JP2012028379A - 電気二重層キャパシタ用電極の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気二重層キャパシタを構成する電極の静電容量を増加する方法として、大気圧下で簡便な装置を用いて行うことができ、キャパシタセルとした時にイオンの拡散抵抗に影響を及ぼさない方法を提供する。
【解決手段】100%リン酸または硫酸からなる液体中で多孔質炭素材料からなる電極に定電位を印加することで、電気二重層キャパシタ用電極の静電容量を増加する。
【選択図】図3
【解決手段】100%リン酸または硫酸からなる液体中で多孔質炭素材料からなる電極に定電位を印加することで、電気二重層キャパシタ用電極の静電容量を増加する。
【選択図】図3
Description
この発明は、電気二重層キャパシタ用電極の製造方法に関する。
電気二重層キャパシタは、電解液(電解質溶液)中に一対の電極を配置し、両電極の電解液との界面に、電解液に含まれる陽イオンと電子とによる電気二重層、および電解液に含まれる陰イオンと正孔とによる電気二重層を形成することで、電荷が蓄えられるものである。
従来の電気二重層キャパシタの電極としては、活性炭と、導電性を補助するための炭素粉末と、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのバインダーを混練して得られたペーストを、シート状に成形したものが使用されている。また、電気二重層キャパシタの静電容量を増加させることを目的として、比表面積が高い活性炭を使用して電極を形成することが行われている。比表面積が高い活性炭を得る方法としては、水蒸気やアルカリで処理する方法が提案されている。
従来の電気二重層キャパシタの電極としては、活性炭と、導電性を補助するための炭素粉末と、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのバインダーを混練して得られたペーストを、シート状に成形したものが使用されている。また、電気二重層キャパシタの静電容量を増加させることを目的として、比表面積が高い活性炭を使用して電極を形成することが行われている。比表面積が高い活性炭を得る方法としては、水蒸気やアルカリで処理する方法が提案されている。
しかし、比表面積が2000m2/g以上の活性炭を用い、前述の方法で成形された電極は、活性炭の嵩密度が低いことに伴って電極サイズが大きくなるため、電極の大きさを抑える観点から活性炭の比表面積は1500m2/g程度が適当である。すなわち、前述の方法には、電極の嵩密度の低下を抑えながら静電容量を増加するという点で改善の余地がある。
下記の特許文献1には、電気二重層キャパシタの電極として、易黒鉛化性炭素材料を炭酸アルカリ塩とともに熱処理(薬品処理)して得られた多孔質炭素材を用い、キャパシタセルを組んだ後で2.7V以上の電圧を印加する電界賦活工程を行うことにより、電気二重層キャパシタの静電容量を増加することが記載されている。
下記の特許文献2には、電気二重層キャパシタの電極として、黒鉛類似の微結晶炭素を有する非多孔性炭素材を用い、キャパシタセルを組んだ後に、1回目の定電流充電工程、1回目の定電圧充電工程、2回目の定電流充電工程、および2回目の定電圧充電工程からなる電界賦活工程を行うことにより、電気二重層キャパシタの静電容量を増加することが記載されている。
下記の特許文献2には、電気二重層キャパシタの電極として、黒鉛類似の微結晶炭素を有する非多孔性炭素材を用い、キャパシタセルを組んだ後に、1回目の定電流充電工程、1回目の定電圧充電工程、2回目の定電流充電工程、および2回目の定電圧充電工程からなる電界賦活工程を行うことにより、電気二重層キャパシタの静電容量を増加することが記載されている。
しかしながら、上述のキャパシタセルを組んだ後で電界賦活工程を行う方法では、電界賦活工程で生じた電解液の分解物が電解液中に残存するため、そのままではイオンの拡散抵抗が増加する可能性があり、キャパシタセルをそのまま使用することができない。
