JP2011230127A - 金属部品の溶接方法および原子力プラント用溶接金属部品 - Google Patents

金属部品の溶接方法および原子力プラント用溶接金属部品 Download PDF

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善宏 藤田
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知 浅井
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康雄 森島
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稔 小畑
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Abstract

【課題】適正なビードを形成し、耐食性および耐溶接割れ性に優れた接合部を形成することができる金属部品の溶接方法、およびこの金属部品の溶接方法により溶接された原子力プラント用溶接金属部品を提供する。
【解決手段】金属部品の溶接方法は、開先加工させた端部を有する2つの金属部品20、21の当該端部どうしを対向配置し、600系Ni合金または金属部品20、21を構成する材料からなる溶加材を用いてTIG溶接する接合工程S10と、接合された金属部品20、21の表面よりも外側に突出した接合部のビードを切削する表面処理工程S11と、690系Ni合金からなる溶加材を用いてTIG溶接により、接合部30の表面30a、30bおよび接合部近傍の金属部品20、21の表面20b、20c、21b、21cにビード40を形成して、これらの両表面をビード40で覆う被覆工程S12とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、原子力発電プラントなどで使用される金属部品の溶接方法、およびこの溶接方法によって溶接された原子力プラント用溶接金属部品に係り、特に、耐食性および耐溶接割れ性に優れた、金属部品の溶接方法および原子力プラント用溶接金属部品に関する。
従来、原子力発電プラントの原子炉構造物の溶接には、溶加材として、耐食性に優れた600系Ni合金が主に使用されてきた。しかし、近年、これまで以上の、耐食性および溶接部の信頼性の向上を目的として、例えば、UNS N06052およびUNS N06054で規定さる化学組成の溶加材が使用されている。
これらの溶加材の化学成分は、インコネル690合金とほぼ同じであるが、溶接割れを防ぐために、特に、PおよびSの含有量を制限し、耐食性の劣化を防ぐために、Nb、Al、Tiの含有量を制限している。
しかしながら、690系Ni合金の溶加材は、完全オーステナイト組織を呈し、かつAlとTiとを合計した含有量が多いため、溶接割れ感受性が高いという問題がある。
そこで、最近、690系Ni合金の溶加材をベースとし、添加元素の微調整を行うことにより、耐溶接割れ性に優れた溶加材の開発が行われている。
例えば、N添加することで高強度化を図り、さらに、WおよびVを含有した溶加材が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、高Mn化により、高温割れの主要因となるSを固定し、Ta添加により固液共存温度範囲を狭小化させ、低融点物質生成を助長するS、Pの影響を抑制した溶加材が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。さらに、耐再熱割れ性および溶加材の加工性を向上させる目的で、MnとNbを合計した含有量、およびTiとAlを合計した含有量を制限した溶加材が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。また、耐溶接割れ性を高める目的で、Nbの含有量を低減し、Taの含有量を高めた溶加材が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
これらのNi基高Cr合金からなる溶加材を用いた溶接において、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼に対し、これらの溶加材を用いて、多層肉盛溶接を施す際に、一層目の肉盛溶接により形成された溶接金属のNi含有量を51重量%以上にして、溶接割れを防止する技術が開示されている(例えば、特許文献5参照。)。
特開平11−170084号公報 特開2003−311473号公報 特開2009−22989号公報 国際公開第2005/070612号パンフレット 特開平10−314937号公報
上記した690系Ni合金などのNi基高Cr合金からなる溶加材は、耐食性に優れるとういう特徴を有するが、一方で、上記したように、溶接割れ感受性が高いという問題がある。そのため、上記したように、溶加材の組成成分を調整して、耐溶接割れ性を向上させる試みが行われているが、依然、割れ感受性が高い。さらに、溶加材の組成成分を調整する際、例えばレアメタルを添加することが多いため、製作コストが高くなるなどの問題を有している。
