JP2011226304A - 内燃機関のオイル劣化防止装置 - Google Patents

内燃機関のオイル劣化防止装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011226304A
JP2011226304A JP2010094160A JP2010094160A JP2011226304A JP 2011226304 A JP2011226304 A JP 2011226304A JP 2010094160 A JP2010094160 A JP 2010094160A JP 2010094160 A JP2010094160 A JP 2010094160A JP 2011226304 A JP2011226304 A JP 2011226304A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
oil deterioration
lubricating oil
internal combustion
combustion engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010094160A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoto Koyamaishi
直人 小山石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2010094160A priority Critical patent/JP2011226304A/ja
Publication of JP2011226304A publication Critical patent/JP2011226304A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】オイルの劣化を長期に亘り抑制することができる内燃機関のオイル劣化防止装置を提供する。
【解決手段】潤滑オイル供給装置を備える内燃機関において、潤滑オイル及び潤滑オイルミストと接触する運動部品、例えば、クランクシャフト19、コネクティングロッド17、バランスシャフト52、ピストン15の運動方向の正面側の表面にオイル劣化抑制機能を有する機能性樹脂60を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は内燃機関、特に、スラッジ生成及びオイル劣化の抑制に好適な内燃機関のオイル劣化防止装置に関する。
一般に内燃機関は潤滑オイル供給装置を備え、各運動部品の摺動部の潤滑や運動部品そのものの冷却を行うことにより、フリクションの低減などを図るようにしている。ここで用いられる潤滑オイルに対しては種々の劣化要因が知られている。例えば、ブローバイガス中のNOxとヘッドカバー内で発生し易い凝縮水とが反応することにより形成される酸性物質が潤滑オイルに混入すると、スラッジの発生や潤滑オイルの劣化を加速することにより、潤滑オイルの各機能を低下させる。
このような潤滑オイルの劣化の問題に対処するために、特許文献1には、潤滑剤(オイル)の供給経路に内燃機関内で使用可能な潤滑剤添加物の性能を置換又は補完するように調整された化学オイルフィルターを有する内燃機関用潤滑剤システムが開示されている。
特表2008−540123号公報
ところで、特許文献1に記載の技術は、内燃機関内で使用可能な洗浄剤や分散剤などの潤滑剤(オイル)添加物の性能を置換又は補完するように調整された化学オイルフィルターを用い、その化学オイルフィルターが粒子状物質を結合した多孔性構造に形成されている。したがって、その化学オイルフィルターが新しいうちは、潤滑オイルの濾過ないしは通過に支障を来たすことなく所望の効果を奏することが期待できるが、使用が継続すると潤滑オイル中に含まれる固形の異物が表面ないしは孔内に蓄積することにより、潤滑オイルの劣化抑制効果が早期に低減されるという問題がある。
そこで、本発明の課題は、上述の問題を解消し、オイルの劣化を長期に亘り抑制することができる内燃機関のオイル劣化防止装置を提供することにある。
上記課題を解決する本発明係る内燃機関のオイル劣化防止装置の一形態は、潤滑オイル供給装置を備える内燃機関において、潤滑オイル及び潤滑オイルミストと接触する運動部品の表面にオイル劣化抑制機能を有する機能性樹脂を設けたことを特徴とする。
