JP2011126122A - 積層微多孔性フィルム及びその製造方法、並びに電池用セパレータ - Google Patents

積層微多孔性フィルム及びその製造方法、並びに電池用セパレータ Download PDF

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Abstract

【課題】高い耐熱性と確実なシャットダウン特性を有する積層微多孔性フィルム及びその製造方法、並びにそれを用いた電池用セパレータを提供すること。
【解決手段】融点が100〜170℃の第1の樹脂組成物から構成される第1の微多孔フィルム層と、
第2の樹脂組成物から構成され、前記第1の微多孔フィルム層よりも高い耐熱性を有する第2の微多孔フィルム層と、
が積層された積層微多孔性フィルムであって、
前記第2の微多孔フィルム層の両側に前記第1の微多孔フィルム層が配置されており、破膜温度が200℃以上である、積層微多孔性フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、積層微多孔性フィルム及びその製造方法、並びに電池用セパレータに関する。
微多孔性フィルム、特にポリオレフィン系微多孔性フィルムは、精密濾過膜、電池用セパレータ、コンデンサー用セパレータ、燃料電池用材料等に使用されており、特にリチウムイオン電池用セパレータとして好適に使用されている。近年、リチウムイオン電池は、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ等の小型電子機器用途として使用されている一方で、ハイブリッド電気自動車等への応用も図られている。
ここで、ハイブリッド電気自動車用のリチウムイオン電池には、短時間に多くのエネルギーを取り出すための、より高い出力特性が要求される。また、ハイブリッド電気自動車用のリチウムイオン電池は、一般に大型でかつ高エネルギー容量を必要とするため、より高い安全性の確保が要求される。
リチウム電池に備えられる電池用セパレータも、安全性を確保するために、シャットダウン(SD)機能を備えることが必須とされている。SD機能とは、電池内部の温度が過度に上昇した場合に、電池用セパレータの電気抵抗を急激に増大させることにより、電池反応を停止させて、それ以上の温度上昇を防止する機能である。上記SD機能の発現機構として、例えば、微多孔性フィルム製の電池用セパレータの場合、所定の温度まで電池内部温度が上昇すると、その多孔質構造を喪失して無孔化し、イオン透過を遮断することが挙げられる。しかし、このように無孔化してイオン透過を遮断しても、温度が更に上昇してフィルム全体が溶融し破膜してしまった場合は、電気的絶縁性を維持できなくなってしまう。このようにフィルムがその形態を保持できなくなりイオン透過を遮断することができなくなる温度を破膜温度といい、この破膜温度が高いほど電池用セパレータは耐熱性に優れているといえる。また、上記破膜温度とSDが開始する温度との差が大きいほど、安全性に優れているといえる。特に近年では、このSDと破膜温度の差だけではなく、SDの完全性も求められるようになっている。
このような事情に対応可能なセパレータとして用いられる微多孔性フィルムを提供することを目的として、ポリプロピレンとポリエチレンを積層した微多孔フィルムが知られており、その構成に着目した技術が開示されている。
例えば、特許文献1においては、特定の特性を有するポリエチレン微多孔性フィルムの両外層に、特定の特性を有するポリプロピレン微多孔性フィルムを積層した積層構造を有する複合微多孔性フィルム(電池用セパレータ)が提案されている。
また、特許文献2においては、中間層のポリエチレン微多孔フィルムの厚さが両外層のポリプロピレン微多孔フィルムの平均厚さより大なる積層微多孔フィルムが提案されている。
さらに、特許文献3においては、中間層をポリプロピレン微多孔フィルムとし、両外層をポリエチレン微多孔フィルムとする積層微多孔フィルムが提案されている。
特開平7−304110号公報 特開平10−261393号公報 特開平11−115084号公報
しかしながら、特許文献1に記載された複合微多孔性フィルムは耐熱温度が190℃以下であり十分な耐熱性を有していない。
また、特許文献2に記載された積層微多孔フィルムは、ポリエチレン微多孔フィルム層の厚さが大きくなることにより、SD機能の完全性が向上することが期待されるが、ポリプロピレン層の厚さが相対的に小さくなるため、耐熱性がさらに不十分になる可能性がある。
さらに、特許文献3に記載された積層微多孔フィルムは、特許文献2の場合と同様に、耐熱性がさらに不十分になる可能性がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、高い耐熱性と確実なシャットダウン特性を有する積層微多孔性フィルム及びその製造方法、並びにそれを用いた電池用セパレータを提供することを課題とする。
本発明者らは前述の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の樹脂微多孔フィルム層と、特定の高耐熱樹脂微多孔フィルム層を、特定の構成で複合すると、高い耐熱性と確実なシャットダウン特性を有し、且つ、リチウムイオン二次電池用セパレータとして好適な諸物性とを備えた積層微多孔フィルムを得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記の通りである。
[1]
融点が100〜170℃の第1の樹脂組成物から構成される第1の微多孔フィルム層と、
第2の樹脂組成物から構成され、前記第1の微多孔フィルム層よりも高い耐熱性を有する第2の微多孔フィルム層と、
が積層された積層微多孔性フィルムであって、
前記第2の微多孔フィルム層の両側に前記第1の微多孔フィルム層が配置されており、破膜温度が200℃以上である、積層微多孔性フィルム。
[2]
前記第2の樹脂組成物は、ポリプロピレン樹脂100質量部と、ポリフェニレンエーテル樹脂5〜90質量部と、を含有する熱可塑性樹脂組成物である、上記[1]記載の積層微多孔性フィルム。
[3]
前記第1の樹脂組成物は、ポリエチレン樹脂を含む、上記[1]又は[2]記載の積層微多孔性フィルム。
[4]
前記第1の樹脂組成物は、ポリプロピレン樹脂を含む、上記[1]〜[3]のいずれか記載の積層微多孔性フィルム。
[5]
前記第2の微多孔フィルム層の平均厚さが、最外層の前記第1の微多孔フィルム層の平均厚さより小さい、上記[1]〜[4]のいずれか記載の積層微多孔性フィルム。
[6]
上記[1]〜[5]のいずれか記載の積層微多孔性フィルムからなる電池用セパレータ。
