JP2011243244A - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 波長の異なる複数種類の光を利用するときにも、光学記録媒体に入射する光を円偏光とすることのできる光ピックアップ装置を提供することである。
【解決手段】 光ピックアップ装置において光路切換手段12は、光源部11から出射される光を反射および透過させる。光路切換手段12は、前記出射される光の波長に応じて、反射と透過とを選択的に行うことによって、前記出射される光の光路を切換える。また光路切換手段12は、反射および透過する光の少なくともいずれか一方に対して、波長に応じて予め定める位相変化量の位相変化を付与する。1または複数の位相補償手段13は、光路切換手段12によって付与される位相変化の、予め定める位相変化量とは、逆の位相変化量の位相変化を付与する。またこの位相補償手段13は、光路切換手段12によって位相変化が付与された光に対して位相変化を付与する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光学記録媒体に記録される情報を読取るために、光学記録媒体に光を照射し光学記録媒体からの反射光を受光する光ピックアップ装置に関する。
光源から出射された光が光学記録媒体に入射した後、光学記録媒体から反射された光が光源に入射すると、光源からの光にノイズが生じるおそれがある。これを防ぐために、光学記録媒体に入射する光は、円偏光に設定されている。
図6は、従来技術に係る光ピックアップ装置の構成を表す図である。従来技術に係る光ピックアップ装置として、偏光ビームスプリッタ1と、偏光方向変換手段2とを含む偏光成分検出装置3を備える装置が知られている。この偏光成分検出装置3において、偏光ビームスプリッタ1に入射角の異なる光が入射すると、透過する光の偏光方向が回転され、回転される角度が入射角に依存する。偏光方向変換手段2は、入射角に依存して回転された透過光の偏光方向を、補正する。これによって、入射角が異なることによる偏光方向の差異を解消することができる(たとえば特許文献1参照)。
特開平8−203150号公報
光源からの光を反射および透過させる光学部品において、反射および透過する光のうち、少なくともいずれか一方は、反射および透過において、位相変化が付与される。反射または透過する光に付与される位相変化の位相変化量は、反射または透過する光の波長に依存する。
従来技術における、偏光方向の差異を解消する手法によって、光学記録媒体に入射する光を円偏光とする光学部品を設けても、波長の異なる複数種類の光を利用するときには、それら全ての波長の光において、光学記録媒体に入射する光を円偏光とすることができないという問題点がある。
本発明の目的は、波長の異なる複数種類の光を利用するときにも、光学記録媒体に入射する光を円偏光とすることのできる光ピックアップ装置を提供することである。
本発明は、複数種類の光学記録媒体に応じて、波長の異なる複数種類の光を出射可能な光源部と、
前記光源部から出射される光を反射および透過させ、前記出射される光の波長に応じて、反射と透過とを選択的に行うことによって、前記出射される光の光路を切換える光路切換手段であって、反射および透過する光の少なくともいずれか一方に対して、波長に応じて予め定める位相変化量の位相変化を付与する光路切換手段と、
前記光路切換手段によって位相変化が付与された光が透過または反射する位置に配置される1または複数の位相補償手段であって、前記光路切換手段によって位相変化が付与された光に対して前記予め定める位相変化量とは逆の位相変化量の位相変化を付与する位相補償手段とを含むことを特徴とする光ピックアップ装置である。
また本発明は、前記光源部から前記光学記録媒体に向かう往路光のうち、前記光路切換手段によって反射されるべき波長の光が入射する前記光路切換手段の入射表面部は、前記反射されるべき波長の光の位相を維持して反射させ、
前記位相補償手段は、前記往路光のうち、前記光路切換手段を透過した光が入射する位置に配置されることを特徴とする。
また本発明は、前記光路切換手段は、前記入射表面部に入射する、前記反射させるべき波長の光を、複数本の平行な光線束として反射させ、前記透過させるべき波長の光を、単一の光線束として透過させることを特徴とする。
また本発明は、前記光路切換手段において反射させるべきとして定められる波長は、光学記録媒体であるデジタルバーサタイルディスクに対応する波長を含んで設定され、
前記光路切換手段において反射した光は、複数本の平行な光線束として前記光学記録媒体に向かうことを特徴とする。
また本発明は、前記光路切換手段において反射させるべきとして定められる波長は、光学記録媒体であるコンパクトディスクに対応する波長をさらに含んで設定され、
前記光路切換手段を透過させるべきとして定められる波長は、光学記録媒体であるブルーレイディスクに対応する波長を含んで設定されることを特徴とする。
また本発明は、前記光路切換手段において反射した往路光を光学記録媒体に集光する反射集光対物レンズであって、前記光源部、光路切換手段および位相補償手段とともに一体的に駆動される反射集光対物レンズと、
前記光路切換手段を透過した往路光を光学記録媒体に集光する透過集光対物レンズであって、前記反射集光対物レンズとは、前記予め定める方向に離れて配置され、前記光源部、光路切換手段、位相補償手段および反射集光対物レンズとともに一体的に駆動される透過集光対物レンズとをさらに含むことを特徴とする。
また本発明は、前記反射集光対物レンズは、光学記録媒体の回転に関する半径方向に一致する直線に沿って駆動されることを特徴とする。
また本発明は、前記光路切換手段は、光学記録媒体であるブルーレイディスクに対応する光の透過率が100%に設定され、
