JP2011527671A - ペプチド及び癌細胞中へのキャリヤーとしてのその使用 - Google Patents

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Abstract

癌細胞中に分子又は放射性同位体を輸送するためのキャリヤーとしてのペプチドの使用が記載されており;また、前記ペプチドの修飾及びその使用も記載されている。

Description

本発明は、癌細胞の解析又は治療における診断又は治療目的に使用可能な製品の分野に関するものである。
腫瘍の発達における染色体異常の関連性は、前世紀から知られている。
しかしながら、ここ20年以内で初めて、細胞遺伝学及び分子生物学の発達により、腫瘍遺伝学の原理が明確に確認され、染色体変化がヒトにおける腫瘍の発生に重要なものとして認識された。
最近の研究では、脂肪肉腫の細胞株を調べて、その培地中において様々なタンパク質を生成して分泌することを見出した。その中でも、特に、マンガンスーパーオキシドジスムターゼ(LSA−タイプ−MnSODとして知られる)を同定し、遊離ラジカルを過酸化水素に変換することを目的とした酵素活性(全てのSODに共通する)に加えて、それを骨髄性白血病の細胞株U937で表される対応MnSODと区別するような構造的及び機能的特性を実証した。
この点において、LSA−タイプ−MnSODはLSA細胞により分泌され、一方、天然のMnSODはミトコンドリアマトリックスに局在しており、前者は、天然のMnSOD(24kDa)より有意に大きな分子量(30kDa)を有する。
更に、LSA−タイプ−MnSODを生体内又は生体外に注入する場合には、それは、全細胞に達することができ、そこに存在する遊離ラジカルと反応するとき、過酸化水素を生成する。しかしながら、腫瘍細胞は、十分な量のカタラーゼを有しておらず、この過酸化物を代謝することができないため、腫瘍細胞においては、正常細胞と比べて容易に毒性閾値に達する。これは、優先的な増殖の抑制及び腫瘍細胞死のみの増加をもたらす。この側面は、LSA−タイプ−MnSODが腫瘍細胞に対して特異的で且つ選択的に細胞毒性を示すことを確認する。
また、特異的cDNAクローンにより作られるLSA−タイプ−MnSODの組換え形態(rMnSOD)は、天然タンパク質の構造的特性及びオンコ毒性(oncotoxic properties)を保持することが分かっており、その上、抽出LSA−タイプ−MnSOD及びrMnSODの両方は、MnSODのリーダー配列に正確に対応する24残基のペプチドをN−末端に有している。
(発明の概要)
(a−d)は、シスプラチン単独(d)、rMnSODのリーダーペプチドに結合したシスプラチン(c)、及び負の対照(a)と比較したrMnSODのリーダーペプチド単独(b)の各種細胞株に対する作用を示す。 アポトーシスBax遺伝子は、rMnSOD−Lp−CCの存在下で処理した腫瘍細胞においてのみ活性があることを示す。
現在、rMnSODのリーダーペプチドを表し、また上記との類似点を考慮してLSA−タイプ−MnSODのリーダーペプチドをも表す配列:
MLSRAVCGTSRQLAPALGYLGSRQ(配列番号1)
のペプチドが、癌細胞に侵入することができ、それ故に、前記細胞中に、治療又は診断目的に使用可能な分子又は放射性同位体を輸送するキャリヤーとして作用することができることを驚くべきことに見出した。
更なる実施態様によれば、本発明はまた、上記ペプチド(配列番号1)と同様にキャリヤーとして作用することもできる配列:
MLSRAVC(配列番号2)
のペプチドに関するものである。
その上、本発明はまた、先に記載したヘプタペプチド中にシステインを挿入するか(N−末端メチオニンに結合させるか)又は前記メチオニンをシステインで置換し、環化させ、挿入された前記システインと既に存在しているシステインとの間にジスルフィド架橋を形成させることによって得られるペプチドに関するものであり;従って、前記ペプチドは、以下の配列:
CMLSRAVC(配列番号3)
CLSRAVC(配列番号4)
をそれぞれ有しており、ここで、二つの末端システインは、ジスルフィド架橋により結合している。
また、本発明は、上記のようなリーダーペプチドの、放射性同位体を結合することが可能なキレート基(DOTA、DTPA、NOTA、HYNIC等)と、フルオレセイン、ローダミン等の色素、即ち、シスプラチン、タキソール、ファルモルビシン等の細胞増殖抑制作用を有する分子、又は有糸分裂シグナルの伝達を防止することが可能なキナーゼ阻害剤等の酵素活性を有する分子と、またアンチセンス・オリゴヌクレオチド(o.n.)との複合体に関するものである。
更に、必要であれば、シスプラチンに既に結合しているリーダーペプチド(配列番号1)(以下、rMnSOD−Lp−CCという錯体)を更に生体高分子に又はリポソームと共に結合でき、経口投与又は皮下投与によって抗腫瘍治療を行うのに使用することができる。
従って、本発明はまた、rMnSOD−Lp−CCの放出制御のための製剤に関するものである。前記製剤は、例えば、ヒアルロン酸、PEG、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)、並びに医薬品業界において十分に確立された使用の他の生分解性及び生体適合性コポリマーのような生分解性物質のミクロスフェアを含むことができる。
PLGAを使用する場合、異なる乳酸−グリコール酸比(75:25及び50:50)及び異なる分子量を有し、親水性を変化させるPLGAsを、ポリマーの特性がどのようにミクロスフィアの特性に影響を及ぼすのかを評価する目的で利用することができ;例えば、Resomer(登録商標)RG 504 H及びResomer(登録商標)RG 756(又はそれらの等価物)を使用でき、それぞれは固有粘度が0.5及び0.8dl/gであり、分子量(Mw)が20,000及び89,000Daである。
