JP2011244510A - ローカルエリア緊急時需給バランス装置 - Google Patents

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一浩 安並
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Abstract

【課題】商用電力系統のじょう乱が発生した場合でも、ローカルエリアごとに、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制することができるローカルエリア緊急時需給バランス装置を提供する。
【解決手段】ローカルエリアごとに需要家の電力負荷に供給される電力の需給バランスを制御するMEMSサーバ100であって、商用電力系統のじょう乱が発生した場合に、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量の合計が分散型電源の予想脱落量になるように、低減量を示す負荷制限救援信号を生成する制御信号生成部110と、商用電力系統のじょう乱の発生を検出する系統じょう乱検出部120と、当該じょう乱の発生が検出された場合に、低減可能需要家の電力負荷への供給電力を低減することでローカルエリア内の電力負荷から予想脱落量の電力が低減されるように、負荷制限救援信号を低減可能需要家に送信する制御信号送信部130とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、商用電力系統のじょう乱による分散型電源の脱落などが発生した場合に、所定数の需要家で構成されるローカルエリアごとに、商用電力系統及び分散型電源から需要家の電力負荷に供給される電力の需給バランスを制御するローカルエリア緊急時需給バランス装置に関する。
近年、太陽光発電や風力発電などの分散型電源を設置し、当該分散型電源と商用電力系統からの電力により、消費する電力負荷に電力を供給する需要家が増えてきている。ここで、瞬時電圧低下などの商用電力系統のじょう乱が発生すると、当該分散型電源が商用電力系統から脱落し、当該分散型電源から電力負荷への電力の供給が緊急停止される場合がある。具体的には、分散型電源は、出力する直流電力を交流電力に変換する電力変換装置を介して商用電力系統に接続されており、商用電力系統のじょう乱が発生すると、当該電力変換装置の保護のために当該電力変換装置の動作が停止されるため、分散型電源から電力負荷への電力の供給が緊急停止される。
このため、従来、商用電力系統のじょう乱時の運転継続性を向上させる電力変換装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この電力変換装置が実装された分散型電源システムを用いることで、瞬時電圧低下などの商用電力系統のじょう乱が発生した場合でも、分散型電源の商用電力系統からの脱落を低減し、当該分散型電源からの電力負荷への電力供給の緊急停止を抑制することができる。
特開2009−219238号公報
しかしながら、上記従来の運転継続性を向上させる電力変換装置が、分散型電源を有する全ての需要家に設置されるとは限らず、当該電力変換装置が設置される需要家は限定的になる可能性が高い。特に、特許文献1に開示された電力変換装置は、大型の太陽光発電設備(メガソーラー)などの分散型電源システムを対象としたものであり、当該電力変換装置を設置する需要家は限定的である。
このように、瞬時電圧低下などの商用電力系統のじょう乱が発生した場合に、多くの需要家で、分散型電源から電力負荷への電力供給が緊急停止される可能性がある。そして、分散型電源から電力負荷への電力供給が緊急停止された場合、商用電力系統で急激な負荷変動が生じるために、商用電力系統の安定性が悪化し、系統全体に動揺が発生する恐れがある。
図23A及び図23Bは、商用電力系統の安定性が悪化し、系統全体に動揺が発生する従来の問題点を説明する図である。
図23Aに示すように、商用電力系統61及び62から、所定数の需要家で構成されるローカルエリアXの需要家80の電力負荷83に電力が供給されている。また、需要家80には、太陽光発電である分散型電源81が設置され、分散型電源81から電力変換装置であるインバータ82を介して、電力負荷83に電力が供給されている。このように、ローカルエリアXには、分散型電源が設置された需要家が多く存在する。
また同様に、商用電力系統63及び64からローカルエリアYの需要家90の電力負荷93に電力が供給されるとともに、需要家90に設置された分散型電源91からインバータ92を介して電力負荷93に電力が供給されている。そして、ローカルエリアYにも、分散型電源が設置された需要家が多く存在する。
そして、図23Bに示すように、ローカルエリアXの需要家に電力を供給している商用電力系統61のR点で系統事故が発生した場合、商用電力系統61及び62の電圧が低下し、ローカルエリアXの需要家に供給している電力に瞬時電圧低下が発生する。このため、ローカルエリアXの需要家80に上記従来の運転継続性を向上させる電力変換装置が設置されていない場合、インバータ82の動作が停止され、分散型電源81から電力負荷83への電力の供給が緊急停止される。
また、ローカルエリアXの他の需要家についても同様に、上記従来の運転継続性を向上させる電力変換装置が設置されていない場合には、分散型電源から電力負荷への電力の供給が緊急停止される。そして、ローカルエリアXの需要家が有する分散型電源からの電力供給が大量に停止された場合、商用電力系統からローカルエリアXの需要家に大量の電力を送電することが必要になる。
これにより、同図に示すように、商用電力系統62で多くの電力を送電してローカルエリアXの需要家に電力を供給するとともに、ローカルエリアYの需要家に電力を供給していた商用電力系統63から、ローカルエリアXの需要家に電力を供給することが必要になる。このため、商用電力系統62及び商用電力系統63などの系統に重潮流が流れ、商用電力系統の安定性が悪化するため、系統全体に動揺が発生する。
なお、ローカルエリアYの需要家においても、当該需要家に供給している電力に瞬時電圧低下が発生するが、ここでは、事故点Rからの電気的距離がローカルエリアXよりも遠いため、瞬時電圧低下によるローカルエリアYへの影響は少ないという状況を想定している。また、メーカや型式の違いでローカルエリアYの分散型電源が脱落しにくい場合もあり、このような想定下では、ローカルエリアXの方がローカルエリアYよりも多くの分散型電源が脱落する。
このように、瞬時電圧低下などの商用電力系統のじょう乱が発生し、分散型電源から電力負荷への電力供給が緊急停止された場合、当該分散型電源の脱落量が広範囲、局所的、かつ、不確定であるため、商用電力系統の安定性が悪化し、系統全体に動揺が発生する恐れがあるという問題がある。
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、商用電力系統のじょう乱が発生した場合でも、ローカルエリアごとに、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制することができるローカルエリア緊急時需給バランス装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るローカルエリア緊急時需給バランス装置は、分散型電源が設置された需要家を含む所定数の需要家で構成されるローカルエリアごとに、前記分散型電源及び商用電力系統から前記需要家の電力負荷に供給される電力の需給バランスを制御する装置であって、前記商用電力系統の系統電力のじょう乱が発生した場合に、前記分散型電源から前記電力負荷への供給が緊急停止される電力の予想合計量を予想脱落量とし、前記所定数の需要家のうちの電力負荷への供給電力を低減可能な需要家を低減可能需要家とし、前記ローカルエリアごとに、前記低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量の合計が前記予想脱落量になるように、前記低減量を示す負荷制限救援信号を生成する制御信号生成部と、前記ローカルエリアごとに、前記商用電力系統の系統電力のじょう乱の発生を検出する系統じょう乱検出部と、前記ローカルエリアごとに、前記じょう乱の発生が検出された場合に、前記低減可能需要家の電力負荷への供給電力を低減することで前記ローカルエリア内の電力負荷から前記予想脱落量の電力が低減されるように、前記負荷制限救援信号を前記低減可能需要家に送信する制御信号送信部とを備える。
これによれば、商用電力系統のじょう乱が発生した場合に、ローカルエリアごとに、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量の合計が予想脱落量になるように、負荷制限救援信号を低減可能需要家に送信する。つまり、商用電力系統にじょう乱が発生すれば、分散型電源によっては、需要家の電力負荷への電力供給が緊急停止される場合がある。このため、ローカルエリアごとに、この緊急停止される電力の予想合計量を想定し、負荷制限救援信号を生成しておく。そして、商用電力系統にじょう乱が発生した場合に、負荷制限救援信号を低減可能需要家に送信することで、低減可能需要家への供給電力を低減させる。これにより、ローカルエリアごとに、商用電力系統から需要家の電力負荷に供給されている電力が増加するのを抑制することができる。また、負荷制限救援信号が事前に生成されているため、商用電力系統にじょう乱が発生すれば速やかに負荷制限救援信号を低減可能需要家に送信し、供給電力を低減させることができる。このように、ローカルエリア単位での需給バランスの維持により、商用電力系統に重潮流が流れることを抑制することができるため、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制することができる。
また、好ましくは、前記制御信号生成部は、前記ローカルエリアごとに、前記商用電力系統の系統電力の値である系統電力値を取得するとともに、前記ローカルエリア内に設置されている分散型電源が発電している発電電力値を取得する電力値取得部と、前記じょう乱が発生した場合に前記分散型電源から前記電力負荷への供給が緊急停止されるか否かを判断することで、前記予想脱落量を算出する予想脱落量算出部と、前記系統電力値と前記発電電力値と前記予想脱落量とを用いて、前記低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減割合を前記負荷制限救援信号として算出する制御信号算出部とを備える。
これによれば、取得した系統電力値及び発電電力値と、算出した予想脱落量とから、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減割合を負荷制限救援信号として算出する。つまり、当該低減割合を負荷制限救援信号として全ての低減可能需要家に送信することで、低減可能需要家ごとに低減量を指示する必要がなく、簡易に低減可能需要家に電力負荷への供給電力低減の指示を送信することができる。これにより、商用電力系統のじょう乱が発生した場合でも、ローカルエリアごとに、簡易に需要家に電力負荷への供給電力低減の指示を与え、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制することができる。
また、好ましくは、さらに、前記系統電力値と前記ローカルエリア内に設置されている分散型電源の発電電力値とを含む電力値受信情報テーブルと、前記じょう乱が発生した場合に前記分散型電源から前記電力負荷への電力供給が緊急停止されるか否かを示す脱落フラグを含む脱落フラグテーブルとを記憶している記憶部を備え、前記電力値取得部は、所定の周期で前記系統電力値と前記発電電力値とを取得して、前記電力値受信情報テーブルを更新し、前記予想脱落量算出部は、更新された前記電力値受信情報テーブルに含まれる前記発電電力値と前記脱落フラグテーブルに含まれる前記脱落フラグとを参照して、前記じょう乱が発生した場合に前記分散型電源から前記電力負荷への供給が緊急停止されるか否かを判断して前記予想脱落量を算出し、前記制御信号算出部は、更新された前記電力値受信情報テーブルの前記系統電力値と前記発電電力値とを参照し、算出された前記予想脱落量を用いて前記負荷制限救援信号を算出し、前記制御信号送信部は、前記じょう乱の発生が検出された場合に、算出された前記負荷制限救援信号を前記低減可能需要家に送信する。
これによれば、電力値受信情報テーブルと脱落フラグテーブルとを参照して、商用電力系統のじょう乱が発生した場合に分散型電源からの電力供給が緊急停止されるか否かを判断して予想脱落量を算出することで、負荷制限救援信号を算出し、送信する。このため、電力値受信情報テーブルと脱落フラグテーブルとを用いて、当該緊急停止されたか否かを容易に判断することができる。したがって、商用電力系統のじょう乱が発生した場合でも、分散型電源から電力負荷への電力供給が緊急停止されたか否かを容易に判断して、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制することができる。
また、好ましくは、前記分散型電源は、前記分散型電源から出力される直流電力を交流電力に変換するインバータを介して、前記商用電力系統に接続されており、前記インバータは、前記商用電力系統のじょう乱によって所定の電圧低下値まで所定の電圧低下時間の間電圧が低下することで、動作が停止して、前記分散型電源から前記電力負荷への電力供給が緊急停止される脱落特性を有しており、前記記憶部は、互いに対応付けられた前記電圧低下値と前記電圧低下時間と前記脱落フラグとを含む前記脱落フラグテーブルを記憶しており、前記予想脱落量算出部は、前記電圧低下値及び前記電圧低下時間ごとに、前記予想脱落量を算出し、前記制御信号算出部は、前記電圧低下値及び前記電圧低下時間ごとに、前記負荷制限救援信号を算出し、前記制御信号送信部は、前記じょう乱の発生が検出された場合に、前記じょう乱における電圧低下値及び電圧低下時間に応じた前記負荷制限救援信号を決定し、決定した前記負荷制限救援信号を前記低減可能需要家に送信する。
これによれば、商用電力系統のじょう乱による電圧低下値及び電圧低下時間ごとに、負荷制限救援信号を算出し、当該じょう乱の発生が検出された場合に、当該じょう乱における電圧低下値及び電圧低下時間に応じた負荷制限救援信号を、低減可能需要家に送信する。つまり、電圧低下値及び電圧低下時間に応じた負荷制限救援信号を事前に算出しておくことで、商用電力系統のじょう乱が発生した場合でも、速やかに負荷制限救援信号を低減可能需要家に送信することができる。したがって、商用電力系統のじょう乱が発生した場合でも、負荷制限救援信号を需要家に速やかに送信して、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制することができる。
また、好ましくは、前記制御信号生成部は、さらに、生成した前記負荷制限救援信号で示される前記低減量の合計値が前記ローカルエリア内の低減可能需要家の電力負荷の合計値を超える場合に、前記低減量の合計値が前記低減可能需要家の電力負荷の合計値以下になるように前記負荷制限救援信号を第一負荷制限救援信号として生成し直すとともに、他のローカルエリア内の低減可能需要家に送信する第二負荷制限救援信号を生成し、前記制御信号送信部は、前記第一負荷制限救援信号を前記ローカルエリア内の低減可能需要家に送信するとともに、前記第二負荷制限救援信号を前記他のローカルエリア内の低減可能需要家に送信する。
これによれば、負荷制限救援信号で示される低減量の合計値が低減可能需要家の電力負荷の合計値以下になるように、各ローカルエリア内の低減可能需要家に送信する負荷制限救援信号を生成し、ローカルエリアごとに低減可能需要家に負荷制限救援信号を送信する。つまり、あるローカルエリアでの負荷制限救援信号(低減割合)が100%を超えた場合は、当該ローカルエリア内の低減可能需要家の電力負荷を低減するだけでは、負荷制限救援信号で示される低減量の電力を全て低減することができない。このため、他のローカルエリアの低減可能需要家の電力負荷を低減する。これにより、商用電力系統のじょう乱が発生した場合でも、複数のローカルエリアに跨って、負荷制限救援信号で示される低減量の電力を全て低減することができるため、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制することができる。
また、好ましくは、前記制御信号生成部は、さらに、前記低減可能需要家ごとに、前記低減可能需要家から電力負荷への供給電力の低減可能量である制御可能量を取得することで、前記低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量が前記制御可能量を超えないように、前記低減可能需要家ごとの前記負荷制限救援信号を生成し、前記制御信号送信部は、前記低減可能需要家ごとに、前記低減可能需要家に応じた前記負荷制限救援信号を送信する。
