JP2012008355A - 画像表示装置及び頭部装着型ディスプレイ - Google Patents

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JP2012008355A JP2010144452A JP2010144452A JP2012008355A JP 2012008355 A JP2012008355 A JP 2012008355A JP 2010144452 A JP2010144452 A JP 2010144452A JP 2010144452 A JP2010144452 A JP 2010144452A JP 2012008355 A JP2012008355 A JP 2012008355A
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Teppei Imamura
鉄平 今村
Hiroshi Tanaka
洋志 田中
Kazuya Hayashibe
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Abstract

【課題】ゴーストの発生を抑制することができ、全体としての小型化、軽量化を容易に図り得る画像表示装置を提供する。
【解決手段】画像表示装置は、光源11及び走査手段を備えており、走査手段は、(a)光源11から出射された光ビームが入射される第1ミラー20、(b)第1ミラー20から出射された光ビームが入射され、第1ミラー20の回動に伴う光ビームの第1入射角に依存して第1出射角を成した平行光を出射する第1光偏光手段30、(c)第1光偏光手段30から出射された平行光が入射される第2ミラー40、及び、(d)第2ミラー40から出射された平行光が入射され、第2ミラー40の回動に伴う平行光の第2入射角に依存して第2出射角を成した平行光を出射する第2光偏光手段50を備えており、第1光偏向手段30の内部には、一部が欠如している複数の半透過膜31が設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像表示装置及び頭部装着型ディスプレイに関する。
画像形成装置によって形成された2次元画像を虚像光学系により拡大虚像として観察者に観察させるための虚像表示装置(画像表示装置)が、例えば、特表2005−521099や特開2006−162767から周知である。
概念図を図13に示すように、この画像表示装置200は、2次元マトリクス状に配列された複数の画素を備えた画像形成装置201、画像形成装置201の画素から出射された光を平行光とするコリメート光学系202、及び、コリメート光学系202にて平行光とされた光が入射され、導光され、出射される導光手段203を備えている。導光手段203は、入射された光が内部を全反射により伝播した後、出射される導光板204、導光板204に入射された光が導光板204の内部で全反射されるように、導光板204に入射された光を反射させる第1偏向手段205(例えば、1層の光反射膜から成る)、及び、導光板204の内部を全反射により伝播した光を導光板204から出射させる第2偏向手段206(例えば、多層積層構造を有する光反射多層膜から成る)から構成されている。そして、このような画像表示装置200によって、例えば、HMD(Head Mounted Display)を構成すれば、装置の軽量化、小型化を図ることができる。
特表2005−521099 特開2006−162767
ところで、従来の画像表示装置200において、画像形成装置201は2次元マトリクス状に配列された複数の画素を備えた構造を有しており、例えば、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)等の透過型あるいは反射型の液晶表示装置から構成されている。従って、画像形成装置201の小型化を図ることが困難である。また、従来の画像表示装置200にあっては、画像形成装置201及びコリメート光学系202が必要であるため、画像表示装置全体としての小型化、軽量化も困難である。
従って、本発明の目的は、画像表示装置全体としての小型化、軽量化を容易に図り得る画像表示装置、及び、係る画像表示装置を適用した頭部装着型ディスプレイを提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様、第2の態様、第3の態様あるいは第4の態様に係る画像表示装置は、
光源、及び、光源から出射された光ビームを走査する走査手段を備えており、
走査手段は、
(a)第1方向に延びる第1軸を回動軸として回動可能であり、光源から出射された光ビームが入射される第1ミラー、
(b)第1方向とは異なる第2方向に沿って軸線が延びており、第1ミラーから出射された光ビームが第1入射角にて入射され、第1ミラーの回動に伴う光ビームの第1入射角に依存して第2方向と所定の第1出射角を成した平行光を出射する第1光偏向手段、
(c)第3方向に延びる第2軸を回動軸として回動可能であり、第1光偏向手段から出射された平行光が入射される第2ミラー、及び、
(d)第3方向とは異なる第4方向に沿って軸線が延びており、第2ミラーから出射された平行光が第2入射角にて入射され、第2ミラーの回動に伴う平行光の第2入射角に依存して第4方向と所定の第2出射角を成した平行光を出射する第2光偏向手段、
を備えている。
また、上記の目的を達成するための本発明の第1の態様、第2の態様、第3の態様あるいは第4の態様に係る頭部装着型ディスプレイ(HMD,Head Mounted Display)は、
(A)観察者の頭部に装着される眼鏡型のフレーム、及び、
(B)フレームに取り付けられた画像表示装置、
を備えている。そして、この画像表示装置は、上記の本発明の第1の態様、第2の態様、第3の態様あるいは第4の態様に係る画像表示装置から構成されている。
そして、本発明の第1の態様に係る画像表示装置あるいは本発明の第1の態様に係る頭部装着型ディスプレイにあっては、
第1光偏向手段の内部には、複数の半透過膜が設けられており、
第1光偏向手段の厚さ方向において、複数の半透過膜の一部が欠如している。
また、本発明の第2の態様に係る画像表示装置あるいは本発明の第2の態様に係る頭部装着型ディスプレイにあっては、
第2光偏向手段の内部には、複数の半透過膜が設けられており、
第2光偏向手段の厚さ方向において、複数の半透過膜の一部が欠如している。
また、本発明の第3の態様に係る画像表示装置あるいは本発明の第3の態様に係る頭部装着型ディスプレイにあっては、
第1光偏向手段の内部には、複数の半透過膜が設けられており、
第1光偏向手段における半透過膜は、半透過膜への光の入射角が大きくなるほど、高い光反射率を有する。尚、光反射率は垂直入射光によって評価する。以下の説明においても同様とする。
また、本発明の第4の態様に係る画像表示装置あるいは本発明の第4の態様に係る頭部装着型ディスプレイにあっては、
第2光偏向手段の内部には、複数の半透過膜が設けられており、
第2光偏向手段における半透過膜は、半透過膜への光の入射角が大きくなるほど、高い光反射率を有する。
本発明の第1の態様〜第4の態様に係る画像表示装置あるいは頭部装着型ディスプレイは、第1ミラー、第1光偏向手段、第2ミラー、第2光偏向手段を備えており、光源から出射された光ビームを平行光にして出射する。従って、例えば液晶表示装置から構成された画像形成装置、それ自体が不要である。しかも、走査手段の内部で、例えば、2次元画像を、一旦、あたかも中間像として作成する必要が無い。即ち、結像光学系が不要である。それ故、光源や走査手段の小型化、更には、画像表示装置全体としての小型化、軽量化を図ることができる。本発明の第1の態様〜第4の態様に係る画像表示装置あるいは頭部装着型ディスプレイにあっては、光源から光ビームとして出射され、最終的に第2光偏向手段から出射された平行光は、観察者の眼球に入射し、眼球において瞳孔(通常、直径2乃至6mm程度)を通過し、網膜にて結像され、1つの画素として認識される。これは、第2光偏向手段から出射される光が平行光であるが故である。そして、このような操作を複数回、繰り返すことによって、2次元画像を認識することができる。
しかも、本発明の第1の態様に係る画像表示装置あるいは本発明の第1の態様に係る頭部装着型ディスプレイにあっては、第1光偏向手段の厚さ方向において、複数の半透過膜の一部が欠如しているし、本発明の第2の態様に係る画像表示装置あるいは本発明の第2の態様に係る頭部装着型ディスプレイにあっては、第2光偏向手段の厚さ方向において、複数の半透過膜の一部が欠如している。従って、第1光偏向手段あるいは第2光偏向手段に入射し、半透過膜を通過し、第1光偏向手段あるいは第2光偏向手段の光出射面に衝突した光ビームが光出射面にて全反射し、第1光偏向手段あるいは第2光偏向手段の内部に戻されたとき、この全反射光ビームは半透過膜と衝突することがない。それ故、第1光偏向手段あるいは第2光偏向手段から出射される画像にゴーストが生じることを、確実に防止することができる。
また、本発明の第3の態様に係る画像表示装置あるいは本発明の第3の態様に係る頭部装着型ディスプレイにあっては、第1光偏向手段における半透過膜は、半透過膜への光の入射角が大きくなるほど、高い光反射率を有するし、本発明の第4の態様に係る画像表示装置あるいは本発明の第4の態様に係る頭部装着型ディスプレイにあっては、第2光偏向手段における半透過膜は、半透過膜への光の入射角が大きくなるほど、高い光反射率を有する。即ち、半透過膜の光反射率に対する光の入射角依存性(半透過膜に入射する光の入射角が大きいほど、光反射率が高くなる関係)を利用している。従って、第1光偏向手段あるいは第2光偏向手段に入射し、半透過膜を通過し、第1光偏向手段あるいは第2光偏向手段の光出射面に衝突した光ビームが光出射面にて全反射し、第1光偏向手段あるいは第2光偏向手段の内部に戻され、この全反射光ビームが半透過膜と衝突したときでも、半透過膜によって反射される全反射光ビームの光強度を、第1光偏向手段あるいは第2光偏向手段に入射し、半透過膜によって反射され、出射される光ビームの光強度よりも相対的に低くすることができ、第1光偏向手段あるいは第2光偏向手段から出射される画像のゴーストが視認し難くなる。
