JP2011201809A - アセチレンの製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アセチレン発生部2と、アセチレン精製部3と、パージガスラインL1と、排気ラインL2と、を備えたアセチレンの製造装置であって、アセチレン精製部3は、吸着剤7が充填された1以上の吸着筒6と、吸着筒6を加熱又は冷却する温度調節機構9と、精製されたアセチレンを吸着筒6に充填するための供給経路L14と、吸着筒6内の温度を監視する温度監視機構8と、を備えることを特徴とするアセチレンの製造装置1を選択する。
【選択図】図1
Description
第1の方式である投入式製造装置は、水を入れたタンクの中に炭化カルシウムの塊を投入してアセチレンを発生させる方式である。この方式では、副生する水酸化カルシウムと化学量論的に過剰分の水との混合物が発生して、泥乳状を呈する。
第4の方式である注水式製造装置は、ガスを発生させるときに必要な水を炭化カルシウムに注ぐ構造をもつものである。
CaC2+2H2O→CaC2+Ca(OH)2+134kJ ・・・(1)
また、吸着剤の吸着量が飽和した際、不純物が完全に除去されずに排出される可能性があり、過剰な吸着剤が必要となるおそれがあった。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、アセチレン発生部と、アセチレン精製部と、流量制御機構を有するパージガスラインと、真空装置を有する排気ラインと、を備えたアセチレンの製造装置であって、
前記アセチレン精製部は、水素化物ガスを除去するための吸着剤が充填された1以上の吸着筒と、
前記吸着筒を加熱又は冷却する温度調節機構と、
流量制御機構を有し、精製されたアセチレンを前記吸着筒に充填するための供給経路と、
前記吸着筒内の温度を監視する温度監視機構と、を備えることを特徴とするアセチレンの製造装置である。
直列に配設された前記吸着筒間に、前記不純物監視機構が配設されていることを特徴とする請求項1に記載のアセチレンの製造装置である。
前記吸着筒から前記吸着剤が吸着した成分を脱着させる第1の過程と、
精製アセチレンを前記吸着筒に充填する第2の過程と、を備え、
前記第2の過程において、前記吸着筒内の温度を監視し、
当該吸着筒内の温度が所定の温度に到達した際に、精製アセチレンの当該吸着筒内への充填量を制御することを特徴とするアセチレンの製造方法である。
直列に配設された吸着筒間の不純物成分濃度を計測し、前記不純物成分が所定の濃度に到達した際に、直列に配設された吸着筒のうち上流側の吸着筒による水素化物ガスの除去を完了し、下流側の吸着筒による水素化物ガスの除去を開始することを特徴とするアセチレンの製造方法である。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
図1に示すように、本実施形態のアセチレンの製造装置(以下、単に「製造装置」という)1は、粗アセチレンガスを生成するアセチレン発生部2と、粗アセチレンガスを精製するアセチレン精製部3と、窒素等の不活性ガスを供給するためのパージガスラインL1と、可燃排気ガスを系外に排出するための排気ラインL2と、を備えて概略構成されている。
また、上記供給経路には、精製アセチレンガス貯留タンク11からの精製アセチレンガスの流量を制御するために、流量コントローラー(流量制御機構)12が設けられている。
上記製造装置1を用いた第1の実施形態のアセチレンの製造方法(以下、単に「製造方法」と記載する)について説明する。
本実施形態の製造方法は、吸着筒6A及び6Bを並列に接続して、これらを精製工程と、再生工程とを切り替えることによって、全体としてアセチレンガスを連続精製するものである。本実施形態では、図1に示すように、吸着筒6Aにおいて粗アセチレンガスを精製している間、吸着筒6Bを再生する方法を例として説明する。
図1に示すように、先ず、アセチレン精製部3の開閉バルブV1,V3,V5,V7,V9,V11を開放し、開閉バルブV2,V10,V14,V16,V18,V20を閉止する。これにより、粗アセチレンガス貯留タンク4から流量コントローラー5を介して経路L6側から吸着筒6A内に粗アセチレンガスを供給する。そして、吸着剤7によって水素化物ガスが除去されて精製されたアセチレンガスが経路L8,L10,L12を経て精製アセチレンガス貯留タンク11内に貯留される。なお、精製アセチレンガスは、経路L13に設けられた開閉バルブV11を開放することで、製造装置1からユースポイントに供給することができる。
一方、充填された吸着剤7の吸着量が不純物成分で飽和された吸着筒6Bでは、再生工程を実施する。
本実施形態の再生工程は、吸着筒6Bから吸着剤7が吸着した成分を脱着させる第1の過程と、精製アセチレンを吸着筒6Bに充填する第2の過程と、を備えて概略構成されている。
