以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図17に基づいて説明する。
図1に示すようにパチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠12の前面側には前枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠14は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠12に重なるように組み付けられている。前枠14は、中央部に窓口14aを有するとともに、該窓口14aの下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な上皿(貯留皿)15を一体成形した構成とされている。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤13を保護するとともに窓口14aを覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤13は、中枠12に装着される。また、遊技盤13及び前枠14には、発光演出を行う電飾表示部を構成する装飾ランプ16が配置されている。また、前枠11の右下部には、各種音声を出力して音声演出を行うスピーカ17が配置されている。
中枠12の前面側であって前枠14の下部には、上皿15から溢れ出た遊技球を貯留する下皿(貯留皿)18が装着されている。また、中枠12の前面側であって下皿18の右方には、遊技球を遊技盤13に発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル19が装着されている。
次に、遊技盤13の構成について図2にしたがって詳しく説明する。
遊技盤13の前面には、発射ハンドル19の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域13aが形成されている。そして、遊技盤13には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段としての演出表示装置H2が配設されている。また、遊技盤13には、各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)20が装着されている。演出表示装置H2には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置H2の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置H2の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。
図2に示すように、遊技盤13の右下方には、表示手段としての特別図柄表示装置H0が設けられている。本実施形態では、特別図柄表示装置H0を7セグメント型の表示装置としている。特別図柄表示装置H0では、該特別図柄表示装置H0で変動させる図柄として設定される複数種類の特別図柄を1列で変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
特別図柄表示装置H0で図柄変動ゲームが開始する場合、演出表示装置H2と特別図柄表示装置H0では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄(特図及び飾り図柄)の変動表示が開始される。具体的には、図柄変動ゲームの開始に伴って、特別図柄表示装置H0では特別図柄の変動が開始する一方で、演出表示装置H2では各列の飾り図柄の変動が開始する。そして、演出表示装置H2と特別図柄表示装置H0には、大当り抽選の抽選結果に基づき、図柄変動ゲームの終了によって同時に大当り図柄(大当り表示結果)又ははずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。このとき、特別図柄表示装置H0と演出表示装置H2では、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合には何れの表示装置にも大当り図柄が確定停止表示される一方で、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合には何れの表示装置にもはずれ図柄が確定停止表示される。大当り図柄は、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものである。また、はずれ図柄は、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものである。
本実施形態において特別図柄表示装置H0には、複数種類の特別図柄の中から、大当り抽選の抽選結果(大当り又ははずれ)に対応する1つの特別図柄が選択されるとともに、その選択された特別図柄が図柄変動ゲームの終了によって確定停止表示される。特別図柄は、大当りを認識し得る図柄となる2種類の大当り図柄と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。
そして、大当り抽選で大当りに当選した場合、図柄変動ゲームにおいて大当り図柄が確定停止表示された後、大当り遊技が遊技者に付与される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図2に示すように、演出表示装置H2の表示領域(画像表示面)を特別図柄表示装置H0の表示領域よりも遥かに大きく形成するとともに、演出表示装置H2を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特別図柄表示装置H0よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出が行われる演出表示装置H2の表示内容に注目し、該演出表示装置H2の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識することになる。
また、本実施形態において演出表示装置H2には、各列毎に[0]〜[7]の8種類の数字が飾り図柄として表示されるようになっている。演出表示装置H2に停止表示された全列の図柄が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当り遊技が付与される大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾り図柄による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、演出表示装置H2に確定停止表示された全列の図柄が異なる場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。
また、本実施形態において、演出表示装置H2における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾り図柄が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置H2において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾り図柄が一旦停止表示されるようになっている。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾り図柄が同一図柄となって一旦停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。
なお、「変動表示」とは、図柄を表示する表示装置に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態である一方で、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。なお、特別図柄表示装置H0と演出表示装置H2では、同時に対応する図柄変動ゲームとその図柄変動ゲームに係わる表示演出が開始されるとともに、同時に終了する(すなわち、同時に特別図柄と飾り図柄が確定停止表示される)。
また、演出表示装置H2には、図柄変動ゲームが実行されている特別図柄表示装置H0の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。特別図柄表示装置H0に表示される特別図柄と、演出表示装置H2に表示される飾り図柄による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特別図柄と飾り図柄による図柄組み合わせが対応して確定停止表示されるようになっている。例えば、特別図柄表示装置H0に大当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置H2にも[222]や[777]などの大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、特別図柄表示装置H0にはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置H2にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾り図柄の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾り図柄による図柄組み合わせの中から1つの飾り図柄による図柄組み合わせが選択されるようになっている。以上のように、本実施形態の演出表示装置H2では、各図柄変動ゲームに係わる表示演出(3列の図柄を変動表示させて図柄の組み合わせを表示させる図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。
また、遊技盤13の右下方には、特別図柄表示装置H0を挟むように、2つのLEDから構成される普通図柄表示装置H10が配設されている。この普通図柄表示装置H10では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲームが行われるようになっている。普通図柄表示装置H10では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う普図当りか否か(開閉羽根26の開動作により下始動入賞口27を開放するか否か)の内部抽選(普図当り抽選)の抽選結果を表示する。そして、本実施形態の普通図柄表示装置H10では、普図当り抽選で普図当りを決定している場合には普通図柄変動ゲームで普通図柄からなる普図当り用の図柄が確定停止表示(左側のLEDが点灯)される。一方、本実施形態の普通図柄表示装置H10では、普図当り抽選で普図はずれを決定している場合には普通図柄変動ゲームで普通図柄からなる普図はずれ用の図柄が確定停止表示(右側のLEDが点灯)される。
また、遊技盤13において表示枠体20の下方には、遊技球の入球口25aを有する始動手段としての上始動入賞口25と遊技球の入球口27aを有する始動手段としての下始動入賞口27が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口25は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口25aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口27は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根26を備えており、開閉羽根26が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口27aを開放させる構成とされている。換言すれば、下始動入賞口27は、開閉羽根26が開動作して入球口27aが開放されない限り、遊技球の入球を不能とする構成とされている。
上始動入賞口25と下始動入賞口27の各奥方には、入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1,SW2(図5に示す)が配設されている。上始動入賞口25と下始動入賞口27は、入球した遊技球を検知(入球検知)することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、遊技盤13において各始動入賞口25,27の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉28を備えた入賞手段としての大入賞口(特別電動役物)29が配設されている。大入賞口29の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図5に示す)が配設されている。大入賞口29は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉28の開動作によって大入賞口29が開放されて遊技球の入球が許容されるため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示されることを契機に付与される。
また、遊技盤13において特別図柄表示装置H0の下方には、特別図柄保留記憶表示装置Raが設けられている。本実施形態では、特別図柄保留記憶表示装置Raを4つのLEDで構成している。そして、特別図柄保留記憶表示装置Raは、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「特図始動保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、各始動入賞口25,27へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球を始動保留球として記憶し、始動保留球の個数を特別図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。特図始動保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲームの待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。特図始動保留記憶数は、各始動入賞口25,27に遊技球が入球することで始動保留記憶数が1加算され、図柄変動ゲームの開始により始動保留記憶数が1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に各始動入賞口25,27へ遊技球が入球すると、特図始動保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図2に示すように、演出表示装置H2(画像表示部GH)の表示領域の下部において、特別図柄保留記憶表示装置Raで報知する保留記憶数に相当する数を保留表示画像Rhaとして表示するようになっている。保留表示画像Rhaは特別図柄保留記憶表示装置Raで報知する保留記憶数に対応しているとともに、該保留記憶数を「○」を模した左から順に保留画像Rha1〜Rha4の表示態様により報知する。特図始動保留記憶数が、「1」であれば保留画像Rha1のみを、「2」であれば保留画像Rha1,Rha2の2つのみを、「3」であれば保留画像Rha1〜Rha3の3つのみを、「4」であれば保留画像Rha1〜Rha4の4つ全てを表示させる態様となる。
なお、本実施形態では、特別図柄保留記憶表示装置Raが、実際に機内部で記憶されている保留記憶数を示す役割を担っている一方で、保留表示画像Rhaが、遊技者に保留記憶数を分かり易くする為の役割を担っている。これにより、遊技者は、保留表示画像Rhaの表示態様から特図始動保留記憶数を把握し得る。なお、保留表示画像Rhaの表示態様は、後に詳述する演出表示制御基板37によって制御されるようになっている。
また、保留表示画像Rhaでは、特図始動保留記憶数として機内部で記憶している始動保留球に基づく図柄変動ゲームの保留状態も報知している。保留状態とは、始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、各図柄変動ゲームの何番目に実行されるかのことである。保留表示画像Rhaでは図柄変動ゲームとして保留される図柄変動ゲームの保留状態が保留画像Rha1〜Rha4で報知される。例えば、保留表示画像Rhaで保留画像Rha1は、図柄変動ゲームが、保留中の図柄変動ゲームのうち1番目に実行される保留状態を報知する。この場合の図柄変動ゲームは、特図始動保留記憶数として記憶されている始動保留球のうち、最先に記憶されている始動保留球に基づくことになる。また、保留画像Rha2は、図柄変動ゲームが、保留中の図柄変動ゲームのうち2番目に実行される保留状態を報知する。この場合の図柄変動ゲームは、特図始動保留記憶数として記憶されている始動保留球のうち、2番目に記憶されている始動保留球に基づくことになる。これにより、遊技者は、各始動入賞口25,27で遊技球が入球検知されたことを契機に記憶される始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、保留中の各図柄変動ゲームの中で何番目に実行されるか保留画像から視覚的に認識し得る。
