JP2011254049A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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好浩 岡
Kinya Goto
欣哉 後藤
Kohei Seo
光平 瀬尾
Yoshimichi Kobori
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Abstract

【課題】ポーラスLow−k膜の信頼性を向上させる。
【解決手段】プラズマCVD法によって層間絶縁膜IL2を形成する際にCVD装置内に供給するポロジェンの流量を、ポロジェンおよびメチルジエトキシシランの合計の流量の30%以上60%以下とすることで、層間絶縁膜IL2内に形成される空孔10の大きさを小さくし、プロセスダメージによって層間絶縁膜IL2の表面に変質層CLが形成されることを防ぐ。また、水分を含む変質層CLの形成を抑えることで、各配線を構成するバリア膜および主導体膜の酸化を防ぎ、各配線間の耐圧の劣化を防ぐ。これにより、層間絶縁膜IL2に隣接して形成される配線のEM寿命および前記配線の線間TDDB寿命の劣化を防ぐ。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、低い比誘電率膜を有する半導体装置の製造方法に適用して有効な技術に関するものである。
特許文献1(特開2008−263105号公報)には、ポーラスLow−k膜を複数の絶縁層からなる積層構造とし、前記複数の絶縁層のそれぞれを、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等で成膜した後、ポロジェン脱離処理を施して内部に空孔を設けることで形成することが開示されている。前記ポーラスLow−k膜を構成するそれぞれの絶縁層の膜厚を薄くすることで、ポーラスLow−k膜内に形成する複数の空孔同士が接触して連続的に接続されることを防ぐことが開示されている。すなわち、ここでは絶縁層の膜厚を薄くすることで、空孔同士が繋がることに起因するポーラスLow−k膜の機械的強度の低下およびポーラスLow−k膜の膜質の低下を防ぐことができるとしている。
特許文献2(特開2007−318067号公報)には、ポロジェン(Porogen)を用いて、Low−k膜をCVD法により形成することが開示されている。
特開2008−263105号公報 特開2007−318067号公報
先端のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)においては、素子の微細化が進むにつれて、配線抵抗と配線の寄生容量との積に比例する配線遅延(RC(Resistance-Capacitance)遅延)の増大が問題となる。この問題への対策として、銅(Cu)を配線に用いることで配線抵抗を低減するとともに、比誘電率kが2.5以上3.1以下の低い比誘電率を有する絶縁膜(Low−k膜)を層間絶縁膜に用いることで寄生容量を低減する手法が盛んに取り入れられている。近年では、さらに比誘電率が低い材料として、Low−k膜中に空孔を導入したポーラスLow−k膜などが開発されている。
なお、前記特許文献1ではポーラスLow−k膜内に空孔を形成するためのポロジェンの量を加減することで、ポーラスLow−k膜の機械的強度の低下を防ぎ、ポーラスLow−k膜の比誘電率を低下させることができるとしているが、ポロジェンの流量を加減して形成する空孔の具体的な大きさに関する数値については記載されていない。
しかし、ポーラスLow−k膜は、エッチング、アッシング、CMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)、成膜または洗浄などによるプロセスダメージ耐性が低いため、ダメージを受けた領域が変質し、ポーラスLow−k膜の信頼性が低下する。ダメージを受けたポーラスLow−k膜が変質した場合、ポーラスLow−k膜の電気特性が劣化する。すなわち、エッチングまたはアッシングなどの処理を行うと、プラズマまたは薬液などに曝されたポーラスLow−k膜の膜質が低下する。
このとき、ダメージを受けたポーラスLow−k膜は親水性が高くなることで水分が吸着して比誘電率が高くなるため、ポーラスLow−k膜内に含まれる水分によってポーラスLow−k膜と隣接するダマシン配線の表面が酸化し、ダマシン配線内の銅がポーラスLow−k膜内に拡散するおそれがある。このことにより、ポーラスLow−k膜内を挟んで配置された配線間の線間TDDB(Time Dependent Dielectric Breakdown:経時絶縁破壊)寿命が短くなる。また、ポーラスLow−k膜内に含まれる水分によってポーラスLow−k膜と隣接するダマシン配線の表面が酸化することにより、ポーラスLow−k膜とダマシン配線との密着性が低下するおそれがある。この場合、ポーラスLow−k膜内に形成されたダマシン配線の配線EM(Electro Migration)寿命が短くなり、ポーラスLow−k膜の信頼性が低下する。また、ポーラスLow−k膜が水分を含みやすくなること、および、ポーラスLow−k膜内に銅が拡散することは、ポーラスLow−k膜を介して配置された配線間の耐圧が低下する原因となり、ポーラスLow−k膜の電気的特性の低下に繋がる。
本発明の目的は、半導体装置の信頼性を向上させることにある。特に、層間絶縁膜のダメージ耐性を向上させる。
また、本発明の他の目的は、半導体装置の性能を向上させることにある。特に、層間絶縁膜の電気特性を向上させる。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明の好ましい一実施の形態である半導体装置の製造方法は、
(a)半導体基板を準備する工程と、
(b)前記半導体基板上に、空孔形成剤を内包する複数の空孔を有する層間絶縁膜をCVD法を用いて形成する工程と、
(c)前記空孔形成剤を前記複数の空孔内から前記層間絶縁膜の外に排出する工程と、
(d)前記半導体基板上に配線を形成する工程と、
を有し、
前記配線および前記層間絶縁膜は接しており、
