JP2011169229A - 圧縮機およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸受けの位置精度を向上する。
【解決手段】圧縮機構10とケーシング30と駆動回転軸25と軸受け27、28とを備え、ケーシング30は、駆動回転軸25と同軸状に延びる筒状部材31と、筒状部材31の開口端部を覆う蓋部材32とを有し、蓋部材32は、筒状部材31に対して全周溶接W1によって固定され、ケーシング30の外周面には、全周溶接W1による溶接ビード50が全周にわたって形成され、溶接ビード50は、溶接開始点301に溶接を重ねることによって形成されたオーバーラップ部501を有し、ケーシング30のうちオーバーラップ部501の反対側部位には、外部からの入熱によって変形した熱変形部302が形成され、熱変形部302は、オーバーラップ部501における溶接歪みと対称的に変形している。
【選択図】図4

Description

本発明は、圧縮機構をケーシング内に収容してなる圧縮機およびその製造方法に関する。
従来、この種の圧縮機が特許文献1に記載されている。この従来技術では、冷媒を圧縮するための圧縮機構と、圧縮機構を駆動する電動機(モータ)とをケーシング内に収容している。圧縮機構と電動機は駆動回転軸によって連結されている。ケーシングには、駆動回転軸を回転自在に支持する軸受けが固定されている。
ケーシングは、円筒状の胴部と、胴部の上下端部にそれぞれ溶接固定された椀状の蓋部とにより構成されている。
特開2008−215284号公報
上記従来技術による圧縮機の組み立て手順は次のようになる。(1)ケーシングの胴部内に圧縮機構、電動機、駆動回転軸および軸受けを組み付ける。(2)胴部の上下端部に蓋部を溶接固定する。
ここで本発明者は、胴部と蓋部とを全周溶接(360°溶接)することによってケーシングのシール性を確保することを検討した。さらに本発明者は、溶け込みが不安定な溶接開始点でのシール不良を防止するために、溶接終了点が溶接開始点を超えるように360°+αの溶接を行い、溶接開始点付近の溶接ビードに溶接終了点付近の溶接ビードをオーバーラップさせる(重ねる)ことを検討した。
しかしながら、溶接ビードをオーバーラップさせると、オーバーラップさせた部位ではケーシングへの入熱量が大きくなって溶接歪みが大きくなってしまう。このため、オーバーラップさせた部位のケーシング内径が他の部位の内径よりも小さくなってしまう(後述する図5(a)を参照)。
その結果、ケーシング内に組み付けられた軸受けが正規の位置からずれて駆動軸も正規の位置からずれてしまうので、作動信頼性が低下するという問題が生じてしまう。
本発明は上記点に鑑みて、軸受けの位置精度を向上することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、流体を圧縮する圧縮機構(10)と、
圧縮機構(10)を収容するケーシング(30)と、
圧縮機構(10)を駆動する駆動回転軸(25)と、
ケーシング(30)に対して駆動回転軸(25)を回転自在に支持する軸受け(27、28)とを備え、
ケーシング(30)は、駆動回転軸(25)と同軸状に延びる筒状部材(31)と、筒状部材(31)の開口端部を覆う蓋部材(32)とを有し、
蓋部材(32)は、筒状部材(31)に対して全周溶接(W1)によって固定され、
ケーシング(30)の外周面には、全周溶接(W1)による溶接ビード(50)が全周にわたって形成され、
溶接ビード(50)は、溶接開始点(301)に溶接を重ねることによって形成されたオーバーラップ部(501)を有し、
ケーシング(30)のうちオーバーラップ部(501)の反対側部位には、外部からの入熱によって変形した熱変形部(302)が形成され、
熱変形部(302)は、オーバーラップ部(501)における溶接歪みと対称的に変形していることを特徴とする。
これによると、ケーシング(30)のうちオーバーラップ部(501)の反対側部位に形成された熱変形部(302)が、オーバーラップ部(501)における溶接歪みと対称的に変形しているので、熱変形部(302)が形成されておらずケーシング(30)がオーバーラップ部(501)で非対称的に熱変形している場合と比較して軸受け(27、28)の位置精度を向上することができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の圧縮機において、反対側部位には、全周溶接(W1)に加えて追加溶接(W2)が行われることによって追加溶接ビード(51)が形成され、
熱変形部(302)は、追加溶接(W2)によって溶接歪みが生じた部位であることを特徴とする。
これによると、ケーシング(30)のうちオーバーラップ部(501)の反対側部位に追加溶接(W2)を行うといった簡便な手法によって熱変形部(302)を形成することができるので、圧縮機の製造を容易化できる。
請求項3に記載の発明では、流体を圧縮する圧縮機構(10)と、
圧縮機構(10)を収容するケーシング(30)と、
圧縮機構(10)を駆動する駆動回転軸(25)と、
ケーシング(30)に対して駆動回転軸(25)を回転自在に支持する軸受け(27、28)とを備え、
ケーシング(30)は、駆動回転軸(25)と同軸状に延びる筒状部材(31)と、筒状部材(31)の開口端部を覆う蓋部材(32)とを有し、
蓋部材(32)は、筒状部材(31)に対して全周溶接(W1)によって固定され、
ケーシング(30)の外周面には、全周溶接(W1)による溶接ビード(50)が全周にわたって形成され、