[7]
第1の樹脂組成物から構成される第1の樹脂フィルムと、第2の樹脂組成物から構成され、前記第1の樹脂フィルムよりも高い耐熱性を有する第2の樹脂フィルムと、を積層した積層フィルムに対して、−20℃以上70℃未満の温度で第1の延伸を施して延伸積層フィルムを得る冷延伸工程と、
前記延伸積層フィルムに対して、70℃以上160℃未満の温度で第2の延伸を施す熱延伸工程と、
を含む上記[1]〜[5]いずれか記載の積層微多孔性フィルムの製造方法。
[8]
積層方法が共押出法である、上記[7]記載の積層微多孔性フィルムの製造方法。
本発明によると、高い耐熱性と確実なシャットダウン特性を有する積層微多孔性フィルム及びその製造方法、並びにそれを用いた電池用セパレータを提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態の積層微多孔性フィルムは、融点が100〜170℃の第1の樹脂組成物から構成される第1の微多孔フィルム層と、第2の樹脂組成物から構成され、前記第1の微多孔フィルム層よりも高い耐熱性を有する第2の微多孔フィルム層と、が積層された構造を有し、前記第2の微多孔フィルム層の両側に前記第1の微多孔フィルム層が配置されており、破膜温度が200℃以上である。
本実施形態における樹脂組成物の「融点」は、JIS K−7121に準拠の方法で測定した融点(以下、単に「融点」という。)をいう。第1の樹脂組成物の融点は100〜170℃である。
本実施形態における「耐熱性」とは、後述する実施例に記載された手法で評価される破膜温度のことをいい、第2の微多孔フィルム層の耐熱性は、第1の微多孔フィルム層の耐熱性よりも高い。第2の微多孔フィルム層と第1の微多孔フィルム層の破膜温度の差は、10℃以上が好ましく、30℃以上がより好ましい。また、第2の微多孔フィルム層の破膜温度は、200℃以上であることが好ましい。
本実施形態の積層微多孔性フィルムの積層構造は、第2の微多孔フィルム層の両側に第1の微多孔フィルム層が配置される。第1及び第2の微多孔フィルムの積層数は通常3層であるが、3層を超える積層数であってもよい。3層を超える積層数の場合、第1の微多孔フィルム層を(1)、第2の微多孔フィルム層を(2)としたときに、例えば、(1)−(2)−(1)−(2)−(1)等の順に配置された積層構造が挙げられる。
各層の厚さは、第2の微多孔フィルム層の平均厚さが、第1の微多孔フィルム層の平均厚さより小さいことが好ましい。
第2の微多孔フィルム層の両側に配置される、第1の微多孔フィルム層の樹脂組成は、両側とも同じものであってもよいし、片側ずつ違うものであってもよい。
本実施形態の積層微多孔性フィルムは、驚くべきことに、特定の耐熱性の高い微多孔フィルム層(耐熱層)を中間層とすることで、従来のポリエチレンとポリプロピレンでは達成できなかった、積層膜全体の高耐熱性を維持しながらシャットダウン特性のみならず、微多孔膜の良好な基本物性を維持することができるようになった。特に、耐熱層として機能する第2の微多孔フィルム層が薄くても積層膜全体の高耐熱性が維持できることにより、微多孔膜性能を制御する自由度も高くなり、安全性とその他特性のバランスに優れた膜を提供することが可能になる。
このような性能を発現できる理由は定かではないが、第1の微多孔フィルム層と耐熱層として機能する第2の微多孔フィルム層の相互作用が、成形加工時やシャットダウン時の挙動に関係していると考えられる。
[第1の樹脂組成物]
本実施形態における第1の微多孔フィルム層を構成する第1の樹脂組成物は、電池の安全性の観点から、その融点が100℃〜170℃である。このような第1の樹脂組成物を得るためには、融点が100℃〜170℃の樹脂をその樹脂組成物中に好ましくは50%質量%以上で含めればよい。第1の樹脂組成物の融点が100℃未満であると、微多孔性フィルムへの加工性が悪くなり、170℃を超えると、シャットダウン効果が不十分となる。
第1の樹脂組成物としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、及びこれらを含む樹脂組成物が挙げられる。ポリエチレン樹脂(以下、「PE」と略す場合がある。)としては、より具体的には、いわゆる高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンが挙げられ、重量平均分子量が好ましくは1万〜100万、より好ましくは5万〜50万、さらに好ましくは10万〜30万の高密度ポリエチレンが好ましい。また、エチレン単位に対してプロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン等のα−オレフィンの単位を10モル%以下の割合で含む共重合体(線状共重合ポリエチレン)であってもよい。また、ブレンドや多段重合などの手段によって重量平均分子量を好ましい範囲に調節したものでもかまわない。さらに、上記ポリエチレンを複数ブレンドしたものでもかまわない。
また、ポリプロピレン樹脂(以下、「PP」と略す場合がある。)としては、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーが挙げられる。ポリプロピレン樹脂は、1種類を単独で又は2種類以上を混合して用いられる。また、ポリプロピレン樹脂を得る際に用いられる重合触媒も特に制限はなく、例えば、チーグラー・ナッタ系の触媒やメタロセン系の触媒等が挙げられる。また、ポリプロピレン樹脂の立体規則性も特に制限はなく、アイソタクチック又はシンジオタクチックのポリプロピレン樹脂が用いられる。
ポリプロピレン樹脂は、得られる微多孔性フィルムの物性や用途に応じて、異なる性質を有する2種以上のポリプロピレン樹脂を特定の配合比率で配合したものであってもよい。
本実施形態で用いるポリプロピレン樹脂は、通常、メルトフローレート(ASTM D1238に準拠し、230℃、2.16kgの荷重下で測定。以下同様。)が好ましくは0.1〜100g/10分、より好ましくは0.1〜80g/10分の範囲である。ポリプロピレン樹脂のメルトフローレートが上記範囲であると、良好な膜特性が得られる傾向にある。
本実施形態で用いるポリプロピレン樹脂は、上述のポリプロピレン樹脂の他に、特開昭44−15422号公報、特開昭52−30545号公報、特開平6−313078号公報、特開2006−83294号公報に記載されているような公知の変性ポリプロピレン樹脂であってもよい。さらに、本実施形態で用いるポリプロピレン樹脂は、上述のポリプロピレン樹脂と該変性ポリプロピレン樹脂との任意の割合の混合物であってもよい。