この形態によれば、オイル劣化抑制機能を有する機能性樹脂の表面に異物が付着したとしても、異物は運動部品の運動により振り払われ付着が防止される。この結果、機能性樹脂のオイル劣化抑制機能は阻害されず、オイルの劣化を長期に亘り抑制することができる。なお、本明細書においてオイル劣化抑制機能とは、潤滑オイル中に含まれる硝酸イオン、硫酸イオン等の酸性物質成分、潤滑オイル添加物から生じた成分、エンジンの構成部材の磨耗及び/又は溶出により生じた成分などを含むオイル劣化成分を潤滑オイル中から除去すること、及び/又はオイル劣化成分によるオイルの劣化作用を停止又は抑制する機能を意味する。
ここで、上記一形態において、前記機能性樹脂を設ける運動部品の表面は、当該運動部品の運動方向の正面側であることが好ましい。
この形態によれば、潤滑オイル及び潤滑オイルミストと接触する運動部品の表面のうち運動方向の正面は、潤滑オイル及び潤滑オイルミストに対して衝突するので、衝突エネルギーが生じ、オイル劣化抑制機能を有する機能性樹脂のオイル劣化抑制機能が促進される。
そして、前記運動部品がクランクシャフトである場合には、当該クランクシャフトのカウンターウエイト及びクランクスローの回転運動方向正面側にオイル劣化抑制機能を有する機能性樹脂が設けられていることが好ましい。この場合には、クランクシャフトの回転運動により、そのカウンターウエイト及びクランクスローの回転運動方向正面に設けられた機能性樹脂がオイルパン内の潤滑オイル及び/又はクランクケース内の潤滑オイルミストに対して衝突することにより、上述のオイル劣化抑制機能が促進される。同時に、一旦付着した潤滑オイルはクランクシャフトの回転運動による遠心力により振り払われるので、異物の堆積が抑制される。
また、前記運動部品がコネクティングロッドである場合には、当該コネクティングロッドの大端部の揺動運動方向両正面側にオイル劣化抑制機能を有する機能性樹脂が設けられていることが好ましい。この場合には、コネクティングロッドの揺動運動により、その大端部の揺動運動方向両正面側に設けられた機能性樹脂がオイルパン内の潤滑オイル及び/又はクランクケース内の潤滑オイルミストに対して衝突することにより、上述のオイル劣化抑制機能が促進される。同時に、一旦付着した潤滑オイルはコネクティングロッドの揺動運動による慣性力により振り払われるので、異物の堆積が抑制される。
さらに、前記運動部品がバランスシャフトである場合には、当該バランスシャフトのバランサーウエイトの回転運動方向正面側にオイル劣化抑制機能を有する機能性樹脂が設けられていることが好ましい。この場合には、クランクシャフトの場合と同じように、バランスシャフトの回転運動により、そのバランサーウエイトの回転運動方向正面に設けられた機能性樹脂がクランクケース内の潤滑オイルミストに対して衝突することにより、上述のオイル劣化抑制機能が促進される。同時に、一旦付着した潤滑オイルはバランスシャフトの回転運動による遠心力により振り払われるので、異物の堆積が抑制される。
なお、前記運動部品がピストンである場合には、当該ピストンの内頂面にオイル劣化抑制機能を有する機能性樹脂が設けられていることが好ましい。この場合には、ピストンの上下方向の往復運動により、特にその下降行程時に、その内頂面に設けられた機能性樹脂が、ピストンのオイルリングで掻き取られオイル戻し穴からピストンの内頂面部に導入された潤滑オイル、及びオイルジェットからの潤滑オイルの噴流に対して衝突することにより、上述のオイル劣化抑制機能が促進される。同時に、一旦付着した潤滑オイルは、オイルジェットからの潤滑オイルの噴流により、及びピストンの往復運動による慣性力により振り払われるので、異物の堆積が抑制される。さらに、ピストンの場合には、燃焼室で生成されたオイル劣化成分を、用いられた潤滑オイルがオイルパンに回収される前に機能性樹脂により除去することができ、効率的である。
本発明によれば、機能性樹脂のオイル劣化抑制機能が阻害されずに、オイルの劣化を長期に亘り抑制することができる。
本発明に係る内燃機関のオイル劣化防止装置の一実施形態を概略的に示す模式的断面図である。 図1の一実施形態において、クランクシャフト及びコネクティングロッドの実施形態を概略的に示す模式的側面図である。 図2のA−A線に沿う断面図である。 図2のB−B線に沿う断面図である。 図1の一実施形態において、バランスシャフトの実施形態を概略的に示す模式的側面図である。 図6のC−C線に沿う断面図である。 図1の一実施形態において、ピストンの実施形態を概略的に示す模式的断面図である。