前記(b)工程では、前記CVD法による前記層間絶縁膜の成膜工程において、CVD装置内に供給するメチルジエトキシシランと前記空孔形成剤とを足し合わせた流量に対し、前記空孔形成剤の流量の割合を30%以上60%以下とするものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
上記した本発明の好ましい一実施の形態によれば、
半導体装置の信頼性を向上させることができる。
本発明の一実施の形態である半導体装置の断面図である。 図1に示す半導体装置の一部を拡大して示す断面図である。 本発明の一実施の形態である半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図3に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図4に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図5に示す製造工程中の半導体装置の一部を拡大して示す断面図である。 図6に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図5に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図8に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図9に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図10に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図11に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図12に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図13に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図14に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図15に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図16に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 比較例として示す半導体装置の一部を拡大して示す断面図である。 比較例として示す半導体装置の一部を拡大して示す断面図である。 比較例として示す半導体装置の断面図である。 ポロジェンの割合に対する層間絶縁膜の比誘電率の上昇率を示すグラフである。 ポロジェンの割合に対する層間絶縁膜の比誘電率を示すグラフである。 ポロジェンの割合に対する層間絶縁膜の配線間耐圧を示すグラフである。 ポロジェンの割合に対する線間TDDB寿命と累積分布との関係を示すグラフである。 ポロジェンの割合に対するEM寿命と累積分布との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なときを除き、同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
本発明の実施の形態による半導体装置の一例を図1を用いて説明する。図1は半導体基板上に電界効果トランジスタであるMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)と、MISFET上の層間絶縁膜に形成された金属配線と、前記金属配線を囲むように形成された層間絶縁膜とを含む半導体装置の一部を示す断面図である。
図1に示すように、本実施の形態の半導体装置は半導体基板1S上にnチャネル型のMISFETQnを形成したものである。半導体基板1S上にはゲート絶縁膜1を介してゲート電極2が形成され、ゲート電極2およびゲート絶縁膜1の側壁にはサイドウォール3が形成されている。サイドウォール3の下部の半導体基板1Sの上面にはゲート電極2の下部の半導体基板1Sを挟むように一対のエクステンション領域4が形成されており、ゲート電極2およびサイドウォール3のそれぞれの下部を除く半導体基板1Sの上面には拡散層5が形成されている。拡散層5およびゲート電極2の上面にはそれぞれシリサイド層6が形成されている。ここで、ゲート絶縁膜1、ゲート電極2、エクステンション領域4および拡散層5はMISFETQnを構成している。
MISFETQnおよび半導体基板1Sの上面はストッパ絶縁膜7およびストッパ絶縁膜7上に形成された絶縁膜8からなるコンタクト層間絶縁膜CILにより覆われている。コンタクト層間絶縁膜CILは、コンタクト層間絶縁膜CILの上面から拡散層5上のシリサイド層6の上面に達するコンタクトホールCHの内壁に形成されたバリア膜および前記バリア膜を介してコンタクトホールCH内に埋め込まれた金属膜からなるコンタクトプラグPLG1が形成されている。ここで、コンタクトプラグPLG1およびコンタクト層間絶縁膜CILのそれぞれの上面は同一の高さを有している。なお、図示していない他の領域では、ゲート電極2上のシリサイド層6上にもコンタクトプラグPLG1が形成されている。
コンタクト層間絶縁膜CIL上にはストッパ絶縁膜BF、層間絶縁膜IL1、バリア絶縁膜BI1および層間絶縁膜IL2が順に形成されている。層間絶縁膜IL1およびストッパ絶縁膜BFからなる絶縁層は、層間絶縁膜IL1の上面からコンタクトプラグPLG1およびコンタクト層間絶縁膜CILのそれぞれの上面に達する配線溝WD1を有しており、配線溝WD1の内壁および底面にはバリア導体膜B1が形成されている。すなわち、配線溝WD1内において、層間絶縁膜IL1およびストッパ絶縁膜BFのそれぞれの側壁並びにコンタクトプラグPLG1上およびコンタクト層間絶縁膜CIL上にバリア導体膜B1が形成されている。配線溝WD1内には、バリア導体膜B1を介して形成された銅膜Cu1が埋め込まれており、銅膜Cu1およびバリア導体膜B1は第1配線L1を構成している。
