肺においては、mAChRは、気管および気管支中の平滑筋、粘膜下腺、ならびに副交感神経節に局在している。ムスカリン性受容体の密度は副交感神経節において最も高く、粘膜下腺から気管平滑筋、更に気管支平滑筋へかけて減少する。ムスカリン性受容体は、肺胞においてはほぼ存在しない。肺におけるmAChRの発現および機能の総説については、Fryer and Jacoby(1998 Am J Respir Crit Care Med 158(5, pt3)S154-60)を参照されたい。
肺においては、mAChRの三つのサブタイプ、M1、M2、およびM3mAChR、が重要なものとして同定されている。M3mAChRは気道平滑筋に存在し、筋収縮を媒介する。M3mAChRを刺激すると、刺激性Gタンパク質Gq/11(Gs)の結合を介して酵素ホスホリパーゼCが活性化され、ホスファチジルイノシトール−4,5−二リン酸が放出され、収縮性タンパク質のリン酸化が生じる。M3mAChRは、肺の粘膜下腺上にも見られる。このM3mAChRの集団を刺激により、粘液分泌が生じる。
M2mAChRは、気道平滑筋におけるコリン作動性受容体の集団の約50〜80%を構成している。正確な機能については未だ分かっていないが、M2mAChRは、cAMP生成の阻害を介して気道平滑筋のカテコールアミン作動性弛緩を阻害する。ニューロン性M2mAChRは、節後性交感神経に存在する。正常な生理学的条件下においては、ニューロン性M2mAChRは、副交感神経からのアセチルコリン放出の厳密な制御を提供する。阻害性M2mAChRは、いくつかの種の肺中の交感神経上においても明らかにされている。これらの受容体はノルアドレナリンの放出を阻害し、これにより肺への交感神経入力を減少させる。
M1mAChRは肺の副交感神経節に見られ、そこでは神経伝達を高める働きをする。これらの受容体は末梢肺実質にも局在しているが、かかる実質組織における機能は未知である。
肺におけるムスカリン性アセチルコリン受容体の機能障害は、種々の異なる病態生理学的状態において注目されている。特に、喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)において、炎症状態は、肺平滑筋を供給する副交感神経における阻害性M2ムスカリン性アセチルコリン自己受容体の機能損失につながり、迷走神経の刺激に続くアセチルコリン放出の増加の原因となる(Fryer et al. 1999 Life Sci 64(6-7)449-55)。このmAChRの機能障害は、M3mAChRの刺激増加によって媒介される気道の反応性亢進および応答性亢進を引き起こす。
近年の文献は、肺における非ニューロン性コリン作動系に注目しており、喘息やCOPD等の呼吸器疾患での免疫調節性および起炎性機能の媒介におけるムスカリン性受容体の役割が、新たに支持されている。コリン作動性シグナル伝達のための多くの構成要素は、肺の炎症性および常在細胞中に含まれることが報告されており、これら構成要素には、リンパ球、肺胞マクロファージ、肥満細胞および上皮細胞上でのムスカリン性受容体の発現が含まれる。現在、アセチルコリンが宿主防衛および気道炎症において複合的な役割を有することを示唆する多数の証拠が存在するため、アセチルコリンが単なる副交感神経系の神経伝達物質であるとの見方には、異議が唱えられている。総説については、Gwilt et al., 2007 (Gwilt CR. et al., The non-neuronal cholinergic system in the airways: An unappreciated regulatory role in pulmonary inflammation? Pharmacol.Ther. 2007; 115: 208-222)、およびKummer & Lips 2006 (Kummer W and Lips KS. Non-neuronal acetylcholine release and its contribution to COPD pathology. Drug Discovery Today: Disease Mechanisms 2006; 3:47-52)を参照されたい。この新たな科学の結果が意味するのは、抗コリンアンタゴニストが、抗炎症活性および疾患修飾活性、更に気管支拡張薬剤としての確立された有用性をもって、呼吸器疾患に対する一層広範囲の治療の可能性を有しているということである。
COPDは、慢性気管支炎、慢性細気管支炎および肺気腫を含む種々の進行性健康障害を包含する曖昧な語であるが、COPDは世界における死亡や罹患の主因である。喫煙は、COPDの発生の主要な危険因子である。米国だけでも約5千万人がタバコを吸っており、毎日推定で3000人が新たにこの習慣を始めている。その結果、2020年までに、COPDは、世界的な健康負荷として上位5位以内にランクされると予測されている。現在のところ、吸入による抗コリン作動性治療が、COPDに対する一次治療としての「標準(gold standard)」であると考えられている(Pauwels et al. 2001 Am. J. Respir. Crit. Care Med. 163:1256-1276)。
気道過反応性疾患の治療のための抗コリン作動性治療の使用を支持する多数の証拠があるにもかかわらず、肺の徴候についての診察に使用可能な抗コリン作動性化合物は比して殆ど無い。臭化イプラトロピウム(アトロベント(登録商標)およびコンビベント(登録商標)、アルブテロールとの組み合わせで)は、気道過反応性疾患の治療用に販売されている数少ない吸入による抗コリン作動薬の一つである。この化合物は強力な抗ムスカリン剤であるものの、短時間作用型であり、それ故、COPD患者に快方を提供するためには、1日に4回も投与しなければならない。近年多くの国々で、長時間作用型抗コリン作動性臭化チオトロピウム(スピリーバ(登録商標))が認可されてきている。
mAChRは体中に広く分布しているため、抗コリン作動薬を呼吸気道へ局在的におよび/または局所的に適用する能力は、使用される薬物の用量を少なくすることができるであろうため、特に有益である。更に、長時間に亘って作用する、特に受容体または肺のいずれかに保持される局所的に活性な薬物を設計する能力が、全身的な抗コリン作動薬の使用で見られる場合がある望ましくない副作用の回避を可能にするであろう。
国際公開公報2005/095407号にも、上記に同様の、抗ムスカリン性受容体活性を有する二量体の二環式アミン誘導体が開示されており、ここではとりわけ、Xが式(d)、式(e)、または式(f)の基である:
構造が二量体ではない他のmAChRアンタゴニストは、国際公開公報2004/012684号、国際公開公報2005/009439号、国際公開公報2005/09362号、国際公開公報2005/09440号、国際公開公報2005/037280号、国際公開公報2005/037224号、国際公開公報2005/046586号、国際公開公報2005/055940号、国際公開公報2005/055941号、国際公開公報2005/067537号、国際公開公報2005/087236号、国際公開公報2005/086873号、国際公開公報2005/094835号、国際公開公報2005/094834号、国際公開公報2005/094251号、国際公開公報2005/099706号、国際公開公報2005/104745号、国際公開公報2005/112644号、国際公開公報2005/118594号、国際公開公報2006/005057号、国際公開公報2006/017767号、国際公開公報2006/017768号、国際公開公報2006/050239号、国際公開公報2006/055503号、国際公開公報2006/055553号、国際公開公報2006/062931号、国際公開公報2006/062883号、国際公開公報2006/065788号、国際公開公報2006/065755号、国際公開公報2007/018514号、国際公開公報2007/018508号、国際公開公報2007/016639号、国際公開公報2007/016650号、および国際公開公報2007/022351号に見出される。
NVA237(グリコピロレート)グリコピロレートまたは臭化グリコピロニウムは、抗コリン特性および抗ムスカリン特性を有する第四級アンモニウム誘導体であり、COPDの1日1回の治療用にNovartis社が開発したものである。
臭化アクリジニウムとしても公知のLAS−34273は、Almirall社が独自に開発した第四級アンモニウム抗コリン作動性ムスカリン性M3アンタゴニストであり、COPDの治療について第三相開発段階にあると考えられる。
PDE4部分に関しては、米国特許第3,979,399号公報、米国特許第3,840,546号公報、および米国特許第3,966,746号公報(E.R.Squibb&Sons社)には、ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボキサミドの4−アミノ誘導体が開示されており、ここでは、かかる4−アミノ基であるNR3R4は非環式アミノ基であり得、該式中、R3およびR4はそれぞれ、水素低級アルキル(例えば、ブチル)、フェニル等であってよく、あるいは、NR3R4は、ピロリジノ、ピペリジノおよびピペラジノ等の3〜6員複素環基であり得る。かかる化合物は、精神安定剤、鎮痛剤および血圧降下剤として有用な中枢神経抑制薬として開示されている。
米国特許第3,925,388号公報、米国特許第3,856,799号公報、米国特許第3,833,594号公報、および米国特許第3,755,340号公報(E.R.Squibb&Sons社)には、ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボン酸およびエステルの4−アミノ誘導体が開示されている。かかる化合物は、抗炎症および鎮痛特性を有する、精神安定剤またはトランキライザーとして有用な中枢神経抑制薬として言及されている。かかる化合物は、アデノシン−3’,5’−環状一リン酸の細胞内濃度を増加させ、喘息の症状を緩和するものとして言及されている。
H. Hoehn et al., J. Heterocycl. Chem., 1972, 9(2), 235-253には、4−ヒドロキシ、4−クロロ、4−アルコキシ、4−ヒドラジノおよび4−アミノ置換基を有する、一連の1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボン酸誘導体が開示されている。同文献にはエチル4−(n−ブチルアミノ)−1−エチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]−ピリジン−5−カルボキシレートが開示されており、この化合物はカルタゾラートである。
化合物トラカゾラート(エチル4−(n−ブチルアミノ)−1−エチル−6−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]−ピリジン−5−カルボキシレート)は、抗不安薬として公知である(例えば、J.B. Patel et al., Eur. J. Pharmacol., 1982, 78, 323を参照されたい)。他の1−置換4−(NH2またはNH−アルキル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]−ピリジン−5−カルボン酸エステルおよびアミドは、潜在的な抗不安薬として、T.M. Bare et al., J. Med. Chem., 1989, 32, 2561-2573に開示されている。
カナダ特許第1003419号公報、スイス特許第553799号公報、およびT.Denzel, Archiv der Pharmazie, 1974, 307(3), 177-186には、1位において置換されていない4,5−二置換1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンが開示されている。
特開2002−20386号公報のかかる化合物は、PDE4阻害活性を有し、炎症性疾患および他の多数の疾患の予防ならびに/または治療において有用であるものとして記載されている。
欧州特許公開第0076035号(ICI Americas社)には、不安状態や緊張状態を軽減するためのトランキライザーまたは精神安定剤として有用な中枢神経抑制薬として、ピラゾロ[3,4−b]ピリジン誘導体が開示されている。
J.W. Daly et al., Med. Chem. Res., 1994, 4, 293-306およびD. Shi et al., Drug Development Research, 1997, 42, 41-56には、エチル4−シクロペンチルアミノ−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボキシレートを含む一連の4−(アミノ)置換1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボン酸誘導体、ならびにそれらのA1−アデノシン受容体およびA2A−アデノシン受容体における親和性と拮抗活性が開示されており、後者の論文には、GABAA−受容体チャネルの種々の結合部位における親和性が開示されている。S. Schenone et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 2001, 11, 2529-2531およびF. Bondavalli et al., J. Med. Chem., 2002, 45(22), pp. 4875-4887には、A1−アデノシン受容体リガンドとして、一連の4−アミノ−1−(2−クロロ−2−フェニルエチル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステルが開示されている。
H. de Mello, A. Echevarria, et al., J. Med. Chem., 2004, 47(22), 5427-5432には、潜在的な抗リーシュマニア薬物として、3−メチルまたは3フェニル4−アニリノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン5−カルボン酸エステルが開示されている。
国際公開公報2004/056823A1(2003年12月19日付で出願され、2004年7月8日付で公開されたPCT/EP2003/014867号公報、Glaxo Group Limited社)は、引用することによりその全体をあたかも完全に説明されたものとして本明細書の開示の範囲とされる。該公報においては、4−NR3R3a基(R3aは、好ましくはHである)およびピラゾロ[3,4−b]ピリジンの5位においてHet基を有するピラゾロ[3,4−b]ピリジン化合物またはその塩が開示、特許請求されており、ここでは、Hetは通常、5員の場合により置換されていてもよいヘテロアリール基である。
国際公開公報2004/056823A1号にはまた、これら化合物の、とりわけCOPD、喘息、もしくはアレルギー性鼻炎の治療および/または予防のためのPDE4阻害薬としての使用も開示されている。
国際公開公報2004/024728A2号(2003年9月12日付で出願され、2004年3月25日付で公開されたPCT/EP2003/011814号公報、Glaxo Group Limited)には、以下の一般式を有するピラゾロ[3,4−b]ピリジンが開示されている。
国際公開公報2004/024728A2号には、ピラゾロ[3,4−b]ピリジン化合物がPDE4の阻害薬として開示されている。国際公開公報2004/024728号および国際公開公報2004/056823号は、Expert Opin. Ther. Patents, 2005 (January edition), 15(1), 111-114において記載されている。
国際公開公報2005/058892A1号(2004年12月17日付で出願され、2005年6月30日付で公開されたPCT/EP2004/014490号公報、Glaxo Group Limited社)には、COPD、喘息、関節リウマチ、アレルギー性鼻炎もしくはアトピー性皮膚炎等の炎症性またはアレルギー性疾患の治療用のPDE4阻害薬として、ピラゾロ[3,4−b]ピリジン化合物を使用することが開示されている。
更に、ピラゾロ[3,4−b]ピリジン化合物およびそれらのPDE4阻害薬としての使用は、国際公開公報2005/090353A1号(PCT/GB2005/000976号公報)、国際公開公報2005/090348A1号(PCT/GB2005/000983号公報)、国際公開公報2005/090354A1号(PCT/GB2005/000987号公報)および国際公開公報2005/090352A1号(PCT/EP2005/003038号公報)(以上全てGlaxo Group Limited社による特許出願)にも開示されている。PCT/EP2005/003038号公報、PCT/GB2005/000987号公報、およびPCT/GB2005/000983号公報は全て、2005年3月15日付で出願されている。
それに続く二つの論文は、鉛化合物のインビトロ・プロファイルおよび鼻腔内投薬後のインビボ活性について記載している:Provins, L., et al., Bioogranic & Medicinal Chemistry Letters, 16: 1834-1839 (2006)およびProvins, L. et al., Bioogranic & Medicinal Chemistry Letters, 17:3007-3080 (2007)。かかる鉛化合物は有望ではあるが、データは、その鉛化合物が、各分子標的に最適化された化合物によって示されるインビボ・プロファイルを可能にするであろうインビトロ・プロファイルを示さないことを実証している。
したがって、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、または鼻炎(例えば、アレルギー性鼻炎)、アトピー性皮膚炎や乾癬等の炎症性もしくはアレルギー性疾患などの呼吸器疾患の治療および/または予防のために、PDE4阻害活性とムスカリン性拮抗活性を組み合わせた強度と利点の両方を有する化合物への必要性が、いまだに存在するといえる。本発明は、両活性を有する二重ファルマコフォア(dual pharmacophore)を提供する、新規な概念に関するものである。
本発明は、式(I)の新規化合物、ならびに式(I)の化合物を含んでなる医薬組成物および薬理学上許容される担体または希釈剤を提供する。
式(I)の化合物は下記構造式により表され:
(式中、
LINKは、((CReRe)s3−(CRf=CRf)v1−(CRgRg))s4−X
3−((CReRe)t2−(CRf=CRf)v2−(CRgRg))t3であり、
X
1は、酸素またはN(R
4a)であり、
X
3は、場合により置換されていてもよいヘテロアリール環であり、、
R
4aは、水素、メチル、またはエチルであり、
R
5aは、水素、メチル、またはエチルであり、
Zは、C(O)、S(O)q、C(O)NH、およびC(O)Oからなる群より選択され、
Z1は、C(O)、S(O)q、HNC(O)、およびOC(O)からなる群より選択され、
nは、1、2、または3の整数であり、
mは、0または1〜2の整数であり、
qは、0または1〜2の整数であり、
vは、1〜5の整数であり、
v1は、0または1〜5の整数であり、
v2は、0または1〜5の整数であり、
s3は、0または1〜5の整数であり、
s4は、0または1〜5の整数であり、
t2は、0または1〜5の整数であり、
t3は、0または1〜5の整数であり、
Re、Rf、およびRgは、水素またはC
1−4のアルキルからそれぞれ独立して選択され、
R
1は、C
1−3アルキル、−CH
2−C
1−2フルオロアルキル、および−CH
2CH
2OHからなる群より選択され、
R
2は、水素原子、C
1−4アルキル、C
1−2フルオロアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、および(シクロプロピル)メチル−からなる群より選択され、
R
3は、場合により置換されていてもよいC
4−7シクロアルキル、場合により置換されていてもよいモノ−不飽和−C
5−7シクロアルケニル、場合により置換されていてもよい部分式(aa)、(bb)、または(cc)の複素環基ならびに部分式(dd)および(ee)の二環基からなる群より選択され、
n
1は、1または2の整数であり、
n
2は、1または2の整数であり、
Yは、O、S、SO
2、またはNR
10aであり、
R
10aは、水素原子(H)、メチル、C(O)NH
2、C(O)−メチル、またはC(O)−C
1フルオロアルキルであり、
Y
1、Y
2、およびY
3は、独立してCH
2または酸素であり、ただし、Y
1、Y
2、およびY
3の一つ以下が酸素であり、
そして、ここでR
3がC
4−7シクロアルキルの場合、R
3は環炭素上でオキソ(=O)、OH、メトキシ、C
1フルオロアルコキシ、NH
2、C
1−2アルキル、
C
1フルオロアルキル、−CH
2OH、−CH(Me)OH、−CH
2CH
2OH、−CH
2NH
2、−C(O)OH、−C(O)NHR
24、ここでR
24がHまたはメチルであり、−C(O)メチル、フルオロ、ヒドロキシイミノ(=N−OH)、または(C
1−2アルコキシ)イミノ(=N−OR
26、ここでR
26は、C
1−2アルキル)から独立して選択される一または二つの置換基により置換されていてもよく、
そして、ここでいずれのOH、メトキシ、フルオロアルコキシまたはNH
2置換基も、式(I)の−NH−基に結合するR
3環炭素に結合しておらず、C
4−7シクロアルキルの環炭素上の、いずれのOH、メトキシ、フルオロアルコキシ、−CH
2OH、−CH(Me)OH、−CH
2CH
2OH、−CH
2NH
2、または−C(O)OH置換基も、R
3シクロブチル環の3位、または、R
3シクロペンチル環の3−もしくは4位、または、R
3シクロヘキシル環の3−、4−、もしくは5位、または、R
3シクロヘプチル環の3−、4−、5−、もしくは6位にあり、
そして、C
4−7シクロアルキルが環炭素上で−C(O)NHR
24または−C(O)メチル置換基に置換されている場合、置換はR
3シクロブチル環の3位において、または、R
3シクロペンチル環の3−もしくは4位において、または、R
3シクロヘキシル環の4位において、または、R
3シクロヘプチル環の3−、4−、5−、もしくは6位においてであり(ここで、この結合において、該R
3シクロアルキル環の該1位は式(I)中の−NH−への結合点、すなわち、式(I)中の−NH−へ結合している環原子である)、
そして、ここで、R
3が場合により置換されていてもよい、部分式(aa)、(bb)、または(cc)の複素環基である場合、R
3は、環炭素上で場合により一または二つのオキソ(=O)置換基で場合により置換されていてもよい部分式(aa)、(bb)、または(cc)複素環基であり、
そして、ここでR
3が場合により置換されていてもよいモノ−不飽和−C
5−7シクロアルケニルの場合、該シクロアルケニルは環炭素上で場合によりフルオロまたはメチルである一つの置換基により置換されていてもよく、そして、該式(I)の−NH−基に結合しているR
3環炭素は、シクロアルケニル二重結合に参加しておらず、
Ar
1およびAr
2は独立して、場合により置換されていてもよいフェニルおよび場合により置換されていてもよい単環式ヘテロアリールからなる群より選択され、
R
6は、NR
7R
8であり、または部分式(ff)、(gg)、(hh)、(ii)、(jj)、(kk)、(ll)、(mm)、もしくは(nn)の複素環基であり:
R
6は、一もしくは二つの窒素を含む場合により置換されていてもよいC5−C7員環、または一もしくは二つの窒素を含む対応する二環式環であり、
R
9は、水素、場合により置換されていてもよいC
1−6アルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC
1−2アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、場合により置換されていてもよいヘテロアリールC
1−2アルキル、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C
1−2アルキル、およびC(O)C
1−2アルキルからなる群より選択され、
R
9aは、水素、場合により置換されていてもよいC
1−6アルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC
1−2アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、場合により置換されていてもよいヘテロアリールC
1−2アルキル、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C
1−2アルキル、およびC(O)C
1−2アルキルからなる群より選択され、
Rdは、それぞれ、水素、ヒドロキシ、場合により置換されていてもよいC
1−6アルキル、アミノ、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC
1−2アルキル、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C
1−2アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、場合により置換されていてもよいヘテロアリールC
1−2アルキル、=O、C(O)C
1−2アルキル、OC(O)R
17、およびC(O)N(R
10)
2からなる群より独立して選択され、
R
15およびR
16は、水素またはC
1−4アルキルからそれぞれ独立して選択され、
R
17は、それぞれ、場合により置換されていてもよいC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいC3−7シクロアルキル、場合により置換されていてもよいC
3−7シクロアルキルC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC
1−4アルキル、複素環、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、および場合により置換されていてもよいヘテロアリールC
1−4アルキルからなる群より独立して選択され、
R
aは、それぞれ、水素、場合により置換されていてもよいC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいC
3−7シクロアルキル、場合により置換されていてもよいC
3−7シクロアルキル−C
1−4アルキル、C
1−4アルコキシ、NR
15R
16C
1−4アルキル、S(O)
qC
1−4アルキル、=O、−CH(O)、C(O)
2C
1−4アルキル、C(O)N(R
10)
2、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、および場合により置換されていてもよいヘテロアリールC
1−4アルキルからなる群より独立して選択され、
R
a1は、それぞれ、水素、ハロゲン、場合により置換されていてもよいC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいC
3−7シクロアルキル、場合により置換されていてもよいC
3−7シクロアルキルC
1−4アルキル、C
1−4アルコキシ、NR
15R
16、NR
15R
16C
1−4アルキル、S(O)
qC
1−4アルキル、ヒドロキシ、=O、−CH(O)、C(O)
2C
1−4アルキル、OC(O)R
17、C(O)N(R
10)
2、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、および場合により置換されていてもよいヘテロアリールC
1−4アルキルからなる群より独立して選択され、
R
bは、それぞれ、水素、場合により置換されていてもよいC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいC
3−7シクロアルキル、場合により置換されていてもよいC
3−7シクロアルキルC
1−4アルキル、C
1−4アルコキシ、NR
15R
16C
1−4アルキル、S(O)
qC
1−4アルキル、=O、−CH(O)、C(O)
2C
1−4アルキル、C(O)N(R
10)
2、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、および場合により置換されていてもよいヘテロアリールC
1−4アルキルからなる群より独立して選択され、
R
b1は、それぞれ、水素、ハロゲン、場合により置換されていてもよいC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいC
3−7シクロアルキル、場合により置換されていてもよいC
3−7シクロアルキルC
1−4アルキル、C
1−4アルコキシ、NR
15R
16、NR
15R
16C
1−4アルキル、S(O)
qC
1−4アルキル、ヒドロキシ、=O、−CH(O)、C(O)
2C
1−4アルキル、OC(O)R
17、C(O)N(R
10)
2、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、および場合により置換されていてもよいヘテロアリールC
1−4アルキルからなる群より独立して選択され、
R
cは、それぞれ、水素またはC
1−4アルキルから独立して選択され、
R
10は、それぞれ、水素またはC
1−4アルキルから独立して選択され、
R
13aは、水素またはC
1−2アルキルから選択され、
R
13は、水素、C
1−2アルキル、−CH
2OH、−CH(CH
3)OH、−CH
2CH
2OH、OH、および=Oからなる群より独立して選択され、
Xは、(C(R
13))
pまたは(CR
eR
e)
s1−X
2−(CR
fR
f)
s2であり、
X
2は、NR
13a、O、S(O)m、またはC(O)であり、
sは、0、1、または2の整数であり、
s1は、0または1〜2の整数であり、
s2は、0または1〜2の整数であり、ただし、R
6が部分式(ff)、(ii)、(jj)および(ll)の複素環基であり、X
2がNR
13a、O、またはS(O)mであり、mが0または1である場合、s2が1または2であるか、Xが(CH(R
13))pであり、
pは、1または2の整数であり、
tは、1〜4の整数であり、
t1は、0または1〜4の整数であり、
R
11およびR
12は独立して、水素またはC
1−4アルキルから選択され、
R
4およびR
5は、水素、場合により置換されていてもよいC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいC
3−C
7シクロアルキル、場合により置換されていてもよいC
3−C
7シクロアルキルC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいアルケニル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、および場合により置換されていてもよいヘテロアリールC
1−4アルキルからなる群よりそれぞれ独立して選択され、
R
7は、水素または場合により置換されていてもよいC
1−4アルキルから選択され、
R
8は、(CR
d1R
d1)
t−NR
11R
12、または(CR
d1R
d1)
t1−R
14であり、
R
d1は、それぞれ、水素、場合により置換されていてもよいC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、および場合により置換されていてもよい複素環からなる群より独立して選択され、そして、
R
14は、C
1−4アルキル、C
3−C
6シクロアルキル、場合により置換されていてもよい複素環、および場合により置換されていてもよいヘテロアリール部分からなる群より選択される)、
またはその薬学上許容される塩である。
本発明は、有効量の式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩を、治療を必要とする哺乳動物に投与することを含んでなる、アセチルコリンがムスカリン性アセチルコリン受容体(M3mAChR)に結合するムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)媒介疾患および該化合物もPDE4アイソタイプに結合するIV型ホスホジエステラーゼ(PDE4)媒介疾患の両方を治療する方法を提供する。
式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の一つの使用は、哺乳動物における炎症性および/またはアレルギー性疾患の治療および/または予防における使用である。
本発明の化合物の範囲内にある一つ以上の具体的な化合物は、吸入による投与経路を介して二重PDE4/mAChR阻害剤として好適に使用することができる。
発明の具体的説明
本発明の化合物は、各分子標的についてバランスのとれた様式で最適化された各ファルマコフォアの属性を有する単一の化合物を提供する。生じるインビボ・プロファイルは、規定の用量範囲において、両標的における作用、例えばPDE−IVの阻害およびmAChRの拮抗性の効能と期間とを考慮する。今般、複雑な疾患原因論の少なくとも二つの局面、例えば、COPDや喘息等の疾患に見られる気管支収縮や炎症を治療するように開発可能な化合物を生産することができる。
本発明は、薬理学的な両基にわたって力価を保持する一つの分子中において、二重ファルマコフォアを有するという新規な概念に関する。本発明の別の態様は、二重性の薬理学的活性を保持することに加え、かかる化合物が商業活動用に開発可能であることである。
本発明の一つの実施形態において、かかる化合物は、好適には1日1〜4回、好ましくは一日の治療で1回または2回、それを必要とする哺乳動物に投与してよい。好適には、かかる化合物は、ファルマコフォアがその治療と既に関連付けられている疾患の治療および/または予防における使用のために、局所的にまたは(鼻や口を介した)吸入により投与される。本明細書の目的においては、局所投与は、皮膚と肺組織の両方を含む。この特定の場合、PDE4またはM3が疾患を媒介した。これは一般的に、COPD、喘息、成人呼吸促進症候群、鼻炎、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、じんま疹、アレルギー性結膜炎、乾癬、潰瘍性大腸炎またはクローン病の治療等の炎症性および/またはアレルギー性の疾患であろう。
本発明の化合物の範囲内にある一つ以上の特定の化合物は、吸入投与経路を介するPDE4/mAChR二重阻害薬として好適に使用できる。
本発明の化合物の範囲内にある一つ以上の特定の化合物は、鼻腔内投与経路を介するPDE4/mAChR二重阻害薬として好適に使用できる。
本発明の化合物の範囲内にある一つ以上の特定の化合物は、局所投与経路を介するPDE4/mAChR二重阻害薬として好適に使用できる。
式(I)の化合物において、R1は、C1−3アルキル、−CH2−C1−2フルオロアルキル、および−CH2CH2OHから好適に選択される。本発明の一つの実施形態において、R1は、メチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピル等のC1−3アルキルから好適に選択される。他の実施形態において、R1はエチルである。
好適には、R2は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチル等のC1−4アルキル、C1−2フルオロアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、または(シクロプロピル)メチル−である。本発明の一つの実施形態において、R2は、メチル、エチル、n−プロピルイソプロピル、またはn−ブチルである。本発明の他の実施形態において、R2はエチルである。
好適には、R3は、場合により置換されていてもよいC4−7シクロアルキル、または場合により置換されていてもよいモノ−不飽和−C5−7シクロアルケニル、または場合により置換されていてもよい部分式(aa)、(bb)、もしくは(cc)の複素環基、または部分式(dd)、または(ee)の二環基である:
好適には、n1およびn2は独立して、1または2の整数から選択される。
好適には、Yは、O、S、SO2、またはNR10aである。本発明の一つの実施形態において、YはOである。
好適には、R10aは、水素原子(H)、メチル、C(O)NH2、C(O)−メチル、またはC(O)−C1フルオロアルキルである。
好適には、Y1、Y2、およびY3は、それぞれ独立して、CH2または酸素から選択されるが、ただし、Y1、Y2、およびY3の一つ以下が酸素である。
R3が場合により置換されていてもよいC4−7シクロアルキルの場合、C4−7シクロアルキル環は、環炭素上でオキソ(=O)、OH、メトキシ、C1フルオロアルコキシ、NH2、C1−2アルキル、C1フルオロアルキル、−CH2OH、−CH(Me)OH、−CH2CH2OH、−CH2NH2、−C(O)OH、−C(O)NHR24、ここでR24がHまたはメチルであり、−C(O)メチル、フルオロ、ヒドロキシイミノ(=N−OH)、または(C1−2アルコキシ)イミノ(=N−OR26、ここでR26は、C1−2アルキル)から独立して選択される一または二つの置換基により置換されていてもよく、ここで、いずれのOH、メトキシ、フルオロアルコキシまたはNH2置換基も、式(I)の−NH−基に結合しているR3環炭素に結合していない。
R3が場合により置換されていてもよい、部分式(aa)、(bb)、または(cc)の複素環基である場合、R3は、環炭素上で場合により一または二つのオキソ(=O)置換基で場合により置換されていてもよい部分式(aa)、(bb)、または(cc)の複素環基である。
R3が場合により置換されていてもよいモノ−不飽和−C5−7シクロアルケニルの場合、該シクロアルケニルは、環炭素上でフルオロまたはメチルである一つの置換基に置換されていてもよく、式(I)の−NH−基に結合しているR3環炭素は、シクロアルケニル二重結合に参加しない。
本発明の一つの実施形態において、R3が部分式(aa)の複素環基でありYがNR10の場合、R10はC(O)−メチルまたはC(O)−C1フルオロアルキルではなく、R3が部分式(bb)の複素環基でありYがNR10の場合、R10はメチルではなく、そして、R3が部分式(cc)の複素環基の場合、YはO、S、SO2またはNR10であり、ここでR10はHまたはメチルである。
R3が場合により置換されていてもよいC4−7シクロアルキルの場合、環炭素上のいずれの−C(O)NHR24または−C(O)R25置換基も:R3シクロブチル環の3位、または、R3シクロペンチル環の3位もしくは4位、または、R3シクロヘキシル環の4位、または、R3シクロヘプチル環の3位、4位、5位、もしくは6位(ここで、この結合において、前記R3シクロアルキル環の前記1位は式(I)中の−NH−への結合点、すなわち、式(I)中の−NH−へ結合している環原子である)にある。
R3が場合により置換されていてもよいC4−7シクロアルキルの場合、環炭素上のいずれのOH、メトキシ、フルオロアルコキシ、−CH2OH、−CH(Me)OH、−CH2CH2OH、−CH2NH2、または−C(O)OH置換基も:R3シクロブチル環の3位、または、R3シクロペンチル環の3位もしくは4位、または、R3シクロヘキシル環の3位、4位、もしくは5位、または、R3シクロヘプチル環の3位、4位、5位、もしくは6位にある。
本発明の一つの実施形態において、R3は部分式(bb)および(cc)である。本発明の他の実施形態において、R3は部分式(bb)および(cc)であり、n1およびn2は独立して、1または2である。他の実施形態において、YはOであり、n1およびn2は1である。
本発明の一つの実施形態において、R3は部分式(bb)である。他の実施形態において、R3は部分式(bb)であり、YはOである。更に他の実施形態において、R3は部分式(bb)であり、YはOであり、n1は1である。
好適には、X1は、酸素またはN(R4a)である。本発明の一つの実施形態において、XはN(R4a)である。
好適には、R4aは、水素、メチル、またはエチルである。本発明の一つの実施形態において、R4aは、水素またはメチルである。本発明の他の実施形態において、R4aは水素である。
好適には、LINKは、((CReRe)s3−(CRf=CRf)v1−(CRgRg))s4−X3−((CReRe)t2−(CRf=CRf)v2−(CRgRg))t3である。
好適には、X3は、場合により置換されていてもよいヘテロアリール環である。このヘテロアリール環は、場合により置換されていてもよいC5−C7単環式ヘテロアリール環、または場合により置換されていてもよいC8−C12縮合二環式ヘテロアリール環から好適に選択される。かかる縮合間のうち一つだけが芳香族であってよく、他は部分的に不飽和または飽和であり、一つ以上の更なるヘテロ原子、好適には酸素、窒素もしくは硫黄から選択される一または二つのヘテロ原子を含有できることが、認識される。また非芳香族系において、環窒素は、R18が水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、シクロアルキルC1−4アルキル、アリール、またはアリールC1−4アルキルである、場合により置換されていてもよいC1−C6アルキルまたはC(O)R18部分であり得ることも認識される。非芳香族環系中の環硫黄原子は、スルフィニルまたはスルホニル誘導体へと酸化されてもよい。
本明細書中において用いられる「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール部分」、および「ヘテロアリール」との語は、同義的に使用される場合がある。LINKヘテロアリール環の好適な例としては、フリル、ピラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾイル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、オキサチアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、およびウラシルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
LINK二環式縮合芳香族環の好適な例としては、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリジニル、アザインドリル、ベンゾキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、シノリニル、プリニル、およびフタラジニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
非芳香族環を含有するLINK二環式縮合環系の好適な例としては、インドリン、インダニル、1,4−ジオキシノ[2,3−c]ピロール、1,4−ジオキシノ[2,3−c]フラン、または1,4−ジオキシノ[2,3−c]チオフェンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の一つの実施形態において、LINKヘテロアリールは、ピリジン(例えば、2−ピリジル、3−ピリジルまたは4−ピリジル)、ピリミジン、フラン、チエニル、ピロール、1,4−ジオキシノ[2,3−c]ピロールまたはベンズイミダゾール)から選択される。
かかるLINKヘテロアリール環は、場合により(Y4)n3部分で置換されてよく、ここでY4は、それぞれ、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、またはC1−4アルコキシから独立して選択される。Y4部分が該縮合二環式環系のいずれかの環上で置換されてよいことに注目すべきである。
好適には、n3は1〜4の整数である。
好適には、Re、Rf、およびRgは、それぞれ、水素またはC1−4アルキルから独立して選択される。本発明の一つの実施形態において、Re、Rf、およびRgは全て水素である。
好適には、v1は、0または1〜5の整数である。本発明の一つの実施形態において、v1は0である。
好適には、v2は、0または1〜5の整数である。本発明の一つの実施形態において、v2は0である。
好適には、s3は、0または1〜5の整数である。本発明の一つの実施形態において、s3は0である。
好適には、s4は、0または1〜5の整数である。本発明の一つの実施形態において、s4は0である。
好適には、t2は、0または1〜5の整数である。本発明の一つの実施形態において、t2は0である。
好適には、t3は、0または1〜5の整数である。本発明の一つの実施形態において、t3は0である。
本発明の一つの実施形態において、v1、v2、s3、s4、t2、およびt3は全て0である。
好適には、Zは、C(O)、S(O)q、C(O)NH、およびC(O)Oから選択される。
好適には、Z1は、C(O)、S(O)q、HNC(O)、およびOC(O)から選択される。
本発明の一つの実施形態において、ZおよびZ1は共にC(O)である。本発明の他の実施形態において、ZはC(O)であり、Z1はS(O)qである。本発明の他の実施形態において、ZはC(O)であり、Z1はHNC(O)である。本発明の他の実施形態において、ZはC(O)であり、Z1はOC(O)である。本発明の一つの実施形態において、ZおよびZ1は共にS(O)qである。本発明の他の実施形態において、ZはS(O)qであり、Z1はC(O)である。他の実施形態において、ZはS(O)qであり、Z1はHNC(O)である。他の実施形態において、ZはS(O)qであり、Z1はOC(O)である。他の実施形態において、ZはC(O)NHであり、Z1はC(O)である。他の実施形態において、ZはC(O)NHであり、Z1はS(O)qである。他の実施形態において、ZはC(O)NHであり、Z1はS(O)qである。他の実施形態において、ZはC(O)NHであり、Z1はOC(O)である。他の実施形態において、ZはC(O)Oであり、Z1はHNC(O)である。他の実施形態において、ZはC(O)Oであり、Z1はC(O)である。他の実施形態において、ZはC(O)Oであり、Z1はS(O)qである。他の実施形態において、ZはC(O)Oであり、Z1はHNC(O)である。他の実施形態において、ZはC(O)Oであり、Z1はOC(O)である。好適には、ZかZ1のいずれかがS(O)qの場合、qは2である。
好適には、qはそれぞれ、0または1〜2の整数から独立して選択される。本発明の一つの実施形態において、ZがS(O)qの場合、qは2である。本発明の他の実施形態において、Z1がS(O)qの場合、qは2である。本発明の他の実施形態において、ZおよびZ1が共にS(O)qの場合、qは2である。
好適には、R5aは水素、メチルまたはエチルである。本発明の一つの実施形態において、R5aは水素である。
好適には、vは1〜5の整数である。本発明の一つの実施形態において、vは1である。
好適には、Ar1およびAr2は独立して、場合により置換されていてもよいフェニルおよび場合により置換されていてもよい単環式ヘテロアリールからなる群より選択される。一つの実施形態において、Ar1およびAr2は独立して、場合により置換されていてもよいアリールから選択される。他の実施形態において、Ar1およびAr2は共に独立して、場合により置換されていてもよいフェニルから選択される。
Ar1およびAr2は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素等のハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ヒドロキシ置換C1−4アルキル、メトキシ、またはエトキシ等のC1−4アルコキシ、メチルチオ、メチルスルフィニルまたはメチルスルホニル等のS(O)m’C1−10アルキル、ここでm’は0、1、または2である、アミノ、一置換または二置換C1−2アルキルアミノ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはt−ブチル等のC1−4アルキル、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニルまたは2−メチル−1−プロペニル等のC2−4アルキルアルケニル、あるいは、CH2F、CH2CH2FまたはCF3等のハロ置換されたC1−4アルキルにより、それぞれ独立して、1回以上、好適には1〜4回置換される。本発明の一つの実施形態において、任意の置換基は独立して、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、またはシアノから選択される。他の実施形態において、任意の置換基は独立して、フッ素、塩素、メチル、メトキシまたはシアノから選択される。
Ar1およびAr2のための好適なヘテロアリール環の例としては、フリル、ピラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、オキサチアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルおよびトリアジニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明の一つの実施形態において、かかるヘテロアリール環はピリジンである。
本発明の一つの実施形態において、Ar1およびAr2は共に独立して、場合により置換されていてもよいアリール、好ましくは場合により置換されていてもよいフェニルから選択される。本発明の一つの実施形態において、Ar1およびAr2は共に独立して、場合により置換されていてもよいフェニルから選択される。
本発明の一つの実施形態において、Ar2環はフェニルである。
本発明の一つの実施形態において、Ar1環はヘテロアリール環である。他の実施形態において、Ar1環はピリジン環である。
本発明の他の実施形態において、Ar1環は、ハロゲン、アルキル、アルコキシまたはシアノにより、独立して1回以上場合により置換されていてもよいフェニルである。他の実施形態において、Ar1環は、フッ素、塩素、メチル、メトキシ、またはシアノにより、独立して1回以上場合により置換されていてもよいフェニルである。
本発明の他の実施形態において、Ar2環はフェニルであり、Ar1環は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、またはシアノにより、独立して1回以上場合により置換されていてもよいフェニルである。
本明細書の目的上、Ar1がフェニルの場合のAr1部分上の環位置の番号付けは、以下に示す通りである。
一つの実施形態において、Ar1環は、5位または6位において一置換される。他の実施形態において、Ar1環が二置換されている場合、Ar1環は5位および6位の両位置で置換される。
一つの実施形態において、Ar1環は、場合により置換されていてもよいフェニル環である。他の実施形態において、かかるフェニル環は、ハロゲン、シアノ、またはC1−4アルコキシによって、1回以上、好適には1〜2回置換される。他の実施形態において、Ar1環は、フェニル、フッ素、またはメトキシ等により6位で場合により置換されていてもよいフェニルである。
好適には、R6は、NR7R8であり、または部分式(ff)、(gg)、(hh)、(ii)、(jj)、(kk)、(ll)、(mm)、もしくは(nn)の複素環基であり:
R6は、一もしくは二つの窒素を含む場合により置換されていてもよいC5−C7員環、または一もしくは二つの窒素を含む対応する二環式環である。
好適には、R6が一もしくは二つの窒素を含む場合により置換されていてもよいC5−C7員環、または一もしくは二つの窒素を含む対応する二環式環の場合、かかる環は、部分式(ff)から部分式(nn)の種々の環窒素位置を含む。例えば、式(ff)においては、窒素は1〜4位にあり、他の選択肢としては、同様に置換されたRa、Rb、Rb1、R9等の置換基を有する1〜3位または1〜2位の窒素が含まれる。これらの環系の例のいくつかを以下に示す:
好適には、sは、0または1〜2の整数である。本発明の一つの実施形態において、sは1または2である。本発明の他の実施形態において、sは1である。
本発明の一つの実施形態において、R6は部分式(ff)の複素環基であり、sは1または2である。他の実施形態において、R6は部分式(ff)の複素環基であり、sは1または2であり、Rbは独立して水素またはメチルから選択される。
他の実施形態において、R6は部分式(jj)の複素環基である。
好適には、R7は、水素または場合により置換されていてもよいC1−4アルキルから選択される。本発明の一つの実施形態において、R7は、水素またはメチルである。
好適には、R8は、(CRd1Rd1)t−NR11R12、または(CRd1Rd1)t1−R14である。
好適には、t1は、0または1〜4の整数である。
好適には、Rd1は、それぞれ、水素、場合により置換されていてもよいC1−4アルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、および場合により置換されていてもよい複素環からなる群より独立して選択される。
好適には、R14は、C1−4アルキル、C3−C6シクロアルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよい複素環または場合により置換されていてもよいヘテロアリール部分から選択される。R14が部分式(ff)、(ii)、(jj)、(ll)、(mm)、および(nn)の複素環基の場合、t1は0以外である。
好適には、R14がヘテロアリールの場合、R14は、酸素、窒素、および硫黄から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含む単環式5〜7員不飽和炭化水素環、または、酸素、窒素、および硫黄から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含んでなるC8−C12縮合芳香環である。
ヘテロアリール環の例としては、フリル、ピラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、オキサチアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ウラシル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリジニル、アザインドリル、ベンゾキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、シノリニル、プリニル、およびフタラジニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。一つの実施形態において、R14が場合により置換されていてもよいヘテロアリールの場合、ヘテロアリールは、場合により置換されていてもよいチオフェニル、場合により置換されていてもよいピリジニル、または場合により置換されていてもよいピリミジニルから選択される。
好適には、R14が複素環の場合、複素環は、窒素、酸素、硫黄、またはS(O)m等の酸化した硫黄部分から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含む、単環式C3−C7非芳香族炭化水素環であり、mは0または1〜2の整数であるか、あるいは、かかる複素環は、環の一つが芳香族もしくは複素環式芳香族でよい、縮合された飽和または部分不飽和C8−C12環系である。各縮合環は、4〜7個の環原子を有してよい。好適なヘテロシクリル基の例としては、テトラヒドロピロール、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン(硫黄部分が酸化型のものを含む)、アゼピン、ジアゼピン、アジリジニル、ピロリニル、ピロリジニル、2−オキソ−1−ピロリジニル、3−オキソ−1−ピロリジニル、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、インドリニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリノ、およびチオモルホリノ(硫黄部分が酸化型のものを含む)等の、先に定義したヘテロアリール部分の飽和型または部分飽和型が挙げられるが、これらに限定されるものではない。一つの実施形態において、R14が場合により置換されていてもよい複素環の場合、環は、場合により置換されていてもよいピペリジニル、ピペラジニル、場合により置換されていてもよいオキソヘキサヒドロ−1H−アゼピン、または場合により置換されていてもよい3’−[1−アザビシクロ−[2.2.2]オクト−3−イルである。
一つの実施形態において、R14がC3−C6シクロアルキルの場合、C3−C6シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルから好適に選択される。他の実施形態において、R14がC1−4アルキルの場合、C1−4アルキルは、エチル、イソプロピル、n−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、またはt−ブチルである。
好適には、tは1〜4の整数である。一つの実施形態において、tは1または2である。
好適には、t1は、0または1〜4の整数である。一つの実施形態において、t1は0または1である。他の実施形態において、t1は0である。
好適には、R11およびR12は独立して、水素またはC1−4アルキルから選択される。
