JP2011255917A - 無菌充填用容器の殺菌方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 殺菌時間を短縮し、且つ耐性菌を含むあらゆる菌株を殺菌することのできる無菌充填用容器の殺菌方法を提供する。
【解決手段】 (1)無菌充填用容器の内表面及び/又は外表面に、45〜70℃に調整された過酢酸濃度1000〜3000ppmの過酢酸系殺菌剤を15〜40秒間接触させる第一殺菌工程と、
(2)前記工程の後、該容器の内表面及び/又は外表面に、さらに45〜70℃,pH5〜6.5に調整された有効塩素濃度20〜40ppmの次亜塩素酸系殺菌剤を5〜30秒間接触させる第二殺菌工程と
を備えることを特徴とする無菌充填用容器の殺菌方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、無菌充填用容器の殺菌方法、特に殺菌時間の短縮及び耐性菌等に対する殺菌効果の改善に関する。
従来の無菌充填用容器の殺菌においては、一般的に、加温した過酢酸系の殺菌製剤が広く用いられている(例えば、特許文献1〜4参照)。過酢酸系の殺菌製剤は、あらゆる菌株に対して強力な殺菌効果を有しているものの、高濃度での使用は、人体への影響、対外環境、廃水への負荷、金属腐食等の問題がある。また、このために殺菌製剤の濃度を低く抑えようとすると、十分な殺菌効果を得るためには殺菌時間を長くする必要があり、生産性の点で問題を生じる。さらに、実際の製造現場においては、近年、過酢酸系殺菌製剤に対して強い耐性を有する菌も数多く発見されている。
一方、次亜塩素酸を主殺菌成分とする微酸性電解水を加温して用いることで、強い殺菌効果が得られることが知られている(例えば、特許文献5〜8参照)。このような次亜塩素酸水は、食品添加物としても承認されていることから、過酢酸系殺菌製剤の代替製剤としての使用が期待されている。しかしながら、次亜塩素酸系の殺菌製剤においても、強い耐性菌株が存在するため、単独での殺菌効果は十分なものとは言えなかった。また、次亜塩素酸の殺菌効果も比較的強いとは言え、現行の一般的な無菌充填ラインの生産速度では、無菌性を確保できるだけの殺菌効果(SAL10−6)が十分に得られないため、生産速度を下げざるを得ないという問題もあった。
特開平8−58744号公報 特開平11−342919号公報 特再WO2007/148410号公報 特開2009−113858号公報 特開2002−332018号公報 特開2005−138001号公報 特開2006−61006号公報 特開2006−68184号公報
本発明は上記従来技術の課題に鑑みて行なわれたものであり、すなわち、その解決すべき課題は、殺菌時間を短縮し、且つ耐性菌を含むあらゆる菌株を殺菌することのできる無菌充填用容器の殺菌方法を提供することにある。
前記従来技術の課題に鑑み、本発明者らが鋭意検討を行なった結果、無菌充填用の容器に対して過酢酸系殺菌剤を短時間接触させた後、さらに次亜塩素酸系殺菌剤を短時間接触させることによって、短い殺菌時間でありながら、耐性菌を含むあらゆる菌株を殺菌することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる無菌充填用容器の殺菌方法は、無菌充填用容器の内表面及び/又は外表面に、45〜70℃に調整された過酢酸濃度1500〜3000ppmの過酢酸系殺菌剤を15〜40秒間接触させる第一殺菌工程と、前記工程の後、該容器の内表面及び/又は外表面に、さらに45〜70℃,pH5〜6.5に調整された有効塩素濃度20〜40ppmの次亜塩素酸系殺菌剤を5〜40秒間接触させる第二殺菌工程とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明にかかる殺菌方法において、前記過酢酸系殺菌剤が、過酸化水素と過酢酸の混合液を含む殺菌剤であり、前記次亜塩素酸系殺菌剤が、塩酸添加水を電気分解して得られる次亜塩素酸水を含む殺菌剤であることが好適である。
本発明にかかる無菌充填用容器の殺菌方法によれば、短い殺菌時間でありながら、耐性菌を含むあらゆる菌株を殺菌することができる。
本発明にかかる殺菌方法を実施するための容器の無菌充填ラインの一実施形態を示す。
本発明にかかる無菌充填用容器の殺菌方法は、(1)無菌充填用容器の内表面及び/又は外表面に、45〜70℃に調整された過酢酸濃度1000〜3000ppmの過酢酸系殺菌剤を15〜40秒間接触させる第一殺菌工程と、(2)前記工程の後、該容器の内表面及び/又は外表面に、さらに45〜70℃,pH5〜6.5に調整された有効塩素濃度20〜40ppmの次亜塩素酸系殺菌剤を5〜40秒間接触させる第二殺菌工程とを備えることを特徴とする。
なお、本発明の殺菌方法の対象となる容器については、特に限定されるものではないが、例えば、PETボトル容器等のプラスチック製容器、金属缶等の金属製容器が挙げられる。
(1)第一殺菌工程
第一殺菌工程においては、無菌充填用容器の内表面及び/又は外表面に、45〜70℃に調整された過酢酸濃度1000〜3000ppmの過酢酸系殺菌剤を15〜40秒間接触させる。
ここで、本発明に使用される過酢酸系殺菌剤としては、CHCOOOHで表わされる過酢酸を含む製剤であれば、特に限定されることなく用いることができるが、特に過酸化水素と過酢酸との混合液を含む殺菌剤を好適に使用することができる。このような過酸化水素/過酢酸系の殺菌剤としては、例えば、オキソニアアクティブ(エコラボ社製)が挙げられる。
また、(1)第一殺菌工程においては、以上のような過酢酸系殺菌剤を45〜70℃に調整し、さらに過酢酸濃度1000〜3000ppmの条件で容器の内表面及び/又は外表面に接触させる。過酢酸系殺菌剤の温度が低すぎると、殺菌効果が十分に得られない場合があり、一方で温度が高すぎると、容器の変形等を生じる恐れがある。また、過酢酸系殺菌剤の濃度が低すぎると、殺菌効果が十分に得られず、一方で濃度が高すぎると、殺菌剤の残存による人体への影響や、廃液による環境への影響、あるいは装置の金属腐食等の問題が生じるため望ましくない。また、上記条件の過酢酸系殺菌剤は、容器の内表面及び/又は外表面に15〜40秒間接触させる。接触時間が短いと十分な殺菌効果が得られず、一方で接触時間を長くすると殺菌効果は高くなるものの、生産性の点で望ましくない。
(2)第二殺菌工程
第二殺菌工程においては、前記(1)工程の後、容器の内表面及び/又は外表面に、さらに45〜70℃,pH5〜6.5に調整された有効塩素濃度20〜40ppmの次亜塩素酸系殺菌剤を5〜40秒間接触させる。
ここで、本発明に使用される次亜塩素酸系殺菌剤とは、OClで表わされる次亜塩素酸イオンを含む製剤であれば、特に限定されることなく用いることができ、例えば、次亜塩素酸ナトリウムの希塩酸水溶液、次亜塩素酸ナトリウムのアルカリ性水溶液等が挙げられるが、特に塩酸添加水を電気分解して得られる次亜塩素酸水を含む殺菌剤を好適に使用することができる。このような電解次亜塩素酸水を含む殺菌剤としては、例えば、ピュアスター水(森永エンジニアリング社製)が挙げられる。
また、(2)第二殺菌工程においては、以上のような次亜塩素酸系殺菌剤を45〜70℃,pH5〜6.5に調整し、さらに有効塩素濃度20〜40ppmの条件で容器の内表面及び/又は外表面に接触させる。次亜塩素酸系殺菌剤の温度が低すぎると、殺菌効果が十分に得られない場合があり、一方で温度が高すぎると、容器の変形等を生じる恐れがある。また、次亜塩素酸系殺菌剤のpHが前記範囲を外れると、十分な殺菌効果が得られない場合がある。また、次亜塩素酸系殺菌剤の濃度が低すぎると、殺菌効果が十分に得られず、一方で濃度が高すぎると、容器中への残存塩素の問題や、装置の金属腐食を生じる恐れがある。また、上記条件の次亜塩素酸系殺菌剤は、容器の内表面及び/又は外表面に5〜40秒間接触させる。接触時間が短いと十分な殺菌効果が得られず、一方で接触時間を長くすると殺菌効果は高くなるものの、生産性の点で望ましくない。
本発明の殺菌方法においては、上記条件の(1)第一殺菌工程と(2)第二殺菌工程とを行なうことによって、短い殺菌時間でありながら、耐性菌を含むあらゆる菌株を殺菌することができ、より具体的には、生存菌数を6D(10−6)未満とすることができる。
なお、仮に次亜塩素酸系殺菌剤による(2)第二殺菌工程を先に行ない、次いで過酢酸系殺菌剤による(1)第一殺菌工程を行なった場合には、適用する殺菌剤の濃度や条件が同一であったとしても、十分な殺菌効果を得ることはできない。
なお、上記(1),(2)の各殺菌工程における過酢酸系殺菌剤、及び次亜塩素酸系殺菌剤の適用条件について、さらに詳しくまとめると以下のようになる。
(1)工程において、45〜55℃,過酢酸濃度1500〜3000ppmの条件で、接触時間を20〜40秒とした場合、(2)工程において、60〜70℃,pH5〜6.5,有効塩素濃度20〜40ppmの条件で、接触時間を20〜40秒とすることで、>6Dの殺菌効果が得られる。
また、(1)工程において、55〜70℃,過酢酸濃度1500〜2000ppmの条件で、接触時間を20〜30秒とした場合、(2)工程において、60〜70℃,pH5〜6.5,有効塩素濃度20〜40ppmの条件で、接触時間を25〜40秒とすることで、>6Dの殺菌効果が得られる。
また、(1)工程において、55〜70℃,過酢酸濃度2000〜2500ppmの条件で、接触時間を20〜25秒とした場合、(2)工程において、60〜70℃,pH5〜6.5,有効塩素濃度20〜40ppmの条件で、接触時間を10〜40秒とすることで、>6Dの殺菌効果が得られる。
また、(1)工程において、55〜70℃,過酢酸濃度2500〜3000ppmの条件で、接触時間を15〜25秒とした場合、(2)工程において、60〜70℃,pH5〜6.5,有効塩素濃度20〜40ppmの条件で、接触時間を6〜40秒とすることで、>6Dの殺菌効果が得られる。
通常の無菌充填ラインにおいては、上記(1)及び(2)工程の後、水洗工程を行なうことによって容器の内表面及び/又は外表面に付着した殺菌剤を洗い流すことが望ましい。なお、(2)工程で使用される次亜塩素酸系殺菌剤として次亜塩素酸水が使用され、且つその濃度が十分に低い場合には、当該次亜塩素酸水は食品添加物としても承認されていることから、水洗工程を省略することもできる。
さらに、上記水洗工程の後、充填工程によって、飲料等の各種食品が容器内に充填され、キャップにより密封されて製品とされる。
以下、図面に基づいて、本発明にかかる殺菌方法の好適な実施形態を説明する。
本発明にかかる殺菌方法を実施するための容器の無菌充填ラインの一実施形態を、図1に示す。
図1において、10は無菌充填ラインにおける殺菌・充填部を抜粋した模式図である。無菌充填ライン10は、第一殺菌部12,第二殺菌部14,水洗部16,及び充填部18を備えている。
第一殺菌部12は、殺菌液を容器に噴射する殺菌ノズル12aと、容器を回転搬送するターレット12bとを備える。また、第二殺菌部14は、殺菌液を容器に噴射する殺菌ノズル14aと、容器を回転搬送するターレット14bとを備える。また、水洗部16は、水を噴射する容器に水洗ノズル16aと、容器を回転搬送するターレット16bとを備える。また、充填部18は、内容物を容器に充填する充填ノズル18aと、容器を回転搬送するターレット18bとを備える。
本実施形態において、PETボトル容器20は、ベルトコンベア等の搬送装置によって、第一殺菌部12へと導入される。ここで、殺菌ノズル12aからは、45〜70℃に調整された過酢酸濃度1000〜3000ppmの過酢酸系殺菌剤が噴射され、容器の内表面及び/又は外表面へと接触させられる。また、過酢酸系殺菌剤との接触時間は15〜40秒間となるように、ターレット12bの回転数が調整される。
第一殺菌部12を通過したPETボトル容器20は、続いて第二殺菌部14へと導入すされる。ここで、殺菌ノズル14aからは、45〜70℃,pH5〜6.5に調整された有効塩素濃度20〜40ppmの次亜塩素酸系殺菌剤が噴射され、容器の内表面及び/又は外表面へと接触させられる。また、次亜塩素酸系殺菌剤との接触時間は5〜40秒間秒間となるように、ターレット14bの回転数が調整される。
次いで、第二殺菌部14を通過したPETボトル容器20は、水洗部16へと導入される。水洗ノズル16aからは、水洗液が容器の内表面及び/又は外表面へと噴射され、第一殺菌部及び第二殺菌部により容器中へと付着した殺菌剤が洗い流される。また、必要に応じて、PETボトル容器20を倒立あるいは熱風乾燥する等して、容器中から水洗液を除去してもよい。あるいは、第二殺菌部14において使用される次亜塩素酸系殺菌剤として次亜塩素酸水を使用し、且つその濃度が十分に低い場合には、当該次亜塩素酸水は食品添加物としても承認されていることから、当該水洗部16における水洗工程を省略してもよい。
水洗工程16を通過したPETボトル容器20は、最後に充填部18へと導入される。充填ノズル18aからは、飲料等の各種食品がPETボトル20内部へと充填される。充填部18において内容物が充填されたPETボトル20は、さらに系外へと搬送されて、別途殺菌されたキャップによって密封される。
以下、本発明にかかる容器の殺菌方法の実施例を挙げてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、各試験において使用した菌株は、予め過酸化水素/過酢酸系殺菌剤、及び電解次亜塩素酸水を単独で用いた殺菌試験において耐性の確認された菌株を中心に、その他一般的な殺菌試験に用いられる芽胞菌株、カビ類や嫌気性菌株等を選択した。
試験例1(過酢酸系殺菌剤による殺菌処理)
予め殺菌した500mlPETボトル容器に、下記表1に示す各種菌株をそれぞれ塗布し、クリーンベンチ内で乾燥させた。
菌を塗布したそれぞれのPETボトル容器を無菌充填ラインへと導入し、65℃に加温した過酸化水素/過酢酸系殺菌剤(オキソニアアクティブ:エコラボ社製;過酢酸濃度1500ppm)をPETボトル容器の内表面へと噴霧した。殺菌時間は、噴霧時間と工程間の搬送時間とを併せて25秒であった。
次いで、殺菌剤の噴霧されたPETボトル容器の内表面に、65℃に加温された水洗液を噴霧し、容器内を水洗した。
水洗後のPETボトル容器に、SCD培地を400ml充填し、予め殺菌したキャップにより巻き締めた。
以上で得られた各PETボトル容器を30℃で7日間保存し、菌を培養した。
試験例2(過酢酸系殺菌剤→次亜塩素酸系殺菌剤による処理)
予め殺菌した500mlPETボトル容器に、下記表1に示す各種菌株をそれぞれ塗布し、クリーンベンチ内で乾燥させた。
菌を塗布した各PETボトル容器を無菌充填ラインへと導入し、65℃に加温した過酸化水素/過酢酸系殺菌剤(オキソニアアクティブ:エコラボ社製;過酢酸濃度1500ppm)をPETボトル容器の内表面へと噴霧した。殺菌時間は、噴霧時間と工程間の搬送時間とを併せて25秒であった。
さらに、65℃に加温した電解次亜塩素酸水(ピュアスター水:森永エンジニアリング社製;pH5.65,有効塩素濃度32ppm)をPETボトル容器の内表面へと噴霧した。殺菌時間は、噴霧時間と工程間の搬送時間とを併せて10秒であった。
次いで、PETボトル容器に、SCD培地を400ml充填し、予め殺菌したキャップにより巻き締めた。
以上で得られた各PETボトル容器を30℃で7日間保存し、菌を培養した。
試験例3(次亜塩素酸系殺菌剤→過酢酸系殺菌剤による処理)
予め殺菌した500mlPETボトル容器に、下記表1に示す各種菌株をそれぞれ塗布し、クリーンベンチ内で乾燥させた。
菌を塗布した各PETボトル容器を無菌充填ラインへと導入し、65℃に加温した電解次亜塩素酸水(ピュアスター水:森永エンジニアリング社製;pH5.65,有効塩素濃度32ppm)をPETボトル容器の内表面へと噴霧した。殺菌時間は、噴霧時間と工程間の搬送時間とを併せて12秒であった。
さらに、65℃に加温した過酸化水素/過酢酸系殺菌剤(オキソニアアクティブ:エコラボ社製;過酢酸濃度1500ppm)をPETボトル容器の内表面へと噴霧した。殺菌時間は、噴霧時間と工程間の搬送時間とを併せて15秒であった。
次いで、殺菌剤の噴霧されたPETボトル容器の内表面に、65℃に加温された水洗液を噴霧し、容器内を水洗した。
水洗後のPETボトル容器に、SCD培地を400ml充填し、予め殺菌したキャップにより巻き締めた。
以上で得られた各PETボトル容器を30℃で7日間保存し、菌を培養した。
〈変敗評価〉
以上のようにして得られた各試験例のPETボトル容器について、7日間培養後の培地の変敗の有無を目視によって評価した。なお、それぞれの試験例について、同条件での試験をそれぞれ3回ずつ行なった。
結果を下記表1に示す。なお、表中、”+”は陽性(変敗)、”−”は陰性(異常無し)を表す。
Figure 2011255917
上記表1に示すように、過酢酸系の殺菌剤のみを用いて殺菌した試験例1−1〜1−3では、特にPaenibacillus属の菌株を殺菌することができておらず、また、Bacillus属の菌株の中にも一部殺菌できていないものが存在した。これは、過酢酸系の殺菌剤に対する耐性菌が存在すること、及び殺菌剤の接触時間が比較的短いために十分な殺菌効果が得られていないことによるものと考えられる。
これに対して、過酢酸系殺菌剤による殺菌処理後、次亜塩素酸系殺菌剤を用いて殺菌した試験例2−1〜2−3においては、比較的短い殺菌時間であるにもかかわらず、いずれの菌株に対しても高い殺菌効果を示していることがわかった。特に、過酢酸系殺菌剤のみでは殺菌することのできなかったPaenibacillus属の菌株に対しても、十分な殺菌効果が得られた。
一方で、先に次亜塩素酸系殺菌剤により殺菌し、次いで過酢酸系殺菌剤を用いて殺菌した試験例3−1〜3−1では、上記試験例2と同一の殺菌剤を同程度使用しているにもかかわらず、過酢酸系殺菌剤単独の試験例1と同様に、Paenibacillus属の菌株を殺菌することはできなかった。
以上の結果から、殺菌剤を適用する順序が殺菌効果に大きく影響しており、過酢酸系殺菌剤による殺菌後、次亜塩素酸系殺菌剤による殺菌処理を行なうことが、あらゆる菌株を殺菌するという点で特に重要であることが明らかとなった。
10 無菌充填ライン
12 第一殺菌部
14 第二殺菌部
16 水洗部
18 充填部
20 PETボトル容器

Claims (2)

  1. (1)無菌充填用容器の内表面及び/又は外表面に、45〜70℃に調整された過酢酸濃度1000〜3000ppmの過酢酸系殺菌剤を15〜40秒間接触させる第一殺菌工程と、
    (2)前記工程の後、該容器の内表面及び/又は外表面に、さらに45〜70℃,pH5〜6.5に調整された有効塩素濃度20〜40ppmの次亜塩素酸系殺菌剤を5〜30秒間接触させる第二殺菌工程と
    を備えることを特徴とする無菌充填用容器の殺菌方法。
  2. 請求項1に記載の殺菌方法において、前記過酢酸系殺菌剤が、過酸化水素と過酢酸の混合液を含む殺菌剤であり、前記次亜塩素酸系殺菌剤が、塩酸添加水を電気分解して得られる次亜塩素酸水を含む殺菌剤であることを特徴とする無菌充填用容器の殺菌方法。
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