JP2011231379A - 連続浸炭炉の雰囲気制御方法及び雰囲気制御装置 - Google Patents

連続浸炭炉の雰囲気制御方法及び雰囲気制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】Oセンサを用いてCP値を求めることなく、連続浸炭炉の浸炭室に供給する、被処理品を浸炭するための浸炭性ガスの最適流量を決定する。
【解決手段】事前に、被処理品判別部31によって、被処理品S全体の重量、表面積を測定し、重量順位、表面積順位と個数の対応表を作成し、対応表から順位数と対応個数の積を求め、各順位の総和数を求めて、総和数が昇順になるように範囲分けした表項目を作成し、さらに各範囲分けした被処理品Sに浸炭性ガスを供給して好適流量を事前調査し、総和数と好適流量とを対応付けた対応表を作成し、記憶・制御部32に記憶させる。浸炭処理前に、浸炭処理すべき総和数を被処理品判別部31で得、総和数を記憶・制御部32に入力し、対応表に沿って浸炭処理に好適な浸炭性ガス流量の信号を流量制御部33に送り、流量制御部33が適量の浸炭性ガスを連続浸炭炉1に含まれる浸炭室3に供給するようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、連続浸炭炉内で被処理品に浸炭処理する際の、浸炭性ガスに係る雰囲気制御方法及び雰囲気制御装置に関する。
特許文献1は、連続浸炭炉内の浸炭室のO分圧、CO分圧及び温度から、カーボンポテンシャル値(以下「CP値」と略す)を算出し、そのCP値を補正し、当初のCP値と補正後のCP値との偏差を利用して出力値を算出し、この出力値に応じ原料ガス量と空気量を制御して、浸炭室内に原料ガスと、空気(キャリアガス)とが混合された浸炭性ガスを流入し、被処理品(代表的には鉄鋼品。以下同様)に浸炭処理を施す方法を開示する(特許文献1の第1図及び第2図参照)。
また、特許文献1は、浸炭室内でCP値に係る炭素濃度を直接かつ連続的に測れないため、ジルコニアが高温下で酸素イオンを移動する固体電解質になることを利用したOセンサ(以下「ジルコニア式O分析計」と称する)を浸炭室内に設置している。すなわち、同方法では、ジルコニア式O分析計から出力される起電力によってO濃度を算出し、このO濃度から平衡反応(1/2O+<C>⇔CO)に基づきCP値を算出し、このCP値から流量を決定して浸炭性ガスを浸炭室に流して、被処理品に浸炭処理を施している(特許文献1の第2図参照)。
特開平3−193863号公報
しかし、特許文献1に開示された方法によれば、浸炭室内の被処理品の重量、表面積によっては、浸炭性ガスが必ずしも適量でないことがある。その結果、連続浸炭炉の浸炭室に入って浸炭されることになる一定量の被処理品の浸炭深さにバラツキが大きくなることがある。この不具合は、主に以下の理由による。
第1に、浸炭炉内のOの分圧は10-20オーダであり極めて低い、一方、ジルコニア式O分析計は、測定時間経過に伴い電極の煤付着や劣化等により起電力に誤差が生じ易く、その結果、同分析計によって得られるO分圧の測定値に誤差が生じ易いためである。第2に、浸炭炉内の雰囲気が必ずしも平衡状態でないにもかかわらず、平衡反応を利用してCP値を求めているため、CP値を正確に求めることができないためである。
なお、この値を補正器によって補正することもできるが、連続的に補正することは困難である。
したがって、同方法は、ジルコニア式O分析計を用いて自動制御を行おうとするものであるが、CP値の誤差が発生し易く、最適に制御され決定された量の、原料ガスと空気とからなる浸炭性ガスが使用できないため、浸炭深さにバラツキが生じがちであった。
そこで、発明者は、鋭意検討の結果、ジルコニア式O分析計や、その他の測定器、分析器等を付加することなく、一定量の被処理品に関し、重量と表面積に対応した浸炭性ガス量を決定する手段を見出すに至った。
本発明は、以上を鑑み、連続浸炭炉の浸炭室に、被処理品の重量と表面積に応じ、適性な流量の浸炭性ガスを供給し、被処理品の浸炭処理をバラツキを抑制し、ひいては被処理品の浸炭処理による表面硬さを安定化させることを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、連続浸炭炉の雰囲気制御方法であって、浸炭処理する被処理品を、事前に重量と表面積により選別すると共に、前記重量の係数と、前記表面積の係数との和で被処理品を選別し、その選別された被処理品に応じて設定された浸炭性ガス量に制御することを特徴とするものである。