好適には、Rdは、それぞれ、水素、場合により置換されていてもよいC1−4アルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよい ヘテロアリール、および場合により置換されていてもよい複素環部分からなる群より独立して選択される。Rdが水素を除く場合により置換されていてもよい部分の場合、かかる部分は、フッ素もしくは塩素等のハロゲンまたはC1−2アルキルにより、独立して、1回以上、好適には1〜4回置換される。本発明の一つの実施形態において、Rdは独立して、水素またはメチルである。
好適には、R9は、水素、場合により置換されていてもよいC1−6アルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC1−2アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、場合により置換されていてもよいヘテロアリールC1−2アルキル、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C1−2アルキル、またはC(O)C1−2アルキルである。R9が場合により置換されていてもよいC1−6アルキルの場合、かかるアルキルは、ハロゲン、ヒドロキシ、NR15R16、C1−4アルコキシ、S(O)qC1−4アルキルにより、独立して、1回以上、好適には1〜2回置換される。本発明の一つの実施形態において、R9は水素またはメチルである。
好適には、R9aは、水素、場合により置換されていてもよいC1−6アルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC1−2アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、場合により置換されていてもよいヘテロアリールC1−2アルキル、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C1−2アルキル、C(O)C1−2アルキルである。本発明の一つの実施形態において、R9aは、水素または場合により置換されていてもよいC1−3アルキルである。
好適には、Raは、それぞれ、水素、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、NR15R16C1−4アルキル、S(O)qC1−4アルキル、=O、−CH(O)、C(O)2C1−4アルキル、OC(O)C1−4アルキル、C(O)N(R10)2、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC1−4アルキル、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C1−4アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、および場合により置換されていてもよいヘテロアリールC1−4アルキルから、独立して選択される。一つの実施形態において、Raは独立して、水素またはメチルである。
好適には、Ra1は、それぞれ、水素、ハロゲン、場合により置換されていてもよいC1−4アルキル、場合により置換されていてもよいC3−7シクロアルキル、場合により置換されていてもよいC3−7シクロアルキルC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、NR15R16、NR15R16C1−4アルキル、S(O)qC1−4アルキル、ヒドロキシ、=O、−CH(O)、C(O)2C1−4アルキル、OC(O)R17、C(O)N(R10)2、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC1−4アルキル、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C1−4アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、および場合により置換されていてもよいヘテロアリールC1−4アルキルから、独立して選択される。一つの実施形態において、Raは独立して、水素またはメチルである。
好適には、Rbは、それぞれ、水素、場合により置換されていてもよいC1−4アルキル、場合により置換されていてもよいC3−7シクロアルキル、場合により置換されていてもよいC3−7シクロアルキルC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、NR15R16C1−4アルキル、S(O)qC1−4アルキル、=O、−CH(O)、C(O)2C1−4アルキル、C(O)N(R10)2、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC1−4アルキル、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C1−4アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリールおよび場合により置換されていてもよいヘテロアリールC1−4アルキルから、独立して選択される。本発明の一つの実施形態において、Rbは独立して、水素またはメチルから選択される。
好適には、Rb1は、それぞれ、水素、ハロゲン、場合により置換されていてもよいC1−4アルキル、場合により置換されていてもよいC3−7シクロアルキル、場合により置換されていてもよいC3−7シクロアルキルC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、NR15R16、NR15R16C1−4アルキル、S(O)qC1−4アルキル、ヒドロキシ、=O、−CH(O)、C(O)2C1−4アルキル、OC(O)R17、C(O)N(R10)2、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC1−4アルキル、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C1−4アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリールおよび場合により置換されていてもよいヘテロアリールC1−4アルキルから、独立して選択される。本発明の一つの実施形態において、Rb1は独立して、水素またはメチルから選択される。
好適には、Rdは、それぞれ、水素、ヒドロキシ、場合により置換されていてもよいC1−6アルキル、アミノ、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC1−2アルキル、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C1−2アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、場合により置換されていてもよいヘテロアリールC1−2アルキル、=O、C(O)C1−2アルキル、OC(O)R17、およびC(O)N(R10)2から、独立して選択される。Rdが場合により置換されていてもよいC1−6アルキルの場合、かかるアルキルは、ハロゲン、ヒドロキシ、NR15R16、C1−4アルコキシ、S(O)qC1−4アルキルにより、独立して、1回以上、好適には1〜2回置換される。本発明の一つの実施形態において、Rdは水素またはメチルである。
好適には、Rcは、それぞれ、水素またはC1−4アルキルから独立して選択される。
好適には、R10は、水素またはC1−4アルキルから独立して選択される。
好適には、R15およびR16は、水素またはC1−4アルキルから独立して選択される。本発明の一つの実施形態において、R15およびR16は水素またはメチルである。
好適には、R17は、場合により置換されていてもよいC1−4アルキル、場合により置換されていてもよいC3−7シクロアルキル、場合により置換されていてもよいC3−7シクロアルキルC1−4アルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC1−4アルキル、複素環、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C1−4アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、および場合により置換されていてもよいヘテロアリールC1−4アルキルから選択される。
好適には、Xは、(C(R13))pまたは(CReRe)s1−X2−(CRfRf)s2である。
好適には、X2は、NR13a、O、S(O)m、またはC(O)である。
好適には、R13は、水素、C1−2アルキル、−CH2OH、−CH(CH3)OH、−CH2CH2OH、OH、または=Oから選択される。本発明の一つの実施形態において、R13は水素である。
好適には、R13aは、水素、C1−2アルキルから選択される。本発明の一つの実施形態において、R13は水素である。
好適には、s1は、0または1〜2の整数である。本発明の一つの実施形態において、s1は0である。
好適には、s2は、0または1〜2の整数である。しかしながら、R6が部分式(ff)、(ii)、(jj)、および(ll)の複素環基であり、X2がNR13a、O、またはS(O)m(mは0または1)である場合、s2は1または2であるか、あるいはXは(CH(R13))p基である。
好適には、pは、1または2の整数である。
好適には、qは、0または1〜2の整数である。
好適には、nは、1、2、または3の整数である。
好適には、n3は、1〜3の整数である。
好適には、mは、0または1〜2の整数である。
好適には、Y4は、それぞれ、水素、ハロゲン、もしくはC1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、またはC3−7シクロアルキルC1−4アルキルから、独立して選択される。本発明の一つの実施形態において、Y4は水素であり、n3は1である。
好適には、R4およびR5は、水素、場合により置換されていてもよいC1−4アルキル、場合により置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル、場合により置換されていてもよいC3−C7シクロアルキルC1−4アルキル、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C1−4アルキル、場合により置換されていてもよいC2−4アルケニル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC1−4アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、および場合により置換されていてもよいヘテロアリールC1−4アルキルからなる群より独立して選択される。
一つの実施形態において、R5は水素であり、nは1である。一つの実施形態において、R4は、水素またはC1−4アルキルである。他の実施形態において、R4およびR5は共に水素であり、nは1である。
本発明の一つの実施形態において、R3はモルフォリノであり、X1はN(R4a)であり、ZはC(O)であり、Z1はC(O)であり、nは1であり、vは1であり、R5は水素であり、Ar1とAr2は場合により置換されていてもよいフェニル環であり、Xは(C(R13))pであり、R13は水素であり、mは1であり、s3、v1、s4、t2、v2、およびt3は全て0である。
他の実施形態において、R1はC1−4アルキルであり、R2はC1−4アルキルであり、R3はモルフォリノであり、X1はN(R4a)であり、ZはC(O)であり、Z1はC(O)であり、nは1であり、vは1であり、R5は水素であり、Ar1とAr2は場合により置換されていてもよいフェニル環であり、(C(R13))p、R13は水素であり、mは1であり、s3、v1、s4、t2、v2、およびt3は全て0である。
他の実施形態において、R1はC1−4アルキルであり、R2はC1−4アルキルであり、R3はモルフォリノであり、X1はN(R4a)であり、ZはC(O)であり、Z1はC(O)であり、nは1であり、vは1であり、R5は水素であり、Ar1とAr2は場合により置換されていてもよいフェニル環であり、(C(R13))p、R13は水素であり、mは1であり、s3、v1、s4、t2、v2、およびt3は全て0であり、そしてR6はNR7R8である。
他の実施形態において、R1はC1−4アルキルであり、R2はC1−4アルキルであり、R3はモルフォリノであり、X1はN(R4a)であり、ZはC(O)であり、Z1はC(O)であり、nは1であり、vは1であり、R5は水素であり、Ar1とAr2は場合により置換されていてもよいフェニル環であり、(C(R13))p、R13は水素であり、mは1であり、s3、v1、s4、t2、v2、およびt3は全て0であり、そしてR6は、一つまたは二つの窒素を含有する場合により置換されていてもよいC5−C7員環または一つまたは二つの窒素を含有する対応する二環式環であり、あるいはR6は部分式(ff)、(gg)、(hh)、(ii)、(jj)、(kk)、(ll)、(mm)、または(nn)の複素環基である。
他の実施形態において、R1はC1−4アルキルであり、R2はC1−4アルキルであり、R3はモルフォリノであり、X1はN(R4a)であり、ZはC(O)であり、Z1はC(O)であり、nは1であり、vは1であり、R5は水素であり、Ar1とAr2は場合により置換されていてもよいフェニル環であり、(C(R13))p、R13は水素であり、mは1であり、s3、v1、s4、t2、v2、およびt3は全て0であり、そしてLINKは場合により置換されていてもよいピリジンである。
本発明の他の実施形態は、式(Ia)、(Ib)、および(Ic)、上記の式(I)の化合物のサブセット:
(式中、
R
1は、C
1−4アルキルであり、
R
2は、C
1−4アルキルであり、
R
4aは、水素メチルまたはエチルから選択され、
R
5aは、水素、メチル、またはエチルから選択され、
Z
2およびZ
3は、それぞれ、水素、ハロゲン、シアノ、およびC
1−4アルコキシからなる群より独立して選択され、
n
3は1〜4の整数であり、
n
4は、それぞれ、0、1、または2の整数から独立して選択され、
Y
4は、それぞれ、水素、ハロゲン、C
1−4アルキル、およびC
1−4アルコキシからなる群より独立して選択され、そして、Y
4部分の二つとそれらが結合する炭素は共に、5〜6員の飽和、部分不飽和または完全飽和C5−C6環を形成し、
R
6はNR
7R
8であるか、または部分式(ff)、(gg)、(hh)、(ii)、(jj)、(kk)、(ll)、(mm)、もしくは(nn)の複素環である:
または、
R
6は、一つもしくは二つの窒素を含む場合により置換されていてもよいC5−C7員環、または一つもしくは二つの窒素を含む対応する二環式環であり、
R
9は、水素、場合により置換されていてもよいC
1−6アルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC
1−2アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、場合により置換されていてもよいヘテロアリールC
1−2アルキル、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C
1−2アルキル、およびC(O)C
1−2アルキルからなる群より選択され、
R
9aは、水素、場合により置換されていてもよいC
1−6アルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC
1−2アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、場合により置換されていてもよいヘテロアリールC
1−2アルキル、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C
1−2アルキル、およびC(O)C
1−2アルキルからなる群より選択され、
Rdは、それぞれ、水素、ヒドロキシ、場合により置換されていてもよいC
1−6アルキル、アミノ、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC
1−2アルキル、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C
1−2アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、場合により置換されていてもよいヘテロアリールC
1−2アルキル、=O、C(O)C
1−2アルキル、OC(O)R
17、およびC(O)N(R
10)
2からなる群より独立して選択され、
R
15およびR
16はそれぞれ、それぞれ水素またはC
1−4アルキルから独立して選択され、
R
17は、場合により置換されていてもよいC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいC3−7シクロアルキル、場合により置換されていてもよいC
3−7シクロアルキルC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC
1−4アルキル、複素環、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、および場合により置換されていてもよいヘテロアリールC
1−4アルキルからなる群より独立して選択され、
R
aは、それぞれ、水素、場合により置換されていてもよいC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいC
3−7シクロアルキル、場合により置換されていてもよいC
3−7シクロアルキル−C
1−4アルキル、C
1−4アルコキシ、NR
15R
16C
1−4アルキル、S(O)
qC
1−4アルキル、=O、−CH(O)、C(O)
2C
1−4アルキル、C(O)N(R
10)
2、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、および場合により置換されていてもよいヘテロアリールC
1−4アルキルからなる群より独立して選択され、
R
a1は、それぞれ、水素、ハロゲン、場合により置換されていてもよいC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいC
3−7シクロアルキル、場合により置換されていてもよいC
3−7シクロアルキルC
1−4アルキル、C
1−4アルコキシ、NR
15R
16、NR
15R
16C
1−4アルキル、S(O)
qC
1−4アルキル、ヒドロキシ、=O、−CH(O)、C(O)
2C
1−4アルキル、OC(O)R
17、C(O)N(R
10)
2、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、および場合により置換されていてもよいヘテロアリールC
1−4アルキルからなる群より独立して選択され、
R
bは、それぞれ、水素、場合により置換されていてもよいC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいC
3−7シクロアルキル、場合により置換されていてもよいC
3−7シクロアルキルC
1−4アルキル、C
1−4アルコキシ、NR
15R
16C
1−4アルキル、S(O)
qC
1−4アルキル、=O、−CH(O)、C(O)
2C
1−4アルキル、C(O)N(R
10)
2、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、および場合により置換されていてもよいヘテロアリールC
1−4アルキルから独立して選択され、
R
b1は、それぞれ、水素、ハロゲン、場合により置換されていてもよいC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいC
3−7シクロアルキル、場合により置換されていてもよいC
3−7シクロアルキルC
1−4アルキル、C
1−4アルコキシ、NR
15R
16、NR
15R
16C
1−4アルキル、S(O)
qC
1−4アルキル、ヒドロキシ、=O、−CH(O)、C(O)
2C
1−4アルキル、OC(O)R
17、C(O)N(R
10)
2、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、および場合により置換されていてもよいヘテロアリールC
1−4アルキルから独立して選択され、
R
cは、それぞれ、水素またはC
1−4アルキルから独立して選択され、
R
10は、それぞれ、水素またはC
1−4アルキルから独立して選択され、
R
13aは、水素またはC
1−2アルキルから選択され、
R
13は、水素、C
1−2アルキル、−CH
2OH、−CH(CH
3)OH、−CH
2CH
2OH、OH、および=Oからなる群より独立して選択され、
Xは、(C(R
13))
pまたは(CR
eR
e)
s1−X
2−(CR
fR
f)
s2であり、
X
2は、NR
13a、O、S(O)m、またはC(O)であり、
ReおよびRfは、それぞれ、水素またはC
1−4のアルキルからそれぞれ独立して選択され、
sは、0または1〜2の整数であり、
s1は、0または1〜2の整数であり、
s2は、0または1〜2の整数であり、ただし、R
6が部分式(ff)、(ii)、(jj)および(ll)の複素環基であり、X
2がNR
13a、O、またはS(O)mであり、mが0または1である場合、s2が1または2であるか、Xが(CH(R
13))pであり、
pは、1または2の整数であり、
qは、0または1〜2の整数であり、
R
4は、水素、場合により置換されていてもよいC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいC
3−C
7シクロアルキル、場合により置換されていてもよいC
3−C
7シクロアルキルC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよい複素環、場合により置換されていてもよい複素環C
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいアルケニル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリールC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、および場合により置換されていてもよいヘテロアリールC
1−4アルキルからなる群より独立して選択され、
R
7は、水素または場合により置換されていてもよいC
1−4アルキルから選択され、
R
8は、(CR
d1R
d1)
t−NR
11R
12または(CR
d1R
d1)
t1−R
14であり、
R
d1は、それぞれ、水素、場合により置換されていてもよいC
1−4アルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、および場合により置換されていてもよい複素環からなる群より独立して選択され、
R
14は、C
1−4アルキル、C
3−C
6シクロアルキル、場合により置換されていてもよい複素環、および場合により置換されていてもよいヘテロアリール部分からなる群より選択され、
tは、1〜4の整数であり、
t1は、0または1〜4の整数であり、
R
11およびR
12は独立して、水素またはC
1−4アルキルから選択され、そして、
星印はピリジン環への結合点を表す)、
またはその薬学上許容される塩である。
該式中の星印は、ヘテロアリール環へのZ項または上記式で記載のカルボニル部分の結合点を表す。上記式において、これはピリジン環として描写され、ピリジン環の1〜3、1〜4、または1〜5位において結合できる[分子の左側の視点から見て]。
他に断わりのない限り、本明細書中の目的において、式(Ia)、(Ib)、および(Ic)の全ての置換基は、式(I)について上で定義された通りである。
本発明は、本明細書において上記の具体的および好ましい基の全ての組み合わせを包含するものと理解されるべきである。更に、本発明は、例えばS(O)m等の具体的な基またはパラメータが2回以上出現してもよい化合物を包含するものと理解されるべきでもある。そのような化合物において、それぞれの基またはパラメータは、記載された値から独立して選択されるものと理解されるであろう。ある式において何らかの変動因子が2回以上出現する場合、それぞれ、かかる変動因子の定義は、他の全ての出現における定義とは独立のものである。
本発明の具体的な化合物としては、実施例において記載される化合物およびそれらの薬理学上許容される誘導体が挙げられる。
本明細書中「薬理上許容される」との語は、医薬品および獣医用医薬への利用に適した化合物を意味する。医薬での利用に適した本発明の化合物の塩および溶媒和物は、本明細書において対イオンまたは関連溶媒が薬理学上許容されるものである。しかしながら、薬理学上許容できない対イオンまたは関連溶媒を有する塩および溶媒和物は、本発明の範囲内であり、例えば、本発明の他の化合物ならびにそれらの薬学上許容される塩および溶媒和物の製造における中間産物として利用される。
本明細書中「薬理学上許容される誘導体」との語は、レシピエントに投与した際に(直接または間接的に)本発明の化合物、またはその活性代謝物もしくは残留物を提供することができる、例えばエステルのような、本発明の化合物の薬学上許容される塩、溶媒和物またはプロドラッグのいずれをも意味する。そのような誘導体は、当業者であれば必要以上の実験を行うことなく認識することができる。それにもかかわらず、そのような誘導体を教示する程度に引用することにより本発明の開示の範囲とされる、Burger’s Medicinal Chemistry and Drug Discovery, 5th Edition, Vol. 1: Principles and Practiceの教示への参照がなされる。一つの実施形態において、薬理学上許容される誘導体は、塩、溶媒和物、エステル、カルバメートおよびリン酸エステルである。他の実施形態において、薬理学上許容される誘導体は、塩、溶媒和物、およびエステルである。本発明の更に他の実施形態において、薬理学上許容される誘導体は、塩およびエステルであり、特に、塩である。
本発明の化合物は、薬学的に許容される塩の形態でよく、および/または薬学的に許容される塩として投与されてよい。好適な塩に関する総説については、Berge et al., J. Pharm. Sci., 1977, 66, 1-19を参照されたい。
典型的には、薬学上許容される塩は、適切に所望の酸または塩基を使用することで容易に製造することができる。かかる塩は、溶液から沈澱させて濾過により収集でき、または溶媒を蒸発させることで回収できる。
本発明の化合物の塩は、例えば、酸と式(I)の化合物中に存在する窒素原子との反応から生じる酸付加塩を含んでなることができる。「薬学上許容される塩」との語の範囲内に包含される塩は、本発明の化合物の無毒な塩を意味する。好適な付加塩は無毒な塩を形成する酸から形成され、例としては、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、炭酸水素塩、硫酸水素塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシラート、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸化合物、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコアルサニル酸塩、ヘキシルリゾルシネート、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、リン酸水素塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル塩、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、マレイン酸一カリウム、ムケート(mucate)、ナプシル酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミン塩、シュウ酸塩、オキサロ酢酸塩、パモ酸塩(エンボナート)パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ピルビン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サッカリン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド、トリフルオロ酢酸塩、および吉草酸塩が挙げられる。
薬学上許容される塩基塩としては、トリメチルアンモニウム塩等のアンモニウム塩、ナトリウムやカリウムのアルカリ金属塩等のアルカリ金属塩、カルシウムやマグネシウムのアルカリ土類金属塩等のアルカリ土類金属塩、ならびに、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、やN−メチル−D−グルカミン等の一級、二級、および三級アミンの塩を含む、有機塩基との塩が挙げられる。
有機化学分野の当業者であれば、多くの有機化合物が、それらが反応し、または沈澱もしくは結晶化される溶媒との複合体を形成し得ることを理解するであろう。これらの複合体は、「溶媒和物」として公知である。本明細書中「溶媒和物」との語は、溶質(本発明において、式(I)の化合物またはその塩)および溶媒により形成される可変化学量論の複合体を指す。本発明の目的のためのそのような溶媒は、溶質の生物活性を妨げない。適した溶媒の例として水、メタノール、エタノール、および酢酸が挙げられる。使用される溶媒として好ましくは、薬理学上許容される溶媒である。適した薬理学上許容される溶媒の例として水、エタノール、および酢酸が挙げられる。もっとも好ましい該使用される溶媒は水である。水との複合体は「水和物」として知られている。本発明の化合物の溶媒和物は、本発明の範囲内である。
本明細書中「プロドラッグ」との語は、体内で、例えば血液中での加水分解により、医療効果を有するその活性型に変換される化合物を意味する。薬理学上許容されるプロドラッグは、T. Higuchi and V. Stella, Prodrugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series; Edward B. Roche, ed., Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987;およびD. Fleisher, S. Ramon and H. Barbra "Improved oral drug delivery: solubility limitations overcome by the use of prodrugs", Advanced Drug Delivery Reviews (1996) 19(2) 115-130に記載されており、これらは引用することにより本発明の開示の範囲とされる。
プロドラッグは、患者に投与された際にインビボで式(I)の化合物を放出する、いずれかの共有結合した担体である。プロドラッグは、一般に、官能基を修飾することにより、かかる修飾がルーチンな操作またはインビボのいずれかによって開裂されて親化合物を産生するように調製される。プロドラッグは、例えば、ヒドロキシまたはアミン基が、患者に投与された際に開裂してかかるヒドロキシまたはアミン基を形成するいずれかの基に結合されている、本発明の化合物を含む。したがって、プロドラッグの代表例としては、(以下に限定されるものではないが)式(I)の化合物のアルコールならびにアミン官能基のアセテート、ホルメートおよびベンゾエート誘導体が挙げられる。更に、カルボン酸(−COOH)の場合、メチルエステル、エチルエステル等のエステルを用いてよい。エステルは、それ自体が活性であってよく、および/または人体内のインビボ条件下で加水分解可能であってよい。好適な薬理学上許容されるインビボで加水分解可能なエステル基としては、人体内で容易に分解して親酸またはその塩を残すものが挙げられる。
本明細書中「場合により置換されていてもよい」とは、特に定義がなければ、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素のようなハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシ置換C1−10アルキル、メトキシまたはエトキシなどのC1−10アルコキシ、ハロ置換C1−10アルコキシ、メチルチオ、メチルスルフィニルまたはメチルスルホニルなどのS(O)mアルキル、C(O)C1−10アルキルまたはC(O)アリールなどのケトン(−C(O))またはアルデヒド(−C(O)R6’)、ここでR6’は水素、C1−10アルキル、C3−7シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1−10アルキル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールC1−10アルキル(そしてここで、水素を除き該R6’部分は、独立して、それ自体1または2回ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシ置換アルキル、C1−4アルコキシ、S(O)mC1−4のアルキル、モノおよびジ−置換C1−4アルキルアミノなどのアミノ、C1−4アルキルまたはCF3により、場合により置き換えられていてもよい。)、C(O)OR6’、NR4’R14’、ここで、R4’およびR14’は、それぞれ独立して水素またはアミノもしくはモノもしくは−ジ置換C1−4アルキルなどのC1−4アルキル、またはここで、該R4’R14’は、場合によりO/N/Sから選択される追加のヘテロ原子を有する5〜7員環を形成するために、それらが結合する窒素と共に環化していてもよい、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチルなどのC1−10アルキル、C3−7シクロアルキルもしくはC3−7シクロアルキルC1−10アルキル基またはシクロプロピルメチル、CF2CF2HまたはCF3などのハロ置換C1−10アルキル、フェニルのような場合により置換されていてもよいアリール、またはベンジルもしくはフェネチルのような場合により置換されていてもよいアリールアルキル、ここでこれらアリール含有部分は、ハロゲンで1〜2回置換されていても良い、ヒドロキシ、ヒドロキシ置換アルキル、C1−4アルコキシ、S(O)mC1−4アルキル、モノおよびジ−置換C1−4アルキルアミノなどのアミノ、C1−4アルキルまたはCF3などの基を意味するとする。
本明細書中で用いられる「ハロ」または「ハロゲン」との語は、塩素、フッ素、臭素、およびヨウ素などのハロゲン類を意味する。
本明細書中「C1−10アルキル」、「アルキル」、または「アルキル1−10」との語は、特定数の炭素原子を有する直鎖および分枝の炭化水素鎖の両方を意味するために用いられる。たとえば、鎖長が他に限定されなければ、C1−10アルキルは少なくとも一つの、そして10以下の炭素原子の分枝アルキル鎖の直鎖を意味する。本明細書で使用される「アルキル」の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、イソブチル、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチルまたはt−ブチルおよびヘキシルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書中「アルケニル」との語は、特定数の炭素原子を有し、そして少なくとも一つの二重結合を有する直鎖または分枝の炭化水素鎖を指す。例えば、C2−6アルケニルは少なくとも二つの、そして6以下の炭素原子を有し、そして少なくとも一つの二重結合を有する直鎖または分枝のアルケニルを意味する。本明細書で用いられる「アルケニル」の例としては、エテニル、2−プロペニル、3−ブテニル、2−ブテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、3−メチル−2−ブテニル、3−メチルブタ−2−エニル、3−ヘキセニルおよび1,1−ジメチルブタ−2−エニルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書中「アルコキシ」との語は、特定数の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ基を指す。例えば、C1−6アルコキシは、少なくとも一つの、そして6以下の炭素原子を有する直鎖または分枝のアルコキシを意味する。本明細書で用いられる「アルコキシ」の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、プロップ−2−オキシ、ブトキシ、ブタ−2−オキシ、2−メチルプロップ−1−オキシ、2−メチルプロップ−2−オキシ、ペントキシ、およびヘキシルオキシが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書中「シクロアルキル」との語は、特定数の炭素原子を有する非芳香族炭化水素環などの環状の遊離基を指す。例えば、C3−7シクロアルキルは、少なくとも三つ、そして7以下の環炭素原子を有する非芳香族環を意味する。本明細書で用いられる「シクロアルキル」の代表例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書中「シクロアルケニル」との語は、好ましくは5〜7個の炭素であり、特定数の炭素原子を有する非芳香族炭化水素などの環状の遊離基を意味するために用いられる。非芳香族炭化水素は、少なくとも一つの結合を有するシクロペンテニルおよびシクロヘキセニルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書中、「アルケニル」との語は、全ての発生においてその鎖長に限定がない場合、2〜10個の炭素原子の直鎖または分枝鎖の遊離基を意味するために用いられ、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書中、「アリール」との語はフェニル、ナフチル、およびインデンを意味するために用いられる。
本明細書中、「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール部分」、および「ヘテロアリール」との語は、酸素、窒素、および硫黄から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を有する単環式の5〜7員の不飽和炭化水素環を意味する。ヘテロアリール環の例として、フリル、ピラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、オキサチアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、およびウラシルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本明細書中、「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール部分」、および「ヘテロアリール部分」は、酸素、窒素、および硫黄から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含んでなる縮合芳香族環を指すためにも用いるとする。該縮合環のそれぞれは、5または6個の環原子を含んでいてもよい。縮合芳香族環の例として、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリジニル、アザインドリル、ベンゾキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、シンノリニル、プリニル、およびフタラジニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書中「複素環」、「複素環部分」、および「ヘテロシクリル」との語は、窒素、酸素、硫黄または例えばS(O)mのような酸化した硫黄部分(mは0または1〜2の値を有する整数である。)から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を有する単環式3〜7員飽和または非芳香族、不飽和炭化水素環を意味するために用いられる。「複素環」、「複素環部分」、および「ヘテロシクリル」との語は、飽和または部分的に不飽和の縮合環をも指し、ここで、該環の一つは芳香族または複素環芳香族でよい。それぞれの縮合環は、4〜7個の環原子を有していてもよい。ヘテロシクリル基の例としては、テトラヒドロピロール、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン(硫黄部分が酸化型のものを含む)、アゼピン、ジアゼピン、アジリジニル、ピロリニル、ピロリジニル、2−オキソ−1−ピロジニル、3−オキソ−1−ピロリジニル、1,3−ベンズジオキソル−5−イル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、インドリニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリノおよびチオモルホリノ(硫黄部分が酸化型のものを含む)のような上記定義したヘテロアリール部分の飽和または部分的に飽和したものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書中「アリールアルキル」、「ヘテロアリールアルキル」、または「複素環(式)アルキル」との語は、特に指示がない場合、アリール、ヘテロアリールまたは複素環部分(上記定義)に結合したC1−4アルキル(上記定義)を意味する。
本明細書中「スルフィニル」との語は、対応する硫化物のS(O)酸化物を意味するために用いられ、「チオ」との語は硫化物を指し、そして「スルホニル」との語は完全に酸化したS(O)2部分を指す。
本明細書中「アロイル」との語は、C(O)Arを意味するために用いられ、ここで、Arは、上記定義のベンジルおよびフェネチルを含む基のようなフェニル、ナフチルまたはアリールアルキル誘導体としてであるが、これらに限定されるものではない。
本明細書中「アルカノイル」との語は、アルキルが上記定義の通りであるC(O)C1−10アルキル、を意味するために用いられる。
本明細書中「場合により」との語は、その後に記載される現象が起きても起きなくてもよく、そして、起きる事象および起きない事象を共に包含する。
本明細書中「置換される」との語は、指定された置換基(一つまたは複数)に置き換えること、特に記載のない場合、もたらされる複数回の置換を指す。
立体異性体に関しては、本明細書中の式の化合物は、一つ以上の不斉炭素原子を有し、ラセミ体、ラセミ混合物および個々のエナンチオマーまたはジアステレオマーとして存在してよい。全てのそのような異性体の形態は、それらの混合物を含め、本発明に包含される。
シス(E)およびトランス(Z)異性が生じてもよい。本発明は、本発明の化合物の個々の立体異性体、および必要に応じて、その個々の互変異性型を、その混合物と共に包含する。
ジアステレオ異性体またはシスおよびトランス異性体の分離は、従来の手法により、例えば、分別結晶法、クロマトグラフィーまたはH.P.L.C.により達成することができる。また、剤の立体異性混合物は、必要に応じて、対応する光学的に純粋な中間体から、または好適なキラル支持体を使用し対応するラセミ体のH.P.L.C.等の分割により、または対応するラセミ体と好適な光学活性酸もしくは塩基との反応により形成されたジアステレオ異性塩の分別結晶により、製造することもできる。
更に、本明細書中の式の化合物の結晶形態のいくつかは多形として存在してよく、それらは本発明に含まれる。
本発明の化合物の例示される化合物としては、ラセミ体または光学的に活性な形態の本明細書実施例の化合物およびそれらの薬学上許容される塩が挙げられる。
治療方法
式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩を治療で使用するには、通常はそれを標準的な製薬実務に準じて医薬組成物へと処方するであろう。したがって、本発明は、有効量の式(I)の化合物および薬理学上許容される担体または希釈剤を含んでなる医薬組成物にも関する。
式(I)の化合物、その薬学上許容される塩およびそれらを組み入れる医薬組成物は、薬物投与に従来使用される経路のいずれか、例えば、経口、局所、非経口、または吸入により、便利に投与されてよい。式(I)の化合物は、式(I)の化合物と、標準的な薬理学的担体とを従来の手順に従って組み合わせることにより製造される、従来の剤形で投与されてもよい。式(I)の化合物はまた、公知の別の治療上活性な化合物との組み合わせで、従来の用量で投与されても良い。これらの手順には、成分を適切に所望の製剤へと混合、造粒および圧縮または溶解させることが含まれてよい。薬理学上許容される特性または希釈剤の形態および特性が、それを組み合わせる活性成分の量、投与経路およびその他周知の変動因子により決定されることが理解されるであろう。かかる担体は、処方物のその他成分と適合し、且つそのレシピエントに有害でないという意味において、「許容される」ものでなくてはならない。
使用する薬理学的担体は、例えば、固体または液体のいずれかであってよい。固体担体の例としては、乳糖、石膏、ショ糖、滑石、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸等が挙げられる。液体担体の例としては、シロップ、落花生油、オリーブ油、水等が挙げられる。同様に、かかる担体または希釈剤は、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリン等の当該分野で周知の時間遅延材料を、単独で、またはワックスと併せて含んでよい。
幅広い種類の薬理学的形態を使用することができる。したがって、固体担体を使用する場合、製剤を錠剤化、粉末またはペレットの形態で硬ゼラチンカプセル中に入れることができ、またはトローチもしくはロゼンジの形態とすることができる。固体担体の量は様々だろうが、好ましくは、約25mg〜約1gであろう。液体担体を使用する場合、製剤は、シロップ、エマルション、軟ゼラチンカプセル剤、アンプルまたは非水系液体懸濁液等の無菌注射液の形態であろう。
式(I)の化合物は、局所的に、すなわち非全身的に投与されてよい。これには、式(I)の化合物の表皮または口腔への外用、ならびにかかる化合物の耳、目および鼻への滴注が含まれ、これによりかかる化合物は血流中に有意に入らない。対照的に、全身的投与は、経口、静脈内、腹腔内および筋肉内投与を意味する。
局所投与に好適な処方としては、塗布薬、ローション、クリーム、軟膏、もしくはペースト等の、炎症部位へ皮膚を透過させるのに好適な液体または半液体製剤、および目、耳または鼻への投与に好適な滴剤が挙げられる。活性成分は、局所投与のためには、かかる処方物の0.001〜10%w/w、例えば1〜2重量%を構成してよい。しかしながら、活性成分はかかる処方物の10%w/wまでを構成してよいが、好ましくは5%w/w未満、より好ましくは0.1〜1%w/wを構成するであろう。
本発明のローションとしては、皮膚や目への適用に好適なものが挙げられる。目薬は、場合により殺菌剤を含有していてもよい無菌水溶液を含んでなってよく、滴剤を調整する方法と同様にして製造することができる。皮膚へ適用するためのローションまたは塗布薬はまた、アルコールやアセトン等の乾燥を促進し皮膚を冷却する薬剤、および/またはグリセロールもしくはヒマシ油や落花生油等の油などのモイスチャライザーを含んでもよい。
本発明のクリーム、軟膏、またはペーストは、外用のための活性成分の半固体処方である。これらは、活性成分を微粉砕または粉末化した形態において、単独あるいは水性もしくは非水性流体中の溶液または懸濁液中で、好適な機械の助けを用いて、グリースまたは非グリース基剤と混合することにより製造できる。かかる基剤は、例えば、硬質、軟質もしくは流動パラフィン等の炭化水素、グリセロール、蜜蝋、金属石鹸、漿剤、アーモンド油、トウモロコシ油、落花生油、ヒマシ油もしくはオリーブ油等の天然由来の油、羊毛油もしくはその誘導体、またはステアリン酸もしくはオレイン酸等の脂肪酸を、プロピレングリコールやマクロゴール等のアルコールと共に含んでなることができる。かかる処方物は、アニオン性、カチオン性または非イオン性界面活性剤等の任意の好適な界面活性剤、例えば、ソルビタンエステルまたはそのポリオキシエチレン誘導体を組み入れることができる。天然ゴム、セルロール誘導体または珪質シリカ等の無機材料などの懸濁化剤およびラノリン等の他の成分を含んでもよい。
本発明の液剤は、無菌水溶液もしくは油性溶液または懸濁液を含んでなることができ、殺菌剤および/もしくは殺真菌剤ならびに/または他の任意の好適な保存料の好適な溶液中に活性成分を溶解させることにより製造でき、好ましくは界面活性剤を含む。次いで、生じる水溶液を濾過により清澄し、好適な容器に移した後これを密封し、オートクレーブまたは98〜100℃で半時間維持することにより殺菌する。あるいは、かかる溶液を濾過により殺菌し、無菌技術により容器に移してもよい。滴剤に含ませるのに好適な殺菌および殺真菌剤の例としては、硝酸または酢酸フェニル水銀(0.002%)、塩化ベンザルコニウム(0.01%)および酢酸クロルヘキシジン(0.01%)が挙げられる。油性溶液の調製に好適な溶媒としては、グリセロール、希釈アルコールおよびプロピレングリコールが挙げられる。
式(I)の化合物は、非経口で、すなわち静脈内、筋肉内、皮下、鼻腔内、直腸内、腟内、または腹腔内での投与により、投与することができる。皮下および筋肉内形態の非経口投与が一般的には好ましい。そのような投与用の適切な剤形は、従来の手法によって調製することができる。式(I)の化合物はまた、吸入、すなわち鼻腔内および経口吸入投与により、投与されてもよい。そのような投与用の、エアロゾル処方または計量吸入器等の適切な剤形は、従来の手法によって調製することができる。
本発明の一つの実施形態において、本発明の剤は、経口吸入または鼻腔内投与によって送達される。そのような投与用の、エアロゾル処方または計量吸入器等の適切な剤形は、従来の手法によって調製することができる。
吸入による投与については、化合物は、好適な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、テトラフルオロエタンもしくはヘプタフルオロプロパン等のヒドロフルオロアルカン、二酸化炭素またはその他の好適な気体を用いて、加圧パックまたはネブライザ−からエアロゾルスプレー提供の形態で送達されてよい。加圧エアロゾルの場合、投与単位は、バルブを備えることにより決定し、計量された量を送達することができる。吸入器または注入器用の、例えばゼラチン製のカプセルおよびカートリッジは、本発明の化合物と乳糖またはデンプン等の好適な粉末基剤との粉末混合物を含むように処方することができる。
吸入により肺へ局所送達するための乾燥粉末組成物は、吸入器または注入器での使用のために、例えばゼラチン等のカプセルおよびカートリッジ、または、例えば積層アルミ箔のブリスターに入れることができる。粉末配合処方物は、一般的に、本発明の化合物の吸入のための粉末混合物および、モノ−、ジ−またはポリ−サッカリド(例えば、乳糖またはデンプン)等の好適な粉末基剤(担体/希釈剤/賦形剤物質)を含有している。
一般的に、カプセルまたはカートリッジはそれぞれ、場合により他の治療上活性な成分との組み合わせで、20μg〜10mgの式(I)の化合物を含有することができる。あるいは、本発明の化合物は賦形剤なしで存在してもよい。
好適には、パッキング/薬剤ディスペンサは、リザーバ乾燥粉末吸入器(RDPI)、複数回投与用乾燥粉末吸入器(MDPI)および計量吸入器(MDI)からなる群より選択される種類のものである。
リザーバ乾燥粉末吸入器(RDPI)とは、粉末形態の複数回分(計量されていない用量)の薬剤を含んでなり、リザーバから送達位置へ薬剤を計量するための手段を含むのに好適なリザーバ形態を有する吸入器を意味する。かかる計量手段は、例えば、計量カップを含んでなり、この計量カップは、カップにリザーバから薬剤を充填することができる第一の位置から、計量された薬剤用量が吸入のために患者に利用可能とされる第二の位置へと、移動可能である。
複数回投与用乾燥粉末吸入器(MDPI)とは、複数回分の一定用量(またはその一部)の薬剤を含有する(または、そうでなければ担持する)複数回投与用パック内に薬剤を含んでなる、乾燥粉末形態の薬剤を投薬するのに好適な吸入器を意味する。好ましい態様においては、担体はブリスターパックの形態を有するが、例えば、カプセルベースのパック形態またはプリンティング、ペインティングおよび真空吸蔵(vacuum occlusion)を含むいずれかの好適な工程により薬剤が塗布されている担体を含んでなることも可能である。
複数回用量送達の場合、処方物は、事前計量(例えば、ディスカス(Diskus)のように(英国特許第2242134号公報、米国特許第6,632,666号公報、同5,860,419号公報、同5,873,360号公報、および5,590,645号公報を参照されたい)またはディスクヘイラー(Diskhaler)のように(英国特許第2178965号公報、同2129691号公報、同2169265号公報、米国特許第4,778,054号公報、同4,811,731号公報、および同5,035,237号公報を参照されたい)、これらの開示は引用することにより本発明の開示の範囲とされる。)、または使用の際に計量(例えば、タービュヘイラー(Turbuhaler)のように(欧州特許第69715号公報を参照されたい)または、米国特許第6,321,747号公報に記載の装置のように、これらの開示は引用することにより本発明の開示の範囲とされる。)することができる。単位用量装置の例としては、ロタヘイラー(Rotahaler)(英国特許第2064336号公報および米国特許第4,353,656号公報を参照されたい、これらの開示は引用することにより本明細書の開示の範囲とされる。)
ディスカス吸入装置は、それぞれがその中に式(I)の化合物を、好ましくは乳糖との組み合わせで含有する吸入可能な処方を有する複数の容器を画定するように、その長さに沿って間隔のあいた複数の凹部ベースシートと、その凹部を密閉であるが剥離可能に密封する蓋シートから形成される細長いストリップとを含んでなる。好ましくは、かかるストリップは、ロール状に巻き取られるのに十分に柔軟である。蓋シートおよびベースシートは、好ましくは、互いに密封されていない先端部分を有し、かかる先端部分の少なくとも一つが、巻き取り手段に付着するように構成されている。また、好ましくは、ベースシートと蓋シートの間の密閉は、それらシートの全幅に亘る。蓋シートは、好ましくは、ベースシートの第一の先端から縦方向に、ベースシートから剥離することができる。
ある態様においては、複数回投与用パックは、乾燥粉末形態の薬剤を収容するための複数のブリスターを含んでなるブリスターパックである。かかるブリスターは、典型的には、そこからの薬剤放出を容易にするために、規則的に配置される。
ある態様においては、複数回投与用ブリスターパックは、円板形態のブリスターパック上に概して環状に配置された複数のブリスターを含んでなる。他の態様においては、複数回投与用ブリスターパックは、例えば、ストリップまたはテープを含んでなる細長い形態である。
ある態様においては、複数回投与用ブリスターパックは、互いに剥離可能に固定された二つの部材間に画定される。この一般的な種類の薬剤パックは、米国特許第5,860,419号公報、同5,873,360号公報、および同5,590,645号公報に記載されている。この態様においては、装置は通常、部材を剥離して各薬剤用量にアクセスするための剥離手段を含んでなる解放ステーションを備えている。好適には、かかる装置は、剥離可能な部材がその長さ方向にそって間隔をあけた複数の薬剤容器を画定する細長いシートである場合の使用に適合されており、この装置は、各容器を順番に割り出すための割り出し手段(indexing means)を備えている。より好ましくは、かかる装置は、シートの一枚がその中に複数のポケットを有するベースシートであり、もう一枚のシートが蓋シートである場合の使用に適合しており、各ポケットとかかる蓋シートの隣接部分は容器のそれぞれを画定し、この装置は、開放ステーションにおいて蓋シートとベースシートを剥離するための駆動手段を含んでなる。
計量吸入器(MDI)とは、噴射剤を基剤とするエアロゾル薬剤処方物を含有するのに好適なエアロゾル容器中に薬剤を含んでなる、エアロゾル形態の薬剤を投薬するのに好適な薬剤ディスペンサを意味する。かかるエアロゾル容器は、典型的には、エアロゾル形態の薬剤処方物を患者に放出するための計量バルブ、例えばスライドバルブが備えられている。かかるエアロゾル容器は、一般的に、容器を固定した状態に保持しつつバルブを押すか、またはバルブを固定した状態に保持しつつ容器を押すかのいずれかにより解放可能なバルブによって各作動時に所定用量の薬剤を送達するように設計されている。
薬剤容器がエアロゾル容器の場合、バルブは、典型的には、導入口、排出口および解放/閉鎖機構を有するバルブ本体を含んでなり、該導入口を介して薬剤エアロゾル処方物を該バルブ本体内に入れることができ、該排出口を介して該エアロゾルがバルブ本体を出ることができ、該機構によって該排出口を介する流れが制御可能となっている。
