JP2011196512A - 車両の動力伝達制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダブルクラッチトランスミッションを用いた車両の動力伝達制御装置において、キックダウンの開始前において、選択クラッチ(動力伝達に使用されている方のクラッチ)のクラッチトルクを適切に設定すること。
【解決手段】キックダウン開始前(t1以前)において、選択クラッチのクラッチトルクTc1がキックダウン時推定トルクに調整される。このトルクは、キックダウン時アクセル開度と現在のエンジン回転速度とに基づいて決定される。キックダウン時アクセル開度は、キックダウンが開始されるときのアクセル開度であり、変速マップにおける現在の変速段と「現在の変速段より1段だけ低速側の変速段」との境界に対応する、現在車速に対するアクセル開度である。アクセル開度の増大に起因して、選択入力軸の回転速度Ni1に対してエンジン回転速度NEが増大していくとき、キックダウンが開始される。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両の動力伝達制御装置に関する。

従来より、特許文献1等に記載のように、車両のエンジンから動力が入力される第1、第2入力軸と、車両の駆動輪へ動力を出力する出力軸と、全変速段のうちの一部(例えば、1速を含む複数の奇数段)の何れか1つを選択的に確立して第1入力軸と出力軸との間で動力伝達系統を形成する第1機構部と、全変速段のうちの残り(例えば、2速を含む複数の偶数段)の何れか1つを選択的に確立して第2入力軸と出力軸との間で動力伝達系統を形成する第2機構部と、を備えた変速機が知られている。

この変速機には、エンジンの出力軸と第1入力軸との間の動力伝達系統を形成する接合状態又は動力伝達系統を遮断する分断状態を選択的に達成する第1クラッチと、エンジンの出力軸と第2入力軸との間の動力伝達系統を形成する接合状態又は動力伝達系統を遮断する分断状態を選択的に達成する第2クラッチと、が組み合わされる。このような組み合わせにより得られる機構は、「ダブルクラッチトランスミッション」(以下、「DCT」とも呼ぶ。)とも呼ばれる。第1、第2クラッチは、接合状態において、クラッチストロークを調整することで、伝達可能な最大トルク(クラッチトルク)を調整可能に構成されている。以下、第1クラッチ、第1入力軸、及び第1機構部で構成される系統を「第1系統」と呼び、第2クラッチ、第2入力軸、及び第2機構部で構成される系統を「第2系統」と呼ぶ。

DCTの制御に際し、通常、「車両の速度(車速)及びアクセル開度の組み合わせ」と「達成すべき変速機の変速段」との関係を予め定めた変速マップが導入される。現在の車速及び現在のアクセル開度と変速マップとに基づいて、達成すべき1つの変速段(以下、「選択変速段」と呼ぶ。)が選択される。以下、第1、第2機構部、第1、第2クラッチ、第1、第2入力軸、第1、第2系統のうちで、選択変速段に対応する方をそれぞれ、「選択機構部」、「選択クラッチ」、「選択入力軸」、「選択系統」と呼び、選択変速段に対応しない方をそれぞれ、「非選択機構部」、「非選択クラッチ」、「非選択入力軸」、「非選択系統」と呼ぶ。

選択変速段が選択されると、選択機構部において選択変速段が確立された状態で選択クラッチが接合状態に制御され、非選択クラッチが分断状態に制御される。これにより、エンジンの出力軸と変速機の出力軸との間で、選択系統を介して選択変速段の減速比を有する動力伝達系統が形成される。この動力伝達系統を介してエンジンの駆動トルク(エンジントルク)が駆動輪に伝達され、車両が加速され得る。

他方、非選択系統では、非選択クラッチが分断状態となっている。従って、次に選択される(であろう)変速段が確立された状態で非選択機構部を待機させておくことができる。このことを利用すれば、第1、第2系統間において選択系統と非選択系統とが入れ替わる変速作動(変速段を高速側に変更するシフトアップ、或いは、低速側に変更するシフトダウン)がなされる場合において、第1、第2クラッチについて「接合状態にあったクラッチを分断状態に変更する作動」と「分断状態にあったクラッチを接合状態に変更する作動」とを同時期に実行することで、エンジントルクを変速機の出力軸(従って、駆動輪)に対して途切れなく伝達し続けることができる。この結果、変速ショックが低減され得る。

特開2010−48416号公報

ところで、車両走行中において、アクセル開度が大きく増大されると、変速マップにより選択される選択変速段が現在の変速段から現在の変速段よりも低速側の変速段に変更され得る。この場合に実行されるシフトダウンは、特に「キックダウン」とも呼ばれる。キックダウンでは、変速ショックを低減するため、接合状態にあったクラッチのクラッチトルクをエンジントルク未満に調整して、或いは、そのクラッチを分断状態(クラッチトルク=0)に制御して、エンジン回転速度が前記低速側の変速段に対応する回転速度まで増大される。以下、キックダウンの開始前において、選択クラッチ(接合状態にあるクラッチ)のクラッチトルクをどのように設定するかについて考察する。

先ず、第1に、キックダウン開始前において、選択クラッチのクラッチトルクがエンジントルクの最大値よりも十分に大きい一定値(以下、「完全接合値」)で維持される場合が考えられる。以下、この場合について、図7を参照しながら検討する。