上記したものと同様に、DOTAに結合し、生体高分子又はリポソームに結合しているリーダーペプチドは、ナノ技術プロセス用の分子キャリヤーとして使用することもでき、その方法は、US FDAにより既に承認されている。
更に、rMnSOD−Lp−CCは、rMnSOD−Lp−CCを用いた抗腫瘍治療が腫瘍に効果を及ぼすかどうかを理解するため、(免疫細胞化学的技術による)予測試験を行うのに使用できる。
この点において、腫瘍の組織学的クリオスタット切片をrMnSOD−Lp−CCで60分間処理し、ザンボニ液で固定した後、rMnSODに対する抗体で処理する場合、腫瘍組織細胞がrMnSOD−Lp−CCを取り込んだかどうかを確認し得る。
肯定的な結果は、rMnSOD−Lp−CCを腫瘍に冒された生物中に注入する場合、それが腫瘍に達し、それを破壊することを意味する。
その上、腫瘍細胞に侵入するrMnSOD−Lp−CCの能力及び該細胞のエストロゲン受容体の存在を比較することによって、記載した免疫細胞化学的解析を用い、かかる腫瘍のエストロゲン受容体の発現の程度を決定することが可能である。
従って、本発明は、上記したような複合体を少なくとも一種含む、腫瘍疾患を治療するための医薬組成物と診断方法とに関するものである。
以下に示す例を踏まえて、本発明を更に理解することになる。
例1
配列MLSRAVCGTSRQLAPALGYLGSRQ(配列番号1)のペプチドの合成
マニュアル反応器において、標準的なFmoc方法論による固相合成技術を用いて、24個のアミノ酸のペプチドリーダー(配列番号1)を合成した。C18−結合シリカカラム(Vydac 218TP1010)を用いた半調製RP−HPLCにより精製を行った。ペプチドは純度が99%であり;該ペプチドの分子量を質量スペクトル及びアミノ酸解析により確認した。
例2
配列MLSRAVCGTSRQLAPALGYLGSRQ(配列番号1)のペプチドのDOTAとの複合体、及びその錯体の68Gaによる標識化
次に、ヘペス緩衝液中120℃にて15分間、放射性68Gaと共に、例1で得た合成リーダーペプチドをDOTA20μgに結合させた。次いで、標識化されたペプチドを小さなC18カラムの逆相クロマトグラフィーにより精製し、水で洗浄し、エアフローにより乾燥させた。
次いで、96%エタノール400μl中にペプチドを再び溶解させた。
酢酸/酢酸ナトリウム緩衝液又はゲンチシン酸緩衝液中において、同一のペプチドを、90Y、177Lu、111Inにより90℃で30分間標識化させた。
DOTAに結合しているrMnSODのリーダーペプチドに関する解析を行い、その生理溶液中での安定性を決定した。該ペプチドは、その物理化学的構造の変化を示さずに48時間安定していることが分かった。
例3
配列MLSRAVCGTSRQLAPALGYLGSRQ(配列番号1)のペプチドのフルオレセインとの複合体
親ペプチドMLSRAVCGTRQLAPALGYLLGSRQ及びより短いその類似体MLSRAVCのN−末端での標識化を、固相において、5(6)-カルボキシフルオレセイン(FAM)を用いた標準的なカップリング手順によって行った。
例4
配列MLSRAVC(配列番号2)のペプチドの合成
マニュアル反応器において、標準的なFmoc方法論による固相合成技術を用い、例1で得られるペプチド配列の初めの7個のアミノ酸から形成されるペプチドを合成した。C18結合シリカカラム(Vydac 218TP1010)を用いた半調製RP−HPLCにより精製を行った。ペプチドは純度が99%であり;該ペプチドの分子量を質量スペクトル及びアミノ酸解析により確認した。
例5
ペプチド配列番号2の環化
ペプチド配列MLSRAVCから、第二のシステイン残基を導入することで、2種類の環状類似体を得た:
類似体1 CMLSRAVC(配列番号3)
類似体2 CLSRAVC (配列番号4)
類似体1は、最初のペプチド配列に追加されるシステインとメチオニンで結合することにより得られる。
類似体2は、最初のペプチドのN−末端メチオニンをシステイン残基で置換することにより得られる。
末端システインの2個のSH間の結合により、ジスルフィド架橋を形成した。
環化は、0.1MのNHHCO水溶液をペプチド鎖に加え(ペプチド10mg当たり溶液10ml)、その後の周囲温度にて約48時間の単純な空気酸化により達成された。
得られた2種類の環状ペプチドをキレート剤に結合し、酢酸/酢酸ナトリウム緩衝液又はゲンチシン酸緩衝液中において、90Y、177Lu、111Inにより90℃で30分間標識化させた。
例6
例2で得られた標識化複合体1mCiを、多発性乳房腫瘍に冒された13歳の雌犬に注入した。
注入の約30分後に、ECAT 47 PETスキャナー(Siemens)によりスキャニングを始め、軸横断面、冠状面及び矢状面に従って画像を作成した。
例7
MCF−7細胞は、例3で得られた複合体、及び同様に標識化され、対照として使用される、同一のアミノ酸組成を有するが配列の異なる「スクランブル」ペプチドにより、周囲温度にて1時間別々に処理された。
処理後、共焦点顕微鏡を用いて、細胞を調べた。
例3の複合体と共にインキュベートした細胞中では、著しい細胞質の発光が見えるものの、スクランブルペプチドで処理した対照中には、発光が見られなかった;これは、標識化したペプチドは細胞中に入ることができたが、スクランブルペプチドは、細胞に侵入する前記能力を示さなかったことを実証する。
例8
シスプラチンに結合したrMnSODのリーダーペプチド錯体の合成