溶接ビード(50)は、溶接開始点(301)に溶接を重ねることによって形成されたオーバーラップ部(501)を有し、
ケーシング(30)のうちオーバーラップ部(501)の反対側部位(302)には、全周溶接(W1)に加えて追加溶接(W2)が行われることによって追加溶接ビード(51)が形成されていることを特徴とする。
これにより、上記した請求項1、2に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
請求項4に記載の発明では、流体を圧縮する圧縮機構(10)と、
圧縮機構(10)を収容するケーシング(30)と、
圧縮機構(10)を駆動する駆動回転軸(25)と、
ケーシング(30)に対して駆動回転軸(25)を回転自在に支持する軸受け(27、28)とを備え、
ケーシング(30)は、駆動回転軸(25)と同軸状に延びる筒状部材(31)と、筒状部材(31)の開口端部を覆う蓋部材(32)とを有する圧縮機の製造方法であって、
圧縮機構(10)、駆動回転軸(25)および軸受け(27、28)を筒状部材(31)に組み付ける組付工程と、
圧縮機構(10)、駆動回転軸(25)および軸受け(27、28)が組み付けられた筒状部材(31)に蓋部材(32)を全周溶接してケーシング(30)を形成するとともに、全周溶接(W1)における溶接開始点(301)に溶接を重ねることによって溶接ビード(50)にオーバーラップ部(501)を形成する全周溶接工程とを備え、
全周溶接工程では、ケーシング(30)のうちオーバーラップ部(501)の反対側部位(302)に外部から入熱を施すことによって、反対側部位(302)をオーバーラップ部(501)における溶接歪みと対称的に変形させることを特徴とする。
これにより、上記した請求項1に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の圧縮機の製造方法において、全周溶接工程では、全周溶接(W1)に加えて反対側部位(302)に追加溶接(W2)を行うことによって、反対側部位(302)に入熱を施すことを特徴とする。
これにより、上記した請求項2に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
請求項6に記載の発明では、請求項4に記載の圧縮機の製造方法において、全周溶接工程では、全周溶接(W1)を行う際に反対側部位(302)での溶接条件を残余の部位での溶接条件に対して変更することによって、反対側部位(302)に入熱を施すことを特徴とする。
これによると、反対側部位(302)への入熱を全周溶接(W1)と同時に行うことができるので、全周溶接工程を効率的に行うことができる。
請求項7に記載の発明では、請求項4に記載の圧縮機の製造方法において、全周溶接工程では、
2つの溶接トーチをケーシング(30)に対して互いに反対側に位置させて2つの溶接トーチで同時に同一方向に溶接することによって全周溶接(W1a、W1b)を行い、
2つの溶接トーチがそれぞれ、他方の溶接トーチによる溶接開始点(301A、301B)に溶接を重ねることによって、オーバーラップ部(501A、501B)を形成するとともに反対側部位(302A、302B)に入熱を施すことを特徴とする。
これによると、1つの溶接トーチで全周溶接を行う場合と比較して、全周溶接に要する時間をほぼ半分に短縮することができるので、生産性を向上できる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態における圧縮機の模式的な断面図である。 図1の圧縮機の基本的な外観図である。 図1の圧縮機の製造方法を示す工程フロー図である。 図3の全周溶接工程を模式的に示す説明図である。 全周溶接部近傍におけるケーシング内径状態を示す説明図であり、(a)は追加溶接を行う前の状態を示し、(b)は追加溶接を行った後の状態を示している。 本発明の第2実施形態における全周溶接工程を模式的に示す説明図である。 本発明の第3実施形態における全周溶接工程を模式的に示す説明図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態は、本発明の圧縮機を給湯機用のヒートポンプサイクル(図示せず)に適用したものである。
ヒートポンプサイクルは、圧縮機、水冷媒熱交換器、減圧器、蒸発器および気液分離器等を順次配管で接続した蒸気圧縮式の冷凍サイクルである。水冷媒熱交換器は、圧縮機の冷媒吐出口から吐出された冷媒と給湯水とを熱交換して給湯水を加熱する。減圧器は水冷媒熱交換器から流出した冷媒を減圧する。蒸発器は外気から吸熱して、減圧器で減圧された冷媒を蒸発させる。気液分離器は、蒸発器から流出した冷媒を液相冷媒と気相冷媒とに分離して余剰冷媒を液相冷媒として蓄えるとともに、気相冷媒を圧縮機の冷媒吸入口に供給する。なお、気液分離器は必須のものではない。
本実施形態のヒートポンプサイクルは超臨界冷凍サイクルを構成している。具体的には、ヒートポンプサイクルの冷媒として二酸化炭素を採用し、圧縮機から吐出された高圧冷媒の圧力を冷媒の臨界圧力以上にしている。
図1は圧縮機の模式的な断面図である。図1中の上下の矢印は、圧縮機の設置状態における上下方向を示している。
圧縮機は、スクロール型の電動圧縮機であり、冷媒を圧縮する圧縮機構10と、圧縮機構10を駆動する電動機20とを上下方向(縦方向)に配置した縦置きタイプになっている。具体的には、圧縮機構10が電動機20の下方側に配置されている。