バルブはスライドバルブであってよく、ここで解放/閉鎖機構は、封止リングと、封止リングによって受けることができる、投薬通路を有するバルブ軸部とを含んでなり、該バルブ軸部はバルブ閉位置からバルブ開位置まで該リング内にてスライド式に移動可能であり、バルブ本体の内部は投薬通路を介してバルブ本体の外部と連通している。
典型的には、バルブは計量バルブである。典型的な計量される容量は、10〜100μlであり、例えば25μl、50μl、または63μlである。好適には、バルブ本体により薬剤処方量を計量するための計量チャンバーおよび解放/閉鎖機構が画定され、この機構によって導入口を介する計量チャンバーへの流れが制御可能となる。好ましくは、バルブ本体は第二の導入口を介して計量チャンバーと連通しているサンプリングチャンバーを有し、該導入口は解放/閉鎖機構によって制御可能であり、これにより、計量チャンバー内への薬剤処方物の流れを調節できる。
バルブはまた、チャンバーと、チャンバーへと延在していて投薬位置と非投薬位置の間でチャンバーに対して移動可動なバルブ軸部とを有する「自由流動エアロゾルバルブ(free flow aerosol valve)」を含んでなることができる。バルブ軸部とチャンバーの間によって計量される容量が定義され、且つ非投薬位置と投薬位置間での移動の間にバルブ軸部が連続して:(i)チャンバー内へエアロゾル処方物を自由流動させ、(ii)バルブ軸部の外面とチャンバーの内面の間の加圧エアロゾル処方物の閉鎖計量容量を規定し、そして(iii)この閉鎖計量容量を減少させることなく、チャンバー内を該閉鎖計量容量と共に、出口経路と連通するまで移動するように、バルブ軸部はある構成を、そしてチャンバーは内部構成を有し、これにより、計量された用量の加圧エアロゾル処方物の投薬が可能となる。この種のバルブは、米国特許第5,772,085号公報に記載されている。更に、本発明の化合物の鼻腔内送達も有効である。
有効な薬理学的経鼻用組成物を処方するには、薬剤を鼻腔の全ての部分(標的組織)に容易に送達され、そこで薬理学的機能を発揮する必要がある。更に、その薬剤が比較的長時間、標的組織と接触したままであるべきである。薬剤が標的組織と接触している時間が長ければ長いほど、鼻道内で鼻から粒子を取り除くように機能する力に抵抗することができなければならない。「粘液線毛クリアランス」と称されるそのような力は、迅速に、例えば、粒子が鼻に入ってから10〜30分以内に鼻から粒子を取り除くのに極めて効果的であると認識される。
経鼻用組成物の他の望ましい特性は、使用者を不快にさせる成分を含有してはならないこと、十分な安定性と保存期間特性を有すること、そして、環境に有害と考えられる構成成分、例えばオゾン枯渇剤を含まないことである。
鼻に投与する場合の本発明の処方物のための好適な投与計画においては、患者は、鼻腔を清潔にした後で深く吸入するであろう。その吸入の際、かかる処方物を、片方の鼻孔を手で押さえながら、もう片方の鼻孔に適用するであろう。次いで、この手順をもう片方の鼻孔について反復するであろう。
一つの実施形態において、本発明の処方物を鼻道へと適用するための手段は、与圧式ポンプの使用である。最も好ましくは、かかる与圧式ポンプは、Valois SA社製VP7型であろう。十分な力が加わるまでは処方物を放出しないこと、そうでなければ、より小さな用量が適用され得ることを確実にするであろうため、このようなポンプは有益である。与圧式ポンプの他の利点は、スプレーを効果的に噴霧化するための閾値圧力が達成されるまで処方物を放出しないため、スプレーの噴霧化が保障されていることである。典型的には、該VP7型は、10〜50mlの処方物を保持することが可能なボトルと共に使用することができる。典型的には、各スプレーはそのような処方物を50〜100μl送達するだろう。したがって、VP7型は、少なくとも100回分の計量容量を提供することができる。
吸入による肺への局所的送達用のスプレー組成物は、例えば、水溶液もしくは懸濁液として、または、計量吸入器等の加圧パックから好適な液化噴射剤を用いて送達されるエアロゾルとして処方することができる。吸入に好適なエアロゾル組成物は、懸濁液または溶液のいずれかであり得、一般的に、式(I)の化合物を、場合により他の治療上活性な成分および好適な噴射剤、例えばフルオロカーボンもしくは水素含有クロロフルオロカーボンまたはその混合物、具体的にはヒドロフルオロアルカン(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラ−フルオロエタン)、特に1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパンまたはその混合物、との組み合わせで含有することができる。二酸化炭素または他の好適な気体を噴射剤として使用してもよい。かかるエアロゾル組成物は賦形剤を含まないものであってよく、または場合により、界面活性剤、例えばオレイン酸またはレシチン、およびエタノール等の共溶媒等の当該分野で周知の更なる処方用賦形剤を含むことができる。加圧された処方物は、一般的に、バルブ(例えば、計量バルブ)で閉じられ、口金を備えたアクチュエータに装備されたキャニスタ(例えば、アルミニウム製キャニスタ)の中に保持されるであろう。
望ましくは、吸入による投与用の薬剤は、制御された粒子サイズを有する。気管支系内への吸入に最適な粒子サイズは、通常1〜10μm、好ましくは2〜5μmである。20μmを超えるサイズを有する粒子は、一般的に、吸入された場合、大き過ぎて末梢気道に到達できない。かかる粒子サイズを得るために、製造の際、活性成分の粒子サイズを微粉化等の従来手段によって小さくすることができる。所望の画分は、空気分級または篩分により分離することができる。好適には、かかる粒子は結晶形態であろう。乳糖等の賦形剤を使用する場合、一般的に、賦形剤の粒子サイズは、本発明の範囲内にある吸入される薬剤よりもかなり大きくなるだろう。賦形剤が乳糖の場合、それは典型的には粉砕した乳糖として存在し、乳糖粒子の85%以下が60〜90μmのMMDを有し、15%以上が15μm未満のMMDを有するであろう。
経鼻用スプレー剤は、増粘剤、緩衝塩またはpH調節のための酸もしくはアルカリ、等張性調節剤、または抗酸化剤等の剤を加えて、水性または非水性のビヒクルを用いて処方することができる。
噴霧による吸入用の液剤は、酸もしくはアルカリ、緩衝塩、等張性調節剤または抗菌剤等の剤を加えて、水性ビヒクルを用いて処方することができる。これらの液剤は、濾過またはオートクレーブ中での加熱により滅菌することができ、または非滅菌製品として提供してもよい。
式(I)の化合物の本明細書で開示される使用方法の全てについて、日々の局所投与計画は、1日に1〜4回の投与で、好ましくは0.01mg〜1000mgとなるであろう。日々の吸入投与計画は、1日あたり1回以上の投与で、好ましくは1日あたり約0.05μg/kg〜約1mg/kg、より好ましくは約0.2μg/kg〜20μg/kgとなるであろう。日々の経鼻投与計画は、1日あたり1回以上の投与で、好ましくは1日あたり約0.05μg/kg〜約1mg/kg、より好ましくは0.2μg/kg〜約20μg/kgとなるであろう。また、当業者であれば、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の最適な量および各投与の間隔が、治療している状態の性質や程度、投与の形態、経路および部位、ならびに治療している特定の患者によって決定されるであろうこと、そして、そのような最適条件が従来の手法によって決定され得ることも認識するであろう。また、当業者であれば、最適な治療方針、すなわち、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の規定日数間一日あたりに投与される用量数が、従来の治療経過判定試験を用いることにより、当業者が確認できることも理解するであろう。
新規な式(I)の化合物はまた、ムスカリン性受容体の拮抗作用またはPDE−IV酵素を必要とする、ヒト以外の哺乳動物の獣医学的治療との関連で使用してもよい。具体的には、かかる治療は、本明細書の治療方法の項において記載したもの等の疾患状態の、動物における療法的または予防的な治療を含む。
本明細書において用いられる治療には、予防を含んでもよい。また、患者の症状の低減、患者の症状の改善、患者の重症度の低減、患者の罹患率の低減、または治療結果を向上させる患者の状態におけるその他のいかなる変化をも含む。
具体的に上述した成分に加え、本発明の処方物は、問題の処方の種類に関連する当該分野において一般的なその他の剤を含んでもよいことが理解されるべきであり、たとえば、経口投与に好適なものは香味料を含んでよく、あるいは吸入用のものは乳糖等の担体を含んでよい。
単一の分子内における、ムスカリン性受容体の二重ファルマコフォアのアンタゴニストおよびPDE4酵素の阻害剤の期待される治療活性は、肺内での気管支拡張剤として(ムスカリン性受容体アンタゴニスト活性およびPDE4阻害の両者により提供される)、および抗炎症剤として(PDE4酵素の阻害を介した3’,5’−環状アデノシン一リン酸(cAMP)の細胞基質濃度の上昇、ならびに免疫細胞および常在細胞上のムスカリン性受容体に媒介されるその他の炎症誘発機構の妨害による)のものである。更に、同一細胞内での両標的のモジュレーションによる下流情報伝達系の同時相互作用を介する抗炎症剤として、協同的に更にプラスとなる可能性もある。
ムスカリン性受容体はG−タンパク質(Gq/11を介するM1、M3およびM5、ならびにGi/0を介するM2およびM4)と共役結合し、多くの細胞内標的およびシグナルカスケードの活性化を引き起こすことができる。例えば、Gi/0を介するM2およびM4受容体は細胞のアデニリルシクラーゼ濃度を低下させMAPキナーゼ活性化を増加させることができる一方、Gq/11を介するM1、M3、およびM5受容体は、ホスホリパーゼCβ(PLCβ)を増加させMAPキナーゼ活性化を増加させることができる(Nathanson NM. A multiplicity of muscarinic mechanisms: enough signaling pathways to take your breathe away. Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 2000; 97:6245-6247. Lanzafame AA. Cellular signaling mechanisms for muscarinic acetylcholine receptor s. Recept. Chann. 2003; 9:241-260)。
M2受容体の妨害によってGi/0を介してアセチルコリン情報伝達を阻害し、これによりアデニリルシクラーゼ活性の減少を阻害することで、ATPからcAMPへの転換を担う酵素であるアデニリルシクラーゼの活性が増加し、cAMPから5-AMPへの分解を担うPDE4酵素の阻害により、cAMPの細胞内濃度を上昇させられる可能性がある。したがって、同一の細胞において同時にM2受容体を妨害しPDE4を阻害すると、細胞内のcAMPの全体的な濃度を増加させる二つの独立した機構により、細胞内cAMPの上昇が引き起こされるであろう。環状AMPの濃度上昇は、T−細胞、マクロファージ、および好中球を含む一連の免疫細胞ならびに上皮細胞や気道平滑筋細胞等の常在肺細胞において、抗炎症活性を有することが示されている。cAMPの上昇は気道平滑筋の弛緩を引き起こすこともでき、M3受容体の阻害とは独立した、気管支拡張を惹起するための更なる機構を提供する可能性がある。呼吸器疾患におけるPDE4阻害の潜在的な治療活性に関する総説については、以下を参照されたい:Kroegel C & Foerster M. Phosphodiesterase-4 inhibitors as a novel approach for the treatment of respiratory disease: cilomilast. Expert Opin. Investig. Drugs 2007; 16:109-124. Dastidar SG. et al., Therapeutic benefit of PDE4 inhibitors in inflammatory diseases. Curr. Opin. Investig. Drugs 2007; 8:364-372. Krymskaya VP & Panettieri RA. Phosphodiesterases regulate airway smooth muscle function in health and disease Curr. Top. Dev. Biol. 2007; 79:61-74. Spina D. The potential of PDE4 inhibitors in respiratory disease. Curr. Drug Targets Inflamm. Allergy 2004; 3:231-236。
両方のムスカリン受容体において、そしてPDE4阻害剤として同一の細胞で機能する単一の薬剤物質の肺内における素因は、これらの独立した標的を介して、協同的抗炎症活性または気管支拡張活性のための最大の好機を提供する。この方法は、肺の細胞で共素因(co−disposition)として各標的に向けられる2種類のファルマコフォアを共投与するのと比較して、これら二つの独立した機構の相互作用を最大限にするより優れた可能性を提供し、これは第二の方法では保障されないものである。ここで概説した新規な単一の二重ファルマコフォアを用いる方法は、それ故、各標的に向けられた2種類の別個のファルマコフォアの投与と比較して、肺の細胞への共素因のための有意に優れた可能性を提供する。これに加え、そのようなファルマコフォアはまた、呼吸器疾患の治療のための既存または他の新規な吸入療法との組み合わせに対し、より従順に対応することもできるであろう。
したがって、本発明の化合物および医薬処方物は、例えば抗炎症剤、他の選択的抗コリン作動剤(具体的には、M1、M2、もしくはM1/M2受容体アンタゴニスト)、β2−アドレナリン受容体アンタゴニスト、抗感染剤(例えば、抗生物質、抗ウイルス剤)、または抗ヒスタミン剤から選択される1種類以上の他の治療剤との組み合わせで使用することができ、あるいはそれを含んでよい。したがって本発明は、更なる態様において、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体を、例えば抗炎症剤(例えばコルチコステロイドもしくはNSAID)、抗コリン作動剤、β2−アドレナリン受容体アンタゴニスト、抗感染剤(例えば、抗生物質もしくは抗ウイルス剤)または抗ヒスタミン剤から選択される1種類以上の他の治療上活性な剤と共に含んでなる組み合わせを提供する。本発明の一態様は、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体を、コルチコステロイドおよび/または抗コリン作動薬および/またはPDE−4阻害剤と共に含んでなる組み合わせである。好ましい組み合わせは、1種または2種の他の治療剤を含んでなるものである。
かかる他の治療成分は、必要に応じて、塩(例えば、アルカリ金属もしくはアミン塩または酸付加塩)またはプロドラッグの形態で、またはエステル(例えば、低級アルキルエステル)として、または溶媒和物(例えば、水和物)として使用し、治療成分の活性および/または安定性および/または物理特性(例えば、溶解度)を最適化できることは、当業者には明らかであろう。かかる治療成分を必要に応じて光学的に純粋な形態で使用できることも、明らかであろう。
本発明の好適な一つの組み合わせは、本発明の化合物と共に、β2−アドレナリン受容体アンタゴニストを含んでなる。
β2−アドレナリン受容体アンタゴニストの例としては、サルメテロール(ラセミ体またはR−エナンチオマー等の単一のエナンチオマーでよい)、サルブタモール、フォルモテロール、サルメファモール、フェノテロールまたはテルブタリンおよびそれらの塩、例えば、サルメテロールのキシナホ酸塩、サルブタモールの硫酸塩もしくは遊離塩基またはフォルモテロールのフマル酸塩が挙げられる。長時間作用型β2−アドレナリン受容体アンタゴニスト、特に24時間に亘って治療効果を有するもの、例えばサルメテロールまたはフォルモテロールが好ましい。
好適な長時間作用型β2−アドレナリン受容体アンタゴニストとしては、国際公開公報02/66422A号、国際公開公報02/270490号、国際公開公報02/076933号、国際公開公報03/024439号、国際公開公報03/072539号、国際公開公報03/091204号、国際公開公報04/016578号、国際公開公報04/022547号、国際公開公報04/037807号、国際公開公報04/037773号、国際公開公報04/037768号、国際公開公報04/039762号、国際公開公報04/039766号、国際公開公報01/42193号、および国際公開公報03/042160号に開示されるものが挙げられ、これらの開示は引用することにより本発明の開示の範囲とされる。
好ましい長時間作用型β2−アドレナリン受容体アンタゴニストは:3−(4−{[6−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}ブチル)ベンゼンスルホンアミド、3−(3−{[7−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}−アミノ)ヘプチル]オキシ}プロピル)ベンゼンスルホンアミド、4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール、4−{(1R)−2−[(6−{4−[3−(シクロペンチルスルホニル)フェニル]ブトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール、N−[2−ヒドロキシル−5−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−[[2−4−[[(2R)−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル]アミノ]フェニル]エチル]アミノ]エチル]フェニル]ホルムアミド、およびN−2{2−[4−(3−フェニル−4−メトキシフェニル)アミノフェニル]エチル}−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2(1H)−キノリノン−5−イル)エチルアミンである。
好適な抗炎症剤としては、コルチコステロイドが含まれる。本発明の化合物と組み合わせで使用できる好適なコルチコステロイドは、経口および吸入コルチコステロイド、ならびに抗炎症活性を有するそれらのプロドラッグである。例としては、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、フルチカゾンプロピオン酸、6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボン酸S−フルオロメチルエステル、6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボン酸S−(2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3S−イル)エステル、6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−17α−(1−メチルシクロプロピルカルボニル)オキシ−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボン酸S−フルオロメチルエステル、6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−(2,2,3,3−テトラメチルシクロプロピルカルボニル)オキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸シアノメチルエステル、ベクロメタゾンエステル類(17−プロピオン酸エステルまたは17,21−ジプロピオン酸エステル等)、ブデソニド、フルニソリド、モメタゾンエステル類(フロアートエステル(furoate ester)等)、トリアムシノロンアセトニド、ロフレポニド、シクレソニド、(16α,17−[[(R)−シクロヘキシルメチレン]ビス(オキシ)]−11β,21−ジヒドロキシ−プレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン)、プロピオン酸ブチキソコルト、RPR−106541およびST−126が挙げられる。好ましいコルチコステロイドとしては、フルチカゾンプロピオン酸、6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−17α−[(4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボニル)オキシ]−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボン酸S−フルオロメチルエステル、および6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボン酸S−フルオロメチルエステルが挙げられ、より好ましくは6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボン酸S−フルオロメチルエステルである。
トランス活性化よりもトランス抑制に対して選択性を有し併用治療で有用であり得るグルココルチコイド作用性を有する非ステロイド性化合物としては、以下の特許で包含されるものが挙げられる:国際公開公報03/082827号、国際公開公報01/10143号、国際公開公報98/54159号、国際公開公報04/005229号、国際公開公報04/009016号、国際公開公報04/009017号、国際公開公報04/018429号、国際公開公報03/104195号、国際公開公報03/082787号、国際公開公報03/082280号、国際公開公報03/059899号、国際公開公報03/101932号、国際公開公報02/02565号、国際公開公報01/16128号、国際公開公報00/66590号、国際公開公報03/086294号、国際公開公報04/026248号、国際公開公報03/061651号、国際公開公報03/08277号。
好適な抗炎症剤としては、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)が挙げられる。
好適なNSAIDとしては、クロモグリク酸ナトリウム、ネドクロミルナトリウム(nedocromil sodium)、ロイコトリエンアンタゴニスト、ロイコトリエン合成阻害剤(例えば、モンテルカスト)、iNOS阻害剤、トリプターゼ阻害剤およびエラスターゼ阻害剤、β−2インテグリンアンタゴニストおよびアデノシン受容体アゴニストもしくはアンタゴニスト(例えば、アデノシン2aアゴニスト)、サイトカインアンタゴニスト(例えば、CCR3アンタゴニスト等のケモカインアンタゴニスト)もしくはサイトカイン合成阻害剤、5−リポキシゲナーゼ阻害剤、p38阻害剤、およびIKK2阻害剤が挙げられる。他の好適なβ2−アドレナリン受容体アンタゴニストとしては、サルメテロール(例えば、キシナホ酸塩として)、サルブタモール(例えば、硫酸塩もしくは遊離塩基として)、フォルモテロール(例えば、フマル酸塩として)、フェノテロールまたはテルブタリン、およびそれらの塩が挙げられる。iNOS(誘導型一酸化窒素シンターゼ阻害剤)は、経口投与用であることが好ましい。好適なiNOS阻害剤としては、国際公開公報93/13055号、国際公開公報98/30537号、国際公開公報02/50021号、国際公開公報95/34534号、および国際公開公報99/62875号に開示されているものが挙げられる。好適なCCR3阻害剤としては、国際公開公報02/26722号に開示されているものが挙げられる。
好適な抗ヒスタミン剤(H1−受容体アンタゴニストとも称される)は、H1−受容体を阻害することが公知の多数のアンタゴニストのいずれか1種以上を含み、ヒトへの使用で安全である。その全てが、ヒスタミンとH1−受容体の相互作用の可逆的な拮抗阻害剤である。これら阻害剤の大多数は、大抵が第1世代アンタゴニストであり、一般的には、以下の3種類の抗ヒスタミン剤が挙げられる:エタノールアミン、エチレンジアミン、およびアルキルアミン。更に、他の第1世代抗ヒスタミン剤としては、ピペリジン(piperizine)系およびフェノチアジン系であると特徴付けられるものが挙げられる。非鎮静性である第2世代アンタゴニストは、コアエチレン基(アルキルアミン)を保持するか、または第三級アミン基を模倣するという点において、ピペリジン(piperizine)またはピペリジン(piperidine)と類似した構造−活性関係を有する。アンタゴニストの例としては、以下のものが挙げられる:
エタノールアミン:マレイン酸カルビノキサミン、フマル酸クレマスチン、塩酸ジフェニルヒドラミン、およびジメンヒドリナート、
エチレンジアミン:マレイン酸ピリラミン、トリペレナミンHCl、およびクエン酸トリペレナミン、
アルキルアミン:クロルフェニラミンおよびマレイン酸塩等のその塩ならびにアクリバスチン、
ピペラジン:ヒドロキシジンHCl、ヒドロキシジンパモエート、シクリジンHCl、乳酸シクリジン、メクリジンHCl、およびセチリジンHCl、
ピペリジン:アステミゾール、レボカバスチンHCl、ロラタジンまたはそのデスカルボエトキシ類似体、ならびに塩酸テルフェナジンおよび塩酸フェキソフェナジンまたは他の薬学上許容される塩。
上記の組み合わせは、医薬処方物の形態で、使用のために好都合に提供することができる。したがって、上で定義される組み合わせを生理学的に許容される希釈剤または担体と共に含んでなる医薬処方物は、本発明の更なる態様を呈する。
そのような組み合わせの個々の化合物は、別個または組み合わせの医薬処方物において、順次または同時のいずれで投与できる。当業者であれば、公知の治療剤の適切な用量を容易に理解するであろう。
本発明を以下の生物学的実施例を参照して説明するが、これらは例示のために過ぎず、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
生物学的実施例
式(I)の化合物は二重ファルマコフォアを有するため、両活性を極大化することが本試験工程の構成要素となる。ムスカリン性M3受容体の拮抗性とPDE4酵素の阻害のバランスをとるのが望ましい。M3拮抗性は、本明細書中で記載の通り、哺乳動物の細胞株中で発現されるヒトの受容体において測定されるが、PDE4は通常、単離したヒト酵素上で測定されるため、細胞内PDE4阻害を反映する二次的な細胞アッセイで観察する。そのような細胞アッセイの一例は、以下に示すPBMCアッセイである。したがって、細胞中でのPDE4阻害(PBMCアッセイを使用して測定される)を最適化することが望ましい。M1受容体の作用性は通常、対照的に表わされるため、M3ファルマコフォアの力価をM1作用性無しで、もしくは部分的なM1作用性と共に維持または向上させることが、分子の望ましい特徴であろう。もう一つの特徴は、PDE4酵素アッセイとPBMCアッセイで反映される阻害の間での減少を低減することである。両ファルマコフォアは単一の分子内にあるため、膜貫通型M3受容体に対する有意な活性を保持しつつ、PBMCアッセイにおいて反映されるPDE4の細胞内阻害を高めることが望ましい。加えて、作用のインビボ効能および期間は、活性のインビトロ測定に必ずしも反映されないため、両標的でバランスのとれた効能を得るには、かかる分子の他の生理化学的特性が重要となる場合もある。したがって、本発明の一つの実施形態は、適切にバランスのとれた薬理学を有し、且つ溶解度、溶解速度、透過性、結晶化度、微粉化能(micronizability)および賦形剤適合性等の望ましい生理化学的特性を有する化合物である。かかる化合物を吸入により投与する場合、噴霧化処方または液剤型処方のためには、一般的に、低い水溶解度は好適でない。
本発明の一つの実施形態は、M3受容体における十分な拮抗性(pIC50≧8.0およびpA2≧8.0)、そしてPDE4酵素の阻害(pIC50≧8.0)および細胞活性(PBMCアッセイで反映される通り、pIC50≧7.0)を示す。
本発明の一つの実施形態において、式(I)の化合物は一般的に、種々のムスカリン性受容体(M1、M2、M3)の作用性または部分的作用性に対して選択的であり、PDE4>100倍vs他のPDEである。
mAChR(ムスカリン性)受容体における化合物の阻害効果と本発明のためのPDE4酵素は、以下に説明するインビトロおよびインビボでの機能アッセイにより測定される。
mAChR(ムスカリン性)受容体アッセイ
インビトロアッセイ
ムスカリン性受容体放射性リガンド結合アッセイ
クローン化ヒト受容体における相互作用を測定するための放射性リガンド結合実験
ヒトM1−M3受容体をクローニングし、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株中で安定的に発現させる。M2ACh受容体は、キメラGタンパク質(Gqi5)とCHO細胞中で共発現させる。[3H]−N−メチルスコポラミン(0.5nM)結合に対する競合は、粗CHO細胞膜(crude CHO cell membrane)を用いてシンチレーション近接アッセイ(SPA)により行う。対照として、アトロピンを全てのアッセイで使用する。
SPAアッセイでは、膜を小麦胚芽凝集素ビーズ(GE)と共に、50mMのHEPES緩衝液(Sigma社、セントルイス、ミズーリ州)(pH7.4)中で30分間、4℃にてプレインキュベートする。次いで、96ウェルオプティプレート(96−well Optiplate、Perkin Elmer社)中、ビヒクル(1%DMSO)または化合物(0.01〜1000nM)の存在下で2時間、0.2mLの終量で室温にて、0.5nMの[3H]−N−メチルスコポラミン(Perkin Elmer社)と共にインキュベートする。インキュベーションの最後に、プレートを遠心分離機(べックマンCS−6R)に2000RPMで5分間かけ、トップカウントマイクロプレートシンチレーションカウンター(Top Count Microplate Scintillation counter、A9912型、Packard社、メリデン、コネチカット州)にてカウントする。
各化合物について、三つの独立した実験において重複サンプルを使用し、濃度応答曲線を作成する。特異的結合は、全結合から非特異的結合(0.3μMアトロピンの存在下で定義される)を差し引くことにより決定する。IC50値は、濃度応答曲線から評価し、競合性アンタゴニストについてのCheng−Prusoff計算式によって各阻害剤の阻害定数(Ki)を決定するのに使用する:かかる計算に使用するKdは、M1、M2、およびM3のそれぞれについて、0.17nM、0.28nM、および0.16nMである。
膜調製
1000×gで10分間、4℃にて遠心分離機にかけて、細胞を採取する。細胞ペレットをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、液体窒素で急速冷凍する。膜調製物が作成されるまで、−80℃にてペレットを保管する。冷凍されたペレットを解凍し、低温の低張膜緩衝液(40mM Tris、pH7.5、1mM MgSO4、0.5mM EDTA、1mMのフッ化フェニルメチルスルホニル、2.5mg/Lロイペプチン、0.1mg/mLアプロチニン)に再懸濁させ、氷上で5分間インキュベートする。この細胞懸濁液を40mLのダウンス型ホモジナイザー(Dounce homogenizer)中で均質化し、2000rpmにて4℃で6分間遠心分離機にかけ、核と細胞片を除去する。この2000rpmペレットをホモジナイゼーション緩衝液中に再懸濁させ、2000rpmで6分間、再度遠心分離させる。この工程をもう2回繰り返す。合わせた上澄みを回収し、細胞膜を100000×gにて4℃で1時間かけてペレット化する。膜ペレットを膜緩衝液中に再懸濁させ、アリコートを−80℃で保管する。タンパク質濃度は、Bio−Rad社製のタンパク質アッセイ試薬を用いて定量する。
カルシウム動員実験(FLIPR)
クローン化ヒト受容体のアゴニスト(ACh)処理後に機能性細胞内カルシウムフラックスの妨害を引き起こすための、アンタゴニストの有効性を判定する実験。
このシステムは、四つの個別の種類のFLIPR方法論:(a)力価:IC50の測定、(b)力価:pA2の測定、(c)アンタゴニスト−受容体相互作用の可逆性、または(d)機能性アゴニスト活性が無いことの確認を用いて、アンタゴニスト−受容体相互作用の特性決定に使用されるものである。
細胞源:
ヒトM1−M3受容体をクローニングし、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中で安定的に発現させる。M2受容体は、キメラGタンパク質(Gqi5)と共発現させる。
細胞株:
M1安定型:Biocat#1044、M2+Gqi5安定型:Biocat#95663、M3安定型:Biocat#1049
培養方法:
CHO−M1、CHO−Gqi5−M2、およびCHO−M3細胞を、5%CO2/95%空気を有する37℃の湿式インキュベータ中で、コンフルエントまで培養する。CHO−M1およびCHO−M3は、ヌクレオシドとL−グルタミンと10%ウシ胎児血清とを含むアルファMEM中で培養する。M2受容体を発現している細胞は、200mg/LのG418(ジェネティシン)および10%ウシ胎児血清を添加したDMEM/F12培養液中で培養する。
アッセイの読み出し(readout):
細胞基質のカルシウム濃度の変化として観察されるカルシウム動員は、細胞基質に充填したFluo−4の516nmにおける発光蛍光強度の変化として測定する。このFluo−4はカルシウムに結合する際に高い蛍光強度上昇(>100倍)を呈する緑色蛍光カルシウム指示薬であるため、その強度の変化は、細胞基質のカルシウム濃度と直接関係する。全ての96ウェルからの蛍光発光を、同時に、冷却CCDカメラを用いて測定する。データ点(data point)は毎秒収集する。次いで、アゴニストまたは化合物を96ウェルの各ウェルに同時に加えた後の各ウェルからの発光量の最大変化を、Excelのスプレッドシートにエクスポートする。次いで、このデータをグラフパッドプリズム(GraphPadPrism、バージョン4.03)に移し、各処理条件(AChまたは化合物)に対する反応についてグラフをプロットする。
実験プロトコル:
細胞播種:
マイクロタイタープレートを用いたカルシウム動員FLIPR(蛍光測定画像解析用プレートリーダー(Fluorometric Imaging Plate Reader)、Molecular Devices社、サニーベール、カリフォルニア州、[Schroeder KS, Neagle, BD. FLIPR: a new instrument for accurate, high throughput optical screening. J. Biomol. Screen. 1996;1:75.])アッセイを、CHO細胞内で安定的に発現させたM1、M2(Gqi5を有する)およびM3ACh受容体に対する化合物の機能特性決定に使用する。アッセイの前日に、細胞を、黒壁で底が透明な96ウェル(パッカード・ビュー(Packard View))にウェルあたり40000個の濃度にて播種し、5%CO2/95%空気を有する37℃の湿式インキュベータ中で18〜24時間インキュベートする。
a)アンタゴニストについてのIC50測定
受容体アンタゴニストの特性決定(IC50測定)と、ACh誘発性ムスカリン性受容体活性化(ACh−induced musucarinic receptor activation)を阻害する力価について試験する化合物:M1、M2およびM3受容体に対する化合物のアンタゴニスト力価を評価するために、細胞培養液を吸引し、100μLの色素充填培養液(dye loaded media)[アール塩(Earl’s salt)とL−グルタミン、0.1%BSA(Serologicals社)、4μMのFluo−4−アセトキシメチルエステル蛍光指示薬色素(Fluo−4AM、Molecular Probe社、ユージーン、オレゴン州)および2.5mMプロベネシドを含む、イーグル最小必須培地(EMEM)]と交換する。次いで、細胞を37℃で1時間インキュベートする。その後、色素充填培養液を吸引して取り除き、Fluo−4AMを含まずに0.1%ゼラチン(BSAは除去)および2.5mMプロベネシドを含む同一の培養液で交換する。細胞を37℃で10分間インキュベートし、次いでKRHアッセイ緩衝液[0.1%ゼラチンと2.5mMプロベネシドを含むクレブスリンガー液(Krebs Ringer Henseleit、120mM NaCl、4.6mM KCl、1.03mM KH2PO4、25mM NaHCO3、1.0mM CaCl2、1.1mM MgCl2、11mMグルコース、20mM HEPES(pH7.4)]で3回洗浄する。0.1%ゼラチンと2.5mMプロベネシドを含むKRHアッセイ緩衝液を100μL、色素を充填したウェルに加えて細胞を洗浄し、次いで、50μLの3×化合物(本アッセイで1×10−8M〜3.3×10−5M最終)を加えてプレートを10分間かけて37℃まで加温する。その後、それらをFLIPRに入れ、色素を充填し化合物で前処理した細胞を、6ワットアルゴンレーザからの励起光(488nm)に曝露する。基礎発光蛍光量(basal emission fluorescence)を測定した後、0.1%BSA(ゼラチン無し)を含むKRHアッセイ緩衝液中に調製したAChのEC80濃度(M1に対しては3.3nM、M2に対しては10nM、M3に対しては1.0nM)に対する細胞応答を、90秒間FLIPR中で観察し、次いで、100μMのATP(アッセイ濃度は20μM)を50μL加えて細胞生存率(cell viability)をチェックする(H. M. Sarau et al, 1999. Mol. Pharmacol. 56, 657-663)。次いで、AChを96ウェルの各ウェルに同時に加えた後の各ウェル、各ビヒクルまたは前処理した各化合物からの発光量の最大変化を測定する。IC50は、ACh誘発応答の50%を阻害する化合物の前処理濃度と定義される。本アッセイにおいて活性であると考えられる化合物は、約33uM〜約10nM未満のIC50を有するものである。
IC50は、ACh誘発応答の50%を阻害する化合物の前処理濃度と定義される。IC50が33uM〜10nM未満の場合、その化合物は本アッセイにおいて活性であると考えられる。本アッセイで試験され、且つ最も活性であることが見出されている式(I)の化合物の例は、実施例126〜138、140〜144、146〜155、157、159〜160、162〜192、194〜197、199〜201、および203〜217において見出すことができる。
b)アンタゴニストについてのpA2測定
ACh誘発性ムスカリン性受容体活性化を阻害する力価について試験する化合物の単一濃度動態特性決定(Single concentration kinetic characterization):pA2:1.0μM未満のIC50を示す化合物は、単一化合物の濃度動態アッセイ(concentration kinetic assay)において更なる特性決定ができる。M1、M2およびM3受容体に対してより高い力価を有する化合物のアンタゴニスト力価を確認するために、充填した色素(培養液は吸引し、100μLの色素充填培養液で交換し、37℃で1時間インキュベートする)および洗浄した細胞(100μLのKRHアッセイ緩衝液で3回洗浄した)を、0.1%ゼラチンとビヒクル(0.01%DMSO)を含有する2.5mMプロベネシドとを有する150μLのKRHアッセイ緩衝液で対照応答の目的で処理し、あるいは適切な濃度の(12ウェルの各カラムについての単一濃度、IC50値から測定される濃度)アンタゴニストで処理し、37℃で20分間インキュベートする。緩衝液を吸引して取り除き、0.1%ゼラチンとビヒクル(0.01%DMSO)を含有する2.5mMプロベネシドとを含む150μLの新たなKRHアッセイ緩衝液、または適切な濃度の化合物を加え、37℃で10分間インキュベートする。次いで、プレートをFLIPRに入れ、蛍光測定する。基礎発光蛍光量を測定後、AChの濃度範囲(M1/M3については0.033〜100000nM、M2については0.33〜1000000nM)をビヒクルまたは化合物で処理した(12ウェルのカラム)細胞に加え、化合物存在下でのAChに対する応答における受容体力価の変化を測定する。受容体での化合物の力価は、以下の式を用いて決定する:
pA2=log(DR−1)−log[B]
(式中、DRは、アンタゴニスト存在下と非存在下でのアゴニストの等活性濃度(equiactive concentration)(EC50)の比として定義される用量比(dose ratio)であり、[B]はアンタゴニストの濃度である。)
c)アンタゴニスト可逆性の測定
FLIPRの方法論による、アンタゴニストを洗い流し(wash−out)た後のアンタゴニスト−受容体占有率(可逆性)の評価:増殖培地を吸引して取り除いた後、細胞を、0.1%ゼラチンを含有する100μlのKRHアッセイ緩衝液で3回洗浄する。各カラム(12ウェル)を、適切な濃度(1.0nM、10nM、100nMまたは1000nM)(洗い流しカラム(washout column))にてビヒクル(0.01%DMSO)またはアンタゴニストを含む150μLの0.1%ゼラチン含有EMEMで処理し、あるいは処理せず(洗い流し無しカラム(no washout column))、37℃で60分間インキュベートする。EMEMを吸引し、ビヒクル(0.01%DMSO)またはアンタゴニストを含む0.1%ゼラチン含有KRHアッセイ緩衝液を洗い流しカラムに加え、37℃で20分間インキュベートする。ビヒクルまたは化合物を含む緩衝液を吸引し、細胞を再処理し、さらに10分間37℃でインキュベートする。次いで、ビヒクルまたは化合物を含む緩衝液を吸引し、0.1%BSAを含有するKRHアッセイ緩衝液で細胞を3回洗浄する。次いで、0.1%BSAを含有するKRH緩衝液(100μL)を加え、細胞を更に30分間インキュベートし、3回洗浄する。細胞を37℃で30分間インキュベートし3回洗浄した後、更に30分間インキュベートする。この90分間の洗い流しの後、全ての細胞を、0.1%ゼラチンを含有するKRHで3回洗浄する。洗い流しカラム用に0.1%ゼラチンと2.5mMプロベネシドを含む150μLの色素充填培養液を用いて、または洗い流し無しカラム用に0.1%ゼラチンおよびビヒクル(0.01%DMSO)もしくは適切な濃度の化合物(1.0nM、10nM、100nMまたは1000nM)を含む同一の色素充填培養液を用いて、細胞に色素を充填し、37℃で60分間インキュベートする。色素充填培養液を吸引し、洗い流しカラム用に0.1%ゼラチンと2.5mMプロベネシドを含む150μLのKRHアッセイ緩衝液、または洗い流し無しカラム用に0.1%ゼラチンと2.5mMプロベネシドとビヒクルもしくは適切な濃度の化合物を含むKRHアッセイ緩衝液で、細胞を再処理する。細胞を37℃で20分間インキュベートする。前処理緩衝液を吸引し、次いで0.1%ゼラチンと2.5mMプロベネシドを含む150μLの新たなKRHアッセイ緩衝液を洗い流しカラムに加え、ビヒクル(0.01%DMSO)または適切な濃度のアンタゴニストを含む同一の緩衝液を洗い流し無しカラムに加える。プレートを37℃で10分間インキュベートし、FLIPRに入れ、蛍光を観察する。基礎測定(baseline measurement)を記録し、蛍光を観察しながらアセチルコリン濃度応答曲線を各カラムに加える。ACh濃度応答曲線の比較を、洗い流し後に、ビヒクルで処理した細胞とアンタゴニストで処理[1.0nM、10nM、100nMまたは1000nM]した細胞との間で行い、洗い流し後のEC50値に変化が残存するか否か判定する。倍シフト値(Fold−shift、fs)は、以下の式を用いて決定した:
fs=[X]/[V]
(式中、Xは、アンタゴニスト処理および洗い流し後に50%最大カルシウム動員応答を惹起するのに必要なアセチルコリンの濃度であり、Vは、ビヒクル処理および洗い流し後に50%最大カルシウム動員応答を惹起するのに必要なアセチルコリンの濃度である。)
d)アゴニスト活性が無いことの確認
受容体アゴニストの特性決定(EC50測定):受容体においてアゴニストの潜在能力が無いことを確認するために試験する化合物:化合物のアゴニスト潜在能力ならびにM1、M2およびM3受容体に対するAChの力価を評価するために、培養液を吸引し、100μLの色素充填培養液と交換する。次いで、細胞を37℃で1時間インキュベートする。その後色素充填培養液を吸引して取り除き、Fluo−4AMを含まずに0.1%ゼラチン(BSAは除去)および2.5mMプロベネシドを含む同一の培養液と交換する。細胞を37℃で10分間インキュベートし、次いで100μLのKRHアッセイ緩衝液で3回洗浄する。0.1%ゼラチンと2.5mMプロベネシドを含むKRHアッセイ緩衝液を100μL、色素を充填したウェルに加えて細胞を洗浄し、プレートを10分間かけて37℃まで加温し、その後、それらをFLIPRに入れ、色素を充填した細胞を、6ワットアルゴンレーザからの励起光(488nm)に曝露する。基礎発光蛍光量を測定した後、AChまたは化合物(アッセイ緩衝液中の3倍液50μL)の濃度範囲に対する細胞応答を、90秒間FLIPR中で観察し、次いで、100μMのATP(アッセイ濃度は20μM)を50μL加えて細胞生存率をチェックする。EC50は、最大応答の50%を得るのに必要なAChまたは化合物の濃度である。
灌流プロトコル
全ての手順は、公認の施設にて、Universal Precautions for Handling Human Blood, Body Fluids, and Tissue (BAR# 88-06-22-060)ならびにGuide for the Care and Use of Laboratory Animals (DHSS #NIH 85-23)および承認プロトコル#86−077(動物飼育・使用委員会(Animal Care and Use Committee、GlaxoSmithKline社)などの機関の指針に準じて行った。臓器提供者からのヒト肺は、National Disease Research Interchange(NDRI、フィラデルフィア、ペンシルバニア州、www.ndriresource.org)から得た。かかる肺から気管支の部位を除去し、付着した結合組織、実質組織および脂肪組織をきれいに取り除いた。気管支片を約3〜4mmの幅で調製し、修飾したクレブス−ヘンゼンライト溶液(Krebs−Henseleit solution)に入れた。かかる溶液は、NaCl(113.0mM)、KCl(4.8mM)、CaCl2(2.5mM)、KH2PO4(1.2mM)、MgSO4(1.2mM)、NaHCO3(25.0mM)およびデキストロース(11.0mM)の組成を有し、95%O2:5%CO2で平衡化して37℃で維持し、メクロフェナム酸(1μM)を添加して内因性のシクロオキシゲナーゼ活性を妨害したものである。別法として、雄のハートレイモルモット(Charles River社、ポーテジ、ミシガン州、重量範囲450〜650g)から気管を除去した。かかる気管の上皮組織を取り除き、約軟骨輪二つ分の幅の片を切り取った。絹縫合を用いて各組織を灌流チャンバー(コールマン、1989年、Harvard Apparatus,Inc.社、ホリストン、マサチューセッツ州、www.harvardapparatus.com)中に懸垂させ、BIOPAC製TSD125Cトランスデューサに接続した。次いで、実験期間中、組織をクレブス−ヘンゼンライト溶液で2mL/分にて連続的に灌流した。アゴニストのストック溶液とアンタゴニストのストック溶液を、灌流チューブに挿入した22内経針(22−gauge needle)を介して注入した(0.02mL/分)。機械的応答を、コンピューターと接続した市販のデータ収集システム(MP100WS/Acknowledge、BIOPAC Systems社、ゴレタ、カリフォルニア州、www.biopac.com)を用いて等尺的に記録した。
カルバコール応答のPDE4M化合物誘発性阻害の期間は、二つの方法で検証した。記載する第一のプロトコルは、化合物誘発阻害の開始(onset)と停止(offset)を評価するのに使用した。第二のプロトコルは、一晩の洗い流し後に残存する阻害活性との比較で、注入した化合物の存在下におけるカルバコール応答の阻害を評価するのに使用した。
プロトコルA:1.5gの最適静止張力の条件下で組織を懸垂させた。60分の平衡化期間の後、組織を実験期間中、カルバコール(1μM)で収縮させた。持続的な収縮に達したら、イソプロテレノール(10μM)を投与して組織を最大限弛緩させ、この変化を標準とした。イソプロテレノール曝露を停止し、カルバコール誘発緊張を回復させた。持続的レベルの阻害が得られるまで、化合物とビヒクルを組織当たり単一の濃度で注入した。化合物は6時間かけて注入し、その後化合物とビヒクルの注入を停止した。次いで、組織におけるカルバコール誘発緊張を、10時間かけて回復させた。この回復期間の後、灌流液からカルバコールを除去し、組織を基礎緊張(baseline tone)まで回復させた。次いで、10nM〜100μMの全対数増加分についてカルバコール濃度応答曲線を作成し、その後、基準として1mMヒスタミン誘発性の収縮をさせた。
アンタゴニストの各濃度について以下のパラメータを測定し、n個の各組織(nは数量)についての平均±SEMとして表した。カルバコール誘発収縮の阻害は、イソプロテレノール基準応答の割合として表した。緊張の最大阻害までの開始半減期(onset halftime to maximal inhibition of tentsion、ONt1/2)を測定した。化合物を灌流液から除去した後の緊張回復の停止半減期(offset halftime of tension recovery、OFFt1/2)は、各開始半減期を測定するのに使用した程度まで緊張が回復するのに必要な時間を測定することにより求めた。緊張回復は、最大阻害の回復率(%recovery)の割合として、時間に対するグラフを作成した。
1mMでのヒスタミン注入後の基準収縮の割合として、データを用いて1mM回復後の濃度応答曲線を作成した。対照に対するEC50値と倍シフト値を、試験した各化合物について算出した。
プロトコルB:1.5gの最適静止張力の条件下で組織を懸垂させた。インキュベーションして安定した基礎緊張まで到達させた後、ヒスタミン(10μM)を注入して組織の収縮応答を評価した。緊張が安定に達したら、ヒスタミンの注入を停止し、組織の緊張を基礎緊張まで回復させた。次いで、化合物とビヒクルを6時間かけて組織上に注入した。注入した化合物またはビヒクルの存在下、累積半対数増加(10nM〜100μM)にてカルバコールを組織上に注入することでカルバコール濃度応答曲線を作成し、その後、基準としてヒスタミン誘発性の収縮をさせた。この曲線が完成したら、灌流液への化合物の注入を停止し、組織の緊張を基礎緊張まで回復させた。次いで、一晩かけて、組織を灌流緩衝液で洗浄した。翌朝、再度ヒスタミン(10μM)を注入し、組織を収縮させて組織応答を評価した。緊張が安定に達したら、ヒスタミンの注入を停止し、組織の緊張を基礎緊張まで回復させた。今度は一晩の洗い流し後に残存するもの以外、注入した化合物が存在しない状態で、もう一つのカルバコール濃度応答曲線を作成した。
各組織のアゴニスト誘発応答は、該曲線の末端において得られる基準のヒスタミン(10uM)誘発収縮の割合として表した。幾何平均EC50値は、データの非線形回帰分析から算出した(Motulsky,2003年)。対照に対するEC50値と倍シフト値を、試験した各化合物について算出した。注入した試験化合物の存在下でカルバコール濃度応答曲線を作成した組織について、アンタゴニスト力価を算出し、適切な場合はpKBおよびpA2として表した(Arunlakshana & Schild,1958年):
pKB=−log[アンタゴニスト]/X−1
(式中、Xは、アンタゴニスト存在下で最大収縮の50%を惹起するのに必要なアゴニスト濃度とアンタゴニスト非存在下でのそれを比較した比であり、pA2は、アンタゴニスト乖離定数のマイナス対数(−log)である)。
インビボアッセイ:
覚醒モルモットにおけるアセチルコリン誘発性気管支収縮の阻害
a.方法
湿式懸濁液の気管内投与の手順
5%w/vのTween80のストック溶液を、少なくとも投与の1日前に作成する。かかる溶液は、1グラムのTween80を、全量が20mlの滅菌生理食塩水に溶解させて作成する。投与日に、終濃度が0.5%Tweenとなるように、5%Tweenストック溶液を滅菌生理食塩水で1:10に希釈した。この溶液を0.22ミクロンの注射器フィルタを通して濾過し、最終湿式ビヒクルを得た。動物の体重を測定し、用量算出のために平均体重を求めた:
(動物の体重[kg])×(用量[mg/kg])/(用量体積[ml])=用量濃度[mg/ml]
薬物を秤量し、適切な量のビヒクル、すなわち、薬物が1.5mgの場合は1mlのビヒクルと共に、ガラス製のホモジナイザーに入れる。次いで、得られた混合物を、均一に見えるようになるまで手で均質化する。1.0mg/kg未満の用量については、均質化の直後に懸濁液を適切に希釈する。
22内径の2.5インチラット用管針(22ga 2.5inch rat gavage needle)を装着した1ml注射器に、200μlの投与溶液を充填する。動物をイソフルランで麻酔させた後で背臥位に置き、口から気管へと投与用針を導入する。気管へ薬剤溶液を注入したら、動物を回復ケージに戻す。麻酔状態からの回復は5分以内に認められる。
全身プレチスモグラフによる、覚醒モルモットにおけるPenhの測定:
気管内への薬物またはビヒクルの投与の4および24時間後(用量応答実験)ならびに4、24、48、および72時間後(作用期間実験)、雄のダンキン・ハートレーモルモット(650〜750g)(Charles River Labs社
、セントコンスタンス、カナダ)を全身プレチスモグラフボックス(内部容量:約7リットル)に入れる。このボックスに2L/分のバイアス気流を適用し、BuxcoXAデータ取得・呼気分析システム(Buxco Electronics社、ウィルミントン、ノースカロライナ州)を用いてボックス中での流れの変化を測定して記録する。気流データを記録する前に、3分間かけて動物をプレチスモグラフボックスに順応させる。記録は5分間行い、基礎気動パラメータ(basal airway parameter)を測定する。超音波ネブライザー(Delvibiss Pulmosonic 5000D)から生じるアセチルコリン(ACh)のエアロゾル(3.5mg/mL、36秒間の0.6mL/分での細流とその後の2分間の乾燥時間により押し出される)に、動物を曝露する。該ネブライザ−は、エアロゾルを混合チャンバーへと生成した後、直接プレチスモグラフボックスの気流へと送る。測定はACh曝露後、10分間行う。収集値を保持し、Penh(増強された休止)を算出する。Penhは、気道閉塞の指標として既に示されており、胸腔内圧の増加と相関関係がある(Hamelmann E. et al., Noninvasive measurement of airway responsiveness in allergic mice using barometric plethysmography. Am. J. Crit Care Med. 156:766-75)。Penhを算出するためのアルゴリズムは以下の通りである:
Penh=[(呼気時間/休止時間)−1]×(ピーク呼気流/ピーク吸気流)
(式中、休止時間は、一回呼吸量の70%を吐き出すのに必要な時間量である)。
次の記載する曝露時間点まで、動物をケージに戻しておく。各動物の基礎気道パラメータは、AChエアロゾル曝露の効果を測定する際に、その動物自身の対照として使用する。
PDE4アッセイ
インビトロアッセイ
ホスホジエステラーゼIVB酵素活性の阻害
ヒト組換えPDE4B、具体的にはその2Bスプライスバリアント(HSPDE4B2B)は、国際公開公報94/20079号およびM.M. McLaughlin et al., "A low Km, rolipram-sensitive, cAMP-specific phosphodiesterase from human brain: cloning and expression of cDNA, biochemical characterization of recombinant protein, and tissue distribution of mRNA", J. Biol. Chem., 1993, 268, 6470-6476において開示されている。例えば、国際公開公報94/20079号の実施例1においては、ヒト組換えPDE4Bは、PDE−欠損酵母(サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae))GL62株において発現されるものとして記載されている。PDE4Bの発現は、150μMCuSO4を添加することで誘導される。
発光結合アッセイ(luminescence−coupled assay)に基づくスクリーニングのために、酵母菌溶解産物の上清画分をシバクロンブルーアフィニティークロマトグラフィー、透析および脱塩にかけ、PDE4Bを濃縮し、アッセイを干渉することができる成分(例えばATP)を除去する。
ヒト組換えPDE4D(HSPDE4D3A)は、P. A. Baecker et al., "Isolation of a cDNA encoding a human rolipram-sensitive cyclic AMP phosphodiesterase (PDE IVD)", Gene, 1994, 138, 253-256に開示されている。ヒトPDE4Dの酵母における発現およびそれに続くアッセイ用の組換えタンパク質の調製は、PDE4について記載された通りであった。
