JP2012016276A - モータ駆動制御装置及びこれを使用した電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高回転・高電流時に誘起電圧の歪みによる誘起電圧補償誤差が著しく大きくなる場合に、誘起電圧補償誤差を低減させるようにしたモータ駆動制御装置及びこれを使用した電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】3以上の相数nの電動モータ12を駆動するモータ駆動制御装置であって、前記電動モータを駆動する電流指令値を演算する電流指令値演算部82と、前記電動モータのモータ角度を検出するモータ角度検出部13と、前記電動モータのモータ角速度を検出するモータ角速度検出部80と、前記モータ角速度で回転するd−q座標に沿って演算されたd軸電流及びq軸電流値の少なくとも一方と、前記モータ角速度及び前記モータ角度とに基づいて補償用誘起電圧を演算する補償誘起電圧演算部84とを備え、前記電動モータの誘起電圧を前記補償誘起電圧演算部で演算した補償用誘起電圧でフィードフォワード補償する。
【選択図】図28

Description

本発明は、誘起電圧に高調波成分が重畳された3相ブラシレスモータ所謂高調波モータを制御するモータ駆動制御装置及びこれを使用した電動パワーステアリング装置に関する。
この種の誘起電圧に高調波成分を含む3相ブラシレスモータの制御装置としては、例えば、本出願人が先に提案した、ベクトル制御を用いてモータの各相の相電流指令値を算出するベクトル制御相指令値算出部と、前記モータの各相のモータ相電流を検出するモータ電流検出回路と、前記相電流指令値及び前記モータ相電流に基づいてモータの相電流を制御する電流制御部とを備え、ベクトル制御相指令値算出部が、各相逆起電圧を算出する各相逆起電圧算出部と、前記各相逆起電圧から逆起電圧のd軸及びq軸成分である電圧ed及びeqを算出するd-q電圧算出部と、前記電圧ed及びeqからq軸成分である電流指令値Iqrefを算出するq軸目標電流算出部と、d軸成分である電流指令値Idrefを算出するd軸目標電流算出部と、前記電流指令値Iqref及びIdrefから各相の相電流指令値を算出する各相電流指令算出部とを有するモータ駆動制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−201487号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来例にあっては、エネルギーバランス方程式を応用して、電流指令値Irefとロータ電気角θと誘起電圧モデル(EMF:Electro Motion Force)eq(θ),ed(θ)とd軸電流Idとによりモータトルクを決定するq軸電流Iqを算出するようにしているので、誘起電圧に高調波が含有された3相ブラシレスモータでもトルクを一定に制御することが可能となる。しかし、上記従来例では、高調波モータのトルクを一定に制御した場合、その電流を通電するために必要なモータ駆動電圧波形が誘起電圧の高調波に応じて大きく歪んでしまい、電源電圧が有効利用できずにモータ出力を向上させることができないという未解決の課題がある。ここで、電源電圧を有効に活用したモータ駆動電圧波形とは、3相駆動電圧の電圧合成ベクトルが一定の状態である。
すなわち、上記従来例では、3相モータ誘起電圧波形を2軸の回転座標へ変換するので、モータトルクに関与する5次や7次の高調波成分が含有された図18に示す誘起電圧EMFu,EMFv及びEMFwをロータ回転座標系のdq軸の誘起電圧e及びeに変換した場合、誘起電圧e及びeは図19に示すように電気角速度の6倍で、位相が90度ずれたsin波形となる。ここで、誘起電圧に高調波を含まない正弦波モータの場合は、dq軸の誘起電圧e及びeは一定値となる。
上記誘起電圧e及びeを用いて、下記(1)式で表されるトルク一定の条件式に準じ、q軸電流Iを下記(2)式に従って算出した場合、q軸電流Iは図20に示すように、6n次成分(n=1,2,3……)の高調波成分が含有される(d軸電流Iは“0”を含む直流値であり、図20では50Aとする)。
Figure 2012016276
ここで、Tはモータトルク、ωmはモータ機械角速度、Ktはモータトルク定数、irefはモータトルク指令電流、iuはU相電流、ivはV相電流、iwはW相電流、euはU相誘起電圧(EMF)、evはV相誘起電圧(EMF)、ewはW相誘起電圧(EMF)、Iqはq軸電流、Idはd軸電流、eqはq軸誘起電圧(EMF)、edはd軸誘起電圧(EMF)である。
このときのモータ駆動電圧は、下記(3)式のモータの特性方程式から求めると、図21に示すようになる。
Figure 2012016276
この際、下記(4)式で示されるモータ駆動電圧波形の電圧合成ベクトルの絶対値は図22に示すように変動してしまう。(4)式で示されるベクトルの絶対値は、モータへ印加する電圧エネルギーであるため、ここにリップルが生じた場合、図22において斜線で示す部分については電圧を有効利用できていないことになる。
Figure 2012016276
電圧はモータの回転性能に大きく影響するため、これが高調波モータにおける回転性能の妨げとなっている。
また、近年、電動パワーステアリング装置の需要増加、高推力、静音性要求が高まっている。特に、コラムタイプの電動パワーステアリング装置については運転者に近い位置に配置されることから、より高い静音性が要求される。高推力を実現するために、電動パワーステアリング装置に用いられる電動モータの高トルク化が必要であるが、高トルクモータはトルク定数が高いため、トルクリップルが増加し、その結果、振動・騒音の悪化に繋がる。このことから、良好なトルクリップル性能を維持しつつ、大型化することなく高出力なシステムを構築することが要望されている。
このような要望に応えるため、本出願人は先に、ロータの回転角度θeと電気角速度ωeに基づいて換算表を使用して各相の逆起電圧ea、eb、ecを算出し、これら逆起電圧ea、eb、ecをn次高調波の矩形波若しくは疑似矩形波とすることで高トルク化し、逆起電圧ea、eb、ecを3相/2相変換してd軸逆起電圧ed及びq軸逆起電圧eqを算出すると共に、トルク指令値Tref及び電気角速度ωeに基づいてd軸指令値電流Idrefを算出し、且つトルクリップルを抑制するためにモータのエネルギーバランス方程式を応用して下記(1)式に基づいてq軸指令値電流Iqrefを算出し、これらd軸指令値電流Idref及びq軸指令値電流Iqrefを2相/3相変換してa〜c相電流指令値を算出し、これらa〜c相電流指令値に基づいてフィードバック制御を行って電動モータを駆動するようにしたモータ駆動装置及び電動パワーステアリング装置を提案している(特開2006−158198号公報参照)。
Iqref=(2/3Tref×ωm−ed×Idref)/eq …………(5)
ここで、ωmは機械角速度で電気角速度ωeをモータ極対数Pで除した値(=ωe/P)である。
しかしながら、上記特開2006−158198号公報に記載の従来例にあっては、エネルギーバランス方程式を応用して、ロータ電気角θe及び電気角速度ωeとに基づいて誘起電圧(EMF:Electro Motive Force)e,eを算出すると共に、トルク指令値Trefと電気角速度ωeとに基づいてd軸電流指令値Idrefを算出し、これら誘起電圧eq及びedとd軸電流指令値Idrefとによりモータトルクを決定するq軸電流指令値Iqrefを算出するようにしているので、誘起電圧eq及びedがモータ電気角θeの関数となっており、実際にモータに電流を印加した場合、この印加電流でモータ内部に発生する電機子起磁力により電機子反作用及びステータの磁化特性によって誘起電圧が歪むため、歪み率が大きい場合には歪み分のトルクリップルが発生するという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、高回転・高電流時に誘起電圧の歪みによる誘起電圧補償誤差が著しく大きくなる場合に、誘起電圧補償誤差を低減させるようにしたモータ駆動制御装置及びこれを使用した電動パワーステアリング装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係るモータ制御装置は、3以上の相数nの電動モータを駆動するモータ駆動制御装置であって、前記電動モータを駆動する電流指令値を演算する電流指令値演算部と、前記電動モータのモータ角度を検出するモータ角度検出部と、前記電動モータのモータ角速度を検出するモータ角速度検出部と、前記モータ角速度で回転するd−q座標に沿って演算されたd軸電流及びq軸電流値の少なくとも一方と、前記モータ角速度及び前記モータ角度とに基づいて補償用誘起電圧を演算する補償誘起電圧演算部とを備え、前記電動モータの誘起電圧を前記補償誘起電圧演算部で演算した補償用誘起電圧でフィードフォワード補償することを特徴としている。
この請求項1に係る発明では、補償誘起電圧演算部で、モータ角速度に相当する周波数で回転するd−q座標に沿って演算されたd軸電流値及びq軸電流値の少なくとも一方と、モータ角速度及びモータ角度とに基づいて補償用誘起電圧を生成し、生成した補償用誘起電圧でフィードフォワード制御を行うので、高回転・高電流時に誘起電圧歪みによる誘起電圧補償誤差を低減することができ、実電流が電流指令値により追従し、期待のトルクが得られると共に、補償誤差による高調波振動を減らすることができる。
なおさらに、請求項2に係るモータ駆動制御装置は、請求項1に係る発明において、前記誘起電圧のフィードフォワード補償は、前記電動モータの各相で行うことを特徴としている。
この請求項2に係る発明では、電動モータの各相で誘起電圧のフィードフォワード補償を行うので、高回転・高電流時に誘起電圧歪みによる誘起電圧補償誤差をより各相で確実に低減させることができる。
また、請求項3に係るモータ駆動制御装置は、請求項1又は2に係る発明において、前記誘起電圧のフィードフォワード補償は、前記モータ角速度に相当する周波数で回転するd−q座標上で行うことを特徴としている。
この請求項3に係る発明では、誘起電圧のフィードフォワード補償をd−q座標上で行うので、電動モータの相数にかかわらず、正確に誘起電圧補償誤差を低減することができ、全体の構成を簡易化することができる。
さらに、請求項4に係るモータ駆動制御装置は、請求項1乃至3の何れか1つに係る発明において、前記補償誘起電圧演算部に入力する前記d軸電流値及びq軸電流値の少なくとも一方は、前記電流指令値より算出されたd軸電流指令値及びq軸電流指令値の少なくとも一方、又は当該d軸電流指令値及びq軸電流指令値の少なくとも一方に相当する指令値情報であることを特徴としている。
