JP2011231055A - 肌用化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 黒ゴマの脱脂粕から抽出される黒色ポリフェノール成分を含有する抽出物を配合してなる、肌用化粧料組成物。肌用化粧料は、化粧水、乳液、クリーム、美容液及びパックから選ばれるいずれであってもよい。
【選択図】 なし
Description
しかし、保湿機能を有する成分を配合するだけでは、肌荒れを根本的に改善して皮膚機能を完全に回復させることは困難である。
(2)前記黒色ポリフェノール成分を含有する抽出物は、黒色ポリフェノール成分の他に蛋白質成分及びリグナン配糖体成分を含有する抽出物である、(1)項記載の肌用化粧料組成物。
(3)前記黒色ポリフェノール成分を含有する抽出物は、黒ゴマの脱脂粕を蛋白質分解酵素を用いて加水分解して得られる加水分解生成物から抽出される低分子化蛋白質成分を含有する抽出物である、(1)項又は(2)項に記載の肌用化粧料組成物。
(5)通常の肌用化粧料に許容される防腐・殺菌剤、乳化剤、香料及び色素等より選ばれる添加成分が配合されている、(1)項〜(4)「項のいずれか1項に記載の肌用化粧料組成物。
(6)化粧料組成物が、化粧水、乳液、クリーム、美容液及びパックから選ばれるいずれかである、(1)項〜(5)項のいずれか1項に記載の肌用化粧料組成物。
黒ゴマの脱脂粕を蛋白質分解酵素により加水分解して得られる加水分解物からの抽出物は、黒色ポリフェノール成分の他に、低分子化された蛋白質や活性ペプチド成分を含有する抽出物であり、特に本発明の肌用化粧料組成物における配合成分として優れた作用効果を発揮するので好ましい。
一般的には、黒ゴマの脱脂粕乾燥物を粉砕し、常温水又は温水中に分散し、蛋白分解酵素を加えて数時間〜30時間程度加水分解を行う。黒色ポリフェノール類と低分子量化された蛋白質やペプチド類、及びリグナン配糖体等を含有する加水分解反応液は、次いで、遠心濾過され、濾液は減圧下に濃縮される。また、必要により凍結乾燥等により乾燥されて固形物とされる。
黒ゴマの脱脂粕からの黒色ポリフェノール含有抽出物の肌用化粧料組成物における配合割合には、化粧料組成物の剤型に応じて黒色ポリフェノール含有抽出物の効果が発揮される有効量であれば特に制限はない。たとえば、黒色ポリフェノール成分の1質量%濃度の抽出液を使用することとすると、0.1質量%〜10質量%の範囲を目安として配合量が設定される。この場合、0.1質量%未満では、肌荒れの予防、改善効果が十分に発揮されない場合があるし、10質量%を超えると化粧料としての使用時の感触、伸びなどが悪くなる場合があるし、配合量の増加に見合った肌荒れの予防、改善効果の向上が期待できない場合が多い。
保湿剤としては、1,3−ブチレングリコール(BGと略記する場合もある)、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マルチトール等の多価アルコール類、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等の蛋白質類、アルギニン、セリン、ベタイン、ヒドロキシプロリン等のアミノ酸類、ヒアルロン酸(塩)、コンドロイチン硫酸(塩)等のムコ多糖類、各種植物抽出液等の通常の肌用化粧料組成物に使用される物質が挙げられる。
他にも、通常の肌用化粧料組成物に配合される成分は、特に制限なく本発明の肌用化粧料組成物においても使用可能である。
(保湿性及び肌荒れ改善効果の評価)
乾燥肌の女性5名をパネラーとし、パネラーの両腕の上腕外側に試料の塗布箇所をマークし、毎朝毎晩、試料を5ケ月間にわたって連用塗布した。塗布後、1ケ月目、3ケ月目及び5ケ月目の各経過時に、試料を塗布した肌の皮膚状態を下記の基準で評価した。
しっとり感、すべすべ感、なめらか感を総合的に判断して下記の評価基準により主観的に5点満点で評価した。
パネラー5名の平均点が4以上を◎、
