JP2011114173A - ガラスセラミック配線基板およびコイル内蔵ガラスセラミック配線基板ならびにガラスセラミック配線基板の製造方法 - Google Patents

ガラスセラミック配線基板およびコイル内蔵ガラスセラミック配線基板ならびにガラスセラミック配線基板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011114173A
JP2011114173A JP2009269521A JP2009269521A JP2011114173A JP 2011114173 A JP2011114173 A JP 2011114173A JP 2009269521 A JP2009269521 A JP 2009269521A JP 2009269521 A JP2009269521 A JP 2009269521A JP 2011114173 A JP2011114173 A JP 2011114173A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crystal
ferrite
glass
wiring board
ceramic wiring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009269521A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5473561B2 (ja
Inventor
Takanori Kamei
隆典 亀井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2009269521A priority Critical patent/JP5473561B2/ja
Publication of JP2011114173A publication Critical patent/JP2011114173A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5473561B2 publication Critical patent/JP5473561B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)

Abstract

【課題】 絶縁層を着色するとともに基板強度や絶縁信頼性の良いガラスセラミック配線基板を提供すること。
【解決手段】 ガラス相および第1結晶を含むガラスを有するガラスセラミックスからなり、遷移金属の酸化物または硫化物からなるスピネル構造の第2結晶を着色顔料として含む複数の絶縁層1と、フェライト結晶を有する、複数の絶縁層1の間に設けられた複数のフェライト層2と、表面および内部に形成された配線導体3とを備え、第1結晶と第2結晶とフェライト結晶とは同一の結晶構造であって、第1結晶と第2結晶との格子定数の差が第2結晶の格子定数の13.3%以内であるとともに、第2結晶とフェライト結晶との格子定数の差が第2結晶の格子定数の11.4%以内であることを特徴とするガラスセラミック配線基板である。基板強度や絶縁信頼性を保ちつつ、絶縁層を着色したガラスセラミック配線基板とすることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フェライト層と絶縁層とが積層されて表面および内部に配線導体が形成されてなるガラスセラミック配線基板、およびフェライト層にコイルが内蔵され、絶縁層に配線導体が形成されたコイル内蔵ガラスセラミック配線基板、ならびにガラスセラミック配線基板の製造方法に関するものである。
従来から、携帯電話機をはじめとする移動体通信機器等の電子機器には多数の電子装置が組み込まれており、電子機器の小型化が急激に進んでいるのに伴って、各種電子装置も小型化や薄型化ならびに高密度化が要求されている。例えば、LCフィルタは、従来は比較的大型のチップコイルやチップコンデンサを基板に搭載することによって形成されていたが、近年では、セラミック基板の内部に高透磁率を有するフェライト層を形成し、このフェライト層にコイル導体を埋設することによって形成することが提案されている(例えば、特許文献1,2を参照。)。
このようなセラミック配線基板は、例えば、配線層が形成された一対の絶縁層と、この一対の絶縁層に挟まれて積層されるとともに内部にコイル導体が埋設されたフェライト層とによって構成されている。配線層やコイル導体には、抵抗による電気的なロスを抑えるために低抵抗のCuやAgなどの低抵抗金属を用いる必要があり、このような低抵抗金属は比較的低融点であることから、低温焼成が可能である絶縁層およびフェライト層として、それぞれガラスセラミックスおよびフェライトを用いて、これらを同時焼成することによってガラスセラミック基板が製造される。
また、近年の電子機器の小型化や高密度化に伴い、ガラスセラミック基板も小型化されてきており、このような小型のガラスセラミック基板上に電子部品を正確かつ高密度に実装することが必要となってきている。そして、上記のような小型のガラスセラミック基板の表面に金めっき層が被着された配線導体を形成したガラスセラミック配線基板が従来から用いられている。しかし、ガラスセラミック配線基板が白色であり、配線導体に被着された金めっき層が白色に近い色であるため、画像認識によって電子部品を実装する自動機を使用して配線導体を基準に半導体素子等の電子部品をガラスセラミック配線基板上に実装しようとしたときに、配線導体を正確に画像認識することが困難なので、電子部品の位置決めが困難であるという問題があった。また、半導体素子等の電子部品の各電極と配線導体とをワイヤボンディング接続しようとしたときにも、電子部品の各電極を所定の配線導体に正確に接続することが困難であるという問題もあった。
これらの問題を解決するために、ガラスセラミック配線基板に着色顔料を添加してガラスセラミック配線基板を着色することによって、画像認識しやすくさせる方法が提案されている。(例えば、特許文献3を参照。)。この着色顔料としては、例えば遷移金属の単体または酸化物を用いることができ、このような着色顔料をガラスセラミックスに混合することによって、所望の色のガラスセラミック配線基板を製造することができる。
特開平6−20839号公報 特開平6−21264号公報 特開2001−97786号公報
しかしながら、ガラスセラミックスに着色顔料を添加することによって着色したガラスセラミック配線基板は、従来の着色顔料が添加されていないガラスセラミック配線基板と比較して、絶縁層中のボイドが多かった。そして、これらのボイド同士が繋がって、繋がった複数のボイド内を通って浸入した水分が内部配線にまで到達して、内部配線同士の間にイオンマイグレーションが発生し、内部配線同士が短絡することによって電気的な絶縁不良を招いてしまうことがあり、これによって絶縁信頼性が低下したり、強度が低下したりするという問題点があった。これは、ガラスセラミックス中の結晶およびフェライト結晶の結晶構造と、着色顔料として添加された遷移金属の単体または酸化物の結晶の結晶構造とが異なっていて、これらの結晶同士の大きさ、すなわち格子定数が異なるために、ガラスセラミック配線基板を焼成して上記のガラスセラミックス中の結晶およびフェライト結晶が結晶化するときに、結晶化した部分と遷移金属の単体または酸化物の結晶との間に隙間ができて、焼成が進むにつれてこの隙間が大きくなり、ガラスセラミックス中の結晶またはフェライト結晶と遷移金属の単体または酸化物の結晶との間にボイドが生じてしまうためであると考えられる。