以下、本発明の好適実施形態を添付図面に基づいて詳述する。図1には、本発明に係る内燃機関のオイル劣化防止装置の一実施形態を概略的に示す模式的断面図が概略的に示されている。
当該オイル劣化防止装置の一実施形態におけるエンジン10は、シリンダーブロック12と、シリンダーブロック12の下部に設けられたクランクケース14と、シリンダーブロック12の上部に設けられたシリンダーヘッド16と、シリンダーヘッド16の上部に設けられてこれを上方から覆うヘッドカバー18と、クランクケース14の下部に設けられてこれを下方から覆うオイルパン20とを備えている。本実施形態では、シリンダーブロック12とクランクケース14が一体に形成されているが、これらは別体で形成されてもよい。
シリンダーヘッド16には動弁室22が区画形成されている。具体的には、動弁室22はシリンダーヘッド16とヘッドカバー18により画成され、両者に囲まれた空間領域からなる。動弁室22には、吸気ポート及び排気ポートをそれぞれ開閉する吸気弁及び排気弁と、吸気弁及び排気弁をそれぞれ閉方向に付勢するバルブスプリングと、吸気弁及び排気弁をそれぞれ開方向に駆動する吸気カムシャフト及び排気カムシャフトとからなる動弁機構が設けられている。さらに、動弁室22には、この動弁機構の潤滑のために図示しないオイル供給口からオイルが供給される。
他方、クランクケース14とオイルパン20によりクランク室24が区画形成され、クランク室24には、後でそれぞれ詳しく説明する、ピストン15にコネクティングロッド17を介して連結されたクランクシャフト19及び一対のバランスシャフト52を含むバランサー装置50が配設されると共に、その底部のオイルパン20にオイルが貯留される。
さらに、シリンダーブロック12とシリンダーヘッド16には、これらを上下に貫通し、動弁室22とクランク室24とを連通するオイル落としないしは戻し通路26が形成されている。このオイル戻し通路26は好ましくは複数(図示では1個)設けられる。オイル戻し通路26は、動弁機構の潤滑を終えてシリンダーヘッド16上に滞留したオイルをクランク室24領域、延いてはオイルパン20へ向けて落とすための通路である。なお、本実施形態のオイル落とし通路26は、クランクケース24内のブローバイガスをヘッドカバー20内に向けて上昇移動させるための通路でもある。クランクケース24からヘッドカバー20に向かって上昇移動するブローバイガスには、クランクケース24内でのオイルの攪拌、蒸発によって生成されたオイルミストも含まれている。
そして、上述の吸気ポートに連通する吸気通路32には、スロットルバルブ34とその上流端にエアクリーナー36が設けられている。スロットルバルブ34の下流側にはサージタンク38が設けられ、多気筒内燃機関であるエンジン10の各気筒の吸気ポートにサージタンク38から吸気を分配するようになっている。また、各気筒の排気ポートには不図示の排気通路が接続される。
また、この実施形態のエンジン10では、さらにブローバイガス還流装置を備えており、動弁室22を画成している領域とスロットルバルブ34の下流の吸気通路32とが、ブローバイガス還流通路40により接続、連通される一方、動弁室22を画成している領域とスロットルバルブ上流側の吸気通路32とが、新気導入通路42により連通されている。なお、ブローバイガス還流通路40の入口部には、吸気負圧の大きさに応じて開度が変更されるPCVバルブ42が設けられている。
なお、本実施形態では、ヘッドカバー18内にスラッジの生成または付着を抑制するためのスラッジ抑制層44が形成されている。このスラッジ抑制層44は塗布によりヘッドカバー20内面に形成されている。スラッジ抑制層44のスラッジ抑制剤は、好ましくは固体のアルカリ性物質からなり、具体的にはアルカリ性物質として炭酸カルシウム(CaCO3)が用いられている。スラッジ抑制層44は、前述の酸性物質を中和するように作用する。
なお、このエンジン10は、図示はしないが、オイルポンプ及びストレーナを含む潤滑オイル供給装置を備えている。当該オイルポンプはストレーナを介してオイルパン22内の潤滑オイルを吸引し、オイルフィルターを介してエンジン10内に形成された油路(各供給部位に対応した複数の油路を含む)を通じて、エンジン10内の各運動部品に供給し、各運動部品の軸受摺動部の潤滑や運動部品そのものの冷却を行うことにより、フリクションの低減などを図るようにしている。