また、遊技盤13において表示枠体20の左方には、普通図柄作動ゲート23が配設されている。普通図柄作動ゲート23の奥方には、該普通図柄作動ゲート23へ入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4(図5に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート23は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件のみを付与し得る。
また、遊技盤13において普通図柄表示装置H10の上方には、4つのLEDを備えた普通図柄保留記憶表示装置Mが設けられている。そして、普通図柄保留記憶表示装置Mは、機内部で記憶した普通図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「普図始動保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体20の左方に配置される普通図柄作動ゲート23へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球を始動保留球として記憶し、その始動保留球の個数を普図始動保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。普図始動保留記憶数は、保留中(普通図柄変動ゲーム待機中)の普通図柄変動ゲームの回数を示している。普図始動保留記憶数は、普通図柄作動ゲート23に遊技球が入球することで1加算され、普通図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、普通図柄変動ゲーム中に普通図柄作動ゲート23へ遊技球が入球すると、普図始動保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として、大当り遊技終了後に大当り抽選の抽選確率状態を低確率抽選状態から高確率抽選状態に変動させる確変状態(確率変動状態)を付与する機能である。また、確変状態は、次回の大当りが生起される迄の間、付与される。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利な特典であり、遊技者はこのような特典が付与される確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態が付与される)大当りが非確変大当りとなる。本実施形態では、特別図柄の大当り図柄のうち特定図柄が、確変大当りの特別図柄に設定されているとともに、非特定図柄が、非確変大当りの特別図柄に設定されている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置H2に確定停止表示される飾り図柄のうち[111][333][555][777]によって構成される大当りの図柄組み合わせが(特別大当り表示結果)、確変大当りを確定的に認識し得る図柄組み合わせ(確変確定の大当り図柄)として設定されている。一方、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置H2に確定停止表示される飾り図柄のうち、[000][222][444][666]によって構成される大当りの図柄が、非確変大当りを確定的に認識し得る図柄組み合わせ(確変非確定の大当り図柄)として設定されている。このように、確変確定の大当り図柄と確変非確定の大当り図柄では、確変状態が付与されるか否かが異なっており、確変非確定の大当り図柄よりも確変確定の大当り図柄の方が、遊技者にとって有利な図柄として設定されている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、変動時間短縮(以下、「変短」と示す)機能を備えている。変短機能は、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮されるとともに、普通図柄作動ゲート23の通過に基づく普通図柄変動ゲームの抽選確率状態(普図当りの当選確率)が低確率抽選状態から高確率抽選状態に変動する変短状態を特典として付与する機能である。また、変短状態が付与されている場合と変短状態が付与されていない場合とで下始動入賞口27の開閉羽根26は、普通図柄変動ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。すなわち、変短状態が付与されていない時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根26が第1回数(例えば1回)分開放し、開放してから第1開放時間(例えば、200ms)経過するまで開放状態を維持するようになっている。一方、変短状態が付与されている時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根26が開放する回数が増加(例えば、3回)して第1回数よりも多い第2回数となり、1回の開放において開放してから第1開放時間よりも長い第2開放時間(例えば、1740ms)が経過するまで開放状態を維持するようになっている。すなわち、開閉羽根26は、変短状態が付与されている場合、変短状態が付与されていない状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。変短状態中は、開閉羽根26が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの下始動入賞口27への遊技球の入球率が向上するので、変短状態は入球率向上状態となる。そして、変短状態は、予め定めた回数の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。本実施形態において変短状態が付与される前記回数は、大当りの種類に応じて変化する。本実施形態において、変短状態時に遊技者は、下始動入賞口27への入球率を上始動入賞口25への入球率よりも向上させることができる。その結果、変短状態時に遊技者は、該変短状態による恩恵を得ることができる。
本実施形態では、大当り遊技の終了後における開閉羽根26の単位時間あたりの開放時間を増加させる変短状態が、開放時間増加状態となる。一方、大当り遊技の終了後における開閉羽根26の単位時間あたりの開放時間を増加させない非変短状態が、開放時間非増加状態となる。なお、変短状態(開放時間増加状態)中は、1回の普図当りによって開閉羽根26が開放される時間の合計が、非変短状態時よりも増加する。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する大当り遊技について、図3をもとに説明する。
大当り遊技は、大当り抽選で大当りに当選し、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口29(の大入賞口扉28)が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では15回)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技が開始してから予め定めたラウンド遊技時間が経過する、又は予め定めた入球上限個数の遊技球が入球する、の何れか一方の条件を満たすことにより終了する。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、2種類の大当り遊技(確変大当り又は非確変大当り)の中から1つの大当り遊技の種類が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、2種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。特別図柄(大当り図柄)の決定には、後述する図柄振分用乱数が用いられ、その図柄振分用乱数の抽出値をもとに特別図柄が選択されるようになっている。
本実施形態において選択可能な大当り図柄は、特定図柄及び非特定図柄からなる2つのグループに属する図柄とされている。そして、本実施形態では、特定図柄には40種類の大当り図柄が、非特定図柄には10種類の大当り図柄が属している。このため、これらのグループに属する特別図柄に対して、図柄振分用乱数の取り得る数値(本実施形態では0〜49までの全50通りの整数値)が、所定個数ずつ(本実施形態では1つずつ)振分けられている。すなわち、特別図柄の大当り全体の割合は、特定図柄が80%(50分の40)、非特定図柄が20%(50分の10)となる。その結果、本実施形態においては、大当り全体の80%が確変大当りとなり、大当り全体の20%が非確変大当りとなる。
特定図柄及び非特定図柄に基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「15回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口29を「1回」開放(本実施形態では、25000(ms))させることにより、大当り遊技中に大入賞口29を「15回」開放させるようになっている。また、特定図柄及び非特定図柄に基づく大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「8球」に設定されている。
そして、特定図柄に基づく大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における内部制御状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態(リミットなし(次回大当りまで))と、その確変状態の終了時まで変短状態が付与されるようになっている。なお、図3では、確変状態の終了時まで変短状態を付与する場合を「リミットなし」と表記している。また、非特定図柄に基づく大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における内部制御状態に関係なく、大当り遊技終了後に非確変状態と50回(最大値)の図柄変動ゲームを対象として変短状態が付与される。
また、これら大当り遊技では、オープニング時間として「7.00秒(7000(ms))」が、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.00秒(25000(ms))」が、エンディング時間として「14.60秒(14600(ms))」が設定されている。
なお、本実施形態では、大当り遊技の各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もある。このため、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間は最大時間となる。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、確変大当りでは、非確変大当りよりも確変状態と変短状態が共に付与されることから遊技者にとって有利になる。そして、確変状態によっては、少なくとも1回分の大当りの当選が遊技者に約束されて賞球を獲得し得るだけではなく、変短状態の付与により遊技者の保有する遊技球の減少も抑えることができる。このため、特定図柄に基づく確変大当り後では、非特定図柄に基づく非確変大当り後よりも多く(多量)の賞球を獲得し得る可能性が高まる。その結果、特定図柄に基づく確変大当りの当選は、非特定図柄に基づく非確変大当り遊技の当選よりも遊技者にとって有利となる。
なお、賞球とは、大入賞口29への1球の入球に対して遊技者に賞として付与される遊技球である。そして、前述した各大当り後の比較において、賞球の獲得数が少量又は多量とは、各大当りの終了後の状況(次の大当りも約束されているか、変短状態により遊技球の減少を抑えられるか)に基づいて獲得し得る賞球を比較した場合の少量又は多量である。本実施形態のパチンコ遊技機10では、大入賞口29への1球の入球に対して、例えば「13球」の遊技球を賞球として払出すような設定がなされており、1回のラウンド遊技における入球上限個数を「8球」に設定し、「8球」の遊技球が大入賞口へ入球したならば遊技者には「104球」の遊技球が賞球として払出されていることになる。
本実施形態では、獲得賞球が遊技者の獲得利益となる。そして、見込むことができる遊技者の獲得利益は、大当り後の状況(次の大当りも約束されているか、変短状態により遊技球の減少を抑えられるか)によって異なる。すなわち、本実施形態では、確変状態が付与されるか変短状態が付与されるかによって異なっており、設定している大当りのうち、非確変状態(50回の変短状態)を付与する非確変大当り後よりも確変状態(リミットなし変短状態)を付与する確変大当り後で見込むことができる遊技者の獲得利益が、大きく設定されている。本実施形態では、遊技者の獲得利益が他の当り(非確変大当り)よりも相対的に大きい確変大当りが大利益当りとなる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、図4に示すように、演出表示装置H2で行われる演出として、内部制御状態(確変状態又は非確変状態)であることを遊技者に報知する複数(本実施形態では2つ)の演出モードを実行可能に構成されている。具体的には、変短状態の付与中であって高確率抽選状態(確変状態)であることを遊技者に報知する確変演出モードMAが演出表示装置H2で実行可能に構成されている。また、低確率抽選状態(非確変状態)であることを遊技者に報知する非確変演出モードMBが演出表示装置H2で実行可能に構成されている。なお、非確変演出モードMBは、変短状態の場合に実行される場合と非変短状態の場合とがある。
そして各演出モードMA,MBにおいて演出表示装置H2では、図4に示すように、対応する背景画像GA,GBが画像表示される。なお、本実施形態において、演出表示装置H2では、図柄変動ゲームに関連して画像表示される背景画像が画像表示され、当該背景画像に重なるように各列の飾り図柄が画像表示されて、これら飾り図柄が変動表示されることで図柄変動ゲームが実行されるようになっている。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置H2に画像表示される背景画像により各種演出モードを実行させ、背景画像の種類から現在滞在している演出モードの種類を遊技者が把握し得るようになっている。本実施形態のパチンコ遊技機10における背景画像は、図柄変動ゲームで表示される図柄を除いて構成し得る画像であり、図柄変動ゲームで変動表示される飾り図柄毎に対応付けて画像表示されるものとは異なっている。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図3に示すように、当りの基になる特別図柄(当り図柄)毎に演出モードの移行先(移行態様)を予め定めている。具体的に言えば、特定図柄に基づく確変大当りに当選した場合には、大当り遊技の終了後に確変演出モードMAへの移行を定めている。なお、この場合には、図柄変動ゲームで確変確定の飾り図柄による大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。また、非特定図柄に基づく非確変大当りに当選した場合には、大当り遊技の終了後に非確変演出モードMBへの移行を定めている。なお、この場合には、図柄変動ゲームで確変非確定の飾り図柄による大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。
次に、遊技の進行に伴う演出モードの移行態様について、図4に基づき説明する。
最初に、確変演出モードMAの滞在中におけるモード移行態様を説明する。
確変演出モードMAの滞在中に、特定図柄に当選した場合、図柄変動ゲームの終了後、大当り遊技を経て、確変演出モードMAへ再び移行する。また、確変演出モードMAの滞在中に、非特定図柄に当選した場合、図柄変動ゲームの終了後、大当り遊技を経て、非確変演出モードMBへ移行する。
次に、非確変演出モードMBの滞在中におけるモード移行態様を説明する。
非確変演出モードMBの滞在中に、特定図柄に当選した場合、図柄変動ゲームの終了後、大当り遊技を経て、確変演出モードMAへ移行する。また、非確変演出モードMBの滞在中に、非特定図柄に当選した場合、図柄変動ゲームの終了後、大当り遊技を経て、非確変演出モードMBへ再び移行する。また、非確変演出モードMBの滞在中に、変短状態の終了条件(50回の図柄変動ゲームの終了)が成立しても非確変演出モードMBが継続する。
次に、パチンコ遊技機10の制御構成について図5に基づき説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御装置としての主制御基板35が装着されている。主制御基板35は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御指令としての制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板36と、演出表示制御基板37と、音声・ランプ制御基板38が装着されている。
