JP2011112186A - ベルト式無段変速機 - Google Patents

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Hideaki Komada
英明 駒田
Michinobu Suzuki
岐宣 鈴木
Hiroaki Ebuchi
弘章 江渕
Hirotatsu Kitahata
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Abstract

【課題】ベルト式無段変速機の可動シーブの位置を固定し、変速比を所望する値に容易にかつ確実に固定することができるベルト式無段変速機を提供する。
【解決手段】回転軸2に対してその回転軸線AL方向に移動可能に取り付けられた可動シーブ3および回転軸線AL方向に移動不可能に取り付けられた固定シーブ4によってベルト巻き掛け溝1aを形成する2つのプーリ1と、各プーリ1にそれぞれ巻き掛けられてそれら各プーリ1間で動力を伝達する伝動ベルト5とを備え、可動シーブ3を回転軸線AL方向に前後動させてベルト巻き掛け溝1aの溝幅を変化させることによりプーリ1の巻き掛かり半径を変化させて変速比を連続的に変更するベルト式無段変速機において、回転軸線AL方向における予め設定した所定位置で回転軸2に可動シーブ3を機械的に固定する変速比固定手段6を設けた。
【選択図】図1

Description

この発明は、駆動側のプーリと従動側のプーリとの間で、それらの間に巻き掛けられた伝動ベルトを介して動力伝達を行い、かつ変速比を連続的に制御するベルト式無段変速機に関するものである。
ベルト式無段変速機は、ベルトを巻掛けたプーリの溝幅を変化させることにより、プーリの有効径すなわちベルトが巻き掛かっている部分の半径を変化させて、変速比を無段階に設定することのできる変速機である。したがって駆動側もしくは入力側のプーリ(プライマリプーリ)、および、従動側もしくは出力側のプーリ(セカンダリプーリ)を、固定シーブとその固定シーブに対して軸線方向に前後動する可動シーブとによって構成し、可動シーブを例えば油圧などを利用して移動させて各プーリの溝幅を変化させることによりベルトの巻き掛かり半径を変化させて、変速比を連続的にすなわち無段階に変更できるように構成されている。
上記のようなベルト式無段変速機の一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された無段変速機は、一対のプーリに対するベルトの巻き掛け有効径が可変な無段変速機構と、サンギヤおよびリングギヤならびにこれらサンギヤとリングギヤとの間に配置されたピニオンギヤを保持するキャリアを回転要素とする遊星歯車機構と、これらの回転要素を選択的に連結もしくは固定する複数の結合手段とを有するベルト式の無段変速機であって、遊星歯車機構と結合手段との少なくとも遊星歯車機構が、各プーリの回転軸線の間に配置されるように構成されている。
また、特許文献2には、指令値によって制御される変速アクチュエータの位置に応じて変速比を連続的に変更可能な無段変速機構、具体的にはトロイダル式の無段変速機構を有し、変速比の逆数が負の値から正の値まで0を含んで連続的に変更可能な無段変速機の制御装置であって、変速比検出値に混入するノイズの大きさと周波数とを予測し、目標変速比と変速比検出値もしくは変速比推定値とがほぼ一致している定常状態における変速比の不感帯幅が、目標変速比と変速比検出値もしくは変速比推定値とが一致していない過渡状態における変速比の不感帯幅よりも小さく設定され、ノイズの大きさが不感帯幅を超えないように構成された無段変速機の制御装置に関する発明が記載されている。
なお、特許文献3には、永久磁石が設けられた可動鉄心と、その永久磁石の両側に所定の間隔をおいて配置され固定された非磁性体および固定鉄心と、永久磁石および可動鉄心を中立位置に保持する保持手段と、永久磁石と同心でその周囲に配置されて極性の切り替えが可能なコイルとを備えたソレノイドアクチュエータが記載されている。そして、前記の保持手段、すなわち永久磁石および可動鉄心を中立位置に機械的に固定する機構が、可動鉄心に設けられたチェック溝と、そのチェック溝に押入されるチェックボールと、そのチェックボールを押圧するスプリングとによって構成され、そのチェック溝の断面が三角形状となっている構成が開示されている。
