JP2011156487A - イオン伝導性膜材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多孔質基材上にイオン伝導膜を形成してなるイオン伝導性膜材を製造する方法であってイオン伝導性がより一層向上し得る優れたイオン伝導性膜材の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明により提供されるイオン伝導性膜材の製造方法は、少なくとも金属成分を含む無機多孔質基材と、該多孔質基材上に形成された所定の結晶配向性を有するイオン伝導膜とを備えるイオン伝導性膜材を製造する方法であり、上記金属成分の酸化物を含む緻密な基材を用意すること、上記緻密な基材上にイオン伝導膜を所定の方向に結晶配向させた状態で形成すること、および上記イオン伝導膜が形成された緻密な基材を還元処理して上記金属成分を酸化物状態から金属状態に還元することにより上記緻密な基材を多孔質化すること、を包含する。
【選択図】なし

Description

本発明は、イオン伝導膜を備えるイオン伝導性膜材の製造方法に関する。詳しくは、多孔質基材と該基材上に形成された特定の結晶配向性を有するイオン伝導膜とを備えたイオン伝導性膜材、およびその製造方法に関する。
酸素イオン(典型的にはO2−;酸化物イオンとも呼ばれる。)伝導性を有する酸素イオン伝導体として、いわゆるペロブスカイト型構造の酸化物セラミックスが知られている。ペロブスカイト型酸化物は、酸素イオン伝導体であることに加え、電子伝導性を兼ね備えた酸素イオン−電子混合伝導体(以下、単に「混合伝導体」という。)であるため、かかる酸化物からなる緻密なセラミック材、典型的には膜状に形成されたセラミック材(セラミック膜)は、例えば一方の面に供給された酸素含有ガス(空気等)から酸素を他方の面に選択的に透過させる酸素分離膜材として好適に利用され得る。
ペロブスカイト型酸化物から構成される酸素分離膜は、基材(典型的には多孔質構造をもつ膜支持体)上に形成されて、酸素分離膜エレメントとして用いられ得る。このような構成の酸素分離膜エレメントは、一方の面から他方の面に供給された酸素イオンによって当該他方の面に供給された炭化水素(メタンガス等)を酸化させて合成液体燃料(メタノール等)を製造するGTL(Gas To Liquid)技術、あるいは燃料電池分野で好適に使用することができる(特許文献1〜6参照)。
ペロブスカイト型酸化物からなるセラミック膜を基材上に形成する方法として、典型的には、該セラミック膜の構成材料を用いて調製されたスラリーに基材を浸漬するディップコーティング法、またはシート成形、プレス成形、または押出成形等が挙げられる。このような方法により得られるセラミック膜は、複数の結晶方位面が混在したランダムな配向(無配向)の多結晶構造を有する。しかし、無配向性あるいは配向性が低い結晶構造は、イオンおよび電子の伝導経路が長くなるためイオンや電子の伝導は非効率となり得る。したがって、かかる構造を備えるセラミック膜(無配向性若しくは低配向性セラミック膜)では、ペロブスカイト型酸化物が有し得る高い混合伝導性が最大限に発揮されにくい。
特許第2813596号公報 特開平8−173776号公報 特許第3456436号公報 特開2001−93325号公報 特開2002−12472号公報 特開2005−15320号公報 特開平10−279355号公報 特開2000−351665号公報 特開2005−97041号公報 特開2006−28001号公報 特開2006−137657号公報 特開平9−293520号公報 特開2005−171269号公報
ここで、ペロブスカイト型酸化物からなる多結晶セラミックスにおいて特定の結晶面または結晶軸を配向させることにより、かかる特定の結晶面または結晶軸に依存する特性(結晶方位依存性、例えばイオン伝導性や圧電性等)を向上させる技術、あるいは、そのような特性を備えた結晶配向性のセラミックスについては、例えば特許文献7〜11等により種々提案されている。しかし、かかる技術の適用対象は粉体あるいはバルク体であり、例えば数百nm〜数μmの膜厚のセラミック膜には適していない。
また、特許文献12および13には、パルスレーザアブレーション堆積法を採用して、イオン(または電子)伝導性セラミック膜を形成する方法が記載されている。しかし、この技術により得られるセラミック膜は、結晶方位が特定されていないため、イオン伝導性を大きく向上させ得る結晶方位には配向していない可能性が高く、かかるイオン伝導性は十分には発揮されない。
さらに、上述のように、酸素分離膜エレメント等の膜エレメントにおけるセラミック膜を形成する基材としては、多孔質基材であることが好ましい。しかし、従来の技術においては緻密な基材の表面に結晶配向性セラミック膜を形成することは可能であるが、多孔質な基材上に結晶配向性セラミック膜を形成することは困難であった。
本発明はかかる点を鑑みてなされたものであり、多孔質基材上にイオン伝導膜を形成してなるイオン伝導性膜材を製造する方法であってイオン伝導性がより一層向上し得る優れたイオン伝導性膜材の製造方法を提供することを目的とする。
従来技術では、多孔質基材の表面にイオン伝導膜を結晶配向させた状態で直接形成することによりイオン伝導性膜材を製造することは困難であった。しかし、本発明者らは、まず緻密な基材の表面に結晶配向したイオン伝導膜を形成し、次いで該イオン伝導膜の製膜後に上記緻密な基材を多孔質化することにより、多孔質基材上に結晶配向性を有するイオン伝導膜を備えてなるイオン伝導性膜材(膜エレメント)を製造することに成功した。
すなわち、本発明によって提供されるイオン伝導性膜材の製造方法は、少なくとも金属成分を含む無機多孔質基材と、該多孔質基材上に形成された所定の結晶配向性を有するイオン伝導膜とを備えるイオン伝導性膜材を製造する方法である。この方法は、以下の工程を包含する。すなわち当該方法は、1)上記金属成分の酸化物を含む緻密な基材を用意すること、2)上記緻密な基材上にイオン伝導膜を所定の方向に結晶配向させた状態で形成すること、および3)上記イオン伝導膜が形成された緻密な基材を還元処理して上記金属成分を酸化物状態から金属状態に還元することにより、上記緻密な基材を多孔質化すること、を包含する。