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、基板強度や絶縁信頼性を保つことができる、絶縁層を着色したガラスセラミック配線基板を、およびこのガラスセラミック配線基板を用いたコイル内蔵ガラスセラミック配線基板を提供することにある。
本発明のガラスセラミック配線基板は、ガラス相および第1結晶を含むガラスを有するガラスセラミックスからなり、遷移金属の酸化物または硫化物からなるスピネル構造の第2結晶を着色顔料として含む複数の絶縁層と、フェライト結晶を有する、前記複数の絶縁層の間に設けられた複数のフェライト層と、表面および内部に形成された配線導体とを備え、前記第1結晶と前記第2結晶と前記フェライト結晶とは同一の結晶構造であって、前記第1結晶と前記第2結晶との格子定数の差が前記第2結晶の格子定数の13.3%以内であるとともに、前記第2結晶と前記フェライト結晶との格子定数の差が前記第2結晶の格子定数の11.4%以内であることを特徴とするものである。
また、本発明のコイル内蔵ガラスセラミック配線基板は、上記構成において、前記第1結晶がMgSiOであり、前記フェライト結晶がFeFeであるとともに、前記第2結晶がFeV,CoCr,MnCoおよびCoFeのいずれか1つであることを特徴とするものである。
本発明のコイル内蔵ガラスセラミック配線基板は、上記構成のガラスセラミック配線基板の前記複数のフェライト層の層間にコイル導体が形成されていることを特徴とするものである。
本発明のガラスセラミック配線基板の製造方法は、ガラス相および第1結晶を含むガラスを有するガラスセラミックスからなり、遷移金属の酸化物または硫化物からなるスピネル構造の第2結晶を着色顔料として含む複数の絶縁層と、フェライト結晶を有する、前記複数の絶縁層の間に設けられた複数のフェライト層と、表面および内部に形成された配線導体とを備えたガラスセラミック配線基板の製造方法であって、フォルステライトからなる10〜40質量%のフィラーと、SiOを22〜52質量%、Bを2〜12質量%、Alを9〜29質量%、ZnOを9〜29質量%、CaOを1〜9質量%およびMgOを7〜21質量%含み、かつ前記Alに対する前記ZnOのモル比が0.8〜1.2である60〜90質量%のガラスと、FeV,CoCr,MnCoおよびCoFeのいずれか1つからなる2〜8質量%の前記着色顔料とを有する複数のセラミックグリーンシートを準備する第1準備工程と、FeFeを有するフェライトグリーンシートを準備する第2準備工程と、前記セラミックグリーンシートと前記フェライトグリーンシートとを、層間に配線導体となる導体パターンを形成するとともに積層してグリーンシート積層体を作製する積層体作製工程と、前記グリーンシート積層体を焼成する焼成工程とを具備することを特徴とするものである。
本発明のガラスセラミック配線基板によれば、絶縁層に遷移金属の酸化物または硫化物からなるスピネル構造の第2結晶を着色顔料として含んでおり、第1結晶と第2結晶とフェライト結晶とは同一の結晶構造であって、第1結晶と第2結晶との格子定数の差が第2結晶の格子定数の13.3%以内であるとともに、第2結晶とフェライト結晶との格子定数の差が第2結晶の格子定数の11.4%以内であることから、結晶構造が同じで結晶の大きさが同程度であり、第1結晶と第2結晶との界面および第2結晶とフェライト結晶との界面にボイドが発生することを低減できるので、基板強度や絶縁信頼性を保ちつつ、絶縁層を着色したガラスセラミック配線基板とすることができる。このようなガラスセラミック配線基板を用いれば、配線基板上に電子部品を正確かつ高密度に実装することができる。
また、本発明のガラスセラミック配線基板によれば、上記構成において、第1結晶がMgSiOであり、フェライト結晶がFeFeであるとともに、第2結晶がFeV,CoCr,MnCoおよびCoFeのいずれか1つであるときには、第1結晶と第2結晶とフェライト結晶とは同一の結晶構造であるとともに、第1結晶と第2結晶との格子定数の差が第2結晶の格子定数の3.7%以内であるとともに、第2結晶とフェライト結晶との格子定数の差が第2結晶の格子定数の1.6%以内であり、格子定数の差がより小さくなることから、ボイドが発生することがより少なくなるので、より接合強度の高いガラスセラミック配線基板とすることができる。
本発明のコイル内蔵ガラスセラミック配線基板は、上記構成のガラスセラミック配線基板の複数のフェライト層の層間にコイル導体が形成されていることから、透磁率の高いフェライト層にコイル導体を形成しているので、インダクタンスが高いコイル内蔵ガラスセラミック配線基板となる。
本発明のガラスセラミック配線基板の製造方法によれば、フォルステライトからなる10〜40質量%のフィラーと、SiOを22〜52質量%、Bを2〜12質量%、Alを9〜29質量%、ZnOを9〜29質量%、CaOを1〜9質量%およびMgOを7〜21質量%含み、かつ前記Alに対する前記ZnOのモル比が0.8〜1.2である60〜90質量%のガラスと、FeV,CoCr,MnCoおよびCoFeのいずれか1つからなる2〜8質量%の着色顔料とを有する複数のセラミックグリーンシートを準備する第1準備工程と、FeFeを有するフェライトグリーンシートを準備する第2準備工程と、前記セラミックグリーンシートと前記フェライトグリーンシートとを、層間に配線導体となる導体パターンを形成するとともに積層してグリーンシート積層体を作製する積層体作製工程と、前記グリーンシート積層体を焼成する焼成工程とを具備することから、第1結晶と第2結晶との界面にボイドを発生させることなく基板強度や絶縁信頼性の高いガラスセラミック配線基板を、通常の積層体作製工程および焼成工程により容易に作製することができる。
本発明のガラスセラミック配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明のコイル内蔵ガラスセラミック配線基板の実施の形態の一例を示す部分断面図である。 図2に示したコイル内蔵ガラスセラミック配線基板のA−A線における断面図である。
本発明のガラスセラミック配線基板の実施の形態の例について、添付図面を参照しつつ以下に詳細に説明する。
図1〜図3において、1は絶縁層、2はフェライト層、3は配線導体、4はコイル導体である。
本発明のガラスセラミック配線基板は、図1〜図3にそれぞれ示す例のように、ガラス相および第1結晶を含むガラスを有するガラスセラミックスからなり、遷移金属の酸化物または硫化物からなるスピネル構造の第2結晶を着色顔料として含む複数の絶縁層1と、フェライト結晶を有する、複数の絶縁層1の間に設けられた複数のフェライト層2と、表面および内部に形成された配線導体3とを備え、第1結晶と第2結晶とフェライト結晶とは同一の結晶構造であって、第1結晶と第2結晶との格子定数の差が第2結晶の格子定数の13.3%以内であるとともに、第2結晶とフェライト結晶との格子定数の差が第2結晶の格子定数の11.4%以内であることを特徴とするものである。
このような本発明のガラスセラミック配線基板によれば、絶縁層1に遷移金属の酸化物または硫化物からなるスピネル構造の第2結晶を着色顔料として含んでおり、第1結晶と第2結晶とフェライト結晶とは同一の結晶構造であって、第1結晶と第2結晶との格子定数の差が第2結晶の格子定数の13.3%以内であるとともに、第2結晶とフェライト結晶との格子定数の差が第2結晶の格子定数の11.4%以内であることから、第1結晶と第2結晶との界面および第2結晶とフェライト結晶との界面にボイドが発生することを低減できるので、基板強度や絶縁信頼性を保ちつつ、絶縁層1を着色したガラスセラミック配線基板とすることができる。このようなガラスセラミック配線基板を用いれば、着色された絶縁層1の表面に形成された配線導体3を正確に画像認識することができるので、配線基板上に電子部品を正確かつ高密度に実装することができる。