本項の発明に係る方法では、被処理品に浸炭処理によって施される浸炭深さが、一定品種の被処理品の重量と表面積に適した流量の浸炭性ガスを浸炭室に流せば、浸炭深さのバラツキが抑制される点に着目している。被処理品の重量と表面積に適した浸炭性ガスの流量は、事前にパイロット的に条件を定める必要があるが、係る条件に従えば、常に被処理品の重量と表面積に適した浸炭性ガスの流量が一意に選択され、所望の浸炭深さの被処理品を得ることができる。
特に、本項の発明によれば、量産的に浸炭処理する製造ラインで一定品種の被処理品に対して一意に決まる適量の浸炭性ガスを供給するため、従来のように誤差が出易いジルコニア式O分析計やその他の測定器、付帯装置等の設備コストもかからずに、浸炭深さのバラツキが抑制できる点において、従来の方法に比して優位である。
また、上記課題を解決するために、請求項2の発明は、連続浸炭炉の雰囲気制御装置であって、浸炭処理する被処理品を、事前に重量と表面積により選別すると共に、前記重量の係数と、前記表面積の係数との和で被処理品を選別し、選別された前記被処理品を前記連続浸炭炉前で判別する被処理品判別部と、前記連続浸炭炉内の浸炭ゾーンにある複数のトレーに搭載された被処理品の係数の総和を算出する記憶・制御部と、該記憶・制御装置からの係数の総和の信号に基づき浸炭性ガス流量を決定する流量制御部と、を含むことを特徴とするものである。
本項の発明によれば、従来用いられていたジルコニア式O分析計やその他の測定器、付帯装置等を付加することなく、一定量の被処理品の、重量と表面積に対応した浸炭性ガス量を決定することができ、浸炭深さのバラツキが抑制され、安定した浸炭処理量産品を得ることができる。
請求項2の発明において、浸炭性ガス流量に関し、前記浸炭ゾーンの流量を1とすると、前記浸炭ゾーン直前の昇温ゾーンの流量は0.5の比率と、前記浸炭ゾーン直後の拡散ゾーンの流量は0.7の比率とすることが好ましい。
このようにすると、請求項2の発明によって、浸炭ゾーンの最適浸炭性ガス流量が、後述する係数の総和-流量表を用いて決定された後、浸炭ゾーン前後の昇温ゾーン及び拡散ゾーンに供給すべき浸炭性ガス流量を一意に決めることができる。
本発明によれば、従来のようにCP値を求めることなく、連続浸炭炉の浸炭室に供給する浸炭性ガスの最適流量を制御することによって、浸炭深さのバラツキを抑制でき、ひいては浸炭処理によって被処理品の表面硬さを安定化させることができる。
連続浸炭炉の概略構成を示す断面図である。 被処理品の重量-係数表の一例である。 被処理品の表面積-係数表の一例である。 被処理品の、図2、図3の係数の総和-流量表の一例である。 連続浸炭炉に備わる浸炭性ガス流量の制御装置の概略構成を示す断面図である。 実施例と比較例で得られた、浸炭深さのバラツキの結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態(「本実施形態」という)を、図1から図5を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る連続浸炭炉1の概略的に示す断面図である。図1に示されるように、連続浸炭炉1は、被処理品導入室2、浸炭室3及び焼入れ油室4(被処理品Sを焼入れするための油浴4を備える)を含む。被処理品導入室2と連続浸炭炉1の炉外、被処理品導入室2と浸炭室3、浸炭室3と焼入れ油室4、及び焼入れ油室4と連続浸炭炉1の炉外は、トレーSの搬送に同期し、可動扉5、W1からW4によって隣室の仕切りが適宜開閉される。
また、浸炭室3は、左側から昇温ゾーン3A、浸炭ゾーン3B及び拡散ゾーン3Cを含む。各ゾーン3A、3B及び3Cに供給される浸炭性ガス流量は、流量制御部33からの信号によって制御される。
そのため、流量制御部33が、キャリアガス供給源29B及び原料ガス供給源8Bを備えている(図5参照)。