図1の(A)及び(B)は、実施例1の画像表示装置の概念図であり、図1の(C)は、入射角、出射角を説明するための概念図である。 図2の(A)及び(B)は、実施例1の画像表示装置における第1光偏向手段の模式的な断面図である。 図3の(A)及び(B)は、実施例1の画像表示装置における第2光偏向手段の模式的な断面図である。 図4の(A)及び(B)は、観察者が画像を眺めたときに、画像の左下隅の画素が網膜上の右上に結像するときの光ビーム、平行光の状態を模式的に示す図である。 図5の(A)及び(B)は、観察者が画像を眺めたときに、画像の右下隅の画素が網膜上の左上に結像するときの光ビーム、平行光の状態を模式的に示す図である。 図6の(A)及び(B)は、観察者が画像を眺めたときに、画像の左上隅の画素が網膜上の右下に結像するときの光ビーム、平行光の状態を模式的に示す図である。 図7の(A)及び(B)は、観察者が画像を眺めたときに、画像の右上隅の画素が網膜上の左下に結像するときの光ビーム、平行光の状態を模式的に示す図である。 図8は、実施例2の頭部装着型ディスプレイを正面から眺めた模式図である。 図9は、実施例2の頭部装着型ディスプレイを上方から眺めた模式図である。 図10は、実施例3における第1光偏向手段の模式的な断面図である。 図11は、半透過膜の光反射率の入射角依存性を示すグラフである。 図12は、実施例1の画像表示装置の変形例の概念図である。 図13は、従来の画像表示装置の概念図である。 図14は、第1ミラーから第1光偏向手段に入射した光ビームが第1光偏向手段の第1光出射面にて全反射したときの状態を模式的に示す図であり、ゴーストが発生する状態を説明するための模式図である。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本発明の第1の態様〜第4の態様に係る画像表示装置及び本発明の第1の態様〜第4の態様に係る頭部装着型ディスプレイ、全般に関する説明
2.実施例1(本発明の第1の態様及び第2の態様に係る画像表示装置)
3.実施例2(本発明の第1の態様及び第2の態様に係る頭部装着型ディスプレイ)
4.実施例3(本発明の第3の態様及び第4の態様に係る画像表示装置、本発明の第3の態様及び第4の態様に係る頭部装着型ディスプレイ)、その他
本発明の第1の態様に係る画像表示装置あるいは本発明の第1の態様に係る頭部装着型ディスプレイにあっては、第1光偏向手段において、第1ミラーから出射された光ビームが入射する光入射面(便宜上、『第1光入射面』と呼ぶ場合がある)に対して最も遠い所に位置する光出射面(便宜上、『第1光出射面』と呼ぶ場合がある)の部分から光入射面(第1光入射面)に向かって所定の領域に位置する複数の半透過膜の光出射面(第1光出射面)に面する部分が欠如している形態とすることができる。そして、この場合、第1光偏向手段において、第1入射角の最大値をθI-1-max、第1ミラーから出射された光ビームが第1入射角最大値θI-1-maxで光入射面(第1光入射面)に入射するときの光ビーム入射点(光ビーム入射重心点)と光出射面(第1光出射面)との間の距離をL10、光入射面(第1光入射面)と光出射面(第1光出射面)の交点を原点とし、光出射面(第1光出射面)内で軸線に沿った原点からの距離をL1としたとき、
1=L10・cot(θI-1-max
よりも以遠の領域に位置する複数の半透過膜の光出射面(第1光出射面)に面する部分が欠如している形態とすることができる。尚、光ビーム入射点は或る程度の大きさを有するので、光ビーム入射点と第1光出射面との間の距離L10は、より具体的には、光ビームの進行方向断面における光ビームの重心を光ビーム入射重心点としたとき、光ビーム入射重心点と第1光出射面との間の距離と定義される。以下の距離L20の説明においても同様である。
一方、本発明の第2の態様に係る画像表示装置あるいは本発明の第2の態様に係る頭部装着型ディスプレイにあっては、第2光偏向手段において、第2ミラーから出射された光ビームが入射する光入射面(便宜上、『第2光入射面』と呼ぶ場合がある)に対して最も遠い所に位置する光出射面(便宜上、『第2光出射面』と呼ぶ場合がある)の部分から光入射面(第2光入射面)に向かって所定の領域に位置する複数の半透過膜の光出射面(第2光出射面)に面する部分が欠如している形態とすることができる。そして、この場合、第2光偏向手段において、第2入射角の最大値をθI-2-max、第2ミラーから出射された光ビームが第2入射角最大値θI-2-maxで光入射面(第2光入射面)に入射するときの光ビーム入射点(光ビーム入射重心点)と光出射面(第2光出射面)との間の距離をL20、光入射面(第2光入射面)と光出射面(第2光出射面)の交点を原点とし、光出射面(第2光出射面)内で軸線に沿った原点からの距離をL2としたとき、
2=L20・cot(θI-2-max
よりも以遠の領域に位置する複数の半透過膜の光出射面(第2光出射面)に面する部分が欠如している形態とすることができる。
更には、以上に説明した好ましい形態を含む本発明の第2の態様に係る画像表示装置あるいは以上に説明した好ましい形態を含む本発明の第2の態様に係る頭部装着型ディスプレイにあっては、第1光偏向手段の内部には、複数の半透過膜が設けられており、第1光偏向手段の厚さ方向において、複数の半透過膜の一部が欠如している形態とすることができる。そして、この場合、第1光偏向手段において、第1ミラーから出射された光ビームが入射する光入射面(第1光入射面)に対して最も遠い所に位置する光出射面(第1光出射面)の部分から光入射面(第1光入射面)に向かって所定の領域に位置する複数の半透過膜の光出射面(第1光出射面)に面する部分が欠如している形態とすることができる。そして、更には、第1光偏向手段において、第1入射角の最大値をθI-1-max、第1ミラーから出射された光ビームが第1入射角最大値θI-1-maxで光入射面(第1光入射面)に入射するときの光ビーム入射点(光ビーム入射重心点)と光出射面(第1光出射面)との間の距離をL10、光入射面(第1光入射面)と光出射面(第1光出射面)の交点を原点とし、光出射面(第1光出射面)内で軸線に沿った原点からの距離をL1としたとき、
1=L10・cot(θI-1-max
よりも以遠の領域に位置する複数の半透過膜の光出射面(第1光出射面)に面する部分が欠如している形態とすることができる。
また、本発明の第4の態様に係る画像表示装置あるいは本発明の第4の態様に係る頭部装着型ディスプレイにあっては、
第1光偏向手段の内部には、複数の半透過膜が設けられており、
第1光偏向手段における半透過膜は、半透過膜への光の入射角が大きくなるほど、高い光反射率を有する形態とすることができる。
以上に説明した好ましい形態を含む本発明の第1の態様に係る画像表示装置あるいは以上に説明した好ましい形態を含む本発明の第1の態様に係る頭部装着型ディスプレイを総称して、単に『本発明の第1の態様』と呼ぶ場合があるし、以上に説明した好ましい形態を含む本発明の第2の態様に係る画像表示装置あるいは以上に説明した好ましい形態を含む本発明の第2の態様に係る頭部装着型ディスプレイを総称して、単に『本発明の第2の態様』と呼ぶ場合があるし、以上に説明した好ましい形態を含む本発明の第3の態様に係る画像表示装置あるいは以上に説明した好ましい形態を含む本発明の第3の態様に係る頭部装着型ディスプレイを総称して、単に『本発明の第3の態様』と呼ぶ場合があるし、以上に説明した好ましい形態を含む本発明の第4の態様に係る画像表示装置あるいは以上に説明した好ましい形態を含む本発明の第4の態様に係る頭部装着型ディスプレイを総称して、単に『本発明の第4の態様』と呼ぶ場合がある。また、以上に説明した好ましい形態を含む本発明の第1の態様〜第4の態様に係る画像表示装置を総称して、単に『本発明の画像表示装置』と呼ぶ場合があるし、以上に説明した好ましい形態を含む本発明の第1の態様〜第4の態様に係る頭部装着型ディスプレイを総称して、単に『本発明の頭部装着型ディスプレイ』と呼ぶ場合がある。更には、以上に説明した好ましい形態を含む本発明の第1の態様〜第4の態様に係る画像表示装置、及び、以上に説明した好ましい形態を含む本発明の第1の態様〜第4の態様に係る頭部装着型ディスプレイを総称して、単に『本発明』と呼ぶ場合がある。
本発明の頭部装着型ディスプレイにおいて、
フレームは、観察者の正面に配置されるフロント部と、フロント部の両端に蝶番を介して回動自在に取り付けられた2つのテンプル部と、各テンプル部の先端部に取り付けられたモダン部から成り、
テンプル部あるいはフロント部の上部に、光源が配置されており、
フロント部の上部に、第1ミラー、第1光偏向手段及び第2ミラーが配置されており、
第2光偏向手段は、観察者の瞳と対向して配置されている(即ち、通常の眼鏡のフレームにおけるレンズ取り付け位置に相当する位置に配置されている)構成とすることができる。以上の配置は、観察者が裸眼にて十分な視力がある場合、若しくは、コンタクトレンズ等を使用している場合の配置であるが、通常の眼鏡にて視力矯正をしている観察者の場合、眼鏡のレンズの外側に第2光偏向手段を配置することもできる。
あるいは又、フロント部の上部に、第1ミラー、第1光偏向手段、第2ミラー及び第2光偏向手段が配置されている構成とすることもできる。
本発明の画像表示装置、あるいは、上記の好ましい構成を含む本発明の頭部装着型ディスプレイを構成する走査手段(以下、これらを総称して、『本発明における走査手段等』と呼ぶ)において、第1ミラーから離れる方向に向かって第1光偏向手段から出射される平行光の第1出射角θO-1を正の値の出射角とするとき、第1光偏向手段への光ビームの第1入射角θI-1が大きくなるに従い、第1出射角θO-1は負の値から正の値の方向へと変化する形態とすることができる。そして、この場合、更には、第2ミラーから離れる方向に向かって第2光偏向手段から出射される平行光の第2出射角θO-2を正の値の出射角とするとき、第2光偏向手段への平行光の第2入射角θI-2が大きくなるに従い、第2出射角θO-2は負の値から正の値の方向へと変化する形態とすることができる。尚、第1入射角θI-1とは、第1光偏向手段に入射した光ビームと第2方向との成す角度と定義する。一方、第1出射角θO-1とは、第1光偏向手段から出射した平行光と、第1光偏向手段の第1光出射面の法線との成す角度と定義する。同様に、第2入射角θI-2とは、第2光偏向手段に入射した平行光と第4方向との成す角度と定義する。一方、第2出射角θO-2とは、第2光偏向手段から出射した平行光と、第2光偏向手段の第2光出射面の法線との成す角度と定義する。また、第1光偏向手段の内部を伝播する光ビームであって第1光偏向手段の第1光出射面に向かう光ビームと第2方向との成す第1入射角θI-1を正の値とする。同様に、第2光偏向手段の内部を伝播する平行光であって第2光偏向手段の第2光出射面に向かう平行光と第4方向との成す第2入射角θI-2を正の値とする。