PDE活性の阻害:ルシフェラーゼ結合PDEアッセイ
PDE4BとPDE4Dの阻害は、Gambrex社が開発した発光結合アッセイ系を使用して測定する。このアッセイ系は、cAMPのPDE4触媒加水分解に由来するAMP形成を、ATPの形成に連関させるものである。ATPはその後ルシフェラーゼの基質として使用され、信号出力として光を生じる。PDEが阻害されているか不活性の場合、AMPは産生されずルシフェラーゼは不活性であるため、光信号は生じない。このアッセイはクエンチングしたアッセイ形式で使用され、ここでは、PDE4酵素(2.5μL、40mMトリス−HCl、10mM MgCl2、1mM CHAPSおよび0.01%BSA中に約120pMの酵素、pH7.5)とcAMP基質(2.5μL、40mMトリス−HCl、10mM MgCl2、1mM CHAPSおよび0.01%BSA中に2μMのcAMP、pH7.5)を、12.5〜50nLの化合物で所望の濃度にて予め区別した384ウェルアッセイプレートに順次添加する。反応を室温で1時間インキュベートした後、酵素停止液(1.5μL、製造元が記載する通りに調製、カタログ#:LT27−253)を添加してクエンチングし、次いで検出剤(2.5μL、製造元が記載する通りに調製、カタログ#:LT27−250)を添加して光信号を生じさせる。次いで、Vielwuxイメージャー(Perkin Elmer社)にて613/55nmまたは618/40nmの発光フィルタおよび5秒露出を使用し、発光を測定する。化合物を純DMSO中、10mMの濃度で調製する。阻害曲線のために、化合物を3倍段階希釈法により希釈し、11濃度にて試験した(例えば、50μM〜0.8nMまたは25μM〜0.42nMまたは2.5μM〜42pM)。曲線はActivityBaseおよびXLフィッティングを使用して分析し、結果をpIC50値として表示する。
pIC50が約5以上の化合物は、本アッセイにおいて活性であると考えられ、分解能の上限は約pIC50=10.2である。
曲線はActivityBaseおよびXLフィッティングを使用して分析し、結果をpIC50値として表示する。PDE4Bに対するpIC50が約6〜10.4またはそれを超える場合、その化合物は本アッセイにおいて活性であると考えた。PDE4Bアッセイで試験し最も活性であるとことが分かった典型式(I)の化合物は、実施例126〜138、140〜155、157〜189、191〜210および212〜217において見出すことができる。
他のインビトロアッセイ:
ヒトPBMC(末梢血単核細胞)アッセイにおけるTNF−α(TNF−アルファ)産生の阻害
96ウェルを有する平底のポリスチレン製組織培養プレート(製造者コード167008、Thermo Fisher Scientific社、所在地は、Kamstrupvej90,Kamstrup,Roskilde,DK−4000,Denmark)を、まずDMSOに溶解した約10mMの試験化合物をカラム1に加え、それをウェル中、DMSOで約7.94倍希釈をし、1.26mM溶液を得る。より力価の高い化合物を得るため、DMSO中でもっと希釈した溶液を使用することができる。かかる化合物について、バイオメック(Biomek(登録商標))200ラボラトリーオートメーションワークステーション(Beckman Coulter, Inc.社:所在地は、4300N.Harbor Boulevard,P.O.Box3100,Fullerton,CA92834−3100 USA)を使用し、カラム2〜9へとDMSOで8回の3倍希釈を連続して行う。カラム10をDMSOの負の対照(高シグナル、0%応答)として使用し、PDE4阻害剤であるロフルミラスト(roflumilast)を1.26mM含有するカラム11を、正の対照(低シグナル、100%応答)として使用する。バイオメック(登録商標)FXラボラトリーオートメーションワークステーションを使用して約1μL(約1μl)の化合物を化合物プレートへ移す。
PBMC細胞(末梢血単核細胞)は、正常なボランティアからのヘパリン処理したヒト血液(1%v/vHeparin Sodium1000IU/mlEndotoxin Freeを使用、Leo Laboratories Ltd.社、所在地は、Cashel Road,Dublin12.Ireland、カタログ#:PL0043/0149)から、本質的にはAccuspin(商標)System−Histopaque(登録商標)−1077(Sigma−Aldrich社:所在地は、The Old Brickyard New Rd,Gillingham Dorset SP8 4XT)を使用して調製する。約20mlの血液を、Accuspin(商標)管中で15mlのHistopaque(登録商標)の上に重ねる。次いで、この管を約800gにて約20分間遠心分離する。細胞を細胞層から回収し、遠心分離によって洗浄し(約1300g、約10分)、10%ウシ胎仔血清、1%L−グルタミン(Invitrogen社、カタログ#:25030)および1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Invitrogen社、カタログ#:15140)を含有するRPMI1640培養液(低エンドトキシンRPMI1640培養液、カタログ#:31870、Invitrogen Corporation社:所在地は、3 Fountain Drive,Inchinnan Business Park,Paisley PA4 9RF,UK)中に再懸濁する。トリパンブルーで染色して生細胞数をカウントし、1×106生細胞/mlとなるように希釈する。約50μl(約50μl)の希釈した細胞と約75μl(約75μl)のLPS(約1ng/ml最終、Sigma社、カタログ#:L−6386)を化合物プレートに加え、それを37℃にて5%CO2下、約20時間インキュベートする。
上清を除去し、メソスケールディスカバリー(MSD)技術(Meso Scale Discovery社:所在地は、9238 Gaither Road,Gaithersburg,Maryland20877,USA)を使用する電気化学発光アッセイにより、TNF−αの濃度を測定する。典型的な詳細については、下記の「TNF−α(TNF−アルファ)MSDアッセイ」を参照されたい。
結果は、PBMC中のTNF−α(TNF−アルファ)産生の阻害についてのpIC50値として表示することができるが、これらの結果には変動や誤差があり得ることが理解されるべきである。
TNF−α(TNF−アルファ)MSDアッセイ:
MSDヒト血清サイトカインアッセイ希釈剤(25μl、Meso Scale Discovery社:所在地は、9238 Gaither Road,Gaithersburg,Maryland20877)を、抗hTNFアルファ補足抗体(MA6000)で予めコーティングした96ウェル高結合MSDプレートに添加し、次いで約24時間4℃にてインキュベートして非特異的結合を阻止する。次いで、約20μl(μl)の上清を、BiomekFXを用いてPBMCプレートのカラム1〜11からMSDプレートのカラム1〜11へと移す。約20μl(μl)のTNF−α標準(カタログ#210−TA、R&D Systems社:所在地は、614McKinley Place NE,Minneapolis,MN55413,USA)をMSDプレートのカラム12に添加し、標準検量線(約0〜30000pg/ml最終)を作成する。約20μl(μl)の希釈スルホ−TAG抗体(約1μg/ml作業濃度)を各ウェルに添加し、プレート/ウェルを室温で約2時間振盪する。最後に、約90μl(μl)のMSD読み取り緩衝剤P(蒸留水で2.5倍に希釈)を添加し、プレートをMSDセクター6000で読み取る。
データ解析:
データ解析は、ActivityBase/XC50モジュール(ID Business Solutions Ltd.社:所在地は、2Occam Court, Surrey Research Park,Guildford,Surrey,GU2 7QB,UK)またはBioassay(Cambridgesoft社:所在地は、1Signet Court SwannN’s Road,Cambridge,CB5 8LA,UK)を用いて行う。データは正規化し、以下の式を用いて%阻害として表示する:
100×((U−C1)/(C2−C1))
(式中、Uは未知値であり、C1は高信号(0%)対照ウェル(カラム10)の平均であり、C2は低シグナル(100%)対照ウェル(カラム11)の平均である)。
曲線のフィッティングは、以下の式を用いて行う:
y=A+((B−A)/(1+(10^x/10^C)^D))
(式中、Aは最少応答であり、Bは最大応答であり、Cはlog10(IC50)であり、DはHill勾配である)。
XC50モジュールは、許容される非限定フィッティングを得られない場合、自動的にA、BまたはAおよびBを限定する。QC基準を適用し、A<40もしくはA>30、B<80、もしくはB>140または、上位信頼と下位信頼の比がC>10に限定する場合、フィッティングを拒否する。各化合物についての結果は、pIC50値として記録した(上記式において−C)。
化合物が5を超え10までのpIC50、またはそれを超えるpIC50を示す場合、それらの化合物は本アッセイにおいて活性であると考えられ、10μM以下の濃度でスクリーニングした。実施例26〜138、140、142〜144、146〜153、157〜160、162〜168、173〜182、184、187〜189、192〜197、199〜201、203、206〜215、および217において記載する典型式(I)の化合物を上記アッセイで試験したところ、最も活性であることが分かった。
インビボ生物学的アッセイ
本明細書中で記載のインビトロ酵素的PDE4B阻害アッセイまたは、一般的に同様もしくは一般的に類似のアッセイは、生物活性の一次的試験であると見なされるべきである。しかしながら、活性、効力または副作用の本質的な尺度ではないが、更なる特性決定のために使用してもよい追加的なインビボ生物学的試験を以下に説明する。
ラットにおけるLPS誘発性肺好中球増加症:気管内投与したPDE4阻害剤の効果
肺好中球の流入は、慢性気管支炎および/または肺気腫を伴い得る慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような肺疾患ファミリーの重要な要素であると考えられている(G. F. Filley, Chest., 2000; 117(5); 251s-260s)。この好中球増加症モデルの目的は、エアロゾル化したリポ多糖(LPS)を吸入することにより誘発させた好中球増加症に対する経口投与したPDE4阻害剤のインビボにおける潜在的な抗炎症効果を研究し、COPDの好中球炎症要素をモデル化することである。科学的な背景については、下記の文献の項を参照されたい。
最初のスクリーニングの目的で、体重が約280〜400グラムの雄のルイスラット(Charles River社、ローリー、ノースカロライナ州、米国)を、0.5%Tween80(Sigma−Aldrich社;セントルイス、ミズーリ州、米国)に懸濁させた試験化合物をリン酸緩衝食塩水中またはビヒクルのみにおいて、300μg/kgまたは30μg/kgのいずれかの単一用量(200μl)で気管内へ投与することにより前処理する。補助的に、0.5%Tween80(Sigma−Aldrich社;セントルイス、ミズーリ州、米国)中の300μg/kg、30μg/kgおよび10μg/kgの用量を、リン酸緩衝食塩水(ラット1匹あたり200μl、LPS曝露の30分前)において気管内へ投与し、用量応答曲線を作成することができる。所定の前処理時間の後、100μg/mLLPS溶液を含有するネブライザ−から出されるエアロゾル化したLPS(トリクロロ酢酸抽出により調製した血清型大腸菌026:B6;Sigma−Aldrich社;セントルイス、ミズーリ州、米国)に、ラットを暴露する。ラットのLPSエアロゾルへの曝露は、約4L/分の割合で20分間行う。LPS曝露は、内部寸法が約長さ45cm×幅24cm×高さ20cmの密閉チャンバー内で行う。ネブライザ−と曝露チャンバーは、公認の換気フード中に収容する。LPS曝露後約4時間目に、過量のペントバルビタールを約90mg/kgで腹腔内投与することにより、ラットを安楽死させる。14ゲージの鈍針を介し、曝露した気管に気管支肺胞洗浄(BAL)を行う。5ml洗浄を5回行い、全部で25mlのBAL流体を回収する。肺への好中菌流入を算出するために、BAL流体について総細胞数をカウントし白血球分類を行う。単一用量実験について、好中球数の阻害割合、好中球割合またはそれら両方を算出して、その特定の用量について報告することができる。二次的な用量応答実験について、各用量(対ビヒクル)での好中球数または好中球割合いずれかの好中球阻害の割合を使用して、通常はPrismGraph−Padを用いて作成するS字形用量応答曲線(可変スロープ)を算出することができる。この用量応答曲線を用いて、LPS誘発性好中球増多症の試験化合物による阻害についてのED50値(体重kgあたりmgで)を算出することもできる。
種々の参照文献としては以下が挙げられるが、これらに限定されるものではない:
Filley G.F. Comparison of the structural and inflammatory features of COPD and asthma. Chest. 2000; 117(5) 251s-260s、
Howell RE, Jenkins LP, Fielding LE, and Grimes D. Inhibition of antigen-induced pulmonary eosinophilia and neutrophilia by selective inhibitors of phosphodiesterase types 3 and 4 in brown Norway rats. Pulmonary Pharmacology. 1995; 8:83-89、
Spond J, Chapman R, Fine J, Jones H, Kreutner W, Kung TT, Minnicozzi M. Comparison of PDE 4 inhibitors, Rolipram and SB 207499 (ArifloTM), in a rat model of pulmonary neutrophilia. Pulmonary Pharmacology and Therapeutics. 2001; 14:157-164、
Underwood DC, Osborn RR, Bochnowicz S, Webb EF, Rieman DJ, Lee JC, Romanic AM, Adams JL, Hay DWP, and Griswold DE. SB 239063, a p38 MAPK inhibitor, reduces neutrophilia, inflammatory cytokines, MMP-9, and fibrosis in lung. Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol. 2000; 279:L895-L902。
試験化合物をLPSエアロゾル曝露の30分前に300μg/kgまたは30μg/kgのいずれかで投与した際に、好中球数、好中球割合のいずれか、またはそれらの両方の有意な阻害(p<0.05、マイクロソフトExcelにおいて、2標本の等分散仮定t検定(two tailed distribution and two sample equal variance students T test)を実施)を示す場合、その実施例は「有意な」阻害を引き起こすものとして記載する。
本明細書の目的においては、以下とする:
pIC50 IC50(nM) IC50(μM)
4.00 100000.0 100
5.00 100000.0 10
6.00 1000.0 1
7.00 100.0 0.1
8.00 10.0 0.01
9.00 1.0 0.001
10.00 0.1 0.0001
製造方法
本発明の化合物は、標準的な化学を含む種々の方法によって作成することができる。他で言及されない限り、先に定義した変動因子は、先に定義した意味を有し続けるものとする。一般的な合成方法例を以下に説明し、次いで本発明の具体的な化合物を実施例において調製する。本明細書の目的においては、以下のスキームにおける化合物は、式用語を用いて総称的に示し、LINKはアルキルリンカを表す。適切な場合においては、例えばLは脱離基である、Pは保護基を表す等、スキーム内で更なる置換基を定義する。
下記式(IX)の化合物(式中、R1、R2、およびR3は本明細書で定義する通りであり、R4は水素を表す)は、式(XI)のアジド化合物(式中、R1、R2、およびR3は本明細書で定義する通りである)を、パラジウム触媒(例えば、炭素上のパラジウム)等の好適な触媒の存在下、エタノール等の好適な溶媒中で、例えば室温等の好適な温度にて水素化することにより調製することができる:
式(XI)の化合物(式中、R1、R2、およびR3は本明細書で定義する通りである)は、式(XII)の化合物(式中、R1、R2、およびR3は本明細書で定義する通りであり、X6は、ハロゲン原子、メシレート(メタンスルホン酸)、トシレート(p−トルエンスルホン酸)またはトリフレート(トリフルオロメタンスルホン酸)等の脱離基(好適には塩素原子等のハロゲン原子)である)から調整できる。
例えば、式(XII)の化合物(例えば、式中X6はCl)を、ジメチルスルホキシド(例えば乾燥DMSO)等の好適な溶媒中で、例えば、室温等の好適な温度にて、アジ化ナトリウム、アジ化リチウム、アジ化カリウム等のアジド塩と反応させて式(XI)の化合物を得ることができる。
式(XII)の化合物(式中、R1、R2、およびR3は本明細書で定義する通りである)は、式(XIII)の化合物(式中、R1、R2、およびR3およびR6は本明細書で定義する通りである)を、塩化チオニル(X6がClの場合)、塩化オキサリル(X6がClの場合)、塩化メタンスルホニル(X6がメシレートの場合)またはpara−塩化トルエンスルホニル(X6がトシレートの場合)等の好適な試薬、好ましくは塩化チオニルと反応させることにより調製することができる。X6がClの場合、好適な条件としては、トルエン等の好適な非水性(例えば無水)非プロトン性有機溶媒中で、例えば約60〜90℃(例えば85℃)に加熱して、塩化チオニルと反応させることが挙げられる。代替的な条件としては、ジクロロメタン等の好適な非水性(例えば無水)非プロトン性有機溶媒中で、例えば室温等の好適な温度にて、式(XIII)の化合物を塩化チオニルおよびメタンスルホン酸と反応させることが挙げられる。
代わりに、式(XI)の化合物(式中、R1、R2、およびR3は本明細書で定義する通りである)は、式(XIII)の化合物(式中、R1、R2、およびR3は本明細書で定義する通りである)から直接調製することができる。例えば、式(XI)の化合物は、式(XIII)の化合物を、四臭化炭素等のハロゲン化剤およびトリフェニルホスフィン等のホスフィンの存在下、好適な条件下(例えばN,N−ジメチルホルムアミド存在下)において、例えば0℃〜室温等の好適な温度にて、アジ化ナトリウム等のアジド塩と反応させることにより調製することができる(例えば、Toyota et. al. Journal of Organic Chemistry (2000), 65(21), 7110-7113を参照されたい)。
(XIII)から(XI)への直接的なこの経路は、R3が、部分式(bb)または(aa)内のN−アミノカルボニル−ピペリジニル基もしくはN−アミノカルボニル-ピロリジニル基等の尿素含有基である場合に好適となり得るが、これは、これらR3尿素含有基が、(XIII)から(XII)(式中、X6はCl)、更に(XI)へと転換させるのに使用可能な塩化チオニルに対して耐性でない可能性があることが注目されるからである。
特に注目の別の代替的な実施形態において、式(IX)のアミン化合物またはその塩(例えばHCl塩)(式中、R1、R2、R3、およびR4は本明細書で定義する通りである(特にR4が水素原子の場合))は、式(XII)の化合物またはその塩(式中、R1、R2、R3、およびX6は本明細書で定義する通りである)から、最初に式(XI)のアジド化合物へと転換せずに直接調製できる。例えば、化合物(XII)においては、X6は具体的には塩素原子であり得る。X6が塩素原子の場合、例えば式(XII)の化合物のベンゼンスルホナート塩を使用することができ、具体的にはR1およびR2がエチルであり、R3が、例えばテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルの場合である。
化合物(XII)またはその塩からアミン化合物(IX)またはその塩への反応は、場合により、好適な条件下、例えば、式(XII)の化合物またはその塩とアミン化剤の反応により行うことができる。R4が水素原子を表し、且つ場合により例えばX6が塩素原子の場合、好適なアミン化剤、例えばヘキサメチルジシラザンリチウム、ヘキサメチルジシラザンナトリウムまたはヘキサメチルジシラザンカリウム等のアルカリ金属ヘキサメチルジシラジド(具体的にはヘキサメチルジシラザンカリウムを、例えば緩速混合/付加で)を、テトラヒドロフラン等の好適な非水性の非アルコール性(非プロトン性)有機溶媒(例えば無水性溶媒)中で、例えば約25〜約50℃等の好適な温度、例えば約30〜45℃または約30〜40℃にて、使用することができる。かかる好適なアミン化剤(例えば、アルカリ金属ヘキサメチルジシラジド)との反応に次いで、塩酸水溶液(例えば2〜10M、例えば約5M)等の酸性水溶液で、例えば0℃〜室温等の好適な温度、例えば5〜15℃または約10℃にて処理するのが好適である。場合により、(IX)またはその塩の有機溶液を、濃縮NaOH溶液(例えば32%w/w)等の塩基水溶液で抽出し、「遊離塩基」としてアミン化合物(IX)を形成するために用いることができる。場合により、かかる「遊離塩基」アミン化合物(IX)を、約1当量(例えば約1.03当量)のHCl(例えば、約36%w/wのHCl水溶液等の塩酸水溶液)などの好適な酸を用いて転換することにより、アミン(IX)の一酸付加塩、例えば一塩酸塩を形成することができる。
化合物(XII)またはその塩からアミン化合物(IX)またはその塩からへの工程の簡略化した一つの実施形態においては、式(XII)の化合物中のX6が塩素原子であり、式(IX)の化合物中のR4が水素原子の場合、式(XIII)の前駆体アルコール化合物またはその塩は、式(XII)の化合物またはその塩を介して、式(XII)の化合物またはその塩(式中X6は塩素原子である)を実質的に精製および/または単離することなく、式(IX)のアミンまたはその塩へと転換される。この実施形態においては、具体的にはR1とR2がエチルであり、R3が例えばテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルである場合、式(XII)の化合物またはその塩(式中X6は塩素原子である)は、例えば、ベンゼンスルホン酸塩の形態であり得る。
下記の式(XIII)の化合物(式中、R1、R2、およびR3は本明細書で定義する通りである)は、式(XIV)の化合物(式中、R1、R2、およびR3は本明細書で定義する通りであり、X7はC1−6またはC1−4アルキル(例えば直鎖アルキル)基等のアルキル基、例えば具体的にはエチルである)を、好適な溶媒中で、例えば好適な温度にて、好適な還元剤と反応させることにより調製することができる。好適な還元剤の一つは水素化ホウ素リチウムであり、この場合、好適な溶媒はテトラヒドロフラン(例えば乾燥型)とメタノール(例えば乾燥型)の混合物であって、場合により、トルエン(例えば乾燥型)もしくはTHFもしくはメタノールを含むことでき、および/または好適な反応温度は、室温〜還流温度、例えば約50〜約75℃、例えば約60〜約70℃、例えば63〜69℃もしくは64〜68℃であり得る。もう一つの還元剤はジ−iso−水素化ブチルアルミニウム(例えばトルエン中の溶液)であり、この場合、好適な溶媒はジクロロメタンおよび/もしくはトルエンであり、ならびに/または好適な反応温度は約0℃であり得る。
式(XIV)の化合物(R1、R2、R3、およびX7は本明細書で定義する通りである)は、例えば概してYu et. al. in J. Med Chem., 2001, 44, 1025-1027に記載の方法に従い、式(XV)の化合物と式R3NH2のアミンを反応させることにより調製することができる。かかる反応は、トリエチルアミンもしくはN,N−ジイソプロピルエチルアミン等の塩基の存在下および/またはエタノール、ジオキサン、1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)もしくはアセトニトリル等の有機溶媒中にて行うのが好ましい。かかる反応は、例えば約60〜180℃に、例えば115℃で加熱を要する場合がある:
R3がN−アミノカルボニル−ピペリジニル基またはN−アミノカルボニル−ピロリジニル基の場合、式(XIV)の化合物は、下記の式(XIVa)の化合物(式中、R1、R2、およびX7は本明細書で定義する通りであり、n4は0または1である)またはその塩(例えば塩酸塩)を、式(XIVa)の化合物中の(4−ピペリジニル)アミノ基または(3−ピロリジニル)アミノ基をそれぞれ式(XIV)中の[(1−アミノカルボニル)−4−ピペリジニル]アミノ基または[(1−アミノカルボニル)−3−ピロリジニル]アミノに転換することが可能な尿素形成剤と反応させることにより調製することができる。
かかる尿素形成剤は、ベンジルイソシアネート(後に脱ベンジル化、例えば還元的脱べンチル化される)であってよく、あるいは、かかる尿素形成剤は、好ましくはトリ(C1−2アルキル)シリルイソシアネート等のトリ(C1−4アルキル)シリルイソシアネートであり、好ましくはトリメチルシリルイソシアネートである。化合物(XIVa)またはその塩から化合物(XIV)への転換は、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等の好適な塩基の存在下、ジクロロメタンまたはクロロホルム等の好適な溶媒中で、室温または溶媒の還流温度等の好適な温度にて行うことができる。
化合物(XIVa)(式中、R1、R2、X7、およびn4は本明細書で定義する通りである)またはその塩は、下記の化合物(XIVb)(式中、R1、R2、X7、およびn4は本明細書で定義する通りであり、Protは(tert−ブチルオキシ)カルボニル等の好適な窒素保護基である)から、窒素保護基を除去することにより調製することができる。例えば、(tert−ブチルオキシ)カルボニル基の除去は、例えば1,4−ジオキサン等の好適な溶媒中で塩化水素(例えば4M)を用いて、好適な酸性条件下にて行うことができる:
化合物(XIVb)(式中、R1、R2、およびn4は本明細書で定義する通りであり、X7はエチルであり、Protは(tert−ブチルオキシ)カルボニルである)は、式(XV)の化合物(R1およびR2は本明細書で定義する通りであり、X7はエチルである)を、1,1−ジメチルエチル4−アミノ−1−ピペリジンカルボキシレート(例えば、AstaTech社、フィラデルフィア、米国より市販されている)または1,1−ジメチルエチル3−アミノ−1−ピロリジンカルボキシレート(例えば、Aldrich社から市販されている)と反応させることにより調製することができる。かかる反応は、トリエチルアミンもしくはN,N−ジイソプロピルエチルアミン等の塩基の存在下、場合によりアセトニトリル等の有機溶媒中で、60〜180℃(例えば80〜90℃)等の好適な温度にて場合により行う。
式(XV)の化合物(式中、R1、R2、およびX7は本明細書で定義する通りである)は、式(XVI)の化合物(式中、R1は本明細書で定義する通りである)を、ジアルキル(1−クロロアルキリデン)プロパンジオエート、例えば式(XVII)(式中、R2およびX7は本明細書で定義する通りである)のジエチル(1−クロロアルキリデン)−プロパンジオエートと反応させ、次いでオキシ塩化リンと反応させることにより調製することができる。式(XVI)の化合物と式(XVII)のジアルキル(1−クロロアルキリデン)プロパンジオエートの反応のための好適な条件には、トルエン等の好適な溶媒中で、トリエチルアミン等の好適な塩基の存在下、溶媒の還流温度等の好適な温度にて加熱することが含まれる。かかる中間体とオキシ塩化リンの反応のための好適な条件には、オキシ塩化リンの還流温度での加熱が含まれる。
式(XVII)の化合物(式中、R2およびX7は本明細書で定義する通りである)は、式(XVIII)の化合物(式中、R2およびX7は本明細書で定義する通りである)を、トリブチルアミン等の好適な塩基の存在下、80〜130℃等の好適な温度、例えば約100〜120℃にてオキシ塩化リンと反応させることにより調製することができる。
式(XVIII)の化合物(式中、R2およびX7は本明細書で定義する通りである)は、式(XIX)のジアルキルマロネート(式中、X7は本明細書で定義する通りである)を、アセトニトリル等の好適な溶媒中、5〜10℃等の好適な温度にて塩化マグネシウムおよびトリエチルアミン等の好適な塩基と反応させ、次いで式(XX)の酸塩化物、例えば塩化プロピオニルを10℃〜室温の好適な温度にて付加することにより、調製することができる。
式(XIX)および(XX)の化合物は、公知の化合物であるか、または従来の手段により調製することができる。例えば、式(XIX)および(XX)の化合物(式中、X7およびR2はそれぞれ、エチルを表す)は、Aldrich社から入手可能である。
式(XV)の化合物(式中、R1、R2、およびX7は本明細書で定義する通りである)は、代替的に、式(XVI)の化合物(式中R1は本明細書で定義する通りである)を式(XXI)の化合物(式中、R2およびX7は本明細書で定義する通りである)と加熱しながら反応させ、次いで再度加熱しながらオキシ塩化リンと反応させることにより調製することができる(Yu et. al. in J. Med Chem., 2001, 44, 1025-1027を参照されたい)。式(XXI)の化合物は、例えば、ジエチル[(エチルオキシ)メチリデン]プロパンジオエート(式中、R2はHであり、X7はEtである、Aldrich社から入手可能)またはジエチル[1−(エチルオキシ)エチリデン]プロパンジオエート(R2はMeであり、X7はEtである、欧州特許出願(1991年)、欧州特許公開第413918A2号を参照されたい)であり得る。
式(XVI)の所望するアミノピラゾールが市販されていない場合には、Dorgan et. al. in J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, (4), 938-42; 1980に記載される方法を用い、3−ヒドラジンプロパンニトリル(Lancaster Synthesis社から入手可能)をエタノール等の好適な溶媒中で加熱しながら式R40CHOの好適なアルデヒドと反応させ、次いで、t−ブタノール等の好適な溶媒中で、ナトリウムを用いて還元することにより調製を達成することができる。R40は、R1よりも一つ少ない炭素原子を含有するように選択する必要があり、例えば、R40=メチルである場合にはR1=エチルとなるであろう。
工程Aの代替的な一つの実施形態においては、式(XV)の化合物中の4−クロロ置換基を臭素等の別のハロゲン原子または式R3NH2のアミンで転置可能な別の好適な脱離基で置換することができる。かかる脱離基は、例えば、−OC1−4アルキル等のアルコキシ基−OR35(具体的には−OEt)または基−O−S(O)2−R37(式中、R37はメチル、CF3、フェニルまたは4−メチル−フェニルである)であり得る。かかる反応は、溶媒を用いて、または溶媒無しで行うことができ、加熱を要する場合がある。
式(XI)の化合物(式中、R1およびR2は本明細書で定義する通りであり、R3は、部分式(bb)または(aa)のN−アミノカルボニル−ピペリジニル基もしくはN−アミノカルボニル−ピロリジニル基を表す)は、代替的に、式XXXVIIIの化合物(式中、R1およびR2は本明細書で定義する通りであり、n3は0または1であり、Procはtert−ブトキシカルボニル等の好適な保護基を表す)から調製することができる。好適な条件としては、塩化水素等の好適な酸性条件下、1,4−ジオキサン等の好適な溶媒中で、室温等の好適な温度にて処理すること挙げられる。
式XXXVIIIの化合物(式中、R1、R2、n4、およびProcは本明細書で定義する通りである)は、式XXXIXの化合物(式中、R1、R2、n3、およびProcは本明細書で定義する通りである)から調製することができる。好適な条件としては、式XXXIXの化合物を、トリフェニルホスフィン等の好適なホスフィンの存在下、N,N−ジメチルホルムアミド等の好適な溶媒中で、0℃〜室温等の好適な温度にてアジ化ナトリウム等のアジドおよび四臭化炭素等のハロゲン化剤と反応させることが挙げられる。
式(XXXIX)の化合物(式中、R1、R2、n4、およびProcは本明細書で定義する通りである)は、式(XL)の化合物(式中、R1、R2、n4、Proc、およびX7は本明細書で定義する通りである)から、テトラヒドロフランとメタノールの混合液等の好適な溶媒中で溶媒の還流温度等の好適な温度にて、水素化ホウ素リチウム等の好適な還元剤を用いて還元することにより調製することができる。
式(XL)の化合物(式中、R1、R2、n4、Proc、およびX7は本明細書で定義する通りである)は、式(XV)の化合物(式中、R1、R2、およびX7は本明細書で定義する通りである)から、式(XV)の化合物を式(XLI)のアミン(式中、Procおよびn4は本明細書で定義する通りである)と反応させることにより調製することができる。かかる反応は、トリエチルアミンもしくはN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下、および/またはエタノール、ジオキサン、1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)もしくはアセトニトリル等の有機溶媒中で行うのが好ましい。かかる反応は、例えば約60〜180℃(例えば120℃)への加熱を要する場合がある。
式(XIV)の化合物(式中、R2はフルオロアルキル(例えばトリフルオロメチル)を表す)は、以下のスキームAおよびそれに続く本明細書中の他のスキームで記載されるような工程に従って調製することができる。
スキームA
式(IX)の化合物(式中、R4はメチルまたはエチルを表す)は、以下のスキーム(式中、R4がメチルの場合RnはHを表し、R4がエチルの場合Rnはメチルを表す)に従って調製することができる:
以下のスキームは、本明細書中で定義する式(I)の化合物の調製に関する。
スキーム1:類似体の一般合成
上記のスキーム1は、式1−4の化合物の一般合成についての説明である。化合物1−1を、適切に保護されたbis−カルボン酸(Z=CO2H、Z1=CO2H)、bis−スルホン酸(Z=SO2H、Z1=SO2H)、カルボン酸(Z=CO2H、Z1=SO2H)またはスルホン酸(Z=SO2H、Z1=CO2H)に共役結合させ、1−2を得る。Z=SO2Hの場合は、かかる好適な保護されたリンカ−を、HOBtの付加有りまたは無しで、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン等の第三級アミン存在下、塩化メチレンまたはDMF等の溶媒中にてDCC、EDC、HATU、HBTU等のカップリング剤で処理する。Z=SO2Hの場合は、かかるスルホン酸は、まず塩化チオニルまたはPCOl3等の試薬を用いて対応する塩化スルホニルへと転換する。次いで、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン等の第三級アミン存在下、塩化メチレン等の溶媒中にて、生じる塩化スルホニル(Z=SO2Cl)を1−1に加えて1−2を得る。その後、保護基の性質に依存する方法を用いて中間体1−2を脱保護する。例えば、1−2がメチルまたはエチルエステル(Z1=CO2MeまたはZ1=CO2Et)で保護されている場合、エタノール、メタノールまたはジオキサン等の有機溶媒中で、水性塩基性の水溶液(例えばNaOH、LiOH)で1−2を処理する。生じるカルボン酸(Z1=CO2H)と、必要な場合、好適に保護したAr1−Ar2アミン1−3とを、HOBtの付加有りまたは無しで、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン等の第三級アミン存在下、塩化メチレンまたはDMF等の溶媒中にてDCC、EDC、HATU、HBTU等のカップリング剤で処理する。例えば、R6が第一級または第二級アミンを含有する場合には、好適な保護基が必要となる。次いで、生じる中間体1−4を、使用した保護基の性質により定義される方法において脱保護する。Bocのような酸性で不安定なアミン保護基の場合は、TFA等の強酸をジクロロメタン等の溶媒中で使用することにより脱保護して1−5を得ることができる。
スキーム2:類似体の一般合成
上記のスキーム2は、ZおよびZ1がCO2Hである化合物の合成についての説明である。この手順は、特にフォーマットを列挙しやすいものである。化合物2−1と、bis−カルボン酸2−2(Z=CO2H、Z1=CO2H)と、必要な場合、好適に保護したAr1−Ar2アミン2−3との混合物を、HOBtの付加有りまたは無しで、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン等の第三級アミン存在下、塩化メチレンまたはDMF等の溶媒中にてDCC、EDC、HATU、HBTU等のカップリング剤で処理する。例えば、R6が第一級または第二級アミンを含有する場合には、好適な保護基が必要となる。次いで、生じる中間体2−4を、使用した保護基の性質により定義される方法において脱保護する。Bocのような酸性で不安定なアミン保護基の場合は、TFA等の強酸をジクロロメタン等の溶媒中で使用することにより脱保護し、2−5を得ることができる。
スキーム3:類似体の一般合成
上記のスキーム3は、化合物3−5(式中、R6のPは保護された機能性を示す)における、式の化合物の代替的合成についての説明である。中間体3−1を、保護基の性質に依存する方法を用いて脱保護する。例えば、3−1がメチルまたはエチルエステル(Z1=CO2MeまたはZ1=CO2Et)として保護されている場合、3−1を、メタノール、エタノールまたはジオキサン等の有機溶媒中、水溶液、例えばNaOH、LiOH、で処理する。生じるカルボン酸(Z1=CO2H)および臭素またはヨウ素(XL=Br、I)で置換されたAr1を有するAr1アミン3−2を、HOBtの付加有りまたは無しで、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン等の第三級アミン存在下、塩化メチレンまたはDMF等の溶媒中にてDCC、EDC、HATU、HBTU等のカップリング剤で処理し、中間体3−3を得る。Pd(PPh3)4またはPd(OAc)2/PPh3等のパラジウム触媒の存在下、3−3と好適に保護したボロン酸またはボロン酸エステル3−4(R=ボロン酸、ボロン酸エステル)とを鈴木カップリングさせることにより、中間体3−5を得る。代わりに、Pd(PPh3)4またはPd(OAc)2/PPh3等のパラジウム触媒の存在下、3−3と好適に保護したトリアルキル錫3−4(R=トリアルキル錫)とをスティルカップリングさせて中間体3−5を得てもよい。次いで、生じる中間体3−5を、使用した保護基の性質に定義される方法において脱保護する。Bocのような酸性で不安定なアミン保護基の場合は、TFA等の強酸をジクロロメタン等の溶媒中で使用することにより脱保護し、3−6を得ることができる。
スキーム4:類似体の一般合成
上記のスキーム4は、化合物4−5(式中、R6のPは保護された機能性を示す)中に示される一般式の化合物の代替的合成についての説明である。Pd(PPh3)4またはPd(OAc)2/PPh3等のパラジウム触媒の存在下、中間体4−1とボロン酸またはボロン酸のエステルアルデヒド4−2(R=ボロン酸、ボロン酸エステル)とを鈴木カップリングさせることにより、中間体4−3を得る。代わりに、Pd(PPh3)4またはPd(OAc)2/PPh3等のパラジウム触媒の存在下、4−2とトリアルキル錫のアルデヒド(R=トリアルキル錫)とをスティルカップリングさせて中間体4−3を得てもよい。生じる中間体4−3を、メタノールまたはNaHO(OAc)3中のNaBH3CN等の還元剤を用いて、ジクロロエタンまたはDMF中、好適に保護したR6−Hで還元的にアミン化することにより、中間体4−4を得る。次いで、中間体4−4を、使用した保護基の性質に定義される方法において脱保護する。Bocのような酸性で不安定なアミン保護基の場合は、TFA等の強酸をジクロロメタン等の溶媒中で使用することにより脱保護し、4−5を得ることができる。
実験セクション
本発明を以下の実施例を参照して説明するが、これらは例示のために過ぎず、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
一般的な手順
全ての温度は摂氏で記載し、全ての溶媒は使用可能な最大純度であり、全ての反応は、必要な場合、無水条件下にてアルゴン(Ar)または窒素(N2)雰囲気下で行うものとする。
薄層クロマトグラフィーにはAnaltech社製のシリカゲルGFおよびE.Merck社製のシリカゲル60F−254薄層プレートを使用した。フラッシュクロマトグラフィーおよび重力クロマトグラフィーは両方とも、E.Merck社製のKieselgel60(230〜400メッシュ)シリカゲルにて行った。この用途において精製のために用いたコンビフラッシュ(CombiFlash)系は、Isco,Inc.社から購入した。コンビフラッシュ精製は、プレパックシリカゲルカラム、254nmのUV波長を用いる検出器および種々の溶媒または溶媒の組み合わせを使用して行った。分取HPCLは、可変波長UV検出をするギルソン分取系(Gilson Preparative System)または質量検出と可変波長UV検出の両方をするAgilent社製の質量指向自動分取系(Mass Directed AutoPrep(MDAP)system)を使用して行った。精製においては、種々の逆相カラム(例えば、Luna 5u C18(2)100A、SunFire(商標)C18、XBridge(商標)C18)を使用し、調製で使用した条件に従ってカラムサポートを選択した。化合物の溶出は、アセトニトリルと水の勾配を用いて行う。中性条件では改質剤を添加せずにアセトニトリルと水の勾配を使用し、酸性条件では酸改質剤、通常は0.1%TFA(アセトニトリルと水の双方に添加)を使用し、塩基性条件では塩基改質剤、通常は0.1%NH4OH(水に添加)を使用した。分析HPLCは、可変波長UV検出をし、且つ0.05%または0.1%TFA改質剤(各溶媒に添加)を含むアセトニトリルと水の勾配有する逆相クロマトグラフィーを使用する、Agilent社製の系を使用して行った。LC−MSは、PE Sciex社製のSingle Quadrupole LC/MS API−150または水のいずれかを用いて測定した。逆相カラム、例えばThermo Aquasil/Aquasil C18、Acquity UPLC C18、Thermo Hypersil Goldを使用し、酸改質剤を低い割合(0.02%TFAまたは0.1%ギ酸等)で含むアセトニトリルと水の勾配で溶出させて、化合物を分析する。
核磁気共鳴スペクトルは、Brunker社製のAC400またはDPX400分光計を使用し、400MHzにて記録した。CDCl3はジュウテリオクロロホルム、DMSO−D6はヘキサジュウテリオジメチルスルホキシド、そしてCD3ODはテトラジュウテリオメタノールである。化学シフトは、内部標準テトラメチルシラン(TMS)からの百万分率(δ)で報告、またはNMR溶媒中に残存するプロトンシグナル(例えば、CDCl3中のCHCl3)にキャリブレートする。NMRのデータについての略語は以下の通りである:s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線、dd=二重の二重線、dt=二重の三重線、app=見かけ、br=幅広。Jは、ヘルツで測定したNMR結合定数を示す。融点は、Electrothermal9100装置(Electrothermal Engineering社)を使用して測定した。
マイクロ波照射による反応混合物の加熱は、Smith Creator(Personal Chemistry社、フォックスボロ、マサチューセッツ州、から購入、現在はBiotage社が所有)、Emrys Optimizer(Personal Chemistry社から購入)またはExplorer(CEM社、マシューズ、ノースカロライナ州、から購入)マイクロ波加熱器にて行った。
高分子系官能基(酸キレート化剤、塩基キレート化剤、金属キレート化剤等)を含有するカートリッジまたはカラムは、化合物の精密検査(compound workup)の一部として使用することができる。「アミン」カラムまたはカートリッジは、酸性の反応混合物もしくは生成物を中和または塩基性化するために使用する。これらには、Applied Separations社より入手可能なNH2アミノプロピルSPE−ed SPEカートリッジおよびUnited Chemical Technologies, Inc.社より入手可能なジエチルアミノSPEカートリッジが含まれる。
下記の表に、略語を記載する。その他の全ての略語は、ACS Style Guide(米国化学学会、ワシントンDC、1986年)に記載される通りである。
実施例(中間体化合物)
中間体A N−[(3−ブロモフェニル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンジカルボキサミド
DCM中の6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸(600mg、1.326mmol)と、1−(3−ブロモフェニル)メタンアミン(247mg、1.326mmol)と、HBTU(o−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)(603mg、1.591mmol)と、Et3N(0.924mL、6.63mmol)との混合物を、室温で週末中攪拌した。反応をNaHCO3でクエンチし、DCMを用いて2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、次いで真空下で濃縮して粗残留物を得た。その後、それをフラッシュクロマトグラフィーで精製し、0〜100%の酢酸エチルを含むヘキサンで溶出した(生成物は、100%の酢酸エチルを含むヘキサンにおいて溶出した)。生成画分を合わせ、N−[(3−ブロモフェニル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンジカルボキサミド(632mg、49.9%)を得た。LC‐MS m/z 620(M+H)+、0.89分(保持時間)。
中間体B N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(3’−ホルミル−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンジカルボキサミド
N−[(3−ブロモフェニル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンジカルボキサミド(600mg、0.967 mmol)と、(3−ホルミルフェニル)ボロン酸(188mg、1.257mmol)と、Na2CO3(307mg、2.90mmol)と、PdCl2(dppf)(70.7mg、0.097mmol)との混合物を、20mLのバイオタージ社製マイクロウェーブ反応管内で、1,4−ジオキサン(9mL)と水(3mL)の混合液で希釈した。そこにアルゴンを5分間通気することによって混合物を脱気し、次いで100℃で30分間通常の吸収のバイオタージ社製マイクロウェーブにて加熱した。粗混合液をPL−Thiol MP SPE+を通して濾過し、その後酢酸エチルと飽和NaHCO3で洗浄した。有機層を真空下で濃縮して粗残留物を得た。この粗残留物をギルソン社製HPLC(溶媒中に0.1%TFAを含む)で精製し、15%〜80%のCH3CNを含む水で、流速20mL/分にて溶出した。生成画分をEZ2 Genevacの存在下で乾燥させ、次いでそれらを合わせ、固体としてN−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(3’−ホルミル−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンジカルボキサミドを得た(278mg、44.5%)。LC‐MS m/z 646.1(M+H)+、0.91分(保持時間)。
中間体C N−[(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンジカルボキサミド
DCM中の6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸(900mg、1.989mmol)と、1−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)メタンアミン(406mg、1.989mmol)と、HBTU(905mg、2.387mmol)と、Et3N(1.386mL、9.94mmol)との混合物を、室温で一晩攪拌した。反応は一晩で完了しなかった。更に各試薬の当量を加え、反応を週末中攪拌した。反応をNaHCO3でクエンチし、DCMを用いて2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、次いで真空下で濃縮して粗残留物を得た。その後、それをフラッシュクロマトグラフィーで精製し、0〜100%の酢酸エチルを含むヘキサンで溶出した(生成物は、100%の酢酸エチルを含むヘキサンにおいて溶出した)。しかし、この生成物のバッチは純粋ではなかった。それをギルソン社製HPLCで精製した。生成物がHPLC溶液から生成した。この固体を濾過し、固体としてN−[(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンジカルボキサミド(120mg)を得た。母液をギルソン社製HPLCで精製し、N−[(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンジカルボキサミド(160mg)をもう1バッチ得た。LC‐MS m/z 638.4(M+H)+、0.89分(保持時間)。
中間体D N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(6−フルオロ−3’−ホルミル−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンジカルボキサミド
N−[(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンジカルボキサミド(187mg、0.293mmol)と、(3−ホルミルフェニル)ボロン酸(43.9mg、0.293mmol)と、Na2CO3(93mg、0.879mmol)と、PdCl2(dppf)(21.43mg、0.029mmol)との混合物を、20mLのバイオタージ社製マイクロウェーブ反応管中、1,4−ジオキサン(9mL)と水(3mL)の混合液で希釈した。そこにアルゴンを5分間通気することによって混合物を脱気し、次いで100℃で10分間通常の吸収のバイオタージ社製マイクロウェーブにて加熱した。粗混合液をPL−Thiol MP SPE+を通して濾過し、その後酢酸エチルで洗浄した。合わせた有機層を水とブラインで洗浄した。有機層を真空下で濃縮して粗残留物を得た。その後、それをフラッシュクロマトグラフィーで精製し、0〜100%の酢酸エチルを含むジクロロメタンで溶出した(生成物は、70%の酢酸エチルを含むDCMにおいて溶出した)。
生成画分を合わせて真空下で濃縮し、帯黄色の油としてN−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(6−フルオロ−3’−ホルミル−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンジカルボキサミドを得た。LC‐MS m/z 664.5(M+H)+、0.89分(保持時間)。
中間体E N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−{[3’−ホルミル−6−(メチルオキシ)−3−ビフェニルイル]メチル}−2,6−ピリジンジカルボキサミド
N−{[3−ブロモ−4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンジカルボキサミド(900mg、1.383mmol)と、(3−ホルミルフェニル)ボロン酸(207mg、1.383mmol)と、Na2CO3(440mg、4.15mmol)と、PdCl2(dppf)(101mg、0.138mmol)との混合物を、20mLのバイオタージ社製マイクロウェーブ反応管中、1,4−ジオキサン(9mL)と水(3mL)の混合液で希釈した。そこにアルゴンを5分間通気することによって混合物を脱気し、次いで100℃で10分間通常の吸収のバイオタージ社製マイクロウェーブにて加熱した。粗混合液をPL−Thiol MP SPE+を通して濾過し、その後酢酸エチルで洗浄した。合わせた有機層をブラインで洗浄した。有機層を真空下で濃縮して粗残留物を得た。その後、それをフラッシュクロマトグラフィーで精製し、0〜100%の酢酸エチルを含むジクロロメタンで溶出した(生成物は、85%の酢酸エチルを含むDCMにおいて溶出した)。生成画分を合わせて真空下で濃縮し、帯黄色の油としてN−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−{[3’−ホルミル−6−(メチルオキシ)−3−ビフェニルイル]メチル}−2,6−ピリジンジカルボキサミド(458mg、49%)を得た。LC‐MS m/z 676.5(M+H)+、0.91分(保持時間)。
中間体F N−[(3−ブロモ−4−クロロフェニル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンジカルボキサミド
DCM中の6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸(1,000mg、2.210mmol)と、1−(3−ブロモ−4−クロロフェニル)メタンアミン(487mg、2.210mmol)と、HBTU(1,006mg、2.65mmol)と、Et3N(1.540mL、11.05mmol)との化合物を、室温で週末中攪拌した。反応をNaHCO3でクエンチし、DCMを用いて2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、次いで真空下で濃縮して粗残留物を得た。その後、それをフラッシュクロマトグラフィーで精製し、0〜100%の酢酸エチルを含むヘキサンで溶出した(生成物は、100%の酢酸エチルを含むヘキサンにおいて溶出した)。生成画分を合わせてN−[(3−ブロモ−4−クロロフェニル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンジカルボキサミド(1,100mg、41%)を得た。LC‐MS m/z 654.4(M+H)+、0.93分(保持時間)。
中間体G N−[(6−クロロ−3’−ホルミル−3−ビフェニルイル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンジカルボキサミド
N−[(3−ブロモ−4−クロロフェニル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンジカルボキサミド(1,100mg、1.679mmol)と、3−ホルミルフェニル)ボロン酸(252mg、1.679mmol)と、Na2CO3(534mg、5.04mmol)と、PdCl2(dppf)(123mg、0.168mmol)との混合物を、20mLのバイオタージ社製マイクロウェーブ反応管中、1,4−ジオキサン(9mL)と水(3mL)の混合液で希釈した。そこにアルゴンを5分間通気することによって混合物を脱気し、次いで100℃で10分間通常の吸収のバイオタージ社製マイクロウェーブにて加熱した。粗混合液をPL−Thiol MP SPE+を通して濾過し、その後酢酸エチルで洗浄した。合わせた有機層をブラインで洗浄した。生成画分を真空下で濃縮して粗残留物を得た。その後、それをフラッシュクロマトグラフィーで精製し、0〜100%の酢酸エチルを含むジクロロメタンで溶出した(生成物は、85%の酢酸エチルを含むDCMにおいて溶出した)。生成画分を合わせて真空下で濃縮し、帯黄色の油として生成物を得た。しかし、その純度はたった50%であった。次いで、それをHPLCで精製し、生成画分を合わせて濃縮し、帯黄色の油としてN−[(6−クロロ−3’−ホルミル−3−ビフェニルイル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンジカルボキサミド(447mg、39.1%)を得た。LC‐MS m/z 680.4(M+H)+、0.93分(保持時間)。
実施例1 ジエチルプロパノイルプロパンジオエート