この請求項4に係る発明では、電流指令値より算出されるd軸電流指令値及びq軸電流指令値の少なくとも一方、又は当該d軸電流指令値及びq軸電流指令値の少なくとも一方に相当する指令値情報を補償誘起電圧演算部に入力するので、電流指令値に応じて誘起電圧補償値を変化させることができる。
さらにまた、請求項5に係るモータ駆動制御装置は、請求項1乃至3の何れか1つに係る発明において、前記補償誘起電圧演算部に入力するd軸電流及びq軸電流の少なくとも一方は、前記電流検出部で検出された検出相電流を前記モータ角速度に相当する周波数で回転するd−q座標でn相/2相変換したd軸電流値及びq軸電流値の少なくとも一方であることを特徴としている。
この請求項5に係る発明では、前記電流検出部で検出された検出相電流を前記モータ角速度に相当する周波数で回転するd−q座標でn相/2相変換したd軸電流値及びq軸電流値の少なくとも一方を補償誘起電圧演算部に入力するので、検出電流に応じて誘起電圧補償値を変化させることができる。
なおさらに、請求項6に係るモータ駆動制御装置は、請求項1乃至20の何れか1つに係る発明において、前記電動モータの誘起電圧は矩形波誘起電圧及び正弦波に高調波成分を含む疑似矩形波誘起電圧の何れか一方であることを特徴としている。
この請求項6に係る発明では、誘起電圧波形を矩形波及び正弦波に高調波成分を含む疑似誘起電圧の何れか一方とすることにより、正弦波電流又は正弦波電圧で制御する場合と比較すると、電流ピーク値又は電圧ピーク値が同じであれば、矩形波電流又は矩形は電圧の方が実効値が大きくなるため大きな出力(パワー)を得ることができる。
また、請求項7に係るモータ駆動制御装置は、請求項1乃至6の何れか1つに係る発明において、前記電流指令値演算部は、前記電動モータの電流指令値を作成する電流指令値作成部と、該電流指令値作成部で作成した電流指令値に基づいて前記モータ角速度で回転するd−q座標に沿って演算されたd軸電流指令値及びq軸電流指令値を算出するd−q軸電流指令値演算部とを少なくとも備え、前記d−q軸電流指令値演算部は、誘起電圧モデルを算出する誘起電圧モデル算出部と、前記目標電流指令値に基づいてd軸直流成分を算出するd軸電流直流成分算出部と、前記電流指令値に基づいてd軸電流の振幅を決定する振幅係数を算出するd軸振幅係数算出部と、前記電流指令値、前記モータ角度に基づいて算出される電気角、誘起電圧モデル及び前記d軸直流成分に基づいてトルクを一定とする擬似q軸電流を算出する擬似q軸電流算出部と、該擬似q軸電流算出部で算出した擬似q軸電流に基づいて擬似q軸電流の振幅成分の逆位相又は正位相となるd軸位相電流成分を算出するd軸電流振幅成分算出部と、前記d軸直流成分、前記d軸振幅係数、前記d軸位相成分に基づいてd軸目標電流を算出するd軸目標電流算出部と、該d軸目標電流算出部で算出したd軸目標電流と、前記目標電流指令値、前記電気角、当該電気角に基づいて算出される電気角速度及び誘起電圧モデルとに基づいてトルクを一定とするq軸電流指令値を算出するq軸目標電流算出部とを少なくとも備えていることを特徴としている。
この請求項7に係る発明では、d−q座標で電流制御を行って、d軸電圧Vd及びq軸電圧Vqの電圧合成ベクトル|V|(=√(Vd2+Vq2))を一定に制御することにより、トルク一定の条件式を満たしつつ、d軸電圧Vd及びq軸電圧Vqの変化が円条件に近い状態となるようにd軸電流を制御することができる。
さらに、請求項7に係る発明では、電圧合成ベクトルを一定とするd軸電流Id及びq軸電流Iqを求めようとした場合、計算が複雑で解を求めるのが困難であるので、d軸電圧Vd及びq軸電圧Vqの電圧波形を直流+ロータ電気角の6倍の振動項の形で近似する。この場合、q軸電流Iq及びq軸電圧Vqの値はモータ回転方向によって符号が逆転する。ここでは、q軸電流Iq及びq軸電圧Vqが正の場合を前提に説明すると、d軸電圧Vd及びq軸電圧Vqを逆位相とすると共に、振幅条件として両者の交流成分の比に対して直流成分の比を逆関係とすることにより、電圧合成ベクトルが一定となる円の接線上を移動するように設定することができ、このようなd軸電圧Vd及びq軸電圧Vqを設定するために、d軸電流Id及びq軸電流Iqを逆位相とすると共に、d軸電流Idの交流成分の振幅を求めることによりd軸電流Idを求め、このd軸電流Idと目標電流とロータ電気角と誘起電圧モデルとでトルク一定の条件式からq軸電流Iqを算出する。
上記モータ回転方向とは逆にq軸電流Iq及びq軸電圧Vqが負である場合、d軸電流Idの振動項の計算は、q軸電流Iqの絶対値を使って求めるかd軸電流Id及びq軸電流Iqを同位相とする。
この結果、トルク変動を抑制しつつ、電源電圧を有効活用した各相駆動電圧の合成ベクトルの絶対値変動が小さいモータ駆動電圧波形となるようにモータ相電流指令値を決定することができる。
さらに、請求項8に係る電動パワーステアリング装置は、舵系に対して操舵補助力を発生する電動モータを前記請求項1乃至7の何れか1項に記載のモータ駆動制御装置で駆動制御するようにしたことを特徴としている。
この請求項8に係る発明では、電流制御系の外乱である誘起電圧補償誤差を低減させて、実電流が電流指令値により追従し、期待のトルクが得られると共に、補償誤差による高調波振動が減るため、良好な操舵性能が得られる。
本発明によれば、補償用誘起電圧を演算して、この補償用誘起電圧でフィードフォワード補償することにより、電流制御系の外乱である誘起電圧補償誤差を低減することができ、実電流が電流指令値により追従し、期待のトルクが得られると共に、補償誤差による高調波振動を低減させることができるという効果が得られる。
また、電動パワーステアリング装置の操舵補助力を発生する電動モータを上記モータ駆動制御装置で駆動制御することにより、良好な操舵性能を発揮することができるという効果が得られる。
本発明の第1の実施形態を示す全体構成図である。 モータ制御装置の一例を示すブロック図である。 本発明の基礎となる第1の実施形態を表す制御演算装置23の具体的構成を示すブロック図である。 操舵補助電流指令値算出マップを示す特性線図である。 図3のd軸電流算出部の具体的構成を示すブロック図である。 d軸電流直流成分算出マップを示す特性線図である。 d軸電流の振幅係数算出マップを示す特性線図である。 本発明の基本原理の説明に供する波形図である。 本発明によるd軸電流及びq軸電流の電流波形を示す波形図である。 本発明によるd軸電圧及びq軸電圧の電圧波形を示す波形図である。 本発明による電圧ベクトルの絶対値波形を示す波形図である。 α−β変換時の電圧ベクトル軌跡を示す説明図である。 進角制御を行わない場合のモータ端子電圧波形を示す波形図である。 進角制御を行った場合のモータ端子電圧波形を示す波形図である。 従来例のd,q軸電流及びd,q軸電圧の波形を示す波形図である。 従来例の進角制御を行わない場合及び行う場合のモータ端子電圧波形を示す波形図である。 本発明の基礎となる実施形態と従来例の特性を比較する特性線図である。 従来の高調波モータの誘起電圧波形を示す波形図である。 従来の高調波モータのd−q変換波形を示す波形図である。 従来の高調波モータのd軸及びq軸の電流波形を示す波形図である。 従来の高調波モータのd軸電圧及びq軸電圧の電圧波形を示す波形図である。 従来の高調波モータの電圧合成ベクトルの絶対値波形を示す波形図である。 本発明の基本原理の説明に供する説明図である。 本発明の基礎となる第2の実施形態における制御装置の具体的構成を示すブロック図である。 図24のベクトル制御電流指令値演算部の具体的構成を示すブロック図である。 電機子反作用の説明に供する説明図である。 本発明の基礎となる第2の実施形態の実測結果を示す特性線図である。 本発明の実施形態における制御装置の具体的構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態の変形例を示す図28と同様のブロック図である。 本発明の実施形態における他の変形例を表す制御装置の具体的構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態におけるさらに他の変形例を表す制御装置の具体的構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を電動パワーステアリング装置に適用した場合の第1の実施形態を示す全体構成図であって、図中、1は、ステアリングホイールであり、このステアリングホイール1に運転者から作用される操舵力が入力軸2aと出力軸2bとを有するステアリングシャフト2に伝達される。このステアリングシャフト2は、入力軸2aの一端がステアリングホイール1に連結され、他端は操舵トルク検出手段としての操舵トルクセンサ3を介して出力軸2bの一端に連結されている。
そして、出力軸2bに伝達された操舵力は、ユニバーサルジョイント4を介してロアシャフト5に伝達され、さらに、ユニバーサルジョイント6を介してピニオンシャフト7に伝達される。このピニオンシャフト7に伝達された操舵力はステアリングギヤ8を介してタイロッド9に伝達され、図示しない転舵輪を転舵させる。ここで、ステアリングギヤ8は、ピニオンシャフト7に連結されたピニオン8aとこのピニオン8aに噛合するラック8bとを有するラックアンドピニオン形式に構成され、ピニオン8aに伝達された回転運動をラック8bで直進運動に変換している。
ステアリングシャフト2の出力軸2bには、操舵補助力を出力軸2bに伝達する操舵補助機構10が連結されている。この操舵補助機構10は、出力軸2bに連結した減速ギヤ11と、この減速ギヤ11に連結された操舵補助力を発生する3相ブラシレスモータ12とを備えている。
操舵トルクセンサ3は、ステアリングホイール1に付与されて入力軸2aに伝達された操舵トルクを検出するもので、例えば、操舵トルクを入力軸2a及び出力軸2b間に介挿した図示しないトーションバーの捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位を抵抗変化や磁気変化に変換して検出するように構成されている。
また、3相ブラシレスモータ12は、図2に示すように、U相コイルLu、V相コイルLv及びW相コイルLwの一端が互いに接続されてスター結線とされ、各コイルLu、Lv及びLwの他端が操舵補助制御装置20に接続されて個別にモータ駆動電流Iu、Iv及びIwが供給される。また、3相ブラシレスモータ12は、ロータの回転位置を検出するレゾルバ、ロータリエンコーダ等で構成されるロータ位置検出回路13を備えている。
