JP2011506405A - 6−アルキリデンアンドロスト−1,4−ジエン−3−オンを取得するための方法 - Google Patents

6−アルキリデンアンドロスト−1,4−ジエン−3−オンを取得するための方法 Download PDF

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Abstract

対応する6−アルキリデン−4−アンドロステン−3−オンを、キノン、シリル化剤および強酸の存在下で、1,2位の脱水素反応に付することを含む方法により、一般式(I)(式中、Rは、Hまたはアルキルであり;RおよびRは、互いに独立して、H、OR、OC(=O)RまたはO−(GPH)(ここで、Rは、H、C−Cアルキルまたはアリールであり;Rは、HまたはC−Cアルキルであり;かつ、GPHは、ヒドロキシル保護基である)を表すか;または、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と共に、カルボニル基もしくは同等物または環状ケタールを形成する)の6−アルキリデンアンドロスト−1,4−ジエン−3−オンを取得することができる。
【化1】

Description

本発明は、ステロイドの1,2位に不飽和を形成することによって、対応する1,4−ジエン誘導体を取得する目的で、ステロイド類、特に、6−アルキリデン−4−アンドロステン−3−オン誘導体を脱水素する方法に関する。
エストロゲン活性を阻害するステロイド類は、ホルモン活性に関連するガン、例えば、乳ガン、卵巣ガンなどを治療するのに有用であることが知られている。このようなステロイド類としては、エキセメスタン(6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3,17−ジオン)が挙げられ、これは英国特許GB2177700に初めて記載された。
この英国特許には、ジオキサン還流下で二酸化セレン(SeO)または2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン(DDQ)などの異なる脱水素剤を使用して、対応する6−メチレン−1,4−アンドロステン−3,17−ジオン誘導体を得る目的で、出発ステロイド(6−メチレン−4−アンドロステン−3,17−ジオン)の1,2位に不飽和を導入するための異なる方法が記載されている。SeOを使用すると、収率が低くなる(40%)だけでなく、費用もかかり、かつ、その毒性ゆえに汚染問題が生じるので、工業レベルでは利用できない。一方、DDQを使用すると、クロマトグラフィーによる精製を必要とする生成物が、中程度(50%)の収率で得られる。
DDQは、ステロイドまたはアザステロイドの1,2位に不飽和を導入するのに最も使用される脱水素剤の1つである。脱水素剤としてDDQを使用する脱水素機構および条件は、J.Chem.Soc.(C),(1967),1720−1730ページに分析されている。この文献は、4−アンドロステン−3,17−ジオンの脱水素が、反応条件(溶媒、温度および触媒としての弱酸の存在)に応じて、主に、可変量のΔ4,6およびΔ1,4,6誘導体を伴うΔ1,4誘導体を生じることを示している。
前述の特許GB2177700と同様に、欧州特許EP307135にも、DDQおよびジオキサンを使用することにより、17β−ヒドロキシ−6−メチレン−4−アンドロステン−3−オンが、やはり中程度の収率(50%)で精製の問題を伴って、対応する1,4−ジエン誘導体(17β−ヒドロキシ−6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3−オン)に変換されることが記載されている。しかしながら、17β−ヒドロキシ−6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3−オンを取得する際、および、対応する6−メチレン−4−アンドロステン誘導体から6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3,17−ジオンを取得する際のいずれの場合においても、この方法を再現しようという発明者らの試みでは、所望の生成物は生じなかったが(本説明の実施例5および6を参照)、二次生成物の複合混合物が生成され、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によってごく微量の所望生成物が検出された。
中国特許CN1453288には、DDQおよび触媒として安息香酸などの有機弱酸を使用して6−メチレン−4−アンドロステン−3,17−ジオンを脱水素することによってエキセメスタンを取得する方法が記載されている。それにもかかわらず、この方法を再現しようという発明者らの試みによっては、所望生成物が中程度の収率(最大14%)で、クロマトグラフィー精製の実施を余儀なくさせる多数の副生成物を伴いながら得られ、従って、それを工業用途に使用するのは非常に困難である(本説明の実施例7を参照)。
アザステロイド脱水素剤としてのDDQの使用も記載されている。DDQおよびビストリメチルシリルトリフルオロアセタミド(BSTFA)などのシリル化剤を使用することによって、3−オキソ−4−アザステロイドの1,2位に不飽和を導入することが具体的に記載されている(EP298652)。DDQおよびBSTFAの組み合わせに、3−オキソ−4−アザステロイドの脱水素用触媒としてトリフルオロメタンスルホン酸を配合することにより、脱水素反応の収率が向上する(EP748221)。しかしながら、前述のアザステロイドはアミン誘導体であり、ケトンよりもエノール化され難いために反応性が低く、一方、環Aの4位の窒素原子の存在および分子中の他のカルボニル基の不在が、1,2位における二重結合の形成につながるので、記載され条件は、この種のステロイド(3−オキソ−4−アザ−ステロイド)には適用できるが、アンドロステン−3−オン誘導体には適さないと思われる。
ステロイドの1,2位に不飽和を導入することができる他の脱水素剤も知られている。例として、中国特許第1491957号には、潜在的に爆発性であるために工業レベルでの用途が制限されているものとして記載される酸化剤であるヨードキシ安息香酸(IBX)を使用して、6−メチレン−4−アンドロステン−3,17−ジオンを脱水素することにより、エキセメスタンを取得することが記載されている。
ステロイドにΔ二重結合を導入するための他の既知の方法は、ステロイドの2位に脱離基(例えば、Br、Iなど)を導入することに基づいており、この脱離基は、その後、塩基性媒体中で除去される。不幸にも、これらの場合、所望位置への脱離基の導入を誘導することは容易ではないので、脱離基は通常、ステロイドの他の位置に導入され、副生成物の形成を引き起こす。この代替案の実例は欧州特許EP326340に挙げられており、この特許には、臭素を導入し、その後、下記スキームに示されるような脱臭化水素化により、6−メチレン−4−アンドロステン−3,17−ジオンの1,2位において脱水素することが記載されている。
Figure 2011506405
この方法によれば、臭素化は、意図するように2位で起こるだけでなく、6位(メチレン)でも起こるので、3つの工程を実施しなければならず、これら3工程の全収率は中程度(40%)である。
故に、先行技術に属する既知の方法に関連する欠点の全てまたは一部を解消する、6−アルキリデン−1,4−アンドロステン−3−オン誘導体を取得するための代替方法を開発する必要性があり、これら誘導体の中には医療上興味深いものもある(例えば、エキセメスタン)。
本発明は、先行技術の様々な合成法に存在する前述の欠点を解消する、6−アルキリデン−1,4−アンドロステン−3−オン誘導体、特にエキセメスタンを取得するための代替方法を提供するという課題に向けられたものである。