図7では、キックダウンの開始時刻である時刻t1以前において、第1、第2系統がそれぞれ選択系統、非選択系統に設定されている。また、選択クラッチである第1クラッチのクラッチトルク(第1クラッチトルク)が完全接合値で一定に維持され、非選択クラッチである第2クラッチのクラッチトルク(第2クラッチトルク)がゼロに維持されている。また、第1クラッチトルクがエンジントルクよりも大きいことにより、第1クラッチに滑りが発生していない。従って、第1入力軸回転速度がエンジン回転速度(=現在の変速段と車速とに対応する回転速度)と一致している。加えて、非選択機構部である第2機構部が「次に選択される現在の変速段よりも1段だけ低速側の変速段」が確立された状態で待機していることにより、第2入力軸回転速度が「現在の変速段よりも1段だけ低速側の変速段」と車速とに対応する回転速度と一致している。この状態にて、時刻t1にて、アクセル開度が大きく増大されることでキックダウンが開始されている。

時刻t1以降、第1クラッチトルクが完全接合値からエンジントルク未満の或る値まで減少される。この値は、ゼロであってもよい。これにより、第1クラッチに滑りが発生し、エンジン回転速度が第1入力軸回転速度から第2入力軸回転速度に向けて増大していく。エンジン回転速度が第2入力軸回転速度に達した後、第1クラッチトルクがゼロまで減少され、一方、第2クラッチトルクがゼロからエンジントルクよりも大きい値まで増大される。これにより、キックダウンが完了する。

この場合、完全接合値が十分に大きい値であることに起因して、選択クラッチのクラッチトルクを完全接合値からエンジントルク未満の或る値(或いは、ゼロ)まで減少させるために選択クラッチのクラッチストロークを大きく変更する必要がある。このため、選択クラッチのクラッチトルクを完全接合値からエンジントルク未満の或る値(或いは、ゼロ)まで減少させるのに比較的長い時間が必要となる。この結果、キックダウンの開始から完了までに要する時間が比較的長くなるという問題が発生し得る。

第2に、キックダウン開始前において、選択クラッチのクラッチトルクがエンジントルクに対して一定値だけ大きい値に常時調整される場合が考えられる。以下、この場合について、図8を参照しながら検討する。図8に示した状況は、キックダウンの開始時刻である時刻t1以前において、第1クラッチトルクがエンジントルクの減少に伴って時々刻々と減少している点において、図7に示した状況(第1クラッチトルクがエンジントルクの減少にもかかわらず完全接合値で一定に維持される)と相違する。

この場合、キックダウン開始前(時刻t1以前)において、エンジントルクの変動に応答して選択クラッチのクラッチストロークを頻繁に変更する必要がある。このため、選択クラッチのクラッチストロークを調整するアクチュエータの耐久性が低下し易くなるという問題が発生し得る。

以上のことを鑑み、本発明の目的は、DCTを用いた車両の動力伝達制御装置において、キックダウンの開始前において、選択クラッチ(動力伝達に使用されている方のクラッチ)のクラッチトルクを適切に設定し得るものを提供することにある。

本発明に係る車両の動力伝達制御装置は、車両の駆動源(E/G)から動力が入力される第1入力軸(Ai1)と、前記駆動源から動力が入力される第2入力軸(Ai2)と、前記車両の駆動輪へ動力を出力する出力軸(AO)と、複数の全変速段のうちの一部である「第1グループの1つ又は複数の変速段」の何れか1つを選択的に確立して前記第1入力軸と前記出力軸との間で動力伝達系統を形成する第1機構部(M1)と、前記全変速段のうちの残りである「第2グループの1つ又は複数の変速段」の何れか1つを選択的に確立して前記第2入力軸と前記出力軸との間で動力伝達系統を形成する第2機構部(M2)と、を備えた変速機(T/M)を備える。ここにおいて、前記第1グループの複数の変速段としては、1速を含む複数の奇数段が備えられ、前記第2グループの複数の変速段としては、2速を含む複数の偶数段が備えられることが好適である。

また、この動力伝達制御装置は、前記駆動源の出力軸と前記第1入力軸との間の動力伝達系統を形成する接合状態又は前記動力伝達系統を遮断する分断状態を選択的に達成するとともに前記接合状態において伝達可能な最大トルクであるクラッチトルクを調整可能な第1クラッチ(C1)と、前記駆動源の出力軸と前記第2入力軸との間の動力伝達系統を形成する接合状態又は前記動力伝達系統を遮断する分断状態を選択的に達成するとともに前記接合状態において伝達可能な最大トルクであるクラッチトルクを調整可能な第2クラッチ(C2)とを備える。即ち、この動力伝達制御装置は、DCTを用いた動力伝達制御装置である。

この動力伝達制御装置は、前記車両の速度、及び前記車両の運転者により操作される加速操作部材の操作量である加速操作量と、前記変速機の変速段と、の関係を予め規定する変速マップを記憶する記憶手段(ECU)を備える。また、この動力伝達制御装置は、現在の前記車両の速度及び現在の前記加速操作量と前記変速マップとに基づいて1つの変速段を選択変速段として選択し、前記選択機構部を制御して前記選択変速段が確立された状態で前記選択クラッチを制御して前記選択クラッチを前記接合状態に制御し、前記非選択クラッチを制御して前記非選択クラッチを前記分断状態に制御する制御手段(ECU)を備える。

この動力伝達制御装置の特徴は、前記制御手段が、現在の前記車両の速度と前記変速マップとに基づいて、前記加速操作量の増大に基づいて前記選択変速段を現在の変速段から前記現在の変速段より1段若しくは複数段だけ低速側の変速段(キックダウン時変速段)に変更するキックダウンが開始されるときの前記駆動源の出力軸の駆動トルクをキックダウン時推定トルクとして推定する推定手段と、前記キックダウン時推定トルクに基づいて現在の前記選択クラッチの前記クラッチトルクを調整する調整手段と、を備えたこと、並びに、前記制御手段が、現在の前記選択クラッチの前記クラッチトルクが前記調整手段により調整されている状態において、前記加速操作量の増大に基づいて「選択入力軸の回転速度に対して前記駆動源の出力軸の回転速度が増大していく傾向」が検出されたことに基づいて、前記キックダウンを開始するように構成されたことにある。