以上に説明した好ましい形態を含む本発明における走査手段等において、第1光偏向手段に入射した光ビームは第1光偏向手段によって第2方向に伸長され、第2光偏向手段に入射した平行光は第2光偏向手段によって第4方向に伸長される構成とすることができる。これによって、最終的に得られる平行光は、第2方向及び第4方向に2次元的に伸長されたものとなる。
更には、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本発明において、画像は、第2方向に沿ってP個、第4方向に沿ってQ個の、合計P×Q個の画素が配列されて成り、第2方向に沿ったP個の画素の位置に応じて第1入射角θI-1が規定され、第4方向に沿ったQ個の画素の位置に応じて第2入射角θI-2が規定される構成とすることができる。光源から1回の光ビームの出射によって、最終的に表示画像における1画素が得られる。従って、P×Q個の画素を表示するためには、P×Q回の光ビームの出射が必要とされる。第1ミラー及び第2ミラーは、画素の位置情報を、一種の角度情報に変換する機能を有する。第2方向と第4方向とは直交する関係にあることが望ましい。
また、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本発明において、第1ミラーの単位時間当たりの回動数(振動周波数)は、第2ミラーの単位時間当たりの回動数(振動周波数)よりも高い構成とすることが望ましいが、第2ミラーの回動数の方が高い構成としてもよい。第1ミラーや第2ミラーの回動のためには、第1ミラーや第2ミラーに備えられた回動手段に、例えば、正弦波信号や矩形波信号、鋸波信号を入力すればよい。第1ミラーを駆動するための信号の周波数は、第2方向に沿った画素数、第2ミラーのデューティ、フレームレート等から決定され、例えば、数キロヘルツ乃至数百キロヘルツ程度である。また、第2ミラーを駆動するための信号の周波数は、フレームレート等から決定され、例えば、15ヘルツ、30ヘルツ、60ヘルツ、120ヘルツ、180ヘルツ、240ヘルツ等である。第1ミラーや第2ミラーを、1軸の周りに回動可能なマイクロミラーを有するMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)から構成する場合、例えば、高速での第1ミラーの回動を共振に基づき行い、低速での第2ミラーの回動を非共振に基づき行うことができる。
更には、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本発明において、第1方向と第4方向とは一致しており(平行であり)、第2方向と第3方向とは一致しており(平行であり)、第1方向及び第4方向は第2方向及び第3方向と直交する関係にある形態とすることができ、この場合、更には、画像観察位置は、第2光偏向手段に対して第5方向に位置し、第5方向は、第1方向及び第4方向と直交し、且つ、第2方向及び第3方向と直交する関係にある形態とすることができる。但し、必ずしも各方向が平行あるいは直交した関係に無くともよい。
以上に説明した好ましい形態、構成を含む本発明にあっては、第1光偏向手段の内部には複数の半透過膜(半透過鏡、ハーフミラー)が設けられており、あるいは又、第2光偏向手段の内部には複数の半透過膜(半透過鏡、ハーフミラー)が設けられているが、半透過膜は、合金を含む金属から成る金属膜から構成することもできるし、MgFX等の誘電体膜から構成することもできるし、誘電体積層膜が多数積層された多層積層構造体から構成することもできる。誘電体積層膜は、例えば、高誘電率材料としてのTiO2膜、及び、低誘電率材料としてのSiO2膜から構成されている。半透過膜(半透過鏡、ハーフミラー)の形成は、使用する材料に依存して、真空蒸着法やスパッタリング法を含む各種の物理的気相成長法(PVD法)、各種の化学的気相成長法(CVD法)にて行うことができる。
本発明の第1の態様あるいは第2の態様において、第1光偏向手段あるいは第2光偏向手段における半透過膜の光反射率は、垂直入射において、30%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下であることが望ましい。
また、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本発明にあっては、多数の半透過膜の光反射率を、同じとしてもよいし、第1光偏向手段、第2光偏向手段の内部における配置位置に依存して変化させてもよい。後者の場合、具体的には、第1光偏向手段にあっては、第1ミラーから離れた位置に位置する半透過膜の光反射率をより高くすることが望ましく、第2光偏向手段にあっては、第2ミラーから離れた位置に位置する半透過膜の光反射率をより高くすることが望ましい。云い換えれば、第1光偏向手段にあっては、第1ミラーから離れた位置に位置する半透過膜の光透過率をより低くすることが望ましく、第2光偏向手段にあっては、第2ミラーから離れた位置に位置する半透過膜の光透過率をより低くすることが望ましい。このように徐々に光反射率を増加させることで、第1ミラーから離れた位置に位置する第1光偏向手段の部分で反射される光の強度と、第1ミラーから近い位置に位置する第1光偏向手段の部分で反射される光の強度を近づけることができる。第2光偏向手段についても同様である。
本発明において、第1ミラーから入射された光ビームは、第1光偏向手段の内部に配設された複数の半透過膜を透過(通過)し、半透過膜で反射され、平行光となって第1光偏向手段から出射される。第2ミラーから入射された平行光は、第2光偏向手段の内部に配設された複数の半透過膜を透過(通過)し、半透過膜で反射され、平行光となって第2光偏向手段から出射される。第1光偏向手段における半透過膜の第2方向に対する角度は、全ての半透過膜において同じであり、30度乃至70度、好ましくは40度乃至60度、より好ましくは45度乃至55度を例示することができる。同様に、第2光偏向手段における半透過膜の第4方向に対する角度は、全ての半透過膜において同じであり、30度乃至70度、好ましくは40度乃至60度、より好ましくは45度乃至55度を例示することができる。半透過膜の配列ピッチは、一定であってもよいし、変化させてもよい。第2光偏向手段をシースルー型(半透過型)とし、第2光偏向手段を通して外界を観察できることが好ましい。第1光偏向手段の長さ(第2方向に沿った長さ)として5mm以上、高さ(第4方向に沿った長さ)として0.5mm以上、厚さ(第5方向に沿った長さ)として0.5mm以上を例示することができる。また、第2光偏向手段の長さ(第2方向に沿った長さ)として5mm以上、高さ(第4方向に沿った長さ)として5mm以上、厚さ(第5方向に沿った長さ)として0.5mm以上を例示することができる。
更には、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本発明において、第1光偏向手段の第1光入射面及び第1光出射面には反射防止膜が配設されている構成とすることが好ましい。また、第2光偏向手段の第2光入射面、第2光出射面、及び、この第2光出射面と対向する面のそれぞれには、反射防止膜が配設されている構成とすることが好ましい。ここで、反射防止膜(Anti Reflection Coaitng,ARC)は、例えば、酸化シリコン(SiOX)、酸化タンタル(TaOX)、酸化ジルコニウム(ZrOX)、酸化アルミニウム(AlOX)、酸化クロム(CrOX)、酸化バナジウム(VOX)、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、酸化ハフニウム(HfOX)、酸化ニオブ(NbOX)、酸化スカンジウム(ScOX)、酸化イットリウム(YOX)、窒化シリコン(SiNY)、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化アルミニウム(AlN)、酸窒化シリコン(SiOXY)、フッ化アルミニウム(AlFX)、フッ化セリウム(CeFX)、フッ化カルシウム(CaFX)、フッ化ナトリウム(NaFX)、フッ化アルミニウム・ナトリウム(NaYAlZX)、フッ化ランタン(LaFX)、フッ化マグネシウム(MgFX)、フッ化イットリウム(YFX)及び硫化亜鉛(ZnSX)から成る群から選択された少なくとも1種類の材料から成る形態とすることができる。あるいは又、場合によっては、反射防止膜を、SiO、SiO2、TiO2、ZrO2、Ta25、Y23等の誘電体薄膜を少なくとも2層、積層した構造(例えば、高屈折率膜/低屈折率膜/高屈折率膜/低屈折率膜・・・といった積層構造)とすることもできる。反射防止膜の形成は、使用する材料に依存して、真空蒸着法やスパッタリング法を含む各種のPVD法、各種のCVD法にて行うことができる。
以上に説明した好ましい形態、構成を含む本発明において、光源は、発光素子、具体的には、半導体レーザ素子(LD)や固体レーザ、発光ダイオード(LED)、スーパールミネッセンスダイオード(SLD)、有機EL発光素子、あるいは、無機EL発光素子から構成することが好ましい。また、広義の光源には、上記各種の光源を光ファイバに導入した場合の光ファイバ出射端も含まれる。ここで、光源は、赤色を発光する発光素子、緑色を発光する発光素子、及び、青色を発光する発光素子から構成され、これらの発光素子から出射された赤色の光ビーム、緑色の光ビーム、青色の光ビームを1本の光ビームに纏める合波手段(色合成手段)を備えていることが好ましい。合波手段として、例えば、ダイクロイック・プリズムやダイクロイック・ミラー、クロスプリズム、偏光ビームスプリッター、ハーフミラーを挙げることができる。光源から出射された光ビームを平行な光ビームとするための光ビーム整形手段(例えば、コリメートレンズ)を光源と第1ミラーとの間に配置してもよい。尚、このコリメートレンズは、1本あるいは複数本の光ビームを通過させるだけなので、従来の技術におけるコリメート光学系のように、実画像に相当する光線を通過させるための大きなレンズを必要としない。また、光ビームの断面形状を整形するために、また、不所望の散乱光や迷光を生じさせないために、アパーチャが備えられていてもよい。アパーチャは、光源と第1ミラーとの間、あるいは、第1ミラーと第1光偏向手段との間に配置すればよい。アパーチャの形状として、円形、正方形、長方形、正六角形、正八角形を例示することができる。アパーチャの面積として、8×10-5cm2(円形とした場合、直径0.1mmに相当する)乃至0.8cm2(円形とした場合、直径10mmに相当する)を例示することができる。光源から出射される光ビームの強度は、表示すべき画像の明るさに依存するが、更には、表示すべき画像における画素の位置を加味して、光源から出射される光ビームの強度を決定してもよい。具体的には、例えば、第1入射角θI-1、第2入射角θI-2が小さい場合、光ビームや平行光が通過する半透過膜の数が増加するので、光源から出射される光ビームの強度を増加させてもよい。
