JP2011230496A - 軸体 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸体の把持部と指先の温度に着目し、指先からの熱を奪うことで指先に汗をかきにくい把持部を提供する
【解決手段】軸体1の把持部2に少なくとも弾性樹脂を配置及び/または一体に設けた軸体1において、指先が触れる把持部外層を形成する材料を熱伝導性の高い材料とすることによって、指先の熱を吸収する機能が付与され、指先に汗をかきにくい把持部2とする。具体的には、軸体と把持部との間、または、把持部の内部に空間を設け、この空間に粘着性を有する物質及び/または微細な固体を配し、少なくとも指先が触れる把持部外層を形成する材料を熱伝導性の高い材料で形成する。
【選択図】図1
【解決手段】軸体1の把持部2に少なくとも弾性樹脂を配置及び/または一体に設けた軸体1において、指先が触れる把持部外層を形成する材料を熱伝導性の高い材料とすることによって、指先の熱を吸収する機能が付与され、指先に汗をかきにくい把持部2とする。具体的には、軸体と把持部との間、または、把持部の内部に空間を設け、この空間に粘着性を有する物質及び/または微細な固体を配し、少なくとも指先が触れる把持部外層を形成する材料を熱伝導性の高い材料で形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、把持部を設けた軸体に関するものであり、その軸体の1例としては、ボールペンやシャープペンシルなどの筆記具や、口紅やアイライナーなど細長い容器、釣り竿、ドアノブ、ドライバーなどの工具類が挙げられる。
把持する部分には、滑り止めや把持のしやすさといった効果を持たせるために様々な発明がなされている。また、滑り止めや把持しやすさ以外の効果を発揮させるため、弾性樹脂に機能性材料を添加する検討もなされており、その例として温度維持機能がある材料を弾性樹脂に添加して把持部の温度を一定に保つようにして、指先に汗をかきにくくしているものがある。
特開2004−188812号公報
特開2009−178938号公報
しかし、特許文献1の実施例では相変化が可能な物質が内包されているマイクロカプセルを把持部に設けるとしているが、把持部を構成しているウレタンフォームは断熱効果が高く熱を伝えにくい特性があるため、ウレタンフォームで囲まれた状態ではマイクロカプセルの機能が発揮されない。このため把持部の温度を一定に保つ機能が発揮されず、把持した際には冷感を維持することができないので指先に汗をかいてしまう。
また、特許文献2では、内部に空間を設けた把持部において空間に潜熱蓄熱材を配したことで、機能を発揮させることができるとしているが、指先が触れる外層は熱を伝えにくい弾性樹脂で形成されており、特許文献1と同様に把持部の温度を一定に保つ機能が発揮されにくい。このため把持した際には冷感を維持することができず、指先に汗をかいてしまう。
本発明の目的は、上記問題を鑑み、把持部と指先の温度に着目し、指先からの熱を奪うことで指先に汗をかきにくい把持部を提供することを課題とするものである。
本発明は、軸体の把持部に少なくとも弾性樹脂を配置及び/または一体に設けた軸体において、把持部の外層に熱伝導性の高い材料を配したことを第1の要旨とし、軸体と把持部との間、または、把持部の内部に空間を設け、この空間に微細な固体及び/または粘着性を有する物質を配し、少なくとも指先が触れる把持部外層を形成する材料を熱伝導性の高い材料としたことを第2の要旨とし、更に外層より内側に存在する内部空間や内層及び軸体に熱伝導性の高い材料を配したことを第3及び第4の要旨とするものである。
本発明は、軸体の把持部に少なくとも弾性樹脂を配置及び/または一体に設けた軸体において、把持部の外層に熱伝導性の高い材料を配したことにより、指先の熱を吸収する機能が付与され、指先に汗をかきにくい把持部を提供することができる。更に軸体と把持部との間、または、把持部の内部に空間を設け、この空間に粘着性を有する物質及び/または微細な固体を配し、少なくとも指先が触れる把持部外層部を形成する材料を熱伝導性の高い材料とすることや、内部空間に配する粘着性を有する物質及び/または微細な固体や内層及び軸体に熱伝導性の高い材料を配することによって、外層から内部への熱伝導が向上するため、より指先の熱を奪いやすくなり、指先に汗をかきにくい把持部となる。また、内部空間に配する粘着性を有する物質及び/または微細な固体や内層及び軸体に熱伝導性の高い材料を配することによって、外層が吸収した熱を拡散させることができるため、把持部を放した際に温度の低下が速い把持部となる。これらの機能によって使用者に対し従来にない温度感覚を与えることで握り心地が良く、指先に汗をかきにくい把持部を提供することができる。