特開2003−172445号公報 特開2002−5259号公報 特開平4−170007号公報
上記の特許文献1に記載されているベルト式無段変速機および特許文献2に記載されているトロイダル式無段変速機は、いずれも、変速比が無限大になる場合を含めて前進側から後進側まで変速比を無段階に設定することができるいわゆる変速比無限大無段変速機(IVT;Infinitely Variable Transmission)として構成されている。言い換えると、上記の特許文献1に記載されているベルト式無段変速機は、ベルト式無段変速機構を含むIVTとして、また特許文献2に記載されているトロイダル式無段変速機は、トロイダル式無段変速機構を含むIVTとしてそれぞれ構成されている。そのようなIVTの構成によれば、変速比が無限大になる状態、すなわち出力軸の回転数が0でもトルク伝達が可能なギヤードニュートラルの状態を設定することができるので、従来の自動変速機で用いられているトルクコンバータや発進クラッチを省くことができる。
しかしながら、上記のようなIVTの構成においては、ギヤードニュートラルを設定する場合、ベルト式あるいはトロイダル式の無段変速機構における変速比を所定の唯一の点で精度良く制御する必要がある。例えば図4に示すように、IVTの変速比γの逆数が0になる、すなわち変速比γが無限大になるギヤードニュートラルの状態で、その状態におけるベルト式無段変速機構(CVT部)の変速比γCVの値αが大小にずれて変化すると、変速比γがギヤードニュートラルの状態から前進もしくは後進時のトルク伝達時の値に変化する。また、図5に示すように、変速比γCVの値αが大小にずれて変化することにより、ベルト式無段変速機構の入力トルクTが正の値と負の値との間で急激にかつ大きく変化する。すなわちベルト式無段変速機構がトルクを出力する駆動状態とトルクが入力される被駆動状態との間で瞬時に切り替わることになる。
したがって、IVTを搭載した車両においては、車両の停止時にIVTをギヤードニュートラルの状態に精度良く設定できないと、予期せぬトルク変動などによって運転者に違和感を与えてしまう可能性がある。そのために、例えば上記の特許文献2に記載されている無段変速機の変速制御装置では、ノイズの大きさが不感帯幅を超えないようにフィルタのゲインを小さくする変速比安定化手段が設けられていて、その変速比安定化手段によって変速比の不感帯幅を超えるような大きなノイズを低減することにより、変速比のハンチングを防止し、変速比の設定精度を向上させることができる、とされている。
しかしながら、その場合、変速比制御時のノイズを低減することにより変速比を設定する精度は向上するものの、変速機構の可動部分は機械的に固定されるわけではなく、また変速比制御においては不可避的なばらつきがあるので、上記のような運転者の意図しない車両挙動が生じてしまったり、運転者に違和感を与えてしまう可能性が残っている。
このように、従来の無段変速機あるいは無段変速機構を備えたIVTにおいては、変速比を無段階に変更することができる反面、変速比を所定の一点に固定すること、具体的には、例えばベルト式無段変速機におけるプーリの溝幅を変化させるための可動シーブの位置を所定位置に固定することは積極的には考慮されていない。そのため、無段変速機の変速比を所定の値に容易にかつ確実に固定するため、あるいは無段変速機構を備えたIVTにおいてギヤードニュートラルを容易にかつ確実に設定するためには、未だ改良の余地があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、ベルト式無段変速機の可動シーブの位置を固定し、変速比を所望する値に容易にかつ確実に固定することができるベルト式無段変速機を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、回転軸に対してその回転軸線方向に移動可能に取り付けられた可動シーブおよび該回転軸線方向に移動不可能に取り付けられた固定シーブによってベルト巻き掛け溝を形成する2つのプーリと、前記各プーリにそれぞれ巻き掛けられてそれら各プーリ間で動力を伝達する伝動ベルトとを備え、前記可動シーブを前記回転軸線方向に前後動させて前記ベルト巻き掛け溝の溝幅を変化させることにより前