これによれば、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量が制御可能量を超えないように、低減可能需要家ごとに、負荷制限救援信号を生成し、送信する。このため、低減可能需要家ごとに、それぞれの低減可能需要家による制御可能量の設定値に対応した負荷制限救援信号を生成し、送信することができる。これにより、商用電力系統のじょう乱が発生した場合でも、需要家ごとの事情を勘案した制御を行って、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制することができる。
また、好ましくは、さらに、前記低減可能需要家ごとに、前記低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量を含む制御結果を取得する制御結果処理部を備える。
これによれば、低減可能需要家ごとに、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量を含む制御結果を取得する。これにより、商用電力系統のじょう乱が発生した場合に、当該制御結果を把握することで、供給電力低減に伴う対価の算出などの低減可能需要家への各種サービスを行うことができる。
また、上記目的を達成するために、本発明に係るローカルエリア緊急時需給バランスシステムは、分散型電源が設置された需要家を含む所定数の需要家で構成されるローカルエリアごとに、前記分散型電源及び商用電力系統から前記需要家の電力負荷に供給される電力の需給バランスを制御するローカルエリア緊急時需給バランスシステムであって、前記所定数の需要家のうちのいずれかの需要家に設置されるローカルエリア緊急時需給バランス装置子局と、前記ローカルエリア緊急時需給バランス装置子局と通信ネットワークを介して接続されており、前記ローカルエリア緊急時需給バランス装置子局に前記需要家の電力負荷の出力制御指令を行うローカルエリア緊急時需給バランス装置とを備え、前記ローカルエリア緊急時需給バランス装置は、前記商用電力系統の系統電力のじょう乱が発生した場合に、前記分散型電源から前記電力負荷への供給が緊急停止される電力の予想合計量を予想脱落量とし、前記所定数の需要家のうちの電力負荷への供給電力を低減可能な需要家を低減可能需要家とし、前記ローカルエリアごとに、前記低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量の合計が前記予想脱落量になるように、前記低減量を示す負荷制限救援信号を生成する制御信号生成部と、前記ローカルエリアごとに、前記商用電力系統の系統電力のじょう乱の発生を検出する系統じょう乱検出部と、前記ローカルエリアごとに、前記じょう乱の発生が検出された場合に、前記低減可能需要家の電力負荷への供給電力を低減することで前記ローカルエリア内の電力負荷から前記予想脱落量の電力が低減されるように、前記負荷制限救援信号を前記低減可能需要家の前記ローカルエリア緊急時需給バランス装置子局に送信する制御信号送信部とを備え、前記ローカルエリア緊急時需給バランス装置子局は、前記負荷制限救援信号を前記制御信号送信部から受信した場合に、前記負荷制限救援信号で示される低減量の電力が、前記低減可能需要家の電力負荷への供給電力から低減されるように、供給電力の低減対象となる電力負荷である低減負荷と前記低減負荷に供給する電力の値である供給電力値とを決定する供給電力決定部と、決定された前記低減負荷に前記供給電力値の電力が供給されるように、前記低減負荷に出力制御指令を行う出力制御指令部とを備える。
これによれば、ローカルエリア緊急時需給バランス装置が、商用電力系統のじょう乱が発生した場合に、ローカルエリアごとに、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量の合計が予想脱落量になるように、負荷制限救援信号を低減可能需要家に送信する。そして、ローカルエリア緊急時需給バランス装置子局が、受信した負荷制限救援信号で示される低減量の電力が、低減可能需要家の電力負荷への供給電力から低減されるように、低減負荷と供給電力値とを決定し、低減負荷に出力制御指令を行う。つまり、商用電力系統にじょう乱が発生すれば、分散型電源によっては、需要家の電力負荷への電力供給が緊急停止される場合がある。このため、ローカルエリアごとに、この緊急停止される電力の予想合計量を想定し、低減可能需要家への供給電力を低減させるように、負荷制限救援信号を生成しておく。そして、商用電力系統にじょう乱が発生した場合に、負荷制限救援信号を低減可能需要家に送信する。そして、負荷制限救援信号を受信した低減可能需要家では、供給電力が低減されるように低減対象の電力負荷に出力制御指令を行う。これにより、ローカルエリアごとに、商用電力系統から需要家の電力負荷に供給されている電力が増加するのを抑制することができる。また、負荷制限救援信号が事前に生成されているため、商用電力系統にじょう乱が発生すれば速やかに負荷制限救援信号を低減可能需要家に送信し、供給電力を低減させることができる。このように、ローカルエリア単位での需給バランスの維持により、商用電力系統に重潮流が流れることを抑制することができるため、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制することができる。
なお、本発明は、このようなローカルエリア緊急時需給バランス装置又はローカルエリア緊急時需給バランスシステムとして実現することができるだけでなく、ローカルエリア緊急時需給バランス装置又はローカルエリア緊急時需給バランスシステムが備える各処理部が行う処理をステップとするローカルエリア緊急時需給バランス方法として実現することもできる。また、ローカルエリア緊急時需給バランス方法に含まれる特徴的な処理をコンピュータに実行させるプログラムや集積回路として実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
本発明により、商用電力系統及び分散型電源から需要家の電力負荷に供給される電力の需給バランスを制御するローカルエリア緊急時需給バランス装置において、商用電力系統のじょう乱が発生した場合でも、ローカルエリアごとに、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制することができる。
本実施の形態に係るローカルエリア緊急時需給バランス装置を備えるローカルエリア緊急時需給バランスシステムの構成を示す図である。 本実施の形態に係るMEMSサーバの機能構成を示すブロック図である。 本実施の形態に係る脱落フラグテーブルの一例を示す図である。 本実施の形態に係る脱落フラグテーブルを説明する図である。 本実施の形態に係る電力値受信情報テーブルの一例を示す図である。 本実施の形態に係る瞬低発生時受信情報テーブルの一例を示す図である。 本実施の形態に係るMEMSクライアントを備える需要家内の構成を示す図である。 本実施の形態に係るMEMSクライアントの機能構成を示すブロック図である。 本実施の形態に係る事前設定テーブルの一例を示す図である。 本実施の形態に係る定周期受信情報テーブルの一例を示す図である。 本実施の形態に係るMEMSサーバの動作の一例を示すフローチャートである。 本実施の形態に係る制御信号生成部が負荷制限救援信号を生成する処理の一例を示すフローチャートである。 本実施の形態に係るMEMSクライアントの動作の一例を示すフローチャートである。 本実施の形態に係る供給電力決定部が低減負荷と供給電力値とを決定する処理の一例を示すフローチャートである。 本実施の形態に係るMEMSサーバ及びMEMSクライアントが行う動作を説明するための図である。 本実施の形態に係るMEMSサーバ及びMEMSクライアントが行う動作を説明するための図である。 本実施の形態に係るMEMSサーバが行う復旧処理の一例を示すフローチャートである。 本実施の形態に係るMEMSクライアントが行う復旧処理の一例を示すフローチャートである。 本実施の形態に係る供給電力決定部及び出力制御指令部が電力負荷を復旧させる処理の一例を示すフローチャートである。 本実施の形態に係るMEMSサーバ及びMEMSクライアントが行う復旧処理を説明するための図である。 本実施の形態の第1の変形例に係るMEMSサーバ及びMEMSクライアントが行う動作を説明するための図である。 本実施の形態の第2の変形例に係るMEMSサーバ及びMEMSクライアントが行う動作を説明するための図である。 商用電力系統の安定性が悪化し、系統全体に動揺が発生する従来の問題点を説明する図である。 商用電力系統の安定性が悪化し、系統全体に動揺が発生する従来の問題点を説明する図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係るローカルエリア緊急時需給バランス装置について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るローカルエリア緊急時需給バランス装置を備えるローカルエリア緊急時需給バランスシステム1の構成を示す図である。
同図に示すように、ローカルエリア緊急時需給バランスシステム1は、サーバ設置拠点10、ローカルエリアごとの需要家20、20a、20b、給電制御所30、電気所40、通信ネットワーク50、商用電力系統60及び発電設備70を備えている。
サーバ設置拠点10は、MEMSサーバ100が設置されている拠点である。ここで、MEMSサーバ100は、分散型電源が設置された需要家を含む所定数の需要家で構成されるローカルエリアごとに、分散型電源及び商用電力系統から需要家の電力負荷に供給される電力の需給バランスを制御するローカルエリア緊急時需給バランス装置である。
具体的には、MEMSサーバ100は、需要家に設置された分散型電源の発電電力値(同図に示すDG発電量)などの情報を取得するとともに、通信ネットワーク50を介して商用電力系統に関する情報である系統情報を取得し、商用電力系統の系統電力のじょう乱が発生した場合に、需給バランスを制御するための負荷制限救援信号を需要家に送信する。MEMSサーバ100の詳細な説明については、後述する。
ここで、商用電力系統の系統電力のじょう乱とは、瞬時電圧低下、系統事故時の系統保護継電装置によるしゃ断器開放で発生する位相跳躍、系統事故後の再閉路装置によるしゃ断器投入で発生する位相跳躍、又は、運用者による系統操作(しゃ断器の投入、開放)により発生する位相跳躍などによって、商用電力系統に乱れが発生することをいう。
需要家20、20a、20bは、ローカルエリアA内の需要家である。ここで、需要家20内には、MEMSクライアント200が設置されている。MEMSクライアント200は、ローカルエリアA内の電力負荷に供給される電力の需給バランスを制御するローカルエリア緊急時需給バランス装置子局である。
具体的には、MEMSクライアント200は、MEMSサーバ100と通信ネットワーク50を介して接続されており、MEMSサーバ100にDG発電量などの情報を送信するとともに、MEMSサーバ100から、需要家の電力負荷の出力制御指令である負荷制限救援信号を受信する。この需要家20及びMEMSクライアント200の詳細な説明については、後述する。
また、需要家20a内には、需要家20と同様に、MEMSクライアント200が設置されている。ここで、需要家20a内のMEMSクライアント200は、MEMSサーバ100からの負荷制限救援信号を受信せず、MEMSサーバ100からの指示には従わないこととする。また、需要家20b内には、MEMSクライアント200の機能を有さない計量装置である従来計量装置201が設置されている。
つまり、ローカルエリアA内には、(1)MEMSクライアント200が設置されており救援に協力する需要家20、(2)MEMSクライアント200が設置されているが救援に協力しない需要家20a、(3)MEMSクライアント200が設置されていない(従来計量の)需要家20bの3パターンの需要家が存在する。
なお、ローカルエリアA内には、当該3つの需要家だけではなく、MEMSクライアント200又は従来計量装置201が設置された多数の需要家が配置されている。また、ローカルエリアB内においても、ローカルエリアA内と同様に、MEMSクライアント200又は従来計量装置201が設置された多数の需要家が配置されている。なお、これらのローカルエリアA、B内の需要家の数は特に限定されない。また、ローカルエリアの数も2つに限定されず、いくつあってもよい。
発電設備70は、火力発電所、水力発電所、原子力発電所などに設置されている電力を発電する発電機である。なお、同図では発電設備70として、1つの発電機が接続されているように図示しているが、発電機は1つに限らず、いくつ接続されていてもよい。
電気所40は、発電設備70が発電した電力を、商用電力系統60を介してローカルエリアA、B内の需要家へ送電するために、当該電力の電圧を降圧する変電所である。同図では、電気所40には、ローカルエリアAへの電力を降圧するための変圧器1Trと、ローカルエリアBへの電力を降圧するための変圧器2Trとが設置されている。
また、電気所40は、系統情報送信部41を備えている。系統情報送信部41は、電気所40内の商用電力系統に関する情報である系統情報を、給電制御所30に送信する。具体的には、系統情報送信部41は、変圧器1Trの二次側の点P及び変圧器2Trの二次側の点Qでの系統情報を取得し、給電制御所30に送信する。
ここで、系統情報とは、当該点P及び点Qでの系統電力の値を示す情報や、系統のじょう乱に関する情報である。なお、系統電力の値を示す情報とは、系統電力の電圧値及び有効電力の値を含む情報である。また、系統のじょう乱として、瞬時電圧低下が発生すると想定し、系統情報送信部41は、系統の瞬時電圧低下に関する情報(以下、瞬低情報という)を、系統のじょう乱に関する情報として送信することとする。
ここでは、系統情報送信部41は、電気所に設置されている遠方監視制御装置(テレコン)に内蔵されている機能によって実現される。なお、系統情報送信部41の機能は、専用のコンピュータシステム、又はパーソナルコンピュータ等の汎用のコンピュータシステムに内蔵されていることにしてもよい。
給電制御所30は、需要家へ供給する電力を制御するための給電制御所である。なお、同図では、給電制御所30は、1つの電気所40に接続されているように図示しているが、複数の電気所40が備えられ、給電制御所30は、当該複数の電気所40に接続されていてもよい。
また、給電制御所30は、系統情報中継部31を備えている。系統情報中継部31は、系統情報送信部41から系統情報を受信し、通信ネットワーク50を介して、MEMSサーバ100に系統情報を送信する。
ここでは、系統情報中継部31は、給電制御所に設置されている監視制御システム(SCADA)に内蔵されている機能によって実現される。なお、系統情報中継部31の機能は、専用のコンピュータシステム、又はパーソナルコンピュータ等の汎用のコンピュータシステムに内蔵されていることにしてもよい。
次に、MEMSサーバ100の詳細な構成について、説明する。
図2は、本実施の形態に係るMEMSサーバ100の機能構成を示すブロック図である。
MEMSサーバ100は、ローカルエリアごとに需要家の電力負荷に供給される電力の需給バランスを制御するコンピュータである。なお、このMEMSサーバ100は、専用のコンピュータシステム、又はパーソナルコンピュータ等の汎用のコンピュータシステムがプログラムを実行することによって実現される。
また、同図に示すように、MEMSサーバ100は、制御信号生成部110、系統じょう乱検出部120、制御信号送信部130及び記憶部140を備えている。
制御信号生成部110は、ローカルエリアごとに、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量の合計が予想脱落量になるように、当該低減量を示す負荷制限救援信号を生成する。
ここで、低減可能需要家とは、商用電力系統の系統電力のじょう乱が発生した場合に、ローカルエリア内の所定数の需要家のうちの電力負荷への供給電力を低減可能な需要家である。また、予想脱落量とは、商用電力系統の系統電力のじょう乱が発生した場合に、分散型電源から電力負荷への供給が緊急停止される電力の予想合計量である。また、負荷制限救援信号とは、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量を示す信号であり、本実施の形態では、当該低減量の電力負荷に対する比率を示す信号である。この予想脱落量及び負荷制限救援信号の詳細については、後述する。
また、制御信号生成部110は、ローカルエリアごとに、商用電力系統のじょう乱の発生による低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減後に、脱落していた分散型電源の復帰に伴って、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の増加量の合計が、商用電力系統の系統電力値の変化量になるように、当該増加量を示す負荷復旧制御信号を生成する。
ここで、負荷復旧制御信号とは、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の増加量(復旧量)を示す信号であり、本実施の形態では、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量に対する当該増加量の比率を示す信号である。