本発明に係る方法では、緻密な基材上にイオン伝導膜を結晶配向させた状態で形成し、該イオン伝導膜を製膜後に上記緻密な基材を還元処理(典型的には還元雰囲気中での高温処理)して多孔質化する。このことにより、多孔質基材上に結晶配向性を有するイオン伝導膜が形成されてなるイオン伝導性膜材の製造を容易に実現することができるとともに、従来の無配向の(すなわち複数の結晶方位面が混在しているランダムな配向性を有する)イオン伝導膜を備えたイオン伝導性膜材に比べて、より優れたイオン伝導性を有するイオン伝導性膜材を得ることができる。
なお、本明細書中で「膜」とは特定の厚みに限定されず、上記イオン伝導膜は、イオン導電性膜材(膜エレメント)において少なくとも「イオン伝導体」として機能する膜状若しくは層状の部分をいう。
ここで開示されるイオン伝導性膜材の製造方法の好ましい一態様では、上記使用する緻密な基材は、上記金属成分として少なくともニッケル(Ni)を含む。
かかる構成の方法では、上記多孔質基材を形成するために使用される緻密な基材に金属成分として少なくともNiが含まれていることにより、上記多孔質基材に良好な電気伝導性が付与される。したがって、かかる構成の方法によると、例えば燃料電池、ガス精製装置やガスセンサ等の所定の気体(ガス)を分離可能なガス分離膜材または該膜材の構成部材として好適に用いられ得るイオン伝導性膜材を得ることができる。
ここで開示されるイオン伝導性膜材の製造方法のより好ましい一態様では、上記使用する緻密な基材は、さらにイオン伝導性を有する無機成分を含む。
かかる構成の方法では、上記多孔質基材を形成するために使用される緻密な基材がイオン伝導性を有する無機成分をさらに含むことにより、該多孔質基材には電気伝導性に加えてイオン伝導性が付与される。したがって、かかる構成の方法によると、ガス分離膜材構成部材としてより一層実用に優れるイオン伝導性膜材を得ることができる。
ここで開示されるイオン伝導性膜材の製造方法の別の好ましい一態様では、上記イオン伝導膜として、一般式:
Ln1−xAeBO3−δ (1)
(ただし、Lnは、ランタノイドから選択される少なくとも1種の元素であり、Aeは、Sr、BaおよびCaからなる群から選択される1種または2種以上の元素であり、Bは、ペロブスカイト型構造を構成し得る1種または2種以上の金属元素であり、0≦x≦1であり、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である。)で表わされるペロブスカイト型の酸素イオン伝導体から構成される膜を形成する。
より好ましくは、上記イオン伝導膜として、ペロブスカイト型構造を構成し得る金属元素として少なくとも鉄(Fe)を包含する膜を形成する。
かかる構成の方法では、イオン伝導膜が上記組成のペロブスカイト型の酸素イオン伝導体から構成されることにより、酸素イオン伝導性に優れた膜材を得ることができる。したがって、かかる構成の方法によると、燃料電池(典型的には固体電解質形燃料電池(SOFC))、酸素精製装置あるいは酸素センサ等の酸素分離膜材(またはその構成部材)として好ましく利用され得るイオン伝導性膜材を得ることができる。
また、上記一般式(1)におけるBとして、すなわちペロブスカイト型構造を構成し得る金属元素として少なくともFeが包含されることにより、上記形成されるイオン伝導膜には電気伝導性(導電性)が向上し得る。したがって、かかる構成の方法では、酸素イオン伝導性と電気伝導性との混合伝導性に優れたイオン伝導膜を備えたイオン伝導性膜材を得ることができる。
ここで開示されるイオン伝導性膜材の製造方法の好ましい一態様では、上記結晶配向性を有するイオン伝導膜を、イオンビームを使用した蒸着法を用いて形成する。
かかる構成の方法によると、無配向性または1軸方向に結晶配向した(すなわち1軸配向性の)イオン伝導膜に比べてイオン伝導性が向上し得る2軸配向性のイオン伝導膜を好ましく形成することができる。したがって、かかる構成の方法によると、イオン伝導性がより向上したイオン伝導性膜材を得ることができる。
また、本発明は、他の側面として、多孔質基材上に所定方向に結晶配向した状態で形成されているイオン伝導膜を備えたイオン伝導性膜材を提供する。
本発明に係るイオン伝導性膜材によると、無配向性のイオン伝導膜を備えるイオン伝導性膜材に比べて、より優れたイオン伝導性を実現することができる。
ここで開示されるイオン伝導性膜材の好ましい一態様では、上記イオン伝導膜は、2軸配向に結晶配向した状態で形成されている。
かかる構成のイオン伝導性膜材では、より結晶配向性の高いイオン伝導膜が形成されていることにより、無配向性または1軸配向性のイオン伝導膜を備えるイオン伝導性膜材に比べて、より一層優れたイオン伝導性を実現することができる。
また、上記のような構成のイオン伝導性膜材は、好ましくは、ここで開示されるいずれかの製造方法により好適に製造される。
結晶配向性を評価する方法(X線ポールフィギュア測定方法)を概念的に示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、ターゲット作製時の原料粉末の混合方法や成形方法、または成形体の焼成方法)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明により提供される製造方法は、少なくとも金属成分を含む無機多孔質基材と該多孔質基材上に形成された結晶配向性のイオン伝導膜とを備えるイオン伝導性膜材(膜エレメント)を製造する方法であって、上記金属成分の酸化物を含む緻密な基材の上にイオン伝導膜を結晶配向させた状態で形成した後に、上記緻密な基材を還元処理して上記金属成分を酸化物状態から金属状態に還元して上記緻密な基材を多孔質化することにより特徴づけられるものである。したがって、上記目的を達成し得る限りにおいて、その他の構成成分の内容や組成については、種々の基準に照らして任意に決定することができる。
