JP2011149763A - 押力測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)ドラムブレーキ装置20を保持するベース152と、(b)それぞれが、受圧面190を有し、その受圧面が受ける荷重を測定する一対の荷重センサ154と、(c)それら一対の荷重センサを、それら一対の荷重センサの各々の受圧面とベースによって保持された状態のドラムブレーキ装置の一対のブレーキシューの各々の摩擦材50とが向かい合うように、保持する荷重センサ保持機構156とを備えた押力測定装置10において、受圧面を凸状の曲面とする。このように構成することで、荷重センサの受圧面とブレーキシューの摩擦材との間に生じる摩擦力を小さくし、押力を測定する際の摩擦力の影響を小さくすることが可能となり、押力を正確に測定することが可能となる。
【選択図】図1
Description
ドラムブレーキ装置20は、図3に示すように、車体に取り付けられる非回転部材としてのバッキングプレート30と、そのバッキングプレート30の一面上に設けられる一対のブレーキシュー22a,bと、それら一対のブレーキシュー22a,bの間隔を拡げる電動アクチュエータ24とを備えている。一対のブレーキシュー22a,bは、車輪とともに回転するドラム32の内周面に対面する状態で、シューホールドダウン装置34a,bによってバッキングプレート30の面に沿って移動可能に取り付けられている。また、バッキングプレート30の一直径方向に隔たった2箇所には、電動アクチュエータ24を構成する押付機構36とアンカ38とが固定されている。一対のブレーキシュー22a,bのそれぞれの一端部が押付機構36に係合させられるとともに、一対のブレーキシュー22a,bのそれぞれの他端部がアンカ38に接続されており、一対のブレーキシュー22a,bは、アンカ38を中心として、押付機構36によって拡開可能とされている。
上述したような構造から、ドラムブレーキ装置20においては、電動モータ60の作動を制御することで、制動力を制御可能に変化させることが可能となっている。また、ドラムブレーキ装置20は、ブレーキライニング50a,bの摩耗に伴う押圧部材64a,bとブレーキシュー22a,bとの間の隙間を無くすことが可能となっている。以下に、ドラムブレーキ装置20の作動を図6および図7を用いて詳しく説明する。
まず、図7(a)に示すように、押付機構36において、一対の押圧部材64a,bとブレーキシュー22a,bとの間に隙間Δa,Δbがある場合について説明する。ドラムブレーキ装置20の作用に伴ってブレーキライニング50a,bが摩耗する。ブレーキライニング50a,bが磨耗すると、ドラム32の内周面とブレーキライニング50a,bとの間に隙間ができる。一方、アジャスタ付きストラット52が作動させられると、ドラムブレーキ装置20の非作用状態におけるブレーキシュー22a,bの位置が、これらの隙間が小さくなる位置とされる。そのため、ブレーキシュー22a,bと押付機構36との間に隙間が生じるのである。なお、ブレーキライニング50a,bの磨耗量が非常に小さい場合、あるいは、後述するように、押付機構36により磨耗量に応じた調整が行われた後においては、隙間Δa,Δbは非常に小さくなる。また、ドラムブレーキ装置20の非作用状態においては、ボールランプ機構100は復帰状態にあり、押圧部材64aは駆動部材72に最も接近した位置にある。また、ボール108は、一対の傾斜溝104,106の間の、軸方向成分(溝の底面と直角基準平面との間の距離)が最も大きい位置にある。
運転者によってブレーキ操作部材124が操作された場合等、ドラムブレーキ装置20を作用させる要求が検出された場合には、電動モータ60が回転させられる。図7(b)に示すように、押付機構36において、回転入力部材68が回転させられ、それによって、回転スライド部材70が回転させられ、駆動部材72が回転スライド部材70に対して軸方向に相対移動させられて、押圧部材64aがブレーキシュー22aに近づけられる。駆動部材72の回転スライド部材70に対する突出量が大きくなり、一対の押圧部材64a,bの間の距離が長くなる。押圧部材64aがブレーキシュー22aに当接すると、回転スライド部材70は、相対回転しつつ駆動部材72とは反対向きに相対移動し、押圧部材64bがブレーキシュー22bに近づけられる。一対の押圧部材64a,bがブレーキシュー22a,bに当接するまで、駆動部材72と回転スライド部材70とが相対移動させられる。この間、駆動部材72に加えられる軸方向の力は非常に小さく、設定値以下である。ねじ機構96に加えられる軸方向の力も非常に小さく、ロックすることがない。また、ばね部材102によって駆動部材72の頭部92が押圧部材64aへ押し付けられる力が、ボールランプ機構100がその頭部92と押圧部材64aとを互いに離間させようとるす力より大きいため、ボールランプ機構100は復帰状態に保たれ、駆動部材72が押圧部材64aに対して相対回転させられることはない。この状態は、図6(b)においては領域αで表される。
一対の押圧部材64a,bがそれぞれ一対のブレーキシュー22a,bに当接した状態では、駆動部材72には、リターンスプリング54の弾性力(リターンスプリング54のセット荷重に相当する力)が加えられるのであり、設定値より大きい力が加えられることになる。それにより、図7(c)に示すように、ねじ機構96がロックする。その結果、ボールランプ機構100が駆動部材72の頭部92と押圧部材64aとを互いに離間させようとるす力が、ばね部材102によって頭部92が押圧部材64aへ押し付けられる力より大きくなり、駆動部材72が押圧部材64aに対して相対回転させられ、ボールランプ機構100が作用作動する。ボール108a,b,cが第1、第2傾斜溝104,106a,b,cをころがり上り、押圧部材64aが駆動部材72に対して軸方向に相対移動させられ、ブレーキシュー22aを押す。また、押圧部材64bも前進させられ、ブレーキシュー22bを押す。これら押圧部材64a,bによってブレーキシュー22a,bに加えられる軸方向の駆動力は同じ大きさである。このように、押圧部材64a,bがブレーキシュー22a,bを拡開させるのであるが、ブレーキシュー22a,bの外周面に設けられたブレーキライニング50a,bとドラム32の内周面との間にクリアランスΔsa,Δsbが存在する間は、押圧部材64a,bによるブレーキシュー22a,bの拡開力は、リターンスプリング54のセット荷重に応じた一定の大きさとなる。換言すれば、押圧部材64a.bに加えられる軸方向の力がリターンスプリング54のセット荷重に応じた大きさとなるのである。この状態は、図6(b)の領域βで表される。
ブレーキライニング50a,bとドラム32の内周面との間のクリアランスΔsa,Δsbがなくなると、押付部材64a,bの前進に伴ってブレーキライニング50a,bがドラム32の内周面に押し付けられ、ブレーキライニング50a,bのドラム32の内周面に対する押付力が大きくなり、制動力ないし制動トルクが大きくなる。制動力ないし制動トルクは、電動モータ60の回転に伴って大きくなるのであり、実際の制動力ないし制動トルクが目標制動力ないし目標制動トルクに近づくように、電動モータ60の作動が制御される。この状態は、図6(b)の領域γで表される。
運転者によるブレーキ操作部材124の操作が解除されると、電動モータ60に電流が供給されなくなる(供給電流が0とされる)。ドラムブレーキ装置20においてリターンスプリング54の作用により、一対のブレーキシュー22a,bが、アジャスタ付きストラット52で決まる位置まで縮径させられる。それに伴って、押圧部材64a,bが後退させられ、ボールランプ機構100が復帰状態まで戻される。図6(b)のEの位置、すなわち、図7(b)の状態が終了し、図7(c)の状態が開始する位置まで戻されるのであり、押圧部材64a,bとブレーキシュー22a,bとの間の隙間Δa,bが非常に小さい状態(事実上0の状態)となる。このように、前述の図7(b)のドラムブレーキ装置20の調整作用作動において駆動部材72が軸方向に相対移動させられた分は、電動モータ60を逆方向に回転させない限り戻されることはない。換言すれば、ブレーキライニング50a,bの摩耗量が増加すると、駆動部材72の回転スライド部材70に対する突出量が大きくされた位置が、ドラムブレーキ装置20の非作用位置(初期位置)とされるのであり、ブレーキライニング50a,bの摩耗量に応じて初期位置が調整される。
この状態からドラムブレーキ装置20が作用作動させられる場合には、隙間Δa,bが非常に小さいため、電動モータ60の回転に伴って一対の押圧部材64a,bが前進させられると、直ちに、一対のブレーキシュー22a,bに当接する。電動モータ60の回転に伴ってボールランプ機構100が作用作動させられ、一対のブレーキシュー22a,bがドラム32の内周面に接近させられ、内周面に押し付けられる。このように、ドラムブレーキ装置20によって速やかに制動力を生じさせることができる。