記プーリに前記伝動ベルトが巻き掛かる際の巻き掛かり半径を変化させて変速比を連続的に変更するベルト式無段変速機において、前記回転軸線方向における予め設定した所定位置で前記回転軸に前記可動シーブを機械的に固定する変速比固定手段を備えていることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記変速比固定手段が、前記回転軸および前記可動シーブのいずれか一方に形成された係止溝と、前記回転軸および前記可動シーブのいずれか他方に前記係止溝の深さ方向に移動可能に保持されるとともに前記可動シーブが前記所定位置に移動した場合に前記係止溝に嵌合することにより前記可動シーブ前記所定位置からの移動を規制する係止部材と、前記係止部材を前記係止溝側へ向けて押圧する付勢部材とを備えていることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記係止部材が、前記係止溝に挿入・離脱自在で、かつ自転可能に保持された球状の剛体を含むことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2の発明において、前記係止部材が、前記係止溝に挿入・離脱自在で、かつ前記可動シーブが前記所定位置から移動する場合に前記係止溝の開口部に当接して前記係止部材が前記係止溝に挿入する際および前記係止部材が前記係止溝から離脱する際のガイド面として機能する傾斜面が形成された剛体を含むことを特徴とするものである。
そして、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記変速比固定手段が、変速比が無限大となるギヤードニュートラルの状態で前記回転軸に前記可動シーブを機械的に固定する手段を含むことを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、プーリの回転軸の回転軸線方向における可動シーブの位置を、予め定めた所定位置で機械的に固定することができる。そのため、特別な変速比制御を行うことなく、ベルト式無段変速機の変速比を所望する所定の変速比に容易にかつ確実に固定することができる。例えば、ベルト式無段変速機を搭載した車両が高速で定速度かつ定負荷で走行するような場合に、ベルト式無段変速機の変速比を高速走行向きの相対的に小さな所定の変速比に容易にかつ確実に固定することができる。あるいは、ベルト式無段変速機構を備えたIVTの場合であれば、ギヤードニュートラルの状態を容易にかつ確実に設定することができる。
また、請求項2の発明によれば、可動シーブが予め設定した所定位置に位置するように移動することにより、付勢部材によって押圧される係止部材が係止溝に嵌り込み、その結果、回転軸に対する可動シーブの相対移動が規制される。そのため、可動シーブを所定位置で容易にかつ確実に固定することができる。
また、請求項3の発明によれば、例えばボールベアリングの鋼球やチェックバルブのチェックボールなどの所定の剛性を有する球体によって係止部材が構成される。そのため、係止溝と係止部材との嵌合および係止部材が係止溝に嵌合していない状態での回転軸に対する可動シーブの相対移動を滑らかに行うことができ、また、係止部材の係止溝からの離脱を容易にすることができる。
また、請求項4の発明によれば、係止溝の開口部に当接してその係止溝への係止部材の挿入および係止溝からの係止部材の離脱をガイドする傾斜面が形成された剛体によって係止部材が構成される。そのため、係止部材の係止溝への挿入および係止溝からの離脱を、傾斜面の傾きに応じて徐々に行うことができる。その結果、可動シーブの急変動あるいは急激な変動停止を防止することができ、すなわち変速比の急変動あるいは急激な変動停止を防止することができる。
そして、請求項5の発明によれば、プーリの回転軸の回転軸線方向における可動シーブの位置を、ベルト式無段変速機構を備えたIVTにおけるギヤードニュートラルの状態で機械的に固定することができる。そのため、ギヤードニュートラルの状態を容易にかつ確実に設定することができる。