前記光路切換手段の前記入射表面部は、光学記録媒体であるデジタルバーサタイルディスクおよびコンパクトディスクに対応する光の反射率が100%に設定され、
前記位相補償手段は、光学記録媒体であるブルーレイディスクに対応する波長の光が入射する位置に配置され、入射する光を反射させ、光を反射させるときに前記逆の位相変化量の位相変化を付与することを特徴とすることを特徴とする。
本発明によれば、光ピックアップ装置において光路切換手段は、光源部から出射される光を反射および透過させる。光路切換手段は、前記出射される光の波長に応じて、反射と透過とを選択的に行うことによって、前記出射される光の光路を切換える。また光路切換手段は、反射および透過する光の少なくともいずれか一方に対して、波長に応じて予め定める位相変化量の位相変化を付与する。1または複数の位相補償手段は、光路切換手段によって付与される位相変化の、予め定める位相変化量とは、逆の位相変化量の位相変化を付与する。またこの位相補償手段は、光路切換手段によって位相変化が付与された光に対して位相変化を付与する。
これによって、光路切換手段によって付与された位相変化を、位相補償手段によって相殺することができる。したがって、複数種類の光学記録媒体に対応する、波長の異なる複数種類の光を用いるときに、光の波長に応じたそれぞれの光路において、円偏光を実現することができる。これによって、波長の異なる複数種類の光を利用するときにも、光学記録媒体に入射する光を円偏光とすることができる。
また本発明によれば、光路切換手段の入射表面部は、反射されるべき波長の光の位相を維持して反射させる。入射表面部には、光源部から光学記録媒体に向かう往路光のうち、光路切換手段によって反射されるべき波長の光が入射する。位相補償手段は、往路光のうち、光路切換手段を透過した光が入射する位置に配置される。これによって、反射されるべき波長の光は、光路切換手段の入射表面部において反射した後に、位相補償手段を介することなく円偏光として光学記録媒体に向かうことができる。したがって、光路切換手段において反射した光の光路の途中位置と、光路切換手段を透過した光の光路の途中位置との両方に位相補償手段を配置する場合に比べて、配置する位相補償手段の個数を低減することができる。これによって、装置構成を単純化し、小形化することができる。
また本発明によれば、光路切換手段は、入射表面部に入射する、反射させるべき波長の光を、複数本の平行な光線束として反射させる。また光路切換手段は、透過させるべき波長の光を、単一の光線束として透過させる。これによって、光を、複数本の光線束として照射することが必要な、たとえばデジタルバーサタイルディスク(DVD)などの光学記録媒体と、単一の光線束として照射することのできる、たとえばブルーレイディスク(BD)などの光学記録媒体との両方を取扱うことができる。また、光路切換手段の反射光は、トラッキングサーボを高い精度で行なうために光学記録媒体の回転に関する半径方向に一致する直線に沿って駆動される位置に配置する。これによって、光路切換手段の透過光は必然的に反射光よりも光源から遠い位置に配置されるため、光源側の部品の配置スペースが広くなり、設計の自由度が確保できる。
また本発明によれば、反射させるべきとして定められる波長は、光学記録媒体であるDVDに対応する波長を含んで設定される。光路切換手段において反射した光は、複数本の平行な光線束として光学記録媒体に向かう。これによって、トラッキングサーボを高い精度で行うことができる。
また本発明によれば、光路切換手段において反射させるべきとして定められる波長は、光学記録媒体であるコンパクトディスク(CD)に対応する波長を含んで設定される。光路切換手段を透過させるべきとして定められる波長は、光学記録媒体であるBDに対応する波長を含んで設定される。
これによって、光路切換手段において反射される光の光路を、光学記録媒体であるDVDとCDとを取扱うときの共通した光路として用いることができる。また光路切換手段を透過した光の光路を、光学記録媒体であるBDを取扱うときの光路として用いることができる。光路切換手段において反射した光は、光路切換手段を透過した光よりも少ない光学部品で光路を規定できるので、DVDおよびCDに照射される光の光路を、光路切換手段を透過した光の光路として設定する場合に比べて、光量の損失や波面収差を低減することができる。
また本発明によれば、光ピックアップ装置は、反射集光対物レンズと、透過集光対物レンズとをさらに含んで構成される。反射集光対物レンズは、光路切換手段において反射した往路光を、光学記録媒体に集光する。また反射集光対物レンズは、光源部、光路切換手段および位相補償手段とともに、一体的に駆動される。透過集光対物レンズは、光路切換手段を透過した往路光を、光学記録媒体に集光する。また透過集光対物レンズは、反射集光対物レンズとは、前記予め定める方向に離れて配置され、光源部、光路切換手段、位相補償手段および反射集光対物レンズとともに一体的に駆動される。これによって、反射集光対物レンズと透過集光対物レンズとを、互いに離して配置することができるので、設計の自由度を確保することができる。
また、本発明によれば、反射集光対物レンズは、光学記録媒体の回転に関する半径方向に一致する直線に沿って駆動される。これによって、光路切換手段の反射光を、複数本の平行な光線束として前記光学記録媒体に向かわせることによって、トラッキングサーボを高い精度で行なうことが可能になる。また、透過集光対物レンズは、反射集光対物レンズよりも光源から遠い位置に配置することによって、光源側の部品の配置スペースが広くなり、設計の自由度が確保できる。