ドラム32が偏心して取り付けられている場合には、図6(a)に示すブレーキシュー22a,bの各々とドラム32の内周面との間の隙間Δsa,Δsbが互いに異なる大きさとなる。この場合には、図7(d)に示すように、上述の図6(b)の領域βにおいて(ボールランプ機構100が作用作動する状態で)、押圧部材64a,bと回転スライド部材70と駆動部材72とが必要に応じて軸方向に移動させられ、それによって、隙間Δsa、Δsbの両方が消滅させられる。また、偏心したドラム32が回転するにつれて、ブレーキシュー22a,bが押圧部材64a,bおよびアンカ38に対して、押圧機構36とアンカ38とを通る直線に平行な方向に滑ることと、押圧部材64a,b、回転スライド部材70,駆動部材72全体が上記直線と直交する方向に移動することとが繰り返されることによって、偏心したドラム32の回転に容易に追従する。それによって、ドラム32の偏心に起因するドラムブレーキ装置20の振動を良好に抑制することができる。
上記ドラムブレーキ装置20は、上述したように、電動モータ60への供給電流量を制御することで、制動力を制御可能に変化させることが可能とされている。ただし、このことは、電動アクチュエータ24が正常に機能していることが前提である。つまり、電動モータ60への供給電流量に応じて一対のブレーキシュー22a,bがドラム32の内周面を押す力である押力が変化することが前提である。そこで、本実施例では、ドラムブレーキ装置20を車両に装着する前に、電動アクチュエータ24の作動を確認するべく、一対のブレーキシュー22a,bによる押力を押力測定装置10によって測定している。
上述した構造の押力測定装置10においては、各ブレーキシュー22a,bの外周面に設けられたブレーキライニング50a,bに、各測定器184の回転体190を接触させて、一対のブレーキシュー22a,bがアンカ38を中心に拡開する際に回転体190が受ける荷重を測定することで、一対のブレーキシュー22a,bによる押力を測定する。押力を測定する際には、まず、測定器184をアーム160に対して固定させるべく、重なった状態の貫通穴200および有底穴202にピン204を嵌めておく。そして、各アーム160に設けられた止めねじ168を緩めて、一対の測定器184の間の距離を特定の距離に調整する。つまり、各ブレーキライニング50a,bと各測定器184の回転体190との間の距離を調整する。この際、それらの間の距離は任意の距離に調整することが可能である。例えば、それらの間の距離が略0となるように調整した場合には、ブレーキライニングとドラムの内周面との間の隙間が殆どない状態における一対のブレーキシュー22a,bによる押力を測定することが可能となる。一方、ブレーキライニング50と回転体190とを僅かに離した状態となるようにそれらの間の距離を調整した場合には、ブレーキライニングとドラムの内周面との間の隙間がある程度存在する状態における押力を測定することが可能となる。
Claims (1)
- (a)バッキングプレートと、(b)それぞれが、外周面に摩擦材を有し、車輪と共に回転するドラムの内周面に前記摩擦材が向かい合うようにして前記バッキングプレートの一面に設けられる円弧状の一対のブレーキシューと、(c)それら一対のブレーキシューのそれぞれの前記摩擦材を前記ドラムの内周面に押し付けるアクチュエータとを備えたドラムブレーキ装置において前記一対のブレーキシューが前記ドラムの内周面を押す力を、そのドラムブレーキ装置が車両に装着されていない状態で、測定するための押力測定装置であって、
前記ドラムブレーキ装置を保持するベースと、
それぞれが、受圧面を有し、その受圧面が受ける荷重を測定する一対の荷重センサと、
それら一対の荷重センサを、それら一対の荷重センサの各々の前記受圧面と、前記ドラムブレーキ装置が前記ベースによって保持された状態における前記一対のブレーキシューの各々の前記摩擦材とが向かい合うように、保持する荷重センサ保持機構と
を備え、
前記受圧面が、凸状の曲面とされた押力測定装置。
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