層間絶縁膜IL2の上面には、層間絶縁膜IL2の上面から途中深さまで達する配線溝WD2が複数形成されており、それぞれの配線溝内には、配線溝WD1内と同様にバリア導体膜B2を介して銅膜Cu2が埋め込まれており、バリア導体膜B2および銅膜Cu2からなる第2配線L2が形成されている。また、第1配線L1と第2配線L2とが平面的に重なる領域の一部において、第1配線L1と第2配線L2との間には層間絶縁膜IL2およびバリア絶縁膜BI1を貫くビアホールV1が形成されており、ビアホールV1内には、配線溝WD2内と同様にバリア導体膜B2を介して銅膜Cu2が埋め込まれており、バリア導体膜B2および銅膜Cu2からなるコンタクトプラグPLG2が形成されている。また、層間絶縁膜IL2上および第2配線L2上には、バリア絶縁膜BI1と同様にバリア絶縁膜BI2が形成されている。
コンタクトプラグPLG2とコンタクトプラグPLG2上の第2配線L2とは一体になっており、コンタクトプラグPLG2および第2配線L2内の銅膜Cu2は第2配線L2の上面からコンタクトプラグPLG2の底部にかけて埋め込まれている。すなわち、配線溝WD2の底面の一部には、第1配線L1の上面に達するビアホールV1が形成されており、配線溝WD2およびビアホールV1のそれぞれの内壁および底面にはバリア導体膜B2が形成され、配線溝WD2およびビアホールV1のそれぞれの内側にはバリア導体膜B2を介して銅膜Cu2が形成されている。したがって、第2配線L2はコンタクトプラグPLG2、第1配線L1、コンタクトプラグPLG1およびシリサイド層6を介してMISFETQnの拡散層5と電気的に接続されている。
図1に示すMISFETQnはn型のチャネル領域を有するnチャネル型MISFETであり、例えば電気信号をスイッチングするスイッチング素子、電気信号を増幅するための増幅素子、メモリを選択する周辺回路などに使用されるものである。半導体基板1Sは例えばSi(シリコン)からなり、上面にp型の半導体領域を有している。ゲート絶縁膜1、サイドウォール3および絶縁膜8はそれぞれ例えばSiO(酸化シリコン)からなる。ストッパ絶縁膜7はSiN(窒化シリコン)からなり、コンタクトプラグPLG1を埋め込むコンタクトホールCHをドライエッチングによって開口する際、エッチングストッパ膜として機能するものである。ゲート電極2は例えばP(リン)またはAs(ヒ素)などのn型の不純物が導入された低抵抗のn型半導体膜(ドープトポリシリコン膜)であり、MISFETQnのゲートとして機能するものである。エクステンション領域4および拡散層5はn型の不純物(例えばP(リン))が導入されたn型半導体領域であり、MISFETQnのソースまたはドレインとして機能するものである。なお、エクステンション領域4は拡散層5よりも不純物濃度が低く、エクステンション領域4および拡散層5はLDD(Lightly Doped Drain)構造を有している。
シリサイド層6は、例えばNi(ニッケル)とSi(シリコン)の化合物であるNiSi(ニッケルシリサイド)からなり、W(タングステン)からなる金属膜を主に含むコンタクトプラグPLG1と拡散層5とを電気的に接続している。コンタクトプラグPLG1の側面および底面に形成されたバリア膜は例えばTi(チタン)またはTi化合物からなり、コンタクトプラグPLG1内のW(タングステン)がコンタクト層間絶縁膜CIL内に拡散することを防ぐ機能を有する。バリア導体膜B1は例えばCVD法により形成されるSiC(炭化シリコン)からなる絶縁膜であるが、SiC以外の部材としては、SiN(窒化シリコン)、SiCN(炭窒化シリコン)またはSiOC(炭酸化シリコン)などを例示することができる。層間絶縁膜IL1および層間絶縁膜IL2は、コンタクト層間絶縁膜CILよりも比誘電率が低いポーラスLow−k膜であり、例えば、内部に複数の空孔を有するSiOC(炭酸化シリコン)膜からなる。
バリア導体膜B1、B2は主にTaN(窒化タンタル、タンタルナイトライド)およびTa(タンタル)を順に積層して形成した積層構造を有する導電性の金属膜であり、銅膜Cu1、Cu2内のCu(銅)が層間絶縁膜IL1、IL2、ストッパ絶縁膜BFまたはコンタクト層間絶縁膜CILなどに拡散することを防いでいる。銅膜Cu1、Cu2は主にCu(銅)またはCu(銅)と他の金属からなる合金からなる導電膜であり、拡散層5に所定の電位を供給する導電経路の一部である。
バリア絶縁膜BI1、BI2は、銅膜Cu1、Cu2内のCu(銅)が銅膜Cu1、Cu2の上方の層間絶縁膜などに拡散することを防ぐ働きを有するライナー膜である。バリア絶縁膜BI1、BI2は、例えばSiN、SiC、SiCNまたはSiOCなどを含む絶縁膜である。
ここで、図1の層間絶縁膜IL2を拡大した断面図を図2に示す。図2に示すように、層間絶縁膜IL2内には、空孔10が複数形成されている。本実施の形態の半導体装置では、層間絶縁膜IL2の部材として、膜内に多数の空孔10を形成することでLow−k膜よりさらに比誘電率を低めたポーラスLow−k膜を用いている。これは、半導体装置内の配線の抵抗と配線の寄生容量との積に比例する配線遅延の発生を防ぐためであり、また、比誘電率が低いポーラスLow−k膜を用いることで、例えば第2配線L2同士の間の耐圧を高めることができる。
なお、図2に示すように、層間絶縁膜IL2内には、CVD法によりSiOC膜を形成する際にポロジェンの使用の有無に関係なく形成される微細な空孔11が複数存在している。空孔11は空孔10よりも小さい空隙であり、ポーラスLow−k膜またはLow−k膜を形成した際にそれぞれの膜内に多数形成されるものである。複数の空孔11の平均的な直径は0.6〜1.0nm程度である。また、図1に示す層間絶縁膜IL1も図2に示す構造と同様の構造を有している。
本実施の形態では、内部に空孔11が形成され、空孔10が形成されていない層間絶縁膜をLow−k膜と定義し、内部に空孔11および空孔10が形成されており、Low−k膜よりも低い比誘電率を有する層間絶縁膜をポーラスLow−k膜と定義して説明する。