そして、本実施形態のエンジン10では、潤滑オイル及び潤滑オイルミストと接触する運動部品としてのクランクシャフト19、コネクティングロッド17、バランスシャフト52、及びピストン15の表面に、それぞれ、オイル劣化抑制機能を有する機能性樹脂60が設けられている。以下、その詳細につき、図2ないし図7を参照して順に説明する。
まず、運動部品がクランクシャフト19である実施形態について、図2及び図3を参照して説明する。図2に示すように、クランクシャフト19は、シリンダーブロック12に回転自在に支持されるクランクジャーナル19A、コネクティングロッド17の大端部17Aに回転自在に連結されるクランクピン19B、クランクジャーナル19Aとクランクピン19Bとを連結するクランクスロー19C、及びカウンターウエイト19Dを有している。このクランクシャフト19に対しては、図3に示す矢印Xを回転運動方向とするとき、当該クランクシャフト19のカウンターウエイト19D及びクランクスロー19Cの回転運動方向Xにおける正面側に、それぞれ、オイル劣化抑制機能を有する機能性樹脂60が設けられている。
次に、運動部品がコネクティングロッド17である実施形態について、図2及び図4を参照して説明する。図4に示すように、コネクティングロッド17は、上述のクランクシャフト19のクランクピン19Bに回転自在に連結される大端部17Aと、ピストン15の不図示のピストンピンに連結される小端部17Bとを有している。このコネクティングロッド17に対しては、図4に示す矢印Yをコネクティングロッドの大端部17Aの揺動運動方向として、揺動運動方向Yの両正面側に、それぞれ、オイル劣化抑制機能を有する機能性樹脂60が設けられている。
また、運動部品がバランサー装置50のバランスシャフト52である実施形態について、図1、図5及び図6を参照して説明する。ここで、バランサー装置50とは、4気筒エンジン10の二次の慣性力に起因する上下振動を抑制するためのものであり、例えば、クランクシャフト19の回転に同期して駆動され、相互に反対方向に回転する一対のバランスシャフト52を有している。そして、これらのバランスシャフト52は、本実施例ではシリンダーブロック12の下部のオイルパン20内に位置するように固設されたハウジング51内で軸受により回転自在に支持されている。このバランスシャフト52には、図5及び図6に示すように、その軸方向の中央部にほぼ半円柱状のバランサーマス52Aが軸中心から偏心されて設けられ、両端のジャーナル部52Bがハウジング51に設けられた軸受により回転自在に支持されている。
このバランスシャフト52に対しては、図6に示す矢印Xを回転運動方向とするとき、当該バランスシャフト52のバランサーマス52Aの回転運動方向Xにおける正面側に、オイル劣化抑制機能を有する機能性樹脂60が設けられている。
さらに、運動部品がピストン15である実施形態について、図1及び図7を参照して説明する。シリンダーボア内を往復動するピストン15は、不図示のピストンリングが装着される複数のオイルリング溝15Aが形成されたピストンランド15Bを有し、その下方にスカート部15C及び不図示のピストンピンが嵌合されるピンボス15Dを有している。ピンボス15Dにはクランクシャフト19の長手方向と略平行な軸線を有するピストンピン孔15Eが開設されている。そして、ピンボス15Dはピストンピン孔15Eの軸線に直交して平行に配置されたサイドウォール15Fと一体に形成され、該サイドウォール15Fの両端がそれぞれスカート部15Cに連続して形成されている。そして、ピストン頂面に最も遠い部位のオイルリング溝15Aの底部にはピストン15の内側に連通されたオイル戻し穴15Gが形成されている。
このピストン15に対しては、ピストンランド15Bの下面である内頂面15Hにオイル劣化抑制機能を有する機能性樹脂60が設けられている。なお、図7において、15Jはピストン15の内頂面15Hに向けて潤滑オイルを噴射供給するオイルジェットである。