ここにおいて、前記キックダウン時推定トルクは、現在の前記車両の速度に対する、前記変速マップから得られる前記キックダウン時変速段に対応する前記加速操作量の範囲の下限値(キックダウン時加速操作量)と、現在の前記駆動源の出力軸の回転速度(或いは、現在の車両の速度、及び現在の選択変速段)と、に基づいて推定され得る。また、前記調整手段は、現在の前記選択クラッチの前記クラッチトルクを、前記キックダウン時推定トルクと等しい値に調整してもよいし、前記キックダウン時推定トルクよりも正の所定値だけ大きい値に調整してもよい。また、「選択入力軸の回転速度に対して前記駆動源の出力軸の回転速度が増大していく傾向」は、前記駆動源の出力軸の回転速度から前記選択入力軸の回転速度を減じて得られる回転速度偏差が正の所定値を超えたことに基づいて検出され得る。

図7、図8を参照しながら説明した従来の例では、加速操作量の増大により、変速マップに基づく選択変速段が現在の変速段から「現在の変速段よりも低速側の変速段」に変更されることに基づいて、キックダウンが開始されていた。これに対し、上記構成によれば、加速操作量の増大により「選択入力軸の回転速度に対して前記駆動源の出力軸の回転速度が増大していく傾向」が検出されたことに基づいて、キックダウンが開始される。即ち、加速操作量の増大により、駆動源の出力軸の駆動トルクがキックダウン時推定トルクを超えて選択クラッチに滑りが発生したことに基づいて、キックダウンが開始される。

これによれば、キックダウン時推定トルクが完全接合値よりも十分に小さい値に決定されることに起因して、キックダウンに際して変更される選択クラッチのクラッチストロークの大きさが図7に示した従来例に比して十分に小さくなる。従って、図7に示した従来例に比して、選択クラッチのクラッチトルクの変更に要する時間が短くなり、ひいては、キックダウンの開始から完了までに要する時間を短くすることができる。

加えて、キックダウン時推定トルクをエンジントルクの変動等に起因して変化し難いように決定することにより、キックダウン開始前において、選択クラッチのクラッチストロークを頻繁に変更する必要がなくなる。従って、図8に示した従来例に比して、選択クラッチのクラッチストロークを調整するアクチュエータの耐久性の低下が抑制され得る。

キックダウン時推定トルクをエンジントルクの変動等に起因して変化し難いように決定するためには、具体的には、例えば、前記変速マップにおいて、前記キックダウン時加速操作量が前記車両の速度の変化に対して一定となる部分が存在するように構成されることが好適である。加えて、前記キックダウン時推定トルクが、前記駆動源の出力軸の回転速度の変化に対する前記キックダウン時推定トルクの変化の度合よりも前記キックダウン時加速操作量の変化に対する前記キックダウン時推定トルクの変化の度合が大きくなるように推定されることが好適である。これらについては後に詳述する。

本発明の実施形態に係る動力伝達制御装置を示した模式図である。 図1に示したクラッチについてのクラッチストロークとクラッチトルクとの関係を示したグラフである。 図1に示したECUが参照する、「車速とアクセル開度の組み合わせ」と「達成すべき変速機の変速段」との関係を予め定めた変速マップを示したグラフである。 図1に示したECUにより実行されるキックダウンに関わる処理の流れを示したフローチャートである。 本発明の実施形態に係る動力伝達制御装置によりキックダウンがなされる場合の一例を示したタイムチャートである。 図1に示したECUが参照する、「現在車速とキックダウン時アクセル開度の組み合わせ」とキックダウン時推定トルクとの関係を予め定めたトルク推定マップを示したグラフである。 従来の動力伝達制御装置によりキックダウンがなされる場合の一例を示したタイムチャートである。 従来の他の動力伝達制御装置によりキックダウンがなされる場合の一例を示したタイムチャートである。

以下、本発明の実施形態に係る車両の動力伝達制御装置(本装置)について図面を参照しつつ説明する。本装置は、変速機T/Mと、第1クラッチC1と、第2クラッチC2と、ECUとを備えている。この変速機T/Mは、車両前進用に6つの変速段(1速〜6速)、及び、車両後進用に1つの変速段(リバース)を備えている。

変速機T/Mは、第1入力軸Ai1と、第2入力軸Ai2と、出力軸AOと、第1機構部M1と、第2機構部M2とを備える。第1、第2入力軸Ai1,Ai2は、同軸的且つ相対回転可能に、ケース(図示せず)に支持されている。出力軸AOは、第1、第2入力軸Ai1,Ai2からずれた位置で第1、第2入力軸Ai1,Ai2と平行にケースに支持されている。

第1入力軸Ai1は、第1クラッチC1を介して車両の駆動源であるエンジンE/Gの出力軸AEと接続されている。同様に、第2入力軸Ai1は、第2クラッチC2を介してエンジンE/Gの出力軸AEと接続されている。出力軸AOは、車両の駆動輪と動力伝達可能に接続されている。

第1機構部M1は、互いに常時噛合する1速の駆動ギヤG1i及び1速の被動ギヤG1oと、互いに常時噛合する3速の駆動ギヤG3i及び3速の被動ギヤG3oと、互いに常時噛合する5速の駆動ギヤG5i及び5速の被動ギヤG5oと、互いに常時噛合しないリバースの駆動ギヤGRi及びリバースの被動ギヤGRoと、駆動ギヤGRi及び被動ギヤGRoとそれぞれ常時噛合するリバースアイドルギヤGRdと、スリーブS1,S2とを備える。スリーブS1,S2はそれぞれ、スリーブアクチュエータAS1,AS2により駆動される。

