JP2012020544A - 射出発泡成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車の内装品や電子機器の筐体に用いられる射出発泡成形品の軽量化と高い剛性とを有する射出発泡成形品を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂と、発泡剤とを含む射出発泡成形材料を射出発泡することにより得られた射出発泡成形品1であって、セル壁6の最大肉厚をa、セル壁6の最小肉厚をbとしたとき、比a/bが3.0以下である発泡構造を有する、射出発泡成形品1。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂と発泡剤とを含む射出発泡成形用材料を発泡させて得られる射出発泡成形品に関し、より詳細には、軽量化及び高剛性化が両立されている射出発泡成形品に関する。
自動車の内装品や電子機器の筐体に、熱可塑性樹脂成形品が広く用いられている。近年、環境負担を軽減するため及びコストを低減するために、自動車の内装品や電子機器の筐体においては軽量化が強く求められている。
そこで、軽量化及び低コスト化を図るために、熱可塑性樹脂と発泡剤とを含む射出発泡成形材料を射出発泡成形する方法が広く用いられている。例えば、下記の特許文献1には、ポリプロピレンと発泡剤とを含む射出発泡成形用熱可塑性樹脂組成物が開示されている。特許文献1では、この熱可塑性樹脂組成物を射出発泡することにより、2.3〜2.9倍の発泡倍率の成形品が得られている。
また、下記の特許文献2には、ポリプロピレン50〜80重量%と、エチレン−α−オレフィン共重合体10〜50重量%と、タルク0〜25重量%と、発泡剤とを含む射出発泡成形用の熱可塑性樹脂組成物が開示されている。
特許第3189619号公報 特開2004−307665号公報
特許文献1や特許文献2に記載のように、発泡剤を含有している熱可塑性樹脂組成物を射出発泡成形することにより、成形品の軽量化を図ることができる。
近年、環境負担及びコストをさらに低減するために、より一層の軽量化が求められている。そのため、発泡倍率を高めたり、成形品を薄肉化したりしている。しかしながら、発泡倍率を高めたり、薄肉化を進めたりすると、剛性が低下するという問題がある。そのため、強度を高めるためのリブを設けたりしなければならないという問題があった。
しかしながら、リブを設けた構造では、成形品の形状が複雑になり、また薄肉化を進めることが困難となる。
また、軽量化を図るために薄肉化を進めると、射出発泡成形が困難になるという問題もあった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、発泡により軽量化を図ることができ、かつ充分な剛性を有する射出発泡成形品を提供することにある。
本発明に係る射出発泡成形品は、熱可塑性樹脂と発泡剤とを含む射出発泡成形材料を射出発泡することにより得られた射出発泡成形品であって、複数の発泡セルを有し、セル壁の最大肉厚をa、セル壁の最小肉厚をbとしたとき、比a/bが3.0以下である発泡構造を有する、射出発泡成形品である。
本発明に係る射出発泡成形品のある特定の局面では、前記セル壁の最大肉厚が150μm以下であり、最小肉厚が50μm以上である。最大肉厚が150μm以下、最小肉厚が50μm以上である場合には、軽量化を進め、かつ射出発泡成形品の剛性をさらに高めることができる。
本発明に係る射出発泡成形品の他の特定の局面では、シート状の射出発泡成形品であって、発泡層と、発泡層の両面に存在する未発泡のスキン層からなる。このような3層構造の射出発泡成形品では、スキン層の存在により、剛性をさらに高めることができる。
好ましくは、射出発泡成形品全体の発泡倍率は、1.5〜5.0倍の範囲とされる。発泡倍率が1.5倍以上であるため、射出発泡成形品を充分に軽量化することができ、5.0倍以下であるため、高い剛性を維持することができる。
本発明に係る射出発泡成形品のさらに他の特定の局面では、上記セルが射出発泡成形品の厚み方向に平行に配向されている。従って、上記シート状の射出発泡成形品の剛性、特に厚み方向に加わる力に対する剛性を効果的に高めることができる。
本発明に係る射出発泡成形品では、上記肉厚比a/bが3.0以下とされているため、発泡による軽量化を図りつつ、射出発泡成形品の剛性を充分な大きさとすることができる。