次に、本実施の形態の半導体装置の製造方法について、図3〜図17を用いて説明する。図3〜図5および図8〜図17はMISFETQnを含む本実施の形態の半導体装置の製造方法を示す断面図であり、図6および図7は一層目の配線と同層に形成される絶縁膜を拡大して示す断面図である。なお、本発明は金属配線に隣接する層間絶縁膜に関する発明であるため、ここではMISFETを形成する詳しい工程の説明は省略する。
まず、図3に示すように、周知の技術を用いて半導体基板1Sの上面にMISFETQnを形成する。MISFETQnは半導体基板1Sの上面上にゲート絶縁膜1を介して形成されたゲート電極2と、半導体基板1Sの上面に形成されたn型半導体領域であるエクステンション領域4および拡散層5を有するものである。ゲート電極2の側壁には酸化シリコンからなるサイドウォール3を形成し、ゲート電極2および拡散層5の上面にはそれぞれシリサイド層6を形成する。シリサイド層6は、周知のサリサイド技術により形成する。
次に、ゲート電極2、拡散層5、サイドウォール3およびシリサイド層6を含む半導体基板1Sの主面の全面を覆うようにストッパ絶縁膜7を形成する。ストッパ絶縁膜7は例えば窒化シリコン膜からなり、成膜温度(基板温度)450℃程度のプラズマCVD法などにより形成することができる。ストッパ絶縁膜7はMISFETQn上にコンタクトホールを形成する際のエッチングストッパ膜として機能する。
その後、ストッパ絶縁膜7上にストッパ絶縁膜7よりも厚い絶縁膜8を形成し、ストッパ絶縁膜7および絶縁膜8からなるコンタクト層間絶縁膜CILを形成する。絶縁膜8は例えば酸化シリコン膜などからなり、TEOSを用いて成膜温度450℃程度のプラズマCVD法などにより形成することができる。その後、コンタクト層間絶縁膜CILの表面をCMP法により研磨するなどして、コンタクト層間絶縁膜CILの上面を平坦化する。下地段差に起因してコンタクト層間絶縁膜CILの表面に凹凸形状が形成されていても、コンタクト層間絶縁膜CILの表面をCMP法により研磨することにより、その表面が平坦化された絶縁膜を得ることができる。
次に、図4に示すように、コンタクト層間絶縁膜CIL上に形成したフォトレジストパターン(図示しない)をエッチングマスクとして用いてコンタクト層間絶縁膜CILをドライエッチングすることにより、コンタクト層間絶縁膜CILを貫通するコンタクトホール(貫通孔、孔)CHを形成する。コンタクトホールCHの底部では、半導体基板1Sの主面の一部、例えば拡散層5上のシリサイド層6の上面が露出され、図4に示していない領域では、ゲート電極2と同層のゲート接続部の上面のシリサイド層の上面が露出される。
その後、コンタクトホールCH内およびコンタクト層間絶縁膜CIL上にTi(チタン)を含むバリア膜を形成した後、コンタクトホールCH内にW(タングステン)膜を充填し、前記バリア膜および前記タングステン膜を研磨することでコンタクト層間絶縁膜CILの上面を露出させ、前記バリア膜および前記タングステン膜からなるコンタクトプラグPLG1を形成する。
コンタクトプラグPLG1を形成するには、例えば、コンタクトホールCHの内部(底部および側壁上)を含むコンタクト層間絶縁膜CIL上に、成膜温度(基板温度)450℃程度のプラズマCVD法によりバリア膜(例えばチタン膜、窒化チタン膜、あるいはそれらの積層膜)を形成する。それから、主導体膜である前記タングステン膜をCVD法などによって前記バリア膜上にコンタクトホールCHを埋めるように形成した後、コンタクト層間絶縁膜CIL上の不要な前記タングステン膜および前記バリア膜をCMP法またはエッチバック法などによって除去することにより、コンタクトプラグPLG1を形成することができる。図示は省略するが、このとき、ゲート電極2と一体となってゲート電極2と同層に形成された接続部の上面にもシリサイド層が形成され、前記接続部上にはシリサイド層を介してコンタクトプラグが形成される。
次に、図5に示すように、コンタクトプラグPLG1が埋め込まれたコンタクト層間絶縁膜CIL上に、ストッパ絶縁膜BFおよび配線形成用の層間絶縁膜IL1を順次形成する。ストッパ絶縁膜BFは層間絶縁膜IL1への溝加工の際にエッチングストッパとなる膜であり、層間絶縁膜IL1に対してエッチング選択比を有する材料を用いる。ストッパ絶縁膜BFは、例えばプラズマCVD法により形成されるSiN(窒化シリコン)膜とし、層間絶縁膜IL1は、例えばプラズマCVD法により形成されるSiOC(炭酸化シリコン)膜とすることができる。
ここで、層間絶縁膜IL1を形成する方法についてさらに詳しく説明する。層間絶縁膜IL1は、プラズマCVD装置内においてSiOC膜を堆積することにより形成する。このSiOC膜は内部に複数の空孔を有するポーラスLow−k膜であり、プラズマCVD法によりポロジェンガスを含む複数の空孔を有する絶縁膜を形成した後に、当該絶縁膜からポロジェンを脱離(排出)させることで形成することができる。
なお、ポロジェンは層間絶縁膜IL1内に多数の空孔を形成するための空孔形成剤であり、ポロジェンを含む絶縁膜を形成した後、ポロジェンを当該絶縁膜内から脱離させるキュア工程を行うことで、ポロジェンが含まれていた領域に空孔を形成し、図5に示す層間絶縁膜IL1を形成する。
半導体基板(半導体ウエハ)の直径を200mmとした場合の層間絶縁膜IL1の成膜条件は、プラズマ励起のためのRFパワーを380W、プラズマCVD装置内の気圧を800Pa、半導体基板1Sの温度を250℃とする。この条件下においてプラズマCVD装置内に、ポロジェンを含む層間絶縁膜IL1(図6参照)を形成するためのガスであるO(酸素)、He(ヘリウム)、C14Si(メチルジエトキシシラン)およびポロジェンを供給することで層間絶縁膜IL1を成膜する。具体的には、O(酸素)を12sccm(standard cc/min)、He(ヘリウム)を470sccm、C14Si(メチルジエトキシシラン)を0.2g/min、ポロジェンを0.25g/minずつそれぞれ供給する。なお、酸素およびヘリウムの流量を示す単位であるsccmは、1気圧、0℃の条件下において単位時間当たりに流れる物質の体積を表わすものである。