また、本発明のガラスセラミック配線基板によれば、上記構成において、第1結晶がMgSiOであり、フェライト結晶がFeFeであるとともに、第2結晶がFeV,CoCr,MnCoおよびCoFeのいずれか1つであるときには、第1結晶と第2結晶とフェライト結晶とは同一の結晶構造であるとともに、第1結晶と第2結晶との格子定数の差が第2結晶の格子定数の3.7%以内であるとともに、第2結晶とフェライト結晶との格子定数の差が第2結晶の格子定数の1.6%以内であり、格子定数の差がより小さくなることから、ボイドが発生することがより少なくなるので、より接合強度の高いガラスセラミック配線基板とすることができる。
また、本発明のコイル内蔵ガラスセラミック配線基板は、上記構成の本発明のガラスセラミック配線基板の複数のフェライト層の層間にコイル導体が形成されていることから、透磁率の高いフェライト層にコイル導体を形成しているので、インダクタンスが高いガラスセラミック配線基板となる。その結果、所望の電気特性を備え、かつ、絶縁信頼性が高く、配線導体3上に部品を実装したり、配線導体3を介してガラスセラミック配線基板を外部回路基板に実装したりする場合の実装信頼性の高いガラスセラミック配線基板を得ることができる。
図1に示す例では、フェライト層2はスピネル構造の固溶体である強磁性フェライトであり、X−Fe(XはCu,NiまたはZn)として示されるNi−Zn系フェライト,Y−Fe(YはMnまたはZn)として示されるMn−Zn系フェライト,Z−Fe(ZはMgまたはZn)として示されるMg−Zn系フェライトまたはU−Fe(UはNiまたはCo)として示されるNi−Co系フェライト等が挙げられる。これらの中でFeFeはスピネル構造の主成分である。また、上記スピネル構造を有する強磁性フェライトの中でも、Ni−Zn系フェライトは高周波帯域で十分に高い透磁率を得ることができるため、10MHz以上の高い周波数で使用する用途において使用することが好ましい。
Ni−Zn系フェライトの場合であれば、その組成比は焼結体としてFeFeを63〜73質量%、CuOを5〜10質量%、NiOを5〜12質量%、ZnOを10〜23質量%とすると、絶縁層1のガラスセラミックスを焼成する800〜1000℃以下の温度で焼結密度が5g/cm以上の高密度焼成が可能であり、かつ高周波帯域で十分に高い透磁率を得ることができるので好ましい。FeFeはフェライトの主成分であり、その割合が63質量%以上であると十分な透磁率が得られる。また、FeFeが73質量%以下であると、焼結密度を低下させることなく機械的強度を保持することができる。CuOは焼結温度の低温化のために重要な要素であり、CuOが低温で液相を形成することにより焼結を促進させる効果を用いて、磁気特性を損なわずに800〜1000℃の低温で焼成することができる。CuOは、その割合が5質量%以上であると、配線層やコイル導体と同時に800〜1000℃で焼成を行なった場合に焼結密度を高くすることができることから、機械強度を保持することができ、10質量%以下であると、磁気特性の低いCuFeの割合を低く抑えることができるために磁気特性を維持しやすい。NiOはフェライト層2の高周波域における透磁率を確保するために含有させる。NiFeは高周波域まで共振による透磁率の減衰を起こさず、高周波域での透磁率を比較的高い値に維持することができるが、初期透磁率は低いという特性を持つため、5質量%以上であると10MHz乃至それ以上の高周波域での透磁率を低下させることなく保持することができ、12質量%以下であると初期透磁率を高く維持できる。ZnOはフェライト層2の透磁率向上のために重要な要素であり、フェライト組成のうち10質量%以上であると透磁率を高く保持することができ、23質量%以下であれば、磁気特性を良好に維持できる。
フェライト層2は、フェライト層2用のフェライトグリーンシートを焼成することで作製される。フェライトグリーンシートに用いられる強磁性フェライト粉末は、例えば、FeFeとCuO,ZnO,またはNiOとを予め仮焼することにより作製されたフェライト粉末であり、平均粒径が0.1〜0.9μmの範囲であり、粒形状は球形状に近いものが望ましい。これは、平均粒径が0.1μm以上であると、フェライトグリーンシートの製作においてフェライト粉末の均一な分散が容易となり、平均粒径が0.9μm以下であるとフェライトグリーンシートの焼結温度を低く抑えることができるからである。また、粒径が均一で球状に近いことにより均一な焼結状態を得ることができる。フェライト粉末の粒径が上記の範囲内であると、局所的に結晶粒の成長が低下するといったこともなく、焼結後に得られるフェライト層2の透磁率が安定しやすい。
絶縁層1は、ガラス相および第1結晶を含むガラスを有するガラスセラミックスからなり、遷移金属の酸化物または硫化物からなるスピネル構造の第2結晶を着色顔料として含むものである。ガラス相としては、SiO系,SiO−B系,SiO−Al系,SiO−MO系(但し、MはCa、Sr、Mg、BaまたはZnを示す),SiO−B系−MO系,SiO−MO−MO系(但し、MおよびMは同一または異なってCa、Sr、Mg、BaまたはZnを示す),SiO−B−MO−MO系,SiO−M O系(但し、MはLi、NaまたはKを示す)およびSiO−B−M O系等のガラスが挙げられる。また、上記以外にCo,Cd,Inやその酸化物が含まれていてもよい。
第1結晶は、絶縁層1用のセラミックグリーンシートを焼成することによって、ガラス粉末とフィラー粉末とを含む絶縁層1用のセラミックグリーンシート中のガラスが結晶化してできた結晶、またはガラス成分とフィラー成分とから生成された結晶、またはフィラー成分の結晶、あるいは絶縁層1用のセラミックグリーンシート中に含まれている結晶である。結晶化してスピネル構造となるガラスとしては、例えばSiO−Al−MgOガラス(但し、Alに対するMgOのモル比が0.8〜1.2),SiO−MgOガラス(但し、SiOに対するMgOのモル比が1.8〜2.2),SiO−Al−ZnOガラス(但し、Alに対するZnOのモル比が0.8〜1.2),SiO−CoO−MnOガラス(但し、MnOに対するCoOのモル比が1.8〜2.2),SiO−CdO−InOガラス(但し、InOに対するCdOのモル比が1.8〜2.2)等がある。また、ガラス成分としてMgOを含み、フィラー成分としてSiOを含む場合であれば、これらによって第1結晶としてMgSiOが生成される。あるいは、ガラス成分としてZnOを含み、フィラー成分としてAlを含む場合であれば、これらによって第1結晶としてZnAlが生成される。あるいは、ガラス成分としてAlを含み、フィラー成分としてFeを含む場合であればFeAlが生成される。第1結晶がセラミックグリーンシートにフィラーとして含まれる場合は、例えば、フォルステライト(MgSiO)やガーナイト(ZnAl)が挙げられる。
第1結晶としては、フェライト結晶と同じ結晶構造であれば特に限定されるものではないが、例えば、フェライト結晶が上述したようなスピネル構造である場合であれば、フォルステライト(MgSiO)およびガーナイト(ZnAl)が挙げられる。