また本発明によれば、光路切換手段は、光学記録媒体であるBDに対応する光の透過率が100%に設定される。光路切換手段の入射表面部は、光学記録媒体であるDVDおよびCDに対応する光の反射率が100%に設定される。位相補償手段は、光学記録媒体であるBDに対応する波長の光が入射する位置に配置される。位相補償手段は、入射する光を反射させる。また位相補償手段は、光を反射させるときに、前記逆の位相変化量の位相変化を付与する。
これによって、たとえば入射表面部におけるBDに対応する光の反射率を100%に設定し、DVDおよびCDに対応する光の透過率を100%に設定する場合に比べて、光学部品配置に自由度を持たせることができる。光路切換手段を透過した直後の光の光路は、光路切換手段において反射した直後の光の光路に対して角度を成す。したがって、光路切換手段において反射した光と、光路切換手段を透過した光とを、光学記録媒体に対して照射するには、いずれか一方の光の進行方向を変化させる必要が生じる。
DVDおよびCDの光路は、共通した光路とすることが可能である。またDVDに照射するべき波長の光を複数本の平行な光線束とすることによって、DVDを取扱うときのトラッキングサーボを高い精度で行うことができる。複数本の平行な光線束の光路は、光路切換手段を透過した光の光路として設定するよりも、光路切換手段を反射した光の光路として設定する方が、光学部品配置に自由度を持たせることができる。したがって、光路切換手段において反射した光をDVDおよびCDに対応させ、光路切換手段を透過した光をBDに対応させる方が、これらの対応関係を逆にする場合に比べて、光ピックアップ装置の量産性を高めることができる。
また位相補償手段は、光路切換手段を透過した光の向きを反射によって変化させるとともに、光路切換手段の透過において付与された位相変化を相殺することができるので、反射と位相補償とをそれぞれ異なる部品によって実現する場合に比べて、光ピックアップ装置を小形化することができる。また光路切換手段において反射した光は、光路切換手段を透過した光よりも少ない光学部品で光路を規定することができるので、複数種類の光学記録媒体に対応して兼用される光路を、光路切換手段において反射した光の光路に設定することによって、光量の損失や波面収差を複数種類の光学記録媒体において低減することができる。
本発明の第1実施形態に係る光ピックアップ装置10の構成を表す図である。 本発明の第1実施形態における光路切換手段12の透過位相差の波長依存性Tを表す図である。 本発明の第1実施形態における位相補償手段13の反射位相差の波長依存性Rを表す図である。 本発明の第1実施形態において光路切換手段12を透過した光が光学記録媒体に照射されるときの光の位相の波長依存性C1を表す図である。 本発明の第2実施形態に係る光ピックアップ装置10の構成を表す図である。 従来技術に係る光ピックアップ装置の構成を表す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための複数の形態について説明する。以下の説明においては、各形態に先行する形態ですでに説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略す場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。またそれぞれの実施形態は、本発明に係る技術を具体化するために例示するものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明に係る技術内容は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る光ピックアップ装置10の構成を表す図である。第1実施形態において光ピックアップ装置10は、光学記録媒体に記録される情報を読取るために、光学記録媒体に光を照射し光学記録媒体からの反射光を受光する装置である。
光ピックアップ装置10は、光源部11と、光路切換手段12と、1または複数の位相補償手段13とを含む。光源部11は、複数種類の光学記録媒体に応じて、波長の異なる複数種類の光を出射可能である。光路切換手段12は、光源部11から出射される光を反射および透過させる。光路切換手段12は、前記出射される光の波長に応じて、反射と透過とを選択的に行うことによって、前記出射される光の光路を切換える。
また光路切換手段12は、反射および透過する光の少なくともいずれか一方に対して、その光の波長に応じて予め定める位相変化量の位相変化を付与する。1または複数の位相補償手段13は、光路切換手段12によって付与される位相変化の、予め定める位相変化量とは、逆の位相変化量の位相変化を付与する。またこの位相補償手段13は、光路切換によって位相変化が付与された光が、透過または反射する位置に配置され、光路切換手段12によって位相変化が付与された光に対して位相変化を付与する。
光源部11は、複数のレーザ光源14を含む。複数のレーザ光源14は、互いに波長の異なる複数種類のレーザ光を出射する。第1実施形態において光源部11は、複数のレーザ光源14、回折素子、受光素子をも含んで一体的に形成される。各レーザ光源14から出射されたレーザ光は、直線偏光として出射され、λ/4波長板18に入射する。λ/4波長板18を透過した光は、円偏光19として進行し、光路切換手段12に入射する。
光路切換手段12の入射表面部は、反射されるべき波長の光の位相を維持して反射させる。入射表面部には、光源部11から光学記録媒体に向かう往路光のうち、光路切換手段12によって反射されるべき波長の光が入射する。位相補償手段13は、往路光のうち、光路切換手段12を透過した光が入射する位置に配置される。
光学記録媒体は、コンパクトディスク(compact disk, 略称「CD」)、デジタルバーサタイルディスク(digital versatile disk, 略称「DVD」)およびブルーレイディスク(blu-ray disk, 略称「BD」)のうちのいずれか2種類であればよい。第1実施形態のいては、DVD21とBD22とを取扱う構成とした。