ここで開示されるイオン伝導性膜材の製造方法において、まず、基材を用意する。好適に使用され得る基材としては、少なくとも金属成分を含むことが適当であり、かかる金属成分を酸化物として含むことが好ましい。また、より好適な基材としては、上記金属成分の酸化物(金属酸化物)に加えてセラミックス等の無機成分が含まれる材料であって該無機成分と上記金属酸化物とが混合されてなる緻密な(例えば、理論密度に対する相対密度が95%以上である程度に緻密な)固体材料から構成される基材が好ましい。
上記金属成分としては、還元処理(例えば還元雰囲気中で凡そ800℃程度の高温処理)により金属状態に還元され得るものであって該金属状態で高い電子伝導性(導電性)を有するものが好ましく、上記無機成分との親和性が高いものがより好ましい。また、上記基材を備えてなるイオン伝導性膜材を、例えば所定種の気体(ガス)を分離する分離膜材(例えば酸素ガスを分離する酸素分離膜材)として用いる場合には、かかる基材が触媒体(例えば分離膜内を透過した酸素イオンの酸素ガスへの再結合(酸化反応)を促進する酸化反応促進触媒体)として機能し得ることが好ましい。かかる場合には、上記基材に含まれる金属成分としては、触媒活性が高いもの(触媒金属として用いられ得るもの)が好ましい。このような金属成分としては、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、クロム(Cr)等が挙げられ、特に好ましくはNiである。
また、上記基材において、該基材中に上記金属成分とともに含まれ得る無機成分としては、1種または2種以上の金属元素を含む化合物(例えば酸化物や炭化物、窒化物等)を構成成分として含む無機固体材料(典型的にはセラミックス、特には上記基材に付与したい機能性を備え得るファインセラミックス)が好ましい。かかる無機成分としては、該無機成分が添加されることにより(典型的には熱膨張係数の大きい)金属成分に添加されてなる上記基材と該基材上に形成されるイオン伝導膜との熱膨張係数の差を縮小させて構造安定性を付与し得るものが好ましい。このような無機成分の添加により、上記基材とイオン伝導膜との間で生じ得るクラック等を防止してイオン伝導性膜材全体の耐久性を向上させることができる。また、より好ましくは、上記無機成分はイオン伝導性を有する。このような無機成分の添加により上記基材のイオン伝導性が向上し得るので、全体として優れたイオン伝導性を有するイオン伝導性膜材を得ることができる。このような無機成分として、例えばジルコニア系酸化物を好ましく挙げることができ、典型的には安定化ジルコニア(好適例としてはイットリア(Y)で安定化したジルコニア(YSZ)、カルシア(CaO)で安定化したジルコニア(CSZ)、スカンジア(Sc)で安定化したジルコニア(SSZ)等)が挙げられる。
以上のような材料から構成される上記基材の形状は、上記イオン伝導性膜材の使用用途に応じて好適な形状であればよい。例えば、板状や円筒状等、この種の膜材(例えばガス分離膜材)に用いられる基材と類似の形状のものを採用することができる。かかる基材の厚さ寸法としては特に限定されないが、例えば50μm〜10mmが適当であり、好ましくは100μm〜5mmであり、より好ましくは200μm〜1mmの厚さ寸法の基材を用いることができる。
次に、上記のような緻密な基材の上にイオン伝導膜を形成する。かかるイオン伝導膜は、特定のイオンを好ましく伝導させる性質(すなわちイオン伝導性)を有する材料(典型的には無機材料)から構成される。かかるイオン伝導性材料としては、特定の構成元素のものに限られないが、好ましくは、該イオン伝導膜を所定のイオン種を好ましく透過、分離する分離膜として機能させ得るイオン伝導性材料であり、該分離膜においてイオン供給側と該イオン透過側とを短絡させるための外部電極や外部回路を用いることなく、上記供給側から透過側へと高い透過速度でイオンを連続的に透過させ得ることを実現し得るイオン伝導性材料である。この種のイオン伝導性材料の一好適例としては、一般式:
Ln1−xAeBO3−δ (1)
で表わされるペロブスカイト型のイオン伝導体であって優れた酸素イオン伝導性を有するペロブスカイト型酸化物が挙げられる。
したがって、本発明は、ここで開示される製造方法によって製造される酸素イオン伝導性膜材(酸素分離膜エレメント)を提供する。かかる酸素イオン伝導性膜材は、例えば酸素精製技術、炭化水素から液体燃料を製造するGTL技術、あるいは燃料電池分野等の酸素イオン伝導モジュール(装置)の基本構成部材となる酸素分離膜エレメントとして好適に用いられ得る。
ここで、上記一般式(1)のLnは、ランタノイドから選択される少なくとも1種の元素、すなわちランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、Nd(ネオジム)、Sm(サマリウム)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)およびルテチウム(Lu)のうちの少なくとも1種である。好ましくはLaである。また、上記一般式(1)のAeは、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)およびカルシウム(Ca)のうちの少なくとも1種であり、好ましくはSrである。また、上記一般式(1)における「x」は、かかるぺロブスカイト型構造においてLnがAによって置き換えられた割合を示す値である。このxの取り得る範囲は0<x≦1(好ましくは0.1≦x<1、例えば0.1≦x≦0.9)である。xがかかる範囲であることにより、上記イオン伝導膜(ここでは酸素イオン伝導膜)に酸素イオン伝導性と耐久性(機械的強度)とをバランスさせて付与することができる。上記一般式(1)における酸素原子数は、ペロブスカイト型構造の一部を置換する原子の種類および置換割合その他の条件により変動するため正確に表示することは困難である。このため、電荷中性条件を満たすように定まる値として、1を超えない正の数δ(0<δ<1)を採用し、本明細書中では酸素原子の数を3−δと表示するのが妥当であるが、以下では便宜的に3と表示することもある。ただし、該酸素原子の数を便宜的に3と表示しても、異なる化合物を表しているわけではない。