駆動ギヤG1i,G3i,G5i,GRiのうち、G1i,GRiは第1入力軸Ai1に一体回転するように固定され、G3i,G5iは第1入力軸Ai1に相対回転可能に支持されている。被動ギヤG1o,G3o,G5o,GRoのうち、G1o,GRoは出力軸AOに相対回転可能に支持され、G3o,G5oは出力軸AOに一体回転するように固定されている。

スリーブS1は、出力軸AOと一体回転するハブに対して軸方向に移動可能に常時スプライン嵌合している。スリーブS1が図1に示す位置(非接続位置)にある場合、スリーブS1は、被動ギヤG1oと一体回転する1速ピース、及び、被動ギヤGRoと一体回転するリバースピースに対して共にスプライン嵌合しない。スリーブS1が非接続位置より左側の位置(1速位置)に移動すると、スリーブS1が1速ピースに対してスプライン嵌合し、右側の位置(リバース位置)に移動すると、スリーブS1がリバースピースに対してスプライン嵌合する。

スリーブS2は、第1入力軸Ai1と一体回転するハブに対して軸方向に移動可能に常時スプライン嵌合している。スリーブS2が図1に示す位置(非接続位置)にある場合、スリーブS2は、駆動ギヤG3iと一体回転する3速ピース、及び、駆動ギヤG5iと一体回転する5速ピースに対して共にスプライン嵌合しない。スリーブS2が非接続位置より左側の位置(3速位置)に移動すると、スリーブS2が3速ピースに対してスプライン嵌合し、右側の位置(5速位置)に移動すると、スリーブS2が5速ピースに対してスプライン嵌合する。

以上より、第1機構部M1では、スリーブS1,S2を共に非接続位置に調整すると、第1入力軸Ai1と出力軸AOとの間で動力伝達系統が形成されないニュートラル状態が得られる。ニュートラル状態においてスリーブS1が1速位置へ移動すると、1速の減速比を有する動力伝達系統が形成され(1速が確立され)、ニュートラル状態においてスリーブS1がリバース位置へ移動すると、リバースの減速比を有する動力伝達系統が形成される(リバースが確立される)。ニュートラル状態においてスリーブS2が3速位置へ移動すると、3速の減速比を有する動力伝達系統が形成され(3速が確立され)、ニュートラル状態においてスリーブS2が5速位置へ移動すると、5速の減速比を有する動力伝達系統が形成される(5速が確立される)。

第2機構部M2は、互いに常時噛合する2速の駆動ギヤG2i及び2速の被動ギヤG2oと、互いに常時噛合する4速の駆動ギヤG4i及び4速の被動ギヤG4oと、互いに常時噛合する6速の駆動ギヤG6i及び6速の被動ギヤG6oと、スリーブS3,S4とを備える。スリーブS3,S4はそれぞれ、スリーブアクチュエータAS3,AS4により駆動される。

駆動ギヤG2i,G4i,G6iは全て、第2入力軸Ai2に一体回転するように固定されている。被動ギヤG2o,G4o,G6oは全て、出力軸AOに相対回転可能に支持されている。

スリーブS3は、出力軸AOと一体回転するハブに対して軸方向に移動可能に常時スプライン嵌合している。スリーブS3が図1に示す位置(非接続位置)にある場合、スリーブS3は、被動ギヤG2oと一体回転する2速ピース、及び、被動ギヤG4oと一体回転する4速ピースに対して共にスプライン嵌合しない。スリーブS3が非接続位置より右側の位置(2速位置)に移動すると、スリーブS3が2速ピースに対してスプライン嵌合し、左側の位置(4速位置)に移動すると、スリーブS3が4速ピースに対してスプライン嵌合する。

スリーブS4は、出力軸AOと一体回転するハブに対して軸方向に移動可能に常時スプライン嵌合している。スリーブS4が図1に示す位置(非接続位置)にある場合、スリーブS4は、被動ギヤG6oと一体回転する6速ピースに対してスプライン嵌合しない。スリーブS4が非接続位置より右側の位置(6速位置)に移動すると、スリーブS4が6速ピースに対してスプライン嵌合する。

以上より、第2機構部M2では、スリーブS3,S4を共に非接続位置に調整すると、第2入力軸Ai2と出力軸AOとの間で動力伝達系統が形成されないニュートラル状態が得られる。ニュートラル状態においてスリーブS3が2速位置へ移動すると、2速の減速比を有する動力伝達系統が形成され(2速が確立され)、ニュートラル状態においてスリーブS3が4速位置へ移動すると、4速の減速比を有する動力伝達系統が形成される(4速が確立される)。ニュートラル状態においてスリーブS4が6速位置へ移動すると、6速の減速比を有する動力伝達系統が形成される(6速が確立される)。

第1、第2クラッチC1,C2は、同軸的且つ軸方向に直列に配置構成されている。第1クラッチC1のクラッチストロークSt1は、クラッチアクチュエータAC1により調整される。図2に示すように、クラッチストロークSt1を調整することで、第1クラッチC1が伝達可能な最大トルク(第1クラッチトルクTc1)が調整され得る。「Tc1=0」の状態では、エンジンE/Gの出力軸AEと第1入力軸Ai1との間で動力伝達系統が形成されない。この状態を「分断状態」と呼ぶ。また、「Tc1>0」の状態では、エンジンE/Gの出力軸AEと第1入力軸Ai1との間で動力伝達系統が形成される。この状態を「接合状態」と呼ぶ。なお、クラッチストロークとは、クラッチアクチュエータにより駆動される摩擦部材の原位置(クラッチストローク=0)からの圧着方向(クラッチトルクの増大方向)への移動量を意味する。