また、上記したように、690系Ni合金などのNi基高Cr合金からなる溶加材は、耐食性に優れるとういう特徴を有するが、溶接割れ感受性が高い。そのため、溶接入熱条件において、入熱量を低くすることで割れを抑制することができると考えられるが、広く使用される直径が1.2mm程度の溶加材を使用した場合、溶加材自体を溶かすために熱を多く奪われる。そのため、ある一定量以下に入熱量を下げることは不可能となる。また、入熱量を低くすると、溶加材および母材の溶融が不十分になり、ビードの形状が安定しない不整ビードとなることがある。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、適正なビードを形成し、耐食性および耐溶接割れ性に優れた接合部を形成することができる金属部品の溶接方法、およびこの金属部品の溶接方法により溶接された原子力プラント用溶接金属部品を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、開先加工させた端部を有する2つの金属部品の当該端部どうしを対向配置し、600系Ni合金または前記金属部品を構成する材料からなる溶加材を用いて、前記金属部品の端部どうしをTIG溶接により接合する接合工程と、690系Ni合金からなる溶加材を用いてTIG溶接により、前記金属部品の接合部の表面および前記接合部近傍の前記金属部品の表面にビードを形成して、これらの両表面をビードで覆う被覆工程とを具備することを特徴とする金属部品の溶接方法が提供される。
また、本発明の一態様によれば、原子力プラントに使用させる金属部品であって、上記した金属部品の溶接方法によって溶接されたことを特徴とする原子力プラント用溶接金属部品が提供される。
本発明の金属部品の溶接方法によれば、適正なビードを形成し、耐食性および耐溶接割れ性に優れた接合部を形成することができる。また、本発明の原子力プラント用溶接金属部品によれば、適正なビードが形成され、耐食性および耐溶接割れ性に優れた接合部を備える。
本発明に係る一の実施の形態の金属部品の溶接方法の工程を説明するための図である。 本発明に係る一の実施の形態の金属部品の溶接方法の工程を説明するための、金属部品の接合部の断面を示す図である。 本発明に係る一の実施の形態の金属部品の溶接方法の工程を説明するための、金属部品の接合部の断面を示す図である。 本発明に係る一の実施の形態の金属部品の溶接方法の工程を説明するための、金属部品の接合部の断面を示す図である。 本発明の一の実施の形態の金属部品の溶接方法を水中で実施する場合の概要を説明するための断面図である。 被覆工程におけるTIG溶接の際に溶加材に供給される入熱量を変えた各条件で形成されたビードの良否判定の結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る一の実施の形態の金属部品の溶接方法の工程を説明するための図である。図2〜図4は、本発明に係る一の実施の形態の金属部品20、21の溶接方法の工程を説明するための、金属部品20、21の接合部の断面を示す図である。
図1に示すように、金属部品の溶接方法は、接合工程S10、表面処理工程S11、被覆工程S12を備えている。次に、金属部品20、21の溶接方法について、具体的に説明する。
まず、図2に示すように、開先加工させた端部20a、21aを有する2つの金属部品20、21の当該端部20a、21aどうしを対向配置する。そして、600系Ni合金または金属部品20、21を構成する材料からなる溶加材を用いてTIG溶接により、開先加工させた端部20a、21aにビード22を積層形成し、金属部品20、21の端部20a、21aどうしを接合する(接合工程S10)。
ここで、金属部品20、21を構成する材料からなる溶加材を使用する場合において、金属部品20と金属部品21とが異種材料で構成されるときには、金属部品20または金属部品21を構成する材料からなる溶加材を使用する。
なお、ここでは、端部20a、21aをV形に開先加工した一例を示しているが、開先形状はこれに限られるものではなく、特に限定されるものではない。例えば、端部20a、21aの開先形状は、例えば、I形、レ形、U形、J形、X形、K形、H形などの形状でもよい。また、2つの金属部品20、21の端部20a、21aは、図1に示すように、所定の間隔をあけて対向配置されてもよいし、所定の間隔をあけない状態(双方の端部20a、21aの端縁を当接させて突合わせた状態)に配置されてもよい。また、ここでは、突合せ継手の一例を示しているが、他の継手形状であってもよい。