操舵補助制御装置20は、操舵トルクセンサ3で検出された操舵トルクT及び車速センサ21で検出された車速Vsが入力されると共に、ロータ位置検出回路13で検出されたロータ回転角θが入力され、さらに3相ブラシレスモータ12の各相コイルLu、Lv及びLwに供給されるモータ駆動電流Iu、Iv及びIwを検出するモータ電流検出回路22から出力されるモータ駆動電流検出値Iud、Ivd及びIwdが入力されている。
この操舵補助制御装置20は、操舵トルクT及び車速Vとモータ電流検出値Iud、Ivd及びIwdとロータ回転角θとに基づいて操舵補助目標電流値を演算して、モータ電圧指令値Vu、Vv及びVwを出力する本発明の基礎となる第1の実施形態を表す制御演算装置23と、3相ブラシレスモータ12を駆動する電界効果トランジスタ(FET)で構成されるモータ駆動回路24と、制御演算装置23から出力される相電圧指令値Vu、Vv及びVwに基づいてモータ駆動回路24の電界効果トランジスタのゲート電流を制御するFETゲート駆動回路25とを備えている。
制御演算装置23は、図3に示すように、ベクトル制御の優れた特性を利用して3相ブラシレスモータ12をトルク変動を生じることなく、且つ各相駆動電圧の合成ベクトルの絶対値が略一定であり、電源電圧の√3/2倍の値を含む近傍値に一致するベクトル制御d、q成分の目標電流値Id(θ),Iq(θ)を決定する弱め開示制御を行った後、これら目標電流値Id(θ),Iq(θ)を各励磁コイルLu〜Lwに対応した各相目標電流値Iu*、Iv*及びIw*に変換して出力するベクトル制御を行う目標電流設定手段としての目標電流設定部30と、この目標電流設定部30から出力される各相電流指令値Iu*、Iv*及びIw*とモータ電流検出回路22で検出したモータ電流検出値Iud、Ivd及びIwdとで電流フィードバック処理を行って駆動電圧を制御する駆動電圧制御手段としての駆動電圧制御部40とを備えている。
ここで、3相ブラシレスモータ12をトルク変動を生じることなく、且つ各相駆動電圧の合成ベクトルの絶対値が略一定であり、電源電圧の√3/2倍の値を含む近傍値に一致するd軸目標電流id(θ)及びq軸目標電流iq(θ)を決定する弱め界磁制御の基本原理を図5〜図8を伴って説明する。
先ず、第1の条件であるトルク変動を起こさない条件は、前述した(1)式のエネルギーバランス方程式の左辺Tωmを一定とするように3相ブラシレスモータ12の各励磁コイルLu、Lv及びLwに供給するモータ電流iu、iv及びiwを決定することで実現される。このためには、前記(1)式のトルク一定条件から下記(5)式に従ってq軸電流iqを求めることに実現することができる。
Figure 2012016276
ここで、d軸EMF成分ed0はed0=ed/ωe、q軸EMF成分eq0はeq0=eq0/ωeで表されるので、上記(5)式は下記(6)式に変形することができ、この(6)式によってトルクを一定とする条件でq軸電流iq(θ)を算出することができる。
Figure 2012016276
また、第2の条件である各相駆動電圧の合成ベクトルの絶対値が略一定であり、電源電圧×√3/2倍を含む近傍値と一致する条件は、後述するモータ駆動回路24を構成するインバータから供給される電源電圧(バッテリ電圧VR)を有効利用するための条件である。
電源電圧がVRで定義される場合、3相ブラシレスモータ12の各相U,V,W相に印加できる電圧は0〜VRであり、各相を電圧ベクトル表現した場合、ベクトルvu、vv、vwは図23に示すように、互いに120度シフトした3相ベクトル表現となる。これらのベクトルvu、vv、vwの合成ベクトルが取り得る電圧ベクトルの範囲は、図23でハッチング図示の範囲であり、このうち合成ベクトルの絶対値を一定とできる範囲は「電源電圧×√3/2倍まである。したがって、合成ベクトルの絶対値が略一定を満足しつつ、最大限電圧を有効利用するためには、その絶対値を電源電圧×√3/2倍に設定する。
この第2の条件を満足するためには、α−β変換時のベクトル軌跡を、図8に示すように、円に近づける必要があり、このためにはd−q変換でのd軸電圧Vd及びq軸電圧Vqの電圧合成ベクトルの絶対値|V|=√(Vd2+Vq2)を、図8に示すように、ベクトルの絶対値|V|の変動が完全に“0”の条件はベクトルの絶対値|V|の描くベクトル軌跡が曲線L1で示す原点(0,0)を中心とする円C0上を移動させることが望ましいが、これを実現するのは計算が複雑で、解を求めるのは困難であるため、本実施形態では、円条件に近い状態で電圧合成ベクトル|V|を一定とするd軸電流を求めるようにしている。
以下、説明を簡単にするために、d軸電流Id及びq軸電流Iqが互いに正の場合即ち回転方向が一方向となるようにした場合について説明する。
すなわち、本発明の基礎となる第1の実施形態では、d軸電圧Vd及びq軸電圧Vqが直流成分+電気角θの6倍の振動項で表現されることに着目して、円条件に最も近い条件としてベクトル軌跡が円の接線上(d軸電圧Vd及びq軸電圧Vqの直流成分の法線上)を推移するように設定している。
図8において、矢印Y0で示すようにd軸電圧Vd及びq軸電圧Vqの直流成分が成す電圧合成ベクトル|V|を考えたときに、この電圧合成ベクトル|V|と円C0との交点での接線(ベクトル|V|の法線Ln)上を推移するようにd軸電流Id及びq軸電流iqを設定する。
このように、合成ベクトル|V|が法線Ln上を移動するためには、図8に示すように、d軸電圧Vd(θ)とq軸電圧Vq(θ)とが正値を取る場合、180度位相がずれた逆位相とする必要があり、両者の振幅条件としては、図8における合成ベクトル|V|を構成するd軸電圧Vdの直流成分VdDCとq軸電圧Vqの直流成分VqDCで構成されるハッチング図示の三角形T1と、法線Lnとd軸電圧Vdの交流成分VdACの振幅及びq軸電圧Vqの交流成分VqACの振幅で構成されるハッチング図示の三角形T2とが相似形であることから、d軸電圧Vd及びq軸電圧Vqの直流成分と交流成分との比が下記(7)式で表される法線条件を満足する必要がある。
Figure 2012016276
そして、トルク一定の条件からq軸電流iq(θ)は前述したように(6)式で一意に決定されることから、第2の条件を満足するようにd軸電流id(θ)を設定する必要がある。
ところで、d軸電圧Vd及びq軸電圧Vqは、前述した(3)式でd軸電流id及びq軸電流iqとモータ諸元である電気角速度ωe、モータ抵抗R、モータインダクタンスLに基づいて算出することができるが、前記(5)式を前記(3)式に代入してd軸電圧Vd及びq軸電圧Vqを求めても前記(5)式に微分項が含まれていると共に前記(5)式の分母にeqがあるため、q軸電流iqには無限の高調波成分が含まれてしまい単純な形式では計算することができない。
このため、d軸電圧Vd及びq軸電圧Vqを求めるために、q軸電流iq(θ)の振動成分の中で、6次の高調波成分が支配的であることを利用すると、d軸電流id(θ)及びq軸電流id(θ)は下記(8)及び(9)式で近似することができる。
Figure 2012016276
ここで、上記(9)式は、前記(6)式をさらにテイラー展開し(直流+電気角θeの6倍の振動項)の形に近似している。
そして、d軸電流id(θ)に対して、前述した逆位相の条件を満足するために、前記(8)式で定義されるd軸電流モデルの逆位相とする。すなわち、d軸電流id(θ)は、前記(8)式を用いて、下記(10)式の形で定義すれば、q軸電流iq(θ)の逆位相成分を持つd軸電流id(θ)として表現できる。
Figure 2012016276
ここで、IdDCはd軸電流の直流成分、IdAmpはd軸電流の振幅を決定する振幅係数である。なお、前記(9)式でq軸電流iq(θ)を算出する際に、d軸電流Iが必要となるが、未決定のパラメータである位相と振幅の項がIqモデルに与える影響は12次成分以降となるため、Iqモデル上では無視される。したがって、Iqモデルに入力するd軸電流の情報は直流値IdDCのみであり、(9)式のIqモデルの算出は可能である。
また、d軸EMF成分ed0及びq軸EMF成分eq0も下記(11)式及び(12)式に示すように直流+電気角の6倍の振動項で近似することができる。
Figure 2012016276
このため、前述した(3)式のd軸電流id、q軸電流iq、d軸EMF成分ed0及びq軸EMF成分eq0の全てが「直流+電気角(θ)の6倍の振動項」として近似できるので、これらを前記(3)式に代入することにより、d軸電圧Vd(θ)及びq軸電圧Vq(θ)は下記(13)式で近似することができる。
Figure 2012016276
このようにして、前記(10)式によりd軸電流id(θ)の位相が求まったため、未決定の変数はd軸電流Id(θ)の振幅係数IdAmpのみである。前記(13)式のd軸電圧Vd及びq軸電圧Vqの振幅の関係式が法線条件を表す前記(7)式を満足するようにd軸電流Id(θ)の振幅係数IdAmpを算出すると、例えば時計方向(CW)回転では下記(14)式のようになり、これによって電圧合成ベクトルの絶対値が略一定値となり、電源電圧の√3/2倍の値を含む近傍値に一致するようにd軸電流id(θ)の直流成分、振幅、位相を決定することができる。
Figure 2012016276
そして、算出したd軸電流id(θ)を前記(6)式に代入することにより、トルク変動を発生させない真のq軸電流iq(θ)を生成することができる。
上述した本発明による弱め界磁制御を実現するために、目標電流設定部30は、図3に示すように構成されている。すなわち、目標電流設定部30は、操舵トルクセンサ3で検出した操舵トルクTと車速センサ21で検出した車速Vsとが入力され、これらに基づいて操舵補助電流指令値Irefを算出する操舵補助電流指令値演算部31と、ロータ回転角検出回路13で検出したロータ回転角θを電気角θeに変換する電気角変換部32と、この電気角変換部32から出力される電気角θeを微分して電気角速度ωeを算出する微分回路33と、操舵補助電流指令値Irefと電気角速度ωeとに基づいてd軸目標電流Id*を算出するd軸目標電流算出部34と、電気角θe及び電気角速度ωeに基づいてd−q軸誘起電圧モデルEMF(Electro Motion Force)のd軸EMF成分ed0(=ed/ωe=edAC0sin(θ))及びq軸EMF成分eq0(=eq/ωe=EqDC0−eqAC0cos(6θ))を算出する誘起電圧モデル算出部35と、この誘起電圧モデル算出部35から出力されるd軸EMF成分ed0及びq軸EMF成分eq0とd軸目標電流算出部34から出力されるd軸目標電流id(θ)と操舵補助電流指令値演算部31から出力される操舵補助電流指令値Irefとに基づいてq軸目標電流iq(θ)を算出するq軸目標電流算出部36と、d軸目標電流算出部34から出力されるd軸目標電流id(θ)とq軸目標電流算出部36から出力されるq軸目標電流iq(θ)とを3相電流指令値Iu*、Iv*及びIw*に変換する2相/3相変換部37とを備えている。