[第2の樹脂組成物]
本実施形態における第2の微多孔フィルム層を構成する第2の樹脂組成物は、耐熱樹脂若しくは耐熱樹脂アロイであることが好ましく、ポリプロピレン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、及びポリイミドよりなる群から選択される1種又は2種以上であることがより好ましい。中でも、ポリプロピレン樹脂100質量部と、ポリフェニレンエーテル樹脂5〜90質量部と、を含有する熱可塑性樹脂組成物である場合、より耐熱性の高い積層微多孔性フィルムが得られる傾向にあるため好ましい。
以下、第2の樹脂組成物として好適なポリプロピレン樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂とを含有する熱可塑性樹脂組成物について説明する。
(ポリプロピレン樹脂)
本実施形態で用いる(a)ポリプロピレン樹脂としては、第1の微多孔フィルム層に用いるポリプロピレン樹脂と同じものが挙げられる。
(ポリフェニレンエーテル樹脂)
本実施形態で用いる(b)ポリフェニレンエーテル樹脂(以下、「PPE」と略す場合がある。)としては、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するものが挙げられる。
ここで、式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜7の低級アルキル基、フェニル基、ハロアルキル基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基、及び、少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔てているハロ炭化水素オキシ基、からなる群より選ばれる基を示す。
PPEの具体例としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)が挙げられる。さらに、PPEとして、例えば、2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノール及び2−メチル−6−ブチルフェノール)との共重合体のようなポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられる。これらの中では特に、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、及び、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)がより好ましい。
また、PPEの製造方法に関しては、特に限定されるものではなく、公知の製造方法で得られるPPEであれば、本実施形態に用いることができる。
本実施形態で用いるPPEとしては、上述のPPEとスチレン系モノマー及び/又はα,β−不飽和カルボン酸若しくはその誘導体(例えば、エステル化合物、酸無水物化合物)とを、ラジカル発生剤の存在下又は非存在下、溶融状態、溶液状態又はスラリー状態で80〜350℃の温度で反応させることによって得られる公知の変性PPEを用いることも可能である。さらに、上述のPPEと該変性PPEとの任意の割合の混合物であってもよい。本実施形態で用いるPPEの還元粘度は、0.15〜2.5が好ましく、0.30〜2.00がより好ましい。PPEの還元粘度が上記範囲であると、PPマトリックス中の分散形態が良好となる傾向にある。
本実施形態における第2の樹脂組成物は、(a)ポリプロピレン樹脂100質量部に対し、(b)ポリフェニレンエーテル樹脂を5〜90質量部含有することが好ましく、より好ましくは10〜80質量部、さらに好ましくは20〜65質量部含有する。PPEの含有割合を上記範囲に設定することは、得られる積層微多孔性フィルムの延伸性の観点から好適である。
本実施形態で用いるPPEとしては、上述のPPEの他に、PPEに対してポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン及び/又はゴム補強したシンジオタクチックポリスチレン等を加えたものも好適に用いられる。
(混和剤)
本実施形態の積層微多孔性フィルムを構成する第2の微多孔フィルム層は、ポリプロピレン樹脂を含む(好ましくは主成分として含む)相の海部と、ポリフェニレンエーテル樹脂を含む(好ましくは主成分として含む)相の島部と、からなる海島構造を有するものであると好ましい。この場合、PP樹脂のマトリックス中にPPE樹脂が分散して存在する構造を有し、好ましくは、該島部の粒径が0.01μm〜10μmである。これらの条件を満たすために、本実施形態における第2の樹脂組成物は、ポリプロピレン樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂に加えて、(c)混和剤をさらに含有することが特に好ましい。なお、「主成分として含む」とは、特定成分が、該特定成分を含むマトリックス成分中に含まれる割合として好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上含まれ、100質量%含まれてもよいことを意味する。
本実施形態で用いる(c)混和剤は、上述のポリプロピレン樹脂のマトリックス中にポリフェニレンエーテル樹脂を分散粒子化させるための分散剤として作用する。さらには、その混和剤は、本実施形態における微多孔性フィルムに良好な気孔率及び良好な透気度を付与する効果を奏する。
本実施形態で用いる(c)混和剤としては、ポリフェニレンエーテル樹脂の分散性の観点から、水添ブロック共重合体が好ましい。この水添ブロック共重合体は、ビニル芳香族化合物の構造単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン化合物の構造単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBと、からなるブロック共重合体に水素を添加したブロック共重合体である。
重合体ブロックBの構造単位を提供する共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンからなる群より選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。これらの中でも、ブタジエン、イソプレン及びこれらの組み合わせが好ましい。共役ジエン化合物の構造単位を主体とする重合体ブロックBは、共役ジエン化合物の構造単位を少なくとも70質量%以上含有する重合体ブロックであると好ましく、共役ジエン化合物のホモ重合体ブロック、又は、共役ジエン化合物とその共役ジエン化合物と共重合可能なモノマーとの共重合体ブロックを意味する。