着色顔料である第2結晶としては、遷移金属の酸化物または硫化物からなるスピネル構造の結晶であって、第1結晶およびフェライト結晶と同じ結晶構造であれば特に限定されるものではないが、例えば、AgMnO,CdCr4,,CoCr,CoFe,CoMnO,CoTiO,CuFe,CuCr,CuMn,CuCo,FeV,MgMnまたはMnCoが挙げられる。
第2結晶と第1結晶およびフェライト結晶とは、同じスピネル型の結晶構造であって、第1結晶と第2結晶との格子定数の差が第2結晶の格子定数の13.3%以内であるとともに、第2結晶とフェライト結晶との格子定数の差が第2結晶の格子定数の11.4%以内である。このように、第2結晶が第1結晶と同一の結晶構造で同程度の大きさであると、その焼成時に第1結晶と第2結晶との界面および第2結晶とフェライト結晶との界面に隙間ができることを低減できるので、ボイドを発生させることを低減し、基板強度や絶縁信頼性を保ちつつ、絶縁層を着色したガラスセラミック配線基板とすることができる。このようなガラスセラミック配線基板を用いれば、着色された絶縁層1の表面に形成された配線導体3を正確に画像認識することができるので、配線基板上に電子部品を正確かつ高密度に実装することができる。
ここで、絶縁層1における第1結晶,第2結晶およびフェライト結晶の結晶構造を確認する方法としては、透過型電子顕微鏡を用いる方法がある。この方法によれば、まずセラミック基板を切断して、その切断面の研磨加工を行なって、結晶構造を確認したい層、すなわち絶縁層1およびフェライト層2のいずれかを透過型電子顕微鏡で観察できる状態にする。その後、その層の切断面における回折格子像を観察することにより、所望の層の結晶構造を同定することができる。結晶相の同定は、既知のものについてはJPCDSカードを用いて行なうことができる。例えば、ZnFe,FeAlまたはZnAlの結晶構造および回折格子像はJPCDSカード(ZnFe:JPCDS No.22−1012,FeAl:JPCDS No.34−0192,ZnAl:JPCDS No.5−669)に記載されているので、上記結晶相が析出しているかどうかは容易に確認することができる。
透過型電子顕微鏡を用いる方法以外の第1結晶,第2結晶およびフェライト結晶の結晶構造を確認する方法としては、X線回折法を用いる方法がある。この方法によれば、透過型電子顕微鏡を用いる場合と同様の方法で、所望の層をX線回折により観察できる状態にする。その後、その層の断面にX線を照射することにより、回折格子像を得ることができる。X線の照射は、所望の層の部分のみが照射されるように、10μm四方程度の領域に照射するようにする。その後、上記透過型電子顕微鏡での結晶構造の同定と同じ手順で第1結晶,第2結晶およびフェライト層2の結晶構造を特定することができる。
このような本発明のガラスセラミック配線基板は、絶縁層1用のセラミックグリーンシートを準備する第1準備工程と、フェライト層2用のフェライトグリーンシートを準備する第2準備工程と、セラミックグリーンシートとフェライトグリーンシートとを積層してグリーンシート積層体を作製する積層体作製工程と、グリーンシート積層体を焼成する焼成工程とを経て作製される。
絶縁層1用のセラミックグリーンシートは、ガラス粉末とフィラー粉末とからなる絶縁体粉末,遷移金属の酸化物または硫化物からなるスピネル構造の第2結晶からなる着色顔料および有機バインダーを主成分とするものである。ガラス粉末は、上述したガラス相のガラスの粉末である。フィラー粉末は、上述したフィラー粉末以外に、絶縁層1の電気的特性や機械的特性に応じて、例えばAl,SiOまたはZrOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、TiOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、あるいはAlおよびSiOから選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル,ムライト,コージェライト)等のセラミック粉末を含んでいてもよい。
フェライト層2用のフェライトグリーンシートは、上述したようなフェライト結晶の粉末であるフェライト粉末、あるいは例えば、FeFeとCuO,ZnOまたはNiOとを予め仮焼することによって作製されたフェライト粉末、および有機バインダーを主成分とするものである。
絶縁層1用のセラミックグリーンシートおよびフェライト層2用のフェライトグリーンシートに含まれる有機バインダーは、従来からセラミックグリーンシートに使用されているものが使用可能であり、例えばアクリル系(アクリル酸,メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体,具体的にはアクリル酸エステル共重合体,メタクリル酸エステル共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等),ポリビニルブチラ−ル系,ポリビニルアルコール系,アクリル−スチレン系,ポリプロピレンカーボネート系あるいはセルロース系等の単独重合体または共重合体が挙げられる。焼成工程での分解性や揮発性を考慮すると、アクリル系バインダーがより好ましい。
絶縁層1用のセラミックグリーンシートおよびフェライト層2用のフェライトグリーンシートは、スラリーを調製して、このスラリーをドクターブレード法等の塗布方法によって塗布してスラリー中の溶剤を乾燥することによって作製する。グリーンシートを作製するためのスラリーは、絶縁体粉末やフェライト粉末100質量部に対して有機バインダーを5〜20質量部、有機溶剤を15〜50質量部の割合で加え、ボールミル等の混合手段により混合することによって3〜100cpsの粘度となるように調製される。このときの有機溶剤は、絶縁体粉末やフェライト粉末と有機バインダーとを良好に分散させて混合できるようなものであればよく、トルエン,ケトン類およびアルコール類の有機溶媒や水等が挙げられる。これらの中で、トルエン,メチルエチルケトンおよびイソプロピルアルコール等の蒸発係数の高い溶剤は、スラリー塗布後の乾燥工程が短時間で実施できるので好ましい。
配線導体3は、Cu,Ag,Au,Pt,Ag−Pd合金またはAg−Pt合金等の低抵抗金属の粉末の焼結体であるメタライズ金属からなるものであり、絶縁層1用のセラミックグリーンシートに配線導体3用の導体ペーストを印刷することによって配線導体3となる配線導体パターンを形成しておき、絶縁層1用のセラミックグリーンシートと同時焼成することによって形成される。配線導体3には、コイル内蔵ガラスセラミック配線基板の外表面に形成され、その上に電子部品を実装したり、ろう材等を介して外部回路基板に実装したりするための外部配線導体と、上下の外部配線を接続するための内部配線導体とがあり、内部配線導体には、絶縁層1内およびフェライト層2内での平面方向の引き回しのための内部配線層と、内部配線層同士または内部配線と外部配線導体とを接続するための、絶縁層1およびフェライト層2をその厚み方向に貫通する貫通導体とがある。
グリーンシート積層体を作製する方法は、表面および内部に配線導体3を形成して積み重ねた絶縁層1用のセラミックグリーンシートとフェライト層2用のフェライトグリーンシートとに熱と圧力とを加えて熱圧着する方法や、有機バインダー,可塑剤および溶剤等からなる密着剤をシート間に塗布して熱圧着する方法等が採用可能である。積層の際の加熱加圧の条件は、用いる有機バインダー等の種類や量により異なるが、概ね30〜100℃および2〜30MPaである。このときのセラミックグリーンシートおよびフェライトグリーンシートは、ガラスセラミック配線基板に要求される特性に応じた厚みとなるように、グリーンシートの厚みにより必要な枚数を積層すればよい。