なお、図5には、浸炭ゾーン3Bに接続されるキャリアガス供給源29Bと原料ガス供給源8Bだけを図示しているが、昇温ゾーン3A,拡散ゾーンにも、それぞれ図示を省略したキャリアガス供給源29A、29Cと原料ガス供給源8A、8Cが接続されている。そして、図1に示すように、キャリアガス供給源29A、29B及び29C、並びに、原料ガス供給源8A、8B及び8Cは、それぞれ、導管10A、1OA、10C、導管11A、11B、導管11Cを介して、連続浸炭炉1の炉壁に接続された混合ガス供給管12A、12B及び12Cに接続されている。また、連続浸炭炉1は、被処理品判別部31、記憶・制御部32及び流量制御部33からなる雰囲気制御装置100を備えており、流量制御部33は、各導管10A、10B及び10C、各導管11A、11B及び11Cに供給するキャリアガス量と原料ガス量を制御する。
次に、各ゾーン3A、3B、3Cの原料ガス濃度について説明する。
浸炭ゾーン3Bは、原料ガスの濃度が高めに設定されており、拡散ゾーン3Cは、それより低めに原料ガスの濃度が設定されている。昇温ゾーン3Aは、浸炭処理の準備として被処理品の温度を例えば800℃まで上げるためのゾーンであるため原料ガスの濃度は0%としてもよいが、一般には、昇温しながらも徐々に浸炭を進行させる必要のため、拡散ゾーン3Cの原料ガスの濃度よりも低い濃度の原料ガスが供給されている。例えば、浸炭ゾーン3Bの原料ガスの濃度を「1」とすると、昇温ゾーン3Aは「0.5」程度、拡散ゾーン3Cは「0.7」程度とすることが好ましい。
連続浸炭炉1に備わる、被処理品判別部31、記憶・制御部32及び流量制御部33からなる雰囲気制御装置100の動作については以下の<浸炭処理>の欄で後述する。
本実施形態では、上述した不具合を解決するために、図1に示した連続浸炭炉1は、ジルコニア式O分析計を用いる従来装置とは異なる手段・装置を備えている。以下、各段階(各ステップ)を追って、係る手段・装置について説明する。
<事前調査段階>
本実施形態の連続浸炭炉1は、被処理品(代表的には鉄鋼品)に浸炭処理を施す量産装置である。量産装置では、ある一定の範囲の重量及び表面積の被処理品を搬送処理して量産するのが一般的である。
そこで、まず連続浸炭炉1で処理される被処理品がどのような範囲の重量及び表面積であるか事前調査を行う必要がある。
本実施形態では、事前調査の結果、被処理品の重量及び表面積が0KGから200KGの範囲に分布しており、そして、0M2から5M2の範囲に分布しているものを対象とする。
まず、図2に示すように、重量については、0KGは「無し」順位(又はランク。以下同様)、0〜100KGの範囲のものを「軽」順位、100〜160KGの範囲のものを「中」順位、160〜200KGの範囲のものを「重」順位とし、順に各順位に0、1、2、3の係数(順位数)を付け、軽い順から重い順(昇順)に順位付けした重量-係数表(表1)を作成する。
また、図3に示すように、表面積については、0Mは「無し」順位、0〜1Mの範囲のものを「少」順位、1〜3mの範囲のものを「中」順位、3〜5Mの範囲のものを「多」順位とし、同様に順に各順位に0、1、2、3の係数(順位数)をつけ、表面積が小さい順から大きい順(昇順)に順位付けした表面積-係数表(表2)を作成する。
表1及び表2は、後述の浸炭用ガスの流量を制御するためのデータベースとして、後述する記憶・制御部32(図1、図5参照)に格納させておく。
<表作成段階>
次に、被処理品導入室2に被処理品Sを導入する前に、被処理品判別部31で、一定量の被処理品Sの個々の重量(KG)と表面積(m)とを公知の測定方法によって測り、記憶・制御部32の記憶部に格納されている表1及び表2に従って、各被処理品に係数(順位数又はランク数)を付けていく。すべての被処理品について係数付け(順位付け)が完了したら、連続浸炭炉1に搬送されるトレー(ロット単位となる被処理品を搭載する耐熱性筐体)に被処理品を適量搭載していく。ここでいう「適量」とは、浸炭処理をする際に、被処理品が互いにトレー内で重ならないように搭載した量をいう。被処理品が重なるとその浸炭処理にバラツキが生じ好ましくないからである。トレー内に重なり防止の治具を設定するようにしてもよい。
そして、各トレー内の被処理品の係数の総和を、表1及び表2を用いて演算する。例えば、トレー内の被処理品が、計5個あり、その内、1個が軽順位重量、2個が中順位重量および2個が重順位重量であったとする。一方、1個が小順位表面積、3個が中順位表面積、1個が多順位表面積とする。