また、この方法では、キャパシタセルを組んだ状態で行うため、有機電解液(電解質を有機溶媒に溶解した電解質溶液)を使用しているが、有機電解液を用いた電界賦活方法では、水を混入させないために露点−60℃以下の環境が必要となり、ドライルームなどの大掛かりな設備が必要である。
この発明の課題は、電気二重層キャパシタを構成する電極の静電容量を増加する方法として、大気圧下で簡便な装置を用いて行うことができ、キャパシタセルとした時にイオンの拡散抵抗に影響を及ぼさない方法を提供することである。
また、この方法では、キャパシタセルを組んだ状態で行うため、有機電解液(電解質を有機溶媒に溶解した電解質溶液)を使用しているが、有機電解液を用いた電界賦活方法では、水を混入させないために露点−60℃以下の環境が必要となり、ドライルームなどの大掛かりな設備が必要である。
この発明の課題は、電気二重層キャパシタを構成する電極の静電容量を増加する方法として、大気圧下で簡便な装置を用いて行うことができ、キャパシタセルとした時にイオンの拡散抵抗に影響を及ぼさない方法を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明の電気二重層キャパシタ用電極の製造方法は、100%リン酸または硫酸からなる液体中で多孔質炭素材料からなる電極に定電位を印加する電界賦活工程(電気化学的に静電容量を増加させる工程)を有することを特徴とする。
この方法によれば、電界賦活工程を100%リン酸または硫酸からなる液体中で行うため、有機電解液を用いる場合のようなドライルームなどの大掛かりな設備が必要なく、大気圧下で簡便な装置を用いて行うことができる。具体的には、市販のポリリン酸や濃硫酸を100℃以上に加熱して使用することにより実施できる。
この方法によれば、電界賦活工程を100%リン酸または硫酸からなる液体中で行うため、有機電解液を用いる場合のようなドライルームなどの大掛かりな設備が必要なく、大気圧下で簡便な装置を用いて行うことができる。具体的には、市販のポリリン酸や濃硫酸を100℃以上に加熱して使用することにより実施できる。
また、この方法で電界賦活工程を行った電気二重層キャパシタ用電極を用いてキャパシタセルを組み立てるため、この方法の電界賦活工程は、キャパシタセルとした時にイオンの拡散抵抗に影響を及ぼさない。
前記電界賦活工程を、リン酸または硫酸の温度を150〜220℃に保持して行うと、電界賦活工程にかかる時間を短くすることができ、リン酸および硫酸の状態も安定しているため好ましい。
前記電界賦活工程を、リン酸または硫酸の温度を150〜220℃に保持して行うと、電界賦活工程にかかる時間を短くすることができ、リン酸および硫酸の状態も安定しているため好ましい。
前記電界賦活工程は、可逆水素電極の電位を基準として1.0V以上2.2V以下となる電位を印加して行うことが好ましい。特に、リン酸を用いる場合は、リン酸の分解電位が2.2Vであるため、2.2V以下の電位で行う必要がある。印加電位が1.0V未満であると、前記電界賦活工程で静電容量の増大効果が得られるまでに長時間を要する。
前記電界賦活工程により、多孔質炭素材料からなる電極に電荷が付与され、付与された電荷量に比例した量の炭素が電気化学的に酸化される。よって、付与する電荷量が多いほど、静電容量の増加量は多くなるが、電極の嵩密度の減少量も多くなる。電極の嵩密度が小さくなると、質量当たりの静電容量が少なくなる。
前記電界賦活工程により、多孔質炭素材料からなる電極に電荷が付与され、付与された電荷量に比例した量の炭素が電気化学的に酸化される。よって、付与する電荷量が多いほど、静電容量の増加量は多くなるが、電極の嵩密度の減少量も多くなる。電極の嵩密度が小さくなると、質量当たりの静電容量が少なくなる。