サブ統括制御基板36は、主制御基板35が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示制御基板37、及び音声・ランプ制御基板38を統括的に制御する。演出表示制御基板37は、主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置H2の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、音声・ランプ制御基板38は、主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、装飾ランプ16の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)及びスピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36及び演出表示制御基板37について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板35には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU35aと、主制御用CPU35aの制御プログラムを格納する主制御用ROM35bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM35cが設けられている。主制御用CPU35aには、主制御用ROM35bと主制御用RAM35cが接続されている。また、主制御用CPU35aには、上始動入賞口25に入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1と、下始動入賞口27に入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW2が接続されている。また、主制御用CPU35aには、大入賞口29に入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3、普通図柄作動ゲート23を通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4が接続されている。また、主制御用CPU35aには、図柄表示基板39を介して、特別図柄表示装置H0及び普通図柄表示装置H10が接続されている。なお、主制御用CPU35aには、図柄表示基板39を介して、特別図柄保留記憶表示装置Ra及び普通図柄保留記憶表示装置Mが接続されている。
また、主制御用CPU35aは、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、図柄振分用乱数、普図当り判定用乱数や変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。図柄振分用乱数は、大当り抽選で大当りに当選した場合に特別図柄表示装置H0に確定停止表示させる大当り図柄を決定する際に用いる乱数である。普図当り判定用乱数は、普図当りか否かの普図当り抽選で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択する際に用いる乱数である。また、主制御用CPU35aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、主制御用RAM35cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
主制御用ROM35bには、パチンコ遊技機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM35bには、メイン制御プログラムに加え、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、演出表示装置H2及び特別図柄表示装置H0において図柄の変動開始による各図柄変動ゲームが開始してから、演出表示装置H2及び特別図柄表示装置H0において図柄が確定停止表示されて各図柄変動ゲームが終了するまでの間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、特別図柄が変動開始してから特別図柄が確定停止表示されるまでの間の図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定することができる。そして、変動パターンは、大当り演出用、はずれリーチ演出用及びはずれ演出用からなる変動内容毎に分類されている。
大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置H2の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当りの図柄組み合わせ又ははずれの図柄組み合わせ)が導出される迄の間に行われる演出である。また、特別図柄表示装置H0では、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。
また、主制御用ROM35bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1438までの全1439通りの整数)の中から定められている。さらに、大当り判定値は、内部制御状態が非確変状態(低確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる低確率用の大当り判定値と、内部制御状態が確変状態(高確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる高確率用の大当り判定値とがある。そして、確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では33個)は、非確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では4個)よりも多く設定されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、非確変状態における大当り抽選で大当りに当選する確率が、1439分の4となる一方で、確変状態における大当り抽選で大当りに当選する確率が、1439分の33となる。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、非確変状態時の大当り判定値として、「7,12,21,34」の4個の値が定めてられている一方で、確変状態時の大当り判定値として「7,12,21,34,47,51,65,75,88,96,・・・」の33個の値が定められている。そして、本実施形態の大当り判定値の中には、確変状態時及び非確変状態時のいずれでも大当り判定値に含まれる共通大当り判定値「7,12,21,34」が定められている。また、本実施形態の大当り判定値の中には、確変状態時の大当り判定値に確変用大当り判定値「47,51,65,75,88,96,・・・(共通大当り判定値以外)」が設定されている。これにより、共通大当り判定値と一致する大当り判定用乱数に基づく大当り抽選では、確変状態の有無にかかわらず大当りとなる一方、確変用大当り判定値と一致する大当り判定用乱数に基づく大当り抽選では、確変状態が付与されているときにのみ大当りとなる。
また、主制御用ROM35bには、リーチ判定値が記憶されている。リーチ判定値は、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。さらに、リーチ判定値は、内部制御状態が非変短状態の時のリーチ判定値と、内部制御状態が変短状態時のときのリーチ判定値とがある。具体的に言えば、図8に示すように、非変短状態時(変短状態「無」)におけるリーチ判定値では、1減算後の特図始動保留記憶数が「0」「1」の時に「34個(0〜33の値)」が、「2」の時に「17個(0〜16の値)」が、「3」の時に「4個(0〜3の値)」が定められている。また、変短状態時(変短状態「有」)におけるリーチ判定値では、1減算後の特図始動保留記憶数が「0〜3」の時に「4個(0〜3の値)」が定められている。
また、非変短状態の時のリーチ判定値の数は、図柄変動ゲームの開始に伴う1減算後の特図始動保留記憶数によって異なっている。例えば、図柄変動ゲーム実行前の特図始動保留記憶数が「1」である場合には、1減算後の特図始動保留記憶数は「0」となる。すなわち、非変短状態時(変短状態「無」)において1減算後の特図始動保留記憶数が「0」「1」の時のリーチ判定値の数は、1減算後の特図始動保留記憶数が「2」,「3」の時のリーチ判定値の数(この例では3個)よりも多く設定されている。また、変短状態時のリーチ判定値の数は、図柄変動ゲームの開始に伴う1減算後の特図始動保留記憶数にかかわらず同じに設定されている。
また、主制御用ROM35bには、変動パターン振分テーブルが記憶されている。本実施形態のパチンコ遊技機10では、主制御用CPU35aが、前回の大当り遊技の種類を示す情報(種別情報)を記憶しておくことにより、該種別情報と内部制御状態(確変状態の有無及び変短状態の有無)から用いる変動パターン振分テーブルを特定するようになっている。すなわち、変動パターン振分テーブルは、種別情報と内部制御状態毎に用意されており、内部抽選の結果(大当りか否かや大当りの種類(特別図柄)やはずれの場合にはリーチありか否か)毎に変動パターン振分用乱数に基づいて変動パターンを特定するためのテーブルである。そして、変動パターン振分テーブルは、変動パターン振分用乱数の取り得る数値(0〜250までの全251通りの整数)に対して変動パターンを対応付けている。
種別情報と内部制御状態の関係においては、確変演出モードMAの滞在中における変動パターンの選択態様、変短状態時の非確変演出モードMBの滞在中における変動パターンの選択態様、非変短状態の非確変演出モードMBの滞在中における変動パターンの選択態様をそれぞれに特定可能になっている。具体的に、前回が特定図柄である種別情報であれば、演出の上では確変演出モードMAの滞在中を特定する。また、前回が非特定図柄である種別情報であれば、演出の上では非確変演出モードMBの滞在中を特定する。なお、この場合には、変短状態であれば変短状態時の非確変演出モードMBを、非変短状態であれば非変短状態時の非確変演出モードMBの滞在中を特定する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、例えば、はずれリーチの内部抽選結果に対応する変動パターン振分テーブルにおいて、種別情報と内部制御状態に応じて変動パターンの選択態様を異ならせている。本実施形態のパチンコ遊技機10では、リーチ演出が、ノーマルリーチ演出(「ノーマル」)と、弱SPリーチ演出(「弱SP」)と、強SPリーチ演出(「強SP」)と、強強SPリーチ演出(「強強SP」)との何れかに分類されている。そして、はずれリーチ演出用の変動パターンは、これらに分類されるそれぞれの演出内容を特定する変動パターンが設けられている。
そして、非変短状態時の非確変演出モードMBに対するはずれリーチの内部抽選結果に応じた変動パターン振分テーブルでは、「ノーマル」、「弱SP」、「強SP」、「強強SP」のそれぞれに分類される各演出内容を選択可能に構成されている。また、変短状態時の非確変演出モードMBに対するはずれリーチの内部抽選結果に応じた変動パターン振分テーブルでは、「弱SP」に分類される演出内容を選択可能に構成されている。また、確変演出モードMAに対するはずれリーチの内部抽選結果に応じた変動パターン振分テーブルでは、「ノーマル」、「弱SP」に分類される演出内容を選択可能に構成されている。
また、主制御用ROM35bには、普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値(0〜250までの全251通りの整数)の中から定められている。さらに、普図当り判定値は、内部制御状態が非変短状態の時の普図当り抽選で用いる低確率用の普図当り判定値と、内部制御状態が変短状態の時の普図当り抽選で用いる高確率用の普図当り判定値とがある。そして、変短状態の時の普図当り判定値の数(本実施形態では250個)は、非変短状態の時の普図当り判定値の数(本実施形態では10個)よりも多く設定されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、変短状態における普図当り抽選で普図当りに当選する確率が、251分の250となる一方で、非変短状態における普図当り抽選で普図当りに当選する確率が、251分の10となる。
次に、サブ統括制御基板36について説明する。
サブ統括制御基板36には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU36aと、統括制御用CPU36aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM36bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM36cが設けられている。統括制御用CPU36aには、統括制御用ROM36bと統括制御用RAM36cが接続されている。そして、統括制御用CPU36aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
次に、演出表示制御基板37について説明する。
演出表示制御基板37には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU37aと、表示制御用CPU37aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM37bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM37cが設けられている。表示制御用CPU37aには、演出表示装置H2(画像表示部GH)が接続されている。また、本実施形態の表示制御用CPU37aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。表示制御用ROM37bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36及び演出表示制御基板37が実行する制御内容を説明する。
最初に、主制御基板35の主制御用CPU35aについて説明する。
まず、主制御用CPU35aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態の主制御用CPU35aは、所定の制御周期(本実施形態では4ms)毎に特別図柄入力処理(図6)及び特別図柄開始処理(図7)を実行するようになっている。なお、本実施形態の主制御用CPU35aでは、特別図柄入力処理を実行した後に特別図柄開始処理を実行するようになっている。
図6に示すように、特別図柄入力処理において、主制御用CPU35aは、始動入賞口(上始動入賞口25又は下始動入賞口27)に遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1において主制御用CPU35aは、遊技球を検知した始動口スイッチSW1,SW2が出力する検知信号を入力したか否かを判定することで、遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップS1の判定結果が否定の場合(入賞していない場合)、主制御用CPU35aは、特別図柄入力処理を終了する。ステップS1の判定結果が肯定の場合(入賞した場合)、主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cに記憶されている特図始動保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2の判定結果が否定(特図始動保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU35aは、特別図柄入力処理を終了する。
ステップS2の判定結果が肯定(特図始動保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU35aは、特図始動保留記憶数を1加算(+1)し、特図始動保留記憶数を書き換える(ステップS3)。続いて、主制御用CPU35aは、大当り判定用乱数、図柄振分用乱数、リーチ判定用乱数の値、及び変動パターン振分用乱数(判定用乱数)のそれぞれの値を主制御用RAM35cから読み出して取得する(ステップS4)。ステップS4において合わせて主制御用CPU35aは、取得した各値を特図始動保留記憶数(1加算後)に対応付けて主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納する。その後、主制御用CPU35aは、先読みコマンド設定処理を実行し(ステップS5)、特別図柄入力処理を終了する。この先読みコマンド設定処理は、始動入賞口(上始動入賞口25又は下始動入賞口27)への入賞検知を契機に取得した各値に基づく各種判定(事前判定)結果を、該入賞検知に基づく図柄変動ゲームの開始時期よりも前にサブ統括制御基板36に把握させるための各種先読みコマンドを生成及び出力するための処理となっている。この先読みコマンド設定処理については、後に詳細に説明する。