第1の過程では、吸着成分が脱着する温度まで加熱し、脱着した成分を押し出し、または引っ張り出すことでこれら成分を除去する。本実施形態の製造方法に用いる製造装置1には、不純物成分が脱着するまで吸着筒6を加熱できる加熱・冷却装置9が設けられている。また、吸着材7から脱着した成分を押し出すためのパージガスラインL1を有している。さらに、パージガスを吸着筒6内に導入した後、引っ張り出すための真空ポンプ13を備えた排気ラインL2を有している。
これらを適宜操作することにより、吸着筒6Bから吸着剤7が吸着した成分を脱着して除去することができる。
第2の過程では、精製アセチレンを第1の過程後の吸着筒6Bに充填する。具体的には、開閉バルブV8,V12,V13を開放し、開閉バルブV6,V10,V14,V15,V21を閉止する。これにより、精製アセチレンタンク11に貯留された精製アセチレンガスの一部が、経路L9,L14,L15,L16を経て吸着筒6B内に充填される。
また、吸着筒6B内の温度上昇を抑制するために、吸着筒6Bを加熱・冷却装置(温度調節機構)9によって冷却することも効果的である。
上記製造装置1を用いた第2の実施形態の製造方法について説明する。
本実施形態の製造方法は、吸着筒6A及び6Bを直列に接続し、これらの間にガス検知器(不純物監視機構)14を設置して、吸着筒の切り替えサイクルを長くしながらアセチレンガスを精製するものである。本実施形態では、図2に示すように、吸着筒6Bが上流側、吸着筒6Aが下流側となるように直列に接続された場合を例として説明する。
(実施例1)
図1に示すガスフロー状態のアセチレンの製造装置1を用いて、吸着筒の再生および精製アセチレンの充填を実施した。再生した活性炭を充填した吸着筒にアセチレンを空筒速度30cm/secで連続的に流した。そして、温度上昇幅が15℃/sec以上になった際に、精製アセチレンガスの充填を停止し、温度上昇幅が−0.1℃/sec以下になった際に、精製アセチレンガスの充填を開始することを繰り返した。その結果、最大上昇温度は90℃程度となった。
図2に示すガスフロー状態のアセチレンの製造装置1を用いて、粗アセチレンガスを空筒速度30cm/secで吸着筒に導入し、吸着筒出口の不純物成分を硫化水素(H2S)に固定して、濃度測定を実施した。その結果、吸着筒間の硫化水素を検知するまでに、2筒並列で接続する場合の時間管理よりも2倍の時間分使用することができ、検知してから濃度が飽和するまで、約3時間程度かかった。2筒並列で接続する場合の時間管理方法では、この差分の吸着能力を破棄していたこととなり、効率的に吸着剤が使用できることを確認した。
2・・・アセチレン発生部
3・・・アセチレン精製部
4・・・粗アセチレンガス貯留タンク
5・・・流量コントローラー
6(6A,6B)・・・吸着筒
7・・・吸着剤
8・・・温度計(温度監視機構)
9・・・加熱・冷却装置(温度調節機構)
10・・・圧力計
11・・・精製アセチレンガス貯留タンク
12・・・流量コントローラー(流量制御機構)
13・・・真空ポンプ(真空装置)
14・・・ガス検知器(不純物監視機構)
L1・・・パージガスライン
L2・・・排気ライン
L3〜L25・・・経路
V1〜V23・・・開閉バルブ
Claims (4)
- アセチレン発生部と、アセチレン精製部と、流量制御機構を有するパージガスラインと、真空装置を有する排気ラインと、を備えたアセチレンの製造装置であって、
前記アセチレン精製部は、水素化物ガスを除去するための吸着剤が充填された1以上の吸着筒と、
前記吸着筒を加熱又は冷却する温度調節機構と、
流量制御機構を有し、精製されたアセチレンを前記吸着筒に充填するための供給経路と、
前記吸着筒内の温度を監視する温度監視機構と、を備えることを特徴とするアセチレンの製造装置。 - 前記アセチレン精製部が、直列に配設された2以上の前記吸着筒と、不純物成分濃度の計測が可能な不純物監視機構と、を備え、
直列に配設された前記吸着筒間に、前記不純物監視機構が配設されていることを特徴とする請求項1に記載のアセチレンの製造装置。 - アセチレン発生部によって生成された粗アセチレンガスをアセチレン精製部によって精製する請求項1又は2に記載のアセチレンの製造装置を用いたアセチレンの製造方法であって、
前記吸着筒から前記吸着剤が吸着した成分を脱着させる第1の過程と、
精製アセチレンを前記吸着筒に充填する第2の過程と、を備え、
前記第2の過程において、前記吸着筒内の温度を監視し、
当該吸着筒内の温度が所定の温度に到達した際に、精製アセチレンの当該吸着筒内への充填量を制御することを特徴とするアセチレンの製造方法。 - 請求項2に記載のアセチレンの製造装置を用いたアセチレンの製造方法であって、
直列に配設された吸着筒間の不純物成分濃度を計測し、前記不純物成分が所定の濃度に到達した際に、直列に配設された吸着筒のうち上流側の吸着筒による水素化物ガスの除去を完了し、下流側の吸着筒による水素化物ガスの除去を開始することを特徴とするアセチレンの製造方法。
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