点検カバーの間から油が漏れる可能性がある。
さらに、点検終了後に再度取付ける際に、取付け方が不十分であると、それが原因で油漏れが発生する恐れがある。

そこで、本発明は、従来技術の上記問題点に鑑み、減速機の高さを抑えつつ、取付自由度の高い、減速機の油噴出防止構造の提供をその目的とする。

本発明は、
ハウジング内に潤滑油が封入された減速機において、
前記減速機のハウジング上壁部に、フランジを有するカバーが固定され、
前記カバーに空気排出孔が設けられ、該空気排出孔にエアブリーザが取付けられており、
前記カバー下部のハウジング上壁部の前記空気排出孔の直下ではない位置に、
少なくとも２つの連通孔が設けられていることを特徴とする減速機の油噴出防止構造により前記課題を解決した。
なお、請求項２のように、ハウジングとカバーの間にシール剤を塗布することにより、ハウジングとカバーの間から油が漏れるのを未然に防ぐことができる。

本発明は、請求項１の構成により、以下の効果を奏する。
１．ハウジング上壁部に固定されるフランジを有するカバーは、取付箇所のハウジング上壁部の幅に合わせて作製されるため、従来技術に比べ、減速機の高さを高くせずに、減速機からの油噴出を防止できる。
２．エアブリーザと入力軸の間の空間が広がることで、減速機内部の圧力上昇を防ぐことができる。
３．ハウジングに連通孔が少なくとも２つあるため、１つの連通孔が油によって塞がれた場合でも、ハウジング内部と外気の連通に支障はなく、カバー内に溜まった油を他の連通孔から減速機内部に戻すことができる。
４．引用文献１の発明とは異なり、点検カバーがない箇所でも設置可能である。従って、カバーをハウジングから取外すことがなければ、ハウジングとカバーをシール剤で固定してもよい。これにより、ハウジングとカバーの間から油が漏れるのを未然に防ぐことができる。
５．ギアの回転数等、減速機内部の作動状況に左右されず、減速機の種類や内部構造も問わない。
６．カバー以外の部材は不要のため、製造コストが低減される。

本発明の実施形態である減速機の縦断面図。（ａ）は、本発明の詳細を示した縦断面図、（ｂ）と（ｃ）は、カバーを取付けた減速機の上面図。（ａ）及び（ｂ）は、従来の液体漏れを防止する対策を施した減速機の縦断面図。

以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。但し、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。

図１において、減速機１０は、周知の減速機の構造（説明は省略。）と同様のものであり、ハウジング１２の上壁部１２ａには、連通孔１６ａ、１６ｂが設けられている。また、ハウジング１２の上壁部１２ａには、フランジ２０ａを有するカバー２０がボルトで固定される。カバー２０は、上部中央に、ハウジング１２の内部と外気を連通させる、空気排出孔２２を有する。空気排出孔２２には、周知のエアブリーザ３０が取付けられる。

次に、図２を参照して、本発明の油噴出防止構造の詳細を説明する。
前述したとおり、ハウジング１２の上壁部１２ａには、２つの連通孔１６ａ、１６ｂを有するが、連通孔１６ａ、１６ｂは、それぞれ、ギア１４に近い箇所と離れた箇所に設けられるのが好適である。
ギア１４に近い場所では、油の飛び跳ねが絶えず発生し、カバー２０内部に油が入りやすく、油Ａにより連通孔１６ａが塞がれる可能性がある（図２（ａ）矢印参照）。一方、ギア１４から離れた場所の連通孔１６ｂからは、油Ａが入りにくいため、連通孔１６ｂが塞がれる可能性が低く、カバー２０内に溜まった油Ａを減速機１０内に戻すことができる。連通孔が１つしかないと、油Ａによってその孔が塞がれた場合、減速機の内部に油Ａを戻すことができず、油Ａが噴出する恐れがある。また、ハウジング内部と外気を連通させることもできなくなる。従って、孔は複数必要である。

但し、空気排出孔２２の直下に孔を設けると、空気排出孔２２に直接油がかかり、エアブリーザ３０から油が噴出する可能性がある。従って、図２（ｂ）に示すように、連通孔は、空気排出孔２２の直下ではない場所に設けるものとする。

カバー２０は、ハウジング上壁１２ａの横幅の大きさに合わせて作製されるため、横幅の長い空間が形成される。形成された空間の容積を、従来のブリーザ管の容積以上にすることにより、図３に示した従来技術よりも、減速機１０の高さを抑えつつ、油噴出防止効果を高めることができる。
また、ハウジング上壁部１２ａとカバー２０の間にシール剤２４を塗布することにより、ハウジング上壁部１２ａとカバー２０の間から油が漏れるのを防止できる。シール剤２４としては、シールボンド等が使用される。

なお、図２（ｃ）に示すように、連通孔１６は、空気排出孔２２の直下ではない場所であれば、３個以上設けてもよい。孔の数が多いと、カバー２０内に油が溜まりにくく、減速機１０に油が戻されるため、油噴出防止効果がより高まる。

１０減速機
１２ハウジング
１２ａハウジング上壁部
１６、１６ａ、１６ｂ連通孔
２０カバー
２０ａフランジ
２２空気排出孔
２４シール剤
３０エアブリーザ

Claims

ハウジング内に潤滑油が封入された減速機において、
前記減速機のハウジング上壁部に、フランジを有するカバーが固定され、
前記カバーに空気排出孔が設けられ、該空気排出孔にエアブリーザが取付けられており、
前記カバー下部のハウジング上壁部の前記空気排出孔の直下ではない位置に、
少なくとも２つの連通孔が設けられていることを特徴とする、
減速機の油噴出防止構造。
前記ハウジングとカバーの間にシール剤が塗布されている、請求項１の減速機の油噴出防止構造。