なお、始動入賞口(上始動入賞口25又は下始動入賞口27)に入球した遊技球は始動保留球として主制御用RAM35cに記憶されることから、本実施形態において主制御用RAM35cは保留記憶手段として機能する。また、始動入賞口(上始動入賞口25又は下始動入賞口27)での入球検知時、乱数(各種判定用乱数)の各値を取得する主制御用CPU35aは乱数取得手段として機能する。
また、ステップS3において主制御用CPU35aは、特図始動保留記憶数を1加算した際、1加算した該保留記憶数を指示する保留コマンドを、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に出力する。保留コマンドにより、演出表示装置H2(画像表示部GH)に画像表示されている対応する保留表示画像Rhaの表示態様が、対応する表示態様に更新される。合わせて主制御用CPU35aは、特図始動保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させるように特別図柄保留記憶表示装置Raを制御する。
なお、主制御用CPU35aは、ステップS2が否定の場合(始動保留記憶数=4)、上限数を超える特図始動保留記憶数の書き換えを行わないとともに、肯定の場合にステップS4で取得する各値も取得しない。
続いて、図7に示すように、特別図柄開始処理において、主制御用CPU35aは、まず図柄(特別図柄及び飾り図柄)が変動表示中(変動中)であるか否か、又は大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11において、主制御用CPU35aは、後述する図柄変動ゲームの実行中である場合に設定される情報や大当り遊技中である場合に設定される情報を確認することで、判定する。ステップS11の判定結果が肯定の場合(変動中又は大当り中である場合)、主制御用CPU35aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、ステップS11の判定結果が否定の場合(変動中又は大当り中でない場合)、主制御用CPU35aは、特図始動保留記憶数を読み出す(ステップS12)。合わせて主制御用CPU35aは、図柄変動ゲーム中である(図柄変動ゲームを実行させる)ことを示す情報(フラグなど)を設定する。
続いて、主制御用CPU35aは、特図始動保留記憶数の数を1減算(−1)し、書き換える(ステップS13)。そして、主制御用CPU35aは、特図始動保留記憶数のうち最先の保留記憶数に対応付けられて記憶されている乱数の各値(ステップS4で取得した各値)を読み出(ステップS14)し、ステップS15に移行する。
ステップS13において主制御用CPU35aは、特図始動保留記憶数を1減算した際、1減算した該保留記憶数を指示する保留コマンドを、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に出力する。保留コマンドにより、演出表示装置H2(画像表示部GH)に画像表示されている保留表示画像Rhaの表示態様が、対応する表示態様に更新される。合わせて主制御用CPU35aは、特図始動保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させるように特別図柄保留記憶表示装置Raを制御する。
また、ステップS14についてより詳しく主制御用CPU35aは、特図始動保留記憶数のうち最先の保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値を読み出すとともに、該乱数の各値を、特図始動保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値に書き換える。同様に、主制御用CPU35aは、特図始動保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値を、特図始動保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値に書き換える。同様に、主制御用CPU35aは、特図始動保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値を、特図始動保留記憶数「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値に書き換える。
続いて、ステップS15に移行すると主制御用CPU35aは、先のステップS14で読み出した乱数のうち大当り判定用乱数の値が主制御用ROM35bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う。ステップS15において、主制御用CPU35aは、内部制御状態に応じた大当り判定値を用いて大当り判定を行う。
ステップS15の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、主制御用CPU35aは、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」を設定する(ステップS16)。そして、主制御用CPU35aは、先のステップS14で読み出した乱数のうち図柄振分用乱数の値に基づき、特別図柄の大当り図柄の中から特別図柄表示装置H0に確定停止表示させる最終停止図柄を決定する(ステップS17)。なお、特別図柄表示装置H0に確定停止表示される特別図柄の大当り図柄は、特定図柄又は非特定図柄のいずれかに分類されている。その後、主制御用CPU35aは、決定した最終停止図柄から大当り遊技の種類を特定し、選択し得る大当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する(ステップS18)。その後、主制御用CPU35aは、ステップS19に移行する。
一方、ステップS15の大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでない場合)、主制御用CPU35aは、リーチを形成させる(リーチあり)か否かを判定するリーチ判定を行う(ステップS20)。本実施形態では、主制御用CPU35aは、ステップS20の処理時において、先のステップS14で読み出した乱数のうちリーチ判定用乱数が、リーチ判定値に一致するか否かにより当選判定を行う。なお、リーチ判定値は、ステップS14の処理時における各特図始動保留記憶数によって異なるようになっている。
そして、ステップS20の判定結果が肯定の場合(リーチありの場合)、主制御用CPU35aは、はずれ図柄を特別図柄表示装置H0にて確定停止表示させる最終停止図柄として決定する(ステップS21)。次に、主制御用CPU35aは、選択し得るはずれリーチ演出用の中から変動パターンを決定する(ステップS22)。その後、主制御用CPU35aは、ステップS19の処理に移行する。
一方、ステップS20の判定結果が否定の場合(リーチなしの場合)、主制御用CPU35aは、はずれ図柄を特別図柄表示装置H0にて確定停止表示させる最終停止図柄として決定する(ステップS23)。次に、主制御用CPU35aは、選択し得るはずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する(ステップS24)。その後、主制御用CPU35aは、ステップS19の処理に移行する。
なお、ステップS18,S22,S24で変動パターンの決定に際し、主制御用CPU35aは、そのとき(現在)の種別情報と内部制御状態から特定される変動パターン振分テーブルを特定して、先のステップS14で読み出した乱数のうち変動パターン振分用乱数の値をもとに変動パターンを決定する。このようにして図柄変動ゲームの開始時に、最先の保留記憶数に対応付けられて記憶されている乱数の各値に基づき、該各値が示す図柄変動ゲームの演出内容を判定する主制御用CPU35aは開始時判定手段として機能する。
ステップS19に移行した主制御用CPU35aは、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に対し、出力処理にて所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、図柄変動ゲームに関する各種処理を実行する。具体的に言えば、主制御用CPU35aは、決定された変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力する。同時に、主制御用CPU35aは、特別図柄(図柄変動ゲーム)を変動開始させるように特別図柄表示装置H0の表示内容を制御する。また、同時に、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの演出時間の計測を開始する。また、主制御用CPU35aは、最終停止図柄となる特別図柄を指示するための特別図柄用の停止図柄指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU35aは、特別図柄開始処理を終了する。その後、特別図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU35aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特別図柄表示装置H0の表示内容を制御する。また、主制御用CPU35aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾り図柄の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための図柄停止コマンドを出力する。
そして、主制御用CPU35aは、大当りを決定した場合(大当りフラグに「1」が設定された場合)、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づき特定された種類の大当り遊技の制御を開始する。
主制御用CPU35aは、特別図柄に基づき特定される大当り遊技において、大当り遊技の開始時にオープニングコマンドを出力するとともに、各ラウンド遊技の開始時にラウンドコマンドを出力し、さらに大当り遊技の終了時にエンディングコマンドを出力する。オープニングコマンドはオープニング(演出)の開始を指示し、ラウンドコマンドはラウンド遊技(演出)の開始を指示し、エンディングコマンドはエンディング(演出)の開始を指示する。また、主制御用CPU35aは、特別図柄に基づき特定される大当り遊技において、各ラウンド遊技の開始時に、大入賞口29を開放させるように制御する。また、主制御用CPU35aは、特別図柄に基づき特定される大当り遊技において、ラウンド遊技毎に予め定めたラウンド遊技時間を計測するとともに、カウントスイッチSW3からの検知信号を入力してラウンド遊技中に入球した遊技球の入球個数をカウントする。そして、主制御用CPU35aは、大当り遊技の各ラウンド遊技において、ラウンド遊技時間が経過したこと、及び入球上限個数の遊技球が入球したことの何れかの終了条件を満たすことにより、大入賞口29を閉鎖させるように制御する。そして、主制御用CPU35aは、規定ラウンド数分(15回分)のラウンド遊技を実行させる。
また、大当り遊技を終了させた主制御用CPU35aは、大当り遊技終了後、内部制御状態を確変状態とする場合には、確変状態を付与することを示す確変フラグに「1」を設定するとともに、確変状態を付与することを示す確変コマンドを出力する。また、主制御用CPU35aは、大当り遊技の終了後、非確変状態を付与する場合、確変フラグに「0」を設定するとともに、非確変状態を付与することを示す非確変コマンドを出力する。同様に、主制御用CPU35aは、大当り遊技の終了後、変短状態を付与する場合、変短状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定するとともに、変短状態を付与することを示す変短コマンドを出力する。なお、本実施形態において主制御用CPU35aは、非確変大当りに当選している場合、作動回数に50回を設定し、図柄変動ゲームが実行される毎に作動回数を1減算し、作動回数が「0(零)」になると、変短状態の終了条件の成立として変短状態を終了させる。合わせて主制御用CPU35aは、作動フラグに「0」を設定するとともに、非変短状態を付与することを示す非変短コマンドを出力する。
また、確変フラグ及び作動フラグは、大当り遊技が付与された場合にクリアされる(「0」が設定される)ようになっている。この場合、主制御用CPU35aは、大当りが生起された場合、大当り遊技の開始に伴って確変状態及び変短状態を終了させる。また、確変フラグ及び作動フラグは、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に記憶されるようになっている。これら確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド、非変短コマンドにより、統括制御用CPU36aは、現在、確変状態であるか非確変状態であるか、又は変短状態であるか非変短状態であるかを把握することができる。
そして、大当り遊技を終了させた主制御用CPU35aは、大当り遊技終了時点における特図始動保留記憶数を確認し、その始動保留球をもとに、図柄変動ゲームに係る処理を実行し、図柄変動ゲームを行わせる。一方、主制御用CPU35aは、大当り遊技終了時点における特図始動保留記憶数が「0」の場合、各始動入賞口25,27に遊技球が入球する迄の間、図柄変動ゲームを実行させることなく、待機する。
次に、普通図柄に関して主制御用CPU35aが実行する制御内容を説明する。
主制御用CPU35aは、普通図柄作動ゲート23へ遊技球が入球したか否か、すなわち、普通図柄変動スイッチSW4が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cに記憶されている普図始動保留記憶数が上限数の4未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が否定(普図始動保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU35aは、上限数を超える普図始動保留記憶数の書き換えを行わないとともに、普図当り判定用乱数の値も取得しない。一方、保留判定の判定結果が肯定(普図始動保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU35aは、普図始動保留記憶数を+1(1加算)し、普図始動保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU35aは、1加算後の普図始動保留記憶数を表すように普通図柄保留記憶表示装置Mの表示内容を変更させる。続いて、主制御用CPU35aは、保留判定を肯定判定している場合、普図当り判定用乱数の値を主制御用RAM35cから読み出して取得し、該値を普図始動保留記憶数に対応付けられた主制御用RAM35cの所定の記憶領域に設定する。
そして、主制御用CPU35aは、まず、図柄(普通図柄)が変動表示中であるか否か、及び普図当り遊技中であるか否かを判定する。この判定結果が否定の場合、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始直前に、普図始動保留記憶数を読み出し、普図始動保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU35aは、普図始動保留記憶数を−1(1減算)する。そして、主制御用CPU35aは、当該普図始動保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM35cの所定の記憶領域に記憶されている普図当り判定用乱数の値を取得する。
より詳しくは、主制御用CPU35aは、最も早く記憶した普図始動保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を読み出す。また、主制御用CPU35aは、乱数を読み出した後、普図始動保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を普図始動保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶する。同様に、主制御用CPU35aは、普図始動保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を普図始動保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶する。同様に、主制御用CPU35aは、普図始動保留記憶数「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を普図始動保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶する。また、主制御用CPU35aは、1減算後の普図始動保留記憶数を表すように普通図柄保留記憶表示装置Mの表示内容を変更させる。