この発明に係るベルト式無段変速機の構成の一例を示す断面図である。 図1に示すベルト式無段変速機の構成の詳細を説明するための拡大断面図である。 この発明に係るベルト式無段変速機の他の構成例を示す拡大断面図である。 変速比無限大無段変速機(IVT)におけるギヤードニュートラル点を説明するための図である。 変速比無限大無段変速機(IVT)におけるギヤードニュートラル点近傍での無段変速機構部の入力トルクの変化を説明するための図である。
つぎに、この発明を具体例を参照して説明する。この発明は、従来のベルト式無段変速機、あるいは、そのような従来のベルト式無段変速機の構成と例えば遊星歯車機構とを組み合わせて変速比が無限大となるギヤードニュートラルの状態を実現することができるように構成したいわゆる変速比無限大無段変速機(IVT)を対象としている。
すなわち、この発明におけるベルト式無段変速機は、基本的な構成として、駆動側(もしくは入力側)および従動側(もしくは出力側)の回転軸に対して、その回転軸線方向に移動可能に取り付けられた可動シーブおよび回転軸線方向に移動不可能に取り付けられた固定シーブによってベルト巻き掛け溝を形成する2つのプーリと、それら各プーリにそれぞれ巻き掛けられて各プーリ間で動力を伝達する伝動ベルトとを備えている。そして、可動シーブを回転軸およびプーリの回転軸線方向に前後動させてベルト巻き掛け溝の溝幅を変化させることによりプーリに伝動ベルトが巻き掛かる際の巻き掛かり半径を変化させて変速比を連続的に変更することができるように構成されている。
このようなベルト式無段変速機の基本構成については、公知のベルト式無段変速機の構成と同様であり、また、ベルト式無段変速機構を備えたいわゆるIVTの構成については、例えば、前述の特許文献1あるいは特開2004−175320号公報などに記載されているので、ここではそれらの構成の詳細な説明を省略する。
前述したように、従来のベルト式無段変速機、あるいは従来のベルト式無段変速機構を備えたIVTでは、変速比を所定の唯一の値に設定すること、すなわちプーリの溝幅を変化させるための可動シーブの位置を所定の唯一の位置に固定することが容易ではなかった。そこで、この発明におけるベルト式無段変速機は、プーリの回転軸線方向における所定位置に、可動シーブを機械的に固定できるように構成されている。
具体的には、図1に示すように、この発明におけるベルト式無段変速機は、プーリ1の回転軸2に、可動シーブ3が回転軸2の回転軸線AL方向に移動可能なように取り付けられている。また、回転軸2に、固定シーブ4が移動不可能なように取り付けられている。もしくは回転軸2と固定シーブ4とが一体に形成されている。これら可動シーブ3と固定シーブ4とは、可動シーブ3のテーパ面3aと固定シーブ4のテーパ面4aとが、回転軸線AL方向で互いに対向するように配置されていて、テーパ面3aとテーパ面4aとの間に、V字形状のベルト巻き掛け溝1aが形成されている。したがって、これら可動シーブ3と固定シーブ4とによってプーリ1が構成されている。なお、可動シーブ3には、その可動シーブ3を回転軸線AL方向に前後動させ(図1での左右方向に動作させ)、可動シーブ3と固定シーブ4とを接近・離隔させる油圧アクチュエータ等(図示せず)が設けられている。
上記のように構成されたプーリ1が、ベルト式無段変速機の駆動側および従動側の2ヶ所に平行に設置されていて、それら2つのプーリ1のベルト巻き掛け溝1aに、伝動ベルト5が巻き掛けられている。この伝動ベルト5は、例えば、板片状の多数のエレメント(図示せず)を、帯状のリング(図示せず)により環状に結束することにより構成されている。そして、その幅方向(図1での左右方向)における左右の両側面が、断面を正面から見た状態でいわゆるV字状に傾斜した面として形成されていて、プーリ1のベルト巻き掛け溝1aに嵌り込むようになっている。すなわち、伝動ベルト5は、ベルト巻き掛け溝1aが形成されたプーリ1に巻き掛けられるVベルトとして構成されている。
このように、この発明におけるベルト式無段変速機は、互いに平行に配置された2つのプーリ1が、それぞれ、油圧アクチュエータ等によって回転軸線AL方向に前後動させられる可動シーブ3と、回転軸2に一体の固定シーブ4とによって構成されている。したがってプーリ1のベルト巻き掛け溝1aの幅が、可動シーブ3を回転軸線AL方向に移動させることにより変化し、それに伴ってプーリ1に巻掛けた伝動ベルト5の巻き掛かり半径(プーリ1の有効半径)が連続的に変化するので、変速比が無段階に変化するようになっている。