ここで、上述した運動部品に設けられているオイル劣化抑制機能を有する機能性樹脂60について簡単に説明しておく。本実施形態の機能性樹脂60としては、イオン交換樹脂を含むことができる。イオン交換樹脂は、潤滑オイル中の所定のイオン(イオン成分)を吸着する機能、換言すると、所定のイオンを潤滑オイルから除去する機能、又は潤滑オイル中の所定のイオンを吸着する代わりに、別のイオンを放出する機能を有する。ここでのイオン交換樹脂は、潤滑オイル中に含まれている酸化防止剤、金属系洗浄剤、摩擦調整剤、無灰分散剤、pH調整剤などの添加剤やエンジン10での燃焼による副生成物の種類に対応させて、アニオン性イオン交換樹脂及び/又はカチオン性イオン交換樹脂を用いることができる。なお、イオン交換樹脂としては、液状又は膜状のものをそれぞれ塗布又は貼付することにより各表面に設けることができ、これらは、例えば、三菱化学社製ダイヤイオン(登録商標)シリーズのイオン交換樹脂、ローム・アンド・ハース社製アンバーライト(登録商標)シリーズのイオン交換樹脂を用いることができる。
次に、上記構成になる本実施形態に係る内燃機関のオイル劣化防止装置の作用を説明する。
まず、運動部品がクランクシャフト19である場合には、クランクシャフト19の回転運動により、そのカウンターウエイト19D及びクランクスロー19Cの回転運動方向Xの正面に設けられたイオン交換樹脂を含む機能性樹脂60がオイルパン20内の潤滑オイル及び/又はクランクケース24内の潤滑オイルミストに対して衝突することにより、前述のオイル劣化抑制機能が促進される。同時に、一旦クランクシャフト19に付着した潤滑オイルはクランクシャフト19の回転運動による遠心力により振り払われるので、イオン交換樹脂を含む機能性樹脂60の表面への異物の堆積が抑制される。
また、運動部品がコネクティングロッド17である場合には、コネクティングロッド17の揺動運動により、その大端部17Aの揺動運動方向Yの両正面側に設けられたイオン交換樹脂を含む機能性樹脂60がオイルパン20内の潤滑オイル及び/又はクランクケース24内の潤滑オイルミストに対して衝突することにより、前述のオイル劣化抑制機能が促進される。同時に、一旦コネクティングロッド17に付着した潤滑オイルはコネクティングロッド17の揺動運動による慣性力により振り払われるので、イオン交換樹脂を含む機能性樹脂60の表面への異物の堆積が抑制される。
さらに、運動部品がバランスシャフト52である場合には、クランクシャフト19の場合と同じように、バランスシャフト52の回転運動により、そのバランサーウエイト52Aの回転運動方向Xの正面に設けられたイオン交換樹脂を含む機能性樹脂60がクランクケース24内の潤滑オイルミストに対して衝突することにより、前述のオイル劣化抑制機能が促進される。同時に、一旦バランスシャフト52に付着した潤滑オイルはバランスシャフト52の回転運動による遠心力により振り払われるので、イオン交換樹脂を含む機能性樹脂60の表面への異物の堆積が抑制される。
なお、運動部品がピストン15である場合は、ピストン15の上下方向の往復運動の、特にその下降行程時に、ピストン15のオイルリングでシリンダーボアの内面から掻き取られた潤滑オイルが、矢印Pで示すように、オイル戻し穴15Gからピストン15の内部に導入される(図7参照)。そして、この導入された潤滑オイルは慣性力により、矢印Qで示すように、ピストン15の内頂面15H方向へ流れる。一方、ピストン15の内頂面15Hに対しては、オイルジェット15Jから潤滑オイルが噴射供給されている。したがって、ピストン15の内頂面15Hに設けられたイオン交換樹脂を含む機能性樹脂60に当る潤滑オイルの衝突エネルギーが増加することで、潤滑オイルが攪拌されて前述のオイル劣化抑制機能が促進される。同時に、一旦ピストン15の内頂面15Hに付着した潤滑オイルは、オイルジェット15Jからの潤滑オイルの噴流により、及びピストン15の往復運動による慣性力により振り払われるので、イオン交換樹脂を含む機能性樹脂60への異物の堆積が抑制される。さらに、ピストン15の場合には、エンジン10の燃焼室で生成された燃焼による副生成物のオイル劣化成分を、ここで用いられた潤滑オイルがオイルパン20に回収される前にイオン交換樹脂を含む機能性樹脂60により除去することができ、効率的である。
ここで、機能性樹脂60のイオン交換樹脂としては、ブローバイガス中のNOxとヘッドカバー18の内面での結露などによる凝縮水とにより生じ得る硝酸イオン、ブローバイガス中のSOxと同じく凝縮水とにより生じ得る硫酸イオンの潤滑オイル中からの除去を図るべく、硝酸イオンや硫酸イオンを吸着する機能を有するアニオン性イオン交換樹脂が用いられる。このようなアニオン性イオン交換樹脂は、それら陰イオンを吸着し、例えば水酸化物イオンを放出する機能を有する。