塩化マグネシウム(2.96g、31.2mmol)に、乾燥アセトニトリル(5mL)を加え、次いで混合物を氷中で冷却し、マロン酸ジエチル(5g、31.2mmol)で処理した。混合物を冷却したらトリエチルアミン(8.6mL、62.5mmol)を加え、生じた懸濁液を15分間攪拌した。塩化プロピオニル(2.71mL、31.2mmol)を滴下し、混合物を0℃にて1.5時間、次いで周囲温度にて5時間攪拌した。混合物を氷浴中で冷却し、塩酸水溶液(2M、10mL)で処理し、生成物をエーテルで抽出した。有機相を、水、次いでブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発させ、6.31gの黄色の油を得た。これをエーテルに溶解させ、塩酸水溶液(2M)、次いでブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発させ、5.93gの表題化合物を得た。
実施例2 ジエチル(1−クロロプロピリデン)プロパンジオエート
ジエチルプロパノイルプロパンジオエート(5.93g、27.4mmol)に、オキシ塩化リン(38mL)とトリブチルアミン(6.5mL、27.4mmol)を加え、混合物を115℃になるまで6時間加熱し、次いで周囲温度にて16時間攪拌した。混合物を蒸発乾固させ、残留物を塩酸水溶液(1M、80mL)に慎重に加え、ジエチルエーテルで2回抽出した。合わせた有機層を、塩酸水溶液(1M)、水、水酸化ナトリウム水溶液(1M)、次いでブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発乾固させ、6.81gの茶色の油を得た。生成物をシリカ(250mL)フラッシュクロマトグラフィーで精製し、1:10の酢酸エチル/シクロヘキサンで溶出し、3.21gの表題化合物を得た。LC−MS m/z 235、237(M+H)
+、3.30分(保持時間)。
実施例3 エチル4−クロロ−1,6−ジエチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボキシレート
1−エチル−1H−ピラゾル−5−アミン(アルドリッチ社製、1.52g、13.7mmol)に、ジエチル(1−クロロプロピリデン)プロパンジオエート(3.21g、13.7mmol)のトルエン(40mL)溶液、次いでトリエチルアミン(3.78mL、27.3mmol)を加え、その後6時間加熱還流した。冷却した混合物を蒸発乾固させ、生じた茶色の残留物をオキシ塩化リン(25mL、0.274mmol)で処理し、110℃になるまで17.5時間加熱した。冷却した混合物を蒸発乾固させ、残留物を水に入れ(注意、発熱)し、酢酸エチルで抽出した。水相を水酸化ナトリウム水溶液(2M)で処理してpH9とし、さらに酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、炭酸水素ナトリウム水溶液、次いでブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発乾固させ、3.6gの暗褐色の油を得た。生成物をシリカ(150mL)フラッシュクロマトグラフィーで精製し、1:10から1:8の酢酸エチル/シクロヘキサンで溶出し、1.8gの表題化合物を得た。LC−MS m/z 282(M+H)
+、3.46分(保持時間)。
実施例4 エチル1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボキシレート
エチル4−クロロ−1,6−ジエチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボキシレート(380g)の1−メチルピロリジン(3166mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(469.8mL)とテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミン(163g)を加え、混合物を16時間加熱還流した。冷却した混合物を水(12リットル)で処理し、酢酸エチル(6×1250mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させ、520gの暗褐色の油を得た。生成物を、溶離液として1:4〜1:2の酢酸エチル/シクロヘキサンを用いるシリカフラッシュクロマトグラフィーで精製し、336gの表題化合物を得た。LC−MS m/z 347(M+H)
+、3.02分(保持時間)。
実施例5 [1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メタノール
乾燥THF(300mL)中のエチル1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボキシレート(60.43g、174mmol)に、乾燥メタノール(28.3mL)を加え、次いで水素化ホウ素リチウム(THF中2M、262mL、523mmol)を30分間かけて加えた。混合物を加熱還流した。1時間後、さらにメタノール(14.1mL)を加えた。さらに30分後、メタノール(14.1mL)を新たに加えた。さらに30分後、混合物を氷浴中で冷却し、メタノール(100mL)で処理し、その後(慎重に)水(1,000mL)で処理した。混合物を1時間攪拌し、次いでジクロロメタン(合計1,500mL)で抽出した。合わせた有機層を、水、次いでブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発乾固させ、49.84gの表題化合物を得た。LC−MS m/z 305(M+H)
+、1.79分(保持時間)。
実施例6 5−(アジドメチル)−1,6−ジエチル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−アミノ
[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メタノール(24.9g、82mmol)に塩化チオニル(90mL、1.23mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。2時間後、混合物を冷却し、蒸発させ、残留物をトルエンと共沸させた。次いで残留物をアジ化ナトリウム(7.98g、123mmol)のDMSO(120mL)溶液に溶解させた。混合物を16時間攪拌した。上記の手順を同じ規模で繰り返し、二つの反応物を後処理用に合わせた。合わせたDMSO混合物を酢酸エチルと炭酸水素ナトリウム水溶液とに分配した。水相を酢酸エチルで完全に抽出し、合わせた有機層を、水、次いでブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発させ、58.9gの茶色の固体を得た。生成物を、シクロヘキサン/酢酸エチル(3:1〜2:1)の段階的勾配を用いるシリカ(1.5kg)フラッシュクロマトグラフィーで精製し、39.94gの表題化合物を得た。LC−MS m/z 330(M+H)
+、2.21分(保持時間)。
実施例7 5−(アミノメチル)−1,6−ジエチル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−アミン
パラジウム炭(10%、50%w/w 水、8g)を、エタノール(200mL)で処理し、次いで5−(アジドメチル)−1,6−ジエチル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−アミン(39.94g、121mmol)のエタノール(1,200mL)溶液で処理した。混合物を水素雰囲気下で16時間攪拌した。次いで、濾過により触媒を除去し、真空下で濾液から溶媒を除去すると、41.24gの黒色の油が現れた。生成物を、ジクロロメタン中メタノール(5〜20%)の段階的勾配を用いるシリカ(1kg)フラッシュクロマトグラフィーで精製し、32.66gの表題化合物を得た。LC−MS m/z 304(M+H)
+、1.71分(保持時間)。
実施例8 [5’−(アミノメチル)−2’−フルオロ−3−ビフェニルイル]メタノール
[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]ボロン酸(2g、13.2mmol)の1,4−ジオキサン(40mL)溶液に、[(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)メチル]アミン塩酸塩(3.18g、13.2mmol)、炭酸カリウム(9.1g、66mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(456mg、0.4mmol)を加えた。混合物を4×20mL容量のマイクロウェーブバイアルに分け、それぞれを水(3mL)で処理した。混合物をそれぞれ150℃で20分間加熱した。全反応混合物の6分の1を水(100mL)で処理し、酢酸エチル(2×80mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発乾固させ、生成物を、0〜50%の酢酸エチル/シクロヘキサン、次いで8:1:1のジクロロメタン/アンモニア溶液/メタノールを溶離液として用いるシリカフラッシュクロマトグラフィーで精製した。生成物含有画分を合わせ、蒸発乾固させ、402mgの表題化合物を得た。LC−MS m/z 463(M+H)
+、0.65分(保持時間)。反応混合物の残りの6分の5も同様の方法で後処理を行い、1:1の酢酸エチル/シクロヘキサン、次いで8:1:1のジクロロメタン/アンモニア溶液/メタノールを溶離液として用いるフラッシュクロマトグラフィーで精製した。これによって1.97gの表題化合物が得られた。LC−MS m/z 463(M+H)
+、0.65分(保持時間)。
実施例9 2−ブロモ−4−メチルベンズアミド
2−ブロモ−4−メチル安息香酸(15.0g、69.8mmol)のトルエン(60mL)懸濁液に、塩化チオニル(10.3mL)およびDMF(0.10mL)を加え、50℃で3時間攪拌した。室温まで冷却した後、過剰な塩化チオニルを真空下で除去した。残留物をトルエン(50mL)に溶解させ、混合物をアンモニア溶液(25%、60mL)に加えた。白色の沈殿物をセライトで濾過し、真空下で乾燥させ、2−ブロモ−4−メチルベンズアミドを得た(14.8g、99%)。
実施例10 2−ブロモ−4−メチルベンゾニトリル
2−ブロモ−4−メチルベンズアミド(14.8g、69.1mmol)のCHCl
3懸濁液に五酸化リン(24.5g、172.8mmol)を加え、混合物を12時間還流し続ける。反応物を室温まで放冷し、攪拌条件下で氷水に入れた。有機層を分離し、水相をCHCl
3(150mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を蒸発させると表題化合物、2−ブロモ−4−メチルベンゾニトリル(13.3g、98%)、が得られた。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ2.41(s、3H)、7.20(d、J=8.0Hz、1H)、7.51−7.54(m、2H)。
実施例11 2−ブロモ−4−(ブロモメチル)ベンゾニトリル
2−ブロモ−4−メチルベンゾニトリル(13.3g、81.4mmol)、NBS(14.4g、84.4mmol)およびBPO(0.20g)のCCl
4(150mL)中混合物を還流で4時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し濾過した。次いで固体をCCl
4で洗浄し(20mL×2)、合わせた濾液を、飽和炭酸水素ナトリウム(50mL)、水(2×100mL)、およびチオ硫酸ナトリウム(50mL)で連続して洗浄した。有機相をNaSO
4で乾燥させ、真空下で濃縮し、表題化合物、2−ブロモ−4−(ブロモメチル)ベンゾニトリルを得た(18.7g、100%)。
実施例12 2−ブロモ−4−[(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)メチル]ベンゾニトリル
2−ブロモ−4−(ブロモメチル)ベンゾニトリル(18.0g、65.5mmol)のDMF(60mL)溶液にフタリドカリウム(18.2g、98.2mmol)を加え、次いで混合物を還流下で4時間攪拌した。反応物を室温まで放冷した。減圧下でDMFを除去した後、残留物をCH
2Cl
2(200mL)に溶解させ、水で洗浄した(50mL×2)。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を蒸留した後、残留物をトルエンおよびEtOHから再結晶し、生成物、2−ブロモ−4−[(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)メチル]ベンゾニトリルを得た(13.5g、61%)。
実施例13 4−(アミノメチル)−2−ブロモベンゾニトリル
2−ブロモ−4−[(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)メチル]ベンゾニトリル(8.0g、23.5mmol)のEtOH(150mL)懸濁液にヒドラジン水和物(85%、2.76g)を加えた。混合物を3時間還流した。室温にて2N HCl(60mL)を加え(pH=3)、混合物を濾過し水ですすいだ(50mL×4)。濾液を蒸発させて約150mLにし、再度濾過した。NaHCO
3を加えてpH=9に調節した後、濾液をCH
2Cl
2(100mL×3)で抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去した後、MeOH(50mL)中の1N HClを加え、溶媒を蒸発させ、白色固体として粗製物質を得た。MeOH−Et
2Oから再結晶することにより、4.3gの生成物、4−(アミノメチル)−2−ブロモベンゾニトリル(収率:75.8%)、が得られた。
1H NMR(400MHz、D
2O)δ4.21(S、2H)、7.43(dd、J=8.0Hz、J=1.2Hz、1H)、7.71(d、J=8.0Hz、2H)、
13C NMR(100MHz、D
2O):δ42.3、115.5、118.0、125.6、128.4、133.4、135.5、139.9、HPLC:保持時間:4.709分、純度:99.7%。
実施例14 3−ブロモ−5−フルオロベンゾニトリル
マグネチックスターバーを備えた250mL丸底フラスコに、1,3−ジブロモ−5−フルオロベンゼン(7.70g、30.3mmol)、DMF(45mL)、ピリジン(4.9mL)、およびシアン化銅(I)(2.72g、30.3mmol)を窒素下で充填した。還流冷却器をフラスコに取り付けた。緑色の混濁混合物を3時間還流で攪拌した。低Rf不純物を確認すると、反応物を室温まで放冷した。30mLのエーテルで反応をクエンチすると、暗色の溶液中に沈殿物が形成された。セライトを通して沈殿物を重力濾過した。濾液をエーテル(100mL/50g臭化物)で3回すすいだ。単離された溶液を分液漏斗に添加した。有機層を水と濃水酸化アンモニウム(30mL)の2:1混合物で洗浄し、次いで飽和塩化アンモニウム溶液(2×30mL)および飽和炭酸水素ナトリウム(30mL)で洗浄した。水相をエーテル(3×40mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、3−ブロモ−5−フルオロベンゾニトリルを得た(2.10g、35%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.62(s、1H)、7.54−7.50(m、1H)、7.35−7.32(m、1H)。
実施例15 1,1−ジメチルエチル[(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)メチル]カルバメート
NiCl
2(1.36g、10.5mmol)、Boc
2O(4.58g、21.0mmol)および3−ブロモ−5−フルオロベンゾニトリル(2.10g、10.5mmol)の無水エタノール(30mL)溶液に、0℃にて、NaBH
4(1.99g、52.5mmol)を慎重に加えた(黒色沈殿物の形成を伴う激しい反応)。反応が静まると、混合物を室温で30分間攪拌させた。エタノールを減圧下で除去し、沈殿物をEtOAcに溶解させ、濾過し、EtOAcで繰り返し洗浄した。合わせた有機相を飽和NaHCO
3で洗浄し、乾燥させた(Na
2SO
4)。溶媒を除去した後、生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、1,1−ジメチルエチル[(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)メチル]カルバメートを得た(2.20g、69%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ1.46(S、9H)、4.28−4.32(m、2H)、4.87(br、1H)、6.93−7.29(m、3H)、
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ20.3、43.6、44.1、79.7、80.0、113.0、114.0、117.7、122.5、126.0、123.0、141.7、155.9、161.5、164.0。
実施例16 3−ブロモ−2−フルオロ安息香酸
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(31.1g、0.22mol)のTHF(200mL)攪拌溶液に、−10℃にて、ブチルリチウム(0.22mol)のヘキサン(146.7mL)溶液を滴下した。混合物を−10℃で1.5時間攪拌し、この溶液に、THF(100mL)中のフルオロアレーン(1−ブロモ−2−フルオロベンゼン)を−75℃で連続的に添加した。混合物を−75℃で2時間攪拌した後で、過剰量のCO
2ガス上に注いだ。次いで反応混合物を室温まで温め、一晩攪拌した。溶媒を蒸発させた後、残留物を水(150mL)に溶解させ、ジエチルエーテルで洗浄し(2×50mL)、酸性化し(pH1)、固体を濾別し、真空下で乾燥させ、24.3gの表題化合物を白色固体として得た(収率:55%)。
実施例17 3−ブロモ−2−フルオロベンズアミド
3−ブロモ−2−フルオロ安息香酸(24.3g、111mmol)のCH
2Cl
2(100mL)攪拌溶液に、SOCl
2(12.2mL、166mmol)を加えた。溶液が無色になるまで、6時間還流下で混合物を攪拌した。CH
2Cl
2を真空下で除去した。次いで残留物を酢酸エチル(200mL)に溶解させ、その後NH
3H
2O(80mL)に滴下した。有機層をH
2O(50mL×2)、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、23.8gの表題化合物を白色固体として得た(収率98%)。
実施例18 [(3−ブロモ−2−フルオロフェニル)メチル]アミン
3−ブロモ−2−フルオロベンズアミド(3.0g、13.76mmol)のTHF(50mL)溶液に、BH
3.Me
2S(1.57mL、20.6mmol)を加え、混合物を50℃で2時間攪拌した(TLCでモニターした)。HCl(20mL、3N)を加えて反応をクエンチした後、得られた混合物を2時間攪拌し、次いでTHFを真空下で除去した。水層をAcOEt(30mL)で抽出し、次いでNaOH(1N)でpH=9.0に調整した。次いで水層をAcOEt(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、1.30gの表題化合物を無色の油として得た(収率:46%)。
1H NMR(400MHz、D
2O)δ4.30(S、2H)、7.19−7.22(m、1H)、7.47(t、J=8.8Hz、1H)、7.73−7.77(m、1H)、
13C NMR(100MHz、D
2O)δ37.4、108.9、121.2、126.2、130.7、135.1、156.2、158.6。
実施例19 1−ブロモ−3−(ブロモメチル)−5−メチルベンゼン
1−ブロモ−3,5−ジメチルベンゼン(25.0g、135.0mmol)のCCl
4(150mL)溶液に、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン(14.5g、54.0mmol)および過酸化ジベンゾイル(BPO)(0.2g)を加え、混合物を7時間還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、セライトを用いて沈殿物を濾別し、次いで固体をペンタン(50mL)で2回すすいだ。合わせた濾液を水(50mL)で洗浄し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム(50mL)およびチオ硫酸ナトリウム(50mL×2)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を蒸発させると、化合物1−ブロモ−3−(ブロモメチル)−5−メチルベンゼン(35.6g、99%)が得られた。
実施例20 2−[(3−ブロモ−5−メチルフェニル)メチル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
1−ブロモ−3−(ブロモメチル)−5−メチルベンゼン(34.0g、128.8mmol)のDMF(200mL)溶液に、フタリドカリウム(28.9g、154.6mmolを加え、混合物を還流下で2時間攪拌した。反応物を室温まで放冷した。溶媒を減圧下で除去した後、残留物をCH
2Cl
2(300mL)に溶解させ、水で洗浄した(50mL×3)。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を蒸発させると白色固体が得られた。この固体をトルエンおよびEtOHから再結晶し、生成物、2−[(3−ブロモ−5−メチルフェニル)メチル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン、を得た(28.5g、67%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.87−7.72(m、4H)、7.36(s、1H)、7.23(s、1H)、7.15(s、1H)、4.77(s、2H)、2.30(s、3H)。
実施例21 [(3−ブロモ−5−メチルフェニル)メチル]アミン
2−[(3−ブロモ−5−メチルフェニル)メチル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(6.5g、19.7mmol)のEtOH(120mL)懸濁液に、ヒドラジン水和物(85%、2.3g)を加えた。混合物を3時間還流した。室温まで冷却した後、2N HCl(60mL)を加えてpH=3とし、混合物を濾過し、水ですすいだ(50mL×4)。濾液を蒸発させて約150mLにし、再度濾過した。2N NaOH(60mL)(pH=9)を加えた後、濾液をCH
2Cl
2(50mL×4)で抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、2.9gの残留物となるまで濃縮した。MeOH(20mL)および濃HCl(5mL)を加えて蒸発させ、白色固体として粗製物質を得た。MeOH−Et
2Oから再結晶すると、生成物[(3−ブロモ−5−メチルフェニル)メチル]アミン(3.1g、73%)が無色の微小針状結晶として得られた。
1H NMR(400MHz、D
2O)δ7.36(s、1H)、7.29(s、1H)、7.10(s、1H)、3.98(s、2H)、2.20(s、3H)、
13C NMR(400MHz、D
2O)δ141.9、134.6、132.7、128.7、128.5、122.2、42.6、20.4。
実施例22 5−ブロモ−2−メチルベンゾニトリル
水(13.5mL)、HBr(74%、14.4mL)および水(24mL)に溶解させた5−アミノ−2−メチルベンゾニトリル(2.0g、15.1mmol)をフラスコに添加し、50℃になるまで20分間加熱した。次いで混合物を0〜5℃まで冷却し、NaNO
2(1.2g、17.4mmol)水溶液を加えた。反応混合物を0〜5℃で10分間攪拌し、次いで40℃まで温めた。水(36mL)とHBr(7.2mL)中の、CuBr(6.5g、45.1mmol)の溶液を混合物に加え、2時間還流した。混合物をAcOEtで抽出し、有機層を飽和NaHCO
3溶液およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。粗生成物をフラスコクロマトグラフ(PE:EA=50:1)で精製し、2.3gの5−ブロモ−2−メチルベンゾニトリルを白色固体として得た(収率:77%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.72(s、1H)、7.59(d、J=8.0Hz、1H)、7.19(d、J=8.0Hz、1H)、2.51(s、3H)。
実施例23 1,1−ジメチルエチル[(5−ブロモ−2−メチルフェニル)メチル]カルバメート
NiCl
2(2.8g、21.6mmol)、Boc
2O(9.6g、44.0mmol)および5−ブロモ−2−メチルベンゾニトリル(4.2g、21.4mmol)のEtOH(150mL)溶液に、NaBH
4(2.4g、64.3mmol)を、0℃にて0.5時間以内に慎重に加え、次いで40分間攪拌した。反応が静まった後、混合物を室温で0.5時間攪拌させた。次いで溶媒を除去し、残留物をAcOEtおよびNaHCO
3の飽和溶液に溶解させ、次いで濾過し、AcOEtで洗浄した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。粗生成物をフラスコクロマトグラフ(PE:EA=30:1)で精製し、2.7gの生成物、1,1−ジメチルエチル[(5−ブロモ−2−メチルフェニル)メチル]カルバメート、を白色固体として得た(収率:42%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.36(s、1H)、7.28−7.30(m、1H)、7.01(d、J=16.8Hz、1H)、4.72(s、1H)、4.26−4.30(m、2H)、2.25(s、3H)、1.46(s、9H)、
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ155.9、139.1、132.2、130.6、127.7、126.3、119.9、42.4、20.6、18.7、HPLC:保持時間:4.671分、純度:97.2%。
実施例24 1,3−ジブロモ−2−メチル−5−ニトロベンゼン
1−メチル−4−ニトロベンゼン(30.0g、218.8mmol)のCHCl
3溶液(120mL)に、機械的に攪拌しながら鉄粉(3.6g、64.5mmol)を加えた。次いで、温度を40℃まで上げながら臭素(124.8g、40mL、780.9mmol)をゆっくりと加えた。臭素の添加の後、混合物を48時間加熱還流した。冷却後、飽和Na
2SO
3溶液、飽和Na
2CO
3溶液、ブラインで溶液を洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を除去した後、残留物をMeOHから再結晶し、26.5gの表題化合物を黄色結晶として得た。シリカカラムクロマトグラフィーにより、さらに12.3gの表題化合物が得られた。全収率:60%。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ2.67(s、3H)、8.38(s、2H)。
実施例25 (3,5−ジブロモ−4−メチルフェニル)アミン
1,3−ジブロモ−2−メチル−5−ニトロベンゼン(11.3g、38.3mmol)をTHF/EtOH(100mL/100mL)に溶解させ、次いでSnCl
2・2H
2O(43.2g、191.6mmol)を加えた。混合物を室温で3時間攪拌した。溶媒を除去した後、NaOH溶液(25g/200mL)を加え、混合物を1.5時間攪拌した。溶液をEtOAcで抽出し(200mL×2)、無水Na
2SO
4で乾燥させた。EtOAcを除去した後、CH
2Cl
2を加え、次いで濃HCl(7mL)を加えると塩酸塩が形成され、これを濾過によって回収した。固体をさらに精製することなく次の反応で用いた。
1H NMR(400MHz、D
2O)δ2.43(s、3H)、3.61(br、2H)、6.86(s、2H)。
実施例26 1,3−ジブロモ−2−メチルベンゼン
水(80mL)および濃HCl(7.5mL)に溶解させた(3,5−ジブロモ−4−メチルフェニル)アミンの溶液を20分間攪拌し、次いで混合物を0〜5℃に冷却し、NaNO
2の溶液(3.4g/40mL H
2O)を加えた。反応混合物を0〜5℃で2時間攪拌し、次いでこの懸濁液を次亜リン酸(50%、27.9g)の溶液に加え、混合物を0℃まで冷却した。混合物を室温で一晩攪拌し、その後CH
2Cl
2(100mL×2)で抽出した。有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。シリカカラムクロマトグラフィーの後、(石油エーテルで溶出)、無色の液体として3.57gの生成物が得られた。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ2.57(s、3H)、6.89(t、J=8.0Hz、1H)、7.50(d、J=8.0Hz、2H)。
実施例27 3−ブロモ−2−メチル安息香酸
1,3−ジブロモ−2−メチルベンゼン(6.57g)の乾燥THF(100mL)溶液に、t−BuLi溶液(ペンタン中1.5M、17mL)を−80℃で滴下した。次いで反応混合物を−76〜−78℃で2時間攪拌した。次いで混合物を−80℃以下まで冷却しドライアイスを加えた後、混合物を室温まで自然に昇温させた。溶媒を除去し、5%NaOH溶液(40mL)を加え、水溶液をCH
2Cl
2で洗浄した(10mL×2)。次いで水相を濃HClで酸性化しpH=1とし、EtOAc(100mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を除去した後、残留物をシリカカラムクロマトグラフィーで精製し、(石油エーテル:EtOAc=8:1〜1:1で溶出)、3.58gの生成物を得た。収率:63.4%。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ2.73(s、3H)、7.15(t、J=8.0Hz、1H)、7.77(dd、J=8.0Hz、J=1.2Hz、1H)、7.94(dd、J=8.0Hz、J=1.2Hz、1H)。
実施例28 3−ブロモ−2−メチルベンズアミド
3−ブロモ−2−メチル安息香酸(3.7g)を乾燥トルエン(50mL)中に懸濁させ、塩化チオニル(3.8mL)を加え、次いで混合物を2時間加熱還流した。室温まで冷却した後、溶媒を減圧下で除去した。残留物を乾燥THF(10mL)およびトルエン(10mL)に溶解させ、濃アンモニア溶液(20mL)に添加し、1時間攪拌した。混合物を濾過し、得られた白色固体を石油エーテルで洗浄し、真空下で乾燥させ1.2gの生成物を得た。混合物を容量が半分になるまで濃縮し、次いでEtOAcで抽出し、これを無水Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を除去した後、20mLの石油エーテル、2mLの酢酸エチルとともに白色固体を攪拌し、濾過すると、さらに1.5gの生成物が得られた。さらに精製することなく次の工程で用いた生成物。収率:84%。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ2.52(s、3H)、5.75(br、1H)、5.94(br、1H)、7.08(t、J=7.6Hz、1H)、7.35(dd、J=7.4Hz、J=1.0Hz、1H)、7.62(dd、J=8.2Hz、J=1.4Hz、1H)。
実施例29 [(3−ブロモ−2−メチルフェニル)メチル]アミン
3−ブロモ−2−メチルベンズアミド(1.4g)を、窒素下で乾燥THF(15mL)に溶解させ、次いでMe
2S・BH
3(94%、1.34mL)をゆっくりと加えた。室温で1時間攪拌した後、混合物を50℃になるまで一晩加熱した。3−ブロモ−2−メチルベンズアミドが見えなくなったら、気泡が形成されなくなるまでメタノールを滴下した。10分後、10%HClを滴下し、混合物を1時間攪拌し、次いで溶媒を除去した。白色の残留物をiPrOHで再結晶し、1.1gの生成物を得た。収率:35%。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ2.42(s、3H)、4.09(s、2H)、7.20(t、J=7.8Hz、1H)、7.44(d、J
1=8.0Hz、1H)、7.63(d、J
1=7.6Hz、1H)、8.49(br、3H)、
13C NMR(100MHz、DMSO−d6)δ18.8、19.0、46.1、125.2、127.4、127.5、129.0、129.1、132.1、132.5、134.7、135.9、136.1、136.5、HPLC:保持時間:4.696分、純度:96.0%。
実施例30 2−アミノ−5−ブロモ−3−(メチルオキシ)安息香酸
2−アミノ−3−(メチルオキシ)安息香酸(15.0g、89.7mmol)のMeOH(100mL)溶液に、NBS(16.8g、94.2mmol)を−5℃で加えた。反応物を0℃で一晩攪拌し続け、次いで攪拌条件下で氷水に入れた。沈殿物が形成され、セライトを用いてこれを濾別し、真空下で乾燥させ、2−アミノ−5−ブロモ−3−(メチルオキシ)安息香酸を得た(22.0g、99%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.65(s、1H)、6.93(s、1H)、3.87(s、3H)。
実施例31 3−ブロモ−5−(メチルオキシ)安息香酸
2−アミノ−5−ブロモ−3−(メチルオキシ)安息香酸(16.40g、66.65mmol)のH
2O(80mL)溶液に、0℃にて、濃HCl(30mL)およびTHF(5mL)を加えた。反応混合物を30分間攪拌し、次いでNaNO
2(14.00g、202.91mmol)をこの溶液に慎重に加えた。この溶液を2時間攪拌し、次いでH
3PO
2(22.00g、333.35mmol)を溶液に慎重に加えた。溶液を室温で一晩攪拌し続け(TLCでモニターした)、次いで濾過し、水ですすいだ(50mL×2)。得られた固体を乾燥させ、3−ブロモ−5−(メチルオキシ)安息香酸を得た(9.60g、62%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.46(t、J=1.6Hz、1H)、7.31(q、J=16.8Hz、1H)、7.21(t、J=16.8Hz、1H)、3.84(s、1H)。
実施例32 3−ブロモ−5−(メチルオキシ)ベンズアミド
3−ブロモ−5−(メチルオキシ)安息香酸(9.6g、41.6mmol)のトルエン(60mL)懸濁液に、塩化チオニル(9.89g、83.1mmol)およびDMF(0.10mL)加え、混合物を50℃で4時間攪拌した。混合物を室温まで放冷し、次いで過剰な塩化チオニルを真空下で除去した。残留物をトルエン(50mL)に溶解させ、混合物をアンモニアの溶液(25%、50mL)に加えた。沈殿物が形成され、セライトを用いてこれを濾別し、乾燥させ、3−ブロモ−5−(メチルオキシ)ベンズアミドを得た(8.70g、90%)。
実施例33 {[3−ブロモ−5−(メチルオキシ)フェニル]メチル}アミン
3−ブロモ−5−(メチルオキシ)ベンズアミド(4.00g、17.4mmol)のTHF(60mL)溶液に、0℃にて、BH
3・Me
2S(2.64g、34.8mol)を加えた。添加終了後、混合物を一晩還流し続けた(TLCで追跡した)。次いで室温まで冷却し、EtOHを反応混合物に慎重に加えた。気泡が現れなくなったら、1N HClで混合物を酸性化しpH=2とした。次いで混合物を50℃で一晩攪拌し、反応混合物を濾過し、固体を水ですすいだ(20mL×2)。合わせた濾液をEtOAcで洗浄した(50mL×3)。2N NaOH(pH=10)を添加後、水相をEtOAc(100mL×3)で抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、2.7g(72%)の生成物を得た。MeOH(10mL)および濃HCl(10mL)を加え、蒸発させ、白色固体として粗製物質を得た。MeOH−Et
2Oから再結晶すると、生成物(3.10g、71%)、{[3−ブロモ−5−(メチルオキシ)フェニル]メチル}アミン、が無色の微小針状結晶として得られた。
1H NMR(400MHz、D
2O)δ7.12−7.09(m、2H)、6.86(s、1H)、3.98(s、2H)、3.69(s、3H)、
13C NMR(100MHz、D
2O)δ160.2、135.8、124.2、123.0、117.8、114.0、55.8、42.5、HPLC:保持時間:5.452分。
実施例34 5−ブロモ−2−(メチルオキシ)ベンゾニトリル
CHCl
3(20mL)中のBr
2(13.7g、86.0mmol)を、2−(メチルオキシ)ベンゾニトリル(10.9g、81.9mmol)のCHCl
3(50mL)溶液に加えた。混合物を29時間還流した。反応物を室温まで放冷し、飽和亜硫酸水素ナトリウム(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を蒸発させると、5−ブロモ−2−(メチルオキシ)ベンゾニトリル(12.4g、71%)が得られた。
実施例35 1,1−ジメチルエチル{[5−ブロモ−2−(メチルオキシ)フェニル]メチル}カルバメート
NiCl
2(2.6g、19.8mmol)、Boc
2O(8.2g、37.7mmol)および5−ブロモ−2−(メチルオキシ)ベンゾニトリル(4.0g、18.9mmol)の乾燥EtOH(70mL)溶液に、0℃にて、NaBH
4(2.9g、75.5mmol)を数回に分けて慎重に加えた。反応が静まると、混合物を室温で3時間攪拌させた。エタノールを減圧下で除去し、残留物を、EtOAcおよびNaHCO
3の飽和溶液に溶解させ、次いで濾過し、水層をEtOAcで繰り返し洗浄した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、表題生成物を得た(1.5g 収率:25%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.36−7.33(m、2H)、6.74(d、J=8.8Hz、1H)、4.97(br、1H)、4.27(d、J=4.8Hz、1H)、3.82(s、3H)、1.45(s、9H)、
13C NMR(400MHz、CDCl
3)δ156.5、155.8、131.7、131.1、129.3、111.8、79.5、55.5、39.9、26.4。HPLC:保持時間。
実施例36 2−ブロモ−6−メチルフェノール
o−クレゾール(20.0g、0.19mol)およびiPr
2NH(2.63mL、18.5mmol)のCH
2Cl
2(500mL)溶液に、NBS(32.9g、0.19mol)のCH
2Cl
2(500mL)溶液を7時間かけて滴下し、混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を濃硫酸および水(400mL)で酸性化しpH=1とした。有機層を分離し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。34.6gの粗生成物が得られた(収率:97%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ2.30(s、3H)、5.54(s、2H)、6.71(t、J=7.6Hz、1H)、7.05(d、J=7.6Hz、1H)、7.28(d、J=8.0Hz、1H)。
実施例37 1−ブロモ−3−メチル−2−(メチルオキシ)ベンゼン
2−ブロモ−6−メチルフェノール(34.6g、0.18mol)のTHF(300mL)溶液に、NaH(9.6g、0.24mol、60%)を数回に分けて加えた。混合物を1時間攪拌した後、Me
2SO
4(28.0g、0.22mol)を滴下した。次いで混合物を一晩攪拌した。水(50mL)を加え、溶媒を減圧下で除去した。次いで残留物をEt
2O(250mL)に溶解させ、有機層をNaOH(5%、100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を除去した後、35.3gの粗生成物が得られた(収率:95%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ2.33(s、3H)、3.81(s、3H)、6.88(t、J=8.0Hz、1H)、7.10(d、J=8.0Hz、1H)、7.30(d、J=7.6Hz、1H)。
実施例38 1−ブロモ−3−(ブロモメチル)−2−(メチルオキシ)ベンゼン
1−ブロモ−3−メチル−2−(メチルオキシ)ベンゼン(30.3g、0.15mol)、NBS(28.2g、0.16mol)およびBPO(1.83g、7.55mmol)を300mLのCCl
4中に懸濁させ、混合物を80℃になるまで一晩加熱した。室温まで冷却した後、溶液を濾過し、固体をCCl
4で洗浄した(30mL×2)。NaHSO
3(水溶液 250mL×2)、Na
2CO
3(水溶液 100mL×2)、ブライン(100mL)で濾液を洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を除去した後、41.4gの粗生成物が得られた(収率:97.9%)。
実施例39 2−{[3−ブロモ−2−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
PhtK(28.8g、0.16mol)を、1−ブロモ−3−(ブロモメチル)−2−(メチルオキシ)ベンゼン(41.4g、0.15mol)のDMF(350mL)溶液に加えた。混合物を90℃で一晩加熱した。次いで溶媒を減圧下で除去した。残留物をCHCl
3(300mL)に溶解させ、濾過した。H
2O(100mL×2)、ブライン(100mL)で濾液を洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を除去した後、残留物をEtOH(200mL)から再結晶し、白色固体として26.7gの生成物を得た。(収率:52.1%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ3.98(s、3H)、4.95(s、2H)、6.93(t、J=8.0Hz、1H)、7.20(d、J=0.8Hz、1H)、7.45(d、J=8.0Hz、1H)、7.72−7.87(m、4H)。
実施例40 {[3−ブロモ−2−(メチルオキシ)フェニル]メチル}アミン
2−{[3−ブロモ−2−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(26.7g、77.2mmol)のEtOH(300mL)懸濁液にヒドラジン水和物(7.8g、154mmol)を加え、反応混合物を90℃になるまで4時間加熱した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、固体をEtOAcで洗浄した(300mL×2)。濾液を蒸発させて約50mLにし、再び濾過した。溶媒を除去した後、残留物を20mLのMeOHに溶解させ、次いで1N HClを加え、白色固体を得た。次いで白色固体をMeOH−Et
2Oから再結晶し、9.0gの生成物を得た(収率:46.3%)。
1H NMR(400MHz、D
2O)δ3.79(s、3H)、4.13(s、2H)、7.02(t、J=7.6Hz、1H)、7.27(d、J=8.0Hz、1H)、7.57(d、J=8.0Hz、1H)、
13C NMR(100MHz、D
2O)δ37.7、60.2、115.6、125.3、126.6、128.8、133.8、153.7、MS:m/z 254.1(M
+)、HPLC:保持時間:7.618分、純度:98.8%。
実施例41 1−ブロモ−3−(ブロモメチル)−5−メチルベンゼン
1−ブロモ−3,5−ジメチルベンゼン(25.0g、135mmol)、NBS(24.0g、135mmol)およびBPO(1.30g)のCCl
4(250mL)中混合物を6時間還流した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、濾液を飽和炭酸水素ナトリウム(100mL)、水(2×50mL)、およびブライン(2×50mL)で連続して洗浄した。合わせた有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮し、40.0gの粗生成物1−ブロモ−3−(ブロモメチル)−5−メチルベンゼンを得た。
実施例42 (3−ブロモ−5−メチルフェニル)メタノール
1−ブロモ−3−(ブロモメチル)−5−メチルベンゼン(40.0g、151mmol)、1,4−ジオキサン(150mL)、水(150mL)および炭酸カルシウム(37.9g、379mmol)の混合物を、還流しながら16時間加熱した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮し、次いでCH
2Cl
2(150mL)で希釈した。有機層をHCl(2N、50mL)および飽和炭酸水素ナトリウムの溶液(50mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮し、25.0gの粗生成物、(3−ブロモ−5−メチルフェニル)メタノールを得た。
実施例43 3−ブロモ−5−メチル安息香酸
KMnO
4(39.3g、249mmol)の水(600mL)溶液を、(3−ブロモ−5−メチルフェニル)メタノール(25.0g、124mmol)のアセトン(500mL)溶液にゆっくりと加えた。混合物を60分間還流し続けた。室温まで冷却した後、混合物をHCl(2N、100mL)で酸性化した。茶色の沈殿物が形成され、飽和炭酸水素ナトリウムの溶液(100mL)を加えることによりこれを溶解させ、次いでアセトンを真空下で蒸発させた。アンモニア(150mL)を加えた。混合物をセライトで濾過し、濾液を濃HClで酸性化した。生成物をジエチルエーテル(3×150mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮し、16.0gの酸、3−ブロモ−5−メチル安息香酸を白色結晶として得た(収率:60%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ8.05(s、1H)、7.85−7.84(m、1H)、7.58(s、1H)、2.40(s、3H)。
実施例44 3−ブロモ−5−メチルベンズアミド
3−ブロモ−5−メチル安息香酸(16.0g、74.4mmol)のEA(300mL)溶液に、CDI(42.2g、260.4mmol)を慎重に加え、次いで混合物を3時間還流し続けた。室温まで冷却した後、NH
3(g)を1時間混合物に通した。混合物を濾過し、有機層をHCl(10%、100mL)および水(100mL)で洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮し、15.0gの3−ブロモ−5−メチルベンズアミドを白色結晶として得た(収率:94%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.73−7.72(m、1H)、7.56−7.55(m、1H)、7.50−7.49(m 1H)、2.39(s、3H)。
実施例45 3−ブロモ−5−メチルベンゾニトリル
3−ブロモ−5−メチルベンズアミド(15.0g、70.1mmol)のCHCl
3懸濁液に五酸化リン(29.8g、210.2mmol)を加え、混合物を2日間還流し続けた(TLCでモニターした)。反応物を室温まで放冷し、攪拌条件下で氷水に入れた。有機層を分離し、水相をジクロロメタン(150mL×2)で抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、NaSO
4で乾燥させた。生成物、3−ブロモ−5−メチルベンゾニトリル(7.20g、52%)を、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.60−7.56(m、2H)、7.40−7.39(m、1H)、2.39(s、3H)。
実施例46 3−ブロモ−5−(ブロモメチル)ベンゾニトリル
3−ブロモ−5−メチルベンゾニトリル(9.80g、45.0mmol)、NBS(8.90g、45.0mmol)およびBPO(0.40g)のCCl
4(250mL)中混合物を、還流しながら10時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、濾過し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム(100mL)、水(2×50mL)、およびブライン(2×50mL)で連続して洗浄した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮し、12.5gの未精製の3−ブロモ−5−(ブロモメチル)ベンゾニトリルを得た。
実施例47 3−ブロモ−5−[(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)メチル]ベンゾニトリル
3−ブロモ−5−(ブロモメチル)ベンゾニトリル(12.5g、45.5mmol)、フタル酸カリウム(7.16g、38.6mmol)のDMF(100mL)懸濁液を還流下で4時間攪拌した。室温まで冷却した後、溶媒を減圧下で除去し、残留物をCHCl
3(200mL)に溶解させた。有機層を水で洗浄し(50mL×2)、Na
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮し、15.2gの粗生成物を得た。この生成物、3−ブロモ−5−[(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)メチル]ベンゾニトリル(3.50g、23%)をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.90−7.87(m、2H)、7.81−7.80(m、1H)、7.77−7.75(m、2H)、7.71−7.70(m、1H)、7.66−7.65(m、1H)、4.83(s、2H)。
実施例48 3−(アミノメチル)−5−ブロモベンゾニトリル
3−ブロモ−5−[(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)メチル]ベンゾニトリル(3.50g、10.3mmol)のEtOH(60mL)懸濁液に、ヒドラジン水和物(85%、1.31g)を加えた。混合物を3時間還流した。次いで室温にて2N HCI(20mL)を加え(pH=3)、混合物を濾過し、固体を水ですすいだ(20mL×2)。濾液を蒸発させて約50mLにし、再度濾過した。NaHCO
3(pH=9)の添加後、濾液をCH
2Cl
2(50mL×3)で抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、粗生成物を得た。この組生成物をMeOH−Et
2Oから再結晶し、無色の微小針状結晶として生成物を得た(1.40g、55%)。
1H NMR(400MHz、D
2O):δ7.92(m、1H)、7.84(m、1H)、7.69(m、1H)、4.11(s、2H)、
13C NMR(400MHz、D
2O):δ137.1、135.9、135.8、131.7、123.0、117.7、113.8、42.0、MS:m/z 209.0(M
+−HCl)、HPLC:保持時間:9.313分、純度:98.4%。
実施例49 (3−ブロモフェニル)メタノール
3−ブロモベンズアルデヒド(114.8g、620.4mmol)のEtOH(650mL)溶液に、25℃にて、水素化ホウ素ナトリウム(7.1g、186.1mmol)を数回に分けて加えた。次いで混合物を室温で1時間攪拌した。反応を水(200mL)でクエンチした。EtOHを除去した後、残留物をAcOEt(500mL)に溶解させ、濾過した。濾液を水(150mL)、ブライン(150mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を除去した後、115.8gの表題化合物が得られた(収率:99.8%)。
実施例50 {[(3−ブロモフェニル)メチル]オキシ}(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシラン
TBSCl(18.7g、124.3mmol)、Et
3N(14.08g、139.2mmol)およびDMAP(194.3mg、8.9mmol)をCH
2Cl
2(120mL)に溶解させ、この溶液を0〜5℃まで冷却した。(3−ブロモフェニル)メタノール(18.5g、99.4mmol)を溶液に滴下した。(3−ブロモフェニル)メタノールの添加後、混合物を室温まで温め、2時間攪拌した。5%HClを反応混合物に加えてpH=4〜5に調整した。次いで有機相を分離し、水相をCH
2Cl
2(50mL×2)で抽出した。合わせた有機相を水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を除去した後、28.5gの{[(3−ブロモフェニル)メチル]オキシ}(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランが得られた(収率:95.1%)。
実施例51 [3−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)フェニル]ボロン酸
{[(3−ブロモフェニル)メチル]オキシ}(ジメチル)シラン−2,2−ジメチルプロパン(1:1)(100.0g、331.9mmol)のTHF(500mL)溶液を−78℃まで冷却し、次いでn−BuLi(132.7mL、331.9mmol)を滴下した。混合物を−78℃で1時間攪拌した。次いでB(OBu)
3(107.5mL、398.2mmol)を一度に加えた。反応混合物を室温まで温め、一晩攪拌した。0℃まで冷却した後、5%H
3PO
4を加えてpH=4〜5とし、混合物を0.5時間攪拌し、次いで濾過した。THFを除去した後、残留物をEt
2Oで抽出し(200mL×2)、有機層をNa
2SO
4で乾燥させた。溶媒を除去した後、残留物を水に加えると、白色固体が沈殿し、これを真空下で乾燥させ65.7gの[3−({[(1,1−ジメチルエチル)−(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)フェニル]ボロン酸を得た(収率:74.5%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ0.14(s、6H)、0.98(s 9H)、4.88(s、2H)、7.49−7.59(m、2H)、8.14(d、J=7.6Hz、1H)、8.19(s、1H)。
実施例52 1,1−ジメチルエチル[(3−ブロモ−4−シアノフェニル)メチル]カルバメート
4−(アミノメチル)−2−ブロモベンゾニトリル(2.2g、8.9mmol)およびNa
2CO
3(2.4g、21.4mmol)のCH
2Cl
2(50mL)懸濁液に、Boc
2O(2.1g、9.8mmol)のCH
2Cl
2(10mL)溶液を滴下した。次いで反応混合物を室温で一晩攪拌した。濾過後、固体をCH
2Cl
2で洗浄し(20mL×2)、次いで濾液を水(20mL×2)、ブライン(20mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を除去した後、2.6gの1,1−ジメチルエチル[(3−ブロモ−4−シアノフェニル)メチル]カルバメートが得られた(収率:94%)。
実施例53 1,1−ジメチルエチル{[3’−({[(1,1−ジメチルエチル)−(メチル)シリル]オキシ}メチル)−6−メチル−3−ビフェニルイル]メチル}カルバメート
Pd(OAc)
2(56.3mg、0.25mmol)、PPh
3(263.0mg、1.0mmol)、K
2CO
3(1.7g、12.5mmol)、および1,1−ジメチルエチル[(3−ブロモ−4−シアノフェニル)メチル]カルバメート(2.6g、8.4mmol)を1,4−ジオキサン(30mL)中に懸濁させた。混合物を80℃になるまで15分間加熱した後、[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]ボロン酸−(1,1−ジメチルエチル)(トリメチル)シラン(2.7g、10.0mmol)を加えた。次いで反応混合物を100℃で一晩攪拌した。室温まで冷却した後、溶媒を減圧下で除去した。残留物をCH
2Cl
2(50mL)に溶解させ、水(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を除去した後、粗生成物をAl
2O
3カラムクロマトグラフィーで精製し、CH
2Cl
2で溶出し、表題生成物を得た(2.6g、収率:60%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ0.12(s、6H)、0.95(s 9H)、1.46(s、9H)、4.41−4.42(m、2H)、4.81(s、2H)、7.37−7.47(m、6H)、7.71(d、J=8.0Hz、1H)、
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ−5.3、18.4、25.9、28.3、44.2、64.7、80.0、109.9、118.6、126.1、126.2、126.4、127.3、128.6、134.0、137.9、142.0、144.5、145.8、155.8、HPLC:保持時間:9.500分、純度:95.2%(HPLC)。
