JP2011119507A - コイル部品封止用熱硬化性樹脂組成物、及びそれを用いたコイル部品 - Google Patents

コイル部品封止用熱硬化性樹脂組成物、及びそれを用いたコイル部品 Download PDF

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Abstract

【課題】コイル部品を封止する際に、コイル部品に対する電流の流入に起因した加熱及び電流の停止に起因した冷却による熱サイクルによって、クラックを発生せず、さらに成形性、機械特性に優れるコイル部品封止用樹脂組成物、及びこれを用いたコイル部品を提供する。
【解決方法】分子量400〜700のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、ザイログ型フェノール樹脂と、溶融シリカとを具えるようにしてコイル部品封止用熱硬化性樹脂組成物を調整する。コイル部品は、前記コイル部品封止用樹脂組成物をトランスファー成形して得る。
【選択図】図4

Description

本発明は、コイル部品封止用熱硬化性樹脂組成物、及びそれを用いたコイル部品に関する。
自動車等の各種機器に使用されるソレノイドコイルは、周囲に対して電気的絶縁性を確保しなければならないという観点から、樹脂によって封止して用いるのが常識となっている。従来、このような封止用の樹脂としては、絶縁性、耐薬品性、耐燃焼性を考慮してガラス入りナイロン(例えば、デュポン社製の製品名「ザイテル」など)が使用されている。
しかしながら、このようなガラス入りナイロンは高価であるため、コイル部品の製品コストが増大してしまうという問題があった。
また、コイルの封止部には大きな発熱が生じることはないため、耐燃焼性についてそれほど高い性能は要求されない。したがって、ガラス入りナイロンを用いることは過剰性能につながり無駄が多いという問題があった。
さらに、ガラス入りナイロンは流動抵抗が高いため、成形時にソレノイドコイルや端子などの部材に大きな力がかかり、それらの部材の変形や破壊(断線など)を招く恐れがある。このような部材の変形や破壊を避けるには、変形防止用ピンなどを備えた特殊な構造の成形用金型を用いる必要があるため、製造コストが増大する。結果として、上述したように、コイル部品の製品コストが増大してしまうという問題を生じていた。
かかる観点より、特許文献1においては、自動車における環境温度が120℃以下であることを考慮して、高化式フローテストによる流れ値が0.5cc/sec以上で、かつ融点が120℃以上のオレフィン系樹脂を用いてコイルの封止を行うことが開示されている。この方法によれば、安価なオレフィン樹脂、例えばポリプロピレン樹脂を用いることができるので、コイル部品の製品コストを削減することができる。また、高化式フローテストによる流れ値が0.5cc/sec以上の流動性に富むオレフィン樹脂を用いているので、成形時にソレノイドコイルや端子などの部材に大きな力がかかることがない。したがって、このような部材の変形や破壊を招く恐れもない。
しかしながら、上述のようなコイル部品は、実際の使用において、常に電流を流したり止めたりして使用するものであるため、電流の流入による加熱と電流の停止による冷却とを繰り返すことになる。この結果、コイルを封止する樹脂も常に加熱と冷却とを繰り返すことになり、このような熱サイクルに起因した熱応力によって、封止樹脂にクラックが生じてしまう場合があった。封止樹脂にクラックが生じると、コイルに電流を流した際に、前記クラック部分で異常放電等が発生することになり、上記コイル部品を正常に動作させることができないという新たな問題を生じていた。
特開平9−148119号
本発明は、コイル部品を封止する際に、コイル部品に対する電流の流入に起因した加熱及び電流の停止に起因した冷却による熱サイクルによって、クラックを発生せず、さらに成形性、機械特性に優れるコイル部品封止用樹脂組成物、及びこれを用いたコイル部品を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明は、
分子量400〜700のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、ザイログ型フェノール樹脂と、溶融シリカとを具えることを特徴とする、コイル部品封止用熱硬化性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、上記コイル部品封止用熱硬化性樹脂組成物によってトランスファー成形されたことを特徴とする、コイル部品に関する。
本発明者らは、上記課題を解決すべき鋭意検討を実施した。その結果、他の分野で現在封止樹脂としてエポキシ樹脂が汎用されていることに着目し、このエポキシ樹脂に種々の工夫を加えることで上記課題の解決を試みた。その結果、上記エポキシ樹脂に対して同じ熱硬化性樹脂であるザイログ型フェノール樹脂を加えることによって、上述したコイル部品への電流の流入及び停止による、コイルの繰り返し加熱及び冷却による熱サイクルに起因した熱応力によってもクラックを発生することのない、コイル部品封止用熱硬化性樹脂組成物を提供できることを見出した。
一方、熱硬化性樹脂のみから封止樹脂を構成した場合、強度的に不十分となり、コイル部品を実用に供する際に種々の強度上の問題を生じてしまうという問題があった。したがって、本発明においては、上述した熱硬化性樹脂に対して無機充填材としての溶融シリカを含有させるようにしているので、上述した問題を回避することができる。また、溶融シリカを用いることにより、上述したような、コイルの繰り返し加熱及び冷却による熱サイクルに起因した熱応力によるクラック発生の抑制を図ることができる。
なお、溶融シリカ以外の無機充填材を含有させた場合は、成形時の樹脂組成物の流動性が低下し、成形性が悪くなる。また、コイルの繰り返し加熱及び冷却による熱サイクルに起因した熱応力によってクラックが発生してしまうようになる。なお、溶融シリカが熱応力に起因したクラック発生の抑制にどのように作用しているかについては、現在のところ明らかになっていない。
本発明の一例において、前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、分子量400〜500の第1のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、分子量600〜700の第2のビスフェノールA型エポキシ樹脂とを含むことができる。この場合、特に理由は明確でないが、加熱及び冷却の熱サイクルを受けた場合におけるクラックの発生をより効果的に抑制することができる。
本例において、前記第1のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、前記第2のビスフェノールA型エポキシ樹脂との含有割合は、例えば10:90〜50:50とすることができる。
また、本発明の一例において、熱硬化性樹脂組成物における前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂の含有量を8重量部〜20重量部とし、前記ザイログ型フェノール樹脂の含有量を4重量部〜10重量部とし、前記溶融シリカの含有量を60重量部〜85重量部とすることができる。これによって、上述した本発明の作用効果をより十分に奏することができるようになる。
以上より、本発明によれば、コイル部品に対する電流の流入に起因した加熱及び電流の停止に起因した冷却による熱サイクルによって、クラックを発生せず、さらに成形性、機械特性に優れるコイル部品封止用樹脂組成物、及びこれを用いたコイル部品を提供することができる。
本実施形態におけるコイル部品の構成を示す概略図である。 同じく、本実施形態におけるコイル部品の構成を示す概略図である。 同じく、本実施形態におけるコイル部品の構成を示す概略図である。 同じく、本実施形態におけるコイル部品の構成を示す概略図である。
以下、本発明のその他の特徴及び利点について、発明を実施するための形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図4は、本実施形態におけるコイル部品の構成を示す概略図である。図1は、ボビンの外周回りに巻回された導線を含む構造体が金属フレームに収納された状態を示す斜視図であり、図2は、金属フレームに収納される以前の構造体の概略構成を示す正面図である。また、図3は、上記構造体が金属フレームに収納された後、本実施形態におけるコイル部品封止用樹脂組成物で封止した後の状態を示す斜視図であり、図4は、図3に示す状態をA−A線に沿って切った場合の断面図である。
なお、図1及び図2は、上記構造体が金属フレームに収納されたのみであり、コイル部品封止用樹脂組成物で封止されていないので、いわばコイル部品の中間体に相当するものである。一方、図3及び図4は、コイル部品封止用樹脂組成物で封止されているので、コイル部品の完成体に相当する。
図1及び図2に示すように、本実施形態のコイル部品10は、ボビン11の外周周りに電気的良導体、例えば銅、銀、金、アルミニウムなどの金属からなる導線12が巻回されたような構造体が、金属フレーム13内に収納されたような構成を採っている。
なお、ボビン11の略中央部には開口部11Aが形成されている。開口部11Aは、主としてボビン11を所定の巻回装置に取り付けて巻回させることにより、導線12を図1及び図2に示すようにボビン11の外周周りに巻回させるためのものである。さらに、ボビン11の軽量化を図ることができるとともに、用途によっては開口部11Aを介して所定の機器に取り付けるようにすることもできる。
このようにボビン11は所定の装置に取り付けられて機械的に扱われることから、例えばナイロン等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等のポリエステル、ポリメチルメタクリル酸樹脂(PMMA)等のアクリル樹脂等、軽量かつ高強度の樹脂から構成することが好ましい。
また、ボビン11は、導線12を巻回する本体部111と、両端において本体部111より外方に突出した庇部112とを有している。庇部112は、巻回した導線12が、ボビン11の外方へ巻き崩れてしまうのを防止するために設けられているものである。
金属フレーム13は用途に応じて種々の材料から構成することができるが、一般には耐熱性、耐食性を有するとともに比較的安価であるSUS等から構成することができる。金属フレーム13は、ボビン11と、この外周周りに巻回された導線12とから構造体を保護する役割を有するとともに、コイル部品封止用樹脂組成物によって封止する際のベースとなるものである。
次いで、図1及び図2に示すような状態の構造体(コイル部品中間体)に対して、本実施形態のコイル部品封止用樹脂組成物(以下、単に“樹脂組成物”という場合がある)で封止することによって、図3及び図4に示すような目的とするコイル部品10を得ることができる。なお、樹脂組成物14は、ボビン11及び導線12からなる構造体と、金属フレーム13との空隙、さらには金属フレーム13の外周を覆うようにして形成する。
樹脂組成物による封止は、種々の方法で行うことができるが、一般にはトランスファー成形で行うことが好ましい。具体的には、図1及び図2に示す構造体(コイル部品中間体)を所定に型に入れた後、注入口より上記樹脂組成物を注入することによって、上述のような封止を行う。
上記樹脂組成物は、分子量400〜700のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、ザイログ型フェノール樹脂と、溶融シリカとを含む。コイル部品10は、実際に使用する際には、導線12に対して所定の電流を流入させ、例えば開口部11A内に所定の磁場を発生させたりするが、不使用時には電流の流入を停止する。一方、コイル部品10を例えば自動車等の各種機器に使用する場合には、上述した電流の流入及び停止を頻繁に繰り返す場合がある。
このように電流の流入及び停止を繰り返すと、コイル部品10は、電流が流入している間は加熱される一方、電流が停止した際には冷却されるので、コイル部品10の樹脂組成物には、上記加熱及び冷却に起因した熱サイクルによって熱応力が負荷され、クラックが発生してしまう場合がある。しかしながら、樹脂組成物を上述のような成分とすることにより、上述のような熱サイクルによる熱応力が負荷された場合においてもクラックを発生することがない。したがって、コイル部品10、すなわち導線12に電流を流した際に、前記クラック部分での異常放電等の発生を防止し、上記コイル部品を正常に動作させることができるようになる。
なお、上述した作用効果は主として、樹脂組成物中の分子量400〜700のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、ザイログ型フェノール樹脂とによって奏されるものである。これらの樹脂成分が熱応力負荷によるクラック発生防止に対してどのようにして機能するかは不明であるが、本発明者らの膨大な実験によれば、これ以外の樹脂成分を用いた場合には、熱応力に起因したクラック発生に関して十分な抑止効果を奏しないことが判明している。
なお、上記樹脂組成物における溶融シリカは、樹脂組成物の強度を増大させるために使用するものである。すなわち、熱硬化性樹脂のみから樹脂組成物を構成した場合、強度的に不十分となり、コイル部品を実用に供する際に種々の強度上の問題を生じてしまうという問題があった。したがって、上述した熱硬化性樹脂に対して無機充填材としての溶融シリカを含有させるようにしているので、上述した問題を回避することができる。
なお、溶融シリカ以外の無機充填材を含有させた場合は、成形時の樹脂組成物の流動性が低下し、成形性が悪くなる。
なお、上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、分子量400〜500の第1のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、分子量600〜700の第2のビスフェノールA型エポキシ樹脂とを含むことができる。この場合、特に理由は明確でないが、加熱及び冷却の熱サイクルを受けた場合におけるクラックの発生をより効果的に抑制することができる。
本例において、前記第1のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、前記第2のビスフェノールA型エポキシ樹脂との含有割合は、例えば10:90〜50:50とすることができる。
また、樹脂組成物における前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂の含有量を8重量部〜20重量部とし、前記ザイログ型フェノール樹脂の含有量を4重量部〜10重量部とし、前記溶融シリカの含有量を60重量部〜85重量部とすることができる。これによって、上述した本発明の作用効果をより十分に奏することができるようになる。
なお、溶融シリカは、熱硬化性樹脂との密着性を向上させる観点から表面処理することができる。表面処理剤としては、例えば有機シラン化合物、有機チタネート化合物、または有機アルミネート化合物が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
有機シラン化合物としては、例えばビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス−(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタアクリロキシプロピルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
有機チタネート化合物としては、例えばテトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラステアリルチタネート、トリエタノールアミンチタネート、チタニウムアセチルアセトネート、チタニウムラクチート、オクチレングリコールチタネート、イソプロピル(N−アミノエチルアミノエチル)チタネート等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上混合して用いることができる。また、有機アルミネート化合物としては、例えばアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピネート等が挙げられる。
樹脂組成物には、上述した熱硬化性樹脂等に加えて、かつ本発明の趣旨に反しない限度において、その他の成分、例えば、シランカップリング剤、消泡剤、着色剤、硬化促進剤、離型剤、形状維持剤等を含有させることができる。
本実施形態におけるコイル部品10の大きさ、すなわちコイル部品10の大きさを特徴づけるボビン11及び金属ケース13等の大きさは、用途に応じて適宜に設定することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
コイル部品封止用樹脂組成物の調整
(実施例1)
最初に、分子量450のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 1055、DIC株式会社製)3.0重量部、分子量630のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 2055、DIC株式会社製)12.0重量部、ザイログ型フェノール樹脂(HE-100C(エアーウォーター))7.0重量部、溶融シリカ(F-115、福島窯業株式会社製)75重量部、アミノシラン(S-510、チッソ株式会社製)0.3重量部、硬化促進剤としてのイミダゾール(C17Z、四国化成工業株式会社製)0.6重量部、及び離型剤としての金属石鹸(Luva-0321、日本精蝋株式会社製)0.2重量部を溶融混錬して、コイル封止用樹脂組成物を調整した。なお、混錬は、温度120℃、60rpmで10分間実施した。
(実施例2)
分子量450のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 1055、DIC株式会社製)6.0重量部、及び分子量630のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 2055、DIC株式会社製)9.0重量部とした以外は、実施例1と同様にしてコイル部品封止用樹脂組成物を調整した。
(実施例3)
分子量450のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 1055、DIC株式会社製)9.0重量部、及び分子量630のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 2055、DIC株式会社製)6.0重量部とした以外は、実施例1と同様にしてコイル部品封止用樹脂組成物を調整した。
(実施例4)
分子量450のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 1055、DIC株式会社製)3.0重量部、及び分子量630のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 2055、DIC株式会社製)12.0重量部に代えて、分子量450のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 1055、DIC株式会社製)15.0重量部とした以外は、実施例1と同様にしてコイル部品封止用樹脂組成物を調整した。
(実施例5)
硬化促進剤としてのイミダゾール(C17Z、四国化成工業株式会社製)に代えて、イミダゾール(2P4EMZ、四国化成工業株式会社製)とした以外は、実施例1と同様にしてコイル部品封止用樹脂組成物を調整した。
(実施例6)
分子量450のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 1055、DIC株式会社製)2.0重量部、及び分子量630のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 2055、DIC株式会社製)8.0重量部とし、さらに分子量245のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 860、DIC株式会社製)を5.0重量部加えた以外は、実施例1と同様にしてコイル部品封止用樹脂組成物を調整した。
(実施例7)
分子量450のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 1055、DIC株式会社製)3.6重量部、及び分子量630のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 2055、DIC株式会社製)14.4重量部とし、また溶融シリカ(F-115、福島窯業株式会社製)75重量部を74.2重量部とし、さらにイミダゾール(C17Z、四国化成工業株式会社製)0.6重量部を0.7重量部とした以外は、実施例1と同様にしてコイル部品封止用樹脂組成物を調整した。
(比較例1)
分子量450のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 1055、DIC株式会社製)、及び分子量630のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 2055、DIC株式会社製)に代えて、OCNエポキシ樹脂(CNE-200EL、長春人造株式会社製)15.0重量部とした以外は、実施例1と同様にしてコイル部品封止用樹脂組成物を調整した。
(比較例2)
分子量450のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 1055、DIC株式会社製)、及び分子量630のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 2055、DIC株式会社製)に代えて、分子量780のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON3055、DIC株式会社製)15.0重量部とした以外は、実施例1と同様にしてコイル部品封止用樹脂組成物を調整した。
(比較例3)
分子量450のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 1055、DIC株式会社製)、及び分子量630のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 2055、DIC株式会社製)に代えて、分子量245のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON860、DIC株式会社製)15.0重量部とした以外は、実施例1と同様にしてコイル部品封止用樹脂組成物を調整した。
(比較例4)
分子量450のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 1055、DIC株式会社製)1.0重量部、及び分子量630のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 2055、DIC株式会社製)5.0重量部とし、また分子量245のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 860、DIC株式会社製)を9.0重量部加えた以外は、実施例1と同様にしてコイル部品封止用樹脂組成物を調整した。
(比較例5)
分子量450のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 1055、DIC株式会社製)4.8重量部、分子量630のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON 2055、DIC株式会社製)19.2重量部、ザイログ型フェノール樹脂(HE-100C(エアーウォーター))11.2重量部、溶融シリカ(F-115、福島窯業株式会社製)75重量部、アミノシラン(S-510、チッソ株式会社製)61.8重量部、硬化促進剤としてのイミダゾール(C17Z、四国化成工業株式会社製)1.0重量部とした以外は、実施例1と同様にしてコイル部品封止用樹脂組成物を調整した。
(比較例6)
ザイログ型フェノール樹脂(HE-100C(エアーウォーター))に代えて、ノボラック型フェノール樹脂(BRG-556、昭和高分子株式会社製) とした以外は、実施例1と同様にしてコイル部品封止用樹脂組成物を調整した。
(比較例7)
溶融シリカ(F-115、福島窯業株式会社製)に代えて、結晶性シリカ(クリスタライトC、(株)龍森製)とした以外は、実施例1と同様にしてコイル部品封止用樹脂組成物を調整した。
評価
次いで、上述のようにして得たコイル部品封止用樹脂組成物に対して、スパイラルフロー、高下式フロー粘度、充填不良発生率を測定することにより、その成形性を評価した。また、ガラス転移温度及び熱膨張率を測定することによって、上記コイル部品封止用樹脂組成物の物理特性を評価し、曲強さ及び曲げ弾性率を測定することによって、上記コイル部品封止用樹脂組成物の機械特性を評価した。さらに、冷熱サイクル試験及び通電テストを行うことにより、上記コイル部品封止用樹脂組成物の製品としての実用特性を評価した。
なお、各試験は以下のような条件で実施した。また、各試験においては、上述したコイル部品封止用樹脂組成物を用いて100個の試験片を作製し、100個の試験片の平均値として求めた。
・スパイラルフロー:金型温度175℃、樹脂仕込み量25g、プランジャー圧力75kgf/cm、硬化時間120秒なる条件で実施した。
・高下式フロー粘度:ノズル長1.0mm、ノズル半径0.25mm、プランジャー圧力10kgfなる条件で実施した。
・充填不良発生率:本体部の直径20mm、庇部を含む全体の高さ45mmのボビンに対して、直径0.1mmの銅線を巻回(500回)してなる構造体を、一片の長さが40mm、高さが47mm、厚さが2mmのSUSからなる金属フレームに収納して得た構造体(コイル部品中間体)を、温度60℃、プランジャー圧力16kg/cmなる条件でトランフファー成形し、その際の充填不良の発生を調べた。
・ガラス転移温度:TMA法にて実施した。温度は室温から200℃まで、5℃/分の速度で昇温させた。
・熱膨張率:TMA法にて実施した。温度は室温から200℃まで、5℃/分の速度で昇温させた。
・曲げ強さ:JIS K 6911に準じて実施した。
・曲げ弾性率:JIS K 6911に準じて実施した。
・冷熱サイクル試験:充填不良発生率を調べる際と同様の方法でコイル部品を作製し、−20℃で30分間保持した後、130℃に昇温して30分間保持し、さらに−20℃で30分間保持して、クラックが発生率を調べた。
・通電テスト:冷熱サイクル試験後のコイル部品に対して、簡易導通テスターを用いて導通テストを実施した。導通が不安定な場合をNGとし、その発生率を調べた。
以上、コイル部品封止用樹脂組成物の作製条件及び評価結果を表1に示す。
Figure 2011119507
Figure 2011119507
表1及び表2から明らかなように、本発明に従った実施例においては、冷熱サイクル試験においてもクラックはほとんど発生せず、通電テストも良好な結果を示すことが判明した。また、これらの試験結果は、実施例1に示すように、分子量400〜500の第1のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、分子量600〜700の第2のビスフェノールA型エポキシ樹脂とを、本発明の範囲内で用いた場合に特に良好な結果を示すことが判明した。さらに、充填不良発生率を初めとする成形性についても良好であることが判明した。
また、実施例6に示すように、分子量400〜700のビスフェノールA型エポキシ樹脂が本発明の含有量を満足する限りにおいて、たとえ本発明の範囲外の分子量のビスフェノールA型エポキシ樹脂(具体的には、EPICLON860、DIC株式会社製)を含んでいても、特性的な劣化はほとんど確認することができない。
一方、本発明と異なる比較例においては、冷熱サイクル試験において多量のクラックが発生し、通電テストも不良な結果を示すことが判明した。また、充填不良発生率を初めとする成形性についても不良であることが判明した。
以上、本発明を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいて、あらゆる変形や変更が可能である。
10 コイル部品(コイル部品中間体)
11 ボビン
12 導線
13 金属フレーム
14 コイル部品封止用樹脂組成物

Claims (4)

  1. 8重量部〜20重量部の分子量400〜700のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、4重量部〜10重量部のザイログ型フェノール樹脂と、60重量部〜85重量部の溶融シリカとを具えることを特徴とする、コイル部品封止用熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、分子量400〜500の第1のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、分子量600〜700の第2のビスフェノールA型エポキシ樹脂とを含むことを特徴とする、請求項1に記載のコイル部品封止用熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記第1のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、前記第2のビスフェノールA型エポキシ樹脂との含有割合が、10:90〜50:50であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のコイル部品封止用熱硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一に記載のコイル部品封止用熱硬化性樹脂組成物によってトランスファー成形されたことを特徴とする、コイル部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014148586A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Sumitomo Bakelite Co Ltd 封止用エポキシ樹脂組成物、電子装置、自動車および電子装置の製造方法
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