ここで、金属部品20と、金属部品21とは、異種材料であっても、同種の材料であってもよい。金属部品20、21として、例えば、SS400などの炭素鋼、SUS304などのステンレス鋼、インコネル600およびインコネル690などのNi基超合金などが例示される。また、金属部品20、21の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、管状、板状などで構成される。
また、上記したように、溶加材は、600系Ni合金または金属部品20、21を構成する材料で構成される。600系Ni合金は、Ni(ニッケル)、Cr(クロム)、Fe(鉄)を主成分とする、特に耐熱性および耐溶接割れ性に優れたNi基高Cr合金である。この600系Ni合金として、具体的には、例えば、UNS N06082などを使用することができる。また、溶加材は、例えば、細長い棒状の形状に構成されている。
また、TIG溶接では、例えば、アルゴンやヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中において、タングステン電極と金属部品20、21との間にアークを発生させ、そのアーク熱を利用して溶加材などを溶融し、金属部品20、21の端部20a、21aどうしを溶接する。また、TIG溶接では、金属部品20、21の種類により、電源の極性を選択する必要がある。例えば、炭素鋼やステンレス鋼などの溶接には、アークが安定し溶け込みも深い直流電源正極性などが用いられる。
また、接合工程S10において、TIG溶接は、平均入熱量を低減する目的から、TIGパルス溶接を使用することが好ましい。TIGパルス溶接において、例えば、10Hz以上の低周波数で溶接することで、ビードの蛇行やアークのふらつきを抑制し、平均入熱熱量を低減することができる。また、TIGパルス溶接における周波数の上限値は、プール(溶融池)の拡がりを制御する目的から、25Hz程度である。
続いて、図3に示すように、接合された金属部品20、21の表面20b、20c、21b、21cよりも外側に突出した接合部30のビード22を切削して、接合部30の表面30a、30bを金属部品20、21の表面20b、20c、21b、21cと同一平面とする(表面処理工程S11)。
切削加工は、例えば、グラインダ、フライス盤などの切削機械などで行うことができる。
なお、表面処理工程S11は、必須な工程ではなく、例えば、接合部30におけるビード22の外側への突出がない場合や、ビード22の外側への突出が小さい場合には、表面処理工程S11を経ずに、次の被覆工程S12の処理を行ってもよい。
続いて、図4に示すように、690系Ni合金からなる溶加材を用いてTIG溶接により、接合部30の表面30a、30bおよびこの接合部近傍の金属部品20、21の表面20b、20c、21b、21cにビード40を形成して、接合部30の表面30a、30bおよびこの接合部近傍の金属部品20、21の表面20b、20c、21b、21cをビード40で覆う(被覆工程S12)。
ここで、接合部30の表面30a、30bおよびこの接合部近傍の金属部品20、21の表面20b、20c、21b、21cは、外部に晒されないように隙間なくビード40によって覆われている。なお、ビード40は、単層であっても、積層された多層であってもよい。
溶加材として使用される690系Ni合金は、Ni(ニッケル)、Cr(クロム)、Fe(鉄)を主成分とし、上記した600系Ni合金よりもクロム含有量が多い。この690系Ni合金は、特に耐熱性および耐食性に優れたNi基高Cr合金である。この690系Ni合金として、具体的には、例えば、UNS N06052およびUNS N06054などを使用することができる。この溶加材は、例えば、細長い棒状の形状に構成され、円柱とした場合、直径を0.3〜0.8mmとすることが好ましい。溶加材の直径が0.3mmより細い場合には、ビード40の形状が不安定な不整ビードとなる。一方、溶加材の直径が0.8mmより太い場合には、後述する、被覆工程S12におけるTIG溶接の入熱量の範囲では、入熱量不足となる。なお、溶加材の長さ方向に垂直な断面形状が、上記したような円形でない場合には、その断面形状の断面積から換算した円の直径が上記した範囲となることが好ましい。
また、被覆工程S12において、TIG溶接は、平均入熱量を低減する目的から、TIGパルス溶接を使用することが好ましい。TIGパルス溶接において、例えば、10Hz以上の周波数で溶接することで、ビードの蛇行やアークのふらつきを抑制し、平均入熱熱量を低減することができる。また、TIGパルス溶接における周波数の上限値は、プール(溶融池)の拡がりを制御する目的から、25Hz程度である。
ここで、被覆工程におけるTIG溶接の際に溶加材に供給される入熱量は、800〜1500J/cmであることが好ましい。ここで、この熱量の範囲が好ましいのは、入熱量が800J/cmよりも小さい場合には、溶加材および金属部品20、21(母材)の溶融が不十分となり、ビードの形状が不安定な不整ビードとなるからである。一方、入熱量が1500J/cmを超える場合には、ビードは良好に形成されるものの、母材の希釈が大きくなり、低入熱のTIGパルス溶接の特性を十分に発揮できないからである。また、熱量が1500J/cmを超える場合には、溶接割れなどが生じやすくなる。また、特に、ビード形状の安定化の理由から、入熱量を900〜1400J/cmとすることがさらに好ましい。