実施例54 3’−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−5−フルオロ−3−ビフェニルカルボニトリル
3−ブロモ−5−フルオロベンゾニトリル(5.00g、25.0mmol)、Pd(OAc)
2(0.15g)、PPh
3(0.60g)、およびK
2CO
3(5.18g、37.5mmol)をジオキサン(60mL)に溶解させた。混合物を70℃で30分間加熱し、次いで[3−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)フェニル]ボロン酸(7.99g、30.0mmol)を加えた。反応混合物を還流しながら一晩攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、次いでCH
2Cl
2(100mL)で希釈した。有機層を水(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。そして有機層をNa
2SO
4で乾燥させた。生成物3’−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−5−フルオロ−3−ビフェニルカルボニトリル(5.10g、60%)をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.67(t、J=5.2Hz、1H)、7.54−7.32(m、5H)、4.81(s、2H)、0.94(s、9H)、0.13(s、6H)。
実施例55 1,1−ジメチルエチル{[3’−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシメチル)−5−フルオロ−3−ビフェニルイル]メチル}カルバメート
NiCl
2(1.83g、14.1mmol)、Boc
2O(6.03g、27.6mmol)、および3’−({[(1,1−ジメチルエチル)−(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−5−フルオロ−3−ビフェニルカルボニトリル(4.60g、13.5mmol)の無水エタノール(70mL)溶液に、0℃にて、NaBH
4(3.57g、94.3mmol)を慎重に加えた(黒色沈殿物の形成を伴う激しい反応)。反応が静まると、混合物を室温で30分間攪拌させた。エタノールを減圧下で除去し、沈殿物をEtOAcおよびNaHCO
3に溶解させ、濾過し、EtOAcで繰り返し洗浄した。合わせた有機相を乾燥させた(Na
2SO
4)。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し1,1−ジメチルエチル{[3’−({[(1,1−ジメチルエチル)−(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−5−フルオロ−3−ビフェニルイル]メチル}カルバメートを得た(1.90g、32%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.51−7.16(m、6H)、6.97(d、J=5.2Hz、1H)、4.91(s、1H)、、4.80(s、2H)、4.38−4.37(m、2H)、1.53(s、9H)、0.96(s、9H)、0.12(s、6H)、
13C NMR(400MHz、CDCl
3)δ156.0、143.9、142.3、139.8、129.0、125.8、124.9、121.8、113.1、79.9、65.0、44.4、28.5、26.1、18.6、−5.1、HPLC:保持時間:4.709分、純度:97.9%(HPLC)。
実施例56 3’−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2−フルオロ−3−ビフェニルカルボキサミド
Pd(OAc)
2(123.6mg、0.55mmol)、PPh
3(557.5mg、2.2mmol)、K
2CO
3(3.8g、27.5mmol)、および3−ブロモ−2−フルオロベンズアミド(4.0g、18.4mmol)を1,4−ジオキサン(30mL)中に懸濁させた。混合物を80℃になるまで15分間加熱した後、[3−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)フェニル]ボロン酸(5.9g、22.0mmol)を加えた。次いで反応混合物を100℃で一晩攪拌した。室温まで冷却した後、溶媒を減圧下で除去した。残留物をCH
2Cl
2(50mL)に溶解させ、次いで水(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を除去した後、粗生成物をAl
2O
3カラムクロマトグラフィーで精製し、CH
2Cl
2/CH
3OH(300:1)で溶出した。3’−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2−フルオロ−3−ビフェニルカルボキサミドが得られた(4.1g、収率:63%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ0.12(s、6H)、0.95(s、9H)、4.81(s、2H)、7.25−8.12(m、7H)。
実施例57 [3’−(アミノメチル)−2’−フルオロ−3−ビフェニルイル]メタノール
0℃に冷却した、3’−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2−フルオロ−3−ビフェニルカルボキサミド(3.8g、10.6mmol)のTHF(40mL)溶液に、BH
3Me
2S(14.0mL、21.2mmol)を滴下した。次いで反応物を50℃で一晩攪拌した。HCl(10mL、3N)を加えることによって反応混合物をクエンチし、得られた混合物を2時間攪拌した後で、THFを真空下で除去した。水層をAcOEt(30mL)で抽出し、次いでNa
2CO
3を加えることによってpHを約9.0に調整した。水層をAcOEtで抽出し(50mL×2)、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を除去した後、粗生成物をAl
2O
3カラムクロマトグラフィーで精製し、CH
2Cl
2/EA(10:1)で溶出した。[3’−(アミノメチル)−2’−フルオロ−3−ビフェニルイル]メタノールが得られた(0.83g、収率:33%)。
1H NMR(400MHz、DMSO)δ3.80(s、2H)、4.56(s、2H)、7.23−7.51(m、7H)、
13C NMR(400MHz、DMSO)δ62.8、124.3、125.8、126.9、127.2、128.0、128.1、128.3、128.4、128.6、131.6、131.8、135.6、142.9、155.6、158.1、HPLC:保持時間:4.053分、純度:98.6%(HPLC)。
実施例58 1,1−ジメチルエチル[(3−ブロモ−2−フルオロフェニル)メチル]カルバメート
[(3−ブロモ−2−フルオロフェニル)メチル]アミン(5.0g、20.3mmol)およびNa
2CO
3(5.5g、51.9mmol)のCH
2Cl
2(100mL)懸濁液に、Boc
2O(4.5g、20.6mmol)のCH
2Cl
2(10ml)溶液を滴下した。次いで反応混合物を室温で一晩攪拌した。濾過後、固体をCH
2Cl
2で洗浄し(50mL×2)、次いで濾液を水(70mL×2)、ブライン(70mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を除去した後、5.6gの1,1−ジメチルエチル[(3−ブロモ−2−フルオロフェニル)メチル]カルバメートが得られた(収率:94%)。
実施例59 1,1−ジメチルエチル{[3’−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2−フルオロ−3−ビフェニルイル]メチル}カルバメート
Pd(OAc)
2(88.9mg、0.39mmol)、PPh
3(415.0mg、1.6mmol)、K
2CO
3(2.7g、19.8mmol)、および1,1−ジメチルエチル[(3−ブロモ−2−フルオロフェニル)メチル]カルバメート(4.0g、13.2mmol)を1,4−ジオキサン(50mL)中に懸濁させた。混合物を80℃になるまで15分間加熱した後、[3−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)フェニル]ボロン酸(4.2g、15.8mmol)を加えた。次いで反応混合物を100℃で一晩攪拌した。室温まで冷却した後、溶媒を減圧下で除去した。残留物をCH
2Cl
2(80mL)に溶解させ、次いで水(30mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を除去した後、粗生成物をAl
2O
3カラムクロマトグラフィーで精製し、PE/EA(20:1)で溶出した。1,1−ジメチルエチル{[3’−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2−フルオロ−3−ビフェニルイル]メチル}カルバメートが得られた(1.98g、収率:34%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ0.12(s、6H)、0.95(s、9H)、4.42−4.43(m、2H)、4.80(s、2H)、4.96(s、1H)、7.17−7.48(m、7H)、
13C NMR(400MHz、CDCl
3)δ−5.3、18.4、25.9、28.3、38.9、64.8、124.2、125.4、126.7、127.6、128.3、128.7、129.7、129.2、129.7、135.4、141.6、155.8、HPLC:保持時間:4.630分、純度:99.4%(HPLC)。
実施例60 2−{[3’−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−5−メチル−3−ビフェニルイル]メチル}−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
Pd(OAc)
2(102.0mg、0.45mmol、0.03当量)、PPh
3(476.4mg、1.82mmol、0.12当量)、K
2CO
3(3.14g、22.7mmol、1.50当量)、および2−[(3−ブロモ−5−メチルフェニル)メチル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(5.00g、13.1mmol、1.00当量)を、窒素下で無水1,4−ジオキサン(30mL)中に懸濁させた。混合物を60℃になるまで10分間加熱した後、[3−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)フェニル]ボロン酸(4.84g、18.2mmol、1.20当量)を加えた。次いで反応混合物を100℃で一晩攪拌した。室温まで冷却した後、溶媒を減圧下で除去した。次いで水(25mL)を加え、CH
2Cl
2で2回(70mL、50mL)抽出した。有機層をブラインで洗浄し(20mL×2)、無水Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を除去した後、粗生成物をシリカカラムクロマトグラフィーで精製し、PE/EA(20:1〜10:1)で溶出し、4.2gの生成物、2−{[3’−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−5−メチル−3−ビフェニルイル]メチル}−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン、を無色の液体として得た(収率:59%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ0.11(s、6H)、0.95(s、9H)、2.38(s、3H)、4.79(s、2H)、4.87(s、2H)、7.23(s、1H)、7.31−7.49(m、6H)、7.70−7.72(m、2H)、7.84−7.86(m、2H)。
実施例61 1,1−ジメチルエチル{[3’−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−5−メチル−3−ビフェニルイル]メチル}カルバメート
2−{[3’−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−5−メチル−3− ビフェニルイル]メチル}−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(4.15g、8.8mmol、1.0当量)をエタノール(84mL)に溶解させた。次いでヒドラジン水和物(85%、1.1g、2.0当量)を加えた。混合物を5.5時間加熱還流した。この混合物を濾過して2,3−ジヒドロフタラジン−1,4−ジオンを除去し、濾液を濃縮した。次いで残留物をTHF(50mL)に溶解させ、濾過した。溶媒を除去した後、2.5gの無色の油が得られた。この油をCH
2Cl
2(50mL)およびTHF(5mL)に溶解させた後、無水Na
2CO
3(1.4g、13.2mmol)を加えた。15分間攪拌した後、Boc
2O(2.1g、9.6mmol)のCH
2Cl
2溶液(20mL)を滴下した。その混合物を30分間攪拌し、濾過し、次いで溶媒を除去した。残留物を、塩基性アルミナによるクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=30:1)で精製し、1.7gの上に示した生成物を得た(2工程による全収率は43.2%であった)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ0.12(s、6H)、0.96(s、9H)、1.47(s、9H)、2.40(s、3H)、4.35(d、J=6.0Hz、2H)、4.80(s、1H)、4.84(br、1H)、7.09(s、1H)、7.29−7.52(m、6H)、
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ−5.2、18.4、21.4、25.9、28.4、64.9、79.4、123.4、124.8、125.0、125.7、127.0、127.2、128.6、138.7、139.2、140.9、141.6、141.9、155.9、HPLC:保持時間:5.296分、純度:99.1%(HPLC)。
実施例62 1,1−ジメチルエチル{[3’−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−4−メチル−3−ビフェニルイル]メチル}カルバメート
1,1−ジメチルエチル[(5−ブロモ−2−メチルフェニル)メチル]カルバメート(2.7g、9.0mmol)、Pd(OAc)
2(81mg、0.36mmol)、ジシクロヘキシル[2’−(メチルオキシ)−1,1’−ビナフタレン−2−イル]ホスファン(216mg、0.45mmol)、およびK
3PO
4(2.5g、11.7mmol)をジオキサン(50mL)に溶解させた。混合物を80℃で30分間加熱し、次いで[3−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)フェニル]ボロン酸(3.1g、11.7mmol)を加えた。反応混合物を、還流しながら2日間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、次いでCH
2Cl
2(100mL)で希釈した。有機層を水(30mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を除去した後、3.6gの粗生成物1,1−ジメチルエチル{[3’−({[(1,1−ジメチルエチル)−(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−4−メチル−3−ビフェニルイル]メチル}カルバメートが得られた(収率:90%)。
実施例63 1,1−ジメチルエチル{[3’−(ヒドロキシメチル)−4−メチル−3−ビフェニルイル]メチル}カルバメート
1,1−ジメチルエチル{[3’−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]−オキシ}メチル)−4−メチル−3−ビフェニルイル]メチル}カルバメート(3.60g、8.2mmol)のTHF(30mL)溶液に、nBu
4NF(2.34g、9.0mmol)のTHF(20mL)溶液を加えた。この混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をCH
2Cl
2(50mL)で希釈し、水(15mL×2)、ブライン(15mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。生成物1,1−ジメチルエチル{[3’−(ヒドロキシメチル)−4−メチル−3−ビフェニルイル]メチル}カルバメート(1.5g)をフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE:EA=4:1)で精製した(収率:53%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ1.47(s、9H)、2.37(s、3H)、4.37(d、J=5.6Hz、2H)、4.76(m、3H)、7.23−7.58(m、7H)、
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ18.6、28.4、42.9、65.3、79.5、125.6、125.7、126.2、126.8、129.0、130.9、135.5、138.9、141.2、141.4、155.8、HPLC:保持時間:14.965分、純度:95.4%、MS m/z 327(M
+)。
実施例64 1,1−ジメチルエチル[(3−ブロモ−2−メチルフェニル)メチル]カルバメート
[(3−ブロモ−2−メチルフェニル)メチル]アミン(4.0g、17.0mmol)をCH
2Cl
2(50mL)中に懸濁させ、次いで炭酸ナトリウム(4.8g、45.3mmol)を加えた。15分間攪拌した後、Boc
2O(4.0g、18.3mmol)のCH
2Cl
2(20mL)溶液を加え、次いで混合物を一晩攪拌した。溶媒を除去した後、残留物をCH
2Cl
2(40mL)に溶解させた。この溶液を水(15mL)、ブライン(15mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。シリカカラムクロマトグラフィーの後、(石油エーテル:EtOAc=20:1〜5:1で溶出)、1.3gの生成物、1,1−ジメチルエチル[(3−ブロモ−2−メチルフェニル)メチル]カルバメート、が得られた(収率:35%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ1.45(s、9H)、2.40(s、3H)、4.34(d、J=6.0Hz、2H)、4.71(br、1H)、7.02(t、J=8.0Hz、1H)、7.19(d、J=7.6Hz、1H)、7.48(dd、J=7.8Hz、J=0.6Hz、1H)。
実施例65 1,1−ジメチルエチル{[3’−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2−メチル−3−ビフェニルイル]メチル}カルバメート
Pd(OAc)
2(25.8mg、0.115mmol)、PPh
3(120.6mg、0.46mmol)、K
2CO
3(794.0mg、5.75mmol)、および1,1−ジメチルエチル[(3−ブロモ−2−メチルフェニル)メチル]カルバメート(1.15g、3.85mmol)を、窒素下で無水1,4−ジオキサン(20mL)中に懸濁させた。混合物を60℃になるまで30分間加熱した後、[3−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)フェニル]ボロン酸(2.04g、4.62mmol)を加えた。次いで混合物を100℃で一晩攪拌した。室温まで冷却した後、溶媒を減圧下で除去した。残留物をEtOAc(20mL、)に溶解させ、次いでこの溶液を水(7mL)、ブライン(7mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。シリカカラムクロマトグラフィーの後、PE:EA=30:1で溶出し、無色の液体として1.1gの生成物が得られた(収率:65%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ0.10(s、6H)、0.94(s、9H)、1.47(s、9H)、2.19(s、3H)、4.38(d、J=5.2Hz、2H)、4.76(br、1H)、4.78(s、2H)、7.14−7.39(m、7H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ−5.2、16.1、18.4、25.9、28.4、43.4、64.9、79.4、124.6、125.6、127.0、127.9、129.3、133.7、136.9、141.2、141.9、143.0、155.7、HPLC:保持時間:4.987分、純度:98.9%(HPLC)。
実施例66 1,1−ジメチルエチル{[3−ブロモ−5−(メチルオキシ)フェニル]メチル}カルバメート
{[3−ブロモ−5−(メチルオキシ)フェニル]メチル}アミン(1.3g、6.0mmol)のCH
2Cl
2(15mL)溶液に、NaOH(264.7mg、6.6mmol)のH
2O(6mL)溶液を加えた後、Boc
2O(1.44g、6.6mmol)のCH
2Cl
2(20mL)溶液を滴下した。反応混合物を3時間で一晩攪拌した。水層をCH
2Cl
2(10mL)で抽出し、次いで合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し(10mL×2)、Na
2SO
4で乾燥させた。生成物1,1−ジメチルエチル{[3−ブロモ−5−(メチルオキシ)フェニル]メチル}カルバメート(1.4g)をフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE:EA=10:1)で精製した(収率:74%)。
実施例67 1,1−ジメチルエチル{[3’−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−5−(メチルオキシ)−3−ビフェニルイル]メチル}カルバメート
1,1−ジメチルエチル{[3−ブロモ−5−(メチルオキシ)フェニル]メチル}カルバメート(1.4g、4.43mmol)、Pd(OAc)
2(70.0mg、0.14mmol)、ジシクロヘキシル[2’−(メチルオキシ)−1,1’−ビナフタレン−2−イル]ホスファン(84.0mg、0.175mmol)、およびK
3PO
4(1.2g、5.31mmol)をジオキサン(30mL)に溶解させた。混合物を80℃で30分間加熱し、次いで[3−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)フェニル]ボロン酸(1.5g、5.76mmol)を加えた。反応混合物を、還流しながら2日間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、次いで残留物をCH
2Cl
2(100mL)で希釈した。有機層を水(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。生成物1,1−ジメチルエチル[3’−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−5−(メチルオキシ)−3−ビフェニルイル]メチル}カルバメート(1.5g)をフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE:EA=15:1)で精製した(収率:74%)。
実施例68 1,1−ジメチルエチル{[3’−(ヒドロキシメチル)−5−(メチルオキシ)−3−ビフェニルイル]メチル}カルバメート
1,1−ジメチルエチル{[3’−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−5−(メチルオキシ)−3−ビフェニルイル]メチル}カルバメート(1.5g、3.28mmol)のTHF(20mL)溶液に、nBu
4NF(0.94g、3.61mmol)のTHF(10mL)溶液を加えた。この混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を減圧下で除去した後、残留物をEtOAc(30mL)で希釈した。有機層を水(10mL×2)、ブライン(10mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。生成物、1,1−ジメチルエチル{[3’−(ヒドロキシメチル)−5−(メチルオキシ)−3−ビフェニルイル]−メチル}カルバメート、(0.9g)をフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE:EA=3:1)で精製した(収率:80%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ1.47(s、9H)、3.86(s、3H)、4.35(d、J=7.6Hz、2H)、4.76(s、2H)、4.89(s、1H)、6.83(s、1H)、7.02(s、1H)、7.09(s、1H)、7.34−7.58(m、4H)、
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ28.4、44.7、55.4、65.2、79.6、111.9、118.7、125.8、126.1、126.4、129.0、140.9、141.2、141.5、142.8、156.0、160.3.HPLC:保持時間:11.558分、純度:98.7%、MS:m/z 343(M
+)。
実施例69 1,1−ジメチルエチル{[3−ブロモ−2−(メチルオキシ)フェニル]メチル}カルバメート
{[3−ブロモ−2−(メチルオキシ)フェニル]メチル}アミン(5.0g、19.8mmol)およびNa
2CO
3(5.3g、49.5mmol)のCH
2Cl
2(100mL)懸濁液に、Boc
2O(4.8g、21.8mmol)のCH
2Cl
2(10mL)溶液を滴下した。次いで反応混合物を室温で一晩攪拌した。濾過後、固体をCH
2Cl
2で洗浄し(50mL×2)、次いで濾液を水(70mL×2)、ブライン(70mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を除去した後、5.5gの1,1−ジメチルエチル{[3−ブロモ−2−(メチルオキシ)フェニル]メチル}カルバメートが得られた(収率:87.8%)。
実施例70 1,1−ジメチルエチル{[3’−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2−(メチルオキシ)−3−ビフェニルイル]メチル}カルバメート
1,1−ジメチルエチル{[3−ブロモ−2−(メチルオキシ)フェニル]メチル}カルバメート(5.2g、16.4mmol)、Pd(OAc)
2(110.4mg、0.49mmol)、ジシクロヘキシル[2’−(メチルオキシ)−1,1’−ビナフタレン−2−イル]ホスファン(317.2mg、0.66mmol)、およびK
3PO
4(4.2g、19.7mmol)をジオキサン(60mL)に溶解させた。混合物を80℃で30分間加熱し、次いで[3−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)フェニル]ボロン酸(5.2g、19.7mmol)を加えた。反応混合物を還流しながら一晩攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、次いで残留物をCH
2Cl
2(100mL)で希釈した。有機層を水(30mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。生成物1,1−ジメチルエチル{[3’−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2−(メチルオキシ)−3−ビフェニルイル]メチル}カルバメート(5.0g)をフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE:EA=15:1)で精製した(収率:72%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ0.11(s、6H)、0.94(s、9H)、1.46(s、9H)、3.37(s、3H)、4.40(d、J=6Hz、2H)、4.80(s、2H)、5.04(s、1H)、7.12−7.51(m、7H)、
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ−5.2、18.4、25.9、28.4、40.3、60.4、65.0、124.2、125.0、126.6、127.5、128.3、128.4、130.6、132.3、134.8、138.2、141.5、155.8、HPLC:保持時間:4.348分、純度:99.9%、MS m/z 453(M
+)、344(M
+−TBS)。
実施例71 1,1−ジメチルエチル[(3−ブロモ−5−シアノフェニル)メチル]カルバメート
3−(アミノメチル)−5−ブロモベンゾニトリル(1.6g、6.5mmol)およびNa
2CO
3(1.7g、16.2mmol)のCH
2Cl
2(25mL)懸濁液に、Boc
2O(1.6g、7.1mmol)のCH
2Cl
2(10mL)溶液を滴下した。次いで反応混合物を室温で一晩攪拌した。濾過後、固体をCH
2Cl
2で洗浄し(10mL×2)、次いで濾液を水(20mL×2)、ブライン(20mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を除去した後、1.9gの1,1−ジメチルエチル[(3−ブロモ−5−シアノフェニル)メチル]カルバメートが得られた(収率:94.5%)。
実施例72 1,1−ジメチルエチル{[5−シアノ−3’−({[ジメチル(1−メチルエチル)−シリル]オキシ}メチル)−3−ビフェニルイル]メチル}カルバメート−エタン(1:1)
1,1−ジメチルエチル[(3−ブロモ−5−シアノフェニル)メチル]カルバメート(1.90g、6.11mmol)、Pd(OAc)
2(76mg)、PPh
3(228mg)、およびK
2CO
3(1.27g、9.16mmol)をジオキサン(50mL)に溶解させた。混合物を70℃で30分間加熱し、次いで[3−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)フェニル]ボロン酸(2.11g、7.94mmol)を加えた。反応混合物を還流しながら一晩攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、次いで残留物をCH
2Cl
2(100mL)で希釈した。有機層を水(30mL)およびブライン(30mL)洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。生成物、1,1−ジメチルエチル{[5−シアノ−3’−({[ジメチル(1−メチルエチル)シリル]オキシ}メチル)−3−ビフェニルイル]メチル}カルバメート−エタンをフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した(2.0g、収率:72%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ0.12(s、6H)、0.96(s、9H)、1.47(s、9H)、4.41(d、J=6Hz、2H)、4.81(s、2H)、7.38−7.44(m、3H)、7.50(s、1H)、7.55(s、1H)、7.70(s、1H)、7.75(s、1H)、
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ−5.2、18.4、25.9、28.3、43.4、64.7、80.1、113.1、118.7、124.7、125.6、126.1、129.0、129.2.、129.6、130.4、133.4、134.8、138.6、141.2、142.5、142.9、155.9、HPLC:保持時間:4.670分、純度:94.4%、MS m/z 453(M
+、32)、339(M
+−TBS、100)。
実施例73 [5’−(アミノメチル)−2’−フルオロ−3−ビフェニルイル]メタノール
[(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)メチル]アミン塩酸塩(0.795g、3.29mmol)、[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]ボロン酸(0.5g、3.29mmol)、炭酸カリウム(2.275g、16.5mmol)、およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.114g、0.1mmol)を、ジオキサン(10mL)および水(3mL)中で合わせた。混合物を150℃で30分間マイクロ波照射した。溶媒を蒸発させ、残留物をEtOAcおよびH
2O中に取り込んだ。水相をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機相を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物を、0〜100%CH
2Cl
2/CH
2Cl
2:20%MeOH:1%NH
4OHで溶出するシリカゲルカラムのコンビフラッシュで精製し、粘性の油として表題化合物を得た。LC−MS m/z 231.8(M+H)
+、1.03分(保持時間)。
実施例74 3−ブロモ−4−メチルベンズアミド
3−ブロモ−4−メチル安息香酸(5g、23.25mmol)をCH
2Cl
2(100mL)中に懸濁させ、アルゴン下にて室温で攪拌した。塩化オキサリル(5.9g、46.5mmol)を加え、次いでDMF(20μL)を加えた。ガス発生が始まり、混合物を2日間攪拌したが、その間に完全な溶液が生じた。溶媒をポンプで吸い出し、トルエンを加えてそして取り除いて、過剰な塩化オキサリルを除去した。残留物をEtOAc中に取り込み、濃水酸化アンモニウム(20mL)に加えた。これを30分間攪拌した。相を分離し、有機相をブラインで1回洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物をEtOAc/ヘキサンから結晶化し、真空下で乾燥させ、白色結晶性固体として表題化合物を得た。LC−MS m/z 213.8(M+H)
+、1.41分(保持時間)。
実施例75 [(3−ブロモ−4−メチルフェニル)メチル]アミン
THF(10mL)中の3−ブロモ−4−メチルベンズアミド(2.14g、10mmol)に、0℃にて、ボランジメチルスルフィド錯体(2mL、20mmol)を加えた。次いで混合物を50℃になるまで16時間加熱した。ボランジメチルスルフィド錯体(1mL、10mmol)をさらに加え、60℃でさらに5日間加熱を続けた。反応混合物を室温まで冷却し、エタノールを慎重に加えた。泡立ちが止んだら、pHがおよそ2になるまで1N HClを加えた。この混合物を50℃で4時間攪拌した。混合物をEtOAcと水とに分配した。水相をEtOAcで3回洗浄した。次いで2N NaOHで水相をpH10に調整し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機相を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、表題化合物を得た。LC−MS m/z 199.8(M+H)
+、1.01分(保持時間)。
実施例76 {[3−ブロモ−4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}アミン
THF(30mL、45mmols)中の3−ブロモ−4−(メチルオキシ)ベンゾニトリル(2.12g、10mmol)、THF(30mL)、および1.5Mボランを合わせ、アルゴン下で還流しながら攪拌した。その後THF(30mL、45mmols)中の1.5Mボランをさらに加え、還流を続けた。THF(30mL)、およびTHF(30mL、45mmols)中の1.5Mボランを再び加え、混合物を合計で10日間還流し反応を完了させた。pHが2になるまで、エタノール、次いで1N HClを慎重に添加することによって反応の後処理を行なった。次いで混合物を、50℃になるまで4時間加熱した。溶媒をポンプで吸い出し、残留物をEtOAcと水とに分配した。水相をEtOAcで3回洗浄し、2.5N NaOHを添加することによってpH10に調整した。水相をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機相を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、表題化合物を得た。
実施例77 3−ブロモ−4−クロロベンズアミド
3−ブロモ−4−クロロ安息香酸(2.35g、10mmol)をCH
2Cl
2(50mL)中に懸濁させ、アルゴン下にて室温で攪拌した。塩化オキサリル(2.53g、20mmol)を加え、次いでDMF(10μL)を加えた。ガス発生が始まり、発生が止むまで混合物を攪拌した。溶媒をポンプで吸い出し、トルエンを加えてそして取り除いて、過剰な塩化オキサリルを除去した。残留物をEtOAc中に取り込み、濃水酸化アンモニウム(10mL)に加えた。これを30分間攪拌した。相を分離し、有機相をブラインで1回洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物をEtOAc/ヘキサンから結晶化し、白色結晶性固体として表題化合物を得た。LC−MS m/z 233.7(M+H)
+、1.54分(保持時間)、mp 146〜147℃、分析HPLCは100%純度を示す、(保持時間:11.835分)。
実施例78 [(3−ブロモ−4−クロロフェニル)メチル]アミン
THF(10mL)中の3−ブロモ−4−クロロベンズアミド(1.6g、6.8mmol)に、室温にて、ボランジメチルスルフィド錯体(1.36mL、13.6mmol)を加えた。次いで混合物を60℃になるまで8日間加熱した。溶媒をポンプで吸い出し、エタノールで反応を慎重にクエンチした。泡立ちが止んだら、pHがおよそ2になるまで1N HClを加えた。混合物を50℃で4時間攪拌した。混合物をEtOAcと水とに分配した。水相をEtOAcで3回洗浄した。次いで2N NaOHで水相をpH10に調整し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、透明な油として表題化合物を得た。LC−MS m/z 219.6(M+H)
+、1.41分(保持時間)。
実施例79 3−ブロモ−5−クロロベンズアミド
3−ブロモ−5−クロロ安息香酸(2.35g、10mmol)をCH
2Cl
2(50mL)中に懸濁させ、アルゴン下にて室温で攪拌した。塩化オキサリル(2.53g、20mmol)を加え、次いでDMF(10μL)を加え、混合物を一晩攪拌した。溶媒をポンプで吸い出した。残留物をEtOAc中に取り込み、濃水酸化アンモニウム(10mL)に加えた。これを30分間攪拌した。相を分離し、有機相をブラインで1回洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物をEtOAc/ヘキサンから結晶化し、白色結晶性固体として表題化合物を得た。LC−MS m/z 233.7(M+H)
+、1.57分(保持時間)、分析HPLCは96.5%純度を示す、(保持時間:12.131分)。
実施例80 [(3−ブロモ−5−クロロフェニル)メチル]アミン
THF(10mL)中の3−ブロモ−5−クロロベンズアミド(1.6g、6.8mmol)に、室温にて、ボランジメチルスルフィド錯体(1.36mL、13.6mmol)を加えた。次いで混合物を60℃になるまで7日間加熱した。溶媒をポンプで吸い出し、エタノールで反応を慎重にクエンチした。泡立ちが止んだら、pHがおよそ2になるまで1N HClを加えた。混合物を50℃で4時間攪拌した。混合物をEtOAcと水とに分配した。水相をEtOAcで3回洗浄した。次いで2N NaOHで水相をpH10に調整し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機相を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、透明な油として表題化合物を得た。LC−MS m/z 219.7(M+H)
+、1.42分(保持時間)。
実施例81 1,6−ジエチル−5−[(メチルアミノ)メチル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−アミン
5−(アミノメチル)−1,6−ジエチル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−アミン(0.303g、1.0mmol)のTHF(1mL)溶液に、Boc
2O(0.229g、1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で30分間攪拌し、次いでLAH(5.0mL、THF中1.0M)を加え、その混合物を100℃で30分間電子レンジにて加熱した。次いでNa
2SO
4(飽和水溶液)でゆっくりと反応をクエンチし、濾過し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、0.252g(79%)の表題化合物を得た。LC−MS m/z 318(M+H)
+。
実施例82 {3−[(4−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−1−ピペラジニル)メチル]フェニル}ボロン酸
(3−ホルミルフェニル)ボロン酸(3.0g、20.0mmol)のDCM(100mL)溶液に、1,1−ジメチルエチル1−ピペラジンカルボキシレート(3.91g、21.0mmol)、およびNaBH(OAc)
3(6.36g、30.0mmol)を加え、混合物を室温で17時間攪拌した。有機層をEtOAc(100mL)で希釈し、H
2O(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、7.72g(定量的)の表題化合物を得た。LC−MS m/z 321(M+H)
+。
実施例83 1,1−ジメチルエチル4−{[5’−(アミノメチル)−2’−フルオロ−3−ビフェニルイル]メチル}−1−ピペラジンカルボキシレート
[(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)メチル]アミン塩酸塩(0.601g、2.5mmol)のp−ジオキサン/H
2O(15/5mL)溶液をそれぞれ含む二つのバイアルに、{3−[(4−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−1−ピペラジニル)メチル]フェニル}ボロン酸(1.2g、3.75mmol)、Pd(PPh
3)
4(145mg、0.125mmol)、およびK
2CO
3(1.38g、10mmol)をそれぞれ加えた。得られた混合物を、約150℃で約15分間電子レンジにて加熱した。バイアルの有機層を両方とも分離し、合わせ、濃縮し、コンビフラッシュクロマトグラフで精製し、1.98g(99%)の表題化合物を得た。LC−MS m/z 400(M+H)
+。
実施例84 1,1−ジメチルエチル[(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)メチル]カルバメート
[(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)メチル]アミン塩酸塩(0.64g、2.0mmol)のTHF(10mL)溶液に、NaOH(2mL、1.0M、2.0mmol)を加えた。この混合物を10分間攪拌した後、Boc
2O(0.523g、2.4mmol)を加えた。次いで混合物をさらに2時間攪拌した。次いで有機層を分離し、乾燥させ、濾過し、濃縮し、コンビフラッシュクロマトグラフで精製し、0.66g(定量的)の表題化合物を得た。LC−MS m/z 609(2M+H)
+。
実施例85 [(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)メチル]メチルアミン
1,1−ジメチルエチル[(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)メチル]カルバメート(0.755g、2.48mmol)のTHF(1mL)溶液に、BH
3・THF(12.5mL、THF中1.0M)を加えた。混合物を、約80℃で約30分間電子レンジにて加熱した(2回)。次いでHCl(10mL、1N)で反応をゆっくりとクエンチし、室温で2時間攪拌し、NaHCO
3で塩基性化しておよそpH9とし、EtOAc(50+20mL)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、0.52g(96%)の表題化合物を得た。LC−MS m/z 218(M+H)
+。
実施例86 1,1−ジメチルエチル4−({2’−フルオロ−5’−[(メチルアミノ)メチル]−3−ビフェニルイル}メチル)−1−ピペラジンカルボキシレート
[(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)メチル]メチルアミン(0.52g、2.39mmol)のp−ジオキサン/H
2O(15/5mL)溶液に、{3−[(4−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−1−ピペラジニル)メチル]フェニル}ボロン酸(1.15g、3.60mmol)、Pd(PPh
3)
4(139mg、0.12mmol)、およびK
2CO
3(1.33g、9.6mmol)を加えた。得られた混合物を、150℃で15分間電子レンジにて加熱した。有機層を分離し濃縮した。残留物をEtOAc(約70mL)に再溶解させ、H
2O(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、コンビフラッシュクロマトグラフで精製し、0.65g(66%)の表題化合物を得た。LC−MS m/z 414(M+H)
+。
実施例87 5−(クロロメチル)−1,6−ジエチル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−アミン
塩化チオニル(1.46mL、20.0mmol)溶液に、[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メタノール(0.609g、2.0mmol)をゆっくりと加えた。混合物を室温で約30分間攪拌した後で、真空下にてロータバップで濃縮した。DCM(5ml)を残留物に加え、ロータバップで2回濃縮し、0.386g(60%)の表題化合物を得た。
実施例88 1,1−ジメチルエチル[(5−フルオロ−3’−ホルミル−3−ビフェニルイル)メチル]カルバメート
1,1−ジメチルエチル[(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)メチル]カルバメート(300mg、0.99mmol)、3−ホルミルフェニルボロン酸(194mg、1.30mmol)、Na
2CO
3(316mg、2.98mmol)、Pd(PPh
3)
4(58mg、0.05mmol)、および水(2mL)のジオキサン(6mL)中混合物を5分間脱気し、次いで約150℃で約30分間電子レンジにて加熱した。水でクエンチし、次いで酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄した。シリンジフィルターを通して有機層を濾過してPdを取り除き、次いで濃縮して粗残留物を得た。次いでヘキサン中40%酢酸エチルで溶出するCombi Flash companionで精製した。生成物画分を合わせ、真空下で濃縮し、1,1−ジメチルエチル[(5−フルオロ−3’−ホルミル−3−ビフェニルイル)メチル]カルバメートを油として得た。LC−MS m/z 330(M+H)
+。
実施例89 1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボン酸
エチル1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボキシレート(2g、4.30mmol)、LiOH(901mg、21.48mmol)、水(4mL)、およびメタノール(8mL)の混合物を、約80℃で約20分間電子レンジにて加熱した。反応混合物を水で希釈し、次いで酢酸エチルで洗浄し出発物質を取り除いた。次いで2N HClで水層を酸性化し、ブラインで飽和させ、次いでDCMとIPA(3:1比)の混合物で2回抽出した。合わせた有機層を真空下で乾燥させ粗生成物を得た。次いでエーテルで粉砕し、純粋生成物1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボン酸を黄色の固体として得た(2.78g、95%)。LC−MS m/z 319(M+H)
+。
実施例90 1,1−ジメチルエチル4−{[3’−(アミノメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−1−ピペラジンカルボキシレート
[(3−ブロモフェニル)メチル]アミン塩酸塩(0.556g、2.5mmol)の1,4−ジオキサン(15mL)およびH
2O(5mL)中の溶液に、{3−[(4−{[(1,1−ジメチルエチル)−オキシ]カルボニル}−1−ピペラジニル)メチル]フェニル}ボロン酸(1.041g、3.25mmol)、Pd(PPH
3)
4(0.144g、0.125mmol)、およびK
2CO
3(1.382g、10mmol)を加えた。この混合物を約150℃で約15分間電子レンジにて加熱した。有機層を分離し、Glas−Colエバポレーター(シグマアルドリッチ社)を用いて乾燥させ、次いでコンビフラッシュクロマトグラフで精製し、表題化合物0.798g(84%)を得た。LC−MS m/z 382(M+H)
+。
実施例91 1,1−ジメチルエチル4−{[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]メチル}−1−ピペリジンカルボキシレート
1,1−ジメチルエチル4−[(3−ブロモフェニル)メチル]−1−ピペリジンカルボキシレート(191mg、0.539mmol)のDMF(1mL)溶液に、PdCl
2(dppf)(15.78mg、0.022mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(144mg、0.566mmol)、および酢酸カリウム(106mg、1.078mmol)を加えた。この混合物を電子レンジに入れ、約100℃で約1時間加熱した。反応混合物をEtOAc(10mL)で希釈し、H
2O(3×3mL)、ブライン(3mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。混合物を濾過し、濃縮し、コンビフラッシュクロマトグラフで精製し、表題化合物0.162g(74%)を得た。LC−MS m/z 402(M+H)
+。
実施例92 1,1−ジメチルエチル4−[(3−ブロモフェニル)メチル]−1−ピペリジンカルボキシレート
1,1−ジメチルエチル4−[(3−ブロモフェニル)メチリデン]−1−ピペリジン−カルボキシレート(201mg、0.571mmol)のTHF(1mL)溶液に、H-Cube水素化装置(H−Cube、LLC、ダラス、テキサス州、米国、
http://www.H-Cubeinc.com/)上にて、10%PD/Cを、流速1mL/分、1気圧H
2で適用した。混合物を濃縮し、表題化合物0.1909g(94%)を得た。LC−MS m/z 354(M+H)
+。
実施例93 1,1−ジメチルエチル4−[(3−ブロモフェニル)メチリデン]−1−ピペリジンカルボキシレート
DMF(4mL)中の[(3−ブロモフェニル)メチル](トリフェニル)ホスホニウムブロミド(1.13mg、2.2mmol)に、NaH(52.8mg、2.2mmol)を加えた。この混合物を室温で5分間攪拌し、次いで1,1−ジメチルエチル4−オキソ−1−ピペリジンカルボキシレート(400mg、2.0mmol)を加え、ポットを室温で1時間攪拌した。得られた混合物をEt
2O(25mL)で希釈し、H
2O(12+2×8mL)、ブライン(8mL)で洗浄し、NaSO
4で乾燥させ、濾過した。混合物を濃縮し、コンビフラッシュクロマトグラフで精製し、表題化合物を得た(0.2014g、28%)。LC−MS m/z 352(M+H)
+。
実施例94 [(3−ブロモフェニル)メチル](トリフェニル)ホスホニウムブロミド
トリフェニルホスファン(2.62g、10.0mmol)を、トルエン(15mL)中の1−ブロモ−3−(ブロモメチル)ベンゼン(2.5g、10.0mmol)に加え、混合物を100℃で約1時間電子レンジにて加熱した。混合物を濾過し、表題化合物を得た(4.55g、89%)。LC−MS m/z 431(カチオン部分)
+。
実施例95 1−(3−ブロモフェニル)−N−メチルメタンアミン
THF(9mL)中のブロモベンジルアミン(0.890g、4mmol)に、NaOH(4.20mL、1N、4.20mmol)を加え、この溶液を室温で5分間攪拌してからBOC
2O(0.975mL、4.20mmol)を加えた。この混合物をさらに30分間攪拌した。反応混合物をEtOAc(20mL)で希釈した。有機層を分離し、ブライン(5mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。水素化アルミニウムリチウム(12.00mL、12.00mmol)を上記粗生成物に加え、約100℃で約1時間電子レンジにて加熱した。反応混合物をEt
2O(約50mL)で希釈し、Na
2SO
4(飽和)でゆっくりとクエンチした。有機層を分離し、乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物を得た(0.472g、59%)。LC−MS m/z 200(M+H)
+。
実施例96 メチル3−[(4−ヒドロキシ−1−ピペリジニル)カルボニル]ベンゾエート
DCM(25mL)中の3−[(メチルオキシ)カルボニル]安息香酸(0.901g、5mmol)にTEA(0.697mL、5.00mmol)、EtOCOCl(0.480mL、5.0mmol)を加えた。この混合物を0℃で10分間攪拌し、次いで4−ピペリジノール(0.506g、5.00mmol)を加えた。攪拌を室温で16時間続けた。反応混合物をDCM(35mL)で希釈し、HOAc(20mL、10%)、NaHCO
3(20mL、10%)、水(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、コンビフラッシュクロマトグラフで精製し、表題化合物を得た(0.696g、53%)。LC−MS m/z 264(M+H)
+。
実施例97 tert−ブチル4−{[3’−(アミノメチル)ビフェニル−3−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシレート
メタノール(138mL)中の1,1−ジメチルエチル4−[(3’−シアノ−3−ビフェニルイル)メチリデン]−1−ピペリジンカルボキシレート(0.517g、1.381mmol)をH-Cube水素化装置に適用した。この得られた混合物を、20℃1気圧で、1mL/分のPd(OH)
2カートリッジで処理した。次いでHCl(1.38mL、1N)を加えた。ある一部分を、20℃1気圧で、1mL/分のPd(OH)
2カートリッジで1回処理した。また別の一部分を、20℃50気圧で、1mL/分のPd(OH)
2カートリッジで1回処理した。二つの部分を合わせて、20℃1気圧で、1mL/分のPd(OH)
2カートリッジで1回処理した。反応混合物を濃縮し、表題化合物を得た(0.501g、87%)。LC−MS m/z 381(M+H)
+。
実施例98 1,1−ジメチルエチル4−[(3’−シアノ−3−ビフェニルイル)メチリデン]−1−ピペリジンカルボキシレート
1,4−ジオキサン(30mL)および水(10.00mL)中の1,1−ジメチルエチル4−[(3−ブロモフェニル)メチリデン]−1−ピペリジンカルボキシレート(2.11g、5.99mmol)に、m−NC(C
6H
4)B(OH)
2(1.056g、7.19mmol)、Pd(Ph
3P)
40.277g、0.240mmol)、K
2CO
3(2.483g、17.97mmol)を加えた。得られた混合物を二等分し、それぞれを約130℃で約15分間電子レンジにて加熱した。反応混合物を、Glas−Colエバポレーターを用いて蒸発させ、コンビフラッシュクロマトグラフで精製し、表題化合物を得た(1.93g、86%)。LC−MS m/z 749(2M+H)
+.