同様に、第2クラッチC2のクラッチストロークSt2は、クラッチアクチュエータAC2により調整される。図2に示すように、クラッチストロークSt2を調整することで、第2クラッチC2が伝達可能な最大トルク(第2クラッチトルクTc2)が調整され得る。第2クラッチC2についても、第1クラッチC1と同様に、「分断状態」及び「接合状態」が定義される。具体的には、クラッチトルクは以下のように調整される。先ず、クラッチストロークとクラッチトルクとの関係(ストローク−トルク特性)を規定するマップ(図2を参照)と達成すべき(目標)クラッチトルクとに基づいて、目標クラッチストロークが決定される。実際のクラッチストロークがこの目標クラッチストロークと一致するようにクラッチアクチュエータが制御される。これにより、実際のクラッチトルクが目標クラッチトルクと一致するように調整される。

また、本装置は、車両の車輪の車輪速度を検出する車輪速度センサV1と、アクセルペダルAPの操作量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサV2と、シフトレバーSFの位置を検出するシフト位置センサV3と、を備えている。

更に、本装置は、電子制御ユニットECUを備えている。ECUは、上述のセンサV1〜V3からの情報等に基づいて、クラッチアクチュエータAC1,AC2、並びにスリーブアクチュエータAS1〜AS4を制御することで、変速機T/Mの変速段、及び第1、第2クラッチC1,C2の状態を制御する。以上、本装置は、ダブルクラッチトランスミッション(DCT)を用いた動力伝達装置である。

(通常の制御)
本装置では、ECU内のROM(図示せず)に記憶された図3に示す変速マップに基づいて変速機T/Mの変速段が決定される。より具体的には、本装置では、車輪速度センサV1から得られる車輪速度に基づいて算出される車速と、アクセル開度センサV2から得られるアクセル開度との組み合わせが、変速マップ上におけるどの変速段の領域に対応するかにより、達成すべき1つの変速段(以下、「選択変速段」と呼ぶ。)が選択される。例えば、現在の車速がαで現在のアクセル開度がβ1である場合(図3に示す黒点を参照)、選択変速段として「3速」が選択される。なお、図3に示す変速マップは、車速とアクセル開度との組み合わせに対して最適な変速段を適合する実験を、前記組み合わせを種々変更しながら繰り返し行うことにより取得され得る。

以下、説明の便宜上、第1クラッチC1、第1入力軸Ai1、及び第1機構部M1で構成される系統を「第1系統」と呼び、第2クラッチC2、第2入力軸Ai2、及び第2機構部M2で構成される系統を「第2系統」と呼ぶ。また、第1、第2機構部M1,M2、第1、第2クラッチC1,C2、第1、第2入力軸Ai1,Ai2、第1、第2系統のうちで、選択変速段に対応する方をそれぞれ、「選択機構部」、「選択クラッチ」、「選択入力軸」、「選択系統」と呼び、選択変速段に対応しない方をそれぞれ、「非選択機構部」、「非選択クラッチ」、「非選択入力軸」、「非選択系統」と呼ぶ。

上述したように、この変速機T/Mでは、第1機構部M1にて1速を含む奇数段(1速、3速、5速)が選択的に確立され得、第2機構部M2にて2速を含む偶数段(2速、4速、6速)が選択的に確立され得る。従って、選択変速段が現在の変速段から現在の変速段より1段だけ高速側の変速段へ変更(シフトアップ)される毎に、或いは、選択変速段が現在の変速段から現在の変速段より1段だけ低速側の変速段へ変更(シフトダウン)される毎に、第1、第2系統間において選択系統と非選択系統とが入れ替わる。

変速マップにより選択変速段が選択されると、選択機構部において選択変速段が確立された状態で選択クラッチが接合状態に制御され、非選択クラッチが分断状態に制御される。接合状態にある選択クラッチのクラッチトルクは、エンジンE/Gの駆動トルク(エンジントルク)よりも大きい範囲内(即ち、選択クラッチに滑りが発生しない範囲内)において任意の値に設定され得る。例えば、接合状態にある選択クラッチのクラッチトルクは、上述した完全接合値に設定されてもよいし(図7を参照)、エンジントルクに対して一定値だけ大きい値に調整されてもよいし(図8を参照)、後述するキックダウン時推定トルクに調整されてもよい(後述する図5を参照)。

これにより、エンジンE/Gの出力軸AEと変速機T/Mの出力軸AOとの間で、選択系統を介して選択変速段の減速比を有する動力伝達系統が形成される。従って、選択系統を介してエンジントルクが駆動輪に伝達され得る。

他方、非選択系統では、非選択クラッチが分断状態(クラッチトルク=0)となっている。従って、次に選択変速段となる変速段(具体的には、現在の選択変速段よりも1段だけ高速側又は低速側の変速段)が確立された状態で非選択機構部を待機させておくことができる。具体的には、例えば、現在の選択変速段が「3速」の場合(即ち、第1機構部M1が選択機構部となる場合)、非選択機構部である第2機構部M2を「4速」又は「2速」が確立した状態で待機させておくことができる。

本装置では、周知の手法の1つにより、現在までの車両の運転状態の推移(例えば、車速の推移、エンジントルクの推移、アクセル開度の推移等)に基づいて、シフトアップ及びシフトダウンの何れが次になされるかが予測される。そして、シフトアップがなされると予測される場合、非選択機構部が「現在の選択変速段よりも1段だけ高速側の変速段が確立された状態」で待機させられる。シフトダウンがなされると予測される場合、非選択機構部が「現在の選択変速段よりも1段だけ低速側の変速段が確立された状態」で待機させられる。

