JP2011506495A - ドセタキセル化合物含有注射剤及びその調製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ドセタキセル化合物含有注射剤及びその調製方法の提供。
【解決手段】本発明は、母液と、注射剤のゲル化を防ぐためのエタノールと、母液を均一状に流動させるための水とを含むドセタキセル化合物含有注射剤を提供する。この母液は、ドセタキセル及び1種又は2種以上の薬学上許容される界面活性剤を含む溶液である。また、本発明は、母液とエタノールとを混合させ、そして水を加えて均一に混合させることを含む、この注射剤の調製方法を提供する。この注射剤は、状態が均一で、安定性が高く、注射剤溶液においてドセタキセルが結晶沈殿を生じる時間を延長することができる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、母液と、注射剤のゲル化を防ぐためのエタノールと、母液を均一状に流動させるための水とを含むドセタキセル化合物含有注射剤を提供する。この母液は、ドセタキセル及び1種又は2種以上の薬学上許容される界面活性剤を含む溶液である。また、本発明は、母液とエタノールとを混合させ、そして水を加えて均一に混合させることを含む、この注射剤の調製方法を提供する。この注射剤は、状態が均一で、安定性が高く、注射剤溶液においてドセタキセルが結晶沈殿を生じる時間を延長することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ドセタキセル化合物含有注射剤、特に、安定性を延長させた、医療者が使用しやすいドセタキセル化合物含有注射剤であって、3成分を含むドセタキセル化合物含有注射剤を提供する。
タキサン類(taxane)であるパクリタキセル(Paclitaxel)は、1992年にアメリカ食品医薬品局(FDA)の許可を経て、抗がん剤の新薬になり、過去十数年最も重要な抗がん剤の1つと認められる。しかし、この薬物が市販される当初は順調ではなかった。それは、原料として、例えば、タイヘイヨウイチイとタクスス・スマトラーナ(Taxus sumatrana (Miq.) de Laub)等の源に限界がある以外、初期段階(first phase)臨床試験において、該パクリタキセル治療を受けた患者に酷いアレルギー反応が現れたためである。アレルゲンがパクリタキセルではなく、パクリタキセルを溶解用の溶媒としてのCremophor ELである。Cremophor ELの患者にアレルギーを引き起こす問題を解決するために、Cremophor ELの代わりをする溶媒を探ることが現在の研究方向である。
タキサン類の疎水性(撥水性)が極めて高く、水に対する溶解度が10μg/mL未満であるため、Cremophor ELの代わりにパクリタキセルを溶解する溶媒を探ることが順調ではなかった。現在唯一許可されたパクリタキセル薬物は、アメリカのブリストル・マイヤーズ スクイブ社が開発した静脈注射剤(Taxol(登録商標))であるが、該静脈注射剤におけるパクリタキセルの溶解用溶媒は、やはり1:1の割合でエタノールとCremophor ELとを混合したものであり、Cremophor ELの含有量が低減したものの、患者にアレルギー反応を引き起こすことがある。
Cremophor ELの代わりに有機溶媒でパクリタキセルを溶解することが提案されたが(特許文献1;特許文献2)、開示された製造プロセスが簡単で、非常に市場に有利であるが、これら有機溶媒が毒性であるため、広く適用されていない。
現在、多くの研究者は、代替する溶媒を探るために、2つの方向に進んでいる。
1.注射剤の配合を改良する
主として、リポソーム剤及び乳剤でパクリタキセルを溶解するものであるが、リポソーム剤の場合、貯蔵の際に沈殿を生じ、医薬品の安定性が十分ではないため、貯蔵時に凍結乾燥粉末として貯蔵する。しかし、リポソーム剤を凍結乾燥粉末に乾燥すると、コストが高い凍結乾燥製造プロセスが必要であるため、不経済であり、製品を商品化する意義を失う。