次に、主制御用CPU35aは、取得した普図当り判定用乱数の値が主制御用ROM35bに記憶されている普図当り判定値と一致するか否かを判定して普図当り判定(普図当り抽選)を行う。なお、本実施形態において、普図当り判定値は、変短状態が付与されているか否かで変更されるようになっている。
そして、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始に伴って普通図柄表示装置H10の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始により普通図柄の変動を開始させ、予め定めた変動時間の経過時に決定した普通図柄(普図当り図柄又は普図はずれ図柄)を確定停止表示させる。なお、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始時の内部制御状態に応じて、普通図柄変動ゲームの変動時間として異なる変動時間を設定し、普通図柄を確定停止表示させる。具体的に言えば、主制御用CPU35aは、非変短状態の場合には変動時間として「10000ms」を設定し、変短状態の場合には変動時間として非変短状態よりも短い時間となる「1100ms」を設定する。これにより、変短状態時に行われる普通図柄変動ゲームの変動時間は、非変短状態時に行われる図柄変動ゲームの変動時間よりも短縮される。また、主制御用CPU35aは、普図当りとなる普通図柄変動ゲームの終了後、開閉羽根26の開放態様を制御する。そして、主制御用CPU35aは、普図当り時の内部制御状態に応じて、開閉羽根26の開放態様を制御する。
また、主制御用CPU35aは、開閉羽根26の開放中に下始動入賞口27に入球した遊技球の数をカウントする。そして、主制御用CPU35aは、このカウントした遊技球の数が入球上限個数(本実施形態では8個)に達した場合、その時点で開閉羽根26を閉動作させ、普図当りに基づく開閉羽根26の開放制御を終了する。普図当りに基づく開閉羽根26の開放制御を終了した主制御用CPU35aは、その終了時点の普図始動保留記憶数が「1」以上の場合、その始動保留球をもとに、次の普通図柄変動ゲームを開始させる。一方、主制御用CPU35aは、開閉羽根26の開放制御の終了時点の普図始動保留記憶数が「0」の場合、普通図柄作動ゲート23に遊技球が入球し、始動条件が成立するまで、普通図柄変動ゲームを実行させることなく、待機する。
次に、サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aについて説明する。
サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aは、保留コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板37に出力する。また、サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38に出力する。また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドの停止図柄指定に応じて演出表示装置H2に確定停止表示させる飾り図柄を決定し、決定した飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板37に出力する。また、統括制御用CPU36aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38に出力する。
また、統括制御用CPU36aは、確変コマンドや変短コマンドを入力すると、確変状態や変短状態が付与されたことを示す情報(フラグなど)を統括制御用RAM36cに設定する。そして、統括制御用CPU36aは、確変コマンドを入力すると確変状態が付与されることを統括制御用RAM36cに設定する一方で、非確変コマンドを入力すると非確変状態が付与されることを統括制御用RAM36cに設定する。また、統括制御用CPU36aは、変短コマンドを入力すると変短状態が付与されていることを統括制御用RAM36cに設定する一方で、非変短コマンドを入力すると非変短状態が付与されていることを統括制御用RAM36cに設定する。そして、統括制御用CPU36aは、確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド、及び非変短コマンドを入力するまで現在の設定内容を統括制御用RAM36cに記憶維持させる。統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cの前記設定内容によって、パチンコ遊技機10の内部制御状態が確変状態であるか否か、変短状態であるか否かを把握している。また、統括制御用CPU36aは、確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド及び非変短コマンドのこれらコマンドを入力すると、それぞれのコマンドを演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38にも出力する。
また、統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンの種類と停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)の種類から、演出表示装置H2で実行される図柄変動ゲームにおいて導出する飾り図柄の図柄組み合わせを決定する。
具体的に言えば、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、大当り図柄の場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、全列の図柄が同一図柄の図柄組み合わせ([111]など)を決定する。その大当り図柄が特定図柄であれば、統括制御用CPU36aは、飾り図柄による大当りの図柄組み合わせとして、確変確定の大当り図柄を決定する。また、大当り図柄が非特定図柄であれば、統括制御用CPU36aは、飾り図柄による大当りの図柄組み合わせとして、確変非確定の大当り図柄を決定する。
また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、はずれ図柄の場合、はずれを認識し得る飾り図柄によるはずれの図柄組み合わせを決定する。このとき、統括制御用CPU36aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチを形成するはずれの図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御用CPU36aは、はずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチを形成しないはずれの図柄組み合わせを決定する。そして、飾り図柄を決定した統括制御用CPU36aは、飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板37に出力する。
また、統括制御用CPU36aは、大当り遊技の実行に係る制御において、主制御基板35から大当り遊技に関する各種コマンドを入力すると、オープニング演出、各ラウンド遊技演出、エンディング演出の実行を指示する。この場合に統括制御用CPU36aは、付与される大当り遊技に応じて予め定めた演出内容を指示する演出指示コマンドを、演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38にそれぞれ出力する。すなわち、統括制御用CPU36aは、確定停止表示させた特別図柄に基づいて付与される大当り遊技に対応した各種演出の演出内容を指示する。
また、統括制御用CPU36aは、演出モードの移行に係る制御を実行する。
具体的に言えば、統括制御用CPU36aは、変短状態の作動/未作動に係る各コマンドと、演出モードフラグの設定値をもとに、演出モードの移行態様を制御する。演出モードフラグは、現在滞在している演出モードを識別可能な情報で構成されており、統括制御用RAM36cに設定される。統括制御用CPU36aは、演出モードフラグを設定すると、滞在中の演出モードを指示する演出指示コマンドを演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38にそれぞれ出力する。
次に、演出表示制御基板37の表示制御用CPU37aが表示制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
演出表示制御基板37の表示制御用CPU37aは、保留コマンドを入力すると、該コマンドに指示される表示態様となるように保留表示画像Rhaの表示態様を制御する。また、演出表示制御基板37の表示制御用CPU37aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように画像表示部GHの表示内容を制御する。このとき、表示制御用CPU37aは、選択した演出内容をもとに表示制御用ROM37bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。
そして、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。そして、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された図柄を画像表示部GHに確定停止表示させるように画像表示部GHの表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。
また、表示制御用CPU37aは、統括制御用CPU36aから大当り遊技に応じた各種演出(オープニング演出、各ラウンド遊技演出、エンディング演出)の演出内容を指示する演出指示コマンドを入力すると、該コマンドに指示される演出内容の演出を実行させるように画像表示部GHの表示内容を制御する。
また、表示制御用CPU37aは、演出モードの移行に係る制御を実行する。具体的に言えば、表示制御用CPU37aは、滞在中の演出モードを指示する演出指示コマンドを入力すると、指示される演出モードで演出表示装置H2(画像表示部GH)の表示内容を制御する。そして、例えば、確変演出モードMAの滞在中である場合、演出表示装置H2では、確変演出モードMAでの表示画像が表示されるとともに、確変演出モードMAでの実行態様による図柄変動ゲームが実行される。
なお、音声・ランプ制御基板38は、各種コマンドを入力すると、装飾ランプ16の発光態様、及びスピーカ17の音声出力態様を制御する。すなわち、音声・ランプ制御基板38は、演出表示制御基板37と同様にこれらのコマンドで指示された演出内容に応じた演出を行わせるように制御を行う。
次に、主制御用CPU35aが実行する先読みコマンド設定処理(図6に示す特別図柄入力処理のステップS5)について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、先読みコマンド設定処理の処理結果をもとに、事前演出としての連続演出(先読み演出)を実行させるようになっている。連続演出は、特定の図柄変動ゲームよりも前に行われる1回以上の図柄変動ゲームから、所定の演出を各図柄変動ゲームで行い、当該演出を連続する複数回の図柄変動ゲームを跨いで実行させることにより、特定の図柄変動ゲームが大当り(特定の演出内容)となる可能性があることを予告する演出である。本実施形態において所定の演出は、図柄変動ゲームの開始に伴って演出表示装置H2に予め定めた特定画像(連続演出時のみに画像表示される専用画像「連続演出」等)を画像表示させることによって行われる。
以下、主制御用CPU35aが、入賞検知時に行う先読みコマンド設定処理の処理内容を図9に基づき説明する。
先読みコマンド設定処理のステップS101において主制御用CPU35aは、特別図柄入力処理(図6)のステップS4で取得した乱数のうち大当り判定用乱数の値が、大当り判定値と一致するか否かを判定する(以下、この判定を「事前大当り判定」と示す)。この事前大当り判定において主制御用CPU35aは、現在の内部制御状態(入賞検知時の内部制御状態)に応じた大当り判定値を用いる。具体的に言えば、主制御用CPU35aは、現在の内部制御状態が確変状態である場合、高確率用の大当り判定値(共通大当り判定値と確変用大当り判定値)を用いて事前大当り判定を行う。一方で、主制御用CPU35aは、現在の内部制御状態(入賞検知時の内部制御状態)が非確変状態である場合、低確率用の大当り判定値(共通大当り判定値)を用いて事前大当り判定を行う。このように主制御用CPU35aは、始動入賞口(上始動入賞口25又は下始動入賞口27)で遊技球の入賞検知時(入球検知時)、該入賞検知時に主制御用RAM35cに記憶された大当り判定用乱数の値が、後に行う大当り判定で大当りの当選とする判定結果となるか否かを事前判定するようになっている。
ステップS101の判定結果が否定の場合(大当り判定値と不一致の場合)、主制御用CPU35aは、ステップS104に移行する。一方、ステップS101の判定結果が肯定の場合(大当り判定値と一致の場合)、主制御用CPU35aは、先のステップS4で取得した大当り判定用乱数に基づく図柄変動ゲームの事前判定結果を指定するための大当り先読みコマンドを生成する大当り先読みコマンド設定処理を実行する(ステップS102)。主制御用CPU35aは、ステップS102で設定した大当り先読みコマンドを、出力処理にて所定のタイミングで出力する。なお、大当り先読みコマンド(図11)については、後で詳述する。
続いて、大当り先読みコマンドを決定した主制御用CPU35aは、先のステップS4で取得した図柄振分用乱数に基づく特別図柄(大当り図柄)の種類を指定するための図柄先読みコマンドを生成する図柄先読みコマンド設定処理を実行する(ステップS103)。主制御用CPU35aは、ステップS103で設定した図柄先読みコマンドを、出力処理にて所定のタイミングで出力する。なお、図柄先読みコマンド(図12)については、後で詳述する。その後、主制御用CPU35aは、先読みコマンド設定処理を終了する。
一方、ステップS101からステップS104に移行すると主制御用CPU35aは、先のステップS4で取得したリーチ判定用乱数の値が、「3以下(≦3)」であるか、すなわち「0〜3」であるか否かを判定する(以下、この判定を「事前リーチ判定」と示す)。本実施形態では、図8に示すように、変短状態及び非変短状態において、特別図柄開始処理(図7)でのリーチ判定時の各特図始動保留記憶数がいくつであってもリーチ判定用乱数が「3以下(≦3)」の「0〜3」である場合には、リーチ判定で肯定が確定する。その一方で、本実施形態では、図8に示すように、変短状態及び非変短状態において、リーチ判定用乱数が「3よりも大きい(>3)」である場合には、リーチ判定で否定とされる可能性がある。したがって、主制御用CPU35aは、リーチ判定用乱数の値が、「3以下(≦3)」であるか否かを判定することにより、特別図柄開始処理(図7)でのリーチ判定で確実に肯定とされるか否かを事前判定することができる。そして、ステップS104が肯定とされる場合は、特別図柄開始処理(図7)でのリーチ判定で確実に肯定とされることが確定する一方で、ステップS104で否定とされる場合は、特別図柄開始処理(図7)でのリーチ判定で否定とされる可能性があることになる。このように主制御用CPU35aは、始動入賞口(上始動入賞口25又は下始動入賞口27)で遊技球の入賞検知時(入球検知時)、該入賞検知時に主制御用RAM35cに記憶されたリーチ判定用乱数の値が、後に行うリーチ判定で確実にリーチとする判定結果となるか否かを事前判定するようになっている。
ステップS104の判定結果が否定の場合(3以下でない場合)、主制御用CPU35aは、先読みコマンド設定処理を終了する。一方、ステップS104の判定結果が肯定の場合(3以下の場合)、主制御用CPU35aは、先のステップS4で取得した変動パターン振分用乱数に基づく図柄変動ゲームに関する演出内容の事前判定結果を指定するためのはずれ先読みコマンドを生成するはずれ先読みコマンド設定処理を実行する(ステップS105)。ステップS105において主制御用CPU35aは、特別図柄開始処理(図7)で用いることになる(そのとき(現在)の種別情報と内部制御状態から特定される)変動パターン振分テーブルに基づき、演出内容(はずれリーチ)を特定した上ではずれ先読みコマンドを生成する。また、主制御用CPU35aは、ステップS105で設定したはずれ先読みコマンドを、出力処理にて所定のタイミングで出力する。なお、はずれ先読みコマンド(図10(a)〜(c))については、後で詳述する。その後、主制御用CPU35aは、先読みコマンド設定処理を終了する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、先読みコマンド設定処理のステップS101及びステップS104で共に否定となる場合、すなわちはずれ且つはずれリーチが確定しない場面で、いずれの先読みコマンドも生成しない。このため、これらの場合には、いずれの先読みコマンドも生成しないことから、対象となる始動保留球を先読み演出の基とし得ないようになっている。なお、この対象となる始動保留球に基づく図柄変動ゲームでは、先読み演出の基としないだけであって、他の始動保留球に基づく図柄変動ゲームが先読み演出の基となることにより、先読み演出を伴う場合はある。このようにして始動入賞口で遊技球の入球検知時、その時に取得される乱数の各値が示す図柄変動ゲームの演出内容を事前判定する主制御用CPU35aは入球時判定手段として機能する。