ここで、上記した直径の範囲の溶加材を使用して、この入熱量の範囲でTIG溶接する際、溶加材の供給速度(供給量)は、適正な溶着量によりビード形状を安定化させる目的から、1000〜3000mm/分とすることが好ましい。
上記した溶接工程を経て、本発明の一の実施の形態の金属部品の溶接方法が完了する。
本溶接方法で溶接された金属部品20、21は、図4に示すように、開先加工させた端部20a、21a間には、600系Ni合金または金属部品20、21を構成する材料からなるビード22が積層形成された接合部30が構成されている。また、接合部30の表面30a、30bおよびこの接合部近傍の金属部品20、21の表面20b、20c、21b、21cは、690系Ni合金からなるビード40によって隙間なく覆われている。
ここで、本発明の金属部品の溶接方法の適用用途は、特に限定されるものではないが、例えば、原子力発電プラントの、制御棒駆動機構、蒸気発生器および圧力容器の金属部品における溶接部位の溶接などに適用することができる。例えば、このように、原子力プラントに使用させる金属部品における溶接部位の溶接に、本発明の金属部品の溶接方法を適用することで、例えば、冷却水などによる腐食を抑制しつつ、耐溶接割れ性に優れた接合部を構成することができる。
上記した本発明の一の実施の形態の金属部品の溶接方法、およびこの金属部品の溶接方法によって溶接された金属部品によれば、接合部30が600系Ni合金または金属部品20、21を構成する材料で形成されているため、耐熱性および耐溶接割れ性に優れた接合部30が得られる。さらに、接合部30の表面30a、30bおよびこの接合部近傍の金属部品20、21の表面20b、20c、21b、21cが690系Ni合金で覆われているため、耐熱性および耐食性に優れた接合部30が得られる。
また、被覆工程におけるTIG溶接の際に使用する溶加材の直径を上記した所定の範囲とし、この溶加材に供給される入熱量を上記した所定の範囲とすることで、溶加材として690系Ni合金を使用する場合であっても、耐溶接割れ性に優れた良好なビード40を形成することができる。
ここで、本発明の一の実施の形態の金属部品の溶接方法は、例えば水中などで実施することも可能である。
図5は、本発明の一の実施の形態の金属部品の溶接方法を水中で実施する場合の概要を説明するための断面図である。
図5に示すように、金属部品20、21を水中で接合する場合、アークが点弧する溶接トーチ50の先端部を囲うようにチャンバ51が設けられている。また、アークが点弧する領域を不活性ガス雰囲気中とし、かつチャンバ51内への水の浸入を防止するため、チャンバ51には、チャンバ51の開口51aに向かって、アルゴンやヘリウムなどの不活性ガス60が流されている。これによって、チャンバ51内は、不活性ガス60で満たされる。
このように、チャンバ51を備えたTIG溶接機を使用することで、水中において、上述した本発明の一の実施の形態の金属部品の溶接方法を実施することができる。そのため、水中などに存在する金属部品を溶接する場合においても、上述した本発明の一の実施の形態の金属部品の溶接方法における作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
(ビードの評価)
次に、被覆工程におけるTIG溶接の際に使用する溶加材の直径を0.3〜0.8mmとし、この溶加材に供給される入熱量を800〜1500J/cmとすることで、良好なビード40が得られることを説明する。なお、ここでは、図1〜図4を参照して説明する。
ここでは、被覆工程におけるTIG溶接の際に溶加材に供給される入熱量を変えた条件で、形成されるビード40の良否を判定した。
金属部品20、21として、ステンレス鋼(SUS304)(金属部品20)およびステンレス鋼(SUS310)(金属部品21)の異なる材料からなる、開先加工させた端部20a、21aを有する2つの金属部品(厚さが20mmの平板)を使用した。
まず、図2に示すように、開先加工させた端部20a、21aを有する2つの金属部品20、21の当該端部20a、21aどうしを対向配置した。そして、600系Ni合金であるUNS N06082からなる溶加材を用いてTIGパルス溶接により、開先加工させた端部20a、21aにビード22を積層形成し、金属部品20、21の端部20a、21aどうしを接合した(接合工程S10)。なお、溶加材の形状は、直径が0.6mmの円柱状とした。ここで、TIGパルス溶接は、14Hzの低周波数で行った。
続いて、図3に示すように、接合された金属部品20、21の表面20b、20c、21b、21cよりも外側に突出した接合部30のビードをグラインダを用いて切削した(表面処理工程S11)。これによって、接合部30の表面30a、30bは、金属部品20、21の表面20b、20c、21b、21cと同一平面となった。
続いて、図4に示すように、690系Ni合金であるUNS N06054からなる溶加材を用いてTIGパルス溶接により、接合部30の表面30a、30bおよびこの接合部近傍の金属部品20、21の表面20b、20c、21b、21cにビード40を形成した(被覆工程S12)。これによって、接合部30の表面30a、30bおよびこの接合部近傍の金属部品20、21の表面20b、20c、21b、21cは、ビード40で隙間なく覆われた。なお、ここでのビード40は、単層とした。なお、溶加材の形状は、直径が0.6mmの円柱状とした。ここで、TIGパルス溶接は、14Hzの低周波数で行った。
また、この被覆工程S12において、TIGパルス溶接の際に溶加材に供給される入熱量を800〜1500J/cmの範囲で変化させて、溶加材の供給速度(供給量)を、1000〜3000mm/分の範囲で変化させて、各条件において形成されたビード40の状態を評価した。ビード40の状態の評価は、目視によってビード形状を評価することにより行った。
TIGパルス溶接の際に溶加材に供給される熱量を変化させるため、上記した直径が0.6mmの溶加材の供給量(mm/分)、および溶加材の単位長さに与えられる入熱量(J/cm)を変化させた。
図6は、被覆工程におけるTIG溶接の際に溶加材に供給される入熱量を変えた各条件で形成されたビード40の良否判定の結果を示す図である。図6において、○は、良好なビードを意味し、×は、不整ビードを意味する。
なお、良好なビードとは、ビードの表面が滑らかなビードを意味し、不整なビードとは、ビードの表面が凹凸および不連続なビードを意味する。
図6に示すように、溶加材に供給される入熱量が800〜1500J/cmの範囲で良好なビードが形成された。
なお、ここでは、被覆工程S12において、溶加材の直径が0.6mmのものを使用したが、溶加材の直径が0.3〜0.8mmの範囲では、上記した直径が0.6mmのものを使用した場合の結果と同様の結果が得られた。また、接合工程S10で使用する溶加材として、金属部品20、21を構成するステンレス鋼を使用した場合においても、上記した600系Ni合金を使用した場合の結果と同様の結果が得られた。
以上、本発明を一実施の形態により具体的に説明したが、本発明はこれらの実施の形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
20,21…金属部品、20a,21a…端部、20b,20c,21b,21c,30a,30b…表面、22,40…ビード、30…接合部、50…溶接トーチ、51…チャンバ、51a…開口、60…不活性ガス、S10…接合工程、S11…表面処理工程、S12…被覆工程。

Claims (6)

  1. 開先加工させた端部を有する2つの金属部品の当該端部どうしを対向配置し、600系Ni合金または前記金属部品を構成する材料からなる溶加材を用いて、前記金属部品の端部どうしをTIG溶接により接合する接合工程と、
    690系Ni合金からなる溶加材を用いてTIG溶接により、前記金属部品の接合部の表面および前記接合部近傍の前記金属部品の表面にビードを形成して、これらの両表面をビードで覆う被覆工程と
    を具備することを特徴とする金属部品の溶接方法。
  2. 前記接合工程と前記被覆工程との間に、接合された前記金属部品の表面よりも外側に突出した前記接合部のビードを切削する表面処理工程をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の金属部品の溶接方法。
  3. 前記被覆工程におけるTIG溶接の際に使用される溶加材の直径が0.3〜0.8mmであり、前記溶加材に供給される熱量が800〜1500J/cmであることを特徴とする請求項1または2記載の金属部品の溶接方法。
  4. 前記接合工程および前記被覆工程におけるTIG溶接が、TIGパルス溶接であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の金属部品の溶接方法。
  5. 前記金属部品を水中で接合する場合、前記接合工程および前記被覆工程におけるTIG溶接が、アークが点弧する溶接トーチの先端部を囲うように設けられたチャンバ内を不活性ガスで満たした状態で行われることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の金属部品の溶接方法。
  6. 原子力プラントに使用させる金属部品であって、請求項1乃至5のいずれか1項記載の金属部品の溶接方法によって溶接されたことを特徴とする原子力プラント用溶接金属部品。
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