上述した操舵補助電流指令値演算部31は、操舵トルクT及び車速Vsをもとに図4に示す操舵補助電流指令値算出マップを参照して操舵補助電流指令値Irefを算出する。ここで、操舵補助電流指令値算出マップは、図4に示すように、横軸に操舵トルクTをとり、縦軸に操舵補助電流指令値Irefをとると共に、車速検出値Vをパラメータとした放物線状の曲線で表される特性線図で構成されている。そして、操舵トルクTが“0”からその近傍の設定値T1までの間は操舵補助電流指令値Irefが“0”を維持し、操舵トルクTが設定値T1を超えると最初は操舵補助電流指令値Irefが操舵トルクTの増加に対して比較的緩やかに増加するが、さらに操舵トルクTが増加すると、その増加に対して操舵補助電流指令値Irefが急峻に増加するように設定され、この特性曲線が、車速が増加するに従って傾きが小さくなるように複数本設定されている。
また、d軸目標電流算出部34には、図5に示すように、操舵補助電流指令値演算部31から出力される操舵補助電流指令値Irefと、電気角変換部32から出力されるロータ電気角θeと、後述する誘起電圧算出部35から入力される誘起電圧モデルで表されるq軸EMFの直流成分EqDC0(ωeqDC0=EqDC)、q軸EMFの振幅成分eqAC0(ωeqAC0=eqAC)、d軸EMFの振幅成分edAC0(ωedAC0=edAC)とが入力されている。
このd軸目標電流算出部34は、入力される操舵補助電流指令値Irefをもとに図6に示すd軸直流成分算出マップを参照して仮のd軸電流の直流成分IdDCを算出する進角制御手段としてのd軸電流直流成分算出部34aと、同様に入力される操舵補助電流指令値Irefをもとに図7に示すd軸振幅係数算出マップを参照してd軸電流の振幅を決定する振幅係数IdAmpを算出するd軸振幅係数算出部34bと、操舵補助電流指令値Iref、ロータ電気角θe及び誘起電圧モデルEMFに基づいて擬似q軸電流iq(θ)′を算出する擬似q軸電流算出部34cと、この擬似q軸電流算出部34cで算出した擬似q軸電流iq(θ)′に基づいてd軸電流の振幅成分の逆位相分を算出するd軸逆位相電流成分Id(θ)′を算出するd軸電流位相成分算出部34dと、d軸直流成分IdDC、d軸振幅係数IdAmp、d軸逆位相成分Id(θ)′に基づいてd軸目標電流Id(θ)を算出するd軸目標電流算出部34eとを備えている。
ここで、d軸直流成分算出部34aで参照するd軸直流成分算出マップは、図6に示すように、操舵補助電流指令値Irefが“0”から所定値Iref1までの間ではd軸直流成分IdDCが一定値Iddをとり、操舵補助電流指令値Irefが所定値Iref1を超えると、操舵補助電流指令値Irefの増加に応じてd軸直流成分IdDCが一定値Id1より徐々に減少して操舵補助電流指令値Irefが最大値Iref2に達するとd軸直流成分IdDCが“0”となるように特性線が設定されている。
また、d軸振幅係数算出部34bで参照するd軸振幅係数算出マップは、図7に示すように、特性線が設定されている。このd軸振幅係数算出マップは、前述した(14)式における各変数を基本とし、各回転数においてモータ出力が最大となるようにシミュレーションしたときの操舵補助電流指令値Irefと振幅係数IdAmpとの関係を特性線図としたものである。
さらに、擬似q軸電流算出部34cは、操舵補助電流指令値演算部31から出力される操舵補助電流指令値Irefと、電気角変換部32から出力されるロータ電気角θeと、後述する誘起電圧算出部35から入力される誘起電圧モデルで表されるq軸EMFの直流成分EqDC0(ωeqDC0=EqDC)、q軸EMFの振幅成分eqAC0(ωeqAC0=eqAC)、d軸EMFの振幅成分edAC0(ωedAC0=edAC)と、d軸直流成分算出部34aで算出したd軸直流成分IdDCとに基づいてモータの正逆転駆動を考慮して前記(9)式の右辺を絶対値化した下記(15)式の演算を行って擬似q軸電流Id(θ)′を算出する。
q(θ)′=|IqDC+iqccos(6θ)−iqssin(6θ)| ……(15)
さらに、d軸電流位相成分算出部34dは、上記(15)式における右辺第1項のq軸直流分IqDCを除く交流成分の符号を反転させて下記(16)式に基づいて振幅成分の逆位相出力id(θ)′を算出する。
d(θ)′=−(iqccos(6θ)−iqssin(6θ)) …………(16)
さらにまた、d軸電流算出部34eは、d軸直流成分IdDC、d軸振幅係数IdAmp及びd軸振幅成分の逆位相成分id(θ)′に基づいて前記(10)式の演算を行ってd軸電流指令値id(θ)を算出する。
また、q軸目標電流算出部36は、d軸電流指令値id(θ)と、ロータの電気角速度ωe、d軸EMF成分ed0(θ)、q軸EMF成分eq0(θ)に基づいて前記(6)式に示すトルク一定の条件式に基づいてq軸電流指令値iq(θ)を算出する。
電圧制御部40は、目標電流設定部30から供給される電流指令値Iu*,Iv*,Iw*から電流検出回路22で検出した各相コイルLu、Lv、Lwに流れるモータ相電流検出値Iud、Ivd、Iwdを減算して各相電流誤差ΔIu、ΔIv、ΔIwを求める減算器41u、41v及び41wと、求めた各相電流誤差ΔIu、ΔIv、ΔIwに対して比例積分制御を行って指令電圧Vu、Vv、Vwを算出するPI制御部42とを備えている。
そして、PI制御部42から出力される指令電圧Vu、Vv、VwがFETゲート駆動回路25に供給される。
モータ駆動回路24は、図2に示すように、各相コイルLu、Lv及びLwに対応して直列に接続されたNチャンネルMOSFETで構成されるスイッチング素子Qua,Qub、Qva,Qvb及びQwa,Qwbを並列に接続したインバータ構成を有し、スイッチング素子Qua,Qubの接続点、Qva,Qvbの接続点及びQwa,Qwbの接続点が夫々相コイルLu、Lv及びLwの中性点Pnとは反対側に接続されている。
そして、モータ駆動回路24を構成する各スイッチング素子Qua,Qub、Qva,Qvb及びQwa,QwbのゲートにFETゲート駆動回路25から出力されるPWM(パルス幅変調)信号が供給されている。
次に、上記本発明の基礎となる第1の実施形態の動作を説明する。
今、ステアリングホイール1を操舵すると、そのときの操舵トルクTが操舵トルクセンサ3で検出されると共に、車速Vが車速センサ21で検出される。そして、検出された操舵トルクT及び車速Vが制御演算装置23の目標電流設定部30における操舵補助電流指令値演算部31に入力されることにより、この操舵補助電流指令値演算部31で、図4の操舵補助電流指令値算出マップを参照して操舵補助電流指令値Irefを算出する。
そして、算出された操舵補助電流指令値Irefがd軸目標電流算出部34及びq軸目標電流算出部36に供給される。
一方、ロータ位置検出回路13で検出されたロータ位置信号が電気角変換部32に供給されて電気角θeに変換されると共に、この電気角θeが微分回路33で微分されて電気角速度ωeが算出され、これら電気角θe及び電気角速度ωeが誘起電圧モデル算出部35に供給されてd軸EMF成分ed0(θ)、q軸EMF成分eq0(θ)を算出し、これらをd軸電流算出部34の疑似q軸電流算出部34c及びq軸電流算出部36に供給する。
このため、d軸電流算出部34では、d軸直流成分算出部34aで操舵補助電流指令値Irefをもとに図6のd軸直流成分算出マップを参照してd軸直流成分IdDCを算出すると共に、d軸振幅係数算出部34bで、操舵補助電流指令値Irefをもとに図7のq軸振幅係数算出マップを参照してd軸電圧Vd及びq軸電圧Vqが振幅の関係式である前記(7)式を満足するd軸振幅係数IdAmpを算出する。
さらに、疑似q軸電流算出部34cで前記(15)式に基づいて疑似q軸電流iq(θ)′を算出し、次いでd軸電流位相成分算出部34dで、前記(16)式に基づいてd軸の逆位相成分id(θ)′を算出する。
そして、d軸目標電流算出部34eで、前記(10)式の演算を行ってd軸目標電流id(θ)を算出し、算出したd軸目標電流id(θ)をq軸電流算出部36に供給すると共に2相−3相変換部37に供給する。
このため、q軸電流算出部36では、前記(6)式の演算を行ってトルク変動を生じないq軸目標電流iq(θ)を算出し、このq軸目標電流iq(θ)を2相/3相変換部37に供給する。
このように、d軸電流算出部34で算出されたd軸目標電流id(θ)及びq軸電流算出部36で算出したq軸目標電流iq(θ)は、図9に示すように、略180度位相がずれた逆位相となると共に、d軸電圧Vd及びq軸電圧Vqは図10に示すように同様に略180度位相がずれた逆位相となる。
このとき、d軸電流算出部34で、振幅係数算出部34bで、d軸電圧Vd及びq軸電圧Vqの直流成分比及び振動成分比が前記(7)式を満足するように振幅係数IdAmpを算出するので、前述した図8に示すように、電圧合成ベクトルの絶対値|V|(=√(Vd2+Vq2)の移動軌跡がd−q軸の原点を中心する円C0と電圧合成ベクトルの絶対値|V|との接点における接線方向即ちd軸電圧Vd及びq軸電圧Vqの直流成分の法線上を推移することになる。
このため、d軸電圧Vd及びq軸電圧Vqの電圧合成ベクトルの絶対値|V|は電気角θeに対して図11に示すように、電源電圧×√3/2〔V〕の近傍範囲でリップルを抑制して電圧合成ベクトル|V|を略一定値に維持することができ、電源電圧を有効利用することができる。このときのα−β変換したときの電圧ベクトル軌跡は図12に示すように、略円形とすることができる。
また、3相ブラシレスモータ12の各励磁コイルLu、Lv及びLwに印加するモータ駆動電圧の端子電圧波形は、前述した(10)式における右辺第1項のd軸電流の直流成分IdDCを“0”に設定した進角制御無しの場合には、図13に示すように、電源電圧近傍でピークが発生することを防止して略平坦な特性となり、電圧利用率を向上させてモータ回転性能を向上させることができ、3相ブラシレスモータ12で操舵トルクに応じた最適な操舵補助力を発生して、ステアリングホイール1を良好に操舵することができる。このとき、3相ブラシレスモータ12で発生するトルクが一定に制御されるので、ステアリングホイール1に振動等を与えることがなく、良好な操舵感覚を得ることができる。
また、d軸電流の直流成分IdDCを制御する進角制御を行う場合でも、3相ブラシレスモータ12の各励磁コイルLu、Lv及びLwに印加するモータ駆動電圧の端子電圧波形は、図14に示すように電源電圧近傍でピークが発生することを防止して平坦な特性として電圧利用率を向上させてモータ回転性能を向上させることができる。