圧縮機構10および電動機20はケーシング30に収容されている。ケーシング30の外側には、圧縮機構10で圧縮された冷媒から潤滑油を分離する油分離器40が配置されている。ケーシング30および油分離器40は共に、上下方向に延びる縦長形状を有しており、油分離器40はケーシング30の側方に配置されている。
ケーシング30は、上下方向に延びる筒状部材31と、筒状部材31の上方側開口端部を塞ぐ上蓋部材32と、筒状部材31の下方側開口端部を塞ぐ下蓋部材33とが接合されて構成された密閉容器である。
具体的には、筒状部材31は鉄系金属にて円筒状に形成されており、上蓋部材32および下蓋部材33は共に、鉄系金属にて椀状に形成されている。筒状部材31、上蓋部材32および下蓋部材33の厚みは、例えば4〜5mm程度である。上蓋部材32および下蓋部材33は、筒状部材31の内部に圧入されてから筒状部材31に対して溶接にて気密的に接合されている。
図2は、図1の圧縮機の基本的な外観図であり、ケーシング30の部分の外観を示している。上蓋部材32は、筒状部材31に対して例えばマグ溶接(metal active gas welding)によって全周溶接されている。したがって、上蓋部材32と筒状部材31との溶接による溶接ビード50は、ケーシング30の全周に亘って形成されている。
同様に、下蓋部材33は筒状部材31に対して全周溶接されており、下蓋部材33と筒状部材31との溶接による溶接ビード51がケーシング30の全周に亘って形成されている。このような溶接ビード50、51の形成によって、ケーシング30の気密性(シール性)が確保される。
図1に示すように、電動機20は、固定子をなすステータ21と、回転子をなすロータ22とを有している。ステータ21は、全体として上下方向に延びる円筒形状を有しており、ケーシング30の筒状部材31に固定されている。具体的には、ステータ21は、ステータコア211と、ステータコア211に巻き付けられたステータコイル212とを有している。
ステータコイル212に対する電力の供給は給電端子23を介して行われる。給電端子23はケーシング30の上端部に配置されている。具体的には、給電端子23を貫通させた給電端子固定板24が、ケーシング30の上蓋部材32の中央部に形成された貫通孔を塞ぐように固定されている。
ロータ22は永久磁石にて構成されており、ステータ21の内側に配置されている。ロータ22は上下方向に延びる円筒形状を有しており、ロータ22の中心孔には、筒状部材31と同軸状に上下方向に延びる駆動回転軸25が圧入により固定されている。ステータコイル212に電力が供給されるとロータ22に回転磁界が与えられてロータ22に回転力が発生し、駆動回転軸25がロータ22と一体に回転する。
駆動回転軸25は円筒状に形成されており、その内部空間は、駆動回転軸25の摺動部に潤滑油を供給する給油通路251を構成している。給油通路251は、駆動回転軸25の下端面にて開口しており、駆動回転軸25の上端面においては閉塞部材26で閉塞されている。
駆動回転軸25の下端側部位(圧縮機構10側の部位)は、ロータ22よりも下方側に突出している。駆動回転軸25のうちロータ22よりも下方側に突出している部位には、水平方向(軸方向と直交する方向)に突出する鍔部252が形成されている。鍔部252にはバランスウェイト254が設けられている。なお、ロータ22の上下方向両側にもバランスウェイト221、222が設けられている。
駆動回転軸25の上端側部位(圧縮機構10と反対側の部位)は、ロータ22よりも上方側に突出している。駆動回転軸25のうちロータ22よりも上方側に突出している部位は、軸受け27、28によって回転自在に支持されている。
軸受け27、28は、駆動回転軸25が挿入される軸受部材27と、軸受部材27をケーシング30に固定するための介在部材28とで構成されている。
軸受部材27は、介在部材28を介してケーシング30の筒状部材31に固定されている。介在部材28は、水平方向に拡がる環状板の外周部を下方側に向かって屈曲させた形状を有しており、ケーシング30の筒状部材31に固定されている。
軸受部材27の上端部には水平方向に突出する鍔部271が形成されており、鍔部271が介在部材28上に載せられている。そして、軸受部材27の鍔部271と介在部材28とがボルト(図示せず)によって締結固定されている。これにより、介在部材28に対する軸受部材27の水平方向位置(軸方向と直交する方向の位置)を調整可能にして、駆動回転軸25の芯出しを可能にしている。
駆動回転軸25のうちロータ22と鍔部252との間の部位は、ミドルハウジング29に構成された軸受部291によって回転自在に支持されている。ミドルハウジング29は、上方側から下方側に向かって階段状に外径および内径が拡大する円筒形状を有しており、その最外周面がケーシング30の筒状部材31に当接した状態で固定されている。
駆動回転軸25のうちロータ22よりも下方側の部位はミドルハウジング29の内部に位置しており、ミドルハウジング29のうち内径の最も小さい上方側部位が軸受部291を構成している。
ミドルハウジング29の上下方向中間部、すなわち軸受部291よりも内径が拡大されている部位には、駆動回転軸25の鍔部252およびバランスウェイト254が収容されている。
ミドルハウジング29のうち内径が最も大きい下方側部位には、圧縮機構10の可動スクロール11が収容されている。可動スクロール11の下方側には、圧縮機構10の固定スクロール12が配置されている。