軸体の材質は、金属や樹脂、木材、石材など形成できるものであればよく、把持部を形成する材料が軸体1を形成できる強度を有していれば、その材料で把持部を軸体自体に形成することも可能であり、特に限定されない。また、これらの材質は1種または2種以上の混合物であってもよい。
軸体に熱伝導率の高い材料を用いると、外層から内部への熱伝導が向上するため、より指先の熱を奪いやすくなり、指先に汗をかきにくい把持部とすることができる。軸体に使用できる熱伝導性の高い材料としてはアルミニウム、銅、真鍮、ステンレス等の金属があげられる。また、熱伝導性の高い材料をフィラーとして樹脂及び/または弾性樹脂に添加した材料を使用することもできる。熱伝導性の高いフィラーとしては黒鉛や炭素繊維、カーボンナノチューブ等の炭素素材、アルミニウム、銅等の金属、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属酸化物があげられる。熱伝導性の指標となる熱伝導率(単位W/(m・K))が0.5以上であれば、通常の樹脂及び/または弾性樹脂(熱伝導率0.1〜0.2)より熱の伝わりがよくなるため、外層からの熱を伝えやすく冷感を感じる把持部となる。高熱伝導性樹脂や高導電性樹脂として市販されている材料を使用してもよい。
軸体及び/または把持部の材料として樹脂及び/または弾性樹脂があげられる。樹脂としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリスチレン樹脂(PS)、アクリロニトリルスチレン樹脂(AS)、アクリロニトリルスチレンブタジエン樹脂(ABS)、メタクリル樹脂(PMMA)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリエチレンテレンテレフタレート樹脂(PET)、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、弾性樹脂としてはアクリル樹脂やシリコーン樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、エラストマーゲル、ポリエチレンゲル、ジメチル系シリコーン、メチルビニル系シリコーン、メチルフェニルビニル系シリコーン、メチルフルオロアルキル系シリコーン(フロロシリコーン)、フロロ−ジメチル共重合シリコーン、ウレタンゴム、エチレンアクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ニトリルゴム、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマーなどが挙げられるが、形状が維持できるものであれば特に限定されない。これら樹脂及び/または弾性樹脂は1種または2種以上の混合物であってもよい。
把持部は、軸体外周の全周もしくは一部を覆う位置に少なくとも一層配されており、内層と外層を設けることで内部に空間を設けた構造としてもよい。内層が軸体で外層が把持部であってもよく、軸体の上に把持部を設け内層とし、その外側に把持部の外層を設けることで内部に空間を設けた構造としてもよい。また、内層と外層は一体であっても、別体であってもよく、内層と外層の一部が連接している構造であってもよい。
把持部の外層には熱伝導性の高い材料を配する。この把持部の外層とは、把持部そのものも含むものである。熱伝導性の指標となる熱伝導率(単位W/(m・K))が0.5以上であれば、通常の樹脂及び/または弾性樹脂(熱伝導率0.1〜0.2)より熱の伝わりがよくなるため、指先の熱を奪いやすく冷感を感じる把持部となる。望ましくは熱伝導率が1.0以上であると、より冷感を感じる把持部となる。熱伝導率はJIS R1611−1997に準拠した装置(レーザフラッシュ法 熱物性測定装置、LFA−502、京都電子工業株式会社)を用いて測定することが出来る。