配線導体3となる配線導体パターンは、絶縁層1用のセラミックグリーンシートおよびフェライト層2用のフェライトグリーンシートの表面に配線導体3用の導体ペーストをスクリーン印刷法やグラビア印刷法等の印刷法で所定パターンに印刷して形成される。配線導体3となる貫通導体は、配線導体パターンの形成に先立って絶縁層1用のセラミックグリーンシートおよびフェライト層2用のフェライトグリーンシートにパンチング加工やレーザ加工等により貫通孔を形成し、この貫通孔に印刷やプレス充填等の埋め込み手段によって配線導体3用導体ペーストを充填することで形成される。
グリーンシート積層体の焼成は、300〜600℃の温度で脱バインダーした後、800〜1000℃の温度で焼成することによって行なわれる。
配線導体3用の導体ペーストは、主成分の金属粉末に有機バインダー,有機溶剤,必要に応じて分散剤等を加えてボールミル,三本ロールミル,プラネタリーミキサー等の混練手段により混合および混練することで作製される。
導体ペーストの有機バインダーは、従来から導体ペーストに使用されているものが使用可能であり、例えばアクリル系(アクリル酸,メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体,具体的にはアクリル酸エステル共重合体,メタクリル酸エステル共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等),ポリビニルブチラ−ル系,ポリビニルアルコール系,アクリル−スチレン系,ポリプロピレンカーボネート系あるいはセルロース系等の単独重合体または共重合体が挙げられる。焼成工程での分解、揮発性を考慮すると、アクリル系、アルキド系の有機バインダーがより好ましい。
導体ペーストの有機溶剤は、上記した金属粉末と有機バインダーとを良好に分散させて混合できるようなものであればよく、テルピネオールやブチルカルビトールアセテートおよびフタル酸等が使用可能である。
配線導体3用の導体ペーストは、金属導体粉末100質量部に対して有機バインダーを3〜15質量部、有機溶剤を10〜30質量部の割合で加えて混練することによって、印刷による導体ペーストの滲みやかすれ等の不具合が発生せず良好に所定形状のパターン形成ができる程度の粘度となるようにすることが望ましい。
貫通導体となる配線パターンを形成するための導体ペーストは、溶剤量や有機バインダー量によって、配線導体3用の導体ペーストに対して比較的流動性の低いペースト状に調整し、貫通孔への充填を容易にし、かつ加温硬化するようにするとよい。また、焼結挙動の調整のために、金属導体粉末にガラスやセラミックスの粉末を加えた無機成分を含んでいてもよい。
焼成雰囲気としては、配線導体3がAg等の酸化しにくい材料から成る場合は大気中にて行なわれ、Cu等の酸化しやすい材料から成る場合は、窒素雰囲気が用いられ、脱バインダーしやすいように加湿した雰囲気が用いられる。
焼成後のコイル内蔵ガラスセラミック配線基板の表面に形成された配線導体3には、半導体チップやチップ部品、または外部電気回路との半田等による接合を強固なものにするために、その表面にニッケル層および金層をめっき法により順次被着するとよい。
本発明のコイル内蔵ガラスセラミック配線基板は、図2および図3に示す例のように、上記構成の本発明のガラスセラミック配線基板のフェライト層2の層間にコイル導体4が形成されているものである。このような構成とすることにより、透磁率の高いフェライト層2にコイル導体4を形成しているので、インダクタンスが高いコイル内蔵ガラスセラミック配線基板となる。
コイル導体4は、配線導体3と同様に金属粉末の焼結体であるメタライズ金属層からなるものであり、フェライト層2用のフェライトグリーンシートの表面にコイル導体4用の導体ペーストを印刷することによってコイルパターンを形成し、さらにその上にフェライト層2用のフェライトグリーンシートを積層して同時焼成することにより、フェライト層2の層間に(フェライト層2に内蔵されて)形成される。図2および図3に示す例では、コイル導体4がフェライト層2の1つの層間に形成されているが、コイル導体4はフェライト層2の複数の層間に上下に複数重ねられて形成されていてもよく、複数のコイル導体4が上下に重ねられて形成される場合は、コイル導体4となるコイル導体パターンおよびコイル導体同士あるいはコイル導体と内部配線層とを接続するための貫通導体となる貫通導体パターンが形成されたフェライト層2用のフェライトグリーンシートを複数積層した上に、さらにフェライト層2用のフェライトグリーンシートを積層すればよい。
コイル導体4の作製に用いられる金属粉末は、配線導体3と同様のCu,Ag,Au,Pt,Ag−Pd合金またはAg−Pt合金等の低抵抗金属の粉末を用いる。これにより、コイル導体4の電気抵抗を小さくすることができる。
コイル内蔵ガラスセラミック配線基板は、上記したガラスセラミック配線基板の製造方法において、フェライト層2用のフェライトグリーンシートの間にコイル導体パターンを形成しておくことによって作製することができる。図2および図3に示す例のようなコイル内蔵ガラスセラミック配線基板であれば、コイル導体パターンが形成されたものを含む所定枚数のフェライト層2用のフェライトグリーンシートの上下にそれぞれ配線パターンが形成された所定枚数の絶縁層1用のセラミックグリーンシートを配置して積層体を作製し、この積層体を焼成することによってコイル内蔵ガラスセラミック配線基板が作製される。
コイル導体4となるコイル導体パターンは、フェライト層2用のフェライトグリーンシートの表面にコイル導体4用の導体ペーストをスクリーン印刷法やグラビア印刷法等の印刷法で所定パターンに印刷して形成する。コイル導体4用の導体ペーストには配線導体3用の導体ペーストと同じものを用いればよい。コイル導体4となるコイル導体パターンは、要求されるインダクタンス値やサイズにもよるが、上記のように印刷によって形成する場合は線幅および隣接する外周と内周の導体間距離が0.1mm程度以上であれば容易に形成できる。
焼成雰囲気としては、コイル導体4がAg等の酸化しにくい材料から成る場合は大気中にて行なわれ、Cu等の酸化しやすい材料から成る場合は、窒素雰囲気が用いられ、脱バインダーしやすいように加湿した雰囲気が用いられる。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を加えることは何ら差し支えない。例えば、上記の例ではフェライト層2用のフェライトグリーンシートの上下に絶縁層1用のセラミックグリーンシートを配置して積層体を作製し、この積層体を焼成することによりガラスセラミック配線基板を作製する例について説明したが、先にフェライトグリーンシートのみで積層体を作製して焼成した後に、その上下にセラミックグリーンシートを積層して、この積層体を焼成することによってガラスセラミック配線基板を作製してもよい。
上記の実施の形態の例におけるコイルを内蔵したガラスセラミック配線基板およびその製造方法の実施例を以下に詳細に説明する。