第1ミラーや第2ミラーとして、例えば、1軸の周りに回動可能なマイクロミラーを有するMEMSや、ガルバノ・ミラー、ポリゴン・ミラーを挙げることができる。また、必ずしもミラーを用いる必要はなく、電気光学スキャナ、音響光学スキャナ、コリメートレンズの可動、光源自体の回動といった任意のスキャン手段、スキャン方式を用いてもよい。即ち、第1ミラーの代わりに第1スキャン手段を用い、第2ミラーの代わりに第2スキャン手段を用いてもよい。
第1光偏向手段や第2光偏向手段は、入射する光に対して透明な材料から作製されている。ここで、第1光偏向手段や第2光偏向手段を構成する材料として、石英ガラスやBK7等の光学ガラスを含むガラスや、プラスチック材料(例えば、PMMA、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、非晶性のポリプロピレン系樹脂、AS樹脂を含むスチレン系樹脂)を挙げることができる。尚、BK7等通常の光学ガラスは、加工精度・信頼性が高く、好ましい材料である。また、屈折率が高い材料を用いることで、第1光偏向手段や第2光偏向手段の厚さを薄くでき、例えば、屈折率は1.6以上であることがより好ましい。
画素の数は、画像表示装置に要求される仕様に基づき決定すればよく、画素の数の具体的な値として、320×240、432×240、640×480、854×480、1024×768、1366×768、1920×1080を例示することができる。
本発明の画像表示装置によって、例えば、頭部装着型ディスプレイを構成することができ、装置の軽量化、小型化を図ることができる。頭部装着型ディスプレイにあっては、本発明の画像表示装置を、1つ備えていてもよいし(片眼型)、2つ備えていてもよい(両眼型)。
上述したとおり、フレームは、観察者の正面に配置されるフロント部と、フロント部の両端に蝶番を介して回動自在に取り付けられた2つのテンプル部と、各テンプル部の先端部に取り付けられたモダン部から成り、更には、ノーズパッドを備えている。頭部装着型ディスプレイの全体を眺めたとき、フレーム及びノーズパッドの組立体は、実質的に、通常の眼鏡と略同じ構造を有する。フレームを構成する材料は、金属や合金、プラスチック、これらの組合せといった、通常の眼鏡を構成する材料と同じ材料から構成することができる。ノーズパッドも周知の構成、構造とすることができる。
そして、頭部装着型ディスプレイのデザイン上、あるいは、頭部装着型ディスプレイの装着の容易性といった観点から、1あるいは2の画像表示装置からの配線(信号線や電源線等)が、テンプル部、及び、モダン部の内部を介して、モダン部の先端部から外部に延び、外部回路(制御回路)に接続されている形態とすることが望ましい。更には、画像表示装置はヘッドホン部を備えており、画像表示装置からのヘッドホン部用配線が、テンプル部、及び、モダン部の内部を介して、モダン部の先端部からヘッドホン部へと延びている形態とすることが一層望ましい。ヘッドホン部として、例えば、インナーイヤー型のヘッドホン部、カナル型のヘッドホン部を挙げることができる。ヘッドホン部用配線は、より具体的には、モダン部の先端部から、耳介(耳殻)の後ろ側を回り込むようにしてヘッドホン部へと延びている形態とすることが好ましい。
実施例1は、本発明の第1の態様及び第2の態様に係る本発明の画像表示装置に関する。実施例1の画像表示装置の概念図を図1の(A)及び(B)に示すが、図1の(A)は、第2方向と第5方向とを含む仮想平面(XZ平面)における画像表示装置の概念図であり、図1の(B)は、図1の(A)の矢印B−Bに沿い、第4方向と第5方向とを含む仮想平面(YZ平面)における画像表示装置の概念図である。また、図1の(C)に、入射角、出射角を説明するための概念図を示すが、図1の(C)においては半透過膜の図示を省略している。尚、図1及び図4〜図7では、第1光偏向手段30からZ軸の正の方向に光が出射され、第2ミラー40でY軸正の方向(即ち、下方に)に出射される配置となっているが、例えば、第1光偏向手段30からZ軸の負の方向に光が出射され、第2ミラー40でY軸正の方向(即ち、下方に)に出射される配置とすることもできる。尚、図面においては、第1光偏向手段や第2光偏向手段等に入射し、また、出射する光の屈折による光路の変化の図示は省略している。
実施例1あるいは後述する実施例3の画像表示装置10は、光源11、及び、光源11から出射された光ビームを走査する走査手段を備えている。そして、走査手段は、
(a)第1方向に延びる第1軸21を回動軸として回動可能であり、光源11から出射された光ビームが入射される第1ミラー20、
(b)第1方向とは異なる第2方向に沿って軸線が延びており、第1ミラー20から出射された光ビームが第1入射角θI-1にて入射され、第1ミラー20の回動に伴う光ビームの第1入射角θI-1に依存して第2方向と所定の第1出射角θO-1を成した平行光を出射する第1光偏向手段30、
(c)第3方向に延びる第2軸41を回動軸として回動可能であり、第1光偏向手段30から出射された平行光が入射される第2ミラー40、及び、
(d)第3方向とは異なる第4方向に沿って軸線が延びており、第2ミラー40から出射された平行光が第2入射角θI-2にて入射され、第2ミラー40の回動に伴う平行光の第2入射角θI-2に依存して第4方向と所定の第2出射角θO-2を成した平行光を出射する第2光偏向手段50、
を備えている。
そして、第1光偏向手段30の内部には、複数の半透過膜(半透過鏡、ハーフミラー)31が設けられており、第1光偏向手段30の厚さ方向において、複数の半透過膜31’の一部が欠如している。第2光偏向手段50の内部には、複数の半透過膜(半透過鏡、ハーフミラー)51が設けられており、第2光偏向手段50の厚さ方向において、複数の半透過膜51’の一部が欠如している。
ここで、図1の(C)及び図4〜図7に概念図を示すように、第1ミラー20から離れる方向に向かって第1光偏向手段30から出射される平行光の第1出射角θO-1を正の値の出射角とするとき、第1光偏向手段30への光ビームの第1入射角θI-1が大きくなるに従い、第1出射角θO-1は負の値から正の値の方向へと変化する。更には、第2ミラー40から離れる方向に向かって第2光偏向手段50から出射される平行光の第2出射角θO-2を正の値の出射角とするとき、第2光偏向手段50への平行光の第2入射角θI-2が大きくなるに従い、第2出射角θO-2は負の値から正の値の方向へと変化する。
尚、図2の(A)、(B)、図4の(A)、図5の(A)、図6の(A)及び図7の(A)は、図1の(A)と同様に、第2方向と第5方向とを含む仮想平面(XZ平面)における画像表示装置の概念図であり、図3の(A)、(B)、図4の(B)、図5の(B)、図6の(B)及び図7の(B)は、図1の(B)と同様に、第4方向と第5方向とを含む仮想平面(YZ平面)における画像表示装置の概念図である。
画像は、第2方向に沿ってP個、第4方向に沿ってQ個の、合計P×Q個の画素が配列されて成る。具体的には、例えば、P=640、Q=480、対角28度である。そして、第2方向に沿ったP個の画素の位置に応じて第1入射角θI-1が規定され、第4方向に沿ったQ個の画素の位置に応じて第2入射角θI-2が規定される。光源11から1回の光ビームの出射によって、最終的に表示画像における1画素が得られる。従って、P×Q個の画素を表示するためには、P×Q回の光ビームの出射が必要とされる。第2光偏向手段50から出射された平行光は、観察者の眼球に入射し、眼球において瞳孔(通常、直径2乃至6mm程度)を通過し、網膜にて結像され、1つの画素として認識される。そして、このような操作の集合(光源11からのP×Q回の光ビームの出射)によって、P×Q個の画素から構成された1フレーム分の2次元画像を認識することができる。
図4の(A)及び(B)に示す状態(『状態−A』)にあっては、観察者が画像を眺めたときに、画像の左下隅の画素が網膜上の右上に結像する。また、図5の(A)及び(B)に示す状態(『状態−B』)にあっては、観察者が画像を眺めたときに、画像の右下隅の画素が網膜上の左上に結像する。更には、図6の(A)及び(B)に示す状態(『状態−C』)にあっては、観察者が画像を眺めたときに、画像の左上隅の画素が網膜上の右下に結像する。また、図7の(A)及び(B)に示す状態(『状態−D』)にあっては、観察者が画像を眺めたときに、画像の右上隅の画素が網膜上の左下に結像する。これらの状態における第1入射角θI-1、第1出射角θO-1、第2入射角θI-2、第2出射角θO-2の値を以下の表1に示す。
[表1]
状態−A 状態−B 状態−C 状態−D
第1入射角θI-1 最小値 最大値 最小値 最大値
第1出射角θO-1 最小値 最大値 最小値 最大値
第2入射角θI-2 最小値 最小値 最大値 最大値
第2出射角θO-2 最小値 最小値 最大値 最大値
第1光偏向手段30に入射した光ビームは第1光偏向手段30によって第2方向に伸長され、第2光偏向手段50に入射した平行光は第2光偏向手段50によって第4方向に伸長される。そして、これによって、最終的に得られる平行光は、第2方向及び第4方向に2次元的に伸長されたものとなる。
第1ミラー20及び第2ミラー40は、例えば、1軸の周りに回動可能なマイクロミラーを有するMEMSから構成されている。尚、このようなMEMSから構成されたマイクロミラーは、周知の構成、構造を有するものとすることができるので、詳細な説明は省略する。ここで、第1ミラー20の単位時間当たりの回動数(振動周波数)は、第2ミラー40の単位時間当たりの回動数(振動周波数)よりも高い。具体的には、第1ミラー20の単位時間当たりの回動数を21kHzとし、第2ミラー40の単位時間当たりの回動数をフレームレートと同じ60Hzとした。尚、高速での第1ミラー20の回動を共振に基づき行い、低速での第2ミラー40の回動を非共振に基づき行ったが、どちらの回動も共振駆動としてもよい。また、第2ミラー40の面積は、光ビームが第1光偏向手段30によって第2方向に伸長されるため、第1ミラー20の面積より大きくなる。具体的には、第1ミラー20のサイズは第1方向に2.0mm、第1方向に直交する方向に2.8mmの長方形とし、第2ミラー40のサイズは第3方向に30mm、第3方向と直交する方向に2.8mmの長方形とした。