本発明の一実施形態に係る射出発泡成形品を説明するための略図的正面断面図である。 実施例及び比較例で、射出発泡成形品を得るのに用いた射出発泡成形装置を示す正面断面図である。 (a)は発泡層と、発泡層の両面にスキン層とを有する3層構造の発泡体の曲げ剛性を説明するための模式的斜視図であり、(b)はセル構造モデルを示す斜視図である。 (a)は、比較例1の射出発泡成形品のz方向断面を示す顕微鏡写真であり、(b)は、実施例1で得られた射出発泡成形品のz方向断面を示す顕微鏡写真である。 実施例で得られたシート状射出発泡成形品の面方向と平行な断面に沿って切断した面を示す顕微鏡写真である。 (a)は、セル壁の肉厚が薄い場合のy方向切断面の模式的断面図であり、(b)は、セル壁肉厚が厚い実施例の場合のy方向切断面の模式的断面図である。 (a)は、実施例1の場合のz方向切断面の模式的断面図であり、(b)は、セル壁の肉厚が厚い場合のz方向切断面の模式的断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る射出発泡成形品を説明するための略図的正面断面図である。
本実施形態の射出発泡成形品は、射出発泡成形材料を射出発泡成形することにより得られる。
射出発泡成形品1は、シート状の形態を有する。射出発泡成形品1は、発泡層2と、発泡層2の両面に配置されたスキン層3,4とを有する。すなわち、射出発泡成形品1は、3層構造のシート状成形品である。なお、本発明では、スキン層3,4は必ずしも設けられずともよい。もっとも、スキン層3,4を設けることが望ましい。それによって、射出発泡成形品1では、曲げ強度を高めることができ、剛性をさらに高めることができる。
なお、スキン層3,4のうち、一方のスキン層のみが設けられていてもよい。
上記のような射出発泡成形品1は、後述する図2に示す射出発泡成形装置を用いて成形することにより得られる。
上記射出発泡成形品1は、熱可塑性樹脂と、発泡剤とを含む射出発泡成形材料を射出発泡することにより得られ、セル壁の最大肉厚をa、セル壁の最小肉厚をbとしたとき、比a/bが3.0以下である発泡構造を有する。そのため、軽量化を図ることができ、かつ剛性を効果的に高めることができる。比a/bが3.0を超えると、軽量化と高い剛性とを両立することができなくなる。
発泡層2は、多数の発泡セル5を有する。この発泡セル5と隣接する発泡セル5との間の部分がセル壁6である。このセル壁6の最大肉厚をa、セル壁6の最小肉厚をbとする。ここで、最大肉厚とは、多数のセル壁のうち肉厚が最も大きな部分をいうものとし、最小肉厚とは、多数のセル壁のうち、肉厚が最も薄いセル壁の肉厚をいうものとする。
好ましくは、セル壁6の最大肉厚は150μm以下であり、最小肉厚は50μm以上である。最大肉厚aが150μm以下であれば、軽量化をより一層高めることができる。また、最小肉厚bが、上記値以上であれば、より一層剛性を高めることができる。
発泡層2における発泡セル5は、図示のように厚み方向に平行に配向されていることが望ましい。それによって、セル壁が厚み方向に沿うこととなるため、剛性を効果的に高めることができる。
上記発泡層2は、上記複数の発泡セル5を有する発泡部分である。そして、スキン層3,4は、発泡セル5を有しない未発泡部分である。例えば射出発泡成形品の厚みが2.4mmである場合、スキン層3,4の肉厚は、250μm以上、500μm以下の範囲であることが望ましい。スキン層の厚みがこの範囲内にある場合、軽量化を図りつつ、剛性を効果的に高めることができる。このような3層構造の射出発泡成形品は、図2に示す射出発泡成形装置を用いて得ることができる。
図2に示す射出成形装置11は、射出成形用金型12を有する。射出成形用金型12は、固定型としての第1の金型13と、可動型としての第2の金型14とを備える。第1の金型13と第2の金型14とが組み合わされたときに、射出成形用金型12の内部に内部空間であるキャビティAが形成される。第1,第2の金型13,14の形状は矩形板状である。もっとも、第1,第2の金型の形状は特に限定されない。
第2の金型14は、第1の金型13に対して近接及び離間するように、移動可能に構成されている。第2の金型14だけでなく、第1の金型13も第2の金型14に対して近接及び離間するように、移動可能に構成されていてもよい。
第1の金型13には、キャビティAに溶融樹脂を注入するための樹脂注入用貫通孔13aが設けられている。第2の金型14のパーティングライン側の表面に、キャビティAを形成するための凹部15が形成されている。上記パーティングラインは、第1,第2の金型13,14が組み合わされたときに、第1,第2の金型13,14が互いに接する部分である。凹部15に、キャビティAにガスを注入するためのガス注入孔16が設けられている。第2の金型14の外表面から凹部15内に至るように、ガス注入孔16に連ねられたガス注入用流路17が設けられている。ガス注入用流路17は、外部空間に至っている。
第2の金型14のパーティングライン側の表面には、複数の溝18,19が設けられている。溝18,19の一端は、キャビティAに接続されている。溝18,19の他端は、外部空間に至っている。溝18,19により、ガス流路が形成されている。このような溝が形成されていることにより、溶融樹脂の充填時のキャビティAの圧力を制御でき、かつ溶融樹脂の充填とともに、不活性ガスを効率的に排出させることができる。図2に示す断面部分以外にも、溝が設けられていてもよい。溝は、第1の金型13に設けられていてもよい。