まず、ガラス粉末としてSi,Al,ZnおよびMgを主な元素として含むガラス粉末80質量%と、着色顔料として表1の「顔料」の「化学式」欄に示すような遷移金属の酸化物または硫化物4質量%と、フィラー粉末としてフォルステライト(MgSiO)またはガーナイト(ZnAl)の粉末16質量%とを混合し、この絶縁体粉末100質量%に対して、有機バインダーとしてアクリル樹脂を12質量%、可塑剤としてフタル酸系可塑剤を6質量%および溶剤としてトルエンを30質量%の割合で加え、ボールミル法によって混合してスラリーを調製し、このスラリーを用いてドクターブレード法によって厚さ160μmの、絶縁層1となるセラミックグリーンシートを成形した。
この絶縁層1となるセラミックグリーンシートに金型による打ち抜き加工によって、貫通導体用の直径150μmの貫通孔を形成した。この貫通孔に貫通導体ペーストをスクリーン印刷法によって充填し、70℃で30分乾燥した。貫通導体ペーストとしては、Ag粉末100質量部と、焼結助剤としてのガラス粉末10質量部に、アクリル樹脂12質量部と有機溶剤としてのα−テルピネオール2質量部とを加え、攪拌脱泡機により十分に混合した後に3本ロールにて十分に混練したものを用いた。
次に、このセラミックグリーンシートに導体ペーストをスクリーン印刷法により2mm四方のサイズで20μmの厚みに塗布して、70℃で30分乾燥して配線導体パターンを形成した。
導体ペーストとしては、金属粉末としてAg粉末100質量部に、アクリル樹脂12質量部と有機溶剤としてのα−テルピネオール2質量部とを加え、攪拌脱泡機により十分に混合した後に3本ロールにて十分に混練したものを用いた。
次に、FeFe粉末700g,CuO粉末60g,NiO粉末60g,ZnO粉末180gおよび純水4000cmをジルコニアボールとともに容量が7000cmのポットに入れて、ポットを回転させることによるボールミルにて24時間かけて混合した後、乾燥した混合粉末をジルコニアるつぼに入れて大気中730℃で1時間加熱することによって、強磁性フェライト粉末を作製した。このフェライト粉末100質量部に対し、有機バインダーとしてブチラール樹脂を10質量部および有機溶剤としてIPAを45質量部添加し、上記と同様のボールミル法によって混合してスラリーとした。このスラリーを用いてドクターブレード法によって厚さ100μmのフェライトグリーンシートを成形した。
このフェライトグリーンシートに、金型による打ち抜き加工によって貫通導体用の直径150μmの貫通孔を形成した。この貫通孔に、貫通導体ペーストをスクリーン印刷法によって充填し、70℃で30分乾燥して貫通導体となる貫通導体組成物を形成した。貫通導体ペーストとしては、上記と同じものを用いた。
続いて、このフェライトグリーンシート8枚にそれぞれ導体ペーストをスクリーン印刷法によって30μmの厚みに塗布し、70℃で30分乾燥して、コイル導体パターンを形成した。導体ペーストとしては、Ag粉末100質量部に、アクリル樹脂10質量部と有機溶剤としてのα−テルピネオール1質量部とを加え、攪拌脱泡機により十分に混合したものを用いた。
次に、フェライトグリーンシートの間にコイル導体パターンが位置するようにこれらのフェライトグリーンシートを8枚重ねたその上下にそれぞれ2枚の絶縁層1となるセラミックグリーンシートを積み重ねて、20MPaの圧力および55℃の温度で加熱圧着してセラミックグリーンシートが表層に位置する積層体を作製した。
次に、この積層体を30×35mmの大きさに切断した後、大気中で500℃、3時間の条件で加熱して有機成分を除去した後、大気中で900℃、1時間の条件で焼成することによって、ガラスセラミックスからなる絶縁層の間にフェライト層が設けられたコイル内蔵ガラスセラミック配線基板を作製した。
このようにして得られた表1および表2に示す実施例1〜25の試料および比較例1〜11の試料をそれぞれ5個ずつ作製して、蛍光探傷液の浸透試験、レッドチェック液の浸透試験、吸水率測定および透過型電子顕微鏡による観察を行なった。
蛍光探傷液の浸透試験においては、ガラスセラミック配線基板を蛍光探傷液に浸漬させ、0.5MPaの圧力をかけた状態で2時間放置し、その後に蛍光探傷液から取り出した後、コイル内蔵ガラスセラミック配線基板の側面を研磨して、蛍光探傷液の絶縁層1とフェライト層2との間への浸透があるかどうかの確認を行なった。浸透があると、絶縁層1とフェライト層2との界面にボイドや隙間が形成されていると判断した。
レッドチェック液の浸透試験においては、ガラスセラミック配線基板をレッドチェック液に浸漬して10秒間放置し、その後にレッドチェック液から取り出した後、水洗を行なった後にガラスセラミック配線基板内にレッドチェック液の浸透があるかどうかの確認を行なった。なお、レッドチェック液の浸透試験では、浸透があるとガラスセラミック配線基板にボイドが形成されていると判断した。
ガラスセラミック配線基板の吸水率測定においては、ガラスセラミック配線基板を100℃の温水内で1時間放置し、ガラスセラミック配線基板を温水から取り出した後、ガラスセラミック配線基板の質量を測定した。その後、乾燥オーブンでガラスセラミック配線基板を80℃の雰囲気内で1時間乾燥し、ガラスセラミック配線基板の質量を測定した。温水放置後と乾燥後との質量を比較し、その質量差の算出を行なった。質量差が0.1%以上あった場合は、ガラスセラミック配線基板にボイドが形成されていると判断した。
透過型電子顕微鏡観察においては、まず、コイル内蔵ガラスセラミック配線基板を断面方向から透過型電子顕微鏡で観察できるように基板の切断および研磨加工を行なった後、中間層の部分を透過型電子顕微鏡で観察できる状態にした。透過型電子顕微鏡は、JEM−2010F(JEOL製)を用いた。像観察を行ない、中間層の有無の特定を行なった後、中間層が存在したものについては、中間層の部分の回折格子像を観察することにより中間層の結晶構造を同定した。結晶相の同定は、JPCDSカードで行なった。
蛍光探傷液の浸透試験、レッドチェック液の浸透試験、吸水率測定、および透過型電子顕微鏡による観察の結果を表2に示す。
Figure 2011114173
Figure 2011114173
表2に示すように、フェライト結晶と第1結晶と着色顔料である第2結晶との結晶構造が同一で、かつ、第1結晶と第2結晶との格子定数の差が第2結晶の格子定数の13.3%以内であり、第2結晶とフェライト結晶との格子定数の差が第2結晶の格子定数の11.4%以内である実施例1〜25のそれぞれの5個の試料の全てが、蛍光探傷液およびレッドチェック液の浸透がなく、吸水率が0.1%未満であることが確認された。それに対して、上記実施例が満たしている条件のうち1つでも満たさない比較例1〜11のそれぞれの5個の試料全てが、蛍光探傷液の浸透およびレッドチェック液の浸透があり、吸水率が0.1%以上であることが確認された。なお、表2に示す格子定数の差は、結晶同士の組合せにより変化するので、連続して変化しないものである。また、表2に示す5/5OKは5個の試料全てが蛍光探傷液およびレッドチェック液の浸透がなかったことを示し、5/5NGは5個の試料全てが蛍光探傷液およびレッドチェック液の浸透があったことを示す。
以上の結果から、上記の実施の形態の例において説明した、第1結晶と第2結晶とフェライト結晶とが同一の結晶構造であって、第2結晶とフェライト結晶との格子定数の差が13.3%以内で、第2結晶と第1結晶との格子定数の差が第2結晶の格子定数の11.4%以内であるガラスセラミック配線基板は、第1結晶と第2結晶との界面にボイドが発生することを低減できるので、基板強度や絶縁信頼性を保ちつつ、絶縁層を着色したガラスセラミック配線基板とすることができることを確認した。
1・・・絶縁層
2・・・フェライト層
3・・・配線導体
4・・・コイル導体