加えて、本装置では、車両の状態(車速とアクセル開度の組み合わせ)の変化により選択変速段が変更される場合、即ち、シフトアップ又はシフトダウンがなされる場合において、第1、第2クラッチ間で選択クラッチと非選択クラッチを入れ替える作動(即ち、「接合状態にあったクラッチを分断状態に変更する作動」と「分断状態にあったクラッチを接合状態に変更する作動」)が同時期に実行される。これにより、シフトアップ又はシフトダウンがなされる場合において、エンジントルクが変速機T/Mの出力軸AE(従って、駆動輪)に対して途切れなく伝達され得る。この結果、変速ショックが低減され得る。以上、本装置による通常の制御について説明した。

(キックダウン時の制御)
次に、キックダウン時の制御について説明する。キックダウンとは、アクセル開度が大きく増大されることに起因して、変速マップ(図3を参照)により選択される選択変速段が現在の変速段から現在の変速段よりも低速側の変速段に変更される場合において実行されるシフトダウンを指す。以下、キックダウンがなされる場合における本装置の制御について、図4に示すフローチャート、並びに、図5に示すタイムチャートを参照しながら説明する。図5において、NEはエンジンE/Gの出力軸AEの回転速度であり、Ni1,Ni2はそれぞれ、第1、第2入力軸Ai1,Ai2の回転速度であり、Teはエンジントルクであり、Tc1,Tc2はそれぞれ、第1、第2クラッチトルクである。なお、NE,Ni1,Ni2,Teはそれぞれ図示しないセンサからの情報に基づいて検出され得る。

本装置(ECU)では、先ず、ステップ405にて、前提条件が成立しているか否かが判定され、「No」と判定される場合、この処理が終了する。この前提条件は、例えば、周知の手法の1つにより、現在までの車両の運転状態の推移(例えば、車速の推移、エンジントルクの推移、アクセル開度の推移等)に基づいて、キックダウン(アクセル開度の増大に起因するシフトダウン)が次になされると予測される場合に成立する。

前提条件が成立していると(ステップ405にて「Yes」)、ステップ410にて、現在の車速と、現在の選択変速段と、変速マップ(図3を参照)とに基づいて、「キックダウン時アクセル開度」が取得される。キックダウン時アクセル開度とは、現在の車速に対する、「キックダウン時変速段」に対応する「変速マップから得られるアクセル開度の範囲」の下限値である。キックダウン時変速段とは、本例では、現在の選択変速段より1段だけ低速側の変速段に設定される。

具体的には、例えば、現在の車速がαで現在のアクセル開度がβ1であることにより選択変速段として「3速」が選択されている場合(図3に示す黒点を参照)、キックダウン時変速段は「2速」に設定される。従って、キックダウン時アクセル開度は、現在車速αに対する、「2速」に対応するアクセル開度の範囲H(図3を参照)の下限値β2(図3に示す白点を参照)に設定される。

続いて、ステップ415では、現在のエンジン回転速度と、キックダウン時アクセル開度と、図6に示すトルク推定マップとに基づいて、「キックダウン時推定トルク」が取得される。キックダウン時推定トルクとは、後にキックダウンが開始されるときのエンジントルクの推定値であり、より具体的には、現在のエンジン回転速度と、キックダウン時アクセル開度と、から推定されるエンジントルクである。

具体的には、例えば、図3に示すように現在車速がαでキックダウン時アクセル開度がβ2であり、且つ、現在のエンジン回転速度がNE1である場合、図6に示すように、キックダウン時推定トルクは、γ(図6に示す黒点を参照)に設定される。なお、NE1は、現在車速αと、現在の選択変速段である「3速」の減速比とに基づいて算出され得る。また、図6に示すトルク推定マップは、エンジン回転速度とアクセル開度との組み合わせに対してエンジントルクを計測する実験を、前記組み合わせを種々変更しながら繰り返し行うことにより取得され得る。

次いで、ステップ420では、選択クラッチのクラッチアクチュエータを制御して、選択クラッチのクラッチトルクがキックダウン時推定トルクと等しい値に調整される。

図5に示す例では、キックダウンの開始時刻である時刻t1以前において、第1、第2系統がそれぞれ選択系統、非選択系統に設定されている。また、上述した前提条件の成立により(ステップ405にて「Yes」)、ステップ420が実行されたことにより、選択クラッチである第1クラッチC1のクラッチトルク(第1クラッチトルクTc1)が、キックダウン時推定トルクに調整されている。また、非選択クラッチである第2クラッチC2のクラッチトルク(第2クラッチトルクTc2)がゼロに維持されている。また、第1クラッチトルクTc1(=キックダウン時推定トルク)がエンジントルクよりも大きいことにより、第1クラッチC1に滑りが発生していない。従って、第1入力軸回転速度Ni1がエンジン回転速度NE(=現在の変速段と車速とに対応する回転速度)と一致している。加えて、非選択機構部である第2機構部M2が「次に選択される現在の変速段よりも1段だけ低速側の変速段」が確立された状態で待機していることにより、第2入力軸回転速度Ni2が「現在の変速段よりも1段だけ低速側の変速段」と車速とに対応する回転速度と一致している。

このように、選択クラッチのクラッチトルクがキックダウン時推定トルクに調整されている状態において、ステップ420に続くステップ425では、選択入力軸の回転速度に対してエンジン回転速度NEが増大していく傾向があるか否かが判定され、「No」と判定される場合、この処理が終了する。

この傾向は、アクセル開度の増大により、エンジントルクが選択クラッチのクラッチトルク(=キックダウン時推定トルク)を超えて選択クラッチに滑りが発生したことに基づいて発生する。本例では、この傾向が、エンジン回転速度から選択入力軸の回転速度を減じて得られる回転速度偏差が正の所定値N1を超えたことに基づいて検出される。