具体的には、制御信号生成部110は、時間が経過するほど負荷復旧制御信号を生成する時間間隔が大きくなるように、繰り返し負荷復旧制御信号を生成する。また、制御信号生成部110は、さらに、ローカルエリアごとに、低減可能需要家の電力負荷への供給電力を低減してから所定時間経過後に、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の増加量の合計が負荷制御量になるように、負荷復旧制御信号を生成する。ここで、負荷制御量とは、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量の合計である。
さらに、制御信号生成部110は、生成した負荷制限救援信号で示される当該低減量の合計値がローカルエリア内の低減可能需要家の電力負荷の合計値を超える場合に、当該低減量の合計値が低減可能需要家の電力負荷の合計値以下になるように負荷制限救援信号を第一負荷制限救援信号として生成し直すとともに、他のローカルエリア内の低減可能需要家に送信する第二負荷制限救援信号を生成する。
ここで、制御信号生成部110は、第一電力値取得部111、予想脱落量算出部112及び制御信号算出部113を備えている。
第一電力値取得部111は、ローカルエリアごとに、通信ネットワーク50を介して、商用電力系統の系統電力の値である系統電力値を取得するとともに、ローカルエリア内に設置されている分散型電源が発電している発電電力値を取得する。
また、第一電力値取得部111は、商用電力系統のじょう乱の発生による低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減後に、ローカルエリアごとに、通信ネットワーク50を介して、商用電力系統の系統電力値と、負荷制御量とを取得する。
予想脱落量算出部112は、商用電力系統のじょう乱が発生した場合に分散型電源から電力負荷への供給が緊急停止されるか否かを判断することで、予想脱落量を算出する。
制御信号算出部113は、系統電力値と分散型電源の発電電力値と予想脱落量とを用いて、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減割合を負荷制限救援信号として算出する。
また、制御信号算出部113は、商用電力系統のじょう乱の発生による低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減後に、所定時間ごとに、第一電力値取得部111が取得した系統電力値から、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減後の系統電力値の変化量を算出し、負荷制御量に対する当該変化量の割合を負荷復旧制御信号として算出する。
系統じょう乱検出部120は、ローカルエリアごとに、商用電力系統の系統電力のじょう乱の発生を検出する。
制御信号送信部130は、ローカルエリアごとに、商用電力系統のじょう乱の発生が検出された場合に、低減可能需要家の電力負荷への供給電力を低減することでローカルエリア内の電力負荷から予想脱落量の電力が低減されるように、通信ネットワーク50を介して、負荷制限救援信号を低減可能需要家のMEMSクライアント200に送信する。
また、制御信号送信部130は、商用電力系統のじょう乱の発生による低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減後に、ローカルエリアごとに、低減可能需要家の電力負荷への供給電力を増加させることでローカルエリア内の電力負荷が復旧されるように、通信ネットワーク50を介して、負荷復旧制御信号を低減可能需要家のMEMSクライアント200に送信する。具体的には、制御信号送信部130は、負荷復旧制御信号が生成されるたびに、負荷復旧制御信号を低減可能需要家のMEMSクライアント200に送信する。
また、制御信号生成部110が、第一負荷制限救援信号と第二負荷制限救援信号とを生成した場合は、制御信号送信部130は、第一負荷制限救援信号及び第二負荷制限救援信号を、対象のローカルエリア内のMEMSクライアント200に送信する。
記憶部140は、MEMSサーバ100による需給バランスの制御に用いられるデータテーブルである脱落フラグテーブル141、電力値受信情報テーブル142及び瞬低発生時受信情報テーブル143等を記憶している半導体メモリ等である。これらのデータテーブルについては、後述する。
なお、MEMSサーバ100は、上記処理部以外にも、CRT(Cathode−Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部や、キーボードやマウス等の入力部を備えていることにしてもよい。
次に、記憶部140が記憶しているデータテーブルについて、詳細に説明する。図3、図5及び図6は、それぞれ、脱落フラグテーブル141、電力値受信情報テーブル142及び瞬低発生時受信情報テーブル143の一例を説明する図である。
まず、脱落フラグテーブル141について、説明する。
図3は、本実施の形態に係る脱落フラグテーブル141の一例を示す図である。
同図に示すように、脱落フラグテーブル141は、互いに対応付けられた電圧低下値Vと電圧低下時間tと脱落フラグとを含むデータテーブルである。ここで、電圧低下値Vと電圧低下時間tとは、図1に示された系統情報送信部41によって送信される瞬低情報に含まれる情報である。
また、脱落フラグは、商用電力系統のじょう乱が発生した場合に分散型電源から電力負荷への電力供給が緊急停止されるか否かを示すフラグである。つまり、脱落フラグは、商用電力系統のじょう乱が発生した場合に取得される瞬低情報に含まれる電圧低下値V及び電圧低下時間tと、対象となる需要家とに対応付けられている。
そして、分散型電源が脱落し、分散型電源から電力負荷への電力供給が緊急停止されると想定される場合は、脱落フラグは「1」であり、分散型電源は脱落せず、分散型電源から電力負荷への電力供給が緊急停止されないと想定される場合は、脱落フラグは「0」である。
図4は、本実施の形態に係る脱落フラグテーブル141を説明する図である。具体的には、同図は、電圧低下値V及び電圧低下時間tと脱落フラグとの関係を示す図である。
まず、前提として、ローカルエリア内の需要家に設置されている分散型電源は、当該分散型電源から出力される直流電力を交流電力に変換するインバータを介して、商用電力系統に接続されている。
そして、同図に示すように、当該インバータは、商用電力系統のじょう乱によって所定の電圧低下値Vまで所定の電圧低下時間tの間電圧が低下することで、動作が停止して、分散型電源から電力負荷への電力供給が緊急停止される脱落特性を有している。
つまり、同図に示す斜線部分は、分散型電源が脱落する脱落領域であり、当該斜線部分での電圧低下値V及び電圧低下時間tにおいては、脱落フラグが「1」になる。また、斜線部分以外の部分は、分散型電源が脱落しない領域であり、当該部分での電圧低下値V及び電圧低下時間tにおいては、脱落フラグが「0」になる。
予想脱落量算出部112は、電圧低下値V及び電圧低下時間tごとに、予想脱落量を算出する。
そして、制御信号算出部113は、電圧低下値V及び電圧低下時間tごとに、負荷制限救援信号を算出する。
そして、制御信号送信部130は、商用電力系統のじょう乱の発生が検出された場合に、当該じょう乱における電圧低下値V及び電圧低下時間tに応じた負荷制限救援信号を決定し、決定した負荷制限救援信号を低減可能需要家のMEMSクライアント200に送信する。
次に、電力値受信情報テーブル142について、説明する。
図5は、本実施の形態に係る電力値受信情報テーブル142の一例を示す図である。
電力値受信情報テーブル142は、系統電力値とローカルエリア内に設置されている分散型電源の発電電力値とを含むデータテーブルである。
ここで、系統電力値とは、同図に示す「電気所」の「1Tr有効電力」及び「2Tr有効電力」に対応する受信値「20MW」及び「18MW」である。なお、「1Tr有効電力」は、図1に示された点Pでの系統電力値を示し、「2Tr有効電力」は、図1に示された点Qでの系統電力値を示す。
また、発電電力値とは、各需要家での発電電力の受信値であり、例えば「需要家1」では、「3kW」である。
第一電力値取得部111は、所定の周期で系統電力値と発電電力値とを取得して、電力値受信情報テーブル142を更新する。
そして、予想脱落量算出部112は、更新された電力値受信情報テーブル142に含まれる発電電力値と脱落フラグテーブル141に含まれる脱落フラグとを参照して、商用電力系統のじょう乱が発生した場合に分散型電源から電力負荷への供給が緊急停止されるか否かを判断して予想脱落量を算出する。
そして、制御信号算出部113は、更新された電力値受信情報テーブル142の系統電力値と発電電力値とを参照し、算出された予想脱落量を用いて負荷制限救援信号を算出する。
そして、制御信号送信部130は、商用電力系統のじょう乱の発生が検出された場合に、算出された負荷制限救援信号を低減可能需要家のMEMSクライアント200に送信する。
次に、瞬低発生時受信情報テーブル143について、説明する。
図6は、本実施の形態に係る瞬低発生時受信情報テーブル143の一例を示す図である。
瞬低発生時受信情報テーブル143は、商用電力系統のじょう乱が発生した場合に、電気所40からMEMSサーバ100が受信する瞬低情報に関する情報を含むデータテーブルである。
同図に示すように、例えば、「1TrB(V,t)」に対応する受信値「3.0kV」及び「0.8cycle」は、図1に示された点Pで瞬時電圧低下が発生した場合での、当該点Pにおける電圧低下値V及び電圧低下時間tである。また、同様に、「2TrB(V,t)」に対応する受信値「3.1kV」及び「0.8cycle」は、図1に示された点Qで瞬時電圧低下が発生した場合での、当該点Qにおける電圧低下値V及び電圧低下時間tである。
つまり、点P及び点Qで瞬時電圧低下が発生した結果、瞬低情報が系統情報送信部41から系統じょう乱検出部120に送信されることで、系統じょう乱検出部120は、商用電力系統のじょう乱の発生を検出する。そして、系統じょう乱検出部120は、当該瞬低情報を記憶部140に記憶させることで、瞬低発生時受信情報テーブル143を更新する。
そして、制御信号送信部130は、商用電力系統のじょう乱の発生が検出された場合に、更新された瞬低発生時受信情報テーブル143を参照して、瞬低発生時受信情報テーブル143に含まれる瞬低情報に対応する負荷制限救援信号を、低減可能需要家のMEMSクライアント200に送信する。
次に、需要家20が備える設備の構成について、説明する。
図7は、本発明の実施の形態に係るMEMSクライアント200を備える需要家20内の構成を示す図である。なお、同図では、需要家20を図示しているが、図1に示された需要家20aについても、需要家20と同様の構成を備えている。
図7に示すように、MEMSクライアント200は、通信ネットワーク50を介してMEMSサーバ100に接続されるとともに、需要家20に設置された分散型電源システム21と、需要家20の電力負荷22とに接続されている。なお、MEMSクライアント200と、分散型電源システム21及び電力負荷22とは、有線で接続されていてもよいし、無線で通信を行うことにより接続されていてもよい。
分散型電源システム21は、分散型電源及びインバータを備え、需要家20の電力負荷22に電力を供給するためのシステムである。ここでは、分散型電源は、需要家20の家の屋根に設置された太陽光発電である。なお、分散型電源は、太陽光発電に限定されず、風力発電、燃料電池、ガスエンジン又はガスタービンなど、需要家に設置される発電設備であれば、どのようなものであってもよい。
電力負荷22は、需要家20内で電力を消費する負荷である。具体的には、電力負荷22は、複数の電力負荷として、蓄電装置22a及び負荷22b(同図では、負荷1〜負荷nのn個の電力負荷)を有している。
蓄電装置22aは、電力を充放電可能な装置である。具体的には、蓄電装置22aは、分散型電源システム21及び商用電力系統60から供給される電力を充電し、負荷22bに対して充電した電力を放電する。また、負荷22bは、需要家20内で電力を消費する機器であり、例えば、テレビや冷蔵庫、エコキュート(登録商標)などの電気温水器、エアコン、電子レンジなどの家電機器である。
そして、MEMSクライアント200は、ローカルエリアごとに、分散型電源システム21及び商用電力系統60から電力負荷22に供給される電力の需給バランスを制御する。なお、商用電力系統60は、電力会社から電力負荷22に電力を供給するための電力系統である。
次に、MEMSクライアント200の構成について、詳細に説明する。
図8は、本実施の形態に係るMEMSクライアント200の機能構成を示すブロック図である。
ここで、同図に示すように、分散型電源システム21は、分散型電源であるDG21aと、DG21aから出力される直流電力を交流電力に変換するインバータ21bとを備えている。具体的には、上述したようにDG21aは太陽光発電であり、インバータ21bは、太陽光発電で発電された直流電力を、商用電力系統60に対応した交流電力に変換する機能を有する。
なお、DG21aは他の分散型電源でもよく、インバータ21bは当該他の分散型電源に対応する機能を有するインバータであってもよい。また、同図では、1つのDG21aと1つのインバータ21bとを図示しているが、DG21aは複数備えられていてもよく、インバータ21bは、当該複数のDG21aに対応して複数備えられていてもよい。
また、DG21aは、インバータ21bを介して、商用電力系統60及び電力負荷22に接続されている。これにより、DG21aが発電した電力と、商用電力系統60から送電される電力とが、電力負荷22が有する複数の電力負荷に供給され、消費される。
また、MEMSクライアント200は、ローカルエリアごとに、分散型電源システム21及び商用電力系統60から電力負荷22に供給される電力の需給バランスを制御するコンピュータである。
なお、このMEMSクライアント200は、専用のコンピュータシステム、又はパーソナルコンピュータ等の汎用のコンピュータシステムがプログラムを実行することによって実現される。また、MEMSクライアント200が備える各機能は、需要家内の電力負荷を調整することができるスマートメータなどの電力量計に実装されてもよい。
また、同図に示すように、MEMSクライアント200は、第二電力値取得部210、供給電力決定部220、出力制御指令部230及び記憶部240を備えている。
第二電力値取得部210は、分散型電源システム21から、DG21aが発電している発電電力値を所定の周期で取得し、通信ネットワーク50を介してMEMSサーバ100の第一電力値取得部111に送信する。
また、第二電力値取得部210は、電力負荷22が有する複数の電力負荷である蓄電装置22a及び負荷22bのそれぞれの電力負荷から、それぞれの電力負荷に供給されている電力の値である現電力値を、所定の周期で取得する。
ここで、所定の周期とは、発電電力値と現電力値とを正確に取得できるのであればどのような周期であってもよいが、例えばsecオーダーや分オーダーなどである。なお、第二電力値取得部210は、発電電力値と現電力値とを、同じ周期で取得してもよいし、それぞれ異なる周期で取得してもよい。
供給電力決定部220は、通信ネットワーク50を介してMEMSサーバ100の制御信号送信部130から負荷制限救援信号を受信した場合に、負荷制限救援信号で示される低減量の電力が、低減可能需要家の電力負荷への供給電力から低減されるように、供給電力の低減対象となる電力負荷である低減負荷と当該低減負荷に供給する電力の値である供給電力値とを決定する。
また、供給電力決定部220は、MEMSサーバ100の制御信号送信部130から負荷復旧制御信号を受信した場合に、負荷復旧制御信号で示される増加量の電力が、低減可能需要家の電力負荷への供給電力から増加されるように、供給電力の増加対象となる電力負荷である復旧負荷と復旧負荷に供給する電力の値である復旧電力値とを決定する。
具体的には、供給電力決定部220は、負荷制限救援信号を受信した場合に、電力負荷に供給する電力を低減する優先順位である低減優先順位が高い電力負荷から供給する電力を低減するように、低減負荷と供給電力値とを決定する。つまり、低減優先順位とは、供給電力の低減対象となる電力負荷の優先度を定めた順位であり、低減優先順位が高い電力負荷ほど、優先的に電力供給が低減される。
また、供給電力決定部220は、負荷復旧制御信号を受信した場合に、低減負荷のうち低減優先順位が低い低減負荷ほど順位が高くなるように定められた復旧優先順位が高い電力負荷から供給する電力を増加させるように、復旧負荷と復旧電力値とを決定する。つまり、低減優先順位と復旧優先順位とは逆の順位関係にあり、復旧優先順位とは、供給電力の増加対象となる電力負荷の優先度を定めた順位であり、復旧優先順位が高い電力負荷ほど、優先的に電力供給が増加される。
また、供給電力決定部220は、今回受信した負荷復旧制御信号と前回受信した負荷復旧制御信号との差が所定の値よりも大きい場合に、今回受信した負荷復旧制御信号で示される増加量の電力が低減可能需要家の電力負荷への供給電力から分割して増加されるように、当該増加量を複数の電力値に分割して、分割された電力値に応じた復旧負荷と復旧電力値とを決定する。