Claims (4)

  1. ガラス相および第1結晶を含むガラスを有するガラスセラミックスからなり、遷移金属の酸化物または硫化物からなるスピネル構造の第2結晶を着色顔料として含む複数の絶縁層と、フェライト結晶を有する、前記複数の絶縁層の間に設けられた複数のフェライト層と、表面および内部に形成された配線導体とを備え、前記第1結晶と前記第2結晶と前記フェライト結晶とは同一の結晶構造であって、前記第1結晶と前記第2結晶との格子定数の差が前記第2結晶の格子定数の13.3%以内であるとともに、前記第2結晶と前記フェライト結晶との格子定数の差が前記第2結晶の格子定数の11.4%以内であることを特徴とするガラスセラミック配線基板。
  2. 前記第1結晶がMgSiOであり、前記フェライト結晶がFeFeであるとともに、前記第2結晶がFeV,CoCr,MnCoおよびCoFeのいずれか1つであることを特徴とする請求項1記載のガラスセラミック配線基板。
  3. 請求項1または請求項2に記載のガラスセラミック配線基板の前記複数のフェライト層の層間にコイル導体が形成されていることを特徴とするコイル内蔵ガラスセラミック配線基板。
  4. ガラス相および第1結晶を含むガラスを有するガラスセラミックスからなり、遷移金属の酸化物または硫化物からなるスピネル構造の第2結晶を着色顔料として含む複数の絶縁層と、フェライト結晶を有する、前記複数の絶縁層の間に設けられた複数のフェライト層と、表面および内部に形成された配線導体とを備えたガラスセラミック配線基板の製造方法であって、
    フォルステライトからなる10〜40質量%のフィラーと、SiOを22〜52質量%、Bを2〜12質量%、Alを9〜29質量%、ZnOを9〜29質量%、CaOを1〜9質量%およびMgOを7〜21質量%含み、かつ前記Alに対する前記ZnOのモル比が0.8〜1.2である60〜90質量%のガラスと、FeV,CoCr,MnCoおよびCoFeのいずれか1つからなる2〜8質量%の前記着色顔料とを有する複数のセラミックグリーンシートを準備する第1準備工程と、
    FeFeを有するフェライトグリーンシートを準備する第2準備工程と、
    前記セラミックグリーンシートと前記フェライトグリーンシートとを、層間に配線導体となる導体パターンを形成するとともに積層してグリーンシート積層体を作製する積層体作製工程と、
    前記グリーンシート積層体を焼成する焼成工程と
    を具備することを特徴とするガラスセラミック配線基板の製造方法。
JP2009269521A 2009-11-27 2009-11-27 ガラスセラミック配線基板およびコイル内蔵ガラスセラミック配線基板ならびにガラスセラミック配線基板の製造方法 Expired - Fee Related JP5473561B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009269521A JP5473561B2 (ja) 2009-11-27 2009-11-27 ガラスセラミック配線基板およびコイル内蔵ガラスセラミック配線基板ならびにガラスセラミック配線基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009269521A JP5473561B2 (ja) 2009-11-27 2009-11-27 ガラスセラミック配線基板およびコイル内蔵ガラスセラミック配線基板ならびにガラスセラミック配線基板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011114173A true JP2011114173A (ja) 2011-06-09
JP5473561B2 JP5473561B2 (ja) 2014-04-16