また、上記一般式(1)のBは、上記ペロブスカイト型酸化物のBサイトを構成する元素であって、ペロブスカイト型構造を構成し得る1種または2種以上の金属元素であり得る。かかるBとして、例えば、Mg(マグネシウム),Mn(マンガン),Ga(ガリウム),Ti(チタン),Co(コバルト),Ni(ニッケル),Al(アルミニウム),Cu(銅),In(インジウム),Sn(錫),Zr(ジルコニウム),V(バナジウム),Cr(クロム),Zn(亜鉛),Ge(ゲルマニウム),Sc(スカンジウム)およびY(イットリウム)のうちの少なくとも1種が挙げられる。好ましくは上記BとしてFeを含有する。上記BサイトにFeを含むことにより、かかるペロブスカイト型酸化物からなるイオン伝導膜の導電性が向上する。また、例えば上記BサイトにTiを含むと、ペロブスカイト型酸化物における結晶構造の強度が向上して高い膜強度を実現できる。
上記のようなペロブスカイト型酸化物として、例えば、式:(La1−pSr)(Ti1−qFe)O(但し0<p<1、0<q<1)で示されるペロブスカイト型複合酸化物(以下「LSTF酸化物」ともいう。)が好ましく挙げられる。具体例として、La0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9が挙げられる。
上記のようなイオン伝導性材料からなるイオン伝導膜は、物理気相蒸着(PVD)法を用いることにより上記緻密な基材上に形成することができる。PVD法は、熱、レーザ光、電子ビームなどによる物理的作用(熱源)を利用して膜原料である固体物質を蒸気化し、基材上に堆積させて薄膜を形成する方法である。かかるPVD法は、膜原料の気化方法により分類するとスパッタ系と蒸発系に大別される。スパッタ系のPVD法は、高エネルギーの原子、イオン、プラズマ、あるいはレーザ光をターゲットに衝突させて(スパッタさせて)膜原料物質の原子や分子を基材表面に堆積させる方法である。上記イオン伝導膜の製膜方法として好適なスパッタ系PVD方法の一例としては、パルスレーザアブレーション堆積(PLD)法が挙げられる。PLD法は、パルスレーザアブレーション法、もしくはパルスレーザ堆積法と呼ばれることもある。PLD法ではターゲットにパルスレーザを照射することにより、順次ターゲット材料からそれぞれ蒸気(典型的にはパルスレーザ照射によりターゲットから発生した分子、原子、イオン、ナノまたはミクロンサイズの微小粒子(クラスター)等をいう。)を発生させ、この蒸気を一定の温度に保持した基材上に堆積させてターゲット材料成分を含む薄膜を形成することができる。
一方、蒸発系のPVD法は、薄膜原料物質を加熱して蒸発させ、蒸発温度より低い温度の基板表面で凝結、固化させ薄膜にする方法である。かかる蒸発系PVD方法の最も基本的なものは真空蒸着法である。薄膜原料物質を蒸発する程度に加熱する加熱方式としては複数種類の方式があり、例えばタングステンフィラメントからなるヒータにより直接加熱する抵抗加熱や、加熱した電子を照射して薄膜原料物質を溶融させる電子ビーム加熱が挙げられる。電子ビーム加熱は抵抗加熱に比べて不純物が混入しにくく、高融点の無機酸化物(例えばペロブスカイト型酸化物)でも加熱可能であるのでより好ましい。また上記以外にも上記PLD法のようにレーザ照射による加熱、あるいはホローカソード放電を用いた方法等も好ましく挙げられる。
ここで、上記イオン伝導膜の製膜方法として特に好ましい方法として、イオンビームを用いる蒸着法が挙げられる。例えばイオンビームアシストデポジッション(Ion beam Assisted deposition;IBAD)法が好ましく採用される。この方法は、上記PVD法の基本的技術である真空蒸着法、PLD法、またはイオンビーム蒸着法等にイオン注入法を組み合わせた複合技術の一種である。この方法では、真空蒸着により薄膜原料物質を基材上に堆積している際に、イオン銃でガスイオン(例えば不活性ガス)を基材に向けて照射し、該基材表面に到達した薄膜原料物質の分子を上記加速されたガスイオンと衝突させることにより(上記分子の一部はスパッタにより真空中に放出されるが、一部はガスイオンとの弾性衝突によりエネルギーを受けとることにより)上記分子を基材へノックオン(侵入)させて、該侵入した薄膜原料物質の分子をアンカーとして上記薄膜原料物質からなる蒸着膜を結晶配向させた状態で形成し得る。
以下、上記イオン伝導膜の製膜方法の一好適例として、PLD法による蒸着を採用したIBAD法を用いてイオン伝導膜を形成する場合について説明する。
上記セラミック膜を形成するために使用され得る蒸着源(ターゲット)として、例えば電子ビームやパルスレーザを照射して蒸発可能なイオン伝導膜原料(典型的にはイオン伝導膜を構成するセラミック材料)からなる固形物を好ましく用いることができる。かかるターゲットは、例えば、上記イオン伝導膜に含まれる金属元素を含む金属化合物(典型的には上記金属元素の酸化物、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、シュウ酸塩、ハロゲン化物、水酸化物等の金属化合物であって加熱により酸化物となり得る金属化合物)を適当な配合比で混合して出発原料を調製し、該出発原料を所定形状に成形し、その後焼成することにより得られる焼結体を好ましく用いることができる。上記各金属化合物の配合比については、レーザ照射により蒸気化した上記ターゲット分子が基材上に堆積したときに上記イオン伝導膜が目標とする組成比となるように決定される。例えば、上記イオン伝導膜としてLSTF酸化物の一つであるLa0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9からなる薄膜を基板上に形成する場合には、金属化合物として酸化ランタン(La)粉末、炭酸ストロンチウム(SrCO)粉末、二酸化チタン(TiO)粉末、および三酸化二鉄(Fe)を用意する。上記LSTF酸化物全体を1モルとして金属元素のLaが0.6モル、Srが0.4モル、Tiが0.1モルおよびFeが0.9モルそれぞれ含まれるように決定された配合比で混合する。当該混合物を適当な方法(例えばプレス成形や押出成形)により成形し、酸化性雰囲気(例えば大気中)または不活性ガス雰囲気下で焼成することにより、所望する形状のターゲット(焼結体)を得る。なお、上記La0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9で表わされるLSTF酸化物粉末の市販品を用いてターゲットを作製してもよい。また、上記LSTF酸化物からなるターゲットを得る際の焼成温度としては、1000℃〜1800℃(好ましくは1200℃〜1600℃)が適当である。