因みに、従来例の場合には、d軸電流及びq軸電流が図15(a)に示すようになり、これに応じてd軸電圧Vd及びq軸電圧Vqが図15(b)に示すようになる。このため、端子電圧波形が進角制御を行わない場合は図16(a)に、進角制御を行う場合には図16(b)に夫々示すように、何れも電源電圧近傍の電圧波形が2つのピークを有することから各相の端子電圧の実効値が低下し、モータ回転性能が低下することになる。
このため、本発明によれば、図17に示すように、回転速度N−モータトルクT線図の特性線LNT1が従来例における回転速度N−モータトルクT線図の特性線LNT2に比較して向上していると共に、モータ出力線図の特性線LP1も従来例におけるモータ出力線図の特性線LP2に対して向上している。
また、上記本発明の基礎となる第1の実施形態のように、d軸目標電流id(θ)を算出する際に使用する振幅係数IdAmpを振幅係数算出マップを参照して算出することにより、前述した(14)式の複雑な演算を行うことなく、容易に振幅係数IdAmpを算出することができる。
なお、上記本発明の基礎となる第1の実施形態においては、d軸目標電流id(θ)及びq軸目標電流iq(θ)を2相/3相変換部37で3相目標電流Iu*、Iv*及びIw*に変換してから電圧制御部40に供給する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、2相/3相変換部37を省略し、これに代えて電流検出回路22で検出したモータ電流Idu、Idv及びIdwを3相/2相変換部に供給してd軸検出電流及びq軸検出電流に変換し、変換したd軸検出電流及びq軸検出電流と、目標電流設定部30で算出したd軸目標電流id(θ)及びq軸目標電流iq(θ)との偏差を算出した後、偏差を2相/3相変換して相制御電圧を算出するようにしてもよい。
また、上記本発明の基礎となる第1の実施形態においては、本発明を電動パワーステアリング装置に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電動ブレーキ装置などの車載電動機器や他の電動機器等の3相ブラシレスモータを適用した機器に本発明を適用することができる。
次に、本発明の基礎となる第2の実施形態を図24〜図27について説明する。
この本発明の基礎となる第2の実施形態では、前述した第1の実施形態における操舵補助制御装置20が、操舵トルクセンサ3で検出された操舵トルクT及び車速センサ21で検出された車速Vが入力されると共に、モータ位置検出回路13で検出された角度検出信号θmが入力され、この角度検出信号θmに基づいて電気角θeを演算する電気角演算部50から出力される電気角θeが入力され、さらに3相ブラシレスモータ12の相コイルLa及びLcに供給されるモータ駆動電流Ia及びIcを後述するインバータ回路56内で検出するモータ電流検出部57から出力されるモータ駆動電流検出値Iadet、Icdet及び前記モータ駆動電流Ia及びIcより推定されたIbdetが入力されている。
この操舵補助制御装置20は、図24に示すように、操舵トルクT及び車速Vに基づいて操舵補助電流指令値Irefを演算すると共に、演算した操舵補助電流指令値Irefに基づいてd軸直流電流指令値IdDC及びd軸電流振幅指令値idAMPを演算する操舵補助電流指令値演算部51と、この操舵補助電流指令値演算部51から出力される操舵補助電流指令値Iref、d軸直流電流指令値IdDC及びd軸電流振幅指令値idAMP及び電気角θeに基づいてベクトル制御演算を行ってd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを算出し、これらd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを2相/3相変換処理して電動モータ12に対するa相電流指令値Iaref、b相電流指令値Ibref及びc相電流指令値Icrefを演算するベクトル制御電流指令値演算部52とを備えている。
ここで、操舵補助電流指令値演算部51は、操舵トルクT及び車速Vをもとに前述した図4に示す操舵補助電流指令値算出マップを参照して操舵補助電流指令値Irefを算出すると共に、算出した操舵補助電流指令値Irefに基づいて前述した図6及び図7に示すd軸直流電流指令値算出マップ及びd軸電流振幅指令値算出マップを参照してd軸直流電流指令値IdDC及びd軸電流振幅指令値idAMPを算出する。
また、ベクトル制御電流指令値演算部52は、図25に示すように、操舵補助電流指令値演算部51から出力される操舵補助電流指令値Irefとd軸直流電流指令値IdDCとd軸電流振幅指令値IdAMP入力されて、電気角θe及び後述するパラメータ設定部71から出力される歪みパラメータK1、K5、η1、η5に基づいてd軸及びq軸誘起電圧ed0E及びeq0Eを算出するd−q軸誘起電圧演算部61と、操舵補助電流指令値Iref、誘起電圧ed0E,eq0E及び後述するd軸電流指令値Idrefに基づいてq軸電流指令値Iqrefを演算するq軸電流指令値演算部62と、操舵補助電流指令値Irefと誘起電圧ed0E及びeq0Eとd軸直流電流指令値IdDC及びd軸電流振幅指令値idAMPとに基づいてd軸電流指令値Idrefを算出するd軸電流指令値演算部63と、d軸電流指令値Idref、q軸電流指令値Iqref及び電気角θeに基づいて2相/3相変換処理を行ってa相電流指令値Iaref、b相電流指令値Ibref及びc相電流指令値Icrefを算出する2相/3相変換部64とを備えている。
ここで、d−q軸誘起電圧演算部61では、d軸誘起電圧算出式及びq軸誘起電圧算出式を表す下記(17)及び(18)式の演算を行うことにより、誘起電圧の歪みを考慮したd軸誘起電圧ed0E及びq軸誘起電圧eq0Eを算出する。
d0E=edE/ωm=K11sin(η1)+K55sin(6θ+η5) …………(17)
q0E=eqE/ωm=K11cos(η1)+K55cos(6θ+η5) …………(18)
∵Ek:角速度1[rad/s]におけるk次高調波の無通電時の誘起電圧波高値(k=1,5)
k:k次高調波波高値歪みゲイン(k=1,5)
ηk:k次高調波歪み位相角(k=1,5)
aE=K11ωmsin(θ+η1)+K55ωmsin(5θ+η5)
bE=K11ωmsin(θ−(2/3)π+η1)+K55ωmsin(5(θ−(2/3)π)+η5)
cE=K11ωmsin(θ+(2/3)π+η1)+K55ωmsin(5(θ+(2/3)π)+η5)
dE=(2/3){eaEcosθ+ebEcos(θ−(2/3)π)+ecEcos(θ+(2/3)π)}
qE=(2/3){eaEsinθ+ebEsin(θ−(2/3)π)+ecEsin(θ+(2/3)π)}
これら(17)式及び(18)式では、誘起電圧の歪みの考慮の可否を区別するために添え字Eを付加している。そして、上記(17)式及び(18)式におけるパラメータK1、K5、η1、η5はd−q軸誘起電圧演算部61に含まれる例えばマイクロコンピュータで構成されるパラメータ設定部71によって設定される。
このパラメータ設定部71にはモータ電流検出部57にて検出、及び推定算出した電動モータ12の各電流検出値Iaref、Ibref及びIcrefを、3相/2相変換処理してd軸電流値Id及びq軸電流値Iqを算出する3相/2相変換部72からのd軸電流値Id及びq軸電流値Iqが入力され、後述するパラメータ設定処理を行ってパラメータK1、K5、η1、η5を設定する。
また、q軸電流指令値演算部62では、トルク一定式をもとにq軸電流指令値Iqrefを算出する。このトルク一定式とはモータのエネルギー方程式より算出された下記(19)式及び(20)式で表される関係式である。
mωm=KtIrefωm=IaaE+IbbE+IccE=(2/3)(IqqE+IddE)……(19)
qref={(2/3)KtIrefωm−edEIdref}/eqE
={(2/3)KtIref−ed0EIdref}/eq0E …………(20)
ここで、Tmはモータトルク、ωmはモータ機械角速度、Ktはモータトルク定数、Ia、Ib、Icは3相の各相電流値、eaE、ebE、ecEは各相誘起電圧、Id、Iqはd軸、q軸電流、edE、eqE、ed0E、eq0Eは下記(21)式及び(22)式で算出される歪みを考慮したd軸、q軸誘起電圧である。
d0E=edE/ωm …………(21)
q0E=eqE/ωm …………(22)
また、d軸電流指令値演算部63では、前述した本発明の基礎となる第1の実施形態におけるd軸目標電流算出部34eと同様にd−q軸誘起電圧演算部61から出力されるd軸誘起電圧ed0E及びq軸誘起電圧eq0Eと操舵補助電流指令値演算部51から出力されるd軸直流電流指令値IdDC及びd軸電流振幅指令値idAMPに基づいて下記(23)式の演算を行ってd軸電流指令値Idrefを算出する。
d=IdDC−idAMP{iqccos(6θ)−iqssin(6θ)}…………(23)
この(23)式のIdDCは任意に決定できるパラメータであり、idAMP、iqc、iqsはモータ印加電圧の有効利用率を向上させるために決定されるパラメータであり、iqc及びiqsは前述した「数7」に定義され、idAMPは前述した(14)式で定義されている。
また、d−q軸誘起電圧演算部61では、d−q軸誘起電圧算出式に基づいて誘起電圧を算出する。ここで、誘起電圧の歪みを考慮しない場合には、d軸誘起電圧ed0及びq軸誘起電圧eq0を算出するd−q軸誘起電圧算出式は、下記(24)式及び(25)式で表される。
d0=ed/ωm=E5sin(6θ) …………(24)
q0=eq/ωm=E1−E5cos(6θ) ………(25)
∵Ek:角速度1[rad/s]におけるk次高調波の無通電時の誘起電圧波高値 (k=1,5)
a=E1ωmsinθ+E5ωmsin5θ
b=E1ωmsin(θ−(2/3)π)+E5ωmsin5(θ−(2/3)π)
c=E1ωmsin(θ+(2/3)π)+E5ωmsin5(θ+(2/3)π)
d=(2/3){eacosθ+ebcos(θ−(2/3)π)+eccos(θ+(2/3)π)}
q=(2/3){easinθ+ebsin(θ−(2/3)π)+ecsin(θ+(2/3)π)}
この(24)式及び(25)式は、誘起電圧に高調波が含まれた場合の式であり、その高調波次数kは、実際に7次以降が制御応答性の上限などの影響により制御が困難となる場合が多い。そのため、誘起電圧の高次成分は5次までとすることが多いため、5次までの記述としている。また、3次高調波は、トルクに変換されないため、上記(24)式及び(25)式では考慮しておらず、上記条件において十分な性能が得られることは、別途確認済みである。なお、誘起電圧が正弦波である場合はE5を零とすればよく、7次以上の高調波が含まれる場合でも同様の展開が可能である。