また、供給電力決定部220は、低減負荷又は復旧負荷が蓄電装置22aの場合は、蓄電装置22aから放電される電力の値又は蓄電装置22aに充電する電力の値を、供給電力値又は復旧電力値として決定する。
出力制御指令部230は、供給電力決定部220が決定した低減負荷に供給電力値の電力が供給されるように、当該低減負荷に出力制御指令を行う。
また、出力制御指令部230は、供給電力決定部220が決定した復旧負荷に復旧電力値の電力が供給されるように、復旧負荷に出力制御指令を行う。
具体的には、出力制御指令部230は、負荷復旧制御信号で示される増加量の電力が低減可能需要家の電力負荷への供給電力から増加されるまで、繰り返し、復旧負荷に復旧電力値の電力が供給されるように、復旧負荷に出力制御指令を行う。
また、出力制御指令部230は、低減負荷又は復旧負荷が蓄電装置22aの場合は、蓄電装置22aに供給電力値の電力を放電させる、又は蓄電装置22aに供給電力値の電力を充電させるように、蓄電装置22aに出力制御指令を行う。
記憶部240は、MEMSクライアント200による需給バランスの制御に用いられるデータテーブルである事前設定テーブル241及び定周期受信情報テーブル242等を記憶している半導体メモリ等である。これらのデータテーブルについては、後述する。
なお、MEMSクライアント200は、上記処理部以外にも、CRT(Cathode−Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部や、キーボードやマウス等の入力部を備えていることにしてもよい。
次に、記憶部240が記憶しているデータテーブルについて、詳細に説明する。図9及び図10は、それぞれ、事前設定テーブル241及び定周期受信情報テーブル242の一例を説明する図である。
図9は、本実施の形態に係る事前設定テーブル241の一例を示す図である。
事前設定テーブル241は、互いに対応付けられた、電力負荷と、電力負荷に供給する電力を低減する優先順位と、電力負荷に供給する電力の低減後の値である制御値とを含むデータテーブルである。
つまり、同図に示すように、「電力負荷」は、電力負荷22が有する複数の電力負荷である蓄電装置22a及び負荷1〜負荷nの負荷22bを示している。
また、「優先順位」は、「電力負荷」に供給する電力を低減する優先順位を示す値である。つまり、優先順位の値が小さい電力負荷ほど、優先的に供給する電力を低減する。同図では、蓄電装置22aの優先順位が最も小さいので、蓄電装置22aに供給する電力から優先的に低減する。
また、「制御値」は、「電力負荷」に供給する電力の低減後の値である。例えば、優先順位2で、負荷2が供給電力の低減対象になった場合は、負荷2への供給電力を「0W」に低減する。また、優先順位3で、負荷nが供給電力の低減対象になった場合は、負荷nへの供給電力を「500W」に低減する。
また、優先順位1で、蓄電装置22aが供給電力の低減対象になった場合は、蓄電装置22aへの供給電力を「−1kW」に低減する。なお、蓄電装置22aへの供給電力を「−1kW」に低減するとは、蓄電装置22aから1kWの電力を放電させることを示している。
供給電力決定部220は、この事前設定テーブル241を参照し、優先順位が高い電力負荷から供給する電力を低減するように、低減負荷と供給電力値とを決定する。また、供給電力決定部220は、事前設定テーブル241を参照し、低減負荷のうち優先順位が低い電力負荷から供給電力を増加するように、復旧負荷と復旧電力値とを決定する。なお、事前設定テーブル241は、MEMSクライアント200が需給バランスの制御を開始する前に、予め作成されている。
次に、定周期受信情報テーブル242について、説明する。
図10は、本実施の形態に係る定周期受信情報テーブル242の一例を示す図である。
同図に示すように、定周期受信情報テーブル242は、互いに対応付けられた、電力負荷と、当該電力負荷に供給されている電力の値である現電力値とを含むデータテーブルである。
具体的には、同図に示すように、「送信元」は、第二電力値取得部210へ現電力値を送信する電力負荷22である蓄電装置22a及び負荷22b(負荷1〜負荷n)を示している。つまり、「送信元」は、電力負荷22を含むデータの集まりである。
また、「項目」は、第二電力値取得部210へ送信されたデータの種類を示している。具体的には、「項目」は、蓄電装置22aの充放電電力及び負荷1〜nの消費電力などを示している。
また、「受信値」は、第二電力値取得部210が受信した値を示している。具体的には、「受信値」は、蓄電装置22aの充放電電力値及び負荷1〜nの消費電力の値などを示している。つまり、「受信値」は、電力負荷22の現電力値である蓄電装置22aの充放電電力値及び負荷1〜nの消費電力値を含むデータの集まりである。
第二電力値取得部210は、所定の周期で現電力値を取得して、定周期受信情報テーブル242を更新する。そして、供給電力決定部220は、事前設定テーブル241と、更新された定周期受信情報テーブル242とを参照して、低減負荷と供給電力値とを決定する。
次に、MEMSサーバ100及びMEMSクライアント200が行う処理について、説明する。
図11及び図12は、本実施の形態に係るMEMSサーバ100の動作の一例を示すフローチャートである。
図13及び図14は、本実施の形態に係るMEMSクライアント200の動作の一例を示すフローチャートである。
図15及び図16は、本実施の形態に係るMEMSサーバ100及びMEMSクライアント200が行う動作を説明するための図である。
まず、MEMSサーバ100が行う処理について、以下に説明する。
図11に示すように、まず、記憶部140に、脱落フラグテーブル141が記憶される(S102)。つまり、脱落フラグテーブル141は、図3に示されたように、ユーザによって予め作成され、記憶部140に事前に記憶される。なお、脱落フラグテーブル141には、ローカルエリアごとに、ローカルエリア内の需要家が有する全ての分散型電源についての脱落フラグの情報が書き込まれる。
そして、第一電力値取得部111は、制御対象のローカルエリアである自エリアの系統の電力値を取得する(S104)。具体的には、図15に示すように、第一電力値取得部111は、系統情報送信部41から系統情報中継部31及び通信ネットワーク50を介して、系統情報に含まれる系統電力値を取得する。例えば、第一電力値取得部111は、点Pでの系統電力値である「1Tr系統電力」の「20MW」を、ローカルエリアAの系統電力値として取得する。また、第一電力値取得部111は、点Qでの系統電力値である「2Tr系統電力」の「18MW」を、ローカルエリアBの系統電力値として取得する。
また、第一電力値取得部111は、自エリア内の各需要家に設置されている分散型電源が発電している発電電力値を取得する(S106)。具体的には、図15に示すように、第一電力値取得部111は、当該ローカルエリア内の各需要家に設置されているMEMSクライアント200や従来計量装置201などから、通信ネットワーク50を介して、DG21aの発電電力値(同図に示すDG発電量)を取得する。
なお、需要家にDG21aが複数備えられている場合は、第一電力値取得部111は、当該複数のDG21aの発電電力値の合計値、又は、当該複数のDG21aのそれぞれについての発電電力値を取得する。
そして、第一電力値取得部111は、電力値受信情報テーブル142を更新する(S108)。具体的には、第一電力値取得部111は、図5に示されたように、取得した系統電力値と発電電力値とを、電力値受信情報テーブル142に書き込むことで、当該テーブルを更新する。
次に、制御信号生成部110は、自エリアにおいて、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量の合計が予想脱落量になるように、負荷制限救援信号を生成する(S110)。なお、脱落フラグテーブル141の電圧低下値V及び電圧低下時間tの組ごとに予想脱落量が算出されるため、制御信号生成部110は、当該予想脱落量ごとに負荷制限救援信号を生成する。この制御信号生成部110が負荷制限救援信号を生成する処理の詳細については、後述する。
次に、系統じょう乱検出部120は、系統のじょう乱を検出する周期であるT1の初期値を、T1=0とする(S112)。
そして、系統じょう乱検出部120は、自エリアにおいて、瞬低情報を受信したか否かを判断する(S114)ことで、商用電力系統の系統電力のじょう乱の発生を検出する。具体的には、図15に示すように、系統じょう乱検出部120は、瞬低情報が系統情報送信部41から送信されてきたか否かを判断する。
そして、系統じょう乱検出部120は、自エリアにおいて、瞬低情報を受信していないと判断した場合は(S114でNO)、T1に1を加算する(S116)。そして、系統じょう乱検出部120は、T1が所定の値aになったか否かを判断する(S118)。なお、aは、ユーザからの入力などによって変更可能な数値である。
そして、系統じょう乱検出部120は、T1が所定の値aになっていないと判断した場合は(S118でNO)、再度、瞬低情報を受信したか否かを判断し(S114)、以降の処理(S114〜S118)を繰り返し行う。
また、系統じょう乱検出部120が、T1が所定の値aになったと判断した場合は(S118でYES)、第一電力値取得部111が自エリアの系統電力値を取得する処理(S104)に戻り、以降の処理(S104〜S114)を再度行う。
つまり、aは、正の整数であり、第一電力値取得部111が系統電力値及び発電電力値を取得して電力値受信情報テーブル142を更新する周期、及び制御信号生成部110が負荷制限救援信号を生成する周期に対応して定められる数値である。
そして、系統じょう乱検出部120は、自エリアにおいて、瞬低情報を受信したと判断した場合は(S114でYES)、当該瞬低情報を記憶部140に記憶させることで、瞬低発生時受信情報テーブル143を更新する(S119)。
具体的には、図15に示すように、例えば、点Pで瞬時電圧低下が発生した場合、瞬低情報の電圧低下値Vである「1TrB V」の「3.0kV」、及び電圧低下時間tである「1TrB t」の「0.8cycle」が、系統情報送信部41から系統じょう乱検出部120に送信される。また、点Qで瞬時電圧低下が発生した場合、瞬低情報の電圧低下値Vである「2TrB V」の「3.1kV」、及び電圧低下時間tである「2TrB t」の「0.8cycle」が、系統情報送信部41から系統じょう乱検出部120に送信される。
このため、系統じょう乱検出部120は、ローカルエリアA及びBにおける瞬低情報を受信したと判断する。そして、系統じょう乱検出部120は、当該瞬低情報を記憶部140に記憶させることで、瞬低発生時受信情報テーブル143を更新する。
そして、制御信号送信部130は、当該瞬低情報に含まれる電圧低下値V及び電圧低下時間tに応じた負荷制限救援信号を、送信予定の負荷制限救援信号であると決定する(S120)。
具体的には、制御信号送信部130は、更新された瞬低発生時受信情報テーブル143を参照して、複数の負荷制限救援信号の中から、瞬低発生時受信情報テーブル143に含まれる瞬低情報に対応する負荷制限救援信号を決定する。ここでは、決定された負荷制限救援信号は、低減可能需要家の電力負荷の「35%」を低減することを示す信号であるとする。
次に、制御信号送信部130は、決定した負荷制限救援信号で示される値が100%を超えているか否かを判断する(S122)。
そして、制御信号送信部130は、決定した負荷制限救援信号で示される値が100%を超えていないと判断した場合(S122でNO)、決定した負荷制限救援信号を、自エリア内の低減可能需要家のMEMSクライアント200に送信する(S124)。ここでは、図15に示すように、負荷制限救援信号で示される値は、「35%」であるため、制御信号送信部130は、決定した負荷制限救援信号で示される値が100%を超えていないと判断し、当該負荷制限救援信号を、通信ネットワーク50を介して、自エリア内の低減可能需要家のMEMSクライアント200に送信する。
また、制御信号送信部130が、決定した負荷制限救援信号で示される値が100%を超えていると判断した場合は(S122でYES)、制御信号生成部110は、負荷制限救援信号で示される値が100%以下になるように、自エリアでの負荷制限救援信号を第一負荷制限救援信号として生成し直すとともに、他のローカルエリア内の低減可能需要家に送信する第二負荷制限救援信号を生成する(S126)。
具体的には、図16に示すように、制御信号送信部130が、負荷制限救援信号で示される値が100%を超えていると判断した場合に、制御信号生成部110は、電気所40から電力供給を受ける自エリアへの負荷制限救援信号を第一負荷制限救援信号(同図に示す負荷制限救援信号A)として生成し直す。また、この場合、制御信号生成部110は、電気所40aから電力供給を受ける他エリアへの負荷制限救援信号を第二負荷制限救援信号(同図に示す負荷制限救援信号B)として生成する。
例えば、制御信号生成部110は、負荷制限救援信号Aで示される低減量と負荷制限救援信号Bで示される低減量との合計値が、決定された100%を超える負荷制限救援信号で示される低減量と同じになるように、負荷制限救援信号Aで示される低減量と負荷制限救援信号Bとを生成する。
そして、制御信号送信部130は、第一負荷制限救援信号及び第二負荷制限救援信号を、自エリア及び他エリア内の低減可能需要家のMEMSクライアント200に送信する(S128)。
具体的には、図16に示すように、制御信号送信部130は、負荷制限救援信号Aを、電気所40から電力供給を受ける自エリア内の低減可能需要家である需要家20などのMEMSクライアント200に送信する。そして、制御信号送信部130は、負荷制限救援信号Bを、電気所40aから電力供給を受ける他エリア内の低減可能需要家である需要家20cや20dなどのMEMSクライアント200に送信する。
このようにして、ローカルエリア内の低減可能需要家のMEMSクライアント200に負荷制限救援信号が送信され、低減可能需要家の電力負荷に供給される電力が低減される。そして、その後DG21aが復旧し、DG21aから電力負荷22への電力供給が再開された場合には、復旧処理が行われる(S130)。このMEMSサーバ100が行う復旧処理の詳細な説明については、後述する。
以上により、MEMSサーバ100が行う処理は、終了する。
なお、MEMSサーバ100は、復旧処理(S130)が行われた後に、再度、第一電力値取得部111が、自エリアの系統電力値を取得する以降の処理(S104〜S130)を行うことで、停止の指示を受け付けるまで、当該処理(S104〜S130)を繰り返し行うことにしてもよい。
次に、制御信号生成部110が負荷制限救援信号を生成する処理(図11のS110)の詳細について、説明する。
図12は、本実施の形態に係る制御信号生成部110が負荷制限救援信号を生成する処理の一例を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、制御信号生成部110の制御信号算出部113は、自エリア内の全需要家の数を取得する(S202)。なお、制御信号算出部113は、ユーザからの入力によって当該全需要家の数を取得することにしてもよいし、当該全需要家の数が予め定められ記憶部140に記憶されており、制御信号算出部113は、記憶部140から当該全需要家の数を取得することにしてもよい。
また、制御信号算出部113は、自エリア内の低減可能需要家の数を取得する(S204)。なお、制御信号算出部113は、ユーザからの入力によって当該低減可能需要家の数を取得することにしてもよいし、MEMSクライアント200からの情報に基づいて当該低減可能需要家の数を取得することにしてもよい。
次に、全ての瞬低情報のパターンについて、以下の処理が実施される(ループ1:S206〜S212)。つまり、図3に示されたように、脱落フラグテーブル141の電圧低下値V及び電圧低下時間tの1組が瞬低情報の1パターンとして定められ、当該瞬低情報のパターンのそれぞれについて、負荷制限救援信号が生成される。
まず、制御信号生成部110の予想脱落量算出部112は、需要家に設置されている分散型電源の予想脱落量を算出する(S208)。つまり、予想脱落量算出部112は、最新の電力値受信情報テーブル142に含まれる発電電力値と脱落フラグテーブル141に含まれる脱落フラグとを参照して、商用電力系統のじょう乱が発生した場合に分散型電源から電力負荷への供給が緊急停止されるか否かを判断することで、予想脱落量を算出する。
具体的には、予想脱落量算出部112は、自エリア内の需要家に設置されている分散型電源の発電電力値に、当該需要家に対応する脱落フラグを乗じて積算することで、予想脱落量を算出する。
例えば、図5に示されたように、需要家1の発電電力値は「3kW」、需要家2の発電電力値は「2kW」、・・・及び需要家mの発電電力値は「1.5kW」である。そして、図3に示されたように、電圧低下値V1及び電圧低下時間t1の瞬低情報のパターンにおいて、需要家1の脱落フラグは「1」、需要家2の脱落フラグは「0」、・・・及び需要家mの脱落フラグは「0」である。
このため、予想脱落量算出部112は、例えば電圧低下値V1及び電圧低下時間t1の瞬低情報のパターンでの予想脱落量を、以下の式により算出する。