本発明により提供される解決策は、本発明者らが、驚くべきことに、6−アルキリデン−4−アンドロステン−3−オン誘導体の1,2位における位置選択的な脱水素を許容する反応条件下で、キノン、シリル化剤および強酸の使用に基づき、対応する6−アルキリデン−4−アンドロステン−3−オン誘導体を脱水素することにより、6−アルキリデン−1,4−アンドロステン−3−オン誘導体およびそれらの溶媒和物を効果的に取得可能であることを見出したという事実に基づいている。
本発明により提供される方法は、多数の利点を有する。それは、環境にとって非常に有害な試薬、例えば酸化セレンの使用、および他の脱水素に関連する副生成物の形成が防止され、これが所望の生成物を高収率で得るのに好都合であり、かつ、高価な精製技術(例えば、クロマトグラフィーなど)を使用する必要なく、高純度でのその単離を可能にするからである。これらは全て、本方法の全体的なコストの削減に寄与し、このことは、本方法を商業的に興味深い方法とし、かつ、工業レベルでのその実施を可能にする。
従って、一つの態様において、本発明は、一般式(I)(以下に定義する)の6−アルキリデン−1,4−アンドロステン−3−オンを取得するための方法に関し、この方法は、シリル化剤および脱水素反応の触媒として作用する強酸の存在下、一般式(II)(以下に定義する)の6−アルキリデン−4−アンドロステン−3−オンをキノンと反応させ、所望であれば、このようにして得られた一般式(I)の化合物を、従来の方法によって一般式(I)の別の化合物に変換することを含んでなる。特定の実施態様において、得られた一般式(I)の化合物はエキセメスタンであり、エストロゲン活性を阻害し得る不可逆的なアロマターゼ阻害剤であるので、ホルモン活性に関連するガン、例えば乳ガン、卵巣ガンなどの治療において抗腫瘍薬として有用である。
特定の実施態様において、本発明はエキセメスタンを取得するための方法に関し、この方法は、シリル化剤および強酸の存在下、一般式(IIa)(以下に定義する)の6−メチレン−4−アンドロステン−3−オンをキノンと反応させて、一般式(Ia)(以下に定義する)の6−メチレン−1,4−アンドロステン−3−オンを取得し、必要であれば、このようにして得られた一般式(Ia)の化合物をエキセメスタンに変換することを含んでなる。
一つの態様において、本発明は、一般式(I):
Figure 2011506405
(式中、
Rは、HまたはC−Cアルキルであり;
およびRは、互いに独立して、H、OR、OC(=O)RまたはO−(HPG)
(ここで、
は、H、C−Cアルキルまたはアリールであり;
は、HまたはC−Cアルキルであり;かつ、
HPGは、ヒドロキシル保護基である)を表すか;または、
およびRは、それらが結合する炭素原子と共に、カルボニル基もしくは同等物または環状ケタールを形成する)
の6−アルキリデンアンドロスト−1,4−ジエン−3−オンおよびその溶媒和物を取得するための方法であって、
a)一般式(II):
Figure 2011506405
(式中、R、RおよびRは前述の意味を有する)
の化合物を、キノン、シリル化剤および強酸の存在下で、1,2位の脱水素反応に付することを含んでなる方法(以下、本発明の方法)に関する。
一つの特定の実施態様によれば、この方法は、一般式(I)の化合物を、一般式(I)の別の化合物に変換する工程を更に含んでなる。
本発明の方法は、キノン、シリル化剤および強酸の使用を含む一定の実験条件下で、一般式(II)の化合物を脱水素反応に付してステロイドの1,2位に不飽和を導入することにより、前述の一般式(II)の化合物の1,2位において位置選択的な脱水素を許容することを含んでなる。一般式(II)の化合物において、Rは、HまたはC−Cアルキルであり、RおよびRは、互いに独立して、H、OR、OC(=O)RまたはO−(HPG)(ここで、R、Rおよび(HPG)は前述の意味を有する)を表すか、または、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と共に、カルボニル基もしくは同等物または環状ケタールを形成する。
特定の実施態様にあっては、一般式(II)の化合物において、RはHである。
別の特定の実施態様にあっては、一般式(II)の化合物において、RはC−Cアルキルである。本明細書において「C−Cアルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルカンに由来するラジカルであって、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどであり、場合により、ハロゲンおよびC−Cアルキルから独立して選択される1以上の置換基により置換されているラジカルに関する。
別の特定の実施態様にあっては、一般式(II)の化合物において、RまたはRの一方はHであり、かつ、他方はOR(ここで、RはHである)である。
別の特定の実施態様にあっては、一般式(II)の化合物において、RまたはRの一方はHであり、かつ、他方はOR(ここで、RはC−Cアルキルである)である。当業者は、これらのアルキル基がヒドロキシル保護基として作用することを理解するであろう。
別の特定の実施態様にあっては、一般式(II)の化合物において、RまたはRの一方はHであり、かつ、他方はOR(ここで、Rはアリールである)である。本明細書において「アリール」という用語は、芳香族炭化水素に由来するラジカルであって、場合により、ハロゲン、C−CアルキルまたはN(R)(R)(ここで、RおよびRは、互いに独立して、HまたはC−Cアルキルを表す)から独立して選択される1以上の置換基で置換された、例えば、フェニル、ベンジル、トリル、キシリルなどであり、置換されていないか、または前述の置換基の1以上で置換されているラジカルに関する。一つの具体的な実施態様にあっては、一般式(II)の化合物において、RまたはRの一方はHであり、かつ、他方はOR(ここで、Rは、場合により置換されているベンジルである)である。
別の特定の実施態様にあっては、一般式(II)の化合物において、RまたはRの一方はHであり、かつ、他方はOC(=O)Rアシルオキシ基(ここで、Rは、HまたはC−Cアルキルである)、例えば、O−ホルミル、O−アセチル、O−プロピオニル、O−ブチリルなどである。
別の特定の実施態様にあっては、一般式(II)の化合物において、RまたはRの一方はHであり、かつ、他方はO−(HPG)(ここで、(HPG)はヒドロキシル保護基である)である。本明細書において「ヒドロキシル保護基」という用語は、ヒドロキシル基を保護することができるあらゆる基を包含する。前述のヒドロキシル保護基の実例は、Green TWらによって、“Protective Groups in Organic Synthesis,” 3rd Edition (1999), Ed. John Wiley & Sons (ISBN 0−471−16019−9)に記載されている。事実上いかなるヒドロキシル保護基も、本発明を実施するために使用することができる。ではあるが、特定の実施態様にあっては、ヒドロキシル保護基は、穏和な条件下でヒドロキシル基に変換(例えば、酸加水分解)可能な基、特に、エステル基またはエーテル基であり、例えば、アルキルエーテル、アリールアルキルエーテル、エノールエーテル、シリルエーテルなどである。
前述のヒドロキシル保護基の非制限的な例としては、C−Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、t−ブチルなど)、アリール(例えば、場合により置換されているベンジル)、シリル、例えば、一般式Si(R)(R)(R)(式中、R、RおよびRは、互いに独立して、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリールを表す)のシリルラジカル、例えば、トリメチルシリル、ジメチル−t−ブチルシリルなどが挙げられる。