なお、ポロジェンを含む層間絶縁膜IL1を主に構成するのはメチルジエトキシシランおよびポロジェンだが、酸素もポロジェンを含んだ層間絶縁膜IL1を構成するガスである。また、ヘリウムはプラズマを発生させるために供給するものである。酸素の流量12sccmは約0.017g/minに換算でき、また、ヘリウムの流量470sccmは、約0.042g/minに換算できる。
本実施の形態では、上記成膜工程におけるポロジェンの流量を、ポロジェンおよびメチルジエトキシシランの合計の流量の30%以上60%以下の流量とする。上記の成膜条件の場合、ポロジェンおよびメチルジエトキシシランの合計の流量は0.45g/minであり、そのうちのポロジェンの流量は0.25g/minであるので、ポロジェンの流量はポロジェンおよびメチルジエトキシシランの合計の流量の56%程度となる。
ここで、ポロジェンの材料としては、分子量が80以上150以下のC(炭化水素)であって、例えばα−テルピネン(C1016)、リモネン(C1016)またはシクロオクタなどを用いることができる。また、ポロジェンを層間絶縁膜IL1から脱離させるキュア工程としては、UV(Ultraviolet:紫外線)照射、EB(Electron Beam:電子ビーム)照射、ランプなどを用いた熱処理またはプラズマなどによるキュア方法がある。なお、このキュア工程には、層間絶縁膜IL1の強度を高める役割もある。なお、ここで言うキュアとは、前述したUV照射またはEB照射などによって、層間絶縁膜内のポロジェンにエネルギーを印加することで、ポロジェンを層間絶縁膜の外に排出する工程のことを指す。
すなわち、図6に示すように、上記のプラズマCVD法による成膜工程によってストッパ絶縁膜BF(図示しない)上にポロジェンPGのガスを含む空孔および空孔11をそれぞれ複数含む層間絶縁膜IL1を形成する。その後、例えば半導体基板1S(図示しない)の主面に向かって電子ビーム(EB)を照射し、ポロジェンPGを層間絶縁膜IL1内から排出させる(キュアする)ことで、図7に示すように、ポロジェンが内包されていた複数の空孔はそれぞれポロジェンが含まれない空孔10となり、空孔10および空孔11を有するポーラスな層間絶縁膜IL1を形成することができる。
また、図7を用いて説明したキュア工程ではポロジェンが層間絶縁膜IL1の内部から最表面まで抜けていくが、ポロジェンが抜ける際の通り道に沿って延在する空隙が連続的に形成されるわけではなく、図7に示すように、ポロジェンが脱離した跡には空隙が点在するように複数形成される。
次に、図8に示すように、シングルダマシン法により第1層目の配線を形成する。まず、レジストパターン(図示しない)をマスクとしたドライエッチングによって層間絶縁膜IL1およびストッパ絶縁膜BFの所定の領域に、コンタクト層間絶縁膜CIL、コンタクトプラグPLG1の上面を露出する配線溝WD1を形成する。
次に、図9に示すように、半導体基板1Sの主面上(すなわち配線溝WD1の底部および側壁上を含む層間絶縁膜IL1上)にTaN(窒化タンタル、タンタルナイトライド)からなるバリア導体膜(バリアメタル膜)およびTa(タンタル)からなるバリア導体膜を順次形成し、前記TaN膜およびTa膜からなるバリア導体膜B1を形成する。バリア導体膜B1の膜厚は10nm程度である。なお、バリア導体膜B1は、例えばTa(タンタル)、Ti(チタン)、Ru(ルテニウム)、W(タングステン)、Mn(マンガン)およびこれらの窒化物や窒化珪化物、または、これらの積層膜から構成され、例えば、スパッタリング法を使用することにより形成することができる。
続いて、PVD法によりバリア導体膜B1上にCu(銅)からなるCuシード膜(図示しない)を形成し、さらに電解メッキ法を用いて前記Cuシード膜上に銅膜Cu1を形成することにより、銅膜Cu1によって配線溝WD1の内部を埋め込む。その後、N(窒素)などの不活性ガスの雰囲気において製造工程中の半導体装置を熱処理することで前記Cuシード膜および銅膜Cu1を一体化させ、また、Cuの結晶粒径を成長させて大きくする。
次に、図10に示すように、配線溝WD1内以外の領域の銅膜Cu1、Cuシード膜(図示しない)およびバリア導体膜B1をCMP法により除去して層間絶縁膜IL1の上面を露出することで、バリア導体膜B1、Cuシード膜および銅膜Cu1からなり、銅を主導電材料とする第1層目の金属配線である第1配線L1を形成する。
なお、前述したCuシード膜および銅膜Cu1を一体化させる熱処理は、図10を用いて説明したCMP法による研磨工程の前ではなく後に行っても良い。
その後、第1配線L1を形成した層間絶縁膜IL1の表面に対してアンモニアプラズマ処理を実施して、第1配線L1の表面および層間絶縁膜IL1の表面を清浄化する。続いて、図11に示すように、第1配線L1を形成した層間絶縁膜IL1上にバリア絶縁膜BI1を形成する。このバリア絶縁膜BI1は、例えば、SiCN膜とSiCO膜の積層膜から構成され、例えば、この積層膜はCVD法により形成することができる。
そして、バリア絶縁膜BI1上に層間絶縁膜IL2を形成する。層間絶縁膜IL2上にCMP保護膜CMP1を形成する。具体的に、層間絶縁膜IL2は、例えば、空孔を有するSiOC膜から形成されており、図5〜図7を用いて説明した方法と同様の条件を用いたプラズマCVD法により形成する。したがって、層間絶縁膜IL2は、内部に複数の空孔を有するSiOC膜からなる低い比誘電率を有する膜である。CMP保護膜CMP1は、例えば、TEOS膜、あるいは、酸化シリコン膜から構成される。
続いて、図12に示すように、CMP保護膜CMP1上にフォトレジスト膜FR1を形成する。そして、このフォトレジスト膜FR1に対して、露光・現像処理を施すことにより、フォトレジスト膜FR1をパターニングする。パターニングは、ビアホールを形成する領域を開口するように行なわれる。その後、パターニングしたフォトレジスト膜FR1をマスクにして、CMP保護膜CMP1および層間絶縁膜IL2をエッチングする。これにより、CMP保護膜CMP1および層間絶縁膜IL2を貫通して、バリア絶縁膜BI1を露出するビアホールV1を形成することができる。このようにバリア絶縁膜BI1は、エッチングの際にエッチングストッパとして機能することがわかる。