また、ここでは、オイル中からCaイオンの除去を図るべく、Caイオンを吸着する機能を有するカチオン性イオン交換樹脂も用いられる。Caイオンは、上述のように、スラッジ生成を抑制するためにオイル供給系統(前述の実施形態ではヘッドカバー18の内面)に設けられたCa成分を含むオイル劣化抑制剤が消費されることで生じ得る。また、オイル中に添加剤としてカルシウムスルホネートが添加されている場合には、このカルシウムスルホネートからCaイオンが生じ得る。このようなカチオン性イオン交換樹脂は、そのような陽イオンを吸着し、水素イオン及び/またはNaイオンを放出する機能を有する。
なお、アニオン性イオン交換樹脂の使用によりオイル中から除去することが望まれるイオンには、上述の硝酸イオン(NO3 -)、硫酸イオン(SO4 2-)ばかりでなく、例えば、ブローバイガスから生じ得る酢酸イオン(CH3COO-)、同様にブローバイガスから生じ得るギ酸イオン(HCOO-)、塩化物イオン(Cl-)、クロム酸イオン(CrO4 2-)がある。これらを含む群またはこれらからなる群から選択された少なくとも1つのイオンを吸着する機能を有するアニオン性イオン交換樹脂が用いられるのが好ましい。なお、アニオン性イオン交換樹脂から放出されるイオンは、オイルの劣化を促進しないイオン、好ましくは、オイル劣化機能を抑制するイオンであるとよい。
また、カチオン性イオン交換樹脂の使用によりオイル中から除去することが望まれるイオンには、上述のCaイオン(Ca2+)のみでなく、例えば、Al3+、Fe2+、Fe3+、Cr3+、Pb2+、Ni2+、Cu2+、Mg2+、Ti+がある。これらは、潤滑オイルへの添加剤、例えばZnDTPから生じたり、エンジンの構成部材の磨耗及び/または溶出により生じたりする。特に、エンジンの摺動部の摩耗により潤滑オイル中に生じるCuイオン、Alイオン、Feイオン等は、除去されることが望まれる。これらのうちの少なくとも1つのイオンを吸着する機能を有するカチオン性イオン交換樹脂が用いられるのが好ましい。なお、カチオン性イオン交換樹脂から放出されるイオンは、オイルの劣化を促進、好ましくは、オイル劣化機能を抑制するイオンであるとよい。
なお、前述のように、アニオン性イオン交換樹脂及びカチオン性イオン交換樹脂のうちの一方のみから、機能性樹脂60のイオン交換樹脂が構成されてもよい。また、本発明における機能性樹脂60はイオン交換樹脂に限定されず、無機イオン交換体、キレート樹脂及び/又は合成吸着剤を用いることが可能である。
本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
10 エンジン
12 シリンダーブロック
14 クランクケース
15 ピストン
15H ピストン内頂面
16 シリンダーヘッド
17 コネクティングロッド
17A 大端部
18 ヘッドカバー
19 クランクシャフト
19C クランクスロー
19D カウンターウエイト
20 オイルパン
22 動弁室
24 クランク室
26 オイル戻し通路
32 吸気通路
34 スロットルバルブ
44 スラッジ抑制層
50 バランサー装置
52 バランスシャフト
52A バランサーマス
60 機能性樹脂

Claims (6)

  1. 潤滑オイル供給装置を備える内燃機関において、潤滑オイル及び潤滑オイルミストと接触する運動部品の表面にオイル劣化抑制機能を有する機能性樹脂を設けたことを特徴とする内燃機関のオイル劣化防止装置。
  2. 前記機能性樹脂を設ける運動部品の表面は、当該運動部品の運動方向の正面側であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のオイル劣化防止装置。
  3. 前記運動部品はクランクシャフトであり、当該クランクシャフトのカウンターウエイト及びクランクスローの回転運動方向正面側にオイル劣化抑制機能を有する機能性樹脂が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のオイル劣化防止装置。