別の特定の実施態様にあっては、一般式(II)の化合物において、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と共に、カルボニル基もしくは同等物または環状ケタールを形成する。本明細書において「同等物」という用語は、イミン、オキシム、ヒドラゾン基などに関する。同様に、本明細書において使用する意味では、「環状ケタール」は、17位の炭素原子(RおよびRが結合する)が−O(CH2)O−基(ここで、nは2〜4の整数である)に結合する化合物に関し、例えば、ジオキソラン、1,3−ジオキサンなどである。
本発明の特定の実施態様は、一般式(II):
(式中、RはHであるか;または、
はHであり、かつ、RはOHであるか;または、
はHであり、かつ、RはOAc(ここで、AcはC(=O)CHである)であるか;または
およびRは、それらが結合する炭素原子と共に、カルボニル基(C=O)を形成する)
の化合物の使用を包含する。
上述のように、特定の実施態様にあっては、得られた一般式(I)の化合物は、6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3,17−ジオン(エキセメスタン)である。従って、特定の実施態様において、本発明は、
a)一般式(IIa):
Figure 2011506405
(式中、
およびRは、互いに独立して、H、OR、OC(=O)RまたはO−(HPG)
(ここで、
は、H、C−Cアルキルまたはアリールであり;
は、HまたはC−Cアルキルであり;かつ、
HPGは、ヒドロキシル保護基である)を表すか、または、
およびRは、それらが結合する炭素原子と共に、カルボニル基もしくは同等物または環状ケタールを形成する)
の化合物を、キノン、シリル化剤および強酸の存在下で、1,2位の脱水素反応に付することにより、一般式(Ia):
Figure 2011506405
(式中、RおよびRは前述の意味を有する)
の化合物を取得することを含んでなる、6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3,17−ジオン(エキセメスタン)を取得するための方法に関する。
特定の実施態様によれば、得られた一般式(Ia)の化合物が17位にカルボニル基(C=O)を有さない場合、この方法は、前述の一般式(Ia)の化合物をエキセメスタンに変換する工程を更に含んでなる。
本発明の方法は、脱水素反応の触媒として作用する強酸およびキノンの存在下、3位にケト基を有する一般式(II)または(IIa)の化合物を、シリル化剤と反応させることを含んでなる。いかなる仮説に結びつけることを望むものではないが、シリル化試薬は、カルボニル基を位置選択的に活性化させるので、このカルボニル基を、3,2位に配向されたエノール誘導体に変換するが、一方、強酸は、前述のエノール誘導体とキノンとの反応を促進するものであると考えられる。
様々なシリル化剤、特にケトンをシリル化することができるシリル化剤、例えば、ビストリメチルシリルトリハロアセタミド(ここで、ハロはハロゲンフッ素、塩素、臭素またはヨウ素である)、ビストリメチルシリルアセタミド、ヘキサメチルジシラザン、ビストリメチルシリルウレアなど、およびこれらの混合物が、本発明の方法の実施に使用できる。特定の好ましい実施態様においては、シリル化剤はビストリメチルシリルトリフルオロアセタミド(BSTFA)である。
あらゆる反応性キノン(「反応性キノン」とは、エノール誘導体と反応するのに十分な反応潜在能力を有し、かつ、後に除去されて、プロセス中に二重結合を形成するキノンのことであり、例えば、2,3,5,6−テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン(クロラニル)、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン(DDQ)など、およびこれらの混合物、好ましくはクロラニルであると理解される)がキノンとして使用可能である。十分な反応潜在能力を有する他のキノンを代わりに使用することができる。
有機または無機強酸を酸触媒として使用することができる。本明細書において強酸は、Popov, K.;Ronkkomaki, H.;Lajunen, L.H.J.(2006),“Guidelines for NMR Mesurements for Determination of High and Low pKa Values” Pure Appl. Chem. 78(3):663−675に従って測定された水溶液中でのpKaが1以下の酸である。強酸の非制限的な例は、標準的な教科書およびマニュアルに見ることができる。特定の実施態様によれば、強酸は、March, J. “Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanism and Structure”, Wiley−Interscience, fifth editionの表8.1(329〜331ページ)に示されるような、水溶液中でのpKaが1以下の酸である。有機強酸の非制限的な例としては、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、または有機強酸であると考えられるその他同様の有機酸が挙げられる。同様に、無機強酸の非制限的な例としては、硫酸、臭化水素酸、過塩素酸、または上記定義に従って無機強酸であると考えられるその他同様の無機酸が挙げられる。1以上の有機および/または無機酸を使用することができる。本発明の特定の好ましい実施態様にあっては、有機酸は、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸およびこれらの混合物から選択され、好ましい無機酸は、硫酸、過塩素酸およびこれらの混合物から選択される。
一般式(II)または(IIa)の化合物と、シリル化剤、キノンおよび強酸との反応は、好適な溶媒、例えば、エーテル、脂肪族エーテル(例えば、ジイソプロピルエーテルなど)、環状エーテル(例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサンなど)など、ハロゲン化溶媒、塩素化炭化水素など、または好ましくは芳香族溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの中で、例えば、室温(18〜22℃)から使用する溶媒の還流温度までの温度で、15分以上、典型的には30分から48時間までの期間行われる。
反応が起こる(反応が持続する)のに必要な反応温度および時間はいずれも、本質的には、使用するキノンの性質および使用する(有機または無機)酸の強度によって決まる。実際、キノンがより反応性であり、かつ、使用する酸が強いほど、反応条件は穏和になり、かつ、反応が起こるのに必要な期間は短くなる。この意味では、ごく僅かに反応性のキノンであるクロラニルを用いて反応が行われる場合、この反応には、トリフルオロメタンスルホン酸、硫酸またはこれらの混合物などの(非常に)強い酸を使用するなどのより強い条件、および/または、脱水素反応を妥当な時間生じさせるより高い温度が必要である。対照的に、脱水素は、より大きな位置選択性で起こるが、これは、不純物や副生成物の量がより少なく、より高い収率が得られることを意味する。これらの条件では、一般式(I)の高純度生成物が、非常に高い収率、典型的には約85%以上の収率で達成される。
より反応性のキノン、例えばDDQなどを使用する場合、反応は、室温および/またはそれほど攻撃的ではない酸性媒体などのより穏和な条件で行うことができる(実施例3.6を参照)。
シリル化剤の存在は、反応が効果的に生じるのに必要な条件である。一般的には、使用する条件や出発生成物の性質に応じて、一般式(II)または(IIa)の化合物1当量につき、少なくとも1当量、有利には2〜5当量のシリル化剤が必要とされる。それにもかかわらず、脱水素反応が生じるのに必要な温度および時間はいずれも、使用するキノンの反応性および触媒の酸特性によって決まる。