次に、図13に示すように、パターニングしたフォトレジスト膜FR1を除去した後、CMP保護膜CMP1上にフォトレジスト膜FR2を形成し、このフォトレジスト膜FR2に対して露光・現像処理を施すことにより、フォトレジスト膜FR2をパターニングする。フォトレジスト膜FR2のパターニングは、配線溝を形成する領域を開口するように行なわれる。
その後、図14に示すように、パターニングしたフォトレジスト膜FR2をマスクとした異方性エッチングにより、CMP保護膜CMP1をエッチングする。そして、パターニングしたフォトレジスト膜FR2をプラズマアッシング処理により除去する。
続いて、図15に示すように、エッチバック法により、ビアホールV1の底部に露出するバリア絶縁膜BI1を除去する。これにより、ビアホールV1の底部に第1配線L1の表面が露出することになる。このときのエッチバック法により、パターニングされたCMP保護膜CMP1から露出している層間絶縁膜IL2の一部もエッチングされて配線溝WD2が形成される。
次に、図16に示すように、配線溝WD2を形成したCMP保護膜CMP1上に、バリア導体膜B1と同様の構造を有するバリア導体膜B2を形成する。
続いて、配線溝WD2の内部およびCMP保護膜CMP1上に形成されたバリア導体膜上に、例えば、薄い銅膜からなるシード膜をスパッタリング法により形成する。そして、このシード膜を電極とした電解めっき法により銅膜Cu2を形成する。この銅膜Cu2は、配線溝WD2を埋め込むように形成される。この銅膜Cu2は、例えば、銅を主体とする膜から形成される。
続いて、図17に示すように、CMP保護膜CMP1上に形成されている不要なバリア導体膜B2および銅膜Cu2をCMP法で除去する。これにより、層間絶縁膜IL2が露出し、かつ、配線溝WD2にバリア導体膜B2と銅膜Cu2を埋め込んだ第2配線L2と、ビアホールにバリア導体膜B2と銅膜Cu2を埋め込んだコンタクトプラグPLG2を形成することができる。その後、層間絶縁膜IL2上および第2配線L2上に、バリア絶縁膜BI1と同様の工程でバリア絶縁膜BI2を形成することで、図1に示す本実施の形態の半導体装置が完成する。なお、本実施の形態では説明を省略するが、前記第2層目の配線よりも上層の領域においては、前記第2層目の配線と同様の工程を行うことで、第2配線L2上に多層のCu配線を形成することができる。
また、このときのCMP法による研磨圧力やスクラッチダメージに耐えるため、CMP保護膜CMP1は設けられている。CMP法により露出される層間絶縁膜IL2は、ある程度、このCMP法による研磨圧力やスクラッチダメージに耐えられるが、CMP保護膜CMP1が設けられていない場合には、充分に耐えられないおそれがある。
次に、本実施の形態の半導体装置の効果について説明する。
まず、比較例として、CVD法によりポロジェンを用いてポーラスLow−k膜を形成する場合の成膜工程において、ポロジェンの流量を多くし、内部に比較的大きい空孔を形成した層間絶縁膜を拡大した断面図を図18に示す。図18に示すように、層間絶縁膜IL2a内には、図2に示す空孔10よりも大きい空孔12と、図2に示す空孔10よりも小さい空孔11とが形成されている。
すなわち、この比較例では、層間絶縁膜IL2aの形成工程において用いるポロジェンの流量を多くしているため、層間絶縁膜IL2a内に形成されるポロジェンを含む空孔の大きさが大きくなる。したがって、前記ポロジェンを層間絶縁膜IL2aから脱離させたとき、層間絶縁膜IL2a内には比較的大きい空孔12が形成される。
ここで、ポーラスLow−k膜を含むLow−k膜は、エッチング工程、アッシング工程、洗浄工程、成膜工程およびCMPによる研磨工程などにおいてプラズマまたは薬液などに曝されることにより、プラズマまたは薬液などに曝された表面の膜質が変化する性質を有している。具体的には、図17に示す層間絶縁膜IL2は、図11を用いて説明した洗浄工程、図12、図14および図15を用いて説明したエッチング工程、図13および図14を用いて説明したアッシング工程およびその後の洗浄工程、並びに、図11、図16および図17を用いて説明したバリア絶縁膜BI2の成膜工程において、その表面にダメージを受ける。上記の工程の中では、CMP工程または洗浄工程などは比較的層間絶縁膜に対するダメージよりも、層間絶縁膜に配線溝またはビアホールなどを形成するエッチング工程またはアッシング工程による層間絶縁膜へのダメージの方が特に大きい。比較例として図18に示す変質層CLaは、ダメージを受けて膜質が変化した層間絶縁膜IL2aの表面に形成された膜である。
プラズマまたは薬液などに曝された(ダメージを受けた)層間絶縁膜は、その表面の材質が変化して親水性が高まり、水を含みやすい状態となる。なお、ダメージを受けた層間絶縁膜の親水性が高まるのは、層間絶縁膜に結合している疎水性の高いメチル基(CH基)が、プラズマまたは薬液などに曝されることにより、親水性の高いOH基と置き換わるためである。OH基が結合している層間絶縁膜の変質層には、半導体基板が大気に曝露された際に水分が吸着しやすい。
ここで、図18に示す層間絶縁膜IL2aを用いた配線層を拡大した断面図を図19に比較例として示す。図19に示すバリア絶縁膜BI2a、第2配線L2a、銅膜Cu2a、バリア導体膜B2aおよび層間絶縁膜IL2aは、それぞれ図1に示すバリア絶縁膜BI2、第2配線L2、銅膜Cu2、バリア導体膜B2および層間絶縁膜IL2に対応する。図18と同様に、層間絶縁膜IL2aの上面および配線溝WD2の内壁および底面には変質層CLaが形成されており、変質層CLa内には層間絶縁膜IL2aよりも多くの水分が含まれている。銅膜Cu2aの上面に形成された酸化銅膜CuOは、変質層CLa内の水分によって酸化された酸化銅を含む層である。
変質層CLaが層間絶縁膜IL2aの上面からより深い領域に渡って形成されている場合に酸化銅膜CuOは形成されやすくなる。酸化銅膜CuOが形成されていると、酸化銅膜CuOと酸化銅膜CuO上のバリア絶縁膜BI2aとの密着性が低下し、第2配線L2aのEM寿命が低下する。なお、EMとは、電界の影響で金属配線を構成する金属成分が非金属媒体の上や中を横切って移動するエレクトロマイグレーションのことであり、このエレクトロマイグレーションにより金属配線内に空隙(ボイド)が形成され、金属配線の抵抗値の上昇や断線が起こる。