重合体ブロックBにおけるミクロ構造(共役ジエン化合物の結合形態)については、1,2−ビニル結合量と3,4−ビニル結合量との合計(以下、「ビニル結合量」と略す。)が好ましくは40〜90%、より好ましくは45〜85%である。ここで、「ビニル結合量」とは、共役ジエン化合物が重合前に有するビニル結合の数に対する、重合後に重合体ブロックB中に残存するビニル結合の数の割合をいう。これらの共役ジエン化合物の結合形態及び「ビニル結合量」は、赤外分光スペクトルから導出される。ただし、NMRスペクトルを用いて導出した「ビニル結合量」の値を、赤外分光スペクトルから導出した値に換算してもよい。その換算は、ビニル結合量が同量の重合体について、それぞれ赤外分光スペクトル及びNMRスペクトルから「ビニル結合量」を導出して、それらの測定法の間の検量線を作成して行うことができる。かかるビニル結合量が40%以上であると、本実施形態の積層微多孔性フィルムは、気孔率と透過度とのバランスに一層優れる傾向にある。
重合体ブロックAの構造単位を提供するビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン及びジフェニルエチレンからなる群より選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。これらの中でもスチレンが好ましい。
ビニル芳香族化合物の構造単位を主体とする重合体ブロックAは、ビニル芳香族化合物の構造単位を70質量%以上含有する重合体ブロックであると好ましく、ビニル芳香族化合物のホモ重合体ブロック、又は、ビニル芳香族化合物とそのビニル芳香族化合物と共重合可能なモノマーとの共重合体ブロックを意味する。
上記の構造を有するブロック共重合体の数平均分子量は、ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した値で、5,000〜1,000,000の範囲であると好ましい。また、ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布は10以下であると好ましい。さらに、このブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状又はこれらの任意の組み合わせのいずれであってもよい。
このような構造を有するブロック共重合体は、それに含まれる重合体ブロックBの脂肪族系二重結合(ビニル結合)に水素を添加することにより、水添ブロック共重合体、即ち、ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加物となり、混和剤として用いられる。かかる脂肪族系二重結合に対する水素添加率は、水素添加前のブロック共重合体が有する脂肪族系二重結合の全量を基準として、80%以上であると好ましい。この水素添加率は、上述のビニル結合量と同様に、赤外分光スペクトルにより導出されるが、NMRスペクトルによって導出した水素添加率の値を赤外分光スペクトルから導出した値に換算したものであってもよい。
混和剤が第2の樹脂組成物中に占める割合は、その組成物の全量に対して、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%である。これにより、ポリフェニレンエーテル樹脂の分散性及びこの分散性に起因した本実施形態における積層微多孔性フィルムの気孔率及び透気度がより良好なものとなる傾向にある。
なお、上記のような海島構造(分散状態)は、透過型電子顕微鏡等を用いて容易に測定、観察することが可能である。例えば、測定対象となる微多孔フィルムを試料台に積載後、その微多孔フィルムに対して約3nm厚みのオスミウムコーティングを施し、加速電圧を1kVに設定した走査型電子顕微鏡(HITACHI S−4700)を用いて観察することができる。
島部の粒径は、好ましくは0.01μm〜10μm、より好ましくは0.1μm〜5μmである。島部の粒径をこのような範囲とすることは、最終的に得られる積層微多孔性フィルムの開孔部を、フィルム厚み方向、フィルム面方向において、より均一に分散することに寄与し得る。開孔部が均一に分散した積層微多孔性フィルムは電池用セパレータとして好適である。
なお、本実施形態において島部の上記粒径は、以下のようにして測定される。
まず、測定対象となる微多孔フィルムについて海島構造の観察時の測定方法と同様にして透過型電子顕微鏡写真(倍率:5,000倍)を得る。次に、その写真から、マトリックス(海部)であるポリプロピレン樹脂を含む相中に分散したポリフェニレンエーテル樹脂を含む相(島部)の粒子100個を任意に選定する。そして、選定した各粒子の最大長を長軸径、最小長を短軸径として測定する。上記粒径は、当該長軸径として定義されるものである。この粒径は、上記粒子100個についての相加平均値が上述の範囲にあると好ましく、粒子100個全てについて上述の範囲にあるとより好ましい。
長軸径と短軸径との比(長軸径/短軸径)は、好ましくは1〜5であり、より好ましくは1〜3である。長軸径と短軸径との比をこのような範囲に設定することは、積層微多孔性フィルムの開孔性の観点から好適である。
なお、用いるポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、及び混和剤を適宜選択することで、上述のような粒径、長軸径と短軸径との比を有するポリフェニレンエーテル樹脂を含む相の粒子(島部)をマトリックス(海部)であるポリプロピレン樹脂を含む相中に分散させることができる。
また、第1の樹脂組成物及び第2の樹脂組成物には、上記各成分の他に、本発明により奏される効果を損なわない範囲で、必要に応じて付加的成分、例えば、オレフィン系エラストマー、酸化防止剤、金属不活性化剤、熱安定剤、難燃剤(有機リン酸エステル系化合物、ポリリン酸アンモニウム系化合物、芳香族ハロゲン系難燃剤、シリコーン系難燃剤等)、フッ素系ポリマー、可塑剤(低分子量ポリエチレン、エポキシ化大豆油、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)、三酸化アンチモン等の難燃助剤、耐候(光)性改良剤、ポリオレフィン用造核剤、スリップ剤、無機又は有機充填材及び強化材(ポリアクリロニトリル繊維、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム、導電性金属繊維、導電性カーボンブラック等)、各種着色剤、離型剤等が添加されていてもよい。