実施例1にあっては、第1方向と第4方向とは一致しており(平行であり)、第2方向と第3方向とは一致しており(平行であり)、第1方向及び第4方向は第2方向及び第3方向と直交する関係にある。更には、画像観察位置は、第2光偏向手段50に対して第5方向に位置し、第5方向は、第1方向及び第4方向と直交し、且つ、第2方向及び第3方向と直交する関係にある。より具体的には、第2方向及び第3方向をX方向、第1方向及び第4方向をY方向、第5方向をZ方向としたが、これに限定するものではないし、各方向が平行あるいは直交した関係に無くともよい。
実施例1にあっては、図2の(A)あるいは(B)の模式的な断面図に示すように、第1光偏向手段30において、第1ミラー20から出射された光ビームが入射する第1光入射面32に対して最も遠い所に位置する第1光出射面33の部分33Aから第1光入射面32に向かって所定の領域に位置する複数の半透過膜31’の第1光出射面33に面する部分が欠如している。具体的には、第1光偏向手段30において、第1入射角の最大値をθI-1-max、第1ミラー20から出射された光ビームが第1入射角最大値θI-1-maxで第1光入射面32に入射するときの光ビーム入射点(光ビーム入射重心点)と第1光出射面33との間の距離をL10、第1光入射面32と第1光出射面33の交点を原点(O1)とし、第1光出射面33内で軸線に沿った原点(O1)からの距離をL1としたとき、
1=L10・cot(θI-1-max
よりも以遠の領域に位置する複数の半透過膜31’の第1光出射面33に面する部分が欠如している。
一方、図3の(A)あるいは(B)の模式的な断面図に示すように、第2光偏向手段50において、第2ミラー40から出射された光ビームが入射する第2光入射面52に対して最も遠い所に位置する第2光出射面53の部分53Aから第2光入射面52に向かって所定の領域に位置する複数の半透過膜51’の第2光出射面53に面する部分が欠如している。具体的には、第2光偏向手段50において、第2入射角の最大値をθI-2-max、第2ミラー40から出射された光ビームが第2入射角最大値θI-2-maxで第2光入射面52に入射するときの光ビーム入射点(光ビーム入射重心点)と第2光出射面53の間の距離をL20、第2光入射面52と第2光出射面53の交点を原点(O2)とし、第2光出射面53内で軸線に沿った原点(O2)からの距離をL2としたとき、
2=L20・cot(θI-2-max
よりも以遠の領域に位置する複数の半透過膜51’の第2光出射面53に面する部分が欠如している。
第1光偏向手段30及び第2光偏向手段50は、光学ガラス(BK7,屈折率:1.5168[波長587.6nm])から作製されている。ここで、第1光偏向手段30の長さ(第2方向に沿った長さTL1)、高さ(第4方向に沿った長さH1)、厚さ(第5方向に沿った長さt1)、第2光偏向手段50の長さ(第2方向に沿った長さTL2)、高さ(第4方向に沿った長さH2)、厚さ(第5方向に沿った長さt2)を以下のとおりとした。前述したとおり、第1光偏向手段30の内部には複数の半透過膜(半透過鏡、ハーフミラー)31が設けられており、第2光偏向手段50の内部にも複数の半透過膜(半透過鏡、ハーフミラー)51が設けられている。そして、実施例1において、半透過膜31,51は、金属膜、具体的には、銀(Ag)薄膜から構成されている。ここで、半透過膜31,51の光反射率は、垂直入射の場合、波長532nmで約5%である。また、第1光偏向手段30及び第2光偏向手段50においては、多数の半透過膜31,51が形成されているが、半透過膜31,51の第2方向、第4方向に沿ったピッチP1,P2を以下のとおりとした。半透過膜31,51は等ピッチで形成されている。第1光偏向手段30における半透過膜31の第2方向に対する角度(第2方向と成す角度ζ1)は、全ての半透過膜31において同じであり、同様に、第2光偏向手段50における半透過膜51の第4方向に対する角度(第4方向と成す角度ζ2)は、全ての半透過膜51において同じである。
TL1=17mm
1 =3.5mm
1 =7.0mm
TL2=17mm
2 =30mm
2 =5.0mm
1 =0.75mm
ζ1 =49.0度
2 =0.75mm
ζ2 =47.5度
第1光偏向手段30及び第2光偏向手段50は、所定の厚さを有する光学ガラスの表面に、MgFXから成る半透過膜31,51をEB蒸着法に基づき形成し、こうして得られた光学ガラスを貼り合わせて積層し、半透過膜31,51が第2方向あるいは第4方向と所望の角度となるように切断、研磨することで、作製することができる。尚、半透過膜31,51をEB蒸着法に基づき形成する際、半透過膜31,51の第1光出射面33,第2光出射面53に面する部分を欠如させるためには、例えば、光学ガラスの表面の係る部分にマスクを施し、半透過膜31,51を係る部分に形成しないようにすればよい(図2の(A)、図3の(A)参照)。図2の(A)、図3の(A)において、半透過膜31,51が設けられていない領域を、参照番号35,55で示す。具体的には、所望の厚さの光学ガラスの表面に、Ag薄膜をEB蒸着法に基づき形成する。このとき、メタルマスクを用いて、Ag薄膜が形成されない領域を光学ガラスの表面に設ける。尚、Ag薄膜が形成された領域と形成されない領域との境界線が直線となるようにAg薄膜を形成する。そして、こうして得られた光学ガラスを積層して、紫外線硬化型接着剤あるいは熱硬化型接着剤を用いて貼り合わせるが、Ag薄膜が形成された領域と形成されない領域との境界線が、図2の(A)に示すように、光出射面33,53と角度η1,η2を成す直線上に位置するように積層する。その後、半透過膜31,51が第2方向あるいは第4方向と所望の角度ζ1,ζ2を成すように、積層された光学ガラスを切り出し、研磨する。尚、切り出しにおいては、半透過膜31,51が設けられていない領域35,55の端部が、L1,L2に位置するように切り出す。
あるいは又、半透過膜31,51をEB蒸着法に基づき光学ガラスの表面に形成し、こうして得られた光学ガラスを貼り合わせて積層し、半透過膜31,51が第2方向あるいは第4方向と所望の角度ζ1,ζ2となるように切り出し、研磨し、更に、楔状部材を貼り合わせるべき領域36,56を除去する。次いで、領域36,56に相当する光学ガラスから成る楔状部材37,57を紫外線硬化型接着剤あるいは熱硬化型接着剤を用いて貼り合わせる(図2の(B)、図3の(B)参照)。
例えば、実施例1において、第1光偏向手段30において、第1入射角θI-1の値は、0度から15.5度の範囲で変化する。即ち、第1入射角の最大値θI-1-maxは15.5度である。また、L10=3.0mmである。従って、
1=L10・cot(θI-1-max
=3.0×cot(15.5)
=10.8mm
である。それ故、第1光偏向手段30にあっては、第2方向に沿って、原点(O1)から10.8mm乃至17mmの領域において、半透過膜31の第1光出射面33に面する部分が欠如されている。尚、楔状部材37の頂角の角度η1、あるいは、半透過膜31を形成しない第1光偏向手段30の領域における頂角の角度η1の最小値をθI-1-maxと一致させればよい。具体的には、実施例1にあっては、η1=15.5度とすればよい。
同様に、第2光偏向手段50において、第2入射角θI-2の値は、0度から9.2度の範囲で変化する。即ち、第2入射角の最大値θI-2-maxは9.2度である。また、
20=4.5mm
である。従って、
2=L20・cot(θI-2-max
=4.5×cot(9.2)
=27.8mm
である。従って、第2光偏向手段40にあっては、第4方向に沿って、原点(O2)から27.8mm乃至30mmの領域において、半透過膜51の第2光出射面53に面する部分が欠如されている。尚、楔状部材57の頂角の角度η2、あるいは、半透過膜51を形成しない第2光偏向手段50の領域における頂角の角度η2の最小値をθI-2-maxと一致させればよい。具体的には、実施例1にあっては、η2=9.2度とすればよい。
実施例1にあっては、光源11を、半導体レーザ素子(LD)から構成した。具体的には、光源11は、赤色を発光する発光素子(半導体レーザ素子)11R、緑色を発光する発光素子(半導体レーザ素子)11G、及び、青色を発光する発光素子(半導体レーザ素子)11Bから構成されている。そして、これらの発光素子11R,11G,11Bから出射された赤色の光ビーム、緑色の光ビーム、青色の光ビームを1本の光ビームに纏める合波手段(色合成手段)を備えている。合波手段は、具体的には、ダイクロイック・プリズム13から構成されている。尚、参照番号12及び参照番号14は反射ミラーである。光源11から出射された光ビームを平行な光ビームとするための光ビーム整形手段(コリメートレンズ)が光源11と固定ミラー14との間に配置しているが、このコリメートレンズの図示は省略した。また、光ビームの断面形状を整形するためのアパーチャ(図示せず)が、光源11と固定ミラー14との間に備えられている。アパーチャの形状を、直径1.0mmの円形とした。従って、1本の光ビームが第1ミラー20に入射するときの光ビームの断面積は、7.9×10-3cm2である。
尚、第1光偏向手段30の第1光入射面32及び第1光出射面33に反射防止膜を配設(成膜)し、第2光偏向手段50の第2光入射面52、第2光出射面53、及び、この第2光出射面53と対向する面54のそれぞれに反射防止膜を配設(成膜)してもよい。ここで、反射防止膜(ARC)は、例えば、SiO2、MgF2、Al23、TiO2等の誘電体膜やフッ素ポリマー等の有機膜、表面にモス・アイ構造を持つフィルム等から構成すればよい。
第1ミラー20から第1光偏向手段30に入射した光ビームが第1光偏向手段30の第1光出射面33にて全反射すると、図14に模式的な断面図を示すように、全反射した光が半透過膜31によって反射され、第1光偏向手段30から出射される結果、ゴーストが発生する。
ここで、図14に示すように、第1入射角θI-1の光ビームが半透過膜31に衝突し、半透過膜31によって一部が反射されたとき(この光ビームを『反射光ビーム』と呼ぶ)、第1光出射面33の法線と反射光ビームとの成す角度φ11(単位:度)は、