光路切換手段12において反射させるべきとして定められる波長は、光学記録媒体であるDVD21に対応する波長を含んで設定される。光路切換手段12において反射した光は、複数本の平行な光線束として光学記録媒体に向かう。すなわち、光路切換手段12は、入射表面部に入射する、反射させるべき波長の光を、複数本の平行な光線束として反射させる。本実施形態では3本の平行な光線束が実現され、いわゆる3ビーム法によるトラッキングサーボを実施可能とする。また光路切換手段12は、透過させるべき波長の光を、単一の光線束として透過させる。
光路切換手段12において透過させるべきとして定められる波長は、光学記録媒体であるBD22に対応する波長を含んで設定される。DVD21に対応する波長は、およそ650ナノメートル(nanometers, 略号「nm」)の波長であり、BD22に対応する波長は、およそ405nmの波長である。DVD21およびBD22に対応するそれぞれの波長は、前述の波長に対して数nmの違いのある場合もある。
光源部11から出射された光は、DVD21に対応する光もBD22に対応する光も、λ/4波長板18を介して光路切換手段12の入射表面部に円偏光19として入射する。光路切換手段12の入射表面部は、ガラスなどによって形成される基材24と、薄膜層26とを含んで形成される。薄膜層26は、複数の薄膜から成り、たとえば蒸着などによって形成される。
光ピックアップ装置10は、反射集光対物レンズ27と、透過集光対物レンズ28とをさらに含んで構成され、駆動部によって駆動される。光源部11、光路切換手段12および位相補償手段13は一体的に設けられ、予め定める方向Xに駆動される。以下、この駆動部によって駆動される方向を「駆動方向」(X)と称する。反射集光対物レンズ27は、光路切換手段12において反射した往路光を、光学記録媒体に集光する。また反射集光対物レンズ27は、光源部11、光路切換手段12および位相補償手段13とともに一体的に設けられ、駆動部によって駆動される。透過集光対物レンズ28は、光路切換手段12を透過した往路光を、光学記録媒体に集光する。また透過集光対物レンズ28は、反射集光対物レンズ27とは、駆動方向Xに離れて配置され、光源部11、光路切換手段12、位相補償手段13および反射集光対物レンズ27とともに一体的に設けられ、駆動部によって駆動される。
光路切換手段12の入射表面部で反射される光は、複数の薄膜の境界面での反射と、複数の薄膜の透過とを繰返す。基材24と薄膜層26との境界においては、反射のみが生じるように設定される。入射表面部で反射された光は、DVD21に対応する波長の光であり、この波長の光の入射表面部での反射率は、100%に設定される。入射表面部で反射された光は、円偏光19のまま反射集光対物レンズ27によってDVD21の記録面上に集光され、反射され、円偏光19として反射集光対物レンズ27を透過し、光路切換手段12の入射表面部に入射する。
DVD21からの円偏光19の復路光に対しても、光路切換手段12の入射表面部は100%の反射率を示し、位相変化を付与することなく円偏光19のままλ/4波長板18に入射する。その後、光源部11に戻り、光源部11に含まれる回折素子によって回折され、受光素子の受光面に入射する。受光面には複数の受光領域が形成される。たとえば光学記録媒体に記録されている情報を読取り、再生を行うときには、各受光領域に入射する光線束の光強度を演算することによって、光学記録媒体に記録される信号が読取られ、読取られた信号に基づいて、情報が再生される。
光路切換手段12を透過する光は、入射表面部に入射し、入射表面部に形成される薄膜層26を介して基材24に入射し、光路切換手段12を透過する。光路切換手段12を透過する光は、BD22に対応する波長の光であり、この波長の光に対して光路切換手段12の透過率は、100%に設定される。光路切換手段12を透過する光は、薄膜層26を成す複数の薄膜の境界面での反射と複数の薄膜の透過とを繰返して光路切換手段12を透過するので、位相変化が付与される。薄膜層26および基材24の設計によって、波長に応じて選択的に反射および透過のいずれか一方を行うことができるけれども、反射および透過の両方において光は薄膜層26中を進行するので、位相変化は、反射および透過の両方において薄膜層26によって影響される。
薄膜層26は、反射と透過との両方において光の位相に関与し、また薄膜層26による光の位相への影響は、光の波長に依存する。前述の650nm、780nmおよび405nmの光に対する影響のうち、650nmおよび780nmの光に対しては、これら2つの波長の差異が小さいので、薄膜層26による位相への影響を、ほぼ同様とすることが可能である。しかし前記3種類の波長のうち405nmの波長は、他の2つの波長に対する差異が大きいので、薄膜層26による位相への影響を、他の2つの波長の場合と同様に設定することはできない。
たとえば、650nmおよび780nmの光に対して位相を維持し、反射および透過の少なくともいずれか一方を行うことのできる薄膜層26は、405nmの光に対して位相を維持して反射または透過を行うことができない。また405nmの光に対して位相を維持する薄膜層26は、650nmおよび780nmの光に対しては、位相変化を付与してしまう。
第1実施形態において薄膜層26は、反射において位相変化を付与することなく、光の位相を維持して反射するように設定されているけれども、反射と透過との両方において光の位相を維持することはできない。