材料の熱伝導性を向上させる手段としては、熱伝導性の高い材料をフィラーとして樹脂及び/または弾性樹脂に添加する方法があげられる。熱伝導性の高い材料としては黒鉛や炭素繊維、カーボンナノチューブ等の炭素素材、アルミニウム、銅等の金属、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属酸化物があげられる。また、高熱伝導性エラストマーや高熱伝導性シリコーンとして市販されている材料を使用してもよい。
把持部を構成する弾性樹脂の硬度は、ショアーAで0度から90度もしくは、アスカーCで0度から90度までの硬度範囲の中で適宜選択すればよく、特に限定されるものではないが、触感には外層の硬度や厚みが大きく影響する。外層をショアーAで60度、アスカーCで80度以下の弾性樹脂で形成した場合、外層が軟らかい為、把持した際の変形量が大きく変形性が向上し、変形形状の保持性も向上する。その反面、元の形状に戻り難い為、形状復元性は低減する。一方、ショアーAで60度、アスカーCで80度以上の弾性樹脂は硬い為、把持した際の変形量が小さくなり変形性や変形形状保持性は低減するが、反面、元の形状に戻りやすいという形状復元性が向上する。これらの変形性、変形形状保持性、形状復元性は弾性樹脂の硬度の他に弾性樹脂の復元性、外層の厚み、把持部の内部に設ける空間の大きさ、外層と軸体及び/または内層の間に形成される空間の大きさ等で調整することが出来る。また、内層と外層は同一材料で一体に成形しても硬度の異なる材料で別体で成形して組み立ててもよく、特に限定されない。
把持部2の製造方法としては、圧縮成形やトランスファー成形、射出成形、押出成形、真空注形といった方法で成形した弾性樹脂を軸体に装着する方法や、インサート成形で形成するといった方法が挙げられるが、製造方法は特に限定されない。
把持部の触感向上のために軸体と把持部との間及び/または把持部の内部及び/または内層と外層との間に設けた空間に粘着性を有する物質を配してもよい。粘着性を有する物質とは、他の物質と接触した際、接触面で保持力を発揮する物質を言う。粘着性を有するため、把持した際に力を入れても、空間内部の物質の移動には抵抗が発生し急激な形状変化が防止される。このため腰のある触感となり、やわらかすぎることはない。粘着性を有する物質として以下のものを例示するが、前記の様な特性を有していればよく、特に限定されない。KF96(信越化学工業(株)製)といったシリコーンオイルやtsk5370(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製)といったシリコーンオイルコンパウンド、レチナックス グリース CL(昭和シェル石油(株)製)といった石油系グリス。ゲル状物質としてKE−1052、sifel827(信越化学工業(株)製)、SE1885、Sylgard527、CY52−286(東レ・ダウコーニング(株)製)、アルファゲル((株)ジェルテック製)、WACKER Silgel612(旭化成ワッカーシリコーン(株)製)といったシリコーンゲル、人肌のゲル((株)エクシールコーポレーション製)といったウレタンゲル、エクスジェル((株)加地製)といった合成ゴムなどがあげられる。また、これらの粘着性を有する物質は1種または2種以上の混合物であってもよい。
粘着性を有する物質に熱伝導率の高いフィラーを添加すると、外層から内部への熱伝導が向上するため、より指先の熱を奪いやすくなり、指先に汗をかきにくい把持部とすることができる。熱伝導率の高いフィラーとしては、黒鉛や炭素繊維、カーボンナノチューブ等の炭素素材、アルミニウム、銅等の金属、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属酸化物等があげられる。また、高熱伝導性ゲルや高熱伝導性グリスとして市販されている材料を使用してもよい。