rMnSODのリーダーペプチドは、24個のアミノ酸からなり、配列:MLSRAVCGTSRQLAPALGYLGSRQを有しており、適切な反応管中での固相Fmoc法により合成された。
次いで、C18−結合シリカカラム(Vydac218TP1010)を用いた半調製HPLCにより、得られたサンプルを精製した。
RP−HPLC分析により確認したところ、ペプチドは純度が99%であった。
次いで、ジアミノ−エチル−グリシンを、2個の遊離アミノ官能基が適切な距離(4個の共有結合)で存在するために白金(II)イオンをPTClの形で錯体化させることのできるN−末端位置(M)にて、ペプチド残基に結合させた。質量分析及びアミノ酸配列解析によって、Stewart Jm,Young JDの方法(固相ペプチド合成)に従い、正確な分子量及びペプチド質量を調べて確認した。
例9
免疫細胞化学
ヒト由来の乳房腫瘍から得られた、連続培養中の標的細胞(MCF−7)を、(a)他の分子に結合していない24個のアミノ酸からなるrMnSOD−Lp−CCのリーダーペプチド、(b)シスプラチンに結合している24個のアミノ酸からなるリーダーペプチドの存在又は不在下において3時間インキュベートした。
インキュベーション後、該細胞を、ザンボニ固定液(4%パラホルムアルデヒド+15%ピクリン酸からなる溶液)で60分間固定し、PBSで洗浄した。次いで、内在性ペルオキシダーゼをブロックする目的で、0.3%過酸化水素を含有するPBS中に該細胞を維持した。次いで、1/200に希釈した、ポリクローナル抗体(ウサギから得られたrMnSODの抗リーダーペプチド)を細胞に加え、1時間周囲温度にて置いておいた。反応を進展させるため、DAKO SLAB ペルオキシダーゼ K0679キットを用いた。
例10
rMnSOD−リーダーペプチドにより腫瘍細胞中に輸送されたシスプラチンの原子吸光分析による定量的決定
標的細胞MCF−7をトリプシン処理し、緩衝した溶液(PBS)で2回洗浄し、35%HNO50μlにより16時間処理した。前処理温度1300℃及び原子化温度2200℃のパラメータを用い、マトリックス修飾因子としてPt0.015mgのMg(NO)0.01mgとの組成物を用いた、Perkin−Elmer,ノーウォーク,CT,USAからのAnalyst800機器による原子吸光をサンプルに受けさせることによって、白金含量を決定した。
熱分解グラファイト被覆したTHGA管(Perkin Elmer)による「ゼーマン効果の背景」補正システムを用いて測定を行い、金属定量のため、統合的Lvov型プラットホームを使用した。標準溶液として、我々は、較正曲線上に3つの基準点を得るため、2.5%のHNO溶液(Spectrascan)を使用した。
図1は、左から右へ、各種正常細胞株(MCH10)及び腫瘍細胞株(MCF7、M1735、MRC5及びA2780)の細胞をrMnSODのリーダーペプチド(b)で処理して得た結果、シスプラチンに結合しているリーダーペプチド(c)で該細胞を処理して得た結果、最後にはシスプラチン単独(d)で該細胞を処理して得た結果を、それぞれの未処理対照細胞(a)と比較しながら示す。免疫組織化学反応は、ペプチド自体は細胞を損傷せずに腫瘍細胞に侵入するものの、シスプラチンに結合しているペプチドは、たった3時間のインキュベーションの後に強力なアポトーシス反応を生じることを実証した。
以下に示す表1から分かるように、rMnSODのリーダーペプチドは、細胞中に、多量のシスプラチンを輸送することができ、シスプラチンを単独で腫瘍細胞に加えた場合に細胞に入る量を2倍にする。
図2は、各種細胞株に対するrMnSOD−Lp−CC錯体のアポトーシス作用を確認する。
明らかなように、rMnSOD−Lp−CC存在下での全正常細胞の処理は、アポトーシス反応の発現であるBax遺伝子発現の欠如により実証されたように、いずれの毒性作用も誘発しない。これは、rMnSOD−Lp−CCの存在下で処理された腫瘍細胞中で起こる、同一の遺伝子が強く発現することと対照的である。実験では、定量的なDNA発現の対照としてアクチンcDNAを挿入した;この場合にも、(a)は未処理細胞を示し、(b)はrMnSODのリーダーペプチド(b)で処理した細胞を示し、(c)はシスプラチンに結合しているリーダーペプチドで処理した細胞を示す。