透過する光に対して光路切換手段12によって付与される位相変化量および位相変化量の波長依存性は、測定および設計が可能である。第1実施形態においては、光路切換手段12を透過する光には、予め定める位相変化量が付与される。以下、この位相変化量を「透過位相差」と称し、透過位相差を「δt」と表す。
図2は、本発明の第1実施形態における光路切換手段12の透過位相差の波長依存性Tを表す図である。光の波長を「λ」とし、透過位相差の波長依存性を「T」と表すと、
T=dδt/dλ<0 …(1)
となる。入射表面部の薄膜層26は、これを実現するように設計され、作製される。
光路切換手段12を透過した後の光は、楕円偏光30として位相補償手段13に入射する。位相補償手段13は、ミラーによって実現され、BD22に対応する波長の光に対して、反射率が100%に設定される。位相補償手段13は、入射するする光に対して位相変化を付与し、入射する光を反射する。具体的には、入射する楕円偏光30に対して、光路切換手段12が透過のときに付与した位相変化量とは逆の位相変化量を位相補償手段13が付与することによって、位相補償手段13において反射した後の光は、円偏光19となる。位相補償手段13によって付与される位相変化量を「反射位相差」と称し、反射位相差を「δr」と表す。
図3は、本発明の第1実施形態における位相補償手段13の反射位相差の波長依存性Rを表す図である。反射位相差の波長依存性を「R」と表すと、
R=dδr/dλ>0 …(2)
となる。位相補償手段13において反射が行われる表面部には、薄膜層26が形成され、この薄膜層26は、式(2)に表される反射位相差の波長依存性を実現するように設計され、作製される。
光路切換手段12または位相補償手段13において、薄膜層26に含まれる複数の薄膜は、式(1)または(2)を実現できるように設計されれば、どのような薄膜であってもよい。たとえば、各薄膜の膜厚を、数nm、十数nm、数百nm、数マイクロメートル(micrometers, 略号「μm」)、数十μm、数百μmの膜厚に設定することができる。これによって、反射の波長依存性を決定することができる。
また、これらの薄膜の一部または全部に光学異性体を含む材料を用いることができる。これによって、薄膜を透過する光に対して旋光性を持たせることができる。たとえば薄膜を成す高分子の主鎖の一部にキラルな分子を、たとえばグラフト重合などによって重合し、薄膜を形成することによって、薄膜に、予め設定する旋光性を持たせることができる。薄膜における透過率は、透過率がほぼ100%に設定されていれば、必ずしも完全に100%でなくてもよい。
図4は、本発明の第1実施形態において光路切換手段12を透過した光が光学記録媒体に照射されるときの光の位相の波長依存性C1を表す図である。光路切換手段12を透過する光に、波長に依存して付与される透過位相差δtは、位相補償手段13が、波長に依存した位相変化を付与することによって、相殺される。その結果、図4に示すように、光学記録媒体に照射される光の位相は、波長に依存せず、円偏光に保たれる。
一般的にコヒーレントな光の位相は、楕円偏光として表され、その特殊な場合として右円偏光、左円偏光および直線偏光がある。光強度の等しい右円偏光と左円偏光とが足し合わされる場合には、直線偏光となる。楕円偏光の長軸方向および直線偏光の偏光角は、足し合わされる右円偏光および左円偏光の互いの位相の相対的な関係で決定される。光路の途中位置で光の波長は変化しないので、光路切換手段12によって付与される位相変化と、位相補償手段13によって付与される位相変化とは、図2〜図4に示すように、各波長において加算性が成立つ。
位相補償手段13において反射した光は、円偏光19のまま透過集光対物レンズ28を透過し、BD22の記録面に入射し、BD22の記録面において反射される。その後、BD22において反射された復路光は、円偏光19のまま位相補償手段13に入射し、反射される。位相補償手段13で反射された光は、楕円偏光30となって光路切換手段12に入射し、光路切換手段12を透過する。光路切換手段12を透過する楕円偏光30は、透過において再び位相変化が付与されるので、円偏光19としてλ/4板に入射する。その後の復路光は、DVD21の復路光と同様に、受光素子によって受光される。
これに対し、図1に示す第1実施形態では、DVD21およびBD22の両方の光学記録媒体に入射する光を、どちらも円偏光19とすることができる。したがって、往路光の偏光角と復路光の偏光角とを直交させることができ、光源部11のレーザ光源14に入射する復路光を皆無にすることができる。したがって、光源部11から出射される光にノイズが生じることを防止することができる。
第1実施形態において光源部11は、複数のレーザ光源14および受光素子を含んで一体的に形成されるものとしたけれども、それぞれのレーザ光源14と、そのレーザ光源14からの光に基づく復路光を受光する受光素子とを含む光源ユニットを、各波長に応じて、光の種類の数と同数設けることも可能である。その場合にも、往路光および復路光における位相およびその位相変化量は、第1実施形態と同様とすることができるので、同様の効果を奏することができる。
対物レンズのうち少なくとも反射集光対物レンズ27は、光学記録媒体の回転に関する半径方向に駆動部によって駆動される。駆動部は、光ピックアップを光学記録媒体の半径方向Yに駆動する。これによって駆動部は、光学記録媒体の複数のトラックのうち、集光することによって情報信号の読取、書き込みなどを行う対象となるトラックを選択する。光源部11、光路切換手段12、位相補償手段13、反射集光対物レンズ27および透過集光対物レンズ28は、一体的に駆動部によって駆動されるけれども、反射集光対物レンズ27と透過集光対物レンズ28とは、光学記録媒体の半径方向に並んで配置されてもよく、または半径方向に交差する方向に並んで配置されてもよい。反射集光対物レンズ27および透過集光対物レンズ28のうち少なくとも反射集光対物レンズ27は、光の集光位置が、トラックに対して半径方向にずれることを防止するために、光ピックアップを光学記録媒体の半径方向に駆動する。