この傾向が検出されると(ステップ425にて「Yes」)、ステップ430にて、キックダウンのための処理が開始される。

図5に示す例では、時刻t1の直前にて、アクセル開度が大きく増大されることにより、エンジントルクTeが増大している。これにより、エンジントルクTeが第1クラッチトルクTc1(=キックダウン時推定トルク)を超えて第1クラッチC1に滑りが発生している。従って、エンジン回転速度NEが時刻t1の直前から第1入力軸Ai1の回転速度Ni1に対して増大していき、時刻t1にて、回転速度偏差が所定値N1に達している。このことに基づいて、時刻t1にて、キックダウンのための処理が開始されている。

時刻t1以降の処理は、上述した図7、図8に示した例の場合と同様である。即ち、先ず、第1クラッチトルクTc1がキックダウン時推定トルクより小さい或る値(エンジントルク未満)まで減少される。この値は、ゼロであってもよい。そして、エンジン回転速度NEが第2入力軸回転速度Ni2に達した後、第1クラッチトルクTc1がゼロまで減少され、一方、第2クラッチトルクTc2がゼロからエンジントルクTeよりも大きい値まで増大される。これにより、キックダウンのための処理が完了する。

(作用・効果)
次に、本装置により実行されるキックダウン時の制御による作用・効果について説明する。

本装置では、キックダウンの開始前において、選択クラッチのクラッチトルクがキックダウン時推定トルクに調整される(図4のステップ420を参照)。ここで、キックダウン時推定トルクは、上述した完全接合値よりも十分に小さい。従って、キックダウンに際して変更される選択クラッチのクラッチストロークの大きさが図7に示した従来例に比して十分に小さくなる。従って、図7に示した従来例に比して、選択クラッチのクラッチトルクの変更に要する時間が短くなり、ひいては、キックダウンの開始から完了までに要する時間を短くすることができる。

また、本装置が使用する変速マップ(図3を参照)では、隣接する変速段の境界線L1〜L5の何れにおいても、車速の変化に対してアクセル開度が一定となる部分が存在する。各境界線について、この部分のアクセル開度がキックダウン時アクセル開度として使用される。換言すれば、選択変速段がどの変速段であっても、キックダウン時アクセル開度が車速の変化に対して一定となる。

加えて、本装置が使用するトルク推定マップ(図6を参照)では、キックダウン時推定トルクは、キックダウン時アクセル開度には大きく依存する一方で、エンジン回転速度には殆ど依存していない。換言すれば、エンジン回転速度に対するキックダウン時推定トルクの変化の度合よりもキックダウン時アクセル開度の変化に対するキックダウン時推定トルクの変化の度合が大きい。

以上より、車速が変化してもキックダウン時アクセル開度が一定で推移するので、車速(従って、エンジン回転速度)が変化しても、キックダウン時推定トルクが略一定で推移する。即ち、キックダウン時推定トルクがエンジントルクの変動等に起因して変化し難い。図5に示す例では、キックダウン開始前である時刻t1以前において、エンジントルクTeが減少しているにもかかわらず、第1クラッチトルクTc1(=キックダウン時推定トルク)が変化していない。この結果、キックダウン開始前において、選択クラッチのクラッチストロークを頻繁に変更する必要がなくなる。従って、図8に示した従来例に比して、選択クラッチのクラッチストロークを調整するアクチュエータの耐久性の低下が抑制され得る。

本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態では、図4のステップ415に示すように、現在のエンジン回転速度と、キックダウン時アクセル開度と、トルク推定マップとからキックダウン時推定トルクが取得されているが、現在のエンジン回転速度を参照することなく、キックダウン時アクセル開度とトルク推定マップのみからキックダウン時推定トルクが取得されてもよい。この場合、トルク推定マップとしては、キックダウン時アクセル開度とトルク推定マップとの関係を規定するマップが使用される。

また、上記実施形態では、図4のステップ410にて、キックダウン時変速段が、現在の選択変速段より1段だけ低速側の変速段に設定されているが、現在の選択変速段より3段だけ低速側の変速段に設定されてもよい。

また、上記実施形態では、図4のステップ410にて、キックダウン時アクセル開度が、現在の車速に対する、「キックダウン時変速段」に対応する「変速マップから得られるアクセル開度の範囲」の下限値に設定されているが、前記下限値よりも所定値だけ大きい値に設定されてもよい。

また、上記実施形態では、図4のステップ420にて、選択クラッチのクラッチトルクがキックダウン時推定トルクと等しい値に調整されているが、選択クラッチのクラッチトルクがキックダウン時推定トルクよりも所定値だけ大きい値に調整されてもよい。

また、上記実施形態では、図4のステップ405に示すように、前提条件が成立している場合(即ち、キックダウンが次になされると予測される場合)にのみ、選択クラッチのクラッチトルクがキックダウン時推定トルクと等しい値に調整されているが、前提条件が成立しているか否かにかかわらず(即ち、シフトアップが次になされると予測される場合も含めて)、選択クラッチのクラッチトルクが常に、キックダウン時推定トルクに基づく値に調整されてもよい。

また、上記実施形態では、図4のステップ415にて、図6に示す1つのトルク推定マップ(エンジン回転速度及びキックダウン時アクセル開度からキックダウン時推定トルクを推定するマップ)を使用して、キックダウン時推定トルクが取得されているが、変速段毎に、車速及びキックダウン時アクセル開度からキックダウン時推定トルクを推定するマップを準備して、現在の選択変速段に対応するマップと、現在の車速と、キックダウン時アクセル開度とに基づいてキックダウン時推定トルクが取得されてもよい。