出発ステロイド[一般式(II)または(IIa)の化合物]の17位におそらく見られる置換基もまた影響を及ぼす可能性がある。この意味では、前述の17位におけるヒドロキシル基の存在が、シリル化剤の必要量および反応条件に干渉し得るが、反応は好適な条件下で十分に起こる。同様に、前述の17位におけるカルボニル基の存在もまた干渉し、副反応を生じる可能性があるが、この場合にも、良好な結果が達成される。
更に、17位におけるエステル、エーテル、アセタールなどの基は、使用する試薬とは相互作用しないようである。
一般式(II)または(IIa)の出発生成物は、既知の方法によって、例えば、17位にケト誘導体を取得する方法を記載するGB2177700またはEP326340に言及されるような好適な基質のマンニッヒ型反応から、または、オキシ塩化リンとの反応による、K.Annen in Synthesis,(1982),34ページに記載されるような方法によって、または、Synthetic Communications,(1992),22(16),2305−12ページに記載される方法に従って取得することができる。
既に導入した6−アルキリデン基を有する一般式(II)または(IIa)の化合物は、脱水素反応に付する前に、ヒドロキシル基をアセチル化するか、またはヒドロキシル基を酸化してケトンにし、次いでアセチル化するなどの既知の方法により、一般式(II)または(IIa)の他の化合物に変換することができる。
本発明の方法によって、一般式(II)の化合物の1,2位に不飽和が導入されると、一般式(I)(式中、Rは、HまたはC−Cアルキルを表し;RおよびRは、互いに独立して、H、OR、OC(=O)RまたはO−(HPG)(ここで、R、Rおよび(HPG)は前述の意味を有する)を表すか;または、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と共に、カルボニル基もしくは同等物または環状ケタールを形成する)の対応する1,4−ジエン誘導体が生じる。一般式(I)の化合物が所望の化合物ではない場合、従来の方法によって、この化合物を一般式(I)の化合物に変換することができる。
特定の実施態様において、一般式(I)の化合物におけるRはHである。
別の特定の実施態様において、一般式(I)の化合物におけるRはC−Cアルキルである。
別の特定の実施態様において、一般式(I)の化合物におけるRまたはRの一方はHであり、かつ、他方はOR(ここで、Rは、H、C−Cアルキルまたはアリール、好ましくはベンジルである)である。
別の特定の実施態様において、一般式(I)の化合物におけるRまたはRの一方はHであり、かつ、他方はOC(=O)R(ここで、Rは、H、C−Cアルキルである)である。
別の特定の実施態様において、一般式(I)の化合物におけるRまたはRの一方はHであり、かつ、他方はO−(HPG)(ここで、(HPG)は、前述の意味を有するヒドロキシル保護基である)である。
別の特定の実施態様において、一般式(I)の化合物におけるRおよびRは、それらが結合する炭素原子と共に、カルボニル基もしくは同等物または環状ケタールを形成する。
本発明の特定の好ましい実施態様は、一般式(I)
(式中、
RはHであり;
はHであり、かつ、RはOHであるか;または、
はHであり、かつ、RはOAc(ここで、AcはC(=O)CHである)であるか;または、
およびRは、それらが結合する炭素原子と共に、カルボニル基(C=O)を形成する)
の化合物を取得することを包含する。
特定の好ましい実施態様にあっては、得られた一般式(I)の化合物は、6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3,17−ジオン(エキセメスタン)である。
本発明の方法に従って得られた一般式(I)の化合物は、得られた一般式(I)の化合物および得られるべき一般式(I)の化合物に応じて、従来の方法によって一般式(I)の別の化合物に変換することができる。
特定の実施態様において、一般式(I)(式中、RまたはRの一方はHであり、かつ、他方はOHである)の化合物は、酸化反応により、一般式(I)(式中、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と共に、カルボニル基を形成する)の化合物に変換することができる。事実上いかなる酸化反応およびヒドロキシル基を酸化してカルボニル基にさせるいかなる試薬も使用することができる。それにもかかわらず、特定実施形態では、前述の酸化は、例えばEP307134に記載される条件下で、ジョーンズ試薬(三酸化クロムおよび硫酸の水溶液)などのCr(VI)試薬を酸性媒体中で用いて行われる。従って、この場合、本発明の方法は、第一に、一般式(II)または(IIa)(式中、RまたはRの一方はHであり、かつ、他方はOHである)の化合物を、前述の条件下(すなわち、キノン、シリル化剤および強酸の存在下)で1,2脱水素反応に付することにより、一般式(I)(式中、RまたはRの一方はHであり、かつ、他方はOHである)の化合物を取得し、第二に、前述の事前に得られた一般式(I)の化合物を、先に示したように、酸化反応によって一般式(I)(式中、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と共に、カルボニル基を形成する)の化合物に変換することを含んでなる。
別の特定の実施態様において、一般式(I)(式中、RまたはRの一方はHであり、かつ、他方はOC(=O)Rアシルオキシ基(ここで、RはC−Cアルキルである)、例えば、OAcである)の化合物を、(i)例えば、好適な塩基である水酸化ナトリウムをメタノール中で使用する塩基性媒体中での鹸化、あるいは、例えば、好適な酸である塩酸を極性溶媒中で使用する酸加水分解によるなどの従来の方法によってアシルオキシ基(アセトキシ(OAc)など)をヒドロキシル基に変換し、その後、(ii)例えば、ジョーンズ試薬などのCr(VI)試薬を酸性媒体中で使用することによって、このヒドロキシル基を酸化してカルボニル基にすることにより、一般式(I)(式中、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と共に、カルボニル基を形成する)の化合物に変換することができる。従って、この場合、本発明の方法は、第一に、一般式(II)(式中、RまたはRの一方はHであり、かつ、他方はアシルオキシ基(例えば、OAc)である)の化合物を、前述の条件下(すなわち、キノン、シリル化剤および強酸の存在下)で1,2脱水素反応に付することにより、一般式(I)(式中、RまたはRの一方はHであり、かつ、他方はアシルオキシ基(例えば、OAc)である)の化合物を取得し、第二に、前述の事前に得られた一般式(I)の化合物を、上述のように酸アシルオキシ基の鹸化または酸加水分解およびその後の酸化反応により、一般式(I)(式中、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と共に、カルボニル基を形成する)の化合物に変換することを含んでなる。
別の特定の実施態様において、本発明の方法は、脱水素反応の前に、一般式(II)(式中、RまたはRの一方はHであり、かつ、他方はOHである)の化合物を、一般式(II)(式中、RまたはRの一方はHであり、かつ、他方はアシルオキシ基(例えば、OAc)である)の別の化合物に変換することを含んでなり、これにより、17位にアシルオキシ基(例えば、OAc)を有する前記一般式(II)の化合物上で1,2脱水素反応が行われ、この脱水素反応が終了すると、得られた一般式(I)(式中、RまたはRの一方はHであり、他方はアシルオキシ基(例えば、OAc)である)の化合物は、例えば、酸加水分解または塩基性加水分解によるなどの従来の方法によって、一般式(I)(式中、RまたはRの一方はHであり、かつ、他方はOHである)に変換され、所望であれば、前述の17位にヒドロキシル基を有する一般式(I)の化合物は、上述のように酸化反応によって一般式(I)(式中、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と共に、カルボニル基を形成する)の別の化合物に変換される。ステロイドの1,2位における脱水素の前に、ヒドロキシル基のアシルオキシ基への誘導体化によってヒドロキシル基を保護することにより、脱水素反応の収率がかなり増大するが、出発材料が17位にヒドロキシル基を有する場合も、前述の脱水素反応が高収率で生じる。