φ11=90−2ζ1+θI-1
で表すことができる。尚、φ11あるいは後述するφ12は、図14の時計回りの角度を正の値としている。
また、第1入射角θI-1の光ビームが半透過膜31を透過し、第1光出射面33に衝突し、全反射され(この光ビームを『全反射光ビーム』と呼ぶ)、第1光偏向手段30の内部に戻され、この全反射光ビームが半透過膜31に衝突し、半透過膜31によって一部が反射されたとき(この光ビームを『ゴーストビーム』と呼ぶ)、第1光出射面33の法線と反射光ビームとの成す角度φ12(単位:度)は、
φ12=90−2ζ1−θI-1
で表すことができる。
これらの角度φ11及び角度φ12は、(90−2ζ2)を中心として反転している。従って、ゴースト画像は、所望の画像が反転した鏡像となる。
以上の議論は、第2光偏向手段50においても同様に適用することができる。
加えて、ゴーストビームは、以下の3種類が存在する。
[第1種のゴーストビーム]
第1光偏向手段30で発生し、第2光偏向手段50を経由して出射されるもの。
[第2種のゴーストビーム]
第1光偏向手段30から出射された反射光ビームが第2光偏向手段50に入射し、第2光偏向手段50で発生し、出射されるもの。
[第3種のゴーストビーム]
第1光偏向手段30で発生し、第2光偏向手段50で更にゴーストビームとなり、出射されるもの。
実施例1の画像表示装置にあっては、第1光偏向手段30の厚さ方向において、複数の半透過膜31の一部が欠如しているし、第2光偏向手段50の厚さ方向において、複数の半透過膜51の一部が欠如している。従って、第1光偏向手段30あるいは第2光偏向手段50に入射し、半透過膜31,51を通過し、第1光偏向手段30あるいは第2光偏向手段50の光出射面33,53に衝突した光ビームが光出射面33,53にて全反射し、第1光偏向手段30あるいは第2光偏向手段50の内部に戻されたときであっても、この全反射光ビームは半透過膜31,51と衝突することがない。それ故、第1光偏向手段30あるいは第2光偏向手段50から出射される画像にゴーストが生じることを、確実に防止することができる。
また、実施例1の画像表示装置は、第1ミラー20、第1光偏向手段30、第2ミラー40、第2光偏向手段50を備えており、光源11から出射された光ビームを平行光にして出射する。従って、走査手段の内部で、例えば、2次元画像を、一旦、中間像として作成する必要が無い。また、例えば液晶表示装置から構成された画像形成装置、それ自体が不要である。それ故、光源や走査手段の小型化、更には、画像表示装置全体としての小型化、軽量化を図ることができる。
実施例1の画像表示装置と、比較例1の画像表示装置において、シミュレーションに基づく照明解析を行った。ここで、比較例1にあっては、第1光偏向手段30及び第2光偏向手段50における半透過膜に欠如部分を設けていない。照明解析にあっては、所定の画像の中の5×5点について行い、実施例1及び比較例1の画像表示装置において、所定の画像、並びに、上述した3種類のゴーストビームの面内光強度の平均値を比較した。その結果は、以下の表2のとおりであった。
[表2]
所定の画像 第1種 第2種 第3種
実施例1 88.65 0 0.065 0
比較例1 100 0.91 15.77 0.0078
実施例1は、比較例1と比較して、所定の画像の光強度は低下しているが、第2種のゴーストビームの光強度が比較例1と比較して1/240以下となっており、しかも、第1種のゴーストビーム及び第3種のゴーストビームは検出されなかった。即ち、実施例1の画像表示装置にあっては、ゴーストの大幅な低減を実現することができた。
実施例2は、本発明の第1の態様及び第2の態様に係る頭部装着型ディスプレイ(HMD)に関する。即ち、実施例2は、本発明の第1の態様及び第2の態様に係る画像表示装置、具体的には、実施例1にて説明した画像表示装置10を組み込んだ頭部装着型ディスプレイ(HMD)に関する。実施例2の頭部装着型ディスプレイを正面から眺めた模式図を図8に示す。また、実施例2の頭部装着型ディスプレイを上方から眺めた模式図を図9に示す。
実施例2の頭部装着型ディスプレイは、
(A)観察者70の頭部に装着される眼鏡型のフレーム110、及び、
(B)画像表示装置10、
を備えている。尚、実施例2における頭部装着型ディスプレイにあっては、画像表示装置10を2つ備えた両眼型とした。
そして、実施例2の頭部装着型ディスプレイにおいて、フレーム110は、観察者70の正面に配置されるフロント部110Aと、フロント部110Aの両端に蝶番111を介して回動自在に取り付けられた2つのテンプル部112と、各テンプル部112の先端部に取り付けられたモダン部(先セル、耳あて、イヤーパッドとも呼ばれる)113から成る。そして、フロント部110Aの上部に、光源11、第1ミラー20、第1光偏向手段30及び第2ミラー40が配置されており、第2光偏向手段50は、観察者70の瞳71と対向して配置されている。即ち、通常の眼鏡のフレームにおけるレンズ取り付け位置に相当する位置に配置された透明なガラス板から成る取付部材110Cに、第2光偏向手段50が取り付けられている。尚、光源11、第1ミラー20、第1光偏向手段30及び第2ミラー40は、筐体60内に納められており、図8及び図9には図示していない。また、フロント部110Aにはノーズパッド114が取り付けられている。尚、図9においては、ノーズパッド114の図示を省略している。フレーム110は金属又はプラスチックから作製されている。
更には、画像表示装置10から延びる配線(信号線や電源線等)115が、テンプル部112、及び、モダン部113の内部を介して、モダン部113の先端部から外部に延びており、図示しない外部回路に接続されている。更には、各画像表示装置10はヘッドホン部116を備えており、各画像表示装置10から延びるヘッドホン部用配線117が、テンプル部112、及び、モダン部113の内部を介して、モダン部113の先端部からヘッドホン部116へと延びている。ヘッドホン部用配線117は、より具体的には、モダン部113の先端部から、耳介(耳殻)の後ろ側を回り込むようにしてヘッドホン部116へと延びている。このような構成にすることで、ヘッドホン部116やヘッドホン部用配線117が乱雑に配置されているといった印象を与えることがなく、すっきりとした頭部装着型ディスプレイとすることができる。
実施例3は、本発明の第3の態様及び第4の態様に係る本発明の画像表示装置、並びに、本発明の第3の態様及び第4の態様に係る頭部装着型ディスプレイに関する。
実施例3の画像表示装置あるいは頭部装着型ディスプレイにあっては、実施例1あるいは実施例2と同様に、第1光偏向手段の内部には、複数の半透過膜が設けられている。そして、実施例3において、第1光偏向手段における半透過膜は、半透過膜への光の入射角が大きくなるほど、高い光反射率を有する。また、第2光偏向手段における半透過膜は、半透過膜への光の入射角が大きくなるほど、高い光反射率を有する。
ところで、入射角θI-1,θI-2が以下の範囲にあるとき、第1光偏向手段あるいは第2光偏向手段に入射した光ビームは光出射面に衝突し、全反射する。
10.0(度)[=tan-1(3.0/17)]≦θI-1≦15.5(度)
8.5(度)[=tan-1(4.5/30)]≦θI-2≦9.2(度)
従って、図10において、第1光偏向手段における半透過膜への光ビームの入射角θ’1及び半透過膜への全反射光ビームの入射角θ”1は、
51.0(度)≦θ’1≦56.5(度)
25.5(度)≦θ”1≦31.0(度)
となる。同様に、第2光偏向手段における半透過膜への光ビームの入射角θ’2及び半透過膜への全反射光ビームの入射角θ”2は、
51.0(度)≦θ’2≦51.7(度)
33.3(度)≦θ”2≦34.0(度)
となる。
図11に、計算から求めたMgF2から成る厚さ94nmの半透過膜の波長445nmの光ビームにおける光反射率の入射角依存性を示すが、半透過膜への光の入射角が大きくなるほど、高い光反射率を有する。尚、図11の下段のグラフは、上段のグラフの一部を拡大したものである。
ここで、第1光偏向手段半透過膜における反射光ビームの光反射率と、全反射光ビームの光反射率との差が最も小さいケースは、
入射角θ’1=51.0(度)
入射角θ”1=31.0(度)
のときであり、このときの光反射率は、それぞれ、0.055%及び0.018%であり、第1光偏向手段半透過膜における反射光ビームの光反射率は、全反射光ビームの光反射率よりも約3倍高い。従って、ゴーストが視認し難くなる。
同様に、第2光偏向手段半透過膜における反射光ビームの光反射率と、全反射光ビームの光反射率との差が最も小さいケースは、
入射角θ’2=51.0(度)
入射角θ”2=34.0(度)
のときであり、このときの光反射率は、それぞれ、0.055%及び0.021%であり、第2光偏向手段半透過膜における反射光ビームの光反射率は、全反射光ビームの光反射率よりも約2.6倍高い。従って、ゴーストが視認し難くなる。
一般的には、第1光偏向手段を構成する半透過膜における反射光ビームの光反射率最小値R11と、全反射光ビームの光反射率最大値R12との比が、0.2≦R12/R11≦0.5、好ましくは、0.05≦R12/R11≦0.2を満足することが望ましい。同様に、第2光偏向手段を構成する半透過膜における反射光ビームの光反射率最小値R21と、全反射光ビームの光反射率最大値R22との比が、0.2≦R22/R21≦0.5、好ましくは、0.05≦R22/R21≦0.2を満足することが望ましい。
このように、実施例3において、第1光偏向手段における半透過膜は、半透過膜への光の入射角が大きくなるほど、高い光反射率を有するし、第2光偏向手段における半透過膜は、半透過膜への光の入射角が大きくなるほど、高い光反射率を有する。従って、第1光偏向手段あるいは第2光偏向手段に入射し、半透過膜を通過し、第1光偏向手段あるいは第2光偏向手段の光出射面に衝突した光ビームが光出射面にて全反射し、第1光偏向手段あるいは第2光偏向手段の内部に戻され、この全反射光ビームが半透過膜と衝突したときでも、半透過膜によって反射される全反射光ビームの光強度を、第1光偏向手段あるいは第2光偏向手段に入射し、半透過膜によって反射される光ビームの光強度よりも相対的に低くすることができ、第1光偏向手段あるいは第2光偏向手段から出射される画像のゴーストが視認し難くなる。