本実施形態の積層微多孔性フィルムは、優れた気孔率と透気度とを有し、リチウムイオン電池用セパレータとして特に好適に利用できる。
[積層微多孔フィルムの製法]
本実施形態の積層微多孔性フィルムの製造方法としては、特に限定されないが、第1の樹脂組成物から構成される第1の樹脂フィルムと、第2の樹脂組成物から構成され、前記第1の樹脂フィルムよりも高い耐熱性を有する第2の樹脂フィルムと、を積層した積層フィルムに対して、−20℃以上70℃未満の温度で第1の延伸を施して延伸積層フィルムを得る冷延伸工程と、前記延伸積層フィルムに対して70℃以上160℃未満の温度で第2の延伸を施す熱延伸工程と、を含む製造方法が好ましい。以下、より具体的に説明する。
本実施形態の積層微多孔性フィルムは、例えば、Tダイやサーキュラーダイを用い、(a)各樹脂フィルムを別々に押出成形した後に貼合するラミネート法により各樹脂フィルムを積層した積層フィルムを形成し、その後、その積層フィルムを延伸して多孔化する方法、(b)共押出法により各樹脂フィルムを積層した積層フィルムを成形した後、その積層フィルムを延伸して多孔化する方法、(c)各樹脂フィルムを別々に押出成形して更に延伸してそれぞれ多孔化した微多孔化フィルムを得た後にそれらの微多孔化フィルムを貼合する方法により製造することができる。これらのなかでも、本実施形態で得られる積層微多孔性フィルムに要求される物性や用途の観点から、上記(a)又は(b)の製造方法が好ましい。
(a)各樹脂フィルムを別々に押出成形した後に貼合するラミネート法により各樹脂フィルムを積層した積層フィルムを形成し、その後、その積層フィルムを延伸して多孔化することにより、本実施形態の積層微多孔性フィルムを製造する場合、第2の樹脂組成物から構成される第2の樹脂フィルム(高融点樹脂フィルム)及び第1の樹脂組成物から構成される第1の樹脂フィルム(低融点樹脂フィルム)を加熱されたロ−ル間に通し、熱圧着することが好ましい。この場合、各樹脂フィルムは、原反ロ−ルスタンドから巻き出され、加熱されたロ−ル間でニップされ圧着されることで積層される。積層の際、各樹脂フィルムの弾性回復率が実質的に低下しないように熱圧着する。特に、高融点樹脂フィルムを2枚の低融点樹脂フィルムで挟むようにしてそれらを積層する場合に、この方法を採用すると好適である。これにより、得られる積層フィルムのカ−ル(湾曲)が抑制され、外傷も受け難いため、最終的に得られる積層微多孔性フィルムの耐熱性、機械的強度等がより良好となる傾向にある。また、積層微多孔性フィルムを電池用セパレ−タとして用いる場合、その安全性、信頼性等の特性をより十分に満たす観点からも好適である。
加熱されたロ−ルの温度、即ち、熱圧着温度は、好ましくは120〜160℃、より好ましくは120〜140℃である。熱圧着温度が120℃未満であると、積層フィルム間の剥離強度が弱くなり、その後の各延伸工程で剥がれが生じやすくなる傾向にある。また、熱圧着温度が160℃を超えると、低融点樹脂フィルムが溶融し、そのフィルムの弾性回復率が低下し、所期の課題を解決し得る積層微多孔性フィルムが得られ難くなる傾向にある。ニップ圧は1〜3kg/cmが好ましく、巻き出し速度は0.5〜8m/分が好ましい。また、積層フィルムの剥離強度は、3〜60g/15mmの範囲が好適である。
共押出による積層フィルムを作製する場合は、例えば、3層の場合は2種3層又は3種3層のTダイ式、若しくはサーキュラー式のフィルム成形方法を用いて作製することができる。共押出法は、中間層の厚さを薄く設定する場合には特に有効である。
いずれの製造方法においても、押出後にドロー比、即ち、フィルムの巻取速度を樹脂の押出速度で除した値が、好ましくは10〜500、より好ましくは100〜400、更に好ましくは150〜350の範囲である。また、フィルムの巻取速度が好ましくは約2〜400m/分、より好ましくは10〜200m/minになるようにフィルムを巻き取る。
さらに、成形により得られたフィルムに対し、必要に応じて熱処理(アニール)を施すことが好ましい。アニールの方法としては、例えば、フィルムを加熱ロール上に接触させる方法又は加熱気相中に曝す方法、フィルムを芯体上に巻き取り加熱気相又は加熱液相中に曝す方法や、これら両者を組み合わせて行う方法が挙げられる。これらの加熱処理の条件は、フィルムを構成する材料の種類等により適宜決定されるが、通常、120〜170℃の加熱温度、10秒間〜100時間の加熱時間である。
アニールは各フィルムを積層する前に行ってもよく、積層した後に行ってもよい。積層する前にアニールを施す場合、第1の樹脂フィルムと第2の樹脂フィルムとのそれぞれに適した条件でアニールを施すことができる。これにより、気孔率、透気度及び熱収縮率のバランスが更に良好な積層微多孔性フィルムが得られる傾向にある。一方、積層した後にアニールを施す場合、アニール前の樹脂の非晶部の比率が高い状態で樹脂フィルム同士を熱圧着により積層することになるため、接着強度が高い積層微多孔性フィルムが得られる傾向にある。
上記(a)及び(b)の方法のように、延伸工程の前に第1のフィルムと第2のフィルムとを積層した積層フィルムを形成する場合、その積層フィルムに対して第1の延伸を施して延伸積層フィルムを得る冷延伸工程を含むことが好ましい。この際、−20℃以上70℃未満、好ましくは0℃以上50℃未満の温度で、押出し方向(以下、「MD方向」という。)に好ましくは1.1倍以上2.0倍未満、幅方向(以下、「TD」方向と記す)に好ましくは1.0倍〜2.0倍、それぞれ第1の延伸を施すことが好適である。この第1の延伸における温度及び延伸倍率は、より好ましくは0℃以上50℃未満の温度でMD方向に1.1倍〜2.0倍であり、一軸延伸であることが好ましい。−20℃未満で延伸した場合はフィルムが破断する傾向にあり、また、70℃以上で延伸した場合は、得られる積層微多孔性フィルムの気孔率が低く、透気度が高くなる傾向にある。
本実施形態の積層微多孔性フィルムの製造方法は、上記冷延伸工程により得られた延伸積層フィルムに対して、70℃以上160℃未満、好ましくは80℃以上130℃未満の温度で、MD方向に好ましくは1.1倍以上5.0倍未満、TD方向に好ましくは1.0倍〜5.0倍、それぞれ第2の延伸を施す熱延伸工程を有することが好適である。これにより、第1の微多孔フィルム層及び第2の微多孔フィルム層が形成した本実施形態の積層微多孔性フィルムが得られる。この第2の延伸における温度及び延伸倍率は、より好ましくは、80℃以上150℃未満の温度でMD方向に2.0倍〜5.0倍であり、一軸延伸であることが好ましい。70℃未満で延伸した場合はフィルムが破断する傾向があり、また、140℃以上で延伸した場合は、得られる積層微多孔性フィルムの気孔率が低く、透気度が高くなる傾向にある。