パネラー5名の平均点が3以上4未満を○、
パネラー5名の平均点が2以上3未満を△、
パネラー5名の平均点が2未満を×
塗布した肌の箇所のテープを剥がすことによって皮膚の角質細胞を剥離し、これをゲンチアナバイオレット及びブリリアントグリーンで染色して、顕微鏡観察により角質層が重なって剥がれる重層剥離の程度を連用前後で下記基準で評価した。
小さい←重層剥離の程度→大きい
A < B < C < D
乾燥や紫外線等の外的刺激を受けると皮膚のターンオーバーは異常をきたし、角質細胞の形状が乱れてバリア性を失い、テープストリッピングすると角質細胞が重層剥離する。剥離の程度が大きいほど、肌荒れ状態がひどく、肌状態が改善されると重層剥離の程度も小さくなる。
恒温槽中に黒ゴマの脱脂粕の微粉砕物1kgと脱イオン水12リッターを加え、5%アンモニア水でpH9.0に調整し、蛋白質分解酵素(ビオブラーゼ)10gを加えた後、温度55℃に保持しながら攪拌下に20時間、蛋白質の加水分解処理と抽出処理を行った。
恒温槽中の処理液を遠心濾過し、濾液を減圧濃縮し、濃縮液を凍結乾燥して黒色ポリフェノール成分を含有する固形の抽出物525gを得た。
上記方法で得られた黒ゴマ脱脂粕からの黒色ポリフェノール含有抽出物の10質量%水溶液を調製して使用し、表1に示す組成を有する実施例1と比較例1の化粧水を調製し、前記した「主観による保湿性評価」と「テープストリッピングによる肌荒れ改善評価」を各化粧水に対して行った。結果を表2に示す。
肌用化粧料組成物として、表3に示す組成を有する実施例2と比較例2の乳液を調製し、前記した「主観による保湿性評価」と「テープストリッピングによる肌荒れ改善評価」を実施例2と比較例2の乳液に対して行った結果を表4に示す。
肌用化粧料組成物として、表5に示す組成を有する実施例3と比較例3のクリームを調製し、前記した「主観による保湿性評価」と「テープストリッピングによる肌荒れ改善評価」を実施例3と比較例3のクリームに対して行った結果を表6に示す。
肌用化粧料組成物として、表7に示す組成を有する実施例4と比較例4の美容液を調製し、前記した「主観による保湿性評価」と「テープストリッピングによる肌荒れ改善評価」を実施例3と比較例3の美容液に対して行った結果を表8に示す。
肌用化粧料組成物として、表9に示す組成を有する実施例5と比較例5のパックを調製し、前記した「主観による保湿性評価」と「テープストリッピングによる肌荒れ改善評価」を実施例5と比較例5のパックに対して行った結果を表10に示す。
Claims (6)
- 黒ゴマの脱脂粕から抽出される黒色ポリフェノール成分を含有する抽出物を配合してなる肌用化粧料組成物。
- 前記黒色ポリフェノール成分を含有する抽出物は、黒色ポリフェノール成分の他に蛋白質成分及びリグナン配糖体成分を含有する抽出物である、請求項1記載の肌用化粧料組成物。
- 前記黒色ポリフェノール成分を含有する抽出物は、黒ゴマの脱脂粕を蛋白質分解酵素を用いて加水分解して得られる加水分解生成物から抽出される低分子化蛋白質成分を含有する抽出物である、請求項1又は2に記載の肌用化粧料組成物。
- 保湿剤成分として、多価アルコール類、ムコ多糖類、動植物油類及び蛋白質類から選ばれる成分が配合されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の肌用化粧料組成物。
- 通常の肌用化粧料に許容される防腐・殺菌剤、乳化剤、香料及び色素等より選ばれる添加成分が配合されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の肌用化粧料組成物。
- 化粧料組成物が、化粧水、乳液、クリーム、美容液及びパックから選ばれるいずれかである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の肌用化粧料組成物。
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