このときの係数の総和を求めるための演算は、記憶・制御部32にて行われ、
(1×1+2×2+2×3)+(1×1+3×2+3×1)=21
の解を得る。
図4の表3を参照すると、係数の総和が「21」に対応する浸炭性ガス流量は、5L/minと一意に決定される。このようにして、量産すべき被処理品が定まっている場合には、事前に事前調査によって定めた表(データベース)に従い、浸炭性ガスの適正量を明確に決定して浸炭処理をする。結果として、かかる場合においては、従来の課題であったジルコニア式O分析計やその他の測定器、装置による測定・制御によるものに比較して、浸炭バラツキを好適に抑制することができる。
本実施形態では、係数の総和を6順位(6ランク)に分けたが、6順位に限られず、より細かく分けてもよいし又はより粗く分けて各順位に対応する浸炭性ガス流量を少なく又はやや多めに制御するようにしてもよいことはいうまでもない。
<浸炭性ガス用流量条件決め段階>
上記の6順位に分けられた被処理品を搭載したトレーについて、量産の通常条件は一定にし、変数は、浸炭室3に供給する浸炭性ガスの流量とし、各順位の被処理品をトレー毎に流し、浸炭深さが被処理品の表面に対して好適な深さ(0.60mmから0.7Omm程度を目標深さとする)に均一に形成されているかどうかを検証する。このときの条件決めのN数は多いほど好ましいが、例えば、N=5程度処理し、浸炭深さの統計を採る。このようにして、各順位に対応させた適正な浸炭性ガス流量(L/min)が決定したら、係数の総和と適正な浸炭性ガス流量(L/min)とを対応づけた表3を作成する。表3も、データベースとして記憶・制御部32(図1、図5)の記憶部に格納させておく。
表3は、係数の総和が、0〜5、6〜10、11〜15、16〜20、21〜25及び25〜30のそれぞれに、好適な浸炭性ガス流量1、2、3、4、5及び6(L/min)を対応付けたデータベースである。この対応付けは、表3のような態様に限られるものではない。すなわち、浸炭処理すべき被処理品の重量、表面積、材質が変われば、条件が変わるため、再度<事前調査>を行い、改めて表1、2、3のデータベースを作成し、記憶・制御部32の記憶内容を更新する。
<浸炭処理段階>
以下、浸炭処理段階を、図5に示す雰囲気制御装置100を参照しながら、以下説明する。
図5に示された雰囲気制御装置100は、被処理品判別部31と、記憶・制御部32と、流量制御部33とを含む。そして、流量制御部33は、原料ガス供給源8B(原料ガスは炭素Cを含む)と、キャリアガス供給源29Bとを含み、さらに、原料ガス供給源8B及びキャリアガス供給源29Bのそれぞれに、流量制御バルブ21及びキャリアガス用の流量計30が、導管を介して接続されている。さらに、流量制御バルブ21及びキャリアガス用の流量計30のそれぞれに、原料ガス導管11B及びキャリアガス導管10Bが接続され、さらに、原料ガスとキャリアガスが混合されるように原料ガス導管11B及びキャリアガス導管10Bに混合ガス導入管12Bが接続されている。そして、混合ガス導入管12Bは、混合ガス(浸炭性ガス)が浸炭ゾーン3Bに供給されるように浸炭ゾーン3Bの外壁に接続されている。
オペレータは、トレーに搭載された被処理品Sを、被処理品判別部31の台に載置する。そうすると、被処理品判別部31に備わる図示しない重量計、表面積計によって被処理品Sの重量と表面積が測定される。測定結果から、記憶・制御部32に格納されている表1、2及び3によって、重量の係数(重量順位数)、表面積の係数(表面積順位数)が決定され、最終的に係数の総和が決まる。表3の対応表に従い、この係数の総和に対応した浸炭性ガス流量を示す信号が流量制御部33から出力されて、流量制御バルブ21が、原料ガス供給源8Bから適量の浸炭性ガスが供給されるように制御される。
一方、キャリアガス供給源29Bからキャリアガス導管10Bを通じキャリアガスが流れ、原料ガスとキャリアガスとが混合され、混合ガス導入管12Bを通じ、浸炭室3(浸炭ゾーン3B)に、好適に浸炭処理が行われるよう炭素比率になるように、表1から3のデータベースに基づいた適量流量の浸炭性ガスが供給される。この浸炭性ガスは一意に決定・制御することができ、浸炭の深さのバラツキが抑制された浸炭処理が行われる。