また、変質層CLaから脱離した水分によってバリア導体膜B2aが酸化されることにより、バリア導体膜のバリア膜としての機能が低下し、銅膜Cu2a内の銅イオンが第2配線L2aを囲む層間絶縁膜IL2a内に拡散しやすくなる。このように、層間絶縁膜IL2a内にダメージを受けた変質層CLaが形成され、変質層CLaに水分が吸着し、また、層間絶縁膜IL2a内に銅が拡散することにより、第2配線L2a間の線間TDDB寿命が低下する。また、同様の原因により、第2配線L2a間の耐圧が低下する問題がある。なお、線間TDDB寿命とは、酸化膜(本実施の形態の図1に示す層間絶縁膜IL1、IL2に相当)に電圧を継続的に印加したとき、時間が経つにつれて前記酸化膜の破壊の割合が増加する性質のことを言う。
また、上記したようにバリア導体膜B2aが酸化された場合、バリア導体膜B2aと接する層間絶縁膜IL2aとの密着性が低下する問題がある。
これらの問題は、変質層CLaの形成される領域を低減することで防ぐことができる。図18に示すように、変質層CLaは層間絶縁膜IL2aの上面に露出し、層間絶縁膜IL2aの表面の一部となっている空孔12の内壁に沿って層間絶縁膜IL2aの上面から深い領域に形成されており、層間絶縁膜IL2aの上面に形成された空孔12によって変質層CLaの形成される領域が増加していることがわかる。また、層間絶縁膜IL2aの上面に形成された空孔12に接触して一体となっている他の空孔12が形成されている場合、変質層CLaが形成される領域はさらに拡大する。
そこで、層間絶縁膜IL2aの上面に露出する空孔12およびそれに繋がる空孔12が形成されることを防ぐために、本実施の形態では、図5〜図7を用いて説明したように、ポロジェンの流量をポロジェンおよびメチルジエトキシシランの合計の流量の30%以上60%以下に低減することにより、比較例に比べて、形成される空孔の大きさを小さくしている。すなわち、図2に示すように、層間絶縁膜IL2内には図18に示す空孔12よりも小さい空孔10が形成されている。
大きさが小さい空孔10は層間絶縁膜IL2の上面に露出する可能性が低く、また、空孔10が層間絶縁膜IL2の上面に露出したとしても、それによって空孔10の内壁に沿って層間絶縁膜IL2の表面に形成される変質層CLの深さは、図18に示すように大きさが大きい空孔12の内壁に沿って形成される場合よりも浅い。すなわち、変質層CLが形成される領域を低減することができる。また、空孔10は図18に示す空孔12よりも大きさが小さいため、複数の空孔10同士が互いに接触して一体になることが少なく、層間絶縁膜IL2の上面から連なって深い領域にまで変質層CLを広げる可能性が低い。
したがって、本実施の形態では、プラズマCVD法によって層間絶縁膜を形成する際のポロジェンの流量を、ポロジェンおよびメチルジエトキシシランの合計の流量の30%以上、60%以下とすることで、層間絶縁膜内の空孔の大きさを小さくし、層間絶縁膜の表面に変質層が形成されることを防ぐことができる。また、水分を含む変質層CLの形成を抑えることで、各配線を構成するバリア膜および主導体膜の酸化を防ぎ、前記主導体膜内の金属原子が層間絶縁膜内に拡散することを防ぐことを可能としている。これにより、層間絶縁膜に隣接して形成される配線のEM寿命を延ばすことができる。また、同様の理由により、前記配線の線間TDDB寿命を延ばすことができる。よって、本実施の形態における半導体装置では、半導体装置の信頼性を向上することができる。
また、水分を含む変質層CLの形成を抑え、前記主導体膜内の金属原子が層間絶縁膜内に拡散することを防ぐことを可能としているため、各配線間の耐圧の低下を防ぐことができる。よって、本実施の形態における半導体装置では、半導体装置の性能を向上させることができる。
ところで、図18に示す層間絶縁膜IL2aの表面へのダメージを軽減する方法として、ポーラスLow−k膜を形成した後に、当該ポーラスLow−k膜を保護するためのダメージ保護膜を当該ポーラスLow−k膜上に形成する方法が考えられる。ここで、比較例として、図20に、ポーラスLow−k膜上にダメージ保護膜を形成している半導体装置の断面図を示す。図20に示すように、半導体基板1S上に形成されたMISFETQnに電気的に接続された第1配線L1上の層間絶縁膜IL2上には、ダメージ保護膜DP2が形成されている。ダメージ保護膜DP2は層間絶縁膜IL2を形成した後に層間絶縁膜IL2上にCVD法により形成されるSiOC膜からなり、ポーラスLow−k膜である層間絶縁膜IL2よりも高い機械的強度と高い比誘電率とを有する。ダメージ保護膜DP2および層間絶縁膜IL2には、ダメージ保護膜DP2の上面から層間絶縁膜IL2の途中深さにまで達する配線溝WD2が形成され、配線溝WD2内には第2配線L2が形成されている。
ダメージ保護膜DP2は層間絶縁膜IL2に含まれるような大きな空孔10または12(図2または図18参照)を含まない比誘電率の高い膜であり、層間絶縁膜IL2がエッチング、洗浄、アッシングまたは成膜工程によってダメージを受けることを防ぐ機能を有している。
図20に示す半導体装置では、ダメージ保護膜DP2をポーラスLow−k膜上またはLow−k膜上に形成することにより、ダメージ保護膜の下部の層間絶縁膜がダメージを受けることを防ぐことで、線間TDDB寿命もしくは配線EM寿命の低下または配線間の耐圧の低下を防いでいる。しかし、ダメージ保護膜は比誘電率の高い膜であるため、ダメージ保護膜を形成すると半導体装置全体の比誘電率が上がり、比誘電率の低いポーラスLow−k膜またはLow−k膜を使用する効果が薄れ、半導体装置の高速化の妨げとなる。
これに対し、本実施の形態ではポーラスLow−k膜内の空孔の大きさを抑えることにより、ポーラスLow−k膜がダメージを受けるを防ぐことを可能としているため、ダメージ保護膜を形成する必要がなく、ダメージ保護膜によって半導体装置の比誘電率が増加することを防いでいる。また、本実施の形態では、ダメージ保護膜を形成する工程を減らすことができるため、半導体装置の製造工程を簡略化することができる。