前記電界賦活工程で、電極の嵩密度の減少率(100−(電界賦活工程後の嵩密度/電界賦活工程前の嵩密度)×100)を15%以下に抑えるためには、電極に付与する電荷量を電極に含まれる炭素1mol当たり38000C以下にすることが好ましい。前記電界賦活工程で電極に付与する電荷量の下限値としては、例えば、炭素1gの1%が酸化される電荷量に相当する「電極に含まれる炭素1mol当たり3800C」が挙げられる。
この発明の電気二重層キャパシタ用電極の製造方法によれば、電界賦活工程を大気圧下で簡便な装置を用いて行うことができ、この方法で得られた電極をキャパシタセルとした時にイオンの拡散抵抗に影響を及ぼさない。
以下、この発明の実施形態について説明する。
先ず、以下の方法で多孔質炭素基材を作製した。
[多孔質炭素基材の作製]
先ず、針葉樹未晒クラフトパルプと、捲縮処理が施された炭素繊維(商品名「ドナカーボ・Sチョップ」ドナック社製)を、パルプ:炭素繊維=80:20(質量比)で混合し、水を加えてスラリー状の組成物とした。この組成物をろ過成形することで、厚さ6mmの成形体を得た。
先ず、以下の方法で多孔質炭素基材を作製した。
[多孔質炭素基材の作製]
先ず、針葉樹未晒クラフトパルプと、捲縮処理が施された炭素繊維(商品名「ドナカーボ・Sチョップ」ドナック社製)を、パルプ:炭素繊維=80:20(質量比)で混合し、水を加えてスラリー状の組成物とした。この組成物をろ過成形することで、厚さ6mmの成形体を得た。
次に、得られた成形体にフェノール樹脂を含浸させて、フェノール樹脂含有率が80質量%の成形体とした。この成形体を120℃で20分、温風乾燥することで樹脂を硬化させた。その後、この成形体を、不活性ガス雰囲気下、900℃で焼成することで、この成形体に含まれるパルプとフェノール樹脂を炭化すると共に、タールなどの余分な成分を除去した。これにより、炭素のみからなる多孔質炭素基材が得られた。
得られた多孔質炭素基材の嵩密度は0.79g/cm3、1M硫酸中でサイクリックボルタンメトリーにより測定した静電容量は3F/gであった。
なお、サイクリックボルタンメトリーは、対極として多孔質炭素基材、参照極として可逆水素電極(RHE)を用い、得られた多孔質炭素基材を円板状に切り出して、これを試料ポケット付き白金メッシュ電極のポケットに固定したもの(作用極)を、可逆水素電極を基準として、速度1mV/s、電圧0〜1.0Vの条件で掃引することで行い、得られたサイクリックボルタモグラムの600mV(vs.RHE)の電流値から静電容量を算出した。
なお、サイクリックボルタンメトリーは、対極として多孔質炭素基材、参照極として可逆水素電極(RHE)を用い、得られた多孔質炭素基材を円板状に切り出して、これを試料ポケット付き白金メッシュ電極のポケットに固定したもの(作用極)を、可逆水素電極を基準として、速度1mV/s、電圧0〜1.0Vの条件で掃引することで行い、得られたサイクリックボルタモグラムの600mV(vs.RHE)の電流値から静電容量を算出した。
次に、得られた多孔質炭素基材に対して、以下の方法で電界賦活工程を行った。
[100%リン酸を用いた実施例]
<第1実施例>
先ず、得られた多孔質炭素基材を円板状に切り出して、これを試料ポケット付き白金メッシュ電極のポケットに固定した。次に、PTFEビーカーにリン酸(和光純薬製の105%ポリリン酸)を入れ、このビーカー内に、作用極として前記白金メッシュ電極を、円板状の多孔質炭素基材の全体がリン酸に浸るように配置した。
[100%リン酸を用いた実施例]
<第1実施例>
先ず、得られた多孔質炭素基材を円板状に切り出して、これを試料ポケット付き白金メッシュ電極のポケットに固定した。次に、PTFEビーカーにリン酸(和光純薬製の105%ポリリン酸)を入れ、このビーカー内に、作用極として前記白金メッシュ電極を、円板状の多孔質炭素基材の全体がリン酸に浸るように配置した。
このビーカー内に、さらに、対極として白金板、参照極として可逆水素電極を配置し、ビーカー内のリン酸を加熱して100%リン酸とし、100%リン酸の温度を170℃に保持した状態で、ポテンシオスタットを用い、作用極に1.2V(vs.RHE)の定電位を印加した。その際に、作用極に流れた電流量からクロノクーロメトリーで電荷量を計測し、円板状の多孔質炭素基材に3700Cの電荷を付与した。円板状の多孔質炭素基材の質量(炭素の質量)は1.15gであり、炭素0.096molに相当することから、付与した3700Cの電荷は、炭素1mol当たりに換算すると38542Cに相当する。
このようにして電界賦活工程を行った後の多孔質炭素基材について、嵩密度および静電容量を測定したところ、嵩密度は0.70g/cm3、1M硫酸中でサイクリックボルタンメトリーにより測定した静電容量は41F/gであった。サイクリックボルタンメトリーによる測定は、前記と同じ条件で、電界賦活工程後の前記白金メッシュ電極からなる作用極を掃引することにより行った。
すなわち、この方法によれば、多孔質炭素基材からなる電極に対し、170℃の100%リン酸中で1.2V(vs.RHE)の定電位を、炭素1mol当たり38542Cの電荷が付与されるように印加する電界賦活工程を行うことで、静電容量を電界賦活工程前の3F/gの約14倍に相当する41F/gに増加することができた。また、電界賦活工程後の多孔質炭素基材の嵩密度は電界賦活工程前の88.6%であり、嵩密度の減少率を15%以下に抑えることができた。
<印加電位>
次に、第1実施例の電界賦活工程を、印加する電位を1.0〜1.6V(vs.RHE)に変化させて行い、付与される電荷量が炭素1mol当たり4000Cとなるまでに要した時間を調べた。その結果を図1にグラフで示す。
図1のグラフによると、この電界賦活工程を行う場合、印加電位が1.0Vであると電界賦活工程に要する時間は55万秒(約153時間)であり、1.3Vであると5500秒(約1時間半)、1.4Vであると100秒強であり、1.5Vであると45秒程度である。すなわち、第1実施例の方法で電界賦活工程を行う場合、処理時間の点から、印加電位を1.3V(vs.RHE)以上にすることが好ましい。
次に、第1実施例の電界賦活工程を、印加する電位を1.0〜1.6V(vs.RHE)に変化させて行い、付与される電荷量が炭素1mol当たり4000Cとなるまでに要した時間を調べた。その結果を図1にグラフで示す。
図1のグラフによると、この電界賦活工程を行う場合、印加電位が1.0Vであると電界賦活工程に要する時間は55万秒(約153時間)であり、1.3Vであると5500秒(約1時間半)、1.4Vであると100秒強であり、1.5Vであると45秒程度である。すなわち、第1実施例の方法で電界賦活工程を行う場合、処理時間の点から、印加電位を1.3V(vs.RHE)以上にすることが好ましい。
<嵩密度の減少率>
次に、第1実施例の電界賦活工程を、印加電位1.2V(vs.RHE)で、付与する電荷量が炭素1mol当たり1000C、10000C、30000C、38000C、50000C、70000C、100000Cとなるまで行い、各試料について、電界賦活工程前後の嵩密度の比を調べた。その結果を図2にグラフで示す。
図2のグラフから分かるように、付与する電荷量が多いほど電界賦活処理による電極の嵩密度の減少率が高くなる。また、第1実施例の電界賦活工程では、電極に付与する電荷量を電極に含まれる炭素1mol当たり100000C(100kC)以下にすることで、処理前後の電極の嵩密度の減少率を30%以下に抑えることができ、38000C以下にすることで処理前後の電極の嵩密度の減少率を15%以下に抑えることができる。
次に、第1実施例の電界賦活工程を、印加電位1.2V(vs.RHE)で、付与する電荷量が炭素1mol当たり1000C、10000C、30000C、38000C、50000C、70000C、100000Cとなるまで行い、各試料について、電界賦活工程前後の嵩密度の比を調べた。その結果を図2にグラフで示す。
図2のグラフから分かるように、付与する電荷量が多いほど電界賦活処理による電極の嵩密度の減少率が高くなる。また、第1実施例の電界賦活工程では、電極に付与する電荷量を電極に含まれる炭素1mol当たり100000C(100kC)以下にすることで、処理前後の電極の嵩密度の減少率を30%以下に抑えることができ、38000C以下にすることで処理前後の電極の嵩密度の減少率を15%以下に抑えることができる。
<電極の嵩密度と静電容量:第2、第3実施例>
次に、第1実施例の電界賦活工程を、印加電位を1.2V(vs.RHE)、付与する電荷量7400C(炭素1mol当たり77083C)の条件とし、それ以外は同じ方法で行った。この電界賦活工程後の多孔質炭素基材について、嵩密度および静電容量を測定したところ、嵩密度は0.63g/cm3、前記と同じ方法で測定した静電容量は98F/gであった。
次に、第1実施例の電界賦活工程を、印加電位を1.2V(vs.RHE)、付与する電荷量7400C(炭素1mol当たり77083C)の条件とし、それ以外は同じ方法で行った。この電界賦活工程後の多孔質炭素基材について、嵩密度および静電容量を測定したところ、嵩密度は0.63g/cm3、前記と同じ方法で測定した静電容量は98F/gであった。
また、第1実施例の電界賦活工程を、印加電位を1.2V(vs.RHE)、付与する電荷量11100C(炭素1mol当たり115625C)の条件とし、それ以外は同じ方法で行った。この電界賦活工程後の多孔質炭素基材について、嵩密度および静電容量を測定したところ、嵩密度は0.55g/cm3、前記と同じ方法で測定した静電容量は141F/gであった。
これらの結果と第1実施例の結果を、後述の比較例の結果とともに図3にグラフで示す。
これらの結果と第1実施例の結果を、後述の比較例の結果とともに図3にグラフで示す。
[100%硫酸を用いた実施例]
100%リン酸に代えて100%硫酸を用いた以外は、第1実施例と同じ方法で電界賦活工程を行った。すなわち、PTFEビーカー内に市販の濃硫酸(濃度96%)を入れて100℃以上に加熱することで100%硫酸とし、100%硫酸の温度を170℃に保持した状態で、作用極に1.2V(vs.RHE)の定電位を印加して、円板状の多孔質炭素基材に3700Cの電荷を付与した。この電界賦活工程後の多孔質炭素基材について、前記と同様に静電容量を測定したところ34F/gであり、嵩密度は0.70g/cm3であった。
100%リン酸に代えて100%硫酸を用いた以外は、第1実施例と同じ方法で電界賦活工程を行った。すなわち、PTFEビーカー内に市販の濃硫酸(濃度96%)を入れて100℃以上に加熱することで100%硫酸とし、100%硫酸の温度を170℃に保持した状態で、作用極に1.2V(vs.RHE)の定電位を印加して、円板状の多孔質炭素基材に3700Cの電荷を付与した。この電界賦活工程後の多孔質炭素基材について、前記と同様に静電容量を測定したところ34F/gであり、嵩密度は0.70g/cm3であった。
すなわち、この方法によれば、多孔質炭素基材からなる電極に対し、170℃の100%硫酸中で1.2V(vs.RHE)の定電位を、炭素1mol当たり38542Cの電荷が付与されるように印加する電界賦活工程を行うことで、静電容量を電界賦活工程前の3F/gの約11倍に相当する34F/gに増加することができた。また、電界賦活工程後の多孔質炭素基材の嵩密度は電界賦活工程前の88.6%であり、嵩密度の減少率を15%以下に抑えることができた。
[ガス賦活工程を行った比較例]
比較例として、この実施形態の方法で作製した多孔質炭素基材を、850℃に保持した電気炉内に設置し、電気炉内にCO2ガスを流量200ml/分で供給しながら5時間保持するガス賦活工程を行った。このガス賦活工程後の多孔質炭素基材について、前記と同様に静電容量を測定したところ21F/gであり、嵩密度は0.71g/cm3であった。
比較例として、この実施形態の方法で作製した多孔質炭素基材を、850℃に保持した電気炉内に設置し、電気炉内にCO2ガスを流量200ml/分で供給しながら5時間保持するガス賦活工程を行った。このガス賦活工程後の多孔質炭素基材について、前記と同様に静電容量を測定したところ21F/gであり、嵩密度は0.71g/cm3であった。
次に、前記ガス賦活工程を、条件を温度850℃、CO2ガス流量300ml/分、保持時間:10時間に変えて行った。このガス賦活工程後の多孔質炭素基材について、前記と同様に静電容量を測定したところ48F/gであり、嵩密度は0.63g/cm3であった。この比較例の結果は、100%リン酸を用いた実施例の電界賦活工程で嵩密度を同じ0.63g/cm3とした場合の静電容量98F/gと比較して、半分程度であった。
次に、前記ガス賦活工程を、条件を温度850℃、CO2ガス流量300ml/分、保持時間:15時間に変えて行った。このガス賦活工程後の多孔質炭素基材について、前記と同様に静電容量を測定したところ78F/gであり、嵩密度は0.55g/cm3であった。この比較例の結果は、100%リン酸を用いた実施例の電界賦活工程で嵩密度を同じ0.55g/cm3とした場合の静電容量141F/gと比較して、半分程度であった。
これらの結果を、前述の第1〜3実施例の結果とともに図3にグラフで示す。
図3のグラフから分かるように、100%リン酸を用いた実施例の電界賦活工程を行うことにより、比較例のガス賦活工程を行った場合と比較して、同じ嵩密度で静電容量が著しく高い、多孔質炭素基材からなる電極を得ることができる。
なお、この実施形態の電界賦活工程を行った電極を用いて電気二重層キャパシタセルを組み立てる際には、通常の電気二重層キャパシタ用電極と同様の前処理(洗浄処理等)を行えばよい。したがって、この実施形態の電界賦活工程は、得られた電極をキャパシタセルとした時にイオンの拡散抵抗に影響を及ぼさない方法である。
図3のグラフから分かるように、100%リン酸を用いた実施例の電界賦活工程を行うことにより、比較例のガス賦活工程を行った場合と比較して、同じ嵩密度で静電容量が著しく高い、多孔質炭素基材からなる電極を得ることができる。
なお、この実施形態の電界賦活工程を行った電極を用いて電気二重層キャパシタセルを組み立てる際には、通常の電気二重層キャパシタ用電極と同様の前処理(洗浄処理等)を行えばよい。したがって、この実施形態の電界賦活工程は、得られた電極をキャパシタセルとした時にイオンの拡散抵抗に影響を及ぼさない方法である。
また、この実施形態では、炭素のみからなる多孔質炭素基材を電極として使用して、この発明の電界賦活工程を行っているが、使用する電極は多孔質炭素基材であればよく、例えば、活性炭をベースとした電極(活性炭と、導電性を補助するための炭素粉末と、PTFEなどのバインダーを混練して得られたペーストを、シート状に成形したもの)を使用した場合でも、同様の効果が得られる。
Claims (3)
- 100%リン酸または硫酸からなる液体中で多孔質炭素材料からなる電極に定電位を印加する電界賦活工程を有することを特徴とする電気二重層キャパシタ用電極の製造方法。
- 前記電界賦活工程は、リン酸または硫酸の温度を150〜220℃に保持して行う請求項1記載の電気二重層キャパシタ用電極の製造方法。
- 前記電界賦活工程は、可逆水素電極の電位を基準として1.0V以上2.2V以下となる電位を印加して行う請求項1または2記載の電気二重層キャパシタ用電極の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014107361A (ja) * | 2012-11-26 | 2014-06-09 | Nissan Motor Co Ltd | 電気化学キャパシタ用電極およびその製造方法 |
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