他の変換ではステロイドの17位にカルボニル基が得られ、これは、1,2脱水素反応が行われると、酸性媒体中でのケタールの加水分解によって、あるいは、エステル、エーテル、例えば、シリルエーテルのような形態をなす保護されたヒドロキシル基を、従来の方法によって、例えば、“Protective Groups in Organic Synthesis,” 3rd Endition (1999),Green TW et al.に記載されているように、ヒドロキシル保護基の性質に応じて、鉱酸、ルイス酸、有機硫化物などで処理し、次いで、例えば、ジョーンズ試薬などのCr(VI)試薬を酸性媒体中で使用する従来の方法でヒドロキシル誘導体を酸化して、対応するケトンにすることによって脱保護することにより行われる。例示として、ヒドロキシル保護基がC−Cアルキル基である場合、ヒドロキシル保護基の除去は、場合により、例えば、ハロゲン化アルキルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウムなどの相間移動触媒の存在下で、酢酸中での水性臭化水素酸による処理によって行うことができる。
17位にカルボニル基(C=O)を有さない一般式(Ia)の化合物、例えば、RおよびRが、互いに独立して、H、OR、OC(=O)RまたはO−(HPG)(ここで、R、Rおよび(HPG)は前述の意味を有する)を表すか、または、RおよびRが、それらが結合する炭素原子と共に、カルボニル基と同等な基(例えば、イミン、オキシム、ヒドラゾンなど)または環状ケタールを形成する一般式(Ia)の化合物の変換は、当業者に知られている従来の方法によって(例えば、前述の17位に位置する基を加水分解および/または酸化することによって)行うことができる。
特定の実施態様において、出発材料として使用される一般式(IIa)の化合物は、RおよびRが、それらが結合する炭素原子と共に、カルボニル基(C=O)を形成する化合物であるので、1,2位の脱水素後に得られる生成物は、17位にカルボニル基を含有する一般式(Ia)の化合物であり、それ故、更なる変換を行う必要はない。出発材料として使用される一般式(IIa)の化合物が、RおよびRが、それらが結合する炭素原子と共に、カルボニル基(C=O)または環状ケタールを形成する化合物であった場合、脱水素反応後、17位にカルボニルと同等な基または環状アセタールを含有する一般式(Ia)の化合物が得られるので、17位にカルボニル基を取得するには、対応する変換を行う必要があるであろう。このような変換を行うのに必要な試薬および方法は、当業者に知られている。
別の特定の実施態様において、出発材料として使用される一般式(IIa)の化合物は、RまたはRの一方がHであり、かつ、他方がOC(=O)Rアシルオキシ基(ここで、Rは、HまたはC−Cアルキル(例えば、OAc)である化合物であるので、1,2位の脱水素反応を行った後に得られる生成物は、17位にアシルオキシ基を含有する一般式(Ia)の化合物であるので、前述の化合物をエキセメスタンに変換することが必要であろう。簡潔には、1,2位の脱水素後に得られる一般式(Ia)の化合物は、既知の方法によって(例えば、好適な塩基である水酸化ナトリウムをメタノール中で使用する塩基性媒体中での鹸化、または、好適な酸である塩酸を極性溶媒中で使用する酸加水分解によって)酸性媒体または塩基性媒体中で加水分解を行い、その後、上述のように、例えば、ジョーンズ試薬などのCr(VI)試薬を酸性媒体中で用いてヒドロキシル基を酸化してカルボニル基にすることにより、一般式(Ia)(式中、RはOHであり、かつ、RはHである)の化合物に変換し、これにより、エキセメスタンを取得することができる。
別の特定の実施態様において、出発材料として使用される一般式(IIa)の化合物は、RまたはRの一方がHであり、かつ、他方がOHである化合物であるので、1,2位の脱水素反応後に得られる生成物は、17位にヒドロキシル基を含有する一般式(Ia)の化合物であり、故に、前述の化合物をエキセメスタンに変換することが必要であろう。簡潔には、1,2位の脱水素後に得られる一般式(Ia)の化合物は、上述のように、既知の方法による(例えば、ジョーンズ試薬などのCr(VI)試薬を酸性媒体中で使用することによる)直接的な酸化によって、エキセメスタン(一般式(Ia)(式中、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と共に、カルボニル基を形成する)の化合物)に変換することができる。
同様に、一般式(I)の化合物は、溶媒(水を包含するので、「溶媒和物」という用語は水和物を包含する)との相互作用によって溶媒和物を形成することができ、このような形態は本発明の範囲に含まれる。
以下の例は本発明を例証するものであるが、その範囲を制限するものと考えてはならない。
例1
6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3,17−ジオンの取得
Figure 2011506405
1gの6−メチレンアンドロスト−4−エン−3,17−ジオン(3.5mmol)、0.91gの2,3,5,6−テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン(クロラニル)(3.7mmol)、80mlのトルエン、0.03mlのトリフルオロメタンスルホン酸(0.35mmol)および3.74mlのビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセタミド(BSTFA)(14.1mmol)の混合物を、還流温度(約108〜110℃)で45分間攪拌する。次いで、この混合物を室温(20〜22℃)で冷却し、2%水酸化ナトリウム水溶液で6回洗浄し(各回20ml)、30%塩化ナトリウム水溶液で3回洗浄する。有機相を減圧下で蒸発させ、溶媒をヘプタンで置換し、懸濁液を冷却する。生成物を濾過し、冷ヘプタンで洗浄し、乾燥させ、0.81g[収率:81.8%]の粗6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3,17−ジオンを得る。この生成物を、溶媒または溶媒混合物(酢酸エチル、酢酸エチル/ヘプタン、エタノールまたはエタノール/水)中で再結晶化により精製することができる。
再結晶化した固体は、191〜194℃の融点(m.p.)および以下の分光学的特性を有する:
H−NMR(DMSO−d):0.83(3H,s,CH 18),1.09(3H,s,CH 19),1.30−1.80(10 H),1.99(1H,dt,J 9.6; 18.8 Hz,H16),2.39(1H,dd,J 8.8; 18.8 Hz,H16),5.01(2H,s,H 6a),5.96(1H,s,H4),6.12(1H,d,J 10.0 Hz,H2),7.22(1H,d,J 10.0 Hz,H1);
13C−NMR(DMSO−d):14.1(CH 18),20.1(CH 19),22.0(CH),22.2(CH),31.5(CH),35.3(CH),35.9(CH),39.2(CH),44.1(C 13),47.7(C 10),49.9(CH),50.3(CH),112.8(C 6 a),122.4(C4),127.6(C3),146.1(C5),155.8(C1),168.2 (C6),185.7(C3),219.7(C17)。
例2
17β−ヒドロキシ−6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3−オンの取得
Figure 2011506405
2gの17β−ヒドロキシ−6−メチレンアンドロスト−4−エン−3−オン(7mmol)、1.82gのクロラニル(7.4mmol)、160mlのトルエン、0.03mlのトリフルオロメタンスルホン酸(0.35mmol)および3.74mlのBSTFA(14.1mmol)の混合物を、還流温度(約108〜110℃)で4時間攪拌する。次いで、この混合物を室温で冷却し、2%水酸化ナトリウム水溶液で6回洗浄し(各回20ml)、30%塩化ナトリウム水溶液で3回洗浄する。有機相を真空下で蒸留し、溶媒をヘプタンで置換し、懸濁液を冷却する。生成物を濾過し、冷ヘプタンで洗浄し、1.36g[収率:68.4%]の17β−ヒドロキシ−6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3−オンを得る。この生成物は、溶媒または溶媒混合物(例えば、酢酸エチル、酢酸エチル/ヘプタン、メタノールまたはメタノール/水)中で再結晶化により精製することができる。
再結晶化した固体は、以下の分光学的特性を有する:
H−NMR(DMSO−d):0.66(3H,s,CH 18),1.06(3H,s,CH 19),0.85−1.90(12 H),2.44(1H,dd,J 3.6; 13.2 Hz),3.41(1H,m,H17),4.51(1H,s,OH),4.96(2H,s,H 6a),5.94(1H,s,H4),6.12(1H,dd,J 1.9,10.2 Hz,H2),7.22(1H,d,J 10.2Hz,H1);
13C−NMR(DMSO−d):11.9,20.2,22.6,23.7,30.4,36.0,36.7,43.2,44.2,50.2,50.5,80.3,112.5,122.3,127.5,146.5,156.0,168.5,185.8。
例3
17β−アセトキシ−6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3−オンの取得
Figure 2011506405
3.1 硫酸による触媒
10グラムの17β−アセトキシ−6−メチレンアンドロスト−4−エン−3−オン(29mmol)、8gのクロラニル(33mmol)、300mlのトルエン、0.8mlの硫酸(14.5mmol)および25mlのBSTFA(94mmol)の混合物を、還流温度(約108〜110℃)で15時間攪拌する。次いで、この混合物を室温で冷却し、5%メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し(50ml)、2%水酸化ナトリウム水溶液で3回洗浄し(各回100ml)、30%塩化ナトリウム水溶液で3回洗浄する(各回100ml)。溶媒を除去し、酢酸エチル/ヘプタンの混合物を溶出剤として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより残留物を精製することによって、8.0g[収率:80.2%]の17β−アセトキシ−6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3−オンを得る。
再結晶化した固体は、以下の分光学的特性を有する:
H−NMR(DMSO−d):0.79(3H,s,CH 18),1.20(3H,s,CH 19),1.00−1.90,1.97(3H,s,CH Ac),2.00−2.10,2.47,4.50(1H,H17),4.98(2H,s),5.95(1H,s,H4),6.12(1H,dd,J 1.9,10.2 Hz,H2),7.20(1H,d,J 10.2Hz,H1);
13C−NMR(DMSO−d):12.6,20.2,21.5,22.5,23.7,27.7,35.6,36.6,40.0,42.9,44.1,49.9,50.0,82.2,112.6,122.3,127.6,146.3,155.8,168.3,170.9,185.7。
3.2 トリフルオロメタンスルホン酸による触媒
3gの17β−アセトキシ−6−メチレンアンドロスト−4−エン−3−オン(8.7mmol)、2.4gのクロラニル(10mmol)、90mlのトルエン、0.09mlのトリフルオロメタンスルホン酸(0.87mmol)および7.5mlのBSTFA(28.2mmol)を、還流温度(約108〜110℃)で30分間攪拌する。次いで、この混合物を室温で冷却し、5%メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し(15ml)、2%水酸化ナトリウム水溶液で3回洗浄し(各回30ml)、30%塩化ナトリウム水溶液で3回洗浄する(各回30ml)。溶媒を除去し、酢酸エチル/ヘプタンの混合物を溶出剤として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより残留物を精製することによって、2.55g[収率:85.3%]の17β−アセトキシ−6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3−オンを得る。
3.3 p−トルエンスルホン酸による触媒
1gの17β−アセトキシ−6−メチレンアンドロスト−4−エン−3−オン(3.5mmol)、0.8gのクロラニル(3.7mmol)、30mlのトルエン、0.02gのp−トルエンスルホン酸(0.1mmol)および2.85mlのBSTFA(10.8mmol)の溶液を、還流温度(約108〜110℃)で72時間攪拌する。次いで、この混合物を室温で冷却し、5%メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し(10ml)、2%水酸化ナトリウム水溶液で3回洗浄し(各回20ml)、30%塩化ナトリウム水溶液で3回洗浄する。溶媒を除去し、酢酸エチル/ヘプタンの混合物を溶出剤として使用するカラムクロマトグラフィーにより残留物を精製することによって、0.66g[収率:66.6%]の17β−アセトキシ−6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3−オンを得る。
3.4 トリフルオロ酢酸による触媒
0.3gの17β−アセトキシ−6−メチレンアンドロスト−4−エン−3−オン(1mmol)、0.24gのクロラニル(1.1mmol)、9mlのトルエン、0.05mlのトリフルオロ酢酸(0.2mmol)および1.2mlのBSTFA(4.4mmol)の混合物を、還流温度(約108〜110℃)で48時間攪拌する。次いで、この混合物を室温で冷却し、5%メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し(1.5ml)、2%水酸化ナトリウム水溶液で3回洗浄し(各回3ml)、30%塩化ナトリウム水溶液で3回洗浄する(各回3ml)。溶媒を除去し、酢酸エチル/ヘプタンの混合物を溶出剤として使用するカラムクロマトグラフィーにより残留物を精製することによって、0.2g[収率:67.3%]の17β−アセトキシ−6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3−オンを得る。
3.5 トリフルオロ酢酸による触媒および脱水素剤としての2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン(DDQ)の使用