可動スクロール11および固定スクロール12は、円板状の基板部111、121を有している。両基板部111、121は互いに上下方向に対向するように配置されている。
可動スクロール基板部111の中心部には、駆動回転軸25の下端部253が挿入される円筒状のボス部113が形成されている。駆動回転軸25の下端部253は、駆動回転軸25の回転中心に対して偏心した偏心部になっている。したがって、可動スクロール11には、駆動回転軸25の偏心部253が挿入されていることになる。
可動スクロール11およびミドルハウジング29には、可動スクロール11が偏心部253周りに自転することを防止する自転防止機構(図示せず)が設けられている。このため、駆動回転軸25が回転すると、可動スクロール11は偏心部253周りに自転することなく、駆動回転軸25の回転中心を公転中心として公転運動(旋回)する。
可動スクロール11とミドルハウジング29との間には、2枚のスラストプレート13、14が上下方向に積層されている。上方側(ミドルハウジング29側)のスラストプレート13はミドルハウジング29に固定されている。下方側(可動スクロール11側)のスラストプレート14は、可動スクロール11に固定されて、可動スクロール11と一体的に回転する。
可動スクロール11には、基板部111から固定スクロール12側に向かって突出する渦巻き状の歯部112が形成されている。一方、固定スクロール12の基板部121は、ケーシング30の筒状部材31に固定されており、固定スクロール基板部121の上面(可動スクロール11側の面)には、可動スクロール11の歯部112と噛み合う渦巻き状の歯部122が形成されている。具体的には、固定スクロール基板部121の上面に渦巻き状の溝部が形成されており、渦巻き状の溝部の側壁が渦巻き状の歯部122を構成している。
両スクロール11、12の歯部112、122は、2回転した渦巻きの形状に形成されている。換言すれば、両歯部112、122の巻き角は720°になっている。
両スクロール11、12の歯部112、122同士が噛み合って複数箇所で接触することによって、三日月状の作動室15が複数個形成される。なお、図1では図示の都合上、複数個の作動室15のうち1つの作動室のみに符号を付しており、他の作動室については符号を省略している。
作動室15は、可動スクロール11が公転運動することによって外周側から中心側へ容積を減少させながら移動する。作動室15には、冷媒供給通路(図示せず)を通じて冷媒が供給されるようになっており、作動室15の容積が減少することによって作動室15内の冷媒が圧縮される。
作動室15に冷媒を供給する冷媒供給通路(図示せず)は、具体的には、ケーシング30の筒状部材31に形成された冷媒吸入口(図示せず)と、固定スクロール基板部121の内部に形成された冷媒吸入通路(図示せず)とで構成されている。固定スクロール基板部121の冷媒吸入通路(図示せず)は、固定スクロール基板部121の渦巻き状の溝部のうち最外周側の部位と連通している。
可動スクロール歯部112および固定スクロール歯部122には、作動室15の気密性を確保するためのチップシール16、17が装着されている。チップシール16、17は、ポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂(PEEK)などの樹脂材料にて、歯部112、122の渦巻き方向に沿って延びる角柱状に形成されている。
可動スクロール11側のチップシール16は、可動スクロール歯部112の下面(固定スクロール基板部121側の面)に形成されたチップシール溝に嵌め込まれている。固定スクロール12側のチップシール17は、固定スクロール歯部122の上面(可動スクロール基板部111側の面)に形成されたチップシール溝に嵌め込まれている。
可動スクロール側チップシール16は、固定スクロール基板部121の渦巻き状の溝部の底面(摺動面)に密着して摺動し、固定スクロール側チップシール17は可動スクロール基板部111の下面(摺動面)に密着して摺動する。これにより、作動室15の気密性を確保して、作動室15から冷媒が洩れることを防止する。
固定スクロール基板部121の中心部には、作動室15で圧縮された冷媒が吐出される吐出孔123が形成されている。固定スクロール基板部121内において吐出孔123の下方側には、吐出孔123と連通する吐出室124が形成されている。吐出室124は、固定スクロール12の下面に形成された凹部125と、固定スクロール12の下面に固定された区画部材18とによって区画形成されている。
吐出室124には、作動室15への冷媒の逆流を防止する逆止弁をなすリード弁(図示せず)と、リード弁の最大開度を規制するストッパ19とが配置されている。
吐出室124の冷媒は、冷媒吐出通路(図示せず)を通じてケーシング30外部へ吐出されるようになっている。冷媒吐出通路(図示せず)は、固定スクロール基板部121内に形成された冷媒吐出通路(図示せず)と、ケーシング30の筒状部材31に形成された冷媒吐出口(図示せず)とで構成されている。
ケーシング30の冷媒吐出口(図示せず)は、油分離器40の冷媒流入口(図示せず)に、冷媒配管(図示せず)を介して接続されている。油分離器40は、ケーシング30から吐出された圧縮冷媒から潤滑油を分離し、分離された潤滑油をケーシング30内に戻す役割を果たす。
油分離器40は、上下方向に延びる筒状部材41と、筒状部材41の上端部を塞ぐ上蓋部材42と、筒状部材41の下端部を塞ぐ下蓋部材43とを有している。筒状部材41は鉄系金属にて円筒状に形成されており、上蓋部材42および下蓋部材43は共に鉄系金属にて椀状に形成されている。上蓋部材42および下蓋部材43は、筒状部材41内に圧入されてから筒状部材41に対して溶接にて気密的に接合されている。