そして、この発明におけるベルト式無段変速機は、プーリ1の回転軸線AL方向における所定位置に可動シーブ3を機械的に固定するための変速比固定手段6が設けられている。具体的には、図1および図2の拡大図に示すように、回転軸2と可動シーブ3との間に、すなわち回転軸2と可動シーブ3との互いの摺動部分に、変速比固定手段6が設けられている。そしてこの変速比固定手段6は、この図1,図2に示す構成例では、可動シーブ3に形成された係止溝6aと、回転軸2に保持された係止部材6bと、その係止部材6bを係止溝6a側へ押圧する付勢部材6cとから構成されている。
係止溝6aは、可動シーブ3に、その可動シーブ3の回転軸2に対する摺動面(接触面)3bから可動シーブ3の内部(図1,図2での上側)に窪むように形成されている。この係止溝6aは、係止部材6bが挿入・離脱自在に嵌合できるように、その開口部分の形状や大きさが設定されて形成されている。また、係止溝6aの溝深さは、ボール6bが係止溝6a内に挿入させられた状態でそのボール6bのほぼ半分が係止溝6aに嵌合する寸法に、すなわち、係止溝6aの溝深さ寸法がボール6bの半径とほぼ一致する寸法に設定されている。
一方、係止部材6bは、係止溝6aの溝深さ方向(図1,図2での上下方向)に移動が可能なように、かつ自転が可能なように、回転軸2に保持されている。そしてこの係止部材6bは、例えばボールベアリングやチェックボールバルブに用いられる鋼球などのように所定の剛性を有するボール(球体)6bによって形成されている。
付勢部材6cは、ボール6bにそのボール6bを係止溝6a側へ押圧する押圧力を作用させるように、ボール6bと共に回転軸2に保持されている。より具体的には、回転軸2の外周面2aから回転軸2の内部(図1,図2での下側)に窪むように形成された空間2b内に、その空間2b内で溝深さ方向(図1,図2での上下方向)に変形が可能なように、ボール6bと共に保持されている。そしてこの付勢部材6cは、例えば圧縮コイルばね、あるいはゴムや樹脂等の弾性部材などから形成されている。なお、上記の空間2bの溝深さは、少なくとも付勢部材6cがその長さ方向(図1,図2での上下方向)に最大限に圧縮される弾性変形をした状態で、その付勢部材6cとボール6bとの両方を、空間2b内に全て収容することができる寸法に設定されている。
そして、上記の回転軸2と可動シーブ3とは、可動シーブ3および回転軸2の周方向における係止溝6aの開口位置と、ボール6bの保持位置とが一致するように、回転軸2の外周部分に可動シーブ3が嵌め込まれることにより、上記のように回転軸2に対して可動シーブ3が回転軸線方向ALに前後動が可能なように取り付けられている。
したがって、可動シーブ3が回転軸2上で回転軸線AL方向に前後動させられる場合、回転軸線AL方向における係止溝6aの開口位置とボール6bの保持位置とが一致しない状態では、ボール6bは、圧縮変形した付勢部材6cと共に回転軸2の空間2b内に全体が収容されている。その状態で可動シーブ3が回転軸線AL方向に前後動させられると、ボール6bは、その外表面の一部が可動シーブ3の摺動面3bに当接しつつ自転する。その結果、可動シーブ3が回転軸線AL方向に前後動する際に、可動シーブ3の摺動面3bに押さえつけられている状態のボール6bと摺動面3bとの間の摩擦が低減される。
そのため、係止溝6aとボール6bとの嵌合、およびボール6bが係止溝6aに嵌合していない状態での回転軸2に対する可動シーブ3の相対移動を滑らかに行うことができる。また、ボール6bの係止溝6aからの離脱を容易にすることができる。
そして、回転軸線AL方向における係止溝6aの開口位置とボール6bの保持位置とが一致すると、すなわち、回転軸線AL方向における可動シーブ3の位置が予め設定した所定位置になると、ボール6bは、付勢部材6cの押圧力によって、もしくは付勢部材6cの押圧力とプーリ1が回転する際にボール6bに作用する遠心力とによって、係止溝6a内に挿入させられる。この場合、ボール6bはそのほぼ半分が係止溝6a内に嵌合させられる。すなわち、係止溝6aの開口部分がボール6bの直径部分によって塞がれた状態になる。そのため、例えば可動シーブ3の係止溝6aと回転軸2の空間2bとをキー溝とすれば、ボール6bがいわゆるキーもしくはコッタとして機能することになり、その結果、回転軸2に対する可動シーブ3の相対移動が規制される。