尚、半透過膜の構成、構造が異なる点を除き、実施例3の画像表示装置及び頭部装着型ディスプレイの構成、構造は、実施例1及び実施例2において説明した画像表示装置及び頭部装着型ディスプレイの構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定するものではない。実施例において説明した画像表示装置、頭部装着型ディスプレイの構成、構造は例示であり、適宜変更することができる。実施例1あるいは実施例2にあっては、本発明の第1の態様に係る画像表示装置と本発明の第2の態様に係る画像表示装置とを組み合わせたが、本発明の第1の態様に係る画像表示装置と本発明の第2の態様に係る画像表示装置とを独立して適用することができることは云うまでもない。同様に、実施例3にあっては、本発明の第3の態様に係る画像表示装置と本発明の第4の態様に係る画像表示装置とを組み合わせたが、本発明の第3の態様に係る画像表示装置と本発明の第4の態様に係る画像表示装置とを独立して適用することができることは云うまでもない。
また、本発明の第1の態様に係る画像表示装置と本発明の第2の態様に係る画像表示装置との組合せ、本発明の第3の態様に係る画像表示装置と本発明の第4の態様に係る画像表示装置との組合せだけでなく、本発明の第1の態様に係る画像表示装置と本発明の第4の態様に係る画像表示装置との組合せ、本発明の第3の態様に係る画像表示装置と本発明の第2の態様に係る画像表示装置との組合せとすることもできる。同様に、本発明の第1の態様に係る頭部装着型ディスプレイと本発明の第2の態様に係る頭部装着型ディスプレイとの組合せ、本発明の第3の態様に係る頭部装着型ディスプレイと本発明の第4の態様に係る頭部装着型ディスプレイとの組合せだけでなく、本発明の第1の態様に係る頭部装着型ディスプレイと本発明の第4の態様に係る頭部装着型ディスプレイとの組合せ、本発明の第3の態様に係る頭部装着型ディスプレイと本発明の第2の態様に係る頭部装着型ディスプレイとの組合せとすることができる。
実施例にあっては、専ら、画像表示装置を2つ備えた両眼型としたが、画像表示装置を1つ備えた片眼型としてもよい。また、光源を、例えば、赤色を発光する発光素子、緑色を発光する発光素子あるいは青色を発光する発光素子といった1種類の発光素子から構成してもよい。更には、テンプル部に光源が配置されている構成とすることもできるし、フロント部の上部に、第1ミラー、第1光偏向手段、第2ミラー及び第2光偏向手段が配置されている構成とすることもできる。実施例においては、第1光偏向手段30からZ軸の正の方向に光が出射され、第2ミラー40でY軸正の方向(即ち、下方に)に出射される配置を例にとり説明したが、このような配置に限定するものではなく、図1の(B)と同様の概念図を図12に示すように、例えば、第1光偏向手段30からZ軸の負の方向に光が出射され、第2ミラー40でY軸正の方向(即ち、下方に)に出射される配置とすることもできる。また、第2光偏向手段の第2光出射面と対向する面に偏光板あるいは偏光手段を取り付けてもよい。この方法により、入射した外光が半透過膜において反射することを抑制できるため、外光に起因したゴーストの発生を防ぐことができる。即ち、各半透過膜は、S偏光成分及びP偏光成分のいずれか一方の偏光成分を反射し、他の偏光成分を透過し、第2光偏向手段の第2光出射面と対向する面側には、該他の偏光成分を通過させる偏光板あるいは偏光手段が備えられている形態とすることができる。
尚、本発明における走査手段から光ビーム伸長装置を構成することもできる。即ち、光源から出射された光ビームを第2方向及び第4方向に2次元的に伸長し、平行光として出射する光ビーム伸長装置は、
(a)第1方向に延びる第1軸を回動軸として回動可能であり、光源から出射された光ビームが入射される第1ミラー、
(b)第1方向とは異なる第2方向に沿って軸線が延びており、第1ミラーから出射された光ビームが第1入射角にて入射され、第1ミラーの回動に伴う光ビームの第1入射角に依存して第2方向と所定の第1出射角を成した平行光を出射する第1光偏向手段、
(c)第3方向に延びる第2軸を回動軸として回動可能であり、第1光偏向手段から出射された平行光が入射される第2ミラー、及び、
(d)第3方向とは異なる第4方向に沿って軸線が延びており、第2ミラーから出射された平行光が第2入射角にて入射され、第2ミラーの回動に伴う平行光の第2入射角に依存して第4方向と所定の第2出射角を成した平行光を出射する第2光偏向手段、
を備えている。
そして、光ビーム伸長装置にあっては、本発明の第1の態様と同様に、第1光偏向手段の内部には、複数の半透過膜が設けられており、第1光偏向手段の厚さ方向において、複数の半透過膜の一部が欠如している。あるいは又、本発明の第2の態様と同様に、第2光偏向手段の内部には、複数の半透過膜が設けられており、第2光偏向手段の厚さ方向において、複数の半透過膜の一部が欠如している。あるいは又、本発明の第3の態様と同様に、第1光偏向手段における半透過膜は、半透過膜への光の入射角が大きくなるほど、高い光反射率を有する。あるいは又、本発明の第4の態様と同様に、第2光偏向手段における半透過膜は、半透過膜への光の入射角が大きくなるほど、高い光反射率を有する。
10・・・画像表示装置、11・・・光源、11R,11G,11B・・・発光素子、12,14・・・反射ミラー、13・・・ダイクロイック・プリズム、20・・・第1ミラー、21・・・第1軸、30・・・第1光偏向手段、31,51・・・半透過膜(半透過鏡、ハーフミラー)、32・・・第1光入射面、33・・・第1光出射面、35,55・・・半透過膜が設けられていない領域、36,56・・・楔状部材を貼り合わせる領域、37,57・・・楔状部材、40・・・第2ミラー、41・・・第2軸、50・・・第2光偏向手段、52・・・第2光入射面、53・・・第2光出射面、54・・・第2光出射面と対向する面、60・・・筐体、70・・・観察者、71・・・瞳、110・・・フレーム、110A・・・フロント部、110B・・・フロント部の中央部分、110C・・・取付部材、111・・・蝶番、112・・・テンプル部、113・・・モダン部、114・・・ノーズパッド、115・・・配線(信号線や電源線等)、116・・・ヘッドホン部、117・・・ヘッドホン部用配線

Claims (20)

  1. 光源、及び、光源から出射された光ビームを走査する走査手段を備えた画像表示装置であって、
    走査手段は、
    (a)第1方向に延びる第1軸を回動軸として回動可能であり、光源から出射された光ビームが入射される第1ミラー、
    (b)第1方向とは異なる第2方向に沿って軸線が延びており、第1ミラーから出射された光ビームが第1入射角にて入射され、第1ミラーの回動に伴う光ビームの第1入射角に依存して第2方向と所定の第1出射角を成した平行光を出射する第1光偏向手段、
    (c)第3方向に延びる第2軸を回動軸として回動可能であり、第1光偏向手段から出射された平行光が入射される第2ミラー、及び、
    (d)第3方向とは異なる第4方向に沿って軸線が延びており、第2ミラーから出射された平行光が第2入射角にて入射され、第2ミラーの回動に伴う平行光の第2入射角に依存して第4方向と所定の第2出射角を成した平行光を出射する第2光偏向手段、
    を備えており、
    第1光偏向手段の内部には、複数の半透過膜が設けられており、
    第1光偏向手段の厚さ方向において、複数の半透過膜の一部が欠如している画像表示装置。
  2. 第1光偏向手段において、第1ミラーから出射された光ビームが入射する光入射面に対して最も遠い所に位置する光出射面の部分から光入射面に向かって所定の領域に位置する複数の半透過膜の光出射面に面する部分が欠如している請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 第1光偏向手段において、第1入射角の最大値をθI-1-max、第1ミラーから出射された光ビームが第1入射角最大値θI-1-maxで光入射面に入射するときの光ビーム入射点と光出射面との間の距離をL10、光入射面と光出射面の交点を原点とし、光出射面内で軸線に沿った原点からの距離をL1としたとき、
    1=L10・cot(θI-1-max
    よりも以遠の領域に位置する複数の半透過膜の光出射面に面する部分が欠如している請求項2に記載の画像表示装置。
  4. 光源、及び、光源から出射された光ビームを走査する走査手段を備えた画像表示装置であって、
    走査手段は、
    (a)第1方向に延びる第1軸を回動軸として回動可能であり、光源から出射された光ビームが入射される第1ミラー、
    (b)第1方向とは異なる第2方向に沿って軸線が延びており、第1ミラーから出射された光ビームが第1入射角にて入射され、第1ミラーの回動に伴う光ビームの第1入射角に依存して第2方向と所定の第1出射角を成した平行光を出射する第1光偏向手段、
    (c)第3方向に延びる第2軸を回動軸として回動可能であり、第1光偏向手段から出射された平行光が入射される第2ミラー、及び、
    (d)第3方向とは異なる第4方向に沿って軸線が延びており、第2ミラーから出射された平行光が第2入射角にて入射され、第2ミラーの回動に伴う平行光の第2入射角に依存して第4方向と所定の第2出射角を成した平行光を出射する第2光偏向手段、
    を備えており、
    第2光偏向手段の内部には、複数の半透過膜が設けられており、
    第2光偏向手段の厚さ方向において、複数の半透過膜の一部が欠如している画像表示装置。
  5. 第2光偏向手段において、第2ミラーから出射された光ビームが入射する光入射面に対して最も遠い所に位置する光出射面の部分から光入射面に向かって所定の領域に位置する複数の半透過膜の光出射面に面する部分が欠如している請求項4に記載の画像表示装置。
  6. 第2光偏向手段において、第2入射角の最大値をθI-2-max、第2ミラーから出射された光ビームが第2入射角最大値θI-2-maxで光入射面に入射するときの光ビーム入射点と光出射面との間の距離をL20、光入射面と光出射面の交点を原点とし、光出射面内で軸線に沿った原点からの距離をL2としたとき、
    2=L20・cot(θI-2-max
    よりも以遠の領域に位置する複数の半透過膜の光出射面に面する部分が欠如している請求項5に記載の画像表示装置。
  7. 第1光偏向手段の内部には、複数の半透過膜が設けられており、