上記ターゲットの大きさは、特に制限されないが、一般的な蒸着装置(IBAD装置)に好適に使用されるためには、直径が1mm〜1000mm程度、特に100mm〜500mmで、厚さが0.5mm〜10mm、特に2mm〜5mm程度の円盤状であることが好ましい。
また、ターゲットの表面粗さ(Ra値)は、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは1nm〜50μm程度、さらに好ましくは1nm〜10μm程度、特に1nm〜5μm程度のRaのターゲットを好適に使用することができる。また、表面粗さの最大値(Rmax値)は、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは1nm〜50μm、さらに好ましくは1nm〜10μmである。
上記ターゲットに照射するパルスレーザとしては、ターゲットに照射してターゲットからイオン伝導膜の蒸気(典型的には微小クラスター)を発生可能なパワーを有するレーザであって、前記所定範囲の周波数を有するものであれば、特に制限なく、その用途に応じて適宜選択して使用することができる。例えば、ナノ秒パルスレーザが挙げられ、このうち、KrFレーザ、ArFレーザ、XeClレーザ等のエキシマレーザ、YAGレーザ、あるいはルビーレーザが好適である。
パルスレーザの周波数は、概ね500Hz以下の範囲内であることが好ましい。より好ましくは1Hz〜100Hz、さらに好ましくは1Hz〜80Hz、特に好ましくは1Hz〜50Hzである。
照射エネルギー(エネルギー密度)は、特に限定されないが、一般的なIBAD法(あるいはPLD法等のスパッタ系の蒸着法)において用いられている範囲が好適である。例えば、100mJ/cm〜2000mJ/cmが適当であり、好ましくは500mJ/cm〜1500mJ/cm、より好ましくは800mJ/cm〜1200mJ/cm、例えば1000mJ/cm±100mJ/cmである。しかしながら、より高いエネルギーを使用可能な装置であれば、さらに高いエネルギーを用いることができる。
パルスレーザの照射時間は、所望のイオン伝導膜の厚さ、パルスレーザの照射回数や周波数等によって適宜選択することができる。例えば、1秒間〜30000秒間、好ましくは10秒間〜10000秒間、より好ましくは50秒間〜5000秒間、さらに好ましくは100秒間〜3000秒間である。
なお、ターゲットからイオン伝導膜の蒸気を発生させる手段としては、上記パルスレーザを用いる以外に、電子銃を用いて所定エネルギー(例えば10W〜1000W)の電子ビームをターゲットに照射してもよい。
また、上記イオン伝導膜を該基材に形成させる際に膜形成をアシストするために上記基材表面(蒸着面)に向けて照射されるイオンビームのイオン源としては、窒素(N)、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)等の不活性ガスが好ましく挙げられる。より好ましくはArガスである。かかる不活性ガスは(典型的にはIBAD装置内のイオン装置(イオン発生装置)により)イオン化されて、例えばN ガス、Heガス、またはArガスとして上記基材表面に照射される。あるいは、上記イオン化された不活性ガスは、基材表面に到達する前により多くの電子を付与されて中性のNガス、Heガス、またはArガスとして上記基材表面に照射される。
上記イオン照射エネルギーとしては、例えば、100eV〜2000eVが適当であり、好ましくは100eV〜1000eV、より好ましくは200eV〜600eV、例えば400eV±100eVである。
また、上記イオンを照射する角度(入射角度)としては、上記イオン伝導膜が結晶配向した状態で上記基材表面に好ましく形成される限りにおいて特に限定されないが、例えば上記基材表面との角度が30°〜70°の範囲内にあることが好ましい。
上記イオン伝導膜の製膜雰囲気としては、約1×10−6Pa〜約1Paであることが好ましく、より好ましくは1×10−5Pa〜1×10−1Pa、さらに好ましくは1×10−4Pa〜5×10−2Pa、特に好ましくは2×10−4Pa〜1×10−2Paであるような低圧(真空)雰囲気である。
このときの雰囲気ガスは、特に限定されない。例えば、酸素ガスや大気等の酸化性ガス、または窒素(N)ガス、ヘリウム(He)ガスやアルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスであってもよい。このうち、Arガスに1〜50体積%の酸素ガスを混合した混合ガスが好ましい。
ターゲットから蒸発したイオン伝導膜の蒸気を堆積させる際の基材の温度は、かかる基材の機械的強度が保持し得る温度であれば特に限定されないが、好ましくは100℃以上、より好ましくは200℃〜700℃、さらに好ましくは300℃〜500℃、例えば400℃±50℃である。また、このような温度を略一定に保持することにより、結晶配向性を制御しつつ上記イオン伝導膜を形成することができる。
基材上への堆積により形成された上記イオン伝導膜の厚さについては、特に限定されず、用途に応じて種々の厚さ寸法をとることができる。例えば、上記ペロブスカイト型の酸素イオン伝導体からなるイオン伝導膜を酸素分離膜として用いる場合には、0.1μm〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1μm〜5μm、さらに好ましくは0.3μm〜2μmである。これらの範囲内であれば、該酸素分離膜と基材とを備えてなる酸素分離膜エレメントにおいて、該酸素分離膜の緻密性が維持される程度に膜厚が十分に薄くなっているので、上記膜厚が酸素透過速度の律速となることはない。