これに対して、係止溝6aおよびボール6bならびに付勢部材6cにより構成される変速比固定手段6によって可動シーブ3の回転軸線AL方向における前後動が規制された状態から、通常時に可動シーブ3を回転軸線AL方向に前後動させるために加えられる荷重よりも大きな所定の荷重を可動シーブ3に作用させることにより、ボール6bが係止溝6aの開口部に当接しながら空間2b側に押圧される。その結果、係止溝6a内からボール6bが徐々に離脱し、回転軸2に対する可動シーブ3の相対移動が規制されていた状態が解除される。
なお、前述の図1,図2では、可動シーブ3に形成された係止溝6aと、回転軸2に形成された空間2b内に保持されたボール6bおよび付勢部材6cとにより、この発明における変速比固定手段6が構成されている例を示しているが、これとは反対に、回転軸2に係止溝6aを形成し、そして可動シーブ3にボール6bおよび付勢部材6cを保持する空間を形成して、それら係止溝6aおよびボール6bならびに付勢部材6cによって変速比固定手段6を構成することもできる。
図3は、この発明におけるベルト式無段変速機の他の構成例を示している。この図3に示すベルト式無段変速機は、前述の図1,図2で示す構成例における変速比固定手段6に対して、変速比固定手段7が設けられている。具体的には、図3の拡大図に示すように、回転軸2と可動シーブ3との間に、すなわち回転軸2と可動シーブ3との互いの摺動部分に、変速比固定手段7が設けられている。この変速比固定手段7は、この図3に示す構成例では、可動シーブ3に形成された係止溝7aと、回転軸2に保持された係止部材7bと、その係止部材7bを係止溝7a側へ押圧する付勢部材7cとから構成されている。
この変速比固定手段7を構成する上記の各部材のうち、係止溝7aおよび付勢部材7cは、それぞれ、前述の係止溝6aおよび付勢部材6cと同様の構成である。一方、この図3に示す構成例における係止部材7bは、係止溝7aの溝深さ方向(図3での上下方向)に移動が可能なように回転軸2に保持されている。そしてこの係止部材7bは、例えば鉄鋼などの所定の剛性を有するブロック7bによって形成されている。
そして、このブロック7bには、可動シーブ3が所定位置から移動する場合に、係止溝7aの開口部に当接してブロック7bが係止溝7aに挿入する際およびブロック7bが係止溝7aから離脱する際のガイド面として機能する傾斜面7dが形成されている。
そのため、可動シーブ3が回転軸線AL方向に前後動する際に、ブロック7bの係止溝7aへの挿入およびブロック7bの係止溝7aからの離脱を、傾斜面7dの傾きに応じて徐々に行うことができる。その結果、可動シーブ3が回転軸線AL方向に前後動する際の、可動シーブ3の急変動あるいは急激な変動停止を防止することができる。
なお、この図3に示す構成例においても、前述の図1,図2で示した構成例と同様に、係止溝7aと係止部材7bおよび付勢部材7cとの位置関係を逆にして構成することができる。すなわち、上記の図3で示した構成例では、可動シーブ3に形成された係止溝7aと、回転軸2に形成された空間2b内に保持されたブロック7bおよび付勢部材7cとにより、この発明における変速比固定手段7が構成されている例を示しているが、これとは反対に、回転軸2に係止溝7aを形成し、そして可動シーブ3にブロック7bおよび付勢部材7cを保持する空間を形成して、それら係止溝7aおよびブロック7bならびに付勢部材7cによって変速比固定手段7を構成することもできる。
また、上述した各具体例では、プーリ1がベルト式無段変速機の駆動側のプーリであるのかもしくは従動側のプーリであるのか、すなわち、この発明におけるベルト式無段変速機の変速比固定手段が、駆動側のプーリに設けられるものかもしくは従動側のプーリに設けられるものか、具体的に区別して説明していないが、この発明におけるベルト式無段変速機の変速比固定手段は、駆動側のプーリおよび従動側のプーリのいずれか一方に設けられてもよく、もしくは、駆動側のプーリおよび従動側のプーリの両方にもうけられてもよい。例えば、この発明におけるベルト式無段変速機が、駆動側のプーリで変速比を設定する変速比制御を実行し、従動側のプーリで伝動ベルトに対するプーリの挟圧力を設定する挟圧力制御を実行するように構成されたものであった場合は、少なくとも、変速比制御を実行する駆動側のプーリに、この発明の変速比固定手段を設けることが望ましい。