    第1光偏向手段の厚さ方向において、複数の半透過膜の一部が欠如している請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  8. 第1光偏向手段において、第1ミラーから出射された光ビームが入射する光入射面に対して最も遠い所に位置する光出射面の部分から光入射面に向かって所定の領域に位置する複数の半透過膜の光出射面に面する部分が欠如している請求項7に記載の画像表示装置。
  9. 第1光偏向手段において、第1入射角の最大値をθI-1-max、第1ミラーから出射された光ビームが第1入射角最大値θI-1-maxで光入射面に入射するときの光ビーム入射点と光出射面との間の距離をL10、光入射面と光出射面の交点を原点とし、光出射面内で軸線に沿った原点からの距離をL1としたとき、
    1=L10・cot(θI-1-max
    よりも以遠の領域に位置する複数の半透過膜の光出射面に面する部分が欠如している請求項8に記載の画像表示装置。
  10. 光源、及び、光源から出射された光ビームを走査する走査手段を備えた画像表示装置であって、
    走査手段は、
    (a)第1方向に延びる第1軸を回動軸として回動可能であり、光源から出射された光ビームが入射される第1ミラー、
    (b)第1方向とは異なる第2方向に沿って軸線が延びており、第1ミラーから出射された光ビームが第1入射角にて入射され、第1ミラーの回動に伴う光ビームの第1入射角に依存して第2方向と所定の第1出射角を成した平行光を出射する第1光偏向手段、
    (c)第3方向に延びる第2軸を回動軸として回動可能であり、第1光偏向手段から出射された平行光が入射される第2ミラー、及び、
    (d)第3方向とは異なる第4方向に沿って軸線が延びており、第2ミラーから出射された平行光が第2入射角にて入射され、第2ミラーの回動に伴う平行光の第2入射角に依存して第4方向と所定の第2出射角を成した平行光を出射する第2光偏向手段、
    を備えており、
    第1光偏向手段の内部には、複数の半透過膜が設けられており、
    第1光偏向手段における半透過膜は、半透過膜への光の入射角が大きくなるほど、高い光反射率を有する画像表示装置。
  11. 光源、及び、光源から出射された光ビームを走査する走査手段を備えた画像表示装置であって、
    走査手段は、
    (a)第1方向に延びる第1軸を回動軸として回動可能であり、光源から出射された光ビームが入射される第1ミラー、
    (b)第1方向とは異なる第2方向に沿って軸線が延びており、第1ミラーから出射された光ビームが第1入射角にて入射され、第1ミラーの回動に伴う光ビームの第1入射角に依存して第2方向と所定の第1出射角を成した平行光を出射する第1光偏向手段、
    (c)第3方向に延びる第2軸を回動軸として回動可能であり、第1光偏向手段から出射された平行光が入射される第2ミラー、及び、
    (d)第3方向とは異なる第4方向に沿って軸線が延びており、第2ミラーから出射された平行光が第2入射角にて入射され、第2ミラーの回動に伴う平行光の第2入射角に依存して第4方向と所定の第2出射角を成した平行光を出射する第2光偏向手段、
    を備えており、
    第2光偏向手段の内部には、複数の半透過膜が設けられており、
    第2光偏向手段における半透過膜は、半透過膜への光の入射角が大きくなるほど、高い光反射率を有する画像表示装置。
  12. 第1光偏向手段の内部には、複数の半透過膜が設けられており、
    第1光偏向手段における半透過膜は、半透過膜への光の入射角が大きくなるほど、高い光反射率を有する請求項11に記載の画像表示装置。
  13. 画像は、第2方向に沿ってP個、第4方向に沿ってQ個の、合計P×Q個の画素が配列されて成り、
    第2方向に沿ったP個の画素の位置に応じて第1入射角が規定され、第4方向に沿ったQ個の画素の位置に応じて第2入射角が規定される請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  14. 第1方向と第4方向とは一致しており、第2方向と第3方向とは一致しており、第1方向及び第4方向は第2方向及び第3方向と直交する関係にある請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  15. (A)観察者の頭部に装着される眼鏡型のフレーム、及び、
    (B)フレームに取り付けられた画像表示装置、
    を備えた頭部装着型ディスプレイであって、
    画像表示装置は、光源、及び、光源から出射された光ビームを走査する走査手段を備えており、
    走査手段は、
    (a)第1方向に延びる第1軸を回動軸として回動可能であり、光源から出射された光ビームが入射される第1ミラー、
    (b)第1方向とは異なる第2方向に沿って軸線が延びており、第1ミラーから出射された光ビームが第1入射角にて入射され、第1ミラーの回動に伴う光ビームの第1入射角に依存して第2方向と所定の第1出射角を成した平行光を出射する第1光偏向手段、
    (c)第3方向に延びる第2軸を回動軸として回動可能であり、第1光偏向手段から出射された平行光が入射される第2ミラー、及び、
    (d)第3方向とは異なる第4方向に沿って軸線が延びており、第2ミラーから出射された平行光が第2入射角にて入射され、第2ミラーの回動に伴う平行光の第2入射角に依存して第4方向と所定の第2出射角を成した平行光を出射する第2光偏向手段、
    を備えており、
    第1光偏向手段の内部には、複数の半透過膜が設けられており、
    第1光偏向手段の厚さ方向において、複数の半透過膜の一部が欠如している頭部装着型ディスプレイ。
  16. (A)観察者の頭部に装着される眼鏡型のフレーム、及び、
    (B)フレームに取り付けられた画像表示装置、
    を備えた頭部装着型ディスプレイであって、
    画像表示装置は、光源、及び、光源から出射された光ビームを走査する走査手段を備えており、
    走査手段は、
    (a)第1方向に延びる第1軸を回動軸として回動可能であり、光源から出射された光ビームが入射される第1ミラー、
    (b)第1方向とは異なる第2方向に沿って軸線が延びており、第1ミラーから出射された光ビームが第1入射角にて入射され、第1ミラーの回動に伴う光ビームの第1入射角に依存して第2方向と所定の第1出射角を成した平行光を出射する第1光偏向手段、
    (c)第3方向に延びる第2軸を回動軸として回動可能であり、第1光偏向手段から出射された平行光が入射される第2ミラー、及び、
    (d)第3方向とは異なる第4方向に沿って軸線が延びており、第2ミラーから出射された平行光が第2入射角にて入射され、第2ミラーの回動に伴う平行光の第2入射角に依存して第4方向と所定の第2出射角を成した平行光を出射する第2光偏向手段、
    を備えており、
    第2光偏向手段の内部には、複数の半透過膜が設けられており、
    第2光偏向手段の厚さ方向において、複数の半透過膜の一部が欠如している頭部装着型ディスプレイ。
  17. 第1光偏向手段の内部には、複数の半透過膜が設けられており、
    第1光偏向手段の厚さ方向において、複数の半透過膜の一部が欠如している請求項16に記載の頭部装着型ディスプレイ。
  18. (A)観察者の頭部に装着される眼鏡型のフレーム、及び、
    (B)フレームに取り付けられた画像表示装置、
    を備えた頭部装着型ディスプレイであって、
    画像表示装置は、光源、及び、光源から出射された光ビームを走査する走査手段を備えており、
    走査手段は、
    (a)第1方向に延びる第1軸を回動軸として回動可能であり、光源から出射された光ビームが入射される第1ミラー、
    (b)第1方向とは異なる第2方向に沿って軸線が延びており、第1ミラーから出射された光ビームが第1入射角にて入射され、第1ミラーの回動に伴う光ビームの第1入射角に依存して第2方向と所定の第1出射角を成した平行光を出射する第1光偏向手段、
    (c)第3方向に延びる第2軸を回動軸として回動可能であり、第1光偏向手段から出射された平行光が入射される第2ミラー、及び、
    (d)第3方向とは異なる第4方向に沿って軸線が延びており、第2ミラーから出射された平行光が第2入射角にて入射され、第2ミラーの回動に伴う平行光の第2入射角に依存して第4方向と所定の第2出射角を成した平行光を出射する第2光偏向手段、
    を備えており、
    第1光偏向手段の内部には、複数の半透過膜が設けられており、
    第1光偏向手段における半透過膜は、半透過膜への光の入射角が大きくなるほど、高い光反射率を有する頭部装着型ディスプレイ。
  19. (A)観察者の頭部に装着される眼鏡型のフレーム、及び、
    (B)フレームに取り付けられた画像表示装置、
    を備えた頭部装着型ディスプレイであって、
    画像表示装置は、光源、及び、光源から出射された光ビームを走査する走査手段を備えており、
    走査手段は、
    (a)第1方向に延びる第1軸を回動軸として回動可能であり、光源から出射された光ビームが入射される第1ミラー、
    (b)第1方向とは異なる第2方向に沿って軸線が延びており、第1ミラーから出射された光ビームが第1入射角にて入射され、第1ミラーの回動に伴う光ビームの第1入射角に依存して第2方向と所定の第1出射角を成した平行光を出射する第1光偏向手段、
    (c)第3方向に延びる第2軸を回動軸として回動可能であり、第1光偏向手段から出射された平行光が入射される第2ミラー、及び、
    (d)第3方向とは異なる第4方向に沿って軸線が延びており、第2ミラーから出射された平行光が第2入射角にて入射され、第2ミラーの回動に伴う平行光の第2入射角に依存して第4方向と所定の第2出射角を成した平行光を出射する第2光偏向手段、
    を備えており、
    第2光偏向手段の内部には、複数の半透過膜が設けられており、
    第2光偏向手段における半透過膜は、半透過膜への光の入射角が大きくなるほど、高い光反射率を有する頭部装着型ディスプレイ。
  20. 第1光偏向手段の内部には、複数の半透過膜が設けられており、
    第1光偏向手段における半透過膜は、半透過膜への光の入射角が大きくなるほど、高い光反射率を有する請求項19に記載の頭部装着型ディスプレイ。
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