乳剤に係わる研究は、Panagyiotis,P.ら、Kaufman,R.J.ら及びChu,I.M.らが発表した刊行物に既に開示され(特許文献3;特許文献4;特許文献5)、また乳剤として作成されたパクリタキセル乳剤がかなりの効果を収めたが、その製造は複雑で、高価であり、さらに、リポソーム剤と同様に、貯蔵の際に結晶沈殿を生じるため、該医薬品の安定性が十分ではない。
2.溶解度がパクリタキセルより高いドセタキセル(docetaxel)を合成する
タキサン類の水に対する溶解度が極めて低く、良い溶媒を見つけることも極めて困難であるため、化学合成法で溶解度がパクリタキセルより高いドセタキセルを合成した。該ドセタキセルから作成されたドセタキセル静脈注射製剤(Taxotere(登録商標))は、既にアメリカFDAの許可を得て市販されているが、該製剤が界面活性剤で溶解され、現在当研究分野で大きく躍進したものである。
しかし、Cremophor ELの代わりに界面活性剤でドセタキセルを溶解する研究は、やはり幾つか欠点がある。該界面活性剤がTweenを使用し、従来有機溶媒を溶媒とした際の毒性を低減できるが、Tweenでドセタキセルを溶解した薬剤を注射しようとする場合、該薬剤を灌流液(例えば5%のグルコース液)と混合する必要があり、しかしながら、この時にこの混合液が粘りすぎるためゲル状になってしまい、激しい撹拌により溶解しなければならず、上記状況を改善するために、Rhone−Poulenc社が中間溶液の2成分組成物を添加することにより、ゲルの発生を防ぐことを提案した(特許文献6)。該中間溶液は、分子量が200未満の有機化合物又は塩化ナトリウム等の添加剤、及び水を含み、即ち、該中間溶液が該添加剤の水溶液であり、その濃度が界面活性剤より6wt%大きい。該特許の請求の範囲において、該中間溶液の濃度は、水を添加して、13wt%のエタノールの溶液に希釈したが、該中間溶液を添加すると以下の問題が発生する。
(a)使用問題:非特許文献1のコメントにより、一般的な粘性流体は、注射の際にシリンジに過剰量(excess volume)を充填する必要があり、例えば、0.5mlの注射量の場合、0.12ml(24wt%)の過剰量を余計に充填する必要がある。ドセタキセル及び界面活性剤を含む注射剤の粘度が高く、添加される過剰量も高まるため、コストの上昇につながり、且つ医療者が時間をかけて該粘い注射剤を吸い取らなければならず、実際の吸い取る量を把握することができず、患者に投与する正確度や効果に影響を与えてしまう。添加する中間溶液が注射剤の粘度の低減に寄与するが、低減の程度に限界があり、上記問題が依然として発生する。
(b)調製リスク:中間溶液が13wt%のエタノールであるが、市販のエタノールが通常95%であるため、95%のエタノールを量ってから、水と混合して13wt%のエタノールを調製する必要がある。しかし、一人一人毎回調製したエタノールがある程度異なることがあり、安全のために、滅菌する工程も必要となるため、製造における面倒さ及びリスクが高まる。これに対して、市販の95%エタノールを使用することは、製造を簡単化し、無菌製造リスクを低減し、さらに、進歩性が明らかである。
(c)安定性問題:調製された薬剤が長期間安定した状態におらず、該Rhone−Poulenc社が出された製品明細書において、該製品が4時間以内に使用すべきであると強調され、また、試験により、該製品が約12時間以内に結晶沈殿を生じることが証明された。該結晶が血管を塞ぐため、患者を致命的な危険に落とすことになる。
アメリカ薬局方第27版General Chapters<1151>pharmaceutical dosage forms−injections