実施例99 [1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]酢酸
エタノール(10mL)中の[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]アセトニトリル(0.667g、2.128mmol)に、KOH40%(10mL、2.128mmol)を加えた。この混合物を100℃で1時間電子レンジにて加熱し、次いで100℃で10時間電子レンジにて再度加熱した。3度目は120℃で1時間、4度目は約120℃で約5時間電子レンジにて加熱した。次いでEtOHを真空下で除去し、酸性化してpHをおよそ5にし、DCM/i−PrOH(3/1、2×30mL)で抽出し、濃縮し、ギルソン社製HPLCで(TFA使用)精製し、表題化合物を得た(0.317g、45%)。LC−MS m/z 333(M+H)
+。
実施例100 6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸
1,1−ジメチルエチル4−{[3’−(アミノメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−1−ピペリジンカルボキシレート塩酸塩(300mg、0.88mmol)、2,6−ピリジンジカルボン酸(177mg、1.06mmol)、HBTU(402mg、1.06mmol)、およびEt
3N(0.62mL、4.41mmol)のDCM(8mL)中混合物を室温で30分間攪拌した。反応溶液を飽和NaHCO
3でクエンチし、DCMで2回抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、次いでブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、ギルソン社製HPLC(0.1%TFA条件)を用いて精製し、流速20mL/分にて水中10〜70%CH
3CNで溶出した。適当な画分をEZ GeneVacで乾燥させ、6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸を固体として得た(167mg、42%)。LC−MS m/z 453(M+H)
+。
実施例101 4−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸および2−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−4−ピリジンカルボン酸
5−(アミノメチル)−1,6−ジエチル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−アミン塩酸塩(197mg、1.177mmol)のDCM(5mL)中溶液に、Et
3N(0.820mL、5.88mmol)、5−(アミノメチル)−1,6−ジエチル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−アミン塩酸塩(400mg、1.177mmol)を加え、次いでHBTU(o−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート)(536mg、1.412mmol)を加えた。反応混合物を室温で30分間攪拌した。次いで1N HClでクエンチしてpH<1にした。次いで1:3の比率のIPA:DCMで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで真空下で濃縮し、粗生成物を得た。次いでギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)を用いて精製し,流速20mL/分にて水中10〜70%CH
3CNで溶出した。生成物画分をGeneVac(イプスウィッチ、英国、
http://www.genevac.org/)で乾燥させ、4−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸[109mg、20.5%,LC−MS m/z 453(M+H)
+、0.59分(保持時間)]および2−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−4−ピリジンカルボン酸[207mg、38.9%,LC−MS m/z 453(M+H)
+、0.64分(保持時間)]を得た。
実施例102 5−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−3−ピリジンカルボン酸
5−(アミノメチル)−1,6−ジエチル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−アミン塩酸塩(148mg、0.883mmol)のDCM(5mL)中溶液に、Et3N(0.615mL、4.41mmol)、5−(アミノメチル)−1,6−ジエチル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−アミン塩酸塩(300mg、0.883mmol)を加え、次いでHBTU(o−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート)(402mg、1.059mmol)を加えた。混合物を室温で30分間攪拌した。1N HClでクエンチしてpH<1にし、次いで1:3の比率のIPA:DCMで3回抽出した。合わせた有機層を真空下で濃縮し、粗生成物を得た。次いでギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜70%CH
3CNで溶出した。生成物画分をEZ2 GeneVacエバポレーターで乾燥させ、次いで合わせ、5−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−3−ピリジンカルボン酸を固体として得た(206、51.6%)。LC−MS m/z 453(M+H)
+、0.57分(保持時間)。
実施例103 6−[(メチルオキシ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸
ジメチル2,6−ピリジンカルボキシレート(11.7g、59.9mmol)をメタノール(300mL)に溶解させた。この溶液をアルゴン下で攪拌しながら氷浴中で冷却すると、一部の出発物質が再び溶液外に出てきた。水酸化カリウム(3.52g、62.7mmol)のペレットを加え、混合物とそれを氷浴中で2時間攪拌した。次いで混合物を室温まで徐々に昇温させ、20時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、ピンク色の残留物を酢酸エチル(250mL)中に懸濁させた。混合物を15分間攪拌し、次いでカリウム塩を濾過により回収し、25mLの酢酸エチルで2回洗浄した。固体を水(200mL)に溶解させた。この溶液を濃塩酸でpH−3に酸性化し、クロロホルム(4×80mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、真空下で乾燥させ、6−[(メチルオキシ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸(6.71g、36.2mmol、60.4%収率)を白色固体として得た。LC−MS m/z 182(M+H)
+、0.75分(保持時間)。
実施例104 メチル6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボキシレート
6−[(メチルオキシ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸(272mg、1.500mmol)をジクロロメタン(50mL)に溶解させ、アルゴン下にて室温で攪拌した。次いでHBTU(569mg、1.500mmol)を加え、その後で5−(アミノメチル)−1,6−ジエチル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−アミン塩酸塩(510mg、1.5mmol)、さらにTEA(0.418mL、3.00mmol)を加えた。混合物をアルゴン下で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をEtOAc(75mL)と水(25ml)とに分配した。有機相を水(3×25mL)、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、粗残留物を得た。この残留物を、ヘキサン中60〜100%EtOAcで溶出した12グラムのシリカカラムのコンビフラッシュで精製した。生成物画分を合わせて濃縮し、メチル6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボキシレート(609mg、1.305mmol、87%収率)を白色固体として得た。LC−MS m/z 467(M+H)
+、0.74分(保持時間)。
実施例105 6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸
メチル6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボキシレート(580mg、1.243mmol)をテトラヒドロフラン(15mL)に溶解させ、水(5.00ml)を加えた。水酸化リチウム(78mg、1.865mmol)を加え、混合物をアルゴン下にて室温で一晩攪拌した。THFを蒸発させ、水性残留物を1N HCLでpHおよそ6に調整した。白色固体がゆっくりと形成された。白色固体を濾過し、水(5mL)で2回洗浄した。濾液のpHをチェックすると8であった。1N HClでpHを徐々に4まで下げた。この時点でこれ以上の固体は形成していないようだった。固体を濾過し、水(5mL)で2回洗浄した。合わせた固体を、真空オーブンにて50℃で6時間乾燥させ、6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸(533mg、1.178mmol、95%収率)を白色固体として得た。LC−MS m/z 453(M+H)
+、0.71分(保持時間)。
実施例106 N−[(3−ブロモ−4−メチルフェニル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド
6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸(2g、4.42mmol)をジクロロメタン(100mL)中に一部溶解させ、HBTU(1.676g、4.42mmol)を加え、次いで[(3−ブロモ−4−メチルフェニル)メチル]アミン(0.884g、4.42mmol)、さらにTEA(1.232mL、8.84mmol)を順次加えた。混合物をアルゴン下にて室温で一晩攪拌させた。反応が完了していなかったので、さらにHBTU(0.167g、0.44mmol)と[(3−ブロモ−4−メチルフェニル)メチル]アミン(0.088g、0.44mmol)を加え、混合物を再度一晩攪拌した。反応がまだ完了していなかったので、HBTU(0.167g、0.44mmol)と[(3−ブロモ−4−メチルフェニル)メチル]アミン(0.088g、0.44mmol)をさらにもう一度加え、混合物を一晩攪拌した。反応混合物をEtOAc(100mL)中に取り込み、水(50mL)で3回洗浄した。固体を回収し、水および酢酸エチルで洗浄した。真空下で固体を乾燥させると、N−[(3−ブロモ−4−メチルフェニル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミドが得られた(1.97g、2.95mmol、66.7%収率)。酢酸エチル層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、別のバッチを得た。このバッチを塩化メチレン中に取り込み、Isolute(登録商標)Sorbent(バイオタージ社、ウプサラ、スウェーデン、
http://www.biotage.com/)に吸収させ、0〜10%DCM/MeOHで溶出した80gのシリカカラムのコンビフラッシュで精製した。生成物画分を合わせて蒸発させ、N−[(3−ブロモ−4−メチルフェニル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド(704mg、0.987mmol、22.34%収率)を白色固体として得た。LC−MS m/z 435(M+H)
+、0.94分(保持時間)。
実施例107 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(3’−ホルミル−6−メチル−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミド
N−[(3−ブロモ−4−メチルフェニル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド(1.86g、2.93mmol)、(3−ホルミルフェニル)ボロン酸(0.439g、2.93mmol)、炭酸カリウム(1.215g、8.79mmol)、およびPd(Ph
3P)
4(0.169g、0.147mmol)を、10〜20mLの3本のバイオタージ社製マイクロウェーブバイアル内の1,4−ジオキサン(27mL)および水(9mL)中で合わせた。これらのバイアルに蓋をして、100度で15分間通常電力の電子レンジで混合物を加熱した。粗生成物をEtOAc(200mL)と水(70mL)とに分配した。相を分離し、有機相を水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、粗残留物を得た。この残留物をDCM中に取り込み、Isolute(登録商標)Sorbentに吸収させ、0〜10%MeOH/DCMで溶出した120gのシリカカラムのコンビフラッシュで精製した。生成物画分を合わせ、真空下で濃縮し、(N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(3’−ホルミル−6−メチル−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミド(1.85g、2.72mmol、93%収率))を白色固体として得た。LC−MS m/z 660(M+H)
+、0.94分(保持時間)。
実施例108 1,1−ジメチルエチル4−[(5’−{[({6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジニル}カルボニル)アミノ]メチル}−2’−メチル−3−ビフェニルイル)メチル]−1−ピペラジンカルボキシレート
N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(3’−ホルミル−6−メチル−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミド(1.85g、2.80mmol)および1,1−ジメチルエチル1−ピペラジンカルボキシレート(1.055g、5.61mmol)を、1,2−ジクロロエタン(30mL)に溶解させ、酢酸(0.177ml、3.08mmol)を加えた。混合物を30分間攪拌し、次いでMP−トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(3.61g、8.41mmol)を加えた。混合物を一晩攪拌した。次いでガラス繊維濾紙を通して濾過し、20mLのDCEで2回洗浄した。溶媒を蒸発させ、残留物を塩化メチレン中に取り込み、Isolute(登録商標)Sorbentに吸収させ、0〜10%MeOH/CH
2Cl
2で溶出した80gのシリカカラムのコンビフラッシュで精製した。生成物画分を合わせ、真空下で濃縮し、1,1−ジメチルエチル4−[(5’−{[({6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジニル}カルボニル)アミノ]メチル}−2’−メチル−3−ビフェニルイル)メチル]−1−ピペラジンカルボキシレート(1.8g、2.140mmol、76%収率)を白色固体として得た。LC−MS m/z 830(M+H)
+、0.86分(保持時間)。
実施例109 1,1−ジメチルエチル(2S)−4−{[3−(4−シアノ−2−ピリジニル)フェニル]メチル}−2−メチル−1−ピペラジンカルボキシレート
2−クロロ−4−ピリジンカルボニトリル(0.416g、3mmol)に、1,1−ジメチルエチル(2S)−2−メチル−4−{[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]メチル}−1−ピペラジンカルボキシレート(1.499g、3.60mmol)を加え、次いで、1,4−ジオキサン(15.00mL)および水(5.00mL)中の、K
2CO
3(1.244g、9.00mmol)およびPd(Ph
3P)
4(0.139g、0.120mmol)を加えた。混合物を電子レンジにて140度で30分間加熱した。有機層を回収し、水層をEtOAc(3mL)で1回抽出した。有機層を濾過し、Glas−Collで蒸発させ、ヘキサン/DCM4mL(3/1)に再溶解させ、Redisepゲルカラム(12g)(テレダインイスコ(Teledyne Isco)社リンカーン、ネブラスカ州、米国、
http://www.isco.com/combiflash/)に装填し、コンビフラッシュクロマトグラフィーで精製した。画分を回収し、溶媒を減圧下で除去し、1.10g(94%)の表題化合物を得た。LC−MS m/z 393(M+H)
+。
実施例110 1,1−ジメチルエチル(2S)−4−({3−[4−(アミノメチル)−2−ピリジニル]フェニル}メチル)−2−メチル−1−ピペラジンカルボキシレート
1,1−ジメチルエチル(2S)−4−{[3−(4−シアノ−2−ピリジニル)フェニル]メチル}−2−メチル−1−ピペラジンカルボキシレート(1.20g、3.06mmol)にメタノール(306mL)を加え、0.01モルの黄色の溶液を得た。次いでこの溶液をH-Cube水素化装置に適用した:処理1回目:10%Pd/Cカートリッジ、H
2(1気圧)、1mL/分、20℃(反応未完了)、処理2回目:10%Pd/Cカートリッジ、H
2(1気圧)、1mL/分、20℃(反応未完了)、処理3回目:10%Pd/Cカートリッジ、H
2(1気圧)、1mL/分、20℃(反応完了)。混合物を濃縮し、ヘキサン/DCM(3:1、5mL)に再溶解させ、Redisepシリカゲルカラム(40g)に装填し、コンビフラッシュクロマトグラフで精製し、937mg(77%)の表題化合物を得た。LC−MS m/z 397(M+H)
+。
実施例111 1,1−ジメチルエチル4−{[3−(4−シアノ−2−ピリジニル)フェニル]メチル}−1−ピペリジンカルボキシレート
2−クロロ−4−ピリジンカルボニトリル(416mg、3mmol)に、{3−[(1−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−4−ピペリジニル)メチル]フェニル}ボロン酸(958mg、3.00mmol)を加え、次いで、1,4−ジオキサン(15mL)および水(5mL)中の、K
2CO
3(1,244mg、9.00mmol)およびPd(Ph
3P)
4(139mg、0.120mmol)を加えた。混合物を140℃で30分間電子レンジにて加熱した。有機層を回収し、水層をEtOAc(3mL)で抽出した。合わせた有機層を濾過し、Glas−Colで蒸発させ、ヘキサン/DCM4mL(3/1)に再溶解させ,Redisepゲルカラム(40g)に装填し、コンビフラッシュクロマトグラフで精製し、640mg(57%)の表題化合物を得た。LC−MS m/z 378(M+H)
+。
実施例112 1,1−ジメチルエチル4−({3−[4−(アミノメチル)−2−ピリジニル]フェニル}メチル)−1−ピペリジンカルボキシレート
1,1−ジメチルエチル4−{[3−(4−シアノ−2−ピリジニル)フェニル]メチル}−1−ピペリジンカルボキシレート(640mg、1.695mmol)にメタノール(1,695μL)を加え、0.01モルの溶液を得た。次いでこの溶液をH-Cube水素化装置に適用した:処理1回目:20%Pd(OH)カートリッジ、H
2(1気圧)、1mL/分、20℃(反応未完了)、処理2回目:20%Pd(OH)カートリッジ、H
2(1気圧)、1mL/分、20℃(反応未完了)、処理3回目、20%Pd(OH)カートリッジ、H
2(1気圧)、1mL/分、20℃(反応未完了)、反応4回目:20%Pd(OH)カートリッジ、H
2(1気圧)、1mL/分、20℃(反応未完了)、反応5回目:20%Pd(OH)カートリッジ、H
2(1気圧)、1mL/分、20℃(反応未完了)、反応6回目:20%Pd(OH)カートリッジ、H
2(1気圧)、1mL/分、20℃(反応未完了)、反応7回目:20%Pd(OH)カートリッジ、H
2(1気圧)、1mL/分、20℃(反応完了)。混合物を濃縮し、ヘキサン/DCM5mL(3/1)に再溶解させ、Redisepゲルカラム(40g)に装填し、コンビフラッシュクロマトグラフィーで精製し、413mg(64%)の表題化合物を得た。LC−MS m/z 382(M+H)
+。
実施例113 ジエチル[(3−ブロモフェニル)メチル]ホスホネート
窒素下の500mL丸底フラスコ内の1−ブロモ−3−(ブロモメチル)ベンゼン(100g、400mmol)に、亜リン酸トリエチル(69.6mL、400mmol)を加え、この溶液を130℃まで加熱した。蒸留ができるように装置の準備をした。加熱ブロックが130℃に達した時に混合物が還流を始め、大量の無色の液体が留去した。40分後に反応物のLabHPLCを行なったところ若干の出発原料が示されたため、さらに0.5当量の亜リン酸塩を加え、加熱蒸留を続けた。次いで反応物を真空下で加熱すると、過剰な亜リン酸塩が真空下で留去した(130℃ヒーターおよび15mbar、0.5mbarまで徐々に降下)。これによって、labHPLCによって保持時間2.20分で純度97%であることが示された120.8g(98%)の無色の油が得られた。LC−MS m/z 307,309(M+H)
+、1.01分(保持時間)。
実施例114 1,1−ジメチルエチル4−[(3−ブロモフェニル)メチリデン]−1−ピペリジンカルボキシレート
2Lの機械式攪拌機付き3口フラスコ内のジエチル[(3−ブロモフェニル)メチル]ホスホネート(100g、326mmol)に、テトラヒドロフラン(THF)(700mL)、次いで1,1−ジメチルエチル4−オキソ−1−ピペリジンカルボキシレート(71.4g、358mmol)およびtert−ブトキシドカリウム(38.4g、342mmol)を、温度を20〜25℃に保つために氷浴で冷却しながら少しずつ加えた。混合物が一層オレンジ色になり、次いで窒素下にて室温で攪拌した。一部の物質は懸濁物として存在し、やや粘性が強かった。さらに3.8gm(0.1当量)のtert−ブトキシドカリウムを加えた。1.25時間後、混合物はほとんどゲル化しており、150mLのTHFを余分に加えた。
混合物を水と酢酸エチルとに分配し、水層を酢酸エチルでよく抽出した。合わせた有機抽出物を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、蒸発させ、120.73gの淡黄色の油を得た。粗生成物を750gのコンパニオン(Companion)XLシリカカートリッジで精製し、8カラム容量にわたってシクロヘキサン中0〜25%酢酸エチルで溶出した。これによって、labHPLCによって保持時間2.97分で純度99.5%であることが示された無色の油94.68g(83%)が得られ、白色固体となった。LC−MS m/z 352,354(M+H)
+、3.96分(保持時間)。
実施例115 1,1−ジメチルエチル4−{[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]メチリデン}−1−ピペリジンカルボキシレート
窒素パージしたDMF(700mL)中の1,1−ジメチルエチル4−[(3−ブロモフェニル)メチリデン]−1−ピペリジンカルボキシレート(94.68g、269mmol)の溶液に、酢酸カリウム(52.8g、538mmol)およびビス(ピナコラト)ジボロン(82g、323mmol)を加えた。得られた反応混合物を、窒素通気するのと真空下に置くのとを交互に5回行なった。次いでPdCl
2(dppf)−CH
2Cl
2−付加物(10.97g、13.44mmol)を加え、反応混合物を100℃になるまで2時間加熱した。次いで反応混合物を室温まで冷却し、DMFでパッドをよく洗浄してセライトを通して濾過した。次いで濾液を真空下で濃縮し、得られた残留物を水および酢酸エチルに溶解させた。有機層を分離し、セライトを通して濾過し、次いでブラインで洗浄し、セライトを通して再濾過し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、次いで真空下で濃縮した。得られた残留物を100mLのDCMに溶解させ、1,500gのISCO(商標)シリカカラムに装填し、シクロヘキサン中0〜25%EtOAc勾配で精製したが、DCMを使用したことによって、化合物は操作の初めに溶出した。適当な画分を合わせて濃縮し、粘稠性の油を得て、次いでその油をシクロヘキサン(100mL)に溶解させ、1,500gのISCO(商標)シリカカラムに装填し、シクロヘキサン中0〜25%EtOAc勾配で精製した。これによって92.48g(86%)の淡緑色の固体が得られた。HPLCの結果、保持時間2.33分では14.74%のボロン酸(一部HPLCカラム上でのボロネート加水分解)、また保持時間3.12分では82.71%のボロネートが示された。LC−MS m/z 343.95(M+H)
+、1.59分(保持時間)[上に示したtBu基のない生成物]。
実施例116 1,1−ジメチルエチル4−{[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]メチル}−1−ピペリジンカルボキシレート
1,1−ジメチルエチル4−{[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]メチリデン}−1−ピペリジンカルボキシレート(92.48g、232mmol)をエタノール(1500mL)に溶解させ、5Lの水素化フラスコ内の、N
2パージした10%パラジウム炭素(9g、4.25mmol)に加えた。次いで、容器に対してN
2供給と真空供給とを交互に行うことによって、得られた混合物から酸素を除去した。次いでフラスコを、攪拌しながら水素雰囲気下に置いた。1時間後、反応物は理論容量の水素を吸収しており、真空供給と窒素供給とを交互に行うことによって、容器中の水素を窒素に置換した。次いでセライトを通して混合物を濾過し、パッドをエタノールでよく洗浄した。次いで濾液を濃縮し、87.6g(94%)の麦わら色のゴムを得た。HPLCの結果、保持時間2.33分では14.74%のボロン酸(一部HPLCカラム上でのボロネート加水分解)、また保持時間3.12分では82.71%のボロネートが示された。HPLCの結果、保持時間2.33分では6.66%のボロン酸(一部HPLC条件下でのボロネート加水分解)、また保持時間3.11分では87.76%のボロネートが示された。LC−MS m/z 346(M+H)
+、1.58分(保持時間)[上に示したtBu基のない生成物]。
実施例117 6−[(メチルオキシ)カルボニル]−2−ピリジンカルボキシレートカリウム塩
窒素下の2L丸底フラスコ内の、ジメチル2,6−ピリジンカルボキシレート(95.22g、488mmol)のメタノール(1,200mL、約12.5容量)懸濁液に、粉末水酸化カリウム(27.4g、488mmol)を加えた。混合物を攪拌すると3分後にはほとんど全てが溶解した。20分後、labHPLCによると出発物質と生成物の比は33:62であった。溶媒を蒸発させ、得られた固体を1000mLの酢酸エチルでよく攪拌し、次いで真空下で濾過し、次いで高真空下にて40℃で乾燥させ、labHPLCによって純度98.2%(保持時間1.41分)であることが示された84.5g(79%)の白色固体を得た。LC−MS m/z 182(M+H)
+、0.57分(保持時間)。
実施例118 メチル6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボキシレート
500mL3口フラスコ内の6−[(メチルオキシ)カルボニル]−2−ピリジンカルボキシレートカリウム塩(39.5g、180mmol)の懸濁液に、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(1,700mL)、次いでTBTU(60.4g、188mmol)を加えた[依然として懸濁液]。2分後に5−(アミノメチル)−1,6−ジエチル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−アミン(55.6g、164mmol)を固体として加えたが、15分後にはほぼ全ての物質が溶解していた。2.5時間後、わずかに混濁した混合物を蒸発させ、高真空を用いてできるだけ多くのDMFを除去し、この結果ベージュ色の油状固体が得られ、これを飽和炭酸水素ナトリウムと酢酸エチルとに分配した。有機相からの溶液から固体が析出し始めたため、濾別して、高真空下にて乾燥させた。この結果、白色固体として29.56g(39%)の上に示した化合物が得られた。この物質のLabHPLCの結果、3.4%のHOBt.(保持時間1.16分)が混入した95.8%の所望の生成物(保持時間1.87分)が示された。LC−MS m/z 467(M+H)
+、0.78分(保持時間)。
上記の濾過有機相を、水、水性塩化リチウム、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、蒸発させた。これによって48.3g(64%)のクリーム色の固体が得られ、これをエーテルで粉砕し、次いで濾過し、39.73g(52%)のクリーム色の固体を得た。LabHPLCの結果、保持時間1.87分(84%)と1.91分(15%)の二つのピークが示された。LC−MS m/z 467(M+H)
+、1.88分(保持時間)[90%、上に示した化合物]およびm/z 467、738(M+H)
+、2.06分(保持時間)[10%、二量体アミドの可能性有]。
実施例119 6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸
窒素下の1L丸底フラスコ内の、テトラヒドロフラン(THF)(600mL)中のメチル6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボキシレート(32g、68.6mmol)に、水(150mL)、次いで水酸化リチウム(2.464g、103mmol)を加えた。22分後、わずかに混濁した混合物を濾過し、THFを蒸発させ、やや懸濁した液を得た。水性混合物を氷浴中で冷却し、2M塩酸を用いてpH6にした。この混合物を10分間氷浴中で攪拌しpHを再チェックしたが、溶液から析出した物質はあまり多くないようであった。そこでpHをさらにpH5に下げ、これによってより多くの物質が溶液から析出すると思われた。固体を真空濾過で回収し、水で洗浄し、次いで高真空下にて40℃で乾燥させ、LabHPLCによって保持時間1.76分で純度98.7%であることが示された19.2g(62%)の白色固体を得た。LC−MS m/z 453(M+H)
+、0.72分(保持時間)[分離ピーク]。
実施例120 N−{[3−ブロモ−4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド
1L丸底フラスコ内の、6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸(30g、66.3mmol)のジクロロメタン(DCM)(300mL)懸濁液に、トリエチルアミン(46.2mL、331mmol)を加え、得られた溶液にTBTU(31.9g、99mmol)を加えた。混合物が濁り、次いで窒素下にて室温で5分間攪拌したところで1−[3−ブロモ−4−(メチルオキシ)フェニル]メタンアミン塩酸塩(18.42g、72.9mmol)を加えた。1.5時間後、反応の後処理を行なった。混合物をジクロロメタンと水とに分配し、水層をジクロロメタンでよく抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、蒸発させ、52.41g(121%)の金色の泡沫を得た。粗生成物を750gのコンパニオンXLシリカカートリッジで精製し、12カラム容量にわたって20〜100%のジクロロメタン中{EtOAc中1%MeOH)で溶出した。画分をHPLCでチェックし、生成物画分を合わせ、溶媒を蒸発させ、labHPLCで純度97.2%(保持時間2.11分)であることが示された30.15g(約65%)のクリーム色の泡沫を得たLC−MS m/z 650、652(M+H)
+、1.03分(保持時間)。
実施例121 1,1−ジメチルエチル4−{[5’−{[({6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジニル}カルボニル)アミノ]メチル}−2’−(メチルオキシ)−3−ビフェニルイル]メチル}−1−ピペリジンカルボキシレート
2L3口フラスコ内のN−{[3−ブロモ−4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド(40.46g、62.2mmol)に、1,1−ジメチルエチル4−{[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]メチル}−1−ピペリジンカルボキシレート(24.96g、62.2mmol)および1,4−ジオキサン(700mL)を加えた。次いで炭酸カリウム(25.8g、187mmol)および水(233mL)、その次にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3.59g、3.11mmol)を加え、その後、従来の加熱をしながら混合物を窒素下にて100℃で攪拌した。2時間後反応物を冷却し、混合物を酢酸エチルと水とに分配し、水層を酢酸エチルでよく抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、蒸発させ、59.49g(113%)の茶色の泡沫を得た。粗生成物を750gのコンパニオンXLシリカカートリッジで精製し、14カラム容量にわたって0〜100%のジクロロメタン中{酢酸エチル中1%MeOH}で溶出した。これによって、labHPLCによって保持時間2.60分で純度97.23%であることが示された25.38g(48%)の淡いベージュ色の泡沫が得られた。LC−MS m/z 845(M+H)
+、3.02分(保持時間)。
実施例122 1−(3−ブロモ−4−メチルフェニル)メタンアミン塩酸塩
窒素下にて−5℃で機械的に攪拌を行なっている2L3口フラスコ内のLiAlH
4(エーテル中1M)(400mL、400mmol)に、濃H
2SO
4(10.94mL、219mmol)を滴下した。ガス発生が見られ、溶液が濁り、泡沫状の混合物を攪拌するのは容易ではなかった。温度は3℃にまで達した。滴下には28分かかった。この混合物を60分間攪拌し、次いでTHF(850mL)中の3−ブロモ−4−メチルベンゾニトリル(37.3g、190mmol)を18分かけて加えた(最高温度=10℃)。かすかに桃色をした混合物を氷浴中で攪拌した。30分後慎重に水(90mL)を加えて白色混合物が得られ、その後2M水酸化ナトリウムを加えた。100mL加えた後、濾過しやすそうな固体が形成された。これを30分間攪拌した。わずかにろう質の固体を濾別し、単相の濾液をブラインで洗浄し,乾燥させ蒸発させた。これによって、わずかに濁って黄色がかった油、39.64g(>100%)が得られ、これをエーテル(350mL)に再溶解させ、濾過して固体を一部除去し、さらにこの油に、窒素下にて、エーテル中の1M塩化水素(出発ニトリルに対して1当量、190mmol、190mL)を攪拌しながらゆっくりと加えた。これによって固体が生じ、真空濾過で回収し、吸引乾燥し、次いで高真空下にて乾燥させ、labHPLCによって保持時間1.56分で純度98.8%であることが示された41.34g(92%)の白色固体を得た。LC−MS m/z 200,202(M+H)
+、1.05分(保持時間)。
実施例123 1,1−ジメチルエチル4−{[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]メチル}−1−ピペラジンカルボキシレート
ベンズアルデヒド−3−ピナコールボロネート(フルオロケム(フルオロchem)社)(32g、138mmol)を、窒素下の2000mL3口フラスコ内の300mLの乾燥DCM中で攪拌した。350mLの乾燥DCM中のBoc−ピペリジン(38.5g、207mmol)の溶液を6分間かけて滴下した(無視できる発熱)。次いで酢酸(8.82mL、154mmol)を6分間かけて滴下し、さらにもう少し乾燥したDCMで洗浄した。混合物を周囲温度で約2.5時間攪拌した。次いで、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(58.7g、277mmol)を、反応温度を10〜15℃に保つために氷水浴で冷却しながら、10分間かけて少しずつ加えた。全て加えた後、混合物を窒素下にて周囲温度で一晩攪拌した。合計で21時間後、反応混合物を攪拌しながらゆっくりと800mLの水の上に注いだ。ガス発生が見られた。ガス発生が静まるまで混合物を室温で攪拌した。混合物をジクロロメタンと水とに分配し、水層をジクロロメタンでよく抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、蒸発させ、次いで高真空下に置き、57.8g(104%)の粘着性の白色泡沫を得た。LabHPLCの結果、二つの大きなピークが示された:保持時間1.63分(55%)および保持時間2.15分(39%)。LC−MS m/z 403(M+H)
+、0.94〜1.04分(保持時間−広いピーク)[84%、上に示した生成物]およびm/z 320(M+H)
+、0.65分(保持時間)[12%、ボロン酸生成物]。
実施例124 N−[(3−ブロモ−4−メチルフェニル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド
6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸(50.8g、112mmol)の2L3口フラスコ内懸濁液に、ジクロロメタン(DCM)(600mL)、次いでDIPEA(98ml、561mmol)を加え、溶液を得た。この溶液にTBTU(39.7g、123mmol)を加え、次いで混合物を室温で2分間攪拌し、それから1−(3−ブロモ−4−メチルフェニル)メタンアミン塩酸塩(29.2g、123mmol)を加えた。混合物を窒素下にて室温で攪拌した。2.5時間後、混合物をジクロロメタンと水とに分配し、水層をジクロロメタンでよく抽出した。合わせた有機層を、水、飽和炭酸水素ナトリウム、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、蒸発させると、95.5gの淡い金色の泡沫が得られ、これを750gのコンパニオンXLシリカカートリッジで精製し、8カラム容量にわたってジクロロメタン中0〜100%酢酸エチルで溶出した。しかし、装填の途中でこの物質がカラム上で結晶化し始めて装填の妨げとなったため、すでにカラム上にあるこの物質を上記のように溶出し、30.01gm、(26%)の白色固体を得た(二つの調製物の理論収量の合計は116.6gであった)。LabHPLCの結果、純度99.4%(保持時間2.22分)であることが示された。LC−MS m/z 634、636(M+H)
+、1.06分(保持時間)。
カラム未装填の物質を回収し、やはり結晶化を始めたまだフラスコ内にある物質に加えた。この溶液をおよそ150mLになるまで再蒸発させ、冷却し、約50mLのエーテルを加えた。物質が結晶化を始めた。固体を真空濾過で回収し、1:1のエーテル:DCMで洗浄し、吸引乾燥し、35.65g(31%)の白色固体を得た。LabHPLCの結果、純度98.9%(保持時間2.21分)であることが示された。LC−MS m/z 634、636(M+H)
+、1.07分(保持時間)。
この固体からの濾液を蒸発させると約36gの金色の油が得られ、これを330gのコンパニオンXLシリカカートリッジで再度クロマトグラフにかけ、8カラム容量にわたってジクロロメタン中0〜100%酢酸エチルで溶出した。これによって13.34g(19%)の白色固体が得られた。LabHPLCの結果、98%純度(保持時間2.22分)であることが示された。
実施例125 1,1−ジメチルエチル4−[(5’−{[({6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジニル}カルボニル)アミノ]メチル}−2’−メチル−3−ビフェニルイル)メチル]−1−ピペラジンカルボキシレート
2L3口フラスコ内のN−[(3−ブロモ−4−メチルフェニル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド(48.03g、76mmol)に、1,1−ジメチルエチル4−{[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]メチル}−1−ピペラジンカルボキシレート(30.5g、76mmol)および1,4−ジオキサン(900mL)を加えた。次いでこの白色懸濁液に炭酸カリウム(31.4g、227mmol)および水(300mL)を加え、次にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(4.37g、3.78mmol)を加え、次いで混合物を従来の加熱をしながら窒素下にて100℃で攪拌した。混合物が黄色の溶液になり、2.5時間後反応物を冷却し、混合物を酢酸エチルと水とに分配し、水層を酢酸エチルでよく抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、黄色の溶液を蒸発させ、80g(127%)の黄色の泡沫を得た。同じ反応から得た粗製物質の一部をこの黄色の泡沫と合わせると、固体がいくらか生じた:DCM中約5%EtOAcを加えて温めてもまだ若干固体が残ったので、これを濾別して廃棄した。生成物を含有する粗濾液を750gmコンパニオンXLシリカカートリッジで精製し、10カラム容量にわたって10〜100%のジクロロメタン中{EtOAc中3%MeOH}で溶出した。二つの大きなピークを溶出し、35.91g(二つの反応物に対して35%)の淡いクリーム色の泡沫を得た。LabHPLCの結果、純度99.77%(保持時間2.06分)であることが示された。LC−MS m/z 830(M+H)
+、2.09分(保持時間)92.6%、m/z 830(M+H)
+、2.16分(保持時間)7.4%。
純度が低いほうの画分を750gのコンパニオンXLシリカカートリッジで再度クロマトグラフにかけ、12カラム容量にわたって0〜100%のジクロロメタン中{EtOAc中1%MeOH}で溶出し、42.34g(二つの反応物に対して41%)の淡いクリーム色の泡沫を得た。LabHPLCの結果、純度99.18%(保持時間2.07分)であることが示された。LC−MS m/z 830(M+H)
+、2.25分(保持時間)。
実施例−式(I)の化合物
実施例126 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミド
プロセス(A) 6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸(80mg、0.18mmol)、1,1−ジメチルエチル(2S)−4−{[5’−(アミノメチル)−2’−フルオロ−3−ビフェニルイル]メチル}−2−メチル−1−ピペラジンカルボキシレート(76mg、0.18mmol)、HBTU(80mg、0.21mmol)、およびEt
3N(0.12mL、0.88mmol)のDCM(3mL)中混合物を室温で一晩攪拌した。飽和NaHCO
3で反応をクエンチし、DCMで2回抽出した。次いで合わせた有機層を水、次にブラインで洗浄した。次いで有機層を真空下で濃縮し、粗残留物を得た:LC−MS m/z 848(M+H)
+。粗残留物をDCM中25%TFA(2mL)に溶解させ、室温で2時間攪拌した。これをギルソン社製HPLC(0.1%TFA条件)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜70%CH
3CNで溶出した。画分を合わせ、次いで飽和NaHCO
3で遊離塩基に変換した。有機層を回収し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで濃縮し、N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミドを固体として得た(51mg、39%)。LC−MS m/z 748(M+H)
+。
プロセス(B) 上記の表題化合物の別の調製プロセスとして、N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(6−フルオロ−3’−ホルミル−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミド(50.0mg.0.075mmol)をDMSO(1.5mL)中に希釈し、1,1−ジメチルエチル(2S)−2−メチル−1−ピペラジンカルボキシレート(0.226mmol)および酢酸(4.52mg、0.075mmol)が入った、マグネチックスターバー付きの1ドラムのバイアル中に分注した。得られた溶液を室温で4時間攪拌した。次いでMP−B(OAc)
3H(0.753mmol、176mg)を加え、溶液をさらに12時間攪拌した。高分子試薬を濾別し、MeOHと1滴の濃HClを一緒に濾液に加えた。この溶液を60℃で12時間加熱した。ギルソン社製HPLC(塩基性条件)で精製を完了させ、12.1mg(27.1%)の表題化合物を得た。LC−MS m/z 749(M+H)
+、1.309分(保持時間)。
実施例127 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミド
上に示した化合物の三つ目の別の調製プロセスとして、5−(アミノメチル)−1,6−ジエチル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−アミン(0.1mmol)および2,6−ピリジンジカルボン酸(0.1mmol)をDCM(3mL)中に溶解させ、HOBt(1.0当量、14.0mg)をEDC(1.0当量、19.0mg)と一緒に加えた。得られた溶液を一晩攪拌した。この溶液を分取HPLC(ギルソン社製)で精製し、6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸を得た。この化合物を、1,1−ジメチルエチル(2S)−4−{[5’−(アミノメチル)−2’−フルオロ−3−ビフェニルイル]メチル}−2−メチル−1−ピペラジンカルボキシレート(41.3mg、0.1mmol)と一緒に3mLのDCMに溶解させ、次いでHOBt(1.0当量、14.0mg)およびEDC(1.0当量、19.0mg)を加えた。得られた溶液を一晩攪拌し、生成物を分取HPLC(ギルソン社製)で精製し、1,1−ジメチルエチル(2S)−4−[(5’−{[({6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジニル}カルボニル)アミノ]メチル}−2’−フルオロ−3−ビフェニルイル)メチル]−2−メチル−1−ピペラジンカルボキシレートを得た。次いでこの化合物を2mLのジオキサン:MeOH(3:1)に溶解させた。3滴のHCl(濃)を得られた溶液に加え、60℃で1時間加熱した。この溶液をアミンカラムに適用し、10mLのジオキサン:MeOH(3:1)ですすぎ、2.2mg(2.9%)の上に示した生成物を得た。LC−MS m/z 749(M+H)
+、1.32分(保持時間)。
実施例128 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−3,4−ビス(メチルオキシ)−2,5−フランジカルボキサミド
実施例127の一般的手順に従って、2,6−ピリジンジカルボン酸の代わりに3,4−ビス(メチルオキシ)−2,5−フランジカルボン酸(0.1mmol)を用いて表題化合物を調製し、13.0mgの表題化合物を得た(16.3%)。LC−MS m/z 798(M+H)
+、1.4分(保持時間)。
実施例129 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−2,3−ジヒドロ−6H−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピロール−5,7−ジカルボキサミド
実施例127の一般的手順に従って、2,6−ピリジンジカルボン酸の代わりに2,3−ジヒドロ−6H−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピロール−5,7−ジカルボン酸(0.1mmol)を用いて表題化合物を調製し、23.2mgの表題化合物を得た(29.2%)。LC−MS m/z 795(M+H)
+、1.31分(保持時間)。
実施例130 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−2,5−チオフェンジカルボキサミド
実施例127の一般的手順に従って、2,6−ピリジンジカルボン酸の代わりに2,5−チオフェンジカルボン酸(0.1mmol)を用いて表題化合物を調製し、29.0mgの表題化合物を得た(38.5%)。LC−MS m/z 754(M+H)
+、1.33分(保持時間)。
実施例131 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−3,5−ピリジンカルボキサミド
実施例127の一般的手順に従って、2,6−ピリジンジカルボン酸の代わりに3,5−ピリジンジカルボン酸(0.1mmol)を用いて表題化合物を調製し、24.2mgの表題化合物を得た(32.4%)。LC−MS m/z 749(M+H)
+、1.24分(保持時間)。
実施例132 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−3,5−ピリジンカルボキサミド
実施例131の化合物の別の調製工程として、5−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−3−ピリジンカルボン酸(50mg、0.110mmol)、1,1−ジメチルエチル(2S)−4−{[5’−(アミノメチル)−2’−フルオロ−3−ビフェニルイル]メチル}−2−メチル−1−ピペラジンカルボキシレート(45.7mg、0.110mmol)、HBTU(o−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート)(50.3mg、0.133mmol)およびEt
3N(0.046ml、0.331mmol)のDCM中混合物を、週末にかけて室温で攪拌した。飽和NaHCO
3で反応をクエンチし、DCMで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、次いで真空下で濃縮し、粗残留物を得た。次いでこれを、ギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜70%CH
3CNで溶出した。生成物画分をGeneVacで乾燥させ、次いで合わせ、中間体1,1−ジメチルエチル(2S)−4−[(5’−{[({5−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−3−ピリジニル}カルボニル)アミノ]メチル}−2’−フルオロ−3−ビフェニルイル)メチル]−2−メチル−1−ピペラジンカルボキシレートを得た。次いでこの中間体を2mLのDCM中25%TFAに溶解させ、室温で3時間攪拌した。粗生成物をギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜70%CH
3CNで溶出した。生成物画分を合わせ、1N NaOHを加えることによって遊離塩基を得て、水層を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮し、N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−3,5−ピリジンカルボキサミドを固体として得た(10mg、12.1%)。LC−MS m/z 748(M+H)
+、0.70分(保持時間)。
実施例133 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−{[3’−(4−ピペリジニルメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド
6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸(80mg、0.177mmol)、1,1−ジメチルエチル4−{[3’−(アミノメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−1−ピペリジンカルボキシレート(74mg、0.177mmol)、HBTU(o−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート)(80mg、0.212mmol)およびEt
3N(0.12mL、0.884mmol)のDCM中混合物を、室温で一晩攪拌した。飽和NaHCO
3で反応をクエンチし、DCMで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、次いで真空下で濃縮し、粗残留物を得た。この残留物をDCM(2ML)中25%TFAに再溶解させ、2時間攪拌した。窒素気流下にて溶媒を蒸発させ、次いで残留物をギルソン社製HPLC(溶媒中1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜70%CH
3CNで溶出した。生成物画分を合わせ、生成物を飽和NaHCO
3で遊離塩基に変換し、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し,硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで真空下で濃縮し、N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−{[3’−(4−ピペリジニルメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミドを固体として得た(14mg、11.1%)。LC−MS m/z 716(M+H)
+、1.58分(保持時間)。
実施例134 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−{[6−フルオロ−3’−(4−ピペリジニルメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド
N−[(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド(370mg、0.579mmol)、1,1−ジメチルエチル4−{[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]メチル}−1−ピペリジンカルボキシレート(233mg、0.579mmol)、Na
2CO
3(184mg、1.738mmol)およびPdCl
2(dppf)(42.4mg、0.058mmol)の混合物を、2〜5mLのバイオタージ社製マイクロウェーブ反応管内の1,4−ジオキサン(3mL)と水(1mL)の混合物中に希釈した。アルゴンを5分間通気することによって混合物を脱気し、次いで100℃で10分間通常の吸収のバイオタージ社製マイクロウェーブにて加熱した。粗混合物をPL−Thiol MP SPE+を通して濾過し、次いで酢酸エチルおよび水で洗浄した。有機層を真空下で濃縮し、粗残留物を得た。これをギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中15〜80%CH
3CNで溶出した。生成物画分をEZ2 GeneVacエバポレーターで乾燥させ、次いで合わせ、1,1−ジメチルエチル4−[(5’−{[({6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジニル}カルボニル)アミノ]メチル}−2’−フルオロ−3−ビフェニルイル)メチル]−1−ピペリジンカルボキシレートを固体として得た。これをDCM中25%TFA(2mL)に溶解させ、室温で2時間攪拌した。溶媒を窒素気流下で蒸発させ、次いで残留物をギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜60%CH
3CNで溶出した。生成物画分を合わせ、1N NaOHで遊離塩基に変換し、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで真空下で濃縮し、N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−{[6−フルオロ−3’−(4−ピペリジニルメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミドを固体として得た(92mg、21.7%)。LC−MS m/z 733(M+H)
+、0.87分(保持時間)、
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ0.99−1.05(m、2H)1.20(t、J=7.40Hz、3H)1.32(t、J=7.15Hz、3H)1.42−1.61(m、5H)1.83−1.96(m、2H)2.32−2.36(m、2H)2.45−2.50(m、2H)2.82−2.89(m、2H)2.97(q、J=7.28Hz、2H)3.50−3.58(m、2H)3.81−3.88(m、2H)4.06−4.17(m、1H)4.31(q、J=7.19Hz、2H)4.59−4.65(m、4H)6.92(d、J=7.53Hz、1H)7.17(d、J=7.28Hz、1H)7.20−7.39(m、5H)7.42−7.46(m、1H)8.01(s、1H)8.15−8.33(m、3H)9.50(t、J=6.27Hz、1H)9.74(t、J=6.27Hz、1H)。
実施例135 N−{[6−クロロ−3’−(4−ピペリジニルメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド
N−[(3−ブロモ−4−クロロフェニル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド(50mg、0.076mmol)、1,1−ジメチルエチル4−{[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]メチル}−1−ピペリジンカルボキシレート(24.07mg、0.076mmol)、Na
2CO
3(24.27mg、0.229mmol)、およびPdCl
2(dppf)(5.59mg、7.63μmol)の混合物を、2〜5mLのバイオタージ社製マイクロウェーブ反応管内の1,4−ジオキサン(3mL)と水(1mL)の混合物中に希釈した。アルゴンを5分間通気することによって混合物を脱気し、次いで100℃で10分間通常の吸収のバイオタージ社製マイクロウェーブにて加熱した。粗混合物をPL−Thiol MP SPE+を通して濾過し、次いで酢酸エチルおよび水で洗浄した。有機層を真空下で濃縮し、粗残留物を得た。これをギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中15〜80%CH
3CNで溶出した。生成物画分をEZ2 GeneVacエバポレーターで乾燥させ、次いで合わせ、1,1−ジメチルエチル4−[(2’−クロロ−5’−{[({6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジニル}カルボニル)アミノ]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−1−ピペリジンカルボキシレートを得た。これをDCM中25%TFA(2mL)に溶解させ、室温で2時間攪拌した。溶媒を窒素気流下で蒸発させ、次いで残留物をギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜60%CH
3CNで溶出した。生成物画分を合わせ、飽和1N NaOHで遊離塩基に変換し、塩基性化した溶液を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで真空下で濃縮し、N−{[6−クロロ−3’−(4−ピペリジニルメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミドを固体として得た(13mg、22.7%)。LC−MS m/z 749M
+、0.80分(保持時間)。
実施例136 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−{[6−メチル−3’−(4−ピペリジニルメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド
N−[(3−ブロモ−4−メチルフェニル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド(50mg、0.079mmol)、1,1−ジメチルエチル4−{[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]メチル}−1−ピペリジンカルボキシレート(24.8mg、0.079mmol)、Na
2CO
3(25.05mg、0.236mmol)、およびPdCl
2(dppf)(5.77mg、7.88μmol)の混合物を、バイオタージ社製マイクロウェーブ反応管内の2〜5mL中の1,4−ジオキサン(3mL)と水(1mL)の混合物中に希釈した。アルゴンを5分間通気することによって混合物を脱気し、次いで100℃で10分間通常の吸収のバイオタージ社製マイクロウェーブにて加熱した。粗混合物をPL−Thiol MP SPE+を通して濾過し、次いで酢酸エチルおよび水で洗浄した。有機層を真空下で濃縮し、粗残留物を得た。これをギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中15〜80%CH
3CNで溶出した。生成物画分をEZ2 GeneVacエバポレーターで乾燥させ、次いで合わせ、1,1−ジメチルエチル4−[(5’−{[({6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジニル}カルボニル)アミノ]メチル}−2’−メチル−3−ビフェニルイル)メチル]−1−ピペリジンカルボキシレートを得た。これをDCM中25%TFA(2mL)に溶解させ、室温で2時間攪拌した。溶媒を窒素気流下で蒸発させ、次いで残留物をギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜60%CH
3CNで溶出した。生成物画分を合わせ、1N NaOHで遊離塩基に変換し、塩基性化した溶液を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで真空下で濃縮し、N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−{[6−メチル−3’−(4−ピペリジニルメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミドを固体として得た(10mg、17.4%)。LC−MS m/z 729(M+H)
+、0.79分(保持時間)。
実施例137 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−{[6−(メチルオキシ)−3’−(4−ピペリジニルメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド
プロセス(A) N−{[3−ブロモ−4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド(50mg、0.077mmol)、1,1−ジメチルエチル4−{[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]メチル}−1−ピペリジンカルボキシレート(24.23mg、0.077mmol)、Na
2CO
3(24.44mg、0.236mmol)、およびPdCl
2(dppf)(5.62mg、7.69μmol)の混合物を、2〜5mLのバイオタージ社製マイクロウェーブ反応管内の1,4−ジオキサン(3mL)と水(1mL)の混合物中に希釈した。アルゴンを5分間通気することによって混合物を脱気し、次いで100℃で10分間通常の吸収のバイオタージ社製マイクロウェーブにて加熱した。粗混合物をPL−Thiol MP SPE+を通して濾過し、次いで酢酸エチルおよび水で洗浄した。有機層を真空下で濃縮し、粗残留物を得た。これをギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜70%CH
3CNで溶出した。生成物画分をEZ2 GeneVacエバポレーターで乾燥させ、次いで合わせ、1,1−ジメチルエチル4−{[5’−{[({6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジニル}カルボニル)アミノ]メチル}−2’−(メチルオキシ)−3−ビフェニルイル]メチル}−1−ピペリジンカルボキシレートを得た。これをDCM中25%TFA(2mL)に再溶解させ、室温で2時間攪拌した。溶媒を窒素気流下で蒸発させ、次いで残留物をギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜60%CH
3CNで溶出した。生成物画分を合わせ、1N NaOHで遊離塩基に変換し、塩基性化した溶液を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで真空下で濃縮し、N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−{[6−(メチルオキシ)−3’−(4−ピペリジニルメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミドを固体として得た(13mg、22.7%)。LC−MS m/z 745(M+H)
+、0.76分(保持時間)、
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ1.06−1.26(m、7H)1.32(t、J=7.28Hz、3H)1.54−1.60(m、5H)1.87−1.94(m、2H)2.52−2.57(m、2H)2.94−3.02(m、4H)3.50−3.58(m、2H)3.72(s、3H)3.82−3.88(m、2H)4.07−4.15(m、1H)4.32(q、J=7.28Hz、2H)4.55(d、J=6.02Hz、2H)4.62(d、J=6.27Hz、2H)6.91(d、J=7.78Hz、1H)7.01−7.13(m、2H)7.17−7.34(m、5H)8.01(s、1H)8.15−8.31(m、3H)9.50(t、J=6.27Hz、1H)9.68(t、J=6.27Hz、1H)。
プロセス(B) 表題化合物の別の調製工程として、窒素下の1L丸底フラスコ内の、ジクロロメタン(DCM)(140mL)中の1,1−ジメチルエチル4−{[5’−{[({6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジニル}カルボニル)アミノ]メチル}−2’−(メチルオキシ)−3−ビフェニルイル]メチル}−1−ピペリジンカルボキシレート(13.92g、16.47mmol)に、TFA(25.4mL、329mmol)を加え、この溶液を室温で攪拌した。90分後揮発性溶媒を蒸発させ、残った混合物をジクロロメタンと1M水酸化ナトリウムとに分配した。層の分離に進む前にpHをチェックし(pH=10)、水層をジクロロメタンでよく抽出した。合わせた有機層を1M水酸化ナトリウム、次いでブラインで数回洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、蒸発させ、12.67g(104%)のベージュ色の泡沫を得た。粗生成物を330gのコンパニオンXLシリカカートリッジで精製し、12カラム容量にわたって0〜100%のジクロロメタン中(メタノール中3%Et
3N)で溶出した。単離した生成物には、除去する必要があるトリエチルアミンが含まれていた。生成物をDCMに溶解させ、0.5M水酸化ナトリウム、水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、蒸発させ、7.64g(62%)の白色泡沫を得た。全てのDCMを除去しようとするのではなく、泡沫を割ってエーテル(50mL)中で攪拌し、次いで濾過し、より多量のエーテルで洗浄し、吸引乾燥し、次いで40℃で高真空下に置いた。これによって、labHPLCによって純度99.06%(保持時間1.94分)であることが示された6.91g(56%)の白色粉末状の固体が得られた。LC−MS m/z 745(M+H)
+、2.07分(保持時間).