光源部11から光学記録媒体までの途中位置には、さらに他の光学部品が配置されていてもよい。たとえば、自身に入射する発散光を平行光として出力するコリメートレンズなどが配置されてもよい。コリメートレンズを配置するときには、光路切換手段12よりも光源部11側に配置することが好ましい。これによって、光路切換手段12の薄膜層26に入射する光線束が平行光となるので、光線束の光軸近傍と周辺近傍とで、薄膜層26への入射角度を等しくすることができる。
したがって、薄膜層26による光線束への影響を、光線束の光軸近傍と周辺近傍とで等しくすることができる。ただし、薄膜層26の厚み寸法は小さいので、光線束の光軸近傍と周辺近傍とにおける入射角度の差異によって、薄膜層26から付与される位相変化量に生じる差異は小さい。したがって、コリメートレンズの配置位置については、限定しない。
第1実施形態によれば、光ピックアップ装置10において光路切換手段12は、光源部11から出射される光を反射および透過させる。光路切換手段12は、前記出射される光の波長に応じて、反射と透過とを選択的に行うことによって、前記出射される光の光路を切換える。また光路切換手段12は、反射および透過する光の少なくともいずれか一方に対して、波長に応じて予め定める位相変化量の位相変化を付与する。1または複数の位相補償手段13は、光路切換手段12によって付与される位相変化の、予め定める位相変化量とは、逆の位相変化量の位相変化を付与する。またこの位相補償手段13は、光路切換手段12によって位相変化が付与された光に対して位相変化を付与する。
これによって、光路切換手段12によって付与された位相変化を、位相補償手段13によって相殺することができる。したがって、複数種類の光学記録媒体に対応する、波長の異なる複数種類の光を用いるときに、光の波長に応じたそれぞれの光路において、円偏光19を実現することができる。これによって、波長の異なる複数種類の光を利用するときにも、光学記録媒体に入射する光を円偏光19とすることができる。
また第1実施形態によれば、光路切換手段12の入射表面部は、反射されるべき波長の光の位相を維持して反射させる。入射表面部には、光源部11から光学記録媒体に向かう往路光のうち、光路切換手段12によって反射されるべき波長の光が入射する。位相補償手段13は、往路光のうち、光路切換手段12を透過した光が入射する位置に配置される。これによって、反射されるべき波長の光は、光路切換手段12の入射表面部において反射した後に、位相補償手段13を介することなく円偏光19として光学記録媒体に向かうことができる。したがって、光路切換手段12において反射した光の光路の途中位置と、光路切換手段12を透過した光の光路の途中位置との両方に位相補償手段13を配置する場合に比べて、配置する位相補償手段13の個数を低減することができる。これによって、装置構成を単純化し、小形化することができる。
また第1実施形態によれば、光路切換手段12は、入射表面部に入射する、反射させるべき波長の光を、複数本の平行な光線束として反射させる。また光路切換手段12は、透過させるべき波長の光を、単一の光線束として透過させる。これによって、光を、複数本の光線束として照射することが必要な、たとえばDVD21などの光学記録媒体と、単一の光線束として照射することのできる、たとえばBD22などの光学記録媒体との両方を取扱うことができる。また、光路切換手段の反射光は、トラッキングサーボを高い精度で行なうために光学記録媒体の回転に関する半径方向に一致する直線に沿って駆動される位置に配置する。これによって、光路切換手段の透過光は必然的に反射光よりも光源から遠い位置に配置されるため、光源側の部品の配置スペースが広くなり、設計の自由度が確保できる。
また第1実施形態によれば、反射させるべきとして定められる波長は、光学記録媒体であるDVD21に対応する波長を含んで設定される。光路切換手段12において反射した光は、複数本の平行な光線束として光学記録媒体に向かう。これによって、光学記録媒体であるDVD21に対して、複数本の光線束を照射することができる。したがって、DVD21を取扱うときのトラッキングサーボを高い精度で行うことができる。
また第1実施形態によれば、光ピックアップ装置10は、反射集光対物レンズ27と、透過集光対物レンズ28とを含んで構成される。駆動部は、光源部11、光路切換手段12および位相補償手段13を一体的に、駆動方向Xに駆動する。反射集光対物レンズ27は、光路切換手段12において反射した往路光を、光学記録媒体に集光する。また反射集光対物レンズ27は、光源部11、光路切換手段12および位相補償手段13とともに、一体的に、駆動部によって駆動される。透過集光対物レンズ28は、光路切換手段12を透過した往路光を、光学記録媒体に集光する。また透過集光対物レンズ28は、反射集光対物レンズ27とは、前記予め定める方向に離れて配置され、光源部11、光路切換手段12、位相補償手段13および反射集光対物レンズ27とともに一体的に駆動される。これによって、反射集光対物レンズと透過集光対物レンズとを、互いに離して配置することができるので、設計の自由度を確保することができる。
2つの対物レンズのうち少なくとも反射集光対物レンズ27は、光学記録媒体の回転に関する半径方向に一致する直線に沿って駆動される位置に配置される。
これによって、光学記録媒体に集光される複数本の平行な光線束を、光学記録媒体の半径位置にかかわらず、接線方向にほぼ一致する直線に沿って並べることが可能となるため、トラッキングサーボを高い精度で行うことができる。
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態に係る光ピックアップ装置10の構成を表す図である。第2実施形態に係る光ピックアップ装置10は、第1実施形態に係る光ピックアップ装置10に類似しており、以下、第1実施形態に対する第2実施形態の相違点を中心に説明する。第2実施形態において光源部11は、CD32、DVD21およびBD22に対応する3つのレーザ光源14を含む。
これらのレーザ光源14のうち、CD32に対応するレーザ光源14とDVDに対応するレーザ光源14とは、一体的に形成される光源ユニット11aに含まれる。またBD22に対応するレーザ光源14は、CD32およびDVD21に対応する光源ユニット11aとは別の位置に配置される。CD32およびDVD21に対応する光源ユニット11aとBD22に対応するレーザ光源14とからの光は、波長選択的に光路を決定するビームスプリッタ33によって、λ/4波長板に向けられる。
ビームスプリッタ33は、予め定める波長に対して反射または透過のいずれかを選択的に行う。ビームスプリッタ33を反射することによって付与される位相差および透過することによって付与される位相差は、必ずしも零である必要はないけれども、ビームスプリッタ33を反射した後の光線束および透過した後の光線束は、直線偏光である。ビームスプリッタ33が、これを実現することによって、λ/4波長板に光源側から直線偏光が入射し、λ/4波長板を光学記録媒体に向けて透過した光は、円偏光となる。
光路切換手段12において反射させるべきとして定められる波長は、DVD21に対応する波長とCD32に対応する波長との両方を含んで設定される。光路切換手段12を透過させるべきとして定められる波長は、光学記録媒体であるBD22に対応する波長を含んで設定される。
CD32、DVD21およびBD22の光学記録媒体に用いられる光の、3種類の波長を比較すると、DVD21とCD32とに対応する光の波長は互いに近く、BD22に対応する波長は、他の2つとは大きく異なる。したがって、DVD21とCD32との両方に対応する光学部品を設計することは可能であり、1つの光路を兼用することが可能である。
第2実施形態によれば、光路切換手段12において反射される光の光路を、光学記録媒体であるDVD21とCD32とを取扱うときの共通した光路として用いることができる。また光路切換手段12を透過した光の光路を、光学記録媒体であるBD22を取扱うときの光路として用いることができる。光路切換手段12において反射した光は、光路切換手段12を透過した光よりも少ない光学部品で光路を規定できるので、DVD21およびCD32に照射される光の光路を、光路切換手段12を透過した光の光路として設定する場合に比べて、光量の損失や波面収差を低減することができる。
光路切換手段12は、光学記録媒体であるBD22に対応する光の透過率が100%に設定される。光路切換手段12の入射表面部は、光学記録媒体であるDVD21およびCD32に対応する光の反射率が100%に設定される。位相補償手段13は、光学記録媒体であるBD22に対応する波長の光が入射する位置に配置される。位相補償手段13は、入射する光を反射させる。また位相補償手段13は、光を反射させるときに、前記逆の位相変化量の位相変化を付与する。さらに正確には、位相補償手段13は、光路切換手段12によって付与される位相変化の、予め定める波長依存性とは、逆の波長依存性の位相変化を付与可能に設定される。
第2実施形態において、DVDに対応する光の光路は、DVDを取扱うとき、およびCDを取扱うときの両方において兼用され、λ/4波長板以降の構成は第1実施例と同様である。したがって、第1実施形態と同様に、光学記録媒体に入射する光を円偏光とすることができる。したがって、第1実施形態と同様に、装置構成の単純化、および小型化ができ、光学配置の自由度を高く設定することが可能となり、さらにトラッキングサーボの高精度化が可能となる。
以下に第2実施形態のより詳細な説明を記載する。
光路切換手段12を透過した直後の光の光路は、光路切換手段12において反射した直後の光の光路に対して角度を成す。この角度は、零度を超え180度未満の角度である。したがって、光路切換手段12において反射した光と、光路切換手段12を透過した光とを、光学記録媒体に対して照射するには、いずれか一方の光の進行方向を変化させる必要が生じる。
光学記録媒体は、その種類に関係なく、光ピックアップ装置10を含む光学情報装置において同じ位置に配置される。したがって、光ピックアップ装置10において反射集光対物レンズ27および透過集光対物レンズ28は、各光学記録媒体の種類に応じて異なる位置に配置されるけれども、これらの対物レンズから各光学記録媒体に向けて出射される出射方向は、互いに平行に設定される。
複数の光学記録媒体の種類、すなわち第2実施形態ではCD32、DVD21およびBD22の3種類のうちで、DVD21およびCD32の光路は、共通した光路とすることが可能である。
また位相補償手段13は、光路切換手段12を透過した光の向きを反射によって変化させるとともに、光路切換手段12の透過において付与された位相変化を相殺することができるので、反射と位相補償とをそれぞれ異なる部品によって実現する場合に比べて、光ピックアップ装置10を小形化することができる。
(変形例)
第1および第2実施形態において位相補償手段13は、光路切換手段12を透過した後の光の光路の途中位置に1つ設けられるものとしたけれども、他の実施形態においては、複数の位相補償手段13を設けることも可能である。光路切換手段12において反射した後に光学記録媒体に光が向かう光路の途中位置と、光路切換手段12を透過した後に光学記録媒体に光が向かう光路の途中位置との両方に、それぞれ1つずつ位相補償手段13を設けてもよい。
また第1および第2実施形態においてDVD21に対応する光路は、光路切換手段12で反射した光の光路として定め、BD22に対応する光路は、光路切換手段12を透過した光の光路として定めたけれども、逆にDVD21に対応する光路を、光路切換手段12で透過した光の光路として定め、BD22に対応する光路を、光路切換手段12を反射した光の光路として定めることも可能である。光路切換手段12を透過した光を、複数本、たとえば3本の平行な光線束とすることも、可能である。
第1実施形態では、DVD21とBD22とを取扱うものとし、第2実施形態ではCD32とDVD21とBD22とを取扱うものとしたけれども、他の実施形態では、たとえばCD32とBD22とを取扱う構成とすることも可能である。またDVD21とCD32とを取扱い、それらのいずれか一方に対応する光路を、光路切換手段12で反射した光の光路として設定し、他方に対応する光路を、光路切換手段12を透過した光の光路として設定することも可能である。
また第1および第2実施形態では、光路切換手段12において反射される光に関する反射率、および光路切換手段12を透過する光に関する透過率は、いずれも100%として設定されるものとしたけれども、完全に100%を実現できなくてもよく、可能な範囲で高く設定することで、光路の分岐は可能となる。
10 光ピックアップ装置
11 光源部
12 光路切換手段
13 位相補償手段
14 レーザ光源
18 λ/4波長板
19 円偏光
21 DVD
22 BD
24 基材
26 薄膜層
27 反射集光対物レンズ
28 透過集光対物レンズ
30 楕円偏光
32 CD

Claims (8)

  1. 複数種類の光学記録媒体に応じて、波長の異なる複数種類の光を出射可能な光源部と、
    前記光源部から出射される光を反射および透過させ、前記出射される光の波長に応じて、反射と透過とを選択的に行うことによって、前記出射される光の光路を切換える光路切換手段であって、反射および透過する光の少なくともいずれか一方に対して、波長に応じて予め定める位相変化量の位相変化を付与する光路切換手段と、
    前記光路切換手段によって位相変化が付与された光が透過または反射する位置に配置される1または複数の位相補償手段であって、前記光路切換手段によって位相変化が付与された光に対して前記予め定める位相変化量とは逆の位相変化量の位相変化を付与する位相補償手段とを含むことを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記光源部から前記光学記録媒体に向かう往路光のうち、前記光路切換手段によって反射されるべき波長の光が入射する前記光路切換手段の入射表面部は、前記反射されるべき波長の光の位相を維持して反射させ、
    前記位相補償手段は、前記往路光のうち、前記光路切換手段を透過した光が入射する位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記光路切換手段は、前記入射表面部に入射する、前記反射させるべき波長の光を、複数本の平行な光線束として反射させ、前記透過させるべき波長の光を、単一の光線束として透過させることを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記光路切換手段において反射させるべきとして定められる波長は、光学記録媒体であるデジタルバーサタイルディスクに対応する波長を含んで設定され、
    前記光路切換手段において反射した光は、複数本の平行な光線束として前記光学記録媒体に向かうことを特徴とする請求項3に記載の光ピックアップ装置。
  5. 前記光路切換手段において反射させるべきとして定められる波長は、光学記録媒体であるコンパクトディスクに対応する波長をさらに含んで設定され、
    前記光路切換手段を透過させるべきとして定められる波長は、光学記録媒体であるブルーレイディスクに対応する波長を含んで設定されることを特徴とする請求項4に記載の光ピックアップ装置。
  6. 前記光路切換手段において反射した往路光を光学記録媒体に集光する反射集光対物レンズであって、前記光源部、光路切換手段および位相補償手段とともに一体的に駆動される反射集光対物レンズと、
    前記光路切換手段を透過した往路光を光学記録媒体に集光する透過集光対物レンズであって、前記反射集光対物レンズとは、前記予め定める方向に離れて配置され、前記光源部、光路切換手段、位相補償手段および反射集光対物レンズとともに一体的に駆動される透過集光対物レンズとをさらに含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  7. 前記反射集光対物レンズは、光学記録媒体の回転に関する半径方向に一致する直線に沿って駆動されることを特徴とする請求項6に記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記光路切換手段は、光学記録媒体であるブルーレイディスクに対応する光の透過率が100%に設定され、
    前記光路切換手段の前記入射表面部は、光学記録媒体であるデジタルバーサタイルディスクおよびコンパクトディスクに対応する光の反射率が100%に設定され、
    前記位相補償手段は、光学記録媒体であるブルーレイディスクに対応する波長の光が入射する位置に配置され、入射する光を反射させ、光を反射させるときに前記逆の位相変化量の位相変化を付与することを特徴とすることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
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