上記射出成形装置11を用いて、例えば以下のようにして射出発泡成形品1を得ることができる。
先ず、射出成形用金型12を、図2に示すように閉じた状態にする。射出成形用金型12のキャビティAに、所定のガス圧力になるようにガス注入孔16からガスを充填する。次に、樹脂注入用貫通孔13aから射出発泡成形材料をキャビティAに射出し、充填する。射出発泡成形材料は溶融状態で射出される。射出発泡成形材料の射出が完了する前に、ガスは溝18,19等から次第に排出される。射出発泡成形材料の射出が完了し、コアバック待ち時間が経過した後、例えば第1,第2の金型13,14が離間するように、第2の金型14を所定の距離だけコアバックさせる。第2の金型14をコアバックさせることにより、射出発泡成形材料を発泡させる。次に、発泡した射出発泡成形材料を冷却し、固化させる。その後、射出成形用金型12を開いて、射出発泡成形品を射出成形用金型12から取り出す。
コアバック前すなわち発泡前の射出発泡成形材料の厚みをt1とし、発泡後の射出発泡成形品の厚みをt2としたときに、発泡倍率(倍)は、t2/t1で表される。発泡前の射出発泡成形材料の厚みt1は0.5〜1.0mmの範囲内であることが好ましい。厚み(t1)0.5〜1.0mmの発泡前の射出発泡成形材料を、上記比(t2/t1)が1.5〜5すなわち発泡倍率が1.5〜5倍であるように発泡させることが好ましい。
ここで、上記のように、スキン層3,4を有する場合、発泡倍率は、スキン層3,4を含む射出発泡成形品1全体の発泡倍率である。スキン層3,4が存在しない場合には、発泡層2のみの発泡倍率が射出発泡成形品1の発泡倍率となる。
上記のようにして得られた射出発泡成形品は、例えば、パソコン等の情報機器、家電もしくはOA機器等の筐体、及び自動車の内装品等に用いられる。なかでも、射出発泡成形品を軽量かつ薄型にすることができるので、射出発泡成形品は自動車の内装品に好適に用いられる。射出発泡成形品は自動車の内装品として用いることにより、自動車内の内部空間を広くすることができ、かつ自動車の燃費を向上できる。
(射出発泡成形材料)
本発明において、上記射出発泡成形品1を用いる射出発泡成形材料としては、熱可塑性樹脂と、発泡剤とを含む熱可塑性樹脂組成物を用いることができる。好ましくは、熱可塑性樹脂としてポリプロピレン系樹脂が用いられる。それによって、安価に成形品を得ることができる。
上記ポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン又はプロピレンと他のモノマーとの共重合体等が挙げられる。プロピレンと他のモノマーとの共重合体の場合には、プロピレンが主成分として用いられ、例えばプロピレン−α−オレフィン共重合体を得るためのモノマーの合計100重量%中にプロピレンが50重量%以上用いられる。なかでも、ランダムポリプロピレンが好適に用いられる。ポリプロピレン系樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記プロピレンと他のモノマーとの共重合体としては、例えば、プロピレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。プロピレンと他のモノマーとの共重合体の共重合の形態は特に限定されない。プロピレンと他のモノマーとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体又はランダムブロック共重合体等のいずれであってもよい。
上記プロピレン−α−オレフィン共重合体におけるα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン及び1−オクテン等が挙げられる。上記プロピレン−α−オレフィン共重合体を得るためのモノマーの合計100重量%中、α−オレフィンの含有量の好ましい下限は1重量%、より好ましい下限は2重量%、好ましい上限は8重量%、より好ましい上限は5重量%である。α−オレフィンの含有量が上記好ましい上限を満たすと、射出発泡成形品の外観をより一層良好にできる。α−オレフィンの含有量が上記好ましい下限を満たすと、射出発泡成形品の剛性及び靭性をより一層高めることができる。