実施例138 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−{[6−メチル−3’−(1−ピペラジニルメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド
プロセス(A) 1,1−ジメチルエチル4−[(5’−{[({6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジニル}カルボニル)アミノ]メチル}−2’−メチル−3−ビフェニルイル)メチル]−1−ピペラジンカルボキシレート(1.8g、2.169mmol)を、ジクロロメタン(27mL)中のトリフルオロ酢酸(3ml、38.9mmol)で処理し、混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させるとTFA塩として粗生成物が得られた。これをDCMに再溶解させ、次いで飽和NaHCO
3で洗浄した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで真空下で濃縮し、N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−{[6−メチル−3’−(1−ピペラジニルメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミドを白色固体として得た(1.6g、66.1%)。LC−MS m/z 730(M+H)
+、0.78分(保持時間)、
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ1.21(t、J=7.15Hz、3H)1.32(t、J=7.15Hz、3H)1.46−1.62(m、2H)1.83−1.94(m、2H)2.18(s、3H)2.21−2.33(m、4H)2.62(t、J=4.64Hz、4H)2.97(q、J=7.36Hz、2H)3.43(s、2H)3.53(td、J=11.36、1.88Hz、2H)3.81−3.88(m、2H)4.06−4.17(m、1H)4.32(q、J=7.11Hz、2H)4.60(dd、J=17.57、6.27Hz、4H)6.91(d、J=8.03Hz、1H)7.11−7.29(m、6H)7.35(t、J=7.53Hz、1H)8.01(s、1H)8.14−8.33(m、3H)9.50(t、J=6.27Hz、1H)9.70(t、J=6.27Hz、1H)。
プロセス(B) 表題化合物の別の調製プロセスとして、窒素下の2L丸底フラスコ内の、ジクロロメタン(DCM)(100mL)中の1,1−ジメチルエチル4−[(5’−{[({6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジニル}カルボニル)アミノ]メチル}−2’−メチル−3−ビフェニルイル)メチル]−1−ピペラジンカルボキシレート(8.13g、9.79mmol)に、TFA(15.09mL、196mmol)を加え、この溶液を室温で攪拌した。1.75時間後揮発性溶媒を蒸発させ、得られた混合物をジクロロメタンと2M水酸化ナトリウムとに分配した。層の分離に進む前にpHをチェックし(pH=10)、水層をジクロロメタンでよく抽出した。合わせた有機層を、0.5M NaOH、次いで水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、蒸発させた。これによって約9gの白色泡沫が得られた。この粗生成物を330gのコンパニオンXLシリカカートリッジで精製し、8カラム容量にわたって0〜50%のジクロロメタン中(メタノール中3%Et
3N)で溶出した。画分をHPLCで分析し、適当な画分を蒸発させ10.85gの白色泡沫を得た。この物質をDCMに再溶解させ、0.5M水酸化ナトリウム、水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、蒸発させ、10.35gの白色泡沫を得た。この10.35gの生成物をDCM(600mL)に溶解させ、水(2×300mL)、ブライン(2×)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、溶媒を蒸発させた。これによって白色泡沫が得られ、これを高真空下に置いた。翌朝泡沫を割ってつぶし、42℃のロータリーエバポレーター上に置き、高真空下にて約8時間タンブリングし、次いで一晩高真空下に置いた。これによって白色粉末状の固体が得られた。Et
3NおよびDCM濃度を調べるためにNMR(DMSO−D6)を行なった:Et
3Nは見られなかったが若干のDCMが依然として示された(1.51%w/wとして算出)。この物質を再度つぶし、42℃のロータリーエバポレーター上に置き、もう1回高真空下にて約5時間タンブリングした。進展が無いか調べるためにNMR(DMSO)を新たに行なった:ほとんど変化は見られなかった。この物質をジエチルエーテル(400mL)中で3.5時間攪拌し、次いで濾過し、エーテルで洗浄し、吸引乾燥し、40℃の高真空下、エバポレーター上に3時間置き、次いで室温で一晩真空マニホールド上に置いた。これによって、62.27g(82%)の白色粉末状の固体が得られた。LabHPLCの結果、保持時間1.82分で純度100%であることが示された。LC−MS m/z 730(M+H)
+、1.91分(保持時間)。
実施例139 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−{[6−メチル−3’−(1−ピペラジニルメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド塩酸塩
N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−{[6−メチル−3’−(1−ピペラジニルメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド(565mg、0.774mmol)のエタノール(1mL)中溶液に、1N HCl(0.735mL、0.735mmol)を加えた。混合物を室温で2時間攪拌し、真空下で濃縮した。残留物をエタノールに再溶解させ、揮散させた(これを3回繰り返した)。次いでDCM:ヘキサンの1:1混合物(5mL)を加え、濃縮した(これを2回繰り返した)。最後に、形成した白色固体を高真空下にて2日間乾燥させ、N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−{[6−メチル−3’−(1−ピペラジニルメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド塩酸塩を固体として得た(530mg、89%)。LC−MS m/z 730(M+H)
+、0.79分(保持時間)。
実施例140 N−({3’−[(1S,4S)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルメチル]−6−メチル−3−ビフェニルイル}メチル)−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド
N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(3’−ホルミル−6−メチル−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミド(610mg、0.925mmol)、1,1−ジメチルエチル(1R,4R)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(183mg、0.925mmol)、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(392mg、1.849mmol)、および酢酸(0.064mL、1.109mmol)のDCM(10mL)中混合物を室温で一晩攪拌した。飽和NaHCO
3で反応をクエンチし、DCMで2回抽出した。合わせた有機層を真空下で濃縮し、粗残留物を得た。これをコンパニオンで精製し、ヘキサン中0〜100%酢酸エチルで溶出して不純物を取り除き、次いでDCM中10%メタノールで生成物を溶出した。生成物画分を合わせ、真空下で濃縮し、1,1−ジメチルエチル(1S,4S)−5−[(5’−{[({6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジニル}カルボニル)アミノ]メチル}−2’−メチル−3−ビフェニルイル)メチル]−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレートを固体として得た。これをDCM(2mL)中25%TFAに再溶解させ、室温で2時間攪拌した。溶媒を窒素気流下にて蒸発させ、次いで残留物をギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜70%CH
3CNで溶出した。生成物画分を合わせ、1N NaOHで遊離塩基に変換し、塩基性化した溶液を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで真空下で濃縮し、N−({3’−[(1S,4S)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルメチル]−6−メチル−3−ビフェニルイル}メチル)−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミドを固体として得た(431mg、62.8%)。LC−MS m/z 743(M+H)
+、1.18分(保持時間)。
実施例141 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(6−メチル−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミド
N−[(3−ブロモ−4−メチルフェニル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド(100mg、0.158mmol)、1,1−ジメチルエチル(2S)−2−メチル−4−{[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]メチル}−1−ピペラジンカルボキシレート(65.6mg、0.158mmol)、Na
2CO
3(50.1mg、0.473mmol)、およびPdCl
2(dppf)(11.53mg、0.016mmol)の混合物を、2〜5mLのバイオタージ社製マイクロウェーブ反応管内の1,4−ジオキサン(3mL)と水(1mL)の混合物中に希釈した。アルゴンを5分間通気することによって混合物を脱気し、次いで100℃で10分間通常の吸収のバイオタージ社製マイクロウェーブにて加熱した。粗混合物をPL−Thiol MP SPE+を通して濾過し、次いで酢酸エチルおよび水で洗浄した。有機層を真空下で濃縮し、粗残留物を得た。これをギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜70%CH
3CNで溶出した。生成物画分をEZ2 GeneVacエバポレーターで乾燥させ、次いで合わせ、1,1−ジメチルエチル(2S)−4−[(5’−{[({6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジニル}カルボニル)アミノ]メチル}−2’−メチル−3−ビフェニルイル)メチル]−2−メチル−1−ピペラジンカルボキシレートを得た。これをDCM中25%TFA(2mL)に再溶解させ、室温で2時間攪拌した。溶媒を窒素気流下で蒸発させ、次いで残留物をギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜60%CH
3CNで溶出した。生成物画分を合わせ、1N NaOHで遊離塩基に変換し、塩基性化した溶液を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで真空下で濃縮し、N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(6−メチル−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミドを固体として得た(10mg、8.53%)。LC−MS m/z 744(M+H)
+、1.33分(保持時間)、
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ0.91(d、J=6.27Hz、3H)1.21(t、J=7.53Hz、3H)1.33(t、J=7.15Hz、3H)1.47−1.64(m、3H)1.87−1.94(m、2H)2.18(s、3H)2.64−2.68(m、6H)2.94−3.00(m、2H)3.46(s、2H)3.49−3.62(m、2H)3.82−3.87(m、2H)4.08−4.14(m、1H)4.29−4.35(m、2H)4.56−4.59(m、4H)6.90(d、J=8.53Hz、1H)7.09−7.29(m、6H)7.35(t、J=7.53Hz、1H)8.01(s、1H)8.13−8.33(m、3H)9.50(t、J=6.27Hz、1H)9.70(t、J=6.27Hz、1H)。
実施例142 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(6−(メチルオキシ)−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミド
N−{[3−ブロモ−4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド(260mg、0.400mmol)、1,1−ジメチルエチル(2S)−2−メチル−4−{[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]メチル}−1−ピペラジンカルボキシレート(166mg、0.400mmol)、Na
2CO
3(127mg、1.199mmol)、およびPdCl
2(dppf)(29.2mg、0.040mmol))の混合物を、2〜5mLのバイオタージ社製マイクロウェーブ反応管内の1,4−ジオキサン(3mL)と水(1mL)の混合物中に希釈した。アルゴンを5分間通気することによって混合物を脱気し、次いで100℃で10分間通常の吸収のバイオタージ社製マイクロウェーブにて加熱した。粗混合物をPL−Thiol MP SPE+を通して濾過し、次いで酢酸エチルおよび水で洗浄した。有機層を真空下で濃縮し、粗残留物を得た。これをギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜70%CH
3CNで溶出した。生成物画分をEZ2 GeneVacエバポレーターで乾燥させ、次いで合わせ、1,1−ジメチルエチル(2S)−4−{[5’−{[({6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジニル}カルボニル)アミノ]メチル}−2’−(メチルオキシ)−3−ビフェニルイル]メチル}−2−メチル−1−ピペラジンカルボキシレートを得た。これをDCM中25%TFA(2mL)に再溶解させ、室温で2時間攪拌した。溶媒を窒素気流下で蒸発させ、次いで残留物をギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜60%CH
3CNで溶出した。生成物画分を合わせ、1N NaOHで遊離塩基に変換し、塩基性化した溶液を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで真空下で濃縮し、N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(6−(メチルオキシ)−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミドを固体として得た(48mg、15.8%)。LC−MS m/z 760(M+H)
+、0.80分(保持時間)。
実施例143 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−{[3’−(1−ピペラジニルメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド
N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(3’−ホルミル−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミド(40mg、0.062mmol)、1,1−ジメチルエチル1−ピペラジンカルボキシレート(115.37mg、0.619mmol、10当量)、および酢酸(3.55μL、0.062mmol、1当量)をDMSO(1.5mL)に溶解させた。VX−2500 Multi−Tube Vortexerで混合物を一晩室温で攪拌した。次いでMP−トリアセトキシボロヒドリド(195mg、0.482mmol、7.78当量)を加え、VX−2500 Multi−Tube Vortexerで混合物を再度一晩室温で攪拌した。反応混合物を、反応管内のBohdan Miniblock(アルチザンサイエンティフィック社(Artisian Scientific)、シャンペーン、イリノイ州、米国、
http://www.artisan-scientific.com/51413.htm)上のポリプロピレンカートリッジ(10mLチューブ)を通して濾過し、Glas−Colエバポレーターで濃縮した。次いでメタノール(2mL)と塩酸(5μL)を加え、反応混合物が入ったバイアルを閉じ、Glas−Colエバポレーター内にて週末にかけて60℃で攪拌した。次いで反応混合物を濃縮し、0.1%TFA緩衝液を含む水−アセトニトリルを用いてギルソン社製HPLCで精製した。所望の生成物画分を合わせて、Bohdan Miniblock上のアミンカートリッジ(500mg)を通して濾過し、Glas−Colエバポレーターで濃縮し、16.4mg(41.1%)の表題化合物を得た。LC−MS m/z 716(M+H)
+、1.25分(保持時間)。
実施例144 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(3’−{[(3R)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミド
実施例143に記載の手順を用いて、1,1−ジメチルエチル1−ピペラジンカルボキシレートを1,1−ジメチルエチル(2R)−2−メチル−1−ピペラジンカルボキシレートに代えたところ、上記の表題化合物が得られた。LC−MS m/z 730(M+H)
+、1.29分(保持時間)。
実施例145 N−({3’−[(1S,4S)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルメチル]−3−ビフェニルイル}メチル)−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド
実施例143に記載の手順を用いたが、1,1−ジメチルエチル1−ピペラジンカルボキシレートを1,1−ジメチルエチル(1R,4R)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレートに代えたところ、上記の表題化合物が得られた。LC−MS m/z 728(M+H)
+、1.32分(保持時間)。
実施例146 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(3’−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミド
N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(3’−ホルミル−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミド(40mg、0.062mmol)、(2R,6S)−2,6−ジメチルピペラジン(70.73mg、0.619mmol、10当量)、および酢酸(3.55μL、0.062mmol、1当量)をDMSO(1.5mL)に溶解させた。VX−2500 Multi−Tube Vortexerで混合物を一晩室温で攪拌した。次いでMP−トリアセトキシボロヒドリド(195mg、0.482mmol、7.78当量)を加え、VX−2500 Multi−Tube Vortexerで混合物を再度一晩室温で攪拌した。反応混合物を、反応管内のBohdan MiniblockGlas−Col上のポリプロピレンカートリッジ(10mLチューブ)を通して濾過し、Glas−Colエバポレーターで濃縮した。次いで反応混合物を、0.1%TFA緩衝液を含む水−アセトニトリルを用いてギルソン社製HPLCで精製した。所望の生成物画分を合わせて、Bohdan MiniblockGlas−Col上のアミンカートリッジ(500mg)を通して濾過し、Glas−Colエバポレーターで濃縮し、11.3mg(27.2%)の表題化合物を得た。LC−MS m/z 744(M+H)
+、1.41分(保持時間)。
実施例147 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミド
実施例143に記載の手順を用いたが、1,1−ジメチルエチル1−ピペラジンカルボキシレートを1,1−ジメチルエチル(2S)−2−メチル−1−ピペラジンカルボキシレートに代えたところ、上記の表題化合物が得られた。LC−MS m/z 730(M+H)
+、1.30分(保持時間)。
実施例148 N2−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N4−[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−2,4−ピリジンカルボキサミド
4−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸(50.0mg、0.110mmol)、1,1−ジメチルエチル(2S)−4−{[5’−(アミノメチル)−2’−フルオロ−3−ビフェニルイル]メチル}−2−メチル−1−ピペラジンカルボキシレート(45.7mg、0.110mmol)、HBTU(o−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート)(50.3mg、0.133mmol)、およびEt
3N(0.046ml、0.331mmol)のDCM(3mL)中混合物を、室温で一晩攪拌した。飽和NaHCO
3で反応をクエンチし、DCMで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、次いで真空下で濃縮し、粗残留物を得た。次いでこれをギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜70%CH
3CNで溶出した。生成物画分をGeneVacで乾燥させ、1,1−ジメチルエチル(2S)−4−[(5’−{[({2−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−4−ピリジニル}カルボニル)アミノ]メチル}−2’−フルオロ−3−ビフェニルイル)メチル]−2−メチル−1−ピペラジンカルボキシレートを得た。これをDCM(2mL)中25%TFAに再溶解させ、室温で2時間攪拌した。溶媒を窒素気流下にて蒸発させ、次いで残留物をギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜70%CH
3CNで溶出した。生成物画分を合わせ、1N NaOHで遊離塩基に変換し、塩基性化した溶液を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで真空下で濃縮し、N
2−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N
4−[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−2,4−ピリジンカルボキサミドを固体として得た(30mg、36.3%)。LC−MS m/z 748(M+H)
+、0.76分(保持時間)。
実施例149 N−({6−クロロ−3’−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−3−ビフェニルイル}メチル)−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド
N−[(6−クロロ−3’−ホルミル−3−ビフェニルイル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド(50mg、0.074mmol)、1−メチルピペラジン(7.36mg、0.074mmol)、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(31.2mg、0.147mmol)、および酢酸(5.05μL、0.088mmol)のDCM(1mL)中混合物を、週末にかけて室温で攪拌した。飽和NaHCO
3で反応をクエンチし、DCMで2回抽出した。合わせた有機層を真空下で濃縮し、粗残留物を得た。これをギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜70%CH
3CNで溶出した。生成物画分を合わせ、飽和NaHCO
3で遊離塩基に変換し、塩基性化した溶液を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで真空下で濃縮し、N−({6−クロロ−3’−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−3−ビフェニルイル}メチル)−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミドを固体として得た(19mg、33.8%)。LC−MS m/z 765(M+H)
+、1.44分(保持時間)。
実施例150 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−({3’−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−3−ビフェニルイル}メチル)−2,6−ピリジンカルボキサミド
実施例146に記載の手順を用いたが、1−メチルピペラジンの代わりに(2R,6S)−2,6−ジメチルピペラジンを用いると、上記の表題化合物が得られた。LC−MS m/z 730(M+H)
+、1.38分(保持時間)。
実施例151 N4−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N2−[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−2,4−ピリジンカルボキサミド
2−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−4−ピリジンカルボン酸(50mg、0.110mmol)、1,1−ジメチルエチル(2S)−4−{[5’−(アミノメチル)−2’−フルオロ−3−ビフェニルイル]メチル}−2−メチル−1−ピペラジンカルボキシレート(45.7mg、0.110mmol)、HBTU(o−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート)(50.3mg、0.133mmol)、およびEt
3N(0.046ml、0.331mmol)のDCM(3mL)中混合物を、室温で一晩攪拌した。飽和NaHCO
3で反応をクエンチし、DCMで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、次いで真空下で濃縮し、粗残留物を得た。次いでこれをギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜70%CH
3CNで溶出した。生成物画分をGeneVacで乾燥させ、1,1−ジメチルエチル(2S)−4−[(5’−{[({4−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジニル}カルボニル)アミノ]メチル}−2’−フルオロ−3−ビフェニルイル)メチル]−2−メチル−1−ピペラジンカルボキシレートを得た。これをDCM(2mL)中25%TFAに再溶解させ、室温で2時間攪拌した。溶媒を窒素気流下にて蒸発させ、次いで残留物をギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜70%CH
3CNで溶出した。生成物画分を合わせ、1N NaOHで遊離塩基に変換し、塩基性化した溶液を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで真空下で濃縮し、N
4−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N
2−[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−2,4−ピリジンカルボキサミドを固体として得た(17mg、20.1%)。LC−MS m/z 748(M+H)
+、0.77分(保持時間)。
実施例152 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−({6−フルオロ−3’−[(1−メチル−4−ピペリジニル)メチル]−3−ビフェニルイル}メチル)−2,6−ピリジンカルボキサミド
N−[(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド(50mg、0.078mmol)、1−メチル−4−{[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]メチル}ピペリジン(31.4mg、0.078mmol)、Na
2CO
3(24.90mg、0.235mmol)、およびPdCl
2(dppf)(5.73mg、7.83μmol)の混合物を、2〜5mLのバイオタージ社製マイクロウェーブ反応管内の1,4−ジオキサン(3mL)と水(1mL)の混合物中に希釈した。アルゴンを5分間通気することによって混合物を脱気し、次いで100℃で10分間通常の吸収のバイオタージ社製マイクロウェーブにて加熱した。粗混合物をPL−Thiol MP SPE+を通して濾過し、次いで酢酸エチルおよび水で洗浄した。有機層を真空下で濃縮し、粗残留物を得た。これをギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜70%CH
3CNで溶出した。生成物画分を合わせ、飽和1N NaOHで遊離塩基に変換し、塩基性化した溶液を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで真空下で濃縮し、N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−({6−フルオロ−3’−[(1−メチル−4−ピペリジニル)メチル]−3−ビフェニルイル}メチル)−2,6−ピリジンカルボキサミドを固体として得た(9mg、15.4%)。LC−MS m/z 747(M+H)
+、0.79分(保持時間)。
実施例153 N−({6−クロロ−3’−[(1−メチル−4−ピペリジニル)メチル]−3−ビフェニルイル}メチル)−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド
N−[(3−ブロモ−4−クロロフェニル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド(50mg、0.076mmol)、1−メチル−4−{[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]メチル}ピペリジン(30.6mg、0.076mmol)、Na
2CO
3(24.27mg、0.229mmol)、およびPdCl
2(dppf)(5.59mg、7.63μmol)の混合物を、2〜5mLのバイオタージ社製マイクロウェーブ反応管内の1,4−ジオキサン(3mL)と水(1mL)の混合物中に希釈した。アルゴンを5分間通気することによって混合物を脱気し、次いで100℃で10分間通常の吸収のバイオタージ社製マイクロウェーブにて加熱した。粗混合物をPL−Thiol MP SPE+を通して濾過し、次いで酢酸エチルおよび水で洗浄した。有機層を真空下で濃縮し、粗残留物を得た。これをギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜70%CH
3CNで溶出した。生成物画分を合わせ、飽和1N NaOHで遊離塩基に変換し、塩基性化した溶液を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで真空下で濃縮し、N−({6−クロロ−3’−[(1−メチル−4−ピペリジニル)メチル]−3−ビフェニルイル}メチル)−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミドを固体として得た(10mg、17.2%)。LC−MS m/z 763M
+、0.81分(保持時間)。
実施例154 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−({6−メチル−3’−[(1−メチル−4−ピペリジニル)メチル]−3−ビフェニルイル}メチル)−2,6−ピリジンカルボキサミド
N−[(3−ブロモ−4−メチルフェニル)メチル]−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド(50mg、0.079mmol)、1−メチル−4−{[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]メチル}ピペリジン(31.6mg、0.079mmol)、Na
2CO
3(25.05mg、0.236mmol)、およびPdCl
2(dppf)(5.77mg、7.88μmol)の混合物を、2〜5mLのバイオタージ社製マイクロウェーブ反応管内の1,4−ジオキサン(3mL)と水(1mL)の混合物中に希釈した。アルゴンを5分間通気することによって混合物を脱気し、次いでこれを100℃で10分間通常の吸収のバイオタージ社製マイクロウェーブにて加熱した。粗混合物をPL−Thiol MP SPE+を通して濾過し、次いで酢酸エチルおよび水で洗浄した。有機層を真空下で濃縮し、粗残留物を得た。これをギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜70%CH
3CNで溶出した。生成物画分を合わせ、1N NaOHで遊離塩基に変換し、塩基性化した溶液を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで真空下で濃縮し、N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−({6−メチル−3’−[(1−メチル−4−ピペリジニル)メチル]−3−ビフェニルイル}メチル)−2,6−ピリジンカルボキサミドを固体として得た(5mg、8.54%)。LC−MS m/z 743(M+H)
+、0.87分(保持時間)、
1H NMR(400MHz、CD
3OD)δ1.24−1.30(m、5H)1.37−1.43(m、3H)1.54−1.78(m、5H)1.86−1.93(m、2H)1.98−2.08(m、2H)2.15−2.24(m、6H)2.53(d、J=7.03Hz、2H)2.76−2.82(m、2H)2.97−3.04(m、2H)3.58−3.65(m、2H)3.98(d、J=11.54Hz、2H)4.09−4.14(m、1H)4.41(q、J=7.03Hz、2H)4.60(s、2H)4.75(s、2H)6.96−7.34(m、7H)7.99(s、1H)8.15(t、J=7.91Hz、1H)8.25−8.31(m、1H)8.36(dd、J=7.78,1.00Hz、1H)。
実施例155 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−({6−(メチルオキシ)−3’−[(1−メチル−4−ピペリジニル)メチル]−3−ビフェニルイル}メチル)−2,6−ピリジンカルボキサミド
N−{[3−ブロモ−4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド(50mg、0.077mmol)、1−メチル−4−{[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]メチル}ピペリジン(30.8mg、0.077mmol)、Na
2CO
3(24.44mg、0.231mmol)、およびPdCl
2(dppf)(5.62mg、7.69μmol)の混合物を、2〜5mLのバイオタージ社製マイクロウェーブ反応管内の1,4−ジオキサン(3mL)と水(1mL)の混合物中に希釈した。アルゴンを5分間通気することによって混合物を脱気し、次いでこれを100℃で10分間通常の吸収のバイオタージ社製マイクロウェーブにて加熱した。粗混合物をPL−Thiol MP SPE+を通して濾過し、次いで酢酸エチルおよび水で洗浄した。有機層を真空下で濃縮し、粗残留物を得た。これをギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜70%CH
3CNで溶出した。生成物画分を合わせ、1N NaOHで遊離塩基に変換し、塩基性化した溶液を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで真空下で濃縮し、N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−({6−(メチルオキシ)−3’−[(1−メチル−4−ピペリジニル)メチル]−3−ビフェニルイル}メチル)−2,6−ピリジンカルボキサミドを固体として得た(7.5mg、12.9%)。LC−MS m/z 759(M+H)
+、0.77分(保持時間)、
1H NMR(400MHz、CD
3OD)δ1.22−1.29(m、5H)1.39(t、J=7.15Hz、3H)1.49−1.76(m、5H)1.90−1.97(m、2H)1.99−2.05(m、2H)2.23(s、3H)2.51(d、J=7.03Hz、2H)2.78−2.84(m、2H)2.99(q、J=7.53Hz、2H)3.61(td、J=11.42,2.51Hz、2H)3.74(s、3H)3.90−4.02(m、2H)4.12−4.19(m、1H)4.40(q、J=7.19Hz、2H)4.58(s、2H)4.74(s、2H)6.97(d、J=8.53Hz、1H)7.01−7.08(m、1H)7.16−7.32(m、5H)7.98(s、1H)8.15(t、J=7.78Hz、1H)8.28(dd、J=7.91,1.13Hz、1H)8.36(dd、J=7.78,1.25Hz、1H).
実施例156 N−({3’−[(1S,4S)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルメチル]−6−メチル−3−ビフェニルイル}メチル)−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド塩酸塩
N−({3’−[(1S,4S)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルメチル]−6−メチル−3−ビフェニルイル}メチル)−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド(390mg、0.526mmol)のエタノール95mL)溶液に、1N HCl(0.526mL、0.526mmol)を加えた。混合物を室温で2時間攪拌し、真空下で濃縮した。残留物をエタノールに再溶解させ、蒸発させた(これを3回繰り返した)。次いでDCM:ヘキサンの1:1混合物(5mL)を加え、濃縮した(これを2回繰り返した)。最後に、固体(白色物質)を2日間高真空下にて乾燥させ、N−({3’−[(1S,4S)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルメチル]−6−メチル−3−ビフェニルイル}メチル)−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド塩酸塩を固体として得た(404mg、99%)。LC−MS m/z 742(M+H)
+、0.79分(保持時間)。
実施例157 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(6−(メチルオキシ)−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミド
N−{[3−ブロモ−4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド(200mg、0.307mmol)、1,1−ジメチルエチル(2S)−2−メチル−4−{[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]メチル}−1−ピペラジンカルボキシレート(128mg、0.307mmol)、Na
2CO
3(98mg、0.922mmol)、およびPdCl
2(dppf)(22.49mg、0.031mmol)の混合物を、2〜5mLのバイオタージ社製マイクロウェーブ反応管内の1,4−ジオキサン(3mL)と水(1mL)の混合物中に希釈した。アルゴンを5分間通気することによって混合物を脱気し、次いで100℃で30分間通常の吸収のバイオタージ社製マイクロウェーブにて加熱した。粗混合物をPL−Thiol MP SPE+を通して濾過し、次いで酢酸エチルおよび水で洗浄した。有機層を真空下で濃縮し、粗残留物を得た。これをギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜70%CH
3CNで溶出した。生成物画分をEZ2 GeneVacエバポレーターで乾燥させ、次いで合わせ、1,1−ジメチルエチル(2S)−4−{[5’−{[({6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジニル}カルボニル)アミノ]メチル}−2’−(メチルオキシ)−3−ビフェニルイル]メチル}−2−メチル−1−ピペラジンカルボキシレートを得た。これをDCM中25%TFA(2mL)に再溶解させ、室温で2時間攪拌した。溶媒を窒素気流下で蒸発させ、次いで残留物をギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜60%CH
3CNで溶出した。生成物画分を合わせ、1N NaOHで遊離塩基に変換し、塩基性化した溶液を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで真空下で濃縮し、N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(6−(メチルオキシ)−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミドを固体として得た(75mg、32.1%)。LC−MS m/z 760(M+H)
+、0.80分(保持時間)。
実施例158 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−{[3’−(4−ピペリジニルメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−3,5−ピリジンカルボキサミド
5−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−3−ピリジンカルボン酸(50mg、0.110mmol)、1,1−ジメチルエチル4−{[3’−(アミノメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−1−ピペリジンカルボキシレート(42.0mg、0.110mmol)、HBTU(o−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート)(50.3mg、0.133mmol)、およびEt
3N(0.046ml、0.331mmol)のDCM中混合物を、週末にかけて室温で攪拌した。飽和NaHCO
3で反応をクエンチし、DCMで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、次いで真空下で濃縮し、粗残留物を得た。次いでこれをギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜70%CH
3CNで溶出した。生成物画分をGeneVacで乾燥させ、次いで合わせ、1,1−ジメチルエチル4−[(3’−{[({5−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−3−ピリジニル}カルボニル)アミノ]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−1−ピペリジンカルボキシレートを得た。次いでこれを2mLのDCM中25%TFAに溶解させ、室温で3時間攪拌した。粗生成物をギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜70%CH
3CNで溶出した。生成物画分を合わせ、1N NaOHで遊離塩基に変換し、塩基性化した溶液を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮しN−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−{[3’−(4−ピペリジニルメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−3,5−ピリジンカルボキサミドを固体として得た(3.5mg、4.4%)。LC−MS m/z 715(M+H)
+、0.77分(保持時間)。
実施例159 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−({3’−[(1−メチル−4−ピペリジニル)メチル]−3−ビフェニルイル}メチル)−2,6−ピリジンカルボキサミド
プロセス(A) 6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸(84mg、0.186mmol)、1,1−ジメチルエチル4−{[3’−(アミノメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−1−ピペリジンカルボキシレート(54.7mg、0.186mmol)、HBTU(o−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート)(84mg、0.223mmol)、およびEt
3N(0.129mL、0.928mmol)のDCM(3mL)中混合物を、室温で一晩攪拌した。粗混合物を飽和NaHCO
3でクエンチし、DCMで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、次いで真空下で濃縮し、粗残留物を得た。粗生成物をギルソン社製HPLC(溶媒中0.1%TFA)で精製し、流速20mL/分にて水中10〜70%CH
3CNで溶出した。生成物画分を合わせ、飽和NaHCO
3で遊離塩基に変換し、塩基性化した溶液を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで真空下で濃縮し、N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−({3’−[(1−メチル−4−ピペリジニル)メチル]−3−ビフェニルイル}メチル)−2,6−ピリジンカルボキサミドを白色固体として得た(30mg、22.2%)。LC−MS m/z 729(M+H)
+、0.80分(保持時間)。
プロセス(B) 表題化合物の代わりの調製方法として、6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸(45mg、0.1mmol)のDMSO(1mL)溶液に、DCM(3mL)中の1−{3’−[(1−メチル−4−ピペリジニル)メチル]−3−ビフェニルイル}メタンアミン(28mg、0.095mmol)、HBTU(42mg、0.11mmol)、およびEt
3N(0.021mL、0.15mmol)を加えた。得られた混合物を室温で18時間攪拌した。H
2O(2滴)で反応をクエンチし、ギルソン社製HPLC(0.1%TFA)で精製し、濃縮し、EtOAcに再溶解させ、NaOH(1N)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、高真空オイルポンプで乾燥させ、白色固体として表題化合物を得た38.5mg(53%)。LC−MS m/z 729(M+H)
+。
実施例160 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−{[2−(3−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}フェニル)−4−ピリジニル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド
6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸(30mg、0.066mmol)に、1,1−ジメチルエチル(2S)−4−({3−[4−(アミノメチル)−2−ピリジニル]フェニル}メチル)−2−メチル−1−ピペラジンカルボキシレート(26.3mg、0.066mmol)を加え、次いでHBTU(30.2mg、0.080mmol)およびジクロロメタン(DCM)(663μL)中TEA(18.48μL、0.133mmol)を加えると反応混合物が得られ、これを室温で一晩攪拌した。次いでH
2O(1滴)で反応をクエンチし、Glas−Colを用いて溶媒を除去した。粗生成物をMeOH/DMSO(1/1)に再溶解させ、ギルソン社製HPLC(酸性条件)で精製した。生成物画分をGeneVac EZ−2エバポレーターで濃縮した。この物質にジクロロメタン(0.2mL)中TFA(0.102mL、1.33mmol)を加え、Glas−Colエバポレーター内に一晩置いた。これをMeOH/DMSOに再溶解させ、ギルソン社製HPLC(酸性条件)を用いて精製した。生成物画分をGeneVac EZ−2エバポレーターで濃縮し、アミンカートリッジで塩基性化し、19.1mg(37%)の表題化合物を得た。LC−MS m/z 731(M+H)
+。
実施例161 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−({3’−[(4−メチルヘキサヒドロ−1H−1,4−ジアゼピン−1−イル)メチル]−3−ビフェニルイル}メチル)−2,6−ピリジンカルボキサミド
実施例146に記載の手順を用いたが、(2R,6S)−2,6−ジメチルピペラジンを1−メチルヘキサヒドロ−1H−1,4−ジアゼピンに代えたところ、上記の表題化合物が得られた。LC−MS m/z 744(M+H)
+、1.28分(保持時間)。
実施例162 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−({2−[3−(4−ピペリジニルメチル)フェニル]−4−ピリジニル}メチル)−2,6−ピリジンカルボキサミド
6−[({[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−2−ピリジンカルボン酸(50mg、0.110mmol)に、1,1−ジメチルエチル4−({3−[4−(アミノメチル)−2−ピリジニル]フェニル}メチル)−1−ピペリジンカルボキシレート(42.2mg、0.110mmol)を加え、次いでHBTU(50.3mg、0.133mmol)およびジクロロメタン(DCM)(1105μL)中TEA(30.8μL、0.221mmol)を加え、反応混合物を得た。これを室温で一晩攪拌した。次いでH
2O(1滴)で反応をクエンチし、Glas−Colで溶媒を除去した。粗生成物をMeOH/DMSO(1/1)に再溶解させ、ギルソン社製HPLC(酸性条件)を用いて精製した。生成物含有画分を合わせ、GeneVac EZ−2エバポレーターで濃縮した。この残留物にジクロロメタン(0.2mL)中TFA(0.170mL、2.21mmol)を加え、混合物をGlas−Colエバポレーター内に一晩置いた。次いでこれをMeOH/DMSOに再溶解させ、ギルソン社製HPLC(酸性条件)を用いて精製した。生成物含有画分を合わせ、GeneVac EZ−2エバポレーターで濃縮し、アミンカートリッジで塩基性化し、25.4mg(31%)の表題化合物を得た。LC−MS m/z 716(M+H)
+。
実施例163 N−({3’−[(1S,4S)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルメチル]−6−フルオロ−3−ビフェニルイル}メチル)−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド
N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(6−フルオロ−3’−ホルミル−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミド(50.0mg.0.075mmol)をDMSO(1.5mL)中に希釈し、1,1−ジメチルエチル(1S,4S)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(0.226mmol)および酢酸(4.52mg、0.075mmol)が入った、マグネチックスターバー付きの1ドラムのバイアル中に分注した。得られた溶液を室温で4時間攪拌した。次いでMP−B(OAc)
3H(0.753mmol、176mg)を加え、溶液をさらに12時間攪拌した。高分子試薬を濾別し、濾液にMeOH(2.0mL)と1滴の濃HClを加えた。この溶液を60℃で12時間加熱した。ギルソン社製HPLC(塩基性条件)で精製を完了させ、10.26mg(18.4%)の表題化合物を得た。LC−MS m/z 746(M+H)
+、0.69分(保持時間)。
実施例164〜171
アレイ化学(array chemistry)を用いて、上記のN−({3’−[(1S,4S)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルメチル]−6−フルオロ−3−ビフェニルイル}メチル)−N’−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド(実施例163)の調製手順に従って、適当なアルデヒドを適当なアミンと反応させ、表1に記載した実施例164〜171を得た。
表1 実施例164〜171
実施例172 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−{[6−(メチルオキシ)−3’−(1−ピペラジニルメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド
N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−{[3’−ホルミル−6−(メチルオキシ)−3−ビフェニルイル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド(40.0mg.0.059mmol)をDMSO(1.5mL)中に希釈し、ピペラジン(0.178mmol)および酢酸(0.059mmol、3.55mg)が入った、マグネチックスターバー付きの1ドラムのバイアル中に分注した。得られた溶液を室温で4時間攪拌した。次いでMP−B(OAc)
3H(0.592mmol、138mg)を加え、溶液をさらに12時間攪拌した。高分子試薬を濾別し、ギルソン社製HPLC(塩基性条件)で精製を完了させ、8.32mgの表題化合物を得た(18.9%)。LC−MS m/z 746(M+H)
+、1.27分(保持時間)。
実施例173〜188
アレイ化学を用いて、上記のN−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−{[6−(メチルオキシ)−3’−(1−ピペラジニルメチル)−3−ビフェニルイル]メチル}−2,6−ピリジンカルボキサミド(実施例172)の調製手順に従って、適当なアルデヒドを適当なアミンと反応させ、表2に記載した実施例173〜188を得た。
表2 実施例173〜188
実施例189 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(6−メチル−3’−{[(2S)−2−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミド
N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(3’−ホルミル−6−メチル−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミド(39.0mg.0.059mmol)をDMSO(1.5mL)中に希釈し、1,1−ジメチルエチル(3S)−3−メチル−1−ピペラジンカルボキシレート(0.177mmol、3.0当量)および酢酸(3.55mg、0.059mmol)が入った、マグネチックスターバー付きの1ドラムのバイアル中に分注した。得られた溶液は室温で4時間攪拌していた。MP−B(OAc)
3H(0.591mmol、138mg、10.0当量)を加え、溶液をさらに12時間攪拌した。高分子試薬を濾別し、MeOH(2.0mL)と1滴の濃HClを溶液に加えた。溶液を60℃で12時間加熱した。ギルソン社製HPLC(酸性条件)で精製を完了させた。生成物を3mLのMeOHに溶解させ、0.5gアミンカラム(8mLMeOHで洗浄)に通し、14.5mg(33.03%)の表題化合物を得た。LC−MS m/z 744(M+H)
+、1.43分(保持時間)。
実施例190〜210
アレイ化学を用いて、上記のN−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(6−メチル−3’−{[(2S)−2−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミド(実施例189)の調製手順に従って、適当なアルデヒドを適当なアミンと反応させ、表3に記載した実施例190〜210を得た。
表3 実施例190〜210
実施例211 N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(3’−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−6−フルオロ−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミド
N−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(6−フルオロ−3’−ホルミル−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミド(0.059mmol)をDMSO(1.5mL)中に希釈し、(2R,6S)−2,6−ジメチルピペラジン(0.177mmol、3.0当量)および酢酸(3.55mg、0.059mmol)が入った、マグネチックスターバー付きの1ドラムのバイアル中に分注した。得られた溶液を室温で4時間攪拌した。MP−B(OAc)
3H(0.591mmol、138mg、10.0当量)を加え、この溶液をさらに12時間攪拌した。高分子試薬を濾過した。ギルソン社製HPLC(酸性条件)で精製を完了させた。生成物を3mLのMeOHに溶解させ、0.5gアミンアミンカラム(8mLのMeOHで洗浄)に通し、29.9mgの表題化合物を得た(66.5%)。LC−MS m/z 763(M+H)
+、1.31分(保持時間)。
実施例212〜217
アレイ化学を用いて、上記のN−{[1,6−ジエチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]メチル}−N’−[(3’−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−6−フルオロ−3−ビフェニルイル)メチル]−2,6−ピリジンカルボキサミド(実施例211)の調製手順に従って、適当なアルデヒドを適当なアミンと反応させ、表4に記載した実施例212〜217を得た。
表4 実施例212〜217
それぞれ個々の刊行物が、引用することによりまるで完全に記載されているかのように本明細書に開示されたものとして、あたかも具体的におよび個別に示されるかのように、特許および特許出願に限らず本明細書で引用した刊行物はすべて、引用することにより本発明の開示の範囲とされる。
上記記載により、本発明の好ましい実施形態を含む本発明が、完全に開示されるものとする。本明細書中に具体的に開示された実施形態の変形および改良は、下記の請求項の範囲の範囲内にあるものとする。さらなる詳述を必要とすることなく、当業者は前述の記載を用いて本発明をその最も完全な範囲まで利用できる、と思われる。したがって、本明細書中の実施例は、如何なる場合も、本発明の範囲の限界としてではなく、単に例示として解釈されるものとする。独占排他的財産権または特権を請求する本発明の本実施形態について、以下に記載する。