本発明者は、上述ドセタキセル静脈注射製剤(Taxotere(登録商標))を溶解する溶媒が、依然として該製剤に良好な安定性を具備させることができないことに鑑み、このドセタキセル化合物を含む3成分注射剤を発明した。
本発明の目的は、安定性を延長することができ、且つ医療者が使用しやすいドセタキセル化合物を含む3成分注射剤を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のドセタキセル化合物を含む3成分注射剤が
ドセタキセル及び医薬上許容される界面活性剤を含む溶液である母液と、
注射剤が混合後のゲル化を防ぐためのゲル化防止剤であるエタノールと、
前記エタノールと協力し、前記母液を均一状にする流動剤である水と
を含む。
ドセタキセル及び医薬上許容される界面活性剤を含む溶液である母液と、
注射剤が混合後のゲル化を防ぐためのゲル化防止剤であるエタノールと、
前記エタノールと協力し、前記母液を均一状にする流動剤である水と
を含む。
そのうち、ゲル化防止剤の重量と界面活性剤との重量比が1%以上であり、流動剤の重量と界面活性剤との重量比が10%以上である。
本発明は、ゲル化防止剤を添加することにより、母液の使用時に灌流液(例えば5%のグルコース液)と混合することで生じるゲルを防ぐことが可能で、流動剤がゲル化防止剤と協力して母液の粘度を調整することが可能であるため、本発明の調製方法により調製した3成分注射剤の粘度が下がり、ゲル状になることがなく、均一状態(homogeneous)になり、医療者がシリンジで該注射剤を吸い取り、吸い取り量を確認することが便利である。また、ドセタキセルが注射剤の溶液から結晶沈殿を発生する時間を延長することができるため、注射剤の安定性を上昇させ、患者に投与する時に生じる致命的な危険を下げることにより、医療品質が改善される。
本発明に記載するドセタキセル化合物含有注射剤は、前記医薬上許容される界面活性剤がTweenであることが好ましい。そのうち、使用されるエタノールの濃度が90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。前記母液におけるドセタキセルの濃度が20mg/ml〜60mg/mlであることが好ましく、前記ゲル化防止剤であるエタノールの重量が少なくともTween重量の1%であり、前記水の重量が少なくともTween重量の10%であることが好ましい。
本発明は、また、ステップがa)母液とエタノールとを混合させ、均一な混合液とする;及びb)上記混合液に水を加えて均一に混合させることを含む請求項1に記載するドセタキセル化合物含有注射剤を調製する方法を提供する。
以下、図面を参照しながら本発明を具体的に説明するが、本発明の実施範囲がこれに限られない。
本発明のドセタキセル化合物含有注射剤は、
ドセタキセル及び1種又は二種以上の薬学上許容される界面活性剤溶液を含む母液であって、この界面活性剤がTween(即ちポリソルベート)であり、このドセタキセルがtweenに溶解する濃度が20ミリグラム/ミリリットル(mg/ml)〜60ミリグラム/ミリリットル(mg/ml)である母液と;
母液の使用時に灌流液(例えば5%のグルコース液)と混合することで生じるゲルを防ぐためのゲル化防止剤であって、好ましくは、95%のエタノールであり、その重量がtween重量の1%以上(エタノール≧tweenの1wt%)であるゲル化防止剤と;
ゲル化防止剤と協力して母液を均一状にする水であって、母液の粘度を調整するための、純水又は注射用水であり、その重量がtween重量の10%以上(水≧tweenの10wt%)である流動剤と
を含む。
ドセタキセル及び1種又は二種以上の薬学上許容される界面活性剤溶液を含む母液であって、この界面活性剤がTween(即ちポリソルベート)であり、このドセタキセルがtweenに溶解する濃度が20ミリグラム/ミリリットル(mg/ml)〜60ミリグラム/ミリリットル(mg/ml)である母液と;