  4. 前記運動部品はコネクティングロッドであり、当該コネクティングロッドの大端部の揺動運動方向両正面側にオイル劣化抑制機能を有する機能性樹脂が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のオイル劣化防止装置。
  5. 前記運動部品はバランスシャフトであり、当該バランスシャフトのバランサーウエイトの回転運動方向正面側にオイル劣化抑制機能を有する機能性樹脂が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のオイル劣化防止装置。
  6. 前記運動部品はピストンであり、当該ピストンの内頂面にオイル劣化抑制機能を有する機能性樹脂が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のオイル劣化防止装置。
JP2010094160A 2010-04-15 2010-04-15 内燃機関のオイル劣化防止装置 Pending JP2011226304A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010094160A JP2011226304A (ja) 2010-04-15 2010-04-15 内燃機関のオイル劣化防止装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010094160A JP2011226304A (ja) 2010-04-15 2010-04-15 内燃機関のオイル劣化防止装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011226304A true JP2011226304A (ja) 2011-11-10

Family

ID=45041944

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010094160A Pending JP2011226304A (ja) 2010-04-15 2010-04-15 内燃機関のオイル劣化防止装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011226304A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10533470B2 (en) Oil separation device for internal combustion engine
US8505521B2 (en) Breather apparatus for engine
JP4583338B2 (ja) ベルト式伝動機構を備えるバーチカル内燃機関
US20100077999A1 (en) Internal combustion engine
US20140182569A1 (en) Oil filter system for vehicle
JP6502596B2 (ja) 内燃機関
WO2013035154A1 (ja) エンジンの換気装置
CA2497727A1 (en) Valve train lubricating structure in internal combustion engine
JP2016200136A5 (ja)
JP2007064155A (ja) オイルミスト処理装置
JP2016033340A (ja) 内燃機関
JP2011226304A (ja) 内燃機関のオイル劣化防止装置
JP2011256826A (ja) フィルタ装置および潤滑装置
JP2011247153A (ja) 内燃機関のオイル劣化抑制装置
JP6331923B2 (ja) 内燃機関のオイル分離構造
JP6115282B2 (ja) カム軸潤滑装置
CN103206280A (zh) 多缸空气动力发动机的润滑油路系统
JP5703615B2 (ja) 内燃機関のオイル劣化防止装置
JP2011140928A (ja) ターボ過給機付きエンジンの潤滑装置
JP6394215B2 (ja) 内燃機関のオイル分離構造
JP5356166B2 (ja) エンジン
JP2018127894A (ja) 内燃機関
JP2008075472A (ja) 内燃機関のオイル戻し構造
CN202707176U (zh) 柴油机气门摇臂自动润滑装置
JP2011190766A (ja) 内燃機関のブリーザ装置