2gの17β−アセトキシ−6−メチレンアンドロスト−4−エン−3−オン(7mmol)、1.76gの2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン(DDQ)(7.4mmol)、60mlのトルエン、0.1mlのトリフルオロ酢酸(1.4mmol)および8mlのBSTFA(29.4mmol)の混合物を、60℃で32時間攪拌する。次いで、この混合物を室温で冷却し、5%メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し(10ml)、2%水酸化ナトリウム水溶液で3回洗浄し(各回20ml)、30%塩化ナトリウム水溶液で3回洗浄する(各回20ml)。溶媒を除去し、酢酸エチル/ヘプタンの混合物を溶出剤として使用するカラムクロマトグラフィーにより残留物を精製することによって、0.49g[収率:24.7%]の17β−アセトキシ−6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3−オンを得る。
3.6 トリフルオロメタンスルホン酸による触媒および脱水素剤としての2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノンの使用
0.5gの17β−アセトキシ−6−メチレンアンドロスト−4−エン−3−オン(1.8mmol)、0.44gの2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン(1.85mmol)、15mlのトルエン、0.02mlのトリフルオロメタンスルホン酸(0.18mmol)および2mlのBSTFA(7.2mmol)の混合物を、20℃で48時間攪拌する。次いで、この混合物を、5%メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し(2.5ml)、2%水酸化ナトリウム水溶液で3回洗浄し(各回5ml)、30%塩化ナトリウム水溶液で3回洗浄する(各回5ml)。溶媒を除去し、酢酸エチル/ヘプタンの混合物を溶出剤として使用するカラムクロマトグラフィーにより残留物を精製することによって、0.25g[収率:50.5%]の17β−アセトキシ−6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3−オンを得る。
3.7 シリル化剤としてのトリメチルシリルイミダゾールの使用
0.5gの17β−アセトキシ−6−メチレンアンドロスト−4−エン−3−オン(1.5mmol)、0.4gのクロラニル(1.7mmol)、15mlのトルエン、0.02mlのトリフルオロメタンスルホン酸(0.15mmol)および1.8mlのトリメチルシリルイミダゾール(5.9mmol)の混合物を、トルエン還流(約108〜110℃)下で53時間攪拌する。次いで、この混合物を室温で冷却し、5%メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し(2.5ml)、2%水酸化ナトリウム水溶液で3回洗浄し(各回5ml)、30%塩化ナトリウム水溶液で3回洗浄する(各回5ml)。溶媒を除去し、酢酸エチル/ヘプタンの混合物を溶出剤として使用するカラムクロマトグラフィーにより残留物を精製することによって、0.02g[収率:4.04%]の17β−アセトキシ−6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3−オンを得る。
3.8 シリル化剤としてのトリメチルシリルウレアの使用
0.3gの17β−アセトキシ−6−メチレンアンドロスト−4−エン−3−オン(0.9mmol)、0.25gのクロラニル(1mmol)、9mlのトルエン、0.01mlのトリフルオロメタンスルホン酸(0.09mmol)および0.75gのトリメチルシリルウレア(3.5mmol)の混合物を、トルエン還流(約108〜110℃)下で68時間攪拌する。次いで、この混合物を室温で冷却し、5%メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し(2.5ml)、2%水酸化ナトリウム水溶液で3回洗浄し(各回5ml)、30%塩化ナトリウム水溶液で3回洗浄する(各回5ml)。溶媒を除去し、酢酸エチル/ヘプタンの混合物を溶出剤として使用するカラムクロマトグラフィーにより残留物を精製することによって、0.05g[収率:16.8%]の17β−アセトキシ−6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3−オンを得る。
例4
17β−アセトキシ−6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3−オンの、6−メチレン−17β−ヒドロキシアンドロスト−1,4−ジエン−3−オンおよび6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3,17−ジオン(エキセメスタン)への変換
Figure 2011506405
メタノール32l中水酸化ナトリウム0.86kg(21.5mol)の溶液を、21lのメタノール中7.15kg(21.5mol)の17β−アセトキシ−6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3−オン(実施例3)の懸濁液に負荷する。それを2時間攪拌し、混合物を1.3kg(21.5mol)の酢酸で中和する。57lの水を添加することによって生成物を結晶化させ、懸濁液を冷却し、濾過し、洗浄して、6.25kgの6−メチレン−17β−ヒドロキシアンドロスト−1,4−ジエン−3−オンを得る。
6.0kg(20.9mol)の水和物形態をなす6−メチレン−17β−ヒドロキシアンドロスト−1,4−ジエン−3−オンを120mlのアセトンに0℃で懸濁させ、2.46kg(24.6mol)の三酸化クロム、7.2lの水および2.1lの硫酸で調製したジョーンズ試薬の溶液をゆっくりと負荷し、反応混合物の色が変わらず赤色であることを確認する。3lのイソプロパノールを添加し、クロム塩を濾過し、アセトンを初期容量の15%まで蒸留し、水(48l)の添加によって生成物を結晶化させ、濾過および乾燥を行う。4.80kgの6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3,17−ジオン(エキセメスタン)が得られる。エキセメスタンは、溶媒または溶媒混合物(酢酸エチル、酢酸エチル/ヘプタン、エタノールまたはエタノール/水)中で再結晶化により精製することができる。
例5(参考例)
17β−ヒドロキシ−6−メチレンアンドロスト−4−エン−3−オンと、DDQおよびジオキサンとの反応
Figure 2011506405
0.27g(0.96mmol)の17β−ヒドロキシ−6−メチレン−アンドロスト−4−エン−3−オンと、20mlのジオキサン中0.34g(1.50mmol)の2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン(DDQ)とを、還流温度(約100〜102℃)で不活性雰囲気中18時間攪拌する。反応混合物をアルミナで濾過し、それをジオキサンで洗浄し、溶媒を減圧下で除去し、残留物をアルミナ床に通して濾過し、酢酸エチルで溶出する。溶液を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させ、0.0458gの粗反応生成物を得るが、ここでは、期待した生成物である6−メチレン−17β−ヒドロキシアンドロスト−1,4−ジエン−3−オンは検出されない。
例6(参考例)
6−メチレンアンドロスト−4−エン−3,17−ジオンと、DDQおよびジオキサンとの反応
Figure 2011506405