上述したように、本実施形態の積層微多孔性フィルムの製造方法が、冷延伸工程と熱延伸工程とを含むことは、本実施形態の積層微多孔性フィルムに要求される物性や用途の観点から好ましい。積層微多孔性フィルムの製造方法が延伸工程として、どちらか1段階のみ有する場合、得られる積層微多孔性フィルムが、気孔率や透気度等の要求される物性を満たし難くなる傾向にある。なお、本実施形態の積層微多孔性フィルムの製造方法は、上述の各延伸工程に加えて、更なる延伸工程を有していてもよい。
また、驚くべきことに、冷延伸工程及び熱延伸工程における各条件を上述のような条件に調整することで、本実施形態の積層微多孔性フィルムに予想以上の透過性を付与できることが分かった。特開平8−34872号公報で示されるように、熱可塑性樹脂組成物のシートを1段階で熱延伸すると、得られたフィルム中に空孔は形成されるものの、膜厚方向への透過性は得ることができない。一方、本実施形態の積層微多孔性フィルムの製造方法では、詳細は明らかではないが、上述のような条件による冷延伸工程及び熱延伸工程を含むことで、空孔の生成と、連通孔の形成(空孔が3次元的に連結して、膜厚方向に貫通孔となること)とが良好になされることが分かった。
さらに、本実施形態の積層微多孔性フィルムの製造方法は、延伸時に作用した応力残留による積層微多孔性フィルムの延伸方向への収縮を防ぐことを目的として、その積層微多孔性フィルムに対して、80℃以上160℃未満の温度で熱固定を施す工程を有することが好ましい。この熱固定の方法としては、熱固定後の積層微多孔性フィルムの長さが10〜50%減少する程度熱収縮させる方法(以下、この方法を「緩和」という。)、延伸方向の寸法が変化しないように固定する方法等が挙げられる。
上記冷延伸工程、熱延伸工程、その他の延伸工程及び熱固定を施す工程においては、ロール、テンター、オートグラフ等により、1段階又は2段階以上で、1軸方向及び/又は2軸方向に延伸、熱固定する方法を採用し得る。これらの中でも、本実施形態で得られる積層微多孔性フィルムに要求される物性や用途の観点から、ロールによる2段階以上の1軸延伸が好ましい。
[積層微多孔性フィルムの物性]
本実施形態の積層微多孔性フィルムのシャットダウン温度は、好ましくは100〜170℃である。また、本実施形態の積層微多孔性フィルムの破膜温度は、200℃以上である。本実施形態の積層微多孔性フィルムは適度なシャットダウン温度と高い耐熱性をあわせ持ったフィルムである。
さらに驚くべきことに、本実施形態の微多孔性フィルムはシャットダウンの完全性が非常に高い。シャットダウンの完全性は、後述する実施例において評価されているシャットダウン時の抵抗値で表すことができる性能であり、その抵抗値としては、好ましくは10000Ω以上であり、より好ましくは100000Ω以上、さらに好ましくは1000000Ω以上である。
また、本実施形態の積層微多孔性フィルムは、上記のような高い安全性を有するばかりでなく、電池セパレータとしての他の諸特性についても良好な性能を有する。
本実施形態の積層微多孔性フィルムの気孔率は、好ましくは20%〜70%、より好ましくは35%〜65%、更に好ましくは45%〜60%である。気孔率が20%以上である場合、積層微多孔性フィルムを電池用途に用いた場合に十分なイオン透過性が付与される傾向にある。一方、気孔率を70%以下である場合、積層微多孔性フィルムに十分な機械強度が付与される傾向にある。本実施形態の積層微多孔性フィルムの膜厚は、5〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
なお、本実施形態の積層微多孔性フィルムの気孔率は、各層を構成する樹脂組成物の組成、延伸温度、延伸倍率等を適宜設定することにより上述の範囲に調節することができる。
また、積層微多孔性フィルムの気孔率は、そのフィルムから10cm×10cm角のサンプルを切り出し、そのサンプルの体積と質量とから下記式を用いて算出される。
気孔率(%)=(体積(cm)−質量(g)/樹脂組成物の密度(g/cm))/体積(cm)×100
本実施形態の積層微多孔性フィルムの透気度は、好ましくは10秒/100cc〜5000秒/100cc、より好ましくは50秒/100cc〜1000秒/100cc、更に好ましくは100秒/100cc〜500秒/100ccである。透気度が5000秒/100cc以下である場合、積層微多孔性フィルムに十分なイオン透過性が付与される傾向にある。一方、透気度が10秒/100cc以上である場合、欠陥のないより均質な積層微多孔性フィルムが得られる傾向にある。
なお、本実施形態の積層微多孔性フィルムの透気度は、各層を構成する樹脂組成物の組成、延伸温度、延伸倍率等を適宜設定することにより上述の範囲に調節することができる。
また、透気度は、JIS P−8117に準拠し、ガーレー式透気度計を用いて測定される。
本実施形態における積層微多孔性フィルムは電池用セパレータ、より具体的にはリチウム二次電池用セパレータとして好適に用いられる。その他、各種分離膜としても用いられる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、用いた原材料及び各種特性の評価方法は下記の通りである。
(1)メルトフローレート(MFR)(g/10分)
JIS K 7210に準拠し、ポリプロピレン樹脂は210℃、2.16kgの条件で、ポリエチレン樹脂は190℃、2.16kgの条件で測定した値であり、単位はg/10分である。
(2)ポリエチレン樹脂の密度(kg/m
JIS K 7112に準拠し測定した値であり、その単位はkg/mである。
(3)膜厚(μm)
ダイヤルゲージ(尾崎製作所社製、商品名「PEACOCK No.25」)にて測定した。
(4)気孔率(%)
フィルムから10cm×10cm角のサンプルを切り出し、そのサンプルの体積と質量とから下記式を用いて算出した。
気孔率(%)=(体積(cm)−質量(g)/樹脂組成物の密度(g/cm))/体積(cm)×100
(5)透気度(秒/100cc)
JIS P−8117に準拠したガーレー式透気度計(東洋精機社製、商品名:ガーレーデンソメーター)にて測定した。
(6)シャットダウン特性及び破膜温度(耐破膜性)
厚さ10μmのニッケル箔を2枚(A,B)用意し、一方のニッケル箔Aをスライドガラス上に、縦10mm、横10mmの正方形部分を残してテフロン(登録商標)テープでマスキングすると共に固定した。