Claims (19)

  1. 癌細胞を標的にするキャリヤーとしての、配列MLSRAVC(配列番号2)を含有するペプチドの使用。
  2. 前記ペプチドが、配列MLSRAVCGTSRQLAPALGYLGSRQ(配列番号1)を有することを特徴とする請求項1に記載の使用。
  3. 癌細胞を標的にするキャリヤーとしての、配列MLSRAVC(配列番号2)からなるペプチドの使用。
  4. 配列MLSRAVC(配列番号2)を有するペプチド。
  5. 配列CMLSRAVC(配列番号3)及びCLSRAVC(配列番号4)を有してなり、二つの末端システインがジスルフィド架橋により結合していることを特徴とするペプチド。
  6. 配列MLSRAVCGTSRQLAPALGYLGSRQ(配列番号1)のペプチド又は請求項4若しくは5に記載のペプチド、及び放射性同位体に結合可能なキレート基を持つ分子、色素、細胞増殖抑制作用を有する分子、酵素活性を有する分子、アンチセンス・オリゴヌクレオチド(o.n.)を備える複合体。
  7. 前記キレート基を持つ分子が、DOTA、DTPA、NOTA又はHYNICであることを特徴とする請求項6に記載の複合体。
  8. 前記色素が、フルオレセイン又はローダミンであることを特徴とする請求項6に記載の複合体。
  9. 前記細胞増殖抑制作用を有する分子が、シスプラチン、タキソール及びファルモルビシンから選択されることを特徴とする請求項6に記載の複合体。
  10. 前記細胞増殖抑制作用を有する分子がシスプラチンであることを特徴とする請求項9に記載の複合体。
  11. 前記酵素活性を有する分子が、有糸分裂シグナルの伝達を防止することが可能なキナーゼ阻害剤であることを特徴とする請求項6に記載の複合体。
  12. 診断薬としての、請求項6〜8のいずれかに記載の複合体の使用。
  13. 腫瘍疾患を治療するための医薬組成物を調製するための、請求項6〜11のいずれかに記載の複合体の使用。
  14. 生体高分子又はリポソームと共にDOTAに結合している可能性があるrMnSOD−Lp−CC錯体からなる複合体。
  15. rMnSOD−Lp−CC複合体の放出制御のための製剤であって、前記複合体が配合された生分解性物質のミクロスフェアを備える製剤。
  16. 前記生分解性物質が、ヒアルロン酸、PEG、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)、並びに医薬品業界において十分に確立された使用の他の生分解性及び生体適合性コポリマーから選択されることを特徴とする請求項14に記載の製剤。
  17. ナノ技術プロセス用の分子キャリヤーとしての、請求項14に記載の複合体の使用。
  18. 抗腫瘍治療の作用による予知診断のためのrMnSOD−Lp−CC複合体の使用。
  19. 腫瘍のエストロゲン受容体の発現の程度を決定するためのrMnSOD−Lp−CC複合体の使用。
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