上記ポリプロピレン系樹脂のメルトインデックス(MI)の好ましい下限は30g/10分、より好ましい下限は50g/10分、好ましい上限は200g/10分、より好ましい上限は100g/10分である。ポリプロピレン系樹脂のMIが上記好ましい下限を満たすと、射出発泡成形品の成形時に、溶融樹脂の流動性が高くなることにより少ない樹脂量での大面積の成形品の成形が可能になる。さらに、流動性が高くなることにより成形時に用いる成形金型に溶融樹脂流入口を多く設ける必要がなくなり、金型の簡素化、単純化が可能となる。これによって、金型コストを低減することが可能となり、溶融樹脂が複雑な流動軌跡を取ることなどから発生する流動跡(ウェルドライン)の発生を未然に防ぐことができる。それらによって、償却、効率などの面から射出発泡成形品へのコスト転嫁を最小限に抑制することが可能になる。
上記ポリプロピレン系樹脂のMIが高いほど、重合度(分子量)が下がり、十分な剛性、靭性の発現が困難になるおそれがあると思われる。ポリプロピレン系樹脂のMIは、現実的な範囲を挙げると30〜200g/10分であり、より好ましくは50〜100g/10分である。ポリプロピレン系樹脂のMIは、JIS K7210:1999に基づいて、温度230℃及び荷重21.18Nの条件で測定される。
上記射出発泡成形材料100重量%中、上記ポリプロピレン系樹脂の含有量は50〜90重量%の範囲内である。射出発泡成形材料100重量%中、ポリプロピレン系樹脂の含有量の好ましい下限は60重量%、好ましい上限は89.9重量%、より好ましい上限は80重量%である。ポリプロピレン系樹脂の含有量は、射出発泡成形材料に配合されるその他の性能付与剤の配合量とのバランスを保つために考慮され、ポリプロピレン系樹脂そのものの持つ強度(靭性、剛性など)及び成形温度を発現するために適当な配合として規定される。また、安価なポリプロピレン系樹脂のコストメリットを最大限に生かすために、ポリプロピレン系樹脂の含有量は50重量%以上であり、好ましくは60重量%以上である。
また、上記発泡剤としては、特に限定されず、射出発泡成形に通常用いることができる適宜の発泡剤を挙げることができる。このような発泡剤としては、化学発泡剤及び物理発泡剤などが挙げられる。発泡効率をより一層高める観点からは、化学発泡剤が好ましい。発泡剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記化学発泡剤としては、無機系化学発泡剤及び有機系化学発泡剤を使用できる。上記無機系化学発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム及び炭酸アンモニウム等が挙げられる。上記有機系化学発泡剤としては、ニトロソ化合物、アゾ化合物、スルホニルヒドラジド化合物等が挙げられる。上記アゾ化合物としては、アゾジカルボンアミド等が挙げられる。発泡効率をさらに一層高める観点から、炭酸水素ナトリウムが好ましい。
上記物理発泡剤はガス状又は超臨界流体として、成形機のシリンダー又はスクリューより、溶融樹脂に注入され、分散され、溶解される。その後、射出発泡成形材料を金型内に射出した後、圧力を解放することにより、射出発泡成形材料を発泡させることができる。上記物理発泡剤の具体例としては、脂肪族炭化水素類、脂環式炭化水素類及び無機ガス等が挙げられる。上記脂肪族炭化水素類としては、ブタン等が挙げられる。上記脂環式炭化水素類としては、シクロブタン等が挙げられる。上記無機ガスとしては、窒素、炭酸ガス及び空気等が挙げられる。
上記射出成形材料における上記発泡剤の含有量は特に限定されない。射出発泡成形材料を射出発泡成形するために、発泡剤は適宜の含有量で用いられる。ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂と無機充填剤との合計100重量部に対して、発泡剤の含有量は3〜10重量部の範囲内であることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂と無機充填剤との合計100重量部に対して、発泡剤の含有量のより好ましい下限は4重量部、より好ましい上限は8重量部である。発泡剤の含有量が上記好ましい下限を満たすと、射出発泡成形材料をより一層効果的に発泡させることが可能になり、高度な軽量化が実現できる。発泡剤の含有量が上記好ましい上限を満たすと、射出発泡成形品をより一層軽量化することができる。
また、射出発泡成形材料は、流動性向上剤を含むことが望ましい。射出発泡成形時に溶融樹脂の流動性を向上させ、厚みの薄い射出発泡成形品を得ることを可能にする観点からは、本発明に係る射出発泡成形材料は流動性向上剤を含むことが好ましい。流動性向上剤は、射出発泡成形時に溶融樹脂の流動性を向上させる。また、流動性向上剤は、無機充填剤の分散性を向上させる。
上記流動性向上剤としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、極性ワックス及び金属せっけん等が挙げられる。上記流動性向上剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