以上のような条件で物理蒸着法を用いることにより、結晶配向性を有するイオン伝導膜を基材上に得ることができる。ここで、結晶配向性を有するとは、上記イオン伝導膜を構成する多結晶体のうちの全部または一部が、ある特定の結晶面(または結晶軸)を特定の方向に沿わせるように配列(すなわち、配向)していることをいう。
例えば、PLD法を用いて、酸化ニッケル(NiO)とイットリア安定化ジルコニア(YSZ)との混合材料からなる基材上にペロブスカイト型の結晶構造を有する酸素イオン伝導体(例えばLSTF化合物)からなる膜を形成(蒸着)した場合には、かかる酸素イオン伝導膜は、該膜を構成する結晶体のうちのほぼ全てにおいて、そのペロブスカイト型構造の<110>方向が上記基材の膜形成面(蒸着面)に対して垂直方向に揃うように配向し、1軸方向に結晶配向した構成で形成され得る。なお、上記酸素イオン伝導膜の結晶構造における方位(方向)を記述するにあたり、ミラー指数の方位指数を用いて、[hkl](ここで、h,k,lは整数である。)と表し、立方晶系において等価である方向をまとめて<hkl>と総称する(以下同じ)。
また、IBAD法を用いて上記と同質の基材にペロブスカイト型の結晶構造を有する酸素イオン伝導体からなるイオン伝導膜を形成した場合には、かかる酸素イオン伝導膜は、該酸素イオン伝導膜を構成する結晶体におけるほぼ全ての<110>方向が上記基材の膜形成面(蒸着面)に対して垂直方向に揃うように配向し、且つ<100>方向が互いに平行に揃うように配向し得る。すなわち、2軸方向に結晶配向した酸素イオン伝導膜が形成され得る。
上記のような結晶配向性を有するイオン伝導膜では、該膜におけるイオン伝導経路が効率化されて該イオン伝導経路としての抵抗が低減されるので、対象とするイオンを伝導させ易くなり、結果、無配向、1軸配向、2軸配向の順にイオン伝導膜のイオン伝導性が向上し得る。したがって、2軸方向に結晶配向したイオン伝導膜は、無配向および1軸配向のイオン伝導膜よりも、高いイオン伝導性を必要とする膜(例えば酸素等の特定ガスを選択的に透過可能な分離膜)としてより好適である。
次に、上記のように結晶配向性を有するイオン伝導膜が形成された緻密な基材を還元処理する。かかる還元処理として還元雰囲気(典型的には水素(H)雰囲気)中で所定の温度で上記基材の加熱処理を実施することにより、該緻密な基材中に含まれる酸化物状態の金属成分を金属状態に十分に還元する。このように上記緻密な基材中の金属成分が酸化物状態から金属状態に還元されることにより、上記緻密な基材を多孔質化することができる。
上記還元処理における上記緻密な基材の加熱温度としては、少なくとも該基材中の金属成分が酸化物状態から金属状態に十分還元されるのに必要な温度であることが適当であり、また該基材上に形成されたイオン伝導膜が変質または劣化しない程度の温度であることが好ましい。このような加熱温度範囲としては、例えば500℃〜1600℃が適当であり、好ましくは500℃〜1400℃、より好ましくは600℃〜1000℃、例えば800℃±100℃である。
また、上記緻密な基材の加熱時間としては、該基材中の金属成分が十分に還元されて多孔質化が完了する限りにおいて特に制限されず、また該基材の大きさによって適宜調整することができる。上記緻密な基材の加熱方法の一好適例としては、例えば室温〜最高焼成温度まで100℃/時間の昇温速度で上記緻密な基材を加熱し、最高焼成温度域750℃〜850℃で1時間〜24時間程度維持した後に、降温速度20℃/時間で室温にまで降温する。このような加熱方法により、上記緻密な基材を、該基材上のイオン伝導膜を変質させることなく、十分に還元して多孔質化することができる。このような還元処理により多孔質化された基材の平均細孔径(水銀圧入法に基づく。)として、例えば凡そ20μm以下(典型的には0.1μm〜20μm程度)の基材を用いることができる。好ましくは、平均細孔径が凡そ3μm以下(典型的には0.5μm〜3μm)の上記基材を用いる。また、このような多孔質化された基材の水銀圧入法に基づく気孔率としては20体積%以上(典型的には20体積%〜60体積%程度)であることが好ましい。
以上のようにして、金属成分を含む無機多孔質基材と、該多孔質基材上に形成された結晶配向性を有するイオン伝導膜とを備えるイオン伝導性膜材を得ることができる。
以上のような工程により製造されるイオン伝導性膜材では、そのイオン伝導膜が1軸配向、より好ましくは2軸方向に結晶配向していることにより、無配向性のイオン伝導膜に比べて優れたイオン伝導性を有する。また、かかるイオン伝導性膜材は、そのイオン伝導膜を支持する基材として多孔質化された基材を備えていることにより、該基材内部を気体が容易に透過することができるので、かかる気体の透過速度を下げることなくイオン伝導性膜材全体の機械的強度を増すことができる。このようなイオン伝導性膜材は、例えば燃料電池、ガス精製装置あるいはガスセンサ等の特定のガスを分離可能なガス分離用膜材(分離膜エレメント)または該膜材の構成部材として好ましく用いられ得る。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明を以下の実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<例1:IBAD法により形成されたイオン伝導膜を備えたイオン伝導性膜材の作製>
始めに、以下の手順で緻密な基材を作製した。
まず、粒径凡そ5μmの酸化ニッケル(NiO)およびイットリア安定化ジルコニア(8mol%Y−ZrO;8YSZ)を用意した。NiOとYSZとを6:4の重量比で混合し、ここにバインダとしてのPVA(ポリビニルアルコール)を所定量ずつ添加し、混練することにより基材用原料を得た。得られた基材用原料をプレス成形により成形後、1400℃〜1600℃の焼成温度下、大気雰囲気中で3時間焼成することにより、緻密な焼成体を得た。この焼成体を研磨処理により、厚み寸法が凡そ3mm程度となるように研磨処理を実施した。このようにして緻密な基材を作製した。