予想脱落量=3kW×1+2kW×0+・・・+1.5kW×0 (式1)
このように、予想脱落量算出部112は、対象となる瞬低情報のパターンについて、予想脱落量を算出する。なお、分散型電源が完全には脱落しないような場合や、複数の分散型電源が設置されていて一部の分散型電源しか脱落しないような場合は、脱落フラグを「0.5」等に設定することにより、適切に予想脱落量を算出することができる。
そして、制御信号算出部113は、負荷制限救援信号として、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減割合を算出する(S210)。具体的には、制御信号算出部113は、取得した全需要家の数及び低減可能需要家の数と、予想脱落量算出部112が算出した予想脱落量と、最新の電力値受信情報テーブル142に含まれる系統電力値及び分散型電源の発電電力値とを用いて、当該負荷制限救援信号を算出する。
さらに具体的には、制御信号算出部113は、以下の式により、負荷制限救援信号を算出する。
負荷制限救援信号=予想脱落量/(系統電力値+分散型電源の発電電力値の合計値)
×全需要家の数/低減可能需要家の数×100 (式2)
ここで、負荷制限救援信号は、全ての低減可能需要家に対して共通の値であり、例えば、図15では35%である。なお、負荷制限救援信号は、低減可能需要家ごとに異なる値にすることにしてもよい。
また、制御信号算出部113は、全需要家の数及び低減可能需要家の数の代わりに、低減可能需要家のMEMSクライアント200から、低減可能需要家の電力負荷を取得し、以下の式により、負荷制限救援信号を算出することにしてもよい。
負荷制限救援信号=予想脱落量/低減可能需要家の電力負荷の合計値×100
(式3)
そして、制御信号生成部110は、全ての瞬低情報のパターンについて以上の処理(ループ1:S206〜S212)を実行し、負荷制限救援信号を生成する処理(図11のS110)を終了する。
以上のように、制御信号生成部110は、瞬時電圧低下が発生した場合に、その影響がローカルエリア内の全ての需要家に設置されている分散型電源に波及すると仮定して、発生が予想される瞬時電圧低下に対応する瞬低情報の全パターンについて、負荷制限救援信号を生成する。
以上により、制御信号生成部110が負荷制限救援信号を生成する処理(図11のS110)は、終了する。
次に、MEMSクライアント200が行う処理について、図13及び図14を用いて説明する。なお、ここでのMEMSクライアント200は、低減可能需要家に設置されているMEMSクライアント200をいう。
図13に示すように、まず、記憶部240に、事前設定テーブル241が記憶される(S302)。つまり、事前設定テーブル241は、図9に示されたように、ユーザによって予め作成され、記憶部240に事前に記憶される。
次に、第二電力値取得部210は、分散型電源システム21から、DG21aの発電電力値を取得する(S304)。
そして、第二電力値取得部210は、通信ネットワーク50を介して、取得したDG21aの発電電力値をMEMSサーバ100の第一電力値取得部111に送信する(S306)。これにより、第一電力値取得部111は、DG21aの発電電力値を取得する(図11のS106)。
また、第二電力値取得部210は、電力負荷22が有する複数の電力負荷である蓄電装置22a及び負荷22bのそれぞれの電力負荷から、それぞれの電力負荷に供給されている電力の値である現電力値を取得する(S308)。
そして、第二電力値取得部210は、定周期受信情報テーブル242を更新する(S310)。具体的には、第二電力値取得部210は、定周期受信情報テーブル242に含まれるDG21aの発電電力値や電力負荷22の現電力値を、取得した発電電力値や現電力値に書き換えることで、図10に示されたように、定周期受信情報テーブル242を更新する。
そして、供給電力決定部220は、第二電力値取得部210が取得した全ての現電力値を加算し、現電力値の合計値を算出する(S312)。
次に、供給電力決定部220は、MEMSサーバ100からの負荷制限救援信号の受信を確認する周期であるT2の初期値を、T2=0とする(S314)。
そして、供給電力決定部220は、通信ネットワーク50を介して、MEMSサーバ100の制御信号送信部130から負荷制限救援信号を受信したか否かを判断する(S316)。
供給電力決定部220は、MEMSサーバ100から負荷制限救援信号を受信していないと判断した場合(S316でNO)、T2に1を加算する(S318)。そして、供給電力決定部220は、T2が所定の値bになったか否かを判断する(S320)。なお、bは、ユーザからの入力などによって変更可能な数値である。
供給電力決定部220は、T2が所定の値bになっていないと判断した場合は(S320でNO)、再度MEMSサーバ100から負荷制限救援信号を受信したか否かを判断する(S316)。このようにして、供給電力決定部220は、T2が0からbになるまで所定の周期で、MEMSサーバ100から負荷制限救援信号を受信したか否かを、繰り返し判断する。
また、供給電力決定部220が、T2が所定の値bになったと判断した場合は(S320でYES)、第二電力値取得部210がDG21aの発電電力値を取得する処理(S304)に戻り、再度以降の処理を繰り返し行う。
つまり、bは、正の整数であり、第二電力値取得部210が発電電力値を取得してMEMSサーバ100に送信する周期、及び第二電力値取得部210が現電力値を取得して定周期受信情報テーブル242を更新し、現電力値の合計を算出する周期に対応して定められる数値である。
また、MEMSサーバ100の制御信号送信部130が、負荷制限救援信号を低減可能需要家のMEMSクライアント200に送信した場合に(図11のS124)、供給電力決定部220は、負荷制限救援信号を受信したと判断する(S316でYES)。ここでは、図15に示すように、供給電力決定部220は、制御信号送信部130から、低減可能需要家の電力負荷の「35%」を低減することを示す負荷制限救援信号を受信する。
そして、供給電力決定部220は、MEMSサーバ100から負荷制限救援信号を受信したと判断した場合は(S316でYES)、負荷制限救援信号で示される低減量の電力が、電力負荷への供給電力から低減されるように、低減負荷と供給電力値とを決定する(S322)。
つまり、供給電力決定部220は、MEMSサーバ100から負荷制限救援信号を受信した場合、DG21aが系統から脱落すると予想されるため、低減負荷に供給される電力負荷を低減するために、低減負荷と供給電力値とを決定する。この供給電力決定部220が低減負荷と供給電力値とを決定する処理の詳細については、後述する。
そして、出力制御指令部230は、供給電力決定部220が決定した低減負荷に供給電力値の電力が供給されるように、当該低減負荷に出力制御指令を行う(S324)。なお、出力制御指令部230は、低減負荷又は復旧負荷が蓄電装置22aの場合は、蓄電装置22aに供給電力値の電力を放電させる、又は蓄電装置22aに供給電力値の電力を充電させるように、蓄電装置22aに出力制御指令を行う。
そして、その後DG21aが復旧し、DG21aから電力負荷22への電力供給が再開された場合には、復旧処理が行われる(S326)。このMEMSクライアント200が行う復旧処理の詳細な説明については、後述する。
以上により、MEMSクライアント200が行う処理は、終了する。以上のようにして、ローカルエリア内の低減可能需要家の電力負荷への供給電力を低減することで、ローカルエリア内の電力負荷から予想脱落量の電力が低減される。
なお、MEMSクライアント200は、復旧処理(S326)が行われた後に、再度、第二電力値取得部210がDG21aの発電電力値を取得する以降の処理(S304〜S326)を行うことで、停止の指示を受け付けるまで、当該処理(S304〜S326)を繰り返し行うことにしてもよい。
次に、供給電力決定部220が低減負荷と供給電力値とを決定する処理(図13のS322)の詳細について、説明する。
図14は、本実施の形態に係る供給電力決定部220が低減負荷と供給電力値とを決定する処理の一例を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、供給電力決定部220は、電力負荷を低減する合計量である負荷低減量を算出する(S402)。具体的には、供給電力決定部220は、負荷制限救援信号で示される低減割合(図15では、35%)を用いて、以下の式により、負荷低減量を算出する。
負荷低減量=電力負荷の合計値×低減割合 (式4)
そして、供給電力決定部220は、事前設定テーブル241を参照して、電力負荷ごとの優先順位と制御値とを取得する(S404)。
例えば、供給電力決定部220は、図9に示された事前設定テーブル241を参照し、蓄電装置22aの優先順位が「1」で制御値が「−1kW」であり、負荷2の優先順位が「2」で制御値が「0W」であり、負荷nの優先順位が「3」で制御値が「500W」であることなどを取得する。
そして、現電力値と制御値の差分の合計が負荷低減量以上になるまで、繰り返し、以下の処理が実施される(ループ2:S406〜S410)。
つまり、供給電力決定部220は、最新の定周期受信情報テーブル242を参照して、電力負荷ごとの優先順位と制御値とから、現電力値と制御値との差分の合計が負荷低減量以上になるまで、繰り返し、優先順位が高い電力負荷から積算していく(S408)。
具体的には、供給電力決定部220は、まず、更新された最新の定周期受信情報テーブル242を参照して、電力負荷22の現電力値を取得する。例えば、供給電力決定部220は、図10に示された定周期受信情報テーブル242を参照し、蓄電装置22aの充放電電力が「1kW」であり、負荷2の消費電力が「50W」であり、負荷nの消費電力が「900W」であることなどを取得する。
なお、蓄電装置22aの充放電電力が「1kW」とは、蓄電装置22aに1kWの電力が充電されている状態を示しており、蓄電装置22aの現電力値は「1kW」である。また、負荷2の現電力値は「50W」であり、負荷nの現電力値は「900W」である。
そして、供給電力決定部220は、まずは優先順位が「1」の蓄電装置22aの現電力値と制御値との差分を、1kW−(−1kW)=2kWであると算出する。そして、蓄電装置22aの現電力値と制御値との差分が、負荷低減量以上になっていなければ、供給電力決定部220は、次に優先順位が「2」の負荷2の現電力値と制御値との差分を積算する。
そして、供給電力決定部220は、負荷2の現電力値と制御値との差分を、50W−0W=50Wであると算出し、2kWに加算して、差分の積算値が2.05kWであると算出する。そして、当該差分の積算値が、負荷低減量以上になっていなければ、供給電力決定部220は、さらに優先順位が「3」の負荷nの現電力値と制御値との差分を積算する。
なお、供給電力決定部220は、この現電力値と制御値との差分の計算を、図13に示された第二電力値取得部210が定周期受信情報テーブル242を更新する処理(図13のS310)の後に行うなど事前に計算しておき、当該差分の値を記憶部240に記憶しておいてもよい。これにより、供給電力決定部220は、記憶部240に記憶された当該差分の値を用いることで、低減負荷と供給電力値とを決定する処理時間を短縮することができる。
このようにして、供給電力決定部220は、現電力値と制御値との差分の合計が、負荷低減量以上になるまで、優先順位が高い電力負荷から積算する処理を繰り返し行う。
なお、供給電力決定部220は、優先順位が高い電力負荷から積算する処理(S408)において、蓄電装置22aの充電割合(残存容量)を示すSOC(State Of Charge)の値が小さい場合には蓄電装置22aを放電させないなど、SOCの値に応じて、蓄電装置22aの放電可能量を細かく設定することができる。
そして、供給電力決定部220は、現電力値と制御値の差分の合計が負荷低減量以上になれば、積算対象となった電力負荷を低減負荷と決定し、当該低減負荷に対応する制御値を供給電力値と決定する(S412)。
具体的には、供給電力決定部220は、蓄電装置22aと負荷2と負荷nとが積算対象となった場合、蓄電装置22aと負荷2と負荷nとを低減負荷と決定する。そして、供給電力決定部220は、蓄電装置22aの供給電力値を「−1kW」、負荷2の供給電力値を「0W」、及び負荷nの供給電力値を「500W」と決定する。
このように、供給電力決定部220は、優先順位が高い電力負荷から供給する電力を低減するように、低減負荷と供給電力値とを決定する。また、供給電力決定部220は、低減負荷が蓄電装置22aの場合は、蓄電装置22aから放電される電力の値又は蓄電装置22aに充電する電力の値を、供給電力値として決定する。
以上により、供給電力決定部220が低減負荷と供給電力値とを決定する処理(図13のS322)は、終了する。
なお、供給電力決定部220は、予め定められた複数のパターンの負荷制限救援信号の値ごとに、事前演算により低減負荷と供給電力値とを決定して、記憶部240に記憶させておいてもよい。これにより、供給電力決定部220は、記憶部240に記憶された当該パターンごとの低減負荷及び供給電力値から、受信した負荷制限救援信号に応じた低減負荷と供給電力値とを選定することで、低減負荷と供給電力値とを決定する処理時間を短縮することができる。
次に、MEMSサーバ100及びMEMSクライアント200が行う復旧処理(図11のS130及び図13のS326)について、説明する。
図17は、本実施の形態に係るMEMSサーバ100が行う復旧処理の一例を示すフローチャートである。
図18及び図19は、本実施の形態に係るMEMSクライアント200が行う復旧処理の一例を示すフローチャートである。
図20は、本実施の形態に係るMEMSサーバ100及びMEMSクライアント200が行う復旧処理を説明するための図である。
まず、MEMSサーバ100が行う復旧処理(図11のS130)について、以下に説明する。
図17に示すように、まず、第一電力値取得部111は、商用電力系統のじょう乱の発生による低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減直後に、ローカルエリアごとに、商用電力系統の系統電力値を取得する(S502)。
具体的には、図20に示すように、MEMSサーバ100の第一電力値取得部111は、通信ネットワーク50を介して、系統情報送信部41から、系統情報に含まれるローカルエリアごとの系統電力値を取得する。例えば、第一電力値取得部111は、点Pでの系統電力値である「1Tr系統電力」をローカルエリアAの系統電力値として取得し、点Qでの系統電力値である「2Tr系統電力」をローカルエリアBの系統電力値として取得する。
また、第一電力値取得部111は、ローカルエリアごとに、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量の合計である負荷制御量を取得する(S504)。ここでは、負荷制御量は、予想脱落量算出部112が算出した予想脱落量と同じ値であり、第一電力値取得部111は、予想脱落量算出部112から、当該予想脱落量を負荷制御量として取得する。
なお、第一電力値取得部111は、低減可能需要家のMEMSクライアント200から、各低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量を取得することで、当該低減量を積算して負荷制御量を算出することにしてもよい。この場合、一部のMEMSクライアント200が故障などにより電力負荷への供給電力の低減を行わなかった場合でも、第一電力値取得部111は、正確に負荷制御量を算出することができる。
次に、制御信号生成部110は、負荷復旧制御信号を生成する周期であるT3の初期値を、T3=0とする(S506)。
そして、第一電力値取得部111は、商用電力系統の系統電力値を再度取得する(S508)。
次に、制御信号算出部113は、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の増加量の合計が、商用電力系統の系統電力値の変化量になるように、当該増加量を示す負荷復旧制御信号を生成する(S510)。
具体的には、制御信号算出部113は、第一電力値取得部111が取得した系統電力値から、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減後の系統電力値の変化量を算出し、負荷制御量に対する当該変化量の割合を負荷復旧制御信号として算出する(S510)。
さらに具体的には、制御信号算出部113は、じょう乱発生による低減可能需要家への供給電力の低減直後の系統電力値を「低減直後系統電力値」、現在の系統電力値を「現在系統電力値」として、以下の式により、負荷復旧制御信号を算出する。
負荷復旧制御信号=(現在系統電力値−低減直後系統電力値)/負荷制御量
×100 (式5)
そして、制御信号送信部130は、ローカルエリアごとに、低減可能需要家の電力負荷への供給電力を増加させることでローカルエリア内の電力負荷が復旧されるように、負荷復旧制御信号を低減可能需要家のMEMSクライアント200に送信する(S512)。具体的には、制御信号送信部130は、図20に示すように、通信ネットワーク50を介して、ローカルエリア内の低減可能需要家のMEMSクライアント200に当該負荷復旧制御信号を送信する。このように、制御信号送信部130は、負荷復旧制御信号が生成されるたびに、対象のMEMSクライアント200に負荷復旧制御信号を送信する。