油分離器40の筒状部材41は、ケーシング30の筒状部材31に対して、鉄系金属で形成されたブラケット44を介して溶接で接合されている。これにより、油分離器40がケーシング30に固定されることとなる。
上蓋部材42は、外筒部材421と内筒部材422とで構成された二重筒構造になっている。外筒部材421および内筒部材422は上下方向に延びる円筒状の部材であり、内筒部材422は、外筒部材421のうち上方側の部位の内部に挿入されている。
外筒部材421と内筒部材422との間には、上下方向に延びる円筒状空間43が形成されている。円筒状空間43には、油分離器40の冷媒流入口(図示せず)から流入した冷媒が導入される。油分離器40の冷媒流入口(図示せず)は、外筒部材421のうち円筒状空間43の側方部位に形成されている。
円筒状空間43の上端部は内筒部材422によって閉塞されている。具体的には、内筒部材422の上端部が残余の部位よりも拡径されていて、外筒部材421の上端開口部421aを閉塞している。
内筒部材422の上端開口部45は、潤滑油が分離された冷媒を油分離器40外部(換言すれば圧縮機外部)に吐出する冷媒吐出口を構成している。
油分離器40のうち下方側部位は、冷媒から分離された潤滑油を貯める貯油タンクとしての役割を果たす。油分離器40の下蓋部材43には、貯められた潤滑油を油分離器40外部に流出させる油流出口431が形成されている。
油流出口431には油配管46が接続されており、油配管46は、ケーシング30の筒状部材31に固定された配管接続部材34に接続されている。配管接続部材34は、ケーシング30の筒状部材31に形成された貫通孔を貫通し、固定スクロール基板部121の側面に形成された挿入穴126に挿入されている。
固定スクロール基板部121の内部には、油分離器40からの潤滑油が流れる固定側導油通路127が形成されており、可動スクロール基板部111の内部には、固定側導油通路127と断続的に連通する可動側導油通路(図示せず)が形成されている。
固定側導油通路127の一端部は挿入穴126に連通している。固定側導油通路127の他端部(図示せず)は固定スクロール基板部121の上面(可動スクロール基板部111側の面)に開口している。
可動側導油通路(図示せず)の一端部(図示せず)は、固定側導油通路127の他端部(図示せず)と対向するように、可動スクロール基板部111の下面(固定スクロール基板部121側の面)に開口している。
これにより、可動スクロール11の公転運動に伴って可動側導油通路の一端部(図示せず)が固定側導油通路127の他端部(図示せず)と重なったりずれたりすることとなるので、可動側導油通路(図示せず)が固定側導油通路127と断続的に連通する。
可動側導油通路の他端部(図示せず)は、可動スクロール11のボス部113の内面に開口している。このため、可動側導油通路(図示せず)が固定側導油通路127と連通すると、油分離器40からの潤滑油がボス部113と駆動回転軸25の偏心部253との間の隙間に導入され、次いで駆動回転軸25の下端部側から駆動回転軸25の給油通路251に流入する。
駆動回転軸25には、給油通路251からミドルハウジング29の軸受部291に向かって径方向外側に延びる貫通孔(図示せず)と、給油通路251から軸受部材27に向かって径方向外側に延びる貫通孔(図示せず)とが形成されている。このため、給油通路251に流入した潤滑油は、両貫通孔(図示せず)を通じて、駆動回転軸25と軸受部291との間、および駆動回転軸25と軸受部材27との間に供給される。
駆動回転軸25と軸受部291との間に供給された潤滑油は、重力によってミドルハウジング29の中心孔を流下し、2枚のスラストプレート13、14の間に供給される。2枚のスラストプレート13、14の間に供給された潤滑油は、可動スクロール基板部111の外周側に形成された隙間(ミドルハウジング29の内周面との隙間)を流下し、次いで固定スクロール基板部121を上下方向に貫通する油流下通路(図示せず)を流下して、ケーシング30内の最下部に形成された貯油室35に至る。
貯油室35は、固定スクロール12および区画部材18の下方側に形成されている。区画部材18には、上下方向に貫通する貫通孔181が形成されている。貫通孔181は、固定スクロール基板部121の内部に形成された上述の冷媒吸入通路(図示せず)と連通している。貫通孔181には、貯油室35に貯められた潤滑油を吸い上げるパイプ182が下方側(貯油室35側)から挿入されている。
貯油室35の潤滑油は、パイプ182、区画部材18の貫通孔181、および固定スクロール基板部121の冷媒吸入通路(図示せず)を通じて作動室15に供給される。
次に、上記構成における作動を説明する。電動機20のステータコイル212に電力が供給されてロータ22および駆動回転軸25が回転すると、可動スクロール11が駆動回転軸25に対して公転運動(旋回)する。これにより、可動スクロール歯部112と固定スクロール歯部122との間に形成された三日月状の作動室15が外周側から中心側へ容積を減少させながら移動する。
このとき、外周側に位置する作動室15に対して冷媒および貯油室35の潤滑油が供給される。具体的には、圧縮機外部の冷媒がケーシング30の冷媒吸入口(図示せず)および固定スクロール基板部121の冷媒吸入通路(図示せず)を通じて作動室15に供給されると同時に、貯油室35の潤滑油がパイプ182、区画部材18の貫通孔181および固定スクロール基板部121の冷媒吸入通路(図示せず)を通じて作動室15に供給される。