把持部の触感向上のために軸体と把持部との間及び/または把持部の内部及び/または内層と外層との間に設けた空間に微細な固体を配してもよい。微細な固体の具体的な例としては、ステンレス、洋白、ジルコニア、ルビーボール等の硬球、ダイヤモンド、ルビー、サファイヤ、めのう、水晶等の鉱石、御影石、大理石等の岩石、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、塩化ビニル、ABS、AS、PMMA、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の樹脂やその発泡体、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ジメチル系シリコーン、メチルビニル系シリコーン、メチルフェニルビニル系シリコーン、メチルフルオロアルキル系シリコーン(フロロシリコーン)、フロロ−ジメチル共重合シリコーン、ウレタンゴム、エチレンアクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ニトリルゴム、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー等の弾性樹脂、ナイロン、絹、綿等の繊維、ガラスなどが挙げられるが、微細な固体が形成できればよく特に限定はされない。また、これらの微細な固体は1種または2種以上の混合物であってもよい。
微細な固体の形状は、粒子状、繊維状、不定形状等様々な形状の固体が利用できる。硬球などの真球に近い形状の微細な固体を配した場合には、把持した際の変形が速く、また、放した時の形状復元も速い。岩石やガラスを粉砕した不定形の微細な固体を配した場合には、把持した際の変形は遅いが腰がある把持感があり、また、放した時にも形状をある程度記憶している。微細な固体の大きさは空間の大きさによって異なるが、空間の最小の幅より小さければよく、特に限定されない。また、これらの微細な固体の大きさは1種または2種以上の混合物であってもよい。
また、熱伝導率の高い微細な固体を使用すると、外層から空間内部への熱伝導が向上するため、更に指先の熱を奪いやすくなり、指先に汗をかきにくい把持部とすることができる。熱伝導率の高い微細な固体としては、黒鉛や炭素繊維、カーボンナノチューブ等の炭素素材、アルミニウム、銅等の金属、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属酸化物、ガラス等があげられる。
(実施例)
図1は、本発明を筆記具の把持部に使用した実施例1、2の図である。図2は図1のA−A‘線断面図である。軸体の外周に一層の把持部を配した。参照符号1は軸体、参照符号2は把持部である。
図3は、本発明を筆記具の把持部に使用した実施例3の図である。図4は図1のA−A‘線断面図である。内層と外層を設けることで内部に空間を設け、この空間に粘着性のある物質及び微細な固体を配した。参照符号1は軸体、参照符号2は把持部、参照符号3は内層、参照符号4は外層、参照符号5は粘着性のある物質、参照符号6は微細な固体である。
図1は、本発明を筆記具の把持部に使用した実施例1、2の図である。図2は図1のA−A‘線断面図である。軸体の外周に一層の把持部を配した。参照符号1は軸体、参照符号2は把持部である。
図3は、本発明を筆記具の把持部に使用した実施例3の図である。図4は図1のA−A‘線断面図である。内層と外層を設けることで内部に空間を設け、この空間に粘着性のある物質及び微細な固体を配した。参照符号1は軸体、参照符号2は把持部、参照符号3は内層、参照符号4は外層、参照符号5は粘着性のある物質、参照符号6は微細な固体である。
実施例1として、軸体1はポリカーボネート、把持部2として高熱伝導性エラストマー(AR−CH−M0145、アロン化成(株)製、ショアーA硬度:48度、熱伝導率:1.1)を用いて射出成形で成形した。
外層に熱伝導性エラストマーを配することで把持した際、指先の熱が把持部に伝わりやすく指先の熱を奪いやすくなっていることから、把持した際指先に汗をかきにくい把持部となっている。
実施例2として、軸体1は真鍮の切削、把持部2として高熱伝導性エラストマー(AR−CH−M0145、アロン化成(株)製、ショアーA硬度:48度、熱伝導率:1.1)を用いて射出成形で成形した。
外層に熱伝導性エラストマーを配することで把持した際、指先の熱が把持部に伝わりやすくなっている。更に軸体に熱伝導性の高い真鍮を配することで、把持部から軸体への熱伝導が向上するため、更に指先の熱を奪いやすくなっている。このことから把持した際指先に汗をかきにくい把持部となっている。