そして、制御信号生成部110は、負荷復旧制御信号を生成する時間間隔であるT5の初期値を、T5=0とする(S514)。
そして、制御信号生成部110は、T5に1を加算し(S516)、T5がcになったか否かを判断する(S518)。ここで、cは、時間の経過と共に変更可能な数値であり、ユーザからの入力などによって自由に設定可能な数値である。例えば、時間の経過(あるいは、T3の値)に伴って、c1→c2→c3というように値を変えることができる数値である。
そして、制御信号生成部110は、T5がcになっていないと判断した場合は(S518でNO)、さらにT5に1を加算し(S516)、T5がcになったと判断した場合は(S518でYES)、T3に1を加算する(S520)。
そして、制御信号生成部110は、T3が所定の値dになったか否かを判断する(S522)。なお、dは、ユーザからの入力などによって変更可能な数値である。
そして、制御信号生成部110は、T3が所定の値dになっていないと判断した場合(S522でNO)、再度、第一電力値取得部111が系統電力値を取得し(S508)、制御信号算出部113が負荷復旧制御信号を生成し(S510)、制御信号送信部130が負荷復旧制御信号を送信して(S512)、T5がcになったか否かを判断する(S514〜S518)。
このように、cは、制御信号生成部110が負荷復旧制御信号を生成する時間間隔に対応した値であり、ここでは、cは、時間が経過するほど大きな値になるように設定されている。つまり、制御信号生成部110は、時間が経過するほど負荷復旧制御信号を生成する時間間隔が大きくなるように、繰り返し負荷復旧制御信号を生成する。例えば、制御信号生成部110は、1秒、10秒、30秒と時間間隔を増加させて負荷復旧制御信号を生成する。
また、制御信号生成部110が、T3が所定の値dになったと判断した場合は(S522でYES)、制御信号算出部113が負荷復旧制御信号を100%と算出して、制御信号送信部130が当該負荷復旧制御信号をMEMSクライアント200に送信する(S524)。
このように、dは、制御信号生成部110が全復旧を行うための負荷復旧制御信号を生成する時間に対応した値である。つまり、制御信号生成部110は、ローカルエリアごとに、低減可能需要家の電力負荷への供給電力を低減してから所定時間経過後に、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の増加量の合計が負荷制御量になるように、負荷復旧制御信号を生成する。例えば、制御信号生成部110は、5分経過後に全復旧するように、負荷復旧制御信号を生成する。
以上により、MEMSサーバ100が行う復旧処理(図11のS130)は、終了する。
次に、MEMSクライアント200が行う復旧処理(図13のS326)について、図18及び図19を用いて説明する。なお、ここでのMEMSクライアント200は、低減可能需要家に設置されているMEMSクライアント200をいう。
図18に示すように、まず、供給電力決定部220は、商用電力系統のじょう乱の発生により低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減直後(図13のS324の後)に、負荷復旧制御信号を0%に設定する(S602)。
そして、供給電力決定部220は、MEMSサーバ100からの負荷復旧制御信号の受信を確認する周期であるT4の初期値を、T4=0とする(S604)。
そして、供給電力決定部220は、図20に示すように、通信ネットワーク50を介して、MEMSサーバ100の制御信号送信部130から負荷復旧制御信号を受信する(S606)。
そして、供給電力決定部220は、今回受信した負荷復旧制御信号と前回受信した負荷復旧制御信号との差が0であるか否かを判断する(S608)。
供給電力決定部220は、当該負荷復旧制御信号の差が0であると判断した場合(S608でYES)、T4に1を加算する(S610)。そして、供給電力決定部220は、T4が所定の値eになったか否かを判断する(S612)。なお、eは、ユーザからの入力などによって変更可能な数値であり、dよりも大きい数値である。
そして、供給電力決定部220は、T4が所定の値eになっていないと判断した場合は(S612でNO)、制御信号送信部130から負荷復旧制御信号を受信する処理(S606)に戻る。
また、供給電力決定部220は、T4が所定の値eになったと判断した場合は(S612でYES)、処理を終了する。つまり、eは、MEMSクライアント200が復旧処理を行う時間の上限値に対応する値である。例えば、商用電力系統のじょう乱発生後10分を経過しても商用電力系統の系統電力値が復旧されない場合は、MEMSクライアント200は復旧処理を断念し、当該復旧処理を終了する。
また、供給電力決定部220は、今回受信した負荷復旧制御信号と前回受信した負荷復旧制御信号との差が0でないと判断した場合は(S608でNO)、負荷復旧可能量を算出する(S614)。ここで、負荷復旧可能量とは、対象となる低減可能需要家における電力負荷への供給電力の復旧可能量である。
具体的には、供給電力決定部220は、対象となる低減可能需要家における電力負荷への供給電力の低減量を「需要家負荷制御量」として、以下の式により、負荷復旧可能量を算出する。
負荷復旧可能量=需要家負荷制御量×負荷復旧制御信号/100 (式6)
そして、供給電力決定部220及び出力制御指令部230は、負荷復旧可能量まで、対象となる低減可能需要家における電力負荷を復旧させる(S616)。つまり、供給電力決定部220は、負荷復旧制御信号で示される増加量の電力が、低減可能需要家の電力負荷への供給電力から増加されるように、供給電力の増加対象となる電力負荷である復旧負荷と復旧負荷に供給する電力の値である復旧電力値とを決定する。そして、出力制御指令部230は、供給電力決定部220が決定した復旧負荷に復旧電力値の電力が供給されるように、復旧負荷に出力制御指令を行う。なお、この供給電力決定部220及び出力制御指令部230が電力負荷を復旧させる処理の詳細については、後述する。
そして、供給電力決定部220及び出力制御指令部230が電力負荷を復旧させた後、供給電力決定部220は、T4に1を加算する処理(S610)に戻る。
以上により、MEMSクライアント200が行う復旧処理(図13のS326)は、終了する。
次に、供給電力決定部220及び出力制御指令部230が電力負荷を復旧させる処理(図18のS616)について、説明する。
図19は、本実施の形態に係る供給電力決定部220及び出力制御指令部230が電力負荷を復旧させる処理の一例を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、供給電力決定部220は、電力負荷の復旧優先順位を決定する(S702)。具体的には、供給電力決定部220は、事前設定テーブル241を参照し、供給電力を低減する優先順位が低い電力負荷ほど順位が高くなるように、電力負荷を復旧する優先順位である復旧優先順位を決定する。
例えば、蓄電装置22aと負荷2と負荷nとが低減負荷であった場合、蓄電装置22aと負荷2と負荷nとを復旧させる必要があるので、供給電力決定部220は、蓄電装置22a、負荷2、負荷nの復旧優先順位を、順に「3」、「2」、「1」と決定する。
そして、供給電力決定部220は、今回受信した負荷復旧制御信号と前回受信した負荷復旧制御信号との差が所定の値fよりも大きいか否かを判断する(S704)。なお、fは、ユーザからの入力などによって変更可能な数値であり、例えば、50%である。
そして、供給電力決定部220は、当該負荷復旧制御信号の差がf以下であると判断した場合は(S704でNO)、負荷復旧可能量まで、復旧優先順位の高い電力負荷から供給する電力を増加させるように、復旧負荷と復旧電力値とを決定し、出力制御指令部230は、当該復旧負荷に出力制御指令を行う(S706)。
具体的には、例えば、供給電力決定部220は、復旧優先順位が「1」の低減負荷である負荷nを復旧負荷と決定し、負荷nの電力負荷低減前の現電力値である「900W」を負荷nに対応する復旧電力値と決定する。なお、負荷復旧可能量が900W−500W(負荷nの制御値)=400Wよりも小さい場合は、供給電力決定部220は、負荷復旧可能量+500W(負荷nの制御値)を負荷nに対応する復旧電力値と決定する。
また、負荷復旧可能量が400Wよりも大きい場合は、供給電力決定部220は、復旧優先順位が「2」の低減負荷である負荷2を復旧負荷と決定し、負荷2の電力負荷低減前の現電力値である「50W」を負荷2に対応する復旧電力値と決定する。なお、負荷復旧可能量が400W+50W=450Wよりも小さい場合は、供給電力決定部220は、負荷復旧可能量−400Wを負荷2に対応する復旧電力値と決定する。
ここで、電力負荷には、部分的に復旧できる電力負荷と、部分的に復旧できない電力負荷とがある。例えば、エアコンなどは、温度調整を行うことで、電力負荷を部分的に復旧することができる。また、テレビなどは、ON、OFFの切り替えしかできないため、電力負荷を部分的に復旧することができない。このため、供給電力決定部220は、当該電力負荷の種類に応じて、復旧負荷に対する復旧電力値を決定することができる。
このようにして、供給電力決定部220は、負荷復旧可能量まで、低減負荷のうち優先順位が低い電力負荷から供給電力を増加するように、復旧負荷と復旧電力値とを決定する。そして、出力制御指令部230は、復旧負荷に復旧電力値の電力が供給されるように、当該復旧負荷に出力制御指令を行う。
また、供給電力決定部220が、当該負荷復旧制御信号の差がfよりも大きいと判断した場合は(S704でYES)、負荷復旧可能量まで復旧するまで、以下の処理(ループ3:S708〜714)が繰り返し行われる。
つまり、供給電力決定部220は、今回受信した負荷復旧制御信号で示される増加量の電力が低減可能需要家の電力負荷への供給電力から分割して増加されるように、当該増加量を複数の電力値に分割した分割負荷復旧量を決定する(S710)。例えば、供給電力決定部220は、負荷復旧制御信号で示される増加割合の差が60%であった場合、当該60%を10%ずつに分割されるように、当該増加量を6つの電力値に分割して、分割負荷復旧量を決定する。
そして、供給電力決定部220は、分割負荷復旧量まで、復旧優先順位の高い電力負荷から復旧するように、復旧負荷と復旧電力値とを決定し、出力制御指令部230は、出力制御指令を行う(S712)。なお、この供給電力決定部220が分割負荷復旧量まで復旧負荷と復旧電力値とを決定する処理は、負荷復旧可能量まで復旧負荷と復旧電力値とを決定する処理(S706)と同様であるため、詳細な説明は省略する。
そして、上記の処理(S710〜S712)を繰り返し行うことで、供給電力決定部220は、負荷復旧可能量まで復旧負荷と復旧電力値とを決定し、出力制御指令部230は、出力制御指令を行う。つまり、出力制御指令部230は、負荷復旧制御信号で示される増加量の電力が低減可能需要家の電力負荷への供給電力から増加されるまで、繰り返し、復旧負荷に復旧電力値の電力が供給されるように、復旧負荷に出力制御指令を行う。
そして、低減可能需要家の電力負荷への供給電力が負荷復旧可能量まで復旧すれば、処理を終了する。なお、供給電力決定部220は、復旧負荷が蓄電装置22aの場合は、蓄電装置22aから放電される電力の値又は蓄電装置22aに充電する電力の値を、復旧電力値として決定する。
以上により、供給電力決定部220及び出力制御指令部230が電力負荷を復旧させる処理(図18のS616)は、終了する。
以上のように、本実施の形態に係るMEMSサーバ100によれば、商用電力系統のじょう乱が発生した場合に、ローカルエリアごとに、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量の合計が予想脱落量になるように、負荷制限救援信号を低減可能需要家に送信する。つまり、商用電力系統にじょう乱が発生すれば、分散型電源によっては、需要家の電力負荷への電力供給が緊急停止される場合がある。
ここで、商用電力系統のじょう乱時の分散型電源の脱落対応としては、広域で分散型電源の脱落を監視(サーバ等で各分散型電源の情報を収集)して、商用電力系統の安定性に問題が生じる場合は、サーバ等から各需要家の電力負荷に制限をかけて、商用電力系統を安定化させるという方式が考えられる。しかし、これを実現するためには、高速、大容量、高い信頼度をもった通信回線が必要となる。また、このような安定化装置の仕上がり時間は非常にシビアであり、分散型電源の数が多い場合などには、このような方式での安定化装置の実現は非常に困難となる。
このため、ローカルエリアごとに、この緊急停止される電力の予想合計量を想定し、負荷制限救援信号を生成しておく。そして、商用電力系統にじょう乱が発生した場合に、負荷制限救援信号を低減可能需要家に送信することで、低減可能需要家への供給電力を低減させる。これにより、ローカルエリアごとに、商用電力系統から需要家の電力負荷に供給されている電力が増加するのを抑制することができる。また、負荷制限救援信号が事前に生成されているため、商用電力系統にじょう乱が発生すれば速やかに負荷制限救援信号を低減可能需要家に送信し、供給電力を低減させることができる。つまり、商用電力系統の情報から分散型電源の脱落状態を推定する方式を採用することで、高速、大容量、高い信頼度をもった通信回線が必要なくなる。
このように、ローカルエリア単位での需給バランスの維持により、商用電力系統に重潮流が流れることを抑制することができるため、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制することができる。
また、系統電力値及び発電電力値を取得し、予想脱落量を算出することで、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減割合を負荷制限救援信号として算出する。つまり、当該低減割合を負荷制限救援信号として全ての低減可能需要家に送信することで、低減可能需要家ごとに低減量を指示する必要がなく、簡易に低減可能需要家に電力負荷への供給電力低減の指示を送信することができる。これにより、商用電力系統のじょう乱が発生した場合でも、ローカルエリアごとに、簡易に需要家に電力負荷への供給電力低減の指示を与え、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制することができる。
また、電力値受信情報テーブルと脱落フラグテーブルとを参照して、商用電力系統のじょう乱が発生した場合に分散型電源からの電力供給が緊急停止されるか否かを判断して予想脱落量を算出することで、負荷制限救援信号を算出し、送信する。このため、電力値受信情報テーブルと脱落フラグテーブルとを用いて、当該緊急停止されたか否かを容易に判断することができる。したがって、商用電力系統のじょう乱が発生した場合でも、分散型電源から電力負荷への電力供給が緊急停止されたか否かを容易に判断して、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制することができる。
また、商用電力系統のじょう乱による電圧低下値及び電圧低下時間ごとに、負荷制限救援信号を算出し、当該じょう乱の発生が検出された場合に、当該じょう乱における電圧低下値及び電圧低下時間に応じた負荷制限救援信号を、低減可能需要家に送信する。つまり、電圧低下値及び電圧低下時間に応じた負荷制限救援信号を事前に算出しておくことで、商用電力系統のじょう乱が発生した場合でも、速やかに負荷制限救援信号を低減可能需要家に送信することができる。したがって、商用電力系統のじょう乱が発生した場合でも、負荷制限救援信号を需要家に速やかに送信して、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制することができる。
また、負荷制限救援信号で示される低減量の合計値が低減可能需要家の電力負荷の合計値以下になるように、各ローカルエリア内の低減可能需要家に送信する負荷制限救援信号を生成し、ローカルエリアごとに低減可能需要家に負荷制限救援信号を送信する。つまり、あるローカルエリアでの負荷制限救援信号(低減割合)が100%を超えた場合は、当該ローカルエリア内の低減可能需要家の電力負荷を低減するだけでは、負荷制限救援信号で示される低減量の電力を全て低減することができない。このため、他のローカルエリアの低減可能需要家の電力負荷を低減する。これにより、商用電力系統のじょう乱が発生した場合でも、複数のローカルエリアに跨って、負荷制限救援信号で示される低減量の電力を全て低減することができるため、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制することができる。