ところで、誘起電圧に歪みが発生するとトルクリップルを生じることになる。
このトルクリップルを発生させる要因を説明すると、一般的に電動モータを駆動するためには、各相に電圧を印加して各相コイルに電流による電気子起磁力を発生させ、回転子に取り付けられている永久磁石との引力・斥力を利用し回転子を回転させ駆動を行うが、電機子電流により発生する起磁力により、永久磁石より発生しているギャップ磁束が歪み、その結果誘起電圧が歪む現象が発生する。これを電機子反作用と言う。電機子反作用には直軸電機子反作用と横軸電機子反作用がある。
直軸電機子反作用はモータの回転子磁束ベクトルに対し電機子起磁力ベクトルが同軸方向に配置される場合に発生し、図26(a)に示すように、前記2つのベクトルが逆方向に配置される場合は減磁作用(弱め界磁)が発生し、図26(b)に示すように前記2つのベクトルが同方向に配置される場合は磁化作用(強め界磁)が発生する。どちらの場合にも直軸電機子反作用の影響では誘起電圧のベクトル位相はずれないため、誘起電圧に高調波が含有されていてもトルク変動の要因とはならない。
これに対し、横軸電機子反作用(交さ磁化作用)は、図26(c)に示すように、モータの回転子磁束ベクトルに対し電機子起磁力ベクトルが直軸方向に配置される場合に発生し、特に力率=1の時には強く発生する。電機子電流により発生する電機子起磁力により永久磁石より発生する回転子磁束との合成磁束がq軸方向に歪むため、誘起電圧上で回転方向へ磁石が進角するように見える。誘起電圧及び相電流が正弦波である場合には位相ずれによるトルクリップルは発生しにくいが、誘起電圧及び相電流が矩形波または擬似矩形波(正弦波+高調波成分)である場合には、誘起電圧の位相ずれにより高調波成分にて発生するトルクリップルを抑制することができず、トルクリップルが発生する要因となる(これを要因Aとする)。
また、トルクリップルが発生するもうひとつの要因として、ステータ磁化特性の非線形性がある。ステータの磁化特性が線形であれば通電による電機子起磁力は理想的な起磁力波形を発生できるが、実際にステータに使用される電磁鋼板の磁化特性は線形特性を持っていないため、高電流領域では理想的な電機子起磁力が発生できず、合成波形のピーク部が歪み、結果トルクリップルの発生及び高電流域でのトルクのへたりにつながる(これを要因Bとする)。
上記2つの要因A及びBは、発生メカニズムは異なるがモータ相電流に関連する誘起電圧の歪みとして捉えることが可能である。
このように、誘起電圧は電機子起磁力により歪みが発生してしまうため、上述した(24)式及び(25)式の誘起電圧ed0及びeq0を基に後述するようにq軸電流指令値演算部63で、トルク一定式より算出されたq軸電流指令値Iqrefを使用しても効果的にトルクリップルを抑制できない場合がある。
そこで、本発明の基礎となる第2の実施形態では、相電流による誘起電圧の歪みを考慮し、各次数の波高値と位相が変化すると仮定し、前述した(17)式及び(18)式のようにd−q軸誘起電圧算出式を定義する。
上記(17)式及び(18)式で高調波波高値歪みゲインK1、K5及び高調波歪み位相角η1、η5は相電流値により決定する歪みパラメータであり、このパラメータをパラメータ設定部71で相電流毎に決定することで歪みを考慮したd軸誘起電圧ed0E及びq軸誘起電圧eq0Eを生成することが可能となる。
以下に本発明の基礎となる第2の実施形態でのパラメータ設定部71で行う歪みパラメータの推定原理と推定方法とを説明する。
電動モータ12の通電状態での誘起電圧を直接測定することは非常に困難であるため、無通電状態の誘起電圧より上記歪みパラメータの推定を行う。
最初に(24)式及び(25)式の歪みを考慮しない誘起電圧にて制御系を構成し、実モータにて平均トルク及びトルクリップルの測定を行う。すなわち、(20)式のed0E、eq0Eを(24)式及び(25)式のed0、eq0に置き換えて構成する。
トルクリップルは電気角θeの6次成分6θが支配的であることが知見されていることにより、ある相電流時におけるモータトルクは下記(26)式のような近似式で表すことができる。
m=T0+T6ccos(6θ)+T6ssin(6θ) …………(26)
この(26)式において、右辺第一項T0は平均トルクで、右辺第二項のT6c及び第三項のT6sは、トルクリップル6次成分をcosとsinに分解した時の各振幅値である。上記3つのパラメータはトルクリップル測定の結果を高速フーリエ変換(FFT)することで求めることができる。
上記測定結果は誘起電圧の歪みを考慮しない誘起電圧での制御で測定したトルクリップル波形であり、前記(17)式、(18)式及び前記(26)式により下記(27)式が成立する。
m=(2/3)(eq0Eq+ed0Ed)=T0+T6ccos(6θ)+T6ssin(6θ)……(27)
ここで、q軸電流値Iqはトルク一定式によって算出されたq軸電流値Iqrefであるが、トルクを一定とするためのq軸電流算出式である前記(20)式の分母にq軸誘起電圧eq0が含まれIqの次数成分が無限となるため、このままでは歪みパラメータの解を求めることができない。
そこで、実際に使用されるq軸電流Iqは直流成分と電気角6次成分の振幅成分が支配的であることが実測により知見されているので、テーラー展開を利用し6次成分までの近似式として下記(28)式で算出する。
q=IqDC+iqccos(6θ)−iqssin(6θ) …………(28)
∵ IqDC=2Ktref/3E1
qc=(E5/E1)IqDC
qs=(E5/E1)IdDC
また、d軸電流Idは、前記(23)式で定義されている。
一方、上記(27)式、(28)式及び前記(23)式より平均トルクT0、cos振幅T6C、sin振幅T6Sは下式のように算出される。
0=(2/3)E1(IqDC1C+IdDC1S) …………(29)
6C=(2/3)E5(IqDC(K1C−K5C−idAMP1S)+IdDC5S)……(30)
6S=(2/3)E5(−IdDC(K1C−K5C−idAMP1S)+IqDC5S)…(31)
∵ K1S=K1sin(η1)
1C=K1cos(η1)
5S=K5sin(η5)
5C=K5cos(η5)
上式では、求める4つの歪みパラメータ(K1、K5、η1、η5)を新たな4つのパラメータ(K1S、K1C、K5S、K5C)に変換しており、この新たな4つのパラメータが推定できれば、求める歪みパラメータ全てを算出可能である。上記新たな4つのパラメータはq軸電流値Iq及びd軸電流値Idを各々変化させてトルクリップル測定を繰り返し行い、求められたデータよりq軸電流値及びd軸電流値と歪みパラメータとの関係として決定する。
そして、決定した歪みパラメータをパラメータ設定部71に設定し、d−q軸誘起電圧演算部61の算出式を、歪みを考慮した誘起電圧算出式(17)及び(18)式に変更し、実機にてトルクリップル測定を行い、測定結果を見ながらより効果的な値を最終的に決定する。この際、前述したd軸電流指令値Idrefを算出するために必要な値であるiqc、iqsの算出にも誘起電圧の情報が用いられているため、歪みを考慮した誘起電圧で下記(32)式及び(33)式のように再構築し、d軸電流振幅指令値idAMPのマップについても再構築する。
qc=(K55/K1C 21)IqDC−(K1S551C 21)IdDC ……(32)
qs=(K55/K1C1)IdDC ……(33)
そして、決定した歪みパラメータK1、K5、η1及びη5をパラメータ設定部71に設定する。
次に、上記本発明の基礎となる第2の実施形態の動作を説明する。
先ず、前述した決定手法にて決定した歪みパラメータをパラメータ設定部71に設定する。
この状態で、ステアリングホイール1を操舵すると、そのときの操舵トルクTが操舵トルクセンサ3で検出されると共に、車速Vが車速センサ21で検出される。そして、検出された操舵トルクT及び車速Vが操舵補助電流指令値演算部51に入力されることにより、この操舵補助電流指令値演算部51で、図4の操舵補助電流指令値算出マップを参照して操舵補助電流指令値Irefを算出すると共に、算出した操舵補助電流指令値Irefに基づきマップを参照してd軸直流電流指令値IdDC及びd軸電流振幅指令値IdAMPを算出する。
そして、算出された操舵補助電流指令値Irefがベクトル制御電流指令値演算部52のd軸電流指令値演算部63及びq軸電流指令値演算部62に供給される。
一方、ロータ位置検出回路13で検出されたモータ角度検出信号θmが電気角演算部50に供給されて電気角θeに変換される。
そして、操舵補助電流指令値演算部51で算出された操舵補助電流指令値Iref、d軸直流電流指令値IdDC、d軸電流振幅指令値IdAMP及び電気角θeがベクトル制御電流指令値演算部52に供給される。
一方、電流検出部57で検出されたIadet、Icdet及び同検出部内で推定されたIbdetが3相/2相変換部72にてd軸電流値Id及びq軸電流値Iqに変換されてd−q軸誘起電圧演算部41に含まれるパラメータ設定部71に入力され、入力されたd軸電流値Id及びq軸電流値Iqに従い歪みパラメータK1、K5、η1、η5を出力し、d−q軸誘起電圧演算部61は出力された歪みパラメータK1、K5、η1、η5及び電気角θeに基づき歪みを考慮した誘起電圧であるd軸誘起電圧ed0E及びq軸誘起電圧eq0Eを算出し、これらをd軸電流指令値演算部63及びq軸電流指令値演算部62に供給する。
このため、d軸電流指令値演算部63では、操舵補助電流指令値Iref、d軸直流電流指令値IdDC及びd軸電流振幅指令値idAMPとd軸誘起電圧ed0E及びq軸誘起電圧eq0Eとに基づいて前述した(23)式の演算を行ってd軸電流指令値Idrefを算出する。
一方、q軸電流指令値演算部62では、d軸電流指令値Idref、操舵補助電流指令値Iref及び誘起電圧ed0E,eq0Eに基づいて前記(18)式の演算を行ってトルク変動を生じないq軸電流指令値Iqrefを算出する。