次いで、イオン伝導膜を上記緻密な基材上に形成した。
まず、酸素イオン伝導体として好適なLa0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9粉末(市販品)を用意した。次に、かかる粉末をIBAD装置にセット可能な形状に成形し、酸化性雰囲気下(大気中)で焼成することによりターゲットを作製した。焼成温度は1400℃〜1600℃であった。
次に、上記緻密な基材および上記ターゲットをIBAD装置における所定位置にセットし、パルスレーザをターゲットに照射した。これにより蒸気化したターゲット成分を上記基材上に堆積(蒸着)させて、上記La0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9からなる(酸素)イオン伝導膜を上記基材上に形成した。上記パルスレーザとしては、波長248nm、パルス幅30nsのKrFレーザを用いた。また、当該レーザのパルスエネルギーは、450mJ/パルス、およびその周波数は30Hzであった。製膜条件は、0.01PaのAr雰囲気下で、エネルギー密度0.8J/cmで上記レーザを20分間ターゲットに照射した。また、イオン伝導膜形成をアシストするために、Arイオンを300Vの電圧で加速して5mA/cmのイオン電流密度で、上記基材表面に対して45°の傾斜角度で照射した(入射させた)。このときの上記基材温度を300℃〜500℃に維持した。以上のようにして、膜厚0.3μm〜2μmのイオン伝導膜を上記緻密な基材上に形成した。
次いで、上記イオン伝導膜が形成された緻密な基材を還元処理した。
上記緻密な基材を所定の加熱装置(焼成炉)にセットし、該装置内を水素雰囲気にして800℃の温度条件下で1時間上記基材を加熱した。これにより、該基材中のNiOをNi(金属状態)に還元してかかる基材を多孔質化した。水銀圧入法によりかかる基材の気孔率を測定したところ、20%以上であることを確認した。
以上のようにして、IBAD法により形成された酸素イオン伝導膜を備えたイオン伝導性膜材を作製した。
<例2:PLD法により形成されたイオン伝導膜を備えたイオン伝導性膜材の作製>
上記例1と同じ手順で、NiOおよび上記8YSZ(8mol%Y−ZrO)を6:4の重量比で混合されてなる厚さ凡そ3mmの緻密な基材を作製した。
次に、例1と同様に、酸素イオン伝導体として好適なLa0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9粉末(市販品)を用意し、PLD装置にセット可能な形状に成形し、酸化性雰囲気下(大気中)で焼成することによりターゲットを作製した。焼成温度は1400℃〜1600℃であった。
次に、上記緻密な基材および上記ターゲットをPLD装置における所定位置にセットし、パルスレーザをターゲットに照射した。これにより蒸気化したターゲット成分を上記基材上に堆積(蒸着)させて、上記La0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9からなる(酸素)イオン伝導膜を上記基材上に形成した。上記パルスレーザとしては、波長248nm、パルス幅30nsのKrFレーザを用いた。また、当該レーザのパルスエネルギーは、450mJ/パルス、およびその周波数は30Hzであった。製膜条件は、0.04PaのAr雰囲気下で、エネルギー密度0.8J/cmで上記レーザを20分間ターゲットに照射した。上記基材温度を300℃〜500℃に維持した。以上のようにして、膜厚0.3μm〜2μmのイオン伝導膜を上記緻密な基材上に形成した。
次いで、上記緻密な基材を所定の加熱装置(焼成炉)にセットし、例1と同様にして該基材を還元処理して、かかる基材を多孔質化した。水銀圧入法によりかかる基材の気孔率を測定したところ、20%以上であることを確認した。
以上のようにして、PLD法により形成された(酸素)イオン伝導膜を備えたイオン伝導性膜材を作製した。
<例3:ディップコーティングにより形成されたイオン伝導膜を備えたイオン伝導性膜材の作製>
上記例1と同じ手順で、NiOおよび上記8YSZ(8mol%Y−ZrO)を6:4の重量比で混合されてなる厚さ凡そ3mmの緻密な基材を作製した。
次に、酸素イオン伝導体として好適な市販のLa0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9粉末(平均粒径凡そ1μm)を用意し、かかる粉末に所定のバインダ、分散剤、および溶媒であるキシレンをそれぞれ所定量加えて混合し、スラリー状(ペースト状組成物)のディップ用材料を調製した。
上記調製したディップ用材料に上記緻密な基材を浸漬し、約1mm/秒の速度で引き上げることによりディップコートした。コーティング後の上記基材を80℃で乾燥した後、待機雰囲気下で室温〜1400℃まで昇温し、1400℃で3時間保持することにより上記基材上にコーティングされた未焼成膜を焼成し、イオン伝導膜を形成した。
次いで、上記緻密な基材を所定の加熱装置(焼成炉)にセットし、例1と同様にして該基材を還元処理して、かかる基材を多孔質化した。水銀圧入法によりかかる基材の気孔率を測定したところ、20%以上であることを確認した。
以上のようにして、ディップコーティングにより形成されたイオン伝導膜を備えたイオン伝導性膜材を作製した。
<例4:結晶配向性評価>
次に、以下の方法により上記例1〜例3により得られた各イオン伝導性膜材のイオン伝導膜の結晶配向性について評価した。かかるイオン伝導膜の結晶配向性は、X線ポールフィギュア測定により評価した。この測定方法について、図1の概念図を用いて説明する。かかる方法では、図1に示されるように、半球の中心に配置したサンプル10(上記イオン伝導性膜材)をα方向に(すなわち上記半球の緯度方向に沿って)0°〜90°まで傾けていき、その角度毎にβ方向に(すなわち、上記サンプル10のイオン伝導膜の結晶面12の法線2を回転軸として)360°回転させることにより、上記イオン伝導膜の結晶の方位分布を測定した。具体的には、注目する結晶面の面間隔に対応する2θ値に、X線回折装置(X線源20)のゴニオメーターを固定し、サンプルの傾角αと回転角βを適当な間隔で変化させながらX線回折装置からX線を照射してその回折線をカウンター30で検出し、回折強度を測定した。この回折強度の測定値から極点図を作成した。この結果、傾角αが45°において回転角βが90°および270°の位置に明瞭な二つの対称のピークが観測された。