また、商用電力系統のじょう乱が発生した後に、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の増加量の合計が、商用電力系統の系統電力値の変化量になるように、負荷復旧制御信号を生成し、低減可能需要家に送信する。つまり、商用電力系統のじょう乱発生後に、脱落した分散型電源が、需要家の電力負荷への電力供給を開始する。このため、ローカルエリアごとに、商用電力系統の系統電力値の変化量を、復旧した分散型電源の電力値と想定し、低減可能需要家への供給電力を増加させる。これにより、ローカルエリアごとに、商用電力系統から需要家の電力負荷に供給されている電力が減少するのを抑制することができる。このように、ローカルエリア単位での需給バランスの維持により、商用電力系統に重潮流が流れることを抑制することができるため、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制することができる。
また、ローカルエリアごとに、取得した商用電力系統の系統電力値と負荷制御量とから、負荷制御量に対する系統電力値の変化量の割合を負荷復旧制御信号として算出する。つまり、当該割合を負荷復旧制御信号として全ての低減可能需要家に送信することで、低減可能需要家ごとに復旧量を指示する必要がなく、簡易に低減可能需要家に電力負荷への供給電力増加の指示を送信することができる。これにより、商用電力系統のじょう乱が発生した場合でも、ローカルエリアごとに、簡易に需要家に電力負荷への供給電力増加の指示を与え、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制することができる。
また、時間が経過するほど負荷復旧制御信号を生成する時間間隔が大きくなるように、繰り返し負荷復旧制御信号を生成し、低減可能需要家に送信する。つまり、復旧する分散型電源の電力値は、時間が経過するほど小さくなってくると想定されるので、時間が経過するほど負荷復旧制御信号を生成する時間間隔を大きくすることで、負荷復旧制御信号の値の均一化を図ることができる。このため、商用電力系統のじょう乱が発生した場合でも、ローカルエリアごとに、需要家の電力負荷への供給電力の増加量を時間的に均一化させることができ、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制することができる。
また、ローカルエリアごとに、低減可能需要家の電力負荷への供給電力を低減してから所定時間経過後に、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の増加量の合計が負荷制御量になるように、負荷復旧制御信号を生成し、低減可能需要家に送信する。つまり、ある一定の時間が経過すれば、脱落していた分散型電源は全て復旧するものと想定し、所定時間経過後に、低減可能需要家の電力負荷への供給電力を完全に復旧させる。これにより、商用電力系統のじょう乱が発生した場合でも、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制しつつ、需要家の電力負荷への供給電力を完全に復旧させることができる。
また、本実施の形態に係るローカルエリア緊急時需給バランスシステム1によれば、MEMSサーバ100が、商用電力系統のじょう乱が発生した場合に、ローカルエリアごとに、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量の合計が予想脱落量になるように、負荷制限救援信号を低減可能需要家に送信する。そして、MEMSクライアント200が、受信した負荷制限救援信号で示される低減量の電力が、低減可能需要家の電力負荷への供給電力から低減されるように、低減負荷と供給電力値とを決定し、低減負荷に出力制御指令を行う。つまり、商用電力系統にじょう乱が発生すれば、分散型電源によっては、需要家の電力負荷への電力供給が緊急停止される場合がある。このため、ローカルエリアごとに、この緊急停止される電力の予想合計量を想定し、低減可能需要家への供給電力を低減させるように、負荷制限救援信号を生成しておく。そして、商用電力系統にじょう乱が発生した場合に、負荷制限救援信号を低減可能需要家に送信する。そして、負荷制限救援信号を受信した低減可能需要家では、供給電力が低減されるように低減対象の電力負荷に出力制御指令を行う。これにより、ローカルエリアごとに、商用電力系統から需要家の電力負荷に供給されている電力が増加するのを抑制することができる。また、負荷制限救援信号が事前に生成されているため、商用電力系統にじょう乱が発生すれば速やかに負荷制限救援信号を低減可能需要家に送信し、供給電力を低減させることができる。このように、ローカルエリア単位での需給バランスの維持により、商用電力系統に重潮流が流れることを抑制することができるため、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制することができる。
また、MEMSサーバ100は、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減後に、負荷復旧制御信号を生成して、低減可能需要家のMEMSクライアント200に送信する。そして、MEMSクライアント200では、負荷復旧制御信号で示される増加量の電力が、低減可能需要家の電力負荷への供給電力から増加されるように、復旧負荷と復旧電力値とを決定し、復旧負荷に出力制御指令を行う。つまり、商用電力系統のじょう乱発生後に、脱落した分散型電源が、需要家の電力負荷への電力供給を開始する。このため、ローカルエリアごとに、商用電力系統の系統電力値の変化量を、復旧した分散型電源の電力値と想定し、低減可能需要家への供給電力を増加させるように、負荷復旧制御信号を低減可能需要家に送信する。そして、負荷復旧制御信号を受信した低減可能需要家では、供給電力が増加されるように増加対象の電力負荷に出力制御指令を行う。これにより、ローカルエリアごとに、商用電力系統から需要家の電力負荷に供給されている電力が減少するのを抑制することができる。このように、ローカルエリア単位での需給バランスの維持により、商用電力系統に重潮流が流れることを抑制することができるため、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制することができる。
また、電力負荷に供給する電力を低減する優先順位が高い電力負荷から供給する電力を低減するように、低減負荷と供給電力値とを決定し、低減負荷のうち優先順位が低い低減負荷ほど順位が高くなるように定められた復旧優先順位が高い電力負荷から供給する電力を増加させるように、復旧負荷と復旧電力値とを決定する。つまり、供給電力を低減した順番とは逆の順番で供給電力を増加するように、復旧負荷と復旧電力値とを決定して、出力制御指令を行う。これにより、復旧する必要性が高い電力負荷から優先的に供給電力の復旧を行うことができる。したがって、商用電力系統のじょう乱が発生した場合でも、事前に設定された優先順位で電力負荷を復旧させることで、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制することができる。
また、受信した負荷復旧制御信号の差が所定の値よりも大きい場合に、負荷復旧制御信号で示される増加量の電力を複数の電力値に分割して、分割された電力値ごとに、復旧負荷と復旧電力値とを決定し、繰り返し、復旧負荷に出力制御指令を行う。つまり、復旧処理のために増加させる電力値が大きい場合は、複数の電力値に分割して、徐々に復旧処理を行う。これにより、商用電力系統へ急激な変動を与えるのを抑えることができ、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制することができる。
なお、商用電力系統のじょう乱時の分散型電源の脱落対応としては、分散型電源を設置している需要家内で個別に需給バランスを制御する方法が考えられるが、分散型電源は設置しているが、需給バランスを制御できるような仕組みがない需要家も存在する。例えば、図1に示されたMEMSクライアント200が設置されていない需要家20bでは、需給バランスを制御することができない。このため、ローカルエリア内の需給バランスを制御するために、需要家20などにMEMSクライアント200を設置することが必要になる。
(第1の変形例)
次に、本実施の形態の第1の変形例について、説明する。上記実施の形態では、制御信号生成部110は、全ての低減可能需要家に共通する負荷制限救援信号を生成することとした。しかし、本第1の変形例では、制御信号生成部110は、低減可能需要家ごとに、低減可能需要家に応じた負荷制限救援信号を生成する。
図21は、本実施の形態の第1の変形例に係るMEMSサーバ100及びMEMSクライアント200が行う動作を説明するための図である。
ここで、本第1の変形例に係るMEMSサーバ100及びMEMSクライアント200が備える各処理部は、上記実施の形態で示されたMEMSサーバ100及びMEMSクライアント200が備える各処理部と同様であるため、詳細な説明は省略する。このため、以下では、MEMSサーバ100及びMEMSクライアント200が備える各処理部のうち、上記実施の形態で示された機能と異なる機能を有する処理部について、説明を行う。なお、ここでのMEMSクライアント200は、低減可能需要家に設置されているMEMSクライアント200をいう。
具体的には、以下の通り、MEMSクライアント200の供給電力決定部220と、MEMSサーバ100の制御信号生成部110及び制御信号送信部130とが、上記実施の形態で示された機能以外の追加の機能を有する。
供給電力決定部220は、事前設定テーブル241と定周期受信情報テーブル242とを参照し、電力負荷への供給電力の低減可能量である制御可能量を算出し、当該制御可能量をMEMSサーバ100の制御信号生成部110に送信する。
具体的には、供給電力決定部220は、事前設定テーブル241の各電力負荷の優先順位及び制御値と、定周期受信情報テーブル242の各電力負荷の受信値とから、各電力負荷への供給電力の低減可能量を算出し、当該低減可能量の合計値から、当該制御可能量を算出する。例えば、供給電力決定部220は、優先順位が1〜3の電力負荷について、制御値まで供給電力を低減可能として、当該制御可能量を算出する。
そして、同図に示すように、MEMSクライアント200の供給電力決定部220は、通信ネットワーク50を介して、算出した当該制御可能量をMEMSサーバ100の制御信号生成部110に送信する。
制御信号生成部110は、低減可能需要家ごとに制御可能量を取得することで、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量が制御可能量を超えないように、低減可能需要家ごとの負荷制限救援信号を生成する。
具体的には、同図に示すように、MEMSサーバ100の制御信号生成部110は、通信ネットワーク50を介して、MEMSクライアント200の供給電力決定部220から、当該MEMSクライアント200が設置されている低減可能需要家での制御可能量を取得し、当該低減可能需要家に応じた負荷制限救援信号を生成する。
制御信号送信部130は、低減可能需要家ごとに、低減可能需要家に応じた負荷制限救援信号を送信する。
具体的には、同図に示すように、MEMSサーバ100の制御信号送信部130は、通信ネットワーク50を介して、MEMSクライアント200の供給電力決定部220に、当該MEMSクライアント200が設置されている低減可能需要家に応じた負荷制限救援信号を送信する。
これにより、MEMSクライアント200の供給電力決定部220は、MEMSサーバ100の制御信号送信部130から、当該MEMSクライアント200が設置されている低減可能需要家に応じた負荷制限救援信号を受信する。
以上のように、本実施の形態の第1の変形例に係るMEMSサーバ100によれば、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量が制御可能量を超えないように、低減可能需要家ごとに、負荷制限救援信号を生成し、送信する。このため、低減可能需要家ごとに、それぞれの低減可能需要家による制御可能量の設定値に対応した負荷制限救援信号を生成し、送信することができる。これにより、商用電力系統のじょう乱が発生した場合でも、需要家ごとの事情を勘案した制御を行って、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制することができる。
(第2の変形例)
次に、本実施の形態の第2の変形例について、説明する。本第1の変形例では、MEMSサーバ100は、上記実施の形態での機能に加え、低減可能需要家のMEMSクライアント200が行った電力負荷への供給電力の制御結果を取得する。
図22は、本実施の形態の第2の変形例に係るMEMSサーバ100及びMEMSクライアント200が行う動作を説明するための図である。
ここで、同図に示すように、本第2の変形例に係るMEMSサーバ100は、制御結果処理部150を備えている以外は、上記実施の形態で示されたMEMSサーバ100が備える各処理部と同様の処理部を備えている。また、MEMSクライアント200が備える各処理部は、供給電力決定部220が上記実施の形態で示された機能以外の追加機能を有する以外は、上記実施の形態で示されたMEMSクライアント200が備える各処理部と同様である。
このため、以下では、MEMSクライアント200が備える供給電力決定部220の追加機能と、MEMSサーバ100が備える制御結果処理部150とを説明することとし、それ以外の処理部の説明は省略する。
供給電力決定部220は、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量を含む制御結果を取得し、当該制御結果をMEMSサーバ100の制御結果処理部150に送信する。
具体的には、MEMSクライアント200の供給電力決定部220は、当該MEMSクライアント200が設置されている低減可能需要家において、電力負荷への供給電力の低減が行われた場合に、当該低減の結果である制御結果を取得する。ここで、制御結果とは、低減対象の電力負荷や、当該電力負荷への供給電力の低減量などを含む情報の集まりである。
また、同図に示すように、MEMSクライアント200の供給電力決定部220は、通信ネットワーク50を介して、当該制御結果をMEMSサーバ100の制御結果処理部150に送信する。
制御結果処理部150は、低減可能需要家ごとに、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量を含む制御結果を取得し、当該制御結果を用いて、低減可能需要家ごとの供給電力低減に伴う対価の算出などを行う。
具体的には、同図に示すように、MEMSサーバ100の制御結果処理部150は、通信ネットワーク50を介して、MEMSクライアント200の供給電力決定部220から制御結果を取得する。そして、制御結果処理部150は、例えば、当該制御結果を用いて、供給電力の低減量が多かった低減可能需要家ほど電気料金を多く割り引くなどによって、対価の算出を行う。
以上のように、本実施の形態の第2の変形例に係るMEMSサーバ100によれば、低減可能需要家ごとに、低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量を含む制御結果を取得する。これにより、商用電力系統のじょう乱が発生した場合に、当該制御結果を把握することで、供給電力低減に伴う対価の算出などの低減可能需要家への各種サービスを行うことができる。
なお、制御結果処理部150は、MEMSサーバ100に備えられていることに限定されず、MEMSサーバ100とは異なる独立した装置に備えられていることにしてもよい。
以上、本発明に係るMEMSサーバ100、MEMSクライアント200及びローカルエリア緊急時需給バランスシステム1について、上記実施の形態(上記実施の形態の変形例を含む。以下同様)を用いて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
つまり、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、本実施の形態では、脱落フラグテーブル141に含まれる脱落フラグは、電圧低下値V及び電圧低下時間tに応じた脱落フラグであり、制御信号生成部110が、電圧低下値V及び電圧低下時間tの組ごとに負荷制限救援信号を生成し、制御信号送信部130が、系統じょう乱時の電圧低下値V及び電圧低下時間tに応じた負荷制限救援信号を送信することとした。しかし、脱落フラグテーブル141に含まれる脱落フラグは、電圧低下値Vのみに応じた脱落フラグであり、制御信号生成部110が、電圧低下値Vごとに負荷制限救援信号を生成し、制御信号送信部130が、系統のじょう乱時の電圧低下値Vに応じた負荷制限救援信号を送信することにしてもよい。また、脱落フラグテーブル141に含まれる脱落フラグは、系統のじょう乱が発生したか否かのみに応じた脱落フラグであり、制御信号生成部110が、系統のじょう乱時の負荷制限救援信号を生成し、制御信号送信部130が、当該系統じょう乱時の負荷制限救援信号を送信することにしてもよい。
また、本実施の形態では、MEMSクライアント200が電力の需給バランスを制御するローカルエリアの単位は、図1に示されたローカルエリアA又はローカルエリアBなどの変圧器単位であることとした。しかし、MEMSクライアント200が電力の需給バランスを制御するローカルエリアの単位は、限定されず、例えば電気所単位であってもよいし、予め定められた少数の需要家単位であってもよい。
また、本実施の形態では、脱落フラグテーブル141は、ユーザによって予め作成され、記憶部140に事前に記憶されることとした。しかし、脱落フラグテーブル141は、ユーザによって予め作成されて記憶部140に事前に記憶されていなくともよく、MEMSサーバ100が行う処理の中で作成されて記憶部140に記憶され、また更新されることにしてもよい。
また、本実施の形態では、事前設定テーブル241は、ユーザによって予め作成され、記憶部240に事前に記憶されることとした。しかし、事前設定テーブル241は、ユーザによって予め作成されて記憶部240に事前に記憶されていなくともよく、MEMSクライアント200が行う処理の中で作成されて記憶部240に記憶され、また更新されることにしてもよい。
また、本実施の形態では、系統じょう乱検出部120は、T1の値が0からaになるまで、繰り返し、瞬低情報を受信したか否かを判断することとした(図11のS114)。しかし、系統じょう乱検出部120は、瞬低情報を受信したか否かを繰り返し判断するのではなく、瞬低情報の受信を検出することにより、瞬低情報を受信したか否かを判断することにしてもよい。
また、本実施の形態では、供給電力決定部220は、T2の値が0からbになるまで、繰り返し、負荷制限救援信号を受信したか否かを判断することとした(図13のS316)。しかし、供給電力決定部220は、負荷制限救援信号を受信したか否かを繰り返し判断するのではなく、負荷制限救援信号の受信を検出することにより、負荷制限救援信号を受信したか否かを判断することにしてもよい。
また、本実施の形態では、MEMSサーバ100及びMEMSクライアント200は、自動で復旧処理を行うこととした。しかし、MEMSサーバ100及びMEMSクライアント200は自動で復旧処理を行わず、ユーザが手動で復旧処理を行うことにしてもよい。
また、本実施の形態では、記憶部140には、脱落フラグテーブル141、電力値受信情報テーブル142及び瞬低発生時受信情報テーブル143のデータテーブルが記憶されていることとした。しかし、MEMSサーバ100が電力の需給バランスを制御することができるのであれば、記憶部140に記憶されているデータテーブルは限定されない。
また、本実施の形態では、記憶部240には、事前設定テーブル241及び定周期受信情報テーブル242のデータテーブルが記憶されていることとした。しかし、MEMSクライアント200が電力の需給バランスを制御することができるのであれば、記憶部240に記憶されているデータテーブルは限定されない。
また、本実施の形態では、記憶部140には、電力値受信情報テーブル142及び瞬低発生時受信情報テーブル143のデータテーブルが記憶され、それぞれのデータテーブルは更新されることとした。また、記憶部240には、定周期受信情報テーブル242のデータテーブルが記憶され、更新されることとした。ここで、データテーブルが予め生成されていない場合は、当該データテーブルは初回に生成され、記憶部140又は記憶部240に記憶されることとする。つまり、データテーブルを更新するとは、初回にデータテーブルを生成することも含むものとする。
また、本実施の形態では、電力負荷22は、少なくとも1つの蓄電装置22aを有していることとした。しかし、電力負荷22は、蓄電装置22aを有していなくともよい。
なお、本発明は、このようなMEMSサーバ100、MEMSクライアント200又はローカルエリア緊急時需給バランスシステム1として実現することができるだけでなく、MEMSサーバ100、MEMSクライアント200又はローカルエリア緊急時需給バランスシステム1が備える各処理部が行う処理をステップとする方法として実現することもできる。また、当該方法に含まれる特徴的な処理をコンピュータに実行させるプログラムや集積回路として実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
本発明は、ローカルエリアごとに商用電力系統及び分散型電源から需要家の電力負荷に供給される電力の需給バランスを制御するローカルエリア緊急時需給バランス装置に適用でき、特に、商用電力系統のじょう乱による分散型電源の脱落などが発生した場合でも、商用電力系統を安定化し、系統動揺の発生を抑制することができるローカルエリア緊急時需給バランス装置等に適用できる。
1 ローカルエリア緊急時需給バランスシステム
10 サーバ設置拠点
20、20a、20b、20c、20d、20e 需要家
21 分散型電源システム
21a DG(分散型電源)
21b インバータ
22 電力負荷
22a 蓄電装置
22b 負荷
30 給電制御所
31 系統情報中継部
40、40a 電気所
41 系統情報送信部
50 通信ネットワーク
60 商用電力系統
61、62、63、64 商用電力系統
70 発電設備
80、90 需要家
81、91 分散型電源
82、92 インバータ
83、93 電力負荷
100 MEMSサーバ(ローカルエリア緊急時需給バランス装置)
110 制御信号生成部
111 第一電力値取得部
112 予想脱落量算出部
113 制御信号算出部
120 系統じょう乱検出部
130 制御信号送信部
140 記憶部
141 脱落フラグテーブル
142 電力値受信情報テーブル
143 瞬低発生時受信情報テーブル
150 制御結果処理部
200、200a MEMSクライアント(ローカルエリア緊急時需給バランス装置子局)
201 従来計量装置
210 第二電力値取得部
220 供給電力決定部
230 出力制御指令部
240 記憶部
241 事前設定テーブル
242 定周期受信情報テーブル

Claims (10)

  1. 分散型電源が設置された需要家を含む所定数の需要家で構成されるローカルエリアごとに、前記分散型電源及び商用電力系統から前記需要家の電力負荷に供給される電力の需給バランスを制御する装置であって、
    前記商用電力系統の系統電力のじょう乱が発生した場合に、前記分散型電源から前記電力負荷への供給が緊急停止される電力の予想合計量を予想脱落量とし、前記所定数の需要家のうちの電力負荷への供給電力を低減可能な需要家を低減可能需要家とし、前記ローカルエリアごとに、前記低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量の合計が前記予想脱落量になるように、前記低減量を示す負荷制限救援信号を生成する制御信号生成部と、
    前記ローカルエリアごとに、前記商用電力系統の系統電力のじょう乱の発生を検出する系統じょう乱検出部と、
    前記ローカルエリアごとに、前記じょう乱の発生が検出された場合に、前記低減可能需要家の電力負荷への供給電力を低減することで前記ローカルエリア内の電力負荷から前記予想脱落量の電力が低減されるように、前記負荷制限救援信号を前記低減可能需要家に送信する制御信号送信部と
    を備えるローカルエリア緊急時需給バランス装置。
  2. 前記制御信号生成部は、
    前記ローカルエリアごとに、前記商用電力系統の系統電力の値である系統電力値を取得するとともに、前記ローカルエリア内に設置されている分散型電源が発電している発電電力値を取得する電力値取得部と、
    前記じょう乱が発生した場合に前記分散型電源から前記電力負荷への供給が緊急停止されるか否かを判断することで、前記予想脱落量を算出する予想脱落量算出部と、
    前記系統電力値と前記発電電力値と前記予想脱落量とを用いて、前記低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減割合を前記負荷制限救援信号として算出する制御信号算出部とを備える
    請求項1に記載のローカルエリア緊急時需給バランス装置。
  3. さらに、前記系統電力値と前記ローカルエリア内に設置されている分散型電源の発電電力値とを含む電力値受信情報テーブルと、前記じょう乱が発生した場合に前記分散型電源から前記電力負荷への電力供給が緊急停止されるか否かを示す脱落フラグを含む脱落フラグテーブルとを記憶している記憶部を備え、
    前記電力値取得部は、所定の周期で前記系統電力値と前記発電電力値とを取得して、前記電力値受信情報テーブルを更新し、
    前記予想脱落量算出部は、更新された前記電力値受信情報テーブルに含まれる前記発電電力値と前記脱落フラグテーブルに含まれる前記脱落フラグとを参照して、前記じょう乱が発生した場合に前記分散型電源から前記電力負荷への供給が緊急停止されるか否かを判断して前記予想脱落量を算出し、
    前記制御信号算出部は、更新された前記電力値受信情報テーブルの前記系統電力値と前記発電電力値とを参照し、算出された前記予想脱落量を用いて前記負荷制限救援信号を算出し、
    前記制御信号送信部は、前記じょう乱の発生が検出された場合に、算出された前記負荷制限救援信号を前記低減可能需要家に送信する
    請求項2に記載のローカルエリア緊急時需給バランス装置。
  4. 前記分散型電源は、前記分散型電源から出力される直流電力を交流電力に変換するインバータを介して、前記商用電力系統に接続されており、
    前記インバータは、前記商用電力系統のじょう乱によって所定の電圧低下値まで所定の電圧低下時間の間電圧が低下することで、動作が停止して、前記分散型電源から前記電力負荷への電力供給が緊急停止される脱落特性を有しており、
    前記記憶部は、互いに対応付けられた前記電圧低下値と前記電圧低下時間と前記脱落フラグとを含む前記脱落フラグテーブルを記憶しており、
    前記予想脱落量算出部は、前記電圧低下値及び前記電圧低下時間ごとに、前記予想脱落量を算出し、
    前記制御信号算出部は、前記電圧低下値及び前記電圧低下時間ごとに、前記負荷制限救援信号を算出し、
    前記制御信号送信部は、前記じょう乱の発生が検出された場合に、前記じょう乱における電圧低下値及び電圧低下時間に応じた前記負荷制限救援信号を決定し、決定した前記負荷制限救援信号を前記低減可能需要家に送信する
    請求項3に記載のローカルエリア緊急時需給バランス装置。
  5. 前記制御信号生成部は、さらに、生成した前記負荷制限救援信号で示される前記低減量の合計値が前記ローカルエリア内の低減可能需要家の電力負荷の合計値を超える場合に、前記低減量の合計値が前記低減可能需要家の電力負荷の合計値以下になるように前記負荷制限救援信号を第一負荷制限救援信号として生成し直すとともに、他のローカルエリア内の低減可能需要家に送信する第二負荷制限救援信号を生成し、
    前記制御信号送信部は、前記第一負荷制限救援信号を前記ローカルエリア内の低減可能需要家に送信するとともに、前記第二負荷制限救援信号を前記他のローカルエリア内の低減可能需要家に送信する
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のローカルエリア緊急時需給バランス装置。
  6. 前記制御信号生成部は、さらに、前記低減可能需要家ごとに、前記低減可能需要家から電力負荷への供給電力の低減可能量である制御可能量を取得することで、前記低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量が前記制御可能量を超えないように、前記低減可能需要家ごとの前記負荷制限救援信号を生成し、
    前記制御信号送信部は、前記低減可能需要家ごとに、前記低減可能需要家に応じた前記負荷制限救援信号を送信する
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のローカルエリア緊急時需給バランス装置。
  7. さらに、
    前記低減可能需要家ごとに、前記低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量を含む制御結果を取得する制御結果処理部を備える
    請求項1〜6のいずれか1項に記載のローカルエリア緊急時需給バランス装置。
  8. 分散型電源が設置された需要家を含む所定数の需要家で構成されるローカルエリアごとに、前記分散型電源及び商用電力系統から前記需要家の電力負荷に供給される電力の需給バランスを制御するローカルエリア緊急時需給バランスシステムであって、
    前記所定数の需要家のうちのいずれかの需要家に設置されるローカルエリア緊急時需給バランス装置子局と、
    前記ローカルエリア緊急時需給バランス装置子局と通信ネットワークを介して接続されており、前記ローカルエリア緊急時需給バランス装置子局に前記需要家の電力負荷の出力制御指令を行うローカルエリア緊急時需給バランス装置とを備え、
    前記ローカルエリア緊急時需給バランス装置は、
    前記商用電力系統の系統電力のじょう乱が発生した場合に、前記分散型電源から前記電力負荷への供給が緊急停止される電力の予想合計量を予想脱落量とし、前記所定数の需要家のうちの電力負荷への供給電力を低減可能な需要家を低減可能需要家とし、前記ローカルエリアごとに、前記低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量の合計が前記予想脱落量になるように、前記低減量を示す負荷制限救援信号を生成する制御信号生成部と、
    前記ローカルエリアごとに、前記商用電力系統の系統電力のじょう乱の発生を検出する系統じょう乱検出部と、
    前記ローカルエリアごとに、前記じょう乱の発生が検出された場合に、前記低減可能需要家の電力負荷への供給電力を低減することで前記ローカルエリア内の電力負荷から前記予想脱落量の電力が低減されるように、前記負荷制限救援信号を前記低減可能需要家の前記ローカルエリア緊急時需給バランス装置子局に送信する制御信号送信部とを備え、
    前記ローカルエリア緊急時需給バランス装置子局は、
    前記負荷制限救援信号を前記制御信号送信部から受信した場合に、前記負荷制限救援信号で示される低減量の電力が、前記低減可能需要家の電力負荷への供給電力から低減されるように、供給電力の低減対象となる電力負荷である低減負荷と前記低減負荷に供給する電力の値である供給電力値とを決定する供給電力決定部と、
    決定された前記低減負荷に前記供給電力値の電力が供給されるように、前記低減負荷に出力制御指令を行う出力制御指令部とを備える
    ローカルエリア緊急時需給バランスシステム。
  9. 分散型電源が設置された需要家を含む所定数の需要家で構成されるローカルエリアごとに、前記分散型電源及び商用電力系統から前記需要家の電力負荷に供給される電力の需給バランスを制御する方法であって、
    前記商用電力系統の系統電力のじょう乱が発生した場合に、前記分散型電源から前記電力負荷への供給が緊急停止される電力の予想合計量を予想脱落量とし、前記所定数の需要家のうちの電力負荷への供給電力を低減可能な需要家を低減可能需要家とし、前記ローカルエリアごとに、前記低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量の合計が前記予想脱落量になるように、前記低減量を示す負荷制限救援信号を生成する制御信号生成ステップと、
    前記ローカルエリアごとに、前記商用電力系統の系統電力のじょう乱の発生を検出する系統じょう乱検出ステップと、
    前記ローカルエリアごとに、前記じょう乱の発生が検出された場合に、前記低減可能需要家の電力負荷への供給電力を低減することで前記ローカルエリア内の電力負荷から前記予想脱落量の電力が低減されるように、前記負荷制限救援信号を前記低減可能需要家に送信する制御信号送信ステップと
    を含むローカルエリア緊急時需給バランス方法。
  10. 分散型電源が設置された需要家を含む所定数の需要家で構成されるローカルエリアごとに、前記分散型電源及び商用電力系統から前記需要家の電力負荷に供給される電力の需給バランスを制御するためのプログラムであって、
    前記商用電力系統の系統電力のじょう乱が発生した場合に、前記分散型電源から前記電力負荷への供給が緊急停止される電力の予想合計量を予想脱落量とし、前記所定数の需要家のうちの電力負荷への供給電力を低減可能な需要家を低減可能需要家とし、前記ローカルエリアごとに、前記低減可能需要家の電力負荷への供給電力の低減量の合計が前記予想脱落量になるように、前記低減量を示す負荷制限救援信号を生成する制御信号生成ステップと、
    前記ローカルエリアごとに、前記商用電力系統の系統電力のじょう乱の発生を検出する系統じょう乱検出ステップと、
    前記ローカルエリアごとに、前記じょう乱の発生が検出された場合に、前記低減可能需要家の電力負荷への供給電力を低減することで前記ローカルエリア内の電力負荷から前記予想脱落量の電力が低減されるように、前記負荷制限救援信号を前記低減可能需要家に送信する制御信号送信ステップと
    をコンピュータに実行させるプログラム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016152761A (ja) * 2015-02-19 2016-08-22 中国電力株式会社 単独運転発電所の制御システムおよび制御プログラム

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