そして、d軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefが2相/3相変換部64に供給されることにより、3相電流指令値Iaref、Ibref及びIcrefに変換されて、これら3相電流指令値Iaref、Ibref及びIcrefが減算部53a、53b及び53cに供給されて、モータ電流検出部57で検出されたIadet、Icdet及び同検出部57内で推定されたIcdetを減算することにより、電流偏差ΔIa、ΔIb及びΔIcが算出される。これら電流偏差ΔIa、ΔIb及びΔIcがPI制御部54でPI制御されて電圧指令値Varef、Vbref及びVcrefに変換され、これら電圧指令値Varef、Vbref及びVcrefに基づいてPWM制御部55で、パルス幅変調信号が形成され、これがインバータ回路56に供給されて3相電流が電動モータ12に供給されることにより、電動モータ12が駆動されて操舵補助電流指令値Irefに応じた操舵補助力を発生する。そして、電動モータ12で発生された操舵補助力が減速ギヤ11を介してステアリングシャフト2の出力軸2bに伝達されて、ステアリングホイール1を軽い操舵力で操舵することができる。
このとき、前述したように、ベクトル制御電流指令値演算部52のd−q軸誘起電圧演算部61で、d軸電流値及びq軸電流値を利用してd軸誘起電圧ed0E及びq軸誘起電圧eq0Eを算出するので、電機子起磁力による誘起電圧の歪みを考慮したd軸誘起電圧ed0E及びq軸誘起電圧eq0Eを算出することができ、誘起電圧の歪みに対してもトルクリップルを効果的に抑制することができる。
また、パラメータ設定部71に供給するd軸電流値及びq軸電流値を、2相電流検出値から残りの1相電流検出値を推定し、3相/2相変換して算出するようにしているので、相電流検出部の数を減少させて製造コストを低減することができる。
本発明の基礎となる第2の実施形態の構成にて実機確認を行った結果を図27に示す。本手法の実施後ではトルクリップル6次成分が低減され全体的なトルクリップルも低減されており、本発明の基礎となる第2の実施形態の効果が確認された。また、高電流域での平均トルクが上昇することも確認され、ステータ磁化特性の非線形性によるトルクのへたりに対する改善効果も確認された。
しかも、上述したように、d軸電流指令値Idrefを前記(9)式の演算を行うことにより、算出するので、電源電圧を有効利用した高調波モータ制御を行うことができる。
また、上記本発明の基礎となる第2の実施形態のように、d軸電流指令値Idrefを算出する際に使用するd軸電流振幅指令値idAMPをd軸電流振幅指令値算出マップを参照して算出することにより、前述した(14)式の複雑な演算を行うことなく、容易にd軸電流振幅指令値idAMPを算出することができる。
なお、上記本発明の基礎となる第2の実施形態においては、実機でのトルクリップル測定の結果より誘起電圧の歪みパラメータの推定を行ったが、例えば、磁気解析により誘起電圧の歪みパラメータが予めわかる場合は、そのパラメータを用いてもよい。
また、上記本発明の基礎となる第2の実施形態では歪みを考慮するパラメータをd-q軸誘起電圧演算部61に組み込む場合、ed0、eq0をed0E、eq0Eへ変更することを前提としているが、以下の式を利用して歪みを考慮しない誘起電圧(無通電状態での誘起電圧)ed0、eq0よりed0E、eq0Eを求めてもよい。
d0E=E1(K1S+K5S)+K5Cd0−K5Sq0
q0E=E1(K1C−K5C)+K5Sd0+K5Cq0
また、上記本発明の基礎となる第2の実施形態では演算負荷の増大、及び推定パラメータの多様化を避けるため、誘起電圧は5次までの考慮としたが、磁気解析等の結果により予めパラメータがわかり、高速演算が可能である場合にはこの限りではない。
さらに、上記本発明の基礎となる第2の実施形態では、d−q軸誘起電圧演算部61におけるパラメータ設定部71で実測した2相電流検出値から1相電流検出値を推測し、3相/2相変換して算出されたd軸電流値及びq軸電流値を利用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、実測した3相電流検出値を3相/2相変換して算出されたd軸電流値及びq軸電流値を利用してもよく、この場合には推定演算誤差をなくし、より効果的にトルクリップルを抑制することができる。一方、d軸電流指令値演算部63で算出したd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値演算部62で演算したq軸電流指令値Iqref又はこれらd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefに相当する指令値情報を利用するようにしてもよく、この場合には、演算処理での計算負荷を低減させることができる。
さらに、上記本発明の基礎となる第2の実施形態においては、d軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを2相/3相変換部64で3相指令電流値Iaref、Ibref及びIcrefに変換してから減算部53a、53b及び53cに供給する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、2相/3相変換部64を省略し、これに代えて電流検出部57で検出したモータ電流検出値Iadet、Ibdet及び同検出部で推定した電流値Icdetを3相/2相変換部に供給してd軸検出電流及びq軸検出電流に変換し、変換したd軸検出電流及びq軸検出電流とd軸電流指令値演算部43で演算したd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値演算部62で演算したq軸電流指令値Iqrefとの偏差を算出した後、偏差を2相/3相変換してPI制御部54に供給するようにしてもよい。
さらに、上記本発明の基礎となる第2の実施形態においては、3相ブラシレスモータに本発明を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、4相以上のn相ブラシレスモータにも本発明を適用することができる。
さらにまた、上記本発明の基礎となる第2の実施形態においては、モータ駆動制御装置を電動パワーステアリング装置に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電動ブレーキ装置などの車載電動機器や他の電動機器等のn相ブラシレスモータを適用した機器に本発明を適用することができる。
次に、本発明の実施形態を図28について説明する。
この本発明の実施形態は、前述した本発明の基礎となる第1の実施形態で歪んだ誘起電圧に合わせてトルク一定になるように電流指令値を生成する場合に加えて、高回転・高電流時に誘起電圧の歪みによる誘起電圧補償誤差が著しく大きくなる場合に、誘起電圧補償誤差を低減させるようにしたものである。
すなわち、本発明の実施形態においては、制御装置20が、図28に示すように、角速度演算部80、電流指令値生成部81、d−q軸電流指令値演算部82、2相/3相変換部83、補償誘起電圧演算部84、電流制御部85、加算部86、PWM制御部87、インバータ回路88とで構成されている。
角速度演算部80は、インバータ回路88内でモータ電流を検出するロータ位置検出回路13で検出したモータ角度θmに基づいて電気角θe及びモータ角速度ωmを演算する。
電流指令値生成部81は、操舵トルクセンサ3で検出した操舵トルクT及び車速センサ21で検出した車速Vsが入力されこれらに基づいて前述した図4の電流指令値算出用マップを参照して電動モータ12に対する電流指令値Irefを生成し、生成した電流指令値Irefをd−q軸電流指令値演算部82に出力する。
d−q軸電流指令値演算部82は、前述した本発明の基礎となる第1の実施形態におけるd軸電流指令値算出部34、誘起電圧モデル算出部35及びq軸電流指令値算出部36で構成され、電流指令値生成部81で生成した電流指令値Irefに基づいて電動モータ12のd−q軸座標系のd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを演算し、これらd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを2相/3相変換部83に出力する。
2相/3相変換部83は、d−q軸電流指令値演算部82で生成したd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを角速度演算部80から出力される電気角θeに基づいて2相/3相変換して各相電流指令値Iaref、Ibref及びIcrefを算出し、算出した各相電流指令値Iaref、Ibref及びIcrefを電流制御部85に出力する。
補償誘起電圧演算部84は、d−q軸電流指令値演算部82から出力されるd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefと角速度演算部80から出力される電気角θe及びモータ角速度ωmとが入力され、これらに基づいて下記(34)式の演算を行って、電動モータ12の各相の誘起電圧補償値e^a、e^b及びe^cを演算し、これら誘起電圧補償値e^a、e^b及びe^cをフィードフォワード補償値として加算部86に出力する。
e^a=K11ωmsin(θ+η1)+K55ωmsin(5θ+η5)
e^b=K11ωmsin(θ−(2/3)π+η1)
+K55ωmsin(5(θ−(2/3)π)+η5)
e^c=K11ωmsin(θ+(2/3)π+η1)
+K55ωmsin(5(θ+(2/3)π)+η5)
…………(34)
電流制御部85は、前述した本発明の基礎となる第2の実施形態における減算部33a〜33c及びPI制御部34で構成され、2相/3相変換部83から出力される相電流指令値Iaref、Ibref及びIcrefとインバータ回路88内に設けられたモータ電流検出部87で検出された電動モータ12の各相電流Ima、Imb及びImcとが入力され、これらの電流偏差ΔIA〜ΔICを算出し、これら電流偏差ΔIA〜ΔICを例えばPI制御処理して電圧指令値Varef〜Vcrefを算出し、算出した電圧指令値Varef〜VcrefをPWM制御部87に出力する。
PWM制御部87は、電流制御部85から出力される電圧指令値Varef、Vbref及びVcrefに基づいてパルス幅変調(PWM)信号を形成してインバータ回路88に出力する。
インバータ回路88では、2相/3相変換部83で変換された相電流指令値Iaref、Ibref及びIcrefに応じた相電流Ima、Imb及びImcを電動モータ12に供給する。
この本発明の実施形態によると、前述した本発明の基礎となる第1及び第2の実施形態における制御装置20の構成に補償誘起電圧演算部84が設けられ、この補償誘起電圧演算部84で、d−q軸電流指令値演算部82で演算されたd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefと角速度演算部80で演算された電気角θe及びモータ角速度ωmとに基づいて電動モータ12の各相の誘起電圧補償値e^a、e^b及びe^cを算出する。このため、算出される誘起電圧補償値e^a、e^b及びe^cは歪んだ誘起電圧波形に応じた値となり、これら誘起電圧補償値e^a、e^b及びe^cをフィードフォワード補償値として加算部86に供給する。