上記評価により、上記例1においてIBAD法によって形成されたイオン伝導膜は、上記La0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9の多結晶体から構成されており、該結晶体のうちのほぼ全てにおいてそのペロブスカイト型構造の<110>方向が、上記基材の膜形成面(蒸着面)に対して垂直な方向に揃うとともに、ほぼ全て結晶体の<100>方向が互いに平行に揃うように配向しており、結果、2軸方向に結晶配向した酸素イオン伝導膜であることがわかった。
また、上記例2においてPLD法によって形成されたイオン伝導膜は、上記La0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9の多結晶体から構成されており、該結晶体のペロブスカイト型構造における<110>方向が、上記基材の膜形成面に対して垂直となるように配向しており、1軸方向に結晶配向した酸素イオン伝導膜であることが分かった。
他方、上記例3においてディップコーティング法によって形成されたイオン伝導膜では、上記La0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9の多結晶体から構成され得るものの、その結晶体は無配向であった。
<例5:イオン伝導性評価>
上記例1〜例3で得られたそれぞれのイオン伝導性膜材について、それぞれの電気伝導度を測定することにより、それぞれの(酸素)イオン伝導性について評価した。まず、上記例1〜例3におけるイオン伝導性膜材の各イオン伝導膜表面に電極となる白金ペーストを塗布した後、電流端子および電圧端子を上記電極部分に接続するための白金線を取り付けて850℃〜1100℃で10分間〜60分間焼き付け、任意の酸素分圧と温度に調整可能な装置内で、直流四端子法で各酸素分圧に対する導電率を測定することにより、酸素イオン伝導度[S/cm]を求めた。その結果、各イオン伝導性膜材の一定の温度条件(900℃)下におけるイオン伝導度は、例1におけるイオン伝導性膜材では0.42S/cmであった。例2におけるイオン伝導性膜材では0.35S/cmであった。また、例3におけるイオン伝導性膜材では0.26S/cmであった。
上記結果から、無配向、1軸配向、2軸配向の順にイオン伝導膜の(酸素)イオン伝導度が向上しており、IBAD法により2軸方向に結晶配向した状態で形成されたイオン伝導膜を備えるイオン伝導性膜材はその他のイオン伝導性膜材に比べて優れたイオン伝導性を有していることがわかった。
以上、本発明を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、さらに別の態様でも実施でき、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加えうるものである。
10 サンプル(イオン伝導性膜材)
20 X線源
30 カウンター

Claims (9)

  1. 少なくとも金属成分を含む無機多孔質基材と、該多孔質基材上に形成された所定の結晶配向性を有するイオン伝導膜とを備えるイオン伝導性膜材を製造する方法であって:
    前記金属成分の酸化物を含む緻密な基材を用意すること;
    前記緻密な基材上にイオン伝導膜を所定の方向に結晶配向させた状態で形成すること;および
    前記イオン伝導膜が形成された緻密な基材を還元処理して前記金属成分を酸化物状態から金属状態に還元することにより、前記緻密な基材を多孔質化すること;
    を包含する、イオン伝導性膜材の製造方法。
  2. 前記使用する緻密な基材は、前記金属成分として少なくともニッケル(Ni)を含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記使用する緻密な基材は、さらにイオン伝導性を有する無機成分を含む、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記イオン伝導膜として、一般式:
    Ln1−xAeBO3−δ (1)
    (ただし、Lnは、ランタノイドから選択される少なくとも1種の元素であり、Aeは、Sr、BaおよびCaからなる群から選択される1種または2種以上の元素であり、Bは、ペロブスカイト型構造を構成し得る1種または2種以上の金属元素であり、0≦x≦1であり、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である。)
    で表わされるペロブスカイト型の酸素イオン伝導体から構成される膜を形成する、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記イオン伝導膜として、ペロブスカイト型構造を構成し得る金属元素として少なくとも鉄(Fe)を包含する膜を形成する、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記結晶配向性を有するイオン伝導膜を、イオンビームを使用した蒸着法を用いて形成する、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 多孔質基材上に所定方向に結晶配向した状態で形成されているイオン伝導膜を備えたイオン伝導性膜材。
  8. 前記イオン伝導膜は、2軸方向に結晶配向した状態で形成されている、請求項7に記載のイオン伝導性膜材。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の方法により製造された、請求項7または8に記載のイオン伝導性膜材。
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