母液の使用時に灌流液(例えば5%のグルコース液)と混合することで生じるゲルを防ぐためのゲル化防止剤であって、好ましくは、95%のエタノールであり、その重量がtween重量の1%以上(エタノール≧tweenの1wt%)であるゲル化防止剤と;
ゲル化防止剤と協力して母液を均一状にする水であって、母液の粘度を調整するための、純水又は注射用水であり、その重量がtween重量の10%以上(水≧tweenの10wt%)である流動剤と
を含む。
このゲル化防止剤、流動剤及び母液からなる3成分注射剤は、従来技術における中間溶液と母液との組合せと比べて、より柔軟に調製することができ、弾力的に母液の粘度を調整することが出来る。
本発明のドセタキセル化合物を含む3成分注射剤の調製方法は、母液とゲル化防止剤とを均一に混合させてから、流動剤を添加し、均一に混合するものである。
上記調製方法は、使用する場合に、そのまま室温で手で振ったり、卓上ボルテックス(Vortex)等のような機械を介したりして、各成分を均一に混合できるものである。
以下、複数の実施例により本発明のドセタキセル化合物含有注射剤の利点を説明する。
実施例1 異なる混合方法によるゲル発生現象の観察
本発明は、使用しやすいために、異なる方法で混合することが可能で、混合後、ゲルが発生する様子を観察する。
対照群:
本群の試験は、従来技術の中間溶液と同様に、先にこのゲル化防止剤を流動剤と混合してから、異なる混合ステップを行うものであり、使用される母液、ゲル化防止剤及び流動剤を表1に示し、異なる混合方法及びその観察結果を表2及び表3に示す。
本群の試験は、従来技術の中間溶液と同様に、先にこのゲル化防止剤を流動剤と混合してから、異なる混合ステップを行うものであり、使用される母液、ゲル化防止剤及び流動剤を表1に示し、異なる混合方法及びその観察結果を表2及び表3に示す。
2つの方法を比較すると、最終の混合溶液の成分が同じだが、tween分子周りの局所成分が異なる。混合方法1では、ゲル化防止剤と流動剤が先にtween分子に付着し、tween分子周りに多数のゲル化防止分子が含まれ、即ち、界面活性剤分子のゲル化防止剤の局所濃度(local concentration)が高いため、ゲルの発生が防止されるが、混合方法2では、tweenを含む母液を灌流溶液に注ぐ際に、このゲル化防止剤と流動剤が先に灌流溶液に希釈されたことにより、tween分子周りのゲル化防止分子の濃度が低くなりすぎ、溶液全体に具合の異なるゲル現象が発生してしまう。
ここから分かるように、ゲル化防止剤の使用量がゲル発生を回避する主因ではなく、その主因が、ゲル化防止剤が混合の際に十分に母液における界面活性剤分子と均一に混合したかによるものである。これにより、他の界面活性剤分子とゲル化することが防止される。
試験群:
本群に使用される母液、ゲル化防止剤と流動剤を表4に示し、混合ステップが対照群と同一ではなく、ゲル化防止剤及び流動剤を母液と別々に混合するものであり、その混合ステップ及び観察結果を表5に示し、対照群と比較する。
本群に使用される母液、ゲル化防止剤と流動剤を表4に示し、混合ステップが対照群と同一ではなく、ゲル化防止剤及び流動剤を母液と別々に混合するものであり、その混合ステップ及び観察結果を表5に示し、対照群と比較する。
本実施例では、ゲル化防止剤及び流動剤を順に母液に投入したが(ゲル化防止剤と流動剤を混合した液に母液を投入する混合方法2と異なる)、観察した結果、界面活性剤分子周りにゲル化防止剤分子の濃度が高く、この混合方法によれば、ゲル化防止剤分子と界面活性剤分子との比を5wt%(<6wt%)としてもゲル発生がなかった。
実施例2 流動性試験
流動剤の有無による注射剤を表6に示し、各注射剤の混合した様子を観察して比較する。