作動室15に供給された冷媒は、作動室15の容積の減少に伴って圧縮される。作動室15で圧縮された冷媒は、固定スクロール12の吐出孔123、吐出室124、ケーシング30の冷媒吐出口(図示せず)を通じてケーシング30外部に吐出され、次いで冷媒配管(図示せず)を通じて油分離器40の冷媒流入口(図示せず)に流入する。
油分離器40の冷媒流入口に流入した冷媒は、油分離器40内の円筒状空間43に導入される。そして、円筒状空間43において冷媒に旋回流れを生じさせ、冷媒の旋回流れによって生じる遠心力の作用によって、冷媒から潤滑油が分離される。
潤滑油が分離された冷媒は、油分離器40の冷媒吐出口45から、圧縮機の吐出冷媒として吐出される。一方、冷媒から分離された潤滑油は、重力によって油分離器40内部を流下して油分離器40内の下部に貯められる。油分離器40内に貯められた潤滑油は、駆動回転軸25の給油通路251に断続的に供給される。
具体的には、上述のごとく可動スクロール11の公転運動に伴って可動スクロール11の可動側導油通路(図示せず)が固定スクロール12の固定側導油通路127と断続的に連通することによって、油分離器40内に貯められた潤滑油が、油配管46、配管接続部材34、固定側導油通路127、および可動側導油通路(図示せず)を通じて、可動スクロール11のボス部113と駆動回転軸25の偏心部253との間の隙間に導入され、次いで駆動回転軸25の下端部側から駆動回転軸25の内部の給油通路251に流入する。
なお、可動側導油通路(図示せず)が固定側導油通路127と連通していない場合には、駆動回転軸25の給油通路251への潤滑油の供給が遮断される。
駆動回転軸25の給油通路251に供給された潤滑油は、駆動回転軸25の貫通孔(図示せず)を通じて駆動回転軸25と軸受部291との間、および駆動回転軸25と軸受部材27との間に供給される。これにより、駆動回転軸25の摺動部で潤滑性を良好に維持できる。
駆動回転軸25と軸受部291との間に供給された潤滑油は、重力によってミドルハウジング29の中心孔を流下し、2枚のスラストプレート13、14の間に供給される。これにより、スラストプレート13、14同士の摺動部で潤滑性を良好に維持できる。
2枚のスラストプレート13、14の間に供給された潤滑油は、可動スクロール基板部111の外周側に形成された隙間(ミドルハウジング29の内周面との隙間)を流下し、次いで固定スクロール基板部121を上下方向に貫通する油流下通路(図示せず)を流下して、ケーシング30内の最下部に形成された貯油室35に至る。
次に、本実施形態における圧縮機の基本的な製造方法を図3〜図5に基づいて説明する。図3に示すように、まずケーシング30内に収容される部品、具体的には圧縮機構10、電動機20、駆動回転軸25および軸受け27、28等を、筒状部材31内に組み付ける(組付工程)。
これら収容部品と筒状部材31との固定は、溶接によって行うことができる。具体的には、筒状部材31のうちこれらの部品が配置される位置に下孔を予めあけておき、この下孔を筒状部材31の外側から塞ぐように溶接することによって、これらの収容部品を筒状部材31に溶接固定することができる。
なお、筒状部材31の外部に固定される部材、例えばブラケット44等については、組付工程の前に予め溶接固定されているのが好ましい。
次に、筒状部材31に下蓋部材33を溶接固定する。具体的には、下蓋部材33を筒状部材31の内部に圧入してから全周溶接する(全周溶接工程)。
次に、駆動回転軸25の芯出しを行う(芯出し工程)。具体的には、介在部材28にボルト締結された軸受部材27の水平方向位置(軸方向と直交する方向の位置)を調整することによって、駆動回転軸25の芯出しを行う。
そして、筒状部材31に上蓋部材32を全周溶接して固定する(全周溶接工程)。具体的には、上蓋部材32を筒状部材31の内部に圧入してから全周溶接する。
図4は、全周溶接工程を模式的に示す説明図である。全周溶接工程では、溶接トーチを溶接開始点301からケーシング30の周方向に動かして連続的に全周溶接W1を行う。全周溶接W1の最後には、溶接開始点301に溶接を重ねてオーバーラップ部501を形成する。
オーバーラップ部501の形成によって、溶け込みが不安定な溶接開始点でのシール性を確保することができる。なお、オーバーラップ部501の形成範囲としては、ケーシング30の周方向に15°程度の範囲とするのが好ましい。ちなみに、上述した筒状部材31と下蓋部材33との全周溶接においても同様にオーバーラップ部を形成している。
そして、全周溶接W1に加えて、ケーシング30のうちオーバーラップ部501の反対側部位302に追加溶接W2を行って追加溶接ビード51を形成する。なお、追加溶接ビード51の形成範囲としては、オーバーラップ部501の形成範囲と同程度の範囲とするのが好ましい。
図5は、全周溶接部近傍におけるケーシング30の内径状態を示す説明図であり、図5(a)は追加溶接W2を行う前、つまり全周溶接W1を行った直後の状態を示し、図5(b)は追加溶接W2を行った後の状態を示している。
全周溶接W1では、溶接開始点301に溶接を重ねることによって溶接開始点301近傍部位への入熱量が他の部位への入熱量よりも大きくなるので、図5(a)に示すように、溶接開始点301近傍部位での溶接歪みが他の部位の溶接歪みよりも大きくなる。
具体的には、溶接開始点301近傍部位のケーシング内径が他の部位の内径よりも小さくなって、ケーシング30が非対称に熱変形する。この状態では、芯出し工程にて位置調整された軸受部材27の位置がずれて駆動回転軸25も軸ずれする。
本実施形態では、この状態から、溶接開始点301の反対側部位302に追加溶接W2を行うので、図5(b)に示すように、反対側部位302に溶接歪みが発生する。具体的には、反対側部位302近傍のケーシング内径が小さくなって、ケーシング30の熱変形が対称的になる。
その結果、図5(a)に示す状態(追加溶接W2を行う前の状態)に比べて、軸受部材27の位置が芯出し工程で調整されたときの位置に近づいて駆動回転軸25の軸ずれ量も低減されることとなる。
換言すれば、本実施形態の圧縮機は、ケーシング30のうちオーバーラップ部501の反対側部位に、外部からの入熱(具体的には追加溶接W2)によって変形した熱変形部302が形成されており、熱変形部302は、オーバーラップ部501における溶接歪みと対称的に変形しているので、熱変形部302が形成されておらずケーシング30がオーバーラップ部501で非対称的に熱変形している場合と比較して軸受け27、28の位置精度が向上する。よって、駆動回転軸25の軸ずれ量を低減できるので、作動信頼性を向上できる。
因みに、全周溶接工程において、全周溶接W1の前に仮付け溶接を行う場合には、仮付け溶接による非対称な熱変形を防止するために、仮付け溶接を複数箇所で行い、複数箇所の仮付け溶接のうち1つの仮付け溶接と他の1つの仮付け溶接とを対称な位置で行うのが好ましい。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、全周溶接W1に加えて追加溶接W2を行うことによってケーシング30の熱変形を対称的にするが、本第2実施形態では、全周溶接W1を行う際に反対側部位302での溶接条件を残余の部位での溶接条件に対して変更することによってケーシング30の熱変形を対称的にする。
図6は、本実施形態における全周溶接工程を模式的に示す説明図である。本実施形態では、全周溶接工程において全周溶接W1を行う際に、反対側部位302での溶接トーチの移動速度を残余の部位での溶接トーチの移動速度よりも遅くしている。
これにより、追加溶接W2を行うことなく、反対側部位302への入熱量を溶接開始点301近傍部位への入熱量と同程度に大きくすることができるので、上記第1実施形態と同様に、反対側部位302近傍のケーシング内径を小さくして、ケーシング30の熱変形を対称的にすることができる。
なお、本実施形態の変形例として、全周溶接工程において全周溶接W1を行う際に、反対側部位302での溶接電流値を残余の部位での溶接電流値よりも大きくするようにしてもよい。
(第3実施形態)
上記第1実施形態では、全周溶接W1に加えて追加溶接W2を行うことによってケーシング30の熱変形を対称的にするが、本第3実施形態では、図7に示すように、全周溶接W1を2つの溶接トーチで行うことによってケーシング30の熱変形を対称的にする。
具体的には、2つの溶接トーチをケーシング30に対して互いに反対側に位置させて2つの溶接トーチで同時に同一方向に半周溶接W1a、W1bを行うことによって全周溶接W1を行う。
そして、半周溶接W1a、W1bの最後に、2つの溶接トーチがそれぞれ、他方の溶接トーチによる溶接開始点301A、301Bに溶接を重ねる。これにより、2つのオーバーラップ部501A、501Bが対称的に形成される。
すなわち、第1のオーバーラップ部501Aの反対側部位302Aに第2のオーバーラップ部501Bが形成される。換言すれば、第2のオーバーラップ部501Bの反対側部位302Bに第1のオーバーラップ部501Bが形成される。
本実施形態によると、2つのオーバーラップ部501A、501Bを対称的に形成するので、ケーシング30に対する入熱が対称的になる。このため、上記第1実施形態と同様にケーシング30の熱変形を対称的にすることができる。
(他の実施形態)
(1)上述の各実施形態は、圧縮機の具体的構成の一例を示したものに過ぎず、これに限定されることなく、圧縮機の具体的構成を種々変形可能である。
例えば、上述の各実施形態では、油分離器40はハウジング30の外側に配置されているが、油分離器40はハウジング30の内部に収容されていてもよい。
また、上述の各実施形態では、圧縮機構部10と電動機部20とを上下方向(縦方向)に配置した縦置きタイプの圧縮機に本発明を適用しているが、圧縮機構部10と電動機部20とを水平方向(横方向)に配置した横置きタイプの圧縮機にも本発明を適用可能である。
(2)上述の各実施形態では、ヒートポンプサイクルが超臨界冷凍サイクルを構成しており、冷媒として二酸化炭素を採用しているが、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力以上とならない亜臨界冷凍サイクルを構成していてもよく、フロン系冷媒や炭化水素系冷媒等の冷媒を採用してもよい。
(3)上述の各実施形態では、ヒートポンプサイクルに本発明の圧縮機を適用しているが、種々の冷凍サイクルに本発明の圧縮機を広く適用可能である。
(4)上述の各実施形態では、本発明をスクロール型の圧縮機に適用した例を示したが、これに限定されることなく、固定部材に対する可動部材の変位によって流体を圧縮する圧縮機、例えばレシプロ型圧縮機やロータリ型圧縮機等に広く本発明を適用可能である。
10 圧縮機構
25 駆動回転軸
27 軸受部材(軸受け)
28 介在部材(軸受け)
30 ケーシング
301 溶接開始点
302 オーバーラップ部の反対側部位(熱変形部)
31 筒状部材
32 上蓋部材(蓋部材)
50 溶接ビード
501 オーバーラップ部
51 追加溶接ビード
W1 全周溶接
W2 追加溶接

Claims (7)

  1. 流体を圧縮する圧縮機構(10)と、
    前記圧縮機構(10)を収容するケーシング(30)と、
    前記圧縮機構(10)を駆動する駆動回転軸(25)と、
    前記ケーシング(30)に対して前記駆動回転軸(25)を回転自在に支持する軸受け(27、28)とを備え、
    前記ケーシング(30)は、前記駆動回転軸(25)と同軸状に延びる筒状部材(31)と、前記筒状部材(31)の開口端部を覆う蓋部材(32)とを有し、
    前記蓋部材(32)は、前記筒状部材(31)に対して全周溶接(W1)によって固定され、
    前記ケーシング(30)の外周面には、前記全周溶接(W1)による溶接ビード(50)が全周にわたって形成され、
    前記溶接ビード(50)は、溶接開始点(301)に溶接を重ねることによって形成されたオーバーラップ部(501)を有し、
    前記ケーシング(30)のうち前記オーバーラップ部(501)の反対側部位には、外部からの入熱によって変形した熱変形部(302)が形成され、
    前記熱変形部(302)は、前記オーバーラップ部(501)における溶接歪みと対称的に変形していることを特徴とする圧縮機。
  2. 前記反対側部位には、前記全周溶接(W1)に加えて追加溶接(W2)が行われることによって追加溶接ビード(51)が形成され、
    前記熱変形部(302)は、前記追加溶接(W2)によって溶接歪みが生じた部位であることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  3. 流体を圧縮する圧縮機構(10)と、
    前記圧縮機構(10)を収容するケーシング(30)と、
    前記圧縮機構(10)を駆動する駆動回転軸(25)と、
    前記ケーシング(30)に対して前記駆動回転軸(25)を回転自在に支持する軸受け(27、28)とを備え、
    前記ケーシング(30)は、前記駆動回転軸(25)と同軸状に延びる筒状部材(31)と、前記筒状部材(31)の開口端部を覆う蓋部材(32)とを有し、
    前記蓋部材(32)は、前記筒状部材(31)に対して全周溶接(W1)によって固定され、
    前記ケーシング(30)の外周面には、前記全周溶接(W1)による溶接ビード(50)が全周にわたって形成され、
    前記溶接ビード(50)は、溶接開始点(301)に溶接を重ねることによって形成されたオーバーラップ部(501)を有し、
    前記ケーシング(30)のうち前記オーバーラップ部(501)の反対側部位(302)には、前記全周溶接(W1)に加えて追加溶接(W2)が行われることによって追加溶接ビード(51)が形成されていることを特徴とする圧縮機。
  4. 流体を圧縮する圧縮機構(10)と、
    前記圧縮機構(10)を収容するケーシング(30)と、
    前記圧縮機構(10)を駆動する駆動回転軸(25)と、
    前記ケーシング(30)に対して前記駆動回転軸(25)を回転自在に支持する軸受け(27、28)とを備え、
    前記ケーシング(30)は、前記駆動回転軸(25)と同軸状に延びる筒状部材(31)と、前記筒状部材(31)の開口端部を覆う蓋部材(32)とを有する圧縮機の製造方法であって、
    前記圧縮機構(10)、前記駆動回転軸(25)および前記軸受け(27、28)を前記筒状部材(31)に組み付ける組付工程と、
    前記圧縮機構(10)、前記駆動回転軸(25)および前記軸受け(27、28)が組み付けられた前記筒状部材(31)に前記蓋部材(32)を全周溶接して前記ケーシング(30)を形成するとともに、前記全周溶接(W1)における溶接開始点(301)に溶接を重ねることによって溶接ビード(50)にオーバーラップ部(501)を形成する全周溶接工程とを備え、
    前記全周溶接工程では、前記ケーシング(30)のうち前記オーバーラップ部(501)の反対側部位(302)に外部から入熱を施すことによって、前記反対側部位(302)を前記オーバーラップ部(501)における溶接歪みと対称的に変形させることを特徴とする圧縮機の製造方法。
  5. 前記全周溶接工程では、前記全周溶接(W1)に加えて前記反対側部位(302)に追加溶接(W2)を行うことによって、前記反対側部位(302)に前記入熱を施すことを特徴とする請求項4に記載の圧縮機の製造方法。
  6. 前記全周溶接工程では、前記全周溶接(W1)を行う際に前記反対側部位(302)での溶接条件を残余の部位での溶接条件に対して変更することによって、前記反対側部位(302)に前記入熱を施すことを特徴とする請求項4に記載の圧縮機の製造方法。
  7. 前記全周溶接工程では、
    2つの溶接トーチを前記ケーシング(30)に対して互いに反対側に位置させて前記2つの溶接トーチで同時に同一方向に溶接することによって前記全周溶接(W1a、W1b)を行い、
    前記2つの溶接トーチがそれぞれ、他方の溶接トーチによる溶接開始点(301A、301B)に溶接を重ねることによって、前記オーバーラップ部(501A、501B)を形成するとともに前記反対側部位(302A、302B)に前記入熱を施すことを特徴とする請求項4に記載の圧縮機の製造方法。
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