5g(0.017mol)の6−メチレン−アンドロスト−4−エン−3,17−ジ−オンと、200mlのジオキサン中5.7g(0.025mol)の2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン(DDQ)とを、還流温度(約100〜102℃)で不活性雰囲気中15時間攪拌する。反応混合物をアルミナで濾過し、それをジオキサンで洗浄し、溶媒を減圧下で除去する。残留物を酢酸エチルに再溶解させ、それを水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させ、3.5gの粗反応生成物を得るが、ここでは、期待した生成物である6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3,17−ジオン(エキセメスタン)は検出されない。
例7(参考例)
安息香酸の存在下での、17β−ヒドロキシ−6−メチレンアンドロスト−4−エン−3−オンとDDQとの反応
Figure 2011506405
0.5g(1.66mmol)の17β−ヒドロキシ−6−メチレンアンドロスト−4−エン−3−オン、0.57g(2.5mmol)の2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン(DDQ)および20mlのベンゼン中0.1g(2.33mmol)の安息香酸を、還流温度(約80〜82℃)で不活性雰囲気中5時間攪拌する。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、0.07gの17β−ヒドロキシ−6−メチレンアンドロスト−1,4−ジエン−3−オンを得る(収率:14%)。

Claims (16)

  1. 一般式(I):
    Figure 2011506405
    (式中、
    Rは、HまたはC−Cアルキルであり;
    およびRは、互いに独立して、H、OR、OC(=O)RまたはO−(HPG)
    (ここで、
    は、H、C−Cアルキルまたはアリールであり;
    は、HまたはC−Cアルキルであり;かつ、
    HPGは、ヒドロキシル保護基である)を表すか;または、
    およびRは、それらが結合する炭素原子と共に、カルボニル基もしくは同等物または環状ケタールを形成する)
    の6−アルキリデンアンドロスト−1,4−ジエン−3−オンおよびその溶媒和物を取得するための方法であって、
    a)一般式(II):
    Figure 2011506405
    (式中、R、RおよびRは前述の意味を有する)
    の化合物を、キノン、シリル化剤および水溶液中でのpKaが1以下である酸の存在下で、1,2位の脱水素反応に付することを含んでなる、方法。
  2. 一般式(IIa):
    Figure 2011506405
    (式中、
    およびRは、互いに独立して、H、OR、OC(=O)RまたはO−(HPG)
    (ここで、
    は、H、C−Cアルキルまたはアリールであり;
    は、HまたはC−Cアルキルであり;かつ、
    HPGは、ヒドロキシル保護基である)を表すか;または、
    およびRは、それらが結合する炭素原子と共に、カルボニル基もしくは同等物または環状ケタールを形成する)
    の化合物を、キノン、シリル化剤および水溶液中でのpKaが1以下である酸の存在下で、1,2位の脱水素反応に付することにより、一般式(Ia):
    Figure 2011506405
    (式中、RおよびRは前述の意味を有する)
    の化合物を取得することを含んでなる、エキセメスタンを得るための、請求項1に記載の方法。
  3. 前記シリル化剤が、ビストリメチルシリルトリハロアセタミド、ビストリメチルシリルアセタミド、ヘキサメチルジシラザン、ビストリメチルシリルウレアおよびこれらの混合物からなる群から選択されるものである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記シリル化剤が、ビストリメチルシリルトリフルオロアセタミド(BSTFA)である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記キノンが、2,3,5,6−テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノンおよびこれらの混合物からなる群から選択されるものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記キノンが、2,3,5,6−テトラクロロ−1,4−ベンゾキノンである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記酸が、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、硫酸、臭化水素酸、過塩素酸およびこれらの混合物からなる群から選択されるものである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記酸が、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、硫酸およびこれらの混合物からなる群から選択されるものである、請求項7に記載の方法。
  9. 前記キノンが2,3,5,6−テトラクロロ−1,4−ベンゾキノンであり、前記シリル化剤がビストリメチルシリルトリフルオロアセタミドであり、かつ、強酸がトリフルオロメタンスルホン酸または硫酸である、請求項1または2に記載の方法。
  10. 一般式(I)または(Ia)の化合物を、17位に存在する基を加水分解および/または酸化することにより、一般式(I)または(Ia)の別の化合物にそれぞれ変換することを含んでなる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 一般式(I)または(Ia)(式中、RまたはRの一方はHであり、かつ、他方はOHである)の化合物を、ヒドロキシル基の酸化反応により、一般式(I)または(Ia)(式中、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と共に、カルボニル基を形成する)の化合物にそれぞれ変換することを含んでなる、請求項10に記載の方法。
  12. 前記ヒドロキシル基の酸化反応が、酸性媒体中、Cr(VI)試薬を用いて行われる、請求項11に記載の方法。
  13. 一般式(I)または(Ia)(式中、RまたはRの一方はHであり、かつ、他方はアシルオキシ基(OC(=O)R(ここで、Rは前述の意味を有する))である)の化合物を、該アシルオキシ基を加水分解し、その後、発生したヒドロキシル基を酸化することにより、一般式(I)または(Ia)(式中、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と共に、カルボニル基を形成する)の化合物にそれぞれ変換することを含んでなる、請求項10に記載の方法。
  14. 前記一般式(IIa)の化合物が、RおよびRが、それらが結合する炭素原子と共に、カルボニル基を形成する化合物である、請求項2〜9のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記一般式(IIa)の化合物が、RまたはRの一方がHであり、かつ、他方がOC(=O)Rアシルオキシ基(ここで、Rは前述の意味を有する)である化合物であり、前記方法が、得られた17位にアシルオキシ基を含有する一般式(Ia)の化合物を、該アシルオキシ基を加水分解し、その後、発生したヒドロキシル基を酸化することによってエキセメスタンに変換することを含んでなる、請求項2〜9のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記一般式(IIa)の化合物が、RまたはRの一方がHであり、かつ、他方がOHである化合物であり、前記方法が、1,2位の脱水素後に、得られた一般式(Ia)の化合物のヒドロキシル基を酸化することを含んでなる、請求項11に記載の方法。
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