本実施例から分かるように、注射剤に流動剤が添加されると、溶液の粘度が下がるため、過剰量の充填を減らしたり、生産コストを下げたりすることができ、より便利に該注射剤を吸い取り、注射剤の吸い取り量を正確にコントロールすることができる。
実施例3 均一度テスト
各成分を混合した後、異なる撹拌を経て注射剤とし、その均一度をテストする。
図1に示すように、均一度のテストは、円形注射瓶の上面図を基準とし、その円形径方向の断面積の中心点及び円周0度、90度、180度以及270度を均一度のサンプリング点とし、高速液体クロマトグラフィー(High Performance Liquid Chromatography)で分析する。
対照群:
本群の試験において、従来技術の中間溶液と同様に、先にこのゲル化防止剤を流動剤と混合して中間溶液としてから、中間溶液を吸い取り、ゆっくりと母液に注ぎ、異なる撹拌法で撹拌し、分析する。使用される母液、ゲル化防止剤及び流動剤を表7に示し、撹拌した後の観察結果を表8及び表9に示す。
本群の試験において、従来技術の中間溶液と同様に、先にこのゲル化防止剤を流動剤と混合して中間溶液としてから、中間溶液を吸い取り、ゆっくりと母液に注ぎ、異なる撹拌法で撹拌し、分析する。使用される母液、ゲル化防止剤及び流動剤を表7に示し、撹拌した後の観察結果を表8及び表9に示す。
上記サンプル1と2の中間溶液を吸い取り、ゆっくりと母液に注ぎ、穏やかな回転撹拌で、少なくとも40秒間撹拌する。該穏やかな回転撹拌は、中間溶液と母液に泡を発生させないように攪拌するものであり、得られた分析結果は以下の通り。
上記サンプル1と2の中間溶液を吸い取り、ゆっくりと母液に注ぎ、卓上ボルテックス(Vortex)で少なくとも40秒間激しく撹拌し、中間溶液と母液との混合液体に泡を発生させ、得られた分析結果は以下の通り。
上記分析結果から分かるように、激しく撹拌した注射剤が穏やかに撹拌した注射剤より均一に混合したものである。
試験群:
本群の試験においては、このゲル化防止剤と流動剤を母液に注ぎ、異なる撹拌法で撹拌し、分析する。使用される母液、ゲル化防止剤及び流動剤を表10に示し、撹拌した後の分析結果を表11及び表12に示し、対照群と比較する。
本群の試験においては、このゲル化防止剤と流動剤を母液に注ぎ、異なる撹拌法で撹拌し、分析する。使用される母液、ゲル化防止剤及び流動剤を表10に示し、撹拌した後の分析結果を表11及び表12に示し、対照群と比較する。
上記サンプル3、4、5、6の3成分注射剤組成物のゲル化防止剤をそれぞれ取り、母液に加え、卓上ボルテックス(Vortex)で少なくとも20秒間激しく撹拌してから、それぞれ流動剤を加え、穏やかな回転撹拌で少なくとも20秒間撹拌する。該穏やかな回転撹拌は、最終溶液に泡を発生させないように攪拌するものである。得られた分析結果は以下の通りである。
上記サンプル3、4、5、6の3成分注射剤組成物のゲル化防止剤をそれぞれ取り、母液に加え、卓上ボルテックス(Vortex)で少なくとも20秒間激しく撹拌してから、それぞれ流動剤を加え、卓上ボルテックス(Vortex)で少なくとも20秒間激しく撹拌し、ゲル化防止剤と母液との混合液体に泡を発生させる。得られた分析結果は以下の通りである。
実施例1から分かるように、この界面活性剤分子周りにおけるゲル化防止剤の局所濃度(local concentration)が高いため、ゲルの溶液における比率及びゲル自身による均一度抵抗を低減できる。一方、対照群の2成分注射剤は、2成分の界面活性剤が予め希釈されたため、本発明の試験群より、界面活性剤分子周りのゲル化防止剤局所濃度(local concentration)が低くなり、ゲルの比率及びゲル自身による抵抗を低減できず、激しく撹拌しても、その溶液の均一度が本発明の3成分注射剤より劣るものである。
実施例4 安定性テスト
注射剤組成物を混合した後、室温で放置し、放置時間による結晶の様子を観察する。
対照群:
表7におけるサンプル1と2の中間溶液を吸い取り、ゆっくりと母液に注ぎ、卓上ボルテックス(Vortex)で少なくとも40秒間激しく撹拌し、安定性テストを行う。結果を表13に示す。
表7におけるサンプル1と2の中間溶液を吸い取り、ゆっくりと母液に注ぎ、卓上ボルテックス(Vortex)で少なくとも40秒間激しく撹拌し、安定性テストを行う。結果を表13に示す。
試験群:
表10におけるサンプル3、4、5、6の3成分注射剤組成物のゲル化防止剤をそれぞれ吸い取り、母液に加え、卓上ボルテックス(Vortex)で少なくとも20秒間激しく撹拌してから、それぞれ流動剤を加え、卓上ボルテックス(Vortex)で少なくとも20秒間激しく撹拌し、安定性のテストを行う。その結果を表14に示し、対照群と比較する。
表10におけるサンプル3、4、5、6の3成分注射剤組成物のゲル化防止剤をそれぞれ吸い取り、母液に加え、卓上ボルテックス(Vortex)で少なくとも20秒間激しく撹拌してから、それぞれ流動剤を加え、卓上ボルテックス(Vortex)で少なくとも20秒間激しく撹拌し、安定性のテストを行う。その結果を表14に示し、対照群と比較する。
実施例1と実施例3から分かるように、この界面活性剤分子周りにおけるゲル化防止剤の局所濃度(local concentration)が高いため、ゲルの溶液における比率及びゲル自身による均一度抵抗を低減できる以外、この界面活性剤分子間のエネルギー障壁を上昇させ、ドセタキセル分子が分子間の凝集により結晶沈殿を発生するのを防ぐことができる。一方、対照群の2成分注射剤は、界面活性剤分子周りのゲル化防止剤局所濃度(local concentration)が低いため、界面活性剤分子間のエネルギー障壁が低く、従って、2成分注射剤が12時間放置後に結晶沈殿を生じるが、本発明の試験群の3成分注射剤が48時間放置後に結晶沈殿を全く生じなかった。
ゲル化防止剤を添加することにより、母液の使用時に灌流液と混合することによるゲルを防ぐことが可能で、流動剤がゲル化防止剤と協力して母液の粘度を調整することが可能であるため、本発明の調製方法により調製した3成分注射剤の粘度が下がり、ゲル状になることがなく、均一状態(homogeneous)になり、医療者がシリンジで該注射剤を吸い取り、吸い取り量を確認することが便利である。また、ドセタキセルが注射剤の溶液から結晶沈殿を発生する時間を延長することができるため、注射剤の安定性を上昇させ、患者に投与する時に生じる致命的な危険を下げることにより、医療品質を改善する。
Claims (8)
- ドセタキセル及び医薬上許容される界面活性剤を含む溶液である母液と、
注射剤が混合後のゲル化を防ぐためのゲル化防止剤であるエタノールと、
前記エタノールと協力し、前記母液を均一状にする流動剤である水と
を含むドセタキセル化合物含有注射剤。 - 前記医薬上許容される界面活性剤がTweenである請求項1に記載するドセタキセル化合物含有注射剤。
- 前記エタノールの濃度が90%以上である請求項1に記載するドセタキセル化合物含有注射剤。
- 前記エタノールの濃度が95%以上である請求項1に記載するドセタキセル化合物含有注射剤。
- 前記母液におけるドセタキセルの濃度が20mg/ml〜60mg/mlである請求項2に記載するドセタキセル化合物含有注射剤。
- 前記エタノールの重量が少なくともTween重量の1%である請求項2に記載するドセタキセル化合物含有注射剤。
- 前記水の重量が少なくともTween重量の10%である請求項2に記載するドセタキセル化合物含有注射剤。
- ステップが
a)母液とエタノールとを混合させ、均一な混合液とする;及び
b)上記混合液に水を加えて均一に混合させる
ことを含む請求項1に記載するドセタキセル化合物含有注射剤を調製する方法。
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