Family

ID=44236277

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009269521A Expired - Fee Related JP5473561B2 (ja) 2009-11-27 2009-11-27 ガラスセラミック配線基板およびコイル内蔵ガラスセラミック配線基板ならびにガラスセラミック配線基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5473561B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014035309A (ja) * 2012-08-10 2014-02-24 Hitachi Automotive Systems Ltd 熱式空気流量計
JP2017210389A (ja) * 2016-05-26 2017-11-30 株式会社村田製作所 ガラス−セラミック−フェライト組成物および電子部品
WO2018100863A1 (ja) * 2016-11-30 2018-06-07 株式会社村田製作所 複合電子部品、及び該複合電子部品の製造方法
JP2019057614A (ja) * 2017-09-21 2019-04-11 株式会社村田製作所 積層コイル部品、積層コイル部品の製造方法、及び積層コイル部品の検査システム
JP2020013952A (ja) * 2018-07-20 2020-01-23 株式会社村田製作所 インダクタ部品
CN112038040A (zh) * 2019-06-03 2020-12-04 株式会社村田制作所 电感器部件
KR20220167768A (ko) * 2021-06-14 2022-12-21 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 적층형 코일 부품

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04227769A (ja) * 1990-05-10 1992-08-17 Degussa Ag 被覆スピネル有色顔料、その製法及び改良された輪郭鮮明度を有する装飾
JPH07291630A (ja) * 1994-04-19 1995-11-07 Asulab Sa 黒色ジルコニアを主成分とする物品の製造方法および特にこの方法により得られる黒色ジルコニアを主成分とする装飾用物品
JP2004281924A (ja) * 2003-03-18 2004-10-07 Kyocera Corp セラミック多層基板
JP2005108894A (ja) * 2003-09-26 2005-04-21 Kyocera Corp コイル内蔵ガラスセラミック基板
JP2007053100A (ja) * 2005-08-17 2007-03-01 Lg Electronics Inc プラズマ表示パネルのブラックマトリクス用黒色ペースト組成物、それを用いて製造するプラズマ表示パネルの前面パネル構造及びその製造方法
WO2007145189A1 (ja) * 2006-06-14 2007-12-21 Murata Manufacturing Co., Ltd. 積層型セラミック電子部品

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04227769A (ja) * 1990-05-10 1992-08-17 Degussa Ag 被覆スピネル有色顔料、その製法及び改良された輪郭鮮明度を有する装飾
JPH07291630A (ja) * 1994-04-19 1995-11-07 Asulab Sa 黒色ジルコニアを主成分とする物品の製造方法および特にこの方法により得られる黒色ジルコニアを主成分とする装飾用物品
JP2004281924A (ja) * 2003-03-18 2004-10-07 Kyocera Corp セラミック多層基板
JP2005108894A (ja) * 2003-09-26 2005-04-21 Kyocera Corp コイル内蔵ガラスセラミック基板
JP2007053100A (ja) * 2005-08-17 2007-03-01 Lg Electronics Inc プラズマ表示パネルのブラックマトリクス用黒色ペースト組成物、それを用いて製造するプラズマ表示パネルの前面パネル構造及びその製造方法
WO2007145189A1 (ja) * 2006-06-14 2007-12-21 Murata Manufacturing Co., Ltd. 積層型セラミック電子部品

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014035309A (ja) * 2012-08-10 2014-02-24 Hitachi Automotive Systems Ltd 熱式空気流量計
JP2017210389A (ja) * 2016-05-26 2017-11-30 株式会社村田製作所 ガラス−セラミック−フェライト組成物および電子部品
CN107434407A (zh) * 2016-05-26 2017-12-05 株式会社村田制作所 玻璃‑陶瓷‑铁氧体组合物和电子部件
WO2018100863A1 (ja) * 2016-11-30 2018-06-07 株式会社村田製作所 複合電子部品、及び該複合電子部品の製造方法
JPWO2018100863A1 (ja) * 2016-11-30 2019-10-17 株式会社村田製作所 複合電子部品、及び該複合電子部品の製造方法
JP7104890B2 (ja) 2017-09-21 2022-07-22 株式会社村田製作所 積層コイル部品の製造方法
JP2019057614A (ja) * 2017-09-21 2019-04-11 株式会社村田製作所 積層コイル部品、積層コイル部品の製造方法、及び積層コイル部品の検査システム
JP2020013952A (ja) * 2018-07-20 2020-01-23 株式会社村田製作所 インダクタ部品
JP7174549B2 (ja) 2018-07-20 2022-11-17 株式会社村田製作所 インダクタ部品
CN112038040A (zh) * 2019-06-03 2020-12-04 株式会社村田制作所 电感器部件
KR20220167768A (ko) * 2021-06-14 2022-12-21 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 적층형 코일 부품
JP2022190527A (ja) * 2021-06-14 2022-12-26 株式会社村田製作所 積層型コイル部品
JP7384190B2 (ja) 2021-06-14 2023-11-21 株式会社村田製作所 積層型コイル部品
KR102657438B1 (ko) 2021-06-14 2024-04-16 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 적층형 코일 부품

Also Published As

Publication number Publication date
JP5473561B2 (ja) 2014-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10614947B2 (en) Coil component
JP5473561B2 (ja) ガラスセラミック配線基板およびコイル内蔵ガラスセラミック配線基板ならびにガラスセラミック配線基板の製造方法
JP5195904B2 (ja) 積層コイル部品
JP5398399B2 (ja) ガラスセラミック基板およびコイル内蔵ガラスセラミック配線基板ならびにガラスセラミック基板の製造方法
CN209962815U (zh) 层叠线圈部件
CN1841598B (zh) 叠层陶瓷电子部件及其制造方法
JP5382123B2 (ja) 積層コイル部品
TW200937462A (en) Stacked coil component and mehtod for manufacturing the stacked coil component
JP2007266245A (ja) コイル内蔵基板
JP6084836B2 (ja) コイル内蔵配線基板
JP2010223849A (ja) プローブカード用配線基板およびこれを用いたプローブカード
JP5591009B2 (ja) コイル内蔵配線基板
JP5591055B2 (ja) ガラスセラミック基板およびコイル内蔵ガラスセラミック配線基板
JP3744469B2 (ja) 導電性ペースト
JP5319568B2 (ja) セラミック積層体およびこれを備えた電子装置
JPWO2017163931A1 (ja) セラミック電子部品およびセラミック電子部品の製造方法
JP4587758B2 (ja) ガラスセラミック基板
JP2012015173A (ja) ガラスセラミック配線基板およびフェライト内蔵ガラスセラミック配線基板
US20190279800A1 (en) Magnetic composite and electronic component using the same
JP5230565B2 (ja) 配線基板
JP2007266114A (ja) 配線基板の製造方法
JP2006156499A (ja) 複数個取り基板およびガラスセラミック基板
JP2010278117A (ja) 配線基板の製造方法
JP7444146B2 (ja) コイル部品
JP5675389B2 (ja) プローブカード用配線基板およびプローブカード

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120817

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130618

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130812

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140204

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5473561

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees