JP2011254143A - 端末装置、基地局装置及びそれらを用いた無線通信システム - Google Patents

端末装置、基地局装置及びそれらを用いた無線通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】各端末が有する複数の受信アンテナのいずれかを対象とした空間多重を行う場合に、全アンテナで受信された信号を適切に合成することが可能となり、良好な受信特性を得ることができる。
【解決手段】各端末からの伝搬路情報を受信アンテナ部28で受信し、無線部27、A/D部26を介して受信部25で伝搬路行列Hを得る。得られた伝搬路行列は送信ウェイト・干渉係数算出部24で送信ウェイトと干渉係数の算出が行われる。送信ウェイトは送信ウェイト乗算部17,23に、干渉係数は上位層10と干渉生成部15に入力される。干渉生成部15で干渉係数に基づいて干渉信号を生成し、干渉減算部13で希望信号から干渉信号を減算する。modulo部14では、干渉減算部13を出力した情報信号の振幅を一定範囲に収まるように信号を加算し、信号多重部18で、非線形演算を行った信号を空間多重化する。
【選択図】図2

Description

本発明は、MIMO伝送等における複数の送信アンテナを有する基地局から複数の受信アンテナを有する端末装置宛に空間多重を施した信号を伝送する端末装置、基地局装置及びそれらを用いた無線通信システムに関する。
セルラシステムにおけるデータ通信量の増加に伴う周波数資源の逼迫を解決するために、高い周波数利用効率と高速伝送を実現する技術として、基地局に備えられた複数の送信アンテナを用いて複数の送信信号を空間多重するダウンリンクMIMO(Multiple‐Input Multiple‐Output)伝送の研究が盛んに行われている。このダウンリンクMIMO伝送のうち、複数のアンテナを有する単一端末宛に複数の送信信号を空間多重するSingle User−MIMO(SU−MIMO)は各端末の最大伝送速度を向上するために必須の技術であるが、端末が備えるアンテナ数の制限により、基地局が有する送信アンテナを有効に活用できない可能性がある。これに対し、図7に示すように、複数の端末2000a,b,c宛の送信信号を空間多重して同時に伝送するMulti User−MIMO(MU−MIMO)は、各端末2000−a,b,cが備えるアンテナ数が少ない場合にも基地局側のアンテナを有効に活用することが可能であり、セルスループットを向上させる技術として注目されている。
MU−MIMO伝送では、複数端末宛の信号を同一リソースで伝送するため、各端末の受信信号が干渉し合わないよう、基地局側で予めプリコーディングを施して伝送する必要がある。このプリコーディング方法としては、大別して、複数の送信信号に線形ウェイトを乗算する線形プリコーディングと、送信信号から既知の干渉信号を逐次減算した後に線形ウェイトを乗算する非線形プリコーディングがあるが、線形プリコーディングは非線形プリコーディングと比較して特性はやや劣化するものの、非常に簡易な処理により複数の信号の空間多重を実現することができる。
線形プリコーディングには幾つかの種類があるが、各端末で受信される信号と所望信号の平均2乗誤差を最小とする線形MMSE(Minimum Mean Square Error)プリコーディングは、比較的簡易な処理で良好な伝送特性が得られる方式である。ここで、基地局が4つの送信アンテナを有し、それぞれ2つの受信アンテナを有する4端末に対する信号を空間多重する場合の線形MMSEによるウェイトPMMSEを以下に示す。但し、各端末が有する2つの受信アンテナのうちの1つと基地局が有する4アンテナとの間の伝搬路状態を各端末は基地局に通知するものとする。各端末からそれぞれ通知された伝搬路をまとめて表す行列をHとすると、ウェイトPMMSEは次式で表される。
Figure 2011254143
但し、H=[H11 21 31 41 であり、Hmnは端末mのアンテナnと基地局の4アンテナとの間の伝搬路を表す1行4列のベクトルである。また、ξは平均雑音電力対信号電力比であり、Ik×kはk行k列の単位行列を示している。ここで、端末宛の信号ベクトルをx=[x とすると、基地局に伝搬路を通知した各アンテナで受信された信号をまとめた受信信号ベクトルy=[y11 21 31 41は、y=HPMMSEx+nと表される。但し、n=[n11 21 31 41は端末mのアンテナnで加わる熱雑音を表すベクトルである。
このような線形ウェイトPMMSEを各端末宛の信号に乗算して伝送することにより、各端末宛の信号が受信側で互いに干渉し合うユーザ間干渉を抑圧し、複数の端末宛の信号を空間多重することが可能となる。このように空間多重された信号を受信する端末mでは、それぞれアンテナ1で受信される信号を復調することにより所望の情報を得ることができるが、各端末はそれぞれ2つずつの受信アンテナを有しており、基地局での空間多重処理の対象となっていないアンテナ2においても何らかの信号が受信される。このアンテナ2で受信される信号は、基地局での空間多重処理の対象となっておらず、ユーザ間干渉が非常に多く含まれる信号となるため、各端末のアンテナ2で受信された信号を復調しても所望信号を正しく得ることはできない。しかし、この信号にも所望信号成分が含まれるため、アンテナ1で受信された信号と適切に合成し、合成した信号を復調することにより、アンテナ1のみで受信された信号を復調する場合に比べ、良好な受信特性が得られることが知られている(非特許文献1)。
ここで、端末mの2つのアンテナで受信される受信信号ベクトルy=[ym1 m2は、y=HMMSEx+nと表される。但し、H=[Hm1 m2 であり、n=[nm1 m2は端末mにおける熱雑音ベクトルである。このような受信信号に対して、非特許文献1に示す合成方法では、次式で示される受信MMSEウェイトを乗算して合成を行う。この受信ウェイトは、各端末で受信される信号と送信信号の平均2乗誤差を最小とするものである。
Figure 2011254143
端末mにおける受信ウェイト乗算後の信号はW=W(HMMSEx+n)と表され、この受信ウェイト乗算後の信号のうちm番目の信号が端末mの所望信号となる。各端末では、2つのアンテナで受信された信号をこのように合成することにより、基地局側で空間多重されていないアンテナで受信された信号に含まれる所望信号成分を合成することが可能となり、1つのアンテナで受信した信号を復調する場合に比べ、良好な受信特性を得ることができる。
また、一般に、端末における伝搬路Hの測定時と、その測定された伝搬路Hに基づく線形ウェイトを用いた空間多重伝送時には時間差があるため、端末が移動している場合等は伝搬路が時間的に変動し、ユーザ間干渉が抑圧しきれないという問題が生じるが、非特許文献1で示されている合成方法は、2つのアンテナで受信された信号を、実際の空間多重伝送時の伝搬路状態に基づいて合成する方法であるため、このような伝搬路の時間変動により生じるユーザ間干渉の抑圧にも効果的であるとされている。
"Interference Cancellation for Downlink MU‐MIMO," IEEE 802.11 09/1234r0, Nov. 2009.
非特許文献1に示されている受信ウェイトを用いて、2つのアンテナで受信された信号を合成することにより、基地局側で空間多重されていないアンテナで受信された信号に含まれる所望信号成分を合成することが可能となり、1つのアンテナで受信した信号を復調する場合に比べ、良好な受信特性を得ることができる。このような合成は受信側での処理であり、上述の線形プリコーディングにより空間多重された信号に対してだけでなく、非線形処理を含むプリコーディング(非線形プリコーディング)により空間多重された信号に対しても適用可能であると考えられ、非線形プリコーディングにより空間多重された信号を受信する各端末における受信特性を向上させることが可能となるものと期待される。
しかし、非線形プリコーディングの代表的なもののひとつであるTHP(Tomlinson Harashima Precoding)を用いた空間多重が行われる場合に、各端末が有する2つの受信アンテナで受信した信号を、式(2)で示される受信ウェイトを用いて合成しても適切な合成を行うことができず、受信特性が劣化してしまうという問題がある。したがって、線形プリコーディングによる空間多重を対象とした従来技術では、非線形プリコーディングにより空間多重した信号を基地局から伝送し、複数の受信アンテナにおける受信信号を端末側で適切に合成するというMU−MIMOシステムを実現することができない。
本発明は、斯かる実情に鑑み、複数の端末宛の送信信号を非線形空間多重により同時に伝送するシステムにおいて、各端末が有する複数の受信アンテナのいずれかを対象とした空間多重を行う場合に、全アンテナで受信された信号を適切に合成することが可能となり、良好な受信特性を得ることができる端末装置、基地局装置及びそれらを用いた無線通信システムを提供しようとするものである。
本発明は、Nを2以上の整数とする場合にN本の受信アンテナを備え、複数の送信アンテナを備えて非線形演算を用いて複数の端末装置宛の信号を空間多重する基地局装置と通信する端末装置であって、
前記N本の受信アンテナで観測される伝搬路に関する情報のうち、N未満の伝搬路に関する情報と他の端末装置の伝搬路に関する情報を用いて前記基地局装置において空間多重を施された情報信号を前記N本の受信アンテナで受信し、
前記N本の受信アンテナで受信した情報信号に受信ウェイトを乗算して合成し、
前記合成後の情報信号に非線形演算を行って所望の情報信号を検出することを特徴とする。
また、本発明の端末装置は、前記基地局装置から送信されるパイロット信号を受信し、前記受信したパイロット信号を基に、前記受信ウェイトを算出することを特徴とする。
また、本発明の端末装置は、前記基地局装置から送信される、前記非線形演算を用いる空間多重における干渉を表す係数に関する情報を受信し、前記干渉を表す係数に関する情報を基に、前記受信ウェイトを算出することを特徴とする。
ここで、前記受信ウェイトは、前記基地局から送信された情報信号と、前記受信ウェイト乗算後の情報信号との平均2乗誤差を最小とするウェイトであることを特徴とする。
また、本発明の端末装置は、前記N本の受信アンテナで観測される伝搬路に関する情報のうち、N未満の伝搬路に関する情報を前記基地局装置に通知することを特徴とする。
ここで、前記基地局装置に通知する伝搬路に関する情報は、前記N本の受信アンテナで観測される伝搬路のうち、伝搬路状態の良いものから選択することを特徴とする。
また、本発明の端末装置は、前記受信ウェイトを用いた情報信号の合成の適用、非適用を、端末装置の受信SNRまたは端末装置の移動速度または端末装置の消費電力モードに応じて切り替えることを特徴とする。
また、本発明の端末装置は、前記非線形演算はmodulo演算であることを特徴とする。
本発明は、複数の送信アンテナを備えて、Nを2以上の整数とする場合にN本の受信アンテナを備えた第一の端末装置が含まれ、通信対象とする全端末装置の受信アンテナの合計が前記送信アンテナのうち伝送に用いられる数よりも多い複数の端末装置宛の情報信号に空間多重を施して通信を行なう基地局装置であって、
前記第一の端末装置において観測される伝搬路のうちN未満の伝搬路に関する情報と他の端末装置の伝搬路に関する情報を用いて、非線形演算を用いた空間多重における送信ウェイトと干渉を表す係数を算出し、前記送信ウェイトと前記干渉を表す係数を用いて、複数の端末装置宛の情報信号を空間多重することを特徴とする。
また、本発明の基地局装置は、前記送信ウェイトを、伝搬路推定用のパイロット信号に乗算して送信することを特徴とする。
また、本発明の基地局装置は、前記干渉を表す係数に関する情報を前記端末装置に通知することを特徴とする。
また、本発明の基地局装置は、前記非線形演算はmodulo演算であることを特徴とする。
また、本発明は、前記基地局と、前記端末装置と、を備えたことを特徴とする無線通信システムである。
本発明を用いることにより、複数の端末宛の送信信号を非線形空間多重により同時に伝送するシステムにおいて、各端末が有する複数の受信アンテナのいずれかを対象とした空間多重を行う場合に、全アンテナで受信された信号を適切に合成することが可能となり、良好な受信特性を得ることができる。
本発明によるMU−MIMOの無線通信システムを示す図である。 第一の実施形態における基地局を示すブロック図である。 信号多重部で生成される多重化信号のフレームを示す図である。 第一の実施形態における端末を示すブロック図である。 第三の実施形態における端末を示すブロック図である。 第四の実施形態における端末を示すブロック図である。 従来のMU−MIMOの無線通信システムを示す図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
まず、本発明によるMU−MIMOシステムを図1に示す。図1に示すように、本発明によるMU−MIMOシステムでは、複数の送信アンテナを有する基地局100が、複数の受信アンテナを有する端末200a,200b,200c,200d宛の異なる信号に、非線形処理を含む空間多重を施して同一リソースで伝送を行う。但し、空間多重の対象となる全端末200a〜200dの受信アンテナの合計が、基地局100が有する送信アンテナ数よりも多く、基地局100では、各端末200a〜200dが有する複数の受信アンテナのうちのいずれかを非線形空間多重の対象とし(以下、空間多重対象アンテナと呼び、それ以外の受信アンテナを補助アンテナと呼ぶ)、それらの空間多重対象アンテナで受信される信号に対するユーザ間干渉が抑圧されるように送信処理を行う。なお、図1では端末数が4つであるが、これに限るものではない。
図1に示す例では、空間多重対象アンテナはそれぞれ30−1の番号を付したアンテナであり、補助アンテナは30−2の番号を付したアンテナとなっている。この図1では、基地局100は4つの送信アンテナ21−1〜21−4を、各端末200−1,2,3はそれぞれ2つずつの受信アンテナ30−1,30−2を有し、各端末宛にそれぞれ1ストリーム(信号系列)ずつを基地局100から伝送する構成となっているが、これに限らず、例えば、端末が3以上の受信アンテナを有しても良く、そのような場合に、1つの端末宛に2以上のストリームを伝送する構成としても良い。但し、各端末に伝送されるストリーム数は、各端末がそれぞれ有する受信アンテナ数未満とし、1つの端末宛に伝送される複数ストリームはそれぞれ分離されて端末で受信されるものとする。また、空間多重される対象となる端末全てが複数アンテナを有している必要はなく、受信アンテナを1つのみ有している端末が混在してもよい。さらに、基地局が備える送信アンテナ数は4つに限らず、複数の送信アンテナを備えていればよい。また、システムによっては、基地局が備える複数の送信アンテナ全てが常に伝送に用いられるとは限らず、基地局において幾つかの送信アンテナが選択されて用いられ、選択されなかった送信アンテナからは信号が送信されないといった場合もある。そのような場合には、本発明では、空間多重の対象となる全端末の受信アンテナの合計が、基地局において伝送に用いられる送信アンテナ数(選択された送信アンテナ数)よりも多い状況を対象としている。
このようなMU−MIMOシステムにおいて、本発明では、空間多重対象アンテナと補助アンテナでそれぞれ受信した信号を合成する際の適切な合成方法について示し、良好な受信特性を得ることができ、周波数利用効率に優れた通信システムを提供する。
(第一の実施形態)
本発明による第一の実施形態では、まず、空間多重対象アンテナを対象とした、THPを用いたMU−MIMO(THP MU−MIMO)伝送の送信処理について説明し、続いて、そのTHP MU−MIMO伝送が行われた場合において、各端末が有する空間多重対象アンテナでの受信信号と補助アンテナでの受信信号を合成する処理について説明を行う。
まず、第一の実施形態で対象とするTHP MU−MIMO伝送の送信処理について基地局の構成を用いて説明する。本実施形態における基地局構成を図2に示す。図2に示すように、本実施形態における基地局100は、上位層10、変調部11、P/S部12、干渉減算部13、modulo部14、干渉生成部15、S/P部16、送信ウェイト乗算部17,23、信号多重部18、D/A部19、無線部20,27、送信アンテナ部21、パイロット信号生成部22、送信ウェイト・干渉係数算出部24、受信部25、A/D部26、受信アンテナ部28から構成される。
この基地局100でTHP MU−MIMO伝送を行う場合、まず、空間多重の対象となる各端末からフィードバックされる伝搬路情報(CSI:Channel State Information)を受信アンテナ部28で受信し、無線部27において受信信号をA/D変換可能な周波数に変換し、A/D部26でアナログ信号からディジタル信号に変換した後、受信部25で復調等を行い、伝搬路行列Hを得る。但し、各端末200a〜200dからフィードバックされる伝搬路情報は、基地局100の送信アンテナと各端末200a〜200dの空間多重対象アンテナとの間の伝搬路であり、図1に示すように各端末200a〜200dにおける空間多重対象アンテナがそれぞれのアンテナ30−1であるとすると、H=[H11 21 31 41 となる。ここで、Hmnは端末mのアンテナnと基地局の4アンテナとの間の伝搬路を表す1行4列のベクトルである。また、各端末から基地局へのアップリンクの伝送方法はどのような伝送方法を用いてもよく、図2では受信アンテナが1つのみとなっているが、複数の受信アンテナを備え、アップリンクのMU−MIMO伝送を行う構成としてもよい。
このように得られた伝搬路行列は送信ウェイト・干渉係数算出部24へ入力され、THP MU−MIMO伝送を行うために必要な送信ウェイトと干渉係数との算出が行われる。これらの算出方法については後述するものとする。干渉係数は、干渉信号に関する情報であり、これに基づいて干渉信号を生成できる。この送信ウェイト・干渉係数算出部24において算出された送信ウェイトは送信ウェイト乗算部17,23に、干渉係数は上位層10と干渉生成部15にそれぞれ入力される。
上位層10では、各端末200a〜200dに送信する個別のデータが生成され変調部11に入力される。また、ここでは、送信ウェイト・干渉係数算出部24から入力された干渉係数を各端末に通知する構成としているため、干渉係数をディジタル情報に変換して、変調部11に入力する。後で述べるように、本実施の形態における干渉係数は下三角行列で表されるため、その下三角行列の全ての要素を端末に通知する必要はなく、ゼロ以外の値、つまり下三角の要素のみを通知すればよい。また、電力を正規化する係数についても各端末に通知する必要があるため、干渉係数と同様の処理を行う。変調部11では、入力されたディジタルデータに対して変調を行い、QPSKや16QAMといった変調信号を生成する。ここでは、4端末宛にそれぞれ送信される4つのデータと、4端末に共通して通知する干渉係数、電力正規化係数に対する変調が行われる。
変調部11において変調された信号は、P/S部12と信号多重部18に入力される。ここで、P/S部12に入力されるのは、空間多重されて伝送される各端末宛の個別データを変調した信号であり、信号多重部18に入力されるのは、空間多重されず、各端末共通に通知される干渉係数等を変調した信号である。各端末宛のデータ信号が入力されたP/S部12ではパラレル−シリアル変換が行われるが、本発明で対象とするTHP MU−MIMOでは、干渉減算部13における干渉信号の減算が端末毎に逐次的に行われるため、4端末宛の信号を変調信号毎に順番に出力されるよう並び替える。ここでは、端末200a,200b,200c,200d宛の信号の順にP/S部12から変調信号が出力されるものとする。
このように順番に出力された信号に対し、干渉減算部13では希望信号から干渉信号を減算する処理が順次行われる。これは、入力された変調信号から、干渉生成部15から入力された干渉信号を減算するという処理であり、ここでの干渉信号とは、THP MU−MIMO伝送におけるユーザ間干渉を指すものである。この干渉信号は、具体的には、P/S部12において順番に出力された信号のうち、希望信号として減算処理の対象となる変調信号より前に出力された変調信号を基に生成される信号であり、例えば、端末200b宛の変調信号が希望信号として処理される場合には、減算すべき干渉信号は、端末200b宛の信号より前に処理された端末200a宛の信号を基に生成される。また、端末200c宛の変調信号が希望信号として処理される場合には、減算すべき干渉信号は、端末200a、端末200b宛の信号を基に生成されることとなる。但し、P/S部12から最初に入力された端末200a宛の信号は減算すべき干渉がないため、端末200a宛の信号については入力信号がそのまま出力される。
この干渉減算部13で処理された信号はmodulo部14に入力され、modulo演算が施される。modulo演算とは以下の式で表され、入力信号zがいかなる値の信号であっても、出力信号fτ(z)が原点から[−τ/2,τ/2]の範囲に収まるよう、入力信号に適切な信号を加算して調整する非線形の演算である。但し、zは複素数であり、jは虚数単位、τは変調方式に応じて決まる実数の定数である。具体的には、変調シンボルの平均電力を1に正規化した場合、QPSKではτ=2√2、16QAMでは、τ=8/√10、64QAMではτ=16/√42となる。また、floor(x)はxを超えない最大の整数を表す。
Figure 2011254143
ここで、式(3)で入力信号に加算される信号は摂動ベクトルと呼ばれ、modulo演算は、入力信号の同相成分、直交成分それぞれにτの整数倍の値(摂動ベクトル)を加算する演算であると言うこともできる。このようなmodulo演算を用いることにより信号の振幅を一定範囲内に収めることが可能となるため、干渉減算部13で希望信号から干渉信号を減算することにより増加してしまう信号電力を抑圧して規定の送信電力を満足しつつ、ユーザ間の干渉を予め減算した信号を送信することができる。但し、先に述べたように、端末200a宛の信号に対しては干渉の減算が行われないため、摂動ベクトルを加算しなくても必ず一定範囲内の振幅に収まっており、modulo演算を施す必要はない。また、modulo演算を行ってもよいが、入力信号と同じ信号が出力されることとなる。
このようなmodulo演算が施され、modulo部14から出力される信号は、干渉生成部15とS/P部16に入力される。干渉生成部15では、modulo部14から順次入力される信号に、送信ウェイト・干渉係数算出部24から入力された干渉係数のうち適切な値を乗算し、干渉減算部13で希望信号から減算すべき干渉信号を生成する。ここで、干渉係数を行列で表すと以下のような下三角行列になり、この各要素とmodulo部14から順次入力される信号とが乗算されて干渉信号が生成される。
Figure 2011254143
この式(4)に示すfqrは、端末r宛の信号が端末qに及ぼす干渉の係数を表しており、端末q宛の変調信号を希望信号として干渉減算部13における減算処理が行われる場合には、行列Fのq行目の各要素を端末200aから端末200−q−1までの信号(modulo部14から出力された信号)に乗算して、干渉信号の生成が行われる。ここで、干渉係数を表す行列Fの1行目の各要素は全てゼロとなっているが、これは先に述べたように、端末200a宛の信号から減算すべき干渉信号はないということを示している。また、ここでは、希望信号から干渉信号を減算してユーザ間干渉を抑圧するという基本的な処理を簡潔に説明するために、干渉係数とmodulo部14の出力信号との乗算結果を希望信号から減算すると記載してきたが、行列Fの算出方法によっては、各要素の正負が既に減算処理も含んだものとして算出される場合もある。このような場合に、干渉減算部13で適切な干渉抑圧処理を行うためには、算出された行列Fの正負を反転してから、modulo部14の出力信号との乗算を行うか、または、干渉減算部13において減算処理の代わりに加算処理を行う必要がある。
以上のような、干渉信号の減算、modulo演算による信号電力増加の抑圧、干渉信号の生成という処理を各端末宛の信号毎に繰り返し行うことにより、ユーザ間干渉を適切に抑圧し、電力効率に優れた送信信号を生成することが可能となる。
このようにユーザ間干渉が抑圧された信号は、次に、S/P部16に入力され、シリアル−パラレル変換が行われ、各端末宛の信号が並列に出力される。そして、送信ウェイト乗算部17において、送信信号と送信ウェイトの乗算が行われ、その結果が信号多重部18に入力される。但し、アンテナ21−iから送信すべき信号は信号多重部18−iへ入力される。この信号多重部18では、各端末宛の個別のデータ信号と伝搬路推定用のパイロット信号、各端末に共通に通知する干渉係数を表す信号等が多重される。ここで、干渉係数には、電力の正規化に用いられる係数も含むものとする。本実施の形態では、これらの信号の多重を時間的に行うものとする。これは、具体的には、図3に示すようなフレームを生成する処理となる。
ここで、伝搬路推定用のパイロット信号とは、送受信機間で既知の信号であり、受信側で希望信号の復調に用いられる。本実施の形態では、このパイロット信号として、各端末に共通に通知する干渉係数を表す信号を復調するためのパイロット信号(図3において番号0が付された信号)と、空間多重された各端末宛の個別のデータ信号を復調するためのパイロット信号(図3において番号1〜4が付された信号)の2種類を用意し、信号多重部18においてデータ信号等と多重するものとする。但し、図2に示すように本実施の形態では、干渉係数通知信号(干渉信号に関する情報)はアンテナ21−1からのみ送信される構成となっており、そのパイロット信号も同様にアンテナ21−1からのみ送信される。また、個別データ信号の復調用のパイロット信号が4つ用意されているのは、各送信アンテナから送信されるパイロット信号が干渉し合わないように時間的に直交化しているためであり、図3において番号1〜4が付されている、送信ウェイト乗算前のパイロット信号は、パイロット信号生成部22からアンテナ21−1〜4へ続く系統のみ出力されることとなる。さらに、個別データ信号を復調するためのパイロット信号は、パイロット信号生成部22で生成された既知の信号に、データ信号に乗算するものと同一の送信ウェイトが送信ウェイト乗算部23にて乗算された後に信号多重部18に入力されるものとする。
このように信号多重部18において生成された図3に示すような送信フレームは、D/A部19においてディジタル信号からアナログ信号に変換され、無線部20において無線送信可能な周波数に変換された後、送信アンテナ部21−1〜4からそれぞれ送信される。このような構成とし、各端末に共通の干渉係数を通知することにより、空間多重対象アンテナと補助アンテナでそれぞれ受信した信号を合成する受信方法を各端末が用いる場合に、それらの端末で適切に信号合成が可能となるように送信処理を行うことができる。
ここで、本実施形態で対象とするTHP MU−MIMO伝送における送信ウェイトと干渉係数の算出方法について簡単に説明する。但し、THP MU−MIMO伝送には、送信ウェイトの生成方法等に幾つかの種類があるが、ここではMMSE基準で送信ウェイト等を生成する場合の例について示す。まず、送信ウェイト乗算部17,23で信号に乗算される送信ウェイトをP、送信電力を規定の値に正規化する係数をβ、送信ウェイト乗算前の送信信号ベクトル(S/P部16の出力)をv、送信信号ベクトルvの共分散行列をR、予め定められた全送信電力をETXとすると、P,F,βは以下の式より算出される。
Figure 2011254143
但し、y=argminXは、Xを最小とするyを求めることを表しており、εは以下の式で表される、送信信号と受信信号の誤差を表す値である。
Figure 2011254143
したがって、式(5)は、送信信号と受信信号の平均二乗誤差を最小とするP、F、βを求めることを意味している。但し、この解を求める際には式(5)の下段に示す制約条件があり、制約条件の1式目は送信電力の規定を示している。また、制約条件の2式目は、行列Fが下三角行列となることを示しており、本実施の形態では4端末を空間多重する例を対象としているためmは1〜4となる。ここで、S=S(m,4−m)=[I,0m×(4−m)]であり、これは、行列Fのm列目の1〜m番目の要素をゼロとする行列である。また、eは、単位行列のm列目のベクトルを表している。
このような制約条件の下で送信信号と受信信号の平均二乗誤差を最小とするP、F、βを求めると、それぞれの解は以下のように表される。但し、ξは平均雑音電力対信号電力比(SNRの逆数)を表す。
Figure 2011254143
この式(8)に示すような干渉係数行列Fを、干渉生成部15において各端末宛の送信信号と乗算することによりユーザ間干渉を生成し、ユーザ間干渉を減算してmodulo演算を施した信号に対して、送信ウェイト乗算部17、23において式(7)に示す送信ウェイトPを乗算することにより、本実施の形態で対象とするMMSE基準のTHP MU−MIMO伝送を実現することが可能となる。但し、先に述べたように、干渉減算部13では、干渉係数とmodulo部14の出力信号との乗算結果を希望信号から減算すると記載してきたが、式(8)に示す干渉係数Fには既に減算処理も含まれた正負の符号が付されているため、干渉減算部13で適切な干渉抑圧処理を行うためには、算出された行列Fの正負を反転してから、modulo部14の出力信号との乗算を行うか、または、干渉減算部13において減算処理の代わりに加算処理を行う必要がある。
以上のように基地局において空間多重処理された信号を受信する各端末の装置構成を次に示す。本実施の形態における端末200の装置構成を図4に示す。図4に示すように、本実施の形態における端末200は、受信アンテナ部30−1,2、無線部31−1,2,42、A/D部32−1,2、信号分離部33−1,2、伝搬路推定部34−1,2、伝搬路補償部35、MMSE合成部36、modulo部37、復調部38、上位層39、送信部40、D/A部41、送信アンテナ部43から構成される。
この端末200では、図2に示す基地局100から送信された信号をまず受信アンテナ部30−1,2で受信し、無線部31−1,2において受信信号をA/D変換可能な周波数に変換し、A/D部32−1,2でアナログ信号からディジタル信号に変換した後、受信信号を信号分離部33−1,2に入力する。信号分離部33−1,2では、基地局100において図3に示すように時間的に多重された信号を分離する。具体的には、パイロット信号(図3の0〜4)を伝搬路推定部34−1,2へ、干渉係数通知信号を伝搬路補償部35へ、データ信号をMMSE合成部36へそれぞれ分離して入力する。但し、本実施の形態では、空間多重されていない干渉係数通知信号については、受信アンテナ部30−1で受信した信号のみを復調して取得するものとし、信号分離部33−2ではパイロット信号0と干渉係数通知信号は廃棄されるものとする。
信号分離部33−1,2から入力されたパイロット信号を基に、伝搬路推定部34−1,2では伝搬路の推定が行われる。但し、伝搬路推定部34−1では、パイロット信号0〜4を用いた伝搬路推定が行われ、伝搬路推定部34−2では、パイロット信号1〜4を用いた伝搬路推定が行われる。この時、パイロット信号0には送信ウェイトが乗算されていないため、このパイロット信号0を用いて推定される伝搬路は、基地局の送信アンテナ部21−1と各端末の受信アンテナ部30−1との間の伝搬路となり、この推定結果は伝搬路補償部35へ入力される。また、パイロット信号1〜4には送信ウェイトが乗算されているため、端末mの伝搬路推定部34−nで推定される伝搬路はHmnPとなり、この推定結果はMMSE合成部36へ入力される。
伝搬路補償部35では、干渉係数通知信号の伝搬路補償が行われ、伝搬路補償された干渉係数通知信号は復調部38に入力される。そして、復調部38において干渉係数通知信号の復調が行われ、復調された干渉係数通知信号は上位層39に入力される。上位層39では、基地局100においてディジタル情報に変換された干渉係数を再生し、MMSE合成部36へ入力する。
MMSE合成部36には、空間多重されたデータ信号が信号分離部33から、推定された伝搬路HmnPが伝搬路推定部34から、干渉係数が上位層39からそれぞれ入力され、これらを用いて、2本の受信アンテナでそれぞれ受信した信号の合成が行われる。具体的には、端末mの2つのアンテナで受信される受信信号ベクトルy=[ym1 m2をまず基地局で用いられた電力の正規化係数βで除算した後、次式で表される受信MMSEウェイトを乗算して合成を行う。この受信ウェイトは、各端末で受信される信号と所望信号の平均2乗誤差を最小とするものである。
Figure 2011254143
但し、H=[Hm1 m2 である。
このような受信ウェイトを乗算され、合成された信号はベクトルとなるが、このうちm番目の信号が端末mの所望信号となるため、端末mはm番目の信号をmodulo部37へ入力し、基地局で行ったものと同じ式(3)で示されるmodulo演算を行った後、復調部38において所望信号の復調を行う。そして、復調された信号は上位層39へ出力される。
また、本実施の形態における端末装置200では、基地局100へ伝搬路情報(CSI)をフィードバックする必要があるが、これは、伝搬路推定部34−1で推定された伝搬路に関する情報を送信部40へ入力し、D/A部41、無線部42を経由して送信アンテナ部43から基地局に向けて送信される。したがって、先に述べたように、本実施の形態では、各端末における空間多重対象アンテナがそれぞれのアンテナ30−1となり、アンテナ30−2は補助アンテナとなる。但し、本実施の形態では、CSIの測定は、送信ウェイトは乗算されず、各アンテナから互いに直交するように送信されるパイロット信号を用いて行われ、図3に示すフレームとは異なる構成のフレームにおいて測定するものとする。
以上のような端末の構成とすることにより、空間多重対象アンテナと補助アンテナの2つのアンテナで受信された信号に式(10)で表される受信ウェイトを乗算することができ、基地局側で空間多重されていないアンテナで受信された信号に含まれる所望信号成分をも合成することが可能となるため、1つのアンテナで受信した信号を復調する場合に比べ、良好な受信特性を得ることができる。
ここで、本実施の形態では、基地局において用いられる送信ウェイトや干渉係数等の算出をMMSE基準により行うものとしたが、これに限らず、ZF(Zero Forcing)基準を用いて行ってもよいし、また、QR分解を用いた算出を行ってもよい。但し、QR分解を用いる場合には、QR分解で得られる三角行列の対角成分で表されるゲインが受信信号に乗算されて空間多重対象アンテナで受信されるため、受信信号をそのゲインで除算した後に、補助アンテナで受信された信号と合成する必要がある。
また、本実施の形態では、シングルキャリア伝送を対象とした例について示したが、本発明はマルチキャリア伝送を行うシステムにも適用可能である。マルチキャリア伝送システムに適用する場合には、送信ウェイトや干渉係数の算出をサブキャリア毎に行ってもよいし、幾つかのサブキャリアをグループ化した単位で行ってもよい。また、本実施の形態では、各アンテナから送信されるパイロット信号は時間的に直交するよう処理されていたが、マルチキャリア伝送システムでは、異なるサブキャリアにパイロット信号を配置し、周波数領域で直交化して送信してもよい。このようなマルチキャリア伝送システムでは、基地局及び端末にIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部、FFT部、GI(Guard Interval)挿入部等が必要になる。
また、本実施の形態では、干渉係数をディジタル情報に一旦変換し、その情報をデータ信号と同様に変調して端末に通知する構成としていたが、干渉係数をアナログ信号として通知する構成としてもよい。このような場合には、行列Fの各要素が振幅となる信号が干渉係数通知信号として基地局から送信されることとなる。
さらに、本実施の形態では、干渉係数通知信号の復調に利用する伝搬路推定用のパイロット信号を1つのアンテナからのみ送信するものとしていたが、全ての端末で干渉係数通知信号が復調できる構成であれば、これに限らない。
また、本実施の形態では、送信されるデータ信号に誤り訂正符号化が施されていなかったが、これに限らず、基地局において誤り訂正符号化を施して、端末で復号を行う構成としてもよい。
(第二の実施形態)
第一の実施形態では、基地局の干渉減算部13における干渉減算処理を、端末200a1から順に4端末分だけ行うものとしていたが、この減算処理は必ずしも決まった順序で行う必要はなく、伝搬路に応じて適切に処理順序を変更する構成としてもよい。これは、例えば、最初に端末200c宛の希望信号を処理し、次いで、端末200a宛の希望信号から端末200c宛の希望信号から生成される干渉信号を減算する。さらに、端末200d宛の希望信号から、端末200aと端末200c宛の希望信号から生成される干渉信号を減算し、最後に、端末200b宛の希望信号から、他の全ての端末宛の希望信号から生成される干渉信号を減算するといった処理が行われることを意味している。このような処理の順序を、伝搬路に応じて適切に決定することにより、予め決められた順序で処理を行う場合に比べて、電力効率を改善することが可能となり、良好な受信特性を得ることができる。このような処理順序はオーダリングとも呼ばれ、本実施の形態では、オーダリングを適応的に変更する場合について説明する。
まず、本実施の形態で対象とする適応的なオーダリングを行う場合の基地局構成について説明する。本実施の形態で対象とする適応的なオーダリングを行う場合の基地局は、図2に示す基地局100と同一の構成で実現することができるが、先に述べたようなオーダリングは、各端末からのCSIを受け取った送信ウェイト・干渉係数算出部24において、図3に示すようなフレーム単位で行われることとなる。このオーダリングには幾つかの方法があるが、本発明ではオーダリングの方法は問わず、マルチキャリア伝送システムに適用する際は、サブキャリア毎にオーダリングを行ってもよい。送信ウェイト・干渉係数算出部24においてオーダリングも考慮した送信ウェイト及び干渉係数の算出が行われるが、第一の実施形態のように予め決められたオーダリング順での処理が行われる場合には、干渉係数を表す行列Fは下三角行列として算出されていたのに対し、適応的なオーダリングが行われる場合の行列Fは以下のように表されることとなる。但し、オーダリング順は、先に述べたように、端末200c、端末200a、端末200d、端末200bとする例について示している。
Figure 2011254143
式(11)に示すfqrは、第一の実施形態と同様に、端末r宛の信号が端末qに及ぼす干渉の係数を表している。
このように算出された干渉係数を表す行列Fは、上位層10と干渉生成部15へ入力されるが、第一の実施形態に示すように行列Fが必ずしも単純な下三角行列にならないため、上位層10では、各端末が行列Fを正しく再構成できるような干渉係数通知信号を生成する必要がある。これは、第一の実施形態では、行列Fのゼロ以外の要素だけを干渉係数通知信号として端末に送っていたのに対し、ゼロも含めた全要素を送ることで実現することができる。
しかし、ゼロも含めた全要素を干渉係数通知信号として送る場合にはその情報量が増加し、伝送効率が低下してしまうため、干渉係数通知信号として、行列Fのゼロ以外の要素だけでなく、行列の何行目にゼロ以外の要素が幾つ含まれているかを示す情報を含めるといったことによって効率良く実現することができる。これは、式(11)に示されるような行列Fが算出された場合には、[f13 23 21 24 43 41]というゼロ以外の各要素に加え、[1 3 0 2]という各行のゼロ以外の要素数を各端末に通知すればよい。つまり、これはオーダリング順を各端末に通知しているのと等しいこととなる。このような干渉係数通知信号を受け取った各端末は、式(11)に示されるような干渉係数を表す行列Fを正しく再構成し、式(10)に示す受信ウェイトの算出に用いることができる。
また、基地局の上位層10では、オーダリング順に合わせて、各端末に送信する個別のデータの並び替えも行われる。これは、第一の実施形態においても述べたように、THP MU−MIMO伝送を行う場合には、希望信号から干渉信号を減算するという処理を順次行う必要があり、この順序はオーダリング順と一致するため、送信ウェイト・干渉係数算出部24から行列Fを受け取った上位層10においてオーダリング順を判断し、適切な干渉の減算が行われるようにデータを並び替える処理を行う。行列Fが式(11)で表される場合には、端末200c、端末200a、端末200d、端末200bの順番に干渉信号の減算が行われるよう並び替えを行うこととなる。但し、この並び替え処理は、オーダリングに関する情報をP/S部12に通知することによっても行うことが可能である。
以上のように、オーダリングを考慮した干渉係数通知信号を生成し、適切な干渉の減算を行うことにより、オーダリング順が適応的に変更される場合にも対応した基地局の構成とすることができ、この他のブロック、例えば、送信ウェイト乗算部17、23や信号多重部18等は第一の実施形態に示したものと同一の構成でよい。
次に、本実施の形態における端末の装置構成について説明する。本実施の形態における端末も、基地局の構成と同様に、第一の実施形態と同じ構成(図4)で実現することができる。但し、先に述べたように、行列Fが必ずしも下三角行列とならないため、式(10)に示す受信ウェイトを用いて空間多重対象アンテナと補助アンテナでそれぞれ受信した信号を適切に合成するためには、オーダリング順も考慮して基地局から通知された干渉係数通知信号を基に、行列Fを適切に再構成することが必要となる。本実施の形態では、この再構成は、図4の上位層39で行われるものとする。また、式(10)において、行列Fは単位行列I4×4から減算されているが、本実施の形態における適応的なオーダリングが行われる場合には、この単位行列もオーダリングに合わせて並び替えを行う必要がある。具体的には、単位行列の1の各要素が、行列Fのゼロ以外の各要素の右横になるように並び替えが行われる。例えば、行列Fが式(11)で表される場合には、式(10)で用いられるI4×4は以下のように表される。
Figure 2011254143
このような並び替えは、行列Fの再構成と同様に上位層39で行われ、再構成された行列Fと共にMMSE合成部36へ入力される。但し、この単位行列の並び替えは行に対して行ってもよいし、列に対して行ってもよい。そして、MMSE合成部36において式(10)に示される受信ウィエイトを生成して、空間多重対象アンテナと補助アンテナでそれぞれ受信した信号に乗算することにより、基地局側で空間多重されていないアンテナで受信された信号に含まれる所望信号成分をも合成することが可能となる。この他のブロックについては第一の実施形態に示したものと同一の処理を行う構成でよく、このような端末の構成とすることにより、適応的なオーダリングが施される場合にも、空間多重対象アンテナと補助アンテナで受信した信号を合成することが可能となり、1つのアンテナで受信した信号を復調する場合に比べ、良好な受信特性を得ることができる。
(第三の実施形態)
図1からも分かるように、以上の実施形態では、各端末の受信アンテナ部30−1を空間多重対象アンテナ、受信アンテナ部30−2を補助アンテナとする場合の例について示してきたが、これらを固定する必要はなく、伝搬路の状況に応じて空間多重対象アンテナと補助アンテナを切り替える構成としてもよい。これは、例えば、各端末の各受信アンテナでCSIをそれぞれ測定し、いずれかの受信アンテナで測定されたCSIのみを基地局にフィードバックすることにより簡易に実現できる。このような端末の装置構成を図5に示す。但し、図5に示す端末は、図4に示す端末に選択部44を追加した構成となっており、その他のブロックは図4に示すものと同じ動作を行うものとなっている。
この図5に示す端末では、伝搬路推定部34−1と34−2でCSIの測定が行われ、その測定結果が選択部44に入力される。そして、選択部44では、入力された2つのCSIのうちいずれか一方を選択して送信部40に出力することとなる。ここで、CSIの選択方法としては幾つかの方法が考えられるが、例えば、端末mの伝搬路推定部34−1と34−2で測定された2つのCSIをHm1 及びHm2 とすると、これら2つのベクトルのノルムを比較し、大きいほうのCSIを選択するといった方法が考えられる。このような選択を適応的に行うことにより、伝搬路状態のより良い受信アンテナを空間多重対象アンテナとすることができ、空間多重対象アンテナと補助アンテナを固定する場合に比べ、良好な受信特性を得ることが可能となる。
また、このような空間多重対象アンテナと補助アンテナの選択、切り替えは、基地局側で行うことも可能である。但し、この場合には端末から2つのCSIをフィードバックする必要があり、各端末からフィードバックされたそれぞれ2つのCSIのノルムを図2に示す送信ウェイト・干渉係数算出部24において比較し、大きい方のCSIを4端末分集めて式(7)や式(8)に示すような送信ウェイト、干渉係数の算出を行う。
以上のような構成とすることにより、基地局または端末において適応的に空間多重対象アンテナと補助アンテナの選択、切り替えを行うことが可能となり、空間多重対象アンテナと補助アンテナを固定する場合に比べ、良好な受信特性を得ることができる。
(第四の実施形態)
以上の実施形態において示してきた、空間多重対象アンテナと補助アンテナでそれぞれ受信した信号を合成する場合には、1つのアンテナで受信した信号を復調する場合に比べ、良好な受信特性を得ることができるが、端末が基地局の近傍に位置し、非常に高いSNRが得られる場合には、その特性差は減少し、2つの受信信号を合成するメリットは非常に小さくなってしまう。また、端末が静止しているような状況においても、空間多重対象アンテナで受信した信号のみを復調することにより、ある程度良好な受信特性を得ることができる。その上、本発明による信号の合成方法では、基地局で算出された干渉係数を各端末に通知する必要があり、このような情報を通知しない場合に比べ伝送効率が低下してしまうという問題もあるため、常に本発明による信号合成を行うのではなく、適切な状況においてのみ本発明を適用することにより、より効率的なシステムの構築を実現することができるものと考えられる。
本発明による信号合成の適用、非適用を切り替える端末の装置構成を図6に示す。図6に示す端末は、図4に示す端末に切替部45を追加した構成となっている。この新たに追加された切替部45では、本発明による信号合成の適用、非適用を切り替えるために、受信信号をMMSE合成部36に入力するか否かの切り替えを行う。これは、具体的には、各端末の伝搬路推定値より受信SNRを推定し、受信SNRが予め決められた閾値より高い場合には、空間多重対象アンテナ30−1で受信された受信データ信号をMMSE合成部36ではなく、伝搬路補償部35へ入力する処理により実現することができる。そして、伝搬路補償部35において伝搬路の補償が行われたデータ信号はmodulo部37に入力され、modulo演算が行われた後に復調部38で復調される。この時、補助アンテナ30−2で受信された信号はいずれのブロックにも入力されず廃棄されることとなる。一方、受信SNRが予め決められた閾値より低い場合には、空間多重対象アンテナ30−1と補助アンテナ30−2で受信されたそれぞれのデータ信号を切替部45からMMSE合成部36に入力し、第一の実施形態で示したような処理を行って信号を合成する。このような切替部45を新たに設けることにより、受信SNRに基づき、本発明による信号合成の適用、非適用を効率よく切り替えることが可能となる。この時、基地局では、端末の切り替えに応じて干渉係数の通知を行うか否かを切り替えることにより、端末が信号合成を行わない場合には干渉係数通知信号を伝送する必要をなくし、伝送効率の低下を抑えることができる。これは、端末から信号合成の適用または非適用を示す情報や受信SNRをフィードバックするか、送信ウェイトや干渉係数算出のために端末からフィードバックされるCSIから推定するといった方法により行うことができる。通常、受信SNRは端末の位置(基地局からの距離、屋内/屋外)によっておおよそ決まるため、それほど頻繁に適用、非適用を切り替える必要はなく、端末からフィードバックされた情報に基づき、次のフレームでの端末の受信方法に応じて干渉係数通知信号を送信するか否かを切り替えればよい。
また、先に述べたように、端末の移動速度に応じて信号合成の適用、非適用を切り替えることも有効であり、これは、移動速度に関する情報を切替部45に入力し、予め決められた移動速度に関する閾値と比較することにより実現できる。さらに、端末の受信SNRと移動速度の両方を考慮して、受信SNRが閾値より低く、かつ移動速度が閾値より速い場合にのみ本発明による信号合成を適用するといったことも可能である。
また、図6に示す構成では、信号合成を行わない場合に補助アンテナ30−2で受信された信号は切替部45において廃棄されるものとしていたが、予め信号合成を行わないことがわかっていれば、無線部31−2やA/D部32−2の処理を行わないことにより、端末の消費電力を低減することも可能となる。これは、受信SNRが十分高い場合や端末がほぼ静止しているような場合に、信号の合成を行わないことを示す情報を無線部31−2やA/D部32−2に入力し、それ以降のブロックの処理を停止するものである。携帯端末では、消費電力をいかに低減するかも重要であり、このような処理を行うことにより電池の有効利用を行うことができる。
また逆に、低消費電力モード等、消費電力を低減すべき状況になった際に、本発明による信号合成を行わないように切り替えることも可能である。これは、端末の電池残量が予め決められた閾値以下となり、端末が低消費電力モードに切り替わった際に、この低消費電力モードに切り替わったことを通知する情報を、切替部45や、さらには無線部31−2やA/D部32−2等に通知し、その通知情報に基づいてそれらのブロックが処理を停止する構成とすることにより実現可能である。また、このような、端末のモードに基づく切り替えは、線形プリコーディングを用いるMU−MIMO伝送システムにおいても有効であり、上述のような低消費電力モードへの切り替えを通知する情報を適切なブロックに入力することにより、それらのブロックの処理を停止し、電池の有効利用を行うことができる。
以上の実施形態では、各端末装置における伝搬路情報を、各端末装置から基地局装置へフィードバックする構成について示していたが、TDD(Time Division Duplex)システムにおいては、アップリンクとダウンリンクの双対性が成り立つため、必ずしもフィードバックの必要はなく、基地局装置で観測した伝搬路情報を基に空間多重を行う構成としてもよい。
また、以上の実施形態では、干渉係数を表す行列Fを基地局装置から各端末装置に通知する構成としていたが、これに限らず、行列Fのうち、本発明による所望信号の合成に必要となる成分を、各端末装置において受信パイロット信号から推定する構成としてもよい。これは、行列Fの下三角行列はHPの下三角行列であることから、行列Pを乗算したパイロット信号を基地局装置から伝送し、伝搬路Hを経由することによりHPが乗算されたパイロット信号を各端末装置において受信することにより行うことができる。但し、この時、各端末装置が推定できるのは、端末1では行列Fの一行目、端末2では行列Fの二行目、端末3では行列Fの三行目、端末4では行列Fの四行目というように、それぞれ行列Fの一行のみである。したがって、このような場合には、式(10)に示すようなウェイトを算出することはできない。しかし、各端末がそれぞれ所望の信号を合成するために必要となるのは、式(10)で表される行列のいずれか一行のみであるため、式(10)右辺のI4x4−Fを、各端末装置が推定可能な行列Fの一行のみを用いたベクトルに置き換えてウェイトを算出してもよい。以上の実施形態に示したように、式(10)のウェイトを用いる場合には、合成された信号はベクトルとなるが、I4x4−Fを、各端末装置が推定可能な行列Fの一行のみを用いたベクトルに置き換えたウェイトを用いる場合には、合成された信号は1つの値となり、この得られた値が所望信号となる。そして、以上の実施形態と同様に、得られた所望信号にmodulo演算を行った後、復調部38において所望信号の復調を行えばよい。このような構成とすることにより、干渉係数を表す行列Fを基地局装置から各端末装置に通知する必要がなくなり、伝送効率を向上させることが可能となる。尚、この場合の基地局装置は、図2の送信ウェイト・干渉係数算出部24から干渉係数を上位層10へ出力する部分を削除した構成となる。また、端末装置は、図4の信号分離部33−1から干渉係数通知信号を伝搬路補償部35へ出力する部分を削除し、伝搬路推定部34−1において、先に述べた行列Fの一部の推定も行う構成とすればよい。
また、本発明に関わる移動局装置および基地局装置で動作するプログラムは、本発明に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
また市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれる。また、上述した実施形態における移動局装置および基地局装置の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。移動局装置および基地局装置の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
10 上位層
11 変調部
12 P/S部
13 干渉減算部
14 modulo部
15 干渉生成部
16 S/P部
17,23 送信ウェイト乗算部
18 信号多重部
19 D/A部
20,27 無線部
21 送信アンテナ部
22 パイロット信号生成部
23 送信ウェイト乗算部
24 送信ウェイト・干渉係数算出部
25 受信部
26 A/D部
27 無線部
28 受信アンテナ部
30 受信アンテナ部
30−1 空間多重対象アンテナ
30−2 補助アンテナ
31 無線部
32 A/D部
33 信号分離部
34 伝搬路推定部
35 伝搬路補償部
36 MMSE合成部
37 modulo部
38 復調部
39 上位層
40 送信部
41 D/A部
42 無線部
43 送信アンテナ部
44 選択部
45 切替部
100 基地局
200 各端末

Claims (13)

  1. Nを2以上の整数とする場合にN本の受信アンテナを備え、複数の送信アンテナを備えて非線形演算を用いて複数の端末装置宛の信号を空間多重する基地局装置と通信する端末装置であって、
    前記N本の受信アンテナで観測される伝搬路に関する情報のうち、N未満の伝搬路に関する情報と他の端末装置の伝搬路に関する情報を用いて前記基地局装置において空間多重を施された情報信号を前記N本の受信アンテナで受信し、
    前記N本の受信アンテナで受信した情報信号に受信ウェイトを乗算して合成し、
    前記合成後の情報信号に非線形演算を行って所望の情報信号を検出することを特徴とする端末装置。
  2. 前記基地局装置から送信されるパイロット信号を受信し、前記受信したパイロット信号を基に、前記受信ウェイトを算出することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
  3. 前記基地局装置から送信される、前記非線形演算を用いる空間多重における干渉を表す係数に関する情報を受信し、前記干渉を表す係数に関する情報を基に、前記受信ウェイトを算出することを特徴とする請求項2に記載の端末装置。
  4. 前記受信ウェイトは、前記基地局から送信された情報信号と、前記受信ウェイト乗算後の情報信号との平均2乗誤差を最小とするウェイトであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の端末装置。
  5. 前記N本の受信アンテナで観測される伝搬路に関する情報のうち、N未満の伝搬路に関する情報を前記基地局装置に通知することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の端末装置。
  6. 前記基地局装置に通知する伝搬路に関する情報は、前記N本の受信アンテナで観測される伝搬路のうち、伝搬路状態の良いものから選択することを特徴とする請求項5に記載の端末装置。
  7. 前記受信ウェイトを用いた情報信号の合成の適用、非適用を、端末装置の受信SNRまたは端末装置の移動速度または端末装置の消費電力モードに応じて切り替えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の端末装置。
  8. 前記非線形演算はmodulo演算であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の端末装置。
  9. 複数の送信アンテナを備えて、Nを2以上の整数とする場合にN本の受信アンテナを備えた第一の端末装置が含まれ、通信対象とする全端末装置の受信アンテナの合計が前記送信アンテナのうち伝送に用いられる数よりも多い複数の端末装置宛の情報信号に空間多重を施して通信を行なう基地局装置であって、
    前記第一の端末装置において観測される伝搬路のうちN未満の伝搬路に関する情報と他の端末装置の伝搬路に関する情報を用いて、非線形演算を用いた空間多重における送信ウェイトと干渉を表す係数を算出し、前記送信ウェイトと前記干渉を表す係数を用いて、複数の端末装置宛の情報信号を空間多重することを特徴とする基地局装置。
  10. 前記送信ウェイトを、伝搬路推定用のパイロット信号に乗算して送信することを特徴とする請求項9に記載の基地局装置。
  11. 前記干渉を表す係数に関する情報を前記端末装置に通知することを特徴とする請求項9又は10に記載の基地局装置。
  12. 前記非線形演算はmodulo演算であることを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載の基地局装置。
  13. 請求項1から8のいずれかに記載の端末装置と、
    請求項9から12のいずれかに記載の基地局装置と、
    を備えたことを特徴とする無線通信システム。
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