このため、加算部86で、電流制御部85から出力される電圧指令値Varef、Vbref及びVcrefに誘起電圧補償値e^a、e^b及びe^cが個別に加算されるので、歪んだ誘起電圧波形に応じた誘起電圧補償値e^a、e^b及びe^cでフィードフォワード補償を行うことになり、高回転・高電流時に生じる電流制御系の外乱である誘起電圧の歪みによる誘起電圧補償誤差を低減することができる。このため、電動モータ12に供給する実電流が電流指令値により正確に追従し、期待の操舵補助トルクが得られると共に、補償誤差による高調波振動が減るため、良好な操舵性能を発揮することができる。
なお、上記本発明の実施形態においては、補償誘起電圧演算部84にd−q軸電流指令値演算部82で演算したd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを供給する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、d−q軸電流指令値演算部82で演算されるq軸電流指令値Iqrefは、電流指令値生成部61から入力される電流指令値Irefに基づいて算出されるので、図29に示すように、q軸電流指令値Iqrefに代えて電流指令値生成部81で算出される電流指令値Irefを補償誘起電圧演算部84に供給するようにしても上述した本発明の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、上記本発明の実施形態においては、補償誘起電圧演算部84で電動モータ12の各相に応じた3相の誘起電圧補償値e^a〜e^cを算出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図30に示すように、2相/3相変換部83と電流制御部85及び加算部86とを入れ換えると共に、モータ電流検出部87で検出したモータ電流Ima〜Imcを3相/2相変換部91に供給してd軸モータ検出電流Imd及びq軸モータ検出電流Imqに変換して電流制御部85に供給し、電流制御部85で、d軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefとd軸モータ検出電流Imd及びq軸モータ検出電流Imqとの電流偏差ΔId及びΔIqを算出し、算出した電流偏差ΔId及びΔIqを例えばPI制御処理して電圧指令値Vdref及びVqrefを算出するように構成する。
また、補償誘起電圧演算部84を、d−q軸電流指令値演算部82から入力されるd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefと角速度演算部60から入力される電気角θe及びモータ角速度ωmとに基づいてd軸誘起電圧補償値e^d及びq軸誘起電圧補償値e^qを算出するように構成し、算出したd軸誘起電圧補償値e^d及びq軸誘起電圧補償値e^qをフィードフォワード補償値として加算部86に供給するようにしてもよい。この場合には、補償誘起電圧演算部84でdq軸2相分の誘起電圧補償値を演算すればよいので、演算負荷を低減することができると共に、d軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefに応じた誘起電圧補償値を演算することができる。
さらに、上記本発明の実施形態においては、補償誘起電圧演算部84にd−q軸電流指令値演算部82で演算したd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを入力する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図31に示すように、d軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefに代えて、モータ電流検出部87で検出したモータ電流Ima〜Imcを図30と同様に3相/2相変換部91に供給してd軸電流検出値Imd及びq軸電流検出値Imqに変換し、これらを補償誘起電圧演算部84に供給して、これらd軸電流検出値Imd及びq軸電流検出値Imqと角速度演算部80から入力される電気角θe及びモータ角速度ωmとに基づいて電動モータ12の各相の誘起電圧補償値e^a、e^b及びe^cを算出するようにしてもよい。この場合には、電流検出値に応じた誘起電圧補償値を演算することができる。
さらにまた、上記本発明の実施形態においては、d−q軸電流指令値演算部82が第1の実施形態におけるd軸電流指令値演算部34、誘起電圧モデル算出部35及びq軸電流指令値算出部36で構成されている場合について説明したが、これに限定されるものではなく、前述した第2の実施形態におけるベクトル制御電流指令値演算部52で構成するようにしてもよく、この場合には、電流指令値生成部81で電流指令値Irefに基づいてd軸直流電流指令値IdDC及びd軸電流振幅指令値IdAMPを出力するように構成すればよい。
なおさらに、上記本発明の実施形態においては、本発明を電動パワーステアリング装置に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電動ブレーキ装置などの車載電動機器や他の電動機器等のn相ブラシレスモータを適用した機器に本発明を適用することができる。
補償用誘起電圧を演算して、この補償用誘起電圧でフィードフォワード補償することにより、電流制御系の外乱である誘起電圧補償誤差を低減することができ、実電流が電流指令値により追従し、期待のトルクが得られると共に、補償誤差による高調波振動を低減させることができるモータ駆動制御装置及びこれを使用した電動パワーステアリング装置を提供することができる。
1…ステアリングホイール、2…ステアリングシャフト、3…操舵トルクセンサ、8…ステアリングギヤ、10…操舵補助機構、12…3相ブラシレスモータ、13…ロータ位置検出回路、20…操舵補助制御装置、21…車速センサ、80…角速度演算部、81…電流指令値生成部、82…d−q軸電流指令値演算部、83…2相/3相変換部、84…補償誘起電圧演算部、85…電流制御部、86…加算部、87…PWM制御部、88…インバータ回路

Claims (8)

  1. 3以上の相数nの電動モータを駆動するモータ駆動制御装置であって、
    前記電動モータを駆動する電流指令値を演算する電流指令値演算部と、前記電動モータのモータ角度を検出するモータ角度検出部と、前記電動モータのモータ角速度を検出するモータ角速度検出部と、前記モータ角速度で回転するd−q座標に沿って演算されたd軸電流及びq軸電流値の少なくとも一方と、前記モータ角速度及び前記モータ角度とに基づいて補償用誘起電圧を演算する補償誘起電圧演算部とを備え、前記電動モータの誘起電圧を前記補償誘起電圧演算部で演算した補償用誘起電圧でフィードフォワード補償することを特徴とするモータ駆動制御装置。
  2. 前記誘起電圧のフィードフォワード補償は、前記電動モータの各相で行うことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動制御装置。
  3. 前記誘起電圧のフィードフォワード補償は、前記モータ角速度に相当する周波数で回転するd−q座標上で行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ駆動制御装置。
  4. 前記補償誘起電圧演算部に入力する前記d軸電流値及びq軸電流値の少なくとも一方は、前記電流指令値より算出されたd軸電流指令値及びq軸電流指令値の少なくとも一方、又は当該d軸電流指令値及びq軸電流指令値の少なくとも一方に相当する指令値情報であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のモータ駆動制御装置。
  5. 前記補償誘起電圧演算部に入力するd軸電流及びq軸電流の少なくとも一方は、前記電流検出部で検出された検出相電流を前記モータ角速度に相当する周波数で回転するd−q座標でn相/2相変換したd軸電流値及びq軸電流値の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のモータ駆動制御装置。
  6. 前記電動モータの誘起電圧は、矩形波誘起電圧及び正弦波に高調波成分を含む疑似矩形波誘起電圧の何れか一方であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のモータ駆動制御装置。
  7. 前記電流指令値演算部は、前記電動モータの電流指令値を作成する電流指令値作成部と、該電流指令値作成部で作成した電流指令値に基づいて前記モータ角速度で回転するd−q座標に沿って演算されたd軸電流指令値及びq軸電流指令値を算出するd−q軸電流指令値演算部とを少なくとも備え、前記d−q軸電流指令値演算部は、誘起電圧モデルを算出する誘起電圧モデル算出部と、前記目標電流指令値に基づいてd軸直流成分を算出するd軸電流直流成分算出部と、前記電流指令値に基づいてd軸電流の振幅を決定する振幅係数を算出するd軸振幅係数算出部と、前記電流指令値、前記モータ角度に基づいて算出される電気角、誘起電圧モデル及び前記d軸直流成分に基づいてトルクを一定とする擬似q軸電流を算出する擬似q軸電流算出部と、該擬似q軸電流算出部で算出した擬似q軸電流に基づいて擬似q軸電流の振幅成分の逆位相又は正位相となるd軸位相電流成分を算出するd軸電流位相成分算出部と、前記d軸直流成分、前記d軸振幅係数、前記d軸位相成分に基づいてd軸目標電流を算出するd軸目標電流算出部と、該d軸目標電流算出部で算出したd軸目標電流と、前記目標電流指令値、前記電気角、当該電気角に基づいて算出される電気角速度及び誘起電圧モデルとに基づいてトルクを一定とするq軸電流指令値を算出するq軸目標電流算出部とを少なくとも備えていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のモータ駆動制御装置。
  8. 操舵系に対して操舵補助力を発生する電動モータを前記請求項1乃至7の何れか1項に記載のモータ駆動制御装置で駆動制御するようにしたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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