熱電対を繋いだセラミックスプレート上に、別のニッケル箔Bを載せ、この上にプロピレンカーボネート:エチレンカーボネート:γ−ブチロラクトン=1:1:2(体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiBFを1.0mol/リットルとなるように溶解させた電解液に3時間浸漬させ充分に電解液を含浸させた測定試料の微多孔膜を置き、その上からニッケル箔Aを貼りつけたスライドガラスを載せ、更にシリコンゴムを載せた。
これをホットプレート上にセットし、油圧プレス機にて1.5MPaの圧力をかけた状態で、20℃/minの速度で昇温した。
このときのインピーダンス変化をLCRメーターにて交流1V、1kHzの条件下で測定した。
この測定において、インピーダンスが1000Ωに達した時点の温度をシャットダウン温度とし、その後インピーダンスが1000Ωを下回った時点の温度を破膜温度とした。また、シャットダウン後のインピーダンスの最大値をシャットダウン時の抵抗とした。
ポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、混和剤、ポリエチレン樹脂としては、下記のものを用いた。
1.ポリプロピレン樹脂
(a−1) プロピレンホモポリマー、MFR=0.4、融点165℃
2.ポリフェニレンエーテル樹脂
(b−1) 2,6−キシレノールを酸化重合して得た還元粘度0.54のPPE
3.混和剤
(c−1) ポリスチレン(1)−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレン(2)の構造を有し、結合スチレン量43%、数平均分子量95,000、水素添加前のポリブタジエンの1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合との合計量80%、ポリスチレン(1)の数平均分子量30,000、ポリスチレン(2)の数平均分子量10,000、ポリブタジエン部水素添加率99.9%の、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物
4.ポリエチレン樹脂
(d−1)密度=964、MFR=1.0、融点136℃
(d−2)密度=952、MFR=0.1、融点135℃
[実施例1]
ポリエチレン樹脂(d−1)を、口径30mm、L/D=30、200℃に設定した単軸押出機にフィーダーを介して投入し、押出機先端に設置したリップ厚2.0mmのTダイから押し出した。その後直ちに、溶融した樹脂に25℃の冷風を当て、95℃に冷却したキャストロールでドロー比200倍、巻き取り速度10m/分の条件で巻き取り、第1のフィルム(B−1)を成形した。
ポリプロピレン樹脂(a−1)100質量部と、ポリフェニレンエーテル樹脂(b−1)11質量部と、混和剤(c−1)3質量部とを準備した。また、第一原料供給口及び第二原料供給口を有する二軸押出機を準備した。上記各原料供給口は、押出機のほぼ中央に位置していた。温度260〜320℃、スクリュー回転数300rpmに設定した上記二軸押出機に、(a−1)成分、(b−1)成分、(c−1)成分を供給して溶融混練し、熱可塑性樹脂組成物をペレットとして得た。
得られた熱可塑性樹脂組成物のペレットを、口径30mm、L/D=30、260℃に設定した単軸押出機にフィーダーを介して投入し、押出機先端に設置したリップ厚1.0mmのTダイから押し出した。その後直ちに、溶融した樹脂に25℃の冷風を当て、95℃に冷却したキャストロールでドロー比100倍、巻き取り速度10m/分の条件で巻き取り、第2のフィルム(A−1)を成形した。
第2のフィルム(A−1)とその両側から第1のフィルム(B−1)で挟み込み、両外層が第1のフィルム(B−1)、内層が第2のフィルム(A−1)の構造を有する3層積層フィルムを次のようにして製造した。まず、第2のフィルム(A−1)と第1のフィルム(B−1)とをそれぞれ巻き出し速度4.0m/分で巻き出し、加熱ロ−ルに導き、そこで熱圧着温度130℃、線圧2.0kg/cmで熱圧着し、その後、同速度で25℃の冷却ロ−ルに導いて巻き取って積層フィルムを得た。この積層フィルムに対して130℃に加熱された熱風循環オ−ブン中で1時間アニールを施した。
次に、アニール後の積層フィルムを25℃の温度で縦方向に1.3倍で一軸延伸して、延伸積層フィルムを得た(冷延伸工程)。次いで、延伸積層フィルムを125℃の温度で縦方向に3.0倍で一軸延伸して積層微多孔性フィルムを得た(熱延伸工程)。そして、積層微多孔性フィルムに対して、125℃の温度で0.8倍に緩和させて熱固定を施した。得られた第1の微多孔フィルム層と第2の微多孔フィルム層とが積層された積層微多孔性フィルムについて、膜厚、気孔率、透気度、破膜温度(耐破膜性)を測定した。その結果を表1に示す。
なお、本実施例の第1のフィルム層と第2のフィルム層をそれぞれ単独で微多孔化した場合の破膜温度は、第1のフィルム層が150℃、第2のフィルム層が200℃でも未破膜であった。
[実施例2]
ポリプロピレン樹脂(a−1)100質量部と、ポリフェニレンエーテル樹脂(b−1)67質量部と、混和剤(c−1)11質量部とを準備した。また、第一原料供給口及び第二原料供給口を有する二軸押出機を準備した。上記各原料供給口は、押出機のほぼ中央に位置していた。温度260〜320℃、スクリュー回転数300rpmに設定した上記二軸押出機に(a−1)成分、(b−1)成分、(c−1)成分を供給して溶融混練し、熱可塑性樹脂組成物をペレットとして得た。
この熱可塑性樹脂組成物ペレットを口径20mm、L/D=30、260℃に設定した単軸押出機にフィーダーを介して投入し、また、ポリエチレン樹脂(d−2)を口径20mm、L/D=30、240℃に設定した単軸押出機にフィーダーを介して投入し、ポリエチレン樹脂を表層、樹脂組成物ペレットを中間層とした、押出機先端に設置したリップ厚3.0mmの2種3層共押出Tダイから押し出した。その後直ちに、溶融した樹脂に25℃の冷風を当て、95℃に冷却したキャストロールでドロー比100倍、巻き取り速度10m/分の条件で巻き取り、3層積層フィルムを成形した。
この積層フィルムに対して130℃に加熱された熱風循環オ−ブン中で1時間アニールを施し、次に、アニール後の積層フィルムを25℃の温度で縦方向に1.3倍で一軸延伸して、延伸積層フィルムを得た(冷延伸工程)。次いで、延伸積層フィルムを125℃の温度で縦方向に3.0倍で一軸延伸して積層微多孔性フィルムを得た(熱延伸工程)。そして、積層微多孔性フィルムに対して、125℃の温度で0.8倍に緩和させて熱固定を施した。得られた第1の微多孔フィルム層と第2の微多孔フィルム層とが積層された積層微多孔性フィルムについて、膜厚、気孔率、透気度、破膜温度(耐破膜性)を測定した。その結果を表1に示す。
なお、本実施例の第1のフィルム層と第2のフィルム層をそれぞれ単独で微多孔化した場合の破膜温度は、第1のフィルム層が145℃、第2のフィルム層が200℃でも未破膜であった。
[実施例3]
ポリプロピレン樹脂(a−1)100質量部と、ポリフェニレンエーテル樹脂(b−1)67質量部と、混和剤(c−1)11質量部とを準備した。また、第一原料供給口及び第二原料供給口を有する二軸押出機を準備した。上記各原料供給口は、押出機のほぼ中央に位置していた。温度260〜320℃、スクリュー回転数300rpmに設定した上記二軸押出機に(a−1)成分、(b−1)成分、(c−1)成分を供給して溶融混練し、熱可塑性樹脂組成物をペレットとして得た。
この熱可塑性樹脂組成物ペレットを口径30mm、L/D=30、260℃に設定した単軸押出機にフィーダーを介して投入し、また、ポリプロピレン樹脂(a−1)を口径30mm、L/D=30、260℃に設定した単軸押出機にフィーダーを介して投入し、ポリエチレン樹脂を表層、樹脂組成物ペレットを中間層とした、押出機先端に設置したリップ厚3.0mmの2種3層共押出Tダイから押し出した。その後直ちに、溶融した樹脂に25℃の冷風を当て、95℃に冷却したキャストロールでドロー比100倍、巻き取り速度10m/分の条件で巻き取り、3層積層フィルムを成形した。
この積層フィルムに対して150℃に加熱された熱風循環オ−ブン中で1時間アニールを施し、次に、アニール後の積層フィルムを25℃の温度で縦方向に1.3倍で一軸延伸して、延伸積層フィルムを得た(冷延伸工程)。次いで、延伸積層フィルムを130℃の温度で縦方向に3.0倍で一軸延伸して積層微多孔性フィルムを得た(熱延伸工程)。そして、積層微多孔性フィルムに対して、130℃の温度で0.8倍に緩和させて熱固定を施した。得られた第1の微多孔フィルム層と第2の微多孔フィルム層とが積層された積層微多孔性フィルムについて、膜厚、気孔率、透気度、破膜温度(耐破膜性)を測定した。その結果を表1に示す。
なお、本実施例の第1のフィルム層と第2のフィルム層をそれぞれ単独で微多孔化した場合の破膜温度は、第1のフィルム層が170℃、第2のフィルム層が200℃でも未破膜であった。
[比較例1]
中間層に、ポリプロピレン樹脂(a−1)を用いた以外は、実施例1と同様の手法で3層積層微多孔フィルムを作製し、膜厚、気孔率、透気度、破膜温度(耐破膜性)を測定した。その結果を表1に示す。
なお、本実施例の第1のフィルム層と第2のフィルム層をそれぞれ単独で微多孔化した場合の破膜温度は、第1のフィルム層が150℃、第2のフィルム層が175℃であった。
[比較例2]
中間層に、ポリプロピレン樹脂(a−1)を用いた以外は、実施例2と同様の手法で3層積層微多孔フィルムを作製し、膜厚、気孔率、透気度、破膜温度(耐破膜性)を測定した。その結果を表1に示す。
なお、本実施例の第1のフィルム層と第2のフィルム層をそれぞれ単独で微多孔化した場合の破膜温度は、第1のフィルム層が145℃、第2のフィルム層が165℃であった。
[比較例3]
両外層をポリプロピレン樹脂(a−1)、中間層をポリエチレン樹脂(d−1)と変更した以外は、実施例1と同様の手法で3層積層微多孔フィルムを作製し、膜厚、気孔率、透気度、破膜温度(耐破膜性)を測定した。その結果を表1に示す。
[比較例4]
ポリプロピレン樹脂(a−1)を、口径20mm、L/D=30、260℃に設定した単軸押出機にフィーダーを介して投入し、押出機先端に設置したリップ厚3.0mmのTダイから押し出した。その後直ちに、溶融した樹脂に25℃の冷風を当て、95℃に冷却したキャストロールでドロー比100倍、巻き取り速度10m/分の条件で巻き取り、単層樹脂フィルムを成形した。
これを、実施例3と同様の条件で多孔化処理を行い、単層微多孔フィルムを作製し、膜厚、気孔率、透気度、破膜温度(耐破膜性)を測定した。その結果を表1に示す。
表1の結果から、本実施形態の積層微多孔性フィルム(実施例1〜3)は、高い耐熱性と良好なシャットダウン特性を有し、且つ、リチウムイオン二次電池用セパレータとして好適な諸物性とを備えたものであった。
本実施形態における積層微多孔性フィルムは電池用セパレータ、より具体的にはリチウム二次電池用セパレータとしての産業上利用可能性を有する。その他、各種分離膜としても用いられる。

Claims (8)

  1. 融点が100〜170℃の第1の樹脂組成物から構成される第1の微多孔フィルム層と、
    第2の樹脂組成物から構成され、前記第1の微多孔フィルム層よりも高い耐熱性を有する第2の微多孔フィルム層と、
    が積層された積層微多孔性フィルムであって、
    前記第2の微多孔フィルム層の両側に前記第1の微多孔フィルム層が配置されており、破膜温度が200℃以上である、積層微多孔性フィルム。
  2. 前記第2の樹脂組成物は、ポリプロピレン樹脂100質量部と、ポリフェニレンエーテル樹脂5〜90質量部と、を含有する熱可塑性樹脂組成物である、請求項1記載の積層微多孔性フィルム。
  3. 前記第1の樹脂組成物は、ポリエチレン樹脂を含む、請求項1又は2記載の積層微多孔性フィルム。
  4. 前記第1の樹脂組成物は、ポリプロピレン樹脂を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の積層微多孔性フィルム。
  5. 前記第2の微多孔フィルム層の平均厚さが、最外層の前記第1の微多孔フィルム層の平均厚さより小さい、請求項1〜4のいずれか1項記載の積層微多孔性フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の積層微多孔性フィルムからなる電池用セパレータ。
  7. 第1の樹脂組成物から構成される第1の樹脂フィルムと、第2の樹脂組成物から構成され、前記第1の樹脂フィルムよりも高い耐熱性を有する第2の樹脂フィルムと、を積層した積層フィルムに対して、−20℃以上70℃未満の温度で第1の延伸を施して延伸積層フィルムを得る冷延伸工程と、
    前記延伸積層フィルムに対して、70℃以上160℃未満の温度で第2の延伸を施す熱延伸工程と、
    を含む請求項1〜5いずれか1項記載の積層微多孔性フィルムの製造方法。
  8. 積層方法が共押出法である、請求項7記載の積層微多孔性フィルムの製造方法。
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