以上のように、この発明に係るベルト式無段変速機1によれば、可動シーブ3が予め設定した所定位置に位置するように移動することにより、付勢部材6c(もしくは7c)によって押圧される係止部材6b(もしくは7b)が係止溝6a(もしくは7a)に嵌り込み、その結果、回転軸2に対する可動シーブ3の回転軸線AL方向における相対移動が規制される。すなわち、プーリ1の回転軸2の回転軸線AL方向における可動シーブ3の位置を、予め定めた所定位置で機械的に固定することができる。そのため、特別な変速比制御を行うことなく、ベルト式無段変速機の変速比を所望する所定の変速比に容易にかつ確実に固定することができる。例えば、ベルト式無段変速機を搭載した車両が高速で定速度かつ定負荷で走行するような場合に、ベルト式無段変速機の変速比を高速走行向きの相対的に小さな所定の変速比に容易にかつ確実に固定することができる。あるいは、ベルト式無段変速機構を備えたIVTの場合であれば、ギヤードニュートラルの状態を容易にかつ確実に設定することができる。
1…プーリ、 1a…ベルト巻き掛け溝、 2…回転軸、 3…可動シーブ、 4…固定シーブ、 5…伝動ベルト、 6,7…変速比固定手段、 6a,7a…係止溝、 6a,7b…係止部材(ボール,ブロック)、 6c,7c…付勢部材、 6d…傾斜面、 AL…回転軸線。

Claims (5)

  1. 回転軸に対してその回転軸線方向に移動可能に取り付けられた可動シーブおよび該回転軸線方向に移動不可能に取り付けられた固定シーブによってベルト巻き掛け溝を形成する2つのプーリと、前記各プーリにそれぞれ巻き掛けられてそれら各プーリ間で動力を伝達する伝動ベルトとを備え、前記可動シーブを前記回転軸線方向に前後動させて前記ベルト巻き掛け溝の溝幅を変化させることにより前記プーリに前記伝動ベルトが巻き掛かる際の巻き掛かり半径を変化させて変速比を連続的に変更するベルト式無段変速機において、
    前記回転軸線方向における予め設定した所定位置で前記回転軸に前記可動シーブを機械的に固定する変速比固定手段を備えていることを特徴とするベルト式無段変速機。
  2. 前記変速比固定手段は、前記回転軸および前記可動シーブのいずれか一方に形成された係止溝と、前記回転軸および前記可動シーブのいずれか他方に前記係止溝の深さ方向に移動可能に保持されるとともに前記可動シーブが前記所定位置に移動した場合に前記係止溝に嵌合することにより前記可動シーブ前記所定位置からの移動を規制する係止部材と、前記係止部材を前記係止溝側へ向けて押圧する付勢部材とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のベルト式無段変速機。
  3. 前記係止部材は、前記係止溝に挿入・離脱自在で、かつ自転可能に保持された球状の剛体を含むことを特徴とする請求項2に記載のベルト式無段変速機。
  4. 前記係止部材は、前記係止溝に挿入・離脱自在で、かつ前記可動シーブが前記所定位置から移動する場合に前記係止溝の開口部に当接して前記係止部材が前記係止溝に挿入する際および前記係止部材が前記係止溝から離脱する際のガイド面として機能する傾斜面が形成された剛体を含むことを特徴とする請求項2に記載のベルト式無段変速機。
  5. 前記変速比固定手段は、変速比が無限大となるギヤードニュートラルの状態で前記回転軸に前記可動シーブを機械的に固定する手段を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のベルト式無段変速機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012197850A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Jatco Ltd ロック機構を有する無段変速機用プーリ
KR101746964B1 (ko) * 2015-11-27 2017-06-13 최형진 동력 전달 장치
KR101746965B1 (ko) * 2015-11-27 2017-06-27 최형진 동력 전달 장치

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