実施例3として、軸体1はポリプロピレン、把持部2として高熱伝導性エラストマー(AR−CH−M0145、アロン化成(株)製、ショアーA硬度:48度、熱伝導率:1.1)を用いて射出成形で成形した。内層と外層の間の空間に粘着性のある物質5としてシリコーンゲル(WACKER Silgel612、旭化成ワッカーシリコーン(株)製)と微細な固体6としてガラスビーズ(ユニビーズUB−1719LN、(株)ユニオン製)を配した。
シリコーンゲル及びガラスビーズは、握った時の圧力で適度に位置を変え、シリコーンゲルの粘着性と弾性による抵抗感を発揮しつつ、外力に応じて変形し、変形後は粘着性によって形状保持能力を発揮して、腰のある良好な感触が得られる。空間を設けない把持部では強く握ったときに軸体の硬さを指に感じてしまうことがあるが、空間を設け粘着性のある物質及び微細な固体を配することにより、軸体の硬さを感じない良好な触感となっている。
外層に熱伝導性エラストマーを配することで把持した際、指先の熱が把持部に伝わりやすくなっている。このことから把持した際、腰のある良好な把持感と指先に汗をかきにくい効果を両立した把持部となっている。
実施例4として、軸体1は導電性ポリプロピレン(PB2N1、ダイセルポリマー(株)製)、把持部2として高熱伝導性エラストマー(AR−CH−M0145、アロン化成(株)製、ショアーA硬度:48度、熱伝導率:1.1)を用いて射出成形で成形した。内層と外層の間の空間に粘着性のある物質5として銅粉体を5重量%添加したシリコーンゲル(WACKER Silgel612、旭化成ワッカーシリコーン(株)製)と微細な固体6としてガラスビーズ(ユニビーズUB−1719LN、(株)ユニオン製)を配した。
シリコーンゲル及びガラスビーズは、握った時の圧力で適度に位置を変え、シリコーンゲルの粘着性と弾性による抵抗感を発揮しつつ、外力に応じて変形し、変形後は粘着性によって形状保持能力を発揮して、腰のある良好な感触が得られる。空間を設けない把持部では強く握ったときに軸体の硬さを指に感じてしまうことがあるが、空間を設け粘着性のある物質及び微細な固体を配することにより、軸体の硬さを感じない良好な触感となっている。
外層に熱伝導性エラストマーを配することで把持した際、指先の熱が把持部に伝わりやすくなっている。更に内部に配すシリコーンゲルに銅粉体を添加して熱伝導性を向上させ、軸体にカーボンを添加した導電性ポリプロピレンを配することで、外層から空間内部への熱伝導が向上するため、更に指先の熱を奪いやすくなっている。このことから把持した際、腰のある良好な把持感と指先に汗をかきにくい効果を両立した把持部となっている。
比較例1として、軸体1はポリカーボネート、把持部2としてエラストマー(ラバロンME5302C、三菱化学(株)製、ショアーA硬度:60度、熱伝導率:0.2)を用いて射出成形で成形した。
比較例2として、軸体1は真鍮の切削、把持部2としてエラストマー(ラバロンME5302C、三菱化学(株)製、ショアーA硬度:60度、熱伝導率:0.2)を用いて射出成形で成形した。
比較例1、2は把持部に通常のエラストマーを配しているので把持した際、指先の熱が把持部に伝わりにくくなっていることから、把持した際指先に汗をかきやすい把持部となっている。
比較例3として、軸体1はポリプロピレン、把持部2としてエラストマー(ラバロンME5302C、三菱化学(株)製、ショアーA硬度:60度、熱伝導率:0.2)を用いて射出成形で成形した。内層と外層の間の空間に粘着性のある物質5としてシリコーンゲル(WACKER Silgel612、旭化成ワッカーシリコーン(株)製)と微細な固体6としてガラスビーズ(ユニビーズUB−1719LN、(株)ユニオン製)を配した。
比較例3は把持部に通常のエラストマーを配しているので把持した際、指先の熱が把持部に伝わりにくくなっている。また内部に配すシリコーンゲルおよび、軸体にポリプロピレンを配しているので、外層から空間内部への熱伝導は低く、指先の熱が外部に伝達されない状態となっている。このことから把持した際指先に汗をかきやすい把持部となっている。
実施例と比較例を把持した際の人差し指および、把持部の温度をサーモグラフィ(TH7102MX、NEC三栄製)を用いて測定した。
実施例および比較例を把持し、30秒、1分、2分、3分、4分、5分で人差し指および、把持部の温度測定を実施した。実施例と対応する比較例をプロットしたグラフを以下に示す。
実施例1、2、3、4は対応する比較例1、2、3より指先の温度低下が大きく、指先が触れる把持部外層を形成する材料を熱伝導性の高い材料としたことによって、指先の熱を奪いやすく、指先に汗をかきにくい把持部となっている。また、実施例1、2、3、4は対応する比較例1、2、3より放置後の把持部の温度低下も速いことから、放置後の冷感回復性も優れている。
アンケート調査として、実施例と比較例の把持部を室温25℃の環境下で把持してもらい、どちらが冷感を感じるかを回答してもらったところ、10名中9名が実施例の把持部が冷たく感じると回答しており、効果を実感できる把持部となっている。
本発明は、軸体の少なくとも把持部する部分に弾性樹脂を設けた軸体に関するものである。その軸体の例としては、シャープペンシルやボールペン、修正ペンなどの筆記具、カッターや彫刻刀、ドライバーなどの工具類、PDA(パーソナル デジタル アシスタンス)や電子手帳に使用される入力ペン、自転車のハンドルなど多岐にわたる。
1 軸体
2 把持部
3 把持部内層
4 把持部外層
5 粘着性のある物質
6 微細な固体
2 把持部
3 把持部内層
4 把持部外層
5 粘着性のある物質
6 微細な固体
Claims (4)
- 軸体の把持部に少なくとも弾性樹脂を配置及び/または一体に設けた軸体において、少なくとも指先が触れる把持部外層を形成する材料を熱伝導性の高い材料としたことを特徴とする軸体。
- 軸体の把持部に少なくとも弾性樹脂を配置及び/または一体に設けた軸体において、軸体と把持部との間、または、把持部の内部に空間を設け、この空間に粘着性を有する物質及び/または微細な固体を配し、少なくとも指先が触れる把持部外層を形成する材料を熱伝導性の高い材料としたことを特徴とする軸体。
- 前記粘着性を有する物質及び/または前記微細な固体に熱伝導性の高い材料を配したことを特徴とする請求項2に記載の軸体。
- 前記軸体を熱伝導性の高い材料で形成したことを特徴とする請求項1乃至3に記載の軸体。
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---|---|---|---|
JP2010105745A JP2011230496A (ja) | 2010-04-30 | 2010-04-30 | 軸体 |
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---|---|---|---|
JP2010105745A JP2011230496A (ja) | 2010-04-30 | 2010-04-30 | 軸体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011230496A true JP2011230496A (ja) | 2011-11-17 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012111163A (ja) * | 2010-11-26 | 2012-06-14 | Pentel Corp | 弾性体、並びに、その弾性体を把持部に配した軸体 |
JP2017119371A (ja) * | 2015-12-28 | 2017-07-06 | 株式会社大木工藝 | 健康増進筆記具 |
JP2018001685A (ja) * | 2016-07-06 | 2018-01-11 | ぺんてる株式会社 | 筆記具 |
JP2018161823A (ja) * | 2017-03-27 | 2018-10-18 | ぺんてる株式会社 | 筆記具 |
-
2010
- 2010-04-30 JP JP2010105745A patent/JP2011230496A/ja active Pending
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