流動性向上剤とマトリックス樹脂との分散性及び相溶性を高めることにより樹脂分子間の摩擦を低下させ、射出発泡成形時に溶融樹脂の流動性をより一層向上させる観点からは、マトリックス樹脂であるポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂に比べて極性の強い流動性向上剤が好適に用いられる。
射出発泡成形時に溶融樹脂の流動性をより一層向上させる観点からは、上記流動性向上剤は、極性ワックスであることが好ましい。射出発泡成形時に溶融樹脂の流動性をより一層向上させ、しかも流動性向上剤の使用による射出発泡成形品の靭性の低下を抑制する観点からは、上記流動性向上剤は、α−オレフィンと無水マレイン酸との共重合体であることが好ましい。該α−オレフィンと無水マレイン酸との共重合体は、極性ワックスである。
従来、α−オレフィンと無水マレイン酸との共重合体は、流動性向上剤として用いられておらず、流動性向上剤として知られているものではなかった。本発明者らは、α−オレフィンと無水マレイン酸との共重合体の使用により、射出発泡成形時に溶融樹脂の流動性を向上させることができ、しかも流動性向上剤の使用による射出発泡成形品の靭性の低下を抑制できることを見出した。
上記流動性向上剤の分子量及び分子量分布は特に限定されない。射出発泡成形時に溶融樹脂の流動性をより一層向上させる観点からは、上記流動性向上剤の数平均分子量は、2000〜30000であることが好ましい。上記流動性向上剤の数平均分子量はより好ましくは5000以上、より好ましくは15000以下である。
マトリックス樹脂であるポリプロピレン系樹脂の分子量に比べて、流動性向上剤の分子量は比較的低い。射出発泡成形材料が流動性向上剤を6重量%以下の含有量で含むことにより、射出発泡成形時に溶融樹脂の流動性を向上させることができるのみならず、射出発泡成形品の各物性の低下、特に靭性の低下を抑制できる。射出発泡成形材料100重量%中、上記流動性向上剤の含有量は2〜6重量%であることがより好ましい。上記流動性向上剤の含有量が2〜6重量%である場合には、射出発泡成形時に溶融樹脂の流動性がより一層向上する。この結果、厚みの薄い射出発泡成形品をより一層容易に得ることが可能になり、更により一層厚みの薄い射出発泡成形品を得たりすることが可能になる。また、射出発泡成形品の厚みが薄くすることができるので、射出発泡成形品を軽量化できる。
また、上記射出発泡成形材料には、無機充填剤及び分散剤が含有されていてもよい。上記無機充填剤としては、酸化チタン、炭酸カルシウム及び合成マイカなどの汎用フィラーが挙げられる。更に、上記無機充填剤としては、ウォラストナイト及びゾノトライト等の珪酸カルシウム類、タルク、活性白土、カオリンクレー、セピオライト及びイモゴライト等の粘土鉱物類、並びにシリカ系バルーン類等が挙げられる。コストを低くし、かつ無機充填剤とマトリックス樹脂との相性及び取扱い性を高める観点からは、タルクが好適に用いられる。これら、無機充填剤は表面処理されていてもよい。射出発泡成形品の剛性をより一層高める観点からも、タルクが好ましい。無機充填剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記無機充填剤を高密度で充填しても高い分散性が得られるので、無機充填剤の平均粒子径は2.5〜14μmの範囲内であることが好ましい。無機充填剤の平均粒子径のより好ましい下限は5.0μm、より好ましい上限は12μmである。無機充填剤の平均粒子径が上記好ましい下限及び上限を満たすと、無機充填剤の分散性をより一層高めることができる。このため、外観がより一層良好であり、かつ剛性及び靭性の均一性に優れた射出発泡成形品を得ることができる。上記平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積平均での粒度分布測定結果から求められる平均粒子径である。
上記射出発泡成形材料100重量%中、上記無機充填剤の含有量は4〜25重量%の範囲内である。射出発泡成形材料100重量%中、無機充填剤の含有量の好ましい下限は10重量%、好ましい上限は20重量%、より好ましい上限は15重量%である。無機充填剤の含有量が上記好ましい下限を満たすと、射出発泡成形品の剛性をより効果的に高めることができる。無機充填剤の含有量が上記好ましい上限を満たすと、射出発泡成形材料の成形時の流動性への影響が少なくなり、容易に成形が可能となる。
無機充填剤と親和性の高い分散剤としては、無機充填剤の種類によって異なるが、マトリックスであるポリプロピレン系樹脂よりも極性の高い成分が好適に用いられる。このような成分として、極性官能基を有する分散剤が好適に用いられる。極性官能基を有する分散剤として、例えばカルボン酸、無水マレイン酸及び(メタ)アクリルなどが用いられる。最も好適に用いられる分散剤は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン系オリゴマーである。ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、無水マレイン酸変性ポリプロピレン系オリゴマーの含有量は、0〜20重量部であることが好ましく、0〜15重量部であることがより好ましい。なお、本発明に係る射出発泡成形材料は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン系オリゴマーを含んでいなくてもよい。ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、無水マレイン酸変性ポリプロピレン系オリゴマーの含有量のより好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は10重量部である。無水マレイン酸変性ポリプロピレン系オリゴマーの含有量が上記下限を満たすと、無機充填剤と分散剤とが効果的に相互作用し、充分な分散安定化効果が得られる。このため、射出発泡成形品の耐衝撃が高くなり、変形時にボイド(欠損)が生じ難くなり、破断も生じ難くなる。無水マレイン酸変性ポリプロピレン系オリゴマーの含有量が上記上限を満たすと、分散剤自身の力学的強度が、射出発泡成形材料全体又は射出発泡成形品の力学的強度に大きく影響し難くなる。ポリプロピレン系樹脂の分子量に比べて、無水マレイン酸変性ポリプロピレン系オリゴマーの分子量が低い場合には、射出発泡成形材料全体が低物性化する傾向があるが、無水マレイン酸変性ポリプロピレン系オリゴマーを上記上限以下で用いることにより、このような低物性化を抑制できる。
無機充填剤の分散状態を安定化させるために、上記分散剤の酸価は、0当量/gよりも大きいことが好ましく、無水マレイン酸変性ポリプロピレン系オリゴマーの酸価は0当量/gよりも大きいことが好ましい。
上記射出発泡成形材料100重量%中、上記分散剤の含有量は0〜10重量%の範囲内である。本発明に係る射出発泡成形材料では、分散剤は任意成分である。すなわち、本発明に係る射出発泡成形材料は、分散剤を含んでいなくてもよく、含んでいてもよい。分散剤が含まれる場合には、射出発泡成形材料100重量%中、分散剤の含有量は10重量%以下である。分散剤の含有量が0〜10重量%であると、外観が良好であり、かつ剛性及び靭性に優れた射出発泡成形品を得ることができる。外観がより一層良好であり、かつ剛性及び靭性により一層優れた射出発泡成形品を得る観点からは、本発明に係る射出発泡成形材料は、分散剤を含むことが好ましい。この場合には、射出発泡成形材料100重量%中、分散剤の含有量の好ましい下限は0.1重量%であり、より好ましい下限は1重量%である。
上記のような射出発泡成形材料の具体的に好ましい組成としては、ポリプロピレン系樹脂50〜90重量%と、ポリエチレン系樹脂4〜25重量%と、無機充填剤4〜25重量%と、分散剤0〜10重量%と、流動性向上剤0〜6重量部とを含む組成が挙げられる。
(射出発泡成形品の剛性について)
発泡体の剛性の検討に際しては、軽量の発泡層を2枚の発泡層よりも強度の高い板で挟んだ構造体であるサンドイッチパネルの剛性理論を適用することができる。サンドイッチパネルの機械的性質は、発泡層とスキン層のような相対的に高い強度の層の材質のほか、幾何学的構造にも依存する。この構造は、断面2次モーメントの効果により、軽量でありながら高剛性を発現することが知られている。発泡体設計の目的は、剛性と強度の要件を満たす最軽量の構造体であり、最適化は発泡層2とスキン層3,4の肉厚及び、材料、そして発泡層2の形状に関して行うことができる。
図3(a)に、荷重Pの下で3点曲げされるサンドイッチ構造体(発泡体)を示す。構造体の寸法は、長さl、幅b、発泡層2の厚さc、スキン層の厚さt、2枚のスキン層の中心間隔d(d=c+t)とする。曲げ剛性は式(1)のように表される。式中の、EとIはそれぞれ、構造体の曲げ弾性率、断面2次モーメントを表している。
右辺の第1項と第2項は、スキン層と発泡層2が接合されていない場合のそれぞれの曲げ剛性を表している。第3項はサンドイッチ構造体とした場合の曲げ剛性を表している。式(1)より、スキン層肉厚が大きくなるにつれ、構造体の曲げ剛性は大きくなる。また、各項について剛性への寄与をみると、スキン層がある程度の肉厚(≒0.3mm)以上になると第3項が支配的になる。一方で、スキン層肉厚が薄い場合(≒0.25mm以下)には、第2項の寄与が大きくなる。
薄肉化による本射出発泡成形法(コアバック法)では、構造体の剛性を高めようとスキン層肉厚を大きくすると、発泡に使われる樹脂量が減少するために、発泡層2の発泡倍率が高くなる。これは、発泡層2剛性の低下につながり、粗大気泡(ボイド)の発生や気泡の破壊など、発泡体形状を成さなくなる。このように、剛性を発現させるにあたって、スキン層肉厚と発泡層2肉厚にはトレードオフの関係にあるため、発泡体剛性への寄与の大きいスキン層肉厚にはある程度の制約が課せられる。つまり、本発泡体の剛性を高めるためには、発泡層2の発泡性を確保することが必要であるといえる。
本発泡成形品の曲げ弾性率Eは、図3(b)に示すようなセル壁肉厚tの断面を持つ長さlのオープンセル型フォームのモデルより、以下のように表せる。ここで、Cはセル形状によって決まる比例定数である。(C≒1)
また、断面2次モーメントIは寸法因子tにより以下のように表せる。
発泡層のセルは、厚さ方向には配向しているため、セル長さlは一定である。
よって曲げ弾性率は式(4)のように表せ、セル壁肉厚tで規定できる。
発泡倍率が2倍を超えるような高倍率発泡製品の場合には、セルは会合して連通化し、製品内部は中空状態になるため、高い剛性を発現させることは困難であった。しかし、空洞化した発泡層内には、柱として樹脂が延伸されたセル壁が存在する。そこで前述の式(4)より、そのセル壁厚(t)を太くすることで高剛性化が可能であると考えられる。
式(4)を発泡体に展開して考えると、スキン層(未発泡層)肉厚は一定として、セルの数をA、セル壁厚をtとする。例えば、セル数Aが4A(4倍)になるとすると、セル壁厚はt/2となる。この場合、剛性はどのように表されるかを式(4)より計算すると、式(5)のように表される。
式(5)より、セル数が4倍になると発泡体の剛性は1/4倍になる。言い換えると、セル数が1/4倍であるとセル壁厚が2倍となり、発泡体の剛性は4倍になる。つまり、セル数は少なくしても、セル壁厚の大きい発泡体構造とすることで、高い剛性を発現させることができる。
(実施例及び比較例)
(実施例1)
(1)射出発泡成形材料の調製
ポリプロピレン系樹脂としてノバテックPP BC08F(ランダムポリプロピレン、MI=75、日本ポリプロ社製)70重量%と、ポリエチレン系樹脂としてノバテックPE LJ902(低密度ポリエチレン、密度0.915g/cm3、MI=45、日本ポリエチレン社製)10重量%と、無機充填剤としてミクロエース L−1(タルク、日本タルク社製、平均粒子径5.0μm)15重量%と、流動性向上剤としてダイヤカルナ30M(三菱化学社製、無水マレイン酸変性ワックス、数平均分子量約8000、極性ワックスであるα−オレフィンと無水マレイン酸との共重合体)2.5重量%と、分散剤としてアドマーQE800(三井化学社製、無水マレイン酸変性低分子量ポリプロピレン(無水マレイン酸変性ポリプロピレン系オリゴマー)、酸価10〜100×10−6当量/g)5重量%とを含む材料Aを、溶融押出混練にて造粒し、射出発泡成形材料を得た。溶融押出混練には、東芝機械社製TEX50(二軸同方向押出溶融混練機)を用いて、製造条件は、バレル温度190〜220℃、〜300rpm及び30kg/kgとした。
得られた射出発泡成形材料100重量部と、化学発泡剤EE515(化学発泡剤(主成分は炭酸水素ナトリウム)MB、永和化学社製マトリックス樹脂はLDPE)5重量部とを、射出発泡成形機上でドライブレンドすることにより、発泡前成形材料を調製した。
(2)射出発泡成形
図2に示す射出成形装置を用いて、以下の成形条件により、射出成形用金型のキャビティのガス圧力を3.0MPaとし、かつ金型温度を40℃とした状態で射出成形用材料を射出し、コアバックにより圧力解放し発泡させ冷却した。このようにして、厚み0.8mmの発泡前成形材料を厚み2.4mmに発泡させて、射出発泡成形品を得た。
[成形条件]
バレル設定温度:250℃
スクリュー回転数:120rpm
射出時のキャビティの厚み(発泡前の射出発泡成形材料の厚み(t1)):0.8mm
コアバック時の型開き幅:1.6mm(コアバック後のキャビティの厚み:2.4mm(射出発泡成形品の厚みに相当する))
コアバック待ち時間:0.2秒
充填時間:0.65秒
冷却時間:30秒
冷媒温度(金型保温温度):40℃
(実施例2)
下記の表1に示すように、射出発泡成形材料の組成を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、射出発泡成形品を得た。
(比較例1)
流動性向上剤を配合せず、射出発泡成形材料の組成を下記の表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、射出発泡成形品を得た。
上記比較例1及び実施例1で作製した射出発泡成形品のz方向断面の顕微鏡写真(50倍)を図4(a)及び(b)に示す。なお、z方向とは、シート状射出発泡成形品の厚み方向に沿う方向である。また、図5に、実施例1で得た射出発泡成形品のy方向断面を顕微鏡写真で示す。y方向とは、上記射出発泡成形品の面方向に沿う方向である。
図4(a)から明らかなように、比較例1では、セル壁の肉厚が薄く、図4(b)で示されているように、実施例1ではセル壁の肉厚が厚くなっている。また、図5では、断面切断時にセルが破壊されていたため、セル壁の肉厚を正確に評価することはできなかった。
そこで、図6(a)及び(b)において、射出発泡成形品においてセル壁の肉厚が薄い場合及び厚い場合を射出発泡成形品のy方向断面を模式的に示すこととする。図6(a)に示すように、セル壁の肉厚が薄くなりすぎると、隣り合う発泡セル5,5が繋がり、破泡することとなる。これに対して、図6(b)に示すように、隣り合う発泡セル5,5間の間隔が広い場合には、セル壁6の肉厚Tcが大きくなる。この場合、射出発泡成形品1の機械的強度は高くなるものの、軽量性は損なわれるおそれがある。
他方、図7(a)は、上記実施例1で得た射出発泡成形品のz方向断面を示す断面図である。ここでは、発泡セル5,5間のセル壁6の肉厚は、適度な大きさとされており、それによって軽量化を図ることができる。そして、最大肉厚aと最小肉厚bとの比a/bが3.0とされている。図7(a)から明らかなように、最大肉厚a及び最小肉厚bは、セル壁6において、肉厚が最も大きい部分と、最も小さい部分とをそれぞれ示すものである。
なお、図7(b)に示すように、最大肉厚a及び最小肉厚bがほぼ同一である場合には、比a/bはほぼ1となる。この場合においても、機械的強度を高め得るものの、図6(b)に示したように、セル壁の肉厚が大きくなりすぎると、軽量化は損なわれることとなる。
実施例1,2では、上記流動性向上剤が添加されているため、上記のように、セル壁の肉厚が充分大きくなっている。
〔評価〕
下記の表1に、実施例1,2及び比較例1で得た射出発泡成形品の発泡倍率、セル壁の最大肉厚a、最小肉厚b及び比a/bを示す。
また、上記のようにして得られた実施例1,2及び比較例1の射出発泡成形品について、曲げ弾性率を評価することにより剛性を評価した。評価方法は以下の通りである。得られた射出発泡成形品の剛性(曲げ剛性)を曲げ弾性勾配により評価した。射出発泡成形品を幅50mm及び長さ150mmの大きさに切り出して、サンプルを得た。支点部及び荷重部の直径が10mmRの曲げ試験装置(ミネベア製、Model TCM−5000C)を用いて、支点間100mm及び荷重速度50mm/分の条件で、上記サンプルの3点曲げ試験を行い、曲げ最大荷重及び曲げ弾性勾配を求めた。なお、曲げ弾性勾配は、3点曲げ試験から応力−撓み曲線に弾性変形域で接線を引き、この接線(直線)上で撓み1cmのときの荷重(N/cm)を求め、算出した。
その結果、実施例1,2では、それぞれ曲げ弾性勾配は37.0及び32.8N/cmであったのに対し、比較例1では、曲げ弾性勾配は27.1N/cmであった。従って、実施例1,2によれば、流動性向上剤を添加しているにもかかわらず、比較例1と充分な曲げ強度を有することがわかる。よって、実施例1,2によれば、発泡による軽量化と、充分な曲げ強度とを両立することができる。しかも、流動性向上剤の添加により、非常に薄い成形体の成形も容易である。
1…射出発泡成形品
2…発泡層
3,4…スキン層
5…発泡セル
6…セル壁
11…射出成形装置
12…射出成形用金型
13,14…第1,第2の金型
13a…樹脂注入用貫通孔
15…凹部
16…ガス注入孔
17…ガス注入用流路
18,19…溝

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂と、発泡剤とを含む射出発泡成形材料を射出発泡することにより得られた射出発泡成形品であって、複数のセルを有し、セル壁の最大肉厚をa、セル壁の最小肉厚をbとしたとき、比a/bが3.0以下である発泡構造を有する、射出発泡成形品。
  2. 前記セル壁の最大肉厚が150μm以下であり、最小肉厚が50μm以上である、請求項1に記載の射出発泡成形品。
  3. シート状の射出発泡成形品であって、発泡層と、発泡層の両面に存在する未発泡のスキン層とを有する、請求項1または2に記載の射出発泡成形品。
  4. 射出発泡成形品全体の発泡倍率が、1.5〜5.0倍の範囲にある、請求項1〜3のいずれか1項に記載の射出発泡成形品。
  5. 前記発泡セルが、射出発泡成形品の厚み方向に平行に配向されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の射出発泡成形品。
  6. 前記射出発泡成形材料が、熱可塑性樹脂としてポリプロピレン系樹脂を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の射出発泡成形品。
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