次に、先読みコマンド設定処理(図9)で生成し、出力する各種先読みコマンド(はずれ先読みコマンド(図10(a)〜(c))、大当り先読みコマンド(図11)、図柄先読みコマンド(図12)について、説明する。なお、各種先読みコマンドは、「CMD1」と示す上位バイトと、「CMD2」と示す下位バイトで構成されている。
最初に、はずれ先読みコマンドについて説明する。
はずれ先読みコマンドは、図10(a)〜(c)に示すように、リーチ演出の演出内容の種類、事前判定時の特図始動保留記憶数として何番目であるかを指定するためのコマンドである。本実施形態の主制御用CPU35aは、はずれ先読みコマンドとして、上位バイトが「DAH」、「D9H」、「D8H」、「D7H」で下位バイトが「01H〜04H」で構成される4系統のコマンドを出力可能になっている。
はずれ先読みコマンドは、上位バイトによりリーチ演出の演出内容を特定可能である。具体的に言えば、上位バイト「DAH」により「ノーマル」を、上位バイト「D9H」により「弱SP」を、上位バイト「D8H」により「強SP」を、上位バイト「D7H」により「強強SP」を特定可能である。
また、はずれ先読みコマンドは、下位バイト「01H〜04H」により「特図始動保留記憶数として何番目であること」を特定可能である。すなわち、下位バイトが「01H」であれば「1番目に記憶されている」こと、「02H」であれば「2番目に記憶されている」こと、「03H」であれば「3番目に記憶されている」こと、「04H」であれば「4番目に記憶されている」ことを特定可能である。
そして、図10(a)に示すように、ステップS105において、特別図柄開始処理(図7)で用いることになる(そのとき(現在)の種別情報と内部制御状態から特定される)変動パターン振分テーブルが、非変短状態時の演出モード(MC,MD)に対応する場合には、「ノーマル」、「弱SP」、「強SP」、「強強SP」の演出内容が決定され得る。このため、この場合には、「DAH」、「D9H」、「D8H」、「D7H」の系統のはずれ先読みコマンドを生成し得る。
また、図10(b)に示すように、ステップS105において、特別図柄開始処理(図7)で用いることになる(そのとき(現在)の種別情報と内部制御状態から特定される)変動パターン振分テーブルが、変短時潜確演出モードMBに対応する場合には、「弱SP」の演出内容が決定され得る。このため、この場合には、「D9H」の系統のはずれ先読みコマンドを生成し得る。
また、図10(c)に示すように、ステップS105において、特別図柄開始処理(図7)で用いることになる(そのとき(現在)の種別情報と内部制御状態から特定される)変動パターン振分テーブルが、確変演出モードMAに対応する場合には、「ノーマル」、「弱SP」の演出内容が決定され得る。このため、この場合には、「DAH」、「D9H」の系統のはずれ先読みコマンドを生成し得る。
次に、大当り先読みコマンドについて説明する。
大当り先読みコマンドは、図11に示すように、事前判定時の特図始動保留記憶数として何番目であるかを指定するためのコマンドである。本実施形態の主制御用CPU35aは、大当り先読みコマンドとして、上位バイトが「D6H」で下位バイトが「01H〜04H」で構成される1系統のコマンドを出力可能になっている。
大当り先読みコマンドは、上位バイト「D6H」により「事前判定が大当りであること」を特定可能である。また、大当り先読みコマンドは、下位バイト「01H〜04H」により「特図始動保留記憶数として何番目であること」を特定可能である。すなわち、下位バイトが「01H」であれば「1番目に記憶されている」こと、「02H」であれば「2番目に記憶されている」こと、「03H」であれば「3番目に記憶されている」こと、「04H」であれば「4番目に記憶されている」ことを特定可能である。そして、図11に示すように、ステップS102で始動入賞口への入賞検知時の事前大当り判定で肯定(大当り)である場合には、上位バイトが「D6H」の「01H〜04H」の系統の大当り先読みコマンドを生成し得る。
次に、図柄先読みコマンドについて説明する。
図柄先読みコマンドは、図12に示すように、特別図柄(図柄番号)を指定するためのコマンドである。本実施形態の主制御用CPU35aは、図柄先読みコマンドとして、上位バイトが「DBH」で下位バイトが「00H〜31H」で構成されるそれぞれ50種類の1系統のコマンドを出力可能になっている。なお、この下位バイトは、16進数に基づいており、「00H〜31H」では50種類を有する。
図柄先読みコマンドは、上位バイト「DBH」により「特別図柄が大当り図柄であること」を特定可能である。また、図柄先読みコマンドは、下位バイト「00H〜31H」により「図柄番号、すなわち特別図柄の種類」を特定可能である。そして、図12に示すように、ステップS103で始動入賞口への入賞検知時の事前大当り判定で肯定(大当り)である場合には、上位バイトが「DBH」の「00H〜31H」の系統の図柄先読みコマンドを生成し得る。具体的には、「DBH」のもと、特定図柄(図柄番号1〜40)であれば「00H〜27H」、非特定図柄(図柄番号41〜50)であれば「28H〜31H」の図柄先読みコマンドを生成し得る。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、先読みコマンド設定処理の事前大当り判定で肯定とする場合、大当り先読みコマンドと図柄先読みコマンドとを合わせて(セットで)生成し、出力することになる。これら先読みコマンドの組み合わせによっては、事前大当り判定が肯定であることと、大当りとなる場合の大当りの種類(特別図柄の種類)とを合わせて(セットで)特定可能となる。
事前判定処理における事前大当り判定及び事前リーチ判定は、先に説明した特別図柄開始処理における大当り判定及びリーチ判定に対し、特定状況を除き、通常は所定の時間差をもって先に実行される。すなわち、事前判定処理を含む特別図柄入力処理は、各始動入賞口へ遊技球が入球したことに基づく処理である。このため、事前大当り判定及び事前リーチ判定は、図柄変動ゲームの実行中や大当り遊技中であっても、各始動入賞口へ入球した遊技球(始動保留球)を対象に実行される。一方、特別図柄開始処理は、始動保留球に基づく図柄変動ゲームを開始させる際に実行する処理である。このため、特別図柄開始処理に基づく大当り判定及びリーチ判定は、図柄変動ゲームの実行条件が成立した場合(図柄変動ゲームの実行中ではなく、かつ大当り遊技)中ではない)に、最も先に記憶されている始動保留球を対象に実行される。すなわち、大当り判定やリーチ判定は、図柄変動ゲームの実行中や大当り遊技中には実行されない。
このような構成により、事前大当り判定、及び事前リーチ判定と、大当り判定、及びリーチ判定は、その実行時期に時間差が生じ得ることになる。すなわち、先読みコマンド設定処理の対象となった始動保留球に基づく大当り判定やリーチ判定は、当該始動保留球の入球時の状態(図柄変動ゲームの実行中であるか否か、大当り遊技中であるか否か、始動保留球の記憶順)に応じて実行時期が後になる。このため、事前大当り判定や事前リーチ判定は、大当り判定やリーチ判定に比して先に実行されることから事前判定となる。そして、これらの事前大当り判定や事前リーチ判定により、その判定対象となる始動保留球を連続演出における特定の図柄変動ゲーム(最終回の図柄変動ゲーム)とし、当該図柄変動ゲームの対象始動保留球よりも前に実行される始動保留球に対応する図柄変動ゲームから所定の演出を実行させることが可能となる。
なお、特定状況とは、始動保留球が「0(零)」であって、図柄変動ゲームも行われていない状況である。この場合、入球によって生じた始動保留球に対応する図柄変動ゲームが、見た目上、入球とほぼ同一タイミング(制御的には処理の関係上、所定の制御周期分ずれる)で行われることになる。したがって、この特定状況の場合には、事前大当り判定、及び事前リーチ判定と、大当り判定、及びリーチ判定は、制御上、多少の時間差は生じ得るが、特定状況ではない状況に比べて時間差は生じ得ない。
次に、各種先読みコマンドを入力した統括制御用CPU36aの処理内容について説明する。
最初に、各種先読みコマンドを入力した統括制御用CPU36aが、当該コマンドの対象となった始動保留球に基づいた先読み演出(連続演出)を実行し得る条件について図13及び図14に基づき説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、事前大当り判定が否定で、且つ事前リーチ判定が肯定の場合には、内部制御状態に定めた各特図始動保留球を対象として連続演出を実行可能に構成されている。また、本実施形態では、確変演出モードMAを伴う変短状態であれば、事前大当り判定が肯定で且つその大当りが特定図柄に基づく確変大当りである場合に限り、連続演出を実行可能に構成されている。また、本実施形態では、非確変演出モードMBを伴う場合(変短状態又は非変短状態)であれば、事前大当り判定が肯定の場合に、連続演出を実行可能に構成されている。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、各種先読みコマンドを入力しない場合、すなわち事前リーチ判定で否定の場合、このような始動保留球を基に連続演出を実行させることを決定しないようになっている。
具体的に、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図13に示すように、内部制御状態と演出モードに基づき、大当り先読みコマンドと図柄先読みコマンドの組み合わせによって連続演出を実行可能か実行不可能か定めている。
そして、確変演出モードMA(変短状態)の場合には、下位バイト「01H〜04H」の系統の大当り先読みコマンドであれば、特定図柄に対応する「DC00H〜DC27H」の図柄先読みコマンドとの組み合わせで連続演出の実行可能を定めている。その一方で、確変演出モードMA(変短状態)の場合には、下位バイト「01H〜04H」の系統の大当り先読みコマンドであれば、非特定図柄(特定図柄以外)に対応する「DC28EH〜DC31H」の図柄先読みコマンドとの組み合わせで連続演出の実行不可能を定めている。すなわち、統括制御用CPU36aは、確変演出モードMA(変短状態)であるので、事前大当り判定による大当りが特定図柄であることを特定している特図始動保留球を対象とする連続演出の実行可能を特定する。その一方で、統括制御用CPU36aは、確変演出モードMA(変短状態)であるので、事前大当り判定による大当りが非特定図柄(特定図柄以外)であることを特定している特図始動保留球を対象とする連続演出の実行不可能を特定する。
また、非確変演出モードMB(変短状態又は非変短状態)の場合には、下位バイト「01H〜04H」の系統の大当り先読みコマンドであれば、図柄先読みコマンドとのいずれの組み合わせでも連続演出の実行可能を定めている。すなわち、統括制御用CPU36aは、非確変演出モードMB(変短状態又は非変短状態)であるので、事前大当り判定による特図始動保留球を対象とする連続演出の実行不可能を特定する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図14に示すように、内部制御状態と演出モードに基づき、いずれの場合にもはずれ先読みコマンドによって連続演出を実行可能に定めている。
そして、確変演出モードの場合には、変動パターン振分テーブルの関係上、上位バイト「DAH」,「D9H」の系統のはずれ先読みコマンドのみが決定され得る。また、非確変演出モードMB(変短状態)の場合には、変動パターン振分テーブルの関係上、上位バイト「D9H」の系統のはずれ先読みコマンドのみが決定され得る。また、非確変演出モードMB(非変短状態)の場合には、変動パターン振分テーブルの関係上、上位バイト「DAH」,「D9H」,「D8H」,「D7H」の系統のはずれ先読みコマンドが決定され得る。
そして、各種先読みコマンドを入力した統括制御用CPU36aは、連続演出(先読み)の実行可能を特定する場合、当該コマンドの対象となった始動保留球を特定の図柄変動ゲーム(最終回の図柄変動ゲーム)とする連続演出を実際に実行するか否かを判定する。本実施形態において連続演出は、各種先読みコマンドの対象となった特図始動保留球よりも前の特図始動保留球(既に保留されている特図始動保留球)に対して各種先読みコマンドが対応付けて記憶されている場合、実行されないようになっている。各種先読みコマンドの対象となった特図始動保留球よりも前の特図始動保留球に対して各種先読みコマンドが対応付けて記憶されている状況とは、既に連続演出を実行している状況や連続演出を実行可能であったが実際には実行していない状況である。なお、この場合に統括制御用CPU36aは、各種先読みコマンドの対象となった特図始動保留球よりも前の各特図始動保留球を確認し、各種先読みコマンドが対応付けられているか否かを判定することになる。また、これに関しては、先読みコマンドが対応付けられている特図始動保留球が存在するか否かを示す情報(フラグなど)を設定するといったこともできる。すなわち、統括制御用CPU36aは、これらの条件が成立した場合には連続演出を実行するか否かの判定を否定判定するとともに、前記条件が成立していない場合には実行抽選に当選することによって連続演出を実行するか否かの判定を肯定判定する。実行抽選は、所定の乱数を用いて行われるようになっており、始動保留球の数が大きいほど当選確率が高められている。このようにして連続演出を実行させるか否かを決定する統括制御用CPU36aは事前決定手段として機能する。
また、連続演出の実行を決定した統括制御用CPU36aは、連続演出の実行中であることを示す実行フラグを統括制御用RAM36cに設定する。合わせて統括制御用CPU36aは、各種先読みコマンドに示される保留情報(何番目に記憶されているか、その前にどれだけ分の保留が存在しているか)にしたがって連続演出の対象とする図柄変動ゲームの回数を統括制御用RAM36cに設定する。その際に、統括制御用CPU36aは、連続演出の具体的な演出内容(連続演出の対象となる各図柄変動ゲームで実行させる演出(実行態様))を決定する。そして、統括制御用CPU36aは、実行フラグ及び回数の設定後、前記回数分の変動パターン指定コマンドを入力する毎に、所定の演出(決定している具体的な演出内容)の実行を指示する連続演出実行コマンドを表示制御用CPU37aに出力する。なお、統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドを入力する毎に前記回数を1減算するとともに、前記回数が「0(零)」になると実行フラグをクリアする。そして、連続演出実行コマンドを入力した表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲームの開始に伴って所定の演出を実行させるように演出表示装置H2(画像表示部GH)の表示内容を制御する。このようにして連続演出を実行させるように制御する表示制御用CPU37aは実行制御手段として機能する。
次に、連続演出の対象となる各図柄変動ゲームで実行させる具体的な演出内容(実行態様)の決定について説明する。
連続演出の具体的な演出内容の決定に際して統括制御用CPU36aは、入力した各種先読みコマンドに基づき演出内容抽選を実行する。統括制御用CPU36aは、演出モードの種類により連続演出を実行し得る条件が異なることから、確変演出モードMAであるか非確変演出モードMBであるかによって異なる抽選態様で具体的な演出内容を決定するようになっている。そして、統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cから乱数の値を取得し、その取得した乱数の値と入力した先読みコマンドをもとに具体的な演出内容を決定する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、連続演出の対象とする各図柄変動ゲームにおいて、「白」を基調とした背景、「青」を基調とした背景、「緑」を基調とした背景、「赤」を基調とした背景、の何れかの背景のもと特定画像を画像表示させるようになっている。そして、本実施形態では、特定の図柄変動ゲーム(連続演出の基になった図柄変動ゲーム)で画像表示させる特定画像により、特定の図柄変動ゲームが大当りや確変大当りになる可能性(演出期待度)、すなわち連続演出による予告が実現させる可能性(期待度)を遊技者に示唆するようになっている。なお、特定の図柄変動ゲームよりも前に行われる連続演出の対象とする各図柄変動ゲームでは、前後の図柄変動ゲームで特定画像に基づく演出期待度が後の図柄変動ゲームよりも前の図柄変動ゲームで高く(高期待度に)ならない特定画像が特定される。また、本実施形態では、特定の図柄変動ゲームを含む連続演出の対象とする図柄変動ゲームの回数に基づいて予め各図柄変動ゲームでの具体的な演出内容をパターン化することもでき、このパターンを決定することにより各図柄変動ゲームでの具体的な演出内容を決定する構成とすることもできる。この場合においても各パターンは、前後の図柄変動ゲームで特定画像に基づく演出期待度が後の図柄変動ゲームよりも前の図柄変動ゲームで高く(高期待度に)ならない特定画像が特定されるように構成することが好ましい。
そして、本実施形態において統括制御用CPU36aは、図15に示すように、確変演出モードMAであるか非確変演出モードMBであるかによってそれぞれに特徴的な傾向を有する抽選態様で演出内容抽選を実行する。
図15に示すように、確変演出モードMAの場合に、はずれ先読みコマンドに基づく連続演出、すなわち最終的にはずれの結果を導出する連続演出の際の演出内容抽選では、「赤」<「緑」<「青」<「白」の順に決定し易く構成されている。また、確変演出モードMAの場合に、大当り先読みコマンドに基づく連続演出、すなわち最終的に大当り(確変大当り)の結果を導出する連続演出の際の演出内容抽選では、「白」<「青」<「緑」<「赤」の順に決定し易く構成されている。このため、確変演出モードMAの演出内容抽選では、「白」<「青」<「緑」<「赤」の順に確変大当り(大当り)の演出期待度が高まる一方で、「赤」<「緑」<「青」<「白」の順に確変大当り(大当り)の演出期待度が低下する傾向を有している。
また、図15に示すように、非確変演出モードMBの場合に、はずれ先読みコマンドに基づく連続演出、すなわち最終的にはずれの結果を導出する連続演出の際の演出内容抽選では、「赤」<「緑」<「青」<「白」の順に決定し易く構成されている。また、非確変演出モードMBの場合に、大当り先読みコマンドに基づく連続演出、すなわち最終的に大当り(確変大当り)の結果を導出する連続演出の際の演出内容抽選では、「白」<「青」<「緑」<「赤」の順に決定し易く構成されている。このため、非確変演出モードMBの演出内容抽選では、「白」<「青」<「緑」<「赤」の順に大当り(確変大当り又は非確変大当り)の演出期待度が高まる一方で、「赤」<「緑」<「青」<「白」の順に大当り(確変大当り又は非確変大当り)の演出期待度が低下する傾向を有している。そして、統括制御用CPU36aは、連続演出の対象となるうち特定の図柄変動ゲームの具体的な演出内容を決定すると、該具体的な演出内容に応じて該特定の図柄変動ゲームよりも前に行われる連続演出の対象となる各図柄変動ゲームの具体的な演出内容を決定する。例えば、特定の図柄変動ゲームが「白」の演出内容であれば、それよりも前の各図柄変動ゲームでは、「白」の演出内容が特定される。また、特定の図柄変動ゲームが「緑」の演出内容であれば、それよりも前の各図柄変動ゲームでは、「緑」よりも演出期待度が高くならないととともに前後の図柄変動ゲームで後の図柄変動ゲームで特定画像に基づく演出期待度が後の図柄変動ゲームよりも前の図柄変動ゲームで高く(高期待度に)ならない特定画像が特定される。
したがって、連続演出の対象となるうち特定の図柄変動ゲームの大当りの当否(確変大当りの当否)及び演出内容に関連付けられるように、上記具体的な演出内容に演出期待度が設定される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、連続演出の対象でない、且つ、事前大当り判定及び事前リーチ判定が否定(リーチにもならないはずれ)となる図柄変動ゲームの開始時、恰も連続演出の対象となっているかのように演出表現させる特殊演出を伴わせる(実行させる)ようになっている。特殊演出では、連続演出の対象なっている場合と同様の演出内容となるように、特定画像を画像表示させることによって行われる。また、特殊演出を伴う図柄変動ゲームの演出表示装置H2では、特定画像が画像表示されるが最終的にリーチにもならないで、はずれの図柄組み合わせが導出されることになる。このため、本実施形態において特殊演出は、特定画像の画像表示(連続演出と思わせる)による予告が実現させることがない「ガセ演出」となる。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、特殊演出を伴うことによる特定画像として、演出期待度(確変大当り又は大当りへの期待度)の最も低い「白」の演出内容とする特定画像を画像表示させるようになっている。
そして、連続演出の対象でない、且つ、事前大当り判定及び事前リーチ判定が否定(リーチにもならないはずれ)となる図柄変動ゲームの開始の指示時に、統括制御用CPU36aは、図柄変動ゲームで特殊演出を伴わせるか否かを決定する。この場合には、対象となる特図始動保留球に基づく先読みコマンド設定処理におけるステップS101,S104が共に否定であって、各種先読みコマンドの何れも入力していない場面であって、実行フラグも設定されていない場面となっている。
また、特殊演出を伴わせることを決定した統括制御用CPU36aは、対象とする図柄変動ゲームの開始時に、該図柄変動ゲームの実行指示に合わせて特殊演出(「白」の演出内容の特定画像)の実行を指示する特殊演出実行コマンドを表示制御用CPU37aに出力する。なお、統括制御用CPU36aは、主制御用CPU35aからの変動パターン指定コマンドに基づき、図柄変動ゲームの演出内容を決定することに合わせて特殊演出を伴わせるか否かを決定している。また、ここで出力する特殊演出実行コマンドは、連続演出実行コマンドの1種として設定することもできる。そして、特殊演出実行コマンドを入力した表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特殊演出(「白」の演出内容の特定画像)を実行させるように演出表示装置H2(画像表示部GH)の表示内容を制御する。
次に、図柄変動ゲームで特殊演出を伴わせるか否かの決定について説明する。
特殊演出を伴わせるか否かの決定に際して統括制御用CPU36aは、特殊演出抽選を実行する。統括制御用CPU36aは、その図柄変動ゲームの開始時(変動前)の特図始動保留記憶数によって異なる(特図始動保留記憶数に応じた)抽選態様で特殊演出を伴わせるか否かを決定するようになっている。そして、統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cから乱数の値を取得し、その取得した乱数の値と特殊演出を伴わせるかを決定する対象とする図柄変動ゲームの開始時(変動前)の特図始動保留記憶数をもとに特殊演出を伴わせるか否かを決定する。
そして、本実施形態において統括制御用CPU36aは、図16に示すように、対象となる図柄変動ゲームの開始時(変動前)の特図始動保留記憶数によってそれぞれに特徴的な傾向を有する抽選態様で特殊演出抽選を実行する。
変動前の特図始動保留記憶数が「1」(更新後が「0」)の場合、「非実行」すなわち特殊演出を伴わせないことを253分の169(253個の乱数のうち169個の乱数)、「実行」すなわち特殊演出を伴わせることを253分の84(253個の乱数のうち84個の乱数)の確率で決定するように構成されている。また、変動前の特図始動保留記憶数が「2」(更新後が「1」)の場合、「非実行」を253分の202(253個の乱数のうち202個の乱数)、「実行」を253分の51(253個の乱数のうち51個の乱数)の確率で決定するように構成されている。また、変動前の特図始動保留記憶数が「3」(更新後が「2」)の場合、「非実行」を253分の203(253個の乱数のうち203個の乱数)、「実行」を253分の50(253個の乱数のうち50個の乱数)の確率で決定するように構成されている。また、変動前の特図始動保留記憶数が「4」(更新後が「3」)の場合、「非実行」を253分の186(253個の乱数のうち186個の乱数)、「実行」を253分の67(253個の乱数のうち67個の乱数)の確率で決定するように構成されている。
このように本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームの開始による変動前の特図始動保留記憶数が最小数の「1」(更新後が「0」)の場合に、特殊演出を伴わせること(「実行」)を最も決定し易くなっている。このため、変動前が最小数の「1」の特殊演出抽選では、他の特図始動保留記憶数よりも特殊演出を伴わせ易い傾向を有している。したがって、変動前の特図始動保留球数が最小数の場面で想定され易い、始動入賞口へ遊技球がなかなか入球していないような場面に遊技者が遭遇してしまって退屈にさせてしまう場合には、特殊演出を伴い易くなっている。
また、本実施形態では、図柄変動ゲームの開始による変動前の特図始動保留記憶数が上限数の「4」(更新後が「3」)の場合に、変動前が規定数の「2」以上(更新後が「1」以上)よりも特殊演出を伴わせること(「実行」)を最も決定し易くなっている。このため、変動前が上限数の「4」の特殊演出抽選では、規定数の「2」以上(「2」又は「3」)の特図始動保留記憶数よりも特殊演出を伴わせ易い傾向を有している。その一方で、本実施形態では、図柄変動ゲームの開始による変動前の特図始動保留記憶数が上限数未満の「3」以下(更新後が「2」以下)の場合に、特図始動保留記憶数の大小で大きい場合に小さい場合よりも特殊演出を伴い易くならないようになっている。このため、変動前が上限数未満の「3」以下(「3」又は「2」又は「1」)の場合の特殊演出抽選では、小さい特図始動保留記憶数ほど特殊演出を伴わせ易い傾向を有している。具体的には、図柄変動ゲームの開始による変動前の特図始動保留記憶数が「3」(更新後が「2」)<「2」(更新後が「1」)<「1」(更新後が「0」)の順に特殊演出を伴い易くなっている。このため、変動前の特図始動保留記憶数が上限数の場面で想定され易い、特定画像が出現するとその時点で保留されている図柄変動ゲームまで連続演出を伴うかもという期待を抱かせることができるような場面では、最小数を除いて(変動前の特図始動保留記憶数が「2」以上)特殊演出を最も伴い易くなっている。その一方で、変動前の特図始動保留記憶数が上限数に達していない場合には、始動入賞口へ遊技球がなかなか入球していないような場面を想定して、図柄変動ゲームの開始による変動前の特図始動保留記憶数が「3」よりも「2」、「2」よりも「1」で特殊演出を伴い易くなっている。
したがって、特殊演出の対象となる図柄変動ゲームの開始による変動前の特図始動保留記憶数に関連付けられるように、上記特殊演出を伴わせる確率(割合)が設定される。このようにして特殊演出を伴わせるか否かを決定する統括制御用CPU36aは特殊演出決定手段として機能する。
このように本実施形態のパチンコ遊技機10では、確変演出モードMAで連続演出を伴えば、そのことにより大当りとなれば単なる大当りではなく確変大当り(確変演出モードMAへの移行)が確定する(特別状態時連続演出)ことになる。このため、大当り(この場合には確変大当り)の場合に経由するリーチに関わる場面(リーチになるまで又はリーチとなる場面)で、連続演出を伴わなければ大当り(非確変大当り又は確変大当り)となる一方で、連続演出を伴っていれば単なる大当りではなく確変大当りとなる。したがって、本実施形態では、確変演出モードMAで連続演出を伴っているか否かに応じて、リーチに関わる場面(リーチになるまで又はリーチとなる場面)で期待を抱くことができる結果(大当りの種類)が変化することになる。
そして、確変演出モードMAでは、連続演出を伴ってリーチとなれば、その時点で確変大当りとなるかはずれリーチとなるかの何れかとなる。このため、確変演出モードMAで連続演出を伴う場合には、リーチに対して大きな期待を抱かせることができるだけでなく、リーチになれば確変大当りという遊技者にとって有利な大当りに対して大きな期待を抱かせることができる。
また、本実施形態では、変短状態(特別状態)であってリーチとなる確率(リーチ確率)が本機中で低く(非変短状態(非特別状態よりも)設定されている確変演出モードMAの滞在中を対象として、連続演出を伴っての大当りでは確変大当りが確定するようにした。このようにリーチ確率が非変短状態よりも低い変短状態では、リーチとなる場合に非変短状態でリーチとなる場合よりもリーチ時における大当りに対する期待度(大当り期待度)が高まることになる。このため、確変演出モードMAでは、リーチに関わる場面(リーチになるまで又はリーチとなる場面)で、連続演出を伴わなくても大当り(非確変大当り又は確変大当り)の可能性を高める一方で、連続演出を伴っていれば単なる大当りではなく確変大当りの可能性を高めることになる。したがって、本実施形態では、リーチ時における大当りに対する期待度が高まる確変演出モードMAで連続演出を伴っているか否かに応じて、リーチに関わる場面で期待を抱くことができる結果(大当りの種類)が変化することになる。
そして、このような確変演出モードMAでは、特図始動保留記憶数が大きいほど実行抽選に当選し易くなっていることから、特図始動保留記憶数が上限数で特殊演出を伴う場合には、特殊演出によるものであってもその図柄変動ゲームの間において、連続演出を伴う場合と同様の期待を抱かせることができる。また、遊技者は、特に確変状態であることを把握していれば、次の大当りさらには確変大当り(確変状態が継続するか否か)に対して興味、関心が向いている。このため、このような場面で遊技者は、連続演出を伴わない特にはずれ(リーチなし)の図柄変動ゲームに対して興味、関心が向き得ない。したがって、遊技者の興味、関心が向き得ない図柄変動ゲームでも、特殊演出を伴わせることで、その図柄変動ゲームに関しては遊技者も興味、関心を向け得るようになる。しかしながら、特殊演出を伴う場合には、内部抽選でははずれ(しかもリーチなし)であるので、遊技者の興味、関心を向けさせ得る期間を1回の図柄変動ゲーム限りに止めるようにした。この実現に際しては、図16に示すように、図柄変動ゲームの開始による変動前の特図始動保留記憶数が上限数で最小数を除く個数よりも特殊演出を伴わせ易くしている。また、このような確変演出モードMAでは、リーチ確率が本機中で低く(非変短状態よりも)設定されているが特殊演出を伴わせ得ることから、連続演出を伴う場合と同様の期待を抱かせる場面を到来させ易くなる。
なお、非確変演出モードMBでは、大当りの場合に経由するリーチに関わる場面で、連続演出を伴うか否かによって期待を抱くことができる結果(大当りの種類)は確変大当り又は非確変大当りの何れでもある。また、本実施形態では、非確変演出モードMBにおいても特殊演出を伴う場合、非確変演出モードMBで連続演出を伴う場合と同様の期待を抱かせることができる。この場合にも特殊演出によって連続演出を伴う場合には、内部抽選ではずれ(しかもリーチなし)であるので、連続演出を伴う場合と同様の期待を抱かせる期間を1回の図柄変動ゲーム限りに止めるようにした。
このようにして統括制御用CPU36aは特殊演出の実行を決定した場合には、対象とした1回分の図柄変動ゲームで特殊演出を伴わせる(実行させる)ことになる。具体的には、図17(a),(b)のパターン(a−1),(b−1)に示すように、対象とした図柄変動ゲームにおいて特定画像を画像表示する特殊演出(ここでは、「連続演出」と示している)が実行される。また、統括制御用CPU36aは連続演出の実行を決定した場合は、保留中の回数分(1回又は複数回)の図柄変動ゲームを対象にして連続演出が実行されることになる。具体的には、図17(a),(b)のパターン(a−2),(b−2)に示すように、保留中の各図柄変動ゲームにおいて特定画像を画像表示する所定の演出(ここでは、「連続演出」と示している)が実行される。
そして、図17(a)のパターン(a−1)に示すように、確変演出モードMAにおいて、演出表示装置H2では、特殊演出を伴っての図柄変動ゲームが1回分実行される。本実施形態のパチンコ遊技機10では、確変演出モードMAにおいて、連続演出を伴って大当りになれば確変確定の大当り図柄が導出される仕様となっている。このため、確変演出モードMAでは、特殊演出を伴う図柄変動ゲームで、確変確定の大当り図柄を構成し得る[1]、[3]、[5]、[7]の飾り図柄を演出表示装置H2の左右列に確定停止表示させるように、統括制御用CPU36a及び表示制御用CPU37aが制御する構成としている。そして、事前大当り判定及び事前リーチ判定が共に否定であるので、特殊演出を伴った結果として、演出表示装置H2では、図柄変動ゲームにおいて確変確定の大当り図柄を構成し得る図柄によるリーチの図柄組み合わせを含まないはずれの図柄組み合わせ([315])が確定停止表示されることになる。
また、図17(a)のパターン(a−2)に示すように、確変演出モードMAにおいて、演出表示装置H2では、前記保留中の回数分(1回又は複数回)の図柄変動ゲームを対象として連続演出が実行される。上述したように、確変演出モードMAにおいては、連続演出を伴って大当りになれば確変確定の大当り図柄が導出される仕様となっている。そして、連続演出を伴った結果として、事前大当り判定が肯定であれば、演出表示装置H2では、前記保留中の回数分の最終回となる図柄変動ゲームにおいて確変確定の大当り図柄([777])が確定停止表示されることになる。その一方で、連続演出を伴った結果として、事前大当り判定が否定であれば、演出表示装置H2では、前記保留中の回数分の最終回となる図柄変動ゲームにおいて確変確定の大当り図柄を構成する図柄によるリーチの図柄組み合わせを含んだリーチはずれの図柄組み合わせ([767])が確定停止表示される。
また、図17(b)のパターン(b−1)に示すように、非確変演出モードMBにおいて、演出表示装置H2では、特殊演出を伴っての図柄変動ゲームが1回分実行される。本実施形態のパチンコ遊技機10では、非確変演出モードMBにおいて、連続演出を伴って大当りになれば確変確定又は確変非確定の大当り図柄が導出される仕様となっている。このため、非確変演出モードMBでは、特殊演出を伴う図柄変動ゲームで、[0]〜[7]の飾り図柄を演出表示装置H2の左右列に確定停止表示させるように、統括制御用CPU36a及び表示制御用CPU37aが制御する構成としている。そして、事前大当り判定及び事前リーチ判定が共に否定であるので、特殊演出を伴った結果として、演出表示装置H2では、図柄変動ゲームにおいて大当り図柄を構成し得る図柄によるリーチの図柄組み合わせを含まないはずれの図柄組み合わせ([213])が確定停止表示されることになる。
また、図17(b)のパターン(b−2)に示すように、非確変演出モードMBにおいて、演出表示装置H2では、前記保留中の回数分(1回又は複数回)の図柄変動ゲームを対象として連続演出が実行される。上述したように、非確変演出モードMBにおいては、連続演出を伴って大当りになれば確変確定又は確変非確定の大当り図柄が導出される仕様となっている。そして、連続演出を伴った結果として、事前大当り判定が肯定であれば、演出表示装置H2では、前記保留中の回数分の最終回となる図柄変動ゲームにおいて確変非確定の大当り図柄([222])又は確変確定の大当り図柄([777])が確定停止表示されることになる。その一方で、連続演出を伴った結果として、事前大当り判定が否定であれば、演出表示装置H2では、前記保留中の回数分の最終回となる図柄変動ゲームにおいてリーチの図柄組み合わせを含んだはずれの図柄組み合わせ([767])が確定停止表示される。
なお、統括制御用CPU36aは、各種先読みコマンドを入力すると、当該コマンドを始動保留球に対応付けて統括制御用RAM36cに記憶するとともに、始動保留球に基づく図柄変動ゲームの開始に伴って当該始動保留球に対応付けて記憶した各種先読みコマンドを消去する。また、本実施形態において統括制御用CPU36aは、大当り遊技の終了時(エンディング演出の終了時)に、始動保留球に対応付けて記憶した各種先読みコマンドを消去する。これにより、本実施形態では、大当り遊技中の始動保留球に基づく図柄変動ゲームを対象とする連続演出は実行されないようになっている。また、本実施形態において統括制御用CPU36aは、大当り遊技の終了後、4回分の図柄変動ゲームを対象としては連続演出(特殊演出も含む)を実行させないようになっている。これにより、事前大当り判定の肯定後から大当り遊技の終了時までの始動保留球に基づく図柄変動ゲームを対象とする連続演出は実行されないようになっている。また、本実施形態において統括制御用CPU36aは、大当り遊技の終了後に50回(最大値)の図柄変動ゲームを対象として変短状態が付与される場合(非特定図柄)、該大当り遊技の終了後から44回目以降(ここまで大当りに非当選)の図柄変動ゲームが実行される場面で連続演出の実行を決定しないようになっている。これにより、本実施形態では、変短状態から非変短状態に移行する場面を跨いでの連続演出は実行されないようになっている。なお、44回は、特図始動保留記憶数の上限数を加算したとしても、50回(最大値)に達し得ない回数としている。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)図柄変動ゲームが連続演出の対象となっていない場合には、特殊演出を伴わせ得るようにした。特殊演出を伴わせるか否かの決定に際しては、その決定時の特図始動保留球数の個数に応じて決定するようにした。このため、図柄変動ゲームが連続演出の対象となっていない場合において連続演出の対象となっている場合と同様の演出内容を実行させ得る。また、連続演出が開始されたことを認識すると、遊技者はどの図柄変動ゲームまで続くのかに最も興味及び関心を抱くことになる。このため、特殊演出を伴わせるか否かを特図始動保留球数の個数に応じて決定するようにすることで、該演出の出現時にも遊技者を楽しませることができる。したがって、事前判定がされて連続演出を実行されるという事前結果がされない場合にも図柄変動ゲームに対する興趣を向上させることができる。
(2)また、連続演出の対象にもなっていないし大当りでもない図柄変動ゲームであっても、特殊演出を伴わせることによりで遊技者を楽しませることができる。したがって、図柄変動ゲームにおける興趣の向上に寄与することができる。
(3)また、変動前の特図始動保留記憶数が上限数に達していない場合には、始動入賞口へ遊技球がなかなか入球していないような場面を想定して、図柄変動ゲームの開始による変動前の特図始動保留記憶数が「3」よりも「2」、「2」よりも「1」で特殊演出を伴い易くした。特殊演出があくまでも「ガセ演出」である点を考慮すれば、連続演出であることに対して過度な期待を抱かせることで却って遊技への意欲を低下させることもある。したがって、特図始動保留球が少ない場面、例え連続演出であってもその対象となる回数が少ない場面を対象にすることで、連続演出であることに対して過度な期待を抱かせることで却って遊技への意欲の低下を防止することができる。
(4)また、特殊演出では、連続演出の具体的な演出内容のうち演出期待度の最も低い演出内容と同様の演出内容を伴わせるようにした。このため、連続演出であることに対して過度な期待を抱かせることで却って遊技への意欲の低下を防止することができる。
(5)確変演出モードMA(変短状態)において、連続演出を伴ってリーチになれば確変大当りに期待を持つことができる。そして、変短状態時(確変演出モードMA時)には特にリーチの確率が低いので連続演出を伴ってリーチになれば確変大当りに期待を持てる。そして、このような場面において特殊演出を伴わせ得る構成とすることで、連続演出の開始や特殊演出の出現時、その時の特図始動保留記憶数の個数に応じた期待を遊技者に抱かせることができる。
(6)また、変動前の特図始動保留記憶数が最小数「1」では、特殊演出を最も決定し易くした。このため、始動入賞口へ遊技球がなかなか入球しないような遊技者にとって退屈な場面でも、遊技者の退屈を解消して遊技の興趣の向上に寄与することができる。
(7)また、変動前の特図始動保留記憶数の個数が上限数「4」では、特殊演出を「2」又は「3」(規定数以上)よりも決定し易くした。その一方で、変動前の特図始動保留記憶数の個数が上限数「4」に達していない場合では、特図始動保留記憶数が小さいほど特殊演出を伴い易くした。このため、特定画像が出現するとその時点で保留されている図柄変動ゲームまで連続演出を伴うかもという期待を抱かせることができるような場面では、同様の期待を抱かせる場面を増加させて遊技の興趣の向上に寄与することができる。その一方で、始動入賞口へ遊技球がなかなか入球していないような場面でも、遊技者の退屈を解消して遊技の興趣の向上に寄与することができる。
(8)確変演出モードMAにおいて、図柄変動ゲームが確変大当りとなる演出内容である、又ははずれの演出内容である場合に、連続演出を実行することが決定されるようにした。その結果、確変演出モードMAにおいて、連続演出により大当りとなる場合には、その大当りは確変大当りとなる。このため、確変演出モードMAにおいて、確変大当りの場合に経由するリーチに関わる場面(リーチになるまで又はリーチとなる場面)で、連続演出を伴わなければ大当りへ遊技者の興味が向く一方で、連続演出を伴えば単なる大当りではなく確変大当りへ遊技者の興味が向くことになる。したがって、連続演出を伴うか否かによってリーチに関わる場面における遊技者の興味を変化させることで、連続演出による遊技の興趣を向上させることができる。
(9)図柄変動ゲームが連続演出の対象となっていない場合には、特殊演出を伴わせ得るようにした。このため、特殊演出を伴う場合には、該図柄変動ゲーム(1回分)のみを対象として連続演出であるかのように演出表現してなされる。したがって、実際には次の図柄変動ゲームでも演出が連続することを決定していないので、遊技者に過度な期待を持たせることを防止することができる。その結果、連続演出や特殊演出を伴うことによって遊技者の興味を変化させることで、連続演出による遊技の興趣を向上させることができる。
(10)また、連続演出の対象にもなっていないしリーチでもない図柄変動ゲームであっても、該図柄変動ゲームにおける興趣の向上に寄与することができる。
(11)変短状態では、リーチ確率を非変短状態よりも低くすることにより、非変短状態よりもリーチ時の大当りへの期待度を高めることができる。このため、変短状態である確変演出モードMAにおいて、連続演出を伴えばリーチとなることに対する期待がさらに強くなるとともに、さらにリーチとなれば確変大当りに対する期待がさらに強くする。したがって、連続演出を伴うか否かによってリーチに関わる場面における遊技者の興味を変化させることで、連続演出による遊技の興趣を向上させることができる。
(12)確変演出モードMAにおいて、連続演出を伴う又は特殊演出を伴う図柄変動ゲームでは、確変確定の大当り図柄を構成し得る飾り図柄を、左右列に確定停止表示させるように構成した。このため、確変演出モードMAにおいては、連続演出や特殊演出を伴う毎に確変大当りに対して期待を遊技者に抱かせることにより、遊技の興趣の向上に寄与することができる。
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・本実施形態は、先読み演出として、保留表示画像Rhaの保留画像を変化させる演出態様で、該保留画像に対応する始動保留球(保留記憶数)に基づく図柄変動ゲームが大当りである可能性を示唆する保留連続演出を実行させることもできる。なお、保留連続演出では、対象となる複数回の図柄変動ゲームと図柄変動ゲーム間で継続して保留画像が変化した状態を維持する。また、保留連続演出では、図柄変動ゲームの消化に伴って特図始動保留記憶数の減少に合わせて変化する保留状態に応じて、変化させる対象となる保留画像も変化していくことになる。この演出の実現に際しては、先読みコマンドを入力する統括制御用CPU36aが、大当り遊技中でないことを条件に、保留連続演出実行指示コマンドを出力することにより、対応する保留画像の変化を指示する。この保留連続演出は、入賞検知と基づく保留画像の表示に合わせて実行される。また、保留画像の変化としては、保留画像の色を通常色(例えば、白色)から他の色「赤」や「金」などのように、見た目上に変化を把握させ得る態様で実行される。そして、本実施形態では、場面毎(演出モード)に、実行させる先読み演出の種類(連続演出、保留連続演出)を異ならせることもできる。
・本実施形態は、特殊演出の演出内容を演出期待度の最も低い演出としなくてもよく、例えば、「青」や「緑」と同様の演出を伴わせるようにしてもよい。
・本実施形態は、連続演出対象となっているセット分の各図柄変動ゲームの具体的な演出内容を同一にすることもできる。
・本実施形態は、確変演出モードMAで連続演出を伴う場合のはずれ時、確変確定の大当り図柄を構成し得る飾り図柄を左右列に確定停止表示させなくてもよい。
・本実施形態は、非確変演出モードMBでも連続演出を伴って大当りとなれば確変大当りとなる仕様とすることもできる。なお、この場合には、変短状態及び非変短状態でリーチ確率を異ならせていなくてもよい。また、本別例は、非確変演出モードMBの変短状態でのみ適用することもできる。
・本実施形態は、リーチとならない場合(リーチなしはずれの場合)にも事前判定により連続演出を実行可能な構成にすることもできる。この場合には、事前リーチ判定をなくすとともに事前大当り判定が否定であれば、演出内容を特定して先読みコマンドを設定する構成とすればよい。すなわち、リーチなしはずれ用の先読みコマンドを設定することになる。
・本実施形態は、連続演出でリーチ(大当り又はリーチ)となるか否かを示唆する演出と位置付けしてもよい。
・本実施形態は、確変演出モードMAにおいて、事前大当り判定が肯定であれば特別図柄(図柄先読みコマンド)が何れであっても連続演出を実行可能に構成することもできる。
・本実施形態は、特殊演出抽選の各抽選態様の傾向を変更することもできる。好ましくは、特殊演出を伴わせるか否かに際し、特図始動保留記憶数が上限数よりも小さければ、特図始動保留記憶数の大小で大きい場合に小さい場合よりも特殊演出を伴わせ易くしないようにする。
・本実施形態は、特殊演出に関して連続演出を伴わないことのみを条件に実行可能にすることもできる。この場合には、事前大当り判定が肯定で実行抽選の当選にもれたとしても、その図柄変動ゲームのみを対象に連続演出を伴って大当りとする場面を作り出すことができる。また、はずれリーチに関しても同様のことが言える。
・本実施形態において、演出モードMA,MBの種類を変更してもよく、変短状態の有無のみで種類を分けたりすることもできる。また、各演出モードMA,MBの演出態様は、遊技者がその違いを把握可能であれば任意に変更することもできる。
・本実施形態では、図柄振分用乱数と特別図柄と図柄先読みコマンドが一対一の関係で構成したが、図柄先読みコマンドでは特別図柄の種類を特定可能な構成であればよい。
・本実施形態では、先読みコマンドとして、特別図柄入力処理のステップS4やステップS9で取得する乱数の各値自体を特定する構成としてもよい。この場合には、主制御用CPU35aでは、何も判定をしないで、そのまま取得した乱数を特定する情報を先読みコマンドとして出力するといった構成とすることもできる。そして、統括制御用CPU36aは、先読みコマンドの乱数の各値に基づいて各種事前判定(先読みコマンド設定処理に相当する処理)を実行することになる。これによっては、主制御用CPU35aの処理負担を軽減することができる。
・本実施形態では、高確率用の大当り判定値と低確率用の大当り判定値で値が異なっていれば共通に含まれる判定値を含んでいなくてもよい。
・本実施形態では、獲得利益として1回の大当り遊技で獲得を見込むことができる獲得賞球の総数によって設定することもできる。例えば、ラウンド数の差、大当り遊技を通しての大入賞口29の合計開放時間の差、遊技球の1球の入球に対する賞球の差、などにより獲得賞球の総数を異ならせることができる。本別例の設定に際しては、獲得賞球の総数が多い大当りが特定図柄に対応するとともに、獲得賞球の少ない大当りが非特定図柄に対応する。
・上記別例では、獲得賞球の総数が多い大当りを全て確変大当りとすることもでき、これによれば獲得利益の差をより顕著にすることもできる。また、この場合には、大当りの終了後に非確変状態を付与する大当りを設けないで、全ての大当りの終了後に確変状態を付与するスペックも考えられる。また、大当りの終了後には、当選時の遊技状態にかかわらず変短状態を必ず付与するスペックも考えられる。
・本実施形態において、各先読み演出の演出態様を変更してもよい。
・本実施形態では、大当り先読みコマンドと図柄先読みコマンドとを1つのコマンドとして設定することもできる。
・本実施形態において、サブ統括制御基板36を省略し、主制御基板35からの各種コマンドを、演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38に出力するようにしてもよい。
・本実施形態では、連続演出の具体的な演出内容(実行態様)まで主制御基板35(主制御用CPU35a)で特定できる構成を採用して主制御基板35(主制御用CPU35a)に事前決定手段の機能を持たせることができる。この場合には、先読み演出を実行可能となる場合にのみ先読みコマンドを出力するような構成とすることもできる。そして、統括制御用CPU36aは、先読みコマンドに基づいた連続演出の実行を所定のタイミングで指示する。
・本実施形態では、統括制御用CPU36aが決定する連続演出の具体的な演出内容として連続演出を実行しない場合と同一の非実行演出内容を設定し、連続演出の具体的な演出内容として非実行演出内容を決定する場合に、連続演出の実行しないことを決定する位置付けにすることもできる。そして、この場合に統括制御用CPU36aは、各種先読みコマンドを入力すると連続演出の具体的な演出内容を決定する処理を実行し、実行フラグと各種先読みコマンドに示される保留情報にしたがって連続演出の対象とする図柄変動ゲームの回数を統括制御用RAM36cに設定する。これにより、統括制御用CPU36aは、各種先読みコマンドを入力すると連続演出の具体的な演出内容にかかわらず(実際に実行しない演出内容であっても)、その対象となった特図始動保留球の図柄変動ゲームが実行されるまで実行フラグを設定することになる。その結果、連続演出は、各種先読みコマンドの対象となった特図始動保留球よりも前の特図始動保留球(既に保留されている特図始動保留球)に対して各種先読みコマンドが対応付けて記憶されている場合(実行フラグが設定されている場合)、実行されないようにすることができる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追加する。
(イ)前記連続演出の対象となる図柄変動ゲームでは、該連続演出の基になった図柄変動ゲームの演出内容が前記特定の演出内容である演出期待度の異なる演出を伴うようになっており、前記演出内容決定手段は、前記図柄変動ゲームの開始時、開始の対象となる図柄変動ゲームが前記連続演出の対象となっていない且つ前記特定の演出内容でない場合、前記演出期待度が最も低い演出と同様の演出内容からなる特殊演出を伴う前記図柄変動ゲームの演出内容を決定し得る請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の遊技機。