次に、プラズマCVD法によって層間絶縁膜を形成する際のポロジェンの流量を、ポロジェンおよびメチルジエトキシシランの合計の流量の30%以上、60%以下としている理由について、図21〜図25を用いて説明する。
図21は、横軸をポロジェンおよびメチルジエトキシシランの合計の流量に対するポロジェンの流量の割合とし、縦軸を層間絶縁膜が前述したプロセスによってダメージを受けることによる層間絶縁膜の比誘電率kの上昇率とするグラフであり、ポロジェンの流量を変化させることによって、形成される層間絶縁膜のダメージ耐性が変化することを示している。つまり、ポーラスLow−k膜のダメージ耐性の程度を、比誘電率の上昇率を指標として評価している。図21では、ポロジェンの流量の割合が60%よりも多くなると、特に比誘電率の上昇率が高くなり、プロセスダメージに弱い層間絶縁膜が形成されてしまうことがわかる。
図22は、横軸をポロジェンおよびメチルジエトキシシランの合計の流量に対するポロジェンの流量の割合とし、縦軸を層間絶縁膜の比誘電率kの値とするグラフであり、ポロジェンの流量を変化させることによって、形成される層間絶縁膜の比誘電率が変化することを示している。図22では、ポロジェンの流量の割合が30%未満になると、層間絶縁膜の比誘電率が特に高くなることがわかる。比誘電率が高い層間絶縁膜は配線遅延を起こす原因となるため、ポーラスLow−k膜として使用することはできない。このため、図21および図22から、ポロジェンの流量の割合は30%以上であって60%以下であることが好ましいことがわかる。本実施の形態では、ポロジェンの流量の割合を30%以上60%以下とすることで、プロセスダメージによる比誘電率の上昇を抑えた上で、比誘電率の低い層間絶縁膜を実現することを可能としている。
図23は、横軸をポロジェンおよびメチルジエトキシシランの合計の流量に対するポロジェンの流量の割合とし、縦軸を、前記流量のポロジェンを用いて形成された層間絶縁膜を介して形成された配線間の耐圧とするグラフであり、ポロジェンの流量を変化させることによって、配線間耐圧が変化することを示している。図23では、ポロジェンの流量の割合が60%より大きくなると、配線間耐圧が急激に低下することがわかる。
図24および図25は、横軸をそれぞれ線間TDDB寿命の時間およびEM寿命の時間とし、縦軸を累積分布とするグラフであり、ポロジェンの流量を変化させることによって、形成される層間絶縁膜の線間TDDB寿命およびEM寿命が変化することを示している。
図24では、ポロジェンの流量の割合が60%より大きくなると、グラフにおけるプロットが縦軸よりも横軸に沿う方向に近い傾きをもつ直線状に分布していることがわかる。すなわち、ポロジェンの流量の割合が60%より大きくなると、短い時間で配線間の絶縁破壊が起こる可能性が高くなる。逆に、図24に示すグラフでは、ポロジェンの流量の割合が60%以下の場合、グラフのプロットは縦軸に沿う方向に近い傾きをもつ直線状に分布するため、線間TDDB寿命が短くなる可能性が低くなるため、半導体装置の信頼性を向上することができる。
図25では、ポロジェンの流量の割合が60%より大きい場合より、ポロジェンの流量の割合が60%より小さい場合の方がEM寿命が長くなることがわかる。
以上に示した図21〜図25のグラフから、本実施の形態では層間絶縁膜を形成する際のポロジェンおよびメチルジエトキシシランの合計の流量のうち、ポロジェンの流量の割合を30%以上60%以下としている。これにより、プロセスダメージに対するダメージ耐性が高く、線間TDDB寿命およびEM寿命が長く、比誘電率が低い層間絶縁膜を形成することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本発明は、ポーラスLow−k膜を有する半導体装置に幅広く利用されるものである。
1 ゲート絶縁膜
1S 半導体基板
2 ゲート電極
3 サイドウォール
4 エクステンション領域
4a Cuシード膜
5 拡散層
6 シリサイド層
7 ストッパ絶縁膜
8 絶縁膜
10 空孔
11 空孔
12 空孔
B1 バリア導体膜
B2 バリア導体膜
B2a バリア導体膜
BF ストッパ絶縁膜
BI1 バリア絶縁膜
BI2 バリア絶縁膜
BI2a バリア絶縁膜
CH コンタクトホール
CIL コンタクト層間絶縁膜
CL 変質層
CLa 変質層
CMP1 CMP保護膜
Cu1 銅膜
Cu2 銅膜
Cu2a 銅膜
CuO 酸化銅膜
FR1 フォトレジスト膜
FR2 フォトレジスト膜
IL1 層間絶縁膜
IL2 層間絶縁膜
IL2a 層間絶縁膜
L1 第1配線
L2 第2配線
L2a 第2配線
PG ポロジェン
PLG1 コンタクトプラグ
PLG2 コンタクトプラグ
Qn MISFET
V1 ビアホール
WD1 配線溝
WD2 配線溝

Claims (2)

  1. (a)半導体基板を準備する工程と、
    (b)前記半導体基板上に、空孔形成剤を内包する複数の空孔を有する層間絶縁膜をCVD法を用いて形成する工程と、
    (c)前記空孔形成剤を前記複数の空孔内から前記層間絶縁膜の外に排出する工程と、
    (d)前記半導体基板上に配線を形成する工程と、
    を有し、
    前記配線および前記層間絶縁膜は接しており、
    前記(b)工程では、前記CVD法による前記層間絶縁膜の成膜工程において、CVD装置内に供給するメチルジエトキシシランと前記空孔形成剤とを足し合わせた流量に対し、前記空孔形成剤の流量の割合を30%以上60%以下とすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記(d)工程は、
    (d1)前記層間絶縁膜の上面に配線溝を形成する工程と、
    (d2)前記層間絶縁膜上に金属膜を形成し、前記配線溝内を前記金属膜で埋め込む工程と、
    (d3)前記金属膜を研磨して前記層間絶縁膜の上面を露出させ、前記金属膜からなる前記配線を、前記配線溝内に形成する工程とを有することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
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