さらに、浸炭ゾーン3Bで被処理品Sの浸炭処理が施された後、拡散ゾーン3Cで浸炭ゾーン3Bよりも低い温度で拡散処理がなされる。その後、焼入れ油室4の油浴4´で焼入れ処理が施される。最後に可動扉5が開放されて被処理品Sが取り出されて、浸炭処理された被処理品Sが得られる。
なお、昇温ゾーン3A、拡散ゾーン3Cには、それぞれ、表3で決定された拡散ゾーン3Bの浸炭性ガスに対して、50%と70%の量の浸炭性ガスがそれぞれ、雰囲気制御装置100(図5)によって、キャリアガス供給源29a、29cから導管10a、10cを通じキャリアガスが、原料ガス供給源8B、8Cから原料ガス導管11B、11Cを介して供給された原料ガスと混合され、混合ガス導入管12a、12cを通じ、昇温ゾーン3A、拡散ゾーン3Cに供給されることで、昇温ゾーン3A及び拡散ゾーン3Cは、浸炭ゾーン3Bの浸炭処理を好適に補完している。このように、当該浸炭処理は、昇温ゾーン3a、浸炭ゾーン3b、拡散ゾーン3cが協働して行われる。
以下、図6を参照しながら、本発明に係る実施例と、併せて比較例について説明する。
[実施例]
・浸炭処理装置:図1で示したものを使用。
・被処理品種:鉄鋼加工品
・昇温ゾーン温度:800℃
・浸炭ゾーンの浸炭性ガスの炭素濃度:1.0%
・浸炭ゾーン3Bの浸炭性ガスの流量:図4(表3)に従った。
・昇温ゾーン3Aの浸炭性ガスの流量:表4に列挙されているものの流量50%とした。
・拡散ゾーン3Cの浸炭性ガスの流量:表4に列挙されているものの流量70%とした。
一方、比較例で用いた連続浸炭処理炉は、特許文献1の第1図のものであり、浸炭性ガス制御装置は、特許文献1の第2図に示されたものである。すなわち、昇温ゾーン(特許文献1の第1図の3A。以下同様)、浸炭ゾーン(3B)及び拡散ゾーン(3C)のそれぞれに、ジルコニア式O分析計を具備させて、浸炭性ガスの流量制御を行いつつ、被処理品について浸炭処理を行ったものである。その他の条件は以下の通りである。
[比較例]
・被処理品種:実施例のものと同様のものを使用。
・昇温ゾーン温度:800℃
・浸炭ゾーンの浸炭性ガスの炭素濃度:1.0%
・浸炭ゾーンの浸炭性ガスの流量:3〜6(L/min)
・昇温ゾーンの浸炭性ガスの流量:浸炭ゾーンの流量50%とした。
・拡散ゾーンの浸炭性ガスの流量:浸炭ゾーンの流量70%とした。
図6は、実施例と比較例の結果である。5日間連続して行った実施例と比較例の結果を示す。
より詳細には、実施例と比較例を行った後、各日について、浸炭処理後の被処理品(鉄鋼品)を抜き取り、その断面を金属顕微鏡で撮像し、金属表面から浸炭処理に係る組織ができている箇所までを浸炭処理部とみなし、浸炭深さ(mm)を求めてグラフにまとめた。図6に示されるグラフから明らかなように、浸炭深さのバラツキが、比較例の0.15に比べ、実施例では0.06(50%未満に減少)に抑制された。このことから、本実施例によれば、一定の被処理品を連続浸炭炉で浸炭処理をする際、従来より浸炭深さのバラツキが抑制されることが分かった。
尚、本発明は、上記の実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
S:被処理品、1:連続浸炭炉、3:浸炭室、31:被処理品判別部、32:記憶・制御部、33:流量制御部、100:雰囲気制御装置

Claims (2)

  1. 連続浸炭炉の雰囲気制御方法であって、
    浸炭処理する被処理品を、事前に重量と表面積により選別すると共に、前記重量の係数と前記表面積の係数との和で被処理品を選別し、その選別された被処理品に応じて設定された浸炭性ガス量に制御することを特徴とする連続浸炭炉の雰囲気制御方法。
  2. 連続浸炭炉の雰囲気制御装置であって、
    浸炭処理する被処理品を、事前に重量と表面積により選別すると共に、前記重量の係数と、前記表面積の係数との和で被処理品を選別し、選別された前記被処理品を前記連続浸炭炉前で判別する被処理品判別部と、
    前記連続浸炭炉内の浸炭ゾーンにある複数のトレーに搭載された被処理品の係数の総和を算出する記憶・制御部と、
    該記憶・制御装置からの係数の総和の信号に基づき浸炭性ガス流量を決定する流量制御部と、を含むことを特徴とする連続浸炭炉の雰囲気制御装置。
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