加えて、上記実施形態において、キックダウン開始前において選択クラッチのクラッチトルク実際値がキックダウン時推定トルクと一致している場合、選択入力軸の回転速度に対してエンジン回転速度が増大していく傾向が発生する時期と、キックダウン時推定トルクに対してエンジントルクが増大していく時期とが略一致する。換言すれば、上述した両時期が一致しないことは、キックダウン開始前において選択クラッチのクラッチトルク実際値がキックダウン時推定トルクと一致していないことを意味する。即ち、クラッチストロークとクラッチトルクとの実際の関係が図2に示す目標関係と一致していないことを意味する。係る不一致は、クラッチの摩耗等により発生し得る。

上述した両時期が一致しないことが検出された場合、この検出結果に基づいて、図2に示す目標関係を実際の関係と一致するように補正することができる。これにより、次回のキックダウン時において、選択入力軸の回転速度に対してエンジン回転速度が増大していく傾向が発生する時期と、キックダウン時推定トルクに対してエンジントルクが増大していく時期とを略一致させることができる。

T/M…手動変速機、E/G…エンジン、C1,C2…第1、第2クラッチ、Ai1,Ai2…第1、第2入力軸、AO…出力軸、M1,M2…第1、第2機構部、AC1,AC2…クラッチアクチュエータ、AS1〜AS4…スリーブアクチュエータ、V1…車輪速度センサ、V2…アクセル開度センサ、ECU…電子制御ユニット

Claims (7)

  1. 車両の駆動源から動力が入力される第1入力軸と、前記駆動源から動力が入力される第2入力軸と、前記車両の駆動輪へ動力を出力する出力軸と、複数の全変速段のうちの一部である第1グループの1つ又は複数の変速段の何れか1つを選択的に確立して前記第1入力軸と前記出力軸との間で動力伝達系統を形成する第1機構部と、前記全変速段のうちの残りである第2グループの1つ又は複数の変速段の何れか1つを選択的に確立して前記第2入力軸と前記出力軸との間で動力伝達系統を形成する第2機構部と、を備えた変速機と、
    前記駆動源の出力軸と前記第1入力軸との間の動力伝達系統を形成する接合状態又は前記動力伝達系統を遮断する分断状態を選択的に達成するとともに前記接合状態において伝達可能な最大トルクであるクラッチトルクを調整可能な第1クラッチと、
    前記駆動源の出力軸と前記第2入力軸との間の動力伝達系統を形成する接合状態又は前記動力伝達系統を遮断する分断状態を選択的に達成するとともに前記接合状態において伝達可能な最大トルクであるクラッチトルクを調整可能な第2クラッチと、
    前記車両の速度、及び前記車両の運転者により操作される加速操作部材の操作量である加速操作量と、前記変速機の変速段と、の関係を規定する変速マップを記憶する記憶手段と、
    現在の前記車両の速度及び現在の前記加速操作量と前記変速マップとに基づいて1つの変速段を選択変速段として選択し、前記第1、第2機構部のうちで前記選択変速段に対応する選択機構部を制御して前記選択変速段が確立された状態で前記第1、第2クラッチのうちで前記選択機構部に対応する選択クラッチを制御して前記選択クラッチを前記接合状態に制御し、前記選択クラッチと異なる非選択クラッチを制御して前記非選択クラッチを前記分断状態に制御する制御手段と、
    を備えた車両の動力伝達制御装置において、
    前記制御手段は、
    現在の前記車両の速度と前記変速マップとに基づいて、前記加速操作量の増大に基づいて前記選択変速段を現在の変速段から前記現在の変速段より1段若しくは複数段だけ低速側の変速段であるキックダウン時変速段に変更するキックダウンが開始されるときの前記駆動源の出力軸の駆動トルクをキックダウン時推定トルクとして推定する推定手段と、
    前記キックダウン時推定トルクに基づいて現在の前記選択クラッチの前記クラッチトルクを調整する調整手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    現在の前記選択クラッチの前記クラッチトルクが前記調整手段により調整されている状態において、前記加速操作量の増大に基づいて、前記第1、第2入力軸のうちで前記選択クラッチに対応する選択入力軸の回転速度に対して前記駆動源の出力軸の回転速度が増大していく傾向が検出されたことに基づいて、前記キックダウンを開始するように構成された車両の動力伝達制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記推定手段は、
    現在の前記車両の速度に対する、前記変速マップから得られる前記キックダウン時変速段に対応する前記加速操作量の範囲の下限値であるキックダウン時加速操作量と、現在の前記駆動源の出力軸の回転速度と、に基づいて、前記キックダウン時推定トルクを推定するように構成された車両の動力伝達制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記変速マップにおいて、前記キックダウン時加速操作量が前記車両の速度の変化に対して一定となる部分が存在するように構成された車両の動力伝達制御装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記推定手段は、
    前記駆動源の出力軸の回転速度の変化に対する前記キックダウン時推定トルクの変化の度合よりも前記キックダウン時加速操作量の変化に対する前記キックダウン時推定トルクの変化の度合が大きくなるように、前記キックダウン時推定トルクを推定するよう構成された車両の動力伝達制御装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記調整手段は、
    現在の前記選択クラッチの前記クラッチトルクを、前記キックダウン時推定トルクと等しい値に調整するように構成された車両の動力伝達制御装置。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記駆動源の出力軸の回転速度から前記選択入力軸の回転速度を減じて得られる回転速度偏差が正の所定値を超えたことに基づいて、前記キックダウンを開始するように構成された車両の動力伝達制御装置。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記変速機は、
    前記第1グループの複数の変速段として1速を含む複数の奇数段を備え、前記第2グループの複数の変速段として2速を含む